JPWO2007040082A1 - 腎炎治療又は予防用医薬組成物及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明の腎炎治療用組成物は、トリプレニルフェノール化合物を有効成分とし、好ましくは下記一般式(I)で表されるトリプレニルフェノール化合物を有効成分とし、特に、下記一般式(I)においてn=3で示されるオルニプラビンを有効成分とすることが好ましい。【化1】(式中nは1〜10の整数を表す。)また、本発明の腎炎治療又は予防用医薬組成物の製造方法は、トリプレニルフェノール化合物を有効成分として使用することを含む。

Description

本発明は、腎炎治療又は予防用医薬組成物及びその製造方法に関する。
腎臓の疾患には大きく分けて腎炎と腎不全がある。腎炎は、腎臓における炎症のことである。腎炎には間質性腎炎や腎盂炎などが含まれるが、一般的には糸球体腎炎のことを指す。腎炎自体が原因で腎不全を引き起こすこともある。腎不全は腎機能の低下をきたす病態の総称であり、急性腎不全と慢性腎不全に大きく分けられる。ほとんどの糸球体腎炎の発症は、抗原抗体反応が基礎になっており、これが糸球体へのフィブリン沈着などの病理学的変化をもたらす。また腎障害、特に腎炎の進行に伴い、細胞外基質成分の沈着が観察され、不可逆的な組織学的変化と腎機能の低下に至る。
現在、腎炎の治療には抗炎症剤が用いられている。この抗炎症剤として、アスピリンやイブプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDs;non-steroidal anti-inflammatory drugs)が挙げられる。また腎疾患はその発症機序により細かく分類されるが、その多くで共通して見られるのは、異常な免疫反応による免疫複合体の沈着とそれに伴う補体や細胞性免疫の活性化である。これらの観点から、TGF−β産生阻害活性に基づくマクロライド化合物による腎炎治療剤や、免疫機能抑制剤なども開発されている(例えば、特許文献1及び2)。また、血行動態の変化に伴う高血糖や最終糖化産物の刺激、内皮細胞・メサンギウム細胞の刺激に対する応答(増殖、サイトカイン・ケモカイン・増殖因子の産生放出)による増殖が引き続いて起こることにより腎炎の増悪が生じる。さらに、糸球体硬化に進行する場合には、細胞外マトリックスの産生・沈着増加、MMPsやプラスミンの産生低下、tumor inhibitor of metalloprotease(TIMP)、PAI−1の産生増加がおこることがわかっている(例えば、非特許文献1)
一方、特定の糸状菌からビタミンEと類似構造を有するトリプレニルフェノール化合物が得られた。このトリプレニルフェノール化合物は、プラスミノーゲンと相互作用して、プラスミノーゲンのフィブリン結合とプラスミンへの活性化を促進することが明らかとなった(特許文献3〜5)。これにより、このトリプレニルフェノール化合物は、単独で又は既知の血栓融解剤と併用することによって、血栓の溶解を促進可能な血栓症の予防及び治療薬として使用できる。
特開2003−137791号公報 特開平06−316588号公報 特開2002−65288号公報 特開2003−88397号公報 特開2004−224737号公報 「糸球体障害進行のメカニズムと治療への展望」、医学のあゆみ、2004年、第209巻、第33−38頁
しかしながら、現在、腎炎の治療に用いられているNSAIDsにはシクロオキシゲナーゼの阻害活性があって、これが副作用を生じることがある、ということが知られている。このNSAIDsによる副作用としては、各種プロスタグランジンの合成を阻害することによる胃痛・頭痛などが挙げられる。またNSAIDsの腎に対する活性の強さによっては腎不全の原因ともなりうる。その一方で、トリプレニルフェノール化合物と腎炎との関係については何ら知られていない。
従って、本発明の目的は、副作用が少なく腎炎治療又は予防効果の高い腎炎治療又は予防用医薬組成物及びその製造方法を提供することである。
本発明の腎炎治療又は予防用医薬組成物は、トリプレニルフェノール化合物を有効成分として含むものである。
また、本発明の腎炎治療又は予防用医薬組成物の製造方法は、トリプレニルフェノール化合物を有効成分として使用することを含むものである。
ここで前記医薬組成物及びその製造方法において、前記トリプレフェノール化合物は、下記一般式(I)、一般式(II)及び式(III)で表される化合物からなる群より選択された少なくとも1つであることが好ましい。
式中nは1〜10の整数を表し、Rは、以下に示すものである。
また、上記トリプレニルフェノール化合物は、糸状菌に由来するものであることが好ましい。
