JP5141100B2 - 硬化性組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、湿分存在下において加水分解性ケイ素基の加水分解および架橋反応によって硬化する硬化性組成物に関する。
ポリオキシアルキレン鎖の末端に加水分解性ケイ素基を有する重合体は、湿分硬化性を有する、硬化物がゴム弾性を有する等の特性から、接着剤組成物、コーティング剤組成物、シーリング剤組成物等の硬化性組成物に用いられる(特許文献1参照。)。
特に、前記加水分解性ケイ素基としてトリアルコキシシリル基を用いた重合体は、硬化速度が速く、かつ架橋密度が高いため速硬化性の接着剤組成物、コーティング剤組成物、シーリング材組成物等に有用である(特許文献2参照。)。
シーリング材、接着剤などに用いられる硬化性組成物において、接着性を改善するために、硬化触媒とともに、接着性付与剤を添加することが知られている。一般には、加水分解性ケイ素基を有する重合体を含有する硬化性組成物に好適な接着性付与剤として、アミノ基置換アルコキシシラン類(以下「アミノシラン」ということもある。)が知られている(例えば、下記特許文献3〜5)。
また、ポリオキシアルキレン鎖端にウレタン結合を介してトリアルコキシシリル基が結合している重合体に、ジブチルスズラウレート等のスズ系触媒のほかにアミノ基置換アルコキシシラン類を添加すると、貯蔵安定性が改善されることが記載されている。(特許文献6参照)。
特開平03−072527号公報 特開平03−047825号公報 特許第3161545号公報 国際公開第00/56818号パンフレット 特公平5−40782号公報 特許第334604号公報(特開平10−245482号公報)
ポリオキシアルキレン鎖にウレタン結合を介して加水分解性ケイ素基が結合している重合体を含有する硬化性組成物にアミノシランを添加した場合、前記特許文献3〜5に記載されているように接着性は改善されるものの、機械物性である伸び特性の低下が起こる。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、良好な接着性を有するとともに、伸び特性に優れた硬化性組成物を提供することを目的とする。
本発明の硬化性組成物は、水酸基数が1以上であるポリオキシアルキレンポリ(モノ)オール(p)を変性することによって、水酸基の一部または全部を、下式(1)で表される加水分解性ケイ素基を有する基(S1)に変換した重合体(P)と、窒素原子を2個含む脂肪族複素環を有し、該脂肪族複素環を構成する2個の窒素原子のうちの一方に、水素原子が結合しており、他方には第一級アミノ基を含む1価基または第二級アミノ結合を含む1価基が結合している化合物(A)と、該化合物(A)中の第一級アミノ基または第二級アミノ結合と反応する基を有するとともに、下式(1)で表される加水分解性ケイ素基を有する化合物(B)を含有重合体(P)の100質量部に対して、化合物(A)を0.1質量部以上3質量部未満、化合物(B)を0.1質量部以上10質量部未満含み、化合物(A)中の第一級アミノ基または第二級アミノ結合の合計量a(単位:モル)と、化合物(B)中の、第一級アミノ基または第二級アミノ結合と反応する基の合計量b(単位:モル)の比率(a/b)が0.1/1.0〜10/1.0の範囲であることを特徴とする。
−SiX 3−a・・・(1)
(式中、Xは炭素数1〜6のアルコキシ基を表し、Rは置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価の有機基(アルコキシ基を除く)を表し、aは1〜3の整数を表す。ただし、Rが複数存在するとき複数のRは互いに同一でも異なっていてもよく、Xが複数存在するとき複数のXは互いに同一でも異なっていてもよい。)
本発明の硬化性組成物によれば、良好な接着性を有するとともに伸び特性に優れた硬化物が得られる。
本発明において、数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりテトラヒドロフランを移動相として測定される標準ポリスチレンを基準として換算した数平均分子量(Mn)を意味する。また、質量平均分子量(Mw)は、同様のGPCで測定した質量平均分子量(Mw)を意味する
<硬化性組成物>
本発明の硬化性組成物は、重合体(P)と化合物(A)と化合物(B)とを含み、必要に応じて硬化触媒(C)および他の添加剤(可塑剤、脱水剤、充填剤、老化防止剤、着色剤、チキソ性付与剤等。)を含む。
[重合体(P)]
重合体(P)は、水酸基数が1以上であるポリオキシアルキレンポリ(モノ)オール(以下、ポリオール(p)と記す。)を変性することによって、水酸基の一部または全部を、加水分解性ケイ素基を有する基(S1)に変換した重合体である。本明細書において「ポリ(モノ)オール」は「モノオールまたはポリオール」を表す。
重合体(P)は、基(S1)に変換されていない水酸基を有していてもよい。重合体(P)は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
[加水分解性ケイ素基を有する基(S1)]
基(S1)中の加水分解性ケイ素基は上式(1)で表される基である。
式(1)中のXは炭素数1〜6のアルコキシ基を表し、具体的にはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、またはヘキシルオキシ基が好ましく、メトキシ基がより好ましい。
式(1)中のRは置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価の有機基を表す。ただし、Rはアルコキシ基ではない。Rは炭素数8以下のアルキル基、炭素数8以下のフルオロアルキル基又はフェニル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基又はフェニル基であることがより好ましい。
式(1)中のaは1〜3の整数を表す。式(1)で表される基において、Xが複数存在するとき複数のXは互いに同一でも異なっていてもよい。また、Rが複数存在するとき複数のRは互いに同一でも異なっていてもよい。
上式(1)において、上記aが3であると、硬化性組成物の硬化が速い点で好ましい。すなわち下記式(1−1)で表される基がより好ましい。
−SiX ・・・(1−1)。
上式(1−1)における3個のXは、その好ましい態様も含めて上式(1)におけるXと同義である。該式(1−1)における3個のXは、互いに同一の基であってもよく異なる基であってもよい。互いに同一の基であることが好ましい。
以下、式(S10)で表される基を、基(S10)と記載する。他の式で表される基も同様に記載する。また、式(S11)で表される化合物を、化合物(S11)と記載する。他の式で表される化合物も同様に記載する。
加水分解性ケイ素基を有する基(S1)は、後述の変性方法に応じて、たとえば、下記の基(S10)、(S20)、(S30)である。
−O−A−R11−CH(R12)CH(R13)−A−R01−SiX 3−a ・・・(S10)、
−O−C(O)NH−R02−SiX 3−a ・・・(S20)、
−O−C(O)NH−R31−A−R03−SiX 3−a ・・・(S30)。
X、R、およびaは好ましい態様も含めて式(1)と同じである。
は、単結合、−C(O)−、−C(O)O−、または−C(O)NH−である。
11は、単結合または2価の有機基(−CH−、−CHCH−OC(O)−等。)である。
12、R13は、水素原子または1価の有機基(−CH等。)である。
は、単結合または−S−である。
01は、単結合または2価の有機基である。2価の有機基としては、炭素数1〜17の2価の有機基が好ましく、−CHCHCH−がより好ましい。
