JP5593689B2 - 乳酸オキシダーゼ組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、安定性の向上された乳酸オキシダーゼ(EC 1.1.3.2)を含む組成物に関するものである。
乳酸オキシダーゼは、酸素の存在下に乳酸に作用してピルビン酸および過酸化水素を生成する反応を触媒する。そのため従来から乳酸測定用試薬の原料酵素として他の酵素、例えばペルオキシダーゼあるいはカタラーゼと共に使用されている他、本酵素単独で酵素センサにも用いられる。体液中の乳酸値は循環不全、肝障害などの種々の病態に対する指標となる。また、食品中の乳酸値は品質管理等の指標となる。
乳酸オキシダーゼの給源としては、アエロコッカス・ビリダンス(Aerococcus viridans)(非特許文献1)、ストレプトコッカス・フェカリス(Streptococcus faecalis)(特許文献1)、ペディオコッカス属細菌(非特許文献2)あるいはラクトコッカス・ラクティス(Lactococcus lactis(subsp.cremoris)、現在はEnterococcus sp.に分類)(特許文献2、非特許文献3)等が知られている。
一方、試薬やセンサに用いられる原料酵素はそのほとんどが乾燥状態(例えば粉末)の製品(乾燥品)として流通している。その理由としては、製品が軽く体積が小さいため、保管や輸送といった取り扱いが容易であり、乾燥しているため微生物汚染による腐敗の心配のないことが挙げられる。また、酵素の溶解濃度を使用目的に応じて自由に調整でき、溶解するための緩衝液の種類も任意に選定できるため、様々な用途に展開できる。さらに、一般的に乾燥状態である方が、溶液状態であるよりも酵素活性が安定的に長期間保持できる。
酵素を乾燥状態にする手段は様々である。例えば、酵素タンパク質を含む溶液中からアセトンやアルコール等の有機溶媒によって目的酵素を析出させ、これを回収して乾燥粉末とする方法、酵素を含む溶液を噴霧し熱風を当てて乾燥させるスプレードライ法、酵素を含む溶液を凍結させ、減圧して乾燥するフリーズドライ法などがある。
いずれの条件にしても、酵素を不用意に乾燥させた場合、タンパク質変性による活性の損失や再溶解時の濁質生成等の問題が発生することが多いため、酵素タンパク質を保護し変性失活を防ぐための安定化剤の添加が不可欠である。酵素製品に添加する安定化剤は、単に製品化時、乾燥による酵素タンパク質の変性失活を防止するだけでなく、保存中や流通過程での活性損失を防止する能力も具備する必要がある。
例えば、酵素を凍結乾燥する際の安定化剤として、プロトカテキュ酸ジオキシゲナーゼ(EC 1.13.11.3)にヘキソースおよびヘキソース誘導体を添加する例(特許文献3)などが知られている。また、ウシ血清アルブミン(BSA)を酵素の凍結乾燥製品の安定化剤とする方法(特許文献4)が知られている。
米国特許第4,116,763号明細書 特開平10−248574号公報 特開2005−52044号公報 特開昭60−156386号公報
Biochemical and Biophysical Research Communications, Vol.164, 919−926 (1989) Analytical Chemistry, Vol.55, 35−38 (1983) Journal of Fermentation and Bioengineering, Vol.85, 507−510 (1998)
本発明の目的は、乳酸オキシダーゼの安定化剤として、入手が容易で、品質が均一であり、酵素製品や酵素を含む組成物の外観や性能、品質に影響を与えない安定化剤を使用する乳酸オキシダーゼ組成物を提供することである。
本発明者らは、乾燥状態の乳酸オキシダーゼ組成物の保存安定性を向上させるべく、種々の物質を検討した。その結果、糖類、糖アルコール類、アミノ酸類、オリゴペプチド類、タンパク質類のいずれか1つ以上の化合物および/または界面活性剤を共存させることによって乳酸オキシダーゼの安定性が向上することを見出した。
すなわち、本発明は以下のような構成からなる。
項1.(a)乳酸オキシダーゼ、(b)糖類、糖アルコール類、アミノ酸類、オリゴペプチド類、タンパク質類よりなる群から選ばれるいずれか1つ以上の化合物および/または(c)界面活性剤を含有することを特徴とする乳酸オキシダーゼ組成物。
項2.(b)の化合物がシュークロース、β−シクロデキストリン、myo−イノシトール、マンニトール、セリン、スレオニン、グリシン、アスパラギン、グルタミン、グリシルグリシン、セリシンおよびHSP70ファミリータンパク質由来のタンパク質よりなる群から選ばれるいずれか1つ以上であることを特徴とする項1の乳酸オキシダーゼ組成物。
項3.(c)がコール酸ナトリウム、Triton X−100およびTween20よりなる群から選ばれるいずれか1つ以上であることを特徴とする項1または2載の乳酸オキシダーゼ組成物。
項4.HSP70ファミリータンパク質由来のタンパク質が大腸菌のDnaKタンパク質由来のタンパク質であることを特徴とする項1〜3のいずれかの乳酸オキシダーゼ組成物。
項5.DnaKタンパク質由来のタンパク質が配列番号3に記載されるアミノ酸配列からなる項5の乳酸オキシダーゼ組成物。
項6.配列番号3に記載されるアミノ酸配列の一部のアミノ酸配列を除去したタンパク質を用いることを特徴とする項1〜3のいずれかの乳酸オキシダーゼ組成物。
項7.DnaKタンパク質の一部のアミノ酸配列を除去したタンパク質であって、少なくともN末端から387番目まで、多くとも472番目までのアミノ酸配列を除去したタンパク質を用いることを特徴とする項6の乳酸オキシダーゼ組成物。
項8.DnaKタンパク質の一部のアミノ酸配列を除去したタンパク質であって、少なくともN末端から387番目まで、多くとも418番目までのアミノ酸配列を除去したタンパク質を用いることを特徴とする項6の乳酸オキシダーゼ組成物。
項9.DnaKタンパク質の419〜607番目までのアミノ酸配列からなるタンパク質を用いることを特徴とする項6の乳酸オキシダーゼ組成物。
