JP2007253627A - 放電制御装置,放電制御方法及びその製造方法 - Google Patents

放電制御装置,放電制御方法及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】放電電極からの放電を低電圧で制御でき、放電制御部の高密度実装化やコストダウンが図られ、放電電極の冷却効果を向上させ、熱の篭りを防ぎ、加熱のオフに迅速に応答して放電を停止でき、短時間で放電の有無を切替えて印字速度を高速化でき、応答性に優れ、漏電が発生し難く放電制御の安定性に優れる放電制御装置の提供。
【解決手段】1又は複数の発熱体と1又は複数の発熱体に電気的に接続され1の発熱体の任意の箇所又は複数の発熱体に選択的に通電して発熱させるドライバICとを備えた加熱部と、少なくとも発熱体に覆設された発熱部絶縁膜と、発熱部絶縁膜に1又は複数の発熱体に対応して配置され電圧が印加される放電電極と、を有し、放電電極が、複数の個別放電電極部と、個別放電電極部の幅より幅広に形成され複数の個別放電電極部の一端部を接続する共通電極部と、を備え、発熱体により選択的に加熱された放電電極の放電部から放電を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、イオン生成可能な雰囲気中でのイオン照射装置として好適に用いることができ、不活性ガス雰囲気中のプラズマ状態での紫外線照射や真空中での熱電子放出も制御することができる放電制御装置,放電制御方法及びその製造方法に関する。
近年、電子写真方式と異なったイオン照射方式による静電潜像形成方式が開発されてきている(例えば非特許文献1参照)。
電子写真方式が一様帯電+露光という2工程で像担持体としての感光体上に静電潜像を形成するのに対し、イオン照射方式は、イオン生成可能な雰囲気中において、放電電極からの放電に伴って発生するイオンの照射という1工程のみで像担持体(絶縁体であれば良く、必ずしも感光体である必要はない)を選択的に帯電(静電潜像形成帯電)させ静電潜像の形成を完了できるので、より簡素化された静電潜像形成方式である。
例えばイオン照射方式の静電プロッタは、放電制御装置により放電の有無を制御し、放電電極としての針電極から放電することでイオンを照射し、表面が絶縁化された静電記録紙上に静電潜像を形成する。
この静電プロッタに用いられる従来の放電制御装置においては、各放電電極(針電極)に放電制御部で選択的に数kVppの高電圧を印加して放電させており、放電のオン/オフを制御するために、高電圧対応(例えば、正または負で300V〜1000V程度で制御を行う)のドライバICを使用している。
しかしながら、高電圧が印加される各放電電極(針電極)の間隔を広くする必要があり放電電極部が大型化するという問題点があった。また、各ドライバICに高電圧を印加するためには、ドライバICの配置間隔や各ドライバICから延びるリードパターンの間隔にも十分な距離を確保する必要があり、放電制御部が大型化するという問題点があった。更に、高電圧対応のドライバIC自体が高価であるため、放電制御装置やそれを用いた画像形成装置が必然的に高価格になるという問題点があった。
本出願人らが発明し出願した(特許文献1)に開示されている「誘電体を間に介して放電電極と誘導電極を配設され、放電電極と誘導電極間にプラス又はマイナス極性のいずれか一方のパルス波形電圧が印加されてなることを特徴とするイオン発生装置。」は、1つの電源だけで電圧を印加することができ、低価格化が可能であると共に、交流電圧を使用しない為、誘電体中を流れる電流が非常に少なくなることから、消費電力を低減でき、比較的小さな電圧でのイオンの発生が可能であり、低価格で消費電力の少ない電源を使用できるという優れた作用、効果を有しているが、このイオン発生装置は電子写真記録装置や静電記録装置等の感光体や誘電体の表面全体を一様に帯電、除電するものであって、そのままでは印字ヘッドとして使用することはできない。
仮に(特許文献1)のイオン発生装置を印字ヘッドとして使用するとすれば、放電電極を完全に複数に分割し、各々の放電電極から選択的に放電が行えるようにしなければならず、結果的に前述の静電プロッタに用いられる放電制御装置と同様の問題が発生する。
これらの問題点を解決するために本出願人が鋭意検討を行い出願した(特許文献2)には、「イオンの発生制御を放電電極部の温度制御により行うもので、誘電体を間に介して放電電極と誘導電極を配設し、放電電極に対応して発熱素子を設け、放電電極の温度を制御し、放電電極と誘導電極間に適切な高電圧を印加し、放電電極の放電を発熱素子の加熱により制御するイオン発生装置。」が開示されている。
画像電子学会第11巻第5号(1982) 364頁〜369頁 特開2003−249327号公報 特開2003−326756号公報
(特許文献2)に記載の技術によれば、各放電電極に印加する高電圧のオン/オフを直接、制御する必要が無く、各放電電極の温度を制御する発熱素子を低電圧で制御することでイオンの発生を制御できるので、発熱素子のドライバICとして低耐電圧対応のドライバICを用いることができ、各ドライバICの配置間隔や各ドライバICから延びるリードパターンの間隔を狭め、高密度に集積して、放電制御部の小型化を図れると共に、ドライバICとして廉価な汎用品を使用でき、放電制御部のコストダウンが図れるという優れた作用、効果を有していたが、さらなる構造の簡素化による高密度実装化、量産性の向上と共に、放電動作の安定性と省エネルギー性の向上、放電方向のばらつきの低減が望まれていた。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、放電電極からの放電を低電圧で制御でき、放電制御部の小型化による高密度実装化やコストダウンを図ることができると共に、放電電極の冷却効果を向上させ、熱の篭りを防ぐことができ、加熱のオフに迅速に応答して放電を停止でき、放電時間間隔を短縮して短時間で放電の有無を切替えることができ、印字速度を高速化することができ、応答性に優れ、漏電が発生し難く放電制御の安定性に優れる放電制御装置の提供,効率的に放電を行うことができ省エネルギー性に優れると共に、放電電極の長寿命性に優れる放電制御装置の放電制御方法の提供及び既存の生産設備を流用でき汎用性に優れ、製造工程を簡素化でき量産性に優れる放電制御装置の製造方法の提供を目的とする。
上記課題を解決するために本発明の放電制御装置,放電制御方法及びその製造方法は、以下の構成を有している。
本発明の請求項1に記載の放電制御装置は、1又は複数の発熱体と前記1又は複数の発熱体に電気的に接続され前記1の発熱体の任意の箇所又は前記複数の発熱体に選択的に通電して発熱させるドライバICとを備えた加熱部と、少なくとも前記発熱体に覆設された発熱部絶縁膜と、前記発熱部絶縁膜に前記1又は複数の発熱体に対応して配置され電圧が印加される放電電極と、を有し、前記放電電極が、複数の個別放電電極部と、前記個別放電電極部の幅より幅広に形成され前記複数の個別放電電極部の一端部を接続する共通電極部と、を備え、前記発熱体により選択的に加熱された前記放電電極の放電部から放電を行う構成を有している。
この構成により、以下のような作用を有する。
(1)加熱部が、1又は複数の発熱体と、1又は複数の発熱体に電気的に接続され1の発熱体の任意の箇所又は複数の発熱体に選択的に通電して発熱させるドライバICと、を有するので、発熱体に覆設された発熱部絶縁膜を介して1又は複数の発熱体に対応して配置され電圧が印加された放電電極の任意の放電部を選択的に加熱して放電を発生させることができる。
(2)高電圧が印加された放電電極の任意の放電部を加熱部の発熱体で加熱することにより、選択的に加熱された放電電極の放電部から熱電子が放出されると共に放電が起こり、イオン生成可能な雰囲気中においてイオンを照射することができる。また、イオンの生成が僅少なキセノンガスやネオンガス等の不活性ガスの雰囲気中では、放電が起こるとプラズマ状態になり紫外線を照射でき、イオン生成が不可能な真空中では、電子銃のように熱電子を放出できる。
(3)少なくとも発熱体に発熱部絶縁膜が覆設されていることにより、高電圧が印加される放電電極と発熱体とを絶縁することができると共に、発熱体の発する熱を放電電極に伝達し、発熱した発熱体に対応する放電電極の任意の放電部を加熱して放電を発生させることができる。
(4)加熱部の発熱体による放電電極の加熱時間を制御することにより、放電電極の放電部における放電時間を制御することができ、放電部からのイオン発生量を制御することができる。
(5)加熱部による放電電極への加熱時間を制御するだけでイオン発生量を制御することができるので、静電潜像形成方式の画像形成装置においてはイオンが照射される像担持体上で容易に面積階調を行うことができ、画像品質を向上させることができる。
(6)放電電極が、複数の個別放電電極部と複数の個別放電電極部の一端部を接続する共通電極部を有するので、共通電極部を介して複数の個別放電電極部に同時に電圧を印加することができる。
(7)放電電極の一部が複数の個別放電電極部に分割されていることにより、発熱体に対向する各々の個別放電電極部の縁周辺の周長を長くすることができ、個別放電電極部からの放電が発生し易く放電の安定性に優れ、放電量を増加させて照射される電子量やイオン量、紫外線量を増加させることができ省エネルギー性、効率性に優れる。
(8)共通電極部の幅が個別放電電極部の幅より幅広に形成されていることにより、一時的に200〜300℃に加熱される個別放電電極部の冷却効果が向上し熱の篭りを防ぐことができるので、加熱のオフに迅速に応答して放電を停止でき、放電時間間隔を短縮して短時間で放電の有無を切替えることができ、印字速度を高速化することができる。
(9)共通電極部の幅を幅広に形成して面積を広げることにより、共通電極部の抵抗値を引き下げることができ、共通電極部で接続された各々の個別放電電極部の間に生じる電位差を極力抑えることができるので、各々の個別放電電極部における放電量のばらつきを低減でき、放電の安定性を向上させることができる。
ここで、放電電極の材質としては、アルミニウムや金などが好適に用いられる。放電電極に高電圧を印加すると共に、加熱を行うことにより放電の発生を制御できるので、発熱体による加熱箇所を選択することで容易に放電電極の任意の位置(放電部)に放電を発生させることができ放電電極の形状の自在性に優れる。
放電電極をアルミニウムで形成する場合の厚さは5μm〜100μmが好ましい。放電電極の厚さが5μmより薄くなるにつれ摩耗の影響を受け易く放電電極の寿命が短くなる傾向があり、100μmより厚くなるにつれ熱伝導性が低下し加熱のオン/オフに対する応答性が低下し易くなる傾向があり、いずれも好ましくない。
尚、放電電極は縁周辺からの放電量が多いので、発熱体に対向する側の端部を発熱体の加熱位置に対応させて櫛歯状等に分割して個別放電電極部を形成した場合、縁周辺の周長を長くすることができ、放電電極からの放電量を増加させることにより照射される電子量やイオン量、紫外線量を増加させることができ、放電制御装置の省エネルギー性、効率性に優れる。また、放電電極への印加電圧を小さく設定できるので、放電電極の長寿命性にも優れる。
放電電極の端部を分割して個別放電電極部を形成する代りに、発熱体の加熱位置に対応させて個別放電孔部を形成してもよい。これにより、個別放電孔部の縁周辺から放電が発生し易く、個別放電電極部と同様の作用をえることができる。個別放電孔部の形状は、略円形、略楕円形、四角形や六角形等の多角形、星形など様々な形状に形成することができる。また、放電部(加熱位置近傍)1箇所当たりの個別放電孔部の数及び大きさは適宜選択して組合せることができる。
加熱部としては1の発熱体の任意の箇所又は複数の発熱体を選択的に発熱できるものであればよい。発熱体を櫛歯状やマトリックス状等のパターンに形成された電極で電気接続することにより、1の発熱体の任意の箇所又は複数の発熱体に選択的に通電して発熱させることができる。加熱部には従来の感熱式のファクシミリに使用されるサーマルプリントヘッドと同様の構成を好適に用いることができる。
発熱体としては、TaSiO2、RuO2等が好適に用いられる。