02、R03は、2価の有機基であり、炭素数1〜17の2価の有機基が好ましく、−CH−または−CHCHCH−がより好ましい。特にaが2である場合にR02がメチレン基であると硬化性組成物の硬化が速い点で好ましい。
31は、2価の有機基(アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基等。)である。
は、−NHC(O)O−、−NHC(O)NH−、−NHC(O)N(R32)−、−NHC(O)OC(O)−または−NHC(O)S−である。
32は、1価の有機基(アルキル基、シクロアルキル基、アリール基等。)である。
[ポリオール(p)]
重合体(P)の製造に用いられるポリオール(p)は、主鎖にポリオキシアルキレン鎖を有するポリ(モノ)オールである。ポリオール(p)は、ポリオキシアルキレン鎖以外の構造(たとえば、開始剤に由来する構造等。)を有していてもよい。重合体(P)の全体のうちポリオキシアルキレン鎖の合計が占める割合が50質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましい。
ポリオール(p)の水酸基数は、1以上であり、2〜8が好ましい。該水酸基数が2〜8であると硬化性組成物における被着体への接着性および硬化性が良好である。ポリオール(p)は1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。硬化物の伸びおよび強度のバランスを得たい場合には、ポリオール(p)としてポリオキシプロピレンジオールおよび/またはポリオキシプロピレントリオールを用いることが好ましい。水酸基数が1である場合は、硬化性組成物における粘度や機械物性の弾性率を下げることができるため、水酸基数2〜8のポリオールと組み合わせて使用することが好ましい。
ポリオール(p)の水酸基1個当たりの数平均分子量(Mn)は1000〜30000が好ましく、3000〜20000がより好ましい。
ポリオール(p)の水酸基価は1〜30mgKOH/gが好ましく、5〜20mgKOH/gがより好ましい。
ポリオール(p)としては、開始剤の存在下で重合触媒を用いて、環状エーテルを開環重合反応させて得られるポリ(モノ)オールが好ましい。
(開始剤)
開始剤としては、一分子内に1以上の活性水素原子を有する化合物が挙げられる。
活性水素原子を有する化合物は、活性水素原子を有する有機化合物が好ましく、水酸基またはアミノ基を有する化合物がより好ましく、2〜8個の水酸基を有する化合物が特に好ましい。
開始剤としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、水素化ビスフェノールA、ネオペンチルグリコール、ポリブタジエングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、アリルアルコール、メタリルアルコール、グリセリン、トリメチロールメタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等のアルコール類;ポリオキシプロピレンモノオール、ポリオキシプロピレンジオール、ポリオキシプロピレントリオール、ポリオキシエチレンモノオール、ポリオキシエチレンジオール、およびポリオキシエチレントリオールからなる群から選ばれる、水酸基1個あたりの数平均分子量(Mn)が300〜1500の重合体状のアルコールが挙げられる。
また、水酸基1個当りの水酸基価換算分子量が150〜1500(水酸基価37〜374mgKOH/g)の、ポリオキシテトラメチレンポリオール、ポリエステルポリオール、およびポリカーボネートポリオールなども開始剤として使用できる。該ポリエステルポリオールとしては、多価アルコール類と多価カルボン酸とを縮合反応させて得られるものや多価アルコール類を開始剤として、ラクトンモノマーを開環重合させて得られるものが挙げられる。
その他に、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のポリアミン類:該ポリアミン類のアルキレンオキシド付加物等も使用できる。
開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。2個の水酸基を有する重合体状アルコールおよび/または3個の水酸基を有する重合体状アルコールを用いるのが好ましい。
(環状エーテル)
環状エーテルとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、ヘキシレンオキシド、テトラヒドロフラン等が挙げられ、プロピレンオキシドが好ましい。環状エーテルは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
2種以上の環状エーテルを用いる場合、ポリオール(p)のポリオキシアルキレン鎖における2種以上のオキシアルキレンの重合単位の並び方は、ブロック状であってもよくランダム状であってもよい。
(環状エーテル以外の化合物)
開始剤に環状エーテルを開環重合させるとともに、環状エーテル以外の化合物を重合させてもよい。
該環状エーテル以外の化合物としては、例えば、β―プロピオラクトン、δ−バレロラクトン、およびε−カプロラクトンなどの環状エステル;フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸などの芳香族ポリカルボン酸およびこれらの酸無水物;コハク酸、マレイン酸、アジピン酸などの脂肪族ポリカルボン酸およびこれらの酸無水物;および芳香族ポリカルボン酸に若干の脂肪族カルボン酸を混合したものなどが挙げられる。
このうち、芳香族のポリカルボン酸無水物は極めて凝集力や極性が高いので、各種被着体への接着性に大きく寄与するため好ましい。環状エステルはモノマーであっても、ダイマーであっても、トリマーであってもよいが、反応性の観点からモノマーであることが好ましい。なお、これらの化合物は1種類のみを用いても、2種類以上を組合せて用いてもよい。
該環状エーテル以外の化合物の使用割合は、ポリオール(p)の合成に用いる開始剤の仕込み量を100%とするとき、1000質量%以下が好ましく、500質量%以下がより好ましい。1000質量%以下であると、得られるポリオール(p)の粘度が低く抑えられる。該使用割合の下限値は5質量%以上が好ましく、50質量%以上が好ましい。5質量%以上であると、機械強度および接着性の向上効果が良好に得られる。
<重合触媒>
重合触媒としては、アルカリ金属化合物、複合金属シアン化物錯体、金属ポルフィリン錯体、P=N結合を有する化合物等が挙げられる。アルカリ金属化合物としては、カリウム化合物(水酸化カリウム、カリウムメトキシド等。)、セシウム化合物(水酸化セシウム等。)が挙げられる。
重合触媒としては、分子量の大きいポリオール(p)が得られる点から、複合金属シアン化物錯体、セシウム化合物、またはP=N結合を有する化合物が好ましい。分子量の大きいポリオール(p)を用いると、分子量の大きい重合体(P)が得られ、かかる分子量の大きい重合体(P)は硬化性に優れ、硬化物は伸度等の機械物性に優れる。
複合金属シアン化物錯体としては、高い重合活性を有する点から、亜鉛ヘキサシアノコバルテートを主成分とする錯体が好ましく、高活性である点から、亜鉛ヘキサシアノコバルテートのエーテルおよび/またはアルコール錯体がより好ましい。
エーテルとしては、エチレングリコールジメチルエーテル(以下、グライムと記す。)またはジエチレングリコールジメチルエーテル(以下、ジグライムと記す。)が好ましく、製造時に錯体を取り扱いやすい点から、グライムがより好ましい。
アルコールとしては、高活性の重合触媒が得られる点から、tert−ブチルアルコールが好ましい。
