JPWO2007148451A1 - ポリアミンオキシダーゼの安定化方法と基質特異性の改良方法 - Google Patents

ポリアミンオキシダーゼの安定化方法と基質特異性の改良方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2007148451A1
JPWO2007148451A1 JP2008522315A JP2008522315A JPWO2007148451A1 JP WO2007148451 A1 JPWO2007148451 A1 JP WO2007148451A1 JP 2008522315 A JP2008522315 A JP 2008522315A JP 2008522315 A JP2008522315 A JP 2008522315A JP WO2007148451 A1 JPWO2007148451 A1 JP WO2007148451A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oxidase
polyamine oxidase
polyamine
diacetylspermine
reagent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008522315A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5166259B2 (ja
Inventor
幹雄 場家
幹雄 場家
一彦 下地
一彦 下地
梶山 直樹
直樹 梶山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kikkoman Corp
Original Assignee
Kikkoman Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kikkoman Corp filed Critical Kikkoman Corp
Priority to JP2008522315A priority Critical patent/JP5166259B2/ja
Publication of JPWO2007148451A1 publication Critical patent/JPWO2007148451A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5166259B2 publication Critical patent/JP5166259B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/0004Oxidoreductases (1.)
    • C12N9/0012Oxidoreductases (1.) acting on nitrogen containing compounds as donors (1.4, 1.5, 1.6, 1.7)
    • C12N9/0026Oxidoreductases (1.) acting on nitrogen containing compounds as donors (1.4, 1.5, 1.6, 1.7) acting on CH-NH groups of donors (1.5)
    • C12N9/0032Oxidoreductases (1.) acting on nitrogen containing compounds as donors (1.4, 1.5, 1.6, 1.7) acting on CH-NH groups of donors (1.5) with oxygen as acceptor (1.5.3)

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Abstract

【課題】癌の臨床診断やモノアセチルポリアミン等の有用物質生産等に用いられるポリアミンオキシダーゼの安定化方法と基質特異性の改良方法等を提供すること。【解決手段】アルコール化合物及び/又はキレート試薬を共存させることにより、ポリアミンオキシダーゼを安定化する方法、界面活性剤を共存させる及び/又はpHを7.5未満とすることによりポリアミンオキシダーゼの基質特異性を改良する方法、これら方法を利用するモノアセチルポリアミンの製造方法及びポリアミンオキシダーゼの精製方法。