本発明の腎炎治療又は予防用医薬組成物では、トリプレニルフェノール化合物、好ましくは上記一般式(I)、一般式(II)及び式(III)で表される化合物からなる群より選択された少なくとも1つのトリプレニルフェノール化合物を有効成分として含むものである。
本発明によれば、副作用が少なく、腎炎治療又は予防効果の高い腎炎治療又は予防用医薬組成物及びその製造方法を提供することができる。
本発明の実施例にかかる尿タンパク量に対するオルニプラビン投与の効果を示すグラフである。 本発明の実施例にかかる血中過酸化脂質量に対するオルニプラビン投与の効果を示すグラフである。 本発明の実施例にかかる肝臓質量に対するオルニプラビン投与の効果を示すグラフである。 本発明の実施例にかかる腎臓質量に対するオルニプラビン投与の効果を示すグラフである。 本発明の実施例にかかる血漿成分濃度に対するオルニプラビン投与の効果を示すグラフである。 本発明の実施例にかかる他の血漿成分濃度に対するオルニプラビン投与の効果を示すグラフである。 本発明の実施例にかかる他の血漿成分濃度に対するオルニプラビン投与の効果を示すグラフである。 本発明の実施例にかかる他の血漿成分濃度に対するオルニプラビン投与の効果を示すグラフである。 本発明の実施例にかかる正常群の糸球体の正常部位を示すPAS染色像である。 本発明の実施例にかかる対照群の糸球体の腎炎病変部位を示すPAS染色像である。 本発明の実施例にかかるオルニプラビン投与群の糸球体の腎炎病変部位を示すPAS染色像である。 本発明の実施例にかかる対照群の尿細管の腎炎病変部位を示すPAS染色像である。 図10Aの拡大図である。 本発明の実施例にかかるオルニプラビン投与群の尿細管の腎炎病変部位を示すPAS染色像である。 本発明の実施例にかかる腎炎スコアに基づくオルニプラビン投与の効果を示すグラフである。
本発明の腎炎治療又は予防用医薬組成物は、トリプレニルフェノール化合物、特に、下記一般式(I)、一般式(II)及び式(III)で表される化合物からなる群より選択された少なくとも1つのトリプレニルフェノール化合物を有効成分として含むものである。
ここで一般式(I)中、nは、1〜10の整数を表す。
また一般式(II)中、Rは、以下に示すものである。
上記トリプレニルフェノール化合物のうち、腎炎の治療効果及びプラスミノーゲン活性化促進作用の観点から、一般式(I)[式中n=2〜7]及び下記の化合物からなる群から選択された少なくとも1つであることが好ましい。
特に一般式(I)で表されるトリプレニルフェノール化合物では、式中n=2〜4であるものが腎炎の治療効果及びプラスミノーゲン活性化促進作用が強いため更に好ましく、特に下記に示されるn=3の化合物は、オルニプラビンと呼ばれる化合物であるが、これは、腎炎に対する抑制効果が更に高く、特に好ましい。
ほとんどの糸球体腎炎は、抗原抗体反応が基礎となって発症し、この抗原抗体反応が、糸球体へのフィブリン沈着等の病理学的変化をもたらす。また腎炎の進行に伴い細胞外基質成分の沈着が観察され、その後、不可逆的な組織学的変化と腎機能の低下に至る。
本発明にかかるトリプレニルフェノール化合物は、線溶反応促進作用を有し、副作用が少ない化合物として知られていたが、線溶反応促進の結果、抗腎基底膜抗体自体又は抗腎基底膜抗体に対する宿主の免疫複合体を分解する過程、あるいは局所的な組織のタンパク質分解も、本トリプレニルフェノール化合物によって促進されることが本発明によって見出された。
従って、上記一般式で表されるトリプレニルフェノール化合物を有効成分とする医薬組成物を用いることによって、腎炎を予防し、又は治療することができる。
本発明の医薬組成物では、上記一般式(I)〜(III)のトリプレニルフェノール化合物のいずれか1種であってもよく、これら2種以上を組み合わせて使用しているものであってもよい。また、単一の化合物を含むものであってもよく、複数の化合物が混合しているものであってもよい。
本発明にかかるトリプレニルフェノール化合物は、有機化学合成手法によって得てもよく、例えば、同様のプレニルフェノール単位を有する化合物から誘導することもできる。
また本発明にかかるトリプレニルフェノール化合物を、糸状菌を培養して、その代謝物として培養物から得ることが好ましい。本発明のトリプレニルフェノール化合物を糸状菌から得る方法は、例えば、特開2002−65288号公報及び特開2004−224737号公報等に詳細に記載されている。
即ち、本発明にかかる医薬組成物の好ましい製造方法は、糸状菌を液体培地中で培養すること、培養物から本発明のトリプレニルフェノール化合物を抽出すること、抽出したトリプレニルフェノール化合物を医薬組成物の有効成分として使用することを含む。