複合金属シアン化物錯体の使用量は、得られるポリオール(p)を100質量%とすると、0.0001〜0.1質量%が好ましく、製品の貯蔵安定性に優れ、かつ経済的に有利である点から、0.001〜0.03質量%がより好ましい。
なお、ポリオール(p)に残存する複合金属シアン化物錯体触媒の量が多い場合は、次の変性工程前に複合金属シアン化物錯体触媒を除去する操作を行ってもよく、複合金属シアン化物錯体触媒を除去せずにそのまま変性工程を行ってもよい。
一方、ポリオール(p)に残存する複合金属シアン化物錯体触媒の量が少なく(例えば300ppm以下)、かつ、その後に悪影響を及ぼさない場合は、複合金属シアン化物錯体触媒を除去する工程を行わずに次の工程へ進むことができる。
セシウム化合物としては、セシウム金属、水酸化セシウム、炭酸セシウム、セシウムアルコキシド(セシウムメトキシド等。)が挙げられ、入手の容易性等の点から、水酸化セシウムが好ましい。
セシウム化合物の使用量は、得られるポリオール(p)を100質量%とすると、0.05〜1.5質量%が好ましく、0.1〜1.0質量%がより好ましい。
P=N結合を有する化合物としては、ホスファゼニウム化合物、ホスファゼン化合物、またはホスフィンオキシド化合物が挙げられ、入手の容易性等の点から、ホスファゼニウム化合物またはホスフィンオキシド化合物が好ましい。
<ポリオール(p)の変性>
ポリオール(p)の変性方法としては、たとえば、下記の方法(i)(ii)(iii)が挙げられる。
(i)ポリオール(p)の水酸基、または該水酸基にアルカリ金属のアルコキシド(ナトリウムメトキシド等。)を作用させて水酸基を変換した−OM(ただし、Mはアルカリ金属である。)に、化合物(S11)を作用させて、ポリオール(p)の水酸基を基(S12)に変換し、ついで基(S12)に化合物(S13)を作用させて、基(S12)を上記の基(S10)に変換する方法。
−R11−C(R12)=CH(R13)・・・(S11)、
−O−A−R11−C(R12)=CH(R13)・・・(S12)、
−R01−SiX 3−a ・・・(S13)。
ただし、Wは、ハロゲン原子、−COOH、−COX’(ただし、X’はハロゲン原子である。)、−NCO等の水酸基または−OMと反応しうる基であり、Wは、R01が単結合の場合は、水素原子であり、R01が2価の有機基の場合は、−SHである。また、X、R、およびaは好ましい態様も含めて式(1)と同じである。R11、R12、R13、A、R01は、基(S10)の説明と同じである。
(ii)ポリオール(p)の水酸基に、イソシアネート基を含有するシラン化合物である化合物(S21)をウレタン化反応させて、水酸基を上記の基(S20)に変換する方法。
OCN−R02−SiX 3−a・・・(S21)。
ただし、R02は、基(S20)の説明と同じである。X、R、およびaは好ましい態様も含めて式(1)と同じである。
(iii)ポリオール(p)の水酸基に2個のイソシアネート基を有する化合物(S31)を作用させて、ポリオール(p)の水酸基を、基(S32)に変換し、ついで基(S32)に化合物(S33)を作用させて、基(S32)を上記の基(S30)に変換する方法。
OCN−R31−NCO ・・・(S31)、
−O−C(O)NH−R31−NCO ・・・(S32)、
−R03−SiX 3−a ・・・(S33)。
ただし、Wは、−OH、−NH、−NHR32、−COOH、または−SHである。また、X、R、およびaは好ましい態様も含めて式(1)と同じである。R31、R03は、基(S30)の説明と同じである。
(i)の方法:
化合物(S11)としては、塩化アリル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸クロリド、メタクリル酸クロリド、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート等が挙げられる。
化合物(S13)としては、下記の化合物が挙げられる。
H−SiX 3−・・・(S13−1)、
HS−R01−SiX 3−a・・・(S13−2)。
基(S12)と化合物(S13−1)との反応(ヒドロシリル化反応)は、触媒の存在下で行う。
触媒としては、白金系触媒(塩化白金酸、白金金属、塩化白金、白金オレフィン錯体等。)、ロジウム系触媒、コバルト系触媒、パラジウム系触媒、またはニッケル系触媒が挙げられ、白金系触媒が好ましい。
ヒドロシリル化反応の温度は、30〜150℃が好ましく、60〜120℃がより好ましい。ヒドロシリル化反応の時間は、通常、数時間である。
化合物(S13−2)としては、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、および3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
基(S12)と化合物(S13−2)との反応は、ラジカル重合開始剤を用いて行ってもよく、ラジカル重合開始剤を用いることなく放射線または熱によって行ってもよい。
ラジカル重合開始剤としては、パーオキシド系重合開始剤、アゾ系重合開始剤、レドックス系重合開始剤、金属化合物触媒等が挙げられ、具体的には、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、ベンゾイルパーオキシド、tert−アルキルパーオキシエステル、アセチルパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート等が挙げられる。
ラジカル重合開始剤を用いる場合の反応温度は、ラジカル重合開始剤の分解温度(半減期温度)によって異なり、通常、20〜200℃であり、50〜150℃が好ましい。反応時間は、数時間〜数十時間程度が好ましい。
(ii)の方法:
イソシアネート基含有シラン化合物(S21)としては、1−イソシアネートメチルトリメトキシシラン、1−イソシアネートメチルジメトキシメチルシラン、2−イソシアネートエチルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートブチルトリメトキシシラン、3−イソシアネートペンチルトリメトキシシラン、1−イソシアネートメチルトリエトキシシラン、2−イソシアネートエチルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートブチルトリエトキシシラン、3−イソシアネートペンチルトリエトキシシラン、1−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、1−イソシアネートプロピルトリエトキシシランが挙げられる。これらのうちで、1−イソシアネートメチルトリメトキシシランまたは3−イソシアネートプロピルトリメトキシシランが好ましく、硬化性組成物の硬化速度が速い点、および硬化物の伸びが良好である点から、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシランが特に好ましい。化合物(S21)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
化合物(S21)のイソシアネート基(NCO)とポリオール(p)の水酸基(OH)との比(NCO/OH)は、0.80〜1.10(モル比)が好ましく、0.85〜1.05(モル比)がより好ましく、0.95〜1.05(モル比)が特に好ましい。
NCO/OHが0.80(モル比)以上であれば、硬化性組成物中において未反応の水酸基と加水分解性シリル基との反応等が起こりにくく、得られる硬化性組成物の貯蔵安定性が良好となる。未反応の水酸基は、新たに化合物(S21)またはモノイソシアネート化合物と反応させて減らすことが好ましい。
