JP4575922B2 - 加熱放電型印字ヘッド及びそれに用いる放電ユニット - Google Patents

加熱放電型印字ヘッド及びそれに用いる放電ユニット Download PDF

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Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、繰り返し記録可能な静電現像方式の記録媒体に放電の作用により静電潜像を形成するための加熱放電型印字ヘッド及びそれに用いる放電ユニットに関するものである。
【0002】
近年、(特許文献1)に示すように、電子写真方式とは別方式の静電潜像形成方式である、イオン照射方式が開発されてきている。
電子写真方式が一様帯電+露光という2工程を用いて、一様帯電した感光体上の露光した部分の電荷を逃がすことで、静電潜像担持体としての感光体上に静電潜像を形成するのに対して、イオン照射方式ではイオン発生可能な雰囲気中(大気中等)においては、放電電極からの放電に伴い発生するイオンの照射による選択的帯電(静電潜像形成帯電)のみで静電潜像担持体(絶縁体であれば良いので、必ずしも感光体である必要はない)上に静電潜像の形成を完了できるので、ポリゴンミラー等の露光光学系を全く必要としない、より簡素化された静電潜像形成方式である。
このような加熱放電方式の一形態であるイオン照射方式による静電潜像形成方式を応用したものは、表面に形成された静電潜像の電荷の作用により内部に可視像が出現する静電現像方式の記録媒体に対して、静電潜像をイオン照射により直接形成して潜像を顕像に変化させることができる。
特に、(特許文献1)や(特許文献2)に示すような放電電極への選択的加熱で放電を行わせる加熱放電方式は、加熱の制御に5V駆動のような低耐電圧対応のドライバICが使用できるので、放電の制御の観点からは最も優れた制御方式である。そのため、一般的にデジタルペーパと称される静電現像方式の記録媒体に非接触で書き込むには、(特許文献2)に示すものは現在考え得る最適な印字ヘッドである。
因に、現時点におけるデジタルペーパとしては、微小なボールを二色(例えば白黒)に色分けし、各色の電気特性の違いによりボールを回転して任意の一色を表示するツイストボール方式、微小なボール中に二色(例えば白黒)の微粉末を混入し、各色の微粉末が持つ電気特性の違いにより一色のみを浮上させて表示する電気泳動方式、液晶板あるいは微小な液晶ブロックの液晶シャッターを開閉して、シャッターを開けた部分の背景色を表示する液晶方式等がある。
【特許文献1】
特開2003−326756号公報
【特許文献2】
特願2004−069350号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
[0003]
しかしながら、上記従来の印字ヘッドでは以下の課題を有していた。
(1)セラミック等の硬い基板上に放電電極を加熱するための発熱体を有する発熱部を下層に、発熱部を絶縁するための保護膜を中間層に、放電電極を有する放電部を上層に積層してヘッド基板を形成しているが、このような硬いヘッド基板は湾曲させることができないので、ヘッド基板の形状次第で印字ヘッドの形状が決まることになる。
(2)そのため、(特許文献2)に示すような水平プリンタ対応型の印字ヘッドを製造するには、印字ヘッドの形状を決めるためのセラミック等の素材を用いた非平面の基板の形成技術上の制約及び、非平面の基板への発熱部や放電部等の放電デバイスの形成技術上の制約を受け、加工性、設計自在性、量産性に欠けるという課題を有していた。
[0004]
本発明は上記従来の課題を解決するもので、基板自体に柔軟性を持たせることにより、平面状態の基板に放電デバイスを形成した後に、放電デバイスを形成した基板を所望の形状に加工することができ加工性、組立作業性に優れ、基板及び放電デバイスの形成技術上の制約を克服することができる設計自在性、量産性、実用性に優れた加熱放電型印字ヘッドに用いられるヘッド基板とそれを用いた放電制御装置及びその放電制御装置を備えた加熱放電型印字ヘッド、並びに発熱ユニットと組み合わせることによりヘッド基板を得ることができる放電ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために本発明の加熱放電型印字ヘッド及びそれに用いる放電ユニットは、以下の構成を有している。
本発明の請求項1に記載の加熱放電型印字ヘッドは、放電制御電圧が印加された放電電極を温度制御することにより前記放電電極から放電を発生させる加熱放電型印字ヘッドであって、(a)耐熱性及び絶縁性を有するフレキシブル基板と、前記フレキシブル基板の上に形成された発熱体を有する発熱部と、前記発熱部を被覆した耐熱性及び絶縁性を有するフレキシブル薄膜と、前記フレキシブル薄膜の上に形成され前記発熱体により加熱される前記放電電極を有する放電部と、を備えたヘッド基板と、(b)前記ヘッド基板の前記発熱部の前記発熱体の発熱を制御するドライバICと、を有する放電制御装置と、を備え、前記放電部の前記放電電極が、前記発熱体で加熱されることにより放電が発生する放電発生部を備え、前記放電電極の前記放電発生部の配置面と、前記ドライバICの配置面とが同一平面上にない構成を有している。
この構成により、以下のような作用を有する。
(1)発熱部や放電部等の放電デバイスを形成したフレキシブル基板は所望の形状に加工できるので、平面状態のフレキシブル基板へ技術的に容易な方法で放電デバイスを形成した後にフレキシブル基板ごと所望の形状に加工すれば、平易な技術を用いて所望の形状(従来は高度な技術を要した)の加熱放電型印字ヘッドを製造できるので、生産性に優れる。
(2)放電制御電圧が印加された放電電極をフレキシブル薄膜で絶縁された発熱体により加熱制御することができ、加熱された放電電極から熱電子が放出されると共に放電や発光が起こり、イオン生成可能な雰囲気中においてはイオン発生量を制御することができ、静電現像方式のデジタルペーパ等の専用の記録媒体に記録を行うことができる。
(3)発熱部を被覆するフレキシブル薄膜が耐熱性及び絶縁性を有することにより、発熱体の発する熱で熱変形することがなく、発熱体及び発熱体に接続された電極を保護して放電電極との絶縁性を確保でき、放電電極の加熱を行うことができる。
(4)発熱体に選択的に通電して発熱体の発熱を制御するドライバICを備えているので、発熱体の発熱を低電圧で制御することができると共に、放電電極に印加する電圧自体を引き下げることができ、放電制御装置の小型化、長寿命化を図ることができる。また、加熱放電型印字ヘッドとしての量産性、信頼性に優れる。
(5)ヘッド基板は当然ながら柔軟性に富んでいるため、平面状態から放熱板の端面部,縁部,隆起部の形状に合わせて湾曲或いは折曲する等して容易に加工する(変形させる)ことができ、放電部や発熱部等の放電デバイスの形成技術上の制約を受けることなく、加熱放電型印字ヘッドを得ることができる。
(6)ドライバICが放熱板の表面若しくは放熱板と同一平面上に配置されている場合、放電電極の放電発生部をドライバICの配置面と異なる面に配置して、放電電極の放電発生部の配置面とドライバICの配置面とが同一平面上にないようにすることができるので、加熱放電型印字ヘッドの配置の自由度を増大させることができ、汎用性を向上させることができる。
(7)デジタルペーパ等のように湾曲させない方がよい記録媒体をドライバICと干渉させることなく直線状に搬送することができるので、水平プリンタに好適に用いることができる。また、多種多様な形状の静電潜像担持体に対し最適な位置から静電潜像を形成できるので、汎用性、画像品質の信頼性に優れる。
[0006]
ここで、加熱放電型印字ヘッドにおいては、フレキシブル基板上に発熱部や放電部等の放電デバイスを形成したものがヘッド基板となり、放電制御電圧が印加された放電電極を温度制御することにより放電電極から放電を発生させる。
フレキシブル基板及びフレキシブル薄膜としては、耐熱性及び絶縁性を有する薄膜樹脂であればよく、ポリイミド,芳香族ポリアミド,ポリフェニレンオキシド,ポリベンズイミダゾール,ボリフェニルキノキサリン,ポリアリレート,ポリエーテルイミド,ポリエーテルスルフォン,ポリフェニレンサルファイド,ポリエーテルエーテルケトン,アラミド等が好適に用いられる。発熱部の加熱条件によっても異なるが、最大で300℃〜400℃程度の耐熱性があれば、発熱部の加熱に耐えることができる。また、放電電極に印加する電圧に応じた絶縁性が必要となるが、フレキシブル基板やフレキシブル薄膜単独で十分な絶縁性を確保できない場合は、柔軟性と放電電極への熱伝達性を妨げない範囲で絶縁膜を形成する等すればよい。
放電電極に印加する電圧とフレキシブル基板の絶縁破壊電圧との関係にもよるが、フレキシブル基板の厚さとしては、6μm〜20μmが好ましい。フレキシブル基板の厚さが6μmより薄くなるにつれ取り扱いが困難になり、量産性、耐久性が低下し易くなる傾向があり、20μmより厚くなるにつれ放電電極への熱伝達効率が低下し易くなる傾向があり、いずれも好ましくない。尚、フレキシブル基板及びフレキシブル薄膜の絶縁破壊電圧が、100kV/mm〜300kV/mm程度であれば、放電の発生に必要な電圧を印加することが可能である。
【0007】
放電電極に印加する放電制御電圧とは、印加しただけでは放電は起こらないが、加熱することにより放電が起こる電圧域を言う。放電電極に放電制御電圧を印加すると共に、発熱部で加熱を行うことにより放電の発生を制御できるので、発熱部による加熱箇所を選択することで容易に任意の放電電極或いは放電電極の任意の位置(放電発生部)から選択的に放電を発生させることができ、放電電極の形状の自在性に優れる。尚、放電部の内、発熱部による加熱位置近傍が放電発生部となる。
加熱放電型印字ヘッドの放電部は、複数の放電発生部を有する放電電極を長方形状や正方形状等の一枚の平板状に形成する以外に、複数の放電電極の一端部を共通電極で接続し櫛歯状に形成したり、複数の放電電極の両端部を共通電極で接続し梯子状に形成したりできる。特に放電部を平板状に形成した場合、発熱部により加熱された箇所が放電発生部となるため、放電部と発熱部との細かな位置合わせをすることなく確実に放電を発生させることができ、信頼性、量産性に優れる。また、放電電極近傍に共通電極を設けることで、放電部の放熱面積の拡大及び、熱容量の増大により、放電電極の冷却効果、加熱停止に対する応答性が向上し、また、抵抗値の低減により常に安定した電圧を印加できるので、放電の安定性等を更に向上させることができる。
【0008】
特に、櫛歯状や梯子状のように放電部の共通電極の幅を放電電極の幅より幅広に形成した場合、一時的に100〜300℃に加熱される放電電極の冷却効果が向上し熱の籠りを防ぐことができるので、加熱のオフに迅速に応答して放電を停止でき、放電時間間隔を短縮して短時間で放電の有無を切替えることができる。また、共通電極の抵抗値を引き下げることができ、共通電極で接続された各々の放電電極の間に生じる電位差を極力抑えることができるので、各々の放電電極における放電量のばらつきを低減でき、放電の安定性に優れる。
また、放電部の内の少なくとも共通電極の表面には導電材層を形成してもよい。これにより、共通電極の抵抗値を更に引き下げることができ、各々の放電電極間に生じる電位差を確実に低減でき、放電の安定性に優れる。導電材層は放電部よりも優れた導電性を有するものであればよく、銀ペーストのスクリーン印刷や銀メッキ等により容易に形成することができる。導電材層の厚みを増すことにより、共通電極の抵抗値を低減でき、放電の安定性を向上させることができる。