糸状菌の培養物から本発明にかかるトリプレニルフェノール化合物を得るには、通常、この用途に用いられる抽出方法をそのまま適用すればよい。この抽出方法としては、酢酸エチル、2−ブタノン等を用いる液液分配法、培養液濾液をリン酸、塩酸等でpH3程度に調整することによる沈殿形成、培養濾液を疎水性吸着樹脂に接触させることによる吸着法などが利用できる。
本発明にかかるトリプレニルフェノール化合物を生成するために使用される糸状菌としては、スタキボトリス属を選択することができ、好ましくはスタキボトリス属の糸状菌が選択される。特に好ましい生産菌は、スタキボトリス・ミクロスポラ(Stachybotrys microspora)などであり、より好ましくはスタキボトリス・ミクロスポラ(S. microspora)IFO30018株であるが、本発明は、この菌に限定されるものではない。
基本培地は、以下組成を示すA培地が好ましいが、本発明はこの組成の培地に限定されるものではない。A培地:グルコース20g、ペプトン5g、酵母エキス3g、リン酸二カリウム3g、硫酸マグネシウム7水和物1gを1リットルの精製水に溶解し、塩酸あるいは水酸化ナトリウムでpHを5.5に調整する。
培地組成については、目的とするトリプレニルフェノール化合物の構造に応じて、適切なアミノ酸、アミノアルコール又はアミンを培地に添加することが、好ましい。例えば、オルニプラビンを得るにはL−オルニチンを、一般式(I)の化合物又は(II)の化合物を得るにはそれぞれ下記一般式(IV)又は(V)の化合物(式中Rは前と同じである)を培地に添加すればよい。また式(III)の化合物を得るにはL−シスチン又はL−システイン、特にL−シスチンを培地に添加すればよい。このように、適切な化合物をそれぞれ培地に添加することにより、本発明のトリプレニルフェノール化合物を選択的に生産することができる。
アミノ酸あるいはアミノアルコールの添加濃度は、0.5から2mg/mlが望ましいが、本発明はこの濃度に限定されるものではない。アミノ酸あるいはアミノアルコールの添加時期は、培養直後から培養3日目までが望ましい。培養温度は25℃が最適であるが、この温度に限定されるものではない。培養時間は、アミノ酸あるいはアミノアルコール添加後3から6日とすることができ、この結果、トリプレニルフェノール化合物を充分な生産量で得ることができる。通気攪拌条件としては、500ml容の三角フラスコに100mlのA培地を入れ、適当な通気栓をした場合、180rpmの旋回培養することによって実現される条件が適当である。ジャーファーメンターを用いる場合には、前記の通気栓をしたときの通気攪拌条件と同等の条件が望ましい。
本発明におけるトリプレニルフェノール化合物は、遊離形態、薬学的に許容され得る塩若しくはエステルの形態、又は溶媒和物の形態で用いることができる。その場合には、本医薬組成物の製造方法は、それぞれの形態とするための加工工程を含むことができる。
塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、またはクエン酸、ギ酸、フマール酸、リンゴ酸、酢酸、コハク酸、酒石酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等を例示することができる無機酸または有機酸が、本発明におけるオルニプラビンの薬学的に許容され得る塩の形成に好適である。また、例えばナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属を含む化合物と、塩基性アミンと、塩基性アミノ酸とからなる群より選択された少なくともひとつの化合物も、このような薬学的に許容され得る塩の形成に好適である。本発明においてトリプレニルフェノール化合物の塩を形成する場合には、例えば、上述した無機酸若しくは有機酸、又は各化合物とトリプレニルフェノール化合物とを質量比で1:10〜1:1で混合すればよいが、これに限定されない。
また、1〜10個の炭素数を有するアルコール及びカルボン酸などの化合物からなる群より選択された少なくともひとつの化合物、好ましくは、メチルアルコール、エチルアルコール、酢酸、およびプロピオン酸などの化合物が、本発明の化合物の薬学的に許容され得るエステルの形成に好適である。本発明においてトリプレニルフェノール化合物のエステル化物を形成する場合には、例えば、上述したアルコール及びカルボン酸とトリプレニルフェノール化合物とを質量比で1:1〜10:1で混合すればよいが、これに限定されない。
また、水などが、本発明の化合物の薬学的に許容され得る溶媒和の形成に好適である。本発明においてトリプレニルフェノール化合物の溶媒和物は、例えば、トリプレニルフェノール化合物を、1mg/ml〜100mg/mlの濃度で溶解させればよいが、これに限定されない。
本発明の治療又は予防用医薬組成物は、経口的あるいは非経口的に投与することができ、例えば、本医薬組成物を腎臓へ直接的にデリバリー可能な腹腔投与も有効な経路である。
また、本発明の治療用又は予防用医薬組成物は、選択された投与形態に併せて剤型を変更することができる。経口投与に適する本組成物の形態の例としては、錠剤、カプセル剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、液剤又はシロップ剤等を挙げることができ、非経口投与に適する本組成物の形態のとしては、注射剤、点滴剤、坐剤、吸入剤、貼付剤等を挙げることができる。
本トリプレニルフェノール化合物の投与量は特に制限されないが、投与形態、年齢、体重、症状に応じて適宜選択すればよい。例えば静脈内投与の場合には、成人1日当り有効成分量として1から50mg/kgが望ましく、また腹腔内投与の場合には、成人1日当り有効成分量として1から50mg/kg、好ましくは5〜15mg/kg、特に10mg/kgの投与が望ましい。経口投与の場合には、成人1日当り有効成分量として2から200mg/kgの投与が望ましい。投与期間は、年齢、症状に応じて任意に定めることができる。また、本発明の治療用又は予防用医薬組成物におけるトリプレニルフェノール化合物の配合量は、本明細書中で記載された投与後の有効成分量に適合するように、組成物の剤型に合わせて適宜変更することができる。
また、本発明の治療又は予防用医薬組成物は、その剤型に合わせて医薬的に許容可能な担体を含むものであってもよい。このような担体としては、この用途に一般に使用される各種有機あるいは無機担体物質が挙げられる。また、固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤;液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤等が挙げられる。また、必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、吸着剤、湿潤剤等、この用途に通常用いられる添加物を含んでもよい。
本発明の腎炎治療又は予防用医薬組成物は、間質性腎炎、腎盂腎炎、糸球体型腎炎からなる群より選択された腎炎だけでなく、これらの腎炎に起因した腎臓の機能障害に対して広く用いることができる。この腎炎に起因した腎臓の機能障害としては、例えば、これらの腎炎に起因した急性腎不全及び慢性腎不全などを挙げることができる。
なお、本発明における腎炎治療用医薬組成物とは、腎炎による症状が見出されている場合に、このような症状の進行を抑制し、又は緩和するために用いられる医薬組成物をいう。一方、腎炎予防用医薬組成物とは、腎炎による症状の発症が予期される場合に、予め投与してその発症を抑制するために用いられる医薬組成物をいう。ただし、使用時期又は使用の際の症状によっては複合的に用いられ、限定的に解釈されない。
以下に本発明の実施例について、オルニプラビンを例に説明するが、これに限定されるものではない。また実施例中の%は、特に断らない限り、重量(質量)基準である。
[実施例1]
[1]オルニプラビンの合成
オルニプラビンは、特開2004−224737号公報に記載されたようにして得た。即ち、S. microspora IFO 30018の斜面培養のループフル(loopful)を、3%グルコース、1%大豆粉、0.3%ペプトン、0.3%肉エキス、0.3%酵母エキス、0.05%KH2PO4、0.05%MgSO4・7H2O、及び0.01%CB442(消泡剤、日本油脂(日本))からなる培地100mlを含む500ml三角フラスコに播種した。そのフラスコを、180rpmのロータリーシェーカーで、25℃で3日間インキュベートした。このインキュベートによって得られた培養物を種培養物とした。この種培養物のうちの1mlを、2%グルコース、0.5%ペプトン、0.3%酵母エキス、0.3%KH2PO4、0.1%MgSO4・7H2O、アミノ酸としてオルニチン100mg、及び0.01%CB442(pH5.5)からなる培地100mlを含む500ml三角フラスコに播種し、そのフラスコを4〜6日間上記と同様にインキュベートした。
