JPWO2007032459A1 - 発酵乳の食感改良方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、硬度や風味に優れた発酵乳やその製造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 上記の課題は、α−ラクトアルブミンを乳原料混合物に0.3重量%以上加えたヨーグルトミックス、α−ラクトアルブミンがタンパク質中の60重量%以上含まれるホエータンパク質濃縮物を含むヨーグルトミックス、β−ラクトグロブリンを乳原料混合物に0.4重量%以上加えたヨーグルトミックス、又はβ−ラクトグロブリンがタンパク質中の65重量%以上含まれるホエータンパク質濃縮物を含むヨーグルトミックスを用いる発酵乳の製造方法により解決される。 【選択図】 なし

Description

本発明は、発酵乳の製造方法などに関する。より詳しく説明すると、本発明は、α−ラクトアルブミン、β−ラクトグロブリン又はそれらが多く含まれるホエータンパク質濃縮物を用いた発酵乳の製造方法や、その製造方法により製造される発酵乳などに関する。
発酵乳は一般的に、セットタイプヨーグルト(固形状発酵乳)、ソフトヨーグルト(糊状発酵乳)、ドリンクヨーグルト(液状発酵乳)に分類される。特に、セットタイプヨーグルトにおいて、流通過程で衝撃を受けた際に形が崩れることのない強固な組織を得ることは、発酵乳の商品価値を高める上で重要である。このような観点から、発酵乳を製造する過程で、ホエータンパク質濃縮物(WPC)やホエータンパク単離物(WPI)などのホエータンパク質を原料に添加することが知られている。
たとえば、特開平9−94059号公報(下記特許文献1)には、ヨーグルトの製造過程で、原料乳に部分加熱変性ホエータンパク質を添加することにより、振動に対して安定なヨーグルトを製造する方法が開示されている。
また、特開2004−283047号公報(下記特許文献2)には、熱凝固性を有するホエータンパク質と乳ペプチドを用いてヨーグルトを製造することで、高い保形性を有するヨーグルトを製造でき、製品の搬送時の揺れによるカードの崩れを防止できることが開示されている。
しかし、特開2004−283047号公報(下記特許文献2)の段落[0006]に記載されるとおり、十分な硬さ(硬度)を有する発酵乳を得るためには、ホエータンパク質を大量に添加する必要がある。そして、ホエータンパク質を大量に添加すると、生乳以外の成分が増えることになるので、ヨーグルトの風味や食感が著しく低下するという問題がある。
発酵乳の硬度は、殺菌工程における殺菌条件の影響も受ける。従来の発酵乳の製造方法では、高温短時間殺菌処理(HTST)を経なければならず、超高温殺菌処理(UHT)を行うと、得られる発酵乳の硬度が著しく低下するという問題があった。このような観点から、発酵乳を製造する際にHTSTが採用されていた。しかし、HTSTは、長時間発酵を行う発酵乳の製造には適していないという欠点がある。長時間発酵を行う場合、HTSTでは死滅させることが不可能な耐熱性菌(芽胞菌など)が発酵中に増殖するので、風味が劣化するという問題や、品質が悪くなるという問題があった。
特開平9−94059号公報 特開2004−283047号公報
本発明は、一定の硬さを得ることができる発酵乳の新しい製造方法を提供することを目的とする。特に、本発明は、超高温殺菌処理(UHT)を施しても、硬度を維持できる発酵乳の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、硬度を維持しつつホエータンパク質濃縮物の使用量を軽減できる発酵乳の製造方法を提供することを、上記とは別の目的とする。
本発明は、硬度又は風味に優れた新規組成を有する発酵乳(特にセットタイプヨーグルト)を提供することを、上記とは別の目的とする。
本発明の第一の側面に係る発酵乳の製造方法は、基本的には、α−ラクトアルブミン(α−La)が多く含まれる原料か、又はα−Laが多く含まれるWPCを原料に用いることで、硬度又は風味に優れた発酵乳を製造できるという知見や、α−Laを所定量含むヨーグルトミックスを用いた場合、超高温殺菌処理(UHT)を施した方が、高温短時間殺菌(HTST)処理を用いるよりも高い硬度を有する発酵乳を製造できるという知見に基づくものである。
本発明の第一の側面に係る発酵乳の製造方法は、具体的には、α−ラクトアルブミンが、総重量のうち0.3重量%以上含まれるヨーグルトミックスを用いる発酵乳の製造方法などに関する。そして、ヨーグルトミックス以外については、公知の発酵乳の製造方法における工程を適宜採用すればよい。後述する実施例4などにおいて実証されたとおり、α−ラクトアルブミンが多く含まれるヨーグルトミックス(発酵乳ミックス)を用いることで、理想的な硬度を有する発酵乳を製造できる。また、実施例3及び実施例4で実証されたとおり、α−ラクトアルブミンを所定量含むヨーグルトミックスを用いた場合、あえて超高温殺菌処理を施した方が、得られる発酵乳の硬度が高くなる。さらに、実施例5で実証されたとおり、超高温殺菌処理したα−ラクトアルブミンが含まれるヨーグルトミックスを用いても、好ましい硬度を有する発酵乳を得ることができる。
