JPWO2007122710A1 - 加熱放電型印字ヘッドとその駆動方法 - Google Patents

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Abstract

放電電極近傍の温度を検出し、その温度に基づいて加熱手段による加熱量を制御することにより、イオンの発生量を制御することが可能な加熱放電型印字ヘッドを提供することを目的とする。電子放出部位を有する放電電極を備えた放電部と放電電極を選択的に加熱する加熱部とを有する加熱放電型印字ヘッドであって、放電部又は加熱部に配設された温度検出素子を備えている。

Description

本発明は、繰り返し記録可能な静電現像方式の記録媒体に放電の作用により画像を形成するための加熱放電型印字ヘッドとその駆動方法に関するものである。
近年、(特許文献1)に示すように、電子写真方式とは別方式の静電潜像形成方式である、イオン照射方式が開発されてきている。
電子写真方式が一様帯電+露光という2工程で、一様帯電した感光体上の露光した部分の電荷を逃がすことで、静電潜像担持体としての感光体上に静電潜像を形成するのに対し、イオン照射方式では、イオン生成可能な雰囲気中(大気中等)においては、放電電極からの電子の放出により発生するイオンの照射による選択的帯電(静電潜像形成帯電)のみで静電潜像担持体(絶縁体であれば良いので、必ずしも感光体である必要はない)上に静電潜像の形成を完了できるので、より簡素化された静電潜像形成方式である。
また、(特許文献2)には、水平プリンタ対応型のイオン照射型印字ヘッドの具体的な形状及びそれを備えた画像形成装置が開示されている。
特に、(特許文献1)や(特許文献2)に示す加熱放電方式は、放電電極に印加しただけでは放電が発生せず加熱することにより放電が発生する電圧(放電制御電圧)を印加した状態で、放電電極への加熱の有無を制御することにより、放電の有無を制御してイオンの発生制御を行うものであり、放電電極に印加する電圧の制御が不要である。その結果、発熱抵抗体等による加熱の制御に使用する5V駆動のような低耐電圧対応のドライバICで放電の発生を制御することができ、放電の制御の観点からは最も優れた制御方式であると言える。
因に、現時点におけるデジタルペーパとしては、微小なボールを二色(例えば白黒)に色分けし、各色の電気特性の違いによりボールを回転して任意の一色を表示するツイストボール方式、微小なボール中に二色(例えば白黒)の微粉末を混入し、各色の微粉末が持つ電気特性の違いにより一色のみを浮上させて表示する電気泳動方式、液晶板あるいは微小な液晶ブロックの液晶シャッターを開閉して、シャッターを開けた部分の背景色を表示する液晶方式等がある。
特開2003−326756号公報 WO2005/056297号公報
しかしながら、上記従来の技術においては、以下のような課題を有していた。
(1)(特許文献1)、(特許文献2)の加熱放電型印字ヘッドは、放電の制御が容易で静電現像方式の記録媒体に非接触で書き込むには最適なものであるが、イオンの発生量を制御することに関しては十分な検討がなされていなかった。
(2)イオンの発生量が異なれば、記録媒体の単位面積当たりに照射されるイオンの量が異なり、その結果、画像の濃度に変化が生じることになるので、高画質化、カラー化を図るためには、イオンの照射量を制御することが重要な課題となっていた。
(3)特に、階調記録を行うためには、イオンの照射量を細かく制御しなければならず、イオンの発生量の変動を抑える必要があった。
以上のような観点から、環境温度や放電電極或いは加熱手段の熱履歴の影響を受けることなく、安定した放電を発生させることができ、イオンの照射量を精度よく制御することが可能な加熱放電型印字ヘッドとその駆動方法の実現が強く要望されていた。
本発明は上記要望に応えるもので、放電電極近傍の温度を検出し、その温度に基づいて加熱手段による加熱量を制御することにより、イオンの発生量を制御することが可能な加熱放電型印字ヘッドの提供、環境温度や放電電極或いは加熱手段の熱履歴の影響を受けることなく、精度よくイオンの照射量を制御することができ、高解像度で高品質な画像を形成することが可能な加熱放電型印字ヘッドの駆動方法の提供を目的とする。
上記課題を解決するために本発明の加熱放電型印字ヘッドとその駆動方法は、以下の構成を有している。
本発明の請求項1に記載の加熱放電型印字ヘッドは、電子放出部位を有する放電電極を備えた放電部と前記放電電極を選択的に加熱する加熱部とを有する加熱放電型印字ヘッドであって、前記放電部又は前記加熱部に配設された温度検出素子を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用を有する。
(1)放電部に配設された温度検出素子により、加熱部で加熱される前の放電電極或いはその近傍の温度を検出することができ、その温度に基づいて加熱部による加熱量を調整して放電に伴って放電電極から放出される電子やイオンの量を精度よく制御することができる。
(2)加熱部に配設された温度検出素子により、加熱前の加熱部又は加熱部で加熱される前の放電電極或いはその近傍の温度を検出することができ、その温度に基づいて加熱部による加熱量を調整して放電に伴って放電電極から放出される電子やイオンの量を精度よく制御することができる。
(3)温度検出素子で加熱部又は放電部の温度を検出することにより、周辺の環境温度を加味した駆動を行うことができ、イオンの発生量のばらつきを低減することができる。
ここで、加熱放電型印字ヘッドの放電電極と、記録媒体の裏面側に形成或いは接触又は近接して配設された対向電極と、の間に放電制御電圧に相当する電位差を設定して電界を形成し、発熱抵抗体やレーザ照射部等を備えた加熱部により放電電極を選択的に加熱することで、対向して配置された放電電極と対向電極との間で放電を発生させることができ、電界によって放電電極から放出させた電子やイオンを記録媒体の記録面(表面)に移動させ、電荷を付与することにより選択的な帯電を行って画像を形成することができる。この加熱部による加熱箇所を選択することで、容易に放電電極の任意の加熱位置近傍(電子放出部位)から選択的に電子を放出させて放電を発生させることができる。
尚、放電制御電圧とは、その電位差だけでは加熱放電型印字ヘッドの放電電極と記録媒体側の対向電極との間で放電は起こらないが、放電電極を加熱することにより放電が起こる電圧域を言う。また、ここでの放電とは放電電極から電子が放出されることを言う。放出された電子は、大気中においては酸素や窒素をイオン化し、それらを記録媒体の記録面に到達させる。
放電部には、例えば複数の放電電極を形成し、その一端部又は両端部を共通電極部で接続して櫛型や梯子型等に形成できるほか、複数の電子放出部位を有する放電電極を長方形状や正方形状等の一枚の平板状に形成することができる。(例えば、特開2003−326756号、WO2005/056297参照)。
櫛型や梯子型のように放電電極の近傍に共通電極部を設けることで、放電部の放熱面積の拡大及び、熱容量の増大により、放電電極の冷却効果、加熱停止に対する応答性が向上し、また、抵抗値の低減により常に安定した電圧を印加できるので、放電の安定性等を更に向上させることができる。尚、平板状に形成した放電電極は、電子放出部位以外が共通電極部となる。
特に、共通電極部の幅を放電電極の幅より幅広に形成した場合、一時的に100〜300℃に加熱される放電電極の冷却効果が向上し、熱の籠りを防ぐことができるので、加熱のオフに迅速に応答して放電を停止でき、放電時間間隔を短縮して短時間で放電の有無を切替えることができ、記録速度の高速化を図ることができる。また、共通電極部の抵抗値を引き下げることができ、共通電極部で接続された各々の放電電極の間に生じる電位差を極力抑えることができるので、各々の放電電極における電子放出量のばらつきを低減でき、放電の安定性に優れる。
放電電極や共通電極部は、基板上に金、銀、銅、アルミニウム等の金属を蒸着、スパッタ、印刷、メッキなどで形成した後、必要に応じてエッチングして放電電極や共通電極部をパターン形成するもの、ステンレス、銅、アルミニウム等の金属の少なくとも一部をエッチングや切削等により薄肉化した後、必要に応じてエッチングやレーザ加工等により放電電極をパターン形成するもの等が好適に用いられる。また、その他にカーボン等の導電材料を用いて放電電極を形成してもよい。
基板上に放電電極や共通電極部を形成する場合、基板の材質としては、表面に放電電極や共通電極部を形成することができると共に、加熱部による加熱に耐える耐熱性を有するものであればよい。また、加熱部で基板の裏面側から加熱を行う場合、加熱部が発する熱を放電電極に伝達できる熱伝達性を有するものが好適に用いられる。具体的には、ガラスやポリイミド,アラミド,ポリエーテルイミド等の合成樹脂等が好適に用いられる。
放電電極の一端部を共通電極部で接続して櫛型に形成する場合、各々の放電電極の形状は、略矩形状、台形状、半円形状、砲弾状あるいはこれらを組合せた形状等に形成することができる。また、放電電極の一部をさらにスリット等で分割したり、周縁部に凹凸部を形成したりすることで放電電極の縁周辺の周長を増加させることができる(例えば、WO2005/056297参照)。放電電極は縁周辺からの電子放出量が多いので、縁周辺の周長を長くすることで、放電電極からの電子放出量を増加させて照射されるイオン量や発光強度を増加させることができ、放電制御電圧や加熱温度を低く設定することができ、省エネルギー性及び放電発生の効率性に優れる。また、放電制御電圧を低く設定できるので、放電電極の長寿命性にも優れる。