培養物の上清を2−ブタノンで抽出した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発乾固した。得られた油状残渣を、MeOHで約100mg/mlに溶解して、LiChrolut(登録商標)RP−18固相抽出カラムに通して、Inertsil PREP−ODSカラム(30×250mm;GGLサイエンス(日本、東京))での分取HPLCに供試した。80%の水性MeOH中の50mM酢酸アンモニウムを用いて、そのカラムを40℃で25ml/分の速度で展開し、保持時間34〜39分で溶出された分画から、本実施例にかかるオルニプラビンを得た。
[実施例2]
[1]尿タンパク量、血中過酸化脂質量及び臓器肥大に対するオルニプラビンの影響
3週齢のオスのウィスターラット(チャールス・リバー社)を、6日間ペレット飼料(CE−2、日本クレア社)を与えて飼育した後、20%カゼイン食に代えて5日間飼育してから実験に用いた。飼育環境としては、温度約22℃、相対湿度60±5℃、8時から20時までの照明時間を用いた。
ここで用いた20%カゼイン食の組成は以下の通りである。
抗ラット糸球体基底膜ウサギ血清を0.6ml尾静脈内投与し、翌日更にウサギγ−グロブリン(シグマ社製)と8mg/0.2mlフロイント完全アジュバンド(和光純薬工業)を、後脚の肉趾内に皮下投与して、腎炎を惹起した(腎炎モデルラット)。
次に、抗血清注射開始日より、体重と食下量の測定を毎朝行うと共に、尿タンパク量の測定を二日に一度、24時間尿を用いて行った。つまり、前日午前9時より当日午前9時までの尿をフラスコに回収し、市販のタンパク質測定用キット(Bio-Rad Protein Assay;バイオラド社製)を用いて行った(Biosci. Biothchnol. Biochem., 65, 1155-1162 (2001) 参照)。
抗血清注入後3日目における尿タンパク量を測定し、測定値に基づいてラットの群分けを行った。オルニプラビン投与群には、以後、毎日5mg/kgの濃度となるようにオルニプラビン溶液を腹腔内投与した。対照群には投与操作は行わなかった。腎炎惹起後14日目に各群のラットの解剖を行い、血液・肝臓・腎臓を採取し、質量を測定した。また、血液の一部を市販の測定用キット(和光純薬工業社製)を用いて、過酸化脂質濃度を測定した。未処理群を正常群(normal)とし、腎炎惹起群を対照群(control)とし、オルニプラビン投与群をSMTPと表記した。二群間の有意差検定は有意水準を0.05として、スチューデントのt検定を行った。三群間の有意差検定はチューキーの多重比較法により行った。尿タンパク量、臓器重量のデータは、体重100gあたりに対する大きさを指標として扱った。
結果を図1〜4に示す。なお図1〜4において「*」はコントロール群と有意差があることを示している(p<0.05)。
図1〜4に示されるようにオルニプラビンを腎炎モデルラットの投与することによって、尿タンパク量の低下(図1)、血中過酸化脂質濃度の低下(図2)、肝臓(図3)及び腎臓(図4)の肥大の抑制が認められ、オルニプラビンに腎炎抑制効果があることが示された。特に、尿タンパク量については、実験当初ではその変動が小さかったにもかかわらず、オルニプラビンの投与を続けるにつれてコントロール群と投与群との差が大きくなっていた。これに対して体重の増加や摂餌量への影響は認められなかった(データ示さず)。これらのことは、腎炎からの復帰をオルニプラビンが促進したことを示唆している。
[2]血漿成分におけるオルニプラビン投与の影響
次に、各種血漿成分濃度を測定して、血漿成分におけるオルニプラビン投与の影響を調べた(正常群n=6、対照群n=10、投与群n=6)。血漿成分としては、次のものを測定した:乳酸デヒドロゲナーゼ(LD;ピュアオートS LD)、アスパラギンアミノトランスフェラーゼ(AST;オートセラS AST)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT;オートセラS ALT)、クレアチンリン酸キナーゼ(CPK;ピュアオートS CK)、アルカリフォスファターゼ(ALP;オートセラS ALP)、γ−グルタミルトランスペプチダーゼ(γ−GTP;ピュアオートSγ−GT)、総ビリルビン(BIL;オートセラ BIL−2)、グルコース(GLU;ピュアオートS GLU−R)、トリグリセリド(TG;オートセラS TG−N)、総コレステロール量(T−CHO;コレテスト CHO)、リン脂質(PL;ピュアオートS PL)、総タンパク質(TP;オートセラ TP)、尿素窒素(UN;ピュアオートS UN)、アルブミン(ALB;オートセラ ALB)、カルシウム(CA;オートセラ CA)、無機リン酸(IP;クリニメイト IP−2)[以上、第一化学薬品社製]、クレアチニン(CRE−S;アキュラスオート CRE、シノテスト社製)、アセト酢酸(ACAC;ケトンテストA三和リキッド、三和科学研究所製)、3−ヒドロキシ酪酸(OHBA;ケトンテストB三和リキッド、三和科学研究所製)。遊離脂肪酸(NEFA)はオートセラR NEFA(第一化学薬品)、またHDLコレステロール(HDL)はコレストR N HDL(第一化学薬品)を用いてそれぞれ測定した。なお、測定には、HITACHI自動分析装置7180(日立製作所製)を用いた。
正常群の測定結果の平均を1として、対照群及びオルニプラビン投与群との比較結果を図5〜8に示す。
なお、図中「*」及び「**」は、各群間でそれぞれ危険率0.05未満、0.01未満の有意水準であることを示す。
LD、AST、ALT、CPK、ALP及びγ−GTPについては、γ−GTPを除き、腎炎を惹起した群(対照群:control)では、正常動物と比較してそれぞれの血漿中濃度が低下していた(図5参照)。腎炎惹起後にオルニプラビン(SMTP−7)を投与した動物群(オルニプラビン投与群:SMTP)では、対照群との間にこれらの値の有意な差は認められなかった。これに対してTG、T−CHO、NEFA、PL及びHDLについては、遊離脂肪酸(NEFA)を除いて、腎炎の惹起によって、それぞれの血漿中濃度が上昇することが示された。オルニプラビンの投与により、TGは有意に減少し、T−CHO、PL、HDLも減少傾向となった。このことは、オルニプラビンを投与することによって、各因子の血中放出が、ある程度緩和される傾向が示された(図6参照)。特に、トリグリセリドについては、オルニプラビンの投与によって正常値に戻ることが示唆された。これらの結果から、オルニプラビンには、脂質やコレステロールに関しては血漿中濃度を低下させる作用があることが示された。
一方、BIL、GLU、CA、IP、ACAC及びOHBAについては、ACAC(アセト酢酸)を除き、腎炎の惹起によりそれぞれの血漿中濃度が低下する傾向があったが、オルニプラビン投与によってこの血漿中濃度の低下が妨げられる又は回復させることが示唆された。
ACACについては、オルニプラビン投与群では、対照群よりも血漿中濃度が低く、一方、OHBAの血漿中濃度はオルニプラビン投与群の方が対照群よりも高くなっていた。これらの二成分は肝臓中で互いに変換されて血中に放出される成分であり、個体毎に見ても、アセト酢酸が高い物はヒドロキシ酪酸が低くなっていた。
UN、ALB及びCRE−Sについては、対照群とオルニプラビン投与での有意差がほとんど認められなかったが、TP(総タンパク質)については、オルニプラビンの投与によって正常値と同じ濃度まで回復させることができた(図8参照)。
これらの結果から、オルニプラビンは、腎炎に由来する高脂血症を抑制し、カルシウムなどの無機物の再吸収低下の障害を治療できることが示された。
[3]組織切片による観察
切片標本は各群より尿タンパクの変動を基準に選んだ3頭より作製した。腎臓組織切片に対し、過ヨウ素酸シッフ(periodic acid schiff:PAS)染色を行った。
PAS染色の手順は以下の通りに行った。試料を薄切し、脱パラフィン後に水洗し、1%過ヨウ素酸水溶液に10分間浸した後、更に水洗した。得られた組織切片を、シッフ試薬に10〜15分浸し、3つの染色バットに3分間ずつ合計9分間洗い、水洗した。次いで、ヘマトキシリンで1分染色し、温水洗10分、脱水、透徹、封入を行った。
組織の観察は200倍の倍率において、腎糸球体について行った。結果を図9及び図10に示す。なお、図中のバーは、50μm相当を示す。
図9に示されるように、対照群(図9B)では、顕著な半月体形成のほか、メサンギウム増殖など典型的な抗糸球体型腎炎の症状が観察されたのに対して、オルニプラビン投与群(図9C)では、同様の症状が観察されるものの、半月体形成のレベルは低く、メサンギウムの増殖についてはほとんど観察されなかった。また図10に示されるように、個体によっては近位尿細管の組織が異常に肥大しているものが散見された(図10A及び図10B)が、このような症状はオルニプラビン投与群では観察されなかった。これらの症状は正常群の組織(図9A)ではほとんど観察されなかった。
また、各群の3サンプルについてサンプル毎に50個の糸球体を観察して、その障害のレベルによりランク分けを行った。ランクは、異常のないもの(ランク1)から、最も病変が進んでいるもの(ランク5)まで、病変の度合いによって5つとし、スコアをつけて、平均値をその標本のスコアとした(腎炎スコア)。結果を図11に示す。なお、図11において**は有意差があることを示す(p<0.01)。
図11に示されるように、対照群が3.80±0.13に対して、オルニプラビン投与群(SMTP)では2.77±0.04となり、統計的に有意にスコアを下げることができた。