本発明の第一の側面に係る発酵乳の製造方法により製造された発酵乳は、好ましい硬度を有し、生乳以外の成分も比較的少ないので、風味を損なわず、良好な発酵乳である。また、UHTを施して製造された発酵乳は、高い硬度を有しつつ、一般細菌だけでなく耐熱性菌(芽胞菌など)が増殖する事態を効果的に防止でき、風味を損なわず、又品質の高い発酵乳である。本発明の第一の側面に係る発酵乳の製造方法により製造された発酵乳は、具体的には、α−ラクトアルブミンが0.3重量%以上含まれる発酵乳である。
本発明の第二の側面に係る発酵乳の製造方法は、基本的には、β−ラクトグロブリン(β−Lg)を添加したヨーグルトミックスか、又はβ−Lgが多く含まれるホエータンパク質濃縮物(WPC)を含むヨーグルトミックスを用いることで、効果的に硬度が高い発酵乳を製造できるという知見に基づくものである。
本発明の第二の側面に係る発酵乳の製造方法は、具体的には、総タンパク質中、β−ラクトグロブリンを65重量%以上含有するホエータンパク質濃縮物を含むヨーグルトミックスを用いる発酵乳の製造方法などに関する。そして、ヨーグルトミックス以外については、公知の発酵乳の製造方法における工程を適宜採用すればよい。後述する実施例1などにより実証されたとおり、β−Lgが多く含まれるWPCを原料に用いれば、通常のWPCを用いた場合に比べ、少ない量のWPCを添加することにより、十分な硬さを有する発酵乳を製造することができる。
本発明の第二の側面に係る発酵乳の製造方法の別の例は、乳原料混合物にβ−ラクトグロブリンを加え、ヨーグルトミックスの総重量のうちβ−ラクトグロブリンが0.4重量%以上含まれるヨーグルトミックスを用いる発酵乳の製造方法である。後述する実施例2及び実施例4により実証されたとおり、β−ラクトグロブリンを所定量含むヨーグルトミックスを用いた場合、十分な硬さを有する発酵乳を製造することができる。
本発明の第二の側面に係る発酵乳の製造方法により製造された発酵乳は、好ましい硬度を有し、生乳以外の成分も比較的少ないので、風味を損なわず、良好な発酵乳である。
本発明によれば、一定の硬さを得ることができる発酵乳の新しい製造方法を提供することができる。具体的には、本発明の第一の側面に係る発酵乳の製造方法によれば、原料に含まれるα−Laを一定量とするか、又は原料にα−Laが多く含まれるように調整したWPCを用いることで、硬度が高い発酵乳を製造でき、しかも乳原料混合物に加えるホエータンパク質の量を軽減できる。さらには、UHTにより一般細菌だけでなく耐熱性菌(芽胞菌など)を効果的に死滅させ、発酵工程で一般細菌や耐熱性菌が増殖する事態を防止できるので、風味や品質に優れた発酵乳を提供できる。
また、本発明の第二の側面に係る発酵乳の製造方法によれば、乳原料混合物にβ−Lgを添加するか、又はβ−Lgが多く含まれるように調整したWPCを含むヨーグルトミックスを用いることで、ホエータンパク質の量が少なくとも十分な硬さを有する発酵乳を得ることができる。
また、上記のような製造方法によって製造された発酵乳は、従来の発酵乳に比べてα−Laを多く含む発酵乳又はβ−Lgを少ししか含まない発酵乳であり、風味や味も従来の発酵乳に比べて優れたものである。特に、本発明の製造方法により製造された発酵乳は、ある程度の硬度を有するものなので、本発明によれば、好ましい硬度を有するセットタイプヨーグルトを得ることができる。
1.本発明の第一の側面に係る発酵乳の製造方法 本発明の第一の側面に係る発酵乳の製造方法は、α−ラクトアルブミンが、総重量のうち0.3重量%以上含まれるヨーグルトミックスを用いる発酵乳の製造方法などに関する。この発酵乳の製造方法は、ヨーグルトミックスや場合によって加熱殺菌条件を変化させる以外は、公知の発酵乳の製造方法に関する条件や工程を適宜採用できる。
本明細書おける「発酵乳」として、セットタイプヨーグルト(固形状発酵乳)、ソフトヨーグルト(糊状発酵乳)又はドリンクヨーグルト(液状発酵乳)などのヨーグルトがあげられる。本発明における好ましい発酵乳は、プレーンヨーグルトなどのセットタイプヨーグルトである。一般に、プレーンヨーグルトは、容器に原料を充填させ、その後に発酵させること(後発酵)により製造される。一方、ソフトヨーグルトやドリンクヨーグルトは、発酵させた発酵乳を微粒化処理や均質化処理した後に、容器に充填させること(前発酵)により製造される。本発明の発酵乳の製造方法は、上記のいずれの製造方法にも用いることができるが、好ましくは後発酵により発酵乳を製造する場合に用いることができる。