項10.ATPaseドメインもしくはその一部を除去したDnaKタンパク質の一部の親水性アミノ酸を疎水性アミノ酸に置換したタンパク質を用いることを特徴とする項6の乳酸オキシダーゼ組成物。
項11.ATPaseドメインもしくはその一部を除去したDnaKタンパク質の一部のアミノ酸配列を除去したタンパク質であって、アミノ酸番号479と481のアスパラギン酸をバリンに置換したタンパク質を用いることを特徴とする項10の乳酸オキシダーゼ組成物。
項12.DnaKタンパク質の384〜607番目のアミノ酸配列からなり、アミノ酸番号479と481のアスパラギン酸をバリンに置換したタンパク質を用いることを特徴とする項6の乳酸オキシダーゼ組成物。
項13.乳酸オキシダーゼが下記のいずれかのタンパク質である項1〜12のいずれかの乳酸オキシダーゼ組成物。
(a)配列番号1に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質
(b)配列番号1に記載のアミノ酸配列において1または数個のアミノ酸が欠失、挿入、付加もしくは置換されているアミノ酸配列を有するタンパク質であって、乳酸オキシダーゼ活性を有するタンパク質
項14.項1における(b)の化合物の乳酸オキシダーゼ酵素タンパク質の重量に対する割合が20〜100重量%である項1〜13のいずれかの乳酸オキシダーゼ組成物。
項15.項1における(c)の界面活性剤の乳酸オキシダーゼ酵素タンパク質の重量に対する割合が1.8〜18重量%である項1〜14のいずれかの乳酸オキシダーゼ組成物。
項16.項1〜15のいずれかの乳酸オキシダーゼ組成物を含むことを特徴とする乳酸センサ。
項17.(1)乳酸オキシダーゼに、糖類、アミノ酸、オリゴペプチド、タンパク質より選ばれるいずれか1つ以上の化合物および/または界面活性剤を共存させて液状組成物にする工程、および(2)該液状組成物の水分を除去する工程を含むことを特徴とする乳酸オキシダーゼ組成物の製造方法。
本発明により、乳酸オキシダーゼの乾燥品、特に凍結乾燥製品の安定性を確保し、長期間の保存においても酵素の失活を防止することができる。
大腸菌DnaKタンパク質の概要を示す図である。 実施例2において構築されたpTALCOL2に関する構造と制限酵素地図を示す図である。
本発明の乳酸オキシダーゼ組成物の一形態としては、(1)乳酸オキシダーゼ、(2)糖類、糖アルコール類、アミノ酸類、オリゴペプチド類およびタンパク質類より選ばれるいずれか1つ以上の化合物および/または(3)界面活性剤を含む構成からなるものである。
(1)乳酸オキシダーゼ
本発明の方法に適用することができる乳酸オキシダーゼの給源は特に限定されないが、特に好ましくは(a)配列番号1に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質、または、(b)配列番号1に記載のアミノ酸配列において1または数個のアミノ酸が欠失、挿入、付加、あるいは置換されているアミノ酸配列であって、乳酸オキシダーゼ活性を有するタンパク質である。
本発明の方法に適用することができる乳酸オキシダーゼの生産方法は特に限定されないが、例えば乳酸オキシダーゼの遺伝子をそのまま、あるいは変異させてから、発現ベクター(多くのものが当該技術分野において知られている。例えばプラスミド。)に挿入し、適当な宿主(多くのものが当該分野において知られている。例えばエシェリヒア・コリー(Escherichia coli)を形質転換して生産することや、無細胞タンパク質合成系により生産することもできる。
乳酸オキシダーゼの遺伝子を適当な宿主微生物に移入して乳酸オキシダーゼを生産する場合、形質転換体である宿主微生物の培養形態は、宿主の栄養生理的性質を考慮して培養条件を選択すればよく、通常、多くの場合は液体培養で行うが、工業的には通気撹拌培養を行うのが有利である。培地の栄養源としては、微生物の培養に通常用いられるものが広く使用され得る。炭素源としては資化可能な炭素化合物であればよく、例えばグルコース、シュークロース、ラクトース、マルトース、フラクトース、糖蜜、可溶性でんぷんなどが使用される。窒素源としては利用可能な窒素化合物であればよく、例えばペプトン、肉エキス、酵母エキス、カゼイン加水分解物、脱脂大豆、バレイショ抽出液、コーンスティープリカー、硝酸塩類、アンモニウム塩類などが例示される。その他、所望によりリン酸塩、炭酸塩、硫酸塩、マグネシウム、カルシウム、カリウム、鉄、マンガン、亜鉛などの塩類、特定のアミノ酸、特定のビタミンなどが使用される。培養温度は菌が発育し、乳酸オキシダーゼを生産する範囲で適宜変更し得るが、エシェリヒア・コリーの場合、好ましくは20〜42℃程度である。培養時間は条件によって多少異なるが、乳酸オキシダーゼが最高収量に達する時期を見計らって適当時期に培養を終了するのがよく、通常は6〜48時間程度である。このような時期を見極める方策としては、培養液のサンプリングを行って培養液中あるいは回収した菌体中の乳酸オキシダーゼ活性を測定することでその変化をモニタリングし、経時的な乳酸オキシダーゼ活性の上昇がなくなった時点をピークとみなして培養停止すればよい。培地pHは宿主微生物が生育し乳酸オキシダーゼを生産する範囲で適宜変更し得るが、好ましくはpH6.0〜9.0程度である。
培養物中の乳酸オキシダーゼを生産する菌体を含む培養液をそのまま採取し利用することもできるが、一般には、常法に従って乳酸オキシダーゼが培養液中に存在する場合はろ過、遠心分離などにより、乳酸オキシダーゼ含有溶液と微生物菌体とを分離した後に利用される。乳酸オキシダーゼが菌体内に存在する場合には、得られた培養物からろ過または遠心分離などの手段により菌体を採取し、次いでこの菌体を溶媒、好ましくは水もしくは緩衝液に再懸濁する。再懸濁した菌体は公知の方法により破砕することで菌体中の乳酸オキシダーゼを溶媒中に抽出することができる。破砕方法としては、物理的方法または溶菌酵素を用いてもよい。物理的破砕の方法としては例えば超音波破砕、ガラスビーズ破砕、ホモジナイズ破砕等が挙げられる。溶菌酵素としては特に限定されないが、適用可能な酵素の例としてはシグマ社製「Lyticase」等が挙げられる。必要に応じてEDTA等のキレート剤および、または界面活性剤を添加して乳酸オキシダーゼを可溶化する。破砕処理後の溶液は、遠心分離もしくはろ過により残渣を取り除いて乳酸オキシダーゼ粗抽出溶液を得ることができる。