Description

本発明は、臨床診断や有用物質生産等に用いられるポリアミンオキシダーゼの安定化方法、基質特異性の改良方法、ポリアミンオキシダーゼを用いるジアセチルポリアミンの測定方法、及び、それらを利用してポリアミンオキシダーゼを作用させてモノアセチルポリアミンを製造する方法及びポリアミンオキシダーゼを精製する方法、並びに、安定化されたポリアミンオキシダーゼ製剤及びジアセチルポリアミン測定用試薬等に関する。
ポリアミンとは、同一分子内に2個以上のアミノ基を有する化合物の総称であり、ヒトの体内には、プトレッシン、カダベリン、スペルミジン、スペルミンの4種類のポリアミンとそれらのモノアセチル体及びジアセチル体が存在する。癌患者において、尿中ポリアミンの排泄量が増加することが1971年にRusselによって報告されて以来、癌の診断を目的として尿中のポリアミン含量の測定が行われてきた(例えば、非特許文献1参照)。尿中ポリアミンの大部分はモノアセチル体で存在するため、従来はアセチル基を加水分解し、アセチルポリアミンとアセチル化されていない遊離型のポリアミンを区別しない総ポリアミン含量として測定されていた(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、尿中総ポリアミンにおいては悪性腫瘍患者の中に偽陰性例が相当数認められることが明らかになっている。また、悪性腫瘍以外にも、炎症性疾患、心筋梗塞、肝硬変、創傷治癒過程など、種々の病態に関連して有意に上昇することが明らかになり、腫瘍マーカーとしては実用的でないと考えられるようになった。
近年、N,N12−ジアセチルスペルミン(化1) (以下、単にジアセチルスペルミンと記載する)とN,N−ジアセチルスペルミジン(化2)の2種類のジアセチルポリアミンが尿中に排泄されていることが見出された(例えば、非特許文献2参照)。健常者の尿中においては、これらの成分は総ポリアミンのそれぞれ0.6%、1.4%を占めるにすぎないが、癌患者における増加の割合が総ポリアミンと比較して際立って高く、既存の腫瘍マーカーよりも真陽性率が高いことから、新たな腫瘍マーカーとして注目を集めている(例えば、非特許文献3、4参照)。
Figure 2007148451
Figure 2007148451
ジアセチルポリアミンを特異的に測定する方法としては、例えば、HPLC−酵素法(例えば、非特許文献2参照)が挙げられる。まず検体中の各種ポリアミンをHPLCにて分離した後、HPLC検出器中にてアセチル加水分解酵素を作用させて生じるフリーポリアミンをポリアミンオキシダーゼで酸化し、生じる過酸化水素を電気化学検出器を用いて検出する方法である。しかしながら、本方法では多数の検体を短時間で処理できない等の問題が生じていた。最近、ジアセチルスペルミンに対する特異性が高い抗体が取得され、本抗体を用いる間接競合ELISA法による測定法も開発されたが(例えば、特許文献2、3、4、非特許文献3、4参照)、その操作は煩雑であり、測定値は試料の検体量に反比例するものであった。
このような背景から、ジアセチルポリアミンに特異的に作用するポリアミンオキシダーゼやデヒドロゲナーゼを用いて、より簡便で直接的にジアセチルポリアミンを測定できる方法が開発されれば非常に有用であると期待されるが(例えば、非特許文献5参照)、これまでにこのような試みはなかった。その理由として、これまでに知られているほとんどのポリアミンオキシダーゼは、モノアセチルポリアミン(例えば、N−アセチルスペルミン、N−アセチルスペルミジン、N−アセチルスペルミジン、アセチルプトレッシン等)やアミノ基がアセチル化されていないフリーのポリアミン(例えば、スペルミン、スペルミジン、プトレッシン、カタベリン等)に高い反応性を示すものであり、ジアセチルポリアミンの測定には不向きであったためと考えられる。
しかしながら、最近になって、本発明者等によって、ジアセチルスペルミン(化1)に対して高い反応性を有し、(化3)に示す反応を触媒するポリアミンオキシダーゼがデバリオミセス、キャンディダ、ピキア等から単離された(PCT/JP2006/310648参照)。
Figure 2007148451
このようなポリアミンオキシダーゼはジアセチルスペルミンの測定に有用であると考えられるが、実用化に向けては、酵素の安定性とジアセチルスペルミンに対する特異性をさらに改善することが必要であると考えられた。
まず、酵素の安定性について説明する。一般的に、酵素は液体に溶解した状態では不安定であるという欠点を有している。ポリアミンオキシダーゼについても例外ではなく、この解決策として、種々の安定化方法が試みられてきたが有効な方法はなかった。
次に、酵素の基質特異性について説明する。本発明者等によって発見された上記の酵素は、ジアセチルスペルミンに対する反応性を100%とすると、例えば、N−アセチルスペルミジンにはそれぞれ約30%、50%、90%(pH7.5 リン酸緩衝液条件下)の反応性を示すものであり、ジアセチルスペルミン以外のポリアミンも測定してしまうという問題が生じていた。
また、ポリアミンオキシダーゼは、ジアセチルポリアミンの測定という用途以外にも、ジアセチルスペルミン(化1)から医薬品や農薬の原料として有用なN−アセチルスペルミジン(化4)を製造する方法に利用できることが報告されている(PCT/JP2006/310648)。本法は、従来より知られていた有機合成法(例えば、非特許文献6、7参照)と比較すると工程数が少なく、簡便であるものの、酵素が不安定であるために多量の酵素が必要となるという欠点を有していた。また、基質特異性が不十分であるために、生成するN−アセチルスペルミジンの一部がプトレッシンに変換されてしまい、収率が低下してしまうという欠点も有していた。
Figure 2007148451
特開平1−85080号公報 WO2004/081569パンフレット 特開2006−38594号公報 特開2006−199655号公報 「Cancer Research」,(米国),1971年,31巻,p.1555−1558 「Journal of Biochemistry」,(日本),1995年,117巻,p.107−112 「Clinical Cancer Research」,(米国),2005年,11巻,p.2986−2990 「Journal of Biochemistry」,(日本),2006年,139巻,p.315−322 「Clinica Chimica Acta」,(蘭国),2004年,340巻,p219−227 「Journal of Chemical Society, Perkin Transactions I」,(英国),1988年,p.1905−1911 「Acta Chemica Scandinavica」,(デンマーク),1989年,43巻,p.990−994
本発明の課題は、ポリアミンオキシダーゼの安定化方法、基質特異性の改良方法、及びポリアミンオキシダーゼを用いるジアセチルポリアミンの測定方法、及び、それらを利用してポリアミンオキシダーゼを作用させてモノアセチルポリアミンを製造する方法及びポリアミンオキシダーゼを精製する方法、並びに、安定化されたポリアミンオキシダーゼ製剤及びジアセチルポリアミン測定用試薬を提供することである。
本発明者らは、前記課題解決のために鋭意研究を重ねた結果、(1)アルコール化合物及び/又はキレート試薬を共存させることにより、ポリアミンオキシダーゼの安定性が向上すること、(2)界面活性剤を共存させることにより、ポリアミンオキシダーゼの基質特異性が改良されること、(3)ポリアミンオキシダーゼをpH7.5未満で作用させることにより、ポリアミンオキシダーゼの基質特異性が改良されることなどを見出し、これらの知見に基づき本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下に関する。
(1)アルコール化合物及び/又はキレート試薬と、ポリアミンオキシダーゼを共存させることを特徴とする、ポリアミンオキシダーゼの安定化方法。
(2)ポリアミンオキシダーゼがジアセチルスペルミンオキシダーゼである、上記(1)に記載のポリアミンオキシダーゼの安定化方法。
(3)界面活性剤存在下にてポリアミンオキシダーゼを作用させることを特徴とする、ポリアミンオキシダーゼの基質特異性の改良方法。
(4)ポリアミンオキシダーゼをpH7.5未満で作用させることを特徴とする、ポリアミンオキシダーゼの基質特異性の改良方法。
(5)ポリアミンオキシダーゼがジアセチルスペルミンオキシダーゼである、上記(3)〜(4)のいずれかに記載のポリアミンオキシダーゼの基質特異性の改良方法。
(6)ポリアミンオキシダーゼを含有する試薬を試料に作用させて、ジアセチルポリアミンを測定することを特徴とする、ジアセチルポリアミンの測定方法。
(7)アルコール化合物及び/又はキレート試薬により安定化されたポリアミンオキシダーゼを用いることを特徴とする、上記(6)に記載の測定方法。
(8)界面活性剤により基質特異性が改良されたポリアミンオキシダーゼを用いることを特徴とする、上記(6)〜(7)のいずれかに記載の測定方法。
(9)ポリアミンオキシダーゼをpH7.5未満で作用させることを特徴とする、上記(6)〜(8)のいずれかに記載の測定方法。
(10)ポリアミンオキシダーゼがジアセチルスペルミンオキシダーゼである、上記(6)〜(9)のいずれかに記載のジアセチルポリアミンの測定方法。
(11)アルコール化合物及び/又はキレート試薬と、ポリアミンオキシダーゼを含有することを特徴とする、安定化されたポリアミンオキシダーゼ製剤。
(12)ポリアミンオキシダーゼがジアセチルスペルミンオキシダーゼである、上記16に記載の安定化されたポリアミンオキシダーゼ製剤。
(13)ポリアミンオキシダーゼを含有することを特徴とする、ジアセチルポリアミンの測定試薬。
(14)アルコール化合物及び/又はキレート試薬と、ポリアミンオキシダーゼを含有することを特徴とする上記(13)に記載のジアセチルポリアミンの測定試薬。
(15)界面活性剤とポリアミンオキシダーゼを含有することを特徴とする上記(13)又は(14)のいずれかに記載のジアセチルポリアミン測定試薬。
(16)ポリアミンオキシダーゼがジアセチルスペルミンオキシダーゼである、上記(13)〜(15)のいずれかに記載のジアセチルポリアミン測定試薬。
(17)上記(1)又は(2)記載のポリアミンオキシダーゼの安定化方法、及び/又は上記(3)〜(5)のいずれか一項に記載のポリアミンオキシダーゼの基質特異性の改良方法を利用することを特徴とする、ジアセチルポリアミンにポリアミンオキシダーゼを作用させてモノアセチルポリアミンを製造する方法。
(18)ポリアミンオキシダーゼがジアセチルスペルミンオキシダーゼである、上記(17)記載のモノアセチルポリアミンの製造方法。
(19)上記(1)又は(2)記載のポリアミンオキシダーゼの安定化方法を利用することを特徴とする、ポリアミンオキシダーゼの精製方法。
(20)ポリアミンオキシダーゼがジアセチルスペルミンオキシダーゼである、上記(19)記載のポリアミンオキシダーゼの精製方法。
本発明の方法によれば、アルコール化合物及び/又はキレート試薬を共存させることにより、ポリアミンオキシダーゼを安定化することができる。また、界面活性剤を共存させる及び/又はpH7.5未満の条件下とすることにより、ポリアミンオキシダーゼの基質特異性を改良することができる。さらに、このような安定化方法及び/又は基質特異性の改良方法を用いて、ジアセチルポリアミンへポリアミンオキシダーゼを作用させてモノアセチルポリアミンを製造したり、ポリアミンオキシダーゼを用いることによりジアセチルポリアミンを測定することができる。
アルコール化合物とキレート試薬を共存させることによる酵素の安定化効果を示すグラフである。 ポリアミンオキシダーゼ製剤の熱安定性を示すグラフである。 ジアセチルスペルミンオキシダーゼを含有する試薬を用い、ジアセチルスペルミン試料を測定したときの濃度と吸光度の関係を示すグラフである。 ジアセチルスペルミンオキシダーゼを含有する試薬を用い、尿にジアセチルスペルミンを添加した試料を測定したときの濃度と吸光度の関係を示すグラフである。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明に用いられる「ポリアミンオキシダーゼ」は、ジアセチルポリアミンを酸素存在下で酸化して、モノアセチルポリアミン、アルデヒド及び過酸化水素を生成する反応を触媒する酵素であり、如何なる起源のものでも用いることができる。例えば、微生物、植物、あるいは動物などの生産するポリアミンオキシダーゼ等、いずれであってもよく、特に制限されない。例えば、酵母等を起源とするポリアミンオキシダーゼ等が挙げられ、好ましくはデバリオミセス属、キャンディダ属、ピキア属由来の酵素等が用いられる。
さらに具体的には、デバリオミセス・ハンセニイ(Debaryomyces hansenii)、デバリオミセス・マラマ(Debaryomyces marama)、デバリオミセス・マラムス(Debaryomyces maramus)、キャンディダ・グラブラタ(Candida glabrata)及び「FEBS Letters」,(英国),2000年,476巻,p.150−154に記載のキャンディダ・ボイディニイ(Candida boidinii)由来のポリアミンオキシダーゼ等が好ましく用いられる。
ポリアミンオキシダーゼの中でも、特にジアセチルスペルミンオキシダーゼは好ましく用いられる。ここで述べるジアセチルスペルミンオキシダーゼとは、N−アセチルスペルミン、N−アセチルスペルミジン、N−アセチルスペルミジンに対する活性よりもジアセチルスペルミンに対する活性が高いポリアミンオキシダーゼを指し、例えば、デバリオミセス・ハンセニイ、デバリオミセス・マラマ、デバリオミセス・マラムス、キャンディダ・グラブラタ、ピキア・ミヌタ由来のジアセチルスペルミンオキシダーゼ等が挙げられる。
このようなジアセチルスペルミンオキシダーゼの好適例として、PCT/JP2006/310648に記載されている以下の酵素を挙げることができる。
すなわち、以下の(1a)〜(1g)に記載の理化学的性質をそれぞれ若しくはそれらを適宜併せて有するジアセチルスペルミンオキシダーゼ(なお、下記の酵素の理化学的性質は、測定上不可避的な誤差を含んでいる):
(1a)作用:化3に示したとおり、酸素存在下にてジアセチルスペルミンの2級アミンのC−N結合を開裂して、N−アセチルスペルミジン、3−アセトアミドプロパナール及び過酸化水素を生成する。
(1b)基質特異性:ジアセチルスペルミン>N−アセチルスペルミン,N−アセチルスペルミジン,N−アセチルスペルミジン