発熱部絶縁膜は発熱体及び発熱体に接続された電極の保護と絶縁のために形成する。発熱部絶縁膜の材質としては、発熱体の熱を効率よく放電電極に伝達することができる高熱伝導性のものが好ましく、SiAl、SiO2、SiC、鉛ガラス、マイカ等の他に、ポリイミドやアラミド等の耐熱性を有する合成樹脂等が好適に用いられる。また、発熱部絶縁膜はスクリーン印刷、蒸着、スパッタ等で形成する。
発熱部絶縁膜をガラスで形成する場合の膜厚は2μm〜50μm、好ましくは4μm〜40μmが好適に用いられる。発熱部絶縁膜の膜厚が4μmより薄くなるにつれ絶縁性が低下し易くなる傾向があり、40μmより厚くなるにつれ放電電極に印加する印加電圧や発熱体の発熱量を増加させる必要があり省エネルギー性が低下し易くなる傾向が見られる。特に、発熱部絶縁膜の膜厚が2μmより薄くなるにつれ発熱体や発熱体に接続された電極の表面を確実に覆うことができず、ピンホールが発生し易くなり信頼性に欠ける傾向があり、50μmより厚くなるにつれ放電の安定性が低下し易くなると共に、量産性に欠ける傾向があり、いずれも好ましくない。発熱部絶縁膜の膜厚を2μm〜50μm、好ましくは4μm〜40μmとすることで、絶縁性と熱伝導性の調和が取れ双方が良好で放電の安定性に優れる。
加熱部のドライバICは、1の発熱体の任意の箇所又は複数の発熱体に選択的に通電して発熱させ、放電電極への加熱の有無を制御する放電制御部(スイッチ部分)として配設される。発熱体に印加する電圧は、例えば24Vの低電圧でよく、ドライバICには、例えば5V駆動の低耐電圧対応で廉価な汎用品を使用でき、放電制御部のコストダウンを図ることができる。
また、ドライバICを低耐電圧対応のものにすることにより、ドライバIC自体を小型化でき、ドライバICからの放熱を低減できると共に、各ドライバICの配置間隔や各ドライバICから延びるリードパターンの間隔を狭めることができ、高密度に集積して、放電制御部の小型化を図ることができる。
発熱体による放電電極への加熱の有無を制御することで放電の有無を制御することができるので、放電発生のピッチは発熱体の電気接続を行う電極パターンのピッチにより規定される。よって、電極パターンのピッチを微細化して高密度に実装すれば、放電発生のピッチを小さくすることができ、放電制御装置を画像形成装置の印字ヘッドとして用いた場合に高解像度の画像を形成することができる。また、電極パターンのピッチを変更するだけで容易に解像度を変更することができ設計自在性、生産性に優れる。
従来のイオン発生装置のように誘導電極を備えていないが、像担持体(静電記録用紙等の静電潜像の担持体)側を接地することにより、放電電極から像担持体に向かって直接、イオンを集中的に照射させることができ効率性に優れる。これにより、画像形成装置の単位ドットを微細化することができると共に、照射位置精度を向上させることができ、高精細な記録を行うことができる。また、誘導電極が不要であることにより生産性に優れると共に、放電制御装置を小型化して高密度に実装することができ、画像形成装置の高解像度化を図ることができる。
個別放電電極部及び共通電極部は金膜のエッチング等で同時に形成することができる。マスクのパターンを変更するだけで工程を増やすことなく容易に個別放電電極部や共通電極部の数や形状を変更することができる。
個別放電電極部の形状は、略矩形状、台形状、半円形状あるいはこれらを組合せた形状等に形成することができる。また、個別放電電極部をスリット等で分割したり、周縁部に凹凸を形成したりすることで個別放電電極部の縁周辺の周長を更に増加させることができる。
また、個別放電電極部に前述の個別放電孔部を形成してもよい。個別放電電極部の外周周縁部に加え、個別放電孔部の縁周縁からも放電が発生し省エネルギー性をさらに向上させることができる。
共通電極部の幅は個別放電電極部の幅及び数に応じて適宜、設定することができる。個別放電電極部の総面積に対し、共通電極部が十分な面積を有することにより、共通電極部の抵抗値の影響を低減し、各々の個別放電電極部間に生じる電位差を抑えることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の放電制御装置であって、前記放電電極の前記個別放電電極部が、複数に分割されて形成された分割電極を備えた構成を有している。
この構成により、請求項1の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)放電電極の個別放電電極部を複数に分割し分割電極を形成することにより、個別放電電極部の外周長を長くすることができるので、個別放電電極部の縁周辺からの放電量を増加させることができ、電子やイオン、紫外線の照射量を増加させることができる。
ここで、個別放電電極部はスリット等で複数に分割することができる。個別放電電極部の分割の方向は長手方向と平行方向でもよいし直交方向でもよい。また、分割電極は個別放電電極部全体を分割して形成してもよいし、個別放電電極部の縁を部分的に分割して形成してもよい。各々の分割電極の外周長を合計したものは、分割しない1個の個別放電電極部の外周長より大幅に増加し、放電量の多い縁周辺からの放電量を効率的に増加させることができる。これにより、放電電極に印加する印加電圧を低く設定することができ、放電電極の長寿命化を図ることができる。
分割電極はマスクのパターンを変更するだけで工程を増やすことなく容易に個別放電電極部と同時に形成することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の放電制御装置であって、前記複数の個別放電電極部が、千鳥状に配置されている構成を有している。
この構成により、請求項1又は2の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)複数の個別放電電極部を千鳥状に配置することにより、同一列内に形成される各個別放電電極部間の基本ピッチを変えることなく、隣接する複数列の個別放電電極部で補間して最小ピッチを狭くすることができるので、複数の個別放電電極部を実質的に高密度に実装することができ、画像形成装置全体としての解像度を向上させることができる。
ここで、複数の個別放電電極部を千鳥状に配置する場合、同一の基本ピッチで形成されたn列の個別放電電極部の列を基本ピッチの1/nずつずらしながら配置することにより、最小ピッチを基本ピッチの1/nとすることができ、全体の解像度を向上させることができる。
複数の個別放電電極部を同一の基本ピッチで形成することができるので、加工が容易で量産性に優れ、歩留まりを向上させることができる。
個別放電電極部を千鳥状に配置する場合、一本の共通電極部で接続された複数の個別放電電極部を一列単位として複数列を並設してもよいし、一本の共通電極部の両側にそれぞれ一列ずつの複数の個別放電電極部を形成してもよい。並設する複数列の共通電極部は独立でもよいし、コ字型や櫛歯型になるよう端部を互いに接続してもよい。尚、発熱体については個別放電電極部に対応させて複数の発熱体を千鳥状に配置してもよいし、帯状などに形成された1の発熱体を櫛歯状やマトリックス状に形成された電極で接続して個別放電電極部に対応する位置を加熱できるようにしてもよい。
また、基本ピッチで形成された個別放電電極部の列全体を傾斜させて配置することにより、水平面に投影された個別放電電極部の配列方向のピッチを基本ピッチよりも狭くすることができ、加工上の制限を受けることなく高密度に実装することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の内いずれか1項に記載の放電制御装置であって、前記複数の発熱体が、千鳥状に配置されている構成を有している。
この構成により、請求項1乃至3の内いずれか1項の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)複数の発熱体を千鳥状に配置することにより、放電電極の放電部を選択的に加熱することができ、簡便に画像形成装置における解像度や記録速度の向上を図ることができる。
ここで、複数の発熱体を千鳥状に配置する場合、同一の基本ピッチで形成されたn列の発熱体の列を基本ピッチの1/nずつずらしながら配置することにより、最小ピッチを基本ピッチの1/nとすることができ、全体の解像度を向上させることができる。
複数の発熱体を同一の基本ピッチで形成することができるので、加工が容易で量産性に優れ、歩留まりを向上させることができる。
また、基本ピッチで形成された発熱体の列全体を傾斜させて配置することにより、水平面に投影された発熱体の配列方向のピッチを基本ピッチよりも狭くすることができ、加工上の制限を受けることなく高密度に実装することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の内いずれか1項に記載の放電制御装置であって、前記放電部を除いて前記放電電極に覆設された被覆膜を備えた構成を有している。
この構成により、請求項1乃至4の内いずれか1項の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)放電部を除いて放電電極に覆設された被覆膜を有することにより、放電電極の放電部以外の余分な箇所から放電が発生するのを防止でき、電子やイオン、紫外線を一箇所に集中して照射させることができ効率性に優れる。
(2)放電電極の放電部を除いて被覆膜を形成することにより、放電部表面と被覆膜の表面との間に段差を形成することができるので、放電電極と対向配置される像担持体(静電記録用紙等の静電潜像の担持体)等との間のギャップを一定に保つことができ、放電部との接触を防止でき、放電部からの放電を安定させることができる。
ここで、被覆膜は、前述の発熱部絶縁膜や誘導電極絶縁膜と同様の絶縁体で形成され、ガラス、アラミドやポリイミド等の合成樹脂、SiO2等のセラミック、マイカ等が好適に用いられる。
被覆膜は放電電極の放電部(発熱体位置近傍)に略円形状、略楕円形状、略矩形状等に形成された開口部を有する。開口部は複数の放電部に対し、それぞれ独立に形成してもよいし、長孔状に連続させて形成してもよい。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の放電制御装置であって、前記被覆膜の表面に形成された凹凸部を備えた構成を有している。
この構成により、請求項5の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)被覆膜の表面に凹凸部を形成することにより、被覆膜の表面距離を伸延させ表面抵抗を増加させることができ、個別放電電極部の放電発生箇所から周囲に漏電するのを防止でき安全性に優れる。
ここで、被覆膜の表面に凹凸部を形成して周囲への漏電を防止することにより、放電制御部である加熱部のドライバICへの悪影響が発生せず、放電制御の安定性を向上させることができる。また、漏電がなくなるため、放電電極に印加した印加電圧が低下することがなく、放電の安定性、効率性に優れる。
本発明の請求項7に記載の放電制御装置は、1又は複数の発熱体と前記1又は複数の発熱体に電気的に接続され前記1の発熱体の任意の箇所又は前記複数の発熱体に選択的に通電して発熱させるドライバICとを備えた加熱部と、少なくとも前記発熱体に覆設された発熱部絶縁膜と、前記発熱部絶縁膜に前記1又は複数の発熱体に対応して配置され電圧が印加される放電電極と、を有し、前記放電電極が、複数の個別放電電極部と、前記複数の個別放電電極部の一端部を接続する共通電極部と、前記複数の個別放電電極部の他端部を接続する補助共通電極部と、を備え、前記発熱体により選択的に加熱された前記放電電極の放電部から放電を行う構成を有している。
この構成により、請求項1の(1)乃至(7)と同様の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)放電電極が、複数の個別放電電極部の他端部を接続する補助共通電極部を有することにより、共通電極部と合わせた放熱面積の拡大による個別放電電極部の冷却効果、加熱のオフに対する応答性、抵抗値の低減による放電の安定性等を更に向上させることができる。