このようにして得られた乳酸オキシダーゼ含有溶液を、例えば減圧濃縮、膜濃縮、更に硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウムなどの塩析処理、あるいは親水性有機溶媒、例えばメタノール、エタノール、アセトンなどによる分別沈殿法により沈殿せしめればよい。また、加熱処理や等電点処理も有効な精製手段である。その後、吸着剤あるいはゲルろ過剤等によるゲルろ過、吸着クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィーを行うことにより、精製された乳酸オキシダーゼを得ることができる。
(2)糖類、糖アルコール類、アミノ酸類、オリゴペプチド類、またはタンパク質類、より選ばれるいずれか1つ以上の化合物
添加する化合物は特に限定されるものではないが、好ましいものとして、糖類ではシュークロース、ガラクトース、アラビノース、リボース、メリビオース、メレジトース、デキストリン、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、糖アルコール類ではmyo−イノシトール、ソルビトール、アラビトール、キシリトール、グルシトール、リビトール、D−マンニトール、アミノ酸類ではアラニン、セリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン、バリン、ロイシン、イソロイシン、オリゴペプチド類ではグリシルグリシン、アラニルグルタミン、グリシルグルタミン、グルタチオン、タンパク質類では牛血清アルブミン(BSA)、セリシンなどがある。より好ましくは、糖類ではシュークロース、β−シクロデキストリン、糖アルコール類ではmyo−イノシトール、D−マンニトール、アミノ酸類ではセリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン、オリゴペプチド類ではグリシルグリシン、タンパク質類ではセリシン、HSP70ファミリータンパク質由来のタンパク質などを挙げることができる。
HSP70ファミリータンパク質由来のタンパク質とは、分子シャペロンとして知られているDnaK,Ssa1p,Ssc1p,Kar2p,HSP70,Bip,mHsp70およびHSC70などから構成されるものをいう。なかでも、大腸菌のヒートショックタンパク質の一種であるHSP70(DnaK)の基質結合ドメインが好適に用いられる。このタンパク質は638アミノ酸から構成され、1〜385番目のアミノ酸より構成される「ATPase(ATP結合)ドメイン」と386〜638番目のアミノ酸より構成される「基質結合ドメイン」からなっている(図1)。配列番号3にDnaKのタンパク質の配列を示す。このタンパク質(DnaK384−607)は、既にNMR解析で構造が明らかとなっており、2つの構造的な領域(ドメイン)、すなわちN末端側のβシート領域(ドメイン)とC末端側のαへリックス領域(ドメイン)からなっていることが分かっている。また、配列のN末端側の親水/疎水率が0.5であり、C末端側では0.89で、その差は0.39と高い値を示すことが計算によって明らかにされた。このタンパク質(DnaK384−607)がブロッキングに際して有用なものである。
本発明においては、HSP70ファミリータンパク質由来のタンパク質が好ましく用いられ、更に好ましくは大腸菌のDnaKタンパク質由来のタンパク質が用いられる。また、好ましくは、ATPaseドメインを除去したHSP70ファミリータンパク質の基質結合ドメインが好ましく用いられ、更に好ましくは大腸菌のATPaseドメインを除去したDnaKタンパク質の基質結合ドメインが用いられる。
本発明に用いられるHSP70ファミリーに属するタンパク質としては、特に限定はされないが、例えば大腸菌のDnaK、酵母細胞質に存在するSsa1p、酵母ミトコンドリアに存在するSsc1p、酵母小胞体に存在するKar2p、哺乳類細胞質に存在するHSP70,哺乳類小胞体に存在する Bip、哺乳類ミトコンドリアに存在するmHsp70および熱ショックの有無に関わらず恒常的に発現しているHSP70のホモログであるHSC70などから選択される。HSP70ファミリーには数多くのホモログが知られており、上に挙げたものはそのうちの一部であり、上に列挙した以外のホモログにも同様の効果が期待できることは容易に予想可能である。
また、DnaKのβシート構造部分に変異を加えて、βシート部分の疎水性を向上させることにより、ブロッキング効率のより優れたタンパク質を得ることができる。すなわち、(1)βシートのN末端の一部を除去することで、βシートのより疎水的な部分を露出させる(βシート構造を破壊して疎水性を向上させる)、(2)βシート上の親水性アミノ酸を疎水性アミノ酸に置換する、というものである。その結果、βシート構造のN末端部分を除去したDnaK419−607と、βシート上の親水性アミノ酸を疎水性アミノ酸に置換したDnaK384−607(D479V,D481V)にブロッキング効率の顕著な向上を認めることができる。特に、DnaK419−607に顕著なブロッキング効率の向上を認めることが出来る。すなわち、疎水性ドメインの構造が変化することで、疎水性ドメインの構造が変化し、疎水性ドメインの疎水性を向上させることが、ブロッキング能の向上につながるものと考えられる。
本発明においては、少なくともN末端から387番目まで、多くとも472番目までのアミノ酸配列を除去したことを特徴とするブロッキング効率の向上したDnaKタンパク質がより好ましい。また、本発明は少なくともN末端から387番目まで、多くとも418番目までのアミノ酸配列を除去したことを特徴とするブロッキング効率の向上したDnaKタンパク質であることが好ましい。特に好ましくは、DnaKタンパク質の419〜607番目までのアミノ酸配列からなるタンパク質である。