例えば、pH7.5の条件下において、ジアセチルスペルミンを基質として用いたときの活性を100としたとき、N−アセチルスペルミン、N−アセチルスペルミジン、N−アセチルスペルミジンを基質として用いたときの活性が90以下、好ましくは60以下、さらに好ましくは50以下、もっとも好ましくは40以下である理化学的性質を有する本発明酵素などが挙げられる。本評価におけるpHの条件や緩衝液の種類と濃度についてはなんら制限されない。
(1c)至適pH:6.5〜8.5
例えば、緩衝液として200mM 酢酸緩衝液(pH4.5〜6.0)、200mM リン酸カリウム緩衝液(pH6.0〜8.0)、200mM PIPES−NaOH(pH6.5〜7.5)、200mM トリス−塩酸緩衝液(pH7.5〜9.5)を用い、それぞれのpHにおいて、温度37℃にて酵素反応を行い、至適pHを求める。例えば、至適pHとしてpH6.5〜8.5、好ましくはpH7.0〜8.0の理化学的性質を有する本発明酵素などが挙げられる。
(1d)安定pH:6.0〜8.0
例えば、緩衝液として200mM 酢酸緩衝液(pH4.5〜6.0)、200mM リン酸カリウム緩衝液(pH6.0〜8.0)、200mM PIPES−NaOH(pH6.5〜7.5)、200mM トリス−塩酸緩衝液(pH7.5〜9.5)を用い、それぞれのpHにおいて、30℃で30分間処理した後、本発明酵素の残存活性を測定する。例えば、安定pHの範囲として、pH6.0〜8.0、好ましくはpH6.5〜7.5の理化学的性質を有する本発明酵素などが挙げられる。
(1e)至適温度:37〜55℃
例えば、後述の活性測定法における反応液と同一組成よりなる反応液を用い、種々の温度にて本酵素の活性測定を行い作用適温の範囲を求める。例えば、作用適温の範囲として37〜55℃の理化学的性質を有する本発明酵素などが挙げられる。
(1f)熱安定性:37℃以下
例えば、200mM リン酸カリウム緩衝液(pH7.0)を用い、それぞれの温度において30分間処理した後、本発明酵素の残存活性を測定する。このとき好ましくは90%以上の活性が残存している場合、その温度において酵素は安定であると言える。例えば、酵素が安定に存在できる範囲として、37℃以下の理化学的性質を有する本発明酵素などが挙げられる。
(1g)分子量:約92,000(ゲルろ過法)
分子量はゲルろ過法、Native PAGE法、SDS−PAGE法等を用いて測定することができる。本発明酵素の分子量については特に限定されないが、例えば、分子量の一例として、分子量約92,000(ゲルろ過法)の本発明酵素などが挙げられる。
以下の(2a)〜(2g)に記載の理化学的性質をそれぞれ若しくはそれらを適宜併せて有するジアセチルスペルミンオキシダーゼ(なお、下記の酵素の理化学的性質は、測定上不可避的な誤差を含んでいる):
(2a)作用:化3に示したとおり、酸素存在下にてジアセチルスペルミンの2級アミンのC−N結合を開裂して、N−アセチルスペルミジン、3−アセトアミドプロパナール及び過酸化水素を生成する。
(2b)基質特異性:ジアセチルスペルミン>N−アセチルスペルミン,N−アセチルスペルミジン,N−アセチルスペルミジン
例えば、pH7.5の条件下において、ジアセチルスペルミンを基質として用いたときの活性を100としたとき、N−アセチルスペルミン、N−アセチルスペルミジン、N−アセチルスペルミジンを基質として用いたときの活性が90以下、好ましくは60以下、さらに好ましくは50以下である理化学的性質を有する本発明酵素などが挙げられる。本評価におけるpHの条件や緩衝液の種類と濃度についてはなんら制限されない。
(2c)至適pH:7.0〜8.5
例えば、緩衝液として200mM 酢酸緩衝液(pH4.5〜6.0)、200mM リン酸カリウム緩衝液(pH6.0〜8.0)、200mM PIPES−NaOH(pH6.5〜7.5)、200mM トリス−塩酸緩衝液(pH7.5〜9.5)を用い、それぞれのpHにおいて、温度37℃にて酵素反応を行い、至適pHを求める。例えば、至適pHとしてpH7.0〜8.5、好ましくはpH7.5〜8.0の理化学的性質を有する本発明酵素などが挙げられる。
(2d)安定pH:5.5〜9.5
例えば、緩衝液として200mM 酢酸緩衝液(pH4.5〜6.0)、200mM リン酸カリウム緩衝液(pH6.0〜8.0)、200mM PIPES−NaOH(pH6.5〜7.5)、200mM トリス−塩酸緩衝液(pH7.5〜9.5)を用い、それぞれのpHにおいて、30℃で30分間処理した後、本発明酵素の残存活性を測定する。例えば、安定pHの範囲として、pH5.5〜9.5、好ましくはpH6.5〜9.0の理化学的性質を有する本発明酵素などが挙げられる。
(2e)至適温度:45〜55℃
例えば、後述の活性測定法における反応液と同一組成よりなる反応液を用い、種々の温度にて本酵素の活性測定を行い作用適温の範囲を求める。例えば、作用適温の範囲として45〜55℃の理化学的性質を有する本発明酵素などが挙げられる。
(2f)熱安定性:37℃以下
例えば、200mM リン酸カリウム緩衝液(pH7.0)を用い、それぞれの温度において30分間処理した後、本発明酵素の残存活性を測定する。このとき好ましくは90%以上の活性が残存している場合、その温度において酵素は安定であると言える。例えば、酵素が安定に存在できる範囲として、37℃以下の理化学的性質を有する本発明酵素などが挙げられる。
(2g)分子量:約90,000(ゲルろ過法)
分子量は、ゲルろ過法、Native PAGE法、SDS−PAGE法等を用いて測定することができる。本発明酵素の分子量については、特に限定されないが、例えば、分子量の一例として、分子量約90,000(ゲルろ過法)の本発明酵素などが挙げられる。
なお、上記の一番目に挙げた酵素はデバリオミセス マラマ HUT 7199、デバリオミセス マラムス NBRC 0668及びデバリオミセス ハンセニイ Tsukuba 42(FERM BP−10603)、並びに、上記の二番目に挙げた酵素はキャンディダ グラブラタ Noda 162がそれぞれ生産するもので、当業者であれば、これらの菌体から容易に調製することができるし、酵素をコードする遺伝子をクローニングして、大腸菌や酵母等の他の宿主で組換え発現させて調製することもできる。
デバリオミセス ハンセニイ Tsukuba 42 (FERM BP−10603)及びキャンディダ グラブラタ Noda 162 (FERM BP−10602)は、本発明者らが茨城県内及び千葉県内の土壌よりそれぞれ分離して得た菌株であり、2006年5月10日付けで、独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに、特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約に基づき寄託され、それぞれ、受託番号FERM BP−10603、及び、FERM BP−10602が付与されている。
ポリアミンオキシダーゼには、FAD又は銅を補酵素とするものが知られており、特に限定はされないが、FADを補酵素として利用するポリアミンオキシダーゼが望ましい。これらのポリアミンオキシダーゼは、遺伝子組換え体によって製造されたものも用いることができる。
[ポリアミンオキシダーゼの安定性の向上]
本発明において、ポリアミンオキシダーゼの安定性を向上させるために共存させるアルコール化合物とは、ヒドロキシル基(OH)を有する有機化合物であり、そのような官能基を有する化合物であれば当業者に公知の如何なる化合物でも本発明に用いることができる。特に脂肪族炭化水素の1個又は複数個の水素原子をヒドロキシル基で置換した有機化合物は、入手が容易であることから好ましく用いられる。より具体的には、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、エチレングリコール及びグリセロール等の脂肪族アルコール、並びにトレハロース、キシリトール、スクロース及びグルコース等の糖類が挙げられる。本発明においては、上記アルコール化合物は、それぞれ単独でも複数組み合わせても用いることができる。
ポリアミンオキシダーゼと共存させる前記アルコール化合物の溶液中の濃度については、ポリアミンオキシダーゼの安定化効果が発揮され、かつ酵素を含む試薬を取り扱う上で不都合のない範囲内であれば特に限定されず、各化合物について適切な安定化効果が認められる濃度で添加することができる。好ましくは0.5〜20%、より好ましくは1〜10%(以下、特に断りがない限り、「体積%」を意味する)の濃度で用いられる。
本発明において、ポリアミンオキシダーゼの安定性を向上させるために共存させるキレート試薬とは、金属イオンに配位しキレート化合物を与えるような化合物であり、そのような作用を有する化合物であれば当業者に公知の如何なる化合物でも本発明に用いることができる。
例えば、エチレンジアミン4酢酸(Ethylenediamine−N,N,N’,N’−tetraacetic acid、(以下「EDTA」と称する))、1,2−Diaminopropane−N,N,N’,N’−tetraacetic acid(以下「Me−EDTA」と称する)、N−(2−Hydroxymethyl)ethylenediamine−N,N,N’,N’−tetraacetic acid(以下「EDTA−OH」と称する)、trans−1,2−Diaminocyclohexane−N,N,N’,N’−tetraacetic acid(以下「CyDTA」と称する)、1,3−Diamino−2−hydroxypropane−N,N,N’,N’−tetraacetic acid(以下「DTPA−OH」と称する)、O,O’−Bis(2−aminoethyl)ethyleneglycol−N,N,N’,N’−tetraacetic acid(以下「EGTA」と称する)、Triethylenetetramine−N,N,N’,N’’,N’’’,N’’’−hexaacetic acid(以下「TTHA」と称する)などのポリアミンカルボン酸系のキレート試薬や、クエン酸、リンゴ酸、イソクエン酸などのオキシカルボン酸系のキレート試薬等が挙げられる。上記キレート試薬に配位する塩の有無、種類や数については何ら限定されるものではないが、例えば、ナトリウム塩化合物が好ましく用いられる。
上記キレート試薬は、それぞれ単独でも複数組み合わせても用いることができる。また、上記キレート試薬によって安定化させるポリアミンオキシダーゼとして、例えば、酵母等を起源とするポリアミンオキシダーゼが挙げられ、さらに具体的には、デバリオミセス・ハンセニイ、デバリオミセス・マラマ、デバリオミセス・マラムス、キャンディダ・グラブラタ由来のジアセチルスペルミンオキシダーゼ、及び「FEBS Letters」,(英国),2000年,476巻,p.150−154に記載のキャンディダ・ボイディニイ由来のN−アセチルスペルミジンオキシダーゼ等が挙げられる。
ポリアミンオキシダーゼと共存させる前記キレート試薬の溶液中の濃度については、ポリアミンオキシダーゼの安定化効果が発揮され、かつ酵素を含む試薬を取り扱う上で不都合のない範囲内であれば特に限定されないが、好ましくは0.01〜50mM、より好ましくは1〜10mMの濃度で用いられる。
さらに、前記アルコール化合物と前記キレート試薬を併用することにより、ポリアミンオキシダーゼを安定化させることができる。前記アルコール化合物と前記キレート試薬は、それぞれ単独でも複数組み合わせても用いることができる。
このとき、必要により、その他の試薬が共存していてもよい。通常、アルコール化合物及び/又はキレート試薬、ポリアミンオキシダーゼ及び他の試薬等が添加された固体粉末若しくはそれらの溶液をそれぞれ適宜混合することにより共存させることができる。
本発明の安定化方法に用いられるポリアミンオキシダーゼの濃度は、特に制限されないが、例えば、溶液の場合、0.05〜1000 U/ml、好ましくは0.2〜100 U/mlである。この酵素溶液には、FAD、NAD、NADP、NADH、NADPH等の補酵素、ペルオキシダーゼ、4−アミノアンチピリン、フェノール、N−エチル−N−スルホプロピル−m−トルイジン(TOOS)、10−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンナトリウム塩(DA−67)等の過酸化水素検出試薬、1−Methoxy PMSやWST−8(ホルマザン試薬)等の酸化還元系発色試薬、カタラーゼ等の酵素、ジアセチルスペルミン等の各種ポリアミン類のいずれか1つ以上を含有させることもできる。
一般に酵素は、保存時のpHによりその安定性が大きく影響を受けるため、安定なpH域の種々の緩衝液を同時に用いることが好ましい。本発明の酵素の安定化において用いられる緩衝液の種類及びその濃度、pHは特に限定されるものではないが、例えば、pH6〜10の間で緩衝能を有し、かつ必要十分な緩衝能を保つ濃度に設定されていることが望ましい。この様な緩衝液として、例えば、汎用的なトリス緩衝液やリン酸緩衝液を挙げることもできるし、酢酸、クエン酸、シュウ酸等の有機酸系緩衝液、MES、BES、HEPES、TES、ビシン、トリシン等のグッドバッファー、グリシン−NaOHなどのアミノ酸系緩衝液、ホウ酸緩衝液、Bis−Tris propane緩衝液、イミダゾール緩衝液などを使用することもできる。
酵素を保存する際の緩衝液の濃度については特に限定されないが、好ましくは5〜500mM、さらに好ましくは20〜100mMである。本発明のアルコール化合物及び/又はキレート試薬を緩衝液に添加する場合は、直接添加するか、又は、例えば、pH6〜10、好ましくはpH6〜8に調整したそれらの水溶液を添加すればよい。アルコール化合物及び/又はキレート試薬を添加することにより、pHが目的とする範囲から外れるときは、例えば、酢酸、塩酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水等の添加によりpHが目的の範囲内におさまるように調整するのが好適である。
さらに、その他の試薬として、必要により、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、アジ化ナトリウム等の各種無機塩、デキストラン等の多糖類、ウシ血清アルブミン(BSA)、グリセロール、アミノ酸、界面活性剤、抗生物質、サルファ剤等の化学療法剤等を共存させてもよい。これらの試薬は、あらかじめ緩衝液に添加しておいてもよい。
安定性の評価は、実際に用いる酵素の保存条件、輸送条件及び測定条件などに即した種々の条件下に、ポリアミンオキシダーゼを保存、放置して、経時的にその変化を測定することにより行なわれるが、一般に、短時間で評価を行うために、通常、加速試験が用いられる。例えば、一定の高温下にポリアミンオキシダーゼを保温して、経時的にその変化を測定する方法などが挙げられる。
