JPH04353854A - イオン発生器 - Google Patents

イオン発生器

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JPH04353854A
JPH04353854A JP13008191A JP13008191A JPH04353854A JP H04353854 A JPH04353854 A JP H04353854A JP 13008191 A JP13008191 A JP 13008191A JP 13008191 A JP13008191 A JP 13008191A JP H04353854 A JPH04353854 A JP H04353854A
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electrode
ion
ion generation
slit
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英之 中尾
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はイオン発生器に係り、
特にイオン・デポジション記録装置に使用される高密度
イオンを発生するイオン発生器に関する。
【0002】
【従来の技術】イオン・デポジション記録は、気中でコ
ロナ放電により発生させたイオンを画像信号に応じて制
御して誘電性記録媒体上に静電潜像を形成し、これを現
像してハードコピーを得るノン・インパクト記録の静電
記録方式の一種である。この記録方法は、(1)レーザ
プリンタにおけるようなレーザ光学系(光源・回転ミラ
ー走査系)と感光性記録媒体を必要とせず、装置の小型
と記録の安定化を達成でき、(2)記録画点のパルス幅
変調ができるため、レーザプリンタの数分の一の解像度
で同等の画質が得られ、(3)記録媒体に表面電位の暗
減衰がある感光体を使用しないことから静電潜像の保持
時間が長く、間欠送り記録できる可能性があり、(4)
記録媒体上に順次画像を重ねて形成でき、高速のワンパ
スカラー記録が期待されるなどの特徴がある。
【0003】イオン・デポジション記録装置において、
気中で高密度のイオンを発生できるイオン発生器は最も
重要な構成要素の一つであり、従来より種々の構成のイ
オン発生器が提案されている。
【0004】図14は、従来の固体イオン発生器を用い
たイオン・デポジション記録装置の動作原理を示す断面
模式図であり、特開昭56−184562号に開示され
ているものである。イオン発生器100は、誘電体層1
01とその両面にそれぞれ形成された誘電電極102お
よびイオン発生電極103からなり、イオン発生電極1
03にはイオン発生用孔であるスリット104が形成さ
れている。
【0005】誘導電極102とイオン発生電極103と
の間に、高周波・高電圧の交流電圧105を印加すると
、スリット104に高い交番電界が集中的に発生し、こ
れによって高密度の正負のイオンが発生する。イオン発
生のメカニズムは、正イオンに関して言えば、空気中に
発生している電子の種がスリット104内の電界で加速
されて順次空気中を気体分子と衝突しつつ移動するに従
って増倍され、電子の移動した後に、増加した電子とほ
ぼ同数の正のイオンが生成される。
【0006】イオン発生電極103に画像信号に応じて
オン・オフされる静電潜像電位と同程度(400〜50
0V)の高い信号電圧106を印加すると、スリット1
04で発生された正負のイオンのうち正イオンのみが選
択され、絶縁性記録媒体107方向に移動する。こうし
て記録媒体107方向に移動するイオンは、加速電極1
07に印加された400〜500V程度の高い加速電圧
108により加速されて記録媒体109上に到達し、画
像信号に応じた静電潜像を形成する。静電潜像は、通常
の電子写真方式のプリンタと同様にトナーにより現像さ
れる。
【0007】実際のイオン・デポジション記録装置では
、図14に示したようなヘッド素子を画点数に応じた長
さにわたり一次元に配列して構成された固体イオン流記
録ヘッドが用いられる。
【0008】図14中に示したようなイオン発生器10