【0009】
放電部を櫛歯状に形成する場合、放電電極の形状は、略矩形状、台形状、砲弾状、半円形状あるいはこれらを組合せた形状等に形成することができる。また、放電電極の一部をスリット等で分割したり、周縁部に凹凸部を形成したりすることで放電電極の縁周辺の周長を増加させることができる。放電電極は縁周辺からの放電量が多いので、縁周辺の周長を長くすることで、放電電極からの放電量を増加させることができ、照射されるイオン量や発光強度を増加させることができ、放電制御装置の省エネルギー性、効率性に優れる。また、放電電極への印加電圧を小さく設定できるので、放電電極の長寿命性にも優れる。
放電電極の端部を分割したり周縁部に凹凸部を形成したりする代りに、発熱体の加熱位置に対応させて放電孔部を形成してもよい。これにより、放電孔部の縁周辺から放電を発生させることができ、放電電極の端部を分割するのと同様の作用を得ることができる。放電孔部の形状は、略円形、略楕円形、四角形や六角形等の多角形、星形など様々な形状に形成することができる。また、加熱箇所1箇所当たりの放電孔部の数、形状、大きさ等は適宜選択して組合せることができる。
【0010】
放電電極及び共通電極としては、金、銀、銅、アルミニウム等の金属を、蒸着、スパッタ、印刷、メッキ等で形成した後、必要に応じてエッチングしてパターン形成するもの等が好適に用いられる。また、その他にカーボン等の導電材料を用いてもよい。
放電電極の厚さは材質や使用する記録媒体の特性等によっても異なるが、放電電極を金で形成する場合の厚さは0.1μm〜100μmが好ましい。放電電極の厚さが0.1μmより薄くなるにつれ摩耗の影響を受け易く放電電極の寿命が短くなる傾向があり、100μmより厚くなるにつれ熱容量が増加し加熱のオン/オフに対する応答性が低下し易くなる傾向があり、いずれも好ましくない。
[0011]
【0012】
発熱体を櫛歯状やマトリックス状等のパターンに形成された電極で電気的に接続した場合、1つの発熱体の中で任意の放電電極に対応する箇所又は個々の放電電極に対応する複数の発熱体の内の任意の発熱体に選択的に通電して発熱させることができる。
発熱体としては、TaSiO2、RuO2等が好適に用いられる。
ドライバICと発熱部とを電気的に接合し、ドライバICで発熱部の発熱体への加熱を制御するのが加熱手段であり、加熱手段による放電部の放電電極への加熱の制御により、放電部の放電電極からの放電を制御するのが加熱放電方式の放電制御装置である。
加熱手段としては、従来の感熱式のファクシミリに使用されるサーマルプリントヘッドと同様の構成を好適に用いることができる。例えば、複数の放電電極にまたがって配設された1つの発熱体の任意の箇所を選択的に発熱させるものや複数の放電電極に対応して個別に配設された複数の発熱体を選択的に発熱させるものがある。
【0013】
加熱放電型印字ヘッドは、放電制御装置と共に外部と電気的に接続するためのコネクタを備えたプリント配線基板をアルミニウム等の材質で形成した放熱板に配設して得られる。
また、放電制御装置のヘッド基板を放熱板に配設することで、発熱部で発生した熱を速やかに放熱板に吸収し、放熱板から放熱することができるので、発熱部の急速冷却が可能となる。この結果、加熱停止に対応する放電停止の応答性を向上させることができる。加えて、ドライバIC等を熱から守ることができ信頼性に優れる。放電制御装置やプリント配線基板の取り付けに影響しない範囲で、放熱板の表面に溝等により凹凸を形成した場合、放熱板の表面積を拡大することができ、放熱の効率性を向上させることができる。
この加熱放電型印字ヘッドによれば、静電潜像の形成や酸化還元反応による画像の形成も可能である。また放電に伴う発光によれば、紫外線や可視光線等で画像を形成するフォトクロミック化合物を用いたデジタルペーパ等を記録媒体として使用することができる。
尚、ドライバICの表面にはドライバICを保護するためにICカバーを覆設してもよい。これにより、ドライバICと記録媒体等が接触するのを確実に防止でき信頼性に優れる。
加熱放電型印字ヘッドからの放電に伴うイオンの照射によって記録を行う記録媒体の裏側には、加熱放電型印字ヘッドの放電電極と記録媒体間に電界をかけるための接地電極部又は正電圧を印加する正電圧印加部を配設することが好ましい。接地電極部を設けることで、加熱放電型印字ヘッドの放電電極から記録媒体に向かってイオンを照射させることができる。また、負のイオンを照射する場合に、正電圧印加部を設けることで、記録媒体側に正電圧を印加することができ、同様な効果を得ることができる。これにより、加熱放電型印字ヘッドによって印字される単位ドットを微細化することができると共に、照射位置精度を向上させることができ、高精細な記録を行うことができる。
【0014】
放電制御装置のヘッド基板が柔軟性を有するので、放熱板の形状に合わせて湾曲或いは折曲する等して放熱板への固定を行うことができる。このため、放電電極の放電発生部を放熱板の表面と略直交する放熱板の端面部、放熱板の表面に突出し緩やかな丘状等に形成された隆起部、放熱板の表面と略鈍角をなす放熱板の縁部等の様々な位置に容易に配置することができ、設計自在性、生産性に優れる。
放電制御装置のヘッド基板のフレキシブル基板上に放電部及び発熱部が形成され、平面状であるか又は湾曲或いは折曲されて変形されている場合、ヘッド基板は共通のままで、放熱板の形状に応じてヘッド基板の貼り付け位置を変えるだけで様々な形態の加熱放電型印字ヘッドを得ることができ、汎用性、量産性に優れる。
【0015】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の加熱放電型印字ヘッドであって、前記ヘッド基板が、前記フレキシブル薄膜の両面の内の少なくとも一方の面に形成された絶縁膜を備えている構成を有している。
この構成により、請求項1の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)発熱部と放電部とを絶縁するフレキシブル薄膜にピンホールが生じていても、フレキシブル薄膜に絶縁膜を形成することで発熱部と放電部との絶縁性を確保でき信頼性に優れる。
[0016]
ここで、絶縁膜はSiON,SiO等の無機質で薄膜を形成しても良いし、その他の絶縁性を有する材質(有機・無機を問わず)で薄膜を形成しても良い。特に、発熱体の熱を効率よく放電電極に伝達することができる高熱伝導性のものが好ましい。特に、複数回に分けて重ね塗りして絶縁膜を形成した場合、一回毎の塗りでピンホールが発生したとしても、重ね塗りすることでピンホール同士が重なる可能性を低減することができ、確実に発熱部を絶縁することができるので信頼性に優れる。
【0017】
本発明の請求項3に記載の加熱放電型印字ヘッドは、放電制御電圧が印加された放電電極を温度制御することにより前記放電電極から放電を発生させる加熱放電型印字ヘッドであって、(a)耐熱性及び絶縁性を有するフレキシブル基板と、前記フレキシブル基板の両面の内の一方の面側に形成された前記放電電極を有する放電部と、前記フレキシブル基板の両面の内の他方の面側に形成され前記放電電極を加熱する発熱体を有する発熱部と、を備えたヘッド基板と、(b)前記ヘッド基板の前記発熱部の前記発熱体の発熱を制御するドライバICと、を有する放電制御装置と、を備え、前記放電部の前記放電電極が、前記発熱体で加熱されることにより放電が発生する放電発生部を備え、前記放電電極の前記放電発生部の配置面と、前記ドライバICの配置面とが同一平面上にない構成を有している。
この構成により、以下のような作用を有する。
(1)発熱部や放電部等の放電デバイスを形成したフレキシブル基板は所望の形状に加工でき加工自在性、普遍性に富むので、平面状態のフレキシブル基板へ技術的に容易な方法で放電デバイスを形成した後にフレキシブル基板ごと所望の形状に加工すれば、平易な技術を用いて所望の形状(従来は高度な技術を要した)の加熱放電型印字ヘッドを製造でき、生産性に優れる。
(2)放電制御電圧が印加された放電電極をフレキシブル基板で絶縁された発熱体により加熱制御することができ、加熱された放電電極から熱電子が放出されると共に放電や発光が起こり、イオン生成可能な雰囲気中においてはイオン発生量を制御することができ、静電現像方式のデジタルペーパ等の専用の記録媒体に記録を行うことができる。
(3)フレキシブル基板を挟んで発熱部と放電部を形成するので、別途、発熱部と放電部を絶縁するためのフレキシブル薄膜を形成する必要がなく生産工数を低減できると共に、フレキシブル基板を介して発熱部と放電部とが完全に密着するので、熱の伝達効率が良くなり、加熱の効率性に優れる。
(4)フレキシブル基板が耐熱性及び絶縁性を有することにより、発熱体の発する熱で熱変形することがなく、発熱体及び発熱体に接続された電極を保護して放電電極との絶縁性を確保でき、放電電極の加熱を行うことができる。
(5)発熱体に選択的に通電して発熱体の発熱を制御するドライバICを備えているので、発熱体の発熱を低電圧で制御することができると共に、放電電極に印加する電圧自体を引き下げることができ、放電制御装置の小型化、長寿命化を図ることができる。また、加熱放電型印字ヘッドとしての量産性、信頼性に優れる。
(6)ヘッド基板は当然ながら柔軟性に富んでいるため、平面状態から放熱板の端面部,縁部,隆起部の形状に合わせて湾曲或いは折曲する等して容易に加工する(変形させる)ことができ、放電部や発熱部等の放電デバイスの形成技術上の制約を受けることなく、加熱放電型印字ヘッドを得ることができる。
(7)ドライバICが放熱板の表面若しくは放熱板と同一平面上に配置されている場合、放電電極の放電発生部をドライバICの配置面と異なる面に配置して、放電電極の放電発生部の配置面とドライバICの配置面とが同一平面上にないようにすることができるので、加熱放電型印字ヘッドの配置の自由度を増大させることができ、汎用性を向上させることができる。
(8)デジタルペーパ等のように湾曲させない方がよい記録媒体をドライバICと干渉させることなく直線状に搬送することができるので、水平プリンタに好適に用いることができる。また、多種多様な形状の静電潜像担持体に対し最適な位置から静電潜像を形成できるので、汎用性、画像品質の信頼性に優れる。
ここで、請求項3の加熱放電型印字ヘッドにおけるヘッド基板は、フレキシブル基板,放電部,発熱部の配置が請求項1と異なるだけで、材質、形状、形成方法などについては請求項1と同様であるので、説明を省略する。
【0018】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の加熱放電型印字ヘッドであって、前記ヘッド基板が、前記発熱部を被覆した耐熱性及び絶縁性を有するフレキシブル薄膜を備えている構成を有している。
この構成により、請求項3の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)発熱部をフレキシブル薄膜で被覆することにより、高温になる発熱部が剥き出しになるのを防止でき、発熱部と外部との絶縁性を確保でき安全性に優れる。
ここで、フレキシブル薄膜は請求項1と同様なので説明を省略する。
【0019】
