JP2015094810A - 帯電装置および画像形成装置 - Google Patents

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弘幸 平川
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Abstract

【課題】 被帯電体における帯電ムラを解消することができる帯電装置を提供する。【解決手段】 帯電装置1は、電子を放出する電子放出部15が長手方向Xに沿って帯状に形成される長尺の電子源11であって、電子放出部15の一部を成す分割電子放出部40がそれぞれ形成される複数の分割電子源14を、長手方向Xに沿って一列に配置して構成される電子源11を含み、電子放出部15から放出される電子により、被帯電体を帯電させる。電子源11は、隣接する分割電子源14によって繋ぎ目16が形成される繋ぎ目領域17において、一方の分割電子源14の端部14aと、他方の分割電子源14の端部14aとが、幅方向Yに重複するように配設され、繋ぎ目領域17では、一方の分割電子源14の端部14aに形成された端部電子放出部42と、他方の分割電子源14の端部14aに形成された端部電子放出部42とが、幅方向Yに重複している。【選択図】 図2

Description

本発明は、空間中に負極性イオンを発生し、被帯電体を帯電させる帯電装置およびその帯電装置を備える画像形成装置に関するものであり、特に、電子写真プロセスにおける感光体の帯電プロセスを、電子放出による負極性イオンを利用して行う帯電装置およびその帯電装置を備える画像形成装置に関する。
複写機、プリンタ等の電子写真方式の画像形成装置には、被帯電体である感光体ドラムを帯電させるための帯電装置が搭載されている。このような帯電装置としては、従来から、コロナ帯電器やローラ帯電器等が知られており、これらは広く実用化されている。しかしながら、前記のいずれの帯電器も、放電を伴う電荷発生機構を備える構成であるため、電荷発生の際には、オゾンおよび様々な酸化物が生成されてしまう。これにより、感光体ドラムおよびその周辺の樹脂構造物を劣化させてしまうという欠点を有している。
近年、オゾン等の酸化物が生成されない新規な帯電方式として、電界電子放出原理を利用した固体帯電器が開発されている。
電界電子放出を電子放出メカニズムとするものとしては、MIM(Metal Insulator Metal)型やMIS(Metal Insulator Semiconductor)型の電子放出素子が知られている。その中でも弾道電子面放出型電子源(Ballistic electron Surface-emitting Device:略称「BSD」)と呼ばれる電子源は、低真空中での特性が優れており、大気中での帯電装置への利用が提案されている。
このような電界電子放出による電子源を、電子写真プロセスにおける帯電プロセスで利用した帯電装置が、たとえば特許文献1に開示されている。一般的に、電子写真プロセスが用いられる複写機やプリンタ等の画像形成装置では、印刷可能な用紙サイズのうちの最大の用紙サイズに基づいて、被帯電体となる感光体ドラムの軸線方向の寸法が決定されている。
具体的には、印刷可能な用紙サイズがA4サイズである画像形成装置では、感光体ドラムの軸線方向の寸法は、約240mmとされ、印刷可能な用紙サイズがA3サイズである画像形成装置では、感光体ドラムの軸線方向の寸法は、約330mmとされている。
一方、感光体ドラムを帯電させるために感光体ドラムに対向して設置される電子源では、電子を放出する部分である電子放出部が、少なくとも感光体ドラムの軸線方向の両端間の全域に対向して形成されている必要がある。したがって、画像形成装置に搭載される電子源は、感光体ドラムの軸線方向の寸法よりも長尺に形成される。しかしながら、このような長尺の電子源を、単独の部品として一体的に作製するためには、大型の装置が必要となってしまい、製造コストが増大してしまう。また、製品歩留まりも低下してしまう。
そこで、特許文献1では、このような問題を解決するために、小型に形成された分割電子源を、感光体ドラムの軸線方向に沿って、複数配置する技術が提案されている。この場合、平面視で矩形状の分割電子源を、感光体ドラムの軸線方向に沿って一列に配置すると、隣接する分割電子源の繋ぎ目領域には電子放出部が形成されず、この繋ぎ目領域では電子放出によるイオン密度が他の部分に比べて減少してしまい、これにより、感光体ドラムにおける前記繋ぎ目領域に対応する部分では、残余の部分に比べて帯電電位が低下し、軸線方向に帯電ムラが生じてしまう。
そこで、特許文献1では、このような問題を考慮して、複数の分割電子源を、感光体ドラムの軸線方向に沿って千鳥状に配置し、隣接する電子源の端部同士を、感光体ドラムの周方向において重複させることが提案されている。さらに、分割電子源を一列に配置する場合には、各分割電子源における電子放出部の形状を、中央部の幅に比べて両端部の幅が大きくなるように形成することが開示されている。
特許第4616501号公報
近年、複写機およびプリンタの機構サイズは小さくなっており、静電潜像を形成する感光体ドラムも、高速機を除いて概ねφ30mm程度で構成されている。この結果、帯電、露光、現像、転写、クリーニングから成る電子写真プロセスの各機構は、感光体ドラムのまわりのごく狭い範囲に配置しなければならず、感光体の帯電プロセスにおいても、感光体ドラムの周方向に使用できる空間(長さ)はおよそ10mm程度である。
したがって、このような狭い空間に、特許文献1のように、小型の分割電子源を二列の千鳥状に配置するには、技術的に大きな課題を有する。第一に、複数列に分割電子源を千鳥配置する場合、一つの分割電子源に要求されるイオン供給量(供給イオン密度)が、現実的に達成困難な程度に高くなってしまう。厳密には、感光体ドラムの回転速度と感光体の帯電電位の条件次第ではあるが、分割電子源を二列の千鳥配置とした場合、一つの分割電子源が帯電に費やすことのできる時間が1/2に減少するため、供給すべきイオン量は2倍に増大する。感光体と分割電子源との間に電界が掛かっている中で、その空間のイオン量が増大すると、電子雪崩を生じ易くなり、非放電系の帯電装置としての意味を失ってしまう。
第二に、複数列に分割電子源を千鳥配置する場合、分割電子源を一列に配置する場合に比べて、電子源全体としてみたときに、感光体ドラムの周方向における長さ、換言すれば総面積が増大し、帯電装置の製造コストが増大してしまう。
一方、分割電子源を一列に配置する場合に、各分割電子源における電子放出部の形状を、中央部の幅に比べて両端部の幅が大きくなるように形成する方法では、感光体と分割電子源との間の電界強度の不均一性による、帯電電位のばらつきを生じるため、帯電ムラは解消されない。
これは、円筒状の感光体ドラムと平板状の分割電子源とが対向する構成に起因した問題である。小型の分割電子源の端部を中央部に比べて電子放出面積が大きくなるように構成する場合、感光体ドラムの周方向における長さの違いは、感光体ドラムの表面と電子源との電界強度の違いとなって影響する。つまり、感光体ドラムと電子源との距離が離れるに従って、電子源から得られるイオンの回収電界強度が弱くなるため、イオンの回収効率低下、すなわち感光体ドラムの帯電時定数の低下を生じるのである。この結果、個々の分割電子源の中央部では帯電電位が高く、端部では帯電電位が低くなってしまい、感光体ドラムの表面には帯電ムラが生じる。
本発明の目的は、被帯電体における帯電ムラを解消することができる帯電装置および画像形成装置を提供することにある。
本発明は、電子を放出する電子放出部が長手方向に沿って帯状に形成される長尺の電子源であって、前記電子放出部の一部を成す分割電子放出部がそれぞれ形成される複数の分割電子源を、前記長手方向に沿って一列に配置して構成される電子源を含み、前記電子放出部から放出される電子により、被帯電体を帯電させる帯電装置であって、
前記複数の分割電子源の隣接する分割電子源の端部によって形成される繋ぎ目領域において、一方の分割電子源の前記端部と、他方の分割電子源の前記端部とが、前記長手方向に垂直な幅方向に重複するように配設され、該繋ぎ目領域では、前記一方の分割電子源の前記端部に形成された分割電子放出部と、前記他方の分割電子源の前記端部に形成された分割電子放出部とが、前記幅方向に重複していることを特徴とする帯電装置である。