本明細書おける「ヨーグルトミックス」は、発酵乳ミックスともよばれ、発酵乳の原料となる混合物である。ヨーグルトミックスには、殺菌前のものも、殺菌後のものも含まれる。ヨーグルトミックスの具体的な原料として、水、生乳、殺菌処理した乳、脱脂乳、全脂粉乳、脱脂粉乳、バターミルク、バター、クリーム、ホエータンパク質濃縮物(WPC)、ホエータンパク質単離物(WPI)、α−La、α−Laを多く含むWPC(α−LaリッチWPC)、β−Lg、β−Lgを多く含むWPC(β−LgリッチWPC)などがあげられる。一方、本明細書おける「乳原料混合物」は、ヨーグルトミックスから、ホエータンパク質濃縮物(WPC)、ホエータンパク質単離物(WPI)、α−La、α−Laを多く含むWPC(α−LaリッチWPC)、β−Lg、β−Lgを多く含むWPC(β−LgリッチWPC)を除いた発酵乳の原料となる混合物である。乳原料混合物の原料には、公知の乳原料混合物に用いられる原料を用いることができ、特に限定されない。具体的な乳原料混合物の原料として、水、生乳、殺菌処理した乳、脱脂乳、全脂粉乳、脱脂粉乳、バターミルク、バター、クリーム、などがあげられる。
以下、本発明の発酵乳の製造方法について説明する。発酵乳は、通常、原料となる乳、乳製品、状況によって乳タンパク質などを混合しヨーグルトミックスを得て、ヨーグルトミックスを均質化し、加熱殺菌した後に、冷却し、スターターなどを添加してヨーグルトミックスを調製し、その後に発酵させることにより得ることができる。
1.1.ヨーグルトミックス作成工程 ヨーグルトミックス作成工程は、発酵乳の原料を混ぜて、ヨーグルトミックス(発酵乳ミックス)を得るための工程である。発酵乳の原料となるヨーグルトミックスは、α−La又はα−Laを多く含むWPC(α−LaリッチWPC)を添加する以外は、発酵乳を製造する際の公知のヨーグルトミックスと同様の組成となるものを用いればよい。発酵乳の具体的な原料として、水、生乳、殺菌処理した乳、脱脂乳、脱脂粉乳、バター、クリーム、α−La又はα−LaリッチWPCがあげられる。α−La又はα−LaリッチWPCはどちらか一方のみを添加しても、両方を添加してもよい。なお、ソフトヨーグルトやドリンクヨーグルトを製造する場合は、この段階で、果汁又は果肉、甘味料などを添加してもよいし、後
の段階で添加してもよい。α−La又はα−Laを多く含むWPCは、加熱殺菌などせずに殺菌前の乳原料混合物に添加してもよい。また、香料や安定剤などを適宜添加してもよい。
α−ラクトアルブミン(α−La)は、後述する製造方法によるほか、特開平7−203863号公報に記載されるように、ホエーをpH4.4〜4.6、タンパク質濃度0.5〜10%、NaCl濃度1.0Mに調整して、疎水クロマトグラフィ−樹脂に接触させ、 NaCl及び40%(V/V)エタノ−ルで分画することにより得てもよい。また、α−Laは市販されているので、α−Laを購入して用いてもよい。α−Laは、純粋なα−Laを添加しても、α−Laと公知の担体などを含むα−La含有組成物として、乳原料組成物に添加されてもよい。
α−Laを乳原料混合物に加える場合、ヨーグルトミックスに含まれるα−Laの量として、ヨーグルトミックスの総重量のうち0.3重量%以上含まれるものが好ましい。この場合、通常のWPC(意図的にα−La又はβ−Lgの含有量を多くしたWPCを除くWPC)は、ヨーグルトミックスの総重量の0.5重量%以下、好ましくは0.2重量%以下、さらに好ましくは0.1重量%以下添加するものが好ましく、通常のWPCを添加しないものが、特に好ましい。後述する実施例4などにおいて実証されたとおり、α−ラクトアルブミンが多く含まれるヨーグルトミックスをあえて用いることで、理想的な硬度を有する発酵乳を製造できる。なお、本発明では、α−La又はα−Laを含有する組成物を乳原料混合物に加えてヨーグルトミックスを得ることが望ましい。実施例4から、α−Laを乳原料混合物に加える場合のヨーグルトミックスに含まれるα−Laの量は、ヨーグルトミックスの総重量のうち0.3重量%以上含まれるものが好ましく、0.5重量%以上であればより好ましく、0.9重量%以上であればさらに好ましく、1重量%以上でもよいことがわかる。一方、α−Laの量が多すぎると、発酵乳の硬度が高くなりすぎる場合があるので、α−Laを乳原料混合物に添加する場合のヨーグルトミックスに含まれるα−Laの量は、ヨーグルトミックスの総重量のうち、10重量%以下が好ましく、5重量%以下であればより好ましく、2重量%以下がさらに好ましい。なお、実施例4から、乳原料混合物にα−Laを添加する場合、α−Laの添加量は、乳原料混合物の0.5重量%〜0.9重量%が好ましいことがわかる。