本発明の請求項5に記載の加熱放電型印字ヘッドは、放電制御電圧が印加された放電電極を温度制御することにより前記放電電極から放電を発生させる加熱放電型印字ヘッドであって、(a)耐熱性及び絶縁性を有するフレキシブル基板と、前記フレキシブル基板の両面の内の一方の面側に形成された前記放電電極を有する放電部と、を備えた放電ユニットと、(b)耐熱性及び絶縁性を有するフレキシブル基板又はセラミック等の硬い基板と、前記フレキシブル基板又は前記硬い基板上に形成された発熱体を有する発熱部と、を備えた発熱ユニットと、を有し、前記放電ユニットの前記フレキシブル基板の両面の内の他方の面側に前記発熱ユニットが配設されたヘッド基板と、前記ヘッド基板の前記発熱部の前記発熱体の発熱を制御するドライバICを有する放電制御装置と、を備えた構成を有している。
この構成により、請求項3の(1)乃至(5)と同様の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)放電ユニットと発熱ユニットとを別個の部品として製造できるので、各々のユニットの製造工程を簡素化でき、歩留まりを向上でき量産性に優れる。
(2)放電ユニットと発熱ユニットのそれぞれの特性のばらつきを考慮して組み合わせることにより、加熱放電型印字ヘッドとしての特性のばらつきを低減してほぼ均一な性能を得ることができ実用性、量産性に優れる。
【0020】
ここで、請求項5に記載の加熱放電型印字ヘッドにおけるヘッド基板は、放電部を有する放電ユニットと、発熱部を有する発熱ユニットとを別個に形成し、それらを合体させてヘッド基板とする放電デバイス分離型であるが、フレキシブル基板,放電部,発熱部の材質、形状、形成方法などについては請求項1と同様であるので、説明を省略する。
尚、発熱ユニットの発熱部については、放電ユニットと同様に柔軟性を有するフレキシブル基板上に形成しても良いし、セラミック等の硬い基板上に形成しても良い。
放電ユニットと発熱ユニットは、基板同士を耐熱性を有する接着剤で接着することにより固定することができる。また、放電ユニットと発熱ユニットの位置決めは、いずれか一方の基板に位置決めピンを突設し、ピン嵌合することにより行うことができる。
【0021】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の加熱放電型印字ヘッドであって、前記ヘッド基板の前記放電ユニットと前記発熱ユニットが着脱自在に配設されている構成を有している。
この構成により、請求項5の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)放電ユニットと発熱ユニットが着脱自在であることにより、いずれか一方に不具合が発生した場合に、容易に交換或いは修理を行うことができ、特に放電電極が摩耗した際には、放電ユニットの取り替えで対応できるので、加熱放電型印字ヘッドのランニングコストを低減でき、メンテナンス性、省資源性に優れる。
ここで、放電ユニットと発熱ユニットの位置決めは、前述と同様にピン嵌合で行うことができる。位置決め後に放電ユニットと発熱ユニットの長手方向の両端部や外周部等を着脱自在な固定治具で挟み、ピン嵌合やねじ止め等の着脱自在な固定手段で固定することができる。
【0022】
請求項7に記載の発明は、請求項3乃至6の内いずれか1項に記載の加熱放電型印字ヘッドであって、前記ヘッド基板が、前記フレキシブル基板の両面の内の少なくとも一方の面に形成された絶縁膜を備えている構成を有している。
この構成により、請求項3乃至6の内いずれか1項の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)フレキシブル基板にピンホールが生じていても、フレキシブル基板に絶縁膜を形成することで発熱部と放電部との絶縁性を確保でき信頼性に優れる。
ここで、絶縁膜は請求項2と同様であるので、説明を省略する。
【0023】
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7の内いずれか1項に記載の加熱放電型印字ヘッドであって、前記ヘッド基板が、前記フレキシブル基板の前記放電部側に前記放電電極と絶縁されて形成された誘導電極を備えている構成を有している。
この構成により、請求項1乃至7の内いずれか1項の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)放電電極と記録媒体(アース側)との間隔が広過ぎて放電が起こりにくい場合でも、放電電極の近傍に形成された誘導電極がアースとして機能するので、放電電極から誘導電極への放電が確実に起こり、画像形成の信頼性に優れる。
[0024]
ここで、誘導電極は放電電極の放電発生部側の端部(縁)から水平方向に離間(オフセット)して形成すればよい。
発熱部と放電部をフレキシブル基板の同一面側に形成する場合は、発熱部を被覆したフレキシブル薄膜上に誘導電極を形成し、発熱部を被覆したフレキシブル薄膜と同様のフレキシブル薄膜で誘導電極を被覆した上に放電電極を形成することができる。また、発熱部を被覆したフレキシブル薄膜上に誘導電極と放電電極を並べて形成し、フレキシブル薄膜で誘導電極を被覆するようにしてもよいし、発熱部を被覆したフレキシブル薄膜上に放電電極を形成し、放電電極の放電発生部側の端部(縁)以外をフレキシブル薄膜で被覆した上に誘導電極を形成するようにしてもよい。
発熱部と放電部をフレキシブル基板を挟んで反対面に形成する場合や発熱ユニットと放電ユニットを別々に形成する場合は、放電部が形成されるフレキシブル基板上に誘導電極を形成し、フレキシブル薄膜で誘導電極を被覆した上に放電電極を形成することができる。また、フレキシブル基板上に誘導電極と放電電極を並べて形成し、フレキシブル薄膜で誘導電極を被覆するようにしてもよいし、フレキシブル基板上に放電電極を形成し、放電電極の放電発生部側の端部(縁)以外をフレキシブル薄膜で被覆した上に誘導電極を形成するようにしてもよい。
尚、誘導電極を被覆するフレキシブル薄膜上に請求項2と同様の絶縁膜を形成した場合、フレキシブル薄膜にピンホールが生じていても、誘導電極と放電部との絶縁性を確保でき信頼性に優れる。
【0025】
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至8の内いずれか1項に記載の加熱放電型印字ヘッドであって、前記ヘッド基板が、前記放電電極に放電発生部を残して被覆された耐熱性及び絶縁性を有するフレキシブル被覆膜を備えている構成を有している。
この構成により、請求項1乃至8の内いずれか1項の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)放電電極の放電発生部を残して周囲をフレキシブル被覆膜で被覆するので、放電電極の放電発生部以外の余分な箇所から放電が発生するのを防止でき、電子やイオン、紫外線を一箇所に集中して照射させることができ画像形成の効率性に優れる。
(2)放電電極の放電発生部を残してフレキシブル被覆膜を形成することにより、放電発生部表面とフレキシブル被覆膜の表面との間に段差を形成することができるので、放電電極と対向配置される記録媒体との間のギャップを一定に保つことができ、放電発生部との接触を防止でき、放電発生部からの放電を安定させることができる。
[0026]
ここで、放電部の内、発熱部の発熱体による加熱位置近傍が放電発生部となる。放電部が共通電極と放電電極を有する場合、フレキシブル被覆膜は共通電極に覆設されると共に、放電発生部を除く放電電極に覆設される。より具体的には、フレキシブル被覆膜は、放電部の放電発生部(発熱部の発熱体による加熱位置近傍)に略円形状、略楕円形状、略矩形状等に形成された開口部を有する。開口部は複数の放電発生部に対し、それぞれ独立に形成してもよいし、複数の放電発生部にまたがるように長孔状に連続させて形成してもよい。
フレキシブル被覆膜には、前述のフレキシブル薄膜と同様の材質が好適に用いられる。
【0027】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の加熱放電型印字ヘッドであって、前記ヘッド基板が、前記フレキシブル被覆膜の表面に形成された凹凸部を備えている構成を有している。
この構成により、請求項9の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)フレキシブル被覆膜の表面に多くの凹凸部を設けることにより、表面距離が伸延されて表面抵抗が増加し、電流が剥身の放電電極の放電発生部から周囲に漏電するのを防止できるので、放電制御に用いるドライバICへの悪影響も発生せず、放電制御の安定性を向上させることができる。
(2)漏電がなくなるため、放電電極に印加した印加電圧の低下がなくなり、放電の安定性、効率性に優れる。
請求項11に記載の発明は、請求項1乃至10の内いずれか1項に記載の加熱放電型印字ヘッドであって、前記放電電極の前記放電発生部の配置方式が、放熱板の端面部に前記放電電極の前記放電発生部が配置された端面型である構成を有している。
この構成により、請求項15の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)放電電極の放電発生部を放熱板の表面と略直交する放熱板の端面部に配置することができ、水平プリンタに対応できる。
請求項12に記載の発明は、請求項1乃至10の内いずれか1項に記載の加熱放電型印字ヘッドであって、前記放電電極の前記放電発生部の配置方式が、放熱板の傾斜状の縁部に前記放電電極の前記放電発生部が配置されたエッジ型である構成を有している。
この構成により、請求項1乃至10の内いずれか1項の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)ドライバICが配置された放熱板の傾斜状の縁部に放電電極の放電発生部を配置することにより、ドライバICと放電電極の放電発生部とが鈍角をなすように配置されるので、特にデジタルペーパ等のように湾曲させない方がよい記録媒体を直線状に搬送することができ、水平プリンタに好適に用いることができる。
(2)放電電極の放電発生部の配置方式がエッジ型であることにより、高さ方向に嵩張らずに加熱放電型印字ヘッドを配置することができ、多種多様な形状の静電潜像担持体に対応することができ汎用性に優れる。
請求項13に記載の発明は、請求項1乃至10の内いずれか1項に記載の加熱放電型印字ヘッドであって、前記放電電極が、前記発熱体で加熱されることにより放電が発生する放電発生部を備え、前記放電電極の前記放電発生部の配置方式が、放熱板の表面に形成された隆起部の隆起面に前記放電電極の前記放電発生部が配置された隆起型である構成を有している。
この構成により、請求項1乃至10の内いずれか1項の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)放電電極の放電発生部が、放熱板の表面に突出し緩やかな丘状に形成された隆起部の隆起面にドライバICより突出して配置された隆起型のヘッドである場合、放熱板と静電潜像担持体や記録媒体が略平行になるように加熱放電型印字ヘッドを配置した場合でも、静電潜像担持体や記録媒体とドライバICやICカバーが干渉することがなく、高さ方向の嵩張りを低減でき省スペース性に優れる。
本発明の請求項14に記載の放電ユニットは、放電制御電圧が印加された放電電極を温度制御することにより前記放電電極から放電を発生させる加熱放電型印字ヘッドに用いられる放電ユニットであって、耐熱性及び絶縁性を有するフレキシブル基板と、前記フレキシブル基板の両面の内の一方の面側に形成された前記放電電極を有する放電部と、を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用を有する。