[安定化されたポリアミンオキシダーゼ製剤]
この様にして、アルコール化合物及び/又はキレート試薬を共存させることにより、ポリアミンオキシダーゼ、特にジアセチルスペルミンオキシダーゼを安定化することができる。この安定化方法を用いて、アルコール化合物及び/又はキレート試薬と、ポリアミンオキシダーゼを含有する安定化されたポリアミンオキシダーゼ製剤を製造することができる。
例えば、アルコール化合物を1〜10%、及び/又はキレート試薬を1〜50mMの濃度で含有する、pH6〜10の緩衝液を調製し、この緩衝液にポリアミンオキシダーゼを濃度が0.05〜1000U/mlとなるように添加する。次に、FADなどの補酵素を0.01〜10mMとなるように添加してもよい。さらに、必要により、例えば、ペルオキシダーゼを10〜1000U/ml、TOOSを0.05〜5mM、4−アミノアンチピリンを0.1〜20mMとなるように加えてもよい。この混合液を撹拌し、ポリアミンオキシダーゼ製剤を製造することができる。
さらに、必要により、この液状の製剤を凍結乾燥や噴霧乾燥してもよい。このようにして得られたポリアミンオキシダーゼ製剤は、従来の方法により製造された製剤に比べて著しく安定化されており、本発明の方法により、簡単な方法でかつ安価に、安定化されたポリアミンオキシダーゼ製剤を製造することができる。
[ポリアミンオキシダーゼの精製方法]
また、この安定化方法を用いて、精製したポリアミンオキシダーゼを製造することができる。酵素の精製法としては、通常の酵素精製に用いられる方法が使用でき、例えば、硫安塩析法、有機溶媒沈殿法、イオン交換クロマトグラフ法、ゲル濾過クロマトグラフ法、疎水クロマトグラフ法、吸着クロマトグラフ法、電気泳動法等を適宜組み合わせて行うのが好ましい。例えば、これらの精製工程のいずれか1工程若しくは複数の工程において、アルコール化合物及び/又はキレート試薬を添加、共存させることによってポリアミンオキシダーゼを安定化した状態で単離精製することができる。これにより酵素を高い回収率で製造することが可能となる。
さらに具体的には、PCT/JP2006/310648に記載のジアセチルスペルミンオキシダーゼは、ダイノーミルによる菌体破砕、硫安沈殿、透析、陰イオン交換カラムクロマトグラフィー、疎水性カラムクロマトグラフィー、ゲルろ過等を組み合わせて精製するが、これらの工程のいずれか1工程若しくは複数の工程においてアルコール化合物及び/又はキレート試薬を添加、共存させることによりジアセチルスペルミンオキシダーゼを安定化した状態で単離精製することができる。
さらに、この安定化方法を用いて、N−アセチルスペルミジンを効率よく製造することができる。例えば、PCT/JP2006/310648に記載のように、ジアセチルスペルミンに対してジアセチルスペルミンオキシダーゼを作用させることにより、N−アセチルスペルミジンを得ることができるが、このとき反応系にアルコール化合物及び/又はキレート試薬を添加、共存させることによってジアセチルスペルミンオキシダーゼが安定化されるため、より少量の酵素で反応を行うことが可能となり、産業上有利である。
上記の反応は、通常緩衝液中で行うが、必要に応じ、カタラーゼ等の過酸化水素消去酵素やアジ化ナトリウム等の防腐剤を添加してもよい。緩衝液としては、pH5〜10の通常の緩衝液であれば特に限定さないが、例えば、汎用的なトリス緩衝液やリン酸緩衝液を挙げることもできるし、酢酸、クエン酸、シュウ酸等の有機酸系緩衝液、MES、BES、HEPES、TES、ビシン、トリシン等のグッドバッファー、グリシン−NaOHなどのアミノ酸系緩衝液、ホウ酸緩衝液、Bis−Tris propane緩衝液、イミダゾール緩衝液等を挙げることができる。反応時間はいかなる時間でもよいが、1時間から3日間、好ましくは3時間から2日間程度で反応を停止させるのが好ましい。
[ポリアミンオキシダーゼの基質特異性の改良]
本発明において、「ポリアミンオキシダーゼの基質特異性の改良」とは、ポリアミンオキシダーゼの「ジアセチルスペルミンに対する反応性」の「その他のポリアミンに対する反応性」に対する比、すなわち、「ジアセチルスペルミンに対する反応性/その他のポリアミンに対する反応性」を向上させることをいう。ここでいう「その他のポリアミン」とは、例えば、N−アセチルスペルミン、N−アセチルスペルミジン、N−アセチルスペルミジン、スペルミン、スペルミジンなどを指す。
基質特異性の評価は、酵素活性の測定に用いる反応液に添加する基質の種類を変えて酵素活性を測定し、ジアセチルスペルミンに対する反応性とその他のポリアミンに対する反応性を比較することにより行う。ここでいう「その他のポリアミン」とは、例えば、N−アセチルスペルミン、N−アセチルスペルミジン、N−アセチルスペルミジン、スペルミン、スペルミジンなど測定する方法などが挙げられる。簡易的な評価を行うために、ジアセチルポリアミンに対する反応性と1種類のその他のポリアミン(例えば、N−アセチルスペルミジン)に対する反応性を比較して評価することもできる。
本発明において、ポリアミンオキシダーゼの基質特異性を改良するために使用する界面活性剤とは、親水基と親油基(疎水基)とで構成されており、水に溶けて水の表面張力を低下させる活性を示す物質であり、そのような化合物であれば如何なる化合物でも用いることができる。一般的に、親水基の種類によって界面活性剤は、アニオン界面活性剤(陰イオン界面活性剤)、カチオン界面活性剤(陽イオン界面活性剤)、非イオン性界面活性剤(ノニオン界面活性剤)、両性界面活性剤の4種に分類されている。
アニオン界面活性剤(陰イオン界面活性剤)とは、水中で電離して有機陰イオンとなるものであり、例えば、界面活性剤の分子中の親油基をRとすると、RCOONa、RSONa、RSONaなどがある。
カチオン界面活性剤(陽イオン界面活性剤)とは、水中で電離して有機陽イオンとなるものであり、例えば界面活性剤の分子中の親油基をR、ハロゲンをXとすると、R−NHX、[RN]X(第4級アンモニウム塩)、(C−N)RX(アルキルピリジニウム塩)などがある。
非イオン性界面活性剤(ノニオン界面活性剤)とは、親水基が非イオン性のものであり、親水基としてよく用いられるものとして、例えば、オキシエチレン基(−CHCHO−)、ソルビタン、ショ糖のエステル、グリセリン誘導体のモノグリセリドなどがあり、例えば、界面活性剤の分子中の親油基をRとすると、RO(CHCHO)−H、RCOO(CHCHO)−Hなどがある。
両性界面活性剤とは、分子内にアニオン基とカチオン基の両方をあわせもっているものである。
各種界面活性剤の中でも、特に非イオン性界面活性剤と両性界面活性剤はポリアミンオキシダーゼの基質特異性を向上させるためにより好ましく用いられる。さらに具体的には、非イオン性界面活性剤として、例えば、Triton X−100 [Polyoxyethylene(10)Octylphenyl Ether]、Triton X−405 [p−tertiary Octylphenoxy−Polyethoxy Ethanols]、Tween 20 [Polyoxyethylene(20)Sorbitan Monolaurate]、Tween 40 [Polyoxyethylene(20)Sorbitan Monopalmitate]、Tween 80 [Polyoxyethylene(20)Sorbitan Monooleate]、Tween 85 [Polyoxyethylene(20)Sorbitan Trioleate]、Brij 35 [Polyoxyethylene(23)Lauryl Ether]、Brij 58 [Polyoxyethylene(20)Cetyl Ether]、Brij 78 [Polyoxyethylene (20) Stearyl Ether]、エマルゲン913 (Nonyl Phenol Ethoxylate)などが挙げられ、両性界面活性剤として、例えば、3‘−[(3−Cholamidopropyl)dimethyl−ammonio]−2−hydroxypropane−sulfonic acid(CHAPSO)などが挙げられる。
上記界面活性剤は、それぞれ単独でも複数組み合わせても用いることができる。
ポリアミンオキシダーゼと前記界面活性剤を同一の試薬内にあらかじめ混合し、共存する形で用いることができる。若しくは、ポリアミンオキシダーゼによる反応が進行するときに前記界面活性剤が存在していればよいので、例えば、ポリアミンオキシダーゼを含有する試薬Aと前記界面活性剤を含有する試薬Bをそれぞれ別途調製し、これらを適宜混合して、前記界面活性剤存在下でポリアミンオキシダーゼ反応を進行させることもできる。ポリアミンオキシダーゼと共存するときの前記界面活性剤の濃度については特に限定されず、各化合物について適切な基質特異性改良効果が認められる濃度で添加することができる。好ましくは0.001〜20%、より好ましくは0.01〜5%の濃度で用いられる。
本発明の界面活性剤による基質特異性の改善において用いられる緩衝液の種類及びその濃度、pHは特に限定されるものではないが、例えば、pH5〜10の間で緩衝能を有し、かつ必要十分な緩衝能を保つ濃度に設定されていることが望ましい。この様な緩衝液として、例えば、汎用的なトリス緩衝液やリン酸緩衝液を挙げることもできるし、酢酸、クエン酸、シュウ酸等の有機酸系緩衝液、MES、BES、HEPES、TES、ビシン、トリシン等のグッドバッファー、グリシン−NaOHなどのアミノ酸系緩衝液、ホウ酸緩衝液、Bis−Tris propane緩衝液、イミダゾール緩衝液などを使用することもできる。緩衝液の濃度については、例えば、好ましくは5〜500mM、さらに好ましくは20〜100mMである。
また、ポリアミンオキシダーゼの基質特異性を改良するため、pH7.5未満にて酵素反応を行う方法も挙げられる。より好ましいpH条件として、例えば、6.0以上7.5未満が挙げられる。本発明においては、同様にポリアミンオキシダーゼの基質特異性を改良する効果が得られる上記界面活性剤を共存させることもできる。
ポリアミンオキシダーゼは、pH7.5未満、より好ましくはpH6.0以上7.5未満の試薬内にあらかじめ含有される形で用いることができる。又は、ポリアミンオキシダーゼによる反応が進行するときにpH7.5未満、より好ましくはpH6.0以上7.5未満になっていればよいので、例えば、2種以上の試薬(いずれかがポリアミンオキシダーゼを含有する)をそれぞれ別途調製し、これらを適宜混合して、pH7.5未満、より好ましくはpH6.0以上7.5未満の条件となるようにしてポリアミンオキシダーゼ反応を進行させることもできる。
本発明の上記の界面活性剤存在下及び/又はpH7.5未満にて酵素反応を行うことによる基質特異性の改良に用いられるポリアミンオキシダーゼの濃度は、特に制限されないが、例えば、溶液の場合、0.05〜1000 U/ml、好ましくは0.2〜100 U/mlである。この酵素溶液には、FAD、NAD、NADP、NADH、NADPH等の補酵素、ペルオキシダーゼ、4−アミノアンチピリン、フェノール、TOOS、DA−67等の過酸化水素検出試薬、1−Methoxy PMSやWST−8(ホルマザン試薬)等の酸化還元系発色試薬、カタラーゼ等の酵素、ジアセチルスペルミン等の各種ポリアミン類のいずれか1つ以上が存在していてもよい。
さらに、その他の試薬として、既に記載したような安定化剤であるアルコール化合物及び/又はキレート試薬やその他の試薬を共存させて用いることもできる。また、必要により、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、アジ化ナトリウム等の各種無機塩、デキストラン等の多糖類、ウシ血清アルブミン(BSA)、グリセロール、アミノ酸、抗生物質、サルファ剤等の化学療法剤等を共存させてもよい。
さらに、上記の界面活性剤存在下及び/又はpH7.5未満にて酵素反応を行うことによる基質特異性の改良方法を用いて、N−アセチルスペルミジンを効率よく製造することができる。例えば、PCT/JP2006/310648に記載のように、ジアセチルスペルミンに対してジアセチルスペルミンオキシダーゼを作用させることにより、N−アセチルスペルミジンを得ることができるが、このとき反応系に基質特異性が向上しているため、生成物であるN−アセチルスペルミジンがさらなるプトレッシンへの変換を受けにくくなり、回収率が向上するため、産業上有利である。
[ジアセチルポリアミンの測定方法]
さらに本発明は、ポリアミンオキシダーゼを含有する試薬を試料に作用させて、ジアセチルポリアミンを測定する方法も含む。測定検体は特に限定されないが、例えば、尿、血清、食品やその抽出物等が挙げられる。測定検体中に含まれるジアセチルポリアミンの濃度についても特に限定されないが、例えば、1mM以下が挙げられるし、検体は適宜希釈することができる。用いるポリアミンオキシダーゼの量は、特に制限されないが、例えば、終濃度が0.05〜1000 U/ml、好ましくは0.2〜100 U/mlとなるように添加すればよい。作用させるpHは特に限定されるものではないが、例えば、pH5〜10、好ましくはpH6〜9、特に好ましくはpH6.0以上7.5未満である。pHの調整法は、特に限定されず、例えば、汎用的なトリス緩衝液やリン酸緩衝液を挙げることもできるし、酢酸、クエン酸、シュウ酸等の有機酸系緩衝液、MES、BES、HEPES、TES、ビシン、トリシン等のグッドバッファー、グリシン−NaOHなどのアミノ酸系緩衝液、ホウ酸緩衝液、Bis−Tris propane緩衝液、イミダゾール緩衝液などを使用することができる。この際、ポリアミンオキシダーゼの安定化剤であるアルコール化合物やキレート試薬、基質特異性改良剤である界面活性剤が適宜存在していてもよい。作用時間は、例えば、30秒〜120分間、好ましくは1〜30分間である。作用温度は、例えば、20〜45℃であり、通常の酵素反応に用いられる温度を適宜選択することができる。
試料に添加するポリアミンオキシダーゼ溶液には、トリス、リン酸、酢酸、クエン酸、シュウ酸、MES、BES、HEPES、TES、ビシン、トリシン、グリシン、ホウ酸、Bis−Tris propane、イミダゾール等の緩衝剤、FAD等の補酵素、ポリアミンオキシダーゼの安定化剤であるアルコール化合物やキレート試薬、ポリアミンオキシダーゼの基質特異性改良剤である界面活性剤が添加されていてもよい。また、必要により、塩化ナトリウム、塩化カリウム、アジ化ナトリウム等の各種無機塩、デキストラン等の多糖類、BSA、グリセロール、アミノ酸等を共存させてもよい。この液状の製剤を凍結乾燥や噴霧乾燥してもよい。