また、本発明においては、ATPaseドメインもしくはその一部を除去したDnaKタンパク質の一部の親水性アミノ酸を疎水性アミノ酸に置換したタンパク質を用いてもよい。更に詳しくは、ATPaseドメインもしくはその一部を除去したDnaKタンパク質の一部のアミノ酸配列を除去したタンパク質であって、アミノ酸番号479と481のアスパラギン酸をバリンに置換したブロッキング効率の向上したタンパク質である。また更に好ましくは、DnaKタンパク質の384〜607番目のアミノ酸配列からなり、アミノ酸番号479と481のアスパラギン酸をバリンに置換したタンパク質が使用される。
上記DnaKタンパク質の発現方法は特に限定されないが、原核生物を用いて発現させる方法が好ましく、さらには、大腸菌を用いて発現させる方法がさらに好ましい。また、発現ベクターに関しても特に限定はされず、一般的に発現に使用されているものであればよい。
本発明に用いるHSP70ファミリーに属するタンパク質としては、特に限定はされないが、大腸菌のDnaK,酵母細胞質に存在するSsa1p,酵母ミトコンドリアに存在するSsc1p,酵母小胞体に存在するKar2p,哺乳類細胞質に存在するHSP70,哺乳類小胞体に存在するBip,哺乳類ミトコンドリアに存在するmHsp70および熱ショックの有無に関わらず恒常的に発現しているHSP70のホモログであるHSC70などが例示される。HSP70ファミリーには数多くのホモログが知られており、上に挙げたものはそのうちの一部であり、上に列挙した以外のホモログであってもよい。
本発明に用いるHSP70フラグメントはATPaseドメインを除去されていることが好ましい。但し、十分なブロッキング活性を示すならば、ATPaseドメインの全領域が除去されていなくてもよい。例えば、ATPaseドメインは、DnaKではC末端側の1−383の領域を指し、そのATPase活性を失う程度にATPaseドメインの一部を除去していれば、本発明におけるHSP70フラグメントに含まれる。例えば、DnaKにおいては384−638のフラグメントも使用することができる。
(3)界面活性剤
本発明において用いられる界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、好ましくはコール酸ナトリウム、Triton X−100(polyoxyethylene−p −isooctylphenol)、Tween20(Polyoxyethylene Sorbitan Monolaurate)などが挙げられる。より好ましくはコール酸ナトリウムを挙げることができる。
これらの化合物は、酵素の乾燥製品化の工程で酵素タンパク質を保護し工程での回収率を向上させ、乾燥製品の保存期間中の失活を防止する目的であるから、その目的を達成し得る範囲で適宜添加量を設定できる。したがってこれらの共存させる各化合物の濃度は特に限定されるものではないが、好ましい下限は0.2重量%、更に好ましくは2重量%、更に好ましくは20重量%である。夾雑物の持込の危険性から、好ましい上限は500重量%、更に好ましくは300重量%、更に好ましくは100重量%である。なお、これらの添加濃度は、乳酸オキシダーゼ酵素タンパク質に対する重量%で表している。例えば、40mg/mlの乳酸オキシダーゼに対して50重量%の安定化剤を添加したとすると、1mlあたり20mg安定化剤を溶解したことになる。また、添加された化合物は酵素が溶液の状態であっても保護作用を有し、溶液中酵素活性の安定的な保持に寄与する。
上記に示す乳酸オキシダーゼの抽出・精製・乾燥化、および安定性試験に用いる緩衝液の組成は特に限定しないが、好ましくはpH4〜9の範囲で緩衝能を有するものであればよく例えばホウ酸、トリス塩酸、リン酸カリウム等の緩衝剤や、ACES、BES、Bicine、Bis−Tris,CHES、EPPS、HEPES、HEPPSO、MES、MOPS、MOPSO、PIPES、POPSO、TAPS、TAPSO、TES、Tricineといったグッド緩衝剤が挙げられる。また、フタル酸、マレイン酸、グルタル酸などのような、ジカルボン酸をベースとした緩衝剤も挙げることができる。これらのうち1種のみを適用してもよいし、2種以上を用いてもよい。更には上記以外を含む1種以上の複合組成であってもよい。また、必要に応じて緩衝液中にEDTA等のキレート剤、および、または、界面活性剤を含んでいてもよい。また、これらの添加濃度としては、緩衝能を持つ範囲であれば特に限定されないが、好ましい上限は100mM以下、より好ましくは50mM以下である。好ましい下限は5mM以上である。乾燥粉末あるいは凍結乾燥物などの中においては緩衝剤の含有量は、特に限定されるものではないが、好ましくは0.1%(重量比)以上、特に好ましくは0.1〜80%(重量比)の範囲で使用される。
これらは、種々の市販の試薬を用いることができる。
乾燥工程に供する酵素液は、好ましくはタンパク質濃度として5g/L以上、より好ましくは10g/L以上、更に好ましくは20g/L以上であるように濃度を調整する。乾燥工程に供する酵素があまりに希薄な場合、乾燥工程で回収率が低下することが多く、得られた乾燥製品が取り扱いにくい形状となることが多い。また、過度に高濃度である場合、乾燥に時間がかかることがある。
本発明の他の実施形態の一つは、上記のいずれかに記載の方法により安定性が向上した乳酸オキシダーゼ組成物である。また、該組成物を用いる乳酸濃度の測定方法である。あるいは、該組成物を含む乳酸センサである。
乳酸濃度の測定は、乳酸オキシダーゼの作用により乳酸が変化して生成されたピルビン酸または過酸化水素のいずれかを、種々の公知の測定系を適用して定量することで可能である。例えば、ペルオキシダーゼの触媒する酸化縮合反応により過酸化水素が消費され色素を生じる比色法と組み合わせた方法、過酸化水素が白金電極で酸化された際に生じる電流を測定する方法などがある。