放電電極の端部を分割したり周縁部に凹凸部を形成したりする代りに、放電電極の加熱位置(電子放出部位)に対応させて放電孔部を形成してもよい。これにより、放電孔部の縁周辺から電子を放出させることができ、放電電極の端部を分割するのと同様の作用を得ることができる。放電孔部の形状は、略円形、略楕円形、四角形や六角形等の多角形、星形など様々な形状に形成することができる。また、電子放出部位(放電電極の加熱位置近傍)の1箇所当たりの放電孔部の数及び大きさは適宜選択して組合せることができる。尚、放電電極の凹凸部や放電孔部は前述のエッチングやレーザ加工等により形成することができる。
また、放電部の内の少なくとも共通電極部の表面には導電材層を形成してもよい。これにより、共通電極部の抵抗値を更に引き下げることができ、各々の放電電極間に生じる電位差を確実に低減でき、放電の安定性に優れる。導電材層は放電電極よりも優れた導電性を有するものであればよく、銀ペーストのスクリーン印刷や銀メッキ等により容易に形成することができる。導電材層の厚みを増すことにより、共通電極部の抵抗値を低減でき、放電の安定性を向上させることができる。
放電電極の厚さは材質にもよるが、金で形成する場合の厚さは0.1μm〜100μmが好ましい。放電電極の厚さが0.1μmより薄くなるにつれ摩耗の影響を受け易く放電電極の寿命が短くなる傾向があり、100μmより厚くなるにつれ熱容量が増加し加熱のオン/オフに対する応答性が低下し易くなる傾向があり、いずれも好ましくない。放電電極の厚さを100μm以下にすることで、加熱状態から急速に復帰させることができ、印字速度を高速化することができる。
放電部を加熱するための加熱部としては、従来の感熱式のファクシミリに使用されるサーマルプリントヘッドと同様の構成を好適に用いることができる。具体的には、発熱抵抗体と電気的に接続されたドライバICで発熱抵抗体の発熱を制御するものである。
また、加熱部としてレーザ光を照射する方式や赤外線を照射する方式等も用いることができる。レーザ光を照射する方式としては、従来の電子写真方式と同様のレーザスキャナユニットを用いることができ、レーザ照射部にポリゴンミラー又はガルバノミラーを組合せて放電部に対してレーザ光のみをスキャンさせるもの、放電部に対してレーザ照射部自体をシリアル走査させるもの等が好適に用いられる。また、レーザ光や赤外線を光ファイバーや集光レンズで集光して放電部の放電電極に照射してもよい。特に多本数の光ファイバーを高密度かつ高精度に配列した光ファイバーアレイを用いた場合、同時に複数の放電電極(電子放出部位)に対し、レーザ光や赤外線を選択的に照射することができ、高速記録が可能で生産性に優れる。
前述のように、加熱放電型印字ヘッドでは放電部に対する加熱の有無を制御することにより、放電の発生の有無を制御できるが、放電部の温度によってイオンの発生量が変化する。従って、イオンの発生量を制御するためには、放電部の温度に応じて加熱部による加熱量を制御する必要がある。
温度検出素子を放電部に配設する場合、電圧が印加される放電電極の温度を直接、検出することは困難であるため、放電電極が形成される基板上などの放電電極の近傍にサーミスター等を配置して放電電極の近傍の温度を検出する。このとき、放電電極の近傍に電圧が印加されないダミー電極を形成し、その温度を直接検出するようにしてもよい。このダミー電極を放電電極と同条件で同様に加熱すれば、駆動されている放電電極に近い温度を検出することができる。また、放電電極から離間して配置した非接触式の温度センサで放電電極の温度を検出することもできる。尚、温度検出素子として非接触式の温度センサを用いる場合は、ダミー電極を放電電極と一体に形成してもよい。ダミー電極に放電電極と同様に電圧が印加されていても、温度を検出することができるためである。
温度検出素子を加熱部に配設した場合は、加熱部の発熱抵抗体やレーザ照射部等の温度を検出できるほか、加熱部と密着又は離間して加熱される放電電極或いはその近傍の温度を検出できる。放電電極の加熱を発熱抵抗体で行う場合、発熱抵抗体を電気抵抗の温度依存性が大きな材料で形成することにより、発熱抵抗体が温度検出素子を兼ねることができ、発熱抵抗体自身の温度を検出することができる。また、加熱部の温度検出素子として、別途、サーミスター等を設ける場合は、発熱抵抗体と放電部を絶縁する発熱部絶縁膜上などに配設することができる。
この加熱放電型印字ヘッドにより画像を形成する記録媒体は、電荷の作用により静電潜像が形成されるものであればよく、液晶方式、トナーディスプレイ方式、ツイストボール方式、電気泳動方式、粉体移動方式等が好適に用いられる。
これらは単色表示以外に、加法混色法における三原色(R,G,B)を持つカラーフィルタや減法混色法における三原色(Y,M,C)を持つ反射層と組み合わせたり、ツイストボールや微粒子を減法混色法における三原色(Y,M,C)等に着色して色毎に配列したりしてカラー表示を行うことができる。また、1枚の記録媒体の中を複数の領域に分割し、領域毎に異なる色を表示することもできる。
また、加熱放電型印字ヘッドと対向する対向電極は、記録媒体の表示画素の行単位或いは列単位で選択できるものが好適に用いられるが、画素単位で選択できるものでもよい。具体的には記録媒体の画素の各行或いは各列に対応させて短冊状に形成したり、記録媒体の各画素に対応させてマトリックス状に形成したりできる。
尚、対向電極は記録媒体の裏面側に一体に形成してもよいし、画像形成装置側に設けてもよい。例えば、記録媒体を載置する平板状の記録媒体載置部の表面に対向電極を形成することにより、記録媒体の裏面と対向電極を確実に接触させることができ、加熱放電型印字ヘッドの放電電極と対向電極との間に電位差を設定することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の加熱放電型印字ヘッドであって、前記温度検出素子が、前記加熱部の発熱抵抗体である構成を有している。
この構成により、請求項1の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)温度検出素子が、加熱部の発熱抵抗体であることにより、加熱前の発熱抵抗体自身の温度を検出することができ、放電の発生に必要な加熱量を確実に求めることができ、イオンの発生量を精度よく制御することができる。
(2)加熱部の発熱抵抗体が温度検出素子を兼ねることにより、別途、温度検出素子を設ける必要がなく、構造を簡素化することができ生産性に優れる。
ここで、電気抵抗の温度依存性が大きなアルミニウムやクロム等の合金で形成された発熱抵抗体を用いることにより、電気抵抗の変化に基づいて発熱抵抗体自身の温度を検出することができる。つまり、発熱抵抗体に放電の発生に無関係な程度の一定電流を供給し、発熱抵抗体の温度変化に伴う電圧降下を測定することにより、温度検出部で発熱抵抗体自身の温度を容易に検出することができる。発熱抵抗体で検出した温度を温度検出部から制御部にフィードバックして必要な加熱量を求め、発熱抵抗体に印加する電圧値や記録信号のパルス幅、パルス数等を決定して、ドライバICによる発熱抵抗体の発熱を制御する
尚、発熱抵抗体は発熱部絶縁膜を介して放電部と密着しているので、発熱抵抗体の温度と放電部(放電電極の近傍)の温度はほぼ同等と考えることができる。これにより、放電の発生に必要な加熱量を確実に求めることができ、イオン発生量のばらつきを低減することができる。また、発熱抵抗体に印加する電圧値や記録信号のパルス幅、パルス数を適宜選択、制御することにより、イオンの発生量を精度よく制御することができ、細かな階調記録を行うことが可能となる。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の加熱放電型印字ヘッドであって、前記温度検出素子が、前記放電電極と一体に形成されたダミー電極と離間して配設された構成を有している。
この構成により、請求項1の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)温度検出素子が、放電電極と一体に形成されたダミー電極と離間して配設されることにより、放電電極と同様に電圧が印加されるダミー電極の温度を検出することができるので、実際に駆動される放電電極の温度に近い温度を検出することができ、温度検出の信頼性に優れる。
ここで、ダミー電極は放電電極と一体に形成されるが、印字領域から離れた位置に形成することが好ましい。放電電極と同様にダミー電極を加熱した場合でも、ダミー電極から放出される電子やイオンが画像に影響を与えることがなく、放電電極と同等の温度を検出できるためである。
温度検出素子としては、非接触式の温度センサ等が好適に用いられる。温度検出素子をダミー電極から離間して基板上に配置したり、放電電極から離間して放電電極の加熱を行う加熱部に配置したりして、離間した位置からダミー電極の温度を検出することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の加熱放電型印字ヘッドであって、前記温度検出素子が、前記放電電極の近傍に形成されたダミー電極に配設された構成を有している。
この構成により、請求項1の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)温度検出素子が放電電極の近傍に形成されたダミー電極に配設されることにより、放電電極の近傍の温度を精度よく検出することができるので、周囲の環境温度を考慮して放電の発生に必要な加熱量を求めることができ、イオン発生の信頼性、省エネルギー性に優れる。
ここで、ダミー電極は放電電極と同様にして形成することができる。ダミー電極は放電電極と独立して形成することにより、電圧が印加されることがなく、サーミスター等の温度検出素子で直接、温度の検出を行うことができる。
