JPWO2008013182A1 - オキシアルキレン重合体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
)。
また、ポリオキシアルキレン鎖とトリアルコキシシリル基を有する重合体を硬化成分として含む硬化性組成物は、硬化速度が速く、かつ架橋密度が高いため速硬化性の接着剤、コーティング剤、シーリング材として有用である(特許文献2参照。)。
ウレタン重合触媒の一般的なものとして、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート等の有機錫化合物(例えば下記特許文献4)や、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン等の有機アミンやその他塩等が挙げられる。その他、ビスマス、コバルト、鉄などの金属塩化合物が挙げられる。
(Si(−X1)a(−R1)3−a)−Q1−NCO ・・・(1)
[式中、X1は炭素数1〜6のアルコキシ基を表し、R1は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価の有機基を表し、Q1は炭素数1〜20の2価の有機基を表し、aは1〜3の整数を表す。ただし、R1が複数存在するとき複数のR1は互いに同一でも異なっていてもよく、X1が複数存在するとき複数のX1は互いに同一でも異なっていてもよい。]
前記水酸基含有重合体(pP)に対して、前記有機錫触媒(S)の使用量が10ppm〜150ppmであることが好ましい。
前記一般式(1)におけるaが3であることが好ましい。
前記水酸基含有重合体(pP)の水酸基の総数に対する前記イソシアネート基含有化合物(U)のイソシアネート基の総数のモル比(イソシアネート基/水酸基)が0.80〜1.10であることが好ましい。
前記水酸基含有重合体(pP)の数平均分子量が、水酸基1個あたりの分子量として、1000〜20000が好ましい。
前記水酸基含有重合体(pP)が、複合金属シアン化物錯体の存在下、活性水素原子を有する化合物にアルキレンオキシドを開環重合させて得た水酸基含有重合体であることが好ましい。
前記ウレタン化反応させる工程が、反応温度50〜150℃かつ不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。
本発明で用いられる水酸基含有重合体(pP)はポリオキシアルキレン鎖と水酸基を有する重合体である。
水酸基含有重合体(pP)におけるポリオキシアルキレン鎖は、炭素数2〜6のアルキレンオキシドの開環重合により形成されたオキシアルキレンの重合単位からなるのが好ましい。具体的には、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、およびヘキシレンオキシドからなる群から選ばれる1種以上のアルキレンオキシドの開環重合により形成されたオキシアルキレンの重合単位からなるのがより好ましい。プロピレンオキシドの開環重合により形成されたオキシアルキレンの重合単位からなるのが特に好ましい。ポリオキシアルキレン鎖が2種以上のオキシアルキレンの重合単位からなる場合、2種以上のオキシアルキレンの重合単位の並び方は、ブロック状であってもよくランダム状であってもよい。
本発明における数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりテトラヒドロフランを移動相として測定される標準ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)を意味する。
水酸基含有重合体(pP)の数平均分子量が上記範囲であると、得られるオキシアルキレン重合体(P)の分子量が粘度と硬化物の機械物性の点で良好な範囲となる。