後述する実施例4などにおいて実証されたとおり、α−ラクトアルブミンと無脂乳固形分との重量比(α−La/SNF)が0.035以上であるヨーグルトミックスを用いることは、本発明の好ましい実施態様である。この実施態様では、α−La/SNFとして0.035以上1以下が好ましく、0.05以上0.5以下がより好ましく、0.09以上0.3以下がさらに好ましく、0.1以上0.2以下でもよい。この場合、ヨーグルトミックスに占めるα−Laの量は、上記した範囲となることが好ましい。
後述する実施例4などにおいて実証されたとおり、α−ラクトアルブミンとβ−ラクトグロブリンとの重量比(α−La/β−Lg)が1以上10以下、好ましくは1.5以上4以下、さらに好ましくは1.5以上3以下であるヨーグルトミックスを用いることは、本発明の好ましい実施態様である。この場合、ヨーグルトミックスに占めるα−Laの量は、上記した範囲とすることが好ましい。
後述する実施例4および実施例5で実証されたとおり、超高温殺菌処理したα−Laが含まれるヨーグルトミックスを用いることは、本発明の好ましい実施態様である。この場合、α−Laを乳原料混合物に加えたヨーグルトミックスを用いても、超高温殺菌処理したα−Laを乳原料混合物に加えたヨーグルトミックスを用いてもよい。超高温殺菌処理したα−Laの添加量は、上記したα−Laと同様の量を適宜添加すればよい。
なお、α−Laに替えて、又はα−Laと共にα−ラクトアルブミンがタンパク質中の60重量%以上含まれるホエータンパク質濃縮物(α−LaリッチWPC)を含むヨーグルトミックスを用いることは、本発明の好ましい実施態様である。この場合でも、ヨーグルトミックス中に、十分な量のα−Laが含まれることとなるので、上記したと同様の効果を得ることができる。
ヨーグルトミックスの原料にα−LaリッチWPCを用いる場合、α−LaリッチWPCのα−ラクトアルブミン含有量として、α−LaリッチWPCに含まれる総タンパク質中の60重量%以上があげられ、80重量%以上であれば好ましく、90重量%以上であればさらに好ましい。α−LaリッチWPCに含まれるα−Laの量やタンパク質の量は、公知の方法により適宜調整できる。α−LaリッチWPCは、ヨーグルトミックスに含まれるα−Laの量が、上記した重量%となるように添加すればよい。したがって、乳原料混合物に加えるα−LaリッチWPCの量は、α−LaリッチWPC中のα−Laの含有量によっても変化するが、ヨーグルトミックスの総重量のうち、0.5重量%〜2重量%があげられる。なお、風味や名称などの観点から、α−LaリッチWPCに含まれるタンパク質の含有量が、50重量%以下のものを用いてもよく、40重量%以下のものを用いてもよい。
ヨーグルトミックス作成工程では、発酵乳を製造する際に用いられる通常の条件を適宜採用すればよい。すなわち、公知の装置を用い、通常の温度、湿度、及び圧力条件の下で、通常のヨーグルトミックス調製工程におけると同様の時間をかけて行えばよい。なお、原料は、攪拌しながら添加しても、攪拌せずに添加してもよいが、好ましくは攪拌しながら添加する。
なお、ヨーグルトミックス作成工程の後に、適宜、均質化工程を施してもよい。均等化工程は、発酵乳の脂肪分が分離することや浮上することを防止するために、ヨーグルトミックスを高圧条件にさらすことなどで、ヨーグルトミックス中に含まれる脂肪を細かく砕くための任意の工程である。均質化工程においては、発酵乳の製造方法に用いられる公知の装置を用い、公知の温度、湿度、気圧、時間などの条件を採用すればよい。
1.2.加熱殺菌工程 加熱殺菌工程は、発酵乳の原料となるヨーグルトミックスを加熱し、一般細菌もしくは耐熱性菌(芽胞菌など)を死滅させるための工程である。加熱殺菌工程では、発酵乳を製造する際に用いられる公知の殺菌装置を用いればよい。
加熱殺菌では、発酵乳を製造する際に採用される通常の殺菌条件である高温短時間殺菌処理(HTST)を施してもよいし、超高温殺菌処理(UHT)を施してもよいが、特に後述する実施例により実証されたとおり、ヨーグルトミックスとしてα−Laを所定量含有するものを用いた場合は、UHTを施した方が、硬度の高い発酵乳を製造できる。
なお、本明細書において、「高温短時間殺菌処理(HTST)」とは、発酵乳の原料となる原料混合物を95℃〜100℃の温度にて、15秒間〜10分間加熱し、殺菌する処理を意味する。一方、本明細書において、「超高温殺菌処理(UHT)」とは、発酵乳の原料となる原料混合物を110℃以上の温度にて、1秒間以上加熱し、殺菌する処理を意味する。UHTの温度として、好ましくは120℃〜140℃であり、より好ましくは120℃〜130℃である。また、UHTの時間として、好ましくは1秒間〜5分間であり、より好ましくは1秒間〜2分間であり、さらに好ましくは、10秒〜2分間であるが、1.5秒間〜3秒間のように短時間であっても十分に殺菌効果を得ることができる。