(1)発熱ユニットに放電ユニットを合体させてヘッド基板とすることができ、発熱ユニットとしては既存のサーマルプリントヘッドを使用することもできる。
請求項15に記載の発明は、請求項14に記載の放電ユニットであって、前記放電部が、平面状、櫛歯状、梯子状の内いずれか1の形状に形成されている構成を有している。
この構成により、請求項14の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)放電部を平板状に形成した場合、発熱部により加熱された箇所が放電発生部となるため、放電部と発熱部との細かな位置合わせをすることなく確実に放電を発生させることができ、信頼性、量産性に優れる。
(2)複数の放電電極の一端部を共通電極で接続し櫛歯状に形成したり、複数の放電電極の両端部を共通電極で接続し梯子状に形成したりして、放電電極近傍に共通電極を設けることで、放電部の放熱面積の拡大及び、熱容量の増大により、放電電極の冷却効果、加熱停止に対する応答性が向上し、また、抵抗値の低減により常に安定した電圧を印加できるので、放電の安定性等を更に向上させることができる。
請求項16に記載の発明は、請求項14又は15に記載の放電ユニットであって、前記フレキシブル基板の前記放電部側に前記放電電極と絶縁されて形成された誘導電極を備えた構成を有している。
この構成により、請求項14又は15の作用に加え、請求項8と同様の作用を有する。
【0028】
以上のように、本発明の加熱放電型印字ヘッド及びそれに用いる放電ユニットによれば、以下のような有利な効果が得られる。
請求項1に記載の発明によれば、以下のような効果を有する。
(1)発熱部や放電部等の放電デバイスを平面状態のフレキシブル基板へ技術的に容易な方法で形成した後に、フレキシブル基板ごと湾曲或いは折曲する等して容易に所望の形状に加工(変形)できるので、生産工程が簡便で生産性に優れ、様々な形状に対応可能で設計自在性に優れた加熱放電型印字ヘッドを提供することができる。
(2)放電制御電圧が印加された放電電極をフレキシブル薄膜で絶縁された発熱体により加熱制御することができ、加熱された放電電極から熱電子が放出されると共に放電や発光が起こり、イオン生成可能な雰囲気中においてはイオン発生量を制御することができ、静電現像方式のデジタルペーパ等の専用の記録媒体に記録を行うことができる省エネルギー性に優れた加熱放電型印字ヘッドを提供することができる。
(3)加熱制御により容易に加熱放電型印字ヘッドからの放電に伴うイオン発生量や発光強度を制御できるので、記録媒体上での面積階調を容易に行うことができ、記録媒体の画像品質を向上させることができる高品質で信頼性に優れた加熱放電型印字ヘッドを提供することができる。
(4)発熱体に選択的に通電して発熱体の発熱を制御するドライバICを備えているので、発熱体の発熱を低電圧で制御することができると共に、放電電極に印加する電圧自体を引き下げることができ、放電制御装置の小型化、長寿命化を図ることができる。また、加熱放電型印字ヘッドとしての量産性、信頼性に優れる。
(5)ヘッド基板は当然ながら柔軟性に富んでいるため、平面状態から放熱板の端面部,縁部,隆起部の形状に合わせて湾曲或いは折曲する等して容易に加工する(変形させる)ことができ、放電部や発熱部等の放電デバイスの形成技術上の制約を受けることなく、加熱放電型印字ヘッドを得ることができる。
(6)ドライバICが放熱板の表面若しくは放熱板と同一平面上に配置されている場合、放電電極の放電発生部をドライバICの配置面と異なる面に配置して、放電電極の放電発生部の配置面とドライバICの配置面とが同一平面上にないようにすることができるので、加熱放電型印字ヘッドの配置の自由度を増大させることができ、汎用性を向上させることができる。
(7)デジタルペーパ等のように湾曲させない方がよい記録媒体をドライバICと干渉させることなく直線状に搬送することができるので、水平プリンタに好適に用いることができる。また、多種多様な形状の静電潜像担持体に対し最適な位置から静電潜像を形成できるので、汎用性、画像品質の信頼性に優れる。
【0029】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)フレキシブル薄膜の少なくとも一方の面に絶縁膜を形成することで発熱部と放電部を確実に絶縁できる信頼性に優れた加熱放電型印字ヘッドを提供することができる。
【0030】
請求項3に記載の発明によれば、以下のような効果を有する。
(1)発熱部や放電部等の放電デバイスを平面状態のフレキシブル基板へ技術的に容易な方法で形成した後に、フレキシブル基板ごと湾曲或いは折曲する等して容易に所望の形状に加工(変形)できるので、生産工程が簡便で生産性に優れ、様々な形状に対応可能で設計自在性に優れた加熱放電型印字ヘッドを提供することができる。
(2)放電制御電圧が印加された放電電極をフレキシブル基板で絶縁された発熱体により加熱制御することができ、加熱された放電電極から熱電子が放出されると共に放電や発光が起こり、イオン生成可能な雰囲気中においてはイオン発生量を制御することができ、静電現像方式のデジタルペーパ等の専用の記録媒体に記録を行うことができる省エネルギー性に優れた加熱放電型印字ヘッドを提供することができる。
(3)フレキシブル基板により発熱部と放電部を絶縁できると共に、発熱部の熱をフレキシブル基板を介して効率良く放電部に伝達することができる生産性、加熱の効率性に優れた加熱放電型印字ヘッドを提供することができる。
(4)発熱体に選択的に通電して発熱体の発熱を制御するドライバICを備えているので、発熱体の発熱を低電圧で制御することができると共に、放電電極に印加する電圧自体を引き下げることができ、放電制御装置の小型化、長寿命化を図ることができる。また、加熱放電型印字ヘッドとしての量産性、信頼性に優れる。
(5)ヘッド基板は当然ながら柔軟性に富んでいるため、平面状態から放熱板の端面部,縁部,隆起部の形状に合わせて湾曲或いは折曲する等して容易に加工する(変形させる)ことができ、放電部や発熱部等の放電デバイスの形成技術上の制約を受けることなく、加熱放電型印字ヘッドを得ることができる。
(6)ドライバICが放熱板の表面若しくは放熱板と同一平面上に配置されている場合、放電電極の放電発生部をドライバICの配置面と異なる面に配置して、放電電極の放電発生部の配置面とドライバICの配置面とが同一平面上にないようにすることができるので、加熱放電型印字ヘッドの配置の自由度を増大させることができ、汎用性を向上させることができる。
(7)デジタルペーパ等のように湾曲させない方がよい記録媒体をドライバICと干渉させることなく直線状に搬送することができるので、水平プリンタに好適に用いることができる。また、多種多様な形状の静電潜像担持体に対し最適な位置から静電潜像を形成できるので、汎用性、画像品質の信頼性に優れる。
【0031】
請求項4に記載の発明によれば、請求項3の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)高温になる発熱部をフレキシブル薄膜で被覆することにより、外部との絶縁性を確保できる安全性に優れた加熱放電型印字ヘッドを提供することができる。
【0032】
請求項5に記載の発明によれば、請求項3の(1)乃至(4)の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)放電ユニットと発熱ユニットとを別個の部品として製造することにより、各々のユニットの製造工程を簡素化して歩留まりを向上できる量産性に優れた加熱放電型印字ヘッドを提供することができる。
(2)放電ユニットと発熱ユニットのそれぞれの特性のばらつきを考慮して組み合わせることにより、ほぼ均一な性能を得ることができる実用性、量産性に優れた加熱放電型印字ヘッドを提供することができる。
【0033】
請求項6に記載の発明によれば、請求項5の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)着脱自在な放電ユニットや発熱ユニットは、容易に交換或いは修理を行うことができ、メンテナンス性に優れると共に、各ユニットを消耗品として扱うことにより、ランニングコストを低減できる省資源性に優れた加熱放電型印字ヘッドを提供することができる。
【0034】
請求項7に記載の発明によれば、請求項3乃至6の内いずれか1項の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)フレキシブル基板の少なくとも一方の面に絶縁膜を形成することで発熱部と放電部を確実に絶縁できる信頼性に優れた加熱放電型印字ヘッドを提供することができる。
【0035】
請求項8に記載の発明によれば、請求項1乃至7の内いずれか1項の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)放電電極の近傍に形成された誘導電極がアースとして機能することにより、放電電極から誘導電極への放電を確実に発生させて記録媒体に画像を形成することができる画像形成の信頼性に優れた加熱放電型印字ヘッドを提供することができる。
【0036】
請求項9に記載の発明によれば、請求項1乃至8の内いずれか1項の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)放電電極の放電発生部以外をフレキシブル被覆膜で被覆して余分な箇所から放電が発生するのを防止することにより、電子やイオン、紫外線を一箇所に集中して照射させることができる画像形成の効率性に優れた加熱放電型印字ヘッドを提供することができる。
(2)放電発生部表面とフレキシブル被覆膜の表面との間に形成された段差により、放電発生部と記録媒体との接触を防止でき、記録媒体とのギャップを一定に保って放電発生部からの放電を安定させることができる信頼性に優れた加熱放電型印字ヘッドを提供することができる。
【0037】
請求項10に記載の発明によれば、請求項9の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)フレキシブル被覆膜の表面に多くの凹凸部を設け、表面距離を伸延させることにより、表面抵抗を増加させることができ、剥身の放電発生部から周囲に漏電するのを防止して、ドライバICによる放電制御の安定性を向上させることができる信頼性に優れた加熱放電型印字ヘッドを提供することができる。
(2)漏電を防止することにより、放電電極に印加した印加電圧(放電制御電圧)が低下するのを防止でき、放電の安定性、効率性に優れた加熱放電型印字ヘッドを提供することができる。
請求項11に記載の発明によれば、請求項1乃至10の内いずれか1項の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)放電電極の放電発生部を放熱板の表面と略直交する放熱板の端面部に配置することができ、水平プリンタに対応できる。
請求項12に記載の発明によれば、請求項1乃至10の内いずれか1項の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)ドライバICが配置された放熱板の傾斜状の縁部に放電電極の放電発生部を配置することにより、ドライバICと放電電極の放電発生部とが鈍角をなすように配置されるので、特にデジタルペーパ等のように湾曲させない方がよい記録媒体を直線状に搬送することができ、水平プリンタに好適に用いることができる。