ここで、補助共通電極部は共通電極部の面積の不足を補うもので、その幅は共通電極部の幅や個別放電電極部の幅及び数により適宜、選択することができる。また、共通電極部と補助共通電極部は独立して形成してもよいし、一端または両端を互いに接続させて形成してもよい。
尚、個別放電電極部,共通電極部,加熱部,発熱体,発熱部絶縁膜などについては、請求項1と同様であるので、説明を省略する。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の放電制御装置であって、前記共通電極部の幅が、前記個別放電電極部の幅より幅広に形成されている構成を有している。
この構成により、請求項7の作用に加え、請求項1の(8)及び(9)と同様の作用を有する。
ここで、共通電極部の幅については、請求項1で説明した通りであるので、説明を省略する。
請求項9に記載の発明は、請求項7又は8に記載の放電制御装置であって、前記放電電極の内の少なくとも前記補助共通電極部の表面に形成された導電材層を備えた構成を有している。
この構成により、請求項7又は8の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)補助共通電極部の抵抗値を更に引き下げ、各々の個別放電電極部間に生じる電位差を確実に低減できる。
ここで、導電材層は放電電極よりも優れた導電性を有するものであればよく、銀ペーストのスクリーン印刷や銀メッキ等により容易に形成することができる。導電材層の厚みを増すことにより、補助共通電極部の抵抗値を低減でき、放電の安定性を向上させることができる。
放電電極の個別放電電極部の両端にそれぞれ共通電極部と補助共通電極部を形成した場合、導電材層は補助共通電極部や個別放電電極部の放電部以外の箇所に形成してもよい。
請求項10に記載の発明は、請求項7乃至9の内いずれか1項に記載の放電制御装置であって、前記放電部を除いて前記放電電極に覆設された被覆膜を備えた構成を有している。
この構成により、請求項7乃至9の内いずれか1項の作用に加え、請求項5と同様の作用を有する。
ここで、被覆膜については、請求項5で説明した通りであるので、説明を省略する。
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の放電制御装置であって、前記被覆膜の表面に形成された凹凸部を備えた構成を有している。
この構成により、請求項10の作用に加え、請求項6と同様の作用を有する。
ここで、被覆膜の表面に形成する凹凸部については、請求項6で説明した通りであるので、説明を省略する。
本発明の請求項12に記載の放電制御装置は、1又は複数の発熱体と前記1又は複数の発熱体に電気的に接続され前記1の発熱体の任意の箇所又は前記複数の発熱体に選択的に通電して発熱させるドライバICとを備えた加熱部と、少なくとも前記発熱体に覆設された発熱部絶縁膜と、前記発熱部絶縁膜に前記1又は複数の発熱体に対応して配置され電圧が印加される放電電極と、を有し、前記放電電極が、共通電極部と、前記発熱体により選択的に加熱され放電が発生する放電部と、を備え、前記放電部を除いて前記放電電極に覆設された被覆膜の表面に凹凸部が形成されている構成を有している。
この構成により、請求項1の(1)乃至(5),請求項5,請求項6と同様の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)発熱体により選択的に加熱された放電電極の任意の位置から放電を発生させることができるので、発熱体と放電電極との間で細かな位置合わせが不要で組立作業性に優れると共に、放電電極を長方形状や正方形状等の平板状に形成することができ量産性に優れる。
(2)長方形状や正方形状等の平板状に形成した放電電極の縁部分に発熱体がかかるように配置した場合、放電量が多い縁部分から効率的に放電を発生させることができる。
ここで、放電電極を長方形状や正方形状等の平板状に形成した場合は、放電電極の放電部以外が共通電極部となる。
放電電極を長方形状や正方形状等の平板状に形成する場合、櫛歯状の電極で電気接続された複数の発熱体を並列に配置してもよいし、マトリックス状に形成された電極で電気接続された1の発熱体を配置してもよい。このとき、発熱体に接続される電極を千鳥状に配置することにより、簡便に画像形成装置における解像度や記録速度の向上を図ることができる。
尚、放電電極,加熱部,発熱体,発熱部絶縁膜などについては、請求項1と同様であるので、説明を省略する。
また、被覆膜,凹凸部については、請求項5,請求項6と同様であるので、説明を省略する。
尚、放電電極は平板状の他に複数の針状に形成することもできる。この場合、針状の放電電極の外周に発熱部絶縁膜を介して発熱体を配設することにより、放電電極を加熱して放電を発生させることができる。放電電極を針状に形成することにより、実装密度を向上させることができ、放電制御装置を小型化できると共に、画像形成装置の解像度を上げることができる。
請求項13に記載の発明は、請求項1乃至12の内いずれか1項に記載の放電制御装置であって、前記放電電極の内の少なくとも前記共通電極部の表面に形成された導電材層を備えた構成を有している。
この構成により、請求項1乃至12の内いずれか1項の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)放電電極の内の少なくとも共通電極部の表面に導電材層を形成することにより、共通電極部の抵抗値を更に引き下げることができ、各々の放電部間に生じる電位差を確実に低減でき、放電の安定性に優れる。
ここで、導電材層は放電電極よりも優れた導電性を有するものであればよく、銀ペーストのスクリーン印刷や銀メッキ等により容易に形成することができる。導電材層の厚みを増すことにより、共通電極部の抵抗値を低減でき、放電の安定性を向上させることができる。
放電電極を櫛歯状に形成した場合、放電電極は共通電極部と個別放電電極部とを有するが、導電材層は共通電極部だけでなく個別放電電極部の放電部以外の箇所に形成してもよい。
放電電極の個別放電電極部の両端にそれぞれ共通電極部と補助共通電極部を形成した場合、導電材層は補助共通電極部や個別放電電極部の放電部以外の箇所に形成してもよい。
尚、いずれの場合も導電材層は共通電極部や個別放電電極部の幅全体に渡って形成してもよいし、一部のみに形成してもよい。また、導電材層は1本の帯状でもよいし、2本以上に分割された複数の帯状でもよい。
請求項14に記載の発明は、請求項1乃至13の内いずれか1項に記載の放電制御装置であって、前記放電電極の表面に形成された電極保護薄膜層を備えた構成を有している。
この構成により、請求項1乃至13の内いずれか1項の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)放電電極の表面に電極保護薄膜層を形成することにより、放電に伴うイオン発生時に、衝撃によって発生する放電電極表面の摩耗を防止することができ、放電電極の長寿命性に優れる。
ここで、電極保護薄膜層の材質としては、SiON、SiO2、MgO等の無機質のものが好適に用いられる。発生したイオンによる放電電極表面のスパッタや酸化による放電電極の劣化を防ぐと共に、沿面放電を防ぐことができるためである。
電極保護薄膜層の厚さは2μm〜5μmが好ましい。電極保護薄膜層の厚さが2μmより薄くなるにつれ放電電極の表面を確実に覆うことができず、ピンホールが発生し易くなり信頼性に欠ける傾向があり、5μmより厚くなるにつれ放電が発生し難くなると共に量産性に欠ける傾向があり、いずれも好ましくない。電極保護薄膜層の形成にはスパッタや蒸着が好適に用いられる。
請求項15に記載の発明は、請求項1乃至14の内いずれか1項に記載の放電制御装置であって、前記放電電極から離間し前記放電電極と絶縁されて形成された誘導電極を備えた構成を有している。
この構成により、請求項1乃至14の内いずれか1項の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)放電電極から離間して放電電極と絶縁された誘導電極が形成されていることにより、放電電極から誘導電極へ放電を呼び込むことができ、確実に放電を発生させることができる。
ここで、誘導電極を放電電極の発熱体側の端部(縁)から水平方向に離間(オフセット)して発熱部絶縁膜上に形成する場合、誘導電極に誘導電極絶縁膜を覆設することにより、誘導電極を確実に絶縁することができ、ショートの発生を防ぐことができる。このとき、放電電極は発熱部絶縁膜上に形成してもよいし、誘導電極に覆設された誘導電極絶縁膜上に形成してもよい。
また、誘導電極は放電電極の上部に誘導電極絶縁膜を介して形成することもできる。
誘導電極を接地することにより、放電が誘導電極に引張られるように発生するが、イオンや紫外線等は誘導電極が無い場合と同様に像担持体等の対象物に向かって照射される。
誘導電極絶縁膜の材質としては、前述の発熱部絶縁膜と同様にガラス、セラミック、マイカ、合成樹脂等を好適に用いることができる。また、膜厚及び形成方法も発熱部絶縁膜と同様のものが好適に用いられる。
放電電極が複数の個別放電電極部を有する櫛歯状に形成されている場合、誘導電極は個別放電電極部の先端から所定の間隔を空けて帯状に形成してもよいし、個別放電電極部と個別放電電極部の間に入り込むように櫛歯状等に形成してもよい。
本発明の請求項16に記載の放電制御装置の放電制御方法は、請求項1乃至15の内いずれか1項に記載の放電制御装置の放電制御方法であって、前記加熱部による前記放電電極の加熱を複数回に分割して繰返す多分割放電制御を行う構成を有している。
この構成により、以下のような作用を有する。
(1)多分割放電制御により、加熱部による放電電極の加熱を複数回に分割して繰返すことで、放電量が多くなる立ち上がりの回数を増加させることができ、全体としての電子やイオン、紫外線の照射量を増加させることができる。
(2)多分割放電制御を行う際に、加熱の分割数を制御することで電子やイオン、紫外線の照射量を制御でき、静電潜像形成方式の画像形成装置においてはイオンを照射する像担持体上での面積階調及び濃度階調を行うことができる。
(3)多分割放電制御を行い放電回数を増加させることにより、電子やイオン、紫外線の照射量を増加させることができるので、1回当たりの印加電圧を低く設定することや放電時間を短縮することができ、放電電極の長寿命性に優れる。
ここで、多分割放電制御は加熱部の発熱体への通電のオン/オフを短時間に繰返すことにより行われる。1回当たりの発熱体への通電のオン時間や繰返しの回数を制御することにより、電子やイオン、紫外線の照射量を制御することができる。特に、放電制御装置をイオン照射方式の画像形成装置に適用した場合、イオンを照射する像担持体上での面積階調及び濃度階調を行うことができる。
請求項17に記載の発明は、請求項1乃至15の内いずれか1項に記載の放電制御装置の放電制御方法であって、少なくとも前記放電電極を予熱する放電電極予熱工程を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用を有する。
(1)放電電極予熱工程において、少なくとも放電電極を予熱することにより、環境温度に左右されることなく発熱体への通電のオン/オフに迅速に応答できるので、放電制御装置の起動直後から安定した動作を得ることができ、特に画像形成装置では印字開始の初期から安定した印字品質を得ることができ信頼性に優れる。
(2)放電電極予熱工程により、放電電極及びその周辺に付着した水分を飛ばすことができるので、放電の安定性に優れる。
ここで、放電電極予熱工程では放電制御装置全体の温度が40℃〜60℃となるように予熱することが好ましい。予熱温度が40℃より低くなるにつれ予熱の効果が不充分になると共に、温度を一定に管理することが困難になる傾向があり、60℃より高くなるにつれ、放電電極からの放熱に時間を要し発熱体への通電のオフに対する応答性が低下し易くなると共に、装置内が高温になり過ぎてドライバIC等に悪影響を与える傾向があり、いずれも好ましくない。特に、湿度が高い場合、周囲の水分により放電電極の抵抗が増加し、放電が発生し難くなる傾向があるため、放電制御装置全体を所定の温度まで予熱することが好ましい。
