JP2007332436A - 微粒子状の水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基の製造方法。 - Google Patents
微粒子状の水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基の製造方法。 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】電気透析処理を用いる微粒子状の水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基の製造方法を提供すること。
【解決手段】陰イオン交換膜と陽イオン交換膜とを用いた電気透析処理により水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基を製造するに際し、アルカリ金属塩及び/又はアンモニウム塩の水溶液を濃縮室液として使用する微粒子状の水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基の製造方法である。
【選択図】なし
【解決手段】陰イオン交換膜と陽イオン交換膜とを用いた電気透析処理により水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基を製造するに際し、アルカリ金属塩及び/又はアンモニウム塩の水溶液を濃縮室液として使用する微粒子状の水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基の製造方法である。
【選択図】なし
Description
本発明は、微粒子状の水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基の製造方法に関し、詳しくは陰イオン交換膜と陽イオン交換膜とを用いた電気透析処理により水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基を製造するに際し、アルカリ金属塩及び/又はアンモニウム塩の水溶液を濃縮室液として使用する微粒子状の水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基の製造方法に関する。
電気透析方法は、陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とを交互に配列して、直流電流を流すことにより、イオンを移動させ、陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とに挟まれて形成される室(脱塩室)中で電解質溶液の脱塩を行う方法である。
そして、多数の陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とを交互に配列することにより、脱塩室と脱塩室から移動してきた陽イオン及び陰イオンが濃縮されて存在する室(濃縮室)とが交互に形成される。
そして、多数の陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とを交互に配列することにより、脱塩室と脱塩室から移動してきた陽イオン及び陰イオンが濃縮されて存在する室(濃縮室)とが交互に形成される。
電気透析方法の応用分野としては、海水濃縮による製塩、金属イオンの除去、ホエー・タンパク質の脱塩、減塩醤油の製造、地下かん水の淡水化、硝酸性地下水の脱硝等が知られている。
例えば、電解質溶液が海水等の塩化ナトリウム水溶液である場合は、濃縮室には脱塩室から移動してきたナトリウムイオンと塩素イオンとが高濃度に存在する、言い換えれば、それらのイオンの塩である塩化ナトリウムを高濃度に溶解する水が生成する。
そして、塩化ナトリウムを得るのが目的の場合は、濃縮室液(かん水)から塩化ナトリウムを回収する。
例えば、電解質溶液が海水等の塩化ナトリウム水溶液である場合は、濃縮室には脱塩室から移動してきたナトリウムイオンと塩素イオンとが高濃度に存在する、言い換えれば、それらのイオンの塩である塩化ナトリウムを高濃度に溶解する水が生成する。
そして、塩化ナトリウムを得るのが目的の場合は、濃縮室液(かん水)から塩化ナトリウムを回収する。
しかし、かん水は、塩化ナトリウムを高濃度に含むといっても、通常15〜20質量%程度の濃度であり、固体の塩化ナトリウムとして回収するためには、更に多量の水を蒸発させる必要がある。
塩化ナトリウム回収のためのエネルギー効率を上げる試みとして、電気透析処理により濃縮した塩化ナトリウム水溶液に液化天然ガスを噴入接触させて水分の一部を氷結させた後、更に水分を蒸発させる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)が、装置が複雑となり、工業的に有利な方法とはいえない。
塩化ナトリウム回収のためのエネルギー効率を上げる試みとして、電気透析処理により濃縮した塩化ナトリウム水溶液に液化天然ガスを噴入接触させて水分の一部を氷結させた後、更に水分を蒸発させる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)が、装置が複雑となり、工業的に有利な方法とはいえない。
更に、これらの従来の方法で得られる塩及び塩基は、いずれも粒子径の大きなものであり、微粒子状の塩及び塩基に対する要望に応えることができないものであった。
本発明は、上記のような問題点に鑑み、電気透析処理を用いて、微粒子状の塩又は塩基を、容易に分離し得る形で製造する方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、陰イオン交換膜と陽イオン交換膜とを用いた電気透析処理により製造する塩又は塩基が水不溶性又は水難溶性である場合は、アルカリ金属塩及び/又はアンモニウム塩の水溶液を濃縮室液として使用することにより、その目的を達成し得ることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1)陰イオン交換膜と陽イオン交換膜とを用いた電気透析処理により水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基を製造するに際し、アルカリ金属塩及び/又はアンモニウム塩の水溶液を濃縮室液として使用することを特徴とする微粒子状の水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基の製造方法、