0では、薄い誘電体層101を挟んで対向して配置され
た誘導電極102とイオン発生電極103との間に、大
きな静電容量が形成される。すなわち、このイオン発生
器100は構造上、容量性負荷であるため、誘導電極1
02とイオン発生電極103間に交流電圧105として
イオン発生に必要な高周波の高電圧を印加すると、大き
な交流電流が流れる。このような高周波・高電圧・大電
流を供給できる交流電源は一般に大きなものとなり、価
格も高くなる。
【0009】一方、イオン発生器100における電界分
布は、イオン発生電極103のスリット104に面した
端面付近が最も電界が大きい。イオン発生のための電子
増倍には、気体分子を電離させるための電界のみでなく
、電子の飛翔距離も必要である。イオン発生電極103
の端面付近では電子の飛翔距離が短いため、この端面付
近での強電界はイオン発生にほとんど寄与せず、むしろ
イオンや電子を誘電体層101の表面に強く照射させる
ことによって誘電体層101の劣化を促進させてしまう
。誘電体層101の表面は電子やイオンが照射されると
表面抵抗が低下する。この表面抵抗の低下は、イオン発
生電極103の端面近傍から起こり、スリット104の
中央付近に向かって徐々に進行する。この表面抵抗の低
下がスリット104の中央部まで及ぶと、誘導電極10
2とイオン発生電極103との間の静電容量を介して誘
電体層101の表面電位がイオン発生電極103と同電
位まで低下し、その結果スリット104内の気中に電界
が加わらず、イオンが発生しない状態となってしまう。
【0010】この欠点を避けるため、従来では誘電体層
101にイオンや電子の照射さらにイオン発生で生成さ
れた硝酸塩などによって材質が変化しない結晶雲母を使
用している。しかしながら、結晶雲母はバルク状態のも
のしかないため、基板との接着性が悪いばかりでなく、
厚膜印刷による電極形成が困難である。このため、イオ
ン発生器の量産が難しくなり、製造コストが高くなる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、誘電
体層を挟んで誘導電極とイオン発生電極を設けた従来の
イオン発生器では、誘導電極とイオン発生電極間の静電
容量が大きいので、両電極間にイオン発生に必要な交流
電圧を安定に印加するために、高周波・高圧・大電流の
大型で高価な電源回路を必要するという問題がある。
【0012】また、イオン発生電極の端面付近での強電
界でイオンや電子の照射による誘電体層の表面抵抗の低
下が進行すると、この静電容量が充電されることにより
誘電体層の表面電位がイオン発生電極と同電位となる結
果、イオン発生孔内の気中に電界が加わらず、イオンが
発生しなくなってしまうという問題があり、さらにイオ
ンや電子の照射に対して安定な結晶雲母を誘電体層に用
いると、量産が難しくなり、製造コストが増大するとい
う問題があった。
【0013】本発明は、誘電体層を挟んで配置された電
極間の静電容量を減少させることによりイオン発生用交
流電源の負担を減らすとともに、誘電体層として特殊な
材料を用いることなく誘電体層の表面抵抗低下を抑制し
て、長期にわたり安定して高密度のイオン発生が可能な
イオン発生器を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明は誘電体層を両側から挟んで誘導電極である
第1の電極およびイオン発生用孔を有するイオン発生電
極である第2の電極を配置したイオン発生器において、
誘導電極およびイオン発生電極を誘電体層の面内方向で
互いに重ならないように配置したことを特徴とする。
【0015】また、本発明は誘電体層のイオン発生用孔
の内側に、壁面がテーパ状に形成された凹部を設けたこ
とを特徴とする。
【0016】さらに、本発明は誘電体層の少なくともイ
オン発生用孔に面したイオン発生電極の端面近傍領域に
高絶縁抵抗部または凹部を設けたことを特徴とする。
【0017】
【作用】誘導電極およびイオン発生電極を誘電体層の面
内方向で互いに重ならないように配置すると、誘電体層
の厚み方向における両電極の対向面積が零になるため、
両電極間の静電容量は著しく減少する。これにより、誘