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載の加熱放電型印字ヘッドであって、前記ダミー電極を加熱するダミー電極加熱部を備えた構成を有している。
この構成により、請求項3又は4の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)ダミー電極を加熱するダミー電極加熱部を有することにより、加熱されたダミー電極の温度を温度検出素子で検出することができるので、加熱部により加熱される放電電極の温度を仮想的に求めることができ、放電電極の加熱履歴を考慮して加熱量を制御することができ、イオン発生量のばらつきを低減して高品質な画像を形成できる。
ここで、ダミー電極加熱部は、放電電極を加熱する加熱部と同様のものを好適に用いることができる。特に、放電電極を加熱する加熱部として発熱抵抗体を用いる場合、その一部をダミー電極加熱部として使用することができる。この場合、別途、ダミー電極加熱部を用意する必要がなく、放電電極と同様に加熱を行うことができるので、特別な制御も不要で生産性に優れる。
本発明の請求項6に記載の加熱放電型印字ヘッドの駆動方法は、請求項1乃至5の内いずれか1項に記載の加熱放電型印字ヘッドの駆動方法であって、前記温度検出素子により前記放電部又は前記加熱部の温度を検出する温度検出工程と、前記温度検出工程で検出した温度に基づいて加熱量を決定し前記加熱部により前記放電電極を加熱する放電電極加熱工程と、を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用を有する。
(1)温度検出工程において、温度検出素子で放電部の放電電極或いはその近傍若しくは加熱部の温度を検出することにより、放電の発生に必要な加熱量を求めることができ、放電電極加熱工程において、加熱部で放電電極を過不足なく加熱して確実に放電を発生させることができ、放電発生の安定性、省エネルギー性に優れる。
(2)温度検出工程で放電部の放電電極或いはその近傍若しくは加熱部の温度を検出することにより、周囲の環境温度や放電電極或いは加熱部の熱履歴に基づいて、放電電極加熱工程における加熱量を精度よく調整してイオン照射量を制御することができるので、イオン照射量のばらつきを低減して階調記録を行うことができ、高解像度で高品質な画像を形成することができる。
ここで、温度検出工程は、任意の時間間隔で行うことができる。温度検出工程を1ドット毎或いは数ドット毎の頻度で行うことにより、加熱前の放電電極或いはその近傍若しくは加熱部の温度を精度よく検出することができ、イオン照射量の制御の信頼性に優れる。特に画像データに基づいて、放電電極加熱工程による加熱を行う直前に温度検出工程を行うようにした場合、無駄な温度検出工程を省略することができる。
尚、温度検出工程に用いる温度検出素子が加熱部の発熱抵抗体である場合には、発熱抵抗体を発熱させていないタイミングで温度検出を行うことになるが、温度検出素子として加熱部の発熱抵抗体と別にサーミスター等を設けた場合には、放電電極加熱工程とは無関係に任意のタイミングで温度検出を行うことができる。
以上のように、本発明の加熱放電型印字ヘッドとその駆動方法によれば、以下のような有利な効果が得られる。
請求項1に記載の発明によれば、以下のような効果を有する。
(1)温度検出素子により加熱部で加熱される前の放電電極或いはその近傍若しくは加熱前の加熱部の温度を検出することができ、その温度に基づいて加熱部による加熱量を調整して放電電極の加熱を行うことができるので、放電電極から放出される電子やイオンの量を精度よく制御してイオンの発生量のばらつきを低減することができる画像品質の信頼性に優れた加熱放電型印字ヘッドを提供することができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)加熱部の発熱抵抗体を温度検出素子として用いることにより、加熱前の発熱抵抗体自身の温度を簡便に検出して、放電の発生に必要な加熱量を確実に求めることができ、イオンの発生量を精度よく制御することができる生産性、取り扱い性に優れた加熱放電型印字ヘッドを提供することができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)放電電極と一体に形成されたダミー電極と離間して温度検出素子を配設することにより、放電電極と同様に電圧が印加されるダミー電極の温度を検出することができ、実際に駆動される放電電極の温度に近い温度を検出して放電電極に対する加熱量を適正に制御することができ、確実にイオンを発生させることができるイオン発生の信頼性に優れた加熱放電型印字ヘッドを提供することができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項3の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)放電電極の近傍に形成されたダミー電極に温度検出素子を配設することにより、放電電極の近傍の温度を精度よく検出することができ、周囲の環境温度を考慮して放電電極に対する加熱量を適正に制御することができ、確実にイオンを発生させることができるイオン発生の信頼性に優れた加熱放電型印字ヘッドを提供することができる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項3又は4の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)ダミー電極を加熱するダミー電極加熱部を有することにより、加熱されたダミー電極の温度を温度検出素子で検出することができるので、加熱部により加熱される放電電極の温度を仮想的に求めることができ、放電電極の加熱履歴を考慮して加熱量を制御することができ、イオンの発生量のばらつきを低減して高品質な画像を形成することができる画像品質の信頼性に優れた加熱放電型印字ヘッドを提供することができる。
請求項6に記載の発明によれば、以下のような効果を有する。
(1)温度検出工程において検出した放電電極或いはその近傍若しくは加熱部の温度に基づいて、放電電極加熱工程において、放電電極を過不足なく加熱して確実に放電を発生させることができる放電発生の安定性、省エネルギー性に優れた加熱放電型印字ヘッドの駆動方法を提供することができる。
(2)温度検出工程で放電電極或いはその近傍若しくは加熱部の温度を検出することにより、周囲の環境温度や放電電極或いは加熱部の熱履歴に基づいて、放電電極加熱工程における加熱量を精度よく調整してイオン照射量を制御することができ、イオン照射量のばらつきを低減して高解像度な階調記録を行うことができる画像の高品質性に優れた加熱放電型印字ヘッドの駆動方法を提供することができる。
(a)実施の形態1における加熱放電型印字ヘッドの使用状態を示す模式側面図(b)実施の形態1における加熱放電型印字ヘッドを示す要部模式斜視図 実施の形態1における加熱放電型印字ヘッドのヘッド基板の模式平面図 (a)図2のA−A線矢視模式断面図(b)図2のB−B線矢視模式断面図 本発明の実施の形態1における加熱放電型印字ヘッドを用いた画像形成方法を示す模式側面図 実施の形態1における加熱放電型印字ヘッドの構成を示すブロック図 実施の形態2における加熱放電型印字ヘッドのヘッド基板の模式平面図 実施の形態2における加熱放電型印字ヘッドの構成を示すブロック図
符号の説明
1 加熱放電型印字ヘッド
2 放熱板
3a 端面部
4 ヘッド基板
5 放電部
5a 放電電極
5b 共通電極部
5c ダミー電極
6 ドライバIC
7 放電制御装置
8 プリント配線基板
8a コネクタ
9 ICカバー
9a 高圧基板
10 フレキシブル基板
11a 発熱用櫛歯電極
11b 発熱用共通電極
12 発熱用個別電極
13 加熱部
13a 発熱抵抗体
13b 発熱部絶縁膜
15 電子放出部位
16 導電材層
20 記録媒体
21 対向電極
25 制御部
26 温度検出部
27 温度検出素子
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1における加熱放電型印字ヘッドとその駆動方法について、以下図面を参照しながら説明する。
図1(a)は実施の形態1における加熱放電型印字ヘッドの使用状態を示す模式側面図であり、図1(b)は実施の形態1における加熱放電型印字ヘッドを示す要部模式斜視図である。
図1中、1は本発明の実施の形態1における加熱放電型印字ヘッド、2はアルミニウム等の材質で形成した加熱放電型印字ヘッド1の放熱板、3aは放熱板2の先端に形成された略円弧状の端面部、4は後述するフレキシブル基板に後述する放電部5や加熱手段の発熱抵抗体等が積層され放熱板2に配設された加熱放電型印字ヘッド1のヘッド基板、5は加熱放電型印字ヘッド1の放電部、5aは梯子型に形成された放電部5の複数の放電電極、5bは複数の放電電極5aの両端部にそれぞれ接続された放電部5の共通電極部、7はヘッド基板4と後述する発熱抵抗体の発熱を制御するドライバIC6を備えた加熱放電型印字ヘッド1の放電制御装置、8は外部の制御部と接続するためのコネクタ8aを備え放熱板2に配設された加熱放電型印字ヘッド1のプリント配線基板、9はドライバIC6及びプリント配線基板8を保護するために覆設された加熱放電型印字ヘッド1のICカバー、9aはICカバー9の背面に配設され放電部5の共通電極部5bに電気的に接続され放電電極5aに対して高電圧(放電制御電圧)を供給する高圧基板である。
