JP4146885B2 - 画像形成装置及びその駆動方法 - Google Patents

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Description

本発明は、繰り返し記録可能な静電現像方式の記録媒体に放電の作用により画像を形成するための画像形成装置及びその駆動方法に関するものである。
近年、(特許文献1)に示すように、電子写真方式とは別方式の静電潜像形成方式である、イオン照射方式が開発されてきている。
電子写真方式が一様帯電+露光という2工程で、一様帯電した感光体上の露光した部分の電荷を逃がすことで、静電潜像担持体としての感光体上に静電潜像を形成するのに対し、イオン照射方式では、イオン生成可能な雰囲気中(大気中等)においては、放電電極からの電子の放出により発生するイオンの照射による選択的帯電(静電潜像形成帯電)のみで静電潜像担持体(絶縁体であれば良いので、必ずしも感光体である必要はない)上に静電潜像の形成を完了できるので、より簡素化された静電潜像形成方式である。
また、(特許文献2)には、水平プリンタ対応型のイオン照射型印字ヘッドの具体的な形状及びそれを備えた画像形成装置が開示されている。
特に、(特許文献1)や(特許文献2)に示す加熱放電方式は、放電電極に印加しただけでは放電が発生せず加熱することにより放電が発生する電圧(放電制御電圧)を印加した状態で、放電電極への加熱の有無を制御することにより、放電の有無を制御してイオンの発生制御を行うものであり、放電電極に印加する電圧の制御が不要である。その結果、発熱抵抗体等による加熱の制御に使用する5V駆動のような低耐電圧対応のドライバICで放電の発生を制御することができ、放電の制御の観点からは最も優れた制御方式であると言える。
因に、現時点におけるデジタルペーパとしては、微小なボールを二色(例えば白黒)に色分けし、各色の電気特性の違いによりボールを回転して任意の一色を表示するツイストボール方式、微小なボール中に二色(例えば白黒)の微粉末を混入し、各色の微粉末が持つ電気特性の違いにより一色のみを浮上させて表示する電気泳動方式、液晶板あるいは微小な液晶ブロックの液晶シャッターを開閉して、シャッターを開けた部分の背景色を表示する液晶方式等がある。
特開2003−326756号公報 WO2005/056297号公報
しかしながら、上記従来の技術においては、以下のような課題を有していた。
(1)(特許文献1)、(特許文献2)の加熱放電型印字ヘッドは、放電の制御が容易で静電現像方式の記録媒体に非接触で書き込むには最適なものであるが、イオンの発生量を制御することに関しては十分な検討がなされていなかった。
(2)イオンの発生量が異なれば、記録媒体の単位面積当たりに照射されるイオンの量が異なり、その結果、画像の濃度に変化が生じることになるので、高画質化、カラー化を図るためには、イオンの照射量を制御することが重要な課題となっていた。
(3)特に、階調記録を行うためには、イオンの照射量を細かく制御しなければならず、イオンの発生量の変動を抑える必要があった。
本発明は上記要望に応えるもので、放電電極に電圧を印加するタイミングと放電電極を加熱するタイミングを制御することにより、放電を効率的に発生させることができ、省エネルギー性に優れると共に、イオンの発生量を精度よく制御して簡便に階調記録を行うことができ、高解像度で高品質な画像を形成することが可能な画像形成装置及びその駆動方法の提供を目的とする。
上記課題を解決するために本発明の画像形成装置及びその駆動方法は、以下の構成を有している。
本発明の請求項1に記載の画像形成装置は、電子放出部位を有する放電電極と前記放電電極を選択的に加熱する加熱手段とを有する加熱放電型印字ヘッドの前記放電電極に放電制御電圧の一部として電圧のピークが周期的に変化する駆動用電圧を印加するヘッド側電圧印加部と,電荷の作用により書き込みや消去が可能な記録媒体を挟んで前記放電電極に対向配置された対向電極に選択的な接地又は電圧印加を行う媒体側電圧制御部と,を有し前記加熱放電型印字ヘッドの前記放電電極と前記対向電極との両電極間に放電制御電圧に相当する電位差を任意に分配し電界を形成する電位差設定部と、画像情報に基づいて前記加熱手段を制御し前記駆動用電圧の前記ピ−ク時に前記加熱手段による前記放電電極の加熱を行うドライバICと、を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用を有する。
(1)電位差設定部で放電電極と対向電極との間に放電制御電圧に相当する電位差を設定して電界を形成することにより放電に備えることができ、加熱手段で画像情報に基づいて放電電極を選択的に加熱するだけで放電を発生させることができるので、高電圧の制御が不要で、容易に放電の発生を制御することができる。
(2)ヘッド側電圧印加部で放電電極に印加される駆動用電圧のピーク時に、加熱手段による放電電極の加熱を行うことにより、確実に放電を発生させることができ、特に、駆動用電圧のピークと加熱手段により加熱された放電電極の温度のピークを略一致させた場合、最大量のイオンを発生させることができ、放電発生の効率性に優れる。
(3)ヘッド側電圧印加部により放電電極に放電制御電圧を印加し、媒体側電圧制御部により対向電極を接地するようにしてもよいし、放電制御電圧を放電電極と対向電極に分配して印加するようにしてもよい。これにより、記録媒体の種類や特性等に応じて対向電極に印加する電圧値を調整することができ、放電電極側の負担を軽減して効率的に放電を発生させることができる。
ここで、加熱放電型印字ヘッドの放電電極と、記録媒体の裏面側に形成或いは接触又は近接して配設された対向電極と、の間に放電制御電圧に相当する電位差を設定して電界を形成し、発熱抵抗体やレーザ照射部等を備えた加熱手段により放電電極を選択的に加熱することで、対向して配置された放電電極と対向電極との間で放電を発生させることができ、電界によって放電電極から放出させた電子やイオンを記録媒体の記録面(表面)に移動させ、その電荷の作用により画像の書込や消去を行うことができる。この加熱手段による加熱箇所を選択することで、容易に放電電極の任意の加熱位置近傍(電子放出部位)から選択的に電子を放出させて放電を発生させることができる。
尚、放電制御電圧とは、その電位差だけでは加熱放電型印字ヘッドの放電電極と記録媒体側の対向電極との間で放電は起こらないが、放電電極を加熱することにより放電が起こる電圧域を言う。また、ここでの放電とは放電電極から電子が放出されることを言う。放出された電子は、大気中においては酸素や窒素をイオン化し、それらを記録媒体の記録面に到達させる。
放電電極は、例えば複数の電子放出部位の一端部を共通電極で接続して櫛型に形成したり、複数の電子放出部位の両端部を共通電極で接続して梯子型等に形成したりできるほか、長方形状や正方形状等の一枚の平板状に形成することができる(例えば、特開2003−326756号、WO2005/056297参照)。
櫛型や梯子型のように電子放出部位近傍に共通電極を設けることで、放電電極の放熱面積の拡大及び、熱容量の増大により、放電電極の冷却効果、加熱停止に対する応答性が向上し、また、抵抗値の低減により常に安定した電圧を印加できるので、放電の安定性等を更に向上させることができる。尚、平板状に形成した放電電極は、加熱手段による加熱位置近傍が電子放出部位であり、電子放出部位以外は共通電極となる。