また、放電電極予熱工程は、放電電極への電圧の印加を停止した状態で行うことが好ましい。これにより、予熱中に誤って放電が発生することがなく信頼性に優れる。また、予熱は加熱部の発熱体で直接行ってもよいし、別にヒータ等の加熱手段を設けてもよい。
尚、前述の多分割放電制御と放電電極予熱工程はそれぞれ単独で用いることもできるし、両者を組合せて用いることもできる。
本発明の請求項18に記載の放電制御装置の製造方法は、請求項5,10,12の内いずれか1項に記載の放電制御装置の製造方法であって、放電電極形成工程が、前記放電部を除いて前記放電電極に覆設される被覆膜を形成する被覆膜形成工程を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用を有する。
(1)放電電極形成工程が被覆膜形成工程を有することにより、放電電極に放電部を除いて被覆膜を覆設することができ、放電発生箇所である放電部以外の余分な箇所から放電が発生するのを防止できる。
(2)被覆膜形成工程において放電電極の放電部を除いて被覆膜を形成することにより、放電電極の放電部表面と被覆膜の表面との間に段差を形成することができるので、放電電極と対向配置される像担持体等との間のギャップを一定に保つことができ、放電部との接触を防止でき、放電部からの放電を安定させることができる。
ここで、被覆膜形成工程にはスクリーン印刷、蒸着、スパッタ等が好適に用いられる。放電電極の放電部が開口するようにパターンを形成することにより、容易かつ確実に放電部以外を被覆することができる。
また、被覆膜の表面に凹凸部を形成した場合、被覆膜の表面距離を伸延させ表面抵抗を増加させることができ、簡便に放電電極の放電部から周囲への漏電を防止できる。
尚、被覆膜の凹凸部はスクリーン印刷等で容易に形成することができるので、凹凸部の有無が被覆膜形成工程を煩雑にすることはなく量産性に優れる。
尚、請求項1乃至15の内いずれか1項に記載の放電制御装置の製造方法は、少なくとも発熱体に覆設され発熱体を絶縁する発熱部絶縁膜を形成する発熱部絶縁膜形成工程と、発熱部絶縁膜に発熱体に対応して放電電極を形成する放電電極形成工程と、を備えている。これにより、既存のサーマルプリントヘッド等の加熱部の製造工程に、絶縁体の発熱部絶縁膜を形成する発熱部絶縁膜形成工程と、発熱部絶縁膜に放電電極を形成する放電電極形成工程と、を追加するだけで容易に放電制御装置を製造できる。また、発熱部絶縁膜形成工程において、少なくとも発熱体に発熱部絶縁膜を覆設することにより、放電電極と加熱部の発熱体との間を確実に絶縁することができる。
発熱部絶縁膜形成工程にはスクリーン印刷が好適に用いられる。発熱部絶縁膜の形成を複数回に分けて行った場合、塗りむらをなくすことができ、隙間なく確実に加熱部を絶縁することができ信頼性に優れる。
また、放電電極形成工程は、アルミニウムを蒸着、スパッタしてパターン形成するものや金膜をエッチングしてパターン形成するものが好適に用いられる。放電電極が複数の個別放電電極部を有する場合や個別放電電極部が更に複数に分割された分割電極を有する場合などにおいてもそれらを一つの工程で同時に形成することができ生産性に優れる。
本発明の請求項19に記載の放電制御装置の製造方法は、請求項9に記載の放電制御装置の製造方法であって、発熱部絶縁膜に発熱体に対応させて放電電極を形成する放電電極形成工程が、前記放電電極の内の少なくとも前記補助共通電極部の表面に前記導電材層を形成する導電材層形成工程を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用を有する。
(1)放電電極形成工程が導電材層形成工程を有することにより、放電電極の内の少なくとも補助共通電極部の表面に容易に導電材層を形成することができ、補助共通電極部の抵抗値を更に引き下げることができる。
ここで、導電材層形成工程はスクリーン印刷やメッキ等により行われる。1回のスクリーン印刷で十分な厚さが得られない場合、複数回の印刷を行うことにより十分な厚さを得ることができ、確実に補助共通電極部の抵抗値を低減することができる。
本発明の請求項20に記載の放電制御装置の製造方法は、請求項13に記載の放電制御装置の製造方法であって、発熱部絶縁膜に発熱体に対応させて放電電極を形成する放電電極形成工程が、前記放電電極の内の少なくとも前記共通電極部の表面に前記導電材層を形成する導電材層形成工程を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用を有する。
(1)放電電極形成工程が導電材層形成工程を有することにより、放電電極の内の少なくとも共通電極部の表面に容易に導電材層を形成することができ、共通電極部の抵抗値を更に引き下げることができる。
ここで、導電材層形成工程は請求項19と同様であるので、説明を省略する。
本発明の請求項21に記載の発明は、請求項14に記載の放電制御装置の製造方法であって、放電電極形成工程が、前記放電電極の表面に前記電極保護薄膜層を形成する電極保護薄膜層形成工程を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用を有する。
(1)放電電極形成工程が電極保護薄膜層形成工程を有することにより、放電電極の表面に電極保護薄膜層を形成することができ、放電に伴うイオン発生時に、衝撃によって発生する放電電極表面の摩耗を防止することができ、放電電極の長寿命性を向上させることができる。
本発明の請求項22に記載の発明は、請求項15に記載の放電制御装置の製造方法であっって、前記放電電極の前記発熱体側の端部から水平方向に離間して前記発熱部絶縁膜の上面に誘導電極を形成する誘導電極形成工程と、前記発熱部絶縁膜の上面に前記誘導電極を被覆する誘導電極絶縁膜を形成する誘導電極絶縁膜形成工程と、を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用を有する。
(1)誘導電極形成工程により、放電電極の発熱体側の端部から水平方向に離間して発熱部絶縁膜上に放電電極からの放電を呼び込むための誘導電極を形成することができる。
(2)誘導電極絶縁膜形成工程により、放電電極と発熱部絶縁膜との間に誘導電極を覆って絶縁する誘導電極絶縁膜を形成することができる。
ここで、誘導電極形成工程においては、発熱部絶縁膜上に金膜を形成した後に、金膜の不要な部分をエッチングにより除去することで帯状の誘導電極を形成することができる。
また、誘導電極絶縁膜形成工程においては、スクリーン印刷等を用いて誘導電極上に誘導電極絶縁膜を形成する。
誘導電極及び誘導電極絶縁膜を有する場合、前述と同様の放電電極形成工程により誘導電極絶縁膜上に放電電極を形成することができる。
尚、導電材層形成工程、電極保護薄膜層形成工程、被覆膜形成工程、誘導電極形成工程及び誘導電極絶縁膜形成工程はそれぞれ単独で行う以外に任意の2以上の工程を組合せて用いることができる。
以上のように、本発明の放電制御装置,放電制御方法及びその製造方法によれば、以下のような有利な効果が得られる。
請求項1に記載の発明によれば、以下のような効果を有する。
(1)加熱部が、1又は複数の発熱体に電気的に接続され1の発熱体の任意の箇所又は複数の発熱体に選択的に通電して発熱させるドライバICを備えているので、発熱体に対応して配置され電圧が印加された放電電極の任意の放電部を選択的に加熱して放電を発生させることができる低電圧で制御可能な小型で量産性に優れた放電制御装置を提供することができる。
(2)イオン生成可能な雰囲気中において照射されるイオンにより静電潜像を形成することができる画像形成装置のほか、イオンの生成が僅少なキセノンガスやネオンガス等の不活性ガスの雰囲気中において発生する紫外線を蛍光体に照射して発光させるプラズマディスプレイ(PDP)や、また、イオン生成が不可能な真空中で電子銃のように放出される熱電子を蛍光体に衝突させることにより発光させる電界放出ディスプレイ(FED)、熱電子を制御(拡散、選択)、加速させ蛍光体に衝突させることにより発光させる蛍光表示管(VFD)等に利用することができる汎用性に優れた放電制御装置を提供することができる。
(3)加熱部の発熱体による放電電極の加熱時間を制御するだけで、放電電極の放電部における放電時間を制御することができ、放電部からのイオン発生量を制御することができる操作性に優れた放電制御装置を提供することができる。
(4)加熱部による放電電極への加熱時間を制御するだけでイオン発生量を制御することができ、静電潜像形成方式の画像形成装置において容易に面積階調を行うことができる高品質で実用性に優れた放電制御装置を提供することができる。
(5)放電電極の一部が複数の個別放電電極部に分割されることにより、発熱体に対向する各々の個別放電電極部の縁周辺の周長を長くすることができ、個別放電電極部からの放電が発生し易く放電の安定性に優れ、放電量を増加させて照射されるイオン量や紫外線量等を増加させることができる省エネルギー性、効率性に優れた放電制御装置を提供することができる。
(6)共通電極部の幅を個別放電電極部の幅より幅広に形成することにより、共通電極部からの放熱量を増加させ、個別放電電極部における熱の篭りを防止できるので、放電時間間隔を短縮して短時間で放電の有無を切替えることができ、印字速度を高速化することができる応答性に優れた放電制御装置を提供することができる。
(7)共通電極部の幅を幅広に形成して面積を広げ、共通電極部の抵抗値を引き下げることにより、共通電極部で接続された各々の個別放電電極部間に生じる電位差、放電量のばらつきを低減できる放電の安定性に優れた放電制御装置を提供することができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)放電電極の個別放電電極部が分割され複数の分割電極が形成されていることにより、放電電極の外周長を長くして放電電極の縁周辺からの放電量を増加させることができ、電子やイオン、紫外線の照射量を増加させることができる効率性、省エネルギー性に優れた放電制御装置を提供することができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)複数の個別放電電極部を千鳥状に配置することにより、複数の放電部を高密度に配置することができ、簡便に画像形成装置の解像度や記録速度を向上させることができる高品質で生産性に優れた放電制御装置を提供することができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至3の内いずれか1項の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)複数の発熱体を千鳥状に配置することにより、複数の放電部を高密度に配置することができ、簡便に画像形成装置の解像度や記録速度を向上させることができる高品質で生産性に優れた放電制御装置を提供することができる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至4の内いずれか1項の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)放電部を除いて放電電極に覆設された被覆膜により、放電電極の放電部以外の余分な箇所から放電が発生するのを防止でき、電子やイオン、紫外線を一箇所に集中して照射させることができる効率性に優れた放電制御装置を提供することができる。
(2)放電電極の放電部を除いて被覆膜を形成し、放電部表面と被覆膜の表面との間に段差を形成することにより、放電電極と対向配置される像担持体等との間のギャップを一定に保ち、放電部との接触を防止でき、放電電極からの放電の安定性に優れた放電制御装置を提供することができる。
請求項6に記載の発明によれば、請求項5の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)被覆膜の表面に凹凸部を形成し、被覆膜の表面距離を伸延させることにより、表面抵抗を増加させ、個別放電電極部の放電発生箇所から周囲に漏電するのを防止できる安全性に優れた放電制御装置を提供することができる。
