JP2009179041A - 画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像のドットを安定して再現することができ、高解像度化し得る画像形成方法および画像形成装置を提供する。
【解決手段】記録媒体5の記録面上の空域8の被加熱領域21を選択的に加熱することにより、該被加熱領域21の空気を加熱して発生したイオンを、対向電極3の電圧によって記録媒体5の記録面に移動させ、静電潜像を構成する電荷を付与するようにした方法および、該方法を実現する装置1である。この方法および装置1によれば、従来の放電電極型のイオン発生装置を備えた構成に比して、画像のドット径のバラツキが低減し、ドットの再現性が向上するため、鮮明な画像を形成でき、高解像度化できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、静電潜像方式の記録媒体の記録面に静電潜像を生成して画像を形成する画像形成方法及び画像形成装置に関する。
放電電極に所定の放電制御電圧(印加しただけでは放電が起こらないが、放電電極を加熱することにより放電が起こる電圧域の電圧)を印加した状態で、放電電極の各被加熱部位への加熱の有無を制御することにより、放電によるイオンの発生制御を行う加熱放電型のイオン発生装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような加熱放電型のイオン発生装置aにあっては、図7(A),(B)に示すように、誘電体bの表面側に放電電極cが配設され、誘電体bの裏面側に誘導電極dが配設されるとともに、該誘電体bの裏面側に絶縁体eを介して放電電極cの各被加熱部位fに対応させて発熱素子gが夫々配設されており、さらに各発熱素子gには共通電極hと個別電極jとが接続されている。そして、前記放電電極cには、2.0〜2.5kV程度の高電圧の交流電圧に直流バイアス電圧を重畳して生成される放電制御電圧(印加しただけでは放電が起こらないが、放電電極を加熱することにより放電が起こる電圧域の電圧)を印加し、前記共通電極hには24V程度の低電圧の直流電圧を印加した状態で、各個別電極jを画像データに従って共通電極hと導通させ、放電電極cの各被加熱部位fに対応する所定の発熱素子gを発熱させて、放電電極cの任意の被加熱部位fを選択的に加熱することにより、この任意の被加熱部位fと、接地された誘導電極dとの間で放電を発生させ、この放電により生じる電離によってイオンを生成するようにしている。
そして、上記した加熱放電型のイオン発生装置aを用いた画像形成装置mとしては、図7(B)のように、イオン発生装置aの放電電極cと対向するように、静電潜像方式の記録媒体pの裏面側に対向電極nを備えてなり、放電電極cと対向電極nとの間に放電制御電圧を印可した電位差を設定した電界を形成し、放電電極cの各被加熱部位fを加熱して該放電電極cから生成したイオンを前記電界によって前記記録媒体pの記録面に移動させることにより、静電潜像を構成する電荷を付与して画像を形成するようにしたものである。
特開2003−326756号公報
ところで、上記した加熱放電型のイオン発生装置を備えた画像形成装置にあっては、現像した画像のドット径に比較的大きなバラツキがあり、ドットの再現性に限界があることが、従来から指摘されている。そのため、加熱放電型のイオン発生装置を用いた画像形成装置では、高鮮明な画像を得られないという問題があり、高解像度化に限界があった。
また、加熱放電型のイオン発生装置にあっては、放電電極に高電圧の放電制御電圧が印加されるため、該放電電極と、絶縁層(上記の誘電体及び絶縁体)を介して対峙している発熱用電極(上記の共通電極及び個別電極)との間に強い電界が発生し、この強い電界によって絶縁層の絶縁破壊が生じ易く、この絶縁破壊に起因してイオン発生装置が故障するという問題点があった。
本発明は、上記した加熱放電型のイオン発生装置を備えた構成に比して、ドットの再現性に優れ、高解像度化が可能である画像形成方法および画像形成装置を提案することを目的とするものである。
本発明は、静電潜像方式の記録媒体の裏面側に配設された対向電極に、所定の電圧を印可し、前記記録媒体の記録面上の空域の被加熱領域を選択的に加熱することにより、該被加熱領域の空気を加熱してイオンを発生させ、該イオンが、前記対向電極の電圧によって前記記録媒体の記録面に移動することにより、静電潜像を構成する電荷を付与して画像の形成を行うようにしていることを特徴とする画像形成方法である。ここで、静電潜像方式の記録媒体としては、電荷の作用により繰返し画像の印字や消去が可能なものであり、ツイストボール方式やマイクロカプセル電気泳動方式等のシート状のリライタブルペーパー、またはガラスなどの絶縁体からなる構成のものが好適に用いられる。
かかる方法にあっては、空気を加熱することにより発生するイオンを、対向電極に印可した電圧によって、静電潜像方式の記録媒体の記録面に移動し、静電潜像を形成するようにした方法である。そして、本発明の方法により形成した画像は、従来の放電電極型のイオン発生装置を用いて形成した画像に比して、ドット径のバラツキが低減し、ドットの再現性が向上する。そのため、鮮明な画像を形成でき、高解像度化できる。
本発明の方法は、上記した従来の放電電極型のイオン発生装置を備えた構成に比して、放電電極が存在せず、該放電電極からのイオンの発生もない。そのため、当然ながら、放電電極の劣化や該放電電極の表面に異物が付着するなどの不具合を生じないという利点を有する。また、従来の放電電極型のイオン発生装置では、放電電極を加熱するために比較的多くの熱エネルギーを必要としていたが、本発明の方法では、空気を加熱することを目的とするため、その熱エネルギーを低減することもできる。さらに、放電電極から放電する際には、オゾンが発生してまうが、本発明の方法では、放電でないため、オゾンが発生せず、環境性にも優れるという利点も有する。
