JP2010046848A - イオンフロー記録ヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】画像の乱れや地汚れを抑制できると共に、鮮明な画像を形成することができるイオンフロー記録ヘッドを提案する。
【解決手段】加熱放電型のものであって、放電電極20の各被加熱部位20cを被覆しないように配設した絶縁保護層24上に、導電性材料からなる導電層25が配設された構成としたものである。又は、空域加熱型のものであって、導電性材料からなる導電層67が、絶縁層66の表面上に前記各被加熱部位66aを被覆しないように配設された構成としたものである。いずれの構成にあっても、導電層25,67が電荷を容易に移動するものであるから、電圧印加によって、導電層25,67を配した絶縁保護層24又は絶縁層66の接合面24b,67bと対向電極3とが電気的に釣り合うため、被加熱部位20c、66下の領域を除き、記録媒体5内の電荷の移動を抑制できるため、画像の乱れや地汚れを抑制できる。
【選択図】図4

Description

本発明は、電荷の作用により繰返し画像の書き込みや消去が可能な電子ペーパー等への書き込み装置として用いられるイオンフロー記録ヘッドに関する。
放電電極に所定の放電制御電圧(印加しただけでは放電が起こらないが、放電電極を加熱することにより放電が起こる電圧域の電圧をいう)を印加した状態で、該放電電極の被加熱部位への加熱の有無を制御することによりイオンの発生制御を行う加熱放電型のイオンフロー記録ヘッドが知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。かかる加熱放電型のイオンフロー記録ヘッドは、放電電極に印加する電圧の制御が不要であり、発熱素子による放電電極の加熱制御に使用する5V駆動のような低耐電圧対応のドライバICでイオンの発生を制御することができるため、低価格化及び小型化し得る利点がある。
また、上記の特許文献2には、加熱放電型のイオンフロー記録ヘッドの駆動方法が示されている。すなわち、イオンフロー記録ヘッドの放電電極と、静電潜像方式の記録媒体の裏面側に形成或いは接触又は近接して配設された対向電極との間に、放電制御電圧に相当する電位差を設定して電界を形成し、発熱素子を備えた加熱手段により放電電極の各被加熱部位を選択的に加熱することで、対向して配置された放電電極と対向電極との間で放電を発生させ、さらに電界によって放電電極の被加熱部位から放出させたイオンを記録媒体の記録面(表面)に移動させることで、電荷を付与して画像を形成する。
一方、本発明者らは、特許文献3に、絶縁層の被加熱部位を加熱制御することにより、該被加熱部位と静電潜像方式の記録媒体との間の限定空域を加熱して、当該限定空域でイオンを発生させ、記録媒体の裏面側に配設された対向電極に電圧印加して、前記イオンを記録媒体の表面に引き付けるようにしたイオンフロー記録ヘッド(以下、空域加熱型のイオンフロー記録ヘッドと言う)を提案している。すなわち、対向電極に正電圧を印加し、絶縁層の裏面側に配設した複数の発熱素子を選択的に発熱制御することにより、絶縁層の各被加熱部位を加熱して、当該被加熱部位と記録媒体との間の限定空域を加熱してイオンを発生させる。そして、このイオンが、対向電極により発生する電界によって記録媒体の表面に引き寄せられることで、電荷を付与して画像の形成を行う。
上記した加熱放電型および空域加熱型の各イオンフロー記録ヘッドは、一般的に、静電潜像方式の記録媒体の記録面に電荷を付与して静電潜像を形成する。この静電潜像は視認不可であるため、この静電潜像の形成後に、該潜像を現像して視認可能な画像とすることを要する。
特開2003−326756号公報 特開2008−114429号公報 特願2008−22505号
ところで、上記した記録媒体としては、ツイストボール方式やマイクロカプセル電気泳動方式等のシート状の電子ペーパーも用いられる。ここで、例えば、マイクロカプセル電気泳動方式の電子ペーパーにあっては、常温で流動性を有する流動性溶媒に、所定色の荷電粒子を分散して、マイクロカプセル内に充填し、このマイクロカプセルを基材と被覆層との間に均一に分散して配してなる構成である。この電子ペーパーの表面又は裏面に電荷を付与することにより、マイクロカプセル内で移動可能な荷電粒子が、前記電荷に引き付けられる(又は反発する)。これにより、電子ペーパーの表面側に移動した荷電粒子によって、該表面に画像が形成される。尚、流動性溶媒は所定の粘性も有していることから、電荷付与を停止すると、前記画像が記録保持される。
また、上記した加熱放電型のイオンフロー記録ヘッドは、放電電極の各被加熱部位から発生する放電によりイオンを生じさせていることから、当該ヘッドと記録媒体の表面とを非接触とする。このような加熱放電型のイオンフロー記録ヘッドを備えた画像の形成装置に、上記したマイクロカプセル電気泳動方式の電子ペーパーを用いた場合、放電電極からの放電により生じたイオンが電子ペーパー表面に移動することによって、マイクロカプセル内の荷電粒子が前記電荷に引き付けられて当該電子ペーパーの表面に画像が形成される。具体的には、対向電極に正電圧を印加して電界を生じて、放電により発生したマイナスイオンが電子ペーパー表面に移動し、該電子ペーパーのマイクロカプセル内の正電荷を持つ荷電粒子が、前記マイナスイオンに引き付けられて、当該荷電粒子の有する所定色により画像が形成される。
ところが、上記のように、イオンフロー記録ヘッドと対向電極との間に電位差が生じると、該イオンフロー記録ヘッドに非接触の電子ペーパー表面と対向電極との間にも電位差が生じる。そのため、イオンフロー記録ヘッド下では、放電によるマイナスイオンが移動していない領域でも、電子ペーパーのマイクロカプセル内の正電荷を持つ荷電粒子が電位の低い方向に移動してしまい易い。これは、特にマイナスイオンが移動した領域に近づくほど、該マイナスイオンの影響も受けるために顕著に生じ易い傾向にある。そのため、画像の乱れが生じ易く、また、解像度に限界があり鮮明な画像を得難い。さらには、所望の画像と異なる領域が着色される(以下、地汚れと言う)という問題も生じてしまう。
