JPH05147342A - 印画装置 - Google Patents

印画装置

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JPH05147342A
JPH05147342A JP3314824A JP31482491A JPH05147342A JP H05147342 A JPH05147342 A JP H05147342A JP 3314824 A JP3314824 A JP 3314824A JP 31482491 A JP31482491 A JP 31482491A JP H05147342 A JPH05147342 A JP H05147342A
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JP
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Application number
JP3314824A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuharu Hyodo
徹治 兵頭
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 格段の長寿命化を図ることができるととも
に、保守点検作業が不要となる印画装置を提供すること
である。 【構成】 絶縁基板33上に配列された印画素子34
は、コイル41として構成され、コイル41に共通電極
35および個別電極36を用いて高周波電流を流す。コ
イル41からは交流磁場↑Bが発生され、記録媒体45
で当該交流磁場↑Bに対応する誘導電場↑E(r)が形
成され、これにより記録媒体45に備えられるマイクロ
カプセル54内のコレステリック液晶53が、その配向
方向が無秩序になり、入射光が散乱して黒地に白い印画
が行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は印画装置に関し、とりわ
け記録媒体と非接触で印画を行う印画装置に関する。
【0002】
【従来の技術】各種コンピュータやワードプロセッサな
どの印字装置として、近年普及している記録方式には、
ジュール発熱を利用して記録媒体に直接感熱記録を行う
サーマル方式といわゆる電子写真方式とインクジェット
プリンタなどのように、記録媒体上に記録流体を噴出し
て行う方式などが知られている。
【0003】図19は従来例のサーマルヘッド1の斜視
図であり、図20は図19の切断面線X20−X20か
ら見た断面図であり、図21はサーマルヘッド1の拡大
断面図である。サーマルヘッド1の発熱部の構造の詳細
は図21に示される。すなわちアルミナなどのセラミッ
ク材料から成る絶縁基板2上に、ガラスなどによる蓄熱
層3が形成され、この上に発熱抵抗体層4、個別電極
5、共通電極6および保護層7が形成される。個別電極
5と共通電極6との間の発熱抵抗体8に、各発熱抵抗体
8毎に独立に駆動電力が供給され、発熱抵抗体8はジュ
ール発熱をする。この発熱が保護層7上に接触した感熱
紙9に熱伝達することによって、感熱紙9を発色させ
る。
【0004】感熱紙9は、プラテン10により保護層7
と接触しながらA1方向に走査し、また各印画ライン毎
の発色の制御が駆動回路11により選択的に行われ、こ
れによって感熱紙9上に印画が行われる。絶縁基板2は
粘着剤22で放熱板23に固定され、コネクタ24を備
え駆動回路11に外部から信号を供給する外部配線基板
25は放熱板23上に固着される。
【0005】図22は、他の印画装置としての電子写真
装置12の構成を示す断面図である。電子写真装置12
は、矢印A2方向に回転駆動される感光ドラム13を備
え、コロナ放電器14によって感光ドラム13の全面に
わたって所定の電位に帯電される。画像露光部15から
印画データに対応する光が感光ドラム13に照射するこ
とによって、感光ドラム13上に静電潜像が形成され
る。この後、現像器16によってトナーが感光ドラム1
3上の電荷残存領域に付着する。記録紙17は、転写コ
ロナ放電器18によって帯電され、前記トナーが転写さ
れる。この後、記録紙17上の画像は定着器19によっ
て定着される。転写動作終了後の感光ドラム13上の残
存トナーは、クリーナ20によって除去され、さらに除
電ランプ21によって感光ドラム13上の表面が除電さ
れる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記サーマルヘッド1