請求項7に記載の発明によれば、請求項1の(1)乃至(5)と同様の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)放電電極が、複数の個別放電電極部の他端部を接続する補助共通電極部を有することにより、共通電極と合わせた放熱面積の拡大による放電電極の冷却効果を更に向上させることができ、加熱のオフに対する応答性に優れると共に、抵抗値を引き下げ放電量のばらつきを低減させることができ、放電の安定性に優れた放電制御装置を提供することができる。
請求項8に記載の発明によれば、請求項7の効果に加え、請求項1の(6)及び(7)と同様の効果を有する。
請求項9に記載の発明によれば、請求項7又は8の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)補助共通電極部の抵抗値を更に引き下げ、各々の個別放電電極部間に生じる電位差を確実に低減できる放電の安定性に優れた放電制御装置を提供することができる。
請求項10に記載の発明によれば、請求項7乃至9の内いずれか1項の効果に加え、請求項5と同様の効果を有する。
請求項11に記載の発明によれば、請求項10の効果に加え、請求項6と同様の効果を有する。
請求項12に記載の発明によれば、請求項1の(1)乃至(4),請求項5,請求項6と同様の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)発熱体と放電電極との間で細かな位置合わせをすることなく、発熱体により選択的に放電電極の任意の位置を加熱して放電を発生させることができる放電電極の量産性に優れた放電制御装置を提供することができる。
請求項13に記載の発明によれば、請求項1乃至12の内いずれか1項の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)放電電極の内の少なくとも共通電極部の表面に導電材層を形成することにより、共通電極部の抵抗値を更に引き下げることができ、各々の放電部間に生じる電位差を確実に低減できる放電の安定性に優れた放電制御装置を提供することができる。
請求項14に記載の発明によれば、請求項1乃至13の内いずれか1項の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)放電電極の表面に形成された電極保護薄膜層により、イオン発生時の衝撃によって発生する放電電極表面の摩耗を防止することができる放電電極の長寿命性に優れた放電制御装置を提供することができる。
請求項15に記載の発明によれば、請求項1乃至14の内いずれか1項の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)放電電極から離間して形成された誘導電極により、放電電極からの放電を呼び込むことができ、確実に放電を発生させることができる放電制御の安定性に優れた放電制御装置を提供することができる。
請求項16に記載の発明によれば、以下のような効果を有する。
(1)加熱部による放電電極の加熱を複数回に分割して繰返す多分割放電制御を行うことで、放電量が多くなる立ち上がりの回数を増加させることができ、全体としての電子やイオン、紫外線の照射量を増加させることができる省エネルギー性、効率性に優れた放電制御装置の放電制御方法を提供することができる。
(2)多分割放電制御で加熱の分割数を制御することにより、電子やイオン、紫外線の照射量を制御でき、静電潜像形成方式の画像形成装置においてはイオンを照射する像担持体上での面積階調及び濃度階調を行うことができる実用性に優れた放電制御装置の放電制御方法を提供することができる。
(3)多分割放電制御の分割数を増加させることにより、電子やイオン、紫外線の照射量を増加させ、1回当たりの印加電圧を低く設定することや放電時間を短縮することができる放電電極の長寿命性に優れた放電制御装置の放電制御方法を提供することができる。
請求項17に記載の発明によれば、以下のような効果を有する。
(1)放電電極予熱工程において、少なくとも放電電極を予熱することにより、環境温度に左右されることなく発熱体への通電のオン/オフに迅速に応答でき、放電制御装置の起動直後から安定した動作を得ることができ、特に画像形成装置では印字開始の初期から安定した印字品質を得ることができる信頼性に優れた放電制御装置の放電制御方法を提供することができる。
(2)放電電極予熱工程により、放電電極及びその周辺に付着した水分を飛ばすことができる放電の安定性に優れた放電制御装置の放電制御方法を提供することができる。
請求項18に記載の発明によれば、以下のような効果を有する。
(1)被覆膜形成工程において、放電電極の放電部以外の余分な箇所から放電が発生するのを防止できる被覆膜を形成することができる信頼性に優れた放電制御装置の製造方法を提供することができる。
(2)被覆膜形成工程において、放電電極の放電部表面と被覆膜の表面との間に段差を形成する被覆膜を覆設でき、放電部と像担持体等との接触を防止して放電部からの放電を安定させることができる高品質で信頼性に優れた放電制御装置の製造方法を提供することができる。
請求項19に記載の発明によれば、以下のような効果を有する。
(1)導電材層形成工程において、放電電極の補助共通電極部の抵抗値を更に引き下げ、各々の個別放電電極部間に生じる電位差を確実に低減できる導電材層を形成することができる放電の安定性に優れた放電制御装置の製造方法を提供することができる。
請求項20に記載の発明によれば、以下のような効果を有する。
(1)導電材層形成工程において、放電電極の共通電極部の抵抗値を更に引き下げ、各々の個別放電電極部間に生じる電位差を確実に低減できる導電材層を形成することができる放電の安定性に優れた放電制御装置の製造方法を提供することができる。
請求項21に記載の発明によれば、以下のような効果を有する。
(1)電極保護薄膜層形成工程において、放電電極の表面にイオン発生時の衝撃によって発生する放電電極表面の摩耗を防止する電極保護薄膜層を形成することができる放電電極の長寿命性に優れた放電制御装置の製造方法を提供することができる。
請求項22に記載の発明によれば、以下のような効果を有する。
(1)誘導電極形成工程で放電電極の発熱体側の端部から水平方向に離間して発熱部絶縁膜上に放電電極からの放電を呼び込むための誘導電極を形成することができる放電の確実性に優れた放電制御装置の製造方法を提供することができる。
(2)誘導電極絶縁膜形成工程で放電電極と発熱部絶縁膜との間に誘導電極絶縁膜を覆って絶縁する誘導電極絶縁膜を形成することができる信頼性に優れた放電制御装置の製造方法を提供することができる。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1における放電制御装置及びその放電制御方法並びにその製造方法について、以下図面を参照しながら説明する。
図1(a)は本発明の実施の形態1における放電制御装置を示す模式平面図であり、図2(a)は図1のA−A線矢視断面図であり、図2(b)は図1のB−B線矢視断面図であり、図3は本発明の実施の形態1における放電制御装置を示す分解模式斜視図である。
図1乃至図3中、1は本発明の実施の形態1における放電制御装置、2は放電制御装置1の加熱部、2aは加熱部2の基板、3は複数の櫛歯パターン部3aに接続され基板2aの上面に形成された加熱部2の共通導体パターン、3bは共通導体パターン3の上面に配設された加熱部2の発熱用共通電極、4は櫛歯パターン部3aと交互に基板2aの上面に形成された加熱部2の個別電極、5は櫛歯パターン部3a及び個別電極4の上部に電気的に接続され形成された発熱体、5aは発熱用共通電極3b及び個別電極4の端部を除いて基板2aの上面に覆設された発熱部絶縁膜、6は発熱部絶縁膜5aの上面に櫛歯状に形成された放電電極、7は放電電極6の共通電極部、8は一端部が共通電極部7で接続され各々の個別電極4の位置に対応し発熱体5に対向して形成された複数の個別放電電極部、9は発熱体5で加熱されることにより放電が発生する個別放電電極部8の放電部、15は個別電極4に接続された発熱体5の任意の位置に選択的に通電して発熱体5を発熱させ個別放電電極部8の放電部9からの選択的な放電を制御するドライバICである。
また、共通電極部7の幅W1は個別放電電極部8の幅W2よりも幅広に形成した。
尚、共通電極部7の幅W1は個別放電電極部8の幅W2及び数に応じて適宜、設定することができる。
放電電極6に印加する交流電圧や直流電圧の数値は、色々な組み合わせが考えられるが、本実施の形態では放電電極6に、一例としてAC550Vpp(三角波1kHz)にDCバイアスで−700Vの電圧を重畳して印加した。尚、AC550Vppの電圧は放電の安定性を得るために重畳した。
放電電極6に電圧を印加しただけでは個別放電電極部8の放電部9からの放電は起こらず、更に加熱部2を制御して、発熱体5により個別放電電極部8を選択的に加熱(200〜300℃)することにより、選択的に加熱された個別放電電極部8の放電部9から熱電子が放出され、図2の矢印の方向に向かって放電が起こる。つまり、加熱部2が放電制御装置1に放電を発生させるための引き金となっており、本発明の放電制御装置1は、言わば加熱放電方式の放電制御装置であると言うことができる。
放電が起こるとイオン生成可能な雰囲気中ではイオンが生成され、図2の矢印の方向へ向かってイオンが照射される。放電制御装置1は、画像形成装置等のように静電潜像を形成する必要がある場合は、イオン生成可能な雰囲気中(空気があるということ)で使用する。しかし、静電潜像を必要とせず放電現象のみが必要な場合は、イオン生成が僅少な雰囲気中あるいはイオン生成不可能な真空中で使用することもできる。例えば、プラズマディスプレイ(PDP)の各セルのように、イオン生成が僅少なキセノンガスやネオンガス等の不活性ガスの雰囲気中では、放電が起こるとプラズマ状態になり紫外線が照射され、セル内に塗布してあるR、G、B等の蛍光体により可視光線に変換される。また、電界放出ディスプレイ(FED)の各セルのように、イオン生成が不可能な真空中では、個別放電電極部8は電子銃のように熱電子を放出し(放電も伴う)、放出された熱電子は加速されてセル内に塗布してあるR、G、B等の蛍光体に衝突して発光し可視光線となる。蛍光表示管(VFD)では真空容器中で放出された熱電子を制御(拡散、選択)、加速させ表示パターンが描かれた蛍光体に衝突させることにより発光させることができる。
発熱体5により複数の個別放電電極部8を選択的に加熱する加熱部2は、放電電極6に対する間接的なスイッチであり、放電制御部の役目を担っている。加熱部2に印加する電圧、換言すると発熱体5を発熱させるための電圧は、例えば24Vの低電圧で良く、発熱体5の各々の個別放電電極部8の放電部9に対応する部分を選択的に発熱させるスイッチ部分に用いるドライバIC15は、例えば5V駆動の低耐電圧対応のもので良い。
このため、加熱部2に使用するドライバIC15は、低耐電圧対応の廉価な汎用品を使用することができ、放電制御部、即ち加熱部2のコストダウンを図ることができる。また、低耐電圧対応のドライバIC15は各々の配置間隔を狭めることができると共に、ドライバIC15から延びるリードパターンの間隔も狭めることができ、加熱部2全体の小型化を図ることができる。
以上のように構成された実施の形態1における放電制御装置の製造方法について説明する。
図4は本発明の実施の形態1における放電制御装置の製造方法の加熱部形成工程を示す斜視図であり、図5は本発明の実施の形態1における放電制御装置の製造方法の発熱部絶縁膜形成工程を示す斜視図であり、図6は本発明の実施の形態1における放電制御装置の製造方法の放電電極形成工程を示す斜視図である。
まず、加熱部形成工程について説明する。
図4において、セラミック等で長尺板状に形成された基板2aの上面に金ペースト等の導体を印刷した後、エッチングにより共通導体パターン3で接続された複数の櫛歯パターン部3a及び個別電極4を形成する。その後、櫛歯パターン部3a及び個別電極4の上部にTaSiO2、RuO2等を印刷して帯状の発熱体5を形成する。また、共通導体パターン3の上面には銀ペースト等を印刷し発熱用共通電極3bを形成する。
個別電極4の端部にはボンディングパッドを形成した。これにより、ワイヤボンディングによるドライバIC15との接続を容易に行うことができる。