特に、共通電極の幅を電子放出部位の幅より幅広に形成した場合、一時的に100〜300℃に加熱される放電電極の冷却効果が向上し、熱の籠りを防ぐことができるので、加熱のオフに迅速に応答して放電を停止でき、放電時間間隔を短縮して短時間で放電の有無を切替えることができ、記録速度の高速化を図ることができる。また、共通電極の抵抗値を引き下げることができ、共通電極で接続された各々の電子放出部位の間に生じる電位差を極力抑えることができるので、各々の電子放出部位における電子放出量のばらつきを低減でき、放電の安定性に優れる。
放電電極は、基板上に金、銀、銅、アルミニウム等の金属を蒸着、スパッタ、印刷、メッキなどで形成した後、必要に応じてエッチングして電子放出部位や共通電極をパターン形成するもの、ステンレス、銅、アルミニウム等の金属の少なくとも一部をエッチングや切削等により薄肉化した後、必要に応じてエッチングやレーザ加工等により放電電極をパターン形成するもの等が好適に用いられる。また、その他にカーボン等の導電材料を用いて放電電極を形成してもよい。
基板上に放電電極を形成する場合、基板の材質としては、表面に放電電極を形成することができると共に、加熱手段による加熱に耐える耐熱性を有するものであればよい。また、加熱手段で基板の裏面側から加熱を行う場合、加熱手段が発する熱を放電電極に伝達できる熱伝達性を有するものが好適に用いられる。具体的には、ガラスやポリイミド,アラミド,ポリエーテルイミド等の合成樹脂等が好適に用いられる。
放電電極を櫛型に形成する場合、各々の電子放出部位の形状は、略矩形状、台形状、半円形状、砲弾状あるいはこれらを組合せた形状等に形成することができる。また、電子放出部位の一部をさらにスリット等で分割したり、周縁部に凹凸部を形成したりすることで電子放出部位の縁周辺の周長を増加させることができる(例えば、WO2005/056297参照)。放電電極は縁周辺からの電子放出量が多いので、縁周辺の周長を長くすることで、放電電極からの電子放出量を増加させて照射されるイオン量や発光強度を増加させることができ、放電制御電圧や加熱温度を低く設定することができ、省エネルギー性及び放電発生の効率性に優れる。また、放電制御電圧を低く設定できるので、放電電極の長寿命性にも優れる。
放電電極の端部を分割したり周縁部に凹凸部を形成したりする代りに、電子放出部位(加熱位置)の近傍に放電孔部を形成してもよい。これにより、放電孔部の縁周辺から電子を放出させることができ、放電電極の端部を分割するのと同様の作用を得ることができる。放電孔部の形状は、略円形、略楕円形、四角形や六角形等の多角形、星形など様々な形状に形成することができる。また、電子放出部位(加熱位置近傍)の1箇所当たりの放電孔部の数及び大きさは適宜選択して組合せることができる。尚、放電電極の凹凸部や放電孔部は前述のエッチングやレーザ加工等により形成することができる。
また、放電電極の内の少なくとも共通電極の表面には導電材層を形成してもよい。これにより、共通電極の抵抗値を更に引き下げることができ、各々の電子放出部位間に生じる電位差を確実に低減でき、放電の安定性に優れる。導電材層は放電電極よりも優れた導電性を有するものであればよく、銀ペーストのスクリーン印刷や銀メッキ等により容易に形成することができる。導電材層の厚みを増すことにより、共通電極の抵抗値を低減でき、放電の安定性を向上させることができる。
放電電極の厚さは材質にもよるが、金で形成する場合の厚さは0.1μm〜100μmが好ましい。放電電極の厚さが0.1μmより薄くなるにつれ摩耗の影響を受け易く放電電極の寿命が短くなる傾向があり、100μmより厚くなるにつれ熱容量が増加し加熱のオン/オフに対する応答性が低下し易くなる傾向があり、いずれも好ましくない。放電電極の厚さを100μm以下にすることで、加熱状態から急速に復帰させることができ、印字速度を高速化することができる。
放電電極を加熱する加熱手段としては、放電電極の任意の位置を選択的に加熱できるものであればよく、放電電極に密着して加熱するものでもよいし、放電電極から離間して加熱するものでもよい。
放電電極と密着させて加熱する加熱手段としては、従来の感熱式のファクシミリに使用されるサーマルプリントヘッドと同様の構成を好適に用いることができる。具体的には、発熱抵抗体と電気的に接続されたドライバICで発熱抵抗体の発熱を制御するものである。
放電電極と離間して加熱する加熱手段としては、レーザ光を照射する方式や赤外線を照射する方式等を好適に用いることができる。レーザ光を照射する方式としては、レーザ照射部とポリゴンミラーやガルバノミラーを組合せたもの、レーザ照射部をシリアル走査させるもの等が好適に用いられる。
本発明の請求項2に記載の画像形成装置の駆動方法は、請求項1に記載の画像形成装置の駆動方法であって、前記電位差設定部により前記加熱放電型印字ヘッドの前記放電電極と前記対向電極との両電極間に放電制御電圧に相当する電位差を任意に分配し電界を形成する電位差設定工程と、画像情報に基づいて前記加熱手段で前記放電電極を選択的に加熱する放電電極加熱工程と、を有し、前記電位差設定工程のヘッド側電圧印加工程において前記電位差設定部の前記ヘッド側電圧印加部により前記放電電極に印加される前記駆動用電圧の前記ピ−ク時に、前記放電電極加熱工程において前記加熱手段による前記放電電極の加熱を行う構成を有している。
この構成により、以下のような作用を有する。
(1)電位差設定工程で放電電極と対向電極との間に放電制御電圧に相当する電位差を設定して電界を形成することにより放電に備えることができ、放電電極加熱工程で画像情報に基づいて放電電極を選択的に加熱するだけで放電を発生させることができるので、高電圧の制御が不要で、容易に放電の発生を制御することができる。
(2)ヘッド側電圧印加工程で放電電極に印加される駆動用電圧のピーク時に、放電電極加熱工程による放電電極の加熱を行うことにより、確実に放電を発生させることができ、特に、駆動用電圧のピークと放電電極加熱工程により加熱された放電電極の温度のピークを略一致させた場合、最大量のイオンを発生させることができ、放電発生の効率性に優れる。
(3)記録媒体の種類や特性等に応じて対向電極に印加する電圧値を調整することができ、放電電極側の負担を軽減して効率的に放電を発生させることができる。
ここで、加熱放電型印字ヘッドでは、電位差設定工程において放電電極と対向電極との間に放電制御電圧に相当する電位差を設定して電界を形成した状態で、放電電極加熱工程において画像情報に基づいて加熱手段で放電電極を選択的に加熱することにより放電を発生させるが、放電電極に印加する駆動用電圧としては様々な波形を選択することができ、三角波、矩形波、台形波、sin波等を単独で或いは組合せて用いたり、さらにこれらに直流電圧や交流電圧を重畳したりできる。例えば、電位差設定工程のヘッド側電圧印加工程において、放電電極に駆動用電圧として交流電圧のみを印加すると正負のイオンが生成される。そこで、負のイオンのみを選別するには交流電圧に負の直流電圧を重畳し、正のイオンのみを選別するには交流電圧に正の直流電圧を重畳したものを駆動用電圧として放電電極に印加する。