(2)濃縮室液が−10℃〜100℃の温度において導電性を有する液体である、上記1に記載の微粒子状の水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基の製造方法、
(3)濃縮室に生成する塩又は塩基の電気透析処理温度における濃縮室液に対する溶解度が、10g/100g以下である、上記1又は2に記載の微粒子状の水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基の製造方法、
(4)アルカリ金属塩が塩化ナトリウムである、上記1〜3のいずれかに記載の微粒子状の水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基の製造方法、
(5)アンモニウム塩が四級アンモニウム塩である、上記1〜3記載の微粒子状の水不溶性又は水難溶性の塩基の製造方法、
(6)四級アンモニウム塩が塩化ジエチルメチル(2−メトキシエチル)アンモニウムである、上記5に記載の微粒子状の水不溶性又は水難溶性の塩基の製造方法、
(7)アンモニウム塩が塩化アンモニウムである、上記1〜3のいずれかに記載の微粒子状の水不溶性又は水難溶性の塩の製造方法、
(8)電気透析処理後の濃縮室液から、ろ過若しくは遠心分離及び/又は加熱により、塩又は塩基を分離する、上記1〜5にいずれかに記載の微粒子状の水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基の製造方法、
(9)濃縮室に生成する塩基が周期律表第2族、6〜14族の元素の水酸化物から選ばれる化合物である、上記1〜6のいずれかに記載の微粒子状の水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基の製造方法、
(10)濃縮室に生成する塩基がカルシウム、マグネシウム、鉄、銅、亜鉛、アルミニウム、コバルト、インジウム、ニッケル及び錫から選ばれる元素の水酸化物である、上記7に記載の微粒子状の水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基の製造方法、
(11)濃縮室に生成する塩が硝酸塩、亜硝酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、リン酸塩、炭酸塩及び酢酸塩から選ばれる化合物である、上記1〜6のいずれかに記載の微粒子状の水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基の製造方法、
(12)濃縮室に生成する塩が炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム及びリン酸カルシウムから選ばれる化合物である、上記9に記載の微粒子状の水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基の製造方法、
(13)微粒子状の水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基の平均粒径が0.5nm〜1μmである、上記1〜10のいずれかに記載の微粒子状の水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基の製造方法
である。
(1)陰イオン交換膜と陽イオン交換膜とを用いた電気透析処理により水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基を製造するに際し、アルカリ金属塩及び/又はアンモニウム塩の水溶液を濃縮室液として使用することを特徴とする微粒子状の水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基の製造方法、
(2)濃縮室液が−10℃〜100℃の温度において導電性を有する液体である、上記1に記載の微粒子状の水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基の製造方法、
(3)濃縮室に生成する塩又は塩基の電気透析処理温度における濃縮室液に対する溶解度が、10g/100g以下である、上記1又は2に記載の微粒子状の水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基の製造方法、
(4)アルカリ金属塩が塩化ナトリウムである、上記1〜3のいずれかに記載の微粒子状の水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基の製造方法、
(5)アンモニウム塩が四級アンモニウム塩である、上記1〜3記載の微粒子状の水不溶性又は水難溶性の塩基の製造方法、
(6)四級アンモニウム塩が塩化ジエチルメチル(2−メトキシエチル)アンモニウムである、上記5に記載の微粒子状の水不溶性又は水難溶性の塩基の製造方法、
(7)アンモニウム塩が塩化アンモニウムである、上記1〜3のいずれかに記載の微粒子状の水不溶性又は水難溶性の塩の製造方法、
(8)電気透析処理後の濃縮室液から、ろ過若しくは遠心分離及び/又は加熱により、塩又は塩基を分離する、上記1〜5にいずれかに記載の微粒子状の水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基の製造方法、
(9)濃縮室に生成する塩基が周期律表第2族、6〜14族の元素の水酸化物から選ばれる化合物である、上記1〜6のいずれかに記載の微粒子状の水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基の製造方法、