導電極とイオン発生電極間にイオン発生用の高周波・高
電圧の交流電圧を印加するための交流電源の負荷が軽減
され、比較的小電流の小型で安価な交流電源の使用が可
能となる。
【0018】一方、誘電体層のイオン発生用孔の内側に
おいて誘電体層またはその上に形成された高絶縁抵抗層
に、壁面がテーパ状に形成された凹部を設けると、この
壁面は誘導電極とイオン発生電極間の交流電圧による電
界の向きと平行またはそれに近い状態になるためイオン
や電子の照射を受けにくくなり、それによって誘電体層
全体の表面抵抗低下が防止される。これによりイオン発
生電極のイオン発生用孔に面した端面近傍の誘電体層表
面の表面電位が部分的に低下しても、イオン発生用孔中
央部の誘電体層表面は高い表面電位が確保されるので、
必要なイオン発生がなされるに十分な放電が得られる。
【0019】誘電体層の少なくともイオン発生用孔に面
したイオン発生電極の端面近傍領域に高絶縁抵抗部また
は凹部を設けると、この領域でのイオンや電子の照射に
よる表面抵抗の低下が防止されるので、結果的に誘電体
層全体の表面抵抗低下は抑制され、イオン発生用孔中央
部の誘電体層表面は十分なイオン発生が行われる程度の
高い表面電位が得られる。
【0020】これらの場合、誘電体層そのものはイオン
や電子の照射に対する劣化が生じ易い材料でもよいため
、誘電体層材料として例えば厚膜印刷技術などで容易に
形成できるガラスなどの厚膜材料その他の使用が可能で
あり、イオン発生器の量産が容易となる。
【0021】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図1(a)(b)は、本発明の一実施例に係るイ
オン発生器の断面図およびイオン発生電極側から見た平
面図を示している。
【0022】絶縁性基板10上に、誘導電極(第1の電
極)11、誘電体層12、高絶縁抵抗層13、接着層1
4およびイオン発生用孔であるスリット16を有するイ
オン発生電極(第2の電極)15が順次積層されている
。絶縁性基板10は、例えば厚さ640μmのセラミッ
ク基板が用いられる。誘導電極11は、例えば厚さ3〜
4μm、幅40μmの焼結金電極からなり、図1(a)
の紙面に垂直方向、つまり図1(b)の上下方向に、必
要な長さ(例えばA4版の幅)にわたって厚膜印刷技術
と焼成技術により形成される。誘電体層12は、交流電
圧に対する電気的耐圧の大きい例えば非晶質ガラスから
なり、厚膜印刷技術と焼成技術により2〜25μm程度
の厚さに形成される。高絶縁抵抗層13は、誘電体層1
2に比較して電気的耐圧は小さいが、イオンや電子の照
射に対して劣化が少なく、絶縁抵抗が高い絶縁材料、例
えばポリイミド樹脂からなり、誘電体層12上にスピン
ナ塗布技術によって5μm程度の均一な厚さに形成され
る。高絶縁抵抗層13の材料としては、他に結晶化ガラ
スや窒化タンタル等を用いることもできる。接着層14
は、高絶縁抵抗層13との接合力の強い例えばニッケル
のような金属からなり、真空蒸着またはスパッタとPE
P工程からなる薄膜技術によって、厚さ数百nm、幅7
0μm程度に形成される。イオン発生電極15は、金な
どの酸化しにくい金属からなり、接着層14上に選択メ
ッキ工程によって、〜15μm程度の厚さ、接着層14
と同じ幅で、誘導電極11と平行に形成される。
【0023】イオン発生電極15に形成されたスリット
16の幅は、スリット16の上に位置した誘導電極11
の幅(40μm)より広く、例えば80μm程度となっ
ている。これによりイオン発生電極15は、誘電体層1
2の面内方向で誘導電極11と重なり合わないよう。な
お、誘導電極11およびイオン発生電極15は、図1(
b)に示されるように絶縁性基板10の両側に引出され
、電極端子17,18にそれぞれ接続されている。
【0024】このように構成されたイオン発生器は、イ
オン発生電極15に形成されたスリット16の幅が誘導
電極11の幅より広く、誘導電極11とイオン発生電極
15とが誘電体層12の面内方向で誘導電極11と重な
り合わないため、イオン発生電極に設けられたスリット
より誘導電極が幅広となっている従来のイオン発生器(
図14の100)に比較して、誘導電極11とイオン発