を用いる記録方式では、発熱抵抗体8の近傍が感熱紙9
と接触するため、 保護層7の摩耗、および発熱抵抗体8近傍の保護層7
の領域と感熱紙9との間に異物が噛込むことにより、保
護層7にクラックが生じるなど破壊され、サーマルヘッ
ド1の寿命の極端な短縮が発生する。
【0007】感熱紙9には、各種腐食性イオンが含有
されており、このイオンが保護層7に存在あるいは形成
された微小なクラックを介して内部に侵入し、発熱抵抗
体層4および電極5,6を腐食させ断線させる。
【0008】などの不具合を有している。
【0009】また電子写真方式では、感光ドラム13が
記録紙17と接触してトナーの転写を行うため、感光ド
ラム13の摩耗および異物の噛込みによる感光ドラム1
3表面の感光体層の破壊により、寿命が短くなるという
不具合を有している。
【0010】上述したようにサーマル記録方式および電
子写真方式のいずれにおいても大きく寿命を低下させる
不具合が生じるため、各種部品の定期的なメンテナンス
が必要であり、手間と労力とを要している。
【0011】またインクジェット方式のように印画を行
うインクを記録紙上に噴出する方式では、インク噴射を
行うノズルの目詰まりを生じやすく、やはり定期的なメ
ンテナンスを必要とする。
【0012】本発明の目的は、上述の技術的課題を解消
し、格段の長寿命化を図ることができるとともに、保守
点検作業が不要となる印画装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、配線基板上に
直線状に配列され、高周波駆動電力の印加/遮断に対応
して、配線基板の法線方向に沿う進行方向の高周波磁場
を発生する複数の印画素子と、印画データに基づいて各
印画素子に高周波駆動電力を選択的に印加/遮断する駆
動回路素子とを備え、各印画素子が発生する前記高周波
磁場に基づいて、当該高周波磁場が及ぶ範囲の領域が視
覚化される物理作用を生じる記録媒体を用いて、当該記
録媒体とは非接触で印画を行うことを特徴とする印画装
置である。
【0014】また本発明は、配線基板上に直線状に配列
され、高周波駆動電力の印加/遮断に対応して、配線基
板の法線方向に沿う交番高周波電場を発生する複数の印
画素子と、印画データに基づいて各印画素子に高周波駆
動電力を選択的に印加/遮断する駆動回路素子とを備
え、各印画素子が発生する前記高周波電場の及ぶ範囲の
領域が視覚化される物理作用を生じる記録媒体を用い
て、前記印画素子と非接触で印画を行うことを特徴とす
る印画装置である。
【0015】
【作用】本発明に従う印画装置は、配線基板上に直線状
に印画素子が配列され、駆動回路素子から印画データに
基づいて、各印画素子に高周波駆動電力が選択的に印加
/遮断される。各印画素子は高周波駆動電力の印加/遮
断に対応して、配線基板の法線方向に沿う進行方向の高
周波磁場を発生する。
【0016】このような印画装置は、各印画素子が発生
する前記高周波磁場に基づいて、当該高周波磁場が及ぶ
範囲の領域が視覚化される物理作用を生じる記録媒体を
用いて、当該記録媒体とは非接触で印画を行う。
【0017】また本発明に従う印画装置は、配線基板上
に直線状に印画素子が配列され、駆動回路素子から印画
データに基づいて、各印画素子に高周波駆動電力が選択
的に印加/遮断される。各印画素子は、高周波駆動電力
の印加/遮断に応じて、配線基板の法線方向に交番高周
波電場を発生させる。画像の形成は、前記印画データに
基づいて発生された交番高周波電場が及ぶ範囲の領域が
視覚化される物理作用を生じる記録媒体を用いて非接触
で行われる。
【0018】すなわち本発明の印画装置は、記録媒体と
は非接触で印画動作を実現し、記録媒体との接触の際に
生じる摩耗やクラック発生、あるいは記録媒体からのイ
オン侵入などの現象による腐食などの接触記録方式に発
生する問題を防止でき、格段の長寿命化を図ることがで
きるともに、ほぼメンテナンスフリーとなり、印画装置
の保守点検作業に要する手間、労力を解消することがで
きる。
【0019】
【実施例】図1は本発明の一実施例の印画装置31の斜
視図であり、図2は図1の切断面線X2−X2から見た
断面図である。印画装置31は、金属材料などから成る
ベースプレート32上に、絶縁基板33が固定され、絶
縁基板33上には、絶縁基板33の法線方向に高周波磁
場を発生させる後述するような構成を有する複数の印画
素子34が直線状に配列され、各印画素子34が共通に
接続される共通電極35と、各印画素子34に個別に接