NCO/OHが1.10(モル比)以下であれば、硬化物が柔らかく、かつ未反応のイソシアネート基と水との反応で発泡が起こりにくい。未反応のイソシアネート基は、アルコール類と反応させて減らすことが好ましい。
ポリオール(p)の水酸基と化合物(S21)との反応は、ウレタン化触媒を用いて行ってもよい。
ウレタン化触媒としては、有機スズ化合物(ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレート等。)、ビスマス化合物等の金属触媒;有機アミン等の塩基触媒が挙げられる。
ウレタン化触媒の量は、1〜100ppmが好ましく、10〜50ppmがより好ましい。ウレタン化触媒の量が100ppm以下であれば、硬化性組成物の貯蔵安定性が良好となる。ウレタン化触媒の量が1ppm以上であれば、ウレタン化反応が短時間で進行する。
反応温度は、ウレタン化触媒の有無、その量によって異なり、通常は、50〜200℃であり、70〜150℃が好ましい。
反応時間は、数時間程度が好ましい。
(ii)の方法は、工程数が少ないため、製造時間を大幅に短縮できる。また、工程途中で副生する不純物がないため、精製等の煩雑な操作が不要であり、また、得られる硬化性組成物は、貯蔵安定性に非常に優れる。
(iii)の方法:
2個のイソシアネート基を有する化合物(S31)としては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
化合物(S31)の量は、ポリオール(p)の水酸基に対してイソシアネート基が過剰になるような量とする。
化合物(S33)としては、アミノシラン系化合物(N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン等。)、メルカプトシラン系化合物(3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等。)が挙げられる。
基(S32)のイソシアネート基と化合物(S33)との反応は、ウレタン化触媒を用いて行ってもよいし、用いなくてもよい。
反応温度は、ウレタン化触媒の有無、その量によって異なり、通常は、20〜200℃であり、50〜150℃が好ましい。
反応時間は、数時間程度が好ましい。
<重合体(P)>
重合体(P)は、1種を単独で用いてもよく、分子量、分子量分布、原料のポリオール(p)の水酸基数等が異なる2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合体(P)の数平均分子量(Mn)は、末端基1個あたり、1000〜30000が好ましく、3000〜20000がより好ましい。ここでの重合体(P)の末端基とは、原料として用いたポリオール(p)由来の水酸基を意味する。
重合体(P)の数平均分子量(Mn)が上記範囲の下限値以上であると、組成物の硬化性が良好となり、得られる硬化物が脆くなりにくい。一方、上記範囲の上限値以下であると、重合体(P)の粘度が低くなり、硬化性組成物の施工時における作業性および取扱性が良好となる。
重合体(P)の分子量分布は、3.0以下が好ましく、1.6以下がより好ましく、1.5以下がさらに好ましい。
重合体(P)の分子量分布が上記範囲であれば、硬化物の弾性率を維持しつつ、硬化物の破断時伸度を向上でき、かつ強度も向上できる。重合体(P)の分子量分布の下限は1.0である。
重合体(P)の分子量分布は、重合体全体の数平均分子量(Mn)に対する質量平均分子量(Mw)の比として、下式で表される。
分子量分布=質量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)
また、分子量分布が狭い重合体を含む硬化性組成物と、数平均分子量が同じで、分子量分布が広い重合体を含む硬化性組成物とを比較した場合、前者は分子量の小さい重合体の割合が少ないため、硬化物の破断時伸度および最大応力が後者に比べて大きくなり、かつ、硬化性組成物の粘度が低くなるため取扱性に優れる。
分子量分布が狭い重合体(P)は、重合触媒として複合金属シアン化物錯体を用いて得られたポリオール(p)を変性し、水酸基を基(S1)に変換することによって、安定して製造できる。
重合体(P)の分子量分布は、下記の方法によって調整できる。
(i)ポリオール(p)の製造に用いる重合触媒の種類および量を調整する方法。
(ii)環状エーテルの重合条件を最適化する方法。
(iii)分子量、分子量分布が異なる2種以上の重合体(P)を組み合わせる方法。
<化合物(A)>
化合物(A)は、窒素原子を2個含む脂肪族複素環を有し、該脂肪族複素環を構成する2個の窒素原子のうちの一方に、第一級アミノ基(−NH)を含む1価基(a1)または第二級アミノ結合(−NH−)を含む1価基(a2)が結合している化合物である。接着性をより向上できる点で第一級アミノ基(−NH)を1個以上含む1価基(a1)がより好ましい。化合物(A)において、脂肪族複素環を構成する2個の窒素原子のうちの他方には水素原子が結合していることが好ましい。
窒素原子を2個含む脂肪族複素環としては、ピペラジン環、イミダゾリジン環、ピラゾリジン環等が挙げられる。ピペラジン環が好ましい。
前記1価基(a1)は、第一級アミノ基(−NH)を1個以上含む基であり、2価の有機基の末端または側鎖に第一級アミノ基が結合している基が好ましい。該2価の有機基としては、エーテル結合を有していてもよい炭素数1〜8のアルキレン基が好ましい。該アルキレン基は直鎖状が好ましい。1価基(a1)は、1個以上の1級アミノ基を有することが、接着性をより向上できる点で好ましい。1価基(a1)の具体例としては、アミノメチル基、アミノエチル基、アミノプロピル基等が挙げられる。
前記1価基(a2)は第二級アミノ結合(−NH−)を1個以上含む基である。具体例としては、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピル基等が挙げられる。
化合物(A)としては、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、1−(2−アミノプロピル)ピペラジン等が挙げられる。このうち1−(2−アミノエチル)ピペラジンが特に好ましい。化合物(A)は1種でもよく2種以上を併用してもよい。
本発明の硬化性組成物における化合物(A)の含有量は、重合体(P)の100質量部に対して、0.1質量部以上3質量部未満の範囲が好ましく、0.5質量部以上、2.0質量部以下の範囲がより好ましい。化合物(A)の含有量が0.1質量部以上であると良好な接着性向上効果が得られ、3質量部未満であると良好な機械物性が得られる。
<化合物(B)>
化合物(B)は、化合物(A)中の第一級アミノ基または第二級アミノ結合と反応する基(b1)を有するとともに、上式(1)で表される加水分解性ケイ素基を有する化合物である。
硬化性組成物中に同時に存在する、重合体(P)の加水分解性ケイ素基と、化合物(B)の加水分解性ケイ素基とが同じであってもよく、異なっていてもよい。
化合物(A)中の第一級アミノ基とは、前記1価基(a1)中の第一級アミノ基である。化合物(A)中の第二級アミノ結合には、前記1価基(a2)中の第二級アミノ結合のほか、脂肪族複素環を構成している窒素原子に水素原子が結合してなる−NH−も含まれる。
化合物(A)中の第一級アミノ基または第二級アミノ結合と反応する基(b1)としては、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、イソシアネート基等が挙げられる。化合物(A)との反応性が良好である点でエポキシ基が好ましい。