ICカバー9の背面に高圧基板9aを配設し、放電部5の共通電極部5bに電気的に接続することにより、放電制御電圧を印加するための電気配線を短くすることができ、高圧基板9aを加熱放電型印字ヘッド1と一体に取扱うことができる。これにより、電気配線の取り回しが不要で画像形成装置への組込みが容易で量産性に優れる。特に、加熱放電型印字ヘッド1を走査させて画像を形成する場合、加熱放電型印字ヘッド1と高圧基板9aを一体に移動させることができるので、電気配線に負荷などがかかり難く、導通不良の発生を低減できる。
尚、高圧基板9aの配設位置は本実施の形態に限定されるものではなく、放電部5の共通電極部5bに放電制御電圧を印加することができればよい。
次に、ヘッド基板の構造について詳細を説明する。
図2は実施の形態1における加熱放電型印字ヘッドのヘッド基板の模式平面図であり、図3(a)は図2のA−A線矢視模式断面図であり、図3(b)は図2のB−B線矢視模式断面図である。
図2及び図3中、10は耐熱性及び絶縁性を有するポリイミド,アラミド,ポリエーテルイミド等の薄膜樹脂で形成されたヘッド基板4のフレキシブル基板、11aは基板10の上面に櫛歯状に形成された発熱用櫛歯電極、11bは複数の発熱用櫛歯電極11aの端部を接続するように基板10の上面に略コ字型に形成された発熱用共通電極、12は複数の発熱用櫛歯電極11aと交互に基板10の上面に形成された発熱用個別電極、13は放電制御装置7の加熱部、13aは発熱用櫛歯電極11a及び発熱用個別電極12に電気的に接続され帯状に形成された加熱部13の温度検出素子を兼ねた発熱抵抗体、13bは発熱用共通電極11b及び発熱用個別電極12の端部を除いて基板10の上面に覆設された発熱部絶縁膜、15は発熱抵抗体13aで加熱されることにより放電が発生する放電電極5aの電子放出部位、16は放電部5の内の共通電極部5bの表面に形成された導電材層である。
ヘッド基板4に放熱板2を配設することにより、加熱部13で発生した熱を速やかに放熱板2に伝熱させ、放熱板2から放熱することができる。これにより、加熱部13の急速冷却を可能にして加熱停止に対する応答性を向上させている。また、ドライバIC6等を熱から守ることができ信頼性に優れる。放熱板2の表面に溝等により凹凸を形成した場合、放熱板2の表面積を拡大することができ、放熱の効率性を向上させることができる。
尚、発熱抵抗体13aの加熱は24Vの低電圧で行い、発熱抵抗体13aを発熱させるためのスイッチとして用いるドライバIC6には、5V駆動の低耐電圧対応のものを用いた。このドライバIC6は加熱部13から延びるリードパターンに金線でワイヤボンディングした後に、エポキシ樹脂等のIC保護用の樹脂で封止した。
尚、前述の放電部5は、耐熱性及び絶縁性を有する発熱部絶縁膜13bにより、発熱用櫛歯電極11a、発熱用個別電極12及び発熱抵抗体13aと絶縁されている。発熱用個別電極12は、梯子型に形成された放電部5の複数の放電電極5aに対応する位置に発熱抵抗体13a及び発熱部絶縁膜13bを挟んで対向配置され、発熱用櫛歯電極11aは、放電電極5aと放電電極5aの間に発熱抵抗体13a及び発熱部絶縁膜13bを挟んで配置されている。発熱用個別電極12とその両側の発熱用櫛歯電極11aとの間に通電することにより、発熱抵抗体13aを発熱させ、発熱用個別電極12に対応する位置の放電電極5aを選択的に加熱することができる。
尚、放電部5と加熱部13との絶縁性を向上させるために、発熱部絶縁膜13bの両面の内の少なくとも一方の面にさらに絶縁膜を形成してもよい。絶縁膜はSiON,SiO等の無機質やその他の絶縁性を有する材質(有機・無機を問わず)で薄膜状に形成することができる。特に、発熱抵抗体13aの熱を効率よく放電電極5aに伝達することができる高熱伝導性のものが好ましい。
導電材層16は導電性に優れる銀ペーストや銀メッキ等で形成した。共通電極部5bの表面に導電材層16を形成することで共通電極部5bの抵抗値を引き下げることができ、各々の放電電極5a間に生じる電位差を確実に低減できる。
尚、本実施の形態では、複数の放電電極5aの両端部に接続された二つの共通電極部5bにそれぞれ導電材層16を形成したが、いずれか一方のみに形成してもよい。導電材層16は図2,3に示したように共通電極部5bの一部に形成してもよいし、全幅に渡って形成してもよい。また、導電材層16は放電電極部5aの電子放出部位15を除く箇所に形成してもよい。さらに、放電電極5a及び共通電極部5bの形状及び配置は本実施の形態に限定されるものではなく、複数の放電電極5aの一端部のみに共通電極部5bが接続された櫛型や平板状などの様々な形状に形成することができる。また、放電部5を櫛型に形成する場合、各々の放電電極5aの形状は、矩形状以外に、台形状、半円形状、砲弾状あるいはこれらを組合せた形状等に形成することができる。
次に、ヘッド基板の製造方法について詳細に説明する。
まず、加熱部形成工程について説明する。
図2及び図3において、平面状に形成されたフレキシブル基板10の表面に金ペースト等の導体を印刷した後、エッチングにより発熱用共通電極11bで接続された複数の発熱用櫛歯電極11a及び発熱用個別電極12を形成する。その後、発熱用櫛歯電極11a及び発熱用個別電極12の上部に電気抵抗の温度依存性が大きなアルミニウムやクロム等の合金を印刷する等して帯状の発熱抵抗体13aを形成する。
本実施の形態では、加熱部13の発熱抵抗体13aを帯状に形成し、発熱用櫛歯電極11aと発熱用個別電極12を交互に配設し、各中央の1本の発熱用個別電極12とその両側の発熱用櫛歯電極11aとの間に通電することにより各々の放電電極5aの電子放出部位15の位置に対応する発熱抵抗体13aの任意の箇所を選択的に発熱させ、放電電極5aを加熱する方式としたが、これに限定されるものではなく、各々の放電電極5aの電子放出部位15を選択的に加熱できる構造であればよい。尚、加熱部13の構成は厚膜型でも薄膜型でもよい。
次に、放電部形成工程について説明する。
図2及び図3において、発熱用共通電極11b及び発熱用個別電極12の各端部を除いてフレキシブル基板10の表面に300℃程度の耐熱性及び絶縁性を有するポリイミド,アラミド,ポリエーテルイミド等の薄膜樹脂を印刷する等して発熱部絶縁膜13bを形成する。発熱部絶縁膜13bは発熱用共通電極11b、発熱用個別電極12、発熱抵抗体13a等を保護し、絶縁できるものであればよいが、発熱抵抗体13aの熱を効率よく放電電極5aに伝達することができる高熱伝導性のものが好適に用いられる。発熱部絶縁膜13bは、ポリイミドやアラミド等の耐熱性及び絶縁性を有する樹脂の溶液をスクリーン印刷等で塗布して形成してもよいし、同様の樹脂で形成された薄膜シートを覆設して形成してもよい。
次に、発熱部絶縁膜13bの上部に加熱部13の発熱用個別電極12に対向した複数の放電電極5a及びそれらを接続する共通電極部5bを形成する。放電電極5a及び共通電極部5bの形成には、金、銀、銅、アルミニウム等の金属を、蒸着やスパッタや印刷で形成した後、エッチングしてパターン形成するものが好適に用いられる。また、その他にカーボン等の導電材料を用いてもよい。
尚、放電電極5aの電子放出部位15は縁周辺からの放電量が多いので、縁周辺の周長が長くなるように放電電極5aの外周周縁部に複数の凹凸部を形成して放電の発生効率を向上させることができる。その結果、電子放出部位15からの放電量が増加し、イオン照射量や発光強度を増加させることができるので、放電電極5aへの印加電圧や加熱温度を低く設定でき、放電制御装置7の省エネルギー性及び放電電極5aの長寿命性に優れる。
ヘッド基板4のフレキシブル基板10や発熱部絶縁膜13b等の厚みは、各々が例えば数μm〜数十μmと極めて薄いものであるため、ヘッド基板4の総合的な厚さを数十μm〜数百μm程度に抑えて極めて薄く形成することができる。ヘッド基板4は平面状態で形成するものの、極めて薄くかつ柔軟性に富んでいるため、平面状態から放熱板2の端面部3aの形状に合わせて湾曲して容易に加工する(変形させる)ことができ、放電部5や加熱部13等の形成技術上の制約を受けることなく、加熱放電型印字ヘッド1を得ることができる。また、ヘッド基板4は共通のままで、放熱板2の形状やヘッド基板4の貼り付け位置を変えるだけで様々な形態の加熱放電型印字ヘッド1を得ることができ、汎用性、量産性に優れる。
以上のように形成された加熱放電型印字ヘッドの基本的な動作について説明する。
図4は本発明の実施の形態1における加熱放電型印字ヘッドを用いた画像形成方法を示す模式側面図である。
図4中、20は電荷の作用により静電潜像が形成される繰り返し記録可能な静電現像方式の記録媒体、21は記録媒体20の裏面側に形成された対向電極である。
加熱放電型印字ヘッド1の放電電極5aと対向電極21との間に放電制御電圧(印加しただけでは放電が起こらないが、加熱することにより放電が起こる電圧域を言う)に相当する電位差を設定して電界を形成している。
この状態で加熱部13の発熱抵抗体13aにより放電電極5aを選択的に加熱(100〜300℃)することで、対向して配置された放電電極5aと対向電極21との間で放電を発生させることができる。そして電界によって放電電極5aの電子放出部位15から放出させた電子やイオンを記録媒体20の記録面(表面)に移動させ、電荷を付与して静電潜像を形成し、画像を表示させることができる。この加熱部13による加熱箇所を選択することで、容易に放電電極5aの任意の加熱位置近傍(電子放出部位15)から選択的に電子を放出させて放電を発生させることができる(図2,3参照)。
放電電極5aへの電圧の印加は放電部5の共通電極部5bに接続された高圧基板9a(図1参照)から行う。放電部5の放電電極5a(共通電極部5b)に印加する交流電圧や直流電圧の数値は、色々な組み合わせが考えられるが、本実施の形態では放電部5の放電電極5aに、一例としてAC550Vpp(三角波1kHz)にDCバイアスで−700Vの電圧を重畳して印加した。