続される複数の個別電極36および各個別電極36が所
定数ずつ接続され、各印画素子34を選択的に駆動して
後述するような印画動作を行わせる複数の駆動回路素子
37とが配置される。
【0020】駆動回路素子37には、外部から印画用の
印画データや制御信号などを入力するための複数の信号
ライン38がそれぞれ接続されており、この信号ライン
38はベースプレート32に載置される外部配線基板3
9の回路配線(図示せず)に接続される。また外部配線
基板39にはコネクタ40が設けられ、たとえばコンピ
ュータなどの外部機器が接続されて、印画データや各種
制御信号が入力される。
【0021】図3は印画装置31付近の拡大平面図であ
り、図4は図3の切断面線X4−X4から見た断面図で
ある。前記絶縁基板33は、たとえばガラスなどの表面
が平滑な材料から形成され、その上に配列される印画素
子34はn巻(本実施例では5巻)のコイル41によっ
て実現される。各コイル41は線幅W1(たとえば10
μm)および層厚t1(例として1μm)の銅Cu、ア
ルミニウムAlなどの金属膜によって内径D1(例とし
て80μm)、外径D2(例として100μm)で隣接
コイル間の間隔W3(例として15μm)で形成され
る。各コイル41の1巻毎の巻線43a〜43eの間に
は、たとえば酸化シリコンSiO2、窒化シリコンSi
Nなどの材料をスパッタリングなどの真空成膜技術で、
あるいは金属アルコキシド法などによって層厚t2(例
として1μm)の層間絶縁膜42a〜42eがそれぞれ
形成される。
【0022】このコイル41が形成された領域を含み、
例として絶縁基板33の全面にわたってたとえば層間絶
縁膜42a〜42eと同一の材料から成る保護膜46が
形成される。このような印画装置31は、プラテンロー
ラ44に巻回されたシート状の記録媒体45に距離L1
を隔てる非接触状態で後述するようにして印画を行う。
【0023】図5は印画装置31の製造工程を説明する
工程図であり、図6はこの製造工程を説明する平面図で
ある。図1〜図4を併せて参照する。工程a1では、絶
縁基板33上に図6(1)に示すように、個別電極36
と信号ライン38と第1層目の巻線43aをパターンニ
ングする。図6(1)に示されるように、360度より
も若干小さな角度θ1にわたって、内径D1で第1層目
の巻線43aを形成し、当該巻線43aの反時計まわり
方向終端部において、前記個別電極36が一体的に連な
るようにする。このとき巻線43aの周方向の両端部の
間には、この間の電気的絶縁を後述する層間絶縁膜42
aで達成できる程度の周方向に沿う距離を有する隙間4
7aが形成される。
【0024】工程a2では、図6(2)に示すように、
絶縁基板33上に第1層目の層間絶縁膜42aを成膜
し、工程a3では、この層間絶縁膜42aにおいて、巻
線43aの時計まわり方向の終端部48aにスルーホー
ル49aを形成する。
【0025】工程a4では、この製造段階の絶縁基板3
3上に、第2層目の巻線43bを図6(3)で示すよう
にパターンニングする。巻線43bは平面視が前記第1
層目の巻線43aと重複し、かつ反時計まわり方向終端
部が、前記スルーホール49aを介して巻線43aと接
続され、360度より若干小さな角度θ2にわたり時計
まわり方向終端部48bが、前記隙間47aと同程度の
隙間47bを、前記反時計まわり方向終端部と隔てる長
さに形成される。工程a5では、図6(4)に示すよう
に、この段階の絶縁基板33上に第2層目の層間絶縁膜
42bを成膜し、工程a6では、前記巻線43bの時計
まわり方向終端部48bに相当する位置であって、前記
スルーホール49aから角度φ1を隔てる位置にスルー
ホール49bを形成する。以下工程a4〜a6と同様の
工程を繰返しつつ、巻線43c,43dおよび層間絶縁
膜42c,42dを形成し、図3で示されるように、各
スルーホール49a〜49dは、前記角度φ1ずつずれ
た位置に順次形成される。
【0026】工程a7では、第4層目の層間絶縁膜42
d上に第5層目の巻線43eをパターンニングする。巻
線43eは、第4層目の巻線43dのスルーホール49
fに反時計まわり方向の終端部が接続され、時計まわり
方向終端部48eはコイル41を介して、前記個別電極
36と対称な位置に形成される。工程a8では、この段
階の絶縁基板33を被覆して、第5層目の層間絶縁膜4
2eを成膜する。工程a9では、巻線43eの時計まわ
り方向終端部48eに相当する位置にスルーホール49
eを形成する。工程a10では、さらにこの上に共通電