また本発明は、前記複数の分割電子源は、前記幅方向の寸法が互いに同一であり、
前記電子源において、各分割電子源の前記幅方向の中心が同一直線上に配置されていることを特徴とする。
また本発明は、前記一方の分割電子源の前記端部と、前記他方の分割電子源の前記端部とは、前記長手方向に対して傾斜する斜辺を有する、互いに同一の直角三角形状に形成され、
前記繋ぎ目領域では、互いの前記斜辺が一致するように、前記一方の分割電子源の前記端部と、前記他方の分割電子源の前記端部とが配設されていることを特徴とする。
また本発明は、前記分割電子源は、第1電極層と、第2電極層と、前記第1電極層と前記第2電極層との間に設けられ、導電性微粒子を含む電子加速層とを含む積層構造部を有し、前記第1電極層と前記第2電極層との間に電圧が印加されると、前記分割電子放出部において、前記第1電極層から放出される電子を前記電子加速層で加速させて、前記第2電極層から電子を放出させることを特徴とする。
また本発明は、前記分割電子源は、前記繋ぎ目領域に配設される前記端部と、該端部に連なり、前記幅方向において、前記電子源における前記幅方向の寸法と同一の寸法を有する矩形状の中央部とを含み、
前記積層構造部は、前記第1電極層と前記第2電極層との間に設けられ、電気絶縁性を有する絶縁層であって、層厚方向に貫通する孔を形成し、内部に前記電子加速層の一部が充填される複数の開口部が設けられる絶縁層をさらに有し、
前記端部に対応する部分の絶縁層は、単位面積当たりの、前記開口部により形成される孔の開口面積の割合が、前記中央部に対応する部分の絶縁層よりも大きいことを特徴とする。
また本発明は、前記分割電子源は、前記長手方向および前記幅方向に垂直な方向から見て、台形状、平行四辺形状、菱形状および三角形状のうちのいずれか1つの形状に形成されていることを特徴とする。
また本発明は、前記複数の分割電子源は、互いに同一であることを特徴とする。
また本発明は、前記被帯電体は、感光体ドラムであり、
前記分割電子源は、前記長手方向および前記幅方向に垂直な方向から見て、平行四辺形状または菱形状に形成され、
前記複数の分割電子源を一列に配置して前記電子源を構成したときの、前記電子放出部における有効部分の前記長手方向の寸法が、分割電子源の個数を調整することにより、第1の用紙サイズに対応した感光体ドラムにおける軸線方向の寸法と、第1の用紙サイズとは異なる第2の用紙サイズに対応した感光体ドラムにおける軸線方向の寸法とのいずれにも一致させることができるように、前記分割電子源の前記長手方向の寸法が決定されていることを特徴とする。
また本発明は、前記第1の用紙サイズは、A3サイズであり、前記第2の用紙サイズは、A4サイズであることを特徴とする。
また本発明は、前記帯電装置を備えたことを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、分割電子源を一列に配置して電子源が構成されるので、電子源における、長手方向に垂直な幅方向の寸法を小さくしつつ、被帯電体における帯電ムラを解消することができる。
本発明の第1の実施形態に係る帯電装置1の構成を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る帯電装置1に備えられる電子源11の構成を示す平面図である。 電子源11における繋ぎ目領域17付近を拡大して示す図である。 繋ぎ目領域17の他の構成例を説明するための図である。 本発明の第2の実施形態に係る帯電装置1Aに備えられる電子源11Aの構成を示す平面図である。 電子源11Aを構成している分割電子源14Aの構成を示す平面図である。 本発明の第1の実施形態に係る帯電装置1が搭載される複合機100の一例を概略的に示す図である。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る帯電装置1の構成を示す断面図である。図2は、本発明の第1の実施形態に係る帯電装置1に備えられる電子源11の構成を示す平面図である。図3は、電子源11における繋ぎ目領域17付近を拡大して示す図である。
本実施形態に係る帯電装置1は、電子写真方式の画像形成装置に搭載されている電子写真用の感光体ドラム2を帯電させるための装置として構成される。すなわち、帯電装置1は、画像形成装置に搭載されて用いられる。被帯電体である感光体ドラム2は、図1に示すように、円筒状のアルミ素管21の外表面に、20〜30μmの厚さを有する感光体層22が設けられて構成される。
なお、図1では、画像形成装置に搭載された状態における帯電装置1を、感光体ドラム2の軸線に垂直な仮想平面で切断したときの断面を、感光体ドラム2の一部とともに示している。また、図1に示す電子源11の断面は、図2における切断面線I−Iから見た断面、すなわち、後述する分割電子源14における長手方向Xの中央部の断面を示している。
電子放出装置である帯電装置1は、長尺で板状に形成された電子源11と、電子源11を動作させるための電源12,13とを含んで構成され、電子源11には、電圧が印加されると電子を放出する電子放出部15(図3参照)が、その長手方向Xに沿って帯状に形成されている。電子源11は、画像形成装置において、その長手方向Xが感光体ドラム2の軸線方向と平行となり、電子放出部15が感光体ドラム2に対向するような姿勢で、感光体ドラム2から離間して設置される。
電子源11は、本実施形態では、図2に示すように、長尺で板状に形成された2つの分割電子源14から成り、各分割電子源14には、電子放出部15の一部を成す分割電子放出部40が、その中心軸線Jに沿って帯状に形成されている。電子源11は、この2つの分割電子源14を、それらの中心軸線Jが互いに一致し、各分割電子放出部40が同一の方向に臨むような姿勢で、一列に配置することによって構成される。これにより、電子源11には、長手方向Xに沿って配置される分割電子放出部40によって、帯状の電子放出部15が形成される。なお、図2〜図6では、理解を容易にするために、分割電子放出部40を、ハッチングを付して示している。この分割電子放出部40の構成については、後述する。
ここで、中心軸線Jとは、分割電子源14において、その幅方向Yの中心を通り、長手方向Xに延びる軸線のことである。したがって、各分割電子源14の幅方向Yの寸法L1が互いに同一である場合には、電子源11は、図2に示すように、その幅方向Yの寸法が、長手方向Xに沿って一定となるように構成される。なお、幅方向Yは、感光体ドラム2に対向して設置されたときに、感光体ドラム2の周方向に一致する方向である。
前記のように、電子源11は、2つの分割電子源14を長手方向Xに沿って一列に配置することによって構成されるので、その2つの分割電子源14が連なる部分には、繋ぎ目16が形成されることとなる。以下、電子源11の長手方向Xに関して、繋ぎ目16が形成されている領域を「繋ぎ目領域17」(図3参照)と称することとする。
本実施形態に係る電子源11は、この繋ぎ目領域17において、一方の分割電子源14における長手方向X一方の端部14aと、他方の分割電子源14における長手方向X一方の端部14aとが、幅方向Yに関して重複するように配設されている。換言すれば、電子源11は、繋ぎ目領域17を、長手方向Xに垂直な仮想平面で切断したときの断面において、一方の分割電子源14の端部14aと、他方の分割電子源14の端部14aとが、幅方向Yに並ぶように構成されている。
さらに、電子源11は、各分割電子源14の端部14aには、分割電子放出部40の一部が形成され、繋ぎ目領域17では、一方の分割電子源14の端部14aに形成された分割電子放出部40の一部と、他方の分割電子源14の端部14aに形成された分割電子放出部40の一部とが、幅方向Yに重複して設けられるように構成されている。
分割電子源14を形成する際には、製造過程における分割電子源14のハンドリング性を容易にするとともに、後述する下面電極層32と表面電極層33との短絡を防止するために、分割電子放出部40が、図2に示すように、分割電子源14の平面視での外形線18よりも内側に退避した位置に形成される。より詳細には、後述する下面電極層32の外形線19よりも内側に退避した位置に形成される。これにより、電子源11における繋ぎ目16の両側には、分割電子放出部40が形成されない領域が、ある程度の幅をもって形成されることとなる。