複合金属シアン化物錯体は、有機配位子を有する複合金属シアン化物錯体が好ましい。有機配位子は、エーテル系配位子またはアルコール系配位子が好ましい。エーテル系配位子の具体例としては、エチレングリコールジメチルエーテル(グライム)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)、トリエチレングリコールジメチルエーテルが挙げられる。アルコール系配位子の具体例としては、tert−ブチルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、iso−ブチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、iso−ペンチルアルコール、エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテルが挙げられる。
複合金属シアン化物錯体としては、亜鉛ヘキサシアノコバルテートが特に好ましい。
活性水素原子を有する有機化合物の具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、水素化ビスフェノールA、ネオペンチルグリコール、ポリブタジエングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、アリルアルコール、メタリルアルコール、グリセリン、トリメチロールメタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等のアルコール類;ポリオキシプロピレンモノオール、ポリオキシプロピレンジオール、ポリオキシプロピレントリオール、ポリオキシエチレンモノオール、ポリオキシエチレンジオール、およびポリオキシエチレントリオールからなる群から選ばれるMn300〜1500の重合体状アルコールが挙げられる。
本発明で用いられるイソシアネート基含有化合物(U)は下記一般式(1)で表される化合物である。式中のaは1〜3の整数である。
(Si(−X1)a(−R1)3−a)−Q1−NCO ・・・(1)
式(1)中、R1は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価の有機基である。
R1は、炭素数8以下のアルキル基、炭素数8以下のフルオロアルキル基又はフェニル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基又はフェニル基であることがより好ましい。同一分子中にR1が複数存在するときは、それら複数のR1は互いに同一でも異なっていてもよい。
式(1)中、Q1は炭素数1〜20の2価の有機基を表す。炭素数1〜10のアルキレン基が好ましく、入手容易性の観点から、トリメチレン基、メチレン基がより好ましい。
(Si(−X1)3)−Q1−NCO ・・・(2)
式(2)におけるX1およびQ1は、その好ましい態様も含めて、それぞれ式(1)におけるのと同じである。
またイソシアネート基含有化合物(U−2)として、上式(1)におけるaが2で、かつQ1がメチレン基であるものも好ましい。
該イソシアネート基含有化合物(U−1)、(U−2)を用いると、速硬化性に優れたオキシアルキレン重合体(P)が得られる。
イソシアネート基含有化合物(U−2)の具体例としては、1−イソシアネートメチルジメトキシメチルシランが挙げられる。
2価の有機錫触媒(S)としては、2価錫の有機カルボン酸塩が好ましく、ジアルキル酸錫(II)がより好ましい。具体例としては、ビス(2−エチルヘキサン酸)錫、ジ(n−オクチル酸)錫、ジドデカン酸錫、ジテトラデカン酸錫、ジヘキサデカン酸錫、ジオクタデカン酸錫、ジナフテン酸錫、ビス(2−エチルドデカン酸)錫、ビス(9−メチル−2−プロピルデカン酸)錫、ビス(8−メチル−2−プロピルデカン酸)錫、ビス(7−メチル−2−プロピルデカン酸)錫、ビス(6−メチル−2−プロピルデカン酸)錫、ビス(5−メチル−2−プロピルデカン酸)錫、ビス(4−メチル−2−プロピルデカン酸)錫、ビス(3−メチル−2−プロピルデカン酸)錫、ビス(2−プロピルノナデカン酸)錫、ビス(2−ブチルオクタン酸)錫、ビス(2−ヘキシルデカン酸)錫、ビス(2−デシルテトラデカン酸)錫、ビス(2−オクチルドデカン酸)錫が挙げられる。
2価の有機錫触媒(S)は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
特に、ビス(2−エチルヘキサン酸)錫またはジ(n−オクチル酸)錫が好ましい。
本発明の製造方法は、上記水酸基含有重合体(pP)と、イソシアネート基含有化合物(U)を、2価の有機錫触媒(S)の存在下で、ウレタン化反応させる工程を有する。