また、上記した空域加熱型のイオンフロー記録ヘッドにあっても、上述した問題が同様に生ずる。
本発明は、放電加熱型および空域加熱型のものにあって、画像の乱れを防ぎ且つ鮮明な画像を得ると共に、地汚れを抑制できるイオンフロー記録ヘッドを提案する。
本発明は、絶縁層の表面側に配設された放電電極と、前記絶縁層の裏面側に配設された発熱素子とを備え、前記放電電極と該放電電極に対向する対向電極との間に、印加しただけでは放電が発生せず前記放電電極を加熱することにより放電が発生する電位差を生じさせ、前記発熱素子により前記放電電極の各被加熱部位を選択的に加熱することによって、この放電により生成されるイオンの発生を制御する加熱放電型のイオンフロー記録ヘッドにおいて、放電電極の表面側に該放電電極の各被加熱部位を被覆しないように配設された絶縁保護層を備えると共に、該絶縁保護層上に、導電性材料からなる導電層が配設されていることを特徴とするイオンフロー記録ヘッドである。ここで、導電層は、その表面が放電電極の表面よりも表方へ突出し且つ該放電電極の各被加熱部位を被覆しないようにし、且つ放電電極と絶縁させて配設されている。
かかる構成にあって、上記したツイストボール方式やマイクロカプセル電気泳動方式等のシート状の電子ペーパーに所望の画像を形成する際には、導電層の表面を電子ペーパー表面に当接し、放電電極の各被加熱部位と電子ペーパーの表面との間の空隙でイオンを発生する制御を行う。例えば、マイクロカプセル電気泳動方式の電子ペーパーの場合、この電子ペーパーの裏面側に配設した対向電極に所定電圧を印加することにより、放電電極の被加熱部位からイオンを放出し、該イオンが電子ペーパー表面に移動し、このイオンに荷電粒子が引き付けられて当該電子ペーパーの表面に所望の画像を形成する。本構成によれば、電子ペーパーに画像の乱れが生じ難く、鮮明な画像を得ることができる。さらに、上記した地汚れの発生を抑制することができる。
ここで、絶縁保護層と導電性材料からなる導電層とを配することによって、上記した作用効果を奏する原因について考察する。放電電極からイオンを放電する際に対向電極に所定電圧を印加すると、上記したように対向電極と電子ペーパー表面とには電位差が生じるが、該電子ペーパー表面に当接する導電層は容易に電荷を移動できることから、該導電層を介して対向電極から絶縁保護層に電荷が移動する。そして、絶縁保護層の表面(導電層が配設された接合面)に電荷がたまり、該絶縁保護層と対向電極との間では、電気的に釣り合った状態が生じる。これにより、電子ペーパーの、導電層が接触している領域では、マイクロカプセル内の荷電粒子がその表面側へ移動することを抑制でき、画像の乱れや地汚れなどを抑制することができると考えられる。一方、絶縁保護層と導電層とが放電電極の各被加熱部位を被覆しないように設けられていることから、各被加熱部位と電子ペーパー表面との間には上記のように空隙が存在するため、対向電極との間に電位差を生じ、所望の画像を形成できる。したがって、本発明の構成では、画像の乱れや地汚れの発生を抑制する効果に優れ、且つ鮮明度の高い画像を得ることができる。
また、絶縁保護層および導電層は、放電電極と電子ペーパーとを非接触とするためのスペーサの役割も有する。そのため、放電電極と電子ペーパーとが接触することを防止でき、所望の解像度を維持して画像形成することができるという利点も有する。
尚、導電層をなす導電性材料としては、アルミニウムやニッケルやクロムなどの金属、又は導電性フッ素樹脂などを好適に用い得る。
また、絶縁保護層によって、導電層と放電電極とが導通することを防止できるため、放電電極に印加する放電制御電圧と導電層から移動する電荷とが相互に影響して夫々の電位に乱れが生じることを防止できる。そのため、画像の乱れや地汚れを抑制する効果が一層向上している。
一方、本発明は、絶縁層の裏面側に、該絶縁層の各被加熱部位を選択的に加熱する加熱手段を備え、該加熱手段による被加熱部位の加熱によって、該被加熱部位の表方の限定空域を加熱して、該限定空域でのイオンの発生を制御する空域加熱型のイオンフロー記録ヘッドにおいて、絶縁層の表面上に前記各被加熱部位を被覆しないように配設された導電性材料からなる導電層を備えていることを特徴とするイオンフロー記録ヘッドである。
かかる構成にあって、上記したツイストボール方式やマイクロカプセル電気泳動方式等のシート状の電子ペーパーに所望の画像を形成する際には、導電層の表面を電子ペーパー表面に当接し、絶縁層の各被加熱部位と電子ペーパーとの間の限定空域でイオンを発生する制御を行う。例えば、マイクロカプセル電気泳動方式の電子ペーパーの場合、電子ペーパーの裏面側に配設した対向電極に所定電圧を印加することにより、前記限定空域で発生したイオンが電子ペーパー表面に移動して該電子ペーパーに所望の画像を形成する。本構成にあっても、上述した加熱放電型の構成と同様に、電子ペーパーに画像の乱れが生じ難く、鮮明な画像を得ることができ、さらに、地汚れの発生を抑制できる。
本構成にあっても、上述した加熱放電型の構成と同様、導電層は容易に電荷を移動できるため、対向電極に電圧印加すると、絶縁層の、導電層が配設された接合面に、該導電層を介して電荷が移動してたまり、絶縁層の接合面と対向電極とが電気的に釣り合うことから、電子ペーパーの荷電粒子がその表面側へ移動することを抑制できると考えられる。これにより、画像の乱れや地汚れの発生を抑制する効果に優れ、且つ高い鮮明度を得ることができ得る。さらに、導電層は、絶縁層と電子ペーパーとを非接触とするためのスペーサの役割も有することから、絶縁層の各被加熱部位と電子ペーパーとが接触することを防止して限定空域を保持できるため、該限定空域でのイオン発生を確実に行うことができ、所望の解像度を維持して画像形成することができるという利点も有する。