ポリアミンオキシダーゼの反応による生成物は、いかなる方法により測定してもよい。例えば、生成する過酸化水素は、ペルオキシダーゼ及び適当な発色試薬、発光試薬を用いる酵素的測定法、若しくは酵素電極を用いる電気的方法等で測定することができる。また、生成するアルデヒドをアルデヒドオキシダーゼやアルデヒドデヒドロゲナーゼと適当な発色試薬を組み合わせて測定することもできる。例えば、酵素を用いる反応生成物の検出試薬には、トリス、リン酸、酢酸、クエン酸、シュウ酸、MES、BES、HEPES、TES、ビシン、トリシン、グリシン、ホウ酸、Bis−Tris propane、イミダゾール等の緩衝剤、FAD、NAD、NADP、NADH、NADPH等の補酵素、ペルオキシダーゼ、4−アミノアンチピリン、フェノール、TOOS、DA−67等の過酸化水素検出試薬、1−Methoxy PMSやWST−8(ホルマザン試薬)等の酸化還元系発色試薬、カタラーゼ等の酵素のいずれか1つ以上を含有させることができる。これに、ポリアミンオキシダーゼの安定化剤であるアルコール化合物やキレート試薬、基質特異性改良剤である界面活性剤を適宜添加してもよい。また、必要により、塩化ナトリウム、塩化カリウム、アジ化ナトリウム等の各種無機塩、デキストラン等の多糖類、BSA、グリセロール、アミノ酸等を共存させてもよい。この液状の製剤を凍結乾燥や噴霧乾燥してもよい。
ポリアミンオキシダーゼ反応の生成物の測定を行う際、ポリアミンオキシダーゼ反応とその生成物の検出を同時に行うことも可能である。前述の反応生成物の検出試薬に、ポリアミンオキシダーゼを0.05〜1000 U/ml、好ましくは0.2〜100 U/mlとなるように添加することが好ましい。この液状の製剤を凍結乾燥や噴霧乾燥してもよい。
ジアセチルポリアミンの測定に用いる検体の量、上記の各試薬の添加量、比率については特に限定されない。
[ジアセチルポリアミンの測定試薬]
さらに本発明では、上記測定方法に使用されるジアセチルポリアミンの測定試薬を提供する。ジアセチルポリアミンの測定試薬は上述の各試薬を異なる容器に含むものとして調製すればよく、例えば、液状品、又は液状品の凍結物若しくは凍結乾燥品として提供できる。あるいは、アルコール化合物及び/又はキレート試薬、及び/又は界面活性剤とポリアミンオキシダーゼを含有する測定試薬を調製することも可能である。
[モノアセチルポリアミンを製造する方法]
さらに、これまで記載したポリアミンオキシダーゼの安定化方法、及び/又はポリアミンオキシダーゼの基質特異性の改良方法を用いて、ジアセチルポリアミンへポリアミンオキシダーゼを作用させてモノアセチルポリアミンを製造することが可能である。
以下、実験例及び実施例により、本発明をさらに具体的に説明する。本発明の技術的範囲は、これらの例により何ら限定されない。
(ポリアミンオキシダーゼの活性測定法)
0.2M Tris−HCl緩衝液(pH7.5)0.9ml、7.0mM ポリアミン(例えば、ジアセチルスペルミン)溶液 0.1ml、15mM TOOS溶液 0.04ml、150U/mlペルオキシダーゼ(キッコーマン社製)溶液 0.04ml、1.76%(w/v) 4−アミノアンチピリン溶液 0.02mlの混合液を37℃で5分間インキュベートした。酵素は希釈液A[1mMのEDTA及び0.2%(w/v)のウシ血清アルブミン(BSA、シグマ社製)を含有する50mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)]若しくは希釈液B[1mMのEDTA及び5%(v/v)のエタノールを含有する50mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)]にて適宜希釈した。酵素サンプル 0.05mlを反応液に添加、混合した。全容1.15mlを37℃で3分間反応させ、反応開始から3分間の、反応溶液の555nmにおける吸光度の変化を、分光光度計を用いて測定した。ジアセチルスペルミンオキシダーゼの酵素1Uは、上記測定条件下において、ジアセチルスペルミンを基質とするときに1分間あたり1μmolの過酸化水素を生成する酵素量とした。なお、本条件におけるミリモル分子吸光係数を1.57cm/μmolとした。なお、本測定方法は一例を示したものであり、活性測定の試薬の種類や濃度、pHについては何ら制限するものではない。例えば、Tris−HCl緩衝液の代わりにリン酸緩衝液等を用いることもできる。
(ポリアミンオキシダーゼの安定性試験)
ポリアミンオキシダーゼの安定性試験は、各種試薬を添加した50mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)で酵素サンプルを希釈し、30℃保存による加速試験後の残存活性を比較して行った。加速試験を行った後の該酵素溶液の残存活性は、該酵素溶液調製時における吸光度変化量を100%としたときの相対量(%)として表した。
(各種アルコール化合物の安定化効果の確認)
5%若しくは10%の各種アルコール化合物を含有する50mMのリン酸緩衝液(pH7.0)をそれぞれ調製した。これらの各種試薬を含有する緩衝液を用いて、PCT/JP2006/310648に記載のデバリオミセス・ハンセニイ Tsukuba42(FERM BP−10603)由来ジアセチルスペルミンオキシダーゼ溶液0.1U/mlをそれぞれ調製した。なお、比較例として、アルコール化合物を含有しない50mMのリン酸緩衝液(pH7.0)で、上記酵素溶液0.1U/mlを調製した。各酵素溶液について30℃、6時間の加速試験を行い、その結果を表1に示した。このように各種アルコール化合物について安定化効果が認められた。特開平5−211869に記載のように、エタノール等の有機溶媒の添加は酵素を失活させやすいと考えるのが一般的であるが、今回、エタノール、メタノール、1−プロパノール、2−プロパノールのような有機溶媒も本酵素の安定化剤として利用可能であることが示された。
Figure 2007148451
(各種キレート試薬の安定化効果の確認)
1mM若しくは5mMの各種キレート試薬を含有する50mMのリン酸緩衝液(pH7.0)をそれぞれ調製した。これらの各種試薬を含有する緩衝液を用いて、PCT/JP2006/310648に記載のデバリオミセス・ハンセニイ Tsukuba42(FERM BP−10603)由来ジアセチルスペルミンオキシダーゼ溶液、キャンディダ・グラブラタ Noda162(FERM BP−10602)由来ジアセチルスペルミンオキシダーゼ溶液、及び「FEBS Letters」,(英国),2000年,476巻,p.150−154に記載のキャンディダ・ボイディニイ NBRC 10574由来ポリアミンオキシダーゼ溶液を0.1U/mlとしてそれぞれ調製した。
なお、比較例として、キレート試薬を含有しない50mMのリン酸緩衝液(pH7.0)で、上記各種酵素溶液0.1U/mlを調製した。各酵素溶液について30℃、12時間の加速試験を行い、その結果を表2に示した。このように各種キレート試薬について、3種すべての酵素に対する安定化効果が認められた。なお、EDTAの添加濃度が1mM及び5mM添加のときは、安定化効果はほぼ同等であった。
Figure 2007148451
(アルコール化合物とキレート試薬の共存効果)
アルコール化合物である10%(v/v)エタノール、及び/又はキレート試薬である5mM EDTAを含有する、50mMのリン酸緩衝液(pH7.0)をそれぞれ調製した。これらの各種試薬を含有する緩衝液を用いて、PCT/JP2006/310648に記載のデバリオミセス・ハンセニイ Tsukuba42(FERM BP−10603)由来ジアセチルスペルミンオキシダーゼ溶液0.1U/mlをそれぞれ調製した。なお、比較例として、試薬を含有しない50mMのリン酸緩衝液(pH7.0)で、上記酵素溶液0.1U/mlを調製した。各酵素溶液について30℃、6時間の加速試験を行い、加速試験後の酵素活性を測定した。加速試験前の酵素活性と比較して、加速試験後の安定性を評価し、その結果を図1に示した。アルコール化合物であるエタノール、及びキレート試薬であるEDTAを共存させることによりジアセチルスペルミンオキシダーゼがさらに安定に保持された。
(安定化されたポリアミンオキシダーゼ製剤の製造)
10%(v/v) エタノール及び1mM EDTAを含有する0.2M リン酸緩衝液(pH7.0) 9ml、15mM TOOS溶液 0.4ml、150U/ml ペルオキシダーゼ(キッコーマン社製)溶液 0.4ml、1.76%(w/v) 4−アミノアンチピリン溶液 0.2ml、0.5U/ml ジアセチルスペルミンオキシダーゼ[デバリオミセス・ハンセニイ Tsukuba42(FERM BP−10603)由来、PCT/JP2006/310648記載のとおり]0.5mlを混合し、よく撹拌して、ポリアミンオキシダーゼ製剤(溶液)を製造した。対照製剤として、安定化剤を除いたポリアミンオキシダーゼ製剤を調製した。本発明製剤と対照製剤について、30℃、24時間の虐待試験を行い、その結果を図2に示した。対照製剤は、酵素活性がほとんど失われているのに対して、本発明製剤は、酵素活性が安定に保持されていた。
(安定化されたジアセチルスペルミンオキシダーゼを用いるモノアセチルポリアミンの製造)
10%(v/v)エタノール、1mM EDTA、0.5U/ml カタラーゼ(Sigma社製)及び7mM ジアセチルスペルミン・2塩酸塩(150mg)を含有する60mlの20mM リン酸緩衝液(pH7.5)に、ジアセチルスペルミンオキシダーゼ[デバリオミセス・ハンセニイ Tsukuba42(FERM BP−10603)由来、PCT/JP2006/310648に記載のとおり]を1U/mlとなるように添加した。30℃で2日間インキュベートし、TLCでN−アセチルスペルミジンの生成を確認した(クロロホルム:メタノール:アンモニア水:水=2:4:1:1、ニンヒドリン発色)。
セントリプレップ10(アミコン社製)を用いて水で透析し、酵素タンパクを除去した。透析外液を陽イオン交換樹脂[DOWEX 50W−X4(H)]カラム(1cm×10cm)に通し、反応生成物を吸着させた。水で洗浄後、1M アンモニアで溶出させた。溶出液を減圧濃縮した後、クロロホルム:メタノール=1:1の溶媒に溶解させて、シリカゲルカラムカラム(2cm×15cm)に吸着させた。展開溶媒としてクロロホルム:メタノール(1:1〜0:1)を用いて溶出させ、N−アセチルスペルミジン溶出画分に塩酸を添加した後減圧濃縮し、82mgのN−アセチルスペルミジン2塩酸塩を得た(収率76%)。
上記の82mgのN−アセチルスペルミジン2塩酸塩をエタノールで再結晶し、52mgのN−アセチルスペルミジン2塩酸塩を得た(収率47%)。融点とH,13C−NMRの測定値は文献既知の値(「Acta Chemica Scandinavica」,(デンマーク),1989年,43巻,p.990−994)と一致した。かくして、PCT/JP2006/310648に記載のN−アセチルスペルミジンの製造方法では2U/mlのジアセチルスペルミンオキシダーゼを用いていたが、今回、安定化剤を用いることにより、半分の酵素量で同量のN−アセチルスペルミジン2塩酸塩を得ることができた。
(各種界面活性剤の基質特異性改良効果の確認)
0.3%の各種界面活性剤を含有する0.2M リン酸緩衝液(pH7.5)をそれぞれ調製した。これらの各種界面活性剤を含有する緩衝液を用いて、前記のポリアミンオキシダーゼの活性測定法にて、PCT/JP2006/310648に記載のデバリオミセス・ハンセニイ Tsukuba42(FERM BP−10603)由来ジアセチルスペルミンオキシダーゼ溶液及びキャンディダ・グラブラタ Noda162(FERM BP−10602)由来ジアセチルスペルミンオキシダーゼについて、ジアセチルスペルミン及びN−アセチルスペルミジンに対する酵素活性を測定、比較した。その結果を表3に示した。このように各種界面活性剤、特に非イオン性界面活性剤と両性界面活性剤を添加することにより、基質特異性の改善効果が認められた。
Figure 2007148451
(pH条件の基質特異性改良効果の確認)
pH6.5〜7.5の0.2M リン酸緩衝液をそれぞれ調製した。これらの緩衝液を用いて、前記のポリアミンオキシダーゼの活性測定法にて、PCT/JP2006/310648に記載のデバリオミセス・ハンセニイ Tsukuba42(FERM BP−10603)由来ジアセチルスペルミンオキシダーゼ溶液及びキャンディダ・グラブラタ Noda162(FERM BP−10602)由来ジアセチルスペルミンオキシダーゼについて、各種ポリアミンに対する酵素活性を測定、比較した。その結果を表4に示した。このようにpHを7.5未満にすることにより、基質特異性の改善効果が認められた。
Figure 2007148451
(界面活性剤の添加とpH条件を組み合わせた基質特異性改良効果の確認)
0.3%のTritonX−100を含有する0.2M リン酸緩衝液(pH6.5〜7.5)を調製し、前記のポリアミンオキシダーゼの活性測定法にて、PCT/JP2006/310648に記載のデバリオミセス・ハンセニイ Tsukuba42(FERM BP−10603)由来ジアセチルスペルミンオキシダーゼ溶液について、各種ポリアミンに対する酵素活性を測定、比較した。その結果を表5に示した。このようにTritonX−100を添加し、かつpHを7.5未満とすることにより、さらなる基質特異性の改善効果が認められた。なお、いずれの条件においてもプトレッシンには反応しなかった。
Figure 2007148451
(ポリアミンオキシダーゼを含有する試薬を用いる、ジアセチルポリアミンの測定方法。)
第1試薬
MES緩衝液(pH7.0) 50mM
DA−67 0.05mM
TritonX−100 0.04%
アジ化ナトリウム 0.09%
第2試薬
MES緩衝液(pH7.0) 50mM
ジアセチルスペルミンオキシダーゼ(デバリオミセス由来) 24U/mL
ペルオキシダーゼ(西洋ワサビ由来) 15U/mL
生理食塩水で希釈調製したジアセチルスペルミン試料(125nM〜500nM)各10μLに第1試薬80μLを混和し、37℃で5分間加温した。続いて第2試薬30μLを添加し、5分間反応させた後の658nmにおける吸光度を測定し、その結果を図3に示した。かくして、ジアセチルスペルミンオキシダーゼを用いた試薬でジアセチルスペルミンを簡便かつ短時間に測定することができることがわかった。
(ポリアミンオキシダーゼを含有する試薬を用いる、尿検体中のジアセチルポリアミンの測定方法。)