後述の実施例4において示されたとおり、ヨーグルトミックスに含まれるα−Laの含有量が少ない場合は、UHTにより得られる発酵乳の硬度が小さくなるが、α−Laの含有量が所定量である場合は、UHTにより得られる発酵乳の硬度が大きくなることがわかる。よって、ヨーグルトミックスに含まれるα−Laの含有量が、0.6重量%以上の場合に、UHTを施すことは、本発明の好ましい実施態様である。特に、α−Laの含有量が、0.7重量%〜0.9重量%含まれるヨーグルトミックスを用い、UHTを施して発酵乳を得ることは、生乳以外の成分を比較的少なくしつつ、硬度が適切な発酵乳を得ることができるので、好ましい。一方、ヨーグルトミックスに含まれるα−Laの含有量が、0.7重量%以下(又は0.6重量%以下)の場合に、HTSTを施すことは、本発明の好ましい実施態様である。
1.3.冷却工程 冷却工程は、加熱殺菌工程で加熱されたヨーグルトミックスを発酵温度近くの温度まで冷却するための工程である。冷却方法は、発酵乳の冷却工程において用いられる公知の方法を採用すればよく、たとえば、加熱されたヨーグルトミックスを熱交換器により冷却すればよい。
1.4.接種・混合工程 接種・混合工程は、ヨーグルトミックスにスターターを接種して、適宜混合することにより、発酵前の混合物を得るための工程である。
ミックスに接種するスターターとして、乳酸菌スターターがあげられ、乳酸菌スターターとして、ラクトバチルス・ブルガリカス(L.bulgaricus)、ストレプトコッカス・サーモフィルス(S.thermophilus)、ラクトバチルス・ラクティス(L.lactis)、ラクトバチルス・ガッセリ(L.gasseri)又はビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)の他、発酵乳の製造に一般的に用いられる乳酸菌や酵母の中から1種又は2種以上を用いることできる。これらの中では、コーデックス規格でヨーグルトスターターとして規格化されているラクトバチルス・ブルガリカス(L.bulgaricus)とストレプトコッカス・サーモフィルス(S.thermophilus)の混合スターターをベースとするスターターが好ましい。このヨーグルトスターターをベースとして、さらに得ようとする発酵乳に応じてラクトバチルス・ガッセリ(L.gasseri)やビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)などの他の乳酸菌を加えても良い。スターターの添加量は、公知の発酵乳の製造方法において採用されている量などを適宜採用すればよい。スターターの接種方法は、発酵乳を製造する際に用いられる公知の方法に従って行えばよい。
1.5.発酵工程 発酵工程は、ヨーグルトミックスとスターターとの混合物を発酵させるための工程である。たとえば、後発酵の場合、ヨーグルトミックスとスターターとの混合物を容器に充填する。そして、容器を発酵室にいれ、発酵室を所定温度となるようにして、所定時間で維持して、ヨーグルトミックスを発酵させる。これにより発酵乳を得ることができる。
発酵温度などの発酵条件は、ヨーグルトミックスに添加された乳酸菌の種類や、求める発酵乳の風味などを考慮して適宜調整すれば良い。具体的な例として、発酵室内の温度(発酵温度)を40℃〜45℃に維持するものがあげられる。この温度であれば、一般的に乳酸菌が活動しやすいので、効果的に発酵を進めることができる。一方、製品に通常製品より、まろやかな風味を付与したい場合、発酵温度を30℃から40℃、好ましくは32℃から39℃、より好ましくは36℃から39℃としてもよい。
発酵時間は、スターターや発酵温度などに応じて適宜調整すればよく、具体的には1時間から5時間があげられ、3時間程度でもよい。
1.6.発酵乳 本発明の第一の側面に係る発酵乳の製造方法により製造される発酵乳は、好ましい硬度を有し、生乳以外の成分も比較的少ないので、風味を損なわず、良好な発酵乳である。また、好ましい態様では、UHTを施すことができるので、高い硬度を有しつつ、一般細菌だけでなく耐熱性菌(芽胞菌など)が増殖する事態を効果的に防止でき、風味を損なわず、又品質の高い発酵乳である。本発明の第一の側面に係る発酵乳の製造方法により製造された発酵乳は、具体的には、上記した製造方法により製造され、α−ラクトアルブミンが0.3重量%以上含まれる発酵乳があげられる。最終製品に含まれるα−L
aの量は、製造段階で組成が変化することや、α−Laが分解されることを考慮して、α−Laが0.1重量%以上含まれる発酵乳であってもよい。
製品が流通する過程で崩れないために、発酵乳の硬度は30g以上が好ましいが、硬度が高すぎると、食感が悪くなる。このため、発酵乳の硬度として、40g〜80gがあげられ、好ましくは50g〜60gである。本発明の製造方法によれば、後述する実施例によって実証されたとおり、硬度条件を満たした発酵乳を得ることができる。本発明の製造方法により製造された発酵乳は、ある程度の硬度を有するものなので、本発明によれば、好ましい硬度を有するセットタイプヨーグルトを得ることができる。