(10)濃縮室に生成する塩基がカルシウム、マグネシウム、鉄、銅、亜鉛、アルミニウム、コバルト、インジウム、ニッケル及び錫から選ばれる元素の水酸化物である、上記7に記載の微粒子状の水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基の製造方法、
(11)濃縮室に生成する塩が硝酸塩、亜硝酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、リン酸塩、炭酸塩及び酢酸塩から選ばれる化合物である、上記1〜6のいずれかに記載の微粒子状の水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基の製造方法、
(12)濃縮室に生成する塩が炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム及びリン酸カルシウムから選ばれる化合物である、上記9に記載の微粒子状の水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基の製造方法、
(13)微粒子状の水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基の平均粒径が0.5nm〜1μmである、上記1〜10のいずれかに記載の微粒子状の水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基の製造方法
である。
本発明によれば、以下のような効果を得ることができる。
1.陰イオン交換膜と陽イオン交換膜とを用いた電気透析処理により水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基を製造するに際し、アルカリ金属塩及び/又はアンモニウム塩の水溶液を濃縮室液として使用することすることにより、微粒子状の、特に平均粒径が0.5nm〜1μmの水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基を容易に高純度で製造することができる。
2.異なった2種以上の電解質溶液を、各々異なった脱塩室に供給して、電気透析処理を行うことにより、脱塩室に供給した電解質溶液とは異なった陽イオンと陰イオンとの組合せからなる水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基を製造することができる。
3.濃縮室液として安価なアルカリ金属塩及び/又はアンモニウム塩の水溶液を使用することにより、水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基の分離・回収が容易となる。
1.陰イオン交換膜と陽イオン交換膜とを用いた電気透析処理により水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基を製造するに際し、アルカリ金属塩及び/又はアンモニウム塩の水溶液を濃縮室液として使用することすることにより、微粒子状の、特に平均粒径が0.5nm〜1μmの水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基を容易に高純度で製造することができる。
2.異なった2種以上の電解質溶液を、各々異なった脱塩室に供給して、電気透析処理を行うことにより、脱塩室に供給した電解質溶液とは異なった陽イオンと陰イオンとの組合せからなる水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基を製造することができる。
3.濃縮室液として安価なアルカリ金属塩及び/又はアンモニウム塩の水溶液を使用することにより、水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基の分離・回収が容易となる。
以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明の電気透析処理方法においては、濃縮室に存在させる液(濃縮室液)としては、該濃縮室に生成する水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基に対し貧溶媒である、好ましくは、溶解度が10g/100g以下である、アルカリ金属塩及び/又はアンモニウム塩の水溶液を使用する。
本発明の電気透析処理方法においては、濃縮室に存在させる液(濃縮室液)としては、該濃縮室に生成する水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基に対し貧溶媒である、好ましくは、溶解度が10g/100g以下である、アルカリ金属塩及び/又はアンモニウム塩の水溶液を使用する。
電気透析処理時の濃縮室液の温度は、通常5〜50℃であることから、濃縮室液は、通常−10〜100℃の温度において導電性を有することが好ましい。
本発明においては、これらの要件を満たす濃縮室液として、アルカリ金属塩及び/又はアンモニウム塩の水溶液を使用する。
アルカリ金属塩及び/又はアンモニウム塩は、上記条件を満たすように、その濃度、種類、量を選択する。
アルカリ金属塩及び/又はアンモニウム塩の水溶液の濃度としては、通常、0.01〜2.5mol/L、好ましくは0.05〜2mol/L、より好ましくは0.1〜1mol/L質量%である。
アルカリ金属塩としては、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム等が挙げられ、脱塩室から濃縮室へ移動するイオンと反応しない水溶性のアルカリ金属塩であればよい。
アンモニウム塩としては、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、四級アンモニウム塩等が挙げられ、脱塩室から濃縮室へ移動するイオンと反応しない水溶性のアンモニウム塩であればよい。
塩基を製造する場合は、濃縮室へ移動する水酸化物イオンと濃縮室のアンモニウムイオンの水素が反応するので四級アンモニウム塩が好ましい。
四級アンモニウム塩としては、塩化ジエチルメチル(2−メトキシエチル)アンモニウム等が挙げられる。
本発明においては、これらの要件を満たす濃縮室液として、アルカリ金属塩及び/又はアンモニウム塩の水溶液を使用する。