(2)放電電極の放電発生部の配置方式がエッジ型であることにより、高さ方向に嵩張らずに加熱放電型印字ヘッドを配置することができ、多種多様な形状の静電潜像担持体に対応することができ汎用性に優れる。
請求項13に記載の発明によれば、請求項1乃至10の内いずれか1項の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)放電電極の放電発生部が、放熱板の表面に突出し緩やかな丘状に形成された隆起部の隆起面にドライバICより突出して配置された隆起型のヘッドである場合、放熱板と静電潜像担持体や記録媒体が略平行になるように加熱放電型印字ヘッドを配置した場合でも、静電潜像担持体や記録媒体とドライバICやICカバーが干渉することがなく、高さ方向の嵩張りを低減でき省スペース性に優れる。
請求項14に記載の発明によれば、以下のような効果を有する。
(1)発熱ユニットに放電ユニットを合体させてヘッド基板とすることができ、発熱ユニットとしては既存のサーマルプリントヘッドを使用することもできる。
請求項15に記載の発明によれば、請求項14の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)放電部を平板状に形成した場合、発熱部により加熱された箇所が放電発生部となるため、放電部と発熱部との細かな位置合わせをすることなく確実に放電を発生させることができ、信頼性、量産性に優れる。
(2)複数の放電電極の一端部を共通電極で接続し櫛歯状に形成したり、複数の放電電極の両端部を共通電極で接続し梯子状に形成したりして、放電電極近傍に共通電極を設けることで、放電部の放熱面積の拡大及び、熱容量の増大により、放電電極の冷却効果、加熱停止に対する応答性が向上し、また、抵抗値の低減により常に安定した電圧を印加できるので、放電の安定性等を更に向上させることができる。
請求項16に記載の発明によれば、請求項14又は15の効果に加え、請求項8と同様の効果を有する。
【図面の簡単な説明】
[0038]
[図1](a)実施の形態1における加熱放電型印字ヘッドを示す模式側面図(b)実施の形態1における加熱放電型印字ヘッドを示す要部模式斜視図
[図2]実施の形態1における加熱放電型印字ヘッドのヘッド基板の要部平面展開図
[図3](a)図2のA−A線矢視断面図(b)図2のB−B線矢視断面図
[図4]実施の形態1における加熱放電型印字ヘッドのヘッド基板の要部分解斜視図
[図5]実施の形態1における加熱放電型印字ヘッドの放電制御装置の構成図
[図6]実施の形態1における加熱放電型印字ヘッドのヘッド基板の発熱部形成工程を示す斜視図
[図7]実施の形態1における加熱放電型印字ヘッドのヘッド基板の放電部形成工程を示す斜視図
[図8](a)実施の形態1における加熱放電型印字ヘッドのヘッド基板の第1の変形例を示す模式平面図(b)図8(a)のC−C線矢視模式断面図
[図9]実施の形態1における加熱放電型印字ヘッドのヘッド基板の第2の変形例を示す模式断面図
[図10](a)は実施の形態1における加熱放電型印字ヘッドのヘッド基板の第3の変形例を示す模式平面図(b)図10(a)のD−D線矢視模式断面図
[図11](a)実施の形態1における加熱放電型印字ヘッドの第1の変形例を示す模式側面図(b)実施の形態1における加熱放電型印字ヘッドの第1の変形例を示す要部模式斜視図
【図12】(a)実施の形態1における加熱放電型印字ヘッドの第2の変形例を示す模式側面図(b)実施の形態1における加熱放電型印字ヘッドの第2の変形例を示す要部模式斜視図
【図13】実施の形態1における加熱放電型印字ヘッドのイオン照射方法を示す図
【図14】(a)実施の形態2における加熱放電型印字ヘッドを示す模式側面図(b)実施の形態2における加熱放電型印字ヘッドを示す要部模式斜視図
【図15】(a)実施の形態2における加熱放電型印字ヘッドのヘッド基板の要部平面展開図(b)図15(a)のE−E線矢視断面図
【図16】実施の形態3における加熱放電型印字ヘッドのヘッド基板の要部平面展開図
【図17】(a)図16のF−F線矢視断面図(b)図16のG−G線矢視断面図
【図18】(a)実施の形態3における加熱放電型印字ヘッドのヘッド基板の第1の変形例を示す模式平面図(b)図18(a)のH−H線矢視模式断面図
【図19】実施の形態3における加熱放電型印字ヘッドのヘッド基板の第2の変形例を示す模式断面図
【図20】(a)実施の形態3における加熱放電型印字ヘッドのヘッド基板の第3の変形例を示す模式平面図(b)図20(a)のI−I線矢視模式断面図
【図21】実施の形態4における放電デバイス分離型の加熱放電型印字ヘッドの構成図
【図22】(a)実施の形態4における放電デバイス分離型の加熱放電型印字ヘッドのヘッド基板の放電ユニットを示す模式断面図(b)実施の形態4における放電デバイス分離型の加熱放電型印字ヘッドのヘッド基板の発熱ユニットを示す模式断面図(c)実施の形態4における放電デバイス分離型の加熱放電型印字ヘッドのヘッド基板を示す模式断面図(d)実施の形態4における放電デバイス分離型の加熱放電型印字ヘッドのヘッド基板の変形例を示す模式断面図
【符号の説明】
【0039】
1a,1b,1c,1d 加熱放電型印字ヘッド
2 放熱板
3a 端面部
3b 縁部
3c 隆起部
4,4a,4b,4c,4d,4e,4f,4g,4h,4i,4j ヘッド基板
5 放電部
5a 放電電極
5b 共通電極
6 ドライバIC
7 放電制御装置
8 プリント配線基板
8a コネクタ
9 ICカバー
9a 高圧基板
10 フレキシブル基板
10a,14a,19a 絶縁膜
11 発熱用共通導体パターン
11a 発熱用櫛歯電極
11b 発熱用共通電極
12 発熱用個別電極
12a ボンディングパッド
13 発熱部
13a 発熱体
14,19,20 フレキシブル薄膜
15 放電発生部
16 加熱手段
17 フレキシブル被覆膜
17a 開口部
17b 凹凸部
18 誘導電極
21 放電ユニット
22 発熱ユニット
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1における加熱放電型印字ヘッドについて、以下図面を参照しながら説明する。
図1(a)は実施の形態1における加熱放電型印字ヘッドを示す模式側面図であり、図1(b)は実施の形態1における加熱放電型印字ヘッドを示す要部模式斜視図である。
図1中、1aは本発明の実施の形態1における水平プリンタ対応型の部類の端面型の加熱放電型印字ヘッド、2はアルミニウム等の材質で形成した加熱放電型印字ヘッド1aの放熱板、3aは放熱板2の先端に形成された円弧状の端面部、4は後述するフレキシブル基板に後述する発熱部や放電部15等の放電デバイスが積層され放熱板2に配設された加熱放電型印字ヘッド1aのヘッド基板、5aは櫛歯状に形成された放電部5の複数の放電電極、5bは放電電極5aの一端部を接続する放電部5の共通電極、7はヘッド基板4とドライバIC6を備えた加熱放電型印字ヘッド1aの放電制御装置、8は外部と電気的に接続するためのコネクタ8aを備え放熱板2に配設されたプリント配線基板、9はドライバIC6及びプリント配線基板8を保護するために覆設されたICカバー、9aはICカバー9の背面に配設され放電部5の共通電極5bに電気配線(図示せず)で接続され放電電極5aに対して高電圧(放電制御電圧)を供給する高圧基板である。
【0041】
次に、ヘッド基板の構造について詳細を説明する。
図2は実施の形態1における加熱放電型印字ヘッドのヘッド基板の要部平面展開図であり、図3(a)は図2のA−A線矢視断面図であり、図3(b)は図2のB−B線矢視断面図であり、図4は実施の形態1における加熱放電型印字ヘッドのヘッド基板の要部分解斜視図である。
図2乃至図4中、10は耐熱性及び絶縁性を有するポリイミド,アラミド,ポリエーテルイミド等の薄膜樹脂で形成されたヘッド基板4のフレキシブル基板、11は複数の発熱用櫛歯電極11aと一体に形成されフレキシブル基板10の上面に形成された発熱用共通導体パターン、11bは発熱用共通導体パターン11の上面に配設された発熱用共通電極、12は発熱用櫛歯電極11aと交互にフレキシブル基板10の上面に形成された発熱用個別電極、12aは発熱用個別電極12の端部に形成されたボンディングパッド、13は放電制御装置5の発熱部、13aは発熱用櫛歯電極11a及び発熱用個別電極12の上部に電気的に接続され形成された発熱部13の発熱体、14は発熱用共通電極11b及び発熱用個別電極12の端部を除いてフレキシブル基板10の上面に覆設された耐熱性及び絶縁性を有するポリイミド,アラミド,ポリエーテルイミド等のフレキシブル薄膜、14aはフレキシブル薄膜14の上面に形成された絶縁膜、15は発熱体13aで加熱されることにより放電が発生する放電電極5aの放電発生部である。
【0042】
尚、前述の放電部5はフレキシブル薄膜14及び絶縁膜14aにより発熱体13aと絶縁され、複数の放電電極5aは各々の発熱用個別電極12に対応する位置に配設されている。フレキシブル薄膜14は耐熱性及び絶縁性を有するが、より確実に放電部5と発熱部13との間を絶縁するために、フレキシブル薄膜14の上面に絶縁膜14aを形成した。本実施の形態では、フレキシブル薄膜14の上面のみに絶縁膜14aを形成したが、絶縁膜14aはフレキシブル薄膜14の両面の内の少なくとも一方の面に形成すればよい。絶縁膜14aはSiON,SiO2等の無機質やその他の絶縁性を有する材質(有機・無機を問わず)で薄膜状に形成することができる。特に、発熱体13aの熱を効率よく放電電極5aに伝達することができる高熱伝導性のものが好ましい。また、複数回に分けて重ね塗りして絶縁膜14aを形成した場合、一回毎の塗りでピンホールが発生したとしても、重ね塗りすることでピンホール同士が重なる可能性を低減することができ、確実に発熱部13を絶縁することができるので信頼性に優れる。
片面積層型のヘッド基板4は平面状態で形成するものの、極めて薄くかつ柔軟性に富んでいるため、平面状態から容易に放熱板2に沿う形状(所望の形状)に加工する(変形させる)ことができる。
【0043】
次に、放電制御装置の構成について詳細に説明する。
図5は実施の形態1における加熱放電型印字ヘッドの放電制御装置の構成図である。
図5において、ヘッド基板4は放電部5と発熱部13とを有する。発熱部13と電気的に接続されたドライバIC6(発熱部13から延びるリードパターンにドライバIC6を金線でワイヤボンディングした後に、エポキシ樹脂等のIC保護用の樹脂で封止する)で発熱部13の発熱体13aの発熱を制御するのが加熱手段16である。加熱手段16により放電部5の放電電極5aへの加熱を制御することで、放電電極5aからの放電を制御するのが加熱放電型印字ヘッド1aの放電制御装置7である。
尚、ヘッド基板4に放熱板2を配設することで発熱部13で発生した熱を速やかに放熱板2に吸収させ、放熱板2から放熱することができる。これにより、発熱部13の急速冷却を可能にして加熱停止に対する応答性を向上させている。また、ドライバIC6等を熱から守ることができ信頼性に優れる。放熱板2の表面に溝等により凹凸を形成した場合、放熱板2の表面積を拡大することができ、放熱の効率性を向上させることができる。
【0044】
次に、ヘッド基板の製造方法について詳細に説明する。
図6は実施の形態1における加熱放電型印字ヘッドのヘッド基板の発熱部形成工程を示す斜視図であり、図7は実施の形態1における加熱放電型印字ヘッドのヘッド基板の放電部形成工程を示す斜視図である。
まず、発熱部形成工程について説明する。