尚、導電層をなす導電性材料としては、アルミニウムやニッケルやクロムなどの金属、又は導電性フッ素樹脂などを好適に用い得る。
上述した空域加熱型のイオンフロー記録ヘッドにあって、加熱手段が、絶縁層の裏面側に配設された複数の発熱素子を備えてなり、該発熱素子により絶縁層の各被加熱部位を選択的に加熱するものである構成が提案される。
かかる構成にあっては、発熱素子を選択的に発熱することにより、各被加熱領域を加熱して限定空域を正確かつ安定して加熱できる。そのため、限定空域の加熱によって発生したイオンが上記した電子ペーパー表面に移動することによって、該電子ペーパーの荷電粒子を引き付けて所望の画像を安定かつ精度良く形成することができる。
上述した空域加熱型のイオンフロー記録ヘッドにあって、加熱手段が、レーザー光を照射制御するレーザー照射制御装置により構成されてなり、前記絶縁加熱体の被加熱部位に選択的に集光点を合わせてレーザー光を照射して、各被加熱部位を加熱するようにしたものである構成が提案される。
かかる構成にあっては、絶縁層の各被加熱部位に集光点を合わせてレーザー光を照射することにより、各被加熱部位を正確かつ安定して加熱することができることから、これに伴い限定空域を正確に加熱できる。そのため、限定空域の加熱によって発生したイオンが上記した電子ペーパー表面に移動することによって、該電子ペーパーの荷電粒子を引き付けて所望の画像を安定かつ精度良く形成することができる。
本発明にかかる加熱放電型のイオンフロー記録ヘッドにあっては、上述したように、放電電極の各被加熱部位を被覆しないように設けられた絶縁保護層を備えると共に、該絶縁保護層上に、導電性材料からなる導電層が配設されてなる構成としたものであるから、ツイストボール方式やマイクロカプセル電気泳動方式等の電子ペーパーに、画像の乱れや地汚れが生じることを抑制し、高鮮明な画像を形成することができ得る。これは、放電電極に対向する対向電極に所定電圧を印加すると、電子ペーパーに当接した導電層を介して絶縁保護層に電荷が移動してたまり、対向電極と絶縁保護層の表面(導電層との接合面)とが電気的に釣り合うことから、放電電極の各被加熱部位からイオンが移動した領域以外で電子ペーパー内の荷電粒子の移動を抑制できるためであると考えられる。
一方、本発明にかかる空域加熱型のイオンフロー記録ヘッドにあっては、上述したように、絶縁層の表面上に前記各被加熱部位を被覆しないように配設された導電性材料からなる導電層を備えた構成としたものであるから、マイクロカプセル電気泳動方式等の電子ペーパーに、画像の乱れや地汚れを抑制し、高鮮明な画像を形成することができ得る。これは、上述した加熱放電型の構成と同様に、放電電極への電圧印加により、電子ペーパーに当接した導電層を介して絶縁層の導電層との接合面に電荷が移動してたまり、対向電極と絶縁層の接合面とが電気的に釣り合うことから、電子ペーパー内の荷電粒子の移動を抑制できると考えられる。
上記した空域加熱型のイオンフロー記録ヘッドにあって、加熱手段が、絶縁層の裏面側に配設された複数の発熱素子を備えてなり、該発熱素子により絶縁層の各被加熱部位を選択的に加熱するものである構成とした場合には、発熱素子の選択的発熱制御により、限定空域を正確かつ安定して加熱できるため、所望の画像を安定かつ精度良く形成することができる。
上記した空域加熱型のイオンフロー記録ヘッドにあって、加熱手段が、レーザー光を照射制御するレーザー照射制御装置により構成されてなり、前記絶縁加熱体の被加熱部位に選択的に集光点を合わせてレーザー光を照射して、各被加熱部位を加熱するようにしたものである構成とした場合には、レーザー光による集光点への照射制御によって、限定空域を正確かつ安定して加熱できるため、所望の画像を安定かつ精度良く形成することができる。
本発明にかかる加熱放電型のイオンフロー記録ヘッド(実施例1)および空域加熱型のイオンフロー記録ヘッド(実施例2)について、添付図面に従って以下に説明する。
図1に、加熱放電型のイオンフロー記録ヘッド11を配設した画像形成装置1を示す。この画像形成装置1は、電荷の作用により繰返し画像の書き込みや消去が可能な電子ペーパーからなる記録媒体5の表面側に配置した前記イオンフロー記録ヘッド11と、記録媒体5の裏面側に配設した対向電極3とを備えている。ここで、対向電極3は、電極ローラから構成されており、イオンフロー記録ヘッド11と対向するようにして遊転可能に軸支されて配置されている。また、画像形成装置1には、前記記録媒体5を搬送する搬送装置(図示省略)も備えている。この搬送装置は、従来から用いられている構成のものを適用することができ、その詳細については省略する。
上記した記録媒体5としては、ツイストボール方式やマイクロカプセル電気泳動方式等のシート状の電子ペーパーを好適に用い得る。本実施例にあっては、マイクロカプセル電気泳動方式の電子ペーパーを用いる。この電子ペーパー(記録媒体)5は、図4のように、シート状の基材41上に、複数のマイクロカプセル45が均一に分散した記録層42が配され、さらに該記録層42を被覆するように被覆層43が設けられてなる。ここで、被覆層43のマイクロカプセル45は、所定色に着色された荷電粒子46が、無色の流動性溶媒47内に分散されて内包されている。この流動性溶媒47は、常温で流動性を有しており、荷電粒子46を移動可能としていると共に、所定の粘性も有していることから荷電粒子46の自由な移動を抑制している。すなわち、比較的強い電界などが作用すると、該電界に従って荷電粒子46が移動できるが、該電界などの作用がなければ、荷電粒子46の移動を生じない。尚、このようなマイクロカプセル電気泳動方式の電子ペーパーは、従来から公知のものを適用できるため、これ以上の詳細については省略する。