第1試薬
TES緩衝液(pH7.7) 50mM
TOOS 1mM
TritonX−100 1.5%
KCl 70mM
カタラーゼ 300U/mL
アスコルビン酸オキシダーゼ 3U/mL
第2試薬
TES緩衝液(pH7.7) 50mM
TritonX−100 1.5%
KCl 70mM
4−アミノアンチピリン 4mM
ジアセチルスペルミンオキシダーゼ(デバリオミセス由来) 24U/mL
ペルオキシダーゼ(西洋ワサビ由来) 15U/mL
アジ化ナトリウム 0.09%
尿検体にジアセチルスペルミン(32nM〜500nM)を添加して調整した試料各10μLに、第1試薬80μLを混和し、37℃で5分間加温した。続いて第2試薬30μLを5分間反応させた後の550nmにおける吸光度を測定し、その結果を図4に示した。
かくして、ジアセチルスペルミンオキシダーゼを用いた試薬で尿試料中のジアセチルスペルミンを測定することができることがわかった。
本発明の安定化方法を用いて、アルコール化合物及び/又はキレート試薬とポリアミンオキシダーゼを含有する安定化されたポリアミンオキシダーゼ製剤を、簡単な方法でかつ安価に製造することができる。また、本発明の基質特異性の改良方法を用いて、界面活性剤とポリアミンオキシダーゼを含有する基質特異性が改良されたポリアミンオキシダーゼ製剤を、簡単な方法でかつ安価に製造することができる。さらに、ジアセチルポリアミン測定用試薬を簡単な方法でかつ安価に製造することができる。