生器15間の静電容量が大幅に減少する。上記例のよう
に誘導電極11の幅が40μm、スリット16の幅が8
0μmとすると、静電容量は1/3程度となる。これに
より、イオン発生のために誘導電極11とイオン発生電
極16間に交流電圧を印するための交流電源は従来より
電流容量の小さい簡単なものでよく、小型化・低価格化
を達成できる。
【0025】すなわち、誘導電極11とイオン発生電極
15間に同じ電圧値の交流電圧を印加した場合、スリッ
ト16内の電界は従来のイオン発生器のそれより小さく
なるため、従来と同じ電界を得るには印加する交流電圧
を1.25倍にする必要があるが、イオン発生器に流れ
る電流は1.25×(1/3)=0.42と半分以下と
なるから、交流電源の負担は減少する。
【0026】さらに、このように構成されたイオン発生
器では、スリット16内で均一な電界強度分布が得られ
るという利点がある。この種のイオン発生器のように放
電によりイオンが発生する場合、電界が強くとも放電距
離(電子の飛翔距離)が短いとイオン発生量は少ない。 本発明者らの検討した結果によると、放電距離が最長と
なるスリット16の幅方向の中央部でイオン発生量が最
大になることが確かめられている。この点について、図
2を用いて詳細に説明する。
【0027】図2は、誘導電極11とイオン発生電極1
5間に10MHz,2.5kVp−pの交流電圧を印加
した状態で、境界要素法で求めたスリット16内の誘電
体層12の表面近傍の電界分布201(実線)と、計算
から導出したスリット16内のイオン密度分布202(
一点鎖線)を示している。電界分布201は、誘導電極
の幅をスリットの幅より大きくした従来のイオン発生器
(誘導電極を破線で示す)におけるスリット内の誘電体
層の表面近傍の電界分布203(破線)と比較して明ら
かなように、特にスリットに面したイオン発生電極の端
面近傍での電界強度が減少している。
【0028】先に簡単に触れたように、この種のイオン
発生器のイオン発生メカニズムは、スリット16内に強
い電界(強度Eとする)が加わると、スリット16内の
空気中に宇宙線などにより自然に発生している電子の種
(電子の数をNo 個とする)がスリット16内の電界
によって電離され加速されて順次空気中を移動しつつ、
ある電子増倍係数(αとする)で増倍され、大量の電子
を形成する。電子が移動した後には、増倍した電子とほ
ぼ同数の正イオンが発生する。この場合、電子が効果的
に増倍されるためには、気体分子を電離させるのに必要
な電界に加えて、電子が空気中の気体分子と衝突しなが
ら進む距離(xとする)が必要である。増倍されて形成
された電子の密度(nとする)と距離xおよび電界強度
Eとの間には、次式(1)(2)で示される関係がある
【0029】       n=No /α{exp(α・x)−1}
                    (1)  
     α=p・A・exp(−B・p/E)   
                   (2) ここ
で、A,Bは空気中の比例定数であり、実験的に決定さ
れる。pはイオン発生時の気圧である。
【0030】上の式(1)(2)から、誘電体層12の
厚さ25μm、イオン発生電極15の厚さ15μm、ス
リット16の幅100μmの時の境界要素法で求めた電
界分布を基にスリット16内のイオン発生密度(増倍さ
れた電子の密度nに等しい)計算してその分布を示した
のが、図2中の電界分布曲線202である。この図から
分かるように、スリット16内のイオン発生電極15の
端面近傍では、電界強度が大きくなる反面、電子の飛翔
距離が短いため、イオン発生密度は低く、電子の飛翔距
離が大きく電子増倍率が最大となるスリット16内の幅
方向中央付近でイオン発生密度は最大となる。
【0031】この場合において、イオン発生電極15の
端面付近の強電界は、イオン発生にほとんど寄与せず、
むしろイオンや電子の照射による誘電体層12の劣化を
促進させ、誘電体層12の寿命(これがイオン発生器の
寿命ともなる)を決定する原因となる。ここで、本発明
ではイオン発生電極15の端面は誘導電極11の端面よ
り外側にあるため、電界分布曲線201に示されるよう