このとき、加熱手段による加熱量を一定に制御しても、加熱時に放電電極に印加されている駆動用電圧の電圧値が異なれば、イオンの発生量が異なるので、特に駆動用電圧のピーク値がサイン波や三角波等のように時間と共に変化する場合には、ヘッド側電圧印加工程において駆動用電圧を印加するタイミングと、放電電極加熱工程において放電電極を加熱するタイミングを同期させる必要がある。時間と共に周期的に変化する駆動用電圧に対し、常に同じタイミングで放電電極の加熱を行うことにより、イオンの発生量のばらつきを低減することができるためである。
尚、駆動用電圧の電圧値がピークになった時点で放電電極の温度もピークになっていれば、放電の発生効率は最大となり、それに伴って生成されるイオンの発生量も最大となる。駆動用電圧の電圧値のピーク時に放電電極の温度がピークになっていない場合、放電の発生効率は低下することになるが、駆動用電圧が印加されている間に放電電極が所定の温度以上に加熱されていれば、イオンを発生させることができる。尚、加熱手段による加熱時間に幅を持たせて、加熱時間中に駆動用電圧の電圧値がピークになるようにすれば、イオンの発生量のばらつきを大幅に低減することができ、駆動用電圧の電圧値のピークと放電電極の温度のピークのタイミングが必ずしも一致する必要はない。
また、ヘッド側電圧印加工程と放電電極加熱工程の同期を取る際には、どちらを基準としても構わない。
放電電極加熱工程における加熱には時間の幅があるので、その加熱時間中に駆動用電圧の電圧値がピークになるようにタイミングを合わせれば、確実に放電を発生させることができる。
実際に駆動用電圧のピークと放電電極の温度のピークを略一致させる場合には、加熱手段から放電電極へ熱が伝わるまでの時間を考慮し、放電電極加熱工程における加熱手段の加熱ONタイミングを放電電極に印加される駆動用電圧のピークのタイミングよりも早目に設定する必要がある。尚、加熱手段の加熱ONタイミングから放電電極が所定の温度に達するまでの時間(タイムラグ)は、発熱部絶縁膜の厚み、材料の熱伝導性、加熱温度等の違いにより差が出てくるため、それらの条件に応じて適宜、タイミングを調整する。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置の駆動方法であって、前記ヘッド側電圧印加工程で前記放電電極に印加される前記駆動用電圧が、一印字周期内に複数回繰返し発生する電圧のピークを有する構成を有している。
この構成により、請求項2の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)ヘッド側電圧印加工程で放電電極に印加される駆動用電圧が、一印字周期内に複数回繰返し発生する電圧のピークを有することにより、それに同期させて加熱手段による加熱を複数回に分割して繰返すことができ、放電量が多くなる加熱の立ち上がりの回数を増加させることができるので、全体としてのイオン発生量を増加させることができ、放電発生の効率性に優れる。
(2)一印字周期内で繰返し発生する電圧のピークの回数を制御するだけでイオン発生量を簡便に精度よく制御でき、高品質な階調記録を行うことができる。
(3)一印字周期内に駆動用電圧のピークが複数回繰返し発生することにより、放電回数を増加させて全体としてのイオン発生量を増加させることができるので、駆動用電圧のピーク値を低く設定することや加熱手段による加熱時間及び放電発生時間を全体として短縮することができ、放電電極の長寿命性に優れる。
ここで、ヘッド側電圧印加工程において一印字周期内駆動用電圧のピークが繰返し発生する場合、各々の駆動用電圧のピークのタイミングに同期して放電電極加熱工程が行われる。1回当たりの駆動用電圧のピーク値や印加時間或いは加熱手段による加熱時間を制御したり、一印字周期内での駆動用電圧のピーク及び加熱手段による加熱の繰返しの回数を制御したりすることにより、イオン発生量を制御することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の画像形成装置の駆動方法であって、前記電位差設定工程において、前記ヘッド側電圧印加工程で前記放電制御電圧の少なくとも一部を前記放電電極に分配し、残りを媒体側電圧印加工程で前記対向電極に分配するか、前記媒体側電圧印加工程で前記放電制御電圧の少なくとも一部を前記対向電極に分配し、残りを前記ヘッド側電圧印加工程で前記放電電極に分配する構成を有している。
この構成により、請求項2又は3の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)記録媒体の種類や特性等に応じて対向電極に印加する電圧値を調整することができ、放電電極側の負担を軽減して効率的に放電を発生させることができる。
(2)対向電極に放電制御電圧の一部を印加する媒体側電圧印加工程を行うことにより、放電電極に直接印加される駆動用電圧を低減することができ、放電電極の長寿命性に優れると共に、記録媒体の種類や特性等に応じて対向電極に印加する電圧値を最適に調整して高品質な画像を形成することができ、汎用性に優れる。
ここで、放電電極と対向電極との間の電位差が放電制御電圧の範囲内にあればよいので、その範囲内で放電電極及び対向電極に印加する電圧値を任意に設定することができる。
尚、対向電極に印加する電圧は、放電電極に印加する駆動用電圧と同様に様々な波形を選択することができる。例えば、交流電圧に直流電圧を重畳した放電制御電圧の一部を対向電極に印加する場合、その直流成分の少なくとも一部を対向電極に分配して印加してもよいし、交流成分の一部を対向電極に分配して印加してもよい。
ヘッド側電圧印加工程に同期させて対向電極に放電制御電圧の一部を印加する媒体側電圧印加工程を行うことにより、放電電極に直接印加される駆動用電圧を低減することができ、放電電極の長寿命性に優れると共に、記録媒体の種類や特性等に応じて対向電極に印加する電圧値を最適に調整して高品質な画像を形成することができ、汎用性に優れる。
媒体側電圧印加工程をヘッド側電圧印加工程に同期させることにより、非印字状態で対向電極に電圧が印加されないようにすることができ、不具合等により印字が中断或いは停止した際に、安全に記録媒体を取り除くことができ、メンテナンス性に優れる。
請求項5に記載の発明は、請求項2乃至4の内いずれか1項に記載の画像形成装置の駆動方法であって、前記ヘッド側電圧印加工程において前記放電電極に印加される前記駆動用電圧に周期的に発生する前記ピークの前若しくは前記ピークの後の少なくともいずれか一方で前記駆動用電圧ピークと逆極性の補助電圧を前記放電電極に印加する構成を有している。
この構成により、請求項2乃至4の内いずれか1項の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)ヘッド側電圧印加工程において放電電極に印加される駆動用電圧に周期的に発生するピークの前に駆動用電圧のピークと逆極性の補助電圧を放電電極に印加することにより、直前の駆動で発生した余分な電子やイオンを駆動前に放電電極に引き寄せて回収することができ、画像の汚れを防止して画像品質を向上させることができる。