Claims (20)

  1. アルコール化合物及び/又はキレート試薬と、ポリアミンオキシダーゼを共存させることを特徴とする、ポリアミンオキシダーゼの安定化方法。
  2. ポリアミンオキシダーゼがジアセチルスペルミンオキシダーゼである、請求項1に記載のポリアミンオキシダーゼの安定化方法。
  3. 界面活性剤存在下にてポリアミンオキシダーゼを作用させることを特徴とする、ポリアミンオキシダーゼの基質特異性の改良方法。
  4. ポリアミンオキシダーゼをpH7.5未満で作用させることを特徴とする、ポリアミンオキシダーゼの基質特異性の改良方法。
  5. ポリアミンオキシダーゼがジアセチルスペルミンオキシダーゼである、請求項3〜4のいずれかに記載のポリアミンオキシダーゼの基質特異性の改良方法。
  6. ポリアミンオキシダーゼを含有する試薬を試料に作用させて、ジアセチルポリアミンを測定することを特徴とする、ジアセチルポリアミンの測定方法。
  7. アルコール化合物及び/又はキレート試薬により安定化されたポリアミンオキシダーゼを用いることを特徴とする、請求項6に記載の測定方法。
  8. 界面活性剤により基質特異性が改良されたポリアミンオキシダーゼを用いることを特徴とする、請求項6〜7のいずれかに記載の測定方法。
  9. ポリアミンオキシダーゼをpH7.5未満で作用させることを特徴とする、請求項6〜8のいずれかに記載の測定方法。
  10. ポリアミンオキシダーゼがジアセチルスペルミンオキシダーゼである、請求項6〜9のいずれかに記載のジアセチルポリアミンの測定方法。
  11. アルコール化合物及び/又はキレート試薬と、ポリアミンオキシダーゼを含有することを特徴とする、安定化されたポリアミンオキシダーゼ製剤。
  12. ポリアミンオキシダーゼがジアセチルスペルミンオキシダーゼである、請求項11に記載の安定化されたポリアミンオキシダーゼ製剤。
  13. ポリアミンオキシダーゼを含有することを特徴とする、ジアセチルポリアミンの測定試薬。
  14. アルコール化合物及び/又はキレート試薬と、ポリアミンオキシダーゼを含有することを特徴とする請求項13に記載のジアセチルポリアミンの測定試薬。
  15. 界面活性剤とポリアミンオキシダーゼを含有することを特徴とする請求項13又は14のいずれかに記載のジアセチルポリアミン測定試薬。
  16. ポリアミンオキシダーゼがジアセチルスペルミンオキシダーゼである、請求項13〜15のいずれかに記載のジアセチルポリアミン測定試薬。
  17. 請求項1又は2記載のポリアミンオキシダーゼの安定化方法、及び/又は請求項3〜5のいずれか一項に記載のポリアミンオキシダーゼの基質特異性の改良方法を用いることを特徴とする、ジアセチルポリアミンへポリアミンオキシダーゼを作用させてモノアセチルポリアミンを製造する方法。
  18. ポリアミンオキシダーゼがジアセチルスペルミンオキシダーゼである、請求項17記載のモノアセチルポリアミンの製造方法。
  19. 請求項1又は2記載のポリアミンオキシダーゼの安定化方法を利用することを特徴とする、ポリアミンオキシダーゼの精製方法。
  20. ポリアミンオキシダーゼがジアセチルスペルミンオキシダーゼである、請求項19記載のポリアミンオキシダーゼの精製方法。
JP2008522315A 2006-06-22 2007-02-15 ポリアミンオキシダーゼの安定化方法と基質特異性の改良方法 Expired - Fee Related JP5166259B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008522315A JP5166259B2 (ja) 2006-06-22 2007-02-15 ポリアミンオキシダーゼの安定化方法と基質特異性の改良方法