尚、加熱部2は従来の感熱式のファクシミリに使用されるサーマルプリントヘッドと同様の構成が好適に用いられる。この場合、既存のサーマルプリントヘッドの製造工程を踏襲でき、製造装置を流用して放電制御装置1を低コストで製造することができる。
本実施の形態では、加熱部2の発熱体5を帯状に形成し、櫛歯パターン部3aと個別電極4を交互に配設し、中央の1本の個別電極4とその両側の櫛歯パターン部3aとの間に通電することにより各々の個別放電電極部8の放電部9の位置に対応する発熱体5の任意の箇所を選択的に発熱させ、個別放電電極部8を加熱する方式としたが、各々の個別放電電極部8の放電部9を選択的に加熱できる構造であればよい。
次に、発熱部絶縁膜形成工程について説明する。
図5において、発熱用共通電極3b及び個別電極4の各端部を除いて基板2aの上面にガラス、セラミック、マイカ、合成樹脂等の絶縁体を印刷し発熱部絶縁膜5aを形成する。発熱部絶縁膜5aは発熱体5、発熱用共通電極3b、個別電極4等を保護し、絶縁できるものであればよいが、発熱体5の熱を効率よく個別放電電極部8に伝達することができるSiAl、SiO2、SiC、ポリイミド、アラミド等の高熱伝導性のものが好ましい。
発熱部絶縁膜5aの最適な膜厚は材質によるが、ガラスで形成する場合は4μm〜40μmに形成した。発熱部絶縁膜5aの膜厚が4μmより薄くなるにつれ絶縁性が低下し易くなる傾向があり、40μmより厚くなるにつれ放電電極6に印加する印加電圧や発熱体5の発熱量を増加させる必要があり省エネルギー性が低下し易くなる傾向があることがわかったためである。発熱部絶縁膜5aの膜厚を4μm〜40μmとすることで、絶縁性と熱伝導性の調和が取れ双方が良好で放電の安定性に優れる。
尚、発熱部絶縁膜5aの印刷を複数回に分けて行った場合、塗りむらをなくすことができ、隙間なく確実に加熱部5を絶縁することができ信頼性に優れる。
次に、放電電極形成工程について説明する。
図6において、発熱部絶縁膜5aの上部に加熱部2の個別電極4に対向した複数の個別放電電極部8及びそれらを接続する共通電極部7を形成する。共通電極部7及び個別放電電極部8の形成にはアルミニウムを蒸着、スパッタしてパターン形成するものや金膜をエッチングしてパターン形成するものが好適に用いられる。
尚、本実施の形態では個別放電電極部8を略矩形状に形成したが、台形状、半円形状あるいはこれらを組合せた形状等に形成することができる。また、個別放電電極部8の放電部9は縁周辺からの放電量が多いので、縁周辺の周長が長くなるように個別放電電極部8の外周周縁部に複数の凹凸を形成してもよい。放電部9からの放電量を増加させることにより照射されるイオン量や紫外線量等を増加させることができ、放電制御装置1の省エネルギー性、効率性に優れる。また、個別放電電極部8への印加電圧を小さく設定できるので、個別放電電極部8の長寿命性にも優れる。
放電電極形成工程は、放電電極6の表面にスパッタや蒸着により電極保護薄膜層(図示せず)を形成する電極保護薄膜層形成工程を備えてもよい。これにより、放電に伴うイオン発生時に、衝撃によって発生する放電電極表面6の摩耗を防止することができ、放電電極6の長寿命性に優れる。
電極保護薄膜層の材質としては、SiON、SiO2、MgO等の無機質のものが好適に用いられる。発生したイオンによる放電電極6表面のスパッタや酸化による放電電極6の劣化を防ぐと共に、沿面放電を防ぐことができるためである。
電極保護薄膜層の厚さは2μm〜5μmに形成した。電極保護薄膜層の厚さが2μmより薄くなるにつれ放電電極の表面を確実に覆うことができず、ピンホールが発生し易くなり信頼性に欠ける傾向があり、5μmより厚くなるにつれ放電が発生し難くなると共に量産性に欠ける傾向があることがわかったためである。
以上のように構成された実施の形態1における放電制御装置の制御方法について説明する。
図7は本発明の実施の形態1における放電制御装置のイオン発生量を示す図である。
図7中、横軸は加熱部2の発熱体5による加熱の時間経過を示し、縦軸は発熱体5により加熱された放電部9からのイオン発生量を示す。
発熱体5に一定時間の通電を行い、発熱した発熱体5により加熱された個別放電電極部8の放電部9の温度がある一定温度を超えると放電が発生し、大気中においては、図7に示すようにイオンが発生する。よって、加熱部2の発熱体5による放電電極6の個別放電電極部8の加熱時間を制御することにより、個別放電電極部8の放電部9における放電時間を制御することができ、放電部9からのイオン発生量を制御することができる。
尚、図7に示したように、加熱の立ち上がりでイオン発生量(放電量)が多く、時間経過と共に、徐々にイオン発生量が減少する傾向が見られる。また、放電部9から放電を開始する温度は放電電極6に印加されている電圧によって変化する。
実施の形態1における放電制御装置1を静電潜像形成方式の画像形成装置の印字ヘッドとして用いた場合、加熱部2による放電電極6への加熱時間を制御するだけで、イオンが照射される像担持体上での面積階調を行うことができ、画像品質を向上させることができる。
次に、実施の形態1における放電制御装置の他の制御方法について説明する。
図8は本発明の実施の形態1における放電制御装置の多分割放電制御時のイオン発生量を示す図である。
加熱部2による個別放電電極部8の加熱を複数回に分割して繰返す多分割放電制御を行うことにより、イオン発生量(放電量)が多くなる立ち上がりの回数を増加させることができ、全体としてのイオン発生量を図7よりも増加させることができる。
分割数を制御することでイオンの発生量を制御できるので、実施の形態1における放電制御装置1を静電潜像形成方式の画像形成装置の印字ヘッドとして用いた場合、イオンが照射される像担持体上での面積階調及び濃度階調を行うことができる。
また、分割数を増加させることにより、イオンの発生量を増加させ、1回当たりの印加電圧を低く設定することや放電時間を短縮することができ、個別放電電極部8の長寿命化を図ることができる。
本実施の形態では加熱のオン時間とオフ時間をいずれも0.5msとし、加熱を繰返す回数を5回としたが、オン時間とオフ時間を等しくする必要はなく、各々のオン時間とオフ時間もそれぞれ等しくする必要はない。また、加熱を繰返す回数もオン時間やオフ時間の長さ、放電電極6への印加電圧の大きさ等により適宜、選択することができる。
尚、少なくとも放電電極6(個別放電電極部8)を予熱する放電電極予熱工程を備えた場合、環境温度に左右されることなく発熱体5への通電のオン/オフに迅速に応答でき、放電制御装置1の起動直後から安定した動作を得ることができる。また、放電電極6及びその周辺に付着した水分を飛ばすことができ放電の安定性にも優れる。
放電電極予熱工程の最適な予熱温度は、環境温度や放電電極6に印加されている電圧によって変化するが、放電制御装置1全体の温度が40℃〜60℃となる範囲で設定した。予熱温度が40℃より低くなるにつれ予熱の効果が不充分になると共に、温度を一定に管理することが困難になる傾向があり、60℃より高くなるにつれ、放電電極6からの放熱に時間を要し発熱体5への通電のオフに対する応答性が低下し易くなると共に、装置内が高温になり過ぎてドライバIC15等に悪影響を与える傾向があることがわかったためである。
放電電極予熱工程は、放電電極6に電圧を印加していない状態で発熱体5により個別放電電極部8の放電部9近傍を加熱することで行われるが、放電電極6やその近傍を加熱するために予熱用のヒータ等の加熱手段を設けてもよい。
実施の形態1の放電制御装置は以上のように構成されているので以下の作用を有する。
(1)加熱部2が、発熱体5と、発熱体5に電気的に接続され発熱体5の任意の箇所に選択的に通電して発熱させるドライバIC15と、を有するので、発熱体5の上面に覆設された発熱部絶縁膜5aを介して発熱体5に対向して配置され電圧が印加された放電電極6の任意の個別放電電極部8を選択的に加熱して放電部9から放電を発生させることができる。
(2)高電圧が印加された放電電極6の任意の個別放電電極部8を加熱部2の発熱体5で加熱することにより、選択的に加熱された個別放電電極部8の放電部9から熱電子が放出されると共に放電が起こり、イオン生成可能な雰囲気中においてイオンを照射することができる。また、イオンの生成が僅少なキセノンガスやネオンガス等の不活性ガスの雰囲気中では、放電が起こるとプラズマ状態になり紫外線を照射でき、イオン生成が不可能な真空中では、電子銃のように熱電子を放出できる。
(3)少なくとも発熱体5の上面に発熱部絶縁膜5aが覆設されていることにより、高電圧が印加される放電電極6と発熱体5とを絶縁することができると共に、発熱体5の発する熱を放電電極6側に伝達し、発熱した発熱体5に対向する放電電極6の任意の個別放電電極部8を加熱して放電部9から放電を発生させることができる。
(4)複数の個別放電電極部8の一端部が共通電極部7で接続されていることにより、共通電極部7を介して複数の個別放電電極部8に同時に電圧を印加することができる。
(5)加熱部2の発熱体5による放電電極6の加熱時間を制御することにより、放電電極6の放電部9における放電時間を制御することができ、放電部9からのイオン発生量を制御することができる。
(6)加熱部2による放電電極6への加熱時間を制御するだけでイオン発生量を制御することができるので、静電潜像形成方式の画像形成装置においてはイオンが照射される像担持体上で容易に面積階調を行うことができ、画像品質を向上させることができる。
(7)放電電極6の一部が複数の個別放電電極部8に分割されていることにより、発熱体5に対向する各々の個別放電電極部8の縁周辺の周長を長くすることができ、個別放電電極部8からの放電が発生し易く放電の安定性に優れ、放電量を増加させて照射される電子量やイオン量、紫外線量を増加させることができ省エネルギー性、効率性に優れる。
(8)共通電極部7の幅W1が個別放電電極部8の幅W2より幅広に形成されていることにより、一時的に200〜300℃に加熱される個別放電電極部8の冷却効果が向上し熱の篭りを防ぐことができるので、加熱のオフに迅速に応答して放電を停止でき、放電時間間隔を短縮して短時間で放電の有無を切替えることができる。
(9)共通電極部7の幅W1を幅広に形成して面積を広げることにより、共通電極部7の抵抗値を引き下げることができ、共通電極部7で接続された各々の個別放電電極部8の間に生じる電位差を極力抑えることができるので、各々の個別放電電極部8における放電量のばらつきを低減でき、放電の安定性を向上させることができる。
実施の形態1の放電制御装置の放電制御方法は以上のように構成されているので以下の作用を有する。
(1)加熱部2による放電電極6の加熱を複数回に分割して繰返す多分割放電制御を行うことで、放電量が多くなる立ち上がりの回数を増加させることができ、全体としてのイオンや紫外線の照射量を増加させることができる。
(2)多分割放電制御を行う際に、加熱の分割数を制御することでイオンや紫外線の照射量を制御でき、静電潜像形成方式の画像形成装置においてはイオンを照射する像担持体上での面積階調及び濃度階調を行うことができる。
(3)多分割放電制御を行い放電回数を増加させることにより、イオンや紫外線の照射量を増加させることができるので、1回当たりの印加電圧を低く設定することや放電時間を短縮することができ、放電電極6の長寿命性に優れる。
(4)発熱体5の1回当たりのオン時間や繰返しの回数を制御することにより、電子やイオン、紫外線の照射量を制御することができ、特に、放電制御装置1をイオン照射方式の画像形成装置に適用した場合、イオンを照射する像担持体上での面積階調及び濃度階調を行うことができる。
(5)放電電極予熱工程において、少なくとも放電電極6を予熱することにより、環境温度に左右されることなく加熱部2の発熱体5への通電のオン/オフに迅速に応答できるので、起動直後から安定した動作を得ることができ、特に画像形成装置では印字開始の初期から安定した印字品質を得ることができ信頼性に優れる。
(6)放電電極予熱工程により、放電電極6及びその周辺に付着した水分を飛ばすことができるので、放電の安定性に優れる。