例えば、水酸基含有重合体(pP)に有機錫触媒(S)を添加して撹拌した後、イソシアネート基含有化合物(U)を加え、所定の反応温度に保持してウレタン化反応させる。
また、水酸基含有重合体(pP)にイソシアネート基含有化合物(U)を添加して攪拌した後、有機錫触媒(S)を加え、所定の反応温度に保持してウレタン化反応させてもよい。
該ウレタン化反応の反応温度は20〜200℃が好ましく、50〜150℃が特に好ましい。ウレタン化反応は、不活性ガス雰囲気下、好ましくは窒素ガス雰囲気下に行うのが好ましい。該ウレタン化反応の反応時間は1〜15時間が好ましい。
該ウレタン化反応により、オキシアルキレン重合体(P)が得られる。具体的には「水酸基含有重合体(pP)のポリオキシアルキレン鎖に、ウレタン結合を介して反応性ケイ素基が導入されたオキシアルキレン重合体(P)」が得られる。該反応性ケイ素基は、イソシアネート基含有化合物(U)の「−Si(−X1)a(−R1)3−a」に対応する基である。具体的には、ポリオキシアルキレン鎖に、イソシアネート基含有化合物(U)に由来する「(Si(−X1)a(−R1)3−a)−Q1−NHCOO−」が結合しているオキシアルキレン重合体(P)が得られる。
オキシアルキレン重合体(P)は、その側鎖又は末端における置換基に反応性ケイ素基を有する。末端における置換基に反応性ケイ素基を有することがより好ましい。
また、水酸基含有重合体(pP)として前記水酸基含有重合体(pP−1)を用いる場合、該重合体(pP−1)の製造において使用した複合金属シアン化物錯体の使用量が100ppm以上であれば、有機錫触媒(S)は1〜50ppmか好ましく、1〜20ppmがより好ましい。また該複合金属シアン化物錯体の使用量が100ppm未満の場合は、有機錫触媒(S)は20〜150ppmが好ましく、20〜100ppmがより好ましい。
該「イソシアネート基/水酸基」の値が上記0.80〜1.10であると、得られるオキシアルキレン重合体(P)の貯蔵安定性がより良好となる。その理由は、「イソシアネート基/水酸基」の値が上記範囲内であると、得られたオキシアルキレン重合体(P)中に水酸基が残存しても、該水酸基とオキシアルキレン重合体(P)中の反応性ケイ素基との架橋反応が抑制され、貯蔵中の増粘が抑えられるためと考えられる。また、ウレタン化反応における副反応(アロファネート化反応、イソシアヌレート化反応等。)が抑制され、該副反応による反応性ケイ素基の生成が生じ難く、貯蔵中の増粘が生じ難いと考えられる。
これまで、2価の有機錫触媒(S)は、ジブチル錫ジアセテート等の有機錫(IV)化合物とならんで、反応性ケイ素基を有するオキシアルキレン重合体の硬化触媒として知られているにもかかわらず、本発明において、該2価の有機錫触媒(S)を用いてオキシアルキレン重合体(P)を製造するとオキシアルキレン重合体(P)の貯蔵安定性が向上するというのは驚くべき効果である。その理由は明らかでないが、2価の有機錫触媒(S)が有機金属触媒の中でも比較的失活し易い触媒であることが関与しているのではないかと推測される。
本発明の製造方法により得られるオキシアルキレン重合体(P)は、硬化性組成物の成分として好適に用いられる。
オキシアルキレン重合体(P)は、反応触媒残渣として含まれる2価の有機錫触媒(S)を除去することなく使用できる。
硬化性組成物は、オキシアルキレン重合体(P)のほかに、硬化触媒、充填剤、可塑剤、接着性付与剤、脱水剤、チキソ性付与剤、老化防止剤等を適宜含有してもよい。また、オキシアルキレン重合体(P)以外に、反応性ケイ素基を有する成分を併用してもよい。
硬化性組成物は、予め硬化触媒を含有させて脱水条件で保存し、硬化時に大気中の湿分と反応させる一液型であってもよく、また、硬化させる直前に硬化触媒を混合して、配合中及び大気中の水分により硬化させる二液型であってもよい。