尚、記録媒体の記録面上の空域としては、その被加熱領域の空気を加熱して生成したイオンが記録面に移動して静電潜像を形成できる空域であり、具体的には、記録面から200μm以下の高さ範囲である微小高さの空域である。そして、この空域は、その記録面からの高さが100μm以下とすることにより、イオンを安定して記録面に移動させることができるために好適に用い得る。さらには、この空域の記録面からの高さを80μm以下とすることにより、一層安定してイオンを記録面に移動させることができる。このように安定してイオンを記録面に移動させ得ることにより、ドットの再現性が向上する。
上述した画像形成方法にあって、対向電極と対向するように静電潜像方式の記録媒体の記録面と空域を介して整列配設された複数の発熱素子を選択的に発熱することにより、当該発熱素子と前記記録媒体の記録面との間の空域の被加熱領域を加熱してイオンを発生させるようにしている方法が提案される。
かかる方法にあっては、発熱素子を選択的に発熱することにより、被加熱領域を正確かつ安定して加熱できる。そのため、画像のドットを一層安定して形成でき、優れた再現性を発揮することができ得る。尚ここで、複数の発熱素子を選択的に加熱する方法としては、所謂サーマルヘッドと同じ構成を適用することが可能である。すなわち、本方法にあっては、サーマルヘッドを用いた構成とすることにより、上記した作用効果を奏することができ、比較的容易に実現することが可能である。
上述した画像形成方法にあって、静電潜像方式の記録媒体の記録面に集光点を合わせてレーザー光を照射することにより、前記記録媒体の記録面上の空域の、前記集光点上の被加熱領域を加熱してイオンを発生させるようにしている方法が提案される。レーザー光としては、透明性の部材を透過し難い比較的波長の長いレーザー光を好適に用い得る。具体的には、炭酸ガスレーザーが好適である。
かかる方法にあっては、レーザー光の集光点を位置制御することによって、当該レーザー光により被加熱領域を正確かつ安定して加熱することができるから、該被加熱領域で生成したイオンによって静電潜像を一層正確かつ安定して形成できる。そのため、より鮮明な画像を得ることができ、高解像度化することができ得る。
ここで、レーザー光の照射制御として、その照射によって記録媒体の集光点となる部位が加熱することを抑制するように、出力を比較的小さく、照射時間を比較的短くして照射することが好ましい。これにより、記録媒体の集光点となる部位が、加熱によって電気的性質の変化を生じないようにする。これは、例えば、集光点で記録媒体の導体化を生じないことである。そして、このように電気的性質の変化を生じないようにすることによって、被加熱領域で発生したイオンにより静電潜像を正確かつ安定して形成するという、本発明の作用効果が一層適正に発揮され得る。また、低出力、短時間で照射制御したレーザー光であっても、空気を加熱できることから、集光点上の被加熱領域でイオンを生成することができ得る。尚、記録媒体を耐熱性材料から構成したものは、電気的性質の変化を抑制する効果が高くなるため、本構成に適している。
また、上記のように、レーザー光を低出力、短時間照射することから、レーザー光の照射に要するエネルギーは少なくてすむ。そのため、レーザー光の照射エネルギーを、省エネルギー化することができ得る。
上述した画像形成方法にあって、対向電極と対向するように静電潜像方式の記録媒体の記録面と空域を介して設けられた、絶縁体からなる薄厚状の絶縁加熱体に、その裏面側からレーザー光を照射することにより、前記絶縁層と記録媒体の記録面との間の空域の被加熱領域を加熱してイオンを発生させるようにしている方法が提案される。レーザー光としては、透明性の部材を透過し難い比較的波長の長いレーザー光を好適に用い得る。具体的には、炭酸ガスレーザーが好適である。
かかる方法にあっては、絶縁加熱体に集光点を合わせてレーザー光を照射することにより、その集光点の部位を正確かつ安定して加熱することができるため、これに伴い被加熱部位を正確に加熱でき、画像のドットを一層安定して形成でき、優れた再現性を発揮することができ得る。
ここで、絶縁加熱体としては、レーザー光を照射した部位が、比較的高温に加熱されることによって局所的に破壊する等の不具合を生じないように、耐熱性を有する材料から形成されたものが好適に用い得る。また、レーザー光は、絶縁加熱体の照射部位(集光点の部位)での、導体化などの電気的性質の変化を可及的に抑制できるように制御して照射することが好適である。
一方、本発明は、静電潜像方式の記録媒体の裏面側に配設された対向電極と、静電潜像方式の記録媒体の記録面上の、該記録媒体を挟んで前記対向電極の向い側の空域を加熱するための加熱手段を具備するイオン発生装置とを備えてなり、前記対向電極に所定の電圧を印可し、前記加熱手段によって記録媒体の記録面上の空域の各被加熱領域を選択的に加熱することにより、該被加熱領域の空気を加熱してイオンを発生させ、該イオンが対向電極の電圧によって記録媒体の記録面に移動することにより、静電潜像を構成する電荷を付与して画像の形成を行うものであることを特徴とする画像形成装置である。
ここで、本発明のイオン発生装置は、上記と同様に、放電電極が存在しないことから、従来の放電電極型の構成に比して、使用電力を低減できると共に、放電電極の劣化や該放電電極の表面に異物が付着するなどの不具合を生じない。さらに、上述した従来の放電電極型の構成に比して、熱エネルギーを低減することができる。
本発明の構成にあっては、上記と同様に、空気を加熱して発生したイオンを、対向電極に印可した電圧によって、静電潜像方式の記録媒体の記録面に移動し、静電潜像を形成するようにしたものである。この構成によれば、従来の放電電極型のイオン発生装置を用いた構成に比して、画像のドット径のバラツキが低減し、ドットの再現性が向上するため、鮮明な画像を形成でき、高解像度化でき得る。