極35をパターンニングし、保護膜46を成膜して印画
装置31が構成される。
【0027】図7は、本実施例の印画装置31を用いて
後述するような構成を有する記録媒体45に印画動作が
可能となる原理を説明する図である。前述したように構
成されるコイル41の作用を分析する際に、コイル41
をいわゆるソレノイドと近似して以下考察する。コイル
41に流れる電流Iは、
【0028】
【数1】I=I0sinωt I0 ;電流実効値 ω;電流の角周波数 であり、コイル41の巻数nに対して、コイル41で発
生する磁束密度↑B(以下、記号「↑」をベクトルを意
味する記号と定義する)は、
【0029】
【数2】↑B=(nμ0I0sinωt)・↑a μ0 ;真空の透磁率(4π×10-7N/A2) ↑a;絶縁基板に垂直な方向の単位ベクトル となる。
【0030】コイル41から発生する高周波磁場↑Bに
より、記録媒体45に発生する図7に示す誘導電場↑E
は、マックスウエル方程式により、
【0031】
【数3】
【0032】となる。前記磁場↑Bの中心から半径rの
点での電場を↑E(r)とすると、前記数3を半径rの
円内で面積分して、
【0033】
【数4】
【0034】となる。ストークスの積分定理より数4の
左辺は、
【0035】
【数5】
【0036】となる。数5の右辺の積分記号は、半径r
の円周上の線積分である。
【0037】前記数4および数5から電場↑E(r)の
強さE(r)として、
【0038】
【数6】E(r)=(nμ00ω/2)rcosωt =E(r)max・cosωt が得られる。
【0039】また、前記誘導電場↑Eを導電率σの物質
内に発生させる場合の電流密度I2(r)は近似的に、
【0040】
【数7】I2(r)=σ・E(r) で表される。
【0041】図8は、前述したようなコイル34から発
生する磁場↑Bによって、各種キャラクタや図形などを
視覚化して印画を実現する記録媒体45の断面図であ
る。記録媒体45は、たとえば紙や樹脂フィルムなどか
ら成るシート状の基材50上に、たとえば黒色塗料を塗
布して成る黒色層51と、光変調層52とが積層されて
構成される。光変調層52は、後述するように記録表示
に寄与するコレステリック液晶53を封入した、たとえ
ばPET(ポリエチレンテレフタレート)などから成る
直径W4(例として50μm)程度のマイクロカプセル
54、およびそのマイクロカプセル54を均一な分布状
態で分散して固定するためのたとえば透明なアクリル樹
脂材料から成る保持層55から構成される。本実施例
は、前記コレステリック液晶53は、静電場中にある場
合には、電場の方向に沿って配列状態が整列され、高周
波電場中では、各コレステリック液晶分子の配向方向が
無秩序になる現象を用いるものである。
【0042】図9は印画装置31による印画動作が行わ
れていない記録媒体45の断面図であり、図10は記録
動作状態の記録媒体45の断面図である。前述したよう
に記録媒体45は、記録動作が行われていないとき静電
場が印加され、たとえば図9に示すように、記録媒体4
5の厚み方向と平行な方向に整列される。この状態の記
録媒体45は、外部から光が入射した場合、入射光はコ
レステリック液晶53の分子と平行に進行し、したがっ
てコレステリック液晶53の分子によっては散乱されず
黒色層51で吸収される。したがってこの状態の記録媒
体45は黒色に見える。
【0043】このような記録媒体45に対して、前述し
たようなコイル41から構成される印画素子34からの
高周波磁場↑Bを印加すると、この高周波磁場↑Bによ
って、図7に示した誘電電場↑E(r)が交番状態で発
生され、これによりマイクロカプセル54内のコレステ
リック液晶53の配向状態は無秩序になり、入射した光
はマイクロカプセル54内のコレステリック液晶53で
散乱され、前記黒色層51に到達することなく反射す
る。したがってこの部分は記録媒体45上で白濁状態と
なる。すなわち本実施例では、記録媒体45に印画動作
を行うと、黒色地に白色の表示が行われることになる。
【0044】このような表示は、前記コレステリック液
晶53の配向状態によって達成されているが、コレステ
リック液晶53の配向状態は外部から印加される電場を
取除いても保持される記憶効果を有している。したがっ
て記録媒体45の印画内容を消去しようとすると、図1
1に示されるように、直流電源56に記録媒体45を接
続し、静電場↑Eを印加する。これによりコレステリッ
ク液晶53の配向状態は、静電場↑Eの方向と一致する