硬度(ヨーグルトカードテンション、CT)は、ネオカードメーターME305(アイテクノエンジニアリング)の測定マニュアルに従って測定した。すなわち、本発明法における発酵乳の「硬度(硬さ)」とは、温度5℃〜10℃に冷却した試料に、スプリングを介して定速荷重(100g)を加えた時の変形により生ずる歪みをロードセルにより計測し、破断或いは硬度を測定する。その単位はg(グラム)である。
2.本発明の第二の側面に係る発酵乳の製造方法 次に、本発明の第二の側面に係る発酵乳の製造方法について説明する。この製造方法は、ヨーグルトミックス作成工程と、加熱殺菌工程以外は、先に説明した本発明の第一の側面に係る発酵乳の製造方法と同様の工程を採用することができるので、繰返しを避けるため、それらの工程についての記載を準用することとし、以下、ヨーグルトミックス作成工程、加熱殺菌工程と、得られる発酵乳についての説明をする。
2.1.ヨーグルトミックス作成工程 ヨーグルトミックス作成工程は、発酵乳の原料を混ぜて、ヨーグルトミックス(発酵乳ミックス)を得るための工程である。発酵乳の原料となるヨーグルトミックスは、β−Lg又はβ−Lgを多く含むWPC(β−LgリッチWPC)などを添加する以外は、発酵乳を製造する際の公知のヨーグルトミックスと同様の組成となるものを用いればよい。なお、本発明では、β−Lg又はβ−Lgを含有する組成物を乳原料混合物に加えてヨーグルトミックスを得ることが望ましい。発酵乳の具体的な原料として、水、生乳、殺菌処理した乳、脱脂乳、脱脂粉乳、バター、クリーム、β−Lg又はβ−LgリッチWPCがあげられる。β−Lg又はβ−LgリッチWPCはどちらか一方のみを添加しても、両方を添加してもよい。なお、ソフトヨーグルトやドリンクヨーグルトを製造する場合は、この段階で、果汁又は果肉、甘味料などを添加してもよいし、後の段階で添加してもよい。β−Lg又はβ−Lgを多く含むWPCは、加熱殺菌などせずに殺菌前の乳原料混合物に添加してもよい。また、香料や安定剤などを適宜添加してもよい。
なお、後述の実施例6で実証されたとおり、β−Lg又はβ−LgリッチWPCの他、ヨーグルトミックスもしくは乳原料混合物にα−La又はα−LaリッチWPCを適宜添加してもよい。その場合の添加量は、本発明の第一の側面に係る発酵乳の製造方法において説明したと同量であってもよいし、その量の1/3〜1/2であってもよい。
β−ラクトグロブリン(β−Lg)は、後述する製造方法によるほか、特開平7−203863号公報に記載されるように、ホエーをpH4.4〜4.6、タンパク質濃度0.5〜10%、NaCl濃度1.0Mに調整して、疎水クロマトグラフィー樹脂に接触させ、 NaCl及び40%(V/V)エタノールで分画することにより得てもよい。また、β−Lgは市販されているので、β−Lgを購入して用いてもよい。β−Lgは、純粋なβ−Lgを添加しても、β−Lgと公知の担体などを含むβ−Lg含有組成物として、乳原料組成物に添加されてもよい。
β−Lgを乳原料混合物に加える場合、ヨーグルトミックスに含まれるβ−Lgの量として、ヨーグルトミックス総重量のうち0.4重量%以上含まれるものが好ましい。この場合、通常のWPCは、ヨーグルトミックスの総重量の0.5重量%以下、好ましくは0.2重量%以下、さらに好ましくは0.1重量%以下添加するものが好ましく、通常のWPCを添加しないものが、特に好ましい。後述する実施例4で確かめられたとおり,ヨーグルトミックス中に含まれるβ−Lgの総量が多くても、通常のWPC75を用いたものは、β−Lgを0.2重量%添加したものに比べて硬さが低い。よって、通常のWPCの添加量を軽減して、β−Lgを添加することは、本発明の好ましい実施態様である。後述する実施例4や実施例7において実証されたとおり、β−ラクトグロブリンを所定量含むヨーグルトミックスを用いた場合、理想的な硬度を有する発酵乳を製造できる。実施例4や実施例7から、β−Lgを乳原料混合物に加える場合のヨーグルトミックスに含まれるβ−Lgの量は、ヨーグルトミックスの総重量のうち0.4重量%以上含まれるものが好ましく、0.45重量%以上であればより好ましく、0.5重量%以上であればさらに好ましく、0.55重量%以上でもよいことがわかる。実施例4や実施例7から、β−Lgを乳原料混合物に加える場合のヨーグルトミックスに含まれるβ−Lgの量は、0.9重量%以下含まれるものが好ましく、0.8重量%以下であればより好ましく、0.7重量%以下であればより好ましく、0.6重量%以下であればさらに好ましく、0.5重量%以下でもよく、0.45重量%以下でもよいことがわかる。一方、β−Lgの量が多すぎると、発酵乳の硬度が高くなりすぎる場合があるので、β−Lgを乳原料混合物に添加する場合のヨーグルトミックスに含まれるβ−Lgの量は、ヨーグルトミックスの総重量のうち、10重量%以下が好ましく、5重量%以下であればより好ましく、2重量%以下がさらに好ましい。なお、乳原料混合物にβ−Lgを添加する場合、β−Lgの添加量は、乳原料混合物の0.05重量%〜1重量%があげられ、0.1重量%〜0.65重量%が好ましく、0.15重量%〜0.65重量%でもよい。