アルカリ金属塩及び/又はアンモニウム塩は、上記条件を満たすように、その濃度、種類、量を選択する。
アルカリ金属塩及び/又はアンモニウム塩の水溶液の濃度としては、通常、0.01〜2.5mol/L、好ましくは0.05〜2mol/L、より好ましくは0.1〜1mol/L質量%である。
アルカリ金属塩としては、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム等が挙げられ、脱塩室から濃縮室へ移動するイオンと反応しない水溶性のアルカリ金属塩であればよい。
アンモニウム塩としては、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、四級アンモニウム塩等が挙げられ、脱塩室から濃縮室へ移動するイオンと反応しない水溶性のアンモニウム塩であればよい。
塩基を製造する場合は、濃縮室へ移動する水酸化物イオンと濃縮室のアンモニウムイオンの水素が反応するので四級アンモニウム塩が好ましい。
四級アンモニウム塩としては、塩化ジエチルメチル(2−メトキシエチル)アンモニウム等が挙げられる。
本発明の電気透析処理方法は、電気透析という基本的な部分に於いては、従来の電気透析の場合と同様であり、通常は、多数の陰イオン交換膜と陽イオン交換膜とを交互に配置して、陰イオン交換膜と陽イオン交換膜とで挟まれた多数の室を、脱塩室と濃縮室とが交互になるように設け、脱塩室に処理対象の電解質溶液を、濃縮室にアルカリ金属塩及び/又はアンモニウム塩の水溶液を、各々入れて、目的に応じた条件で直流電流を印加すればよいが、ただ、濃縮室液として、該濃縮室に生成する水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基に対し貧溶媒であるアルカリ金属塩及び/又はアンモニウム塩の水溶液を使用すること、及び濃縮室液中に生成した水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基を必要により、後述する方法で分離することにより、該塩又は塩基を微粒子状の固体の形で製造する点で相違している。
すなわち、濃縮室において、一方の膜を透過して移動してきた陽イオンと他方の膜を透過して移動してきた陰イオンとは結晶化して水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基を生成するが、濃縮室液であるアルカリ金属塩及び/又はアンモニウム塩の水溶液は当該塩又は塩基に対して貧溶媒であるため、当該塩又は塩基は液中に懸濁するか又は沈殿するので、これを必要により、後述の方法で分離して、微粒子状の水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基を製造するものである。
すなわち、濃縮室において、一方の膜を透過して移動してきた陽イオンと他方の膜を透過して移動してきた陰イオンとは結晶化して水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基を生成するが、濃縮室液であるアルカリ金属塩及び/又はアンモニウム塩の水溶液は当該塩又は塩基に対して貧溶媒であるため、当該塩又は塩基は液中に懸濁するか又は沈殿するので、これを必要により、後述の方法で分離して、微粒子状の水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基を製造するものである。
本発明の電気透析処理方法は、原料として無機塩、無機酸化物、有機塩、無機塩基、有機塩基、無機酸及び有機酸から選ばれる化合物を溶解した電解質溶液に対して適用することができる。好ましくは、水溶性の塩又は塩基である。
無機塩としては、周期律表第1族、第2族、6〜14族の元素のハロゲン化物、硝酸塩、亜硝酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、炭酸塩及び酢酸塩が挙げられ、その具体例としては、塩化リチウム,塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化ルビジウム、塩化セシウム、塩化カルシウム、塩化ストロンチウム、塩化バリウム、塩化クロム、塩化ルテニウム、塩化コバルト、塩化ロジウム、塩化ニッケル、塩化カドミウム、塩化アルミニウム、塩化ガリウム、塩化インジウム、塩化錫、硝酸パラジウム、硝酸銀、硝酸水銀、亜硝酸ナトリム、硫酸ベリリウム、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン、硫酸鉄、硫酸亜鉛、硫酸タリウム、チオ硫酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム酢酸銅、酢酸鉛等が挙げられる。
また、有機塩としては、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。
無機塩基としては、周期律表第1〜2族の元素の水酸化物が挙げられ、その具体例としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム等が挙げられる。
また、有機塩又は塩基としては、アンモニウム塩またはアンモニウムの水酸化物等が挙げられ、その具体例としては、アンモニア水、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウムが挙げられる。
無機酸としては、その具体例として、塩酸、硫酸等が挙げられる。
有機酸としては、その具体例として、酢酸、クエン酸等が挙げられる。
無機塩としては、周期律表第1族、第2族、6〜14族の元素のハロゲン化物、硝酸塩、亜硝酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、炭酸塩及び酢酸塩が挙げられ、その具体例としては、塩化リチウム,塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化ルビジウム、塩化セシウム、塩化カルシウム、塩化ストロンチウム、塩化バリウム、塩化クロム、塩化ルテニウム、塩化コバルト、塩化ロジウム、塩化ニッケル、塩化カドミウム、塩化アルミニウム、塩化ガリウム、塩化インジウム、塩化錫、硝酸パラジウム、硝酸銀、硝酸水銀、亜硝酸ナトリム、硫酸ベリリウム、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン、硫酸鉄、硫酸亜鉛、硫酸タリウム、チオ硫酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム酢酸銅、酢酸鉛等が挙げられる。
また、有機塩としては、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。
無機塩基としては、周期律表第1〜2族の元素の水酸化物が挙げられ、その具体例としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム等が挙げられる。
また、有機塩又は塩基としては、アンモニウム塩またはアンモニウムの水酸化物等が挙げられ、その具体例としては、アンモニア水、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウムが挙げられる。
無機酸としては、その具体例として、塩酸、硫酸等が挙げられる。
有機酸としては、その具体例として、酢酸、クエン酸等が挙げられる。
本発明の電気透析処理において、電極槽、脱塩槽中の各原料電解質の濃度は任意に変えることができるが、各膜の輸率(イオン分離能力:通常99%程度あるといわれ、反対電荷イオンの拡散現象、例えば、陰イオン交換膜から陰イオンを移動させるとき、1%の陽イオンが通過する。)や透析効率を考慮して原料電解質の濃度を決めることが好ましい。
また、多数の陰イオン交換膜と陽イオン交換膜とを交互に配置した場合、脱塩室と濃縮室とが交互に形成されるが、原料として異なった2種以上の電解質溶液を、各々異なった脱塩室に供給して、電気透析処理を行うことにより、濃縮室には脱塩室に供給した電解質溶液とは異なった陽イオンと陰イオンとの組合せからなる水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基を生成させ、必要により分離することにより、微粒子状の水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基を製造することができる。
すなわち、陽イオンA+と陰イオンX−との塩又は塩基を溶解した電解質溶液と、陽イオンB+と陰イオンY−との塩又は塩基を溶解した電解質溶液との2種の電解質溶液を、一つおきの脱塩室に供給して電気透析処理を行い、一つおきの濃縮室の一方からは陽イオンA+と陰イオンY−との塩又は塩基を、他方からは陽イオンB+と陰イオンX−との塩又は塩基を生成させ、必要により分離することにより、それぞれ微粒子状の塩又は塩基を製造することができるが、本発明は、それらの塩又は塩基が水不溶性又は水難溶性である場合に、濃縮室液としてアルカリ金属塩及び/又はアンモニウム塩の水溶液を使用するものである。
その場合は、濃縮室に生成する水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基に応じて、濃縮室液を異なったものとしてもよい。
電気透析処理時の濃縮室液であるアルカリ金属塩及び/又はアンモニウム塩の水溶液の温度は、通常5〜50℃、好ましくは20〜40℃である。
また、多数の陰イオン交換膜と陽イオン交換膜とを交互に配置した場合、脱塩室と濃縮室とが交互に形成されるが、原料として異なった2種以上の電解質溶液を、各々異なった脱塩室に供給して、電気透析処理を行うことにより、濃縮室には脱塩室に供給した電解質溶液とは異なった陽イオンと陰イオンとの組合せからなる水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基を生成させ、必要により分離することにより、微粒子状の水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基を製造することができる。
すなわち、陽イオンA+と陰イオンX−との塩又は塩基を溶解した電解質溶液と、陽イオンB+と陰イオンY−との塩又は塩基を溶解した電解質溶液との2種の電解質溶液を、一つおきの脱塩室に供給して電気透析処理を行い、一つおきの濃縮室の一方からは陽イオンA+と陰イオンY−との塩又は塩基を、他方からは陽イオンB+と陰イオンX−との塩又は塩基を生成させ、必要により分離することにより、それぞれ微粒子状の塩又は塩基を製造することができるが、本発明は、それらの塩又は塩基が水不溶性又は水難溶性である場合に、濃縮室液としてアルカリ金属塩及び/又はアンモニウム塩の水溶液を使用するものである。
その場合は、濃縮室に生成する水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基に応じて、濃縮室液を異なったものとしてもよい。
電気透析処理時の濃縮室液であるアルカリ金属塩及び/又はアンモニウム塩の水溶液の温度は、通常5〜50℃、好ましくは20〜40℃である。
本発明において製造することができる塩(濃縮室に生成する水不溶性又は水難溶性の塩)としては、無機塩及び有機塩が挙げられる。
塩としては、硝酸塩、亜硝酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、リン酸塩、炭酸塩及び酢酸塩が挙げられる。
無機塩としては、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、リン酸カルシウム等が挙げられる。
また、有機塩としては、クエン酸鉄、クエン酸カルシウム、クエン酸亜鉛、酢酸銀が挙げられる。
また、本発明において製造することができる塩基(濃縮室に生成する水不溶性又は水難溶性の塩基)としては、無機塩基及び有機塩基が挙げられる。
無機塩基としては、周期律表第2族、第8族及び第6〜14族の元素の水酸化物が好ましく、その具体例としては水酸化マグネシウム、水酸化鉄、水酸化銅、水酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、水酸化コバルト、水酸化インジウム、水酸化錫等が挙げられる。