にイオン発生電極15の端面付近の電界強度は、従来の
イオン発生器の電界分布曲線203の場合より小さくな
る。このため、イオンや電子により照射されることによ
る誘電体層12の劣化が少なくなり、それだけ誘電体層
12の表面抵抗低下が抑制される。
【0032】また、図1の実施例では誘電体層12の表
面に高絶縁抵抗層13が形成されているため、イオンや
電子の照射による誘電体層12の表面抵抗低下をより一
層効果的に防止することができる。勿論、誘電体層12
の全体を表面抵抗が大きい高絶縁抵抗材料、好ましくは
表面抵抗が109 Ω以上の材料(例えばポリイミド樹
脂、結晶化ガラス、窒化タンタル等)で形成してもよい
【0033】次に、図3を用いて本実施例による誘電体
層12の表面抵抗低下の抑制に基づくイオン発生の安定
化について説明する。図3において、誘電体層12の表
面抵抗31が減少した状態で誘導電極11とイオン発生
電極15間にイオン発生用の交流電圧を印加したとする
。このとき、イオン発生電極15の端面から離れた点3
2における誘電体層11の表面電位は、誘電体層12挟
んで誘導電極11とイオン発生電極15間に形成される
静電容量33がイオン発生電極15の端面近傍から順次
充電されることにより、イオン発生電極15と同電位と
なる。この状態ではスリット16内の気中には電界が加
わらず、イオンが発生しなくなる。
【0034】誘電体層12の表面抵抗低下の原因は、前
述したように主として誘導電極11とイオン発生電極1
5間の電界によるイオンや電子の照射である。この電界
はイオン発生電極15の端面近傍が最も高いため、この
位置から表面抵抗の低下は起こってくる。本実施例では
前述のようにスリット16の幅を誘導電極11の幅より
大きくしたことによって、イオン発生電極15の端面近
傍の電界が低くなるため、この部分での表面抵抗の低下
が抑制され、結局、誘電体層12全体としての表面抵抗
の低下が防止される。
【0035】次に、本発明の他の実施例を説明する。図
4の実施例は、図1の実施例における高絶縁抵抗層13
をイオン発生電極15の直下のみに形成している。この
ような構造のイオン発生器は、例えば高絶縁抵抗層13
となるポリイミド樹脂層を誘電体層12の全面にスピン
ナ塗布技術により〜5μmの厚さ塗布した後、エッチン
グ工程によりスリット16の部分のみ除去し、その後イ
オン発生電極15を厚膜印刷技術で厚さ〜15μm形成
することによって作られる。このように構成されたイオ
ン発生器は、特にイオン発生電極15を厚膜印刷で形成
するため、図1のような接着層14を用いることなく、
各層間の接着力が十分に得られる。
【0036】図5の実施例は、誘電体層12のスリット
16の内側に壁面19aがテーパ状に形成された凹部1
9を形成している。イオン発生電極15の厚さを15μ
m、スリット16の幅を80μm、誘電体層12のスリ
ット16の幅方向中央部での厚さを25μm、スリット
16の幅方向端部での厚さを30μmとした場合、壁面
91aの傾斜角θi(図6参照)は、65°〜70°程
度とする。
【0037】この実施例によると、誘導電極11とイオ
ン発生電極15との間の電界の向きと壁面19aとがほ
ぼ平行となる。この結果、壁面19aはイオンや電子の
照射の影響を受けにくくなり、表面状態は長期間安定に
保たれ、表面抵抗の低下は抑制される。このような壁面
19aを設けることは、図3において誘電体層12の表
面抵抗31のうち壁面19a上の領域の表面抵抗がイオ
ンや電子によって低下しないことを意味する。このよう
な表面抵抗の低下しない領域がスリット16内の一部に
存在すれば、その領域よりスリット16の幅方向中央側
によった領域では、図3の静電容量33がほとんど充電
されないことになるから、これらの領域では誘電体層1
2の表面電位がイオン発生電極15と同電位となってし
まうことはなく、イオン発生に必要な電界が長期間にわ
たり得られる。
【0038】図5の実施例において、誘電体層12を厚
膜印刷で形成する場合、凹部19の壁面19aを平面で
作成することは難しく、実際には壁面19aは図6に示
すように曲面となる。しかし、この場合でも壁面19a
の少なくとも一部は電界の方向と平行になるので、その