(2)ヘッド側電圧印加工程において放電電極に印加される駆動用電圧に周期的に発生するピークの後に駆動用電圧と逆極性の補助電圧を放電電極に印加することにより、駆動によって発生した余分な電子やイオンをその駆動直後に回収して次の駆動(駆動用電圧の印加)に備えることができ、駆動周期が長い場合でも電子やイオンが浮遊することがなく、信頼性に優れる。
ここで、補助電圧は余分な電子やイオンを放電電極に引き寄せることができる程度の小さな電圧でよい。例え補助電圧が印加されている状態で放電電極が加熱されても放電が発生しないようにその電圧値を設定することにより、不要な電子やイオンが発生することがなく信頼性に優れる。
以上のように、本発明の画像形成装置及びその駆動方法によれば、以下のような有利な効果が得られる。
請求項1に記載の発明によれば、以下のような効果を有する。
(1)電位差設定部で放電電極と対向電極との間に放電制御電圧に相当する電位差を設定して電界を形成することにより放電に備えることができ、加熱手段で画像情報に基づいて放電電極を選択的に加熱するだけで放電を発生させることができるので、高電圧の制御が不要で、容易に放電の発生を制御することができる。
(2)ヘッド側電圧印加部で放電電極に印加される駆動用電圧のピーク時に、加熱手段による放電電極の加熱を行うことにより、確実に放電を発生させることができ、特に、駆動用電圧のピークと加熱手段により加熱された放電電極の温度のピークを略一致させた場合、最大量のイオンを発生させることができ、放電発生の効率性に優れる。
(3)ヘッド側電圧印加部により放電電極に放電制御電圧を印加し、媒体側電圧制御部により対向電極を接地するようにしてもよいし、放電制御電圧を放電電極と対向電極に分配して印加するようにしてもよい。これにより、記録媒体の種類や特性等に応じて対向電極に印加する電圧値を調整することができ、放電電極側の負担を軽減して効率的に放電を発生させることができる。
請求項2に記載の発明によれば、以下のような効果を有する。
(1)ヘッド側電圧印加工程において放電電極に駆動用電圧を印加するタイミングと、放電電極加熱工程において放電電極を選択的に加熱するタイミングを同期させることにより、確実に放電を発生させてイオンの発生量のばらつきを低減することができ、画像品質の信頼性に優れ、放電電極に不必要な電圧を印加することがなく、省エネルギー性及び放電電極の長寿命性に優れた画像形成装置の駆動方法を提供することができる。
(2)ヘッド側電圧印加工程における駆動用電圧のピークに、放電電極加熱工程のタイミングを合わせることにより、放電電極に最大の電圧が印加された状態で加熱を行って放電を発生させることができ、イオンの発生量の効率性に優れた画像形成装置の駆動方法を提供することができる。
(3)記録媒体の種類や特性等に応じて対向電極に印加する電圧値を調整することができ、放電電極側の負担を軽減して効率的に放電を発生させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項2の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)ヘッド側電圧印加工程において、一印字周期内で繰返し発生する駆動用電圧のピークの回数を制御するだけでイオン発生量を簡便に精度よく制御でき、階調記録を行うことができる画像品質の信頼性に優れた画像形成装置の駆動方法を提供することができる。
(2)一印字周期内に駆動用電圧のピークを複数回繰返し発生させて放電回数を増加させることにより、それに同期して放電量が多くなる加熱の立ち上がりの回数を増加させることができるので、全体的なイオン発生量を増加させることができ、駆動用電圧のピーク値を低く設定することや加熱手段による加熱時間及び放電発生時間を全体として短縮することが可能な放電電極の長寿命性に優れた画像形成装置の駆動方法を提供することができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項2又は3の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)放電電極に直接印加される駆動用電圧を低減して放電電極の耐久性を向上できると共に、記録媒体の種類や特性等に応じて対向電極に印加する電圧値を最適に調整して高品質な画像を形成することができる汎用性に優れた画像形成装置の駆動方法を提供することができる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項2乃至4の内いずれか1項の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)ヘッド側電圧印加工程において放電電極に印加される駆動用電圧に周期的に発生するピークの前若しくはピークの後の少なくともいずれか一方で駆動用電圧と逆極性の補助電圧を放電電極に印加することにより、余分な電子やイオンを駆動の直前若しくは直後に放電電極に引き寄せて回収することができ、電子やイオンの浮遊を確実に防止して画像の汚れを防ぐことができる画像品質の信頼性に優れた画像形成装置の駆動方法を提供することができる。
(a)加熱放電型印字ヘッドの使用状態を示す模式側面図(b)加熱放電型印字ヘッドを示す要部模式斜視図 実施の形態1における加熱放電型印字ヘッドのヘッド基板の模式平面図 (a)図2のA−A線矢視模式断面図(b)図2のB−B線矢視模式断面図 加熱放電型印字ヘッドを用いた画像形成装置の駆動方法を示す模式側面図 実施の形態1における加熱放電型印字ヘッドの構成を示すブロック図 (a)実施の形態1における画像形成装置の駆動方法のヘッド側電圧印加工程での駆動用電圧を示す図(b)実施の形態1における画像形成装置の駆動方法の放電電極加熱工程での放電電極の温度を示す図 (a)実施の形態2における画像形成装置の駆動方法のヘッド側電圧印加工程での駆動用電圧を示す図(b)実施の形態2における画像形成装置の駆動方法の媒体側電圧印加工程で対向電極に印加する電圧を示す図(c)実施の形態2における画像形成装置の駆動方法の放電電極加熱工程での放電電極の温度を示す図 (a)実施の形態3における画像形成装置の駆動方法のヘッド側電圧印加工程での駆動用電圧を示す図(b)実施の形態3における画像形成装置の駆動方法の媒体側電圧印加工程で対向電極に印加する電圧を示す図(c)実施の形態3における画像形成装置の駆動方法の放電電極加熱工程での放電電極の温度を示す図 (a)実施の形態4における画像形成装置の駆動方法のヘッド側電圧印加工程での駆動用電圧を示す図(b)実施の形態4における画像形成装置の駆動方法の放電電極加熱工程での放電電極の温度を示す図
符号の説明
1 加熱放電型印字ヘッド
2 放熱板
3a 端面部
4 ヘッド基板
5 放電電極
5a 電子放出部位
5b 共通電極
6 ドライバIC
7 放電制御装置
8 プリント配線基板
8a コネクタ
9 ICカバー
9a 高圧基板
10 フレキシブル基板
11a 発熱用櫛歯電極
11b 発熱用共通電極
12 発熱用個別電極
13 加熱手段
13a 発熱抵抗体
13b 発熱部絶縁膜
16 導電材層
20 記録媒体
21 対向電極
本発明の実施の形態1における画像形成装置の駆動方法について、以下図面を参照しながら説明する。
まず、実施の形態1における画像形成装置の駆動方法を適用する加熱放電型印字ヘッドの構成について説明する。
