JPWO2007049549A1 - 塩、水酸化物又は酸化物の微粒子の製造方法及び該製造方法で得られた塩、水酸化物又は酸化物の微粒子 - Google Patents
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Abstract
本発明は、陰イオン交換膜と陽イオン交換膜とを用いた電気透析処理により塩、水酸化物又は酸化物を製造するに際し、濃縮室に生成する塩、水酸化物又は酸化物に対し貧溶媒である導電性の液体を濃縮室液として使用することを特徴とする塩、水酸化物又は酸化物の微粒子の製造方法及び該製造方法で得られた塩、水酸化物又は酸化物の微粒子を提供する。
Description
本発明は、光学材料、触媒、顔料、電子デバイス材料、磁性材料、難燃剤、消臭・抗菌剤、医薬、研磨材、各種フィラー等として利用する塩、水酸化物又は酸化物の微粒子の製造方法、及び廃液、排水からの希少金属等を固体として回収するための塩、水酸化物又は酸化物の微粒子の製造方法に関し、詳しくは、電気透析処理により少なくとも、濃縮室に生成する塩、水酸化物又は酸化物に対し貧溶媒である導電性の液体を濃縮室液として使用し、濃縮室液にイオン液体を含有する液体を用いることを特徴とした塩、水酸化物又は酸化物の微粒子の製造方法に関する。
また、上記製造方法で得られた塩、水酸化物又は酸化物の微粒子に関する。
なお、本発明における微粒子とは、溶媒に分散させレーザー回折式粒度分布計により測定した数平均粒径が1nm〜1μm、又は乾燥時において粉末であり、当該粉末のBET多点法による比表面積が1〜1000m2/gのものである。
また、上記製造方法で得られた塩、水酸化物又は酸化物の微粒子に関する。
なお、本発明における微粒子とは、溶媒に分散させレーザー回折式粒度分布計により測定した数平均粒径が1nm〜1μm、又は乾燥時において粉末であり、当該粉末のBET多点法による比表面積が1〜1000m2/gのものである。
電気透析方法は、一般的に陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とを交互に配列して、直流電流を流し、陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とに挟まれて形成される室(脱塩室)中の陽イオン,陰イオンを別けて移動させ、電解質溶液の脱塩を行う方法である。
そして、多数の陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とを交互に配列することにより、脱塩室と濃縮室(脱塩室から移動してきた陽イオン及び陰イオンが濃縮されて存在する室)とが交互に形成される。
そして、多数の陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とを交互に配列することにより、脱塩室と濃縮室(脱塩室から移動してきた陽イオン及び陰イオンが濃縮されて存在する室)とが交互に形成される。
電気透析方法の応用分野としては、海水濃縮による製塩、金属イオンの除去、ホエー・タンパク質の脱塩、減塩醤油の製造、地下かん水の淡水化、硝酸性地下水の脱硝等が知られている。
何れの方法も回収した目的物は水溶液であり、例えば、海水濃縮による食塩の製造では、濃縮室液(かん水)から蒸発工程等を経て塩化ナトリウムを回収しなければならない。
すなわち、電気透析による製塩では直接目的物を固体として回収できなかった。
何れの方法も回収した目的物は水溶液であり、例えば、海水濃縮による食塩の製造では、濃縮室液(かん水)から蒸発工程等を経て塩化ナトリウムを回収しなければならない。
すなわち、電気透析による製塩では直接目的物を固体として回収できなかった。
金属塩、金属水酸化物及び酸化物の微粒子を製造する方法としては、従来、次のようなものがあったが、それぞれ問題点を有していた。
気相での化学的製造方法として、揮発性金属化合物を熱分解したり、揮発性金属化合物又は金属蒸気と他の気体とを反応させたりする、いわゆる、化学蒸着法(CVD法)がある。
例えば、電気炉法、化学炎法、プラズマ法等が挙げられるが、膨大な熱エネルギーを必要とするため、生産性に問題がある。
液相での化学的製造方法としては、沈殿反応、水熱反応等を利用して、金属イオンを析出沈殿させたり、焼成して金属酸化物に変化させる方法がある。
例えば、均一沈殿法、化合物沈殿法、アルコキシド法、水熱法等が挙げられる。
なお、難溶性金属塩としては、水酸化物、炭酸塩、シュウ酸塩等が挙げられる。
この方法では、系の中に多量の不要なイオンが残存するため純度が制限される。
また、酸化物とするには焼成が必要であるため、焼成による粒子の凝集が生じる恐れがある。
液相での物理的製造方法としては、溶液の温度変化等を利用して、金属イオンを析出沈殿させたり、溶液の噴霧又は噴霧燃焼を利用して、溶媒を除去することによって、金属酸化物の微粒子を得る方法がある。
例えば、噴霧法、溶液燃焼法、凍結乾燥法等が挙げられる。
しかし、得られる粒子径のばらつきが大きいばかりでなく、粒子組成の偏析が生じる恐れがある。
気相での化学的製造方法として、揮発性金属化合物を熱分解したり、揮発性金属化合物又は金属蒸気と他の気体とを反応させたりする、いわゆる、化学蒸着法(CVD法)がある。
例えば、電気炉法、化学炎法、プラズマ法等が挙げられるが、膨大な熱エネルギーを必要とするため、生産性に問題がある。
液相での化学的製造方法としては、沈殿反応、水熱反応等を利用して、金属イオンを析出沈殿させたり、焼成して金属酸化物に変化させる方法がある。
例えば、均一沈殿法、化合物沈殿法、アルコキシド法、水熱法等が挙げられる。
なお、難溶性金属塩としては、水酸化物、炭酸塩、シュウ酸塩等が挙げられる。
この方法では、系の中に多量の不要なイオンが残存するため純度が制限される。
また、酸化物とするには焼成が必要であるため、焼成による粒子の凝集が生じる恐れがある。
液相での物理的製造方法としては、溶液の温度変化等を利用して、金属イオンを析出沈殿させたり、溶液の噴霧又は噴霧燃焼を利用して、溶媒を除去することによって、金属酸化物の微粒子を得る方法がある。
例えば、噴霧法、溶液燃焼法、凍結乾燥法等が挙げられる。
しかし、得られる粒子径のばらつきが大きいばかりでなく、粒子組成の偏析が生じる恐れがある。
固相での粉砕による製造方法としては、被粉砕物に衝撃力、打撃力を与えて粉砕する、いわゆる、粉砕法がある。
例えば、ジェット法、ハンマー法、ミル法等が挙げられる。
しかし、得られる粒子径のばらつきが大きく、粒径1〜3μmの粒子を得るのが限界であり、更に、基材の摩耗に伴う汚染が生じ品質悪化を招くことがある。
固相での晶析による製造方法として、固相から又は2種類の固相間から、新しい固相を生成させる、いわゆる晶析法がある。
例えば、転移反応、固溶反応、結合反応、トポタクティック反応等を利用する方法が挙げられる。
しかし、出発原料が、高純度であり且つ均一・微細な粒径を有していることが必要なため、工業的には不向きである。
以上より、これらの従来の方法で得られる塩、水酸化物又は酸化物は、いずれも粒子径の大きなもの又は生産性に乏しく、塩、水酸化物又は酸化物の微粒子に対する要望に応えることができないものであった。
例えば、ジェット法、ハンマー法、ミル法等が挙げられる。
しかし、得られる粒子径のばらつきが大きく、粒径1〜3μmの粒子を得るのが限界であり、更に、基材の摩耗に伴う汚染が生じ品質悪化を招くことがある。
固相での晶析による製造方法として、固相から又は2種類の固相間から、新しい固相を生成させる、いわゆる晶析法がある。
例えば、転移反応、固溶反応、結合反応、トポタクティック反応等を利用する方法が挙げられる。
しかし、出発原料が、高純度であり且つ均一・微細な粒径を有していることが必要なため、工業的には不向きである。
以上より、これらの従来の方法で得られる塩、水酸化物又は酸化物は、いずれも粒子径の大きなもの又は生産性に乏しく、塩、水酸化物又は酸化物の微粒子に対する要望に応えることができないものであった。
一方、比表面積が100m2/g以上の金属酸化物が特許文献1に開示されているが、当該金属酸化物は、アルコキシシランを代表とする表面処理剤等の表面改質によって、製造されたものであって、比表面積の増加は達成されているものの、その増加に伴って一次粒子径が小さくなっているとはいえない。
つまり、合成段階で一次粒子径が50nm以下で、かつ比表面積が100m2/g以上の金属酸化物は従来より得られていない。
つまり、合成段階で一次粒子径が50nm以下で、かつ比表面積が100m2/g以上の金属酸化物は従来より得られていない。
本発明は、上記従来法の各種問題点に鑑み、簡便且つ生産性に優れた電気透析処理を用い、均一且つ均質な塩、水酸化物又は酸化物の微粒子の製造方法、更には排水処理における脱硝、メッキ液、廃酸等の廃液からの金属イオンを直接固体として回収することができる製造方法及び上記製造方法で得られた塩、水酸化物又は酸化物の微粒子を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、濃縮室に生成する塩、水酸化物又は酸化物に対し貧溶媒である導電性の液体を濃縮室液として使用し、金属イオンと種々の陰イオン又は水酸化物イオンが濃縮室にて反応して、濃縮室液が反応物に対して貧溶媒であるため、サイズの小さな金属塩又は水酸化物の微粒子が析出することを見出した。
更に、遷移元素の水酸化物は、合成途中において系内の酸素により自発的に酸化されて、当該遷移元素の酸化物を容易に生成することも見出した。
更に、本発明によれば、小角X線散乱法による一次粒子径が50nm以下と極めて小さく、かつBET多点法による比表面積が100m2/g以上である塩、水酸化物又は酸化物が得られることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
更に、遷移元素の水酸化物は、合成途中において系内の酸素により自発的に酸化されて、当該遷移元素の酸化物を容易に生成することも見出した。
更に、本発明によれば、小角X線散乱法による一次粒子径が50nm以下と極めて小さく、かつBET多点法による比表面積が100m2/g以上である塩、水酸化物又は酸化物が得られることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
1.陰イオン交換膜と陽イオン交換膜とを用いた電気透析処理により塩、水酸化物又は酸化物を製造するに際し、濃縮室に生成する塩、水酸化物又は酸化物に対し貧溶媒である導電性の液体を濃縮室液として使用することを特徴とする塩、水酸化物又は酸化物の微粒子の製造方法、
2.濃縮室液が−10℃〜100℃の温度において導電性を有する液体である、上記1に記載の塩、水酸化物又は酸化物の微粒子の製造方法、
3.濃縮室に生成する塩、水酸化物又は酸化物の電気透析処理温度における濃縮室液に対する溶解度が、10g/100g以下である、上記1又は2に記載の塩、水酸化物又は酸化物の微粒子の製造方法、
4.濃縮室液がイオン液体を含有する液体である、上記1〜3のいずれかに記載の塩、水酸化物又は酸化物の微粒子の製造方法、
5.イオン液体がジエチルメチル(2−メトキシエチル)アンモニウム・ビス(トリフルオロメタンスルフォニル)イミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム・ビス(トリフルオロメタンスルフォニル)イミド、テトラオクチルアンモニウムドデシルサルフェート又は塩化ジエチルメチル(2−メトキシエチル)アンモニウムである、上記4に記載の塩、水酸化物又は酸化物の微粒子の製造方法、
6.イオン液体を含有する液体が、イオン液体を5質量%以上含む溶液である、上記4又は5に記載の塩、水酸化物又は酸化物の微粒子の製造方法、
7.イオン液体を含有する液体が、C1〜3の低級アルコールを25質量%以上含む溶液である、上記6に記載の塩、水酸化物又は酸化物の微粒子の製造方法、
8.電気透析処理後の濃縮室液にC1〜3の低級アルコールを添加して攪拌混合し、ろ過、遠心分離及び/又は加熱により、塩、水酸化物又は酸化物と濃縮室液とを分離する、上記4〜6のいずれかに記載の塩、水酸化物又は酸化物の微粒子の製造方法、
9.濃縮室液が疎水性のイオン液体を含有する液体である濃縮室に生成する塩、水酸化物又は酸化物の20℃の水に対する溶解度が10g/100g以下であって、電気透析処理後の濃縮室液に水を添加して攪拌した後静置し、濃縮室液相と水相との2相に分離させた後、水相に移行した該塩、水酸化物又は酸化物を水相から、ろ過、遠心分離及び/又は加熱により分離する、上記4〜6のいずれかに記載の塩、水酸化物又は酸化物の微粒子の製造方法、
10.濃縮室液が疎水性のイオン液体を含有する液体である濃縮室に生成する塩、水酸化物又は酸化物の20℃の水に対する溶解度が10g/100g以下であって、電気透析処理後の濃縮室液に先ずC1〜3の低級アルコールを添加して攪拌混合し、次いで、水を添加して攪拌した後静置して濃縮室液相と水相との2相に分離させた後、水相に移行した該塩、水酸化物又は酸化物を水相から、ろ過及び/又は加熱により分離する、上記4〜6のいずれかに記載の塩、水酸化物又は酸化物の微粒子の製造方法、
11.電気透析処理後の濃縮室液から、ろ過、遠心分離及び/又は加熱により、塩、水酸化物又は酸化物を分離する、上記7に記載の塩、水酸化物又は酸化物の微粒子の製造方法、
12.水不溶性又は水難溶性の塩、水酸化物又は酸化物が周期律表第2族、第6〜14族の元素及びランタノイドから選ばれる化合物である、上記9又は10のいずれかに記載の水不溶性又は水難溶性の塩、水酸化物又は酸化物の微粒子の製造方法、
13.濃縮室に生成する塩、水酸化物又は酸化物がマグネシウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銀、銅、亜鉛、アルミニウム、インジウム、錫及びセリウムから選ばれる元素の塩、水酸化物又は酸化物である、上記4〜12に記載の塩、水酸化物又は酸化物の微粒子の製造方法、