本構成は、放電電極が存在せず、該放電電極によるイオンの発生もないことから、上述した従来の放電電極型のイオン発生装置を用いた構成の問題点を生じない。すなわち、放電電極の劣化や該放電電極の表面に異物が付着するなどの不具合を生じない。さらに、放電電極を加熱する熱エネルギーを要せず、エネルギー効率が向上する。また、放電によるオゾンの発生も生じない。さらにまた、従来構成では、放電電極の加工が比較的高価であるため、該放電電極に要するコストが増えるという問題を有していたが、本構成では、上記のように放電電極が存在しないため、コスト削減できるという優れた利点もある。
尚、記録媒体の記録面上の空域としては、上記と同様に、その被加熱領域の空気を加熱して生成したイオンが記録面に移動して静電潜像を形成できる空域であり、具体的には、記録面から200μm以下の高さ範囲である微小高さの空域である。そして、この空域は、記録面から100μm以下の高さ範囲とすることが好適であり、さらには80μm以下の高さ範囲とすることが一層好適である。
上述した画像形成装置にあって、イオン発生装置が、静電潜像方式の記録媒体の記録面に空域を介して対向するように設けられた絶縁層を備えてなると共に、加熱手段が、前記絶縁層の裏面側で対向電極と対向するように整列配設された複数の発熱素子により構成されてなり、前記発熱素子を選択的に発熱することにより、絶縁層の各被加熱部位を加熱して、該被加熱部位と前記記録媒体の記録面との間の空域の被加熱領域を加熱してイオンを発生させるようにした構成が提案される。
かかる構成にあって、イオン発生装置は、複数の発熱素子が、絶縁層を介して記録媒体の記録面に対峙している。そして、発熱素子を選択的に発熱することにより、絶縁層の被加熱部位を加熱して、これに伴い被加熱領域を加熱することができる。そのため、被加熱領域を正確に加熱できることから、画像のドットを一層安定して形成でき、優れた再現性を発揮することができ得る。尚ここで、上記と同様に、イオン発生装置としては、所謂サーマルヘッドと同じ構成を適用可能であることから、本構成の画像形成装置を比較的容易に実現することができる。さらに、発熱素子を選択的に加熱する制御にあっても、サーマルヘッドと同様の構成を適用することにより、安定して実施することが可能である。
上述した画像形成装置にあって、イオン発生装置の加熱手段が、レーザー光を照射制御するレーザー照射制御装置により構成されてなり、レーザー光を、静電潜像方式の記録媒体の記録面の被集光部位に選択的に集光点を合わせて照射することにより、記録媒体の記録面上の空域の、該被集光部位上の被加熱領域を加熱してイオンを発生させるようにした構成が提案される。
かかる構成にあっては、被集光部位に正確かつ安定してレーザー光を集光することができるから、該被集光部位上の被加熱領域で生成したイオンによって静電潜像を一層正確かつ安定して形成できる。そのため、より鮮明な画像を得ることができ、高解像度化することができ得る。
ここで、レーザー光の照射制御としては、上記と同様に、該レーザー光によって記録媒体の被集光部位が加熱することを抑制するように、出力を比較的小さく、照射時間を比較的短く照射することが好ましい。これにより、被集光部位が導体化するなどの電気的性質の変化を生じないようにできるため、被加熱領域で発生したイオンにより静電潜像を正確かつ安定して形成するという、本発明の作用効果が一層適正に発揮され得る。尚、このように被集光部位の加熱を抑制する効果を高めるために、記録媒体にあっては、耐熱性を有する材料から構成したものが好適に用い得る。また、レーザー光の照射に要するエネルギーも少なくてすむことから省エネルギー化できるという効果も奏する。
上述した画像形成装置にあって、イオン発生装置が、静電潜像方式の記録媒体の記録面に空域を介して対向するように設けられた、絶縁体からなる薄厚状の絶縁加熱体を備えてなると共に、加熱手段が、レーザー光を照射制御するレーザー照射制御装置により構成されてなり、レーザー光を、前記絶縁加熱体の被加熱部位に選択的に集光点を合わせて、該絶縁加熱体の裏面側から照射することにより、各被加熱部位を加熱して、該被加熱部位と前記記録媒体の記録面との間の空域の被加熱領域を加熱してイオンを発生させるようにした構成が提案される。
かかる構成にあっては、絶縁加熱体の被加熱部位に正確かつ安定してレーザー光を集光して照射することができるから、該被加熱部位を正確に加熱し、これに伴い被加熱領域を加熱することができる。そのため、被加熱領域を正確に加熱できることから、画像のドットを一層安定して形成でき、優れた再現性を発揮することができ得る。
ここで、絶縁加熱体としては、上記と同様に、レーザー光の照射した部位が、比較的高温に加熱されることによって局所的に破壊する等の不具合を生じないように、耐熱性を有する材料から形成されたものが好適に用い得る。また、レーザー光は、上記と同様に、絶縁加熱体の被加熱部位での、導体化などの電気的性質の変化を可及的に抑制できるように制御して照射することが好適である。
本発明の画像形成方法は、記録媒体の記録面上の空域の被加熱領域を選択的に加熱することにより、該被加熱領域の空気を加熱して発生したイオンを、対向電極の電圧によって記録媒体の記録面に移動させ、静電潜像を構成する電荷を付与するようにした方法であるから、従来の放電電極型のイオン発生装置を備えた構成に比して、画像のドット径のバラツキが低減し、ドットの再現性が向上するため、鮮明な画像を形成でき、高解像度化できる。また、放電電極を備えていないことから、該放電電極の劣化などの不具合を生じず、また、電荷の付与に要する熱エネルギーを低減することもできる。さらに、放電によるオゾン発生もなく、環境性にも優れている。
上記の画像形成方法にあって、記録媒体の記録面と空域を介して整列配設された複数の発熱素子を選択的に発熱することにより、当該発熱素子と前記記録媒体の記録面との間の空域の被加熱領域を加熱してイオンを発生させるようにした方法では、被加熱領域を正確かつ安定して加熱できるため、画像のドットを一層安定して形成でき、より鮮明な画像を得ることができ得る。