放電電極5a(共通電極部5b)に交流電圧のみを印加すると正負のイオンが生成されるが、負のイオンのみを選別するには交流電圧に負の直流電圧を重畳すればよく、正のイオンのみを選別するには交流電圧に正の直流電圧を重畳すればよい。
尚、放電電極5aと対向電極21との間の電位差が放電制御電圧に等しければよいので、放電制御電圧の全てを放電電極5a(共通電極部5b)に直接印加してもよいし、放電制御電圧の一部を対向電極21に分配して印加してもよい。また、対向電極21は記録媒体20と一体に形成する以外に、画像形成装置側に設け、対向電極21の裏面と接触又は近接させるようにしてもよい。
以上のように、加熱放電型印字ヘッド1では放電部5に対する加熱の有無を制御することにより、放電の発生の有無を制御できるが、放電部5の温度によってイオンの発生量が変化する。従って、イオンの発生量を制御するために、放電部5や加熱部13の温度に応じて加熱部13による加熱量を制御する必要がある。
以下、実施の形態1における加熱放電型印字ヘッドの駆動方法の詳細について説明する。
図5は実施の形態1における加熱放電型印字ヘッドの構成を示すブロック図である。
図5中、25はドライバIC6に画像データに対応した記録制御信号を加えると共に、発熱抵抗体13aへの記録信号印加後の冷却期間に発熱抵抗体13aの温度検出箇所(発熱箇所)を順次選択して温度検出用の電流を短時間供給するための制御信号を加える制御部、26は発熱抵抗体13aの温度検出箇所に流れる温度検出用の電流を測定し、その電流値から発熱抵抗体13aの各々の温度検出箇所における温度を算出すると共に、その温度情報を制御部25にフィードバックする温度検出部である。
まず、温度検出工程について説明する。
制御部25により、発熱抵抗体13aへの記録信号印加後の冷却期間に発熱抵抗体13aの温度検出箇所(各々の放電電極5aに対応した発熱箇所)を順次選択して温度検出用の電流を短時間供給するための制御信号を加える。発熱抵抗体13aに放電の発生に無関係な程度の一定電流を供給することにより、電気抵抗が変化し、発熱抵抗体13aに流れる電流が変化するので、その電流値を温度検出部26で測定する。発熱抵抗体13aの温度と抵抗値の関係は予め定まっているので、電流値に対応した温度情報を温度検出部26のメモリ等に記憶させておくことにより、測定された電流値から発熱抵抗体13a自身の温度を簡便に求めることができる。発熱抵抗体13aの各々の温度検出箇所の冷却期間に、選択された温度検出箇所に流れる温度検出用の電流を測定するだけでよいので、構成を簡素化することができ生産性に優れる。
次に、放電電極加熱工程について説明する。
温度検出工程で検出した温度は発熱抵抗体13aの温度であるが、発熱抵抗体13aは発熱部絶縁膜13bを介して放電部5の放電電極5aと密着しているので、発熱抵抗体13aの温度と放電電極5aの温度はほぼ同等と考えることができる。
放電電極5aの温度とイオン発生量の関係は予め分かっているので、それを制御部25のメモリ等に記憶させておくことにより、放電の発生に必要な放電電極5aの温度と温度検出部26からフィードバックされた温度情報との差を元に必要な加熱量を決定することができる。この加熱量に基づいて、制御部25でドライバIC6に加える記録制御信号を補正し、ドライバIC6から発熱抵抗体13aに加える記録信号を補正することにより、放電電極5aを目的とする温度に加熱して確実に放電を発生させることができ、イオンの発生量のばらつきを低減することができる。また、発熱抵抗体13aに加える記録信号のパルス幅やパルス数を画像情報(濃度情報)に基づいて制御することにより、イオンの発生量を細かく制御することができ、階調記録を行って画像品質を向上させることができる。
実施の形態1の加熱放電型印字ヘッドは以上のように構成されているので、以下の作用を有する。
(1)加熱部13に配設された発熱抵抗体13aが温度検出素子を兼ねていることにより、加熱部13に密着して形成された放電電極5aの加熱前の温度を検出することができ、その温度に基づいて加熱部13による加熱量を調整して放電に伴って放電電極5aから放出される電子やイオンの量を精度よく制御することができる。
(2)温度検出素子としての発熱抵抗体13aで加熱部13の温度を検出することにより、周辺の環境温度を加味した駆動を行うことができ、イオンの発生量のばらつきを低減することができる。
(3)温度検出素子が、加熱部13の発熱抵抗体13aであることにより、加熱前の発熱抵抗体13a自身の温度を検出することができ、放電の発生に必要な加熱量を確実に求めることができ、イオンの発生量を精度よく制御することができる。
(4)加熱部13の発熱抵抗体13aが温度検出素子を兼ねることにより、別途、温度検出素子を設ける必要がなく、構造を簡素化することができ生産性に優れる。
実施の形態1の加熱放電型印字ヘッドの駆動方法は以上のように構成されているので、以下の作用を有する。
(1)温度検出工程において、温度検出素子を兼ねた発熱抵抗体13aで加熱部13の温度を検出することにより、放電の発生に必要な加熱量を求めることができ、放電電極加熱工程において、加熱部13で放電電極5aを過不足なく加熱して確実に放電を発生させることができ、放電発生の安定性、省エネルギー性に優れる。
(2)温度検出工程で加熱部13の温度を検出することにより、周囲の環境温度や加熱部13の熱履歴に基づいて、放電電極加熱工程における加熱量を精度よく調整してイオン照射量を制御することができるので、イオン照射量のばらつきを低減して階調記録を行うことができ、高解像度で高品質な画像を形成することができる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2における加熱放電型印字ヘッドとその駆動方法について、以下図面を参照しながら説明する。
図6は実施の形態2における加熱放電型印字ヘッドのヘッド基板の模式平面図である。尚、実施の形態1と同様のものには同一の符号を付して説明を省略する。
図6において、実施の形態2における加熱放電型印字ヘッドのヘッド基板が実施の形態1と異なるのは、ヘッド基板4aの放電部5に放電電極5a及び共通電極5bと独立して形成された電圧が印加されないダミー電極5cが形成されている点と、ダミー電極5c上にダミー電極5cの温度を検出するためのサーミスター等の温度検出素子27が配設されている点である。
尚、ダミー電極5cは放電電極5aと同様に発熱用個別電極12に対応する位置で発熱抵抗体13aに対向して配置されている。これにより、放電電極5aと同様にダミー電極5cを発熱抵抗体13aで加熱することができる。
以上のように構成された実施の形態2における加熱放電型印字ヘッドのヘッド基板の製造方法が、実施の形態1と異なるのは、放電部形成工程において、ダミー電極5cを形成する点であるが、エッチングのパターンを変えるだけで、工程を増やすことなく放電電極5a及び共通電極部5bと共にダミー電極5cを形成することができる。
以上のように形成されたヘッド基板を備えた実施の形態2における加熱放電型印字ヘッドの基本的な動作は、実施の形態1と同様なので説明を省略する。
以下、実施の形態2における加熱放電型印字ヘッドの駆動方法の詳細について説明する。
図7は実施の形態2における加熱放電型印字ヘッドの構成を示すブロック図である。
まず、温度検出工程について説明する。
制御部25により発熱抵抗体13aへ記録信号を印加する前に、温度検出部26により温度検出素子27でダミー電極5cの温度を測定する。温度検出工程で検出した温度はダミー電極5cの温度であるが、このダミー電極5cは発熱抵抗体13aにより放電電極5aと同条件で加熱することができるので、実際に駆動される放電電極5aの温度とほぼ同等と考えることができる。尚、温度検出工程の直前までの加熱履歴の違いによりダミー電極5cの温度は変化するので、加熱履歴と温度検出工程で検出したダミー電極5cの温度との関係を制御部25などのメモリに記憶しておけば、実際の放電電極5aの駆動履歴(加熱履歴)を監視し、それに対応した放電電極5aの温度を知ることができ信頼性に優れる。
次に、放電電極加熱工程について説明する。
放電電極5aの温度とイオン発生量の関係は予め分かっているので、それを制御部25のメモリ等に記憶させておくことにより、放電の発生に必要な放電電極5aの温度と温度検出部26からフィードバックされた温度情報との差を元に必要な加熱量を決定することができる。この加熱量に基づいて、制御部25でドライバIC6に加える記録制御信号を補正し、ドライバIC6から発熱抵抗体13aに加える記録信号を補正することにより、放電電極5aを目的とする温度に加熱して確実に放電を発生させることができ、イオンの発生量のばらつきを低減することができる。このとき、ダミー電極5cも放電電極5aと同じ加熱量で加熱されるので、温度検出工程と放電電極加熱工程を繰り返し行っても、精度よく温度を検出することができ、放電電極5aの加熱履歴に応じた加熱を行うことができる。また、実施の形態1と同様に、発熱抵抗体13aに加える記録信号のパルス幅やパルス数を画像情報(濃度情報)に基づいて制御することにより、イオンの発生量を細かく制御することができ、階調記録を行うことができる。