14.濃縮室に生成する塩がハロゲン化物、硝酸塩、亜硝酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、リン酸塩、シュウ酸塩、炭酸塩及び酢酸塩から選ばれる化合物である、上記4〜13のいずれかに記載の塩、水酸化物又は酸化物の微粒子の製造方法、
15.濃縮室に生成する塩が塩化ナトリウム、硝酸カリウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、リン酸カルシウムである、上記14に記載の塩、水酸化物又は酸化物の微粒子の製造方法、
16.塩、水酸化物又は酸化物がレーザー回折法による数平均粒径が1nm〜1μm又はBET多点法による比表面積が1〜1000m2/gであることを特徴とする上記4〜15のいずれかに記載の塩、水酸化物又は酸化物の微粒子の製造方法、
17.塩、水酸化物又は酸化物の粉末のBET多点法による比表面積が100m2/g以上であって、小角X線散乱法により得られた強度関数から非線形最小二乗法を用いてフィッティングしたときの体積換算した粒径分布の平均粒径が50nm以下、当該粒径分布の分散値が60%以下である上記4〜16のいずれかに記載の製造方法で得られた塩、水酸化物又は酸化物の微粒子、
18.塩、水酸化物又は酸化物が周期律表第2族、第6〜14族の元素及びランタノイドから選ばれる化合物である、上記17に記載の塩、水酸化物又は酸化物の微粒子、
19.酸化物が酸化銅(II)である上記17又は18に記載の微粒子、
20.酸化物が酸化鉄(III)である上記17又は18に記載の微粒子、
21.酸化物が四三酸化マンガンである上記17又は18に記載の微粒子
である。
1.陰イオン交換膜と陽イオン交換膜とを用いた電気透析処理により塩、水酸化物又は酸化物を製造するに際し、濃縮室に生成する塩、水酸化物又は酸化物に対し貧溶媒である導電性の液体を濃縮室液として使用することを特徴とする塩、水酸化物又は酸化物の微粒子の製造方法、
2.濃縮室液が−10℃〜100℃の温度において導電性を有する液体である、上記1に記載の塩、水酸化物又は酸化物の微粒子の製造方法、
3.濃縮室に生成する塩、水酸化物又は酸化物の電気透析処理温度における濃縮室液に対する溶解度が、10g/100g以下である、上記1又は2に記載の塩、水酸化物又は酸化物の微粒子の製造方法、
4.濃縮室液がイオン液体を含有する液体である、上記1〜3のいずれかに記載の塩、水酸化物又は酸化物の微粒子の製造方法、
5.イオン液体がジエチルメチル(2−メトキシエチル)アンモニウム・ビス(トリフルオロメタンスルフォニル)イミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム・ビス(トリフルオロメタンスルフォニル)イミド、テトラオクチルアンモニウムドデシルサルフェート又は塩化ジエチルメチル(2−メトキシエチル)アンモニウムである、上記4に記載の塩、水酸化物又は酸化物の微粒子の製造方法、
6.イオン液体を含有する液体が、イオン液体を5質量%以上含む溶液である、上記4又は5に記載の塩、水酸化物又は酸化物の微粒子の製造方法、
7.イオン液体を含有する液体が、C1〜3の低級アルコールを25質量%以上含む溶液である、上記6に記載の塩、水酸化物又は酸化物の微粒子の製造方法、
8.電気透析処理後の濃縮室液にC1〜3の低級アルコールを添加して攪拌混合し、ろ過、遠心分離及び/又は加熱により、塩、水酸化物又は酸化物と濃縮室液とを分離する、上記4〜6のいずれかに記載の塩、水酸化物又は酸化物の微粒子の製造方法、
9.濃縮室液が疎水性のイオン液体を含有する液体である濃縮室に生成する塩、水酸化物又は酸化物の20℃の水に対する溶解度が10g/100g以下であって、電気透析処理後の濃縮室液に水を添加して攪拌した後静置し、濃縮室液相と水相との2相に分離させた後、水相に移行した該塩、水酸化物又は酸化物を水相から、ろ過、遠心分離及び/又は加熱により分離する、上記4〜6のいずれかに記載の塩、水酸化物又は酸化物の微粒子の製造方法、
10.濃縮室液が疎水性のイオン液体を含有する液体である濃縮室に生成する塩、水酸化物又は酸化物の20℃の水に対する溶解度が10g/100g以下であって、電気透析処理後の濃縮室液に先ずC1〜3の低級アルコールを添加して攪拌混合し、次いで、水を添加して攪拌した後静置して濃縮室液相と水相との2相に分離させた後、水相に移行した該塩、水酸化物又は酸化物を水相から、ろ過及び/又は加熱により分離する、上記4〜6のいずれかに記載の塩、水酸化物又は酸化物の微粒子の製造方法、
11.電気透析処理後の濃縮室液から、ろ過、遠心分離及び/又は加熱により、塩、水酸化物又は酸化物を分離する、上記7に記載の塩、水酸化物又は酸化物の微粒子の製造方法、
12.水不溶性又は水難溶性の塩、水酸化物又は酸化物が周期律表第2族、第6〜14族の元素及びランタノイドから選ばれる化合物である、上記9又は10のいずれかに記載の水不溶性又は水難溶性の塩、水酸化物又は酸化物の微粒子の製造方法、
13.濃縮室に生成する塩、水酸化物又は酸化物がマグネシウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銀、銅、亜鉛、アルミニウム、インジウム、錫及びセリウムから選ばれる元素の塩、水酸化物又は酸化物である、上記4〜12に記載の塩、水酸化物又は酸化物の微粒子の製造方法、
14.濃縮室に生成する塩がハロゲン化物、硝酸塩、亜硝酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、リン酸塩、シュウ酸塩、炭酸塩及び酢酸塩から選ばれる化合物である、上記4〜13のいずれかに記載の塩、水酸化物又は酸化物の微粒子の製造方法、
15.濃縮室に生成する塩が塩化ナトリウム、硝酸カリウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、リン酸カルシウムである、上記14に記載の塩、水酸化物又は酸化物の微粒子の製造方法、
16.塩、水酸化物又は酸化物がレーザー回折法による数平均粒径が1nm〜1μm又はBET多点法による比表面積が1〜1000m2/gであることを特徴とする上記4〜15のいずれかに記載の塩、水酸化物又は酸化物の微粒子の製造方法、
17.塩、水酸化物又は酸化物の粉末のBET多点法による比表面積が100m2/g以上であって、小角X線散乱法により得られた強度関数から非線形最小二乗法を用いてフィッティングしたときの体積換算した粒径分布の平均粒径が50nm以下、当該粒径分布の分散値が60%以下である上記4〜16のいずれかに記載の製造方法で得られた塩、水酸化物又は酸化物の微粒子、
18.塩、水酸化物又は酸化物が周期律表第2族、第6〜14族の元素及びランタノイドから選ばれる化合物である、上記17に記載の塩、水酸化物又は酸化物の微粒子、
19.酸化物が酸化銅(II)である上記17又は18に記載の微粒子、
20.酸化物が酸化鉄(III)である上記17又は18に記載の微粒子、
21.酸化物が四三酸化マンガンである上記17又は18に記載の微粒子
である。
本発明によれば、以下のような効果を得ることができる。
1.濃縮室に生成する塩、水酸化物又は酸化物に対し貧溶媒であるイオン液体を含有する液体を濃縮室液として使用して、電気透析処理を行うことにより、数平均粒径が1nm〜1μm、又は比表面積が1〜1000m2/gの塩、水酸化物又は酸化物の微粒子を容易に高純度で製造することができる。2.異なった2種以上の電解質溶液を、各々異なった脱塩室に供給して、電気透析処理を行い、次いで、濃縮室液中に生成した塩、水酸化物又は酸化物と濃縮室液とを分離することにより、脱塩室に供給した電解質溶液とは異なった陽イオンと陰イオンとの組合せからなる塩、水酸化物又は酸化物の微粒子を製造することができる。
3.濃縮室液としてイオン液体を使用すると、イオン液体は揮発しないので、長期間の使用が可能となり、更に塩、水酸化物又は酸化物を分離後、回収・再利用することができる。
4.周期律表第3〜11族の遷移元素及びランタノイドの水酸化物の微粒子は、電解条件を選択することにより濃縮室中で溶存酸素によって酸化され、当該元素の酸化物の微粒子を容易に生成する。
5.塩、水酸化物又は酸化物を製造する場合、電気透析により、目的物生成に際し不要となる陰イオン及び陽イオンを分けて合成できるため、通常の溶液合成に比べ高純度の生成物が得られ、更に当該生成物の洗浄が簡素化される。
6.微生物による窒素除去過程における硝酸化後に本発明の方法により硝酸塩を回収すれば、硝酸塩を直接回収可能であるとともに脱窒工程が不要となる。
1.濃縮室に生成する塩、水酸化物又は酸化物に対し貧溶媒であるイオン液体を含有する液体を濃縮室液として使用して、電気透析処理を行うことにより、数平均粒径が1nm〜1μm、又は比表面積が1〜1000m2/gの塩、水酸化物又は酸化物の微粒子を容易に高純度で製造することができる。2.異なった2種以上の電解質溶液を、各々異なった脱塩室に供給して、電気透析処理を行い、次いで、濃縮室液中に生成した塩、水酸化物又は酸化物と濃縮室液とを分離することにより、脱塩室に供給した電解質溶液とは異なった陽イオンと陰イオンとの組合せからなる塩、水酸化物又は酸化物の微粒子を製造することができる。
3.濃縮室液としてイオン液体を使用すると、イオン液体は揮発しないので、長期間の使用が可能となり、更に塩、水酸化物又は酸化物を分離後、回収・再利用することができる。
4.周期律表第3〜11族の遷移元素及びランタノイドの水酸化物の微粒子は、電解条件を選択することにより濃縮室中で溶存酸素によって酸化され、当該元素の酸化物の微粒子を容易に生成する。
5.塩、水酸化物又は酸化物を製造する場合、電気透析により、目的物生成に際し不要となる陰イオン及び陽イオンを分けて合成できるため、通常の溶液合成に比べ高純度の生成物が得られ、更に当該生成物の洗浄が簡素化される。
6.微生物による窒素除去過程における硝酸化後に本発明の方法により硝酸塩を回収すれば、硝酸塩を直接回収可能であるとともに脱窒工程が不要となる。
k 陽イオン交換膜
a 陰イオン交換膜
a 陰イオン交換膜
以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明は、陰イオン交換膜と陽イオン交換膜とを用いた電気透析処理により塩を製造する方法及び該製造方法で得られた塩、水酸化物又は酸化物の微粒子に関するものである。
また、本発明は、陰イオン交換膜と陽イオン交換膜とを用いた電気透析処理により水酸化物又は酸化物を製造する方法及び該製造方法で得られた塩、水酸化物又は酸化物の微粒子に関するものである。
更に、本発明において、酸化物を製造する方法には、水酸化物を経由して酸化物を製造する方法も含まれるものである。
本発明の電気透析処理方法においては、濃縮室に存在させる液(濃縮室液)としては、該濃縮室に生成する塩、水酸化物又は酸化物に対し貧溶媒である、好ましくは、溶解度が10g/100g以下である導電性の非水溶液を使用する。
本発明は、陰イオン交換膜と陽イオン交換膜とを用いた電気透析処理により塩を製造する方法及び該製造方法で得られた塩、水酸化物又は酸化物の微粒子に関するものである。
また、本発明は、陰イオン交換膜と陽イオン交換膜とを用いた電気透析処理により水酸化物又は酸化物を製造する方法及び該製造方法で得られた塩、水酸化物又は酸化物の微粒子に関するものである。
更に、本発明において、酸化物を製造する方法には、水酸化物を経由して酸化物を製造する方法も含まれるものである。
本発明の電気透析処理方法においては、濃縮室に存在させる液(濃縮室液)としては、該濃縮室に生成する塩、水酸化物又は酸化物に対し貧溶媒である、好ましくは、溶解度が10g/100g以下である導電性の非水溶液を使用する。
電気透析処理時の濃縮室液の温度は、通常5〜50℃であることから、濃縮室液は、通常−10〜100℃の温度において導電性を有する非水溶液であることが好ましい。
本発明に使用される導電性を有する非水溶液の濃縮室液としては、なんら限定はないが、固体電解質を有機溶媒等で溶解させた非水溶液又はイオン液体を含有する液体が挙げられる。
イオン液体は、イオンのみから構成され、100℃以下で液体であると定義される、一連の化合物であり、例えば、特開2003−243028号公報、特開2003−257476号公報、特開2005−264209号公報や特表2001−517205号公報に記載されているものである。
イオン液体は、イオンのみから構成され、100℃以下で液体であると定義される、一連の化合物であり、例えば、特開2003−243028号公報、特開2003−257476号公報、特開2005−264209号公報や特表2001−517205号公報に記載されているものである。
すなわち、本発明に使用されるイオン液体は特に限定されるものではなく、公知の如何なるイオン液体でも使用することができるが、省エネルギー及び安全性の面から−10〜100℃の合成温度において導電性を有する液体であることが好ましい。
イオン液体のカチオンとしては、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、スルホニウムカチオン等が挙げられる。
アンモニウムカチオンとしては、テトラエチルアンモニウムカチオン、テトラオクチルアンモニウムカチオン、ジエチルメチル(2−メトキシエチル)アンモニウムカチオン(DEME)等の鎖状アンモニウムカチオン類、N−エチル−N−メチルピロリジウム、N−メトキシエチル−N−メチルピロリジウム、N−メトキシエチル−N−メチルピペリジウム、N−エチル−N−メチル−4−オキサアザニアシクロへキサン等の環状アンモニウムカチオン類、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム(EMI)、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム(BMI)等のイミダゾリウムカチオン類、ブチルピリジニウム等のピリジニウムカチオン類等を挙げることができる。
ホスホニウムカチオンとしては、テトラエチルホスホニウム等の鎖状ホスホニウムカチオン類、ホスホニアスピロ[4.4]ノナン等の環状ホスホニウムカチオン類等を挙げることができる。
スルホニウムカチオンとしては、トリエチルスルホニウム等の鎖状スルホニウムカチオン類、S−メチルテトラヒドロチオフェニウム、S−メチル−4−オキサスルホニアシクロへキサン等の環状スルホニウムカチオン類等が挙げられる。
また、イオン液体のアニオンとしては、アミドアニオン、メチドアニオン、ボレートアニオン、ホスフェートアニオン、スルホネートアニオン、カルボキシレートアニオン、ハロゲンアニオン等が挙げられる。
アミドアニオンとしては、(CF3SO2)2N-〔TFSI〕、(C2F5SO2)2N-、(CN)2N-等が挙げられる。
メチドアニオンとしては、(CF3SO2)3C-、(C2F5SO2)3C-等が挙げられる。
ボレートアニオンとしては、BF4 -、BF3CF3 -、BF3CH3 -等が挙げられる。
ホスフェートアニオンとしては、PF6 -等が挙げられる。
更に、スルホネートアニオンとしては、CH3SO3 -、CF3SO3 -、CH3(CH2)11SO3 -等が挙げられる。
カルボキシレートアニオンとしては、HCOO-、CH3COO-、CF3COO-等が挙げられる。
ハロゲンアニオンとしては、Cl-、Br-、I-等が挙げられる。
本発明においては、これらのカチオンとアニオンの組み合わせは特に限定されるものではないが、粒子サイズ、耐電圧性、低粘度の観点より、好適なイオン液体としては、疎水性のジエチルメチル(2−メトキシエチル)アンモニウム・ビス(トリフルオロメタンスルフォニル)イミド(DEME−TFSI)、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム・ビス(トリフルオロメタンスルフォニル)イミド(BMI−TFSI)、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・ビス(トリフルオロメタンスルフォニル)イミド(EMI−TFSI)、テトラオクチルアンモニウムドデシルサルフェート(TOADS)等が挙げられる。
上記イオン液体は、粒子サイズ、導電性、粘度、生成物の諸物性等を調整するために、単独又は混合して用いることができる。
イオン液体のカチオンとしては、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、スルホニウムカチオン等が挙げられる。
アンモニウムカチオンとしては、テトラエチルアンモニウムカチオン、テトラオクチルアンモニウムカチオン、ジエチルメチル(2−メトキシエチル)アンモニウムカチオン(DEME)等の鎖状アンモニウムカチオン類、N−エチル−N−メチルピロリジウム、N−メトキシエチル−N−メチルピロリジウム、N−メトキシエチル−N−メチルピペリジウム、N−エチル−N−メチル−4−オキサアザニアシクロへキサン等の環状アンモニウムカチオン類、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム(EMI)、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム(BMI)等のイミダゾリウムカチオン類、ブチルピリジニウム等のピリジニウムカチオン類等を挙げることができる。
ホスホニウムカチオンとしては、テトラエチルホスホニウム等の鎖状ホスホニウムカチオン類、ホスホニアスピロ[4.4]ノナン等の環状ホスホニウムカチオン類等を挙げることができる。
スルホニウムカチオンとしては、トリエチルスルホニウム等の鎖状スルホニウムカチオン類、S−メチルテトラヒドロチオフェニウム、S−メチル−4−オキサスルホニアシクロへキサン等の環状スルホニウムカチオン類等が挙げられる。
また、イオン液体のアニオンとしては、アミドアニオン、メチドアニオン、ボレートアニオン、ホスフェートアニオン、スルホネートアニオン、カルボキシレートアニオン、ハロゲンアニオン等が挙げられる。
アミドアニオンとしては、(CF3SO2)2N-〔TFSI〕、(C2F5SO2)2N-、(CN)2N-等が挙げられる。
メチドアニオンとしては、(CF3SO2)3C-、(C2F5SO2)3C-等が挙げられる。
ボレートアニオンとしては、BF4 -、BF3CF3 -、BF3CH3 -等が挙げられる。
ホスフェートアニオンとしては、PF6 -等が挙げられる。
更に、スルホネートアニオンとしては、CH3SO3 -、CF3SO3 -、CH3(CH2)11SO3 -等が挙げられる。
カルボキシレートアニオンとしては、HCOO-、CH3COO-、CF3COO-等が挙げられる。
ハロゲンアニオンとしては、Cl-、Br-、I-等が挙げられる。
本発明においては、これらのカチオンとアニオンの組み合わせは特に限定されるものではないが、粒子サイズ、耐電圧性、低粘度の観点より、好適なイオン液体としては、疎水性のジエチルメチル(2−メトキシエチル)アンモニウム・ビス(トリフルオロメタンスルフォニル)イミド(DEME−TFSI)、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム・ビス(トリフルオロメタンスルフォニル)イミド(BMI−TFSI)、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・ビス(トリフルオロメタンスルフォニル)イミド(EMI−TFSI)、テトラオクチルアンモニウムドデシルサルフェート(TOADS)等が挙げられる。
上記イオン液体は、粒子サイズ、導電性、粘度、生成物の諸物性等を調整するために、単独又は混合して用いることができる。
濃縮室液のイオン液体を含有する液体は、濃縮室に生成する塩、水酸化物又は酸化物に対し貧溶媒であり、且つ導電性であれば、イオン液体のみからなる液体及びイオン液体と他の溶媒を混合した液体の何れであってもよい。
他の溶媒は、イオン液体とは非相溶であっても、更に他の溶媒を添加することで全体として均一相になる溶媒であってもよい。
イオン液体の含有量は、5〜100質量%、好ましくは10〜100質量%、より好ましくは20〜100質量%である。
すなわち、液の蒸発がない点からは、イオン液体のみからなる液体が好ましいが、イオン液体の粘度を下げて、導電性を高める必要がある場合、又は、生成する塩、水酸化物又は酸化物の粒子サイズ及び表面特性を変化させる場合は、適当な他の溶媒で希釈してもよい。
むろんその場合には、生成する塩、水酸化物又は酸化物に対し貧溶媒であるという条件及び電気透析膜に対する耐性を満たすように、溶媒の種類、量を選択する。
他の溶媒としては、C1〜3の低級アルコール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1.4−ブタンジオール、グリセリン、ベンゼン、アニリン、ピリジン、クロロホルム、ジエチルエーテル、酢酸エチル、水、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、プロピレンカーボネート等が挙げられ、中でもC1〜3の低級アルコールが好ましい。
C1〜3の低級アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等が挙げられ、中でもメチルアルコール、エチルアルコールが好ましい。
他の溶媒としてC1〜3の低級アルコールを使用する場合、該C1〜3の低級アルコールの含有量としては、25〜95質量%、好ましくは40〜90質量%、より好ましくは50〜80質量%である。
また、例えば、イオン液体として、ジエチルメチル(2−メトキシエチル)アンモニウム・ビス(トリフルオロメタンスルフォニル)イミド(DEME−TFSI)を選択した場合に、これとは単独で相溶しないエチレングリコールを加え、更にエタノールを加えることにより均一に相溶した濃縮室液を得ることができる。
上記他の溶媒は、目的物の分散性や諸物性等を調整するために、単独又は混合して用いることができる。
他の溶媒は、イオン液体とは非相溶であっても、更に他の溶媒を添加することで全体として均一相になる溶媒であってもよい。
イオン液体の含有量は、5〜100質量%、好ましくは10〜100質量%、より好ましくは20〜100質量%である。
すなわち、液の蒸発がない点からは、イオン液体のみからなる液体が好ましいが、イオン液体の粘度を下げて、導電性を高める必要がある場合、又は、生成する塩、水酸化物又は酸化物の粒子サイズ及び表面特性を変化させる場合は、適当な他の溶媒で希釈してもよい。
むろんその場合には、生成する塩、水酸化物又は酸化物に対し貧溶媒であるという条件及び電気透析膜に対する耐性を満たすように、溶媒の種類、量を選択する。
他の溶媒としては、C1〜3の低級アルコール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1.4−ブタンジオール、グリセリン、ベンゼン、アニリン、ピリジン、クロロホルム、ジエチルエーテル、酢酸エチル、水、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、プロピレンカーボネート等が挙げられ、中でもC1〜3の低級アルコールが好ましい。
C1〜3の低級アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等が挙げられ、中でもメチルアルコール、エチルアルコールが好ましい。
他の溶媒としてC1〜3の低級アルコールを使用する場合、該C1〜3の低級アルコールの含有量としては、25〜95質量%、好ましくは40〜90質量%、より好ましくは50〜80質量%である。
また、例えば、イオン液体として、ジエチルメチル(2−メトキシエチル)アンモニウム・ビス(トリフルオロメタンスルフォニル)イミド(DEME−TFSI)を選択した場合に、これとは単独で相溶しないエチレングリコールを加え、更にエタノールを加えることにより均一に相溶した濃縮室液を得ることができる。
上記他の溶媒は、目的物の分散性や諸物性等を調整するために、単独又は混合して用いることができる。
本発明に使用する濃縮室液には、電気透析処理前後で分散剤を添加することができる。
分散剤を添加することにより、得られる塩、水酸化物又は酸化物の分散性が向上し、生成物の凝集を防ぐことができる。
分散性をより向上させるためには、予め濃縮室液に分散剤を溶解させ、電気透析処理を行うことが好ましい。
分散剤としては、濃縮室液に溶解するものであれば、なんら限定はないが、膜抵抗増加を抑制するために、濃縮室液中では電離し難いものが好ましい。
これらの分散剤としては、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール等の非イオン界面活性剤が挙げられる。
高級脂肪酸としては、飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸が挙げられ、具体的には、ステアリン酸、イソステアリン酸、アラキドン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、パルチミン酸、ベヘニン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、ラノリン酸、リノール酸、リノレン酸等が挙げられる。
高級脂肪酸エステルとしては、上記飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸のエステルが挙げられ、具体的には、ステアリン酸メチル、イソステアリン酸メチル、アラキドン酸メチル、ウンデシレン酸メチル、オレイン酸メチル、パルチミン酸メチル、ベヘニン酸メチル、ミリスチン酸メチル、ラウリン酸メチル、ラノリン酸メチル、リノール酸メチル、リノレン酸メチル等が挙げられる。
非イオン界面活性剤としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、グリセリン、アルキルグルコシド、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド等が挙げられる。
分散剤の添加量としては、粘度増加の抑制及び経済的に少量であることが好ましいが濃縮室液に対して、通常、0.01〜5質量%、好ましくは0.1〜1質量%である。
上記分散剤は、生成物の表面に吸着されると考えられるが、粒子表面特性(親水性、疎水性)及び分散性を調整するため、単独又は混合して用いることができる。
分散剤を添加することにより、得られる塩、水酸化物又は酸化物の分散性が向上し、生成物の凝集を防ぐことができる。
分散性をより向上させるためには、予め濃縮室液に分散剤を溶解させ、電気透析処理を行うことが好ましい。
分散剤としては、濃縮室液に溶解するものであれば、なんら限定はないが、膜抵抗増加を抑制するために、濃縮室液中では電離し難いものが好ましい。
これらの分散剤としては、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール等の非イオン界面活性剤が挙げられる。
高級脂肪酸としては、飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸が挙げられ、具体的には、ステアリン酸、イソステアリン酸、アラキドン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、パルチミン酸、ベヘニン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、ラノリン酸、リノール酸、リノレン酸等が挙げられる。
高級脂肪酸エステルとしては、上記飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸のエステルが挙げられ、具体的には、ステアリン酸メチル、イソステアリン酸メチル、アラキドン酸メチル、ウンデシレン酸メチル、オレイン酸メチル、パルチミン酸メチル、ベヘニン酸メチル、ミリスチン酸メチル、ラウリン酸メチル、ラノリン酸メチル、リノール酸メチル、リノレン酸メチル等が挙げられる。