図6において、平面状に形成されたフレキシブル基板10の表面に金ペースト等の導体を印刷した後、エッチングにより発熱用共通導体パターン11で接続された複数の発熱用櫛歯電極11a及び発熱用個別電極12を形成する。その後、発熱用櫛歯電極11a及び発熱用個別電極12の上部にTaSiO2、RuO2等を印刷する等して帯状の発熱体13aを形成する。また、発熱用共通導体パターン11の上面には銀ペースト等を印刷する等して発熱用共通電極11bを形成する。
【0045】
発熱用個別電極12の端部にはボンディングパッド12aを形成した。これにより、ワイヤボンディングによるドライバIC6との接続を容易に行うことができる。
尚、加熱手段16は従来の感熱式のファクシミリに使用されるサーマルプリントヘッドと同様の構成が好適に用いられる。この場合、既存のサーマルプリントヘッドの製造工程を踏襲でき、製造装置を流用して放電制御装置7を低コストで製造することができる。
本実施の形態では、発熱部13の発熱体13aを帯状に形成し、発熱用櫛歯電極11aと発熱用個別電極12を交互に配設し、各中央の1本の発熱用個別電極12とその両側の発熱用櫛歯電極11aとの間に通電することにより各々の放電電極5aの放電発生部15の位置に対応する発熱体13aの任意の箇所を選択的に発熱させ、放電電極5aを加熱する方式としたが、これに限定されるものではなく、各々の放電電極5aの放電発生部15を選択的に加熱できる構造であればよい。
【0046】
次に、放電部形成工程について説明する。
図7において、発熱用共通電極11b及び発熱用個別電極12の各端部を除いてフレキシブル基板10の表面に300℃程度の耐熱性及び絶縁性を有するポリイミド,アラミド,ポリエーテルイミド等の薄膜樹脂を印刷する等してフレキシブル薄膜14を形成する。フレキシブル薄膜14は発熱用共通電極11b、発熱用個別電極12、発熱体13a等を保護し、絶縁できるものであればよいが、発熱体13aの熱を効率よく放電電極5aに伝達することができる高熱伝導性のものが好適に用いられる。フレキシブル薄膜14は、ポリイミドやアラミド等の耐熱性及び耐絶縁性を有する樹脂の溶液をスクリーン印刷等で塗布して形成してもよいし、同様の樹脂で形成された薄膜シートを覆設して形成してもよい。
【0047】
次に、フレキシブル薄膜14の上部に加熱手段16の発熱用個別電極12に対向した複数の放電電極5a及びそれらを接続する共通電極5bを形成する。放電電極5a及び共通電極5bの形成には、金、銀、銅、アルミニウム等の金属を、蒸着やスパッタや印刷で形成した後、エッチングしてパターン形成するものが好適に用いられる。また、その他にカーボン等の導電材料を用いてもよい。
尚、本実施の形態では放電電極5aを略矩形状に形成したが、台形状、砲弾状、半円形状あるいはこれらを組合せた形状等に形成することができる。また、放電電極5aの放電発生部15は縁周辺からの放電量が多いので、縁周辺の周長が長くなるように放電電極5aの外周周縁部に複数の凹凸部を形成して放電の発生効率を向上させることができる。その結果、放電発生部15からの放電量が増加し、イオン照射量や発光強度を増加させることができるので、放電制御装置7の省エネルギー性に優れる。また、放電電極5aへの印加電圧を小さく設定できるので、放電電極5aの長寿命性にも優れる。
【0048】
次に、ヘッド基板の変形例について説明する。
図8(a)は実施の形態1における加熱放電型印字ヘッドのヘッド基板の第1の変形例を示す模式平面図であり、図8(b)は図8(a)のC−C線矢視模式断面図である。
図8において、実施の形態1におけるヘッド基板の第1の変形例が実施の形態1と異なるのは、ヘッド基板4aが、放電部5の表面に覆設された耐熱性及び絶縁性を有するフレキシブル被覆膜17を有し、フレキシブル被覆膜17が各々の放電電極5aの放電発生部15(発熱体13a位置近傍)に当たる位置に略円形状の開口部17aを有する点である。フレキシブル被覆膜17は前述のフレキシブル薄膜14と同様にして形成した。尚、独立した複数の開口部17aを形成する代わりに、複数の放電電極5aにまたがった長孔状の開口部を形成してもよい。
放電電極5aの放電発生部15表面とフレキシブル被覆膜17の表面との間に段差を形成することができるので、放電電極5aの放電発生部15と対向配置される記録媒体等との間のギャップを一定に保つことができ、放電電極5aと記録媒体等との接触を防止でき、放電発生部15からの放電を安定させることができる。
【0049】
図9は加熱放電型印字ヘッドのヘッド基板の第2の変形例を示す模式断面図である。
図9において、実施の形態1におけるヘッド基板の第2の変形例が第1の変形例と異なるのは、ヘッド基板4bのフレキシブル被覆膜17の表面に複数の凹凸部17bが形成されている点である。
これにより、フレキシブル被覆膜17の表面距離を伸延させ表面抵抗を増加させることができ、簡便に放電電極5aの放電発生部15から周囲への漏電を防止できる。尚、フレキシブル被覆膜17の表面の凹凸部17bは、スクリーン印刷等を用いて容易に形成することができる。あるいは、絶縁膜14aと同じ材質を用いて、フレキシブル被覆膜17の表面に凹凸部を形成しても良い。
【0050】
図10(a)は実施の形態1における加熱放電型印字ヘッドのヘッド基板の第3の変形例を示す模式平面図であり、図10(b)は図10(a)のD−D線矢視模式断面図である。
図10において、実施の形態1におけるヘッド基板の第3の変形例が実施の形態1と異なるのは、ヘッド基板4cの放電電極5aの発熱体13a側の端部から水平方向に離間して絶縁膜14a上に誘導電極18が形成されている点と、絶縁膜14aと放電部5との間に誘導電極18を覆設するフレキシブル薄膜19及び絶縁膜19aが形成されている点である。
フレキシブル薄膜19及び絶縁膜19aは、前述のフレキシブル薄膜14及び絶縁膜14aと同様である。
誘導電極18は絶縁膜14a上に帯状に形成し接地した。放電部5の放電電極5aと誘導電極18間のギャップを常に一定に保つことができ、放電電極5aと誘導電極18間に電圧を印加することにより、確実に放電を発生させることができる。放電は誘導電極18に引張られるように発生するが、記録媒体等の被イオン照射体側を接地することで、イオンは誘導電極18が無い場合と同様に被イオン照射体に向かって照射される。
【0051】
次に、実施の形態1における加熱放電型印字ヘッドの変形例について説明する。
図11(a)は実施の形態1における加熱放電型印字ヘッドの第1の変形例を示す模式側面図であり、図11(b)は実施の形態1における加熱放電型印字ヘッドの第1の変形例を示す要部模式斜視図である。
図11において、実施の形態1における加熱放電型印字ヘッドの第1の変形例が実施の形態1と異なるのは、放電電極5aの放電発生部15が、放熱板2の傾斜状の縁部3bに配置されたエッジ型のヘッドである点である。
ドライバIC6が配置された放熱板2の傾斜状の縁部3bに放電電極5aの放電発生部15を配置することにより、ドライバIC6と放電電極5aの放電発生部15とが鈍角をなすように配置されるので、特にデジタルペーパ等のように湾曲させない方がよい記録媒体を直線状に搬送することができ、水平プリンタに好適に用いることができる。また、放電電極5aの放電発生部15の配置方式がエッジ型であることにより、高さ方向に嵩張らずに加熱放電型印字ヘッド1bを配置することができ、多種多様な形状の静電潜像担持体に対応することができ汎用性に優れる。
【0052】
図12(a)は実施の形態1における加熱放電型印字ヘッドの第2の変形例を示す模式側面図であり、図12(b)は実施の形態1における加熱放電型印字ヘッドの第2の変形例を示す要部模式斜視図である。
図12において、実施の形態1における加熱放電型印字ヘッドの第2の変形例が実施の形態1と異なるのは、放電電極5aの放電発生部15が、放熱板2の表面に突出し緩やかな丘状に形成された隆起部3cの隆起面にドライバIC6より突出して配置された隆起型のヘッドである点である。
放熱板2と静電潜像担持体や記録媒体が略平行になるように加熱放電型印字ヘッド1cを配置した場合でも、静電潜像担持体や記録媒体とドライバIC6やICカバー9が干渉することがなく、高さ方向の嵩張りを低減でき省スペース性に優れる。
【0053】
ヘッド基板4(4a,4b,4c)のフレキシブル基板10やフレキシブル薄膜14の厚みは、各々が例えば数μm〜数十μmと極めて薄いものであるため、ヘッド基板4(4a,4b,4c)の総合的な厚さを数十μm〜数百μm程度に抑えて極めて薄く形成することができる。ヘッド基板4(4a,4b,4c)は当然ながら柔軟性に富んでいるため、平面状態から放熱板2の端面部3a,縁部3b,隆起部3cの形状に合わせて湾曲或いは折曲する等して容易に加工する(変形させる)ことができ、放電部5や発熱部13等の放電デバイスの形成技術上の制約を受けることなく、加熱放電型印字ヘッド1a,1b,1cを得ることができる。また、ヘッド基板4(4a,4b,4c)は共通のままで、放熱板2の形状に応じてヘッド基板4(4a,4b,4c)の貼り付け位置を変えるだけで様々な形態の加熱放電型印字ヘッド1a,1b,1cを得ることができ、汎用性、量産性に優れる。
【0054】
以上のように形成された加熱放電型印字ヘッドの駆動方法について説明する。
図13は本発明の実施の形態1における加熱放電型印字ヘッドのイオン照射方法を示す図である。
放電電極5aへの放電制御電圧(印加しただけでは放電が起こらないが、加熱することにより放電が起こる電圧域を言う)の印加は放電部5の共通電極5bに接続された高圧基板9a(図1参照)から行う。放電部5の放電電極5a(共通電極5b)に印加する交流電圧や直流電圧の数値は、色々な組み合わせが考えられるが、本実施の形態では放電部5の放電電極5aに、一例としてAC550Vpp(三角波1kHz)にDCバイアスで−700Vの電圧を重畳して印加した。尚、AC550Vppの電圧は放電の安定性を得るために重畳した。
【0055】
放電部5の放電電極5a(共通電極5b)に放電制御電圧以下の電圧が印加された状態で、図5で説明したように、発熱部13をドライバIC6で制御し、発熱体13aにより放電電極5aを選択的に加熱(100〜300℃)する。選択的に加熱された放電電極5aの放電発生部15から放電制御電圧の範囲の印加電圧で熱電子が放出され、図3、図8乃至図12の矢印で示したように放電が起こる。
放電が起こるとイオン生成可能な雰囲気中ではイオンが生成され、図1(a),図11(a),図12(a)で示したように静電潜像担持体や記録媒体へ向かってイオンが照射される。そして、イオンが照射された静電潜像担持体の表面には静電潜像が形成される。記録媒体には、その種類により静電潜像の形成や酸化還元反応による画像の形成ができる。また、紫外線や可視光線等の発光に反応する記録媒体にも画像を形成することができる。
【0056】
放電電極5a(共通電極5b)に交流電圧のみを印加すると正負のイオンが生成されるが、負のイオンのみを選別するには交流電圧に負の直流電圧を重畳すればよく、正のイオンのみを選別するには交流電圧に正の直流電圧を重畳すればよい。
尚、放電制御電圧の値は発熱体13aによる加熱温度との組み合わせで適宜、選択することができる。また、発熱体13aの加熱は24Vの低電圧で行い、発熱体13aを発熱させるためのスイッチとして用いるドライバIC6には、5V駆動の低耐電圧対応のものを用いた。
【0057】