エポキシ基を有する化合物(B)の具体例としては、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
(メタ)アクリロイル基を有する化合物(B)の具体例としては、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
イソシアネート基を有する化合物(B)の具体例としては、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
本発明の硬化性組成物における化合物(B)の含有量は、重合体(P)の100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部未満の範囲が好ましく、0.5質量部以上5質量部以下の範囲がより好ましい。化合物(B)の含有量が0.1質量部以上であると良好な接着性向上効果が得られ、10質量部未満であると良好な機械物性が得られる。
本発明の硬化性組成物に含有させる化合物(A)と化合物(B)の割合は、化合物(A)中の第一級アミノ基または第二級アミノ結合の合計量(a、単位:モル)と、化合物(B)中の、前記第一級アミノ基または第二級アミノ結合と反応する基(b1)の合計量(b、単位:モル)の比率(a/b)が0.1/1.0〜10/1.0の範囲であることが好ましく、0.5/1.0〜7.5/1.0の範囲がより好ましい。上記(b)の1.0に対して(a)の比率が0.1より少ないと、接着性向上効果が不充分になりやすく、コストも高くなる点で好ましくない。また(b)の1.0に対して(a)の比率が10より多いと、硬化物において(A)成分がブリードアウトしやすくなり、性能上好ましくない。
<硬化触媒(C)>
本発明の硬化性組成物に、さらに硬化触媒(C)を含有させることが好ましい。硬化触媒(C)の具体例としては、有機スズ化合物、スズ以外の金属を含む有機金属化合物、金属有機アルコキシド、スズ以外の金属を含む錯体、有機アミン(化合物(A)は含まない)、その他の触媒が挙げられる。
有機スズ化合物の具体例としては、
ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレート、(n−CSn(OCOCH=CHCOOCH、(n−CSn(OCOCH=CHCOO(n−C))、(n−C17Sn(OCOCH=CHCOOCH、(n−C17Sn(OCOCH=CHCOO(n−C))、(n−C17Sn(OCOCH=CHCOO(iso−C17))等の有機スズカルボン酸塩;
(n−CSn(SCHCOO)、(n−C17Sn(SCHCOO)、(n−C17Sn(SCHCHCOO)、(n−C17Sn(SCHCOOCHCHOCOCHS)、(n−CSn(SCHCOO(iso−C17))、(n−C17Sn(SCHCOO(iso−C17))、(n−C17Sn(SCHCOO(n−C17))、(n−CSnS、(C17Sn(SCHCOOC17等の硫黄原子を含む有機スズ化合物;
(n−CSnO、(n−C17SnO等の有機スズオキシド化合物;
有機スズオキシドとエステル(エチルシリケート、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジオクチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジオクチル等。)を反応させて得られる反応生成物;
(n−CSn(acac)、(n−C17Sn(acac)、(n−CSn(OC17)(acac)、(n−CSn(etac)、(n−C17Sn(etac)、(n−CSn(OC17)(etac)、ビスアセチルアセトナートスズ等の有機スズ化合物のキレート;
有機スズ化合物のキレートとアルコキシシラン(テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン等。)を反応させて得られる反応生成物;
(n−C(CHCOO)SnOSn(OCOCH)(n−C、(n−C(CHO)SnOSn(OCH)(n−C等の−SnOSn−結合を有する有機スズ化合物;
2−エチルヘキサン酸スズ、n−オクチル酸スズ,ナフテン酸スズ,ステアリン酸スズ等の2価スズカルボン酸塩が挙げられる。ただし、acacはアセチルアセトナト配位子を、etacはエチルアセトアセテート配位子を示す(以下同様。)。
スズ以外の金属を含む有機金属化合物の具体例としては、カルボン酸カルシウム、カルボン酸ジルコニウム、カルボン酸鉄、カルボン酸バナジウム、ビスマストリス−2−エチルヘキソエートなどのカルボン酸ビスマス、カルボン酸鉛、カルボン酸チタニウム、カルボン酸ニッケルが挙げられる。
有機金属アルコキシドの具体例としては、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、テトラメチルチタネート、テトラ(2−エチルへキシルチタネート)等のチタンアルコキシド;アルミニウムイソプロピレート、モノ−sec−ブトキシアルミニウムジイソプロピレート等のアルミニウムアルコキシド;ジルコニウム−n−プロピレート、ジルコニウム−n−ブチレート等のジルコニウムアルコキシド;チタンテトラアセチルアセトナート、チタンエチルアセトアセテート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテート等のチタンアルコキシドが挙げられる。
スズ以外の金属を含む錯体の具体例としては、アルミニウムトリスアセチルアセトナート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート等のアルミニウムキレート;ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、ジルコニウムビスアセチルアセトナート、ジルコニウムアセチルアセトナートビスエチルアセトアセテート、ジルコニウムアセテート等のジルコニウムキレートが挙げられる。
有機アミンの具体例としては、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン等の脂肪族モノアミン;エチレンジアミン、ヘキサンジアミン等の脂肪族ジアミン;トリエチルアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等の脂肪族ポリアミン;ピペリジン、ピペラジン等の複素環式アミン類;メタフェニレンジアミン等の芳香族アミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン;エポキシ樹脂の硬化に用いられる各種変性アミンが挙げられる。
その他の触媒の具体例としては、リン酸、p−トルエンスルホン酸、フタル酸が挙げられる。
硬化触媒(C)は、硬化性の観点からは、有機スズ化合物であるのが好ましい。速硬化性の観点からは、(n−CSn(acac)、(n−C17Sn(acac)、(n−CSn(OC17)(acac)、(n−CSn(etac)、または(n−C17Sn(etac)であるのが特に好ましい。また、硬化性組成物としての貯蔵安定性の観点から、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレートが好ましい。
また、硬化触媒(C)を適宜選択して硬化性組成物の硬化速度を制御することも可能である。例えば、硬化触媒(C)として活性の低い触媒を選択することにより、本発明の硬化性組成物の硬化速度を遅くすることも可能である。
活性の低い触媒の具体例としては、特定の、配位子中に硫黄原子を含む有機スズ化合物(クロンプトン社製商品名UL−29、日東化成社製商品名ネオスタンU−860等。)が挙げられる。
硬化触媒(C)は1種でもよく、2種以上を併用してもよい。硬化触媒(C)の2種以上を含む場合、硬化性に優れる点で有機スズ化合物と有機アミンとを組み合わせるのが好ましい。
本発明の硬化性組成物に硬化触媒(C)を添加する場合、重合体(P)の100質量部に対する硬化触媒(C)の含有量が0.001〜10質量部であることが好ましく、0.05〜5.0質量部がより好ましい。硬化触媒(C)の含有量が上記の範囲であれば、硬化性、機械物性の両面で優れた性能を発現することができる。
<その他の成分>
硬化性組成物は、上記重合体(P)、化合物(A)、化合物(B)および硬化触媒(C)の他に、必要に応じて、以下に説明する充填剤、可塑剤、脱水剤、チキソ性付与剤、老化防止剤を含有していてもよい。また、化合物(A)および化合物(B)以外に接着性付与剤を含有してもよい。
さらに、表面改質剤;溶剤;加水分解によりトリメチルシラノールを発生する化合物(例えば、フェノキシトリメチルシラン)などのモジュラス調整剤;空気によって硬化する化合物(例えば、桐油);光によって硬化する化合物(例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート);酸化鉄、酸化クロム、酸化チタン等の無機顔料;フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等の有機顔料;難燃剤;防かび剤;塗料用途に使用されている艶消し剤等を含有していてもよい。顔料の使用は、着色のみならず耐候性の向上という目的でも効果的である。
硬化性組成物は、これらに限らず、必要に応じて他の添加剤を含有していてもよい。
(充填剤)
充填剤の具体例としては、平均粒径1〜20μmの重質炭酸カルシウム、沈降法により製造した平均粒径1〜3μmの軽質炭酸カルシウム、表面を脂肪酸や樹脂酸系有機物で表面処理した膠質炭酸カルシウム、軽微性炭酸カルシウム等の炭酸カルシウム;フュームドシリカ;沈降性シリカ;表面シリコーン処理シリカ微粉体;無水ケイ酸;含水ケイ酸;カーボンブラック;炭酸マグネシウム;ケイソウ土;焼成クレー;クレー;タルク;酸化チタン;ベントナイト;酸化第二鉄;酸化亜鉛;活性亜鉛華;シラスバルーン、パーライト、ガラスバルーン、シリカバルーン、フライアッシュバルーン、アルミナバルーン、ジルコニアバルーン、カーボンバルーン等の無機質の中空体;フェノール樹脂バルーン、エポキシ樹脂バルーン、尿素樹脂バルーン、ポリ塩化ビニリデン樹脂バルーン、ポリ塩化ビニリデン−アクリル樹脂バルーン、ポリスチレンバルーン、ポリメタクリレートバルーン、ポリビニルアルコールバルーン、スチレン−アクリル系樹脂バルーン、ポリアクリロニトリルバルーン等の有機樹脂中空体;樹脂ビーズ、木粉、パルプ、木綿チップ、マイカ、くるみ穀粉、もみ穀粉、グラファイト、アルミニウム微粉末、フリント粉末等の粉体状充填剤;ガラス繊維、ガラスフィラメント、炭素繊維、ケブラー繊維、ポリエチレンファイバー等の繊維状充填剤が挙げられる。これらの充填剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの充填剤の中でも、炭酸カルシウムが好ましく、重質炭酸カルシウム及び膠質炭酸カルシウムを併用することが特に好ましい。
硬化性組成物およびその硬化物を軽量化することができる点からは、充填剤として中空体を用いることが好ましい。また、中空体を用いることにより、組成物の糸引き性を改善して作業性を向上させることができる。中空体は単独で用いてもよいが、炭酸カルシウム等のその他の充填剤と組み合わせて用いてもよい。
充填剤を添加する場合の添加量は、重合体(P)100質量部に対して1000質量部以下が好ましく、50〜250質量部がより好ましい。
(可塑剤)
可塑剤としては、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸イソノニル、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)等のフタル酸エステル類;アジピン酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、セバシン酸ジブチル、オレイン酸ブチル等の脂肪族カルボン酸エステル;ペンタエリスリトールエステルなどのアルコールエステル類;リン酸トリオクチル、リン酸トリクレジル等のリン酸エステル類;エポキシ化大豆油、4,5−エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシステアリン酸ベンジル等のエポキシ可塑剤;塩素化パラフィン;2塩基酸と2価アルコールとを反応させてなるポリエステル類などのポリエステル系可塑剤;ポリオキシプロピレングリコールやその誘導体、例えばポリオキシプロピレングリコールの水酸基をアルキルエーテルで封止したようなポリエーテル類、ポリ−α−メチルスチレン、ポリスチレン等のポリスチレンのオリゴマー類、ポリブタジエン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、ポリブテン、水添ポリブテン、エポキシ化ポリブタジエン等のオリゴマー類等の高分子可塑剤が挙げられる。これら可塑剤は、例えば、フタル酸エステルとエポキシ可塑剤等の異なる種類の2種以上の併用も可能である。
可塑剤を添加する場合の添加量は、重合体(P)100質量部に対して1〜100質量部が好ましく、1〜50質量部がより好ましい。
(脱水剤)
硬化性組成物の貯蔵安定性をさらに改良するために、硬化性や柔軟性に悪影響を及ぼさない範囲で少量の脱水剤を添加することできる。脱水剤としては、オルトギ酸メチル、オルトギ酸エチル等のオルトギ酸アルキル;オルト酢酸メチル、オルト酢酸エチル等のオルト酢酸アルキル;メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等の加水分解性有機シリコン化合物;加水分解性有機チタン化合物等が挙げられる。これらの中でも、ビニルトリメトキシシラン、テトラエトキシシランがコスト及び効果の点から特に好ましい。特に、硬化性組成物が、硬化触媒を含有した状態で防湿容器に収容された1液配合タイプの製品として取り扱われる場合、脱水剤を用いることが有効である。
脱水剤を添加する場合の添加量は、重合体(P)100質量部に対して0.5〜20質量部が好ましい。
(チキソ性付与剤)
チキソ性付与剤を含有することにより、硬化性組成物の垂れ性が改善される。チキソ性付与剤の具体例としては、水添ひまし油、脂肪酸アミド等が挙げられ、これらの任意の量が使用される。
(老化防止剤)
老化防止剤として、一般に用いられている酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤が適宜用いることができる。具体的には、ヒンダードアミン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、シアノアクリレート系、アクリレート系、ヒンダードフェノール系、リン系、硫黄系の各化合物を老化防止剤として適宜使用できる。特に、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤から選ばれる2つ又はすべてを組み合わせて使用することが好ましい。具体的には、3級または2級のヒンダードアミン系光安定剤と、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤と、ヒンダードフェノール系および又はホスファイト系酸化防止剤とを組み合わせることが好ましい。
(接着性付与剤)
本発明において、化合物(A)および化合物(B)を含有させることにより接着性が向上するが、これら以外の他の接着性付与剤(化合物(A)、(B)は含まない)をさらに添加してもよい。