本発明において製造することができる微粒子状の塩又は塩基の平均粒径は、通常0.5nm〜1μm、好ましくは5.0nm〜0.5μmである。
微粒子の平均粒径は、透過型電子顕微鏡、走査電子顕微鏡や粒度分布計を使用して測定できるが、粒度分布計を使用する場合には製造する塩又は塩基に対する貧溶媒に分散して測定する。具体例として、水、メチルエチルケトン、アルコール、ジメチルホルムアミド中に分散して測定する。
また、微粒子の平均粒径は、微粒子を球状と仮定し、その比表面積と密度の値から下記式を用いて近似的に算出することができる。
d=6/(ρs)〔d:微粒子直径(粒径)、ρ:微粒子密度、s:微粒子比表面積〕
塩としては、硝酸塩、亜硝酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、リン酸塩、炭酸塩及び酢酸塩が挙げられる。
無機塩としては、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、リン酸カルシウム等が挙げられる。
また、有機塩としては、クエン酸鉄、クエン酸カルシウム、クエン酸亜鉛、酢酸銀が挙げられる。
また、本発明において製造することができる塩基(濃縮室に生成する水不溶性又は水難溶性の塩基)としては、無機塩基及び有機塩基が挙げられる。
無機塩基としては、周期律表第2族、第8族及び第6〜14族の元素の水酸化物が好ましく、その具体例としては水酸化マグネシウム、水酸化鉄、水酸化銅、水酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、水酸化コバルト、水酸化インジウム、水酸化錫等が挙げられる。
本発明において製造することができる微粒子状の塩又は塩基の平均粒径は、通常0.5nm〜1μm、好ましくは5.0nm〜0.5μmである。
微粒子の平均粒径は、透過型電子顕微鏡、走査電子顕微鏡や粒度分布計を使用して測定できるが、粒度分布計を使用する場合には製造する塩又は塩基に対する貧溶媒に分散して測定する。具体例として、水、メチルエチルケトン、アルコール、ジメチルホルムアミド中に分散して測定する。
また、微粒子の平均粒径は、微粒子を球状と仮定し、その比表面積と密度の値から下記式を用いて近似的に算出することができる。
d=6/(ρs)〔d:微粒子直径(粒径)、ρ:微粒子密度、s:微粒子比表面積〕
本発明においては前述のごとく、濃縮室に生成した水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基は、固体として液中に懸濁するか又は沈殿しているが、濃縮室液であるアルカリ金属塩及び/又はアンモニウム塩の水溶液との分離方法としては、ろ過及び遠心分離による方法が挙げられる。
ろ過及び遠心分離の場合は、次いで適当な溶媒を使用して洗浄し、乾燥することにより、塩又は塩基を製造することができる。
なお、濃縮室液であるアルカリ金属塩及び/又はアンモニウム塩の水溶液中に生成した水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基は、アルカリ金属塩及び/又はアンモニウム塩の水溶液と分離することなく所望の用途に供給することができる。
また、上記方法で分離された水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基より、加熱温度を適当に選択することにより、例えば、相当する微粒子状の酸化物を製造することができる。
更に、濃縮室液であるアルカリ金属塩及び/又はアンモニウム塩の水溶液中に生成した水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基は、適当な酸化剤で酸化して、微粒子状の酸化物を製造することもできる。
ろ過及び遠心分離の場合は、次いで適当な溶媒を使用して洗浄し、乾燥することにより、塩又は塩基を製造することができる。
なお、濃縮室液であるアルカリ金属塩及び/又はアンモニウム塩の水溶液中に生成した水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基は、アルカリ金属塩及び/又はアンモニウム塩の水溶液と分離することなく所望の用途に供給することができる。
また、上記方法で分離された水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基より、加熱温度を適当に選択することにより、例えば、相当する微粒子状の酸化物を製造することができる。
更に、濃縮室液であるアルカリ金属塩及び/又はアンモニウム塩の水溶液中に生成した水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基は、適当な酸化剤で酸化して、微粒子状の酸化物を製造することもできる。
次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1
縦50mm×横40mmの開口部を有する5mm厚ポリプロピレン製容器を、縦方向に5個重ね合わせて並べ、互いに連通させて、A槽(電極室)、B槽(脱塩室)、C槽(濃縮室)、D槽(脱塩室)及びE(電極室)の5つの槽からなる電気透析装置を形成した。
A槽とB槽との連通部及びC槽とD槽との連通部に陽イオン交換膜(アストム社製、商品名:CMX−SB)を取り付け、B槽とC槽との連通部及びD槽とE槽との連通部に陰イオン交換膜(アストム社製、商品名:AHA)を取り付けた。
電極には、陽極、陰極共に、縦50mm、横40mmの白金製のものを用い、陰極をA槽の液中中央部に、陽極をE槽の液中中央部に、各々挿入し、各室を密閉した。
各ポリプロピレン製容器の天地に直径3.5mmの穴を開け、各室独立した循環ラインを設けた。
A槽及びE槽には4質量%Na2SO4水溶液を、B槽には0.5mol/LのNaOH水溶液を、C槽には0.5mol/LのNaCL水溶液を、D槽には0.25mol/LのMgSO4・7H2O水溶液を、各々100mlを液溜に仕込み,通水した。
以上の如き構成の装置の概略図を、図1として示す。