図1(a)は加熱放電型印字ヘッドの使用状態を示す模式側面図であり、図1(b)は加熱放電型印字ヘッドを示す要部模式斜視図である。
図1中、1は本発明の実施の形態1における画像形成装置の駆動方法を適用する加熱放電型印字ヘッド、2はアルミニウム等の材質で形成した加熱放電型印字ヘッド1の放熱板、3aは放熱板2の先端に形成された略円弧状の端面部、4は後述するフレキシブル基板に後述する放電電極5や加熱手段の発熱抵抗体等が積層され放熱板2に配設された加熱放電型印字ヘッド1のヘッド基板、5は加熱放電型印字ヘッド1の放電電極、5aは梯子型に形成された放電電極5の複数の電子放出部位、5bは複数の電子放出部位5aの両端部にそれぞれ接続された放電電極5の共通電極、7はヘッド基板4と後述する発熱抵抗体の発熱を制御するドライバIC6を備えた加熱放電型印字ヘッド1の放電制御装置、8は外部の制御部と接続するためのコネクタ8aを備え放熱板2に配設された加熱放電型印字ヘッド1のプリント配線基板、9はドライバIC6及びプリント配線基板8を保護するために覆設された加熱放電型印字ヘッド1のICカバー、9aはICカバー9の背面に配設され放電電極5の共通電極5bに電気的に接続され電子放出部位5aに対して高電圧(放電制御電圧)を供給する高圧基板である。
ICカバー9の背面に高圧基板9aを配設し、放電電極5の共通電極5bに電気的に接続することにより、放電制御電圧を印加するための電気配線を短くすることができ、高圧基板9aを加熱放電型印字ヘッド1と一体に取扱うことができる。これにより、電気配線の取り回しが不要で画像形成装置への組込みが容易で量産性に優れる。特に、加熱放電型印字ヘッド1を走査させて画像を形成する場合、加熱放電型印字ヘッド1と高圧基板9aを一体に移動させることができるので、電気配線に負荷などがかかり難く、導通不良の発生を低減できる。
尚、高圧基板9aの配設位置は本実施の形態に限定されるものではなく、放電電極5の共通電極5bに放電制御電圧を印加することができればよい。
次に、ヘッド基板の構造について詳細を説明する。
図2は加熱放電型印字ヘッドのヘッド基板の模式平面図であり、図3(a)は図2のA−A線矢視模式断面図であり、図3(b)は図2のB−B線矢視模式断面図である。
図2及び図3中、10は耐熱性及び絶縁性を有するポリイミド,アラミド,ポリエーテルイミド等の薄膜樹脂で形成されたヘッド基板4のフレキシブル基板、11aは基板10の上面に櫛歯状に形成された発熱用櫛歯電極、11bは複数の発熱用櫛歯電極11aの端部を接続するように基板10の上面に略コ字型に形成された発熱用共通電極、12は複数の発熱用櫛歯電極11aと交互に基板10の上面に形成された発熱用個別電極、13は放電制御装置7の加熱手段、13aは発熱用櫛歯電極11a及び発熱用個別電極12に電気的に接続され帯状に形成された加熱手段13の発熱抵抗体、13bは発熱用共通電極11b及び発熱用個別電極12の端部を除いて基板10の上面に覆設された発熱部絶縁膜、16は放電電極5の内の共通電極5bの表面に形成された導電材層である。
尚、前述の放電電極5は発熱部絶縁膜13bにより発熱用櫛歯電極11a、発熱用個別電極12及び発熱抵抗体13aと絶縁され、放電電極5の複数の電子放出部位5aが発熱用個別電極12に対応する位置で発熱抵抗体13aに対向して形成されている。
発熱部絶縁膜13bは耐熱性及び絶縁性を有し、放電電極5と加熱手段13との間を絶縁する。尚、絶縁性を確保するために、発熱部絶縁膜13bの両面の内の少なくとも一方の面に絶縁膜を形成してもよい。絶縁膜はSiON,SiO等の無機質やその他の絶縁性を有する材質(有機・無機を問わず)で薄膜状に形成することができる。特に、発熱抵抗体13aの熱を効率よく電子放出部位5aに伝達することができる高熱伝導性のものが好ましい。
導電材層16は導電性に優れる銀ペーストや銀メッキ等で形成した。共通電極5bの表面に導電材層16を形成することで共通電極5bの抵抗値を引き下げることができ、各々の電子放出部位5a間に生じる電位差を確実に低減できる。
尚、本実施の形態では、二つの共通電極5bにそれぞれ導電材層16を形成したが、いずれか一方のみに形成してもよい。導電材層16は図2,3に示したように共通電極5bの一部に形成してもよいし、全幅に渡って形成してもよい。また、導電材層16は放電電極5の電子放出部位5aを除く箇所に形成してもよい。
ヘッド基板4に放熱板2を配設することで加熱手段13で発生した熱を速やかに放熱板2に吸収させ、放熱板2から放熱することができる。これにより、加熱手段13の急速冷却を可能にして加熱停止に対する応答性を向上させている。また、ドライバIC6等を熱から守ることができ信頼性に優れる。放熱板2の表面に溝等により凹凸を形成した場合、放熱板2の表面積を拡大することができ、放熱の効率性を向上させることができる。
尚、発熱抵抗体13aの加熱は24Vの低電圧で行い、発熱抵抗体13aを発熱させるためのスイッチとして用いるドライバIC6には、5V駆動の低耐電圧対応のものを用いた。このドライバIC6は加熱手段13から延びるリードパターンに金線でワイヤボンディングした後に、エポキシ樹脂等のIC保護用の樹脂で封止した。
次に、ヘッド基板の製造方法について詳細に説明する。
まず、加熱部形成工程について説明する。
図2及び図3において、平面状に形成されたフレキシブル基板10の表面に金ペースト等の導体を印刷した後、エッチングにより発熱用共通電極11bで接続された複数の発熱用櫛歯電極11a及び発熱用個別電極12を形成する。その後、発熱用櫛歯電極11a及び発熱用個別電極12の上部にTaSiO、RuO等を印刷する等して帯状の発熱抵抗体13aを形成する。
本実施の形態では、加熱手段13の発熱抵抗体13aを帯状に形成し、発熱用櫛歯電極11aと発熱用個別電極12を交互に配設し、各中央の1本の発熱用個別電極12とその両側の発熱用櫛歯電極11aとの間に通電することにより各々の電子放出部位5aの位置に対応する発熱抵抗体13aの任意の箇所を選択的に発熱させ、電子放出部位5aを加熱する方式としたが、これに限定されるものではなく、各々の電子放出部位5aを選択的に加熱できる構造であればよい。尚、加熱手段13の構成は厚膜型でも薄膜型でもよい。
次に、放電電極形成工程について説明する。
図2及び図3において、発熱用共通電極11b及び発熱用個別電極12の各端部を除いてフレキシブル基板10の表面に300℃程度の耐熱性及び絶縁性を有するポリイミド,アラミド,ポリエーテルイミド等の薄膜樹脂を印刷する等して発熱部絶縁膜13bを形成する。発熱部絶縁膜13bは発熱用共通電極11b、発熱用個別電極12、発熱抵抗体13a等を保護し、絶縁できるものであればよいが、発熱抵抗体13aの熱を効率よく放電電極5に伝達することができる高熱伝導性のものが好適に用いられる。発熱部絶縁膜13bは、ポリイミドやアラミド等の耐熱性及び絶縁性を有する樹脂の溶液をスクリーン印刷等で塗布して形成してもよいし、同様の樹脂で形成された薄膜シートを覆設して形成してもよい。
次に、発熱部絶縁膜13bの上部に加熱手段13の発熱用個別電極12に対向した複数の電子放出部位5a及びそれらを接続する共通電極5bを形成する。電子放出部位5a及び共通電極5bの形成には、金、銀、銅、アルミニウム等の金属を、蒸着やスパッタや印刷で形成した後、エッチングしてパターン形成するものが好適に用いられる。また、その他にカーボン等の導電材料を用いてもよい。