実施の形態1における加熱放電型印字ヘッド1aは、図1に示したようにICカバー9の背面に高圧基板9aを配設し、放電部5の共通電極5bに電気的に接続することにより、放電制御電圧を印加するための電気配線を短くすることができ、高圧基板9aを熱放電型印字ヘッド1aと一体に取扱うことができる。これにより、電気配線の取り回しが不要で画像形成装置への組込みが容易で量産性に優れる。特に、熱放電型印字ヘッド1aを走査させて画像を形成する場合、熱放電型印字ヘッド1aと高圧基板9aを一体に移動させることができるので、電気配線に負荷などがかかり難く、導通不良の発生を低減できる。
尚、高圧基板9aの配設位置は本実施の形態に限定されるものではなく、放電部5の共通電極5bに放電制御電圧を印加することができればよい。また、加熱放電型印字ヘッド1b,1cにおいては、高圧基板9a(図1参照)は図示していないが、実施の形態1と同様に設けることができる。
【0058】
以上のように実施の形態1における加熱放電型印字ヘッドによれば、以下の作用を有する。
(1)発熱部13や放電部5等の放電デバイスを形成したフレキシブル基板4(4a,4b,4c)は所望の形状に加工できるので、平面状態のフレキシブル基板4(4a,4b,4c)へ技術的に容易な方法で放電デバイスを形成した後にフレキシブル基板4(4a,4b,4c)ごと所望の形状に加工すれば、平易な技術を用いて所望の形状(従来は高度の技術を要した)の加熱放電型印字ヘッド1aを製造できるので生産性に優れる。
(2)放電制御電圧が印加された放電電極5aをフレキシブル薄膜14及び絶縁膜14aで絶縁された発熱体13aにより加熱制御することができ、加熱された放電電極5aから熱電子が放出されると共に放電や発光が起こり、イオン生成可能な雰囲気中においてはイオン発生量を制御することができ、静電現像方式のデジタルペーパ等の専用の記録媒体に記録を行うことができる。
(3)発熱部13を被覆するフレキシブル薄膜14が耐熱性及び絶縁性を有することにより、発熱体13aの発する熱で熱変形することがなく、発熱体13a及び発熱体13aに接続された電極を保護して放電電極5aとの絶縁性を確保でき、放電電極5aの加熱を行うことができる。
(4)発熱部13と放電部5とを絶縁するフレキシブル薄膜14にピンホールが生じていても、フレキシブル薄膜14に絶縁膜14aを形成することで発熱部13と放電部5との絶縁性を確保でき信頼性に優れる。
(5)放電電極5aの放電発生部15を残して周囲をフレキシブル被覆膜17で被覆した場合、放電電極5aの放電発生部15以外の余分な箇所から放電が発生するのを防止でき、電子やイオン、紫外線を一箇所に集中して照射させることができ画像形成の効率性に優れる。
(6)放電電極5aの放電発生部15を残してフレキシブル被覆膜17を形成した場合、放電発生部15表面とフレキシブル被覆膜17の表面との間に段差を形成することができるので、放電電極5aと対向配置される記録媒体との間のギャップを一定に保つことができ、放電発生部15との接触を防止でき、放電発生部15からの放電を安定させることができる。
(7)フレキシブル被覆膜17の表面に多くの凹凸部17bを設けた場合、表面距離が伸延されて表面抵抗が増加し、電流が剥身の放電電極5aの放電発生部15から周囲に漏電するのを防止できるので、放電制御に用いるドライバIC6への悪影響も発生せず、放電制御の安定性を向上させることができる。漏電がなくなるため、放電電極5aに印加した印加電圧の低下がなくなり、放電の安定性、効率性に優れる。
(8)放電電極5aの発熱体13a側の端部から水平方向に離間して絶縁膜14a上に誘導電極18を形成した場合、放電電極5aと記録媒体(アース側)との間隔が広過ぎて放電が起こりにくい場合でも、放電電極5aの近傍に形成された誘導電極18がアースとして機能するので、放電電極5aから誘導電極18への放電が確実に起こり、画像形成の信頼性に優れる。
【0059】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2における加熱放電型印字ヘッドについて、以下図面を参照しながら説明する。
図14(a)は実施の形態2における加熱放電型印字ヘッドを示す模式側面図であり、図14(b)は実施の形態2における加熱放電型印字ヘッドを示す要部模式斜視図である。
図14において、実施の形態2における加熱放電型印字ヘッド1dが実施の形態1と異なるのは、放電電極5aが放熱板2の最下部の近傍に配置され、静電プロッタの放電針と同様に、記録媒体に対して垂直に配置された水平プリンタ対応型の部類の垂直放電型である点である。
放電部5を放熱板2の表面の最下部(先端)に配置するだけで放電電極5aの表面と略直角方向に放電を発生させることができるので、加熱放電型印字ヘッド1dの量産性に優れ、水平プリンタ対応型として好適に用いることができる。
【0060】
次に、ヘッド基板の構造について詳細を説明する。
図15(a)は実施の形態2における加熱放電型印字ヘッドのヘッド基板の要部平面展開図であり、図15(b)は図15(a)のE−E線矢視断面図である。
図15において、実施の形態2における加熱放電型印字ヘッドのヘッド基板4dが実施の形態1における加熱放電型印字ヘッドのヘッド基板4と異なるのは、放電電極5aの最下面(先端)側に位置する放電発生部15から下方に向かう部分を残して、イオンの下方への照射を妨げない範囲で周囲をフレキシブル薄膜14やフレキシブル被覆膜17と同様のフレキシブル薄膜20で被覆している点である。
実施の形態2における加熱放電型印字ヘッドのヘッド基板4dの製造方法は、実施の形態1と同様なので説明を省略する。
尚、図9の場合と同様に、フレキシブル薄膜20の表面に多くの凹凸部(段差)を設ければ、フレキシブル薄膜20の表面距離が伸延されて図15に示したものより表面抵抗が増加するので、電流が剥身の放電電極5aの放電発生部15から周囲に漏電しなくなる。
また、実施の形態2における加熱放電型印字ヘッドは、実施の形態1とイオン照射方向が異なるだけで、駆動方法は実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
【0061】
以上のように実施の形態2における加熱放電型印字ヘッドによれば、実施の形態1の作用に加え、以下の作用を有する。
(1)放電電極5aの最下面(先端)側に位置する放電発生部15から下方に向かう部分を残して、フレキシブル薄膜20で被覆することにより、放電部5の放電電極5aからの広範囲な放電を防止することができ、放電電極5aの表面と略直角方向に効率よく放電を発生させることができる。
(2)放電電極5aの放電発生部15以外の余分な所からは放電しないので、放電部5からの漏電でドライバIC6に被害を及ぼすことがなくなり放電制御の安定性に優れると共に、漏電がなくなることにより、放電電極5aに印加した印加電圧の低下を防止でき、放電の安定性を向上させることができる。
【0062】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3における加熱放電型印字ヘッドについて、以下図面を参照しながら説明する。
図16は実施の形態3における加熱放電型印字ヘッドのヘッド基板の要部平面展開図であり、図17(a)は図16のF−F線矢視断面図であり、図17(b)は図16のG−G線矢視断面図である。
図16及び17において、実施の形態3における加熱放電型印字ヘッドのヘッド基板4eが実施の形態1と異なるのは、フレキシブル基板10の両面の内の一方の面側に絶縁膜10aを介して放電電極5aを有する放電部5が形成され、他方の面側に放電電極5aを加熱するための発熱部13が形成された両面積層型である点である。
実施の形態3における加熱放電型印字ヘッドのヘッド基板4eの製造方法が、実施の形態1と異なるのは、フレキシブル基板10の表裏に放電部5及び発熱部13を形成している点であり、各工程は実施の形態1と同様なので説明を省略する。
尚、本実施の形態では、フレキシブル基板10の上面のみに前述の絶縁膜14aと同様の絶縁膜10aを形成したが、絶縁膜10aはフレキシブル基板10の両面の内の少なくとも一方の面に形成すればよい。これにより、確実に放電部5と発熱部13との間を絶縁することができる。また、両面積層型のヘッド基板4eにおいて、フレキシブル基板10の異なる側の面にそれぞれ放電部5と発熱部13を形成する際には、どちらを先に形成しても良い。
【0063】
次に、ヘッド基板の変形例について説明する。
図18(a)は実施の形態3における加熱放電型印字ヘッドのヘッド基板の第1の変形例を示す模式平面図であり、図18(b)は図18(a)のH−H線矢視模式断面図である。
図18において、実施の形態3におけるヘッド基板の第1の変形例が実施の形態3と異なるのは、ヘッド基板4fが、放電部5の表面に覆設された耐熱性及び絶縁性を有するフレキシブル被覆膜17を有し、フレキシブル被覆膜17が各々の放電電極5aの放電発生部15(発熱体13a位置近傍)に当たる位置に略円形状の開口部17aを有する点である。フレキシブル被覆膜17は前述のフレキシブル薄膜14と同様にして形成した。尚、独立した複数の開口部17aを形成する代わりに、複数の放電電極5aにまたがった長孔状の開口部を形成してもよい。
放電電極5aの放電発生部15表面とフレキシブル被覆膜17の表面との間に段差を形成することができるので、放電電極5aの放電発生部15と対向配置される記録媒体等との間のギャップを一定に保つことができ、放電電極5aと記録媒体等との接触を防止でき、放電発生部15からの放電を安定させることができる。
【0064】
図19は実施の形態3における加熱放電型印字ヘッドのヘッド基板の第2の変形例を示す模式断面図である。
図19において、実施の形態3におけるヘッド基板の第2の変形例が第1の変形例と異なるのは、ヘッド基板4gのフレキシブル被覆膜17の表面に複数の凹凸部17bが形成されている点である。
これにより、フレキシブル被覆膜17の表面距離を伸延させ表面抵抗を増加させることができ、簡便に放電電極5aの放電発生部15から周囲への漏電を防止できる。尚、フレキシブル被覆膜17の表面の凹凸部17bは、スクリーン印刷等を用いて容易に形成することができる。あるいは、絶縁膜10aと同じ材質を用いて、フレキシブル被覆膜17の表面に凹凸部を形成しても良い。
【0065】
図20(a)は実施の形態3における加熱放電型印字ヘッドのヘッド基板の第3の変形例を示す模式平面図であり、図20(b)は図20(a)のI−I線矢視模式断面図である。
図20において、実施の形態3におけるヘッド基板の第3の変形例が実施の形態3と異なるのは、ヘッド基板4hの放電電極5aの発熱体13a側の端部から水平方向に離間して絶縁膜10a上に誘導電極18が形成されている点と、絶縁膜10aと放電部5との間に誘導電極18を覆設するフレキシブル薄膜19及び絶縁膜19aが形成されている点である。
誘導電極18は絶縁膜14a上に帯状に形成し接地した。放電部5の放電電極5aと誘導電極18間のギャップを常に一定に保つことができ、放電電極5aと誘導電極18間に電圧を印加することにより、確実に放電を発生させることができる。放電は誘導電極18に引張られるように発生するが、記録媒体等の被イオン照射体側を接地することで、イオンは誘導電極18が無い場合と同様に被イオン照射体に向かって照射される。
【0066】
ヘッド基板4e(4f,4g,4h)は柔軟性に富んでいるため、実施の形態1における加熱放電型印字ヘッドのヘッド基板4(4a,4b,4c)と同様に、平面状態から放熱板2の端面部3a,縁部3b,隆起部3c等の形状に合わせて湾曲或いは折曲する等して容易に加工する(変形させる)ことができ、実施の形態1と同様の加熱放電型印字ヘッド1a,1b,1cを得ることができる。