したがって、長手方向Xに沿って一列に並べたときに、幅方向Yに平行に繋ぎ目が延びるような形状に分割電子源が形成されている場合には、電子源の長手方向Xにおいて、繋ぎ目付近の領域からは電子が放出されず、被帯電体における帯電ムラを引き起こしてしまうこととなる。
これに対し、本実施形態では、電子源11は、前記のように、一方の分割電子源14における長手方向Xの端部14aと、他方の分割電子源14における長手方向Xの端部14aとが、幅方向Yに関して重複するように配設され、かつ、繋ぎ目領域17では、一方の分割電子源14の端部14aに形成された分割電子放出部40と、他方の分割電子源14の端部14aに形成された分割電子放出部40とが、幅方向Yに重複するように構成されている。すなわち、電子源11は、長手方向Xに関して、電子が放出されない領域が存在しないように構成されている。これにより、繋ぎ目16に起因して発生する被帯電体での帯電ムラを可及的に抑制することができる。
また、本実施形態では、分割電子源14を、従来技術のように長手方向Xに沿って二列の千鳥状に配置するのではなく、長手方向Xに沿って一列に配置したうえで、上記のように構成しているので、千鳥状に配置される場合に比べて、電子源11における幅方向Yの寸法を小さくすることができる。
本実施形態では、電子源11は、図2および図3に示すように、繋ぎ目16が、長手方向Xに対して傾斜した方向、たとえば長手方向Xに対して45度を成す方向に沿って直線状に延びるように構成されている。
すなわち、一方の分割電子源14の端部14aと、他方の分割電子源14の端部14aとは、長手方向Xに対して傾斜する斜辺を有するように、互いに同一の直角三角形状に形成され、繋ぎ目領域17では、互いの斜辺同士が一致するように、一方の分割電子源14の端部14aと、他方の分割電子源14の端部14aとが配設されている。
図4(a)および図4(b)は、繋ぎ目領域17の他の構成例を説明するための図である。繋ぎ目領域17は、図4(a)に示すように、繋ぎ目16が階段状に延びるように形成されてもよく、図4(b)に示すように、繋ぎ目16が鋸刃状に延びるように形成されてもよい。いずれの場合においても、長手方向Xに関して、電子が放出されない領域が存在しないように、電子源11を構成することができる。
しかしながら、図4(a)に示すように、繋ぎ目16が階段状に延びるように場合には、電子が放出されない領域の幅方向Yの寸法が、長手方向Xに関して変動してしまうこととなる。したがって、この場合には、繋ぎ目領域17付近において、電子放出量が、長手方向Xに関して大きく変動してしまうこととなる。
一方、図4(b)に示すように、繋ぎ目16が鋸刃状に延びるように形成される場合には、繋ぎ目16が長手方向Xに往復することで、図2および図3に示す場合に比べて、電子が放出されない領域の幅方向Yの寸法が大きくなってしまうこととなる。したがって、この場合には、繋ぎ目領域17における電子放出量と、繋ぎ目領域17以外の部分(後述する基部14b)における電子放出量との差が、図2および図3に示す場合に比べて大きくなってしまうこととなる。
このため、電子源11は、長手方向Xに対して傾斜した方向に沿って繋ぎ目16が直線状に延びるように構成されるのが好ましい。
なお、図2および図3に示す本実施形態では、分割電子源14は、直角三角形状に形成される端部14aと、端部14aに連なり、長手方向Xに沿って一定の幅方向Yの寸法を有する基部14bとによって、台形状に形成されている。基部14bは、幅方向Yの寸法がL1であり、長手方向の寸法がL2である矩形状の部分であり、端部14aは、幅方向Yの寸法がL1よりも小さくなるように形成され、長手方向Xに沿って基部14bから離反するに従って、幅方向Yの寸法が連続的に減少している直角三角形状の部分である。
また、本実施形態では、電子源11を構成する2つの分割電子源14は、互いに同一に構成されている。すなわち、本実施形態では、電子源11は、2つの同一の分割電子源14を用い、一方の分割電子源14に対して、他方の分割電子源14を180度回転させて一列に配置することにより構成されている。このように、本実施形態では、一種類の分割電子源14を用いて電子源11を構成しているので、形状の異なる複数種類の分割電子源14を用いて電子源11を構成する場合に比べて、製造コストを低減することができる。
以下では、電子源11を構成している分割電子源14の基本的な構造について、図1および図2を参照して説明する。
電子放出素子である分割電子源14は、電界放出型の電子源として構成される。電界放出型の電子源としては、MIM(Metal Insulator Metal)構造を有するものによって実現されてもよく、あるいは、MIS(Metal Insulator Semiconductor)構造を有するものによって実現されてもよい。
分割電子源14は、具体的には、図1に示すように、板状に形成される基材31と、基材31の厚み方向Zの一方側の主面31a上に形成される下面電極層32と、下面電極層32に対向して設けられる表面電極層33と、下面電極層32と表面電極層33との間に挟まれるように設けられる電子加速層34とを含んで構成される。
さらに、本実施形態では、分割電子源14は、基材31の主面31a上に形成される、バスライン35ならびに第1および第2の給電端子36,37(図2参照)と、下面電極層32と電子加速層34との間に設けられるパターン処理絶縁層38とを含んで構成される。なお、下面電極層32と、表面電極層33と、電子加速層34と、パターン処理絶縁層38とによって、積層構造部が構成され、この積層構造部により、分割電子放出部40が形成される。
基材31は、下面電極層32を形成可能な電気絶縁性を有する板状体であり、たとえば、厚さ0.5mmのガラス基板によって実現される。なお、基材31を構成する材料としては、ガラスに限らず、セラミックスなどの無機材料、および硬質樹脂から成る有機材料などであってもよい。本実施形態では、図2に示すように、平面視で台形状に形成される。
下面電極層32は、基材31の主面31a上に、金属などの導電性物質を、電極として面状に付着さることによって構成される。本実施形態では、図2に示すように、基材31の形状に対応するように、平面視で台形状に形成される。
分割電子源14は、電流駆動型であることから、下面電極層32における電力消費を可及的に低減するために、下面電極層32は、抵抗の小さな金属材料を用い、層厚を厚くして構成するのが好ましい。具体的には、銅を用いて、数百nm以上の層厚に構成するのが好ましく、たとえば、チタン、クロム、モリブデンなどの薄膜で銅をサンドイッチした積層構造を、下面電極層32として好適に用いることができる。
一例を挙げると、下面電極層32は、ガラス製の基材31の主面31a上に、まずチタンを50nm成膜し、その上に重なるように銅を500nm成膜し、さらに、その上に重なるように再びチタンを50nm成膜した積層構造によって実現される。また、他の例としては、下面電極層32は、ガラス製の基材31の主面31a上に、まずクロムを50nm成膜し、その上に重なるように銅を300nm成膜し、さらに、その上に重なるように再びクロムを50nm成膜した積層構造によって実現されてもよい。
バスライン35は、表面電極層33へ給電するための補助電極であり、基材31の主面31aにおける、幅方向Yの一方側の縁辺、本実施形態では長い方の縁辺に近接して、直線状に形成される。
バスライン35は、下面電極層32と同様に、抵抗の小さな金属を用い、層厚を厚くして構成するのが好ましい。具体的には、銅を用いて、数百nm以上の層厚に構成するのが好ましく、たとえば、チタン、クロム、モリブデンなどの薄膜で銅をサンドイッチした積層構造を、バスライン35として好適に用いることができる。
下面電極層32およびバスライン35は、図2に示すように、基材31の主面31a上において、長手方向Xに沿って互いに平行に延設され、これらは、互いに電気的に絶縁されるように、幅方向Yに、たとえば0.5mm程度の間隔を空けて形成される。
基材31の主面31a上には、基部14bにおける端部14aに連なる側とは反対側の端部において、第1および第2の給電端子36,37が形成される。第1の給電端子36には、バスライン35が電気的に接続され、第2の給電端子37には、下面電極層32が電気的に接続されている。また、図1に示すように、第1の給電端子36は、電源12の正極側の端子に電気的に接続され、第2の給電端子37は、電源12,13の負極側の端子に接続されている。
パターン処理絶縁層38は、電気絶縁性を有する材料から成り、下面電極層32を全体的に覆い、かつ、バスライン35には接触しないように面状に形成される。そして、このパターン処理絶縁層38には、図1に示すように、複数の開口部39が、面方向(厚み方向Zに垂直な方向)に分散して設けられている。各開口部39には、パターン処理絶縁層38を厚み方向Zに貫通する貫通孔が形成されている。
この開口部39内には、後述する電子加速層34をパターン処理絶縁層38上に形成する際に、電子加速層34を構成する材料が充填される。かかる構成により、下面電極層32と後述する表面電極層33との間に電圧が印加されると、開口部39内に充填された電子加速層34と下面電極層32とが直接接触している領域にのみ電流が流れ、図1において矢印で示すように、その一部が、表面電極層33を透過あるいは電極の隙間をすり抜けて、分割電子源14の外部へ放出されることとなる。すなわち、この開口部39は、分割電子源14において、電流が流れる領域、換言すれば、電子が放出される領域を規定している。
したがって、分割電子源14は、このパターン処理絶縁層38に設けられる開口部39の大きさ、すなわち開口面積と、開口部39の個数とを適宜設定することで、換言すれば、単位面積当たりの、開口部39により形成される開口の面積の割合(以下、「開口率」と称する)を適宜設定することで、単位面積当たりに放出される電子の量を制御できるようになっている。つまり、パターン処理絶縁層38の開口率は、単位面積当たりに放出すべき電子の量に基づいて決定される。
このように、本実施形態に係る分割電子源14は、下面電極層32と電子加速層34との間にパターン処理絶縁層38を設けることで、単位面積当たりの電子放出量、換言すれば、感光体ドラム2に供給される単位面積当たりのイオンの量を制御可能に構成されている。
なお、パターン処理絶縁層38において、開口部39は、下面電極層32の外形線19よりも内側に退避した領域に形成される。また、分割電子放出部40は、積層構造部において、パターン処理絶縁層38のうちの開口部39が形成されている領域に対応した部分である。
開口部39における開口の形状は、円形状であっても、矩形状であってもよい。また、開口のサイズについては、最小側は、その製造可能限度でよく、後述するようにパターン処理絶縁層38を構成する材料としてアクリル樹脂が用いられる場合には、10μm程度とされる。一方、最大側は、開口部39への電流供給を確実にするために、100μm程度とされる。最大側がこのようなサイズに決定されているのは、開口のサイズが100μm程度よりも大きくなってしまうと、電極の線路長が増大してしまい、開口部39における開口領域の全域に亘って均一に電圧を印加することができなくなり、電子の放出量の低下、ひいては、感光体ドラム2に供給されるイオン量の低下を引き起こしてしまうからである。
このようなパターン処理絶縁層38を構成する材料としては、電気的絶縁性、耐熱性および適度な表面硬度を有し、さらに、開口部39を形成するためのパターン形成処理を容易に行えるという観点から、アクリル樹脂を好適に用いることができる。
アクリル樹脂としては、たとえば感光性アクリル樹脂が用いられ、この場合、感光性アクリル樹脂のベースポリマーは、メタクリル酸とグリシジルメタクリレートとのポリマーであり、感光剤としてナフトキシジアジド系ポジ型感光剤が含まれる。
アクリル樹脂が用いられる場合、その層厚は1μm程度とされる。この層厚の上限は、電子加速層34の層厚の2倍程度であると、電子加速層34を形成し易いという製造上の制限から来ている。電子加速層34は、その必要膜厚を実現するためにスピンコート法で作成される。スピンコート法では、コート基材表面の凹凸形状が、コート膜の均一性に影響を与える。つまり、コート基材表面の凹凸を形成するアクリル樹脂の層厚が1μm以上の場合、凹部に入りこんだコート液はスピンコートの回転に因って抜け難く成り、電子加速層34に必要な薄膜と成らない。また、凹部の作るアクリル樹脂膜の壁面において、スピンの回転軸中心からより外側に当る壁面に、遠心力によるコート液の吹き溜まりを生じ、凹部内部に膜厚の不均一性を生じてしまう。一方、アクリル樹脂の層厚が表記以下の場合には、電気絶縁性が低下するため、分割電子源14の電気的耐圧に問題を生じる。
電子加速層34は、図1に示すように、パターン処理絶縁層38に設けられる全ての開口部39を覆うように、パターン処理絶縁層38上に面状に設けられ、また、開口部39内には、その構成材料が充填される。なお、電子加速層34は、バスライン35の部分には積層されないようにされる。
電子加速層34は、本実施形態では、絶縁性微粒子と導電性微粒子とが、シリコーン樹脂で固着されて構成される。シリコーン樹脂を用いることにより、電子加速層34の機械的強度が向上されるだけでなく、シリコーン樹脂が有する撥水機能により、電子加速層34への水分子の付着を抑制することができる。したがって、湿度変動を伴う大気中においても、電子加速層34の電気抵抗を安定させることができ、電子源11を安定して動作させることができる。このようなシリコーン樹脂としては、たとえば、東レ・ダウコーニング・シリコン株式会社製のSR2441シリコーン樹脂を用いることができる。
また、絶縁性微粒子および導電性微粒子は、共にナノサイズの粒子である。絶縁性微粒子は、本実施形態では、二酸化ケイ素(略称「シリカ」:以下「SiO」という)で形成されている。すなわち、本実施形態では、絶縁性微粒子は、シリカ微粒子である。なお、絶縁性微粒子の材料は、電気絶縁性を有する材料であって、表面に電子トラップとして機能する適当な表面準位を有するものであればよく、SiO、酸化アルミニウム(以下「Al」という)、および二酸化チタン(以下「TiO」という)から選ばれる材料を主成分としたものを用いることができる。SiO、Al、およびTiOのように高い電気絶縁性を有する材料であれば、電子加速層34の抵抗値を所望の値に調整することが容易となる。また、これらの酸化物を用いると、酸化が生じにくくなり、大気中において利用された場合であっても、電子源11の劣化を防止することができる。また、電子トラップはエネルギー障壁となり、電界電子放出の種になると考えられるため、非晶質の構造が優位となる。このようなシリカ微粒子としては、たとえば、アエロジル社のフュームドシリカR8200を用いることができる。
また、絶縁性微粒子は、本実施形態では、その粒径が12nmの平均粒径を有する微粒子である。その粒子径分布は、できるだけ均一な方が好ましい。平均粒径が10nmよりも小さいと、粒子間に働く力が強いために粒子が凝集しやすく、分散が困難になる。また、平均粒径が1000nmよりも大きいと、分散性はよいものの、電子加速層34の空隙が大きくなり、電子加速層34の抵抗調整が困難になってしまう。このため、平均粒径は、上述した平均粒径であることが好ましい。
一方、導電性微粒子は、たとえば銀によって形成される。導電性微粒子は、電子源11が大気中で酸化して劣化することを防ぐため、貴金属を用いて形成されるとよい。たとえば、導電性微粒子は、銀のほか、金、白金、パラジウムまたはニッケルを主成分とする金属材料で形成するとよい。導電性微粒子は、公知の微粒子製造技術であるスパッタ法や噴霧加熱法を用いて作成可能であり、応用ナノ研究所が製造販売する銀ナノ粒子等の市販の金属微粒子粉体が利用可能である。
また、導電性微粒子は、本実施形態では、その粒径が10nmの平均粒径を有するナノ粒子である。導電性微粒子は、電子加速層34の導電性を制御するため、絶縁性微粒子の平均粒径よりも小さい平均粒径を有する微粒子を用いる必要がある。このため、導電性微粒子の平均粒径は、3〜20nmであるのが好ましい。導電性微粒子の平均粒径を、絶縁性微粒子の平均粒径よりも小さくすることによって、電子加速層34内で、導電性微粒子による導電パスが形成されず、電子加速層34内での絶縁破壊が起こり難くなる。平均粒径が3nm以下では、凝集力が強すぎるために、微粒子分散溶液の状態で粒子径を維持することができない。また原理的には不明確な点が多いが、平均粒径が3〜20nmの範囲内の導電性微粒子を用いることで、電子放出の作成時の再現性が良い。
上記構成の電子加速層34は、その層厚が300〜1000nmで形成される。この層厚は、電子加速層34に電流路を形成するための通電処理、いわゆるフォーミングという前処理に要する電力量によって制限される。
本来絶縁体として振舞う電子加速層34は、気温25℃、相対湿度10〜70%の大気中で、ゆっくりした昇圧速度で電圧を印加することで、電子放出を伴う電流を流すようになる。これがフォーミングと言われる処理であり、この処理が済んだ素子は、その後、必要な電圧を印加するだけで電子放出が可能となる。
フォーミング処理中には、電子源11は電力を消費する。層厚によってフォーミングに要する電圧値、電流値は異なり、電子加速層34が薄い場合には低電圧で、厚い場合には高電圧の印加を必要とする。このため、電子加速層34が厚い場合には、フォーミング時の消費電力量が大きく成る傾向にある。
基板での消費電力量の増加は、基材31の主面31a上に形成された電極の破壊を招いてしまう。つまり電極で生じるジュール熱と、ガラスなどの基材31を構成する材料と電極を構成する材料との熱膨張率の違いとが相まって、電極の破損を生じてしまう。この現象を防止するために、電子加速層34の厚い素子では、電子放出に要するフォーミング電圧を印加できなくなる。層厚別のフォーミング特性評価の結果、層厚1000nmという上限は、このような現象を起こさない層厚の境界となっている。
また、300nmという層厚の下限は、現状のスピンコート法による下限値である。電子加速層34は、より薄く形成する工夫を施すことで、さらなる性能の向上が望めると考えられる。
表面電極層33は、電子加速層34の全面およびバスライン35を一体的に被覆するように積層される。このような構成とすることで、電圧ロスの少ないバスライン35を介して、表面電極層33への電力供給が可能と成る。
表面電極層33の層厚は、50〜200nmの範囲とすることが好ましい。50nmより薄くなると良好な導電性が得られなくなってしまう。これは、電子加速層34の表面の凹凸が、表面電極層33の層厚変動に影響するためと考えられる。また、200nmを超える場合には、電子源11からの電子放出量が極端に減少してしまう。表面電極層33は、電極としての機能を有し、かつ大気中での酸化抑制を有する材料であれば良く、たとえば、金およびパラジウムからなる金属膜が好適に用いられる。
上記の構造を有する分割電子源14は、電源12,13によって、バスライン35ならびに第1および第2の給電端子36,37を介して、下面電極層32と表面電極層33との間に電圧が印加されることで、電子加速層34における、下面電極層32と直接接触している領域に電流を流し、その一部を、印加電圧の形成する強電界により、弾道電子として、表面電極層33を透過させて、あるいは表面電極層33の隙間から放出させる。
画像形成装置においては、電子源11は、表面電極層33が感光体ドラム2に対向するように、感光体ドラム2からたとえば1〜5mm程度離間した位置に配置されて固定される。これにより、電子写真プロセスの動作時には、前記のようにして電子源11から放出された電子が、空間で酸素イオンとなり、軸線まわりに一定の速度で回転する感光体ドラム2の表面に着弾して、帯電電位を生じさせる。このとき、空間に高電界領域を形成しないため、オゾン、NOxなどの発生量を計測限界程度に少なく抑えることができる。
なお、このように動作させるためには、表面電極層33が正電位となるように15〜20Vの電圧を印加するための電源12と、電子放出により生じた負極性イオンを感光体ドラム2の表面へ移動させるための電源13とが必要となる。電源13は、感光体ドラム2の飽和帯電電位を決定する役割を有することから、−600〜−800Vの電圧を印加する必要がある。
前記のように、電子源11において、繋ぎ目領域17では、繋ぎ目16の両側には、電子が放出されない領域が、ある程度の幅をもって形成されることとなる。このため、図3に示すように、基部14bに形成される分割電子放出部40(以下、「基部電子放出部41」と称する)の幅方向Yの寸法D1に比べて、繋ぎ目領域17に形成される分割電子放出部40の幅方向Yの寸法(=D2+D3)が小さくなってしまう。
したがって、分割電子源14において、基部電子放出部41におけるパターン処理絶縁層38の開口率と、端部14aに形成される分割電子放出部40(以下、「端部電子放出部42」と称する)におけるパターン処理絶縁層38の開口率とが同一であると、基部14bに比べて、繋ぎ目領域17における電子放出量が小さくなってしまう。この場合、基部14bにおける電子放出量と、繋ぎ目領域17における電子放出量との差に起因して、被帯電体において、帯電ムラが生じてしまうこととなる。
そこで、本実施形態では、端部電子放出部42におけるパターン処理絶縁層38の開口率が、基部電子放出部41におけるパターン処理絶縁層38の開口率よりも大きくなるように、パターン処理絶縁層38において開口部39が形成されている。一例を挙げると、基部電子放出部41におけるパターン処理絶縁層38の開口率が50%である場合に、端部電子放出部42におけるパターン処理絶縁層38の開口率は、51.2%とされる。
このように、端部電子放出部42におけるパターン処理絶縁層38の開口率が、基部電子放出部41におけるパターン処理絶縁層38の開口率よりも大きくなるように、それぞれの開口率を適宜設定することによって、基部14bおける電子放出量と、繋ぎ目領域17における電子放出量とを略同一にすることができる。これにより、被帯電体に発生する帯電ムラをさらに抑制することができる。
なお、本実施形態では、上記のように、積層構造部を構成している電子加速層34が、絶縁性微粒子と導電性微粒子とを含んで構成されている。しかしながら、これに限らず、他の実施形態としては、電子加速層34が、絶縁性微粒子を含まない構成としてもよい。
本実施形態のように、電子加速層34において、絶縁性微粒子が含まれる場合には、一般に絶縁性微粒子の粒子径が小さくなるほど絶縁性微粒子の凝集が発生しやすくなるため、絶縁性微粒子の分散状態により電子加速層34の層厚が不均一になる場合がある。電子放出量は、下面電極層32と表面電極層33との間に印加される電圧によって形成される電子加速層34内部の電界強度が強いほど増加するため、電子加速層34の層厚が均一なほど電界強度が均一にかかり、面方向での均一な電子放出が可能となる。
したがって、電子加速層34が、絶縁性微粒子を含まない構成とすることで、絶縁性微粒子に起因する層厚の不均一が発生しないため、面方向での均一な電子放出が可能となる。
以上のように、本実施形態によれば、分割電子源14を一列に配置して電子源11を構成することで、電子源11における幅方向Yの寸法を小さくしつつ、長手方向Xに関して、電子が放出されない領域が存在しないように構成されているので、繋ぎ目16に起因して発生する被帯電体での帯電ムラを、可及的に抑制することができる。また、電子源11を製造するための装置として、小型の装置を用いることができることから、製造コストを削減することができる。
また、本実施形態によれば、電子源11は、分割電子源14を一列に配置したときに、繋ぎ目16が、長手方向Xに対して傾斜した方向に沿って直線状に延びるように構成されているので、繋ぎ目領域17付近において、電子放出量が、長手方向Xに関して大きく変動してしまうことなく、また、基部14bにおける電子放出量と、繋ぎ目領域17における電子放出量との差をできるだけ小さくすることができる。したがって、繋ぎ目16に起因して発生する被帯電体での帯電ムラを、さらに抑制することができる。
また、本実施形態によれば、基部14bおける電子放出量と、繋ぎ目領域17における電子放出量とが略同一となるように、端部電子放出部42におけるパターン処理絶縁層38の開口率が、基部電子放出部41におけるパターン処理絶縁層38の開口率よりも大きくされているので、繋ぎ目16に起因して発生する被帯電体での帯電ムラを、さらに抑制することができる。
(第2の実施形態)
図5は、本発明の第2の実施形態に係る帯電装置1Aに備えられる電子源11Aの構成を示す平面図である。なお、図5では、分割電子源14Aにおける、基材31および分割電子放出部40だけを描画している。
本実施形態に係る帯電装置1Aは、電子源11Aの構成においてのみ、第1の実施形態に係る帯電装置1と異なっている。また、電子源11Aを構成している分割電子源14Aの基本的な構造は、第1の実施形態における分割電子源14と同一である。分割電子源14Aにおいて、分割電子源14と同一の構成については、同一の参照符を付し、重複する説明を省略する。
第1の実施形態では、分割電子源14は、平面視で、台形状に形成されていたが、本実施形態では、分割電子源14Aは、平面視で、平行四辺形状に形成されている。ここで、分割電子源14Aにおいて、長手方向Xに平行な縁辺の長さをL5とし、長手方向Xにおける全体の寸法をL6とすると、分割電子源14Aは、L6<2×L5を満足するように構成されている。これにより、分割電子源14Aは、矩形状の基部14bと、その両端にそれぞれ連なる、直角三角形状の端部14aとを有する形状となる。
各端部14aには、端部電子放出部42が形成され、基部14bには、基部電子放出部41が形成される。そして、第1の実施形態と同様に、端部電子放出部42におけるパターン処理絶縁層38の開口率が、基部電子放出部41におけるパターン処理絶縁層38の開口率よりも大きくなるように、パターン処理絶縁層38において開口部39が形成される。
本実施形態では、電子源11Aは、互いに同一に構成される5つの分割電子源14Aを、それらの中心軸線Jが互いに一致し、各分割電子放出部40が同一の方向に臨むような姿勢で、長手方向Xに沿って一列に配置することによって構成される。これにより、電子源11Aには、長手方向Xに沿って配置される分割電子放出部40によって、帯状の電子放出部15が形成される。
すなわち、電子源11Aにおいては、一列に並ぶ5つの分割電子放出部40によって、平行四辺形状の電子放出部15が形成され、この電子放出部15における、長手方向Xの両端の三角形状の部分は、それらの間の矩形状の部分に比べて、幅方向Yの寸法が小さくなっている。このため、その両端の三角形状の部分を、被帯電体の帯電用に用いるのは好ましくない。すなわち、電子源11Aにおいては、その両端の三角形状の部分の間の矩形状の部分が、被帯電体の帯電用に用いられる。以下、この矩形状の部分を、「有効部分20」と称することとする。
したがって、本実施形態に係る電子源11Aを、電子写真方式の画像形成装置に搭載されている電子写真用の感光体ドラム2を帯電させるための装置に用いる場合には、前記の有効部分20の長手方向Xの寸法(=5×L5−(L6−L5))が、感光体ドラム2の軸線方向の寸法に一致するように、分割電子源14Aにおける寸法L5,L6が設定すればよい。
ここで、従来から、電子写真方式の画像形成装置としては、印刷可能な用紙サイズがA4サイズである画像形成装置と、印刷可能な用紙サイズがA3サイズである画像形成装置の2種類が広く普及している。前者の画像形成装置においては、軸線方向の寸法が約240mmの感光体ドラム2が搭載され、後者の画像形成装置においては、軸線方向の寸法が約330mmの感光体ドラム2が搭載されている。
そこで、本実施形態では、複数の分割電子源14Aを一列に配置して電子源11Aを構成したときの、電子放出部15における有効部分20の長手方向Xの寸法が、分割電子源14Aの個数を調整することにより、A4サイズに対応した感光体ドラム2における軸線方向の寸法(=240mm)と、A3サイズに対応した感光体ドラム2における軸線方向の寸法(=330mm)とのいずれにも一致させることができるように、分割電子源14Aにおける寸法L5,L6が決定されている。
このように分割電子源14Aにおける寸法L5,L6を決定することで、分割電子源14Aは、印刷可能な用紙サイズがA3サイズである画像形成装置における帯電装置1Aと、印刷可能な用紙サイズがA4サイズである画像形成装置における帯電装置1Aとの両方において、電子源11Aを構成するために用いることができる。すなわち、この場合には、一種類の分割電子源14Aによって、印刷可能な用紙サイズの異なる2種類の画像形成装置における帯電装置1Aを構成することができる。したがって、種類の異なる画像形成装置ごとに、分割電子源14Aを製造する場合に比べて、製造コストを削減することができる。なお、分割電子源14Aにおける寸法L5,L6を決定する際には、利用可能な値のうち、最も大きなものを選択するのが装置構成上好ましい。
具体例を挙げると、分割電子源14Aの寸法L5は、たとえば47.6mmに設定される。これにより、印刷可能な用紙サイズがA4サイズである画像形成装置に対しては、5個の分割電子源14Aを一列に並べることによって電子源11Aを構成することができ、印刷可能な用紙サイズがA3サイズである画像形成装置に対しては、7個の分割電子源14Aを一列に並べることによって電子源11Aを構成することができる。
図6は、電子源11Aを構成している分割電子源14Aの構成を示す平面図である。分割電子源14Aは、前記のように、3個以上を一列に並べることによって電子源11Aを構成するために好適に用いられる。
したがって、分割電子源14Aは、第1の実施形態における分割電子源14とは異なり、その長手方向Xにおける両方の端部14aが、繋ぎ目領域17に配設され得ることとなる。それ故、分割電子源14Aにおいては、下面電極層32および表面電極層33のそれぞれに給電するための第1および第2の給電端子36,37を、第1の実施形態における分割電子源14のように、長手方向Xにおける端部14aに配設することができない。
そこで、本実施形態では、分割電子源14Aは、図6に示すように、幅方向Yにおける一方側の端部に第1の給電端子36が配設され、幅方向Yにおける他方側の端部に第2の給電端子37が配設されて構成されている。
なお、第1の実施形態では、分割電子源14は、平面視で、台形状に形成され、第2の実施形態では、分割電子源14Aは、平面視で、平行四辺形状に形成されていたが、さらに他の実施形態では、分割電子源は、平面視で、菱形状あるいは三角形状に形成されてもよい。
以下、本発明の実施例について説明する。実施例1は、第1の実施形態に対応した実施例であり、実施例2は、第2の実施形態に対応した実施例である。
(実施例1)
帯電装置1において、電子源11は、感光体ドラム2の表面から1mmの間隔をあけて設置されている。2つの分割電子源14は、互いに同一に構成され、感光体ドラム2の軸線方向の中心に対応した位置に、繋ぎ目16が形成されている。
分割電子源14において、ガラス製の基材31の寸法は、幅方向Yの寸法L1が12mmであり、上底に対応する辺の長さL2が123mmであり、下底に対応する辺の長さL3が135mmである。また、繋ぎ目16は、長手方向Xに対して45度傾斜して直線状に延びている。
分割電子源14の基部14bでは、第1および第2の給電端子36,37が設けられる側の縁辺から9mmの間隔をあけて、分割電子放出部40が形成されている。この端面から9mmの領域は、感光体ドラム2の軸線方向の端部に設けられる余白部分に対向して配置される。
分割電子放出部40は、基材31の外形線18における、上底に対応する縁辺、下底に対応する縁辺、および繋ぎ目16を構成する縁辺から1mmの間隔をあけて形成されている。すなわち、分割電子放出部40の周りには1mm幅の余白部分が設けられている。
基部電子放出部41におけるパターン処理絶縁層38では、1辺が40μmの正方形の開口を形成する開口部39が、幅方向Yに16.6μmの間隔をあけて設けられている。これにより、基部電子放出部41におけるパターン処理絶縁層38の開口率は50%とされている。
一方、端部電子放出部42におけるパターン処理絶縁層38では、1辺が41.7μmの正方形の開口を形成する開口部39が、幅方向Yに16.6μmの間隔をあけて設けられている。これにより、端部電子放出部42におけるパターン処理絶縁層38の開口率は51.2%とされている。このように構成することで、電子放出部15からの電子放出量は、長手方向Xに関して一様となる。
感光体ドラム2の直径を30mmとし、その感光体ドラム2を表面速度が225mm/sの速さで軸線まわりに回転させるという条件下で、高圧のバイアス電源13を−660Vに設定し、電子源11の駆動電源12を18.5Vに設定すると、感光体の帯電電位を−600Vとすることができる。厳密には、電子源11からのイオン供給量と、感光体ドラム2の表面速度とが関係した非線形な時定数の関係となるが、前記の表面速度の前後では、感光体の帯電電位は高圧のバイアス電源13のおよそ90%で飽和する動作特性にある。