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006172080 2006-06-22
JP2006172080 2006-06-22
JP2008522315A JP5166259B2 (ja) 2006-06-22 2007-02-15 ポリアミンオキシダーゼの安定化方法と基質特異性の改良方法
PCT/JP2007/052732 WO2007148451A1 (ja) 2006-06-22 2007-02-15 ポリアミンオキシダーゼの安定化方法と基質特異性の改良方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2007148451A1 true JPWO2007148451A1 (ja) 2009-11-12
JP5166259B2 JP5166259B2 (ja) 2013-03-21

Family

ID=38833195

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008522315A Expired - Fee Related JP5166259B2 (ja) 2006-06-22 2007-02-15 ポリアミンオキシダーゼの安定化方法と基質特異性の改良方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP5166259B2 (ja)
WO (1) WO2007148451A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5326324B2 (ja) * 2008-04-01 2013-10-30 東洋紡株式会社 チラミンオキシダーゼの安定化方法およびその組成物

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6078581A (ja) * 1983-10-04 1985-05-04 Seiwa Kasei Kk 液状カタラ−ゼの安定法
JPH07506001A (ja) * 1992-01-22 1995-07-06 ノボ ノルディスク アクティーゼルスカブ 活性化因子xiii
JPH07194378A (ja) * 1993-12-28 1995-08-01 Fuji Seito Kk トレハロースによる酵素の安定化法
JPH08505766A (ja) * 1992-11-30 1996-06-25 バックマン・ラボラトリーズ・インターナショナル・インコーポレーテッド 安定化液状酵素組成物
JP2001086984A (ja) * 1999-08-06 2001-04-03 Aventis Behring Gmbh アフィニティークロマトグラフィーによって血液凝固第vii因子を活性化するプロテアーゼ、そのプロ酵素または両タンパク質の混合物を純粋形態で調製する方法
JP2002017348A (ja) * 2000-07-11 2002-01-22 Kikkoman Corp L−フコースデヒドロゲナーゼの安定化方法
JP2003116539A (ja) * 2001-10-12 2003-04-22 Kikkoman Corp アスコルビン酸オキシダーゼの安定化法
JP2004242618A (ja) * 2003-02-17 2004-09-02 Amano Enzyme Inc 耐過酸化水素付加物カタラーゼ剤及びその製造方法
WO2004081569A1 (ja) * 2003-03-11 2004-09-23 Trans Genic Inc. 腫瘍マーカーとしてのn1,n12-ジアセチルスペルミン

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6078581A (ja) * 1983-10-04 1985-05-04 Seiwa Kasei Kk 液状カタラ−ゼの安定法
JPH07506001A (ja) * 1992-01-22 1995-07-06 ノボ ノルディスク アクティーゼルスカブ 活性化因子xiii
JPH08505766A (ja) * 1992-11-30 1996-06-25 バックマン・ラボラトリーズ・インターナショナル・インコーポレーテッド 安定化液状酵素組成物
JPH07194378A (ja) * 1993-12-28 1995-08-01 Fuji Seito Kk トレハロースによる酵素の安定化法
JP2001086984A (ja) * 1999-08-06 2001-04-03 Aventis Behring Gmbh アフィニティークロマトグラフィーによって血液凝固第vii因子を活性化するプロテアーゼ、そのプロ酵素または両タンパク質の混合物を純粋形態で調製する方法
JP2002017348A (ja) * 2000-07-11 2002-01-22 Kikkoman Corp L−フコースデヒドロゲナーゼの安定化方法
JP2003116539A (ja) * 2001-10-12 2003-04-22 Kikkoman Corp アスコルビン酸オキシダーゼの安定化法
JP2004242618A (ja) * 2003-02-17 2004-09-02 Amano Enzyme Inc 耐過酸化水素付加物カタラーゼ剤及びその製造方法
WO2004081569A1 (ja) * 2003-03-11 2004-09-23 Trans Genic Inc. 腫瘍マーカーとしてのn1,n12-ジアセチルスペルミン

Non-Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
BIOCHEM BIOPHYS RES COMMUN., vol. 144, JPN6012022021, 1987, pages 528 - 535, ISSN: 0002212093 *
BIOCHEM J., vol. 125, JPN6012022012, 1971, pages 449 - 459, ISSN: 0002212090 *
BIOCHIM BIOPHYS ACTA., vol. 677, JPN6012022018, 1981, pages 190 - 193, ISSN: 0002212092 *
CLIN CHIM ACTA., vol. 340, JPN6012022009, 2004, pages 219 - 227, ISSN: 0002212089 *
INT J BIOCHEM., vol. 13, JPN6012022015, 1981, pages 287 - 292, ISSN: 0002212091 *
MOL.BIOCHEM.PARASITOL., 1992, VOL. 51, NO. 1, PP. 91-98, JPN6011028876, ISSN: 0001934002 *

Also Published As

Publication number Publication date
JP5166259B2 (ja) 2013-03-21
WO2007148451A1 (ja) 2007-12-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5969392B2 (ja) フラビン結合型グルコースデヒドロゲナーゼ、フラビン結合型グルコースデヒドロゲナーゼの製造方法およびそれに用いる酵母形質転換体
JP5176045B2 (ja) 可溶性グルコースデヒドロゲナーゼ(gdh)を含む組成物の安定性を向上する方法
EP2380989B1 (en) Method and reagent for determining mevalonic acid, 3-hydroxymethylglutaryl-coenzyme a and coenzyme a
JP6084981B2 (ja) フラビンアデニンジヌクレオチド依存型グルコース脱水素酵素活性を有するタンパク質
JP6128560B2 (ja) フラビン結合型グルコースデヒドロゲナーゼ
CN1962860A (zh) 提高含有水溶性辅酶结合型葡萄糖脱氢酶(gdh)的组合物热稳定性的方法
WO2013147206A1 (ja) フラビン結合型グルコースデヒドロゲナーゼ及びこれをコードするポリヌクレオチド
JP5593689B2 (ja) 乳酸オキシダーゼ組成物
van der Meer et al. Pyrroloquinoline quinone as cofactor in galactose oxidase (EC 1.1. 3.9)
JP4381369B2 (ja) 可溶性補酵素結合型のグルコースデヒドロゲナーゼ(gdh)を含む組成物の熱安定性を向上する方法
Parschat et al. Xanthine dehydrogenase from Pseudomonas putida 86: Specificity, oxidation–reduction potentials of its redox-active centers, and first EPR characterization
JP6460513B2 (ja) フラビンアデニンジヌクレオチド依存型グルコース脱水素酵素活性を有するタンパク質
JP2010054503A (ja) グルコース脱水素酵素を用いたグルコースの電気化学測定法
JP5166259B2 (ja) ポリアミンオキシダーゼの安定化方法と基質特異性の改良方法
Groen et al. Characterization of hexose oxidase from the red seaweed Chondrus crispus
JP4381463B2 (ja) 可溶性補酵素結合型のグルコースデヒドロゲナーゼ(gdh)を含む組成物の熱安定性を向上する方法
JP2007259814A (ja) 安定なポリオール脱水素酵素組成物
JP6127496B2 (ja) ジアホラーゼ
JP2007116936A (ja) 可溶性補酵素結合型のグルコースデヒドロゲナーゼ(gdh)の熱安定性を向上する方法
JP4478865B2 (ja) 改変した金属酵素
JP2006217811A (ja) 基質特異性に優れたピロロキノリンキノン(pqq)依存性グルコースデヒドロゲナーゼ改変体
JP6619152B2 (ja) フラビンアデニンジヌクレオチド依存型グルコース脱水素酵素活性を有するキメラタンパク質
JP4770911B2 (ja) 可溶性補酵素結合型のグルコースデヒドロゲナーゼ(gdh)を含む組成物の熱安定性を向上する方法
JP2014097050A (ja) ジアホラーゼ
JP2009189375A (ja) 可溶性補酵素結合型のグルコースデヒドロゲナーゼ(gdh)を含む組成物の熱安定性を向上する方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110628

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110803

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120522

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120713

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121016

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121102

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121218

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121220

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151228

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5166259

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees