JP2000043310A - 静電記録ヘッドおよび静電記録装置 - Google Patents

静電記録ヘッドおよび静電記録装置

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JP2000043310A
JP2000043310A JP21768698A JP21768698A JP2000043310A JP 2000043310 A JP2000043310 A JP 2000043310A JP 21768698 A JP21768698 A JP 21768698A JP 21768698 A JP21768698 A JP 21768698A JP 2000043310 A JP2000043310 A JP 2000043310A
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recording head
control electrode
electrostatic
ion
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Tasaku Kiyono
太作 清野
Junichi Matsuno
順一 松野
Keiji Kamio
恵司 神尾
Mitsuo Suzuki
美都雄 鈴木
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 イオン流の照射により記録媒体上に静電潜像
を形成する静電記録ヘッドにおいて、静電潜像の潜像電
位の変動を防止する。また、イオン発生量を安定させ
る。 【解決手段】 固体放電素子1は固定部材2に固定さ
れ、固定部材2には電熱ヒータ3、および熱電対4が装
着される。熱電対4で温度計測を行いながら電熱ヒータ
3に通電、発熱させることにより、固定部材2を介して
固体放電素子1の温度を一定温度範囲に保持する。ま
た、絶縁部材5を固体放電素子1と制御電極6の間に介
在させ、固体放電素子1と制御電極6の距離が、常に一
定になるようにする。これにより、静電記録ヘッドから
照射されるイオン流が安定させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、制御されたイオン
流により記録媒体上に静電潜像を形成し、静電記録を行
うイオンフロー方式のプリントヘッド及びこのプリント
ヘッドを備えた静電記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来イオン流により記録媒体上に静電潜
像を形成する記録装置においては、特開平2−239262号
公報に記載のように、イオン発生器と制御電極とを一体
化した構造として、記録ドラムに対する静電潜像の形成
を行うものがあるが、イオン発生器と制御電極を一体構
造とした場合、それぞれを別部材により構成する場合と
比較すると、制御電極上にイオン流の制御を行うための
駆動回路を構成することにより、静電記録ヘッド自体の
小型化が難しくなる問題がある。また、この方式では記
録媒体として表面に誘電体層を形成した記録ドラムを用
いていることから、記録媒体として水平に搬送される専
用記録紙に対して直接静電潜像を形成する場合、記録紙
に対するバイアス電界の印加、および記録紙と静電記録
ヘッド間の距離を一定に保つための機構を別に必要とす
る。また、上記従来例では特に温度制御のための手段を
有していないため、イオン発生器が温度により異なるイ
オン発生効率を示す場合に、最適温度に制御することが
困難である問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】制御されたイオン流を
記録媒体に照射することにより、記録媒体上に静電潜像
を形成しようとする場合、イオン流を発生するイオン発
生手段および発生したイオン流の制御部とからなる静電
記録ヘッドと、記録媒体との間にはバイアス電界を印加
する必要がある。これは例えば負イオンの照射により静
電潜像を形成しようとする場合には、記録媒体側が静電
記録ヘッド側に対して相対的に正の電位にあるようにバ
イアス電界を印加することにより、イオンを記録媒体に
吸引しようとするものである。このため静電潜像形成時
にバイアス電界が変動したり、あるいは静電記録ヘッド
の主走査方向にバイアス電界の強さがばらついていたり
する場合、記録媒体に到達するイオン量が変動し、静電
潜像における電位の分布がばらつくことから、結果とし
て現像後の画像濃度ばらつきとして画質劣化の原因とな
る。