尚、本実施の形態では電子放出部位5aを略矩形状に形成したが、台形状、砲弾状、半円形状あるいはこれらを組合せた形状等に形成することができる。また、放電電極5は縁周辺からの放電量が多いので、縁周辺の周長が長くなるように電子放出部位5aの外周周縁部に複数の凹凸部を形成して放電の発生効率を向上させることができる。その結果、電子放出部位5aからの放電量が増加し、イオン照射量や発光強度を増加させることができるので、放電制御装置7の省エネルギー性に優れる。また、放電電極5への印加電圧を小さく設定できるので、放電電極5の長寿命性にも優れる。
ヘッド基板4のフレキシブル基板10や発熱部絶縁膜13b等の厚みは、各々が例えば数μm〜数十μmと極めて薄いものであるため、ヘッド基板4の総合的な厚さを数十μm〜数百μm程度に抑えて極めて薄く形成することができる。ヘッド基板4は平面状態で形成するものの、極めて薄くかつ柔軟性に富んでいるため、平面状態から放熱板2の端面部3aの形状に合わせて湾曲して容易に加工する(変形させる)ことができ、放電電極5や加熱手段13等の形成技術上の制約を受けることなく、加熱放電型印字ヘッド1を得ることができる。また、ヘッド基板4は共通のままで、放熱板2の形状やヘッド基板4の貼り付け位置を変えるだけで様々な形態の加熱放電型印字ヘッド1を得ることができ、汎用性、量産性に優れる。
以上のように形成された加熱放電型印字ヘッドを用いた画像形成装置の基本的な動作について説明する。
図4は加熱放電型印字ヘッドを用いた画像形成装置の駆動方法を示す模式側面図である。
図4中、20は電荷の作用により繰り返し画像の書き込みや消去が可能な静電現像方式の記録媒体、21は記録媒体20の裏面側に形成或いは接触又は近接して配設された対向電極である。
まず、電位差設定工程において、図4に示すように、加熱放電型印字ヘッド1の放電電極5と対向電極21との間に放電制御電圧E0(印加しただけでは放電が起こらないが、加熱することにより放電が起こる電圧域を言う)に相当する電位差を設定して電界を形成する。放電電極5と対向電極21との間の電位差を設定する電位差設定部としては、放電電極5に電圧を印加するヘッド側電圧印加部と、対向電極21に選択的な接地又は電圧印加を行う媒体側電圧制御部を備えたものが好適に用いられる。ヘッド側電圧印加部により放電電極5に放電制御電圧E0を印加し、媒体側電圧制御部により対向電極21を接地するようにしてもよいし、放電制御電圧E0を放電電極5と対向電極21に分配して印加するようにしてもよい。これにより、記録媒体20の種類や特性等に応じて対向電極21に印加する電圧値を調整することができ、放電電極5側の負担を軽減して効率的に放電を発生させることができる。
次に、放電電極加熱工程において、放電電極5(共通電極5b)に放電制御電圧E以下の電圧が印加された状態で、加熱手段13をドライバIC6で制御し、加熱手段13の発熱抵抗体13aにより電子放出部位5aを選択的に加熱(100〜300℃)することで、対向して配置された放電電極5の電子放出部位5aと対向電極21との間で放電を発生させることができる。そして電界によって放電電極5の電子放出部位5aから放出させた電子やイオンを記録媒体20の記録面(表面)に移動させ、電荷を付与して画像を形成することができる。この加熱手段13による加熱箇所を選択することで、容易に放電電極5の任意の電子放出部位5aから選択的に電子を放出させて放電を発生させることができる(図2,3参照)。
以上のように、加熱放電型印字ヘッド1では電圧が印加された放電電極5に対する加熱の有無を制御することにより、放電の発生の有無を制御できるので、放電電極5に印加された電圧と放電電極5の温度によってイオンの発生量が変化することになる。従って、イオンの発生量を制御するために、放電電極5に駆動用電圧を印加するタイミングと加熱手段13によって放電電極5を加熱するタイミングや加熱手段13による加熱量を制御する必要がある。
以下、実施の形態1における画像形成装置の駆動方法の詳細について説明する。
図5は実施の形態1における加熱放電型印字ヘッドの構成を示すブロック図である。
図5において、加熱放電型印字ヘッド1の加熱手段13は、n箇所の電子放出部位5aに対応した発熱箇所R1〜Rnを有する発熱抵抗体13aと、発熱抵抗体13aと電気的に接続され発熱抵抗体13aの発熱を制御するドライバIC6と、を備えている。
ドライバIC6は、シフトレジスタ部、ラッチ部、出力ゲート部及び出力トランジスタQ1〜Qnを有している。各部には制御部からコネクタ8a(図1参照)に接続されるケーブルを介して信号が入力される。
また、発熱抵抗体13aの発熱箇所R1〜Rnに共通の発熱用共通電極11b(図2,3参照)には、発熱抵抗体13aの駆動用の直流電源電圧VHDが印加されている。
画像データ(画像情報)はパラレルデータではなく、1ラインのシリアルデータSerial−inとして、クロック信号Clockと同期されたシフトレジスタ部へ入力される。これらの画像データは、ラッチ信号Latchのタイミングでラッチ部へ転送される。出力ゲート部は、ラッチ部の出力レベルがHレベルの発熱箇所R1〜Rnに対して、ストローブ信号StrobeがLレベルの時間だけ、出力トランジスタQ1〜Qnをオンにする。これにより、画像データのHレベルに対応して発熱箇所R1〜Rnが発熱する。このとき、ストローブ信号Strobeに基づいて高圧基板9aから放電電極5に駆動用電圧が印加されるので、電位差設定工程のヘッド側電圧印加工程において放電電極5に放電制御電圧以下の駆動用電圧を印加するタイミングと、加熱手段13で放電電極5を選択的に加熱する放電電極加熱工程のタイミングを同期させることができる。尚、発熱部絶縁膜13b等の熱伝導性などを考慮して駆動用電圧の印加のタイミングを放電電極5の加熱のタイミングに対してずらす必要がある場合には、高圧基板9a内に遅延回路を持たせても良い。
ストローブ信号Strobeはデータがある時だけオンになるので、データの数により一印字周期内のオン回数を制御することができる。よって、画像(1ドット)の濃度に応じて一印字周期内での放電電極5への駆動用電圧の印加及び加熱手段13による加熱の回数を変えることができ、イオン発生量を変化させることができるので、記録媒体20における帯電量を制御することができ、簡便に階調記録を行うことができる。
尚、図5で説明したものは、加熱手段13として発熱抵抗体13aを用いる場合の構成の一例に過ぎず、ヘッド側電圧印加工程と放電電極加熱工程のタイミングを同期させる手段や加熱手段13はこれに限定されるものではない。
図6(a)は実施の形態1における画像形成装置の駆動方法のヘッド側電圧印加工程での駆動用電圧を示す図であり、図6(b)は実施の形態1における画像形成装置の駆動方法の放電電極加熱工程での放電電極の温度を示す図である。
まず、電位差設定工程のヘッド側電圧印加工程について説明する。
放電電極5への駆動用電圧の印加は共通電極5bに接続された高圧基板9a(図1参照)から行う。放電電極5に印加する駆動用電圧は、色々な組み合わせが考えられるが、本実施の形態では、図6(a)に示すように三角波にDCバイアスを重畳し、ピーク値が放電制御電圧E0となるようにして一印字周期T内で複数回(図6では3回)繰返しピークを発生させた。尚、このとき対向電極21は接地されている。