硬化触媒は、オキシアルキレン重合体(P)の反応性ケイ素基における加水分解反応および/または架橋反応を促進する化合物である。具体例としては、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、等の有機錫(IV)カルボン酸塩;(n−C4H9)2Sn(SCH2COO)、(n−C8H17)2Sn(SCH2COO)、(n−C8H17)2Sn(SCH2CH2COO)、(n−C8H17)2Sn(SCH2COOCH2CH2OCOCH2S)、(n−C4H9)2Sn(SCH2COO(iso−C8H17))2、(n−C8H17)2Sn(SCH2COO(iso−C8H17))2、(n−C8H17)2Sn(SCH2COO(n−C8H17))2、および(n−C4H9)2SnS等の含硫黄有機錫化合物;(n−C4H9)2SnO、および(n−C8H17)2SnO等の有機錫オキシド;前記有機錫オキシドと例えばエチルシリケート、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジオクチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、およびフタル酸ジオクチル等からなる群から選ばれるエステル化合物との反応生成物;(n−C4H9)2Sn(acac)2、(n−C8H17)2Sn(acac)2、(n−C4H9)2Sn(OC8H17)(acac)、(n−C4H9)2Sn(OC(CH3)CHCO2C2H5)2、(n−C8H17)2Sn(OC(CH3)CHCO2C2H5)2、(n−C4H9)2Sn(OC8H17)(OC(CH3)CHCO2C2H5)等のキレート錫化合物(ただし、前記acacはアセチルアセトナト配位子を表し、OC(CH3)CHCO2C2H5はエチルアセトアセテート配位子を表す。);前記キレート錫化合物と、例えばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、およびテトラプロポキシシラン等からなる群から選ばれるアルコキシシランとの反応生成物;ならびに、(n−C4H9)2(CH3COO)SnOSn(OCOCH3)(n−C4H9)2、および(n−C4H9)2(CH3O)SnOSn(OCH3)(n−C4H9)2等の−SnOSn−結合含有有機錫化合物等の4価の錫化合物が挙げられる。
また、ビス(2−エチルヘキサン酸)錫、ジ(n−オクチル酸)錫、ジナフテン酸錫、およびジステアリン酸錫等の2価錫カルボン酸塩類;オクチル酸、リン酸、p−トルエンスルホン酸、およびフタル酸等の酸性化合物類;ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、およびラウリルアミン等の脂肪族モノアミン類;エチレンジアミンおよびヘキサンジアミン等の脂肪族ジアミン類;ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、およびテトラエチレンペンタミン等の脂肪族ポリアミン類;ピペリジンおよびピペラジン等の複素環式アミン類;メタフェニレンジアミン等の芳香族アミン類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、およびトリエタノールアミン等のアルカノールアミン類;トリエチルアミン等のトリアルキルアミン類;ならびに、エポキシ樹脂の硬化剤として用いられる各種変性アミン等のアミン化合物類;N−β(アミノエチル)γ―アミノプロピルトリメトキシシラン、γ―アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基を含有するアミン化合物等が挙げられる。
これらの化合物は1種のみを用いても、2種以上を併用してもよい。2種類以上を併用する場合は、例えば、活性の異なる有機錫(IV)化合物の併用、または有機錫(IV)化合物とアミン化合物の併用が好ましい。
なお、硬化性組成物に、オキシアルキレン重合体(P)以外の、反応性ケイ素基を有する他の硬化成分が含まれる場合、硬化触媒の使用量は、オキシアルキレン重合体(P)と他の硬化成分の合計100質量部に対して上記の範囲とすることが好ましい。