【0004】本発明の第1の目的は、イオン発生手段と
制御電極が別部材で構成されている場合に、上記のよう
なバイアス電界の変動を防止し、静電潜像の電位分布の
ばらつきを無くすことにある。
【0005】また、イオン発生手段は温度によりイオン
発生効率が変動し、このため静電記録ヘッドは環境温度
の変化によりイオン流の流量が変動する問題を有してい
る。このため本発明の第2の目的は、静電記録ヘッドの
イオン流量が環境温度の変化によって変動するのを防止
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、制御電極とイオン発生手段の間に電気
的絶縁材料により構成された絶縁部材を配置し、制御電
極とイオン発生手段を上記絶縁部材に固定し、さらに制
御電極と記録媒体表面の間隔を保持するギャップ保持手
段を設けることにより、イオン発生手段、制御電極、記
録媒体間の間隔を一定に保ち、静電潜像の電位分布のば
らつきを無くす。さらに、イオン発生手段を熱伝導性の
良好な固定部材に装着し、かつ該固定部材の温度を検出
して出力する温度測定手段と、該固定部材を加熱する加
熱手段とを該固定部材に装着し、さらに上記温度測定手
段により測定した温度に応じて上記加熱手段の発熱、非
発熱を制御する温度制御手段を設けて、イオン発生手段
の温度を固定手段を介して一定温度範囲に保持すること
により、イオン流量を一定に保つ。
【0007】イオン流を記録媒体に照射する静電記録ヘ
ッドでは、イオン発生手段で発生させたイオン流を制御
電極に導くために、イオン発生手段と制御電極の間にバ
イアス電界を印加する必要があり、その電界強度の大き
さにより記録媒体に照射されるイオン量が変化する特徴
を有している。特にイオン発生手段として固体放電方式
の素子を使用する場合、制御電極とイオン発生手段との
距離が1mm前後と短くなることから、上記の距離の管理
は厳密に行う必要がある。一方でイオン発生手段と制御
電極が個別に記録装置に保持されている場合、記録媒体
に対するイオン流の照射過程において、記録媒体からの
圧力などにより制御電極とイオン発生手段との距離が変
化してしまう可能性がある。本発明では制御電極とイオ
ン発生手段の間に間隔を規制する部材として絶縁部材を
配置し、制御電極とイオン発生手段をこの絶縁部材に当
接(直接)、固定することにより、制御電極とイオン発
生手段の間の距離を一定に保持する。これにより、記録
媒体に対してイオン流が安定して照射され、イオン照射
量の変動に伴う印画画像の画質劣化を防ぐことが出来
る。
【0008】さらに、上記静電記録ヘッドにより記録媒
体に対してイオン流の照射を行い、上記記録媒体上に静
電潜像の形成を行うため、静電記録ヘッドに対向して、
イオンを吸引する極性の電圧を印加した対向電極を配置
し、記録媒体を静電記録ヘッドと対向電極の間を搬送す
るように記録装置を構成する場合、静電記録ヘッド、記
録媒体、対向電極の3者が常に同じ相対距離を保持する
ようにし、かつ記録媒体を常時対向電極に接触させ、静
電記録ヘッドと記録媒体の間の電界を一定にする必要が
ある。本発明では、静電記録ヘッドと対向電極の間に第
1のギャップ保持手段を設けることにより、両者の距離
を一定に保ち、さらに静電記録ヘッドに設けた第2のギ
ャップ保持手段により記録媒体を対向電極に押し付ける
ことにより、静電記録ヘッドと記録媒体の距離を一定に
保持しつつ記録媒体を対向電極に接触させる。これによ
り、記録媒体に対するイオン流照射が安定して行われ
る。
【0009】また上記固体放電方式のイオン発生手段
は、イオン発生量がその基板温度により変化し、特に低
温ではイオン発生量が著しく低下する特徴を有してい
る。そのためイオン発生手段を装着する固定部材を熱伝
導性の良好な材料で構成し、さらに上記固定部材に、該
固定部材の温度を検出して出力する温度測定手段と、該
固定部材を加熱する加熱手段とを装着し、さらに上記温
度測定手段により測定した温度に応じて上記加熱手段の
発熱、非発熱を制御する温度制御手段を設けて、イオン
発生手段の温度を固定手段を介して一定温度範囲に保持
することにより、イオン発生手段が十分、かつ安定的に
イオン発生がなされる温度に保持され、イオン照射量の
安定化、つまり印画画像の画質安定化を可能にする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図1により本発明の第1の
実施例について説明する。図1は本発明の第1の実施例
に係る静電記録ヘッドの断面を示し、図示の静電記録ヘ
ッドは、イオン発生手段である固体放電素子1と、この