上記の画像形成方法にあって、記録媒体の記録面に集光点を合わせてレーザー光を照射することにより、前記集光点上の被加熱領域を加熱してイオンを発生させるようにした方法では、集光点を正確かつ安定して制御できるから、被加熱領域を安定して加熱できるため、画像のドットを一層安定して形成でき、より鮮明な画像を得ることができ得る。また、レーザー光の照射エネルギーを省エネルギー化しつつ、高解像度化することができる。
上記の画像形成方法にあって、記録媒体の記録面と空域を介して設けられた薄厚状の絶縁加熱体に、その裏側からレーザー光を照射することにより、該絶縁加熱体と前記記録媒体の記録面との間の被加熱領域を加熱してイオンを発生させるようにした方法では、レーザー光の集光点を正確かつ安定して制御できるから、被加熱領域を安定して加熱できるため、画像のドットを一層安定して形成でき、より鮮明な画像を得ることができ得る。
また、本発明の画像形成装置は、イオン発生装置の加熱手段により、記録媒体を挟んで対向電極の向い側の空域の各被加熱領域を選択的に加熱することにより、該被加熱領域の空気を加熱して発生したイオンを、対向電極の電圧によって記録媒体の記録面に移動させ、静電潜像を構成する電荷を付与するようにした構成であるから、従来の放電電極型のイオン発生装置を備えた構成に比して、画像のドット径のバラツキが低減し、ドットの再現性が向上するため、鮮明な画像を形成でき、高解像度化できる。また、放電電極を備えていないことから、該放電電極の劣化などの不具合を生じず、また、電荷の付与に要する熱エネルギーを低減することもできる。さらに、放電によるオゾン発生もなく、環境性にも優れている。さらにまた、放電電極の成形加工に伴うコストが生じないことから、コスト削減できる。
上述の画像形成装置にあって、イオン発生装置が、記録媒体の記録面に空域を介して対向する絶縁層の裏面側に、対向電極と対向するように整列配設された複数の発熱素子により構成された加熱手段を備えてなり、該発熱素子を選択的に発熱することにより、絶縁層の各被加熱部位を加熱して被加熱領域の空気からイオンを発生するようにした構成の場合には、絶縁層の各被加熱部位を加熱することによって被加熱領域を正確かつ安定して加熱できるため、画像のドットを一層安定して形成でき、より鮮明な画像を得ることができ得る。
上述の画像形成装置にあって、イオン発生装置の加熱手段を構成するレーザー照射制御装置が、記録媒体の記録面の被集光部位に選択的に集光点を合わせて、レーザー光を照射することにより、該被集光部位上の被加熱領域を加熱してイオンを発生させるようにした構成の場合には、被集光部位に正確かつ安定してレーザー光を集光制御できるから、被加熱領域を正確かつ安定して加熱できるため、画像のドットを一層安定して形成でき、より鮮明な画像を得ることができ得る。また、レーザー光の照射エネルギーを省エネルギー化しつつ、高解像度化することができ得る。
上述の画像形成装置にあって、イオン発生装置が、記録媒体の記録面に空域を介して対向する絶縁加熱体の被加熱部位に、該絶縁加熱体の裏面側からレーザー光を照射することにより、該絶縁加熱体の各被加熱部位を選択的に加熱して、被加熱領域を加熱してイオンを発生させるようにした構成の場合には、絶縁加熱体の被加熱部位に正確かつ安定してレーザー光を照射できるから、被加熱領域を正確かつ安定して加熱できるため、画像のドットを一層安定して形成でき、より鮮明な画像を得ることができ得る。
本発明にかかる実施例1〜3の画像形成装置1,51,81を添付図面に従って以下に説明する。
実施例1の画像形成装置1は、図1に示すように、電荷の作用により繰返し画像の印字や消去が可能な静電潜像方式の記録媒体5の裏面側に配設される対向電極3と、記録媒体5の表面(記録面)側に配置される複数の発熱素子14を具備するイオン発生装置2とを備えている。ここで、記録媒体5は、電荷の作用により繰返し画像の印字や消去が可能なものであり、例えば、ツイストボール方式やマイクロカプセル電気泳動方式等のシート状のリライタブルペーパー(電子ペーパー)、またはガラスなどの絶縁体から構成されるものが好適に用い得る。
上記のイオン発生装置2にあっては、図2、図3のように、薄板状の担持基板10を備えている。この担持基板10は、耐熱性及び絶縁性を有するポリイミド,アラミド,ポリエーテルイミド等の薄膜樹脂で形成されている。そして、担持基板10の上面には、一定間隔で並列する複数の狭幅の発熱用櫛歯電極11aと、各発熱用櫛歯電極11aの基端が接続された広幅のコ字形電極11bとを備えた発熱用共通電極11が配設されており、さらに、各発熱用櫛歯電極11aの先端から所定間隔をおいて、細帯状の発熱用個別電極12が各発熱用櫛歯電極11aと一直線状になるように配設されている。そして、この発熱用個別電極12と、前記発熱用櫛歯電極11a及びコ字形電極11bからなる発熱用共通電極11とによって発熱用電極(図示省略)が構成されている。この発熱用櫛歯電極11a,コ字形電極11b,及び発熱用個別電極12は、平面状に形成された担持基板10の表面に金ペースト等の導体を印刷した後、エッチングすることにより形成され得る。
上記した各発熱用櫛歯電極11a及び発熱用個別電極12上には、一対の両者を橋渡して電気的に接続する細幅状の発熱素子14が夫々並設されている。すなわち、発熱用櫛歯電極11aまたは発熱用個別電極12と同数の発熱素子14が整列して配設されている。尚、この発熱素子14の、整列方向に沿った幅が、一画素(1ドット)を構成する領域となっており、具体的には10〜250μmに適宜設定されている。発熱素子14は、発熱用櫛歯電極11a及び発熱用個別電極12上にTaSiO、RuO等を印刷する等して形成され得る。
また、担持基板10上には、前記コ字形電極11b及び発熱用個別電極12の端部を除いて絶縁層15が覆設されている。この絶縁層15は、耐熱性及び絶縁性を有するポリイミド,アラミド,ポリエーテルイミド等の薄膜樹脂を印刷する等して形成され得る。