実施の形態1の放電制御装置の製造方法は以上のように構成されているので以下の作用を有する。
(1)既存のサーマルプリントヘッド等の加熱部の製造工程に、絶縁体の発熱部絶縁膜5aを形成する発熱部絶縁膜形成工程と、発熱部絶縁膜5aの上部に放電電極6を形成する放電電極形成工程と、を追加するだけで容易に放電制御装置1を製造できる。
(2)発熱部絶縁膜形成工程において、少なくとも発熱体5の上面に発熱部絶縁膜5aを形成することにより、放電電極6と加熱部2の発熱体5との間を確実に絶縁することができる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2における放電制御装置及びその製造方法について、以下図面を参照しながら説明する。
図9(a)は本発明の実施の形態2における放電制御装置を示す模式平面図であり、図9(b)は図9(a)のC−C線矢視断面図であり、図10(a)は本発明の実施の形態2における放電制御装置の第1の変形例を示す模式平面図であり、図10(b)は本発明の実施の形態2における放電制御装置の第2の変形例を示す模式断面図である。
図9において、本発明の実施の形態2における放電制御装置1aが実施の形態1と異なるのは、放電電極6の上面に被覆膜10が覆設され、被覆膜10が各々の個別放電電極部8の放電部9(発熱体5位置近傍)に当たる先端部に略円形状の開口部10aを有する点である。
被覆膜10は前述の発熱部絶縁膜5aと同様の絶縁体で形成した。
図10(a)の第1の変形例における放電制御装置1bが実施の形態2と異なるのは、放電電極6の上面に覆設された被覆膜10の開口部10bが、複数の個別放電電極部8に共通する長孔状に形成されている点である。
図10(b)の第2の変形例における放電制御装置1cが実施の形態2と異なるのは、放電電極6の上面に覆設された被覆膜10の表面に凹凸部10cが形成されている点である。
実施の形態2における放電制御装置の製造方法が実施の形態1と異なるのは、放電電極形成工程が被覆膜形成工程を有する点であり、それ以外については実施の形態1と同様なので説明を省略する。
被覆膜形成工程にはスクリーン印刷、蒸着、スパッタ等が好適に用いられる。放電電極6の個別放電電極部8の放電部9が開口するようにパターンを形成することにより、容易かつ確実に放電部9以外を被覆することができる。
また、被覆膜10表面の凹凸部10cはスクリーン印刷等で容易に形成することができるので、凹凸部10cの有無が被覆膜形成工程を煩雑にすることはなく量産性に優れる。
実施の形態2の放電制御装置は以上のように構成されているので、実施の形態1に加え、以下の作用を有する。
(1)放電部9を除いて放電電極6の上面に覆設された被覆膜10を有することにより、個別放電電極部8の放電部9以外の余分な箇所から放電が発生するのを防止でき、イオンや紫外線を一箇所に集中して照射させることができ効率性に優れる。
(2)個別放電電極部8の放電部9を除いて被覆膜10を形成することにより、個別放電電極部8の放電部9表面と被覆膜10の表面との間に段差を形成することができるので、放電電極6と対向配置される像担持体(静電記録用紙等の静電潜像の担持体)等との間のギャップを一定に保つことができ、放電部9と像担持体等との接触を防止でき、放電部9からの放電を安定させることができる。
(3)被覆膜10の表面に凹凸部10cを形成することにより、被覆膜10の表面距離を伸延させ表面抵抗を増加させることができ、簡便に個別放電電極部8の放電部9から周囲への漏電を防止できる。
実施の形態2の放電制御装置の製造方法は以上のように構成されているので、実施の形態1に加え、以下の作用を有する。
(1)放電電極形成工程が被覆膜形成工程を有することにより、放電電極6に放電部9を除いて被覆膜10を覆設して個別放電電極部8の放電部9表面と被覆膜10の表面との間に放電部9を保護するための段差を形成することができる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3における放電制御装置について、以下図面を参照しながら説明する。
図11は本発明の実施の形態3における放電制御装置の放電電極を示す要部模式平面図である。
図11において、本発明の実施の形態3における放電制御装置の放電電極6aが実施の形態1と異なるのは、放電電極6aの個別放電電極部8がスリットで複数に分割されて形成された分割電極8aを有する点である。
分割電極8aはマスクのパターンを変更するだけで工程を増やすことなく容易に個別放電電極部8と同時に形成することができる。各々の分割電極8aの外周長を合計したものは、分割しない1個の個別放電電極部8の外周長より大幅に増加し、放電量の多い縁周辺からの放電量を効率的に増加させることができる。これにより、放電電極6に印加する印加電圧を低く設定することができ、放電電極6の長寿命化を図ることができる。
尚、本実施の形態ではスリットを個別放電電極部8の長手方向と平行方向に形成したが、直交方向に形成することもできる。また、分割電極8aは個別放電電極部8全体を分割して形成したが、個別放電電極部8の縁を部分的に分割して形成してもよい。個別放電電極部8を分割する方法はスリットに限定されず、複数の分割電極8aを形成することができればよい。例えば、個別放電電極部8に1以上の個別放電孔部を形成した場合、個別放電孔部の縁周縁からも放電が発生し省エネルギー性を向上させることができる。
本発明の実施の形態3における放電制御装置の製造方法は実施の形態1と同様なので説明を省略する。
実施の形態3の放電制御装置は以上のように構成されているので、実施の形態1に加え、以下の作用を有する。
(1)放電電極6の個別放電電極部8をスリットで分割し複数の分割電極8aを形成することにより、個別放電電極部8の外周長を長くすることができるので、個別放電電極部8の縁周辺からの放電量を増加させることができ、イオンや紫外線の照射量を増加させることができ省エネルギー性に優れる。
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4における放電制御装置について、以下図面を参照しながら説明する。
図12(a)は本発明の実施の形態4における放電制御装置の放電電極を示す要部模式平面図であり、図12(b)は本発明の実施の形態4における放電制御装置の放電電極の変形例を示す要部模式平面図である。
図12(a)において、本発明の実施の形態4における放電制御装置の放電電極が実施の形態1と異なるのは、複数の個別放電電極部8bの一端部が共通電極部7bで接続された櫛歯状の放電電極6bと、複数の個別放電電極部8cの一端部が共通電極部7cで接続された櫛歯状の放電電極6cが、千鳥状に対向配置されている点である。
同一の基本ピッチで形成された2つの放電電極6b、6cを基本ピッチの1/2ずつずらして配置することにより、最小ピッチ(個別放電電極部8b、8c間のピッチ)を基本ピッチの1/2とすることができ、全体の解像度を向上させている。並設する複数列の共通電極部7b、7cは図12のように独立でもよいし、一端部を接続してコ字型に接続してもよい。
複数の個別放電電極部8b、8cを同一の基本ピッチで形成することができるので、加工が容易で量産性に優れ、歩留まりを向上させることができる。
尚、本実施の形態では、2列分の個別放電電極部8b、8cを千鳥状に配置したが、n列の個別放電電極部の列を基本ピッチの1/nずつずらしながら配置することができる。
図12(b)において、変形例における放電制御装置の放電電極が実施の形態1と異なるのは、放電電極6dの一本の共通電極部7dの両側にそれぞれ複数の個別放電電極部8b、8cが千鳥状に対向配置されている点である。
千鳥配置は図12(a)のように一本の共通電極部7b、7cで接続された複数の個別放電電極部8b、8cを一列単位として複数列を並設してもよいし、図12(b)のように一本の共通電極部7dの両側にそれぞれ一列ずつの複数の個別放電電極部8b、8cを形成してもよい。
また、基本ピッチで形成された個別放電電極部の列全体を傾斜させて配置することにより、水平面に投影された個別放電電極部の配列方向のピッチを基本ピッチよりも狭くすることができ、加工上の制限を受けることなく高密度に実装することができる。
尚、実施の形態4における放電制御装置の製造方法は実施の形態1と同様なので説明を省略する。
実施の形態4の放電制御装置は以上のように構成されているので、実施の形態1に加え、以下の作用を有する。
(1)複数の個別放電電極部8b、8cを千鳥状に配置することにより、同一列内に形成された各個別放電電極部8b、8cの基本ピッチを変えることなく、隣接する複数列の個別放電電極部8b、8cで補間して最小ピッチを狭くすることができるので、複数の個別放電電極部8b、8cを実質的に高密度に実装することができ、全体としての解像度を向上させることができる。
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5における放電制御装置及びその製造方法について、以下図面を参照しながら説明する。
図13は本発明の実施の形態5における放電制御装置を示す要部模式平面図であり、図14は本発明の実施の形態5における放電制御装置の変形例を示す要部模式平面図である。
図13において、本発明の実施の形態5における放電制御装置1eが実施の形態1と異なるのは、放電電極6eの共通電極部7の表面に導電材層11が形成されている点である。
尚、説明の都合上、発熱体5に接続される共通導体パターン3、櫛歯パターン部3a、発熱用共通電極3b、個別電極4を省略したが、本発明の実施の形態1乃至4と同様に形成される。
導電材層11は導電性に優れる銀ペーストや銀メッキ等で形成した。
図14において変形例における放電制御装置1fが実施の形態5と異なるのは、放電電極6fが、複数の個別放電電極部8dの一端部を接続する共通電極部7eに加え、他端部を接続する補助共通電極部7fを有する点である。
尚、説明の都合上、発熱体5に接続される共通導体パターン3、櫛歯パターン部3a、発熱用共通電極3b、個別電極4を省略したが、本発明の実施の形態1乃至4と同様に形成される。
補助共通電極部7fは共通電極部7eの面積の不足を補うもので、その幅W1’は共通電極部7eの幅W1や個別放電電極部8dの幅W2及び数により適宜、選択することができる。また、共通電極部7eと補助共通電極部7fは図14に示したように独立して形成してもよいし、一端または両端を互いに接続して形成してもよい。
実施の形態5における放電制御装置の製造方法が実施の形態1と異なるのは、放電電極形成工程が導電材層形成工程を有する点であり、それ以外については実施の形態1と同様なので説明を省略する。
導電材層形成工程により、共通電極部7e及び補助共通電極部7fの表面に導電材層11を形成することで共通電極部7e及び補助共通電極部7fの抵抗値を引き下げることができ、各々の個別放電電極部8間に生じる電位差を確実に低減できる。
尚、本実施の形態では、共通電極部7e及び補助共通電極部7fの両方に導電材層11を形成したが、いずれか一方のみに形成してもよい。導電材層11は図13、14に示したように共通電極部7eや補助共通電極部7fの一部に形成してもよいし、全幅に渡って形成してもよい。また、導電材層11は1本ではなく2本以上に分割された複数の帯状に形成してもよい。更に、導電材層11は個別放電電極部8dの放電部9を除く箇所に形成してもよい。
実施の形態5の放電制御装置は以上のように構成されているので、実施の形態1に加え、以下の作用を有する。
(1)共通電極部7の表面に導電材層11を形成することにより、共通電極部7の抵抗値を更に引き下げることができ、各々の個別放電電極部8間に生じる電位差を確実に低減でき、放電の安定性に優れる。
(2)放電電極6fが、複数の個別放電電極部8dの他端部を接続する補助共通電極部7fを有することにより、共通電極部7eと合わせた放熱面積の拡大による個別放電電極部8dの冷却効果、加熱のオフに対する応答性、抵抗値の低減による放電の安定性等を更に向上させることができる。
実施の形態5の放電制御装置の製造方法は以上のように構成されているので、実施の形態1に加え、以下の作用を有する。
(1)放電電極形成工程が導電材層形成工程を有することにより、放電電極6eの共通電極部7の表面に容易に導電材層11を形成することができ、共通電極部7の抵抗値を引き下げることができる。