非イオン界面活性剤としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、グリセリン、アルキルグルコシド、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド等が挙げられる。
分散剤の添加量としては、粘度増加の抑制及び経済的に少量であることが好ましいが濃縮室液に対して、通常、0.01〜5質量%、好ましくは0.1〜1質量%である。
上記分散剤は、生成物の表面に吸着されると考えられるが、粒子表面特性(親水性、疎水性)及び分散性を調整するため、単独又は混合して用いることができる。
本発明の電気透析処理方法は、電気透析という基本的な部分に於いては、従来の電気透析の場合と同様であり、通常は、多数の陰イオン交換膜と陽イオン交換膜とを交互に配置して、陰イオン交換膜と陽イオン交換膜とで挟まれた多数の室を、脱塩室と濃縮室とが交互になるように設け、脱塩室に処理対象の電解質溶液を、濃縮室に導電性液体を、各々入れて、目的に応じた条件で直流電流を印加すればよいが、ただ、濃縮室液として、該濃縮室に生成する塩、水酸化物又は酸化物に対し貧溶媒である非水系の導電性液体を使用すること、及び濃縮室液中に生成した塩、水酸化物又は酸化物を必要に応じて、後述する方法で分離することにより、該塩、水酸化物又は酸化物を微粒子状の形で製造する点で相違している。
すなわち、濃縮室において、一方の膜を透過して移動してきた陽イオンと他方の膜を透過して移動してきた陰イオンとは結晶化して塩、水酸化物又は酸化物を生成するが、濃縮室液は当該塩、水酸化物又は酸化物に対して貧溶媒であるため、当該塩、水酸化物又は酸化物は液中に懸濁するか又は沈殿するので、これを必要に応じて、後述の分離方法を用いて、塩、水酸化物又は酸化物の微粒子を製造するものである。
すなわち、濃縮室において、一方の膜を透過して移動してきた陽イオンと他方の膜を透過して移動してきた陰イオンとは結晶化して塩、水酸化物又は酸化物を生成するが、濃縮室液は当該塩、水酸化物又は酸化物に対して貧溶媒であるため、当該塩、水酸化物又は酸化物は液中に懸濁するか又は沈殿するので、これを必要に応じて、後述の分離方法を用いて、塩、水酸化物又は酸化物の微粒子を製造するものである。
本発明の塩、水酸化物又は酸化物の微粒子の製造方法は、原料として無機塩、有機塩、無機塩基、有機塩基から選ばれる化合物を溶解した電解質溶液に対して適用することができる。
溶液中で電離する化合物であれば、一般的なイオン交換膜中の移動が可能であるため、原料には何ら限定がない。
好ましくは水溶性の塩又は塩基である。
無機塩及び有機塩としては、周期律表第1〜2族、6〜14族の元素のハロゲン化物、硝酸塩、亜硝酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、シュウ酸塩、炭酸塩及び酢酸塩が挙げられ、その具体例としては、塩化リチウム,塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化ルビジウム、塩化セシウム、硫酸ベリリウム、塩化カルシウム、塩化ストロンチウム、塩化バリウム、塩化クロム、塩化ルテニウム、塩化コバルト、塩化ロジウム、塩化ニッケル、塩化カドミウム、塩化アルミニウム、塩化ガリウム、塩化インジウム、塩化錫、硝酸マグネシウム、硝酸鉄、硝酸コバルト、硝酸ニッケル、硝酸パラジウム、硝酸銀、硝酸銅、硝酸亜鉛、硝酸アルミニウム、硝酸インジウム、硝酸錫、硝酸セリウム、硝酸水銀、硫酸ベリリウム、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン、硫酸鉄、硫酸亜鉛、硫酸コバルト、硫酸ニッケル、硫酸銀、硫酸銅、硫酸アルミニウム、硫酸インジウム、硫酸錫、硫酸セリウム、硫酸タリウム、酢酸銅、酢酸鉛、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。
原料の無機塩としては、電解によりハロゲンガスを発生しない硝酸塩、硫酸塩が好ましく、これらの金属塩は単独又は混合して用いることができる。
無機塩基及び有機塩基としては、アルカリ金属の水酸化物及び4級アンモニウムの水酸化物が挙げられ、その具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、ヒドラジン等が挙げられる。
溶液中で電離する化合物であれば、一般的なイオン交換膜中の移動が可能であるため、原料には何ら限定がない。
好ましくは水溶性の塩又は塩基である。
無機塩及び有機塩としては、周期律表第1〜2族、6〜14族の元素のハロゲン化物、硝酸塩、亜硝酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、シュウ酸塩、炭酸塩及び酢酸塩が挙げられ、その具体例としては、塩化リチウム,塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化ルビジウム、塩化セシウム、硫酸ベリリウム、塩化カルシウム、塩化ストロンチウム、塩化バリウム、塩化クロム、塩化ルテニウム、塩化コバルト、塩化ロジウム、塩化ニッケル、塩化カドミウム、塩化アルミニウム、塩化ガリウム、塩化インジウム、塩化錫、硝酸マグネシウム、硝酸鉄、硝酸コバルト、硝酸ニッケル、硝酸パラジウム、硝酸銀、硝酸銅、硝酸亜鉛、硝酸アルミニウム、硝酸インジウム、硝酸錫、硝酸セリウム、硝酸水銀、硫酸ベリリウム、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン、硫酸鉄、硫酸亜鉛、硫酸コバルト、硫酸ニッケル、硫酸銀、硫酸銅、硫酸アルミニウム、硫酸インジウム、硫酸錫、硫酸セリウム、硫酸タリウム、酢酸銅、酢酸鉛、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。
原料の無機塩としては、電解によりハロゲンガスを発生しない硝酸塩、硫酸塩が好ましく、これらの金属塩は単独又は混合して用いることができる。
無機塩基及び有機塩基としては、アルカリ金属の水酸化物及び4級アンモニウムの水酸化物が挙げられ、その具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、ヒドラジン等が挙げられる。
周期律表第3〜11族の遷移元素及びランタノイドの無機塩を用い水酸化物イオンにより当該元素の水酸化物を合成する場合、生成した水酸化物は、合成途中で溶存酸素により酸化されて、当該元素の酸化物を容易に生成する。
水酸化物が酸化物に完全に転化しない場合は、例えば、加熱、加熱還流、酸素の供給、過酸化水素水等の酸化剤の添加、グルコース、澱粉等の糖類等の脱水促進剤を添加して酸化物に転化させてもよい。
水酸化物のみを合成したい場合は、窒素等の不活性ガスを用い、溶液内への酸素を遮断する方法を採用し、低温で電気透析を行えばよい。
本発明の電気透析処理において、電極室、脱塩室中の各原料電解質の濃度は任意に変えることができるが、各膜の輸率(イオン分離能力:通常99%以上程度あるといわれ、反対電荷イオンの拡散現象、例えば、陽イオン交換膜から陽イオンを移動させるとき、1%以下の陰イオンが通過する。)や透析効率を考慮して原料の濃度を決めることが好ましい。
また、多数の陰イオン交換膜と陽イオン交換膜とを交互に配置した場合、脱塩室と濃縮室とが交互に形成されるが、原料として異なった2種以上の電解質溶液を、各々異なった脱塩室に供給して、電気透析処理を行うことにより、濃縮室には脱塩室に供給した電解質溶液とは異なった陽イオンと陰イオンとの組合せからなる塩、水酸化物又は酸化物を生成させ、これを必要により、分離することにより、塩、水酸化物又は酸化物の微粒子を製造することができる。
すなわち、陽イオンA+と陰イオンX-との塩、水酸化物又は酸化物を溶解した電解質溶液と、陽イオンB+と陰イオンY-との塩、水酸化物又は酸化物を溶解した電解質溶液との2種の電解質溶液を、一つおきの脱塩室に供給して電気透析処理を行い、一つおきの濃縮室の一方からは陽イオンA+と陰イオンY-との塩、水酸化物又は酸化物を、他方からは陽イオンB+と陰イオンX-との塩、水酸化物又は酸化物を生成させ、これを必要により、分離することにより、それぞれ微粒子状の塩、水酸化物又は酸化物を製造することができる。
ここで、陽イオンA+、陰イオンX-、陽イオンB+、陰イオンY-は、一価イオンに限られず、多価イオンをも意味する。
その場合は、濃縮室に生成する塩、水酸化物又は酸化物に応じて、濃縮室液を異なったものとしてもよい。
電気透析処理時の濃縮室液の温度は、通常5〜50℃、好ましくは20〜40℃である。
水酸化物が酸化物に完全に転化しない場合は、例えば、加熱、加熱還流、酸素の供給、過酸化水素水等の酸化剤の添加、グルコース、澱粉等の糖類等の脱水促進剤を添加して酸化物に転化させてもよい。
水酸化物のみを合成したい場合は、窒素等の不活性ガスを用い、溶液内への酸素を遮断する方法を採用し、低温で電気透析を行えばよい。
本発明の電気透析処理において、電極室、脱塩室中の各原料電解質の濃度は任意に変えることができるが、各膜の輸率(イオン分離能力:通常99%以上程度あるといわれ、反対電荷イオンの拡散現象、例えば、陽イオン交換膜から陽イオンを移動させるとき、1%以下の陰イオンが通過する。)や透析効率を考慮して原料の濃度を決めることが好ましい。
また、多数の陰イオン交換膜と陽イオン交換膜とを交互に配置した場合、脱塩室と濃縮室とが交互に形成されるが、原料として異なった2種以上の電解質溶液を、各々異なった脱塩室に供給して、電気透析処理を行うことにより、濃縮室には脱塩室に供給した電解質溶液とは異なった陽イオンと陰イオンとの組合せからなる塩、水酸化物又は酸化物を生成させ、これを必要により、分離することにより、塩、水酸化物又は酸化物の微粒子を製造することができる。
すなわち、陽イオンA+と陰イオンX-との塩、水酸化物又は酸化物を溶解した電解質溶液と、陽イオンB+と陰イオンY-との塩、水酸化物又は酸化物を溶解した電解質溶液との2種の電解質溶液を、一つおきの脱塩室に供給して電気透析処理を行い、一つおきの濃縮室の一方からは陽イオンA+と陰イオンY-との塩、水酸化物又は酸化物を、他方からは陽イオンB+と陰イオンX-との塩、水酸化物又は酸化物を生成させ、これを必要により、分離することにより、それぞれ微粒子状の塩、水酸化物又は酸化物を製造することができる。
ここで、陽イオンA+、陰イオンX-、陽イオンB+、陰イオンY-は、一価イオンに限られず、多価イオンをも意味する。
その場合は、濃縮室に生成する塩、水酸化物又は酸化物に応じて、濃縮室液を異なったものとしてもよい。
電気透析処理時の濃縮室液の温度は、通常5〜50℃、好ましくは20〜40℃である。
本発明において製造することができる塩(濃縮室に生成する塩)としては、特に制限はないが、無機塩及び有機塩が挙げられる。
無機塩としては、水溶性と水不溶性又は水難溶性に大別され、ハロゲン化物、硝酸塩、亜硝酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、シュウ酸塩、炭酸塩及び酢酸塩が挙げられる。
濃縮室に生成する無機塩が水溶性の場合、塩化リチウム,塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化ルビジウム、塩化セシウム、硫酸ベリリウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ストロンチウム、塩化バリウム、塩化クロム、硫酸マンガン、硫酸鉄、塩化ルテニウム、塩化コバルト、塩化ロジウム、塩化ニッケル、硝酸パラジウム、酢酸銅、硝酸銀、硫酸亜鉛、塩化カドミウム、硝酸水銀、塩化アルミニウム、塩化ガリウム、塩化インジウム、硫酸タリウム、塩化錫、酢酸鉛等が挙げられる。
濃縮室に生成する無機塩が水不溶性又は水難溶性の場合、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、りん酸カルシウム等が挙げられる。
また、有機塩としては、低分子金属塩が好ましく、その具体例としては、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムが挙げられる。
無機塩としては、水溶性と水不溶性又は水難溶性に大別され、ハロゲン化物、硝酸塩、亜硝酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、シュウ酸塩、炭酸塩及び酢酸塩が挙げられる。
濃縮室に生成する無機塩が水溶性の場合、塩化リチウム,塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化ルビジウム、塩化セシウム、硫酸ベリリウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ストロンチウム、塩化バリウム、塩化クロム、硫酸マンガン、硫酸鉄、塩化ルテニウム、塩化コバルト、塩化ロジウム、塩化ニッケル、硝酸パラジウム、酢酸銅、硝酸銀、硫酸亜鉛、塩化カドミウム、硝酸水銀、塩化アルミニウム、塩化ガリウム、塩化インジウム、硫酸タリウム、塩化錫、酢酸鉛等が挙げられる。
濃縮室に生成する無機塩が水不溶性又は水難溶性の場合、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、りん酸カルシウム等が挙げられる。
また、有機塩としては、低分子金属塩が好ましく、その具体例としては、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムが挙げられる。
本発明において製造することができる水酸化物又は酸化物(濃縮室に生成する水酸化物又は酸化物)としては、特に制限はないが、好ましくは金属水酸化物又は金属酸化物が挙げられる。
金属水酸化物又は金属酸化物としては、周期律表第2族、第6〜14族の元素並びにランタノイドの水酸化物又は酸化物が挙げられ、水酸化物の具体例としては、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、水酸化クロム、水酸化マンガン、水酸化鉄、水酸化ルテニウム、水酸化コバルト、水酸化ロジウム、水酸化ニッケル、水酸化パラジウム、水酸化銅、水酸化亜鉛、水酸化カドミウム、水酸化アルミニウム、水酸化ガリウム、水酸化インジウム、水酸化タリウム、水酸化錫、水酸化鉛、水酸化セリウム等が挙げられる。
また、酸化物の具体例としては、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化クロム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化ルテニウム、酸化コバルト、酸化ロジウム、酸化ニッケル、酸化パラジウム、酸化銅、酸化銀、酸化亜鉛、酸化カドミウム、酸化水銀、酸化アルミニウム、酸化ガリウム、酸化インジウム、酸化タリウム、酸化錫、酸化鉛、酸化セリウム等が挙げられる。
特に、周期律表第3〜11族の遷移元素及びランタノイドの水酸化物は、溶存酸素により酸化されて、当該元素の酸化物を容易に生成する。
上記無機水酸化物の中でも、マンガン、鉄、銅、亜鉛、コバルト、銀及びセリウムの酸化物を容易に製造することができる。
金属水酸化物又は金属酸化物としては、周期律表第2族、第6〜14族の元素並びにランタノイドの水酸化物又は酸化物が挙げられ、水酸化物の具体例としては、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、水酸化クロム、水酸化マンガン、水酸化鉄、水酸化ルテニウム、水酸化コバルト、水酸化ロジウム、水酸化ニッケル、水酸化パラジウム、水酸化銅、水酸化亜鉛、水酸化カドミウム、水酸化アルミニウム、水酸化ガリウム、水酸化インジウム、水酸化タリウム、水酸化錫、水酸化鉛、水酸化セリウム等が挙げられる。
また、酸化物の具体例としては、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化クロム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化ルテニウム、酸化コバルト、酸化ロジウム、酸化ニッケル、酸化パラジウム、酸化銅、酸化銀、酸化亜鉛、酸化カドミウム、酸化水銀、酸化アルミニウム、酸化ガリウム、酸化インジウム、酸化タリウム、酸化錫、酸化鉛、酸化セリウム等が挙げられる。
特に、周期律表第3〜11族の遷移元素及びランタノイドの水酸化物は、溶存酸素により酸化されて、当該元素の酸化物を容易に生成する。
上記無機水酸化物の中でも、マンガン、鉄、銅、亜鉛、コバルト、銀及びセリウムの酸化物を容易に製造することができる。
本発明において製造することができる塩、水酸化物又は酸化物は、一般に知られている既存の定性分析の手法によって同定することが可能であり、赤外吸収スペクトル測定、イオンクロマトグラフ分析、粉末X線回折等が挙げられる。
特に、マンガン、鉄、銅、コバルト及びセリウムの水酸化物からの酸化物は、対応する色相の変化及び粉末X線回折等により確認することができる。
本発明において製造することができる塩、水酸化物又は酸化物の平均粒径は、分散液のレーザー回折式粒度分布計による数平均粒径が通常1nm〜1μm、好ましくは1.0nm〜0.5μmである。
または、乾燥粉末の塩、水酸化物又は酸化物のBET多点法による比表面積が、通常、1〜1000m2/g、好ましくは5〜1000m2/g、より好ましくは20〜1000m2/gである。
さらに、本発明によれば、100〜1000m2/gの塩、水酸化物又は酸化物が好適に得られる。
また、更には、乾燥粉末の塩、水酸化物又は酸化物の小角X線散乱法による平均粒径が、1〜50nm、かつ分散値が60%以下である。
平均粒径は、好ましくは1〜30nm、より好ましくは1〜10nmである。
レーザー回折式粒度分布計を使用する場合には、塩、水酸化物又は酸化物を当該塩、水酸化物又は酸化物の貧溶媒に分散して測定する。
具体例として、水、メチルエチルケトン、アルコール、ジメチルホルムアミド中に分散して測定する。
小角X線散乱法を用いた粒径解析について詳細に説明する。
通常、粒子サイズが100nm以下、特に50nm以下になると、粉末及び分散溶液中では、粒子(一次粒子)同士が凝集した状態(二次粒子)で存在している。
レーザーを用いた粒度解析は、使用する波長が可視光サイズ(200〜2000nm)であるため、これに対応した大きさの粒子を検出することになる。
つまり、一次粒子が100nm以下の場合、凝集した二次粒子(見掛け粒子径)の大きさを観察することになり、本質的な粒子のサイズが検出しにくい問題がある。
一方、小角X線散乱法では、X線を用いることから、100nm以下、特に50nm以下のサイズから発せられる散乱光が検出できるため、粒子の凝集に影響なく、一次粒子のサイズが検出可能となる。
すなわち、本発明の製造方法で得られた塩、水酸化物又は酸化物の微粒子の特徴がより明確となる解析手法である。
粒径の解析は、粉末のX線散乱強度を散乱角(通常、0.2°〜6.0°)を関数としたプロファイルを得、球状の粒子と仮定したときの理論プロファイルと比較し、非線形最小二乗法を用いてフィッティングすることにより粒径分布を作成できる。
得られた粒径分布から、統計手法により、平均粒径及び、粒子サイズの広がりの指標となる分散値を得ることができる。
特に、マンガン、鉄、銅、コバルト及びセリウムの水酸化物からの酸化物は、対応する色相の変化及び粉末X線回折等により確認することができる。
本発明において製造することができる塩、水酸化物又は酸化物の平均粒径は、分散液のレーザー回折式粒度分布計による数平均粒径が通常1nm〜1μm、好ましくは1.0nm〜0.5μmである。
または、乾燥粉末の塩、水酸化物又は酸化物のBET多点法による比表面積が、通常、1〜1000m2/g、好ましくは5〜1000m2/g、より好ましくは20〜1000m2/gである。
さらに、本発明によれば、100〜1000m2/gの塩、水酸化物又は酸化物が好適に得られる。
また、更には、乾燥粉末の塩、水酸化物又は酸化物の小角X線散乱法による平均粒径が、1〜50nm、かつ分散値が60%以下である。
平均粒径は、好ましくは1〜30nm、より好ましくは1〜10nmである。
レーザー回折式粒度分布計を使用する場合には、塩、水酸化物又は酸化物を当該塩、水酸化物又は酸化物の貧溶媒に分散して測定する。
具体例として、水、メチルエチルケトン、アルコール、ジメチルホルムアミド中に分散して測定する。
小角X線散乱法を用いた粒径解析について詳細に説明する。
通常、粒子サイズが100nm以下、特に50nm以下になると、粉末及び分散溶液中では、粒子(一次粒子)同士が凝集した状態(二次粒子)で存在している。
レーザーを用いた粒度解析は、使用する波長が可視光サイズ(200〜2000nm)であるため、これに対応した大きさの粒子を検出することになる。
つまり、一次粒子が100nm以下の場合、凝集した二次粒子(見掛け粒子径)の大きさを観察することになり、本質的な粒子のサイズが検出しにくい問題がある。
一方、小角X線散乱法では、X線を用いることから、100nm以下、特に50nm以下のサイズから発せられる散乱光が検出できるため、粒子の凝集に影響なく、一次粒子のサイズが検出可能となる。
すなわち、本発明の製造方法で得られた塩、水酸化物又は酸化物の微粒子の特徴がより明確となる解析手法である。
粒径の解析は、粉末のX線散乱強度を散乱角(通常、0.2°〜6.0°)を関数としたプロファイルを得、球状の粒子と仮定したときの理論プロファイルと比較し、非線形最小二乗法を用いてフィッティングすることにより粒径分布を作成できる。
得られた粒径分布から、統計手法により、平均粒径及び、粒子サイズの広がりの指標となる分散値を得ることができる。
本発明においては前述のごとく、濃縮室に生成した塩、水酸化物又は酸化物は、固体として液中に懸濁するか又は沈殿しているが、濃縮室液との分離方法としては、ろ過、遠心分離及び/又は加熱による方法が挙げられる。
ろ過、遠心分離の場合は、次いで適当な溶媒を使用して洗浄し、必要に応じて濃縮し、その後乾燥することにより、塩、水酸化物又は酸化物を製造することができる。
加熱の場合は、濃縮室液を塩、水酸化物又は酸化物が変性しない適当な温度で揮散させ、塩、水酸化物又は酸化物を製造することができる。
目的物が酸化物の場合、金属に応じた脱水温度以上で水酸化物を加熱すればよい。
ろ過、遠心分離及び加熱による分離方法は、これらを組合わせてもよい。
また、生成した塩、水酸化物又は酸化物を含む濃縮室液に、該塩、水酸化物又は酸化物が難溶性の溶媒を添加して、該塩、水酸化物又は酸化物を沈殿あるいは凝集させ、ろ過、遠心分離及び/又は加熱により分離する方法が挙げられる。
難溶性溶媒としては、特に制限はなく、生成した塩、水酸化物又は酸化物の難溶性溶媒であるという条件を満たすように、溶媒の種類、量を選択する。
また、該塩、水酸化物又は酸化物を沈殿あるいは凝集させる方法としては、特に制限はないが、通常、攪拌後静置する等の処理方法が採用される。
ろ過、遠心分離の場合は、次いで適当な溶媒を使用して洗浄し、必要に応じて濃縮し、その後乾燥することにより、塩、水酸化物又は酸化物を製造することができる。
加熱の場合は、濃縮室液を塩、水酸化物又は酸化物が変性しない適当な温度で揮散させ、塩、水酸化物又は酸化物を製造することができる。
目的物が酸化物の場合、金属に応じた脱水温度以上で水酸化物を加熱すればよい。
ろ過、遠心分離及び加熱による分離方法は、これらを組合わせてもよい。
また、生成した塩、水酸化物又は酸化物を含む濃縮室液に、該塩、水酸化物又は酸化物が難溶性の溶媒を添加して、該塩、水酸化物又は酸化物を沈殿あるいは凝集させ、ろ過、遠心分離及び/又は加熱により分離する方法が挙げられる。
難溶性溶媒としては、特に制限はなく、生成した塩、水酸化物又は酸化物の難溶性溶媒であるという条件を満たすように、溶媒の種類、量を選択する。
また、該塩、水酸化物又は酸化物を沈殿あるいは凝集させる方法としては、特に制限はないが、通常、攪拌後静置する等の処理方法が採用される。
以下、分離方法の具体例を挙げて説明する。
(a)濃縮室液がイオン液体を含有する液体、特にイオン液体を5質量%以上含有する液体であって、濃縮室に生成する塩、水酸化物又は酸化物が水溶性の場合、電気透析処理後の濃縮室液にC1〜3の低級アルコールを添加して攪拌混合し、ろ過、遠心分離及び/又は加熱により、塩、水酸化物又は酸化物と濃縮室液とを分離する方法が好ましい。
(b)濃縮室液がイオン液体を含有する液体、特にイオン液体を5質量%以上含有する液体であって、濃縮室に生成する塩、水酸化物又は酸化物が水不溶性又は水難溶性の場合、電気透析処理後の濃縮室液に水を添加して攪拌した後静置し、濃縮室液相と水相との2相に分離させた後、水相に移行した該塩、水酸化物又は酸化物を水相から、ろ過、遠心分離及び/又は加熱により分離する方法、及び電気透析処理後の濃縮室液に先ずC1〜3の低級アルコールを添加して攪拌混合し、次いで、水を添加して攪拌した後静置して濃縮室液相と水相との2相に分離させた後、水相に移行した該塩、水酸化物又は酸化物を水相から、ろ過及び/又は加熱により分離する方法が好ましい。
(c)濃縮室液がC1〜3の低級アルコールを25質量%以上含有するイオン液体の場合、電気透析処理後の濃縮室液から、ろ過、遠心分離及び/又は加熱により、塩、水酸化物又は酸化物を分離する方法が好ましい。
なお、C1〜3の低級アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等が挙げられ、メチルアルコール、エチルアルコールが好ましい。
上記の方法により、塩、水酸化物又は酸化物の微粒子を容易に高純度で分離することができる。
得られた水酸化物より、加熱温度を適当に選択することにより、例えば、相当する酸化物の微粒子を製造することができる。
また,濃縮室液中に生成する水酸化物を適当な温度で加熱還流することにより、粒子成長を抑制した状態で酸化物の微粒子を製造することもできる。
更に、濃縮室液中に生成する水酸化物を、適当な酸化剤で酸化することにより、相当する酸化物の微粒子を製造することもできる。
同様に、得られた水酸化物又は酸化物を、適当な還元剤で還元することにより、相当する金属の微粒子を製造することもできる。
(a)濃縮室液がイオン液体を含有する液体、特にイオン液体を5質量%以上含有する液体であって、濃縮室に生成する塩、水酸化物又は酸化物が水溶性の場合、電気透析処理後の濃縮室液にC1〜3の低級アルコールを添加して攪拌混合し、ろ過、遠心分離及び/又は加熱により、塩、水酸化物又は酸化物と濃縮室液とを分離する方法が好ましい。
(b)濃縮室液がイオン液体を含有する液体、特にイオン液体を5質量%以上含有する液体であって、濃縮室に生成する塩、水酸化物又は酸化物が水不溶性又は水難溶性の場合、電気透析処理後の濃縮室液に水を添加して攪拌した後静置し、濃縮室液相と水相との2相に分離させた後、水相に移行した該塩、水酸化物又は酸化物を水相から、ろ過、遠心分離及び/又は加熱により分離する方法、及び電気透析処理後の濃縮室液に先ずC1〜3の低級アルコールを添加して攪拌混合し、次いで、水を添加して攪拌した後静置して濃縮室液相と水相との2相に分離させた後、水相に移行した該塩、水酸化物又は酸化物を水相から、ろ過及び/又は加熱により分離する方法が好ましい。
(c)濃縮室液がC1〜3の低級アルコールを25質量%以上含有するイオン液体の場合、電気透析処理後の濃縮室液から、ろ過、遠心分離及び/又は加熱により、塩、水酸化物又は酸化物を分離する方法が好ましい。
なお、C1〜3の低級アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等が挙げられ、メチルアルコール、エチルアルコールが好ましい。
上記の方法により、塩、水酸化物又は酸化物の微粒子を容易に高純度で分離することができる。
得られた水酸化物より、加熱温度を適当に選択することにより、例えば、相当する酸化物の微粒子を製造することができる。
また,濃縮室液中に生成する水酸化物を適当な温度で加熱還流することにより、粒子成長を抑制した状態で酸化物の微粒子を製造することもできる。
更に、濃縮室液中に生成する水酸化物を、適当な酸化剤で酸化することにより、相当する酸化物の微粒子を製造することもできる。
同様に、得られた水酸化物又は酸化物を、適当な還元剤で還元することにより、相当する金属の微粒子を製造することもできる。
次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1
開口部40mm×60mmを有し、厚さ5mmのポリプロピレン製スペーサーを縦方向に5個重ね合わせて並べ、互いに連通させ、両端に40mm×60mmの白金電極を取り付け,各室を密閉し,A槽(電極室)、B槽(脱塩室)、C槽(濃縮室)、D槽(脱塩室)及びE(電極室)の5つの槽からなる電気透析装置を形成した。
A槽とB槽との連通部及びC槽とD槽との連通部に陽イオン交換膜(アトムス社製、商品名:CMX−SB)を取り付け、B槽とC槽との連通部及びD槽とE槽との連通部に陰イオン交換膜(アトムス社製、商品名:AHA)を取り付けた。
各ポリプロピレン製スペーサーの天地に直径3.5mmの穴を開け、各室独立した循環ラインを設けた。
A槽及びE槽には0.28mol/LのNa2SO4水溶液を、B槽には0.5mol/LのNaOH水溶液を、C槽には25質量%のN,N−ジエチルメチル−N−〔2−メトキシエチル〕アンモニウム・ビス(トリフルオロスルフォニル)イミド〔DEME−TFSI、密度ρ:1.42g/cm3(20℃)、粘度η:0.12Pa・s(20℃)、導電性〕エチルアルコール溶液を、D槽には0.25mol/LのMgSO4水溶液を、各々、100mlを仕込んだ液溜から循環ラインを用いて通液した。
以上の如き構成の装置の概略図を、図1として示す。
C槽を除いた各槽中の液の常温におけるpHが7近辺であることを確認した後、濃縮室液の温度を20〜25℃とし、電圧5ボルトの直流電流を3時間印加した。印加中の電流の電流値は20〜200mAであった。
印加後、約10分で濃縮室液が白濁(白色沈殿)した。
この電気透析により白濁したDEME−TFSIエチルアルコール溶液を、オムニポアメンブレンフィルター(孔径0.45μm)(日本ミリポア社製)を用いて減圧濾過し、白色生成物を得た。
この白色生成物をメチルアルコール25mlに加え、超音波照射により分散させた。
この分散液を上記オムニポアメンブレンフィルターを用いて減圧濾過し、白色生成物に付着しているDEME−TFSIを除去した。
白色生成物に対してこの洗浄操作を更に2回繰り返した後、100℃で3時間乾燥し、白色粉末を得た。
この白色生成物は、赤外吸収スペクトルを測定したところ、水酸化マグネシウム〔Mg(OH)2〕であることが判明した。
この水酸化マグネシウム粉末0.1gを100℃で3時間脱気処理した後、比表面積測定装置トライスター3000〔島津製作所(株)〕を用いて、試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法によりその比表面積を測定したところ、450m2/gであった。
得られた結果を表1に示す。
開口部40mm×60mmを有し、厚さ5mmのポリプロピレン製スペーサーを縦方向に5個重ね合わせて並べ、互いに連通させ、両端に40mm×60mmの白金電極を取り付け,各室を密閉し,A槽(電極室)、B槽(脱塩室)、C槽(濃縮室)、D槽(脱塩室)及びE(電極室)の5つの槽からなる電気透析装置を形成した。
A槽とB槽との連通部及びC槽とD槽との連通部に陽イオン交換膜(アトムス社製、商品名:CMX−SB)を取り付け、B槽とC槽との連通部及びD槽とE槽との連通部に陰イオン交換膜(アトムス社製、商品名:AHA)を取り付けた。
各ポリプロピレン製スペーサーの天地に直径3.5mmの穴を開け、各室独立した循環ラインを設けた。
A槽及びE槽には0.28mol/LのNa2SO4水溶液を、B槽には0.5mol/LのNaOH水溶液を、C槽には25質量%のN,N−ジエチルメチル−N−〔2−メトキシエチル〕アンモニウム・ビス(トリフルオロスルフォニル)イミド〔DEME−TFSI、密度ρ:1.42g/cm3(20℃)、粘度η:0.12Pa・s(20℃)、導電性〕エチルアルコール溶液を、D槽には0.25mol/LのMgSO4水溶液を、各々、100mlを仕込んだ液溜から循環ラインを用いて通液した。
以上の如き構成の装置の概略図を、図1として示す。
C槽を除いた各槽中の液の常温におけるpHが7近辺であることを確認した後、濃縮室液の温度を20〜25℃とし、電圧5ボルトの直流電流を3時間印加した。印加中の電流の電流値は20〜200mAであった。
印加後、約10分で濃縮室液が白濁(白色沈殿)した。
この電気透析により白濁したDEME−TFSIエチルアルコール溶液を、オムニポアメンブレンフィルター(孔径0.45μm)(日本ミリポア社製)を用いて減圧濾過し、白色生成物を得た。
この白色生成物をメチルアルコール25mlに加え、超音波照射により分散させた。
この分散液を上記オムニポアメンブレンフィルターを用いて減圧濾過し、白色生成物に付着しているDEME−TFSIを除去した。
白色生成物に対してこの洗浄操作を更に2回繰り返した後、100℃で3時間乾燥し、白色粉末を得た。
この白色生成物は、赤外吸収スペクトルを測定したところ、水酸化マグネシウム〔Mg(OH)2〕であることが判明した。
この水酸化マグネシウム粉末0.1gを100℃で3時間脱気処理した後、比表面積測定装置トライスター3000〔島津製作所(株)〕を用いて、試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法によりその比表面積を測定したところ、450m2/gであった。
得られた結果を表1に示す。
実施例2
D槽に0.25mol/LのFeSO4水溶液を用いた以外は、実施例1と同様に電気透析及び後処理を行い、生成水酸化物が溶存酸素により酸化された酸化鉄(III)〔Fe2O3〕を得た。
同定は、粉末X線回折法によった。また、実施例1と同様にしてその比表面積を測定した。
その結果を表1に示す。
上記で得られた酸化鉄(III)の粉末を小角X線散乱装置(リガク製;RINT−TTR)を用い
散乱体モデル:球
測定方法:透過法
マトリックス:Air
解析範囲:0.200°〜6.000°
ステップ:0.010°
波長:1.5418Å
の条件にて測定した結果、平均粒径が20.8nm、分散値が59.8%であった。
D槽に0.25mol/LのFeSO4水溶液を用いた以外は、実施例1と同様に電気透析及び後処理を行い、生成水酸化物が溶存酸素により酸化された酸化鉄(III)〔Fe2O3〕を得た。
同定は、粉末X線回折法によった。また、実施例1と同様にしてその比表面積を測定した。
その結果を表1に示す。
上記で得られた酸化鉄(III)の粉末を小角X線散乱装置(リガク製;RINT−TTR)を用い
散乱体モデル:球
測定方法:透過法
マトリックス:Air
解析範囲:0.200°〜6.000°
ステップ:0.010°
波長:1.5418Å
の条件にて測定した結果、平均粒径が20.8nm、分散値が59.8%であった。
実施例3
D槽に0.25mol/LのCuSO4水溶液を用いた以外は、実施例1と同様に電気透析及び後処理を行い、生成水酸化物が溶存酸素により酸化された酸化銅(II)〔C
uO〕を得た。
同定は、粉末X線回折法によった。また、実施例1と同様にしてその比表面積を測定した。
その結果を表1に示す。
上記で得られた酸化銅(II)の粉末を用いた以外は実施例2と同様に行った結果、平均粒径が9.65nm、分散値が55.6%であった。
実施例4
D槽に0.25mol/LのZnSO4水溶液を用いた以外は、実施例1と同様に電気透析及び後処理を行い、生成水酸化物が溶存酸素により酸化された酸化亜鉛〔ZnO〕を得た。
同定は、粉末X線回折法によった。また、実施例1と同様にしてその比表面積を測定した。
その結果を表1に示す。
D槽に0.25mol/LのCuSO4水溶液を用いた以外は、実施例1と同様に電気透析及び後処理を行い、生成水酸化物が溶存酸素により酸化された酸化銅(II)〔C
uO〕を得た。
同定は、粉末X線回折法によった。また、実施例1と同様にしてその比表面積を測定した。
その結果を表1に示す。
上記で得られた酸化銅(II)の粉末を用いた以外は実施例2と同様に行った結果、平均粒径が9.65nm、分散値が55.6%であった。
実施例4
D槽に0.25mol/LのZnSO4水溶液を用いた以外は、実施例1と同様に電気透析及び後処理を行い、生成水酸化物が溶存酸素により酸化された酸化亜鉛〔ZnO〕を得た。
同定は、粉末X線回折法によった。また、実施例1と同様にしてその比表面積を測定した。
その結果を表1に示す。
実施例5
D槽に0.17mol/LのAlCl3水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして水酸化アルミニウム〔Al(OH)3〕を得た。
実施例1と同様にしてその比表面積を測定した。その結果を表1に示す。
実施例6
D槽に0.125mol/LのIn2(SO4)3水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして水酸化インジウム〔In(OH)3〕を得た。
実施例1と同様にしてその比表面積を測定した。その結果を表1に示す。
実施例7
D槽に0.25mol/LのSnCl2水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして水酸化錫〔Sn(OH)2〕を得た。
実施例1と同様にしてその比表面積を測定した。その結果を表2に示す。
実施例8
D槽に0.25mol/LのNi(CH3COO)2水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして水酸化ニッケル〔Ni(OH)2〕を得た。
実施例1と同様にしてその比表面積を測定した。その結果を表2に示す。
実施例9
D槽に0.25mol/LのCoCl2水溶液を用いた以外は、実施例1と同様に電気透析及び後処理を行い、生成水酸化物が溶存酸素により酸化された酸化コバルト(III)〔Co2O3〕を得た。
同定は、粉末X線回折法によった。また、実施例1と同様にしてその比表面積を測定した。
その結果を表2に示す。
D槽に0.17mol/LのAlCl3水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして水酸化アルミニウム〔Al(OH)3〕を得た。
実施例1と同様にしてその比表面積を測定した。その結果を表1に示す。
実施例6
D槽に0.125mol/LのIn2(SO4)3水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして水酸化インジウム〔In(OH)3〕を得た。
実施例1と同様にしてその比表面積を測定した。その結果を表1に示す。
実施例7
D槽に0.25mol/LのSnCl2水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして水酸化錫〔Sn(OH)2〕を得た。
実施例1と同様にしてその比表面積を測定した。その結果を表2に示す。
実施例8
D槽に0.25mol/LのNi(CH3COO)2水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして水酸化ニッケル〔Ni(OH)2〕を得た。
実施例1と同様にしてその比表面積を測定した。その結果を表2に示す。
実施例9
D槽に0.25mol/LのCoCl2水溶液を用いた以外は、実施例1と同様に電気透析及び後処理を行い、生成水酸化物が溶存酸素により酸化された酸化コバルト(III)〔Co2O3〕を得た。
同定は、粉末X線回折法によった。また、実施例1と同様にしてその比表面積を測定した。
その結果を表2に示す。
実施例10
D槽に0.5mol/LのAgNO3水溶液を用いた以外は、実施例1と同様に電気透析及び後処理を行い、生成水酸化物が溶存酸素により酸化された酸化銀〔Ag2O〕を得た。
同定は、粉末X線回折法によった。また、実施例1と同様にしてその比表面積を測定した。
その結果を表2に示す。
実施例11
D槽に0.125mol/LのCeCl3水溶液を用いた以外は、実施例1と同様に電気透析及び後処理を行い、生成水酸化物が溶存酸素により酸化された酸化セリウム(III)〔Ce2O3〕を得た。
同定は、粉末X線回折法によった。また、実施例1と同様にしてその比表面積を測定した。
その結果を表2に示す。
実施例12
D槽に0.25mol/LのMnSO4水溶液を用いた以外は、実施例1と同様に電気透析及び後処理を行い、生成水酸化物が溶存酸素により酸化された四三酸化マンガン〔Mn3O4〕を得た。
同定は、粉末X線回折法によった。また、実施例1と同様にしてその比表面積を測定した。
その結果を表2に示す。
上記で得られた四三酸化マンガンの粉末を用いた以外は実施例2と同様に行った結果、平均粒径が9.55nm、分散値が55.0%であった。
上記で得られた四三酸化マンガンの粉末0.2gを5質量%の過酸化水素水50mlで酸化し、二酸化マンガン(IV)〔MnO2〕を得た。
得られた二酸化マンガン(IV)を実施例1と同様にしてその比表面積を測定した結果、150m2/gであった。
D槽に0.5mol/LのAgNO3水溶液を用いた以外は、実施例1と同様に電気透析及び後処理を行い、生成水酸化物が溶存酸素により酸化された酸化銀〔Ag2O〕を得た。
同定は、粉末X線回折法によった。また、実施例1と同様にしてその比表面積を測定した。
その結果を表2に示す。
実施例11
D槽に0.125mol/LのCeCl3水溶液を用いた以外は、実施例1と同様に電気透析及び後処理を行い、生成水酸化物が溶存酸素により酸化された酸化セリウム(III)〔Ce2O3〕を得た。
同定は、粉末X線回折法によった。また、実施例1と同様にしてその比表面積を測定した。
その結果を表2に示す。
実施例12
D槽に0.25mol/LのMnSO4水溶液を用いた以外は、実施例1と同様に電気透析及び後処理を行い、生成水酸化物が溶存酸素により酸化された四三酸化マンガン〔Mn3O4〕を得た。
同定は、粉末X線回折法によった。また、実施例1と同様にしてその比表面積を測定した。
その結果を表2に示す。
上記で得られた四三酸化マンガンの粉末を用いた以外は実施例2と同様に行った結果、平均粒径が9.55nm、分散値が55.0%であった。