本実施の形態では、温度検出素子27をダミー電極5c上に配置してその温度を検出したが、サーミスター等の温度検出素子27を用いる場合、放電部5が形成されるフレキシブル基板10上や発熱抵抗体13aと放電部5を絶縁する発熱部絶縁膜13b上などの任意の位置に配設して放電電極5aの近傍の温度を検出するようにしてもよい。また、放電電極5aを加熱する発熱抵抗体13aの一部をダミー電極5cの加熱に用いたが、別途、ダミー電極5cを加熱するために独立した発熱抵抗体等を用いたダミー電極加熱部を設けてもよい。尚、加熱部13として発熱抵抗体13aを用いる代わりに、レーザ光を照射する方式や赤外線を照射する方式等も用いることができ、レーザ照射部にポリゴンミラー又はガルバノミラーを組合せて放電部5に対してレーザ光のみをスキャンさせるもの、放電部5に対してレーザ照射部自体をシリアル走査させるもの、レーザ光や赤外線を光ファイバーや集光レンズで集光して放電部5の放電電極5aに照射するもの等が好適に用いられる。この場合、加熱部13が放電部5と離間しているので、加熱部13に温度検出素子として非接触式の温度センサを設け、放電電極5a或いはその近傍の温度を検出することもできる。
また、本実施の形態では、ダミー電極5cを放電電極5aの近傍に独立させて形成したが、ダミー電極5cと放電電極5aを一体に形成してもよい。その場合、ダミー電極5cには放電電極5aと同様に電圧が印加されるので、温度検出素子として非接触式の温度センサ等を用いる必要があるが、電圧が印加された状態でダミー電極5cの温度を検出することができるので、実際に駆動される放電電極5aと同等の温度を検出できる。尚、印字領域から離れた位置にダミー電極5cを形成することにより、放電電極5aと同条件でダミー電極5cを加熱した場合でも、ダミー電極5cから放出される電子やイオンが画像に影響を与えることがない。
実施の形態2の加熱放電型印字ヘッドは以上のように構成されているので、以下の作用を有する。
(1)温度検出素子27で放電部5の温度を検出することにより、周辺の環境温度を加味した駆動を行うことができ、イオンの発生量のばらつきを低減することができる。
(2)温度検出素子27が放電部5の放電電極5aの近傍に形成されたダミー電極5cに配設されることにより、放電電極5aの近傍の温度を精度よく検出することができるので、周囲の環境温度を考慮して放電の発生に必要な加熱量を求めることができ、イオン発生の信頼性、省エネルギー性に優れる。
(3)加熱部13の発熱抵抗体13aの一部をダミー電極5cを加熱するダミー電極加熱部として利用することにより、加熱されたダミー電極5cの温度を温度検出素子27で検出することができるので、加熱部13により加熱される放電電極5aの温度を仮想的に求めることができ、放電電極5aの加熱履歴を考慮して加熱量を制御することができ、イオン発生量のばらつきを低減して高品質な画像を形成できる。
実施の形態2の加熱放電型印字ヘッドの駆動方法は以上のように構成されているので、以下の作用を有する。
(1)温度検出工程において、温度検出素子27により放電部5の放電電極5aの近傍にあるダミー電極5cの温度を検出することにより、放電の発生に必要な加熱量を求めることができ、放電電極加熱工程において、加熱部13で放電電極13aを過不足なく加熱して確実に放電を発生させることができ、放電発生の安定性、省エネルギー性に優れる。
(2)温度検出工程で放電部5の放電電極5aの近傍にあるダミー電極5cの温度を検出することにより、周囲の環境温度や放電電極5aの熱履歴に基づいて、放電電極加熱工程における加熱量を精度よく調整してイオン照射量を制御することができるので、イオン照射量のばらつきを低減して階調記録を行うことができ、高解像度で高品質な画像を形成することができる。
本発明は、放電電極近傍の温度を検出し、その温度に基づいて加熱手段による加熱量を制御することにより、イオンの発生量を制御することが可能な加熱放電型印字ヘッドの提供、環境温度や放電電極或いは加熱手段の熱履歴の影響を受けることなく、精度よくイオンの照射量を制御することができ、高解像度で高品質な画像を形成することが可能な加熱放電型印字ヘッドの駆動方法の提供を行って、静電現像方式の記録媒体の普及を図ることができる。
【0003】
下の構成を有している。
本発明の請求項1に記載の加熱放電型印字ヘッドは、電子放出部位を有する放電電極を備えた放電部と前記放電電極を選択的に加熱する加熱部とを有する加熱放電型印字ヘッドであって、前記放電部又は前記加熱部に配設され、記録媒体の裏面側に形成或いは接触又は近接して配設された対向電極との間に放電制御電圧が印加される前記放電電極の温度を検出する温度検出素子を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用を有する。
(1)放電部又は加熱部に配設された温度検出素子により、記録媒体の裏面側に形成或いは接触又は近接して配設された対向電極との間に放電制御電圧が印加され、加熱部で加熱される前の放電電極或いはその近傍の温度を検出することができ、その温度に基づいて加熱部による加熱量を調整して放電に伴って放電電極から放出される電子やイオンの量を精度よく制御することができる。
[0006]
ここで、加熱放電型印字ヘッドの放電電極と、記録媒体の裏面側に形成或いは接触又は近接して配設された対向電極と、の間に放電制御電圧に相当する電位差を設定して電界を形成し、発熱抵抗体やレーザ照射部等を備えた加熱部により放電電極を選択的に加熱することで、対向して配置された放電電極と対向電極との間で放電を発生させることができ、電界によって放電電極から放出させた電子やイオンを記録媒体の記録面(表面)に移動させ、電荷を付与することにより選択的な帯電を行って画像を形成することができる。この加熱部による加熱箇所を選択することで、容易に放電電極の任意の加熱位置近傍(電子放出部位)から選択的に電子を放出させて放電を発生させることができる。
尚、放電制御電圧とは、その電位差だけでは加熱放電型印字ヘッドの放電電極と記録媒体側の対向電極との間で放電は起こらないが、放電電極を加熱することによ
【0008】
記温度検出素子が、前記加熱部の発熱抵抗体である構成を有している。
この構成により、請求項1の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)温度検出素子が、加熱部の発熱抵抗体であることにより、加熱前の発熱抵抗体自身の温度を検出することができ、放電の発生に必要な加熱量を確実に求めることができ、イオンの発生量を精度よく制御することができる。
(2)加熱部の発熱抵抗体が温度検出素子を兼ねることにより、別途、温度検出素子を設ける必要がなく、構造を簡素化することができ生産性に優れる。
[0015]
ここで、電気抵抗の温度依存性が大きなアルミニウムやクロム等の合金で形成された発熱抵抗体を用いることにより、電気抵抗の変化に基づいて発熱抵抗体自身の温度を検出することができる。つまり、発熱抵抗体に放電の発生に無関係な程度の一定電流を供給し、発熱抵抗体の温度変化に伴う電圧降下を測定することにより、温度検出部で発熱抵抗体自身の温度を容易に検出することができる。発熱抵抗体で検出した温度を温度検出部から制御部にフィードバックして必要な加熱量を求め、発熱抵抗体に印加する電圧値や記録信号のパルス幅、パルス数等を決定して、ドライバICによる発熱抵抗体の発熱を制御する
尚、発熱抵抗体は発熱部絶縁膜を介して放電部と密着しているので、発熱抵抗体の温度と放電部(放電電極の近傍)の温度はほぼ同等と考えることができる。これにより、放電の発生に必要な加熱量を確実に求めることができ、イオン発生量のばらつきを低減することができる。また、発熱抵抗体に印加する電圧値や記録信号のパルス幅、パルス数を適宜選択、制御することにより、イオンの発生量を精度よく制御することができ、細かな階調記録を行うことが可能となる。
[0016]
本発明の請求項3に記載の加熱放電型印字ヘッドは、電子放出部位を有する放電電極を備えた放電部と前記放電電極を選択的に加熱する加熱部とを有する加熱放電型印字ヘッドであって、前記放電電極と一体に形成されたダミー電極と、前記ダミー電極と離間して前記放電部又は前記加熱部に配設された温度検出素子と、を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用を有する。
(1)温度検出素子が、放電電極と一体に形成されたダミー電極と離間して配設されることにより、放電電極と同様に電圧が印加されるダミー電極の温度を検出することができるので、実際に駆動される放電電極の温度に近い温度を検出することができ、温
【0009】
度検出の信頼性に優れる。
[0017]
ここで、ダミー電極は放電電極と一体に形成されるが、印字領域から離れた位置に形成することが好ましい。放電電極と同様にダミー電極を加熱した場合でも、ダミー電極から放出される電子やイオンが画像に影響を与えることがなく、放電電極と同等の温度を検出できるためである。
温度検出素子としては、非接触式の温度センサ等が好適に用いられる。温度検出素子をダミー電極から離間して基板上に配置したり、放電電極から離間して放電電極の加熱を行う加熱部に配置したりして、離間した位置からダミー電極の温度を検出することができる。
[0018]
本発明の請求項4に記載の加熱放電型印字ヘッドは、電子放出部位を有する放電電極を備えた放電部と前記放電電極を選択的に加熱する加熱部とを有する加熱放電型印字ヘッドであって、前記放電電極の近傍に形成されたダミー電極と、前記ダミー電極に配設された温度検出素子と、を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用を有する。
(1)温度検出素子が放電電極の近傍に形成されたダミー電極に配設されることにより、放電電極の近傍の温度を精度よく検出することができるので、周囲の環境温度を考慮して放電の発生に必要な加熱量を求めることができ、イオン発生の信頼性、省エネルギー性に優れる。
[0019]