次に本発明の要部にかかる加熱放電型のイオンフロー記録ヘッド11について説明する。
このイオンフロー記録ヘッド11は、図2,3のように、薄板状の担持基板12を備えている。この担持基板12は、耐熱性及び絶縁性を有するポリイミド,アラミド,ポリエーテルイミド等の薄膜樹脂で形成されている。そして、担持基板12の上面には、一定間隔で並列する複数の狭幅の発熱用櫛歯電極13aと、各発熱用櫛歯電極13aの基端が接続された広幅のコ字形電極13bとを備えた発熱用共通電極13が配設されている。さらに、各発熱用櫛歯電極13aの間には、細帯状の発熱用個別電極14が各発熱用櫛歯電極13aと平行に配置されている。すなわち、担持基板12上には、発熱用櫛歯電極13aと発熱用個別電極14とが交互に配設されている。発熱用櫛歯電極13a、コ字形電極13b、及び発熱用個別電極14は、平面状に形成された担持基板12の表面に金ペースト等の導体を印刷した後、エッチングにより形成され得る。尚、隣接する各発熱用櫛歯電極13a間のピッチ幅が、一画素(1ドット)を構成する領域となっている。
前記発熱用櫛歯電極13a及び発熱用個別電極14上には、これらと電気的に接続された帯状の発熱素子15が配設されている。この発熱素子15は、発熱用櫛歯電極13a及び発熱用個別電極14の上部にTaSiO、RuO等を印刷する等して形成され得る。
また、担持基板12上には、コ字形電極13bと発熱用個別電極14の端部とを除いて絶縁層16が覆設されている。この絶縁層16は、耐熱性及び絶縁性を有するポリイミド,アラミド,ポリエーテルイミド等の薄膜樹脂を印刷する等して形成され得る。
また、前記絶縁層16上には、梯子状の放電電極20が配設されており、該放電電極20は、絶縁層16により発熱素子15と絶縁されている。ここで、放電電極20は、各発熱用個別電極14と上下方向で一致するように並設された細幅帯状の複数の被加熱電極20aと、各被加熱電極20aの両端部に連成された広幅帯状の共通電極20b,20bとから構成されている。各被加熱電極20aは、夫々に各発熱用個別電極14と、絶縁層16および発熱素子15を介して上下位置で対峙していることから、発熱素子15に対応する各被加熱電極20aの部位が、本発明にかかる放電電極20の各被加熱部位20cとなる。尚、後述するように、放電電極20の各被加熱電極20aの被加熱部位20cからは、所定条件下でそれぞれイオンが照射されることとなる。
この放電電極20は、金,銀,銅,アルミニウム等の金属を、蒸着,スパッタ,印刷,又はメッキで形成した後、エッチングにより形成され得る。また、本実施例1にあっては、放電電極20の各被加熱電極20aは、互いに隣り合う同士のピッチ幅を、一画素(1ドット)となるように設定している。具体的には、ピッチ幅を50μm〜250μmの範囲で設定する。
また、担持基板12上には、前記発熱素子15の発熱を制御するドライバIC18が実装されている。このドライバIC18は、コ字形電極13b及び発熱用個別電極14から伸びるリードパターンに金線でワイヤボンディングされた状態で、エポキシ樹脂等のIC保護用の樹脂で封止されている。
発熱素子15は、ドライバIC18が所定の信号を発信して発熱用櫛歯電極13aと発熱用個別電極14とに対して電圧を印加して通電することにより発熱する。すなわち、一本の発熱用個別電極14とその両側の発熱用櫛歯電極13a,13aとの間に所定の電圧を印加して通電することにより、これら電極14,13a,13aに対応する発熱素子15の任意の部位を発熱させて、当該部位に対応する任意の被加熱部位20cを加熱する。
ドライバIC18は、図示しない制御装置により、所定の画像データに従って発熱用個別電極14を選択的に通電するように制御され、これに伴い放電電極20の各被加熱部位20cを選択的に加熱する制御を行う。尚、制御装置による画像の書き込みにかかる詳しい制御内容については本発明の要部ではないので、その説明を省略する。
さらに、放電電極20上には、その各被加熱電極20aの被加熱部位20cを除いて被覆する絶縁保護層24が配設されている。本実施例にあっては、この絶縁保護層24は、放電電極20の各被加熱部位20cを被覆しないようにして絶縁層16上に形成されており、各被加熱部位20cが露出している。詳述すると、絶縁保護層24は、放電電極20の各被加熱部位20cに夫々対応する部位に円形の孔部24aを備え、各孔部24aから被加熱部位20cが露出する。そして、絶縁保護層24は、その各孔部24aから露出する被加熱部位20cを除き、絶縁層16上を被覆しており、絶縁保護層24の表面が面一となるよう形成されている。そのため、絶縁保護層24の表面は、放電電極20の各被加熱部位20cの表面に比して表方へ突出している。尚、絶縁保護層24は、ガラス、アラミドやポリイミド等の合成樹脂、SiO等のセラミック、マイカ等の絶縁材料により構成されており、公知のスクリーン印刷、蒸着、又はスパッタ等の手法により好適に形成される。
絶縁保護層24上には、導電層25が積層されている。この導電層25は、絶縁保護層24の各孔部24aを被覆しないように設けられている。詳細には、絶縁保護層24の該孔部24aと同じ寸法形状の孔部25aが夫々形成されており、絶縁保護層24の各孔部24aと導電層25の各孔部25aとが上下方向で重ね合わされて連通するようになっている。これにより、放電電極20の各被加熱部位20cが露出している。この導電層25は、その表面が面一に形成されており、放電電極20の各被加熱部位20cよりも表方へ突出している。そして、この導電層25は、絶縁保護層24によって放電電極20と絶縁されている。尚、後述するように、記録媒体5に画像形成する際には、導電層25の表面が、記録媒体5の表面と当接するようにしている(図4参照)。