【0067】
以上のように実施の形態3における加熱放電型印字ヘッドによれば、実施の形態1の作用に加え、以下の作用を有する。
(1)フレキシブル基板10を挟んで発熱部13と放電部5を形成するので、別途、発熱部13と放電部5を絶縁するためのフレキシブル薄膜を形成する必要がなく生産工数を低減できると共に、フレキシブル基板10を介して発熱部13と放電部5とが完全に密着するので、熱の伝達効率が良くなり、加熱及び放電の効率性に優れる。
(2)フレキシブル基板10が耐熱性及び絶縁性を有することにより、発熱体13aの発する熱で熱変形することがなく、発熱体13a及び発熱体13aに接続された電極を保護して放電電極5aとの絶縁性を確保でき、放電電極5aの加熱を行うことができる。
(3)発熱部13をフレキシブル薄膜14で被覆することにより、高温になる発熱部13が剥き出しになるのを防止でき、発熱部13と外部との絶縁性を確保でき安全性に優れる。
(4)フレキシブル基板10にピンホールが生じていても、フレキシブル基板10に絶縁膜10aを形成することで発熱部13と放電部5との絶縁性を確保でき信頼性に優れる。
【0068】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4における加熱放電型印字ヘッドについて、以下図面を参照しながら説明する。
図21は実施の形態4における放電デバイス分離型の加熱放電型印字ヘッドの構成図であり、図22(a)は実施の形態4における放電デバイス分離型の加熱放電型印字ヘッドのヘッド基板の放電ユニットを示す模式断面図であり、図22(b)は実施の形態4における放電デバイス分離型の加熱放電型印字ヘッドのヘッド基板の発熱ユニットを示す模式断面図であり、図22(c)は実施の形態4における放電デバイス分離型の加熱放電型印字ヘッドのヘッド基板を示す模式断面図であり、図22(d)は実施の形態4における放電デバイス分離型の加熱放電型印字ヘッドのヘッド基板の変形例を示す模式断面図である。
【0069】
図21及び22において、実施の形態4における加熱放電型印字ヘッドが実施の形態1乃至3と異なるのは、放電部5と発熱部13とを別個にフレキシブル基板10上に形成して、それぞれを放電ユニット21と発熱ユニット22とし、発熱ユニット22に放電ユニット21を合体させてヘッド基板4i,4jとする放電デバイス分離型である点である。
図22(a),(b)において、実施の形態4における加熱放電型印字ヘッドのヘッド基板の放電ユニット21及び発熱ユニット22の製造方法が、実施の形態3と異なるのは、別々のフレキシブル基板10に放電部5及び発熱部13を形成している点であり、各工程は実施の形態3と同様なので説明を省略する。
【0070】
図22(c)に示すように、放電ユニット21と発熱ユニット22をそのまま貼り合わせてヘッド基板4iとしてもよいし、図22(d)に示すように、放電ユニット21の放電部5と発熱ユニット22の発熱部13を背中合わせにし、それぞれのフレキシブル基板10同士を貼り合わせてヘッド基板4jとしてもよい。
尚、放電ユニット21と発熱ユニット22は耐熱性を有する接着剤で接着して一体化する代わりに、放電ユニット21と発熱ユニット22の長手方向の両端部や外周部等を上下から固定治具で挟んで固定することにより着脱自在としてもよい。固定治具はピン嵌合やねじ止め等の着脱自在な固定手段で固定すればよい。放電ユニット21と発熱ユニット22の位置決めは、放電ユニット21と発熱ユニット22のいずれか一方にピンを突設し、他方に嵌合孔を穿設してピン嵌合で行うことができる。また、放電ユニット21と発熱ユニット22の双方のフレキシブル基板10に嵌合孔を穿設しておき、固定治具のピンを利用して両者を位置決め固定してもよい。尚、発熱ユニット22は放電ユニット21を加熱する機能を有していればよく、柔軟性を有するフレキシブル基板10上に形成する代わりに、セラミック等の硬い基板上に形成してもよい。発熱ユニット22をセラミック等の硬い基板上に形成する場合、発熱ユニット22としては既存のサーマルプリントヘッドを使用することもできる。
本実施の形態では、実施の形態1及び3における加熱放電型印字ヘッドのヘッド基板の第1の変形例と同様に、放電部5の表面に開口部17aを有するフレキシブル被覆膜17を形成したが、実施の形態1及び3における加熱放電型印字ヘッドのヘッド基板の第2の変形例と同様に、フレキシブル被覆膜17の表面に複数の凹凸部を形成してもよいし、或いはフレキシブル被覆膜17を設けなくてもよい。
【0071】
以上のように実施の形態4における加熱放電型印字ヘッドによれば、実施の形態1乃至3の作用に加え、以下の作用を有する。
(1)放電ユニット21と発熱ユニット22とを別個の部品として製造できるので、放電ユニット21及び発熱ユニット22のそれぞれの製造工程を簡素化でき、歩留まりを向上でき量産性に優れる。
(2)放電ユニット21と発熱ユニット22のそれぞれの特性のばらつきを考慮して組み合わせることにより、ヘッド基板4i,4jとしての特性のばらつきを低減してほぼ均一な性能を得ることができ実用性、量産性に優れる。
(3)放電ユニット21と発熱ユニット22を着脱自在とした場合、いずれか一方に不具合が発生した場合に、容易に交換或いは修理を行うことができ、特に放電電極5aが摩耗した際には、放電ユニット21の取り替えで対応できるので、放電制御装置7のランニングコストを低減でき、メンテナンス性、省資源性に優れる。特に、発熱ユニット22として既存のサーマルプリントヘッドを使用する場合に顕著な作用が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は、基板自体に柔軟性を持たせることにより、平面状態の基板に放電デバイスを形成した後に、放電デバイスを形成した基板を所望の形状に加工することができ加工性、組立作業性に優れ、基板及び放電デバイスの形成技術上の制約を克服することができる設計自在性、量産性、実用性に優れた加熱放電型印字ヘッドの提供を行うことができ、水平プリンタ対応型の印字ヘッドとして好適に利用することができる。

Claims (16)

  1. 放電制御電圧が印加された放電電極を温度制御することにより前記放電電極から放電を発生させる加熱放電型印字ヘッドであって、
    (a)耐熱性及び絶縁性を有するフレキシブル基板と、前記フレキシブル基板の上に形成された発熱体を有する発熱部と、前記発熱部を被覆した耐熱性及び絶縁性を有するフレキシブル薄膜と、前記フレキシブル薄膜の上に形成され前記発熱体により加熱される前記放電電極を有する放電部と、を備えたヘッド基板と、(b)前記ヘッド基板の前記発熱部の前記発熱体の発熱を制御するドライバICと、を有する放電制御装置と、を備え、
    前記放電部の前記放電電極が、前記発熱体で加熱されることにより放電が発生する放電発生部を備え、前記放電電極の前記放電発生部の配置面と、前記ドライバICの配置面とが同一平面上にないことを特徴とする加熱放電型印字ヘッド
  2. 前記ヘッド基板が、前記フレキシブル薄膜の両面の内の少なくとも一方の面に形成された絶縁膜を備えたことを特徴とする請求項1に記載の加熱放電型印字ヘッド
  3. 放電制御電圧が印加された放電電極を温度制御することにより前記放電電極から放電を発生させる加熱放電型印字ヘッドであって、
    (a)耐熱性及び絶縁性を有するフレキシブル基板と、前記フレキシブル基板の両面の内の一方の面側に形成された前記放電電極を有する放電部と、前記フレキシブル基板の両面の内の他方の面側に形成され前記放電電極を加熱する発熱体を有する発熱部と、を備えたヘッド基板と、(b)前記ヘッド基板の前記発熱部の前記発熱体の発熱を制御するドライバICと、を有する放電制御装置と、を備え、
    前記放電部の前記放電電極が、前記発熱体で加熱されることにより放電が発生する放電発生部を備え、前記放電電極の前記放電発生部の配置面と、前記ドライバICの配置面とが同一平面上にないことを特徴とする加熱放電型印字ヘッド。
  4. 前記ヘッド基板が、前記発熱部を被覆した耐熱性及び絶縁性を有するフレキシブル薄膜を備えたことを特徴とする請求項3に記載の加熱放電型印字ヘッド
  5. 放電制御電圧が印加された放電電極を温度制御することにより前記放電電極から放電を発生させる加熱放電型印字ヘッドであって、
    (a)耐熱性及び絶縁性を有するフレキシブル基板と、前記フレキシブル基板の両面の内の一方の面側に形成された前記放電電極を有する放電部と、を備えた放電ユニットと、(b)耐熱性及び絶縁性を有するフレキシブル基板又はセラミック等の硬い基板と、前記フレキシブル基板又は前記硬い基板上に形成された発熱体を有する発熱部と、を備えた発熱ユニットと、を有し、前記放電ユニットの前記フレキシブル基板の両面の内の他方の面側に前記発熱ユニットが配設されたヘッド基板と、
    前記ヘッド基板の前記発熱部の前記発熱体の発熱を制御するドライバICを有する放電制御装置と、
    を備えたことを特徴とする加熱放電型印字ヘッド。
  6. 前記ヘッド基板の前記放電ユニットと前記発熱ユニットが着脱自在に配設されたことを特徴とする請求項5に記載の加熱放電型印字ヘッド
  7. 前記ヘッド基板が、前記フレキシブル基板の両面の内の少なくとも一方の面に形成された絶縁膜を備えたことを特徴とする請求項3乃至6の内いずれか1項に記載の加熱放電型印字ヘッド
  8. 前記ヘッド基板が、前記フレキシブル基板の前記放電部側に前記放電電極と絶縁されて形成された誘導電極を備えたことを特徴とする請求項1乃至7の内いずれか1項に記載の加熱放電型印字ヘッド
  9. 前記ヘッド基板が、前記放電電極に前記放電発生部を残して被覆された耐熱性及び絶縁性を有するフレキシブル被覆膜を備えたことを特徴とする請求項1乃至8の内いずれか1項に記載の加熱放電型印字ヘッド
  10. 前記ヘッド基板が、前記フレキシブル被覆膜の表面に形成された凹凸部を備えたことを特徴とする請求項9に記載の加熱放電型印字ヘッド
  11. 前記放電電極の前記放電発生部の配置方式が、放熱板の端面部に前記放電電極の前記放電発生部が配置された端面型であることを特徴とする請求項1乃至10の内いずれか1項に記載の加熱放電型印字ヘッド。
  12. 前記放電電極の前記放電発生部の配置方式が、放熱板の傾斜状の縁部に前記放電電極の前記放電発生部が配置されたエッジ型であることを特徴とする請求項1乃至10の内いずれか1項に記載の加熱放電型印字ヘッド。
  13. 前記放電電極の前記放電発生部の配置方式が、放熱板の表面に形成された隆起部の隆起面に前記放電電極の前記放電発生部が配置された隆起型であることを特徴とする請求項1乃至10の内いずれか1項に記載の加熱放電型印字ヘッド。
  14. 放電制御電圧が印加された放電電極を温度制御することにより前記放電電極から放電を発生させる加熱放電型印字ヘッドに用いられる放電ユニットであって、
    耐熱性及び絶縁性を有するフレキシブル基板と、前記フレキシブル基板の両面の内の一方の面側に形成された前記放電電極を有する放電部と、を備えたことを特徴とする放電ユニット。
  15. 前記放電部が、平面状、櫛歯状、梯子状の内いずれか1の形状に形成されていることを特徴とする請求項14に記載の放電ユニット。
  16. 前記フレキシブル基板の前記放電部側に前記放電電極と絶縁されて形成された誘導電極を備えたことを特徴とする請求項14又は15に記載の放電ユニット。
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