また、担持基板10上には、前記発熱素子14の発熱を制御するドライバIC6が実装されている。このドライバIC6は、コ字形電極11b及び発熱用個別電極12から伸びるリードパターンに金線でワイヤボンディングされた状態で、エポキシ樹脂等のIC保護用の樹脂で封止されている。
上記した各発熱素子14は、ドライバIC6が所定の信号を発信して発熱用櫛歯電極11aと発熱用個別電極12とに対して電圧を印加して通電することにより発熱する。すなわち、一本の発熱用個別電極12とその対となる発熱用櫛歯電極11aとの間に所定の電圧を印加して通電することにより、当該発熱用個別電極12と発熱用櫛歯電極11aとを接続した発熱素子14を発熱させる。この発熱素子14の発熱により、上記の絶縁層15の、当該発熱素子14を被覆している被加熱部位16を加熱する。このように、絶縁層15にあって、各発熱素子14を夫々被覆する部位がそれぞれ、該発熱素子14により加熱される被加熱部位16となっている。そして、所定の発熱用櫛歯電極11aと発熱用個別電極12との間に電圧を印可することにより任意の発熱素子14を発熱し、該発熱素子14に対応する被加熱部位16を選択的に加熱する。
ここで、ドライバIC6は、図示しない制御装置により、所定の画像データに従って選択的に発熱素子14を発熱するように制御される。
尚、このようなイオン発生装置2としては、上述した構成の他、いわゆるサーマルヘッドと同様の各種構成を適用することも可能である。
一方、上記した対向電極3は、図1のように、記録媒体5の裏面側でイオン発生装置2の発熱素子14に対向配置されている。ここで、対向電極3は、記録媒体5の裏面に接触または近接させて配設されている。この対向電極3には、交流電圧に正の直流バイアス電圧を重畳して所定の電圧が印可される。
このような画像形成装置1にあっては、イオン発生装置2の絶縁層15と記録媒体5の記録面(表面)との間隔を100μm以下とするように設定している。そして、この絶縁層15と記録媒体5の記録面との間に、本発明にかかる空域8が存在する。尚、この空域8は、記録媒体5を挟んで対向電極3の向い側に在る。
次に、本実施例1の画像形成装置1の作動態様を説明する。
対向電極3に所定の電圧を印可した状態で、所定の画像データに従ってドライバIC6により発熱素子14を選択的に発熱する制御を行う。すなわち、任意の発熱用個別電極12(図2,図3(B)参照)とその対である発熱用櫛歯電極11aとに24Vの電圧を印加して通電し、当該発熱用個別電極12と発熱用櫛歯電極11aとに接続された発熱素子14を発熱させることにより、絶縁層15の任意の被加熱部位16を選択的に所定温度(200〜300℃)に加熱する。これによって、絶縁層15の被加熱部位16と記録媒体5との間の空域8の任意の被加熱領域21を選択的に加熱することにより、当該被加熱領域21の空気を熱してイオンを発生させる。そして、このように発生したイオンが、対向電極3の電圧印可により生じた電界によって、記録媒体5の記録面(表面)に移動し、該記録媒体5に画像データに基づく所定パターンの電荷を付与する。これにより記録媒体5の記録面(表面)に所定パターンの静電潜像が形成され、画像の印字を行うことができる。
尚、本発明にかかる画像形成方法は、上述した画像形成装置1に基づいて構成される。
次に、上述した画像形成装置1により画像を形成する試験を行った結果について説明する。尚、本実施例1の比較対照として、上述した従来の放電電極型のイオン発生装置a(図7参照)を用いた画像形成装置を準備し、同様に画像を形成する試験を実施している。
ここで、本実施例1の画像形成装置1にあっては、記録媒体5の記録面とイオン発生装置2の絶縁層15との間隔を50μmとしており、ここに空域8が構成されている。また、発熱素子14の加熱幅(整列方向に沿った幅)を125μmとして設定している。そして、本実施例1の画像形成装置1では、対向電極3に、1kVの高電圧の交流電圧に直流バイアス電圧を重畳して電圧を印可した状態で、任意の発熱用個別電極12(図2,図3(B)参照)とその対である発熱用櫛歯電極11aとに24Vの電圧を印加して発熱素子14を発熱するようにしている。
このように設定した本実施例1の画像形成装置1により、記録媒体5に静電潜像を形成して現像したテスト画像Pを、図4(A)に示す。ここで、テスト画像Pは、二列のドットにより描く直線画像としている。このテスト画像Pは、ドットが長さ方向および幅方向で滑らかに連続しており、総じて滑らかな直線として描かれている。また、このテスト画像Pからドット径(図中の直線の1/2幅)を計測した結果、110±5μmであり、安定して再現されている。以上のことから、本実施例1の画像形成装置1は、鮮明な画像を形成できることが明らかである。
一方、比較例の画像形成装置m(図7参照)として、上記したように放電電極型のイオン発生装置aを用いた構成にあっては、上述した実施例1と同様に、静電潜像方式の記録媒体pの裏面側で、イオン発生装置aの放電電極cに対向するように対向電極nが配設されている。尚、この対向電極nは接地されている。また、この比較例にあっては、イオン発生装置aの放電電極cの幅を80μmとして設定している。さらに、記録媒体pは、実施例1と同じ構成のものを用いており、また、対向電極nも実施例1と同じ構成のものを用いている。
この比較例の画像形成装置mにあっては、対向電極nを接地し、かつ放電電極cに2kVの高電圧の交流電圧に直流バイアス電圧を重畳して放電制御電圧を印可することにより、対向電極nと放電電極cとの間に電界を形成する。ここで、放電制御電圧は、印可しただけでは放電電極cと対向電極nとの間で放電の発生はないが、放電電極cが加熱されることにより放電が発生する電圧域の電圧である。このように放電制御電圧を印可した状態で、イオン発生装置aの任意の個別電極jと共通電極hとに24Vの電圧を印可させて導通することにより、発熱素子gを発熱して放電電極cの被加熱部位fを選択的に加熱する。これにより、放電電極cの被加熱部位fと対向電極nとの間で放電が発生し、当該放電により生じる電離によって生成されるイオンを、放電電極cと対向電極nとの間に形成された電界によって、記録媒体pの記録面に移動させて、静電潜像が形成される。そして、この静電潜像を現像して画像を得る。