方向に整列され、印画内容は消去される。
【0045】すなわち本実施例では、印画装置31を用
いて記録媒体45に非接触で印画を行うことができる。
したがって図19など従来技術の項で述べたように、コ
イル41の近傍が記録媒体45と接触することによる保
護層46の摩耗およびコイル41に相当する保護層46
の領域とプラテンローラ44との間に異物が噛込むこと
による保護層46でのクラックの発生が防止され、印画
装置31の長寿命化を図ることができる。また各種記録
媒体には、各種イオンが保護層46に形成される微小ク
ラックを介して内部に侵入する事態が防止され、コイル
41の腐食、接続不良あるいは断線などの事態を防止で
きる。したがって印画装置31の格段の長寿命化を図る
ことができるとともに、保守点検作業が不要となる。
【0046】図12は、本発明における記録媒体の他の
実施例を示す断面図である。本実施例の記録媒体45a
は、耐熱性合成樹脂材料のフィルムなどから成る基材5
0と、たとえば金属から成る発熱層56と、熱溶融性顔
料などが含浸された網状体から成る感熱層57とから構
成される。この記録媒体45aは、前述の構成を有する
印画素子34に交流電流を流すことにより生じる電磁場
のうち、電場によって発熱層56に生じる誘導電流によ
り、当該電磁場が到達する範囲の発熱層56を発熱さ
せ、感熱層57の顔料などを溶融させて記録紙58に印
画を行うものである。
【0047】このような実施例においても、前記印画装
置31と記録媒体45aとは、前記実施例のように距離
L1を隔てて印画が可能となる。すなわちこのような実
施例においても、前述の実施例で述べた効果と同様な効
果を達成することができる。
【0048】図13は本発明の他の実施例の印画装置で
ある記録ヘッド61の斜視図であり、図14は記録ヘッ
ド61の背面図であり、図15は図13の切断面線X1
5−X15から見た断面図であり、図16は図15の部
分X16付近の拡大断面図である。記録ヘッド61は、
金属材料から成るベースプレート62に対して、絶縁基
板63、および外部の電子機器と接続するためのコネク
タ64を有する外部配線基板65が接着され、固定され
ている。絶縁基板63上には、後述する交番高周波電場
を発生させる後述するような構成を有する印画素子6
6、前記印画素子66に高周波電力を印加するための個
別電極67、共通電極68および電流制限用抵抗部69
が形成され、さらに前記個別電極67に、制御信号を出
力するための駆動回路素子70、そしてこの駆動回路素
子70の制御信号配線71が形成される。
【0049】制御信号配線71は、駆動信号ラインと駆
動電源ラインとを含み、これらは絶縁基板63と同じく
ベースプレート62上に接着された外部配線基板65に
よって、コネクタ64からの入力を導入する。印画素子
66を駆動させるもう一方の電源ライン72は、共通電
極68と絶縁基板63の背面側で接続され、この電源ラ
イン72は、ベースプレート62を挿通して配置される
ジャンパ線73によって外部配線基板65に接続され、
コネクタ64に同様に結線される。
【0050】図16は図15の部分X16付近の拡大断
面図であり、図17は印画素子66付近の展開図であ
る。前記印画素子66は個別電極67、共通電極68と
一体的に絶縁基板63のたとえば図16に示すように断
面が台形状を成す端部74の端面75上に形成される。
この形成法は、まず絶縁基板73上に例としてタンタル
Ta、窒化タンタルTaNあるいはチタンTiなどから
成る抵抗体層76およびアルミニウムAlなどの金属材
料から成る電極層が連続してスパッタリング法などの真
空成膜技術によって、絶縁基板63の前記端部74の表
面およびこれに連続する絶縁基板63の両側面77にわ
たって形成される。
【0051】次に成膜が施された領域全体にわたってホ
トレジストを塗布し、さらに図17に示した印画素子群
66、個別電極群67および共通電極群68を形成する
マスクを用いて露光現像を行う。さらに適当な酸、アル
カリ溶液内においてエッチングを行い、上記素子群を形
成する。印画素子66は図17に示されるように、絶縁
基板63の幅L2(例として300μm)を有する前記
端面75上に、副走査方向すなわち図17の上下方向の
長さW8(例として150μm)で、主走査方向、すな
わち図17の左右方向の長さW5(例として100μ
m)の矩形状に形成され、前記電極67,68は線幅W
6(例として30μm)に形成され、前記矩形状の印画
素子66の間隔は、距離W7(例として15μm)を1
素子として形成される。