また、かかる電子源11を複写機に搭載し実印字を行った結果、従来の帯電方法を用いているスコロトロン帯電器、ローラ帯電器と同様の印字出力が得られる事を確認した。このとき、電子源11における繋ぎ目16に対向する感光体ドラム2の中央部では、帯電電位の低下は認められず、該中央部以外の部分と同様の印字出力を形成できた。さらに、複写機動作中のオゾン濃度を、EBARA JITSUGYO社のオゾンメータEG−2001で計測すると、上記稼働条件でのオゾン量は、計測限界以下であることも確認できた。
(実施例2)
帯電装置1Aにおいて、電子源11Aは、感光体ドラム2の表面から1mmの間隔をあけて設置されている。電子源11Aは、互いに同一に構成された5つの分割電子源14Aを、感光体ドラム2の軸線方向に沿って一列に並べて構成されている。
分割電子源14Aにおいて、ガラス製の基材31の寸法は、幅方向Yの寸法L4が12mmであり、長手方向Xに延びる縁辺の長さL5が47.6mmである。また、繋ぎ目16は、長手方向Xに対して45度傾斜して直線状に延びている。
基部電子放出部41におけるパターン処理絶縁層38では、1辺が40μmの正方形の開口を形成する開口部39が、幅方向Yに16.6μmの間隔をあけて設けられている。これにより、基部電子放出部41におけるパターン処理絶縁層38の開口率は50%とされている。
一方、端部電子放出部42におけるパターン処理絶縁層38では、1辺が41.7μmの正方形の開口を形成する開口部39が、幅方向Yに16.6μmの間隔をあけて設けられている。これにより、端部電子放出部42におけるパターン処理絶縁層38の開口率は51.2%とされている。このように構成することで、電子放出部15からの電子放出量は、長手方向Xに関して一様となる。
電子源11Aにおけるその他の構成要件については、前述の実施例1と同様である。このような場合においても、感光体に対する表面電位および現像性能は、実施例1と同様であった。
(第3の実施形態)
図7は、本発明の第1の実施形態に係る帯電装置1が搭載される複合機100の一例を概略的に示す図である。画像形成装置である複合機100は、画像データに基づいて、記録用紙などの記録媒体上に、多色または単色の画像を形成する装置である。複合機100は、装置本体110と、自動原稿処理装置120と、トナーカートリッジ200とを備えて構成される。
装置本体110は、その鉛直方向上部に、原稿が載置される透明ガラスからなる原稿載置台90と、読取部92とを有する。原稿載置台90の鉛直方向上側には自動原稿処理装置120が取り付けられる。自動原稿処理装置120は、原稿載置台90の上に原稿を搬送する装置である。自動原稿処理装置120は、原稿載置台90から離間する方向Mに角変位可能に構成され、原稿載置台90上に原稿を手置きできるように構成されている。原稿載置台90上に載置された原稿の画像情報は、読取部92によって読取られ、図示しない制御部に入力される。
装置本体110は、露光ユニット51、現像器52、感光体ドラム53、クリーナユニット54、帯電装置1、中間転写ユニット55、2次転写ローラ56、定着ユニット57、内部給紙カセット81、手差し給紙カセット82、排紙トレイ91、記録媒体搬送部U、およびトナーカートリッジ200が着脱可能に装着されるトナーカートリッジ装着部130を備えて構成される。本実施形態では、感光体ドラム53、クリーナユニット54および帯電装置1は、装置本体110に着脱可能なプロセスカートリッジ300に設けられている。
複合機100において扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたものである。よって、現像器52、プロセスカートリッジ300およびトナーカートリッジ装着部130は、各色に応じてそれぞれ4つずつ設けられ、各トナーカートリッジ装着部130には、対応する色のトナーが収容されたトナーカートリッジ200が装着される。
感光体ドラム53は、その軸線回りに回転できるように図示しない駆動部によって支持される、円筒状部材である。感光体ドラム53は、図示しない導電性基体と、該導電性基体の表面に形成される感光体層とを含む。感光体層は、光を照射されることによって導電性を示す部材である。感光体ドラム53の感光体層の表面には、帯電装置1による帯電、および露光ユニット51による露光により、静電潜像とよばれる電気的な画像が形成される。
帯電装置1は、電界電子放出によって、感光体ドラム53表面を所定の極性および電位に帯電させる。帯電装置1は、感光体ドラム53に臨む位置に、感光体ドラム53の長手方向に沿って、感光体ドラム53およびクリーナユニット54の鉛直方向下方に設置される。
露光ユニット51は、感光体ドラム53に対して光を照射する装置である。露光ユニット51は、帯電した感光体ドラム53を画像データに応じて露光することにより、感光体ドラム53の表面に、画像データに応じた静電潜像を形成する。
露光ユニット51としては、レーザスキャニングユニット(LSU)を用いることができる。LSUは、画像データに応じて変調されたレーザ光を出射するレーザ出射部と、レーザ出射部から出射されたレーザ光を偏向させるポリゴンミラーと、ポリゴンミラーによって偏向されたレーザ光を収束する収束レンズと、収束レンズによって収束されたレーザ光を反射する反射ミラーとを含む。なお、露光ユニット51としては、LSUに限られず、発光素子をアレイ状に並べたEL(Electro Luminescence)、LED(Light Emitting Diode)書込みヘッドなどであってもよい。
現像器52は、感光体ドラム53上に形成された静電潜像を4色(CMYK)のそれぞれの色のトナーによって顕像化する部材である。現像器52は、静電潜像が形成された状態の感光体ドラム53上にトナーを供給することで、感光体ドラム53上にトナー像を形成する。
クリーナユニット54は、後述する中間転写ベルト61にトナー像を転写した後において、感光体ドラム53上の表面に残留したトナーを回収する部材である。
中間転写ユニット55は、感光体ドラム53の鉛直方向上方に配置され、中間転写ベルト61、中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、1次転写ローラ64、および中間転写ベルトクリーニングユニット65を備える。
中間転写ベルト61は、各感光体ドラム53に接触するように、中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、および1次転写ローラ64に張架される。中間転写ベルト61は、たとえば、厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いて無端状に形成される。中間転写ベルト駆動ローラ62および中間転写ベルト従動ローラ63は、中間転写ベルト61を所定の向きに回転させる部材である。
中間転写ベルト61上には、感光体ドラム53上に形成された各色のトナー像が順次重なるように転写されて、カラートナー像(多色トナー像)が形成される。中間転写ベルト61上に形成されたトナー像は、中間転写ベルト61の回転によって、2次転写ローラ56と対向する位置に搬送される。
1次転写ローラ64は、CMYKの各色に対応して4つ設けられる。1次転写ローラ64は、各感光体ドラム53上のトナー像を中間転写ベルト61上に転写させるための電圧である転写バイアスを、中間転写ベルト61に印加する。1次転写ローラ64は、直径8mm〜10mmの金属(たとえばステンレス)軸と、該金属軸の表面を被覆する導電性弾性材(たとえばEPDM(エチレンプロピレン共重合ゴム)、発泡ウレタンなど)とを含むローラ状部材である。1次転写ローラ64は、導電性弾性材によって、中間転写ベルト61に対して均一に転写バイアスを印加することができる。
2次転写ローラ56は、上記のように中間転写ベルト61上に形成されたカラートナー像を記録媒体上に転写させる部材である。2次転写ローラ56は、中間転写ベルト駆動ローラ62とともに中間転写ベルト61を挟持するように配置される。2次転写ローラ56には、カラートナー像を記録媒体に転写させるための電圧が印加される。2次転写ローラ56と中間転写ベルト駆動ローラ62とによってニップが形成されるように、2次転写ローラ56および中間転写ベルト駆動ローラ62のうちの一方を硬質材料(金属など)で形成し、他方を軟質材料(弾性ゴム、発泡性樹脂など)で形成することが好ましい。