また、本発明の他の実施形態の一つは、(1)乳酸オキシダーゼに、糖類、アミノ酸、オリゴペプチド、タンパク質より選ばれるいずれか1つ以上の化合物、および/または界面活性剤を共存させ、液状組成物にする工程、および、(2)該液状組成物の水分を除去する工程、を含む、該化合物を共存させない場合と比べて乳酸オキシダーゼの乾燥粉末状態での安定性が向上した組成物の製造方法である。
本発明でいう安定性の向上とは、乳酸オキシダーゼを37℃で2週間保存した後、維持されている乳酸オキシダーゼの残存率(%)が安定化剤を何も添加しない場合に比して増大するか、もしくは少なくとも維持されることを意味する。また工程収率の向上とは、安定化剤を加えて乾燥化を行った場合の工程収率が安定化剤を何も添加しない場合に比して増大することを意味する。
具体的に、安定性が向上しているかどうかの判断は、次のように行った。
後述の乳酸オキシダーゼ酵素活性の測定方法に記載の活性測定法において、乾燥化を行った後の乾燥品重量あたりの乳酸オキシダーゼ活性値(a)と、一定温度で一定期間保存した後の乾燥品重量あたりの乳酸オキシダーゼ活性値(b)を測定し、測定値(a)を100とした場合に対する相対値((b)/(a)×100)を求めた。この相対値を残存率とした。そして、該化合物の添加の有無を比較して、添加により残存率が増大した場合、安定性が向上したと判断した。
また、工程収率が向上しているかどうかの判断は、次のように行った。
乾燥化前の酵素溶液の乳酸オキシダーゼ活性値と粉末化に供した液量とを掛け合わせて粉末化前の総活性(a)と、粉末化後の乾燥品重量あたりの乳酸オキシダーゼ活性値と得られた乾燥品重量とを掛け合わせて乾燥化後の総活性(b)とを算出し、総活性(a)を100とした場合に対する相対値((b)/(a)×100)を求めた。この相対値を工程収率とした。そして該化合物の添加の有無を比較して、添加により回収率が増大した場合、工程収率が向上したと判断した。
一般的な酵素電極センサによる乳酸濃度の測定原理は、以下の通りである。乳酸が乳酸オキシダーゼによって酸化されると、酵素が酸化型から還元型に変化する。還元型酵素は酸化状態の電子伝達物質に電子を供与し、電子伝達物質は還元型となると共に酵素が酸化型に変化する。同時に作用電極上で適当な印加電圧によって還元型の電子伝達物質は電解され、この時に得られる酸化電流を測定することにより乳酸濃度が測定できる。酸化還元酵素を用いた酵素電極センサの基本仕様は共通しており、その利便性から最も実用的なバイオセンサとして普及しているため、乳酸濃度測定に使用可能な種々のセンサの研究開発が活発に進められている。また、このような乳酸センサは既に幾つか市販され、トレーニング効果やトレーニング状態の把握、糖尿病、肝不全などのマーカーとして乳酸量を測定する際に使用されている。
本発明の乳酸センサに適用する電気化学的測定法は、特に限定されるものではないが、一般的なポテンショスタットやガルバノスタットなどを用いることにより、種々の電気化学的な測定手法を適用することができる。具体的な測定手法としては、アンペロメトリー、ポテンショメトリー、クーロメトリーなどの様々な手法が挙げられるが、アンペロメトリーにより、還元された電子伝達物質を印加により酸化される際に生ずる電流値を測定する方法が特に好ましい。この場合の印加電圧としては、10〜700mVが好ましく、50〜500mVがより好ましく、100〜400mVが更に好ましい。
本発明の乳酸濃度測定に用いる測定システム(電極系)は、二電極であっても三電極系であってもよい。作用電極にはカーボン電極を用いてもよいし、白金、金、銀、ニッケル、パラジウムなどの金属電極を用いてもよい。カーボン電極の場合、パイロロティックグラファイトカーボン、グラッシーカーボン(GC)、カーボンペースト、PFC(plastic formed carbon)などが挙げられる。金属電極の場合、金が特に好ましい。通常は、作用電極上に乳酸オキシダーゼが担持されてなる。
酵素の固定化方法としては、架橋試薬を用いる方法、高分子マトリックス中に封入する方法、透析膜で被覆する方法、光架橋性ポリマー、導電性ポリマー、酸化還元ポリマーなどが挙げられる。あるいはフェリシアン化物、フェロセンあるいはその誘導体に代表される電子伝達物質と共にポリマー中に固定あるいは電極上に吸着固定してもよく、またこれらを組み合わせて用いてもよい。典型的には、グルタルアルデヒドを用いて、乳酸オキシダーゼをカーボン電極上に固定化した後、アミン基を有する試薬で処理してグルタルアルデヒドをブロッキングする方法である。参照電極としては、特に限定されるものではなく、電気化学実験において一般的なものを適用することができるが、例えば飽和カロメル電極、銀−塩化銀などが挙げられる。通常は、作用電極上に乳酸オキシダーゼが担持されてなる。
電気化学的な乳酸濃度の測定は、例えば以下のようにして行うことができる。恒温セルに緩衝液を入れ、一定温度に維持する。電子伝達物質としては、フェリシアン化カリウム、フェナジンメトサルフェートなどを用いることができる。作用電極として乳酸オキシダーゼを固定化した電極を用い、対向電極(例えば白金電極)および参照電極(例えばAg/AgCl電極)を用いる。カーボン電極に一定の電圧を印加して、電流が定常になった後、乳酸を含む試料を加えて電流の増加を測定する。標準濃度の乳酸溶液により作製したキャリブレーションカーブに従い、試料中の乳酸濃度を計算することができる。
しかしながら、上述のような方法では、測定に必要な溶液の量が多くなるため、小スケールで簡便に測定するためには、印刷電極を用いる方が好ましい。この場合、電極は絶縁性基板上に形成されてなることが好ましい。具体的には、フォトリゾグラフィ技術や、スクリーン印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷などの印刷技術により、電極を基板上に形成されることが望ましい。また、絶縁基板の素材としては、シリコン、ガラス、ガラスエポキシ、セラミック、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリイミドなどが挙げられるが、各種の溶媒や薬品に対する耐性の強いものを用いるのがより好ましい。