ここで、ダミー電極は放電電極と同様にして形成することができる。ダミー電極は放電電極と独立して形成することにより、電圧が印加されることがなく、サーミスター等の温度検出素子で直接、温度の検出を行うことができる。
[0020]
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載の加熱放電型印字ヘッドであって、前記ダミー電極を加熱するダミー電極加熱部を備えた構成を有している。
この構成により、請求項3又は4の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)ダミー電極を加熱するダミー電極加熱部を有することにより、加熱されたダミー電極の温度を温度検出素子で検出することができるので、加熱部により加熱される放電電極の温度を仮想的に求めることができ、放電電極の加熱履歴を考慮して加熱量を制御することができ、イオン発生量のばらつきを低減して高品質な画像を形成できる。
【0010】
[0021]
ここで、ダミー電極加熱部は、放電電極を加熱する加熱部と同様のものを好適に用いることができる。特に、放電電極を加熱する加熱部として発熱抵抗体を用いる場合、その一部をダミー電極加熱部として使用することができる。この場合、別途、ダミー電極加熱部を用意する必要がなく、放電電極と同様に加熱を行うことができるので、特別な制御も不要で生産性に優れる。
[0022]
本発明の請求項6に記載の加熱放電型印字ヘッドの駆動方法は、請求項1又は2に記載の加熱放電型印字ヘッドの駆動方法であって、前記温度検出素子により前記放電部の前記放電電極の温度を検出する温度検出工程と、前記温度検出工程で検出した温度に基づいて加熱量を決定し前記加熱部により前記放電電極を加熱する放電電極加熱工程と、を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用を有する。
(1)温度検出工程において、温度検出素子で放電部の放電電極或いはその近傍の温度を検出することにより、放電の発生に必要な加熱量を求めることができ、放電電極加熱工程において、加熱部で放電電極を過不足なく加熱して確実に放電を発生させることができ、放電発生の安定性、省エネルギー性に優れる。
(2)温度検出工程で放電部の放電電極或いはその近傍の温度を検出することにより、周囲の環境温度や放電電極或いは加熱部の熱履歴に基づいて、放電電極加熱工程における加熱量を精度よく調整してイオン照射量を制御することができるので、イオン照射量のばらつきを低減して階調記録を行うことができ、高解像度で高品質な画像を形成することができる。
[0023]
ここで、温度検出工程は、任意の時間間隔で行うことができる。温度検出工程を1ドット毎或いは数ドット毎の頻度で行うことにより、加熱前の放電電極或いはその近傍若しくは加熱部の温度を精度よく検出することができ、イオン照射量の制御の信頼性に優れる。特に画像データに基づいて、放電電極加熱工程による加熱を行う直前に温度検出工程を行うようにした場合、無駄な温度検出工程を省略することができる。
尚、温度検出工程に用いる温度検出素子が加熱部の発熱抵抗体である場合には、発熱抵抗体を発熱させていないタイミングで温度検出を行うことになるが、温度検出素子として加熱部の発熱抵抗体と別にサーミスター等を設けた場合には、放電電
【0011】
極加熱工程とは無関係に任意のタイミングで温度検出を行うことができる。
本発明の請求項7に記載の加熱放電型印字ヘッドの駆動方法は、請求項3乃至5の内いずれか1項に記載の加熱放電型印字ヘッドの駆動方法であって、前記温度検出素子により前記ダミー電極の温度を検出する温度検出工程と、前記温度検出工程で検出した温度に基づいて加熱量を決定し前記加熱部により前記放電電極を加熱する放電電極加熱工程と、を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用を有する。
(1)温度検出工程において、温度検出素子によりダミー電極の温度を検出することにより、放電の発生に必要な加熱量を求めることができ、放電電極加熱工程において、加熱部で放電電極を過不足なく加熱して確実に放電を発生させることができ、放電発生の安定性、省エネルギー性に優れる。
(2)温度検出工程でダミー電極の温度を検出することにより、周囲の環境温度や放電電極の熱履歴に基づいて、放電電極加熱工程における加熱量を精度よく調整してイオン照射量を制御することができるので、イオン照射量のばらつきを低減して階調記録を行うことができ、高解像度で高品質な画像を形成することができる。
発明の効果
[0024]
以上のように、本発明の加熱放電型印字ヘッドとその駆動方法によれば、以下のような有利な効果が得られる。
請求項1に記載の発明によれば、以下のような効果を有する。
(1)温度検出素子により加熱部で加熱される前の放電電極或いはその近傍の温度を検出することができ、その温度に基づいて加熱部による加熱量を調整して放電電極の加熱を行うことができるので、放電電極から放出される電子やイオンの量を精度よく制御してイオンの発生量のばらつきを低減することができる画像品質の信頼性に優れた加熱放電型印字ヘッドを提供することができる。
[0025]
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)加熱部の発熱抵抗体を温度検出素子として用いることにより、加熱前の発熱抵抗体自身の温度を簡便に検出して、放電の発生に必要な加熱量を確実に求めることができ、イオンの発生量を精度よく制御することができる生産性、取り扱い性に優れた加熱放電型印字ヘッドを提供することができる。
[0026]
請求項3に記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)放電電極と一体に形成されたダミー電極と離間して温度検出素子を配設することにより、放電電極と同様に電圧が印加されるダミー電極の温度を検出することができ、実際に駆動される放電電極の温度に近い温度を検出して放電電極に対する加熱量を適正に制御することができ、確実にイオンを発生させることができるイオン発生の信頼性に優れた加熱放電型印字ヘッドを提供することができる。
[0027]
請求項4に記載の発明によれば、請求項3の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)放電電極の近傍に形成されたダミー電極に温度検出素子を配設することにより、放電電極の近傍の温度を精度よく検出することができ、周囲の環境温度を考慮して放電電極に対する加熱量を適正に制御することができ、確実にイオンを発生させるこ
【0012】
とができるイオン発生の信頼性に優れた加熱放電型印字ヘッドを提供することができる。
[0028]
請求項5に記載の発明によれば、請求項3又は4の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)ダミー電極を加熱するダミー電極加熱部を有することにより、加熱されたダミー電極の温度を温度検出素子で検出することができるので、加熱部により加熱される放電電極の温度を仮想的に求めることができ、放電電極の加熱履歴を考慮して加熱量を制御することができ、イオンの発生量のばらつきを低減して高品質な画像を形成することができる画像品質の信頼性に優れた加熱放電型印字ヘッドを提供することができる。
[0029]
請求項6に記載の発明によれば、以下のような効果を有する。
(1)温度検出工程において検出した放電電極或いはその近傍の温度に基づいて、放電電極加熱工程において、放電電極を過不足なく加熱して確実に放電を発生させることができる放電発生の安定性、省エネルギー性に優れた加熱放電型印字ヘッドの駆動方法を提供することができる。
(2)温度検出工程で放電電極或いはその近傍の温度を検出することにより、周囲の環境温度や放電電極或いは加熱部の熱履歴に基づいて、放電電極加熱工程における加熱量を精度よく調整してイオン照射量を制御することができ、イオン照射量のばらつきを低減して高解像度な階調記録を行うことができる画像の高品質性に優れた加熱放電型印字ヘッドの駆動方法を提供することができる。
請求項7に記載の発明によれば、以下のような効果を有する。
(1)温度検出工程において、温度検出素子によりダミー電極の温度を検出することにより、放電の発生に必要な加熱量を求めることができ、放電電極加熱工程において、加熱部で放電電極を過不足なく加熱して確実に放電を発生させることができ、放電発生の安定性、省エネルギー性に優れる。
(2)温度検出工程でダミー電極の温度を検出することにより、周囲の環境温度や放電電極の熱履歴に基づいて、放電電極加熱工程における加熱量を精度よく調整してイオン照射量を制御することができるので、イオン照射量のばらつきを低減して階調記録を行うことができ、高解像度で高品質な画像を形成することができる。
図面の簡単な説明
[0030]
[図1](a)実施の形態1における加熱放電型印字ヘッドの使用状態を示す模式側面図(b)実施の形態1における加熱放電型印字ヘッドを示す要部模式斜視図
[図2]実施の形態1における加熱放電型印字ヘッドのヘッド基板の模式平面図
[図3](a)図2のA−A線矢視模式断面図(b)図2のB−B線矢視模式断面図
[図4]本発明の実施の形態1における加熱放電型印字ヘッドを用いた画像形成方法を示す模式側面図
[図5]実施の形態1における加熱放電型印字ヘッドの構成を示すブロック図
上記課題を解決するために本発明の加熱放電型印字ヘッドとその駆動方法は、以下の構成を有している。