以上の結果は、オルニプラビンに腎炎抑制作用があることを示唆している。
これらの実施例において、オルニプラビン投与は、体重増加、摂餌量に影響を与えずに、尿タンパク量、血中過酸化脂質及びトリグリセライドレベルを低下させ、ビリルビン、無機リン酸、総タンパク量を正常値まで回復させた。また、腎炎惹起によって腎臓及び肝臓の質量が増加するが、オルニプラビンの投与によって、これらの質量を低下させる傾向を示した。対照群で見られる半月体形成や、メサンギウム増殖を特徴とする管外増殖性糸球体腎炎が、オルニプラビン投与により抑制された。更に、糸球体の病変に関する観察では、オルニプラビン投与群では有意に腎炎スコアを下げた。
このように、トリプレニルフェノール化合物を有効成分とする本発明の医薬組成物は、腎炎の予防・治療に有効であることは明らかである。
日本出願2005−293911号の開示は、その全体を援用によって本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載されたすべての文献、特許出願及び技術規格は、個々の文献、特許出願及び技術規格が援用により取り込まれることが具体的且つ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に援用により取り込まれる。

【0002】
、プラスミノーゲンのフィブリン結合とプラスミンへの活性化を促進することが明らかとなった(特許文献3〜5)。これにより、このトリプレニルフェノール化合物は、単独で又は既知の血栓融解剤と併用することによって、血栓の溶解を促進可能な血栓症の予防及び治療薬として使用できる。
特許文献1:特開2003−137791号公報
特許文献2:特開平06−316588号公報
特許文献3:特開2002−65288号公報
特許文献4:特開2003−88397号公報
特許文献5:特開2004−224737号公報
非特許文献1:「糸球体障害進行のメカニズムと治療への展望」、医学のあゆみ、2004年、第209巻、第33−38頁
発明の開示
発明が解決しようとする課題
[0005]
しかしながら、現在、腎炎の治療に用いられているNSAIDsにはシクロオキシゲナーゼの阻害活性があって、これが副作用を生じることがある、ということが知られている。このNSAIDsによる副作用としては、各種プロスタグランジンの合成を阻害することによる胃痛・頭痛などが挙げられる。またNSAIDsの腎に対する活性の強さによっては腎不全の原因ともなりうる。その一方で、トリプレニルフェノール化合物と腎炎との関係については何ら知られていない。
従って、本発明の目的は、副作用が少なく腎炎治療又は予防効果の高い腎炎治療又は予防用医薬組成物及びその製造方法を提供することである。
課題を解決するための手段
[0006]
本発明の腎炎治療又は予防用医薬組成物は、下記一般式(I)、一般式(II)及び式(III)で表される化合物からなる群より選択された少なくとも1つであるトリプレニルフェノール化合物を有効成分として含むものである。
また、本発明の腎炎治療又は予防用医薬組成物の製造方法は、下記一般式(I)、一般式(II)及び式(III)で表される化合物からなる群より選択された少なくとも1つであるトリプレニルフェノール化合物を有効成分として使用することを含む
【0003】
ものである。
[0007]
[化1]
[0008]
式中nは1〜10の整数を表し、Rは、以下に示すものである。
[0009]
[化2]
[0010]
また、上記トリプレニルフェノール化合物は、糸状菌に由来するものであることが好ましい。
[0011]
【0004】
発明の効果
[0012]
本発明によれば、副作用が少なく、腎炎治療又は予防効果の高い腎炎治療又は予防用医薬組成物及びその製造方法を提供することができる。
図面の簡単な説明
[0013]
[図1]本発明の実施例にかかる尿タンパク量に対するオルニプラビン投与の効果を示すグラフである。
[図2]本発明の実施例にかかる血中過酸化脂質量に対するオルニプラビン投与の効果を示すグラフである。
[図3]本発明の実施例にかかる肝臓質量に対するオルニプラビン投与の効果を示すグラフである。
[図4]本発明の実施例にかかる腎臓質量に対するオルニプラビン投与の効果を示すグラフである。
[図5]本発明の実施例にかかる血漿成分濃度に対するオルニプラビン投与の効果を示すグラフである。
[図6]本発明の実施例にかかる他の血漿成分濃度に対するオルニプラビン投与の効果を示すグラフである。
[図7]本発明の実施例にかかる他の血漿成分濃度に対するオルニプラビン投与の効果を示すグラフである。
[図8]本発明の実施例にかかる他の血漿成分濃度に対するオルニプラビン投与の効果を示すグラフである。
[図9A]本発明の実施例にかかる正常群の糸球体の正常部位を示すPAS染色像である。
[図9B]本発明の実施例にかかる対照群の糸球体の腎炎病変部位を示すPAS染色像である。
[図9C]本発明の実施例にかかるオルニプラビン投与群の糸球体の腎炎病変部位を示すPAS染色像である。

Claims (20)

  1. トリプレニルフェノール化合物を有効成分として含む腎炎治療又は予防用医薬組成物。
  2. 前記トリプレニルフェノール化合物が、下記一般式(I)、一般式(II)及び式(III)で表される化合物からなる群より選択された少なくとも1つである請求項1記載の腎炎治療又は予防用医薬組成物。
    (式中nは1〜10の整数を表し、Rは、以下に示すものである。)
  3. 前記トリプレニルフェノール化合物が、前記一般式(I)で表される化合物である請求項1記載の腎炎治療又は予防用医薬組成物。
  4. 前記一般式(I)中、nが2〜7である請求項2又は3記載の腎炎治療又は予防用医薬組成物。
  5. 前記トリプレニルフェノール化合物が、下記の少なくともいずれか一方である請求項1記載の腎炎治療又は予防用医薬組成物。
  6. 前記トリプレニルフェノール化合物が、下記式で表される化合物である請求項1記載の腎炎治療又は予防用医薬組成物。
  7. 前記トリプレニルフェノール化合物が、無機酸、有機酸、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属を含む化合物、塩基性アミン及び塩基性アミノ酸からなる群より選択された少なくともひとつの化合物を用いて得られた薬学的に許容なトリプレニルフェノール化合物である請求項1記載の腎炎治療又は予防用医薬組成物。
  8. 前記トリプレニルフェノール化合物が、炭素数1〜10個のアルコール及びカルボン酸から選択された少なくともひとつの化合物を用いて得られたトリプレニルフェノール化合物のエステル化物である請求項1記載の腎炎治療又は予防用医薬組成物。
  9. 前記トリプレニルフェノール化合物が、水との溶媒和物である請求項1記載の腎炎治療又は予防用医薬組成物。
  10. 腎炎治療又は予防用医薬組成物の製造方法であって、
    トリプレニルフェノール化合物を有効成分として使用することを含む当該製造方法。
  11. 前記トリプレニルフェノール化合物が、下記一般式(I)、一般式(II)及び式(III)で表される化合物からなる群より選択された少なくとも1つである請求項10記載の製造方法。
    (式中nは1〜10の整数を表し、Rは、以下に示すものである。)
  12. 前記トリプレニルフェノール化合物が、下記の少なくともいずれか一方である請求項10記載の製造方法。
  13. 前記トリプレニルフェノール化合物が、下記式で表される化合物である請求項10記載の製造方法。
  14. 糸状菌を液体培地中で培養すること、培養物から前記トリプレニルフェノール化合物を抽出することを更に含む請求項10〜12のいずれか1項記載の製造方法。
  15. 前記糸状菌がスタキボトリス・ミクロスポラIFO30018である請求項13記載の製造方法。
  16. 前記糸状菌を、アミノ酸、アミノアルコール及びアミンからなる群より選択された少なくともひとつを添加した培地で培養することを含む請求項13記載の製造方法。
  17. 前記アミノ酸、アミノアルコール及びアミンからなる群より選択された少なくともひとつが、培養直後から培養3日目までに前記培地に添加される請求項15記載の製造方法。
  18. 前記アミノ酸及びアミノアルコールからなる群より選択された少なくともひとつが、0.5〜2mg/mlの添加量で培地に添加される請求項15又は16記載の製造方法。
  19. 前記アミノ酸及びアミノアルコールからなる群より選択された少なくともひとつが、L−オルニチン、下記の一般式(IV)で表される化合物及び下記一般式(V)で表される化合物からなる群より選択された少なくともひとつである請求項15記載の製造方法。
  20. 腎炎治療又は予防用医薬組成物の製造方法であって、
    スタキボトリス・ミクロスポラIFO30018を液体培地中で培養すること、
    培養直後から培養3日までにL−オルニチンを前記培地に添加し、添加後の培地で培養を行うこと、
    培養後の培養物から下記式で表されるトリプレニルフェノール化合物を抽出すること、
    抽出したトリプレニルフェノール化合物を、前記医薬組成物の有効成分として使用すること、
    を含む製造方法。
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