(実施の形態6)
本発明の実施の形態6における放電制御装置及びその製造方法について、以下図面を参照しながら説明する。
図15(a)は本発明の実施の形態6における放電制御装置を示す模式平面図であり、図15(b)は図15(a)のD−D線矢視断面図である。
図15において、本発明の実施の形態6における放電制御装置1gが実施の形態1と異なるのは、放電電極6の発熱体5側の端部から水平方向に離間して発熱部絶縁膜5a上に誘導電極12が形成されている点と、放電電極6と発熱部絶縁膜5aとの間に誘導電極12を覆設する誘導電極絶縁膜13が形成されている点である。
実施の形態6における放電制御装置の製造方法が実施の形態1と異なるのは、発熱部絶縁膜形成工程と放電電極形成工程との間に、誘導電極形成工程と誘導電極絶縁膜形成工程を有する点であり、それ以外については実施の形態1と同様なので説明を省略する。
発熱部絶縁膜形成工程の後に、後工程の放電電極形成工程で形成される放電電極6の発熱体5側の端部から水平方向に離間して発熱部絶縁膜5aの上面に誘導電極12を形成する。
次に、発熱部絶縁膜5aの上面に誘導電極12を被覆する誘導電極絶縁膜13を形成してから前述と同様の放電電極形成工程で誘導電極絶縁膜13の上面に放電電極6を形成する。
誘導電極絶縁膜13の材質としては、ガラス、セラミック、マイカ、樹脂等を用い、誘導電極形成工程はスクリーン印刷、蒸着、スパッタ等で行った。
誘導電極12は発熱部絶縁膜5a上に帯状に形成し接地した。放電は誘導電極12に引張られるように発生するが、イオンや紫外線等は誘導電極12が無い場合と同様に像担持体等の対象物に向かって照射される。
尚、本実施の形態では誘導電極絶縁膜13を発熱部絶縁膜5aのほぼ全面に形成し、誘導電極絶縁膜13上に放電電極6を形成したが、誘導電極絶縁膜13を誘導電極12のみに覆設し放電電極6を発熱部絶縁膜5a上に形成するようにしてもよいし、発熱部絶縁膜5a上に形成された放電電極6の共通電極部7の上部等に誘導電極絶縁膜13を介して誘導電極12を形成してもよい。
実施の形態6の放電制御装置は以上のように構成されているので、実施の形態1に加え、以下の作用を有する。
(1)放電電極6の発熱体5側の端部から水平方向に離間して発熱部絶縁膜5a上に誘導電極12が形成されていることにより、放電電極6から誘導電極12へ放電を呼び込むことができ、確実に放電を発生させることができる。
(2)放電電極6と発熱部絶縁膜5aとの間に形成された誘導電極絶縁膜13により誘導電極12を覆うことができ、誘導電極12を絶縁することができる。
実施の形態6の放電制御装置の製造方法は以上のように構成されているので、実施の形態1に加え、以下の作用を有する。
(1)誘導電極形成工程により、放電電極6の発熱体5側の端部から水平方向に離間して発熱部絶縁膜5a上に放電電極6からの放電を呼び込むための誘導電極12を形成することができる。
(2)誘導電極絶縁膜形成工程により、放電電極6と発熱部絶縁膜5aとの間に誘導電極12を覆って絶縁する誘導電極絶縁膜13を形成することができる。
本発明は、放電電極からの放電を低電圧で制御でき、放電制御部の小型化による高密度実装化やコストダウンを図ることができると共に、放電電極の冷却効果を向上させ、熱の篭りを防ぐことができ、加熱のオフに迅速に応答して放電を停止でき、放電時間間隔を短縮して短時間で放電の有無を切替えることができ、印字速度を高速化することができ、応答性に優れ、漏電が発生し難く放電制御の安定性に優れる放電制御装置の提供及び効率的に放電を行うことができ省エネルギー性に優れると共に、放電電極の長寿命性に優れる放電制御装置の放電制御方法の提供並びに既存の生産設備を流用でき汎用性に優れ、製造工程を簡素化でき量産性に優れる放電制御装置の製造方法の提供を行うことができ、該放電制御装置及びその放電制御方法によってイオン生成可能な雰囲気中でのイオン照射、不活性ガス雰囲気中のプラズマ状態での紫外線照射、真空中での熱電子放出の制御を行って、電子ペーパ、プラズマディスプレイ(PDP)、電界放出ディスプレイ(FED)、蛍光表示管(VFD)等への画像形成を行うことができる。
本発明の実施の形態1における放電制御装置を示す模式平面図 (a)図1のA−A線矢視断面図 (b)図1のB−B線矢視断面図 本発明の実施の形態1における放電制御装置を示す分解模式斜視図 本発明の実施の形態1における放電制御装置の製造方法の加熱部形成工程を示す斜視図 本発明の実施の形態1における放電制御装置の製造方法の発熱部絶縁膜形成工程を示す斜視図 本発明の実施の形態1における放電制御装置の製造方法の放電電極形成工程を示す斜視図 本発明の実施の形態1における放電制御装置のイオン発生量を示す図 本発明の実施の形態1における放電制御装置の多分割放電制御時のイオン発生量を示す図 (a)本発明の実施の形態2における放電制御装置を示す模式平面図 (b)図9(a)のC−C線矢視断面図 (a)本発明の実施の形態2における放電制御装置の第1の変形例を示す模式平面図 (b)本発明の実施の形態2における放電制御装置の第2の変形例を示す模式断面図 本発明の実施の形態3における放電制御装置の放電電極を示す要部模式平面図 (a)本発明の実施の形態4における放電制御装置の放電電極を示す要部模式平面図 (b)本発明の実施の形態4における放電制御装置の放電電極の変形例を示す要部模式平面図 本発明の実施の形態5における放電制御装置を示す要部模式平面図 本発明の実施の形態5における放電制御装置の変形例を示す要部模式平面図 (a)本発明の実施の形態6における放電制御装置を示す模式平面図 (b)図15(a)のD−D線矢視断面図
符号の説明
1、1a、1b、1c、1e、1f、1g 放電制御装置
2 加熱部
2a 基板
3 共通導体パターン
3a 櫛歯パターン部
3b 発熱用共通電極
4 個別電極
4a、4b 電極
5 発熱体
5a 発熱部絶縁膜
6、6a、6b、6c、6d、6e、6f 放電電極
7、7a、7b、7c、7d、7e 共通電極部
7f 補助共通電極部
8、8b、8c、8d 個別放電電極部
8a 分割電極
9 放電部
10 被覆膜
10a、10b 開口部
10c 凹凸部
11 導電材層
12 誘導電極
13 誘導電極絶縁膜
15 ドライバIC

Claims (22)

  1. 1又は複数の発熱体と前記1又は複数の発熱体に電気的に接続され前記1の発熱体の任意の箇所又は前記複数の発熱体に選択的に通電して発熱させるドライバICとを備えた加熱部と、少なくとも前記発熱体に覆設された発熱部絶縁膜と、前記発熱部絶縁膜に前記1又は複数の発熱体に対応して配置され電圧が印加される放電電極と、を有し、前記放電電極が、複数の個別放電電極部と、前記個別放電電極部の幅より幅広に形成され前記複数の個別放電電極部の一端部を接続する共通電極部と、を備え、前記発熱体により選択的に加熱された前記放電電極の放電部から放電を行うことを特徴とする放電制御装置。
  2. 前記放電電極の前記個別放電電極部が、複数に分割されて形成された分割電極を備えたことを特徴とする請求項1に記載の放電制御装置。
  3. 前記複数の個別放電電極部が、千鳥状に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の放電制御装置。
  4. 前記複数の発熱体が、千鳥状に配置されていることを特徴とする請求項1乃至3の内いずれか1項に記載の放電制御装置。
  5. 前記放電部を除いて前記放電電極に覆設された被覆膜を備えたことを特徴とする請求項1乃至4の内いずれか1項に記載の放電制御装置。
  6. 前記被覆膜の表面に形成された凹凸部を備えたことを特徴とする請求項5に記載の放電制御装置。
  7. 1又は複数の発熱体と前記1又は複数の発熱体に電気的に接続され前記1の発熱体の任意の箇所又は前記複数の発熱体に選択的に通電して発熱させるドライバICとを備えた加熱部と、少なくとも前記発熱体に覆設された発熱部絶縁膜と、前記発熱部絶縁膜に前記1又は複数の発熱体に対応して配置され電圧が印加される放電電極と、を有し、前記放電電極が、複数の個別放電電極部と、前記複数の個別放電電極部の一端部を接続する共通電極部と、前記複数の個別放電電極部の他端部を接続する補助共通電極部と、を備え、前記発熱体により選択的に加熱された前記放電電極の放電部から放電を行うことを特徴とする放電制御装置。
  8. 前記共通電極部の幅が、前記個別放電電極部の幅より幅広に形成されていることを特徴とする請求項7に記載の放電制御装置。
  9. 前記放電電極の内の少なくとも前記補助共通電極部の表面に形成された導電材層を備えたことを特徴とする請求項7又は8に記載の放電制御装置。
  10. 前記放電部を除いて前記放電電極に覆設された被覆膜を備えたことを特徴とする請求項7乃至9の内いずれか1項に記載の放電制御装置。
  11. 前記被覆膜の表面に形成された凹凸部を備えたことを特徴とする請求項10に記載の放電制御装置。
  12. 1又は複数の発熱体と前記1又は複数の発熱体に電気的に接続され前記1の発熱体の任意の箇所又は前記複数の発熱体に選択的に通電して発熱させるドライバICとを備えた加熱部と、少なくとも前記発熱体に覆設された発熱部絶縁膜と、前記発熱部絶縁膜に前記1又は複数の発熱体に対応して配置され電圧が印加される放電電極と、を有し、前記放電電極が、共通電極部と、前記発熱体により選択的に加熱され放電が発生する放電部と、を備え、前記放電部を除いて前記放電電極に覆設された被覆膜の表面に凹凸部が形成されていることを特徴とする放電制御装置。
  13. 前記放電電極の内の少なくとも前記共通電極部の表面に形成された導電材層を備えたことを特徴とする請求項1乃至12の内いずれか1項に記載の放電制御装置。
  14. 前記放電電極の表面に形成された電極保護薄膜層を備えたことを特徴とする請求項1乃至13の内いずれか1項に記載の放電制御装置。
  15. 前記放電電極から離間し前記放電電極と絶縁されて形成された誘導電極を備えたことを特徴とする請求項1乃至14の内いずれか1項に記載の放電制御装置。
  16. 請求項1乃至15の内いずれか1項に記載の放電制御装置の放電制御方法であって、前記発熱体による前記放電電極の加熱を複数回に分割して繰返す多分割放電制御を行うことを特徴とする放電制御装置の放電制御方法。
  17. 請求項1乃至15の内いずれか1項に記載の放電制御装置の放電制御方法であって、少なくとも前記放電電極を予熱する放電電極予熱工程を備えたことを特徴とする放電制御装置の放電制御方法。
  18. 請求項5,10,12の内いずれか1項に記載の放電制御装置の製造方法であって、放電電極形成工程が、前記放電部を除いて前記放電電極に覆設される前記被覆膜を形成する被覆膜形成工程を備えたことを特徴とする放電制御装置の製造方法。
  19. 請求項9に記載の放電制御装置の製造方法であって、発熱部絶縁膜に発熱体に対応させて放電電極を形成する放電電極形成工程が、前記放電電極の内の少なくとも前記補助共通電極部の表面に前記導電材層を形成する導電材層形成工程を備えたことを特徴とする放電制御装置の製造方法。
  20. 請求項13に記載の放電制御装置の製造方法であって、発熱部絶縁膜に発熱体に対応させて放電電極を形成する放電電極形成工程が、前記放電電極の内の少なくとも前記共通電極部の表面に前記導電材層を形成する導電材層形成工程を備えたことを特徴とする放電制御装置の製造方法。
  21. 請求項14に記載の放電制御装置の製造方法であって、放電電極形成工程が、前記放電電極の表面に前記電極保護薄膜層を形成する電極保護薄膜層形成工程を備えたことを特徴とする放電制御装置の製造方法。
  22. 請求項15に記載の放電制御装置の製造方法であって、前記放電電極の前記発熱体側の端部から水平方向に離間して前記発熱部絶縁膜の上面に前記誘導電極を形成する誘導電極形成工程と、前記発熱部絶縁膜の上面に前記誘導電極を被覆する誘導電極絶縁膜を形成する誘導電極絶縁膜形成工程と、を備えたことを特徴とする放電制御装置の製造方法。
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