【0052】さらに個別電極67を介して、各印画素子
66に導入される駆動電力に対して電流制限を行うため
の電流制限用抵抗部69を形成するために、上記の一連
のホトエッチング技術を用いて、図16に示されるよう
に、個別電極67をその下部の抵抗体層76が必要な抵
抗値に対応する長さL3だけ露出するように、個別電極
67を除去する。さらに印画素子66の経年変化を防止
するための保護層78を、たとえば酸化シリコンSiO
2などの材料で真空成膜技術を用いて形成する。その
後、共通電極68と前記ジャンパ線73とを結線するた
めに、共通電極68上に接続部79をメッキなどの方法
によって、たとえば図16に示されるように、ニッケル
Ni層80および金Au層81を積層して構成する。
【0053】上述のような構成を有する記録ヘッド61
を用いた本実施例の記録方法の原理を以下に説明する。
本実施例における記録に用いる材料(感熱記録における
感熱記録紙に相当する)として、コレステリック液晶の
記憶効果を利用するものであり、前記実施例において図
8〜図11を参照して説明した記録媒体45と同一のも
のを用いる。前記マイクロカプセル54の直径W4は、
1画素が1個以上のマイクロカプセルの発色に対応する
ように例として100μm程度以下、具体的には50μ
m程度に形成される。
【0054】以下、本実施例における発色の原理を、前
記図9〜図11を参照して説明する。未印字状態の記録
媒体45では、図9に示すように、マイクロカプセル5
4内の液晶53の分子は、予め外部からの直流電場によ
って記録媒体45の厚み方向に平行に配向されている。
このような配向状態はコレステリック液晶の特徴とし
て、前記静電場を除去しても記憶されるものである。こ
の状態の記録媒体45は、黒色層51のために、記録層
52に入射した光線(hν)はほとんど吸収されて黒く
見える。この状態の記録媒体45に対して、図13に示
される記録ヘッド61を用いて、図18で示すように、
記録ヘッド61の間隔d2を隔てる上方で記録媒体45
をプラテン82に装着し、駆動回路素子70を介して記
録動作を行うべき印画素子66に対して高周波電力発生
装置83から選択的に高周波電力を印加する。
【0055】これにより高周波電力が印加された印画素
子66は、前記端面75の法線方向すなわち図18上方
側に対して交番高周波電場を発生させ、これによって記
録媒体45内の液晶53の分子に高周波電場を印加す
る。上記高周波電場の印加によって、マイクロカプセル
54内のコレステリック液晶53は、その配向状態が整
列状態から乱されて任意の方向となり、記録媒体45へ
の入射光を散乱する。すなわち白色光線下では、印画部
分が白濁したように発色する。この発色が記録ヘッド6
1の各印画素子66によって適宜選ばれるため、任意の
画像が形成されることになる。
【0056】このコレステリック液晶53の擾乱された
配向状態は図11に示されるように、外部からの静電場
が再度印加されない限り、その状態が保持されるため、
前記記録ヘッド61によって得られた印画画像もこれに
従って保持される。このようにして行われた記録は、記
録媒体45に再度静電場を印加することによって、図9
に示した最初の配向状態に復帰させることができ、記録
された画像の消去処理を行うことができる。このため、
本実施例の記録媒体45は複数回の記録が可能となる。
【0057】以下、図18を参照して記録ヘッド61を
用いる記録媒体45への記録動作の詳細について説明す
る。記録ヘッド61に対して、高周波電力発生装置83
からコネクタ64を介して高周波電力が供給されるとと
もに、高周波電力発生装置83の一方の電源ライン(接
地端子でもよい)を、基準電位板82に接続する。この
ようにして記録ヘッド61の印画素子66に高周波電力
を印加すると、印画素子66の電位は、印加電力に従っ
て交流変化し、基準電位板82との間に交番高周波電場
↑Eを発生する。
【0058】この記録ヘッド61と基準電位板82との
間に、前述したような記録媒体45を、基準電位板82
に密着させ、かつ記録ヘッド61の最先端と距離d2
(例として100μm程度)を隔てて配置したとき、交
番高周波電場↑Eによって記録媒体45内のコレステリ
ック液晶53が無秩序配向となり、前述のように発色す
る。このような発色現象を記録ヘッド61内の任意の印
画素子66に対して選択し、かつ記録媒体45を印画素
子66の配列方向に対して垂直方向に移動させることに
よって、任意の印画画像が形成される。
【0059】すなわちこのような実施例においても、前