充填剤としては例えば、脂肪酸または樹脂酸系有機物で表面処理した炭酸カルシウム、前記炭酸カルシウムをさらに微粉末化した平均粒径1μm以下の膠質炭酸カルシウム、沈降法により製造した平均粒径1〜3μmの軽質炭酸カルシウム、平均粒径1〜20μmの重質炭酸カルシウム、その他の炭酸カルシウム類、フュームドシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、含水ケイ酸、カーボンブラック、炭酸マグネシウム、ケイソウ土、焼成クレー、クレー、タルク、酸化チタン、ベントナイト、有機ベントナイト、酸化第二鉄、酸化亜鉛、活性亜鉛華、シラスバルーン、ガラスバルーン、有機樹脂バルーン、木粉、パルプ、木綿チップ、マイカ、くるみ穀粉、もみ穀粉、グラファイト、アルミニウム微粉末、およびフリント粉末等の粉体状充填剤;ガラス繊維、ガラスフィラメント、炭素繊維、ケブラー繊維、およびポリエチレンファイバー等の繊維状充填剤等が挙げられる。
特に、上記ガラスバルーンや有機樹脂バルーンを用いると、硬化性組成物の比重を大幅に小さくできる。
充填剤を用いる場合、その使用量はオキシアルキレン重合体(P)(他の硬化成分を含む場合はそれを併せた合計)100質量部に対して、1000質量部以下が好ましく、特に50〜250質量部が好ましい。充填剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
可塑剤としては公知の可塑剤が使用でき、例えば、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、およびフタル酸ブチルベンジル等のフタル酸エステル類;アジピン酸ジオクチル、コハク酸ビス(2−メチルノニル)、セバシン酸ジブチル、およびオレイン酸ブチル等の脂肪族カルボン酸エステル類;ペンタエリスリトールエステル等のアルコールエステル類;リン酸トリオクチルおよびリン酸トリクレジル等のリン酸エステル類;エポキシ化大豆油、4,5−エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、およびエポキシステアリン酸ベンジル等のエポキシ可塑剤類;塩素化パラフィン;2塩基酸と2価アルコールを反応させて得られるポリエステル類等のポリエステル系可塑剤類;ポリオキシプロピレングリコールやその誘導体等のポリエーテル類;ポリ−α−メチルスチレンおよびポリスチレン等のスチレン系のオリゴマー類;ポリブタジエン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、ポリブテン、水素添加ポリブテン、およびエポキシ化ポリブタジエン等のオリゴマー類等の高分子可塑剤類が挙げられる。充填剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
可塑剤を用いる場合、その使用量はオキシアルキレン重合体(P)(他の硬化成分を含む場合はそれを併せた合計)100質量部に対して、1000質量部以下が好ましい。
特に、硬化性組成物を接着剤等の用途に用いる場合は、可塑剤を用いないほうが硬化物からのブリードアウト量(液状成分)を少なくでき、塗膜汚染が少ないなど好ましい。
接着性付与剤を使用することにより、硬化性組成物と基材との接着性を改良することができる。接着性付与剤としては(メタ)アクリロイルオキシ基含有シラン類、アミノ基含有シラン類、メルカプト基含有シラン類、エポキシ基含有シラン類、およびカルボキシル基含有シラン類等のいわゆるシランカップリング剤として知られる化合物が挙げられる。これらの接着性付与剤は1種のみを使用してもよく、2種類以上併用してもよい。
これらの接着性付与剤を用いる場合、その使用量はオキシアルキレン重合体(P)(他の硬化成分を含む場合はそれを併せた合計)100質量部に対して、30質量部以下が好ましい。接着性付与剤の使用量が30質量部を超えると、硬化性組成物が硬くかつ柔軟性が小さくなりすぎる場合がある。
脱水剤を使用することにより硬化性組成物の貯蔵安定性を高めることができる。特に硬化性組成物をいわゆる1液型配合、すなわち密封容器から大気中に出しただけで大気中の湿分により硬化成分が硬化する配合とした場合には、脱水剤を用いることが好ましい。
脱水剤としては、オルトギ酸アルキル類;オルト酢酸アルキル類;メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、およびテトラエトキシシラン等の加水分解性有機シリコン化合物;加水分解性有機チタン化合物等が挙げられる。
脱水剤を硬化性組成物に添加する場合、その使用量はオキシアルキレン重合体(P)(他の硬化成分を含む場合はそれを併せた合計)100質量部に対して30質量部以下が好ましい。脱水剤の使用量が30質量部を超えると、硬化性組成物の硬化が遅くなりすぎる場合がある。
チキソ性付与剤を添加することによりタレを防止できる。チキソ性付与剤は特に限定されないが、例えば、水素添加ひまし油、および脂肪酸アミド等が挙げられる。硬化性組成物にチキソ性付与剤を添加する場合の使用量は、所望のタレ止め性が得られる量を適宜選択できる。
老化防止剤を添加することにより、耐候性および耐光性を高めることができる。老化防止剤は特に限定されず、一般にポリウレタン樹脂等に添加される酸化防止剤、紫外線吸収剤、および光安定剤等からなる群から選ばれる添加剤を用いることができる。具体的に、老化防止剤としては、ヒンダードアミン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエ−ト系、シアノアクリレート系、アクリレート系、ヒンダードフェノール系、リン系、および硫黄系の各種老化防止剤が知られており、これらの中から適宜好ましい化合物を選択して本発明の硬化性組成物に添加できる。
硬化性組成物には、上述した添加剤の他にも所望する添加剤を適宜添加することができる。例えば、酸化鉄、酸化クロム、および酸化チタン等の無機顔料、フタロシアニンブルーおよびフタロシアニングリーン等の有機顔料、防かび剤、ならびに発泡剤等を添加してもよい
特に、イソシアネート基含有化合物(U)として、上式(1)におけるaが3であるイソシアネート基含有化合物化合物(U−1)を用いて得られたオキシアルキレン重合体(P)を含有する硬化性組成物は、速硬化性に優れており、接着剤として有用である。
(実施例1)
配位子がtert−ブチルアルコールである亜鉛ヘキサシアノコバルテート触媒の存在下、ポリオキシプロピレンジオール(Mn1000)にプロピレンオキシドを開環重合させてポリオキシアルキレンジオール(Mn10000、水酸基価11.2)(水酸基含有重合体(pP1))を得た。重合体中のCo、Znの合計量は約40ppmであった。
すなわち、耐圧反応器(内容積5L)に水酸基含有重合体(pP1)の3000gを入れ、内温を110℃に保持しながら減圧脱水した。つぎに、反応器内雰囲気を窒素ガスに置換し、内温を50℃に保持しながら、触媒としてビス(2−エチルヘキサン酸)錫(S1)を0.15g(pP1に対して約50ppm)添加し、撹拌した後、NCO/OHが0.97となるように、下式(3)で表されるイソシアネート基含有化合物(U1)(純度95%)の125.2gを投入した。
Si(−OCH3)3−CH2CH2CH2NCO ・・・(3)
つづいて、内温を80℃に8時間保持して、水酸基含有重合体(pP1)とイソシアネート基含有化合物(U1)をウレタン化反応させた。反応終了後、反応器内容物を分析した結果、オキシプロピレン鎖と「(Si(−OCH3)3)−CH2CH2CH2NHCOO−」で表される置換基を有する重合体(P1)の生成が確認された。
表1に示す配合で、従来のウレタン重合触媒を用いて、オキシアルキレン重合体(P2、P3、P4)を製造した。
すなわち、実施例1におけるビス(2−エチルヘキサン酸)錫(S1)に代えて、比較例1ではジブチル錫ジラウレートを用い、比較例2ではジオクチル錫マレート(試薬)を用い、比較例3ではオクチル酸ビスマス(試薬)を用いた。その他は実施例1と同様の工程を行った。
(比較例4)
実施例1においてビス(2−エチルヘキサン酸)錫(S1)を添加しないほかは、実施例1と同様の工程を行ったところ、水酸基含有重合体(pP1)とイソシアネート基含有化合物(U1)のウレタン化反応は生じなかった。
実施例1、比較例1、2、3で得られたオキシアルキレン重合体P1〜P4それぞれについて、次の方法で硬化性を評価した。
すなわち、重合体30gに、ジオクチルフタレートの20g、イオン交換水の0.15g、重質炭酸カルシウム(製品名:ホワイトンSB:白石カルシウム社製)の10g、有機錫触媒(ジブチル錫オキサイドとジオクチルフタレートとの加熱反応物、製品名:No918、三共有機合成社製)の0.75gをよく混合して硬化性組成物を得た。得られた硬化性組成物をステンレス製容器に投入し、窒素フローして泡抜きした後、100℃オーブンに静置し、30分間養生して厚み9mmの硬化体を得た。その後、硬化体を室温で15分程冷却し、硬化体の表面の硬度を測定した。硬度の測定は、デジタル硬度計DD2−C型(高分子計器社製)を用いて5箇所測定し平均値を算出する方法で行った。測定結果を表1に示す。