電極の形状は特に限定されるものではなく、円形、楕円形、四角形などの形状が挙げられる。例えば、円形の形状である場合、その半径は3mm以下であることが好ましく、2.5mm以下がより好ましく、2mm以下が更に好ましい。試薬層を形成する溶液の容量としては1〜5μL程度で十分であり、1〜3μL程度の量で行うのがより好ましい。溶液をマウントした後の固定化反応は、湿潤条件下で静置して行うのが好ましい。
本発明の乳酸センサは、上述の通り、絶縁性基板、その上に形成された作用電極および対向電極から成る電極系を含み、さらにその上に「少なくとも乳酸オキシダーゼを含む試薬層」を含む構成を有することが好ましい。
本発明において用いられる乳酸オキシダーゼは、L−乳酸の水酸基を酸化してピルビン酸を生成する反応を触媒する。乳酸のセンシングに関するスキームの一例として、乳酸オキシダーゼが乳酸に作用すると、酵素は還元型となるが、電子伝達物質としてフェリシアン化物(例えば、「Fe(CN)3−)を存在させると、還元型酵素はこれをフェロシアン化物(この場合、「Fe(CN)4−)へと変換し、自らは酸化型酵素へと戻る。フェロシアン化物は電位を与えると、電子を電極に渡してフェリシアン化物へと戻るので、こうした電子伝達物質をメディエーターとすることにより、電気化学的なシグナル検出が可能になる。
本発明の乳酸センサは、さらに該試薬層に、イノシトール、サルコシン、ベタイン、グリシルグリシン、L−ホモセリン、L−プロリン、2−ケトグルタル酸、リンゴ酸、マレイン酸、クエン酸、フマル酸、フタル酸、γ−アミノ酪酸およびマロン酸からなる群より選ばれる添加剤の少なくとも一つを含有することが好ましい。これらの中でも、グリシルグリシン、リンゴ酸、マレイン酸、クエン酸、γ−アミノ酪酸が好適である。中でもマレイン酸が特に好ましい。
試薬層に含有する添加剤の量は特に限定されるものではないが、試薬層の全酵素単位0.05ユニットに対し、好ましい下限は0.001μmolである。さらに好ましい下限は0.005μmol、さらに好ましい下限は0.01μmolである。一方好ましい上限は0.02μmolである。
本発明の乳酸濃度測定方法に用いるセンサの試薬層の組成は、上記の要件を満たしていれば特に限定されるものではないが、さらに、乳酸濃度の測定性能を向上させる目的で、種々の物質を共存させてよい。
例えば、酵素反応と電極間の電子移動を仲介するための電子伝達物質(以下、メディエーターともいう)を用いることが効果的である。適用できるメディエーターの種類は特に限定されるものではないが、キノン類、シトクロム類、ビオロゲン類、フェナジン類、フェノキサジン類、フェノチアジン類、フェリシアン化物、フェレドキシン類、フェロセンおよびその誘導体等が例示される。より具体的には、ベンゾキノン/ハイドロキノン、フェリシアン/フェロシアン化物(カリウムもしくはナトリウム塩)、フェリシニウム/フェロセンなどが挙げられる。フェナジンメトサルフェート、1−メトキシ−5−メチルフェナジウムメチルサルフェイト、2,6−ジクロロフェノールインドフェノールなどを用いてもよい。その他にも、オスミウム、コバルト、ルテニウムなどの金属錯体を用いることも可能である。
水溶性の低い化合物をメディエーターとして用いる場合、有機溶媒を用いると、酵素自体の安定性を損なったり、酵素活性を失活させたりする可能性がある。そこで、水溶性を高めるために、ポリエチレングリコール(PEG)のような親水性高分子により修飾されたものを用いてもよい。反応系におけるメディエーター濃度は、1mM〜1M程度の範囲が好ましく、5〜500mMがより好ましく、10〜300mMが更に好ましい。またメディエ−ターについても種々の官能基による修飾体を用いるなどして、酵素とともに電極上に固定化させて用いてもよい。
一方、緩衝剤としては、リン酸塩のほか、Tris、MOPS、PIPES、HEPES、MES、TESなどのグッド緩衝剤などが例示される。緩衝液のpHとしては4.0〜9.0程度に調整されることが好ましく、より好ましくは5.0〜8.0程度、更に好ましくは5.5〜7.5程度である。更には、上述したようなメディエーターである物質も組成物中に共存して含まれていてもよい。
酵素反応は、所望の容量の反応溶液中に、所望の量の酵素とメディエーターを加えて混合された状態において、基質を含有する試料溶液、例えば血液を所定量加えると同時に測定を開始する。電気化学的な検出とは、特に限定されるものではないが、酵素反応が進行するとメディエーターを介在した電子の移動に伴って生ずる電流の変化をシグナルとして測定することが好ましい。
測定に供する試料の種類は特に制限されるものではなく、酵素の基質を成分として含有する化含有する可能性のある水溶液はもとより、血液、体液、尿などの生体試料であってもよい。また、測定に際しては、可能な範囲で反応温度を一定にして行ってもよい。また、マイクロ流路デバイス等を用いた微量解析に展開することも可能である。
以下、本発明を実施例に基づき、より詳細に説明する。なお、本発明は、実施例に特に限定されるものではない。
乳酸オキシダーゼ活性の測定方法
本発明において、乳酸オキシダーゼの活性測定は以下の条件で行うものとする。
<測定原理>
L−乳酸+O→ピルビン酸+H
2H+4−AA+DMA→Quinoneimine色素+4H
乳酸オキシダーゼの触媒する反応により生成した過酸化水素(H)2分子、4−アミノアンチピリン(4−AA)、およびジメチルアニリン(DMA)が溶液中に共存するペルオキシダーゼの触媒する反応によって酸化縮合し、Quinoneimine色素が生じる。この色素の存在は、565nmにおける分光光度法により測定した。
<単位の定義>
1単位は、以下に記載の条件下で1分間にQuinoneimine色素を0.5マイクロモル形成させる乳酸オキシダーゼの酵素量をいう。
<方法>
試薬
A. DL−乳酸溶液,pH6.5:0.125M(約90mlの水中に2.0gの3,3−ジメチルグルタル酸(分子量160.17)を溶解した後に1.2gの乳酸リチウム(分子量96.61)を溶解し、5N NaOHを用いて25℃でpH6.5±0.01に調整し、水を加えて100mlとする。)