上記で得られた四三酸化マンガンの粉末0.2gを5質量%の過酸化水素水50mlで酸化し、二酸化マンガン(IV)〔MnO2〕を得た。
得られた二酸化マンガン(IV)を実施例1と同様にしてその比表面積を測定した結果、150m2/gであった。
実施例13
C槽に25質量%のテトラオクチルアンモニウムドデシルサルフェート(TOADS)エチルアルコール溶液を用いた以外は実施例3と同様に電気透析及び後処理を行い、生成水酸化物が溶存酸素により酸化された酸化銅(II)〔CuO〕を得た。
同定は、粉末X線回折法によった。また、実施例1と同様にしてその比表面積を測定したところ、90m2/gであった。
C槽に25質量%のテトラオクチルアンモニウムドデシルサルフェート(TOADS)エチルアルコール溶液を用いた以外は実施例3と同様に電気透析及び後処理を行い、生成水酸化物が溶存酸素により酸化された酸化銅(II)〔CuO〕を得た。
同定は、粉末X線回折法によった。また、実施例1と同様にしてその比表面積を測定したところ、90m2/gであった。
実施例14
横40mm、縦20mm、高さ45mmの樹脂製容器を、縦方向に5個重ね合わせて並べ、A槽(電極室)、B槽(脱塩室)、C槽(濃縮室)、D槽(脱塩室)及びE槽(電極室)の5つの槽からなる電気透析装置を形成した。
各槽の重ね合わせ部分の中央に、幅25mm、高さ20mmの開口部を設けて連通させ、A槽とB槽との連通部及びC槽とD槽との連通部に陽イオン交換膜(アトムス社製、商品名:CMX−SB)を取り付け、B槽とC槽との連通部及びD槽とE槽との連通部に陰イオン交換膜(アトムス社製、商品名:AMX−SB)を取り付けた。
A槽及びE槽には4質量%のNa2SO4水溶液を、B槽には1質量%のNaOH水溶液を、C槽にはN,N−ジエチルメチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウム・ビス(トリフルオロスルフォニル)イミド〔DEME−TFSI、密度ρ:1.42g/cm3(20℃)、粘度η:0.12Pa・s(20℃)、導電性〕を、D槽には4質量%のMgSO4・7H2O水溶液を、各々、30mL仕込んだ。
電極には、陽極、陰極共に、縦10mm、横20mmの白金製のものを用い、陰極をA槽の液中中央部に、陽極をE槽の液中中央部に、各々挿入した。
濃縮室液の温度を15〜25℃とし、電圧8ボルトの直流電流を8時間印加した。
印加中の電流の電流値は20mAであった。
電気透析処理終了後の濃縮室液には生成物が分散して析出し、濃縮室液は薄く白濁した。
この濃縮室液の一部を取り、25℃で、ほぼ等容積のメタノールを加えて、一相となるまで攪拌し、続いて加えたメタノールと等容積の水を加えて激しく数分間攪拌後、12時間静置することにより、分散していた粒子を水相に移行、凝集させた。
この粒子を濾過、メタノール洗浄、乾燥し、赤外吸収スペクトルを測定したところ、水酸化マグネシウム〔Mg(OH)2〕であることが判明した。
この水酸化マグネシウム粒子を、メチルエチルケトンに0.02質量%になるように加え、超音波により分散させ、レーザー回折式粒度分布計(honeywell社製、商品名:マイクロトラックUPA)を用い、相対屈折率を1.56として測定したところ、平均粒径は71nmであった。
また、上記濃縮室液の一部を取り、空気中500℃で3時間焼成し、DEME−TFSIを除去したところ、走査型電子顕微鏡による画像から、平均粒径が約30nmの酸化マグネシウム(MgO)粒子が得られていることが分かった。
なお、酸化マグネシウムであることは赤外吸収スペクトルにより確認した。
また、実施例1と同様にしてその比表面積を測定したところ、310m2/gであった。
横40mm、縦20mm、高さ45mmの樹脂製容器を、縦方向に5個重ね合わせて並べ、A槽(電極室)、B槽(脱塩室)、C槽(濃縮室)、D槽(脱塩室)及びE槽(電極室)の5つの槽からなる電気透析装置を形成した。
各槽の重ね合わせ部分の中央に、幅25mm、高さ20mmの開口部を設けて連通させ、A槽とB槽との連通部及びC槽とD槽との連通部に陽イオン交換膜(アトムス社製、商品名:CMX−SB)を取り付け、B槽とC槽との連通部及びD槽とE槽との連通部に陰イオン交換膜(アトムス社製、商品名:AMX−SB)を取り付けた。
A槽及びE槽には4質量%のNa2SO4水溶液を、B槽には1質量%のNaOH水溶液を、C槽にはN,N−ジエチルメチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウム・ビス(トリフルオロスルフォニル)イミド〔DEME−TFSI、密度ρ:1.42g/cm3(20℃)、粘度η:0.12Pa・s(20℃)、導電性〕を、D槽には4質量%のMgSO4・7H2O水溶液を、各々、30mL仕込んだ。
電極には、陽極、陰極共に、縦10mm、横20mmの白金製のものを用い、陰極をA槽の液中中央部に、陽極をE槽の液中中央部に、各々挿入した。
濃縮室液の温度を15〜25℃とし、電圧8ボルトの直流電流を8時間印加した。
印加中の電流の電流値は20mAであった。
電気透析処理終了後の濃縮室液には生成物が分散して析出し、濃縮室液は薄く白濁した。
この濃縮室液の一部を取り、25℃で、ほぼ等容積のメタノールを加えて、一相となるまで攪拌し、続いて加えたメタノールと等容積の水を加えて激しく数分間攪拌後、12時間静置することにより、分散していた粒子を水相に移行、凝集させた。
この粒子を濾過、メタノール洗浄、乾燥し、赤外吸収スペクトルを測定したところ、水酸化マグネシウム〔Mg(OH)2〕であることが判明した。
この水酸化マグネシウム粒子を、メチルエチルケトンに0.02質量%になるように加え、超音波により分散させ、レーザー回折式粒度分布計(honeywell社製、商品名:マイクロトラックUPA)を用い、相対屈折率を1.56として測定したところ、平均粒径は71nmであった。
また、上記濃縮室液の一部を取り、空気中500℃で3時間焼成し、DEME−TFSIを除去したところ、走査型電子顕微鏡による画像から、平均粒径が約30nmの酸化マグネシウム(MgO)粒子が得られていることが分かった。
なお、酸化マグネシウムであることは赤外吸収スペクトルにより確認した。
また、実施例1と同様にしてその比表面積を測定したところ、310m2/gであった。
実施例15
電気透析装置(アストム社製、商品名:マイクロアシライザーS1型)にイオン交換膜カートリッジ(アストム社製、商品名:AC−220−20)を装着し、濃縮室液の温度を20℃とし、以下の条件で脱塩室の導電率が20℃において0.02μSになるまで20分、電気透析処理を行った。
当該カートリッジは図1と同様の構成である。
電極室液(A及びE室):4質量%のNa2SO4水溶液20mL
脱塩室液(B及びD室):4質量%のNaCl水溶液20mL
濃縮室液(C室):N,N−ジエチルメチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウム・ビス(トリフルオロスルフォニル)イミド〔DEME−TFSI、密度ρ:1.42g/cm3(20℃)、粘度η:0.12Pa・s(20℃)、導電性〕10mL
なお、濃縮室液はポンプによって循環させた。
電気透析開始後、時間の経過と共に生成物が得られ、濃縮室液が白濁してきた。
電気透析終了後の濃縮室液の一部を取り、空気中500℃で3時間焼成し、DEME−TFSIを除去した。
得られた固体は水に溶解し、イオンクロマトグラフによりNaClであることがわかった。
この粒子を、メタノールに0.02質量%になるように加え、超音波により分散させ、レーザー回折式粒度分布計(honeywell社製、商品名:マイクロトラックUPA)を用い、相対屈折率を1.51として測定したところ、平均粒径は90nmであった。
電気透析装置(アストム社製、商品名:マイクロアシライザーS1型)にイオン交換膜カートリッジ(アストム社製、商品名:AC−220−20)を装着し、濃縮室液の温度を20℃とし、以下の条件で脱塩室の導電率が20℃において0.02μSになるまで20分、電気透析処理を行った。
当該カートリッジは図1と同様の構成である。
電極室液(A及びE室):4質量%のNa2SO4水溶液20mL
脱塩室液(B及びD室):4質量%のNaCl水溶液20mL
濃縮室液(C室):N,N−ジエチルメチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウム・ビス(トリフルオロスルフォニル)イミド〔DEME−TFSI、密度ρ:1.42g/cm3(20℃)、粘度η:0.12Pa・s(20℃)、導電性〕10mL
なお、濃縮室液はポンプによって循環させた。
電気透析開始後、時間の経過と共に生成物が得られ、濃縮室液が白濁してきた。
電気透析終了後の濃縮室液の一部を取り、空気中500℃で3時間焼成し、DEME−TFSIを除去した。
得られた固体は水に溶解し、イオンクロマトグラフによりNaClであることがわかった。
この粒子を、メタノールに0.02質量%になるように加え、超音波により分散させ、レーザー回折式粒度分布計(honeywell社製、商品名:マイクロトラックUPA)を用い、相対屈折率を1.51として測定したところ、平均粒径は90nmであった。
実施例16
B槽及びD槽には4質量%のKNO3水溶液を用いた以外は実施例14と同様に電気透析を行った。
電気透析開始後、時間の経過と共に生成物が得られ、濃縮室液が白濁してきた。
電気透析終了後の濃縮室液の一部を取り、空気中500℃で3時間焼成し、DEME−TFSIを除去した。
得られた固体は水に溶解し、イオンクロマトグラフによりKNO3であることが分かった。
この粒子を、メタノールに0.02質量%になるように加え、超音波により分散させ、レーザー回折式粒度分布計(honeywell社製、商品名:マイクロトラックUPA)を用い、相対屈折率を1.51として測定したところ、平均粒径は20nmであった。
B槽及びD槽には4質量%のKNO3水溶液を用いた以外は実施例14と同様に電気透析を行った。
電気透析開始後、時間の経過と共に生成物が得られ、濃縮室液が白濁してきた。
電気透析終了後の濃縮室液の一部を取り、空気中500℃で3時間焼成し、DEME−TFSIを除去した。
得られた固体は水に溶解し、イオンクロマトグラフによりKNO3であることが分かった。
この粒子を、メタノールに0.02質量%になるように加え、超音波により分散させ、レーザー回折式粒度分布計(honeywell社製、商品名:マイクロトラックUPA)を用い、相対屈折率を1.51として測定したところ、平均粒径は20nmであった。
実施例17
C槽に1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム・ビス(トリフルオロメタンスルフォニル)イミド〔BMI−TFSI、粘度η:0.05Pa・s(25℃)、導電性〕10mL用いた以外は実施例15と同様に電気透析を行った。
電気透析開始後、時間の経過と共に生成物が得られ、濃縮室液が白濁してきた。
電気透析終了後の濃縮室液の一部を取り、空気中500℃で3時間焼成し、BMI−TFSIを除去した。
得られた固体は水に溶解し、イオンクロマトグラフによりKNO3であることが分かった。
この粒子を、メタノールに0.02質量%になるように加え、超音波により分散させ、レーザー回折式粒度分布計(honeywell社製、商品名:マイクロトラックUPA)を用い、相対屈折率を1.51として測定したところ、平均粒径は35nmであった。
C槽に1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム・ビス(トリフルオロメタンスルフォニル)イミド〔BMI−TFSI、粘度η:0.05Pa・s(25℃)、導電性〕10mL用いた以外は実施例15と同様に電気透析を行った。
電気透析開始後、時間の経過と共に生成物が得られ、濃縮室液が白濁してきた。
電気透析終了後の濃縮室液の一部を取り、空気中500℃で3時間焼成し、BMI−TFSIを除去した。
得られた固体は水に溶解し、イオンクロマトグラフによりKNO3であることが分かった。
この粒子を、メタノールに0.02質量%になるように加え、超音波により分散させ、レーザー回折式粒度分布計(honeywell社製、商品名:マイクロトラックUPA)を用い、相対屈折率を1.51として測定したところ、平均粒径は35nmであった。
実施例18
B槽及びD槽には3質量%のFeCl3水溶液を用いた以外は実施例14と同様に電気透析を行った。
電気透析開始後、時間の経過と共に生成物が得られ、濃縮室液が褐色してきた。
電気透析終了後の濃縮室液の一部を取り、空気中500℃で3時間焼成し、DEME−TFSIを除去した。
得られた固体は水に溶解し、赤外吸収スペクトルによりFeCl3であることが分かった。
この粒子を、メタノールに0.02質量%になるように加え、超音波により分散させ、レーザー回折式粒度分布計(honeywell社製、商品名:マイクロトラックUPA)を用い、相対屈折率を1.51として測定したところ、平均粒径は500nmであった。
B槽及びD槽には3質量%のFeCl3水溶液を用いた以外は実施例14と同様に電気透析を行った。
電気透析開始後、時間の経過と共に生成物が得られ、濃縮室液が褐色してきた。
電気透析終了後の濃縮室液の一部を取り、空気中500℃で3時間焼成し、DEME−TFSIを除去した。
得られた固体は水に溶解し、赤外吸収スペクトルによりFeCl3であることが分かった。
この粒子を、メタノールに0.02質量%になるように加え、超音波により分散させ、レーザー回折式粒度分布計(honeywell社製、商品名:マイクロトラックUPA)を用い、相対屈折率を1.51として測定したところ、平均粒径は500nmであった。
実施例19
濃縮室(C槽)液に対して、1.0質量%のステアリン酸を添加した以外は、実施例3と同様にして行った。
電気透析後の濃縮室液を、オムニポアメンブレンフィルター(孔径0.45μm)(日本ミリポア社製)を用いて減圧濾過し、生成水酸化物が溶存酸素により酸化された濃茶色の酸化銅(II)〔CuO〕を得た。