固体放電素子1が装着された固定部材2と、この固定部
材2の底面(固体放電素子1が装着された面と反対側の
面)に装着され固定部材2を加熱することにより該固定
部材2を介して固体放電素子1の温度を所望の温度範囲
に保持する電熱ヒータ3と、固定部材2に固定されると
共に該固定部材2との間に固体放電素子1の一部をサン
ドイッチ状に挟持し、固体放電素子1よりも記録媒体側
(イオン流下流側)に部分的に突出した絶縁部材5と、
固体放電素子1の固定部材2への固定面に装着されて固
体放電素子1の温度を検知する熱電対4と、前記絶縁部
材5の上面(記録媒体に対向する面)に装着された図示
されていない制御電極6と、を含んで構成されている。
なお、前記電熱ヒータ3は、前記熱電対4の出力を入力
とする図示されていない温度制御手段により、固体放電
素子1の温度を所定の温度範囲に保持すべく、通電の有
無、あるいは電流値が制御されるようになっている。
【0011】静電記録ヘッドは、記録媒体の移動方向に
直交する方向を長手方向としており、図1は、長手方向
に直交する面で見た断面を示している。
【0012】上記固体放電素子1は、図3及び図3のA
−A断面である図4に示すようにセラミックス基板1a
の表面に順次積層された誘導電極1b、ガラスを主成分
とする誘電体層1c、イオン発生電極1dから構成され
ており、誘導電極1bとイオン発生電極1dの間に交流
電界を印加しコロナ放電を誘起することにより、誘電体
層表面にイオンを発生させる機能を有する。固体放電素
子1は固定部材2上に接着して固定されている。固定部
材2はアルミ、銅、あるいはステンレス鋼のように熱伝
導性が良好な金属で構成されており、固体放電素子1の
装着面の反対側に電熱ヒータ3を、さらに固定部材2と
固体放電素子1との装着面近傍に熱電対4を装着し、熱
電対4により温度測定を行いながら電熱ヒータ3に対し
て通電・加熱を行うことにより、固体放電素子1をイオ
ン発生が効率的に行われる温度に保つ機能を有する。
【0013】図5にイオン発生効率の素子表面温度依存
性を示す。図5に示すように固体放電素子1において、
基板表面温度30℃以下ではイオンはほとんど発生せ
ず、約40〜55℃でイオン発生量が急激に増加し、6
0℃以上の領域ではイオン発生量は温度上昇とともに徐
々に増加する傾向がある。固体放電素子1の近傍に配置
される回路素子等の温度条件の上限から、基板温度を1
00℃以上にはできないものの、固定部材2に装着した
電熱ヒータ3で加熱し、固体放電素子1の基板温度を4
0〜100℃の範囲の中で一定温度(±許容範囲)に保
持(標準的な使用条件として60±5℃に設定)すること
により安定的、かつ効率的なイオン発生が可能となる。
なお、熱電対4と電熱ヒータ3により温度管理を行う代
わりに、設定温度に適合する正特性サーミスタを装着す
ることにより、上記サーミスタに対する通電のみによっ
て固定部材を目的とする温度に保持することもできる。
【0014】固体放電素子1および固定部材2は、絶縁
部材5を介して制御電極6と結合される。絶縁部材5は
電気的絶縁性を有する材料からなり、アクリル、あるい
はフェノール樹脂等の有機化合物材料から構成される。
これは、固体放電素子1で発生したイオンを制御電極6
に導くために、固体放電素子のイオン発生電極1dと制
御電極6との間にバイアス電界を印加するためである。
【0015】固体放電素子1、固定部材2、電熱ヒータ
3、熱電対4、絶縁部材5を含んでイオン発生器が構成
され、イオン発生器および制御電極6によって静電記録
ヘッドが構成される。静電記録ヘッドは静電記録装置の
一部を構成する。
【0016】制御電極6は、図6,図7に示すように、
ポリイミドなどの樹脂から構成される誘電体フィルム6
bの固体放電素子側の面に下部電極6aを、記録媒体側
の面に上部電極6cを、それぞれ形成し、誘電体フィル
ム6b自体にイオン透過孔21を設けたもので、上部電
極6cは静電記録ヘッドの長手方向に沿って帯状に延び
る複数の列をなし、下部電極6aは静電記録ヘッドの長
手方向に直交する方向に沿って帯状に延びる複数の列を
なしている。前記イオン透過孔21は、下部電極6aと
上部電極6cが互いに交差する位置に形成されている。
したがって、下部電極6aと上部電極6cにも、イオン
透過孔21に対向する位置に開口が設けられている。上
部電極6cの各列には、上部電極駆動電源に接続された
上部電極駆動回路により各列独立に電圧を印加するよう
になっており、下部電極6aの各列には、下部電極駆動
電源に接続された下部電極駆動回路により各列独立に電
圧を印加するようになっている。