B. 4−AA溶液:0.3%(w/v)(300mgの4−アミノアンチピリン(分子量203.24)/100ml HO)
C. DMA溶液:0.1%(v/v)(100μlのジメチルアニリン(分子量121.18)を100mlのHOに加える。)
D. ペルオキシダーゼ溶液:25U/ml(2500Uのペルオキシダーゼ/100ml HO)
E. 酵素希釈液:10μM FADを含む20mM リン酸カリウム緩衝液(pH7.0)
F. 粉末溶解液:ACES−NaOH緩衝液(pH7.0):20mM(約80mlの水に0.364gのN−(2−アセタミド)−2−アミノエタンスルホン酸(分子量182.2)および372mgのエチレンジアミン四酢酸ニ水素ニナトリウム二水和物(分子量372.24)を溶解し、5N NaOHを用いて25℃でpH7.0±0.01に調整し、水を加えて100mlとする。)
手順
1. 遮光瓶に以下の反応混合物を調製し、氷上で貯蔵した(用時調製)。
4ml DL−乳酸溶液(pH6.5) (A)
1ml 4−AA溶液 (B)
4ml DMA溶液 (C)
1ml ペルオキシダーゼ溶液 (D)
上記アッセイ混合物の反応液中の濃度は次の通りである。
3,3−ジメチルグルタル酸緩衝液 49mM
DL−乳酸 49mM
4−AA 0.029%
DMA 0.039%
ペルオキシダーゼ 2.5U/ml
・ 3.0mlの反応混合液を試験管に入れ、37℃で約5分間予備加温した。
・ 0.06mlの酵素溶液を加え、穏やかに混合した。
・ 37℃に維持しながら565nmでの吸光度(水対照)の増加を2〜3分間記録し、1分当たりのΔODを計算した(ΔODtest)。
同時に、酵素溶液に代えて酵素希釈液(E)を加えることを除いては同一の方法を繰り返し、ブランク(ΔODblank)を測定した。
アッセイの直前に氷冷した粉末溶解液(F)で酵素粉末を溶解し、酵素希釈液(E)で0.1−0.35U/mlに希釈した。
<計算>
活性は以下の式を用いて計算する:
U/ml={ΔOD/min(ΔODtest−ΔODblank)×Vt×df}/(35.3×1/2×1.0×Vs)
U/mg=(U/ml)×1/C
Vt:総体積(3.06ml)
Vs:サンプル体積(0.06ml)
35.33:上記測定条件でのQuinoneimine色素のミリモル分子吸光係数(cm/マイクロモル)
1/2:酵素反応で生成したHの1分子から形成するQuinoneimine色素は1/2分子であることによる係数
1.0:光路長(cm)
df:希釈係数
C:溶解時の酵素濃度(c mg/ml)
乳酸オキシダーゼ遺伝子の発現プラスミドの構築
乳酸オキシダーゼの発現プラスミドpLCO3は、ベクターpBluescriptのマルチクローニング部位にエンテロコッカス属細菌(かつてはラクトコッカス・ラクティス(Lactococcus lactis subsp.cremoris)に分類)IFO3427株の乳酸オキシダーゼをコードする構造遺伝子を含む該菌株の染色体DNA断片を挿入したものである(特開平10−248574号公報)。これを鋳型にして、乳酸オキシダーゼ構造遺伝子の開始コドン上流約200塩基から終止コドンの下流約80塩基をPCRで増幅した。増幅されたDNA断片は、乳酸オキシダーゼ構造遺伝子および推定されるプロモーター、ターミネーター領域を含む。クローニングキットTArget Clone−Plus−(東洋紡績製)を用いて増幅したDNA断片をベクターpTA2へ挿入した。得られた発現プラスミドをpTALCOL2と命名した(図2)。この発現プラスミド上に挿入されたDNAの塩基配列を配列番号2に、このDNA配列より予想される乳酸オキシダーゼのアミノ酸配列を配列番号1に示す。
エシェリヒア・コリー形質転換体の作製
コンピテントハイDH5α(東洋紡績製)をpTALCOL2で形質転換し、形質転換体エシェリヒア・コリーDH5α(pTALCOL2)を得た。
エシェリヒア・コリーDH5α(pTALCOL2)からの乳酸オキシダーゼの製造
6LのTerrific brothを10L容ジャーファーメンター中に調製し、121℃、20分間オートクレーブを行った。放冷後別途無菌ろ過した100mg/mlアンピシリン(ナカライテスク製)6mlを添加した。この培地にLB培地で予め、30℃、16時間振とう培養したエシェリヒア・コリーDH5α(pTALCOL2)の培養液60mlを接種し、培養を開始した。培養条件は、温度30℃、通気量2L/分、撹拌数390rpmで行った。培養開始から39時間後に培養を停止した。このときの乳酸オキシダーゼ活性は約230U/ml−brothであった。
上記菌体を遠心分離にて集菌し、1mM EDTAを含む20mMリン酸緩衝液、pH7.0に懸濁して得られた懸濁液をフレンチプレスで破砕した。上記破砕液にポリエチレンイミンによる除核酸処理を施し、ヌッチェろ過器を用いて吸引ろ過により粗酵素液を得た。続いて硫安分画処理を行った後、G−25セファロースカラムによるゲルろ過、DEAE−セファロースカラムによるイオン交換クロマト(溶出条件は0〜0.5Mの塩化ナトリウム濃度勾配をかけてピークフラクションを抽出)を実施し、さらに1mM EDTAを含む20mM ACES−NaOH緩衝液(pH7.0)で平衡化したG−25セファロースカラムによるゲルろ過で塩化ナトリウムの除去と緩衝剤の置換を行い、乳酸オキシダーゼ標品を取得した。得られた標品の比活性は約170U/mg−タンパク質であった。
乳酸オキシダーゼ粉末の工程回収率の向上と安定化効果を有する化合物のスクリーニング