この酸化銅をエチルアルコール25mlに加え、超音波照射により分散させた。
この分散液を上記オムニポアメンブレンフィルターを用いて減圧濾過し、酸化銅に付着しているDEME−TFSIを除去した。
この際、酸化銅が完全に乾燥する前に減圧濾過を停止した。
酸化銅に対して、この洗浄操作を更に2回繰り返した後、100℃で3時間乾燥し、濃茶色の酸化銅粉末を得た。
得られた酸化銅粉末を0.1gを100℃で3時間脱気処理した後、比表面積測定装置トライスター3000〔島津製作所(株)〕を用いて、試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法によりその比表面積を測定したところ、113m2/gであった。
また、洗浄を終えた直後の未乾燥の酸化銅をエチルアルコールに分散させ、この分散液にエチルアルコールを加えて粒子濃度が0.2質量%の分散液を調製した。
この分散液5mlを別の容器に取り出し、これらを静置して粒子の沈降速度を評価したところ、6日経過後も僅かに粒子が沈降しただけで、大部分の酸化銅粒子は分散したままであった。
一方、実施例3(分散剤なし)で得られた酸化銅の分散液を上記と同様の方法で評価したところ、6時間以内に全ての粒子が沈降した。
濃縮室(C槽)液に対して、1.0質量%のステアリン酸を添加した以外は、実施例3と同様にして行った。
電気透析後の濃縮室液を、オムニポアメンブレンフィルター(孔径0.45μm)(日本ミリポア社製)を用いて減圧濾過し、生成水酸化物が溶存酸素により酸化された濃茶色の酸化銅(II)〔CuO〕を得た。
この酸化銅をエチルアルコール25mlに加え、超音波照射により分散させた。
この分散液を上記オムニポアメンブレンフィルターを用いて減圧濾過し、酸化銅に付着しているDEME−TFSIを除去した。
この際、酸化銅が完全に乾燥する前に減圧濾過を停止した。
酸化銅に対して、この洗浄操作を更に2回繰り返した後、100℃で3時間乾燥し、濃茶色の酸化銅粉末を得た。
得られた酸化銅粉末を0.1gを100℃で3時間脱気処理した後、比表面積測定装置トライスター3000〔島津製作所(株)〕を用いて、試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法によりその比表面積を測定したところ、113m2/gであった。
また、洗浄を終えた直後の未乾燥の酸化銅をエチルアルコールに分散させ、この分散液にエチルアルコールを加えて粒子濃度が0.2質量%の分散液を調製した。
この分散液5mlを別の容器に取り出し、これらを静置して粒子の沈降速度を評価したところ、6日経過後も僅かに粒子が沈降しただけで、大部分の酸化銅粒子は分散したままであった。
一方、実施例3(分散剤なし)で得られた酸化銅の分散液を上記と同様の方法で評価したところ、6時間以内に全ての粒子が沈降した。
実施例20
濃縮室(C槽)液に対して、1.0質量%のポリエチレングリコール(日本油脂製:PEG2000)を添加した以外は、実施例3と同様にして行った。
電気透析後の濃縮室液を、オムニポアメンブレンフィルター(孔径0.45μm)(日本ミリポア社製)を用いて減圧濾過し、生成水酸化物が溶存酸素により酸化された濃茶色の酸化銅(II)〔CuO〕を得た。
この酸化銅をエチルアルコール25mlに加え、超音波照射により分散させた。
この分散液を上記オムニポアメンブレンフィルターを用いて減圧濾過し、酸化銅に付着しているDEME−TFSIを除去した。
この際、酸化銅が完全に乾燥する前に減圧濾過を停止した。
酸化銅に対して、この洗浄操作を更に2回繰り返した後、100℃で3時間乾燥し、濃茶色の酸化銅粉末を得た。
得られた酸化銅粉末を0.1gを100℃で3時間脱気処理した後、比表面積測定装置トライスター3000〔島津製作所(株)〕を用いて、試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法によりその比表面積を測定したところ、122m2/gであった。
また、洗浄を終えた直後の未乾燥の酸化銅をエチルアルコールに分散させ、この分散液にエチルアルコールを加えて粒子濃度が0.2質量%の分散液を調製した。
この分散液5mlを別の容器に取り出し、これらを静置して粒子の沈降速度を評価したところ、6日経過後も僅かに粒子が沈降しただけで、大部分の酸化銅粒子は分散したままであった。
一方、実施例3(分散剤なし)で得られた酸化銅の分散液を上記と同様の方法で評価したところ、6時間以内に全ての粒子が沈降した。
濃縮室(C槽)液に対して、1.0質量%のポリエチレングリコール(日本油脂製:PEG2000)を添加した以外は、実施例3と同様にして行った。
電気透析後の濃縮室液を、オムニポアメンブレンフィルター(孔径0.45μm)(日本ミリポア社製)を用いて減圧濾過し、生成水酸化物が溶存酸素により酸化された濃茶色の酸化銅(II)〔CuO〕を得た。
この酸化銅をエチルアルコール25mlに加え、超音波照射により分散させた。
この分散液を上記オムニポアメンブレンフィルターを用いて減圧濾過し、酸化銅に付着しているDEME−TFSIを除去した。
この際、酸化銅が完全に乾燥する前に減圧濾過を停止した。
酸化銅に対して、この洗浄操作を更に2回繰り返した後、100℃で3時間乾燥し、濃茶色の酸化銅粉末を得た。
得られた酸化銅粉末を0.1gを100℃で3時間脱気処理した後、比表面積測定装置トライスター3000〔島津製作所(株)〕を用いて、試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法によりその比表面積を測定したところ、122m2/gであった。
また、洗浄を終えた直後の未乾燥の酸化銅をエチルアルコールに分散させ、この分散液にエチルアルコールを加えて粒子濃度が0.2質量%の分散液を調製した。
この分散液5mlを別の容器に取り出し、これらを静置して粒子の沈降速度を評価したところ、6日経過後も僅かに粒子が沈降しただけで、大部分の酸化銅粒子は分散したままであった。
一方、実施例3(分散剤なし)で得られた酸化銅の分散液を上記と同様の方法で評価したところ、6時間以内に全ての粒子が沈降した。
比較例1
CVD法で製造された市販品の酸化銅(II)〔関東化学社製〕の粉末を用い、実施例1と同様に測定した比表面積は13m2/gであった。
また、実施例2と同様に小角X線散乱を測定した結果、平均粒径が24.0nm、分散値が45.9%であった。
比較例2
CVD法で製造された市販品の酸化鉄(III)〔関東化学社製〕の粉末を用い、実施例1と同様に測定した比表面積は20m2/gであった。
実施例2と同様に小角X線散乱を測定した結果、平均粒径が25.3nm、分散値が53.5%であった。
CVD法で製造された市販品の酸化銅(II)〔関東化学社製〕の粉末を用い、実施例1と同様に測定した比表面積は13m2/gであった。
また、実施例2と同様に小角X線散乱を測定した結果、平均粒径が24.0nm、分散値が45.9%であった。
比較例2
CVD法で製造された市販品の酸化鉄(III)〔関東化学社製〕の粉末を用い、実施例1と同様に測定した比表面積は20m2/gであった。
実施例2と同様に小角X線散乱を測定した結果、平均粒径が25.3nm、分散値が53.5%であった。
本発明の方法によれば、塩、水酸化物又は酸化物からなる電解質溶液の電気透析処理を行うことにより、微粒子状の、特に数平均粒径が1nm〜1μm、又は比表面積が1〜1000m2/gの塩、水酸化物又は酸化物を容易に高純度で製造することができる。
得られた塩、水酸化物又は酸化物は、化粧品、触媒、電子材料、光学材料、研磨材、複合材料等の分野に広く利用することができる。
また、本発明の方法によれば、電解質溶液中の塩類を固体の形で効率良く除去・回収することができる。
特に、従来は廃棄されていた貴重なイオン(フッ素、リン、ガリウム、インジウム等)を固体の塩として回収することが可能となる。
従って、海水濃縮製塩、金属イオンの除去、ホエー・タンパク質の脱塩、減塩醤油の製造等、電気透析が適用される分野に広く利用することができる。
得られた塩、水酸化物又は酸化物は、化粧品、触媒、電子材料、光学材料、研磨材、複合材料等の分野に広く利用することができる。
また、本発明の方法によれば、電解質溶液中の塩類を固体の形で効率良く除去・回収することができる。
特に、従来は廃棄されていた貴重なイオン(フッ素、リン、ガリウム、インジウム等)を固体の塩として回収することが可能となる。
従って、海水濃縮製塩、金属イオンの除去、ホエー・タンパク質の脱塩、減塩醤油の製造等、電気透析が適用される分野に広く利用することができる。
Claims (21)
- 陰イオン交換膜と陽イオン交換膜とを用いた電気透析処理により塩、水酸化物又は酸化物を製造するに際し、濃縮室に生成する塩、水酸化物又は酸化物に対し貧溶媒である導電性の液体を濃縮室液として使用することを特徴とする塩、水酸化物又は酸化物の微粒子の製造方法。
- 濃縮室液が−10℃〜100℃の温度において導電性を有する液体である、請求項1に記載の塩、水酸化物又は酸化物の微粒子の製造方法。
- 濃縮室に生成する塩、水酸化物又は酸化物の電気透析処理温度における濃縮室液に対する溶解度が、10g/100g以下である、請求項1又は2に記載の塩、水酸化物又は酸化物の微粒子の製造方法。
- 濃縮室液がイオン液体を含有する液体である、請求項1〜3のいずれかに記載の塩、水酸化物又は酸化物の微粒子の製造方法。
- イオン液体がジエチルメチル(2−メトキシエチル)アンモニウム・ビス(トリフルオロメタンスルフォニル)イミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム・ビス(トリフルオロメタンスルフォニル)イミド、テトラオクチルアンモニウムドデシルサルフェート又は塩化ジエチルメチル(2−メトキシエチル)アンモニウムである、請求項4に記載の塩、水酸化物又は酸化物の微粒子の製造方法。
- イオン液体を含有する液体が、イオン液体を5質量%以上含む溶液である、請求項4又は5に記載の塩、水酸化物又は酸化物の微粒子の製造方法。
- イオン液体を含有する液体が、C1〜3の低級アルコールを25質量%以上含む溶液である、請求項6に記載の塩、水酸化物又は酸化物の微粒子の製造方法。
- 電気透析処理後の濃縮室液にC1〜3の低級アルコールを添加して攪拌混合し、ろ過、遠心分離及び/又は加熱により、塩、水酸化物又は酸化物と濃縮室液とを分離する、請求項4〜6のいずれかに記載の塩、水酸化物又は酸化物の微粒子の製造方法。
- 濃縮室液が疎水性のイオン液体を含有する液体である濃縮室に生成する塩、水酸化物又は酸化物の20℃の水に対する溶解度が10g/100g以下であって、電気透析処理後の濃縮室液に水を添加して攪拌した後静置し、濃縮室液相と水相との2相に分離させた後、水相に移行した該塩、水酸化物又は酸化物を水相から、ろ過、遠心分離及び/又は加熱により分離する、請求項4〜6のいずれかに記載の塩、水酸化物又は酸化物の微粒子の製造方法。
- 濃縮室液が疎水性のイオン液体を含有する液体である濃縮室に生成する塩、水酸化物又は酸化物の20℃の水に対する溶解度が10g/100g以下であって、電気透析処理後の濃縮室液に先ずC1〜3の低級アルコールを添加して攪拌混合し、次いで、水を添加して攪拌した後静置して濃縮室液相と水相との2相に分離させた後、水相に移行した該塩、水酸化物又は酸化物を水相から、ろ過及び/又は加熱により分離する、請求項4〜6のいずれかに記載の塩、水酸化物又は酸化物の微粒子の製造方法。
- 電気透析処理後の濃縮室液から、ろ過、遠心分離及び/又は加熱により、塩、水酸化物又は酸化物を分離する、請求項7に記載の塩、水酸化物又は酸化物の微粒子の製造方法。
- 水不溶性又は水難溶性の塩、水酸化物又は酸化物が周期律表第2族、第6〜14族の元素及びランタノイドから選ばれる化合物である、請求項9又は10のいずれかに記載の水不溶性又は水難溶性の塩、水酸化物又は酸化物の微粒子の製造方法。
- 濃縮室に生成する塩、水酸化物又は酸化物がマグネシウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銀、銅、亜鉛、アルミニウム、インジウム、錫及びセリウムから選ばれる元素の塩、水酸化物又は酸化物である、請求項4〜12に記載の塩、水酸化物又は酸化物の微粒子の製造方法。
- 濃縮室に生成する塩がハロゲン化物、硝酸塩、亜硝酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、リン酸塩、シュウ酸塩、炭酸塩及び酢酸塩から選ばれる化合物である、請求項4〜13のいずれかに記載の塩、水酸化物又は酸化物の微粒子の製造方法。
- 濃縮室に生成する塩が塩化ナトリウム、硝酸カリウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、リン酸カルシウムである、請求項14に記載の塩、水酸化物又は酸化物の微粒子の製造方法。
- 塩、水酸化物又は酸化物がレーザー回折法による数平均粒径が1nm〜1μm又はBET多点法による比表面積が1〜1000m2/gであることを特徴とする請求項4〜15のいずれかに記載の塩、水酸化物又は酸化物の微粒子の製造方法。
- 塩、水酸化物又は酸化物の粉末のBET多点法による比表面積が100m2/g以上であって、小角X線散乱法により得られた強度関数から非線形最小二乗法を用いてフィッティングしたときの体積換算した粒径分布の平均粒径が50nm以下、当該粒径分布の分散値が60%以下である請求項4〜16のいずれかに記載の製造方法で得られた塩、水酸化物又は酸化物の微粒子。
- 塩、水酸化物又は酸化物が周期律表第2族、第6〜14族の元素及びランタノイドから選ばれる化合物である、請求項17に記載の塩、水酸化物又は酸化物の微粒子。
- 酸化物が酸化銅(II)である請求項17又は18に記載の微粒子。
- 酸化物が酸化鉄(III)である請求項17又は18に記載の微粒子。
- 酸化物が四三酸化マンガンである請求項17又は18に記載の微粒子。
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