記実施例で述べた効果と同様の効果を達成することがで
きる。
【0060】本発明の印画装置に用いられる印画素子
は、前記実施例におけるコイル41から成る印画素子3
4、あるいは矩形状の金属薄膜から成る印画素子66の
構成例に限定されるものではなく、記録媒体に視覚化で
きる物理作用を、記録媒体から離れた位置で発生する手
段ならばその種類は限定されるものではない。
【0061】また本発明の記録媒体は、前記実施例の記
録媒体45,45aの構成例に限定されるものではな
く、印画素子からの作用に対して視覚化される作用を生
じる構成に関して広く実施されるものである。
【0062】
【発明の効果】以上のように本発明に従う印画装置は、
記録媒体とは非接触で印画動作を実現し、記録媒体との
接触の際に生じる摩耗やクラック発生、あるいは記録媒
体からのイオン侵入などの問題による腐食などの接触記
録方式に発生する問題を防止でき、格段の長寿命化を図
ることができるともに、ほぼメンテナンスフリーとな
り、印画装置の保守点検作業に要する手間、労力を解消
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の印画装置31の斜視図であ
る。
【図2】図1の切断面線X2−X2から見た断面図であ
る。
【図3】印画素子34の拡大平面図である。
【図4】図3の切断面線X4−X4から見た断面図であ
る。
【図5】印画装置31の製造工程を説明する工程図であ
る。
【図6】本実施例の製造工程を説明する平面図である。
【図7】本実施例の作用を説明する斜視図である。
【図8】記録媒体45の断面図である。
【図9】未印画動作状態の記録媒体45の断面図であ
る。
【図10】印画動作中の記録媒体45の断面図である。
【図11】印画内容を消去する動作を説明する断面図で
ある。
【図12】本発明の他の実施例の記録媒体45aの断面
図である。
【図13】本発明の他の実施例の記録ヘッド61の斜視
図である。
【図14】記録ヘッド61の背面図である。
【図15】図13の切断面線X15−X15から見た断
面図である。
【図16】図15の部分X16付近の拡大断面図であ
る。
【図17】印画素子66付近の展開図である。
【図18】記録ヘッド61の印画動作を説明する系統図
である。
【図19】従来例のサーマルヘッド1の斜視図である。
【図20】図19の切断面線X20−X20から見た断
面図である。
【図21】サーマルヘッド1の拡大断面図である。
【図22】従来例の電子写真装置18の系統図である。
【符号の説明】
31 印画装置 33,63 絶縁基板 34,66 印画素子 41 コイル 42a〜42e 層間絶縁膜 43a〜43e 巻線 45,45a 記録媒体 53 コレステリック液晶 54 マイクロカプセル 56 発熱体層 57 感熱層 61 記録ヘッド 76 抵抗体層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配線基板上に直線状に配列され、高周波
    駆動電力の印加/遮断に対応して、配線基板の法線方向
    に沿う進行方向の高周波磁場を発生する複数の印画素子
    と、 印画データに基づいて各印画素子に高周波駆動電力を選
    択的に印加/遮断する駆動回路素子とを備え、 各印画素子が発生する前記高周波磁場に基づいて、当該
    高周波磁場が及ぶ範囲の領域が視覚化される物理作用を
    生じる記録媒体を用いて、当該記録媒体とは非接触で印
    画を行うことを特徴とする印画装置。
  2. 【請求項2】 配線基板上に直線状に配列され、高周波
    駆動電力の印加/遮断に対応して、配線基板の法線方向
    に沿う交番高周波電場を発生する複数の印画素子と、 印画データに基づいて各印画素子に高周波駆動電力を選
    択的に印加/遮断する駆動回路素子とを備え、 各印画素子が発生する前記高周波電場の及ぶ範囲の領域
    が視覚化される物理作用を生じる記録媒体を用いて、前
    記印画素子と非接触で印画を行うことを特徴とする印画
    装置。
JP3314824A 1991-09-30 1991-11-28 印画装置 Pending JPH05147342A (ja)

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JP25253691 1991-09-30

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