尚、導電層25は、導電性材料から構成されており、該導電性材料として、アルミニウムやニッケルやクロムなどの金属、導電性フッ素樹脂等が好適に用い得る。また、本実施例にあっては、導電層25の表面と、放電電極20の各被加熱部位20cの表面との高さ差が、1μm〜250μmとなるように設定している。そして、導電層25の層厚は、100nm〜100μmとなるように設定している。さらに、導電層25の層厚としては、1μm〜50μmが好適に用いられ、導電層25の表面と被加熱部位20cの表面との高さ差は、100μm以下とすることが好適である。
次に、本実施例1の画像形成装置1の作動態様を説明する。
図示しない搬送装置により記録媒体5を搬送し、図1のように、対向電極3とイオンフロー記録ヘッド11間に挿通する。ここで、記録媒体5は、上記したマイクロカプセル電気泳動方式の電子ペーパーであり、本実施例1にあって、マイクロカプセル45内の荷電粒子46は正に帯電しているものとする(図4(A)参照)。
搬送装置により搬送された記録媒体5の裏面に、対向電極3を接触させると共に、当該記録媒体5の表面(記録面)には、イオンフロー記録ヘッド11の導電層25を接触させる。これにより、イオンフロー記録ヘッド11と対向電極3とによって、記録媒体5を部分的に挟むようにしている。尚ここで、イオンフロー記録ヘッド11は、その放電電極20の被加熱電極20aの並設方向(長手方向)が、記録媒体5の搬送方向と直交するように配設されており、前記並設方向と対向電極3の長手方向とが平行となるように夫々配置されている。また、対向電極3は、上記したように遊転可能に軸支された電気ローラにより構成されていることから、記録媒体5の搬送を円滑に行い得るようになっている。
ここで、上記の対向電極3には、放電制御電圧Eの高電位側の電極が接続されており、また、放電電極20の共通電極20bは接地されている。そのため、対向電極3に電圧を印加することにより、対向電極3と放電電極20とには、放電制御電圧Eに相当する電位差を生ずる。
上記のように対向電極3に電圧印加して、イオンフロー記録ヘッド11の放電電極20との間に放電制御電圧Eに相当する電位差を設定することにより、電界を形成する。尚、放電制御電圧Eとは、放電電極20に対して印加しただけでは放電が起こらないが、加熱することにより放電が起こる電圧域の電圧をいう。この放電制御電圧Eは、交流電圧に直流電圧を重畳して生成され、対向電極3に印加することにより、放電電極20の被加熱部位20cの加熱時にマイナスイオンを発生させることができる。
このように対向電極3に電圧印加することにより、該対向電極3と放電電極20との間に電界が生ずる。ここで、導電層25は容易に電荷を移動するものであるから、絶縁保護層24に対向電極3から導電層25を介して電荷が移動してたまり易く、これに伴って絶縁保護層24の表面(導電層25との接合面)が対向電極3と電気的に釣り合う(図4参照)。そのため、イオンフロー記録ヘッド11の導線層25と記録媒体5とが当接している領域では、対向電極3と絶縁保護層24との間で電位差がほとんど無くなると考えられる。一方、イオンフロー記録ヘッド11の放電電極20の被加熱部位20cと記録媒体5との間には空隙が存在していることから、両者の間には放電制御電圧Eの電位差があり電界が維持される。
上記のように放電制御電圧Eが印加された状態で、発熱素子15をドライバIC18で制御する。即ち、任意の発熱用櫛歯電極13a及び発熱用個別電極14を介して発熱素子15にストローブ電圧を印加し、該発熱素子15を発熱させて放電電極20の被加熱電極20aの被加熱部位20cを選択的に所定温度(200〜300℃)に加熱することにより、放電電極20の被加熱部位20cと対向電極3との間で放電を発生させる。
この放電電極20の被加熱部位20cの放電により生成されるマイナスイオンを、該被加熱部位20cと対向電極3との間に形成された電界によって記録媒体5の記録面(表面)に移動させる。記録媒体5では、上記したように、マイクロカプセル45内の荷電粒子46が泳動可能であることから、図4(B)のように、該荷電粒子46が記録面に移動したマイナスイオンによって引き寄せられて、マイクロカプセル45内の記録面側に集中する。これにより、放電電極20の被加熱部位20c直下では、記録媒体5の記録面が、荷電粒子46の集中によって擬似的に着色される。一方、記録媒体5の、導電層25が当接している領域では、上記のように対向電極3と絶縁保護層24の表面との間の電位差がほとんど無いことから、マイクロカプセル45内の荷電粒子46が分散した状態で維持される。
このように記録媒体5の記録面にあっては、放電電極20の被加熱部位20c直下の領域で着色され、該被加熱部位20c直下を除く領域では着色されないことから、両者の境界を明確化でき、画像の乱れや地汚れ等を生じずに鮮明な画像を形成することができる。
このように放電電極20の各被加熱部位20cを選択的に加熱することによって、所望の画像を形成する。そして、画像形成後には、新たな電界が作用しない限り、マイクロカプセル45の流動性溶媒47が有する粘性によって荷電粒子46が移動できず、当該画像が記録保持される。
本実施例1の画像形成装置1は、対向電極3とイオンフロー記録ヘッド11の放電電極20の被加熱部位20cとの間で放電制御電圧Eに相当する電位差を生じ、各被加熱部位20cを選択的に加熱して発生したイオンを記録媒体5の記録面に移動させることによって、所望の画像を形成できる。そして、イオンフロー記録ヘッド11は、その導電層25を記録媒体5の記録面に接触させていることから、該導電層25を介して絶縁保護層24の表面が帯電して、該絶縁保護層24と対向電極3との間で電位差がほとんど無くなるために、記憶媒体5の荷電粒子46の移動を抑制でき、画像の乱れや地汚れ等の発生を抑制することができる。したがって、マイクロカプセル電気泳動方式の電子ペーパーからなる記録媒体5に画像形成する際に、所望の画像を高鮮明度により形成することができ得る。
本実施例1にあっては、対向電極3に電圧印加するようにした構成であるが、逆に放電電極に電圧印加するようにして構成とすることもできる。かかる構成にあっても、上述と同様の作用効果を奏する。
図5は、実施例2にかかる、空域加熱型のイオンフロー記録ヘッド61を備えた画像形成装置51である。この画像形成装置51は、加熱放電型のイオンフロー記録ヘッド11(図1参照)に代えて空域加熱型のイオンフロー記録ヘッド61を備えた以外は、実施例1の画像形成装置1と同じ構成であり、その説明を省略する。また、記録媒体5にあっても、実施例1と同様にマイクロカプセル電気泳動方式の電子ペーパーからなるものを用いている。
空域加熱型のイオンフロー記録ヘッド61は、図6,7のように、上述した実施例1と同様の担持基板12の上面に、一定間隔で並列する複数の狭幅の発熱用櫛歯電極63aと、各発熱用櫛歯電極63aの基端が接続された広幅のコ字形電極63bとを備えた発熱用共通電極63が配設されている。さらに、各発熱用櫛歯電極63aの先端から所定間隔をおいて、細帯状の発熱用個別電極64が各発熱用櫛歯電極63aと一直線状になるように配設されている。発熱用共通電極63および発熱用個別電極64は、担持基板12の表面に金ペースト等の導体を印刷した後、エッチングすることにより形成され得る。
上記した各発熱用櫛歯電極63a及び発熱用個別電極64上には、一対の両者を橋渡して電気的に接続する発熱素子65が夫々並設されている。すなわち、発熱用櫛歯電極13aまたは発熱用個別電極14と同数の発熱素子65が整列して配設されている。尚、この発熱素子65の、整列方向に沿った幅が、一画素(1ドット)を構成する領域となっており、具体的には10〜250μmに適宜設定されている。発熱素子65は、発熱用櫛歯電極63a及び発熱用個別電極64上にTaSiO、RuO等を印刷する等して形成され得る。
また、担持基板12上には、実施例1と同様に絶縁層66が配設されている。さらに、ドライバIC18も配設されており、各発熱素子65を発熱制御する。このドライバIC18は、図示しない制御装置により制御されて、発熱用個別電極64とその対となる発熱用櫛歯電極63aとの間に所定の電圧を印加して通電することにより、当該発熱用個別電極64と発熱用櫛歯電極63aとを接続した発熱素子65を発熱させる。この発熱素子65の発熱により、上記の絶縁層66の、当該発熱素子65を被覆している被加熱部位66aを加熱する。絶縁層16にあって、各発熱素子65を夫々被覆する部位がそれぞれ、該発熱素子65により加熱される被加熱部位66aである。
このように、任意の発熱用櫛歯電極63aと発熱用個別電極64との間に電圧を印加することにより、任意の発熱素子65を発熱し、該発熱素子65に対応する被加熱部位66aを選択的に加熱する。
さらに、絶縁層66上には、その各被加熱部位66aを被覆しないようにして導電層67が配設されている。詳述すると、この導電層67は、各被加熱部位66aに夫々対応する部位に円形の孔部67aを備えてなり、各孔部67aから被加熱部位66aを露出している。そして、導電層67は、その表面が面一となるように形成されており、該導電層67の表面は、絶縁層66の表面より表方へ突出している。これにより、上述した実施例1と同様に、導電層67の表面が、記録媒体5の表面(記録面)と当接し、後述するように、各孔部67a内に限定空域70が形成されるようになっている(図8参照)。
尚、上記した導電層67は、上述した実施例1と同様に、アルミニウムやニッケルやクロムなどの金属、導電性フッ素樹脂等の導電性材料から構成される。そして、導電層67の層厚は、100nm〜100μmとなるように設定している。
次に、本実施例2の画像形成装置51の作動態様を説明する。
上述した実施例1と同様に、マイクロカプセル電気泳動方式の電子ペーパーからなる記録媒体5を、図5のように、図示しない搬送装置により対向電極3とイオンフロー記録ヘッド61間に挿通して搬送する。記録媒体5の裏面に、対向電極3を接触させると共に、当該記録媒体5の表面(記録面)には、イオンフロー記録ヘッド61の導電層67を接触させる。尚ここで、イオンフロー記録ヘッド61は、その発熱素子65の並設方向が記録媒体5の搬送方向と直交するように配置され、対向電極3は、その長手方向が前記並設方向と平行とするように配置されている。
上記の対向電極3に所定の正電圧を印加する。これにより、対向電極3とイオンフロー記録ヘッド61の絶縁層66との間に電界が生ずる。ここで、導電体67は電荷を容易に移動するものであるから、上述した実施例1と同様に、絶縁層66の、導電層67が配設された接合面67bには、対向電極3から導電層67を介して電荷が移動してたまり易く、対向電極3と電気的に釣り合う(図8参照)と考えられる。一方、絶縁層66の、導電層67により被覆されていない各被加熱部位66aでは、導電層67が無いことから、前記電界が維持される。
このように対向電極3に所定の電圧を印加した状態で、ドライバIC18により各発熱素子65を選択的に発熱する制御を行う。すなわち、任意の発熱用個別電極64とその対である発熱用櫛歯電極63aとに電圧を印加して通電し、当該発熱用個別電極64と発熱用櫛歯電極63aとに接続された発熱素子65を発熱させることにより、絶縁層66の任意の被加熱部位66aを選択的に所定温度(200〜300℃)に加熱する。これによって、図8(A)のように、絶縁層66の被加熱部位66aと記録媒体5との間で、導電層67の孔部67aによって囲まれた限定空域70を加熱し、該限定空域70の空気を熱してプラスイオンとマイナスイオンとを発生させる。そして、図8(B)のように、マイナスイオンが、対向電極3の電圧印加により生じた電界によって、記録媒体5の記録面に移動する。
記録媒体5の記録面に移動したマイナスイオンによって、図8(B)のように、記録媒体5のマイクロカプセル45内の荷電粒子46が引き寄せられて、該マイクロカプセル45内の記録面側に集中する。一方、記録媒体5の、導電層67と接触している領域では、上記のように、絶縁層66の接合面66bと対向電極3とが電気的に釣り合っていることから、マイクロカプセル45内で荷電粒子46が分散した状態で維持される。したがって、記録媒体5の記録面にあっては、選択的に加熱した被加熱部位66a直下の領域で着色され、該被加熱部位66a直下を除く領域では着色されないことから、両者の境界を明確化でき、画像の乱れや地汚れ等を生じずに鮮明な画像を形成することができる。そして、記録媒体5への画像形成後には、マイクロカプセル45の流動性媒体47の粘性によって、当該画像が記録保持される。
このように本実施例2の画像形成装置51にあっては、発熱素子65を発熱して各被加熱部位66aを選択的に加熱して、限定空域70でイオンを発生させ、当該イオンを記録媒体5の記録面へ移動させることにより、所望の画像を形成する。そして、イオンフロー記録ヘッド61は、その導電層67を記録媒体5の記録面に接触させていることから、絶縁層66の接合面66bと対向電極3とが電気的に釣り合った状態となり、画像の乱れや地汚れ等の発生を抑制することができる。したがって、マイクロカプセル電気泳動方式の電子ペーパーからなる記録媒体5に画像形成する際に、上述した実施例1と同様に、所望の画像を高鮮明度により形成することができ得る。
さらに、上記した限定空域70は、絶縁層66と記録媒体5との間で導電層67の孔部67aによって囲まれることから、略密閉された空域として形成される。そのため、被加熱部位66aの加熱によって、効率的に加熱され、限定空域70内の空気を比較的容易かつ安定してイオン化することができるという利点も有する。したがって、限定空域70で生成したマイナスイオンを充分に記録媒体5の記録面へ移動させることができ、画像をより鮮明に形成でき得る。
実施例3の画像形成装置(図示省略)は、図9のように、所定厚みの絶縁層82と、該絶縁層82の表面に配設された導電層83と、絶縁層82の裏面側に設けられたレーザー照射制御装置84とを具備する空域加熱型のイオンフロー記録ヘッド81を備えている。この画像形成装置は、実施例2のイオンフロー記録ヘッド61(図5参照)に代えて前記のイオンフロー記録ヘッド81を備えた以外は、実施例2の画像形成装置51(および実施例1の画像形成装置1)と同じ構成であり、その説明を省略する。また、記録媒体5にあっても、実施例1と同様にマイクロカプセル電気泳動方式の電子ペーパーからなるものを用いている。
実施例3のイオンフロー記録ヘッド81にあって、レーザー照射制御装置84は、レーザー光を発振する発振器85、レーザー光を集光して照射するレーザー照射部86、発振器85からレーザー照射部86に至るレーザー光路87、レーザー光の出力制御と集光点の制御とを行う制御装置88とから構成されている。ここで、レーザー照射部86には、レーザー光を集光し且つその集光点を位置変換するためのレンズ(図示省略)を備えており、該レンズを制御装置88により作動制御することにより集光点を変位調整するようになっている。
レーザー照射制御装置84は、絶縁層82の裏面に集光点を合わせるようにして、該集光点となる被加熱部位82aにレーザー光を照射する。これにより、絶縁層82の各被加熱部位82aを選択的に加熱するように制御している。ここで、レーザー照射制御装置84は、各被加熱部位82aを加熱した際に、当該被加熱部位82aが比較的高温まで加熱されて局所的な破壊を生じないように、前記出力や照射時間を制御することも実施している。また、被加熱部位82aの、レーザー光による導体化を可及的に抑制できるように、レーザー光の照射制御も行っている。
絶縁層82の表面には、導電性材料からなる導電層83が積層されている。この導電層83は、その長手方向(記録媒体5の搬送方向と直交する方向)に沿って長孔83aを備えており、該長孔83aを介して絶縁層82の表面が露出している。この絶縁層82の露出している領域により、各被加熱部位82aが構成されており、上記したレーザー照射制御装置84によりレーザー光の集光点が合わせられるように制御する。すなわち、この領域の任意の部位に集光点を合わせてレーザー光を照射することによって、その部位が被加熱部位82aとなる。
導電層83は、その表面が面一に形成されており、上述した実施例2と同様に、その層厚が100nm〜100μmとなるように設定している。また、導電層83を構成する導電性材料は、アルミニウムやニッケルやクロムなどの金属、導電性フッ素樹脂等が好適である。
次に、本実施例3の画像形成装置の作動態様を説明する。
上述した実施例1と同様に、マイクロカプセル電気泳動方式の電子ペーパーからなる記録媒体5を、図9のように、図示しない搬送装置により対向電極3とイオンフロー記録ヘッド81間に挿通して搬送する。記録媒体5の裏面に、対向電極3を接触させると共に、当該記録媒体5の表面(記録面)には、イオンフロー記録ヘッド81の導電層83を接触させる。
上記の対向電極3に所定の正電圧を印加することにより、対向電極3と絶縁層82との間に電界が生ずる。ここで、上述した実施例2と同様に、絶縁層82の、導電層83を配設した接合面82bには、導電層83を介して電荷が移動してたまり、対向電極3と電気的に釣り合った状態となる。
このように対向電極3に所定の電圧を印加した状態で、レーザー照射制御装置84によりレーザー光を、絶縁層82の各被加熱部位82aに選択的に照射する。詳述すると、レーザー照射部86のレンズを制御装置88により作動制御することによって、任意の被加熱部位82aの裏面にレーザー光を集光して照射する。これにより、被加熱部位82aを加熱し、当該被加熱部位82aと記録媒体5の記録面との間の限定空域98を加熱し、該限定空域98の空気を熱してイオンを発生させる。そして、このように発生したマイナスイオンが、対向電極3の電圧印加により生じた電界によって、記録媒体5の記録面(表面)に移動する。
記録媒体5の記録面に移動したマイナスイオンによって、上述した実施例2と同様に、記録媒体5のマイクロカプセル45内の荷電粒子46が引き寄せられて、該マイクロカプセル45内の記録面側に集中する。これにより、記録媒体5の記録面に所望の画像を形成する。一方、記録媒体5の、導電層92が接触している領域では、絶縁層82の接合面82bと対向電極3とが電気的に釣り合っていることから、マイクロカプセル45内で荷電粒子46が分散した状態で維持される。
このように本実施例3の画像形成装置にあっては、レーザー照射制御装置84によりレーザー光を照射して各被加熱部位90を選択的に加熱して、限定空域98でイオンを発生させ、当該イオンを記録媒体5の記録面へ移動させることにより、所望の画像を形成する。そして、イオンフロー記録ヘッド81は、その導電層83を記録媒体5の記録面に接触させていることから、対向電極3と絶縁層82の接合面82bとが電気的に釣り合った状態となり、画像の乱れや地汚れ等の発生を抑制することができる。したがって、マイクロカプセル電気泳動方式の電子ペーパーからなる記録媒体5に画像形成する際に、上述した実施例1,2と同様に、所望の画像を高鮮明度により形成することができ得る。
尚、この実施例3にあって、導電層に、上述した実施例2と同様に円形の孔部を複数形成するようにし、該孔部により露出する部位を被加熱部位として設定し、該被加熱部位にレーザー光を照射するようにしても良い。
上述した実施例1〜3にあっては、記録媒体として、マイクロカプセル内に流動性媒体を内包した電子ペーパーを用いているが、その他の構成として、常温で固体であり且つ加熱により溶融する熱融解性媒体を内包した構成の電子ペーパーを適用することも可能である。尚、この電子ペーパー(記録媒体)は、熱融解性媒体とした以外は、上記実施例と同じ構成である。このような記録媒体を用いる場合には、画像形成装置が、記録媒体を加熱する加熱装置を、対向電極およびイオン記録ヘッドの直前位置に配設したものとする。すなわち、加熱装置により記録媒体を加熱して、マイクロカプセル内の熱融解性媒体を溶解して荷電粒子を移動可能とした状態で、対向電極とイオン記録ヘッドとの間に搬送する。これにより、上述した実施例1〜3と同様に、記録媒体の記録面に所望の画像を形成する。そして、画像形成後には、記録媒体が冷却するため、熱融解性媒体が固化して荷電粒子を移動不能とし、当該画像を記録保持する。
本発明にあっては、上述した実施例に限定されるものではなく、その他の構成についても、本発明の趣旨の範囲内で適宜変更可能である。上記したツイストボール方式の電子ペーパーからなる記録媒体を用いた場合にあっても、同様の作用効果を奏する。
実施例1の画像形成装置1の模式側面図である。 実施例1の画像形成装置1のイオンフロー記録ヘッド11の平面図である。 (A)は図2のA−A線断面図、(B)は図2のB−B線断面図である。 イオンフロー記録ヘッド11による記録媒体5の画像形成態様を示す説明図である。 実施例2の画像形成装置51の模式側面図である。 実施例2の画像形成装置51のイオンフロー記録ヘッド61の平面図である。 (A)は図6のC−C線断面図、(B)は図6のD−D線断面図である。 イオンフロー記録ヘッド61による記録媒体5の画像形成態様を示す説明図である。 実施例3のイオンフロー記録ヘッド81による記録媒体5の画像形成態様を示す説明図である。
符号の説明
1,51 画像形成装置
3 対向電極
11,61,81 イオンフロー記録ヘッド
15,65 発熱素子
16,66,82 絶縁層
20 放電電極
20c,66a,82a 被加熱部位
24 絶縁保護層
25,67,83 導電層
70,98 限定空域
84 レーザー照射制御装置

Claims (4)

  1. 絶縁層の表面側に配設された放電電極と、前記絶縁層の裏面側に配設された発熱素子とを備え、前記放電電極と該放電電極に対向する対向電極との間に、印加しただけでは放電が発生せず前記放電電極を加熱することにより放電が発生する電位差を生じさせ、前記発熱素子により前記放電電極の各被加熱部位を選択的に加熱することによって、この放電により生成されるイオンの発生を制御する加熱放電型のイオンフロー記録ヘッドにおいて、
    放電電極の表面側に該放電電極の各被加熱部位を被覆しないように配設された絶縁保護層を備えると共に、
    該絶縁保護層上に、導電性材料からなる導電層が配設されていることを特徴とするイオンフロー記録ヘッド。
  2. 絶縁層の裏面側に、該絶縁層の各被加熱部位を選択的に加熱する加熱手段を備え、該加熱手段による被加熱部位の加熱によって、該被加熱部位の表方の限定空域を加熱して、該限定空域でのイオンの発生を制御する空域加熱型のイオンフロー記録ヘッドにおいて、
    絶縁層の表面上に前記各被加熱部位を被覆しないように配設された導電性材料からなる導電層を備えていることを特徴とするイオンフロー記録ヘッド。
  3. 加熱手段が、絶縁層の裏面側に配設された複数の発熱素子を備えてなり、該発熱素子により絶縁層の各被加熱部位を選択的に加熱するものであることを特徴とする請求項2に記載のイオンフロー記録ヘッド。
  4. 加熱手段が、レーザー光を照射制御するレーザー照射制御装置により構成されてなり、前記絶縁層の被加熱部位に選択的に集光点を合わせてレーザー光を照射して、各被加熱部位を加熱するようにしたものであることを特徴とする請求項2に記載のイオンフロー記録ヘッド。
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