後述する実施例4などにおいて実証されたとおり、β−ラクトグロブリンと無脂乳固形分との重量比(β−Lg/SNF)が0.05以上であるヨーグルトミックスを用いることは、本発明の好ましい実施態様である。この実施態様では、β−Lg/SNFとして0.05以上1以下が好ましく、0.07以上0.5以下がより好ましく、0.1以上0.3以下がさらに好ましく、0.1以上0.2以下でもよい。この場合、ヨーグルトミックスに占めるβ−Lgの量は、上記した範囲となることが好ましい。
なお、超高温殺菌処理したβ−Lgが含まれるヨーグルトミックスを用いてもよい。この場合、β−Lgを乳原料混合物に加えたヨーグルトミックスを用いても、超高温殺菌処理したβ−Lgを乳原料混合物に加えたヨーグルトミックスを用いてもよい。超高温殺菌処理したβ−Lgの添加量は、上記したβ−Lgと同様の量を適宜添加すればよい。
なお、β−Lgに替えて、又はβ−Lgと共にβ−ラクトグロブリンが総タンパク質中に65重量%以上含まれるホエータンパク質濃縮物(β−LgリッチWPC)を含むヨーグルトミックスを用いることは、本発明の好ましい実施態様である。この場合でも、ヨーグルトミックス中に、十分な量のβ−Lgが含まれることとなるので、上記したと同様の効果を得ることができる。また、実施例1において実証されたとおり、β−LgリッチWPCを用いることで、通常のWPCを用いる場合に比べ、WPCの使用量を軽減することができる。
ヨーグルトミックスの原料にβ−LgリッチWPCを用いる場合、β−LgリッチWPCのβ−ラクトグロブリン含有量として、β−LgリッチWPCに含まれる総タンパク質中の65重量%以上があげられ、80重量%以上であれば好ましく、90重量%以上であればさらに好ましい。β−LgリッチWPCに含まれるβ−Lgの量やタンパク質の量は、公知の方法により適宜調整できる。β−LgリッチWPCは、ヨーグルトミックスに含まれるβ−Lgの量が、上記した重量%となるように添加すればよい。したがって、乳原料混合物に加えるβ−LgリッチWPCの量は、β−LgリッチWPC中のβ−Lgの含有量によっても変化する。β−LgリッチWPCに含まれるタンパク質の含有量が、β−LgリッチWPCに含まれる総タンパク質中50重量%以上のものを用いた場合、ヨーグルトミックスに添加するβ−LgリッチWPCの量として、ヨーグルトミックスの総重量の0.3重量%〜2重量%があげられ、0.4重量%〜1重量%でもよく、0.4重量%〜0.55重量%であってもよい。この範囲であれば、後述の実施例1で実証されたとおり、好適な硬さを有する発酵乳を製造できることとなる。一方、β−LgリッチWPCに含まれるタンパク質の含有量がβ−LgリッチWPCに含まれる総タンパク質中50重量%以下のものを用いた場合、乳原料混合物に加えるβ−LgリッチWPCの量として、ヨーグルトミックスの総重量の0.5重量%〜4重量%があげられ、0.75重量%〜1.5重量%でもよく、1重量%〜1.4重量%であってもよい。この範囲であれば、後述の実施例1で実証されたとおり、好適な硬さを有する発酵乳を製造できることとなる。なお、風味や名称などの観点から、β−LgリッチWPCに含まれるタンパク質の含有量が、β−LgリッチWPCに含まれる総タンパク質中75重量%以下のものを用いてもよく、40重量%以下のものを用いてもよい。
ヨーグルトミックス作成工程では、発酵乳を製造する際に用いられる通常の条件を適宜採用すればよい。すなわち、公知の装置を用い、通常の温度、湿度、及び圧力条件の下で、通常のヨーグルトミックス作成工程におけると同様の時間をかけて行えばよい。なお、原料は、攪拌しながら添加しても、攪拌せずに添加してもよいが、好ましくは攪拌しながら添加する。
2.2.加熱殺菌工程 加熱殺菌工程は、発酵乳の原料となるヨーグルトミックスを加熱し、一般細菌もしくは耐熱性菌(芽胞菌など)を死滅させるための工程である。加熱殺菌工程では、発酵乳を製造する際に用いられる公知の殺菌装置を用いればよい。後述する実施例4及び実施例7において実証されたとおり、β―Lgを乳原料混合物に添加してヨーグルトミックスを得て発酵乳を製造する場合、ヨーグルトミックスに含まれるβ−Lgの量が、たとえば0.6重量%以上(好ましくは0.6重量%以上0.9重量%以下、より好ましくは0.65重量%以上0.8重量%以下、又は0.7重量%以上0.75重量%以下)の場合は、UHT処理により加熱殺菌して発酵乳を製造するものが好ましい。一方、ヨーグルトミックスに含まれるβ−Lgの量が、たとえば0.35重量%以上(好ましくは0.4重量%以上0.6重量%以下、より好ましくは0.4重量%以上0.6重量%以下、又は0.45重量%以上0.5重量%以下)の場合は、HTST処理により加熱殺菌するものが好ましい。