このように比較例の画像形成装置mにより形成したテスト画像Qを図4(B)に示す。ここで、テスト画像Qは、一列のドットで描く直線画像としている。このテスト画像Qは、各ドットが重なったり、ドット間に隙間が生じているなど、各ドットが明確に描かれており、点(ドット)が直線状に列んだ形態となっており、明らかに直線となっていない。また、ドット径もばらついており、該ドット径を計測すると、110〜165μmの範囲となっていた。これに対して、本実施例1の画像形成装置1により形成したテスト画像P(図4(A)参照)は、上記したように、滑らかな直線に描かれている。したがって、本実施例1の画像形成装置1は、比較例に比して高解像度化でき、高画質の画像を得ることができる。
また、本実施例1と比較例との各構成にあって、同程度の濃度の画像を形成するようにした場合、本実施例1の構成では24Vの電圧を8msの時間印可することに対して、比較例の構成では24Vの電圧を40msの時間印可することを要した。これは、比較例では、放電電極cを暖めるためのエネルギーを必要とするためである。そのため、本実施例1の構成では、静電潜像を形成するためのエネルギーを低減でき、省エネルギー化することができ得る。
このような試験結果により、本実施例1の画像形成装置1にあっては、従来構成の放電電極型のイオン発生装置を備えた構成に比して、鮮明な画像を得ることができ、高解像度化することができることが明らかであり、本発明の作用効果が実証された。さらに、画像の形成に要するエネルギーも低減できるという優れた利点を有することも明らかである。
さらにまた、本実施例1の画像形成装置1は、記録媒体5の記録面上の空域の空気を加熱してイオンを発生するようにしたものであるから、従来構成の放電電極型のイオン発生装置と比較して、放電電極を備えず、放電を生じない。そのため、放電電極の加工形成を要せず、これにかかるコストを低減することができる。また、放電電極と、共通電極および個別電極との間に生じてしまう強い電界によって、絶縁層が破壊されて不具合を生じることも無いため、耐久性も向上する。また、放電によりオゾンが発生することもないことから、環境性にも優れている。
実施例2の画像形成装置51は、図5のように、レーザー照射制御装置52を備えてなる。このレーザー照射制御装置52には、比較的波長の長い炭酸ガスレーザーを照射する装置を適用している。尚、この画像形成装置51は、上述した実施例1と同様に、対向電極3を備えており、該対向電極3が静電潜像方式の記録媒体5の裏面側に配設されている。
レーザー照射制御装置52は、レーザー光を発振する発振器55、レーザー光を集光して照射するレーザー照射部56、発振器55からレーザー照射部56に至るレーザー光路57、レーザー光の出力制御と集光点の制御とを行う制御装置58とから構成されている。ここで、レーザー照射部56には、レーザー光を集光し且つその集光点を位置変換するためのレンズ(図示省略)を備えており、該レンズを制御装置58により作動制御することにより集光点を変位調整するようになっている。そして、このレーザー照射部56は、静電潜像方式の記録媒体5の記録面(表面)側で対向電極3と対向するように配置されている。
上記したレーザー照射制御装置52は、記録媒体5の記録面に集光点を合わせるようにして、該集光点となる被集光部位60にレーザー光を照射する。ここで、レーザー照射制御装置52は、出力を小さく、照射時間を短くしてレーザー光を照射制御することにより、被集光部位60が、該レーザー光により熱せられて導体化しないようにしている。尚、記録媒体5を構成する材料によっては、レーザー光の照射によって加熱されることにより、被集光部位60が局所的に破壊することもあり得る。そのため、記録媒体5の被集光部位60に破壊を生じないように、レーザー光を照射制御することが必要である場合もある。
レーザー光を被集光部位60に照射することにより、記録媒体5の記録面上の空域68の、該被集光部位60上の被加熱領域61を加熱する。空域68の空気は、上記したように被集光部位60を導体化しないように制御したレーザー光によっても、比較的容易に加熱されることから、前記被加熱領域61の空域68が加熱されてイオンを発生する。そして、レーザー照射制御装置52が、記録媒体5の記録面の被集光部位60に選択的に、レーザー光を照射することにより、空域68の被加熱領域61を選択的に加熱する。
ここで、レーザー光を発するレーザー照射部56は、対向電極3と対向するように配置されていることから、該レーザー光が記録媒体5の記録面上方から照射される。そのため、レーザー照射部56から記録媒体5の記録面に至る間に存在する空域68の、被集光部位60上の被加熱領域61を加熱する。
記録媒体5の記録面上の空域68は、その被加熱領域61の空気がレーザー光により加熱されてイオンを発生し、さらに発生したイオンが、対向電極3の電圧によって記録媒体5の記録面に移動して静電潜像を構成する電荷として作用することができる範囲であり、記録媒体5、レーザー光、レーザー光の出力などによって定まる。具体的には、空域68は記録媒体5の記録面から100μm以下の微小な高さ範囲である。尚、このレーザー照射制御装置52によるレーザー光照射によって加熱される被加熱領域61の存在する空域68は、記録媒体5を挟んで対向電極3の向い側にある。
このようなレーザー照射制御装置52により、本発明にかかるイオン発生装置が構成されている。そして、イオン発生装置としてレーザー照射制御装置52を用いた以外は、上述した実施例1と同じ構成であり、同じ構成要素には同じ符号を記し、その説明を省略する。