次に、放電電極加熱工程について説明する。
放電電極加熱工程においては、加熱手段13により放電電極5を選択的に加熱するが、この加熱のタイミングを図6に示すように、ヘッド側電圧印加工程における駆動用電圧のピークのタイミングに同期させて行う。
このとき、ヘッド側電圧印加工程で放電電極5に印加される駆動用電圧のピーク(E0)時に、放電電極加熱工程により加熱された放電電極5の温度がピークとなるようにタイミングを合わせた。放電電極5の温度がピークとなっている間に駆動用電圧の電圧値がピーク(E0)となるようにタイミングを合わせることにより、効率的に放電を発生させることができるためである。尚、イオン発生量(電荷量)は、図6(b)に示した放電電極5の温度にほぼ比例して変化する。実際には、発熱部絶縁膜13bの厚みや材料の熱伝導性の違いにより放電電極5への熱の伝わり方に差が出てくるため、放電電極加熱工程における加熱手段13への加熱ONタイミングと駆動用電圧のピーク(E0)を熱の伝わりのタイムラグ分ずらして、加熱手段13による加熱を早くすることが好ましい。
また、ヘッド側電圧印加工程において、一印字周期T内で複数回の駆動用電圧のピークが発生する場合(図6では3回)は、各々の駆動用電圧のピークのタイミングに同期して加熱手段13による加熱を行う。1回当たりの駆動用電圧のピーク値や印加時間或いは加熱手段13による加熱時間を制御したり、一印字周期T内での駆動用電圧のピーク及び加熱手段13による加熱の繰返しの回数を制御したりすることにより、イオン発生量を制御することができ、簡便に階調記録を行うことができる。
実施の形態1の画像形成装置は以上のように構成されているので、以下の作用を有する。
(1)ヘッド側電圧印加部により放電電極5に放電制御電圧E 0 を印加し、媒体側電圧制御部により対向電極21を接地するようにしてもよいし、放電制御電圧E 0 を放電電極5と対向電極21に分配して印加するようにしてもよい。これにより、記録媒体20の種類や特性等に応じて対向電極21に印加する電圧値を調整することができ、放電電極5側の負担を軽減して効率的に放電を発生させることができる。
(2)放電電極5(共通電極5b)に放電制御電圧E 0 以下の電圧が印加された状態で、加熱手段13をドライバIC6で制御し、加熱手段13の発熱抵抗体13aにより電子放出部位5aを選択的に加熱(100〜300℃)することで、対向して配置された放電電極5の電子放出部位5aと対向電極21との間で放電を発生させることができる。そして電界によって放電電極5の電子放出部位5aから放出させた電子やイオンを記録媒体20の記録面(表面)に移動させ、電荷を付与して画像を形成することができる。この加熱手段13による加熱箇所を選択することで、容易に放電電極5の任意の電子放出部位5aから選択的に電子を放出させて放電を発生させることができる。
実施の形態1の画像形成装置の駆動方法は以上のように構成されているので、以下の作用を有する。
(1)電位差設定工程で放電電極5と対向電極21との間に放電制御電圧E0に相当する電位差を設定して電界を形成することにより放電に備えることができ、放電電極加熱工程で画像情報に基づいて放電電極5を選択的に加熱するだけで放電を発生させることができるので、高電圧の制御が不要で、容易に放電の発生を制御することができる。
(2)ヘッド側電圧印加工程において放電電極5に印加した駆動用電圧のピークのタイミングと、放電電極加熱工程において放電電極5を選択的に加熱するタイミングを同期させることにより、確実に放電を発生させてイオンの発生量のばらつきを低減することができ画像品質の信頼性に優れると共に、放電電極5に不必要な電圧を印加することがなく省エネルギー性に優れる。
(3)ヘッド側電圧印加工程における駆動用電圧のピークの発生を一印字周期内で複数回繰返すことにより、それに同期させて加熱手段13による加熱を複数回に分割して繰返すことができ、放電量が多くなる加熱の立ち上がりの回数を増加させることができるので、全体としてのイオン発生量を増加させることができ、放電発生の効率性に優れる。
(4)一印字周期T内で繰返す駆動用電圧のピークの発生回数を制御するだけでイオン発生量を簡便に精度よく制御でき、階調記録を行って高品質な画像を形成することができる。
(5)一印字周期T内で駆動用電圧のピークの発生を複数回繰返すことにより、放電回数を増加させて全体としてのイオン発生量を増加させることができるので、駆動用電圧のピーク値(E0)を低く設定することや加熱手段13による加熱時間及び放電発生時間を全体として短縮することができ、放電電極の長寿命性に優れる。
(6)ヘッド側電圧印加工程で放電電極5に印加される駆動用電圧のピーク時に、放電電極加熱工程による放電電極5の加熱を行うことにより、確実に放電を発生させることができ、特に、駆動用電圧のピークと放電電極加熱工程により加熱された放電電極5の温度のピークを略一致させた場合、最大量のイオンを発生させることができ、放電発生の効率性に優れる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2における画像形成装置の駆動方法について、以下図面を参照しながら説明する。
図7(a)は実施の形態2における画像形成装置の駆動方法のヘッド側電圧印加工程での駆動用電圧を示す図であり、図7(b)は実施の形態2における画像形成装置の駆動方法の媒体側電圧印加工程で対向電極に印加する電圧を示す図であり、図7(c)は実施の形態2における画像形成装置の駆動方法の放電電極加熱工程での放電電極の温度を示す図である。尚、実施の形態1と同様のものには同一の符号を付して説明を省略する。
図7において、実施の形態2における画像形成装置の駆動方法が実施の形態1と異なるのは、電位差設定工程のヘッド側電圧印加工程に同期させて対向電極21に放電制御電圧E0の一部を印加する媒体側電圧印加工程を有する点である。
このとき、放電電極5と対向電極21との間の電位差のピークは放電制御電圧E0に保たれており、放電電極5に印加される駆動用電圧のピーク値E1と対向電極21に印加される電圧E2との間には、E1−E2=E0の関係が成り立っている。
このように放電電極5と対向電極21との間に設定される放電制御電圧E0が、放電電極5と対向電極21に分配されて印加されている以外は、実施の形態1と同様なので説明を省略する。
尚、本実施の形態では、実施の形態1における駆動用電圧のDCバイアス分に相当する電圧E2を全て対向電極21に印加したが、一部のみを印加してもよい。
実施の形態2の画像形成装置の駆動方法は以上のように構成されているので、実施の形態1の作用に加え、以下の作用を有する。
(1)ヘッド側電圧印加工程に同期させて対向電極21に放電制御電圧E0の一部を印加する媒体側電圧印加工程を行うことにより、放電電極5に直接印加される駆動用電圧E1を低減することができ、放電電極5の長寿命性に優れると共に、記録媒体20の種類や特性等に応じて対向電極21に印加する電圧値E2を最適に調整して高品質な画像を形成することができ、汎用性に優れる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3における画像形成装置の駆動方法について、以下図面を参照しながら説明する。