該他の接着性付与剤として、2種以上のシランカップリング剤を反応させて得た反応物を用いてもよい。該反応物としては、アミノ基を有するシランとエポキシ基を有するシランを反応させて得た反応物、アミノ基を有するシランと(メタ)アクリロイルオキシ基を有するシランを反応させて得た反応物、エポキシ基を有するシランとメルカプト基を有するシランを反応させて得た反応物、異なるメルカプト基を有するシランの反応物が挙げられる。
硬化性組成物に、化合物(A)および化合物(B)とは別に、他の接着性付与剤を添加する場合、その添加量は重合体(P)の100質量部に対して0超〜10質量部であることが好ましく、0超〜5.0質量部がより好ましい。
本発明によれば、重合体(P)を含有する硬化性組成物に、化合物(A)と化合物(B)を含有させることにより、良好な接着性を有するとともに伸び特性に優れた硬化物を得ることができる。
化合物(A)と化合物(B)との反応は常温でも進行する。したがって硬化性組成物中において、化合物(A)の一部または全部と、化合物(B)の一部または全部とが反応していると推測される。
後述の実施例および比較例に示されるように、(A)成分に代えて1−(2−アミノエチル)ピペラジンのオキシプロピレン付加物を用いても、接着性および伸び特性の向上は見られない(比較例5)。このオキシプロピレン付加物は1−(2−アミノエチル)ピペラジンの第一級アミノ基および第二級アミノ結合が既にオキシプロピレンと反応しているため、化合物(B)と反応しないと考えられる。このことから化合物(A)と化合物(B)の反応生成物が伸び特性および接着性の向上に寄与していると考えられる。
したがって、本発明の硬化性組成物は、少なくとも化合物(A)と化合物(B)の反応生成物を含有していることが好ましく、予め化合物(A)と化合物(B)とを反応させた反応生成物を重合体(P)に添加しても同様の効果が得られる。
また化合物(A)を含有させて化合物(B)を含有させないと、充分な接着性が得られない(比較例7)。これは、化合物(A)と化合物(B)の反応生成物中の加水分解性ケイ素基が、被着体界面や硬化配合物に対し強く相互作用して接着性の向上に寄与するためと考えられる。
また、化合物(A)に代えて、脂肪族複素環が窒素原子を1個だけ有するアミノメチルピペリジンを用いた比較例6に比べて実施例1の方が、特に接着性(破断状態)において優れている。このことから、化合物(A)における窒素原子を2個含む脂肪族複素環の構造が本発明の効果に寄与していると考えられる。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[調製例1]重合体(P1)の調製
撹拌機付きステンレス製10000mlの耐圧反応器内に、開始剤としてポリオキシプロピレンジオール(Mn=1000)の300gと、重合触媒としてグライムを配位子とする亜鉛ヘキサシアノコバルテート錯体触媒の1000mg(金属量として8.0mg)投入した。反応器を窒素置換後、140℃に昇温し、プロピレンオキシドの50gを反応器内に供給して反応させた。反応器内の圧力が低下した後、プロピレンオキシドの4500gを約80g/hrの速度で反応器内に供給した。6時間20分かけてプロピレンオキシドの供給を終了し、さらに1時間撹拌を続けた。その間、反応器の内温を140℃、撹拌速度を500rpmに保ち反応を進行させた。この反応によって得られたポリオキシプロピレンジオール(p1)の数平均分子量(Mn)は16000(水酸基価7.7mgKOH/g)であった。亜鉛ヘキサシアノコバルテート錯体触媒の金属残存量は約40ppmであった。
次いで、上記で得られたポリオキシプロピレンジオール(p1)を上記(ii)の方法で変性した。
すなわちポリオキシプロピレンジオール(p1)の3000gを5000mlの耐圧反応器内に投入し、110℃に加温し、真空脱水を行った。その後、反応器を窒素置換後50℃まで降温し、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン(純度95%)の86.1gを投入し、80℃に加温し8時間反応させた。イソシアネート基/水酸基のモル比は0.97/1.00であった。
FT−IRにてイソシアネートのピークが消失していることを確認後、常温まで冷却した。反応器内容物を分析した結果、オキシプロピレン鎖と「(Si(−OCH)−CHCHCHNHCOO−」で表される置換基を有する重合体(P1)の生成が確認された。得られた重合体(P1)のMnは16000(末端基1個当たりのMnは8000)であり、Mw/Mnは1.44であった。
[調製例2]重合体(P2)の調製
前記調製例1と同様にして得たポリオキシプロピレンジオール(p1)を上記(i)の方法で変性した。
すなわちポリオキシプロピレンジオール(p1)の3000gに、ナトリウムメトキシドのメタノール溶液90gを添加し、加熱減圧下でメタノールを除去して、ポリオキシプロピレンジオールの末端水酸基を−ONa基に変換した。
次に、塩化アリル40gを添加、反応させた後、減圧下で未反応の塩化アリルを除去し、さらに副生した塩を精製により除去して、末端にアリル基を有するポリオキシプロピレン重合体(p2)を得た。該重合体(p2)の2000gに対し、メチルジメトキシシランの21.8gを白金触媒の存在下で反応させ、分子末端にメチルジメトキシシリル基を有する重合体(P2)を得た。得られた重合体(P2)のMnは16200(末端基1個当たりのMnは8100)であり、Mw/Mnは1.24であった。
[実施例]
上記調製例で得た重合体(P1)、(P2)を用い、表1に示す配合で硬化性組成物を調製し、特性を評価した。表1における配合割合の単位は「質量部」である。
表1に示す各成分は以下の通りである。
・表面処理炭酸カルシウム:白石工業社製、白艶華CCR(製品名)。
・重質炭酸カルシウム:白石カルシウム社製、ホワイトンSB(製品名)。
・フタル酸エステル:フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)、試薬。
・水添ひまし油:楠本化成社製、ディスパロン6500(製品名)。
・アミノエチルピペラジン:1−(2−アミノエチル)ピペラジン、試薬。
・アミノシラン:N−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、信越化学社製、KBM603(製品名)。
・ジエタノールアミン:試薬。
・トリエチルアミン:試薬。
・AEPのPO付加物:1−(2−アミノエチル)ピペラジンのオキシプロピレン付加物(水酸基価550)。
・ビニルトリメトキシシラン(脱水剤);信越化学社製、KBM−1003(製品名)。
・エポキシ基含有シラン化合物:3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学社製、KBM−403(製品名)。
・DBTDL:ジブチルスズジラウレート、試薬。
(実施例1)
調製例1で得られたオキシアルキレン重合体(P1)の100質量部に対し、充填材としての表面処理炭酸カルシウム75質量部および重質炭酸カルシウムの75質量部と、可塑剤の40質量部と、チキソ性付与剤の3質量部を加えて、遊星式撹拌器(クラボウ社製)で撹拌した。混合物の温度を室温まで下げ、3本ロールで更に均一な混合物とした。
この後、脱水剤の3質量部、化合物(B)の1質量部を加えて撹拌した後、化合物(A)として、1−(2−アミノエチル)ピペラジンの1質量部を添加して撹拌した。この後、硬化触媒(C)としてジブチルスズジラウレートの1質量部加えて撹拌し、硬化性組成物を得た。
(実施例2,3)
表1に示す通りに配合を変更したほかは実施例1と同様にして硬化性組成物を得た。
(比較例1)
化合物(A)の代わりに、接着付与剤として知られているアミノシランを用いたほかは実施例1と同様にして硬化性組成物を得た。