B槽及びC槽を除いた各槽中の液の常温におけるpHが7近辺であることを確認した後、濃縮室液の温度を20〜25℃とし、電圧5ボルトの直流電流を3時間印加した。印加中の電流の電流値は300mAであった。
印加開始後、約10分でC槽が白濁(白色沈殿)した。
この電気透析により白濁したNaCL水溶液を、オムニポアメンブレンフィルター(孔径0.45μm)(日本ミリポア社製)を用いて減圧濾過し、白色生成物を得た。
この白色生成物を水25mlに加え、超音波照射により分散させた。
この分散液を上記オムニポアメンブレンフィルターを用いて減圧濾過し、白色生成物に付着しているNaCLを除去した。
白色生成物に対してこの洗浄操作を更に2回繰り返した後、100℃で3時間乾燥し、白色粉末を得た。
この白色生成物は、赤外吸収スペクトルを測定したところ、水酸化マグネシウム〔Mg(OH)2〕であることが判明した。
この水酸化マグネシウム粉末0.1gを100℃で3時間脱気処理した後、比表面積測定装置トライスター3000〔島津製作所(株)〕を用いて、試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法によりその比表面積を測定したところ、96m2/gであった。
水酸化マグネシウムの密度(2.4g/ml:文献値)から、下記式を用いて水酸化マグネシウム粉末の粒径を算出したところ、29nmであった。
d=6/(ρs)〔d:微粒子直径(粒径)、ρ:微粒子密度、s:微粒子比表面積〕
縦50mm×横40mmの開口部を有する5mm厚ポリプロピレン製容器を、縦方向に5個重ね合わせて並べ、互いに連通させて、A槽(電極室)、B槽(脱塩室)、C槽(濃縮室)、D槽(脱塩室)及びE(電極室)の5つの槽からなる電気透析装置を形成した。
A槽とB槽との連通部及びC槽とD槽との連通部に陽イオン交換膜(アストム社製、商品名:CMX−SB)を取り付け、B槽とC槽との連通部及びD槽とE槽との連通部に陰イオン交換膜(アストム社製、商品名:AHA)を取り付けた。
電極には、陽極、陰極共に、縦50mm、横40mmの白金製のものを用い、陰極をA槽の液中中央部に、陽極をE槽の液中中央部に、各々挿入し、各室を密閉した。
各ポリプロピレン製容器の天地に直径3.5mmの穴を開け、各室独立した循環ラインを設けた。
A槽及びE槽には4質量%Na2SO4水溶液を、B槽には0.5mol/LのNaOH水溶液を、C槽には0.5mol/LのNaCL水溶液を、D槽には0.25mol/LのMgSO4・7H2O水溶液を、各々100mlを液溜に仕込み,通水した。
以上の如き構成の装置の概略図を、図1として示す。
B槽及びC槽を除いた各槽中の液の常温におけるpHが7近辺であることを確認した後、濃縮室液の温度を20〜25℃とし、電圧5ボルトの直流電流を3時間印加した。印加中の電流の電流値は300mAであった。
印加開始後、約10分でC槽が白濁(白色沈殿)した。
この電気透析により白濁したNaCL水溶液を、オムニポアメンブレンフィルター(孔径0.45μm)(日本ミリポア社製)を用いて減圧濾過し、白色生成物を得た。
この白色生成物を水25mlに加え、超音波照射により分散させた。
この分散液を上記オムニポアメンブレンフィルターを用いて減圧濾過し、白色生成物に付着しているNaCLを除去した。
白色生成物に対してこの洗浄操作を更に2回繰り返した後、100℃で3時間乾燥し、白色粉末を得た。
この白色生成物は、赤外吸収スペクトルを測定したところ、水酸化マグネシウム〔Mg(OH)2〕であることが判明した。
この水酸化マグネシウム粉末0.1gを100℃で3時間脱気処理した後、比表面積測定装置トライスター3000〔島津製作所(株)〕を用いて、試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法によりその比表面積を測定したところ、96m2/gであった。
水酸化マグネシウムの密度(2.4g/ml:文献値)から、下記式を用いて水酸化マグネシウム粉末の粒径を算出したところ、29nmであった。
d=6/(ρs)〔d:微粒子直径(粒径)、ρ:微粒子密度、s:微粒子比表面積〕
実施例2
電気透析D槽に0.25mol/LのFeSO4水溶液を用いた以外は、実施例1と同様に電気透析及び後処理を行い、水酸化鉄〔Fe(OH)2〕を得た。結果を表1に示す。
実施例3
電気透析D槽に0.25mol/LのCuSO4水溶液を用いた以外は、実施例1と同様に電気透析及び後処理を行い、水酸化銅〔Cu(OH)2〕を得た。結果を表1に示す。
実施例4
電気透析D槽に0.25mol/LのZnSO4水溶液を用いた以外は、実施例1と同様に電気透析及び後処理を行い、水酸化亜鉛〔Zn(OH)2〕を得た。結果を表1に示す。
実施例5
電気透析D槽に0.17mol/LのAlCl3水溶液を用いた以外は、実施例1と同様に電気透析及び後処理を行い、水酸化アルミニウム〔Al(OH)3〕を得た。結果を表1に示す。
実施例6
電気透析C槽に0.5mol/Lの塩化ジエチルメチル(2−メトキシエチル)アンモニウム(DEME・CL)水溶液を用いた以外は、実施例1と同様に電気透析及び後処理を行い、水酸化マグネシウムMg(OH)2を得た。結果を表1に示す。
電気透析D槽に0.25mol/LのFeSO4水溶液を用いた以外は、実施例1と同様に電気透析及び後処理を行い、水酸化鉄〔Fe(OH)2〕を得た。結果を表1に示す。
実施例3
電気透析D槽に0.25mol/LのCuSO4水溶液を用いた以外は、実施例1と同様に電気透析及び後処理を行い、水酸化銅〔Cu(OH)2〕を得た。結果を表1に示す。
実施例4
電気透析D槽に0.25mol/LのZnSO4水溶液を用いた以外は、実施例1と同様に電気透析及び後処理を行い、水酸化亜鉛〔Zn(OH)2〕を得た。結果を表1に示す。
実施例5
電気透析D槽に0.17mol/LのAlCl3水溶液を用いた以外は、実施例1と同様に電気透析及び後処理を行い、水酸化アルミニウム〔Al(OH)3〕を得た。結果を表1に示す。
実施例6
電気透析C槽に0.5mol/Lの塩化ジエチルメチル(2−メトキシエチル)アンモニウム(DEME・CL)水溶液を用いた以外は、実施例1と同様に電気透析及び後処理を行い、水酸化マグネシウムMg(OH)2を得た。結果を表1に示す。