このような本実施例2の画像形成装置51の作動態様について説明する。
対向電極3に所定の電圧を印可した状態で、所定の画像データに従ってレーザー照射制御装置52によりレーザー光を、記録媒体5の記録面の被集光部位60に選択的に照射する。すなわち、レーザー照射部56のレンズを制御装置58により作動制御することによって、任意の被集光部位60にレーザー光を集光して照射する。これにより、被集光部位60が導体化しないが、記録媒体5の記録面上の空域68の、該被集光部位60上の被加熱領域61を加熱し、該被加熱領域61の空気を熱してイオンを発生させる。そして、このように発生したイオンが、対向電極3の電圧印可により生じた電界によって、記録媒体5の記録面(表面)に移動し、該記録媒体5に画像データに基づく所定パターンの電荷を付与する。これにより記録媒体5の記録面(表面)に所定パターンの静電潜像が形成され、画像の印字を行うことができる。
本実施例2の画像形成装置51は、イオン発生装置としてレーザー照射制御装置52を用いた構成であり、レーザー光の集光点(被集光部位60)を正確かつ安定して制御することができるため、任意の被集光部位60上の被加熱領域61を選択的に加熱することができる。これにより、被加熱領域61の空気を加熱して発生したイオンが記録媒体5の記録面に移動することにより、静電潜像を正確かつ安定して形成することができる。したがって、静電潜像を現像した画像は、ドット径が安定して再現されるため、より鮮明な画像となる。このように本実施例2の画像形成装置51にあっても、上述した実施例1の構成と同様の作用効果を発揮することができる。
さらに、レーザー照射制御装置52は、上述したように、レーザー光によって被集光部位60の導体化を生じないように、該レーザー光の出力や照射時間を制御していることから、レーザー光の照射に要するエネルギーが比較的少なくてすむ。そのため、レーザー照射制御装置52で要する照射エネルギーを、省エネルギー化できるという効果も奏する。したがって、本実施例2の画像形成装置51は、省エネルギー化と高画質化とを両立できる。
実施例3の画像形成装置81は、図6のように、静電潜像方式の記録媒体5の記録面と空域88を介して対向するように絶縁加熱体85が配設されると共に、該絶縁加熱体85の裏面側にレーザー照射制御装置52が配設されている。尚、レーザー照射制御装置52は、実施例2と同じ構成のものを用い、また、実施例1と同様に、対向電極3が静電潜像方式の記録媒体5の裏面側に配設されている。すなわち、この画像形成装置81は、レーザ照射制御装置52と記録媒体5との間に、該記録媒体5と空隙88を介して絶縁加熱体85を配設した構成である。そして、これ以外の構成は、上述した実施例2と同じ構成であり、同じ構成要素には同じ符号を記し、その説明を省略する。
このような画像形成装置81にあっては、絶縁加熱体85と記録媒体5の記録面(表面)との間隔を100μm以下とするように設定している。
尚、本実施例3にあっては、レーザー照射制御装置52と絶縁加熱体85とにより、本発明にかかるイオン発生装置が構成されている。
上記した絶縁加熱体85は、薄厚状の平板形状をなし、耐熱性及び絶縁性を有するポリイミド,アラミド,ポリエーテルイミド等の薄膜樹脂、又はセラミック等により形成されてなる。
上記したレーザー照射制御装置52は、絶縁加熱体85の裏面に集光点を合わせるようにして、該集光点となる被加熱部位90にレーザー光を照射する。これにより、絶縁加熱体85の各被加熱部位90を選択的に加熱するように制御している。ここで、レーザー照射制御装置52は、被加熱部位90を加熱した際に、当該被加熱部位90が比較的高温まで加熱されて局所的な破壊を生じないように、前記出力や照射時間を制御することも実施している。また、被加熱部位90の、レーザー光による導体化を可及的に抑制できるように、レーザー光の照射制御も行っている。
このような本実施例3の画像形成装置81の作動態様について説明する。
対向電極3に所定の電圧を印可した状態で、所定の画像データに従ってレーザー照射制御装置52によりレーザー光を、絶縁加熱体85の被加熱部位90に選択的に照射する。すなわち、レーザー照射部56のレンズを制御装置58により作動制御することによって、任意の被加熱部位90の裏面にレーザー光を集光して照射する。これにより、被加熱部位90を加熱し、当該被加熱部位90と記録媒体5の記録面との間の空域88の被加熱領域91を加熱することによって、該被加熱領域91の空気を熱してイオンを発生させる。そして、このように発生したイオンが、対向電極3の電圧印可により生じた電界によって、記録媒体5の記録面(表面)に移動し、該記録媒体5に画像データに基づく所定パターンの電荷を付与する。これにより記録媒体5の記録面(表面)に所定パターンの静電潜像が形成され、画像の印字を行うことができる。
本実施例3の画像形成装置81は、レーザー照射制御装置52により、上記と同様に、レーザー光の集光点の位置制御を行うことから、該レーザー光を絶縁加熱体85の被加熱部位90に正確かつ安定して照射制御することができる。そのため、各被加熱部位90を選択的に加熱でき、これに伴って絶縁加熱体85の被加熱部位90と記録媒体5との間の空域88の被加熱領域91を選択的に加熱することができる。これにより、被加熱領域91の空気を加熱して発生したイオンが記録媒体5の記録面に移動することにより、静電潜像を正確かつ安定して形成することができる。したがって、静電潜像を現像した画像は、ドット径が安定して再現されるため、より鮮明な画像となる。このように本実施例3の画像形成装置81にあっても、上述した実施例1の構成と同様の作用効果を発揮することができる。
また、レーザー照射制御装置52は、上述したように、レーザー光の出力や照射時間を制御していることから、レーザー光の照射に要するエネルギーが比較的少なくてすむ。そのため、レーザー照射制御装置52で要する照射エネルギーを、省エネルギー化できるという効果も奏する。