図8(a)は実施の形態3における画像形成装置の駆動方法のヘッド側電圧印加工程での駆動用電圧を示す図であり、図8(b)は実施の形態3における画像形成装置の駆動方法の媒体側電圧印加工程で対向電極に印加する電圧を示す図であり、図8(c)は実施の形態3における画像形成装置の駆動方法の放電電極加熱工程での放電電極の温度を示す図である。尚、実施の形態1又は2と同様のものには同一の符号を付して説明を省略する。
図8において、実施の形態3における画像形成装置の駆動方法が実施の形態2と異なるのは、媒体側電圧印加工程で対向電極21に印加される電圧がDCバイアスではなく、ピーク値がE4の三角波である点である。
このとき、放電電極5と対向電極21との間の電位差のピークは放電制御電圧E0に保たれており、放電電極5に印加される駆動用電圧のピーク値E3と対向電極21に印加される電圧E4との間には、E3−E4=E0の関係が成り立っている。
このように放電電極5と対向電極21との間に設定される放電制御電圧E0が、放電電極5と対向電極21に分配されて印加されている以外は、実施の形態1及び2と同様なので説明を省略する。
尚、放電電極5に印加される駆動用電圧のピーク値E3と、対向電極21に印加される電圧E4との比は、記録媒体20の種類や特性等に応じて適宜、選択することができる。
実施の形態3の画像形成装置の駆動方法は以上のように構成されているので、実施の形態2の作用に加え、以下の作用を有する。
(1)媒体側電圧印加工程をヘッド側電圧印加工程に同期させ、非印字状態では対向電極21に電圧が印加されないようにすることにより、不具合等により印字が中断或いは停止した際に、安全に記録媒体20を取り除くことができ、メンテナンス性に優れる。
(2)対向電極21に印加される電圧が三角波であることにより、駆動用電圧と同期させてイオン生成量を細かく制御することができ、階調性に優れる。
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4における画像形成装置の駆動方法について、以下図面を参照しながら説明する。
図9(a)は実施の形態4における画像形成装置の駆動方法のヘッド側電圧印加工程での駆動用電圧を示す図であり、図9(b)は実施の形態4における画像形成装置の駆動方法の放電電極加熱工程での放電電極の温度を示す図である。尚、実施の形態1と同様のものには同一の符号を付して説明を省略する。
図9において、実施の形態4における画像形成装置の駆動方法が実施の形態1と異なるのは、ヘッド側電圧印加工程で放電電極5に印加される駆動用電圧が矩形波である点と、駆動用電圧の印加後に駆動用電圧と逆極性の補助電圧を放電電極5に印加している点である。
このとき、補助電圧は放電によって発生した余分な電子やイオンを放電電極5に引き寄せることができる程度の小さな電圧(E5)でよい。例え補助電圧が印加されている状態で放電電極5が加熱されても放電が発生しないようにその電圧値E5を設定することにより、不要な電子やイオンが発生することがなく信頼性に優れる。
このように駆動用電圧の印加後に補助電圧が印加されている以外は、実施の形態1と同様なので説明を省略する。
尚、本実施の形態では、放電電極5に印加される駆動用電圧のピーク後に補助電圧を印加したが、駆動用電圧のピーク前に補助電圧を印加することもできる。また、放電制御電圧E0に相当する電圧を全て駆動用電圧として放電電極5に印加する代わりに、実施の形態2と同様にその一部を対向電極21に印加してもよい。
実施の形態4の画像形成装置の駆動方法は以上のように構成されているので、実施の形態1の作用に加え、以下の作用を有する。
(1)ヘッド側電圧印加工程において放電電極5に印加される駆動用電圧のピーク後に駆動用電圧のピークと逆極性の補助電圧を放電電極5に印加することにより、駆動によって発生した余分な電子やイオンをその駆動直後に回収して次の駆動(駆動用電圧の印加)に備えることができ、駆動周期が長い場合でも電子やイオンが浮遊することがなく、信頼性に優れる。
本発明は、放電電極に電圧を印加するタイミングと放電電極を加熱するタイミングを制御することにより、放電を効率的に発生させることができ、省エネルギー性に優れると共に、イオンの発生量を精度よく制御して簡便に階調記録を行うことができ、高解像度で高品質な画像を形成することが可能な画像形成装置及びその駆動方法の提供を行って、静電現像方式の記録媒体の普及を図ることができる。

Claims (5)

  1. 電子放出部位を有する放電電極と前記放電電極を選択的に加熱する加熱手段とを有する加熱放電型印字ヘッドと、前記加熱放電型印字ヘッドの前記放電電極に放電制御電圧の一部として電圧のピークが周期的に変化する駆動用電圧を印加するヘッド側電圧印加部と,電荷の作用により書き込みや消去が可能な記録媒体を挟んで前記放電電極に対向配置された対向電極に選択的な接地又は電圧印加を行う媒体側電圧制御部と,を有し前記加熱放電型印字ヘッドの前記放電電極と前記対向電極との両電極間に放電制御電圧に相当する電位差を任意に分配し電界を形成する電位差設定部と、前記加熱手段を制御し前記駆動用電圧の前記ピ−ク時に前記加熱手段による前記放電電極の加熱を行うドライバICと、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載の画像形成装置の駆動方法であって、前記電位差設定部により前記加熱放電型印字ヘッドの前記放電電極と前記対向電極との両電極間に放電制御電圧に相当する電位差を任意に分配し電界を形成する電位差設定工程と、画像情報に基づいて前記加熱手段で前記放電電極を選択的に加熱する放電電極加熱工程と、を有し、前記電位差設定工程のヘッド側電圧印加工程において前記電位差設定部の前記ヘッド側電圧印加部により前記放電電極に印加される前記駆動用電圧の前記ピ−ク時に、前記放電電極加熱工程において前記加熱手段による前記放電電極の加熱を行うことを特徴とする画像形成装置の駆動方法。
  3. 前記ヘッド側電圧印加工程で前記放電電極に印加される前記駆動用電圧が、一印字周期内に複数回繰返し発生する電圧のピークを有することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置の駆動方法。
  4. 前記電位差設定工程において、前記ヘッド側電圧印加工程で前記放電制御電圧の少なくとも一部を前記放電電極に分配し、残りを媒体側電圧印加工程で前記対向電極に分配するか、前記媒体側電圧印加工程で前記放電制御電圧の少なくとも一部を前記対向電極に分配し、残りを前記ヘッド側電圧印加工程で前記放電電極に分配することを特徴とする請求項2又は3に記載の画像形成装置の駆動方法。
  5. 前記ヘッド側電圧印加工程において前記放電電極に印加される前記駆動用電圧に周期的に発生する前記ピークの前若しくは前記ピークの後の少なくともいずれか一方で前記駆動用電圧の前記ピークと逆極性の補助電圧を前記放電電極に印加することを特徴とする請求項2乃至4の内いずれか1項に記載の画像形成装置の駆動方法。
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