【0017】上部電極駆動回路と下部電極駆動回路を含
んで制御電極駆動回路7が構成される。制御電極駆動回
路7は、制御電極6の各イオン透過孔に対応する電極に
順方向、あるいは逆方向の電界を印加することにより固
体放電素子1で発生した負イオンを透過、あるいは遮断
させる機能を有する。本実施例では、制御電極6の下部
電極6aを接地電位を基準として100V/0VのON
/OFF動作をさせるのに対して、イオン発生電極1d
に−300V〜−2kVの範囲の任意のバイアス電圧V
1を印加し、さらに誘導電極1bにはイオン発生電極1
dの電位を基準として、peak−to−peakで2kVから4
kVの交流電圧Vacを印加する。
【0018】図8〜図10に本実施例における静電記録
ヘッドの構成を示す。図8は本実施例の静電記録ヘッド
を制御電極6の装着面側から見たものであり、図9は図
8の静電記録ヘッドについて、制御電極6、絶縁部材
5、固体放電素子1を部分的に除去して静電記録ヘッド
の構造を示したものである。図示のように、制御電極6
は、絶縁部材5の上面を覆うように円筒面をなす絶縁部
材5の上面に当接して配置されている。また、図10は
図8のヘッドを固定部材2の底面側から見たものであ
る。図に示すように、本実施例における静電記録ヘッド
では、長径方向(記録媒体移動方向に直交する方向、す
なわち前記長手方向に同じ)の両端に固体放電素子1へ
の交流電圧印加用の電力供給線8aが配置され、静電記
録ヘッド裏面の固定部材2に装着された電熱ヒータ3に
対しても、電力供給線8bが接続されている。
【0019】本実施例では、図1中の絶縁部材5の開口
部の厚さL1が制御電極6とイオン発生電極1dとの間
の距離Dを規定する。固体放電素子1の表面で生成され
たイオンの制御電極6への単位時間当りの到達量は、図
11に示すようにイオン発生電極1dと制御電極6との
間の電界強度(バイアス電界強度)Eに依存している。
バイアス電界強度Eは上記のバイアス電圧V1が一定の
場合、距離Dの逆数に比例することから、距離Dが不安
定な場合、制御電極6に到達するイオン量、さらには記
録媒体に照射されるイオン量が変動し、印画画像の濃度
むらとなって画質劣化につながる。本実施例において
は、L1=Dであり、図11に見られるようにL1が小
さいほど、つまりバイアス電界強度Eが大きいほどイオ
ン照射量の増加につながるが、バイアス電界強度Eが大
きくなると、イオン発生電極1dと制御電極6との間で
アーク放電が発生し、回路が破壊する危険が生じるた
め、L1をむやみに小さくすることはできない。上記の
制限から本実施例においてL1は0.3mmから2mmの範
囲とした。
【0020】また、図1に示すように、絶縁部材5の形
状を、制御電極6が曲面を形成するような断面形状とす
ることにより、記録媒体がヘッド記録部(制御電極6の
イオン透過孔の位置)を通過する際に、静電記録ヘッド
側面に衝突することによるジャムを低減する効果を有す
る。本実施例によれば、絶縁部材5により固体放電素子
1の基板表面と制御電極6との間隔が一定距離L1に保
持されているため、上記のような記録媒体に対する照射
イオン量の変動を防ぐ効果を有する。
【0021】また、図2に示す本発明の第2の実施例で
は、絶縁部材5の断面形状を制御電極6が記録媒体に対
して平坦になるようにすることにより、各イオン透過孔
列が記録媒体から等距離となるよう配置でき、イオン照
射量がイオン透過孔列ごとに変化するために生じる、画
質劣化を防止できる効果を有する。
【0022】次に図12により本発明の第3の実施例に
ついて説明する。本実施例では第1の実施例に示した静
電記録ヘッドに対して、固定部材2を保持する保持部材
9を設け、この保持部材9に制御電極駆動回路7を取り
付けることにより、静電記録ヘッドを制御電極駆動回路
7を含めた一体構造としたものである。電熱ヒータ3に
は交流電圧供給線8aが接続されている。制御電極駆動
回路7から制御電極6に対しては、信号線として少なく
とも上部電極、下部電極の電極数(電極列)分の配線を
必要とするが、外部にある制御装置と制御電極駆動回路
7との接続は、制御電極駆動回路7がバッファ・メモリ
等を搭載できることから、データのシリアル転送などで
配線数を大幅に減らすことができる。そのため本実施例
によれば、制御電極駆動回路7を静電記録ヘッドと一体
とすることにより、ヘッドの交換、修理等の保守を容易
にする効果を有する。
【0023】次に図13、図14により、本発明の第4
の実施例について説明する。図は静電記録用の専用記録
紙10に対して、静電潜像を形成するための静電記録部