実施例1、比較例1、2、3で得られたオキシアルキレン重合体P1〜P4をそれぞれについて、次の方法で貯蔵安定性を評価した。
すなわち、オキシアルキレン重合体に、老化防止剤としてペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](製品名:イルガノックス1010、チバスペシャルティーケミカルズ社製)を0.5質量%となるように添加し、加熱して均一に溶解させたものを100mlのガラス容器に移し替えたものをサンプルとして、貯蔵安定性試験を行った。
試験は、まずサンプルの初期粘度(25℃)を測定した後、サンプルを80℃に加温し、80℃に保持した状態で1週間後、2週間後、3週間後、4週間後にそれぞれサンプルの粘度(貯蔵後粘度)を測定した。粘度の測定は、E型粘度計(製品名:VISCONIC EHD型、トキメック社製、ローターはNo.4)を用いて測定した。粘度の測定温度は25℃とし、80℃で貯蔵中のサンプルから、その一部を取り出して25℃に冷却したものを粘度の測定に用いた。
得られた初期粘度の値と貯蔵後粘度の値から、下式(I)により増粘率(単位:%)を求めた。その結果を表1に示す。経時的に増粘率の増加の程度が小さいほど貯蔵安定性が良好であることを示す。なお、表1において、各成分の単位はグラム(g)である。
増粘率(%)=(貯蔵後粘度−初期粘度)/初期粘度×100・・・(I)
(製造例1)
実施例1で製造した重合体(P1)の100gに、重質炭酸カルシウム(製品名:ホワイトンSB、白石カルシウム社製)の75g、表面処理炭酸カルシウム(製品名:白艶華CCR、白石工業社製)の75g、可塑剤としてジオクチルフタレートの40g、チクソ性付与剤として脂肪酸アマイド(製品名:ディスパロン#6500、楠本化成社製)の3g、接着性付与剤としてアミノシランカップリング剤(N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業社製)の2gおよびエポキシシランカップリング剤(3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業社製)の1g、脱水剤としてビニルトリメトキシシラン(信越化学工業社製)の3g、老化防止剤としてエチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート](製品名:イルガノックス245、チバスペシャリティーケミカルズ社製)の1gを添加し、3本ロールで均一な混合物にしその後該混合物に錫触媒としてジブチル錫オキサイドとジオクチルフタレートとの加熱反応物(製品名:No918、三共有機合成社製)の2gを加え、攪拌混合して硬化性組成物を得た。その後すぐに、JISA5787に記載されているH型試験体を作成し、室温で7日、続けて50℃で7日養生をした。その後、引張試験を実施した結果、良好な物性を得た。
実施例1で製造した重合体(P1)100gに、重質炭酸カルシウム(製品名:スーパーS、丸尾カルシウム社製)の75g、表面処理炭酸カルシウム(製品名:カルファイン200M、丸尾カルシウム社製)の65g、アクリル系可塑剤として分子量3000のアクリルポリマー(製品名:UP1000、東亜合成社製)の40g、製造例1と同じチクソ性付与剤の3g、酸化チタン(製品名:R820、石原産業社製)の10g、接着性付与剤として製造例1と同じアミノシランカップリング剤の2gおよび製造例1と同じエポキシシランカップリング剤の1g、製造例1と同じ脱水剤の3g、製造例1と同じ老化防止剤の1g、タルク(製品名:Tタルク、竹原化学工業社製)の1g、ポリアクリロニトリル系有機樹脂バルーン(製品名:MFL−100SCA、松本油脂製薬社製)の3gを添加し、3本ロールで均一な混合物にした。該混合物に錫触媒としてジブチル錫ビアスアセチルアセトナート(製品名:ネオスタンU220、日東化成社製)の2gを加え、撹拌混合して硬化性組成物を得た。
得られた硬化性組成物について、製造例1と同様にして引張物性を測定したところ、良好な物性を得た。
実施例1で製造した重合体(P1)100gに、製造例1と同じ重質炭酸カルシウムの20g、製造例1と同じ表面処理炭酸カルシウムの120g、可塑剤として分子量3000ポリオキシプロピレンジオールの40g、チクソ性付与剤として水添ひまし油(製品名:ディスパロン#305、楠本化成社製)の3g、脱水剤としてエチルシリケート(試薬)の3g、老化防止剤としてペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](製品名:イルガノックス1010、チバスペシャリティーケミカルズ社製)の1g、およびビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート(製品名:チヌビン770、チバスペシャリティーケミカルズ社製)の1g、マイカ(MK−200:コープケミカル社製)の0.5g、製造例2と同じ有機バルーンの3gを添加し、3本ロールで均一な混合物にした。該混合物に、予めビス(2−エチルヘキサン酸)錫3gとラウリルアミン1gを混合した溶液の4gを硬化触媒として加え、撹拌混合して硬化性組成物を得た。
なお、2006年7月25日に出願された日本特許出願2006−201938号の明細書、特許請求の範囲及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。
Claims (8)
- ポリオキシアルキレン鎖にウレタン結合を介して反応性ケイ素基が結合しているオキシアルキレン重合体(P)を製造する方法であって、
ポリオキシアルキレン鎖と水酸基を有する水酸基含有重合体(pP)と、下記一般式(1)で表されるイソシアネート基含有化合物(U)を、2価の有機錫触媒(S)の存在下で、ウレタン化反応させる工程を有することを特徴とするオキシアルキレン重合体の製造方法。
(Si(−X1)a(−R1)3−a)−Q1−NCO ・・・(1)
[式中、X1は炭素数1〜6のアルコキシ基を表し、R1は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価の有機基を表し、Q1は炭素数1〜20の2価の有機基を表し、aは1〜3の整数を表す。ただし、R1が複数存在するとき複数のR1は互いに同一でも異なっていてもよく、X1が複数存在するとき複数のX1は互いに同一でも異なっていてもよい。] - 前記有機錫触媒(S)が、ビス(2−エチルヘキサン酸)錫および/またはジ(n−オクチル酸)錫である、請求項1に記載のオキシアルキレン重合体の製造方法。
- 前記水酸基含有重合体(pP)に対して、前記有機錫触媒(S)の使用量が10ppm〜150ppmである、請求項1または2に記載のオキシアルキレン重合体の製造方法。
- 前記一般式(1)におけるaが3である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のオキシアルキレン重合体の製造方法。
- 前記水酸基含有重合体(pP)の水酸基の総数に対する前記イソシアネート基含有化合物(U)のイソシアネート基の総数のモル比(イソシアネート基/水酸基)が0.80〜1.10である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のオキシアルキレン重合体の製造方法。
- 前記水酸基含有重合体(pP)の数平均分子量が、水酸基1個あたりの分子量として1000〜20000である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のオキシアルキレン重合体の製造方法。
- 前記水酸基含有重合体(pP)が、複合金属シアン化物錯体の存在下、活性水素原子を有する化合物にアルキレンオキシドを開環重合させて得た水酸基含有重合体である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のオキシアルキレン重合体の製造方法。
- 前記ウレタン化反応させる工程が、反応温度50〜150℃かつ不活性ガス雰囲気下で行われる、請求項1〜7のいずれか一項に記載のオキシアルキレン重合体の製造方法。
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