本発明にあっては、上述した実施例に限定されるものではなく、その他の構成についても、本発明の趣旨の範囲内で適宜変更可能である。例えば、実施例1〜3の構成では、各空域8,68,88を、記録媒体5の記録面からの高さ範囲を100μm以下とするように設定しているが、該空域8,68,88の高さ範囲は、発熱素子14の種類やレーザーの出力などに応じて適宜設定することができる。具体的に40μm、50μm、60μm、80μm等として設定することができる。また、この空域8,68の高さ範囲としては、150μm以下に設定することによって、静電潜像を形成する効果が明確に生じさせることができ、さらにこの効果を一層高く発揮するためには、実施例のように100μm以下に設定したり、80μm以下として設定することが好適である。
実施例1の画像形成装置1の模式側面図である。 実施例1の画像形成装置1のイオン発生装置2の平面図である。 (A)は図2のA−A線断面図、(B)は図2のB−B線断面図である。 (A)は画像形成装置1により形成したテスト画像Pの拡大図、(B)は従来構成の放電電極型のイオン発生装置を備えた画像形成装置により形成したテスト画像Qの拡大図である。 実施例2の画像形成装置51の模式図である。 実施例3の画像形成装置81の模式図である。 (A)は従来構成のイオン発生装置aの平面図、(B)はイオン発生装置aを用いた画像形成装置mの模式側面図である。
符号の説明
1,51,81 画像形成装置
2 イオン発生装置
3 対向電極
5 記録媒体
8,68,88 空域
14 発熱素子
15 絶縁層
16,90 被加熱部位
21,61,91 被加熱領域
52 レーザー照射制御装置
60 被集光部位
85 絶縁加熱体

Claims (8)

  1. 静電潜像方式の記録媒体の裏面側に配設された対向電極に、所定の電圧を印可し、前記記録媒体の記録面上の空域の被加熱領域を選択的に加熱することにより、該被加熱領域の空気を加熱してイオンを発生させ、該イオンが、前記対向電極の電圧によって前記記録媒体の記録面に移動することにより、静電潜像を構成する電荷を付与して画像の形成を行うようにしていることを特徴とする画像形成方法。
  2. 対向電極と対向するように静電潜像方式の記録媒体の記録面と空域を介して整列配設された複数の発熱素子を選択的に発熱することにより、当該発熱素子と前記記録媒体の記録面との間の空域の被加熱領域を加熱してイオンを発生させるようにしていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 静電潜像方式の記録媒体の記録面に集光点を合わせてレーザー光を照射することにより、前記記録媒体の記録面上の空域の、前記集光点上の被加熱領域を加熱してイオンを発生させるようにしていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  4. 対向電極と対向するように静電潜像方式の記録媒体の記録面と空域を介して設けられた、絶縁体からなる薄厚状の絶縁加熱体に、その裏面側からレーザー光を照射することにより、前記絶縁層と記録媒体の記録面との間の空域の被加熱領域を加熱してイオンを発生させるようにしていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  5. 静電潜像方式の記録媒体の裏面側に配設された対向電極と、静電潜像方式の記録媒体の記録面上の、該記録媒体を挟んで前記対向電極の向い側の空域を加熱するための加熱手段を具備するイオン発生装置とを備えてなり、
    前記対向電極に所定の電圧を印可し、前記加熱手段によって記録媒体の記録面上の空域の各被加熱領域を選択的に加熱することにより、該被加熱領域の空気を加熱してイオンを発生させ、該イオンが対向電極の電圧によって記録媒体の記録面に移動することにより、静電潜像を構成する電荷を付与して画像の形成を行うものであることを特徴とする画像形成装置。
  6. イオン発生装置が、静電潜像方式の記録媒体の記録面に空域を介して対向するように設けられた絶縁層を備えてなると共に、加熱手段が、前記絶縁層の裏面側で対向電極と対向するように整列配設された複数の発熱素子により構成されてなり、
    前記発熱素子を選択的に発熱することにより、絶縁層の各被加熱部位を加熱して、該被加熱部位と前記記録媒体の記録面との間の空域の被加熱領域を加熱してイオンを発生させるようにしたものであることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. イオン発生装置の加熱手段が、レーザー光を照射制御するレーザー照射制御装置により構成されてなり、
    レーザー光を、静電潜像方式の記録媒体の記録面の被集光部位に選択的に集光点を合わせて照射することにより、記録媒体の記録面上の空域の、該被集光部位上の被加熱領域を加熱してイオンを発生させるようにしたものであることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  8. イオン発生装置が、静電潜像方式の記録媒体の記録面に空域を介して対向するように設けられた、絶縁体からなる薄厚状の絶縁加熱体を備えてなると共に、加熱手段が、レーザー光を照射制御するレーザー照射制御装置により構成されてなり、
    レーザー光を、前記絶縁加熱体の被加熱部位に選択的に集光点を合わせて、該絶縁加熱体の裏面側から照射することにより、各被加熱部位を加熱して、該被加熱部位と前記記録媒体の記録面との間の空域の被加熱領域を加熱してイオンを発生させるようにしたものであることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
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