(比較例2)
化合物(A)を用いないほかは、実施例1と同様にして硬化性組成物を得た。
(比較例3〜6)
化合物(A)に代えて、表1に示す比較化合物を用いたほかは実施例1と同様にして硬化性組成物を得た。
(比較例7)
化合物(B)を用いないほかは、実施例1と同様にして硬化性組成物を得た。
[評価]
(引張接着性試験)
上記実施例および比較例で得られた各硬化性組成物を用い、JIS A5758の試験法に準拠してH型試験体を各2個ずつ作成した。被着体としては、表面陽極酸化アルミニウムを用いた。
該H型試験体を23℃、湿度50%にて7日間硬化養生した後、50℃、湿度65%にて7日間養生し、養生装置から各試験体を取り出した。さらに23℃、湿度50%の条件下に1日放置した試験体について、テンシロン試験機を使用して引張接着性試験を行った。試験は引張速度50mm/分で行い、50%引張時の応力(表には「M50」と記載する。単位:N/mm)、最大伸び(単位:%)および最大引張応力(表には「Tmax」と記載する。単位:N/mm)を測定した。測定結果を表1に示す。
また、上記H型試験体の引張試験における硬化物の破壊形態を目視にて観察し、硬化物と被着体との界面での剥離が生じずに、硬化物の材料破壊が生じた試験体の割合を表すCF率を求めた。2個の試験体の両方において材料破壊が生じた場合はCF率100%、1個において材料破壊が生じ、残りの1個において界面剥離が生じた場合はCF率50%、2個の試験体において界面剥離が生じた場合はCF率0%である。CF率が高いほど被着体との接着性が良好であることを意味する。この結果より接着性の評価結果を、CH率80%以上を○、CF率30%以上80%未満を△、CF率30%未満を×として表1に示す。
(ブリードアウト性の評価)
上記引張接着性試験と同様に作成した試験体を、23℃、湿度50%にて7日間硬化養生した後、50℃、湿度65%にて7日間養生し、養生装置から各試験体を取り出した。さらに23℃、湿度50%の条件下に1日放置した状態において、硬化物の表面を指触にてブリードアウト性の評価を行った。硬化物表面に液状物のあるものを×、ないものを○として表1に示す。
Figure 0005141100
表1の結果より、実施例1〜3の硬化性組成物の硬化物は、比較例1〜7と比較して、伸びが大きく、かつM50の測定値が小さく、弾性が良好に維持されていることがわかる。また接着性評価も良好であった。
これに対して、化合物(A)に代えてアミノシランを用いた比較例1では、接着性は良好であったが、伸びが小さくM50の測定値が大きかった。他の比較化合物を用いた比較例2〜6は接着性および伸びの両方において劣っていた。化合物(B)を含有させなかった比較例7は、最大伸びは大きかったが、M50およびTmaxのいずれも低く、接着性が不充分であった。
なお、化合物(A)の配合量が1質量部に対して、化合物(B)の配合量が0(ゼロ)である比較例7において(A)成分のブリードアウトが認められなかったのは、組成物全体における(A)成分の含有量自体が少ないためと考えられる。
本発明の硬化性組成物は、シーラント、防水材、接着剤、およびコーティング剤等の被覆組成物・密封組成物として有用である。

Claims (10)

  1. 水酸基数が1以上であるポリオキシアルキレンポリ(モノ)オール(p)を変性することによって、水酸基の一部または全部を、下式(1)で表される加水分解性ケイ素基を有する基(S1)に変換した重合体(P)と、
    窒素原子を2個含む脂肪族複素環を有し、該脂肪族複素環を構成する2個の窒素原子のうちの一方に、第一級アミノ基を含む1価基または第二級アミノ結合を含む1価基が結合し、他方に水素原子が結合している化合物(A)と、
    該化合物(A)中の第一級アミノ基または第二級アミノ結合と反応する基として、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、またはイソシアネート基を有するとともに、下式(1)で表される加水分解性ケイ素基を有する化合物(B)を含有
    重合体(P)の100質量部に対して、化合物(A)を0.1質量部以上3質量部未満、化合物(B)を0.1質量部以上10質量部未満含み、化合物(A)中の第一級アミノ基または第二級アミノ結合の合計量a(単位:モル)と、化合物(B)中の、第一級アミノ基または第二級アミノ結合と反応する基の合計量b(単位:モル)の比率(a/b)が0.1/1.0〜10/1.0の範囲であることを特徴とする硬化性組成物。
    −SiX 3−a・・・(1)
    (式中、Xは炭素数1〜6のアルコキシ基を表し、Rは置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価の有機基(アルコキシ基を除く)を表し、aは1〜3の整数を表す。ただし、Rが複数存在するとき複数のRは互いに同一でも異なっていてもよく、Xが複数存在するとき複数のXは互いに同一でも異なっていてもよい。)
  2. 前記重合体(P)の基(S1)が、ウレタン結合を有する、請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 前記重合体(P)が、水酸基数が1以上であるポリオキシアルキレンポリ(モノ)オール(p)と、下式(S21)で表されるイソシアネート基含有シラン化合物(S21)をウレタン化反応させて得られる重合体である、請求項2に記載の硬化性組成物。
    OCN−R02−SiX 3−a・・・(S21)
    (式中、Xは炭素数1〜6のアルコキシ基を表し、Rは置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価の有機基(アルコキシ基を除く)を表し、R02は炭素数1〜17の2価の有機基を表し、aは1〜3の整数を表す。ただし、Rが複数存在するとき複数のRは互いに同一でも異なっていてもよく、Xが複数存在するとき複数のXは互いに同一でも異なっていてもよい。)
  4. 前記ポリオキシアルキレンポリ(モノ)オール(p)の水酸基の総数に対する、前記イソシアネート基含有シラン化合物(S21)のイソシアネート基の総数のモル比(イソシアネート基/水酸基)が0.80〜1.10である、請求項3に記載の硬化性組成物。
  5. 前記重合体(P)の数平均分子量が末端基1個あたり1000〜30000である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  6. 前記化合物(A)における脂肪族複素環がピペラジン環である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  7. 前記化合物(A)が、1−(2−アミノエチル)ピペラジンである、請求項6記載の硬化性組成物。
  8. 前記化合物(B)が、前記化合物(A)中の第一級アミノ基または第二級アミノ結合と反応する基としてエポキシ基を有する、請求項1〜のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  9. 前記化合物(B)が、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシランからなる群から選ばれる1種以上である、請求項に記載の硬化性組成物。
  10. さらに硬化触媒(C)を、前記重合体(P)の100質量部に対して、0.001〜10質量部含有する、請求項1〜のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
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