をしめしたものであり、図13は静電記録部を側面から
見たもの、図14は正面から(図13をB−B線矢視方
向から)見たものである。図示の静電記録部は、静電記
録ヘッド11と、この静電記録ヘッド11の制御電極6
に対向して配置された対向電極12と、静電記録ヘッド
11と対向電極12の長手方向両端部間に介装されて両
者のイオン流方向の最小距離を規定する一対のスペーサ
14と、同じく静電記録ヘッド11と対向電極12の長
手方向両端部間に装着され、対向電極12を静電記録ヘ
ッド11に向かって付勢する一対の引っ張りばね14A
と、対向電極12にバイアス電圧V2を印加する直流電
源と、を含んで構成されている。スペーサ14と引っ張
りばね14Aとが、第1のギャップ保持手段13を形成
する。
【0024】記録紙10は、導体層の上に誘電体層を形
成した多層構造の記録紙であり、その導体層にイオン流
を吸引する電界を形成するように電圧を印加することに
より、誘電体層上に静電潜像を形成する機能を有してい
る。上記記録紙10に印画を行う場合は、電荷を帯びた
トナー粒子を上記静電潜像に付着させることにより画像
形成を行う。図において静電記録ヘッド11は図12に
示した静電記録ヘッドであり、その制御電極6は、上記
のように接地電位に対して100V/0VでON/OF
Fを行っている。これに対して対向電極12にはバイア
ス電圧V2が印加されており、これにより静電記録ヘッ
ド11から記録紙10に照射される負イオンを吸引する
機能を有する。
【0025】本実施例においては、対向電極12と静電
記録ヘッド11を引っ張りばね14Aで結合し、静電記
録ヘッド11にスペーサ14を設けることにより、静電
記録ヘッド11と対向電極12の間の距離が一定値L2
をとるようにしてある。これによりバイアス電圧V2を
一定に保持する限り、静電記録ヘッド11と対向電極1
2の間の電界の大きさは一定となる。V2は対向電極1
2と周囲の部材との間でのアーク放電の発生を防止する
ため2kVとし、L2はこの条件で十分な電界強度が得
られるとともに、記録紙10と制御電極6が接触しない
間隔を設けるため、記録紙の厚さTに0.3mmから2mm
加えた距離の間とした。なお、静電記録用ではない通常
の記録紙を記録媒体とする場合、まず、専用記録紙と同
様な導体と誘電体の多層構造をとる、導体膜を形成した
誘電体樹脂フィルムを専用記録紙10の替りとして静電
潜像を形成し、さらに帯電したトナーを上記静電潜像に
付着させた後、誘電体樹脂フィルム上に付着したトナー
を上記通常の記録紙に転写することにより、印画を行う
ことができる。
【0026】このように本実施例によれば、静電記録ヘ
ッド11と対向電極12の間の電界強度を一定とし、記
録紙に照射されるイオン流量を安定させる効果を有す
る。なお、本実施例では対向電極12を円筒状に形成し
てあるが、必ずしも円筒状にする必要はなく、移動する
記録紙10が閊えることなく通過するような滑らかな形
状であればよい。
【0027】次に図15により、本発明の第5の実施例
について説明する。本実施例は第4の実施例に示した静
電記録部において、静電記録ヘッドの制御電極6のイオ
ン透過孔列の記録紙進入側と記録紙排出側に、第2、第
3のギャップ保持手段15、16をそれぞれ設け、対向
電極12と静電記録ヘッド11の間の距離に加えて記録
紙10と制御電極6間の距離も一定に保持する機能を有
するものである。第2、第3のギャップ保持手段15、
16は、静電記録ヘッド11の長手方向に、イオン透過
孔が配置されている領域全長にわたって、制御電極6表
面に固定設置されている。第2、第3のギャップ保持手
段15、16の記録紙移動方向上流側の端部には、記録
紙10の進入が滑らかになるように、R部もしくはテー
パー部を設けるのが望ましい。
【0028】記録紙を搬送しながらイオン流を照射して
記録紙に静電潜像を形成する場合、搬送にともなって記
録紙10が紙面に垂直に(イオン流の流れ方向に)上下
動する場合がある。その際に記録紙10が対向電極12
から剥離すると、本来対向電極12に接触し、バイアス
電圧V2が印加されているべき記録紙10の導体層が、
電気的にフロートの状態となる。その場合、静電記録ヘ
ッドと記録紙10の間の電界が変化し、記録紙に対する
安定したイオンの照射が困難となる。本実施例によれ
ば、第2のギャップ保持手段15、および第3のギャッ
プ保持手段16により、記録紙10と制御電極6との距
離L3を、制御電極6と対向電極12の距離L2から記
録紙10の厚さTを引いた値の近傍に設定することによ