部分の表面抵抗低下が抑制されることで、上記と同様の
効果が得られる。
【0039】誘電体層12の表面に対するイオンの衝撃
と電子の衝撃を比較すると、後者の方が表面状態の変化
に与える影響が大きい。従って、図6において誘電体層
12の凹部19の壁面19aの傾斜角θiが電界の向き
のなす角度θeより大きければ、誘電体層12に対する
イオン発生電極15からの電子の衝撃がなくなることに
なるので、誘電体層12の表面抵抗低下を防止すること
ができる。
【0040】図7の実施例は、図1のように誘電体層1
2上に高絶縁抵抗層13を設けた構成において、高絶縁
抵抗層13に図5と同様の壁面20aを有する凹部20
を形成している。この実施例によれば、高絶縁抵抗層1
3の表面抵抗がもともと高いことと、図5の実施例と同
様の表面抵抗抑制作用によって、より効果的に誘電体層
12の表面抵抗低下を防止することができる。
【0041】図8の実施例は、誘電体層12のスリット
16に面したイオン発生電極15の端面近傍に、高絶縁
抵抗部21を設けている。この高絶縁抵抗部21は、図
1における高絶縁抵抗層13と同様の材質からなり、イ
オンや電子の照射に対して劣化が少なく、表面抵抗が低
下しにくい。従って、このような高絶縁抵抗部21を上
記のように誘電体層12のイオン発生電極15の端面近
傍に設けると、誘電体層12の該領域の表面をイオンや
電子の照射から保護することができ、それにより誘電体
層12全体の表面抵抗低下を防止することができる。
【0042】図9の実施例は、誘電体層12のスリット
16に面したイオン発生電極15の端面近傍の領域に、
高絶縁抵抗部21を埋め込む形で設けている。この実施
例によっても、図8の実施例と同様の効果が得られるこ
とは明らかである。
【0043】図10の実施例は、誘電体層12のスリッ
ト16に面したイオン発生電極15の端面近傍の領域に
、高絶縁抵抗部23を誘電体層12を厚さ方向に貫通さ
せて設けている。この実施例によっても、図8および図
9の実施例と同様の効果が得られる。
【0044】図11は、誘電体層12のスリット16に
面したイオン発生電極15の端面近傍の領域に、凹部2
4を設けている。この実施例によれば、凹部24の底面
まではイオンや電子が到達しにくいので、凹部24の底
面の表面抵抗低下が少なく、それにより誘電体層12全
体の表面抵抗低下を防止することができる。
【0045】図12は、誘電体層12のスリット16の
直下に凹部25を形成し、この凹部25内のイオン発生
電極15の端面近傍を除く領域に高絶縁抵抗層26を設
けている。この実施例によっても、図11と同様の原理
で誘電体層12全体の表面抵抗低下を防止することがで
きる。
【0046】以上説明した図5〜図12の実施例におい
ては、図1および図4の実施例と同様にスリット16の
幅を誘導電極11の幅より大きくし、誘導電極11とイ
オン発生電極15とが誘電体層12の面内方向において
重ならないようにしている。従って、図1や図4の実施
例のよる効果との相乗効果で、誘電体層12の表面抵抗
低下を極めて効果的に防止することが可能となる。但し
、図5〜図12の実施例による誘電体層12の表面抵抗
低下防止のための構成は、図14に示したような誘導電
極とイオン発生電極とが誘電体層の面内方向で一部重な
った構成と組み合わせも構わない。
【0047】図13は、2本の誘導電極11a,11b
を形成すると共に、これらの誘導電極11a,11bの
直下にこれより幅の広いスリット16a,16bをそれ
ぞれ設けている。スリット16aと16bの間には、両
者を遮蔽するための遮蔽電極27が形成され、この遮蔽
電極27は例えば接地電位点に接続されている。このよ
うにイオン発生用孔が2本またはそれ以上の数のスリッ
トで形成されたイオン発生器にも本発明を適用すること
ができる。また、この実施例に図5〜図12で説明した
実施例を組み合わせることも可能であることは勿論であ
る。
【0048】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば誘電
体層を挟んだ誘導電極とイオン発生電極を誘電体層の面
内方向で互いに重ならないように配置することにより、