中間転写ベルトクリーニングユニット65は、カラートナー像が記録媒体に転写された後において、中間転写ベルト61上に残存したトナーを回収する部材である。中間転写ベルトクリーニングユニット65は、中間転写ベルト61に接触するクリーニングブレードを備え、該クリーニングブレードは中間転写ベルト従動ローラ63とともに中間転写ベルト61を挟持する。
定着ユニット57は、ヒートローラ71と加圧ローラ72とを備える。ヒートローラ71および加圧ローラ72は、記録媒体を挟んで回転可能に設けられる。ヒートローラ71は、図示しない温度検出器からの信号に基づいて、図示しない制御部によって所定の温度となるように設定される。ヒートローラ71および加圧ローラ72は、カラートナー像を構成するトナーを記録媒体に熱圧着することにより、該トナーを溶融させて記録媒体に定着させる。
内部給紙カセット81および手差し給紙カセット82は、画像形成に使用する記録用紙などの記録媒体を蓄積しておく部材である。排紙トレイ91は、画像が形成された記録媒体をフェイスダウンで集積するためのトレイである。
記録媒体搬送部Uは、記録媒体を、内部給紙カセット81および手差し給紙カセット82から、2次転写ローラ56および定着ユニット57を経由させて、排紙トレイ91に送る部材である。記録媒体搬送部Uは、ピックアップローラ111a,111b、搬送ローラ112a,112b,112c,112d、およびレジストローラ113を備える。
ピックアップローラ111aは、内部給紙カセット81の端部近傍に備えられ、内部給紙カセット81から記録媒体を1枚ずつ取り出す部材である。ピックアップローラ111bは、手差し給紙カセット82の端部近傍に備えられ、手差し給紙カセット82から記録媒体を1枚ずつ取り出す部材である。
搬送ローラ112a〜112dは、記録媒体を搬送するための小型のローラである。レジストローラ113は、搬送されてきたシートを一旦保持し、中間転写ベルト61上のカラートナー像と記録媒体とが合わせるタイミングで、記録媒体を2次転写ローラ56に搬送する部材である。
複合機100において、内部給紙カセット81または手差し給紙カセット82から取り出された記録媒体は、レジストローラ113まで搬送され、レジストローラ113によって所定のタイミングで2次転写ローラ56まで搬送されて、2次転写ローラ56と中間転写ベルト61との間を通過したときにトナー像が転写される。トナー像が転写された記録媒体は、定着ユニット57を通過することによってトナー像が定着し、搬送ローラ112bを経て排紙トレイ91上に排出される。
なお、複合機100において、記録媒体の両面に画像を形成する両面印刷の場合には、片面におけるトナー像の定着が終了して定着ユニット57から排出された記録媒体は、その後端が搬送ローラ112bで把持され、該搬送ローラ112bによって搬送ローラ112c,112dに導かれる。搬送ローラ112c、112dに導かれた記録用紙は、再度、レジストローラ113、2次転写ローラ56、および定着ユニット57を通過することで、記録媒体の裏面における印刷が行われて、排紙トレイ91に排出される。
本実施形態に係る複合機100によれば、感光体ドラム53を帯電させるための帯電装置として、第1の実施形態に係る帯電装置1が用いられているので、オゾンおよび様々な酸化物が発生することによる、感光体ドラム53およびその周辺の樹脂構造物の劣化を防止することができるとともに、帯電ムラに起因する現像性能の低下を防止することができる。
1 帯電装置
2 感光体ドラム
11 電子源
12,13 電源
14 分割電子源
15 電子放出部
16 繋ぎ目
17 繋ぎ目領域
31 基材
32 下面電極層
33 表面電極層
34 電子加速層
35 バスライン
38 パターン処理絶縁層
39 開口部
40 分割電子放出部
41 基部電子放出部
42 端部電子放出部

Claims (10)

  1. 電子を放出する電子放出部が長手方向に沿って帯状に形成される長尺の電子源であって、前記電子放出部の一部を成す分割電子放出部がそれぞれ形成される複数の分割電子源を、前記長手方向に沿って一列に配置して構成される電子源を含み、前記電子放出部から放出される電子により、被帯電体を帯電させる帯電装置であって、
    前記複数の分割電子源の隣接する分割電子源の端部によって形成される繋ぎ目領域において、一方の分割電子源の前記端部と、他方の分割電子源の前記端部とが、前記長手方向に垂直な幅方向に重複するように配設され、該繋ぎ目領域では、前記一方の分割電子源の前記端部に形成された分割電子放出部と、前記他方の分割電子源の前記端部に形成された分割電子放出部とが、前記幅方向に重複していることを特徴とする帯電装置。
  2. 前記複数の分割電子源は、前記幅方向の寸法が互いに同一であり、
    前記電子源において、各分割電子源の前記幅方向の中心が同一直線上に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の帯電装置。
  3. 前記一方の分割電子源の前記端部と、前記他方の分割電子源の前記端部とは、前記長手方向に対して傾斜する斜辺を有する、互いに同一の直角三角形状に形成され、
    前記繋ぎ目領域では、互いの前記斜辺が一致するように、前記一方の分割電子源の前記端部と、前記他方の分割電子源の前記端部とが配設されていることを特徴とする請求項1または2に記載の帯電装置。
  4. 前記分割電子源は、第1電極層と、第2電極層と、前記第1電極層と前記第2電極層との間に設けられ、導電性微粒子を含む電子加速層とを含む積層構造部を有し、前記第1電極層と前記第2電極層との間に電圧が印加されると、前記分割電子放出部において、前記第1電極層から放出される電子を前記電子加速層で加速させて、前記第2電極層から電子を放出させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の帯電装置。
  5. 前記分割電子源は、前記繋ぎ目領域に配設される前記端部と、該端部に連なり、前記幅方向において、前記電子源における前記幅方向の寸法と同一の寸法を有する矩形状の中央部とを含み、
    前記積層構造部は、前記第1電極層と前記第2電極層との間に設けられ、電気絶縁性を有する絶縁層であって、層厚方向に貫通する孔を形成し、内部に前記電子加速層の一部が充填される複数の開口部が設けられる絶縁層をさらに有し、
    前記端部に対応する部分の絶縁層は、単位面積当たりの、前記開口部により形成される孔の開口面積の割合が、前記中央部に対応する部分の絶縁層よりも大きいことを特徴とする請求項4に記載の帯電装置。
  6. 前記分割電子源は、前記長手方向および前記幅方向に垂直な方向から見て、台形状、平行四辺形状、菱形状および三角形状のうちのいずれか1つの形状に形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の帯電装置。
  7. 前記複数の分割電子源は、互いに同一であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の帯電装置。
  8. 前記被帯電体は、感光体ドラムであり、
    前記分割電子源は、前記長手方向および前記幅方向に垂直な方向から見て、平行四辺形状または菱形状に形成され、
    前記複数の分割電子源を一列に配置して前記電子源を構成したときの、前記電子放出部における有効部分の前記長手方向の寸法が、分割電子源の個数を調整することにより、第1の用紙サイズに対応した感光体ドラムにおける軸線方向の寸法と、第1の用紙サイズとは異なる第2の用紙サイズに対応した感光体ドラムにおける軸線方向の寸法とのいずれにも一致させることができるように、前記分割電子源の前記長手方向の寸法が決定されていることを特徴とする請求項7に記載の帯電装置。
  9. 前記第1の用紙サイズは、A3サイズであり、前記第2の用紙サイズは、A4サイズであることを特徴とする請求項8に記載の帯電装置。
  10. 請求項1〜9のいずれか1つに記載の帯電装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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