本発明は、操作誘導機能を備えた加熱調理器に関するものである。
従来のこの種の操作誘導機能を備えた電子機器100のブロック構成図を、図9に示す。電子機器100はデータバス101を有している。このデータバス101には記憶部102が接続され、当該電子機器100の仕様書内容に匹敵する操作案内情報が記憶される。操作案内情報は当該電子機器100の操作手順を予め決めて作成したものである。
記憶部102には読み出し専用メモリ(ROM)が使用される。この記憶部102にはデータバス101を通して表示部103が接続され、記憶部102から読み出された操作案内情報が表示される。この例で、操作案内情報は、所望の機能を実現するために、一連の操作手順が階層構造を成している。表示部103には液晶表示装置(以下LCDともいう)が使用される。
この表示部103にはデータバス101を通して選択部104が接続され、表示部103に表示された操作案内情報の中から所望の項目を選択させるために、ユーザーによって操作される。この例では、当該電子機器100の所望の機能を選択させるための被選択項目が表示部103に表示され、複数の機能の中から所望の機能を選択させるために、選択部104がユーザーによって操作される。
この選択部104には、データバス101及びI/Oインターフェース部105を通して発光操作体106が接続され、この選択部104の操作によって特定の発光操作体106が光るようになっている。この例では、発光操作体106には、少なくとも、プッシュ式の押しボタン、ジョグダイアルのような回転体、カセット収納体などの蓋体、及びCDトレイのようなテーブル体が含まれる。
個々の発光操作体106には色付きの光源が取り付けられる。光源には発光ダイオードが使用される。発光ダイオードは注意を喚起するために点滅される。
従って、この点滅によって発光操作体106の取り付け位置をユーザーに知らしめることができる。しかも、表示部103にその発光操作体106の名称を表示することにより、マニュアルを読まなくても、その発光操作体106の名称と取り付け位置を認知することができる。
このデータバス101には音発生部107が接続され、点滅された部位の発光操作体106を操作することにより、例えば、「ピッ」というような確認音を鳴らす。
この確認音「ピッ」は、ユーザーに対して「確かに指定された押しボタン等が押下された」ことを確認させるためである。この押しボタンの押下操作は、次の操作案内情報を記憶部102から表示部103へ読み出すためのトリガとなっている。
なお、点滅されていない部位の発光操作体106を操作したときに、「ピッ、ピッ・・・」というような警告音を鳴らすようにしてもよい。音発生部107は「ピッ」という確認音や、「ピッ、ピッ・・・」という警告音を発生する音声処理回路107A及びこれらの確認音や警告音を発生するスピーカー107Bを有している。オーディオ機器では音声処理回路107A及びスピーカー107Bを具備しているので、これを共用してもよい。
この音発生部107にはデータバス101を通して制御部108が接続される。制御部108によって、発光操作体106の操作を確認するように音発生部107が発生制御される。制御部108にはCPU(中央演算装置)などが使用される。また、制御部108によって次の操作手順を表示するように表示部103が制御されると共に、次の操作を示す発光操作体106を光らせるように発光制御する。発光操作体106を光らせる順序は操作手順に合うように、予め記憶部102に記憶されている。
このデータバス101には、記憶部102、表示部103、選択部104、I/Oインターフェース部105、音発生部107及び制御部108の他に、モード選択部109が接続され、操作案内モード又は非操作案内モードを選択させるために操作される。ここで操作案内モードとは電子機器100の機能動作の実行に至る操作を誘導するモードをいい、非操作案内モードとは操作案内誘導を実行しないモードをいう。
この電子機器100は、通常動作時には非操作案内モードになっている。操作案内機能を使用したい時のみ、モード選択部9により操作案内モードを選択する。従って、モード選択部109により、非操作案内モードを選択する必要はない。
また、頻繁に使用しない機能を動作させるときに、電子機器100の操作方法を忘れる場合がある。また、仕様書を紛失してしまう場合がある。このような場合には、その仕様書を読み返さなくても、モード選択部109によって操作案内モードを選択することにより、操作案内機能を利用することができる。
このデータバス101には機能動作対象110が接続される。機能動作対象110とは、電子機器100によって制御される本来の機能を果す部分をいう(例えば、特許文献1参照)。例えば、加熱調理器ならば加熱源、すなわち誘導加熱コイル、シーズヒータ、ニクロム線、マグネトロンなどである。
しかしながら、前記従来の構成では、プッシュ式の押しボタン、ジョグダイアルのような回転体などの発光操作体が発光しない状態で常にユーザーの目に触れており、色付きの光源で操作可能な操作部発光体のみを発光させても、その意図に気づかないユーザーは、発光していない発光操作体を操作してしまうという課題を有していた。
また、発光しておらず有効ではない発光操作体を操作した場合には、「ピッ、ピッ・・・」というような警告音を鳴らすという誤操作の対策もなされているが、警告音は故障やタイマーの終了など、誤操作以外の報知を連想させ、ユーザーを混乱させてしまうという課題を有していた。
特開2001−51777号公報
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、誤動作を防止する加熱調理器を提供する。
そのために、本発明の加熱調理器は、機器上面に設けられたトッププレートと、トッププレート裏面に形成され所定の遮光性を有する導電性皮膜で構成された電極部を備え割り当てられた機能の実行を指示する静電式タッチキーと、電極部に交流信号を加え電極部に対向するトッププレートの部分に触れることにより生じる電極部の大地に対する静電容量の変化を検知する操作検知部と、電極部に向けトッププレートと反対の方向から光を照射する操作部発光体と、操作部発光体の発光制御をする発光制御部と、を備え、静電式タッチキーは、電極部の内側に導電性皮膜を設けない部分を導電性皮膜で囲んで形成したキー表示部を有し、発光制御部は、操作部発光体を発光させ、操作部発光体から照射された光を電極部が遮光しキー表示部が透過させることにより、前記トッププレート越しに発光した前記キー表示部が視認される構成としたものである。
これによって、操作部発光体が発光するとトッププレートにキー表示部が光って浮かび上がることにより、ユーザーは静電式タッチキーの機能と正確な操作位置を容易に識別することができる。また、操作部発光体を光らさないことでキー表示部はユーザーに見えないようにすることができる。例えば、静電式タッチキーが操作不可能な状態にある場合に、操作部発光体を光らさないようにすれば、ユーザーは点灯している静電式タッチキーのみを選択して操作することになるので誤操作を防止する。
また、操作する毎に操作部発光体の発光状態を変えるように制御することも可能である。例えば、現時点の静電式タッチキーの有効性や優先順位等に応じて電極部に設けた表示部の発光状態を変えることができる。ユーザーは、操作手順が実行される毎に切り替わりながら表示されるキー表示部で構成された案内画面表示を見ながら発光したキー表示部のあるトッププレート部分を押し下げて操作して行けば、仕様書などを読まなくとも、複数の操作手順から必要な操作手順を容易に選択し当該電子機器を正しく動作させることができる。
しかも、ユーザーの目に触れるキー表示部は電極部に形成されるので、ユーザーは見えるキー表示部自身を押し下げ操作すればよく誤操作する可能性が少なくなる。また、電極部の周囲に静電式タッチキーを光らせるための表示専用の平面的スペースを必要としない。
これにより、複数の静電式タッチキーの中から必要なものを選択して操作する場合、または静電式タッチキーの数を減らすため1つの静電式タッチキーを共用操作して複数の機能が実行できるようにした場合、ユーザーは、容易に必要な静電式タッチキーを選択して誤動作なく操作を行う事が可能になり使い勝手を向上させることができる。
図1は本発明の実施の形態1、2、3における加熱調理器を示す外観図である。
図2は本発明の実施の形態1、2、3における加熱調理器のトッププレートを示す上面図である。
図3は本発明の実施の形態1、2、3における操作部を示すブロック図である。
図4Aは導光板消灯時の操作部を示す上面図である。
図4Bは導光板消灯時の操作部を示す斜視図である。
図4Cは導光板点灯時の操作部を示す上面図である。
図4Dは導光板点灯時の操作部を示す斜視図である。
図5Aは天面操作部の一部において全ての導光板が発光した状態を示す上面図である。
図5Bは天面操作部の一部において1つの導光板が発光した状態を示す上面図である。
図5Cは天面操作部の一部において2つの導光板が発光した状態を示す上面図である。
図6Aは実施の形態2の天面操作部の一部において、全ての導光板が低輝度で発光した状態を示す上面図である。
図6Bは1つの導光板が高輝度で発光した状態を示す上面図である。
図6Cは2つの導光板が高輝度で発光した状態を示す上面図である。
図7は実施の形態3の加熱調理器における操作部を示すブロック図である。
図8Aは実施の形態3の天面操作部の一部において全ての導光板が発光し、1つの導光板が点滅した状態を示す上面図である。
図8Bは天面操作部3の一部において全ての導光板が低輝度で発光し、2つの導光板が点滅した状態を示す上面図である。
図9は従来例にあげる加熱調理器である電子機器を示すブロック構成図である。
符号の説明
2 トッププレート
3 天面操作部
4a 電源スイッチ
5,14 静電式タッチキー
5b 電極部
5c 機能表示部(キー表示部)
5d 領域表示部(キー表示部)
6 操作検知部
7 導光板(操作部発光体)
8 発光制御部
12 記憶部
13 音声発生部
15 誘導操作切替部
本発明は、機器上面に設けられたトッププレートと、トッププレート裏面に形成され所定の遮光性を有する導電性皮膜で構成された電極部を備え割り当てられた機能の実行を指示する静電式タッチキーと、電極部に交流信号を加え電極部に対向するトッププレートの部分に触れることにより生じる電極部の大地に対する静電容量の変化を検知機器の動作を指示する操作検知部と、電極部に向けトッププレートと反対の方向から光を照射する操作部発光体と、操作部発光体の発光制御をする発光制御部と、を備え、静電式タッチキーは、電極部の内側に導電性皮膜を設けない部分を導電性皮膜で囲んで形成したキー表示部を有し、発光制御部は、操作部発光体を発光させ、操作部発光体から照射された光を電極部が遮光しキー表示部が透過させることにより、前記トッププレート越しに発光した前記キー表示部が視認される構成とする。これによって、操作部発光体が発光するとトッププレートにキー表示部が光って浮かび上がることにより、ユーザーは静電式タッチキーの機能と正確な操作位置を容易に識別することができる。また、操作部発光体を光らさないことでキー表示部はユーザーに見えないようにすることができる。例えば、静電式タッチキーが操作不可能な状態にある場合に、操作部発光体を光らさないようにすれば、ユーザーは点灯している静電式タッチキーのみを選択して操作することになるので誤操作を防止する。また、操作する毎に操作部発光体の発光状態を変えるように制御することも可能である。例えば、現時点の静電式タッチキーの有効性や優先順位等に応じて電極部に設けた表示部の発光状態を変えることができる。ユーザーは、操作手順が実行される毎に切り替わりながら表示されるキー表示部で構成された案内画面表示を見ながら発光したキー表示部のあるトッププレート部分を押し下げて操作して行けば、仕様書などを読まなくとも、複数の操作手順から必要な操作手順を容易に選択し次の操作を行うことができる。ユーザーの目に触れるキー表示部は電極部に形成されるので、ユーザーは見えるキー表示部自身を押し下げ操作すればよく誤動作の可能性も少なくなる。また、電極部の周囲に静電式タッチキーを光らせるための表示専用の平面的スペースを必要としない。これにより、複数の静電式タッチキーの中から必要なものを選択して操作する場合、または静電式タッチキーの数を減らすため1つの静電式タッチキーを共用操作して複数の機能が実行できるようにした場合、ユーザーは、容易に必要な静電式タッチキーを選択して誤動作なく操作を行う事が可能になり使い勝手を向上させることができる。
また本発明は、静電式タッチキーは、トッププレートに形成された天面操作部に設けられ、天面操作部は操作部発光体が発光していない時にキー表示部の形状が見えにくくなるように着色されている。これによって、操作部発光体が発光した時の電極部のキー表示部の形状がより鮮明となり発光していないとき見えないので見栄えが良く視認性が向上する。
また本発明は、キー表示部は、枠状または環状に形成され静電式タッチキーの操作範囲を示す領域表示部を有する。これによって、操作部発光体が発光した時、静電式タッチキーの操作範囲が浮かび上がるのでユーザーはその範囲を明確に認識できる。また、領域表示部の内側の電極部は領域表示部の外側の電極部と容量結合により電気的に接続するので電極部としての作用を発揮させることができる。また、電極部の導電性被膜を印刷により形成すれば、領域表示部を見栄え良く形成することができる。
また本発明は、キー表示部は、静電式タッチキーに割り当てられた機能を表示する機能表示部を有する。これによって、操作部発光体が発光したとき、静電式タッチキーの機能を表示する機能表示部が浮かび上がるのでユーザーはその機能を明確に認識できる。また、機能表示部の上のトッププレート部分に触れると外側の電極部と指が容量結合により電気的に接続するので機能表示部の上に触れても静電式タッチキーとしての機能を得ることができる。また、導電性被膜を印刷により形成すれば、機能表示部を見栄え良く形成することができる。
また、本発明は、一連の操作手順及び操作手順に従って操作をする際の操作部発光体の発光状態を決定する操作案内情報が記憶された記憶部を備え、発光制御部は、記憶部から入力する操作案内情報に応じて操作部発光体の発光状態を変更する。これによって、選択された操作手順にしたがって、静電式タッチキーのキー表示部の発光状態を変えながら使用者の操作を導くことができる。
また、本発明は、発光制御部は、静電式タッチキーが操作可能であるとき操作部発光体を発光させ、静電式タッチキーが操作可能でないとき操作部発光体は発光させない。これによって、静電式タッチキーが操作可能でないとき操作されるおそれを無くすことができ、また操作可能である静電式タッチキーを容易に識別することができる。
また本発明は、天面操作部は、着色された結晶化セラミックで形成したトッププレートの部分で構成されてなる。これによって、天面操作部に、電極部やキー表示部を見えにくくするための着色用の印刷膜を形成する必要がない。
また本発明は、天面操作部は、トッププレート裏面に着色された印刷膜を形成する。これによって、トッププレートの材料を共通にして印刷膜の色または被膜の厚さを変えるだけで天面操作部の色や光の透過度を変えることができる。また、トッププレートに部分的に着色した窓で天面操作部を形成することが容易であり、天面操作部の窓内に静電式タッチキーを形成することにより、天面操作部の範囲を容易に識別できる。
また本発明は、天面操作部は、トッププレート裏面にハーフミラー効果を有する薄膜を形成する。これによって、トッププレートの材料を共通にしてハーフミラー膜の色または被膜の厚さを変えるだけで天面操作部の色や光の透過度、反射度を変えることができる。また、トッププレートに天面操作部として部分的に、周囲と異なる色に着色されたハーフミラー効果を有する窓を形成すること、あるいは部分的にハーフミラー効果を有する窓を着色することが容易であり、その窓内に静電式タッチキーを形成することができる。これにより天面操作部の範囲を容易に識別できる。
また本発明は、電極部のトッププレート側の色と操作部発光体を光らせていない時の電極部側の操作部発光体の色を同色にする。これによって、操作部発光体を光らせていない時は電極部とのトッププレート側の色が同色であるため、キー表示部はユーザーには見えにくく、当該静電式タッチキーが操作される可能性が少なく、また見栄えがよくなる。操作可能な操作部の操作部発光体が点灯した時は、キー表示部が明るく発光するため、キー表示部の文字、図、または記号などの形状が見えるようになる。
また本発明は、発光制御部は、操作可能な静電式タッチキーが操作可能であるときの操作部発光体を所定の輝度1で発光させ、操作可能でない静電式タッチキーの操作部発光体は輝度1より低い輝度2で発光させる。これによって、静電式タッチキーが操作可能でないとき操作される可能性を少なくすることができ、また操作可能である静電式タッチキーを識別し易くすることができる。
また本発明は、発光制御部は、静電式タッチキーが操作可能であるとき操作部発光体を所定の周期1で点滅し、静電式タッチキーが操作可能でないとき操作部発光体は周期1より長い周期2で点滅する。これによって、静電式タッチキーが操作可能でないとき操作される可能性を少なくすることができ、また操作可能である静電式タッチキーを識別し易くすることができる。
また本発明は、音声発生部を備え、操作部発光体の発光状態の意図する内容を説明する音声を音声発生部が発生する。これによって、ユーザーは視覚、聴覚の両方から次の操作の情報を得ることができ、容易にかつ正確に次の操作を行うことができる。
また本発明は、記憶部の操作案内情報に基づく操作部発光体の発光制御を行わない事を指示する誘導操作切替部を備え、誘導操作切替部が発光制御を行わない事を指示している場合は、少なくともいずれかの静電式タッチキーの操作が有効であるとき発光制御部は全ての静電式タッチキーの操作部発光体を発光させ、静電式タッチキーの機能及び位置をユーザーに知らせる。これによって、すべての操作部発光体の位置と機能を把握することができるので、従来のような操作方法で加熱調理を行うこともできるようになる。
また本発明は、静電式タッチキーが操作されると、発光制御部は操作部発光体の点滅をして、操作を受け付けたことをユーザーに知らせる。これによって、ユーザーは、ユーザーの操作を受け付けたことを操作部発光体が点滅することより視覚的に確認することができ、入力操作が受け付けられたことを確認できずに、同じ操作を何度も行うという無駄な操作を防ぐことができる。
また本発明は、他の静電式タッチキーが操作可能でないロック状態にある場合に操作されるとロック状態が解除され他の静電式タッチキーが操作可能な状態に移行するための静電式タッチキーであるロック解除キーと、投入することにより全ての静電式タッチキーが操作できない状態から、ロック状態に移行する電源スイッチを有し、電源スイッチが投入されると、所定時間所定の複数の静電式タッチキーの操作部発光体が発光した後、消灯しかつロック解除キーを照射する操作部発光体のみが発光し、その後ロック状態が解除されるとロック解除キーを照射する操作部発光体は発光しない。これにより、静電式タッチキーが消灯する前に機器がどういう機能を持っているかをユーザーに知らせることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって、本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における加熱調理器の外観図である。
図1において、この加熱調理器の主たる構成要素は、被加熱物(図示せず)を載置するため加熱調理器の機器上面に設けられ、光透過性を有する結晶化セラミックからなる耐熱ガラスなど、耐熱性が高い電気絶縁物で板状に形成されたトッププレート2、トッププレート2下面に形成された印刷膜で円状に表示された加熱部1、加熱部1の手前側のトッププレート2に形成された天面操作部3、加熱調理器の機器前面に配置された出没可能なカンガルー操作部4である。加熱部1の下方の機器内部には、加熱部1と対向するように設けられ高周波磁界を発生する誘導加熱コイル(図示せず)が設けられる。
トッププレート2に関しては、少なくとも天面操作部3は黒色に着色され他は全体が銀色に着色されている。天面操作部3は着色するため光透過性の低い色の印刷膜がトッププレート2の裏面に形成されており、トッププレート2下にある発光体が発光している時はその光が見えるが、消灯している時は発光体が見えにくい構造になっている。なお、着色する方法はこれに限定されない。印刷膜を形成する代わりに、例えばハーフミラー効果を有する蒸着膜を形成しても良く、着色膜を形成する代わりにトッププレート2の材料、例えば結晶化セラミック、自身が着色されていてもよい。この場合には、天面操作部3に、電極部5bやキー表示部5c、5dを見えにくくするための着色用の印刷膜を形成する必要がない。天面操作部3は図1のように窓を形成してトッププレート2の他の部分と色が異なっていても良いし、同一でもよい。例えばトッププレート2全体が濃い茶色でその一部を天面操作部3としてもよい。この場合には、天面操作部3を明るい線の枠を印刷して囲って表示してもよい。天面操作部3を示す窓の表示はなくても良い。天面操作部3を示す窓が存在する場合には、ユーザーは静電式タッチキー5のある範囲を容易に識別することができる。
図2は実施の形態1の加熱調理器のトッププレート2を上から見た図を示すものであり、図3は本発明の加熱調理器の実施の形態1の操作部のブロック図である。
図3において、操作部の主な構成要素は、指5aで押下操作されるトッププレート2の部分の下面に電極部5bを有する静電式タッチキー5、操作検知部6、電極部5bの下部から上方に向け光を照射する操作部発光体である導光板7、発光制御部8である。さらに、記憶部12を有し、加熱調理器の仕様書内容に匹敵する操作手順の情報である操作案内情報が記憶されている。この発光制御部8は記憶部12に記憶されている操作案内情報に従って、導光板7の発光を制御する。
静電式タッチキー5は、トッププレート2上の被加熱物(図示せず)を載置する面と対向する面、すなわちトッププレート2の裏面にある電極部5bと、トッププレート2を挟んで被加熱物(図示せず)載置面に触れられた指5aとで、コンデンサを形成する。電極部5bには、操作検知部6内の発振回路(図示せず)により高周波電圧が印加されている。
操作検知部6は、指5aが電極部5b上方のトッププレート2上面に触れたときに、高周波電流をトッププレート2、指5aを通して大地にバイパスし、電極部5bと共通電位間のインピーダンスが減少することにより電極部5bに現れる電圧が所定以上低下することを検知して、静電式タッチキー5に対する操作が行われたことを検知している。
図4Aは導光板7消灯時の天面操作部3を示す上面図、図4Bは導光板7消灯時の天面操作部3を示す斜視図、図4Cは導光板7点灯時の天面操作部3を示す上面図、図4Dは導光板7点灯時の天面操作部3を示す斜視図である。
電極部5bは、銅箔などの光透過性の低い金属膜や黒色の導電性を有する導電性塗料など所定の遮光性を有する導電性皮膜で形成されているため、導光板7が発光してもトッププレート2上面に光が透過する事がないまたは透過しにくくなるようにすることができる。そこで、図4B、4Dの電極部5bに示すように、トッププレート2上に発光させて表示したい図形部分のみ導電性皮膜を取り除いてキー表示部5c、5dを形成し、キー表示部5c、5dを光が透過できるようにしている。なお、図4B、4Dで電極部5bのハチングを付した部分はキー表示部5c、5dであり、その部分の導電性皮膜が取り除かれていることを示す。
電極部5b上の静電式タッチキー5が存在するトッププレート2の部分である天面操作部3は、トッププレート2の裏面に光透過性の低い色(例えば、黒色、濃い茶色、濃い赤色等)で印刷膜を形成してあるので、図4Bに示すように導光板7が消灯している場合は、図4Aに示すようにトッププレート2の上面には何も見えない。図4Dに示すように導光板7が発光すると、電極部5bの導電性皮膜部分は、光が透過せずトッププレート2の色のままであるが、キー表示部5c、5dは、導光板7の照射する光が透過して天面操作部3を構成する光透過性を有するトッププレート2と印刷膜をさらに透過するので、図4Cのようにキーの模様が浮かび上がり視認できる。なお、図4C、4Dでトッププレート2のハッチングを付した部分は、その部分が光っていることを示す。
これにより、静電式タッチキー5は下に配置する導光板7を点灯することで、静電式タッチキー5自体が発光したように見せている。
なお、図4A〜4Dを使った説明では、電極部5bから導電性皮膜を取り除いた部分であるキー表示部5c、5dを仮にそれぞれ三角、枠形状とし、このような形がトッププレート2の上面に見えるとした。しかしこれは、説明を分かりやすくするための一例であって、実際には図5A〜5C、6A〜6C、8A、8Bに示すように、キー表示部5c、5dは、枠の形状に導電性皮膜を取り除いた領域表示部5dと、様々な文字、記号または図形の形に金属を取り除いて形成した機能表示部5cとで構成されている。したがって、このような静電式タッチキー5に割り当てられた機能を表示する機能表示部5cと静電式タッチキー5の操作範囲を示す領域表示部5dがトッププレート2の上面に見えるようにする。
そして、トッププレート2の一部の区域に配設された天面操作部3には、図4A〜4Dで説明したような静電式タッチキー5が複数(図2に示す例では14個)横に並んでそれぞれ同数の導光板7と組み合わされて設けられている。
従って、この天面操作部3を構成する静電式タッチキー5に含まれる導光板7が発光すると、天面操作部3であるトッププレート2の上面には、図2に示すような機能表示部5cの文字と領域表示部5dの枠が発光して見える。また、この天面操作部3が形成されているトッププレート2の部分は、光透過性の低い色の印刷膜が形成されているので、導光板7が点灯しない時には、天面操作板3が形成されたトッププレート2の部分の上面には何も見えない。なお、導光板7が点灯しない時には、天面操作板3が形成されたトッププレート2の部分の上面には何も見えないようにする代わりにキー表示部5c、5dが見えにくくなるようにしてもよい。
図5Aは天面操作部3の一部において全ての導光板7が発光した状態を示す上面図、図5Bは同じく天面操作部3の一部において1つの導光板7が発光した状態を示す上面図、図5Cは同じく天面操作部3の一部において2つの導光板7が発光した状態を示す上面図である。静電式タッチキー5aa〜5ggは、各機能に対応した静電式タッチキー5を示している。
特に、静電式タッチキー5ggはロック解除キー(以後、「ロック解除キー5g」ともいう)であり、ロック状態にあり他のキーの操作が不可となっている機器のロック状態を解除するために使われる。静電式タッチキー5ccは揚物開始キー(以後、「揚物開始キー5cc」ともいう)であり、ロック解除状態の時、被加熱物(図示せず)である鍋内の油温を所定の温度に保つように加熱出力を制御する揚物調理を開始する場合に用いる。静電式タッチキー5ffは加熱開始キー(以後、「加熱開始キー5ff」ともいう)であり、ロック解除状態の時、揚物以外の加熱を開始する場合に用いる。
以上のように構成された加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。
まず、電源スイッチ4aにより電源の投入または遮断が行われる。電源スイッチ4aは信頼性を高めるため例えば機械式接点のものが用いられ、図1に示すように機器前面に設けるか、機器上面、あるいはカンガルー操作部4等に配設される。電源スイッチ4aにより電源オフの状態となると、全ての静電式タッチキー5aa〜5ggは操作不可能状態となる。電源スイッチ4aによる電源投入後の所低時間(例えば数秒間)は、機器がどういう機能を持っているかをユーザーに知らせるために、図5Aのように全ての静電式タッチキー5aa〜5ggが点灯する(実際には静電式タッチキー5aa〜5ggの下の導光板7が点灯しているが、静電式タッチキー5aa〜5gg自身が点灯しているように見え、このように説明する)。上記所定時間後、加熱調理器はロック状態に移行し、図5Bに示すようにロック解除キー5ggのみが点灯する。この時、使用可能なキーはロック解除キー5ggのみである。ユーザーがロック解除キー5ggを操作すると、操作検知部6は、ロック解除キー5ggの操作を検知し、ロック解除キー5ggが操作された事を、発光制御部8に知らせる。
発光制御部8は、ロック状態からロック解除キー5ggが押された場合はロック解除状態となり、記憶部12に記憶されている操作案内情報に従って、揚物開始キー5ccと加熱開始キー5ffのみが操作可能であることを判定する。そして、発光制御部8は、図5Cに示すように、ロック解除キー5ggを消灯し、揚物開始キー5ccと加熱開始キー5ffを点灯させるように導光板7を制御する。そして、揚物開始キー5ccと加熱開始キー5ffのいずれかを操作すると、それぞれに割り当てられた機能を発揮するように、加熱コイルによる加熱部1での加熱動作が開始される。
静電式タッチキー5の発光するキー表示部5c、5dを押し下げ操作することにより、操作命令を受け付けるので、受け付けたときにキー表示部5c、5dを点滅するとよい。操作を受け付けたことをユーザーは視覚的に確認することができるので、入力操作が受け付けられたことを確認できずに、同じ操作を何度も行うという無駄な操作を防ぐことができる。
ユーザーは、はじめのロック状態では、点灯しているロック解除キー5ggを操作し、次にロックが解除されると、現れた揚物開始キー5ccと加熱開始キー5ffを操作するといったように、操作可能なキーが天面操作部3を見るだけで理解できるので、操作仕様書を見ながら操作をする必要がなくなる。また、操作可能な静電式タッチキー5のみが点灯するので、その他の無効なキーを操作する誤操作がなくなる。
また、キー表示部を構成する枠状に形成され静電式タッチキーの操作範囲を示す領域表示部5dを有するので、導光体7が発光した時、静電式タッチキー5の操作範囲が浮かび上がり、ユーザーはその範囲を明確に認識できる。また、領域表示部5dの内側の電極部5bは領域表示部5dの外側の電極部5bと容量結合により電気的に接続するので、操作検知部6から高周波電圧を領域表示部5dの外側の電極部5bに加えても、領域表示部5dの内側の電極部5bも電極部としての作用を発揮させることができる。また、導電性被膜を印刷により形成すれば、領域表示部5dを見栄え良く形成することができる。領域表示部5dの形状は、枠状に限定されない。例えば環状に形成しても良いし、連続的な線で形成する必要はなく破線のような形状にしても良い。
キー表示部は、静電式タッチキー5に割り当てられた機能を表示する機能表示部5cを有するので、導光体7が発光したとき、静電式タッチキー5の機能を表示する機能表示部5cが浮かび上がるのでユーザーはその機能を明確に認識できる。また、機能表示部5cの上のトッププレート2に触れるとその外側の電極部5bと指が容量結合により電気的に接続するので機能表示部5cの上に触れても静電式タッチキー5としての機能を得ることができる。また、電極部5bの導電性被膜を印刷により形成すれば、機能表示部5cを見栄え良く形成することができる。
また、ユーザーの目に触れるキー表示部5c、5dは電極部5bに形成されるので、ユーザーは見えるキー表示部自身5c、5dを押し下げ操作すればよく誤動作の可能性も少なくなる。また、電極部5bの周囲に静電式タッチキー5を光らせるための表示専用の平面的スペースを必要としない。これにより、複数の静電式タッチキー5の中から必要なものを選択して操作する場合、または静電式タッチキー5の数を減らすため1つの静電式タッチキー5を共用操作して複数の機能が実行できるようにした場合、ユーザーは、容易に必要な静電式タッチキー5を選択して誤動作なく操作を行う事が可能になり使い勝手を向上させることができる。
なお、電源スイッチ4aによる電源投入後の所低時間、上記のように全ての静電式タッチキー5aa〜5ggが点灯するように構成する代わりに、所定の静電式タッチキー、例えば、使用頻度の高い機能あるいは重要な機能に関係する静電式タッチキーを選択して表示しても良い。
なお、本発明の実施の形態1において、加熱調理器の一種である高周波電流を誘導加熱コイルに供給して被加熱物を高周波磁界により誘導加熱する誘導加熱調理器により説明したが、トッププレートを上面に配置し、ガス、ハロゲン、ニクロム線、またはシーズヒータなど他の熱源を利用して加熱調理を行う加熱調理器にも同様に適用できる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2の加熱調理器の主要な外観と構成は、図1〜3と同様であり、図1〜3を兼用して詳細な説明を省略する。
図6Aは、実施の形態2の加熱調理機の天面操作部3の一部において、全ての導光板7が所定の低い輝度である輝度2で発光した状態を示す上面図、図6Bは1つの導光板7が輝度2よりも高い所定の輝度である輝度1で発光した状態を示す上面図、図6Cは2つの導光板7が所定の高い輝度である輝度1で発光した状態を示す上面図である。静電式タッチキー11aa〜11ggは、各機能に対応した静電式タッチキー5を示している。
特に、静電式タッチキー11ggはロック解除キー(以後、「ロック解除キー11gg」ともいう)であり、ロック状態にあり、他のキーの操作が不可となっている機器のロックを解除するために使われる。静電式タッチキー11ccは揚物開始キー(以後、「揚物開始キー11cc」ともいう)であり、ロック解除状態の時、揚物調理を開始する場合に用いる。静電式タッチキー11ffは加熱開始キー(以後、「加熱開始キー11ff」ともいう)であり、ロック解除状態の時、揚物調理以外の加熱を開始する場合に用いる。さらに、記憶部12を有し、加熱調理器の仕様書内容に匹敵する操作手順の情報である操作案内情報が記憶されている。そして、発光制御部8は操作可能な静電式タッチキー5の導光体7を所定の高輝度である輝度1で発光させ、操作不可能の導光体7は輝度1よりも低い所定の輝度である輝度2で発光させるように制御する。この発光制御部8は記憶部12に記憶されている操作案内情報に従って、導光板7の発光を制御する。
以上のように構成された加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。
まず、加熱調理器は、電源投入後の所定時間は、機器がどういう機能を持っているかをユーザーに知らせるために、図6Aのように全てのキー11aa〜11ggが同じ低い所定の輝度である輝度2で点灯する。なお、この場合、輝度2より高い輝度である輝度1で点灯してもよい。輝度2で点灯すると優先順位の低い表示であることをユーザーに認識させることができる。
上記所定時間後、加熱調理器はロック状態に移行し、図6Bのようにロック解除キー11ggのみが所定の高輝度である輝度1で点灯する。この時、使用可能なキーはロック解除キー11ggのみである。ユーザーがロック解除キー11ggを操作すると、操作検知部6は、ロック解除キー11ggの操作を検知し、ロック解除キー11ggが操作された事を、発光制御部8に知らせる。発光制御部8は、ロック状態からロック解除キー11ggが押された場合はロック解除状態となり、記憶部12に記憶されている操作案内情報に従って、揚物開始キー11ccと加熱開始キー11ffのみが操作可能であることを判定する。そして図6Cに示すように、ロック解除キー11ggを元の輝度2に戻し、揚物開始キー11ccと加熱開始キー11ffを高輝度である輝度1で点灯させる。さらに、それ以外のキーを、揚物開始キー11ccと加熱開始キー11ffを点灯している輝度よりも低い輝度である輝度2にするように、導光板7を制御する。
ユーザーは、はじめのロック状態では、高輝度(輝度1)で点灯しているロック解除キー11ggを操作し、次にロックが解除されると、高輝度(輝度1)で点灯しはじめた揚物開始キー11ccまたは加熱開始キー11ffを操作するといったように、操作可能な静電式タッチキー5が天面操作部3を見るだけで理解できるので、操作仕様書を見ながら操作をする必要がなくなる。また、操作可能な静電式タッチキー5のみが高輝度(輝度1)で点灯するので、その他の無効なキーを操作する誤操作が少なくなる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3の加熱調理器の主要な外観と構成は、図1〜3と同様であり、図1〜3を兼用して詳細な説明を省略する。
図7は本発明の加熱調理器の実施の形態3の操作部のブロック図である。
図7において、操作部の主な構成要素は、加熱調理器の操作手順を記憶する記憶部12、音声発生部13、指14aによって押下操作される電極部14bを有する静電式タッチキー14、誘導操作切替部15である。
静電式タッチキー14は、トッププレート2上の被加熱物(図示せず)を載置する面と対向する面にある電極部14bと、トッププレート2を挟んで被加熱物(図示せず)載置面にある指14aとで、コンデンサを形成している。電極部14bには、高周波電圧が印加されている。
操作検知部6は、指14aが電極部14b上方のトッププレート2上面に触れたときに、発振回路(図示せず)により高周波電圧をトッププレート2、指14aを通して大地にバイパスし、電極部14bと上記発振回路の共通電位間のインピーダンスが減少することにより電極部14bに現れる電圧が所定以上低下することを検知して、操作が行われたことを検知している。
以上のように構成された加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。
図8Aは、実施の形態3の加熱調理器の天面操作部3の一部において、全ての導光板7が高輝度で発光し、1つの導光板7が点滅した状態を示す上面図、図8Bは全ての導光板7が低輝度で発光し、2つの導光板7が点滅した状態を示す上面図である。
静電式タッチキー14ggはロック解除キー(以後、「ロック解除キー15gg」ともいう)であり、ロック状態にあり、他のキーの操作が不可となっている機器のロック状態を解除するために使われる。静電式タッチキー14ccは、揚物開始キー(以後、「揚物開始キー14cc」ともいう)であり、ロック解除状態の時、揚物調理を開始する場合に用いる。静電式タッチキー14ffは加熱開始キー(以後、「加熱開始キー14ff」ともいう)であり、ロック解除状態の時、揚物調理以外の加熱を開始する場合に用いる。
揚物開始キー14ccと加熱開始キー14ffでは、使用頻度は加熱開始キー14ffの方が高く、操作の誘導は加熱開始キー14ffを優先する。それぞれの状態でどのキーが操作可能であり、複数のキーが操作可能な場合はどのキーが使用頻度が高く、誘導を優先的に行うかといった情報は記憶部12に予め記憶されている。
加熱調理器において、図8Aに示すロック状態の場合、発光制御装置8は操作可能なキーがロック解除キー14ggである事を記憶部12より受け取り、ロック解除キー14ggのみが0.5s周期で点滅するよう、導光板7を制御する。更に、発光制御部8は、音声発生部13にユーザーに操作を促すメッセージの発生指令を出し、音声発生部13からメッセージが発生される。
なおこの時、図8Aに示すように、機器がどういう機能を持っているかをユーザーに知らせるために一定時間全ての静電式タッチキーが点灯する。しかしながら、このような実施の形態に限るものではなく、必ずしも全ての静電式タッチキーが点灯しなくても構わない。
ユーザーがロック解除キー14ggを操作すると、操作検知部6はロック解除キー14ggの操作を検知し、ロック解除キー14ggが操作された事を、発光制御部8に知らせる。発光制御部8は、ロック状態からロック解除キー14ggが押された場合は、ロック解除状態となり、揚物開始キー14ccと加熱開始キー14ffのみが操作可能であることを判定し、ロック解除キー14ggの点滅状態を解除する。その後、発光制御部8は操作可能なキーが揚物開始キー14ccと加熱開始キー14ffであること、その中でも加熱開始キー14ffを優先的に誘導することを記憶部12より受け取る。そして、図8Bに示すように揚物開始キー14ccは1.0秒周期、加熱開始キー14fは0.5秒周期というように、点滅周期を変えて点滅するよう、導光板7を制御する。更に、発光制御部8は、音声発生部13にユーザーに操作を促すメッセージ、または導光体7の発光状態(この場合は点滅周期の差)の意図する内容を説明するメッセージの発生指令を出し、音声発生部13から対応するメッセージが発生される。音声発生部13からの補足説明のメッセージにより容易にかつ正確に次の操作を行うことができる。
なおこの時、図8Bに示すように、揚物開始キー14ccと加熱開始キー14ff以外の静電式タッチキーが低輝度で点灯する。しかしながら、このような実施の形態に限るものではなく、必ずしも低輝度で点灯しなくても構わない。
ユーザーは点滅周期の早いキーを優先的に操作する事を、天面操作部3を見るだけで理解できるので、操作仕様書を見ながら操作をする必要がなくなる。また、操作可能な静電式タッチキー14のみが点滅するので、その他の無効なキーを操作する、誤操作が少なくなる。
また、ユーザーが誘導操作切替部15を操作して、誘導操作を無効にした場合は、図5Aに示すように、全ての静電式タッチキーは機器の状態に関わらず点灯したままとなり、誘導操作を行わない。ユーザーがキーの機能と操作方法を習得した場合は、誘導操作を行わない事で、キーの点滅など誘導操作をわずらわしいと考えるユーザーの要望に対応することができる。誘導操作切替部15は、図示していないが加熱調理器の外面に設けられる。例えば、カンガルー操作部に誘導操作切替部15としてのスイッチを設けても良いし、他の部分に設けても良くその形態は特に限定されない。
以上の実施の形態では、トッププレート2には結晶化セラミックなどで形成された耐熱ガラスを用いたが、透明樹脂を用いても良い。トッププレート2に印刷膜を形成して着色することに代え、トッププレー2トにハーフミラー加工の印刷膜や蒸着膜を形成することにより、または電極部5bのトッププレート2側の色と導光板7の消灯時の色を同色としても、同様に導光板7の消灯時にキー表示部が見えにくくなるようにすることができる。
本発明の加熱調理器の操作部は、上面にトッププレートを備えた誘導加熱調理器に特に有用であるが、その他のガスやハロゲンなどの熱源を備えた加熱調理器の操作部として利用できる。ユーザーは製品の仕様書を見なくとも次にどの操作をすればいいのかがわかるので、スムーズな操作が可能になる。また、無効な静電式タッチキーはユーザーの目に触れないので、誤操作を減らす事ができる。さらに、通常は静電式タッチキーが見えず、使用時のみ静電式タッチキーが現れるので、操作部分のデザイン性が改善する。
本発明は、操作誘導機能を備えた加熱調理器に関するものである。
従来のこの種の操作誘導機能を備えた電子機器100のブロック構成図を、図9に示す。電子機器100はデータバス101を有している。このデータバス101には記憶部102が接続され、当該電子機器100の仕様書内容に匹敵する操作案内情報が記憶される。操作案内情報は当該電子機器100の操作手順を予め決めて作成したものである。
記憶部102には読み出し専用メモリ(ROM)が使用される。この記憶部102にはデータバス101を通して表示部103が接続され、記憶部102から読み出された操作案内情報が表示される。この例で、操作案内情報は、所望の機能を実現するために、一連の操作手順が階層構造を成している。表示部103には液晶表示装置(以下LCDともいう)が使用される。
この表示部103にはデータバス101を通して選択部104が接続され、表示部103に表示された操作案内情報の中から所望の項目を選択させるために、ユーザーによって操作される。この例では、当該電子機器100の所望の機能を選択させるための被選択項目が表示部103に表示され、複数の機能の中から所望の機能を選択させるために、選択部104がユーザーによって操作される。
この選択部104には、データバス101及びI/Oインターフェース部105を通して発光操作体106が接続され、この選択部104の操作によって特定の発光操作体106が光るようになっている。この例では、発光操作体106には、少なくとも、プッシュ式の押しボタン、ジョグダイアルのような回転体、カセット収納体などの蓋体、及びCDトレイのようなテーブル体が含まれる。
個々の発光操作体106には色付きの光源が取り付けられる。光源には発光ダイオードが使用される。発光ダイオードは注意を喚起するために点滅される。
従って、この点滅によって発光操作体106の取り付け位置をユーザーに知らしめることができる。しかも、表示部103にその発光操作体106の名称を表示することにより、マニュアルを読まなくても、その発光操作体106の名称と取り付け位置を認知することができる。
このデータバス101には音発生部107が接続され、点滅された部位の発光操作体106を操作することにより、例えば、「ピッ」というような確認音を鳴らす。
この確認音「ピッ」は、ユーザーに対して「確かに指定された押しボタン等が押下された」ことを確認させるためである。この押しボタンの押下操作は、次の操作案内情報を記憶部102から表示部103へ読み出すためのトリガとなっている。
なお、点滅されていない部位の発光操作体106を操作したときに、「ピッ、ピッ・・・」というような警告音を鳴らすようにしてもよい。音発生部107は「ピッ」という確認音や、「ピッ、ピッ・・・」という警告音を発生する音声処理回路107A及びこれらの確認音や警告音を発生するスピーカー107Bを有している。オーディオ機器では音声処理回路107A及びスピーカー107Bを具備しているので、これを共用してもよい。
この音発生部107にはデータバス101を通して制御部108が接続される。制御部108によって、発光操作体106の操作を確認するように音発生部107が発生制御される。制御部108にはCPU(中央演算装置)などが使用される。また、制御部108によって次の操作手順を表示するように表示部103が制御されると共に、次の操作を示す発光操作体106を光らせるように発光制御する。発光操作体106を光らせる順序は操作手順に合うように、予め記憶部102に記憶されている。
このデータバス101には、記憶部102、表示部103、選択部104、I/Oインターフェース部105、音発生部107及び制御部108の他に、モード選択部109が接続され、操作案内モード又は非操作案内モードを選択させるために操作される。ここで操作案内モードとは電子機器100の機能動作の実行に至る操作を誘導するモードをいい、非操作案内モードとは操作案内誘導を実行しないモードをいう。
この電子機器100は、通常動作時には非操作案内モードになっている。操作案内機能を使用したい時のみ、モード選択部9により操作案内モードを選択する。従って、モード選択部109により、非操作案内モードを選択する必要はない。
また、頻繁に使用しない機能を動作させるときに、電子機器100の操作方法を忘れる場合がある。また、仕様書を紛失してしまう場合がある。このような場合には、その仕様書を読み返さなくても、モード選択部109によって操作案内モードを選択することにより、操作案内機能を利用することができる。
このデータバス101には機能動作対象110が接続される。機能動作対象110とは、電子機器100によって制御される本来の機能を果す部分をいう(例えば、特許文献1参照)。例えば、加熱調理器ならば加熱源、すなわち誘導加熱コイル、シーズヒータ、ニクロム線、マグネトロンなどである。
しかしながら、前記従来の構成では、プッシュ式の押しボタン、ジョグダイアルのような回転体などの発光操作体が発光しない状態で常にユーザーの目に触れており、色付きの光源で操作可能な操作部発光体のみを発光させても、その意図に気づかないユーザーは、発光していない発光操作体を操作してしまうという課題を有していた。
また、発光しておらず有効ではない発光操作体を操作した場合には、「ピッ、ピッ・・・」というような警告音を鳴らすという誤操作の対策もなされているが、警告音は故障やタイマーの終了など、誤操作以外の報知を連想させ、ユーザーを混乱させてしまうという課題を有していた。
特開2001−51777号公報
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、誤動作を防止する加熱調理器を提供する。
そのために、本発明の加熱調理器は、機器上面に設けられたトッププレートと、トッププレート裏面に形成され所定の遮光性を有する導電性皮膜で構成された電極部を備え割り当てられた機能の実行を指示する静電式タッチキーと、電極部に交流信号を加え電極部に対向するトッププレートの部分に触れることにより生じる電極部の大地に対する静電容量の変化を検知する操作検知部と、電極部に向けトッププレートと反対の方向から光を照射する操作部発光体と、操作部発光体の発光制御をする発光制御部と、を備え、静電式タッチキーは、電極部の内側に導電性皮膜を設けない部分を導電性皮膜で囲んで形成したキー表示部を有し、発光制御部は、操作部発光体を発光させ、操作部発光体から照射された光を電極部が遮光しキー表示部が透過させることにより、前記トッププレート越しに発光した前記キー表示部が視認される構成としたものである。
これによって、操作部発光体が発光するとトッププレートにキー表示部が光って浮かび上がることにより、ユーザーは静電式タッチキーの機能と正確な操作位置を容易に識別することができる。また、操作部発光体を光らさないことでキー表示部はユーザーに見えないようにすることができる。例えば、静電式タッチキーが操作不可能な状態にある場合に、操作部発光体を光らさないようにすれば、ユーザーは点灯している静電式タッチキーのみを選択して操作することになるので誤操作を防止する。
また、操作する毎に操作部発光体の発光状態を変えるように制御することも可能である。例えば、現時点の静電式タッチキーの有効性や優先順位等に応じて電極部に設けた表示部の発光状態を変えることができる。ユーザーは、操作手順が実行される毎に切り替わりながら表示されるキー表示部で構成された案内画面表示を見ながら発光したキー表示部のあるトッププレート部分を押し下げて操作して行けば、仕様書などを読まなくとも、複数の操作手順から必要な操作手順を容易に選択し当該電子機器を正しく動作させることができる。
しかも、ユーザーの目に触れるキー表示部は電極部に形成されるので、ユーザーは見えるキー表示部自身を押し下げ操作すればよく誤操作する可能性が少なくなる。また、電極部の周囲に静電式タッチキーを光らせるための表示専用の平面的スペースを必要としない。
これにより、複数の静電式タッチキーの中から必要なものを選択して操作する場合、または静電式タッチキーの数を減らすため1つの静電式タッチキーを共用操作して複数の機能が実行できるようにした場合、ユーザーは、容易に必要な静電式タッチキーを選択して誤動作なく操作を行う事が可能になり使い勝手を向上させることができる。
本発明は、機器上面に設けられたトッププレートと、トッププレート裏面に形成され所定の遮光性を有する導電性皮膜で構成された電極部を備え割り当てられた機能の実行を指示する静電式タッチキーと、電極部に交流信号を加え電極部に対向するトッププレートの部分に触れることにより生じる電極部の大地に対する静電容量の変化を検知機器の動作を指示する操作検知部と、電極部に向けトッププレートと反対の方向から光を照射する操作部発光体と、操作部発光体の発光制御をする発光制御部と、を備え、静電式タッチキーは、電極部の内側に導電性皮膜を設けない部分を導電性皮膜で囲んで形成したキー表示部を有し、発光制御部は、操作部発光体を発光させ、操作部発光体から照射された光を電極部が遮光しキー表示部が透過させることにより、前記トッププレート越しに発光した前記キー表示部が視認される構成とする。これによって、操作部発光体が発光するとトッププレートにキー表示部が光って浮かび上がることにより、ユーザーは静電式タッチキーの機能と正確な操作位置を容易に識別することができる。また、操作部発光体を光らさないことでキー表示部はユーザーに見えないようにすることができる。例えば、静電式タッチキーが操作不可能な状態にある場合に、操作部発光体を光らさないようにすれば、ユーザーは点灯している静電式タッチキーのみを選択して操作することになるので誤操作を防止する。また、操作する毎に操作部発光体の発光状態を変えるように制御することも可能である。例えば、現時点の静電式タッチキーの有効性や優先順位等に応じて電極部に設けた表示部の発光状態を変えることができる。ユーザーは、操作手順が実行される毎に切り替わりながら表示されるキー表示部で構成された案内画面表示を見ながら発光したキー表示部のあるトッププレート部分を押し下げて操作して行けば、仕様書などを読まなくとも、複数の操作手順から必要な操作手順を容易に選択し次の操作を行うことができる。ユーザーの目に触れるキー表示部は電極部に形成されるので、ユーザーは見えるキー表示部自身を押し下げ操作すればよく誤動作の可能性も少なくなる。また、電極部の周囲に静電式タッチキーを光らせるための表示専用の平面的スペースを必要としない。これにより、複数の静電式タッチキーの中から必要なものを選択して操作する場合、または静電式タッチキーの数を減らすため1つの静電式タッチキーを共用操作して複数の機能が実行できるようにした場合、ユーザーは、容易に必要な静電式タッチキーを選択して誤動作なく操作を行う事が可能になり使い勝手を向上させることができる。
また本発明は、静電式タッチキーは、トッププレートに形成された天面操作部に設けられ、天面操作部は操作部発光体が発光していない時にキー表示部の形状が見えにくくなるように着色されている。これによって、操作部発光体が発光した時の電極部のキー表示部の形状がより鮮明となり発光していないとき見えないので見栄えが良く視認性が向上する。
また本発明は、キー表示部は、枠状または環状に形成され静電式タッチキーの操作範囲を示す領域表示部を有する。これによって、操作部発光体が発光した時、静電式タッチキーの操作範囲が浮かび上がるのでユーザーはその範囲を明確に認識できる。また、領域表示部の内側の電極部は領域表示部の外側の電極部と容量結合により電気的に接続するので電極部としての作用を発揮させることができる。また、電極部の導電性被膜を印刷により形成すれば、領域表示部を見栄え良く形成することができる。
また本発明は、キー表示部は、静電式タッチキーに割り当てられた機能を表示する機能表示部を有する。これによって、操作部発光体が発光したとき、静電式タッチキーの機能を表示する機能表示部が浮かび上がるのでユーザーはその機能を明確に認識できる。また、機能表示部の上のトッププレート部分に触れると外側の電極部と指が容量結合により電気的に接続するので機能表示部の上に触れても静電式タッチキーとしての機能を得ることができる。また、導電性被膜を印刷により形成すれば、機能表示部を見栄え良く形成することができる。
また、本発明は、一連の操作手順及び操作手順に従って操作をする際の操作部発光体の発光状態を決定する操作案内情報が記憶された記憶部を備え、発光制御部は、記憶部から入力する操作案内情報に応じて操作部発光体の発光状態を変更する。これによって、選択された操作手順にしたがって、静電式タッチキーのキー表示部の発光状態を変えながら使用者の操作を導くことができる。
また、本発明は、発光制御部は、静電式タッチキーが操作可能であるとき操作部発光体を発光させ、静電式タッチキーが操作可能でないとき操作部発光体は発光させない。これによって、静電式タッチキーが操作可能でないとき操作されるおそれを無くすことができ、また操作可能である静電式タッチキーを容易に識別することができる。
また本発明は、天面操作部は、着色された結晶化セラミックで形成したトッププレートの部分で構成されてなる。これによって、天面操作部に、電極部やキー表示部を見えにくくするための着色用の印刷膜を形成する必要がない。
また本発明は、天面操作部は、トッププレート裏面に着色された印刷膜を形成する。これによって、トッププレートの材料を共通にして印刷膜の色または被膜の厚さを変えるだけで天面操作部の色や光の透過度を変えることができる。また、トッププレートに部分的に着色した窓で天面操作部を形成することが容易であり、天面操作部の窓内に静電式タッチキーを形成することにより、天面操作部の範囲を容易に識別できる。
また本発明は、天面操作部は、トッププレート裏面にハーフミラー効果を有する薄膜を形成する。これによって、トッププレートの材料を共通にしてハーフミラー膜の色または被膜の厚さを変えるだけで天面操作部の色や光の透過度、反射度を変えることができる。また、トッププレートに天面操作部として部分的に、周囲と異なる色に着色されたハーフミラー効果を有する窓を形成すること、あるいは部分的にハーフミラー効果を有する窓を着色することが容易であり、その窓内に静電式タッチキーを形成することができる。これにより天面操作部の範囲を容易に識別できる。
また本発明は、電極部のトッププレート側の色と操作部発光体を光らせていない時の電極部側の操作部発光体の色を同色にする。これによって、操作部発光体を光らせていない時は電極部とのトッププレート側の色が同色であるため、キー表示部はユーザーには見えにくく、当該静電式タッチキーが操作される可能性が少なく、また見栄えがよくなる。操作可能な操作部の操作部発光体が点灯した時は、キー表示部が明るく発光するため、キー表示部の文字、図、または記号などの形状が見えるようになる。
また本発明は、発光制御部は、操作可能な静電式タッチキーが操作可能であるときの操作部発光体を所定の輝度1で発光させ、操作可能でない静電式タッチキーの操作部発光体は輝度1より低い輝度2で発光させる。これによって、静電式タッチキーが操作可能でないとき操作される可能性を少なくすることができ、また操作可能である静電式タッチキーを識別し易くすることができる。
また本発明は、発光制御部は、静電式タッチキーが操作可能であるとき操作部発光体を所定の周期1で点滅し、静電式タッチキーが操作可能でないとき操作部発光体は周期1より長い周期2で点滅する。これによって、静電式タッチキーが操作可能でないとき操作される可能性を少なくすることができ、また操作可能である静電式タッチキーを識別し易くすることができる。
また本発明は、音声発生部を備え、操作部発光体の発光状態の意図する内容を説明する音声を音声発生部が発生する。これによって、ユーザーは視覚、聴覚の両方から次の操作の情報を得ることができ、容易にかつ正確に次の操作を行うことができる。
また本発明は、記憶部の操作案内情報に基づく操作部発光体の発光制御を行わない事を指示する誘導操作切替部を備え、誘導操作切替部が発光制御を行わない事を指示している場合は、少なくともいずれかの静電式タッチキーの操作が有効であるとき発光制御部は全ての静電式タッチキーの操作部発光体を発光させ、静電式タッチキーの機能及び位置をユーザーに知らせる。これによって、すべての操作部発光体の位置と機能を把握することができるので、従来のような操作方法で加熱調理を行うこともできるようになる。
また本発明は、静電式タッチキーが操作されると、発光制御部は操作部発光体の点滅をして、操作を受け付けたことをユーザーに知らせる。これによって、ユーザーは、ユーザーの操作を受け付けたことを操作部発光体が点滅することより視覚的に確認することができ、入力操作が受け付けられたことを確認できずに、同じ操作を何度も行うという無駄な操作を防ぐことができる。
また本発明は、他の静電式タッチキーが操作可能でないロック状態にある場合に操作されるとロック状態が解除され他の静電式タッチキーが操作可能な状態に移行するための静電式タッチキーであるロック解除キーと、投入することにより全ての静電式タッチキーが操作できない状態から、ロック状態に移行する電源スイッチを有し、電源スイッチが投入されると、所定時間所定の複数の静電式タッチキーの操作部発光体が発光した後、消灯しかつロック解除キーを照射する操作部発光体のみが発光し、その後ロック状態が解除されるとロック解除キーを照射する操作部発光体は発光しない。これにより、静電式タッチキーが消灯する前に機器がどういう機能を持っているかをユーザーに知らせることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって、本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における加熱調理器の外観図である。
図1において、この加熱調理器の主たる構成要素は、被加熱物(図示せず)を載置するため加熱調理器の機器上面に設けられ、光透過性を有する結晶化セラミックからなる耐熱ガラスなど、耐熱性が高い電気絶縁物で板状に形成されたトッププレート2、トッププレート2下面に形成された印刷膜で円状に表示された加熱部1、加熱部1の手前側のトッププレート2に形成された天面操作部3、加熱調理器の機器前面に配置された出没可能なカンガルー操作部4である。加熱部1の下方の機器内部には、加熱部1と対向するように設けられ高周波磁界を発生する誘導加熱コイル(図示せず)が設けられる。
トッププレート2に関しては、少なくとも天面操作部3は黒色に着色され他は全体が銀色に着色されている。天面操作部3は着色するため光透過性の低い色の印刷膜がトッププレート2の裏面に形成されており、トッププレート2下にある発光体が発光している時はその光が見えるが、消灯している時は発光体が見えにくい構造になっている。なお、着色する方法はこれに限定されない。印刷膜を形成する代わりに、例えばハーフミラー効果を有する蒸着膜を形成しても良く、着色膜を形成する代わりにトッププレート2の材料、例えば結晶化セラミック、自身が着色されていてもよい。この場合には、天面操作部3に、電極部5bやキー表示部5c、5dを見えにくくするための着色用の印刷膜を形成する必要がない。天面操作部3は図1のように窓を形成してトッププレート2の他の部分と色が異なっていても良いし、同一でもよい。例えばトッププレート2全体が濃い茶色でその一部を天面操作部3としてもよい。この場合には、天面操作部3を明るい線の枠を印刷して囲って表示してもよい。天面操作部3を示す窓の表示はなくても良い。天面操作部3を示す窓が存在する場合には、ユーザーは静電式タッチキー5のある範囲を容易に識別することができる。
図2は実施の形態1の加熱調理器のトッププレート2を上から見た図を示すものであり、図3は本発明の加熱調理器の実施の形態1の操作部のブロック図である。
図3において、操作部の主な構成要素は、指5aで押下操作されるトッププレート2の部分の下面に電極部5bを有する静電式タッチキー5、操作検知部6、電極部5bの下部から上方に向け光を照射する操作部発光体である導光板7、発光制御部8である。さらに、記憶部12を有し、加熱調理器の仕様書内容に匹敵する操作手順の情報である操作案内情報が記憶されている。この発光制御部8は記憶部12に記憶されている操作案内情報に従って、導光板7の発光を制御する。
静電式タッチキー5は、トッププレート2上の被加熱物(図示せず)を載置する面と対向する面、すなわちトッププレート2の裏面にある電極部5bと、トッププレート2を挟んで被加熱物(図示せず)載置面に触れられた指5aとで、コンデンサを形成する。電極部5bには、操作検知部6内の発振回路(図示せず)により高周波電圧が印加されている。
操作検知部6は、指5aが電極部5b上方のトッププレート2上面に触れたときに、高周波電流をトッププレート2、指5aを通して大地にバイパスし、電極部5bと共通電位間のインピーダンスが減少することにより電極部5bに現れる電圧が所定以上低下することを検知して、静電式タッチキー5に対する操作が行われたことを検知している。
図4Aは導光板7消灯時の天面操作部3を示す上面図、図4Bは導光板7消灯時の天面操作部3を示す斜視図、図4Cは導光板7点灯時の天面操作部3を示す上面図、図4Dは導光板7点灯時の天面操作部3を示す斜視図である。
電極部5bは、銅箔などの光透過性の低い金属膜や黒色の導電性を有する導電性塗料など所定の遮光性を有する導電性皮膜で形成されているため、導光板7が発光してもトッププレート2上面に光が透過する事がないまたは透過しにくくなるようにすることができる。そこで、図4B、4Dの電極部5bに示すように、トッププレート2上に発光させて表示したい図形部分のみ導電性皮膜を取り除いてキー表示部5c、5dを形成し、キー表示部5c、5dを光が透過できるようにしている。なお、図4B、4Dで電極部5bのハチングを付した部分はキー表示部5c、5dであり、その部分の導電性皮膜が取り除かれていることを示す。
電極部5b上の静電式タッチキー5が存在するトッププレート2の部分である天面操作部3は、トッププレート2の裏面に光透過性の低い色(例えば、黒色、濃い茶色、濃い赤色等)で印刷膜を形成してあるので、図4Bに示すように導光板7が消灯している場合は、図4Aに示すようにトッププレート2の上面には何も見えない。図4Dに示すように導光板7が発光すると、電極部5bの導電性皮膜部分は、光が透過せずトッププレート2の色のままであるが、キー表示部5c、5dは、導光板7の照射する光が透過して天面操作部3を構成する光透過性を有するトッププレート2と印刷膜をさらに透過するので、図4Cのようにキーの模様が浮かび上がり視認できる。なお、図4C、4Dでトッププレート2のハッチングを付した部分は、その部分が光っていることを示す。
これにより、静電式タッチキー5は下に配置する導光板7を点灯することで、静電式タッチキー5自体が発光したように見せている。
なお、図4A〜4Dを使った説明では、電極部5bから導電性皮膜を取り除いた部分であるキー表示部5c、5dを仮にそれぞれ三角、枠形状とし、このような形がトッププレート2の上面に見えるとした。しかしこれは、説明を分かりやすくするための一例であって、実際には図5A〜5C、6A〜6C、8A、8Bに示すように、キー表示部5c、5dは、枠の形状に導電性皮膜を取り除いた領域表示部5dと、様々な文字、記号または図形の形に金属を取り除いて形成した機能表示部5cとで構成されている。したがって、このような静電式タッチキー5に割り当てられた機能を表示する機能表示部5cと静電式タッチキー5の操作範囲を示す領域表示部5dがトッププレート2の上面に見えるようにする。
そして、トッププレート2の一部の区域に配設された天面操作部3には、図4A〜4Dで説明したような静電式タッチキー5が複数(図2に示す例では14個)横に並んでそれぞれ同数の導光板7と組み合わされて設けられている。
従って、この天面操作部3を構成する静電式タッチキー5に含まれる導光板7が発光すると、天面操作部3であるトッププレート2の上面には、図2に示すような機能表示部5cの文字と領域表示部5dの枠が発光して見える。また、この天面操作部3が形成されているトッププレート2の部分は、光透過性の低い色の印刷膜が形成されているので、導光板7が点灯しない時には、天面操作板3が形成されたトッププレート2の部分の上面には何も見えない。なお、導光板7が点灯しない時には、天面操作板3が形成されたトッププレート2の部分の上面には何も見えないようにする代わりにキー表示部5c、5dが見えにくくなるようにしてもよい。
図5Aは天面操作部3の一部において全ての導光板7が発光した状態を示す上面図、図5Bは同じく天面操作部3の一部において1つの導光板7が発光した状態を示す上面図、図5Cは同じく天面操作部3の一部において2つの導光板7が発光した状態を示す上面図である。静電式タッチキー5aa〜5ggは、各機能に対応した静電式タッチキー5を示している。
特に、静電式タッチキー5ggはロック解除キー(以後、「ロック解除キー5g」ともいう)であり、ロック状態にあり他のキーの操作が不可となっている機器のロック状態を解除するために使われる。静電式タッチキー5ccは揚物開始キー(以後、「揚物開始キー5cc」ともいう)であり、ロック解除状態の時、被加熱物(図示せず)である鍋内の油温を所定の温度に保つように加熱出力を制御する揚物調理を開始する場合に用いる。静電式タッチキー5ffは加熱開始キー(以後、「加熱開始キー5ff」ともいう)であり、ロック解除状態の時、揚物以外の加熱を開始する場合に用いる。
以上のように構成された加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。
まず、電源スイッチ4aにより電源の投入または遮断が行われる。電源スイッチ4aは信頼性を高めるため例えば機械式接点のものが用いられ、図1に示すように機器前面に設けるか、機器上面、あるいはカンガルー操作部4等に配設される。電源スイッチ4aにより電源オフの状態となると、全ての静電式タッチキー5aa〜5ggは操作不可能状態となる。電源スイッチ4aによる電源投入後の所低時間(例えば数秒間)は、機器がどういう機能を持っているかをユーザーに知らせるために、図5Aのように全ての静電式タッチキー5aa〜5ggが点灯する(実際には静電式タッチキー5aa〜5ggの下の導光板7が点灯しているが、静電式タッチキー5aa〜5gg自身が点灯しているように見え、このように説明する)。上記所定時間後、加熱調理器はロック状態に移行し、図5Bに示すようにロック解除キー5ggのみが点灯する。この時、使用可能なキーはロック解除キー5ggのみである。ユーザーがロック解除キー5ggを操作すると、操作検知部6は、ロック解除キー5ggの操作を検知し、ロック解除キー5ggが操作された事を、発光制御部8に知らせる。
発光制御部8は、ロック状態からロック解除キー5ggが押された場合はロック解除状態となり、記憶部12に記憶されている操作案内情報に従って、揚物開始キー5ccと加熱開始キー5ffのみが操作可能であることを判定する。そして、発光制御部8は、図5Cに示すように、ロック解除キー5ggを消灯し、揚物開始キー5ccと加熱開始キー5ffを点灯させるように導光板7を制御する。そして、揚物開始キー5ccと加熱開始キー5ffのいずれかを操作すると、それぞれに割り当てられた機能を発揮するように、加熱コイルによる加熱部1での加熱動作が開始される。
静電式タッチキー5の発光するキー表示部5c、5dを押し下げ操作することにより、操作命令を受け付けるので、受け付けたときにキー表示部5c、5dを点滅するとよい。操作を受け付けたことをユーザーは視覚的に確認することができるので、入力操作が受け付けられたことを確認できずに、同じ操作を何度も行うという無駄な操作を防ぐことができる。
ユーザーは、はじめのロック状態では、点灯しているロック解除キー5ggを操作し、次にロックが解除されると、現れた揚物開始キー5ccと加熱開始キー5ffを操作するといったように、操作可能なキーが天面操作部3を見るだけで理解できるので、操作仕様書を見ながら操作をする必要がなくなる。また、操作可能な静電式タッチキー5のみが点灯するので、その他の無効なキーを操作する誤操作がなくなる。
また、キー表示部を構成する枠状に形成され静電式タッチキーの操作範囲を示す領域表示部5dを有するので、導光体7が発光した時、静電式タッチキー5の操作範囲が浮かび上がり、ユーザーはその範囲を明確に認識できる。また、領域表示部5dの内側の電極部5bは領域表示部5dの外側の電極部5bと容量結合により電気的に接続するので、操作検知部6から高周波電圧を領域表示部5dの外側の電極部5bに加えても、領域表示部5dの内側の電極部5bも電極部としての作用を発揮させることができる。また、導電性被膜を印刷により形成すれば、領域表示部5dを見栄え良く形成することができる。領域表示部5dの形状は、枠状に限定されない。例えば環状に形成しても良いし、連続的な線で形成する必要はなく破線のような形状にしても良い。
キー表示部は、静電式タッチキー5に割り当てられた機能を表示する機能表示部5cを有するので、導光体7が発光したとき、静電式タッチキー5の機能を表示する機能表示部5cが浮かび上がるのでユーザーはその機能を明確に認識できる。また、機能表示部5cの上のトッププレート2に触れるとその外側の電極部5bと指が容量結合により電気的に接続するので機能表示部5cの上に触れても静電式タッチキー5としての機能を得ることができる。また、電極部5bの導電性被膜を印刷により形成すれば、機能表示部5cを見栄え良く形成することができる。
また、ユーザーの目に触れるキー表示部5c、5dは電極部5bに形成されるので、ユーザーは見えるキー表示部自身5c、5dを押し下げ操作すればよく誤動作の可能性も少なくなる。また、電極部5bの周囲に静電式タッチキー5を光らせるための表示専用の平面的スペースを必要としない。これにより、複数の静電式タッチキー5の中から必要なものを選択して操作する場合、または静電式タッチキー5の数を減らすため1つの静電式タッチキー5を共用操作して複数の機能が実行できるようにした場合、ユーザーは、容易に必要な静電式タッチキー5を選択して誤動作なく操作を行う事が可能になり使い勝手を向上させることができる。
なお、電源スイッチ4aによる電源投入後の所低時間、上記のように全ての静電式タッチキー5aa〜5ggが点灯するように構成する代わりに、所定の静電式タッチキー、例えば、使用頻度の高い機能あるいは重要な機能に関係する静電式タッチキーを選択して表示しても良い。
なお、本発明の実施の形態1において、加熱調理器の一種である高周波電流を誘導加熱コイルに供給して被加熱物を高周波磁界により誘導加熱する誘導加熱調理器により説明したが、トッププレートを上面に配置し、ガス、ハロゲン、ニクロム線、またはシーズヒータなど他の熱源を利用して加熱調理を行う加熱調理器にも同様に適用できる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2の加熱調理器の主要な外観と構成は、図1〜3と同様であり、図1〜3を兼用して詳細な説明を省略する。
図6Aは、実施の形態2の加熱調理機の天面操作部3の一部において、全ての導光板7が所定の低い輝度である輝度2で発光した状態を示す上面図、図6Bは1つの導光板7が輝度2よりも高い所定の輝度である輝度1で発光した状態を示す上面図、図6Cは2つの導光板7が所定の高い輝度である輝度1で発光した状態を示す上面図である。静電式タッチキー11aa〜11ggは、各機能に対応した静電式タッチキー5を示している。
特に、静電式タッチキー11ggはロック解除キー(以後、「ロック解除キー11gg」ともいう)であり、ロック状態にあり、他のキーの操作が不可となっている機器のロックを解除するために使われる。静電式タッチキー11ccは揚物開始キー(以後、「揚物開始キー11cc」ともいう)であり、ロック解除状態の時、揚物調理を開始する場合に用いる。静電式タッチキー11ffは加熱開始キー(以後、「加熱開始キー11ff」ともいう)であり、ロック解除状態の時、揚物調理以外の加熱を開始する場合に用いる。さらに、記憶部12を有し、加熱調理器の仕様書内容に匹敵する操作手順の情報である操作案内情報が記憶されている。そして、発光制御部8は操作可能な静電式タッチキー5の導光体7を所定の高輝度である輝度1で発光させ、操作不可能の導光体7は輝度1よりも低い所定の輝度である輝度2で発光させるように制御する。この発光制御部8は記憶部12に記憶されている操作案内情報に従って、導光板7の発光を制御する。
以上のように構成された加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。
まず、加熱調理器は、電源投入後の所定時間は、機器がどういう機能を持っているかをユーザーに知らせるために、図6Aのように全てのキー11aa〜11ggが同じ低い所定の輝度である輝度2で点灯する。なお、この場合、輝度2より高い輝度である輝度1で点灯してもよい。輝度2で点灯すると優先順位の低い表示であることをユーザーに認識させることができる。
上記所定時間後、加熱調理器はロック状態に移行し、図6Bのようにロック解除キー11ggのみが所定の高輝度である輝度1で点灯する。この時、使用可能なキーはロック解除キー11ggのみである。ユーザーがロック解除キー11ggを操作すると、操作検知部6は、ロック解除キー11ggの操作を検知し、ロック解除キー11ggが操作された事を、発光制御部8に知らせる。発光制御部8は、ロック状態からロック解除キー11ggが押された場合はロック解除状態となり、記憶部12に記憶されている操作案内情報に従って、揚物開始キー11ccと加熱開始キー11ffのみが操作可能であることを判定する。そして図6Cに示すように、ロック解除キー11ggを元の輝度2に戻し、揚物開始キー11ccと加熱開始キー11ffを高輝度である輝度1で点灯させる。さらに、それ以外のキーを、揚物開始キー11ccと加熱開始キー11ffを点灯している輝度よりも低い輝度である輝度2にするように、導光板7を制御する。
ユーザーは、はじめのロック状態では、高輝度(輝度1)で点灯しているロック解除キー11ggを操作し、次にロックが解除されると、高輝度(輝度1)で点灯しはじめた揚物開始キー11ccまたは加熱開始キー11ffを操作するといったように、操作可能な静電式タッチキー5が天面操作部3を見るだけで理解できるので、操作仕様書を見ながら操作をする必要がなくなる。また、操作可能な静電式タッチキー5のみが高輝度(輝度1)で点灯するので、その他の無効なキーを操作する誤操作が少なくなる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3の加熱調理器の主要な外観と構成は、図1〜3と同様であり、図1〜3を兼用して詳細な説明を省略する。
図7は本発明の加熱調理器の実施の形態3の操作部のブロック図である。
図7において、操作部の主な構成要素は、加熱調理器の操作手順を記憶する記憶部12、音声発生部13、指14aによって押下操作される電極部14bを有する静電式タッチキー14、誘導操作切替部15である。
静電式タッチキー14は、トッププレート2上の被加熱物(図示せず)を載置する面と対向する面にある電極部14bと、トッププレート2を挟んで被加熱物(図示せず)載置面にある指14aとで、コンデンサを形成している。電極部14bには、高周波電圧が印加されている。
操作検知部6は、指14aが電極部14b上方のトッププレート2上面に触れたときに、発振回路(図示せず)により高周波電圧をトッププレート2、指14aを通して大地にバイパスし、電極部14bと上記発振回路の共通電位間のインピーダンスが減少することにより電極部14bに現れる電圧が所定以上低下することを検知して、操作が行われたことを検知している。
以上のように構成された加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。
図8Aは、実施の形態3の加熱調理器の天面操作部3の一部において、全ての導光板7が高輝度で発光し、1つの導光板7が点滅した状態を示す上面図、図8Bは全ての導光板7が低輝度で発光し、2つの導光板7が点滅した状態を示す上面図である。
静電式タッチキー14ggはロック解除キー(以後、「ロック解除キー15gg」ともいう)であり、ロック状態にあり、他のキーの操作が不可となっている機器のロック状態を解除するために使われる。静電式タッチキー14ccは、揚物開始キー(以後、「揚物開始キー14cc」ともいう)であり、ロック解除状態の時、揚物調理を開始する場合に用いる。静電式タッチキー14ffは加熱開始キー(以後、「加熱開始キー14ff」ともいう)であり、ロック解除状態の時、揚物調理以外の加熱を開始する場合に用いる。
揚物開始キー14ccと加熱開始キー14ffでは、使用頻度は加熱開始キー14ffの方が高く、操作の誘導は加熱開始キー14ffを優先する。それぞれの状態でどのキーが操作可能であり、複数のキーが操作可能な場合はどのキーが使用頻度が高く、誘導を優先的に行うかといった情報は記憶部12に予め記憶されている。
加熱調理器において、図8Aに示すロック状態の場合、発光制御装置8は操作可能なキーがロック解除キー14ggである事を記憶部12より受け取り、ロック解除キー14ggのみが0.5s周期で点滅するよう、導光板7を制御する。更に、発光制御部8は、音声発生部13にユーザーに操作を促すメッセージの発生指令を出し、音声発生部13からメッセージが発生される。
なおこの時、図8Aに示すように、機器がどういう機能を持っているかをユーザーに知らせるために一定時間全ての静電式タッチキーが点灯する。しかしながら、このような実施の形態に限るものではなく、必ずしも全ての静電式タッチキーが点灯しなくても構わない。
ユーザーがロック解除キー14ggを操作すると、操作検知部6はロック解除キー14ggの操作を検知し、ロック解除キー14ggが操作された事を、発光制御部8に知らせる。発光制御部8は、ロック状態からロック解除キー14ggが押された場合は、ロック解除状態となり、揚物開始キー14ccと加熱開始キー14ffのみが操作可能であることを判定し、ロック解除キー14ggの点滅状態を解除する。その後、発光制御部8は操作可能なキーが揚物開始キー14ccと加熱開始キー14ffであること、その中でも加熱開始キー14ffを優先的に誘導することを記憶部12より受け取る。そして、図8Bに示すように揚物開始キー14ccは1.0秒周期、加熱開始キー14fは0.5秒周期というように、点滅周期を変えて点滅するよう、導光板7を制御する。更に、発光制御部8は、音声発生部13にユーザーに操作を促すメッセージ、または導光体7の発光状態(この場合は点滅周期の差)の意図する内容を説明するメッセージの発生指令を出し、音声発生部13から対応するメッセージが発生される。音声発生部13からの補足説明のメッセージにより容易にかつ正確に次の操作を行うことができる。
なおこの時、図8Bに示すように、揚物開始キー14ccと加熱開始キー14ff以外の静電式タッチキーが低輝度で点灯する。しかしながら、このような実施の形態に限るものではなく、必ずしも低輝度で点灯しなくても構わない。
ユーザーは点滅周期の早いキーを優先的に操作する事を、天面操作部3を見るだけで理解できるので、操作仕様書を見ながら操作をする必要がなくなる。また、操作可能な静電式タッチキー14のみが点滅するので、その他の無効なキーを操作する、誤操作が少なくなる。
また、ユーザーが誘導操作切替部15を操作して、誘導操作を無効にした場合は、図5Aに示すように、全ての静電式タッチキーは機器の状態に関わらず点灯したままとなり、誘導操作を行わない。ユーザーがキーの機能と操作方法を習得した場合は、誘導操作を行わない事で、キーの点滅など誘導操作をわずらわしいと考えるユーザーの要望に対応することができる。誘導操作切替部15は、図示していないが加熱調理器の外面に設けられる。例えば、カンガルー操作部に誘導操作切替部15としてのスイッチを設けても良いし、他の部分に設けても良くその形態は特に限定されない。
以上の実施の形態では、トッププレート2には結晶化セラミックなどで形成された耐熱ガラスを用いたが、透明樹脂を用いても良い。トッププレート2に印刷膜を形成して着色することに代え、トッププレー2トにハーフミラー加工の印刷膜や蒸着膜を形成することにより、または電極部5bのトッププレート2側の色と導光板7の消灯時の色を同色としても、同様に導光板7の消灯時にキー表示部が見えにくくなるようにすることができる。
本発明の加熱調理器の操作部は、上面にトッププレートを備えた誘導加熱調理器に特に有用であるが、その他のガスやハロゲンなどの熱源を備えた加熱調理器の操作部として利用できる。ユーザーは製品の仕様書を見なくとも次にどの操作をすればいいのかがわかるので、スムーズな操作が可能になる。また、無効な静電式タッチキーはユーザーの目に触れないので、誤操作を減らす事ができる。さらに、通常は静電式タッチキーが見えず、使用時のみ静電式タッチキーが現れるので、操作部分のデザイン性が改善する。
本発明の実施の形態1、2、3における加熱調理器を示す外観図
本発明の実施の形態1、2、3における加熱調理器のトッププレートを示す上面図
本発明の実施の形態1、2、3における操作部を示すブロック図
導光板消灯時の操作部を示す上面図
導光板消灯時の操作部を示す斜視図
導光板点灯時の操作部を示す上面図
導光板点灯時の操作部を示す斜視図
天面操作部の一部において全ての導光板が発光した状態を示す上面図
天面操作部の一部において1つの導光板が発光した状態を示す上面図
天面操作部の一部において2つの導光板が発光した状態を示す上面図
実施の形態2の天面操作部の一部において、全ての導光板が低輝度で発光した状態を示す上面図
1つの導光板が高輝度で発光した状態を示す上面図
2つの導光板が高輝度で発光した状態を示す上面図
実施の形態3の加熱調理器における操作部を示すブロック図
実施の形態3の天面操作部の一部において全ての導光板が発光し、1つの導光板が点滅した状態を示す上面図
天面操作部3の一部において全ての導光板が低輝度で発光し、2つの導光板が点滅した状態を示す上面図
従来例にあげる加熱調理器である電子機器を示すブロック構成図
符号の説明
2 トッププレート
3 天面操作部
4a 電源スイッチ
5,14 静電式タッチキー
5b 電極部
5c 機能表示部(キー表示部)
5d 領域表示部(キー表示部)
6 操作検知部
7 導光板(操作部発光体)
8 発光制御部
12 記憶部
13 音声発生部
15 誘導操作切替部