両電極間の静電容量を小さくして、誘導電極とイオン発
生電極間にイオン発生用の高周波・高電圧の交流電圧を
印加するための交流電源として、比較的小電流の小型で
安価な交流電源を使用できる。
【0049】また、誘電体層のイオン発生用孔の内側に
壁面がテーパ状に形成された凹部を設けるか、あるいは
誘電体層の少なくともイオン発生用孔に面したイオン発
生電極の端面近傍領域に高絶縁抵抗部や凹部を設けるこ
とにより、誘電体層全体の表面抵抗低下を防止してイオ
ン発生用孔中央部の誘電体層表面を高電位に維持し、十
分な量のイオン量を発生させるに必要な放電を起こすこ
とができる。
【0050】さらに、このように誘電体層の表面電位低
下を効果的に抑制できるため、本発明では誘電体層材料
は結晶雲母のような特殊な材料である必要はなく、例え
ばサーマルヘッドヘッドなどの製造で量産技術の確立し
ているガラスなどの厚膜材料を用いた厚膜印刷技術によ
り誘電体層を形成しても、長期にわたり安定して高密度
のイオン発生が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】  本発明の一実施例に係るイオン発生器の断
面図および平面図
【図2】  図1のスリット内の電界分布およびイオン
密度分布を示す図
【図3】  イオン発生の誘電体層の表面抵抗低下に伴
う静電容量による表面電位の低下を説明するための図

図4】  本発明の他の実施例を示す断面図
【図5】 
 本発明の他の実施例を示す断面図
【図6】  図5の
実施例の作用を説明するための図
【図7】  本発明の
他の実施例を示す断面図
【図8】  本発明の他の実施
例を示す断面図
【図9】  本発明の他の実施例を示す
断面図
【図10】  本発明の他の実施例を示す断面図
【図11】  本発明の他の実施例を示す断面図
【図1
2】  本発明の他の実施例を示す断面図
【図13】 
 本発明の他の実施例を示す断面図
【図14】  イオ
ン・デポジション記録装置の動作原理および従来のイオ
ン発生器の構成を示す断面模式図。
【符号の説明】
10…絶縁性基板                 
   11…誘導電極12…誘電体層        
              13…高絶縁抵抗層 14…接着層                   
     15…イオン発生電極 16…スリット(イオン発生用孔)    19,20
…凹部 21〜23,26…高絶縁抵抗層      24,2
5…凹部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】誘電体層と、この誘電体層を両側から挟ん
    で誘電体層の面内方向で互いに重ならないように配置さ
    れた第1の電極およびイオン発生用孔を有する第2の電
    極とを具備することを特徴とするイオン発生器。
  2. 【請求項2】誘電体層と、この誘電体層を両側から挟ん
    で配置された第1の電極およびイオン発生用孔を有する
    第2の電極と、前記誘電体層の前記イオン発生用孔の内
    側に設けられた壁面がテーパ状に形成された凹部とを具
    備することを特徴とするイオン発生器。
  3. 【請求項3】誘電体層と、この誘電体層を両側から挟ん
    で配置された第1の電極およびイオン発生用孔を有する
    第2の電極と、前記誘電体層の少なくとも前記イオン発
    生用孔に面した第2の電極の端面近傍領域に設けられた
    高絶縁抵抗部とを具備することを特徴とするイオン発生
    器。
  4. 【請求項4】誘電体層と、この誘電体層を両側から挟ん
    で配置された第1の電極およびイオン発生用孔を有する
    第2の電極と、前記誘電体層の前記イオン発生用孔に面
    した第2の電極の端面近傍領域に設けられた凹部とを具
    備することを特徴とするイオン発生器。
  5. 【請求項5】第1および第2の電極は誘電体層の面内方
    向で互いに重ならないように配置されていることを特徴
    とする請求項2、3または4に記載のイオン発生器。
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