実施例4で取得した標品は1mM EDTAを含む20mM ACES−NaOH緩衝液(pH7.0)中に約45mg/mlの乳酸オキシダーゼタンパク質を含んでいる。ここに酵素タンパク質に対し45〜65%に相当する安定化剤を溶解したものを用意した。例えば、40mgの乳酸オキシダーゼを含有する酵素液に対して、50%相当の各種の安定化剤を添加する場合には、20mgを溶解し、活性測定を行った。各種安定化剤を添加した酵素溶液から正確に2mlずつ、風袋重量を測定済みのバイアルに分取した。また、コントロールには、安定化剤を添加しないものを用意した。これを凍結真空乾燥(FDR)して、水分を完全に蒸発させた後、バイアルの重量を測定し、風袋重量を差し引いて得られた粉末重量を算出した。その後に約10mgの粉末をスピッツロールに正確に計量し、(1)直ちに活性測定、(2)37℃で2週間保存してから活性測定、を行い粉末重量あたりの活性を計算した。工程収率は、FDR前の総活性を100%として、粉末化後の総活性の割合を算出した。活性残存率は、FDR直後の粉末重量あたりの活性を100%として、37℃処理後の各サンプルの粉末重量あたりの活性の割合を算出した。その結果、糖類、糖アルコール類、アミノ酸類、タンパク質類の多くで何も添加しない場合と比較して工程収率および安定性の向上が見られた(表1)。
乳酸オキシダーゼ粉末安定化効果に及ぼすβ−シクロデキストリンおよびセリンの有効濃度の検討
次に、安定性が約10%以上向上したβ−シクロデキストリンおよびセリンについて、その効果を発揮する有効濃度について検討した。方法は、先の実施例5に準じて行った。β−シクロデキストリンは水への溶解度が18g/Lと低く、添加量の上限は酵素タンパク質重量の50%程度であった。検討の結果、少なくとも酵素タンパク質重量に対し20〜50%の範囲では高い安定性を保持していた。セリンについては酵素タンパク質重量に対し少なくとも20〜100%の範囲では安定化剤を何も加えないものと比較して高い安定性を保持していた(表2)。
界面活性剤の添加による乳酸オキシダーゼ粉末の安定化効果とその有効濃度の検討
セリン×界面活性剤の組み合わせにおいて安定性が向上するかどうか検討した。セリンはタンパク質重量に対して70%、界面活性剤はタンパク質重量に対し0.18〜18%を添加した。界面活性剤としてはコール酸ナトリウムを使用し、基本的な方法は先の実施例5に準じて行った。その結果、コール酸ナトリウムをタンパク質重量に対し0.18%添加した程度ではセリンのみの場合と比べて安定性に差はないものの、1.8%以上のコール酸ナトリウムを添加することにより、安定化剤を何も添加しない場合と比較して最大20%安定性が向上した(表3)。
複数の化合物を添加した場合の乳酸オキシダーゼ粉末の安定化効果の検討
実施例5で安定化効果の見られた化合物を各々組み合わせたときの安定化効果についても調べた。具体的には、セリシン×安定化効果を保持する種々のアミノ酸、セリンおよびBlocking Peptide Fragment(BPF;東洋紡績製)、あるいはセリン、BPFおよびコール酸ナトリウムの組み合わせである。検討の結果、これらの組み合わせの中では相乗効果を有するものは見出せなかった。例えばセリンおよびBPFの組み合わせでは、セリンのみを添加した場合に比べ安定性は向上したものの、BPFを単独で添加した場合の方が高い安定性を有していた。セリンおよびアミノ酸類の場合も同様であった(表4)。
本発明の乳酸オキシダーゼ組成物は、乳酸測定用試薬の原料酵素として使用される他、電気化学的な原理に基づいた酵素センサにも用いることができる。体液中の乳酸値は循環不全、肝障害などの種々の病態に対する指標となる。また、食品中の乳酸値は品質管理等の指標となる。したがって、本発明の乳酸オキシダーゼ組成物は、幅広い産業分野において寄与しうるものと考えられる。

Claims (10)

  1. (a)乳酸オキシダーゼ
    b)シュークロース、β−シクロデキストリン、myo−イノシトール、D−マンニトール、L−グルタミン酸ナトリウム、セリン、スレオニン、セリシンおよびBPF(B
    locking Peptide Fragment;東洋紡製)よりなる群から選ばれるいずれか1つ以上の化合
    含有することを特徴とする乳酸オキシダーゼ組成物。
  2. (a)乳酸オキシダーゼ
    b)セリンおよび1.8%以上のコール酸ナトリウ
    含有することを特徴とする乳酸オキシダーゼ組成物。
  3. さらに、
    (c)界面活性剤
    を含有する、請求項1または2に記載の乳酸オキシダーゼ組成物。
  4. (c)がコール酸ナトリウム、Triton X−100およびTween20よりなる群から選ばれるいずれか1つ以上であることを特徴とする請求項に記載の乳酸オキシダーゼ組成物。
  5. 請求項1〜のいずれかにおける(b)の化合物の乳酸オキシダーゼ酵素タンパク質の重量に対する割合が20〜100重量%である請求項1〜のいずれかに記載の乳酸オキシダーゼ組成物。
  6. 請求項のいずれかにおける(c)の界面活性剤の乳酸オキシダーゼ酵素タンパク質の重量に対する割合が1.8〜18重量%である請求項のいずれかに記載の乳酸オキシダーゼ組成物。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載の乳酸オキシダーゼ組成物を含むことを特徴とする乳酸センサ。
  8. (1)乳酸オキシダーゼに、シュークロース、β−シクロデキストリン、myo−イノシトール、D−マンニトール、L−グルタミン酸ナトリウム、セリン、スレオニン、セリシンおよびBPF(Blocking Peptide Fragment;東洋紡製)よりなる群から選ばれるいずれか1つ以上の化合物を共存させて液状組成物にする工程、および
    (2)該液状組成物の水分を除去する工程を含むことを特徴とする乳酸オキシダーゼ組成物の製造方法。
  9. (1)乳酸オキシダーゼに、「セリンおよび1.8%以上のコール酸ナトリウム」を共存させて液状組成物にする工程、および
    (2)該液状組成物の水分を除去する工程を含むことを特徴とする乳酸オキシダーゼ組成物の製造方法。
  10. 請求項8または9の乳酸オキシダーゼ組成物の製造方法において、工程(1)が、さらに界面活性剤を共存させて液状組成物にする工程である、請求項8または9の乳酸オキシダーゼ組成物の製造方法。
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