本発明の請求項1に記載の加熱放電型印字ヘッドは、電子放出部位を有する放電電極を備えた放電部と前記放電電極を選択的に加熱する加熱部とを有する加熱放電型印字ヘッドであって、前記放電部又は前記加熱部に配設され、記録媒体の裏面側に形成或いは接触又は近接して配設された対向電極との間に放電制御電圧が印加される前記放電電極の温度を検出する温度検出素子を有し、前記温度検出素子により検出した温度に基づいて前記加熱部による加熱量を決定し前記加熱部により前記放電電極を加熱する構成を有している。
この構成により、以下のような作用を有する。
(1)放電部又は加熱部に配設された温度検出素子により、記録媒体の裏面側に形成或いは接触又は近接して配設された対向電極との間に放電制御電圧が印加され、加熱部で加熱される前の放電電極或いはその近傍の温度を検出することができ、その温度に基づいて加熱部による加熱量を調整して放電に伴って放電電極から放出される電子やイオンの量を精度よく制御することができる。
本発明の請求項3に記載の加熱放電型印字ヘッドは、電子放出部位を有する放電電極を備えた放電部と前記放電電極を選択的に加熱する加熱部とを有する加熱放電型印字ヘッドであって、印字領域から離れた位置に前記放電電極と一体に形成されたダミー電極と、前記ダミー電極と離間して前記放電部又は前記加熱部に配設された非接触式の温度検出素子と、を有し、前記温度検出素子により検出した温度に基づいて前記加熱部による加熱量を決定し前記加熱部により前記放電電極を加熱する構成を有している。
この構成により、以下のような作用を有する。
(1)非接触式の温度検出素子が、印字領域から離れた位置に放電電極と一体に形成されたダミー電極と離間して配設されることにより、放電電極と同様に電圧が印加されるダミー電極の温度を検出することができるので、実際に駆動される放電電極の温度に近い温度を検出することができ、温度検出の信頼性に優れる。
本発明の請求項4に記載の加熱放電型印字ヘッドは、電子放出部位を有する放電電極を備えた放電部と前記放電電極を選択的に加熱する加熱部とを有する加熱放電型印字ヘッドであって、前記放電電極の近傍に独立して形成された電圧が印加されないダミー電極と、前記ダミー電極に配設された温度検出素子と、を有し、前記温度検出素子により検出した温度に基づいて前記加熱部による加熱量を決定し前記加熱部により前記放電電極を加熱する構成を有している。
この構成により、以下のような作用を有する。
(1)温度検出素子が放電電極の近傍に独立して形成された電圧が印加されないダミー電極に配設されることにより、放電電極の近傍の温度を精度よく検出することができるので、周囲の環境温度を考慮して放電の発生に必要な加熱量を求めることができ、イオン発生の信頼性、省エネルギー性に優れる。
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載の加熱放電型印字ヘッドであって、前記加熱部による前記放電電極の加熱と同条件で前記ダミー電極を加熱するダミー電極加熱部を備えた構成を有している。
この構成により、請求項3又は4の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)加熱部による放電電極の加熱と同条件でダミー電極を加熱するダミー電極加熱部を有することにより、加熱されたダミー電極の温度を温度検出素子で検出することができるので、加熱部により加熱される放電電極の温度を仮想的に求めることができ、放電電極の加熱履歴を考慮して加熱量を制御することができ、イオン発生量のばらつきを低減して高品質な画像を形成できる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)印字領域から離れた位置に放電電極と一体に形成されたダミー電極と離間して非接触式の温度検出素子を配設することにより、放電電極と同様に電圧が印加されるダミー電極の温度を検出することができ、実際に駆動される放電電極の温度に近い温度を検出して放電電極に対する加熱量を適正に制御することができ、確実にイオンを発生させることができるイオン発生の信頼性に優れた加熱放電型印字ヘッドを提供することができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項3の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)放電電極の近傍に独立して形成された電圧が印加されないダミー電極に温度検出素子を配設することにより、放電電極の近傍の温度を精度よく検出することができ、周囲の環境温度を考慮して放電電極に対する加熱量を適正に制御することができ、確実にイオンを発生させることができるイオン発生の信頼性に優れた加熱放電型印字ヘッドを提供することができる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項3又は4の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)加熱部による放電電極の加熱と同条件でダミー電極を加熱するダミー電極加熱部を有することにより、加熱されたダミー電極の温度を温度検出素子で検出することができるので、加熱部により加熱される放電電極の温度を仮想的に求めることができ、放電電極の加熱履歴を考慮して加熱量を制御することができ、イオンの発生量のばらつきを低減して高品質な画像を形成することができる画像品質の信頼性に優れた加熱放電型印字ヘッドを提供することができる。
実施の形態2の加熱放電型印字ヘッドは以上のように構成されているので、以下の作用を有する。
(1)温度検出素子27で放電部5の温度を検出することにより、周辺の環境温度を加味した駆動を行うことができ、イオンの発生量のばらつきを低減することができる。
(2)温度検出素子27が放電部5の放電電極5aの近傍に独立して形成された電圧が印加されないダミー電極5cに配設されることにより、放電電極5aの近傍の温度を精度よく検出することができるので、周囲の環境温度を考慮して放電の発生に必要な加熱量を求めることができ、イオン発生の信頼性、省エネルギー性に優れる。
(3)加熱部13の発熱抵抗体13aの一部を放電電極5aの加熱と同条件でダミー電極5cを加熱するダミー電極加熱部として利用することにより、加熱されたダミー電極5cの温度を温度検出素子27で検出することができるので、加熱部13により加熱される放電電極5aの温度を仮想的に求めることができ、放電電極5aの加熱履歴を考慮して加熱量を制御することができ、イオン発生量のばらつきを低減して高品質な画像を形成できる。
実施の形態2の加熱放電型印字ヘッドの駆動方法は以上のように構成されているので、以下の作用を有する。
(1)温度検出工程において、温度検出素子27により放電部5の放電電極5aの近傍に独立して形成され、放電電極5aの加熱と同条件で加熱され、電圧が印加されないダミー電極5cの温度を検出することにより、放電の発生に必要な加熱量を求めることができ、放電電極加熱工程において、加熱部13で放電電極13aを過不足なく加熱して確実に放電を発生させることができ、放電発生の安定性、省エネルギー性に優れる。
(2)温度検出工程で放電部5の放電電極5aの近傍に独立して形成され、放電電極5aの加熱と同条件で加熱され、電圧が印加されないダミー電極5cの温度を検出することにより、周囲の環境温度や放電電極5aの熱履歴に基づいて、放電電極加熱工程における加熱量を精度よく調整してイオン照射量を制御することができるので、イオン照射量のばらつきを低減して階調記録を行うことができ、高解像度で高品質な画像を形成することができる。
本発明の請求項3に記載の加熱放電型印字ヘッドは、電子放出部位を有する放電電極を備えた放電部と前記放電電極を選択的に加熱する加熱部とを有する加熱放電型印字ヘッドであって、印字領域から離れた位置に前記放電電極と一体に形成されたダミー電極と、前記ダミー電極と離間して前記放電部又は前記加熱部に配設された非接触式の温度検出素子と、を有し、前記温度検出素子により検出した前記ダミー電極の温度に基づいて前記加熱部による加熱量を決定し前記加熱部により前記放電電極を加熱する構成を有している。
この構成により、以下のような作用を有する。
(1)非接触式の温度検出素子が、印字領域から離れた位置に放電電極と一体に形成されたダミー電極と離間して配設されることにより、放電電極と同様に電圧が印加されるダミー電極の温度を検出することができるので、実際に駆動される放電電極の温度に近い温度を検出することができ、温度検出の信頼性に優れる。

Claims (6)

  1. 電子放出部位を有する放電電極を備えた放電部と前記放電電極を選択的に加熱する加熱部とを有する加熱放電型印字ヘッドであって、
    前記放電部又は前記加熱部に配設された温度検出素子を有することを特徴とする加熱放電型印字ヘッド。
  2. 前記温度検出素子が、前記加熱部の発熱抵抗体であることを特徴とする請求項1に記載の加熱放電型印字ヘッド。
  3. 前記温度検出素子が、前記放電電極と一体に形成されたダミー電極と離間して配設されたことを特徴とする請求項1に記載の加熱放電型印字ヘッド。
  4. 前記温度検出素子が、前記放電電極の近傍に形成されたダミー電極に配設されたことを特徴とする請求項1に記載の加熱放電型印字ヘッド。
  5. 前記ダミー電極を加熱するダミー電極加熱部を有することを特徴とする請求項3又は4に記載の加熱放電型印字ヘッド。
  6. 請求項1乃至5の内いずれか1項に記載の加熱放電型印字ヘッドの駆動方法であって、前記温度検出素子により前記放電部又は前記加熱部の温度を検出する温度検出工程と、前記温度検出工程で検出した温度に基づいて加熱量を決定し前記加熱部により前記放電電極を加熱する放電電極加熱工程と、を有することを特徴とする加熱放電型印字ヘッドの駆動方法。
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