本発明の方法によれば、塩及び/又は塩基からなる電解質溶液の電気透析処理を行うことにより、微粒子状の、特に平均粒径が0.5nm〜1μmの水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基を容易に高純度で製造することができる。
得られた水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基は、化粧品、触媒、電子材料、光学材料、複合材料等の分野に広く利用することができる。
得られた水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基は、化粧品、触媒、電子材料、光学材料、複合材料等の分野に広く利用することができる。
k 陽イオン交換膜
a 陰イオン交換膜
a 陰イオン交換膜
Claims (13)
- 陰イオン交換膜と陽イオン交換膜とを用いた電気透析処理により水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基を製造するに際し、アルカリ金属塩及び/又はアンモニウム塩の水溶液を濃縮室液として使用することを特徴とする微粒子状の水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基の製造方法。
- 濃縮室液が−10℃〜100℃の温度において導電性を有する液体である、請求項1に記載の微粒子状の水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基の製造方法。
- 濃縮室に生成する塩又は塩基の電気透析処理温度における濃縮室液に対する溶解度が、10g/100g以下である、請求項1又は2に記載の微粒子状の水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基の製造方法。
- アルカリ金属塩が塩化ナトリウムである、請求項1〜3のいずれかに記載の微粒子状の水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基の製造方法。
- アンモニウム塩が四級アンモニウム塩である、請求項1〜3記載の微粒子状の水不溶性又は水難溶性の塩基の製造方法。
- 四級アンモニウム塩が塩化ジエチルメチル(2−メトキシエチル)アンモニウムである、請求項5に記載の微粒子状の水不溶性又は水難溶性の塩基の製造方法。
- アンモニウム塩が塩化アンモニウムである、請求項1〜3のいずれかに記載の微粒子状の水不溶性又は水難溶性の塩の製造方法。
- 電気透析処理後の濃縮室液から、ろ過若しくは遠心分離及び/又は加熱により、塩又は塩基を分離する、請求項1〜5にいずれかに記載の微粒子状の水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基の製造方法。
- 濃縮室に生成する塩基が周期律表第2族、6〜14族の元素の水酸化物から選ばれる化合物である、請求項1〜6のいずれかに記載の微粒子状の水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基の製造方法。
- 濃縮室に生成する塩基がカルシウム、マグネシウム、鉄、銅、亜鉛、アルミニウム、コバルト、インジウム、ニッケル及び錫から選ばれる元素の水酸化物である、請求項7に記載の微粒子状の水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基の製造方法。
- 濃縮室に生成する塩が硝酸塩、亜硝酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、リン酸塩、炭酸塩及び酢酸塩から選ばれる化合物である、請求項1〜6のいずれかに記載の微粒子状の水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基の製造方法。
- 濃縮室に生成する塩が炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム及びリン酸カルシウムから選ばれる化合物である、請求項9に記載の微粒子状の水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基の製造方法。
- 微粒子状の水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基の平均粒径が0.5nm〜1μmである、請求項1〜10のいずれかに記載の微粒子状の水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基の製造方法。
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JP2006167405A JP2007332436A (ja) | 2006-06-16 | 2006-06-16 | 微粒子状の水不溶性又は水難溶性の塩又は塩基の製造方法。 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009148111A1 (ja) | 2008-06-05 | 2009-12-10 | 国立大学法人群馬大学 | 触媒及びその製造方法、膜電極接合体及びその製造方法、燃料電池部材及びその製造方法、燃料電池及び蓄電装置 |
-
2006
- 2006-06-16 JP JP2006167405A patent/JP2007332436A/ja active Pending
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WO2009148111A1 (ja) | 2008-06-05 | 2009-12-10 | 国立大学法人群馬大学 | 触媒及びその製造方法、膜電極接合体及びその製造方法、燃料電池部材及びその製造方法、燃料電池及び蓄電装置 |
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