り、静電潜像形成時に記録紙10を常時対向電極12に
接触させておくことが可能となる。なお、L3の値は記
録紙10の搬送速度や、記録紙10と第2、第3のギャ
ップ保持手段15,16との摩擦係数に合わせて調整す
る必要がある。なお、記録紙の移送を滑らかに行うため
に、第3のギャップ保持手段16の高さは、第2のギャ
ップ保持手段15の高さと同じかそれよりも低くしてお
くのが望ましい。
【0029】図16に本発明における静電記録装置の構
成を示す。本装置では、記録紙搬送ローラ17により搬
送される静電記録用記録紙10に対して、第5の実施例
で示した静電記録ヘッド11、および対向電極12から
なる静電記録部により、印画画像に対応した静電潜像を
形成する。カラー画像を印画する場合、まず最初に黄色
(Yellow)の画像に対応した静電潜像が記録紙10に
形成された後、現像ユニット19の内のYにおいて現像
処理が行われ、その後記録紙10は静電潜像の形成開始
位置まで戻される。次いで、記録紙を移送しつつさらに
紅色(Magenta)に対応した静電潜像の形成が行われ、
現像ユニットMで現像処理が行われる。以下同様手順
で、青色画像(Cyan画像)、黒色画像(BlacK画像)
の潜像形成−現像処理が行われる。全色の潜像形成−現
像処理の後、定着ローラ20において加熱による定着処
理を行われて印画プロセスを完了する。
【0030】本実施例によれば、記録紙上に黄、紅、
青、黒の各色ごとに静電記録部における安定した静電潜
像の形成、および現像ユニットによる現像処理を繰り返
すことにより、濃度変化の少ない高画質の画像印画を行
うことが可能となる。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、熱伝導性の良好な固定
部材に固体放電素子を装着し、上記固定部材の温度を測
定する温度測定手段、およびこの温度測定手段の出力信
号に基づいて前記固定部材を加熱する加熱手段を設けた
ので、固体放電素子の温度をイオン発生を安定的に行い
うる温度範囲に保持することが可能となり、静電記録ヘ
ッドによる記録媒体に対するイオン流の照射を安定させ
る効果を有する。また、絶縁部材、第1、および第2の
ギャップ保持手段により、イオン発生器、制御電極、記
録媒体、対向電極のそれぞれの間の距離を一定に保ち、
静電潜像形成時のイオン発生器から記録媒体までの径路
における電界強度を一定にすることにより、記録媒体に
対するイオン流の照射を安定させる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の部分を示す断面図であ
る。
【図2】本発明の第2の実施例の部分を示す断面図であ
る。
【図3】図1の固体放電素子を示す斜視図である。
【図4】図3のA−A線矢視断面図である。
【図5】固体放電素子のイオン発生効率の温度依存性を
示すグラフである。
【図6】本発明の第1の実施例の制御電極と固体放電素
子を離して制御電極側から見た斜視図である。
【図7】図6に示す制御電極と固体放電素子を固体放電
素子側から見た斜視図である。
【図8】本発明の第1の実施例である静電記録ヘッドを
制御電極側から見た斜視図である。
【図9】本発明の第1の実施例である静電記録ヘッドの
制御電極、絶縁部材、固体放電素子の一部を取外した状
態を示す斜視図である。
【図10】本発明の第1の実施例である静電記録ヘッド
を固定部材側から見た斜視図である。
【図11】制御電極に到達するイオン流量と制御電極−
固体放電素子間のバイアス電界との関係例を示すグラフ
である。
【図12】本発明の第3の実施例を示す断面図である。
【図13】本発明の第4の実施例を示す側面図である。
【図14】本発明の第4の実施例を示す正面図である。
【図15】本発明の第5の実施例を示す断面図である。
【図16】本発明が適用された静電記録装置の構成例を
示す概念図である。
【符号の説明】
1 固体放電素子 1a セラミックス基板 1b 誘導電極 1c 誘電体層 1d イオン発生電極 2 固定部材 3 電熱ヒータ 4 熱電対 5 絶縁部材 6 制御電極 6a 下部電極 6b 誘電体フィルム 6c 上部電極 7 制御電極駆動回路 8a 交流電圧供給線 8b 電熱ヒータ電力供給線 9 保持部材 10 記録紙 11 静電記録ヘッド 12 対向電極 13 第1のギャップ保持手段 14 スペーサ 14A 引っ張りばね 15 第2のギャップ保持手段 16 第3のギャップ保持手段 17 記録紙搬送ローラ 18 静電記録ヘッド 19 現像ユニット 20 定着ローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神尾 恵司 茨城県日立市東多賀町一丁目1番1号株式 会社日立製作所電化機器事業部内 (72)発明者 鈴木 美都雄 茨城県日立市東多賀町一丁目1番1号株式 会社日立製作所電化機器事業部内 Fターム(参考) 2C162 AE21 AE29 AE31 DA02 2H029 AB08

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン発生手段と、上記イオン発生手段
    で発生したイオンを電界の印加により選択的に透過させ
    るためのイオン透過孔列を有する制御電極とを含んでな
    り、記録媒体上に選択的にイオン流を照射して静電潜像
    を形成させる静電記録ヘッドにおいて、制御電極とイオ
    ン発生手段を保持する部材が、イオン発生手段をその表
    面に装着する固定部材と、制御電極とイオン発生手段の
    間に配置され、両者を電気的に絶縁する絶縁部材とから
    なることを特徴とする静電記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の静電記録ヘッドにおい
    て、前記絶縁部材は一方の面Aを前記固定部材に当接固
    定され、前記面Aに対向する面Bに前記制御電極が固定
    されており、前記絶縁部材はその一部が前記制御電極と
    イオン発生手段の間に位置して前記制御電極とイオン発
    生手段の間隔を規定する形状に構成されていることを特
    徴とする静電記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の静電記録ヘッドにおい
    て、絶縁部材の面Bが制御電極側に凸でかつ母線が記録
    媒体移動方向及びイオン流方向に直交する円筒面状の曲
    面をなしていることを特徴とする静電記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の静電記録ヘッドにおい
    て、絶縁部材の面Bがイオン流方向に垂直な平面をなし
    ていることを特徴とする静電記録ヘッド。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載の静電
    記録ヘッドにおいて、固定部材に、該固定部材の温度を
    検出して出力する温度測定手段と、該固定部材を加熱す
    る加熱手段とを装着し、さらに上記温度測定手段により
    測定した温度に応じて上記加熱手段の発熱、非発熱を制
    御する温度制御手段を有してなることを特徴とする静電
    記録ヘッド。
  6. 【請求項6】 静電記録ヘッドと、該静電記録ヘッドに
    対向して配置され、記録媒体にバイアス電界を印加する
    ための対向電極と、前記静電記録ヘッドと前記対向電極
    の間で記録媒体を移動させる記録媒体搬送機構と、を有
    してなる静電記録装置において、前記静電記録ヘッドが
    請求項1乃至5のいずれかに記載の静電記録ヘッドであ
    り、前記対向電極と静電記録ヘッドの間に対向電極と静
    電記録ヘッドの間の距離を所定の間隔に維持する第1の
    ギャップ保持手段を設けたことを特徴とする静電記録装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の静電記録装置におい
    て、静電記録ヘッドの制御電極表面に、静電記録ヘッド
    と記録媒体との間隔を一定に保つための第2のギャップ
    保持手段を有することを特徴とする静電記録ヘッド。
JP21768698A 1998-07-31 1998-07-31 静電記録ヘッドおよび静電記録装置 Pending JP2000043310A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007122710A1 (ja) * 2006-04-20 2007-11-01 Fukuoka Technoken Kogyo, Co., Ltd. 加熱放電型印字ヘッドとその駆動方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007122710A1 (ja) * 2006-04-20 2007-11-01 Fukuoka Technoken Kogyo, Co., Ltd. 加熱放電型印字ヘッドとその駆動方法

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