2.3.発酵乳 本発明の第二の側面に係る発酵乳の製造方法により製造される発酵乳は、好ましい硬度を有し、生乳以外の成分も比較的少ないので、風味を損なわず、良好な発酵乳である。本発明の第二の側面に係る発酵乳の製造方法により製造された発酵乳は、具体的には、上記した製造方法により製造され、β−ラクトグロブリンが0.4重量%以上含まれる発酵乳があげられる。最終製品に含まれるβ−Lgの量は、製造段階で組成が変化することや、β−Lgが分解されることを考慮して、β−Lgが0.1重量%以上含まれる発酵乳であってもよい。
製品が流通する過程で崩れないために、発酵乳の硬度は30g以上が好ましいが、硬度が高すぎると、食感が悪くなる。このため、発酵乳の硬度として、40g〜80gがあげられ、好ましくは50g〜60gである。本発明の製造方法によれば、後述する実施例によって実証されたとおり、硬度条件を満たした発酵乳を得ることができる。特
に、本発明の製造方法により製造された発酵乳は、ある程度の硬度を有するものなので、本発明によれば、好ましい硬度を有するセットタイプヨーグルトを得ることができる。
3.1.α−La及びβ−Lgの製造方法 α−La又はβ−Lgを含む組成物は、以下のようにしても製造できる。すなわち、まず、ホエーをイオン交換体の入った反応槽中に投入し、酸又はアルカリを添加してα−La又はβ−Lgが特異的に吸着するような酸性度(pH)に調整する。その後に、液を 撹拌しながらイオン交換体にα−La又はβ−Lgを吸着させる。フィルターを介してろ過することにより、ホエーを排出し、反応槽に残ったイオン交換体を洗浄する。反応槽に水を張り、酸性度を調節する。これにより、イオン交換体に吸着したα−La又はβ−Lgを脱着する。α−La又はβ−Lgが溶出した液をフィルターを介してろ過しつつ回収し、濃縮した後に、乾燥する。このようにして、α−La又はβ−Lgを含む組成物を得ることができる。
3.2.α−LaリッチWPC及びβ−LgリッチWPCの製造方法 ホエーをUF(ウルトラフィルトレーション)処理し、固形分に対するタンパク質の含量を34重量%程度となるように調整する。なお、この状態のものを乾燥させた粉体が通常のWPC34である。WPC34液をイオン交換樹脂で脱塩処理する。酸又はアルカリを添加してα−La又はβ−Lgの等電点となるように酸性度を調整した後に、50℃〜55℃で2〜3時間保持し、α−La又はβ−Lgを沈殿させる。たとえば、pHを4.2程度とした場合は、α−Laが沈殿する。そして、沈殿に含まれるα−Laと、上清に含まれるβ−Lgを遠心分離することにより分離する。上清に含まれるβ−Lgをそのまま乾燥するか、UF処理することにより固形分に対するタンパク質の含有量を約34重量%となるように調整し、β−LgリッチWPC34を得ることができる。一方、沈殿を乾燥させるか、沈殿物の固形分に対するタンパク質の含有量を約34重量%となるように調整することで、α−LaリッチWPC34を得ることができる。なお、固形分に対するタンパク質の含有量を調整することで、α−LaリッチWPC75又はβ−LgリッチWPC75なども製造できる。
[実施例1 β−LgリッチWPCがヨーグルト物性に与える影響] 実施例1では、β−LgリッチWPCがヨーグルト物性に与える影響について検討した。まず、UHT殺菌処理乳77.5kg及び脱脂粉乳2.9kgにドモ(Friesland Foods Domo Inc.)社製のβ−LgリッチWPC(β−LgリッチWPC75、又はβ−LgリッチWPC34)と、水17.6kgを混合し、ヨーグルトミックスを調製した。なお、β−LgリッチWPC75は、β−LgリッチWPCに含まれるタンパク質の重量%が75重量%である。一方、β−LgリッチWPC34は、β−LgリッチWPCに含まれるタンパク質の重量%が34重量%である。これらは固形分に対するタンパク質の含有量をそれぞれ75重量%及び34重量%となるように調整することで製造できる。なお、乳牛、脱脂粉乳及び水の量を調整することで、無脂乳固形分(SNF)が全体の約9.5重量%となり、脂肪分が約3重量%となるように調整した。
このヨーグルトミックスに、高温短時間処理(95℃で2分間)を施した。その後に、45℃まで冷却し、乳酸菌スターター(ラクトバチルス・ブルガリカス(L.bulgaricus JCM 1002T)とストレプトコッカス・サーモフィルス(S.thermophilus ATCC 19258)の混合培養物)2重量%を接種した。この液を容器に充填し、45℃の発酵室で発酵させ、乳酸酸度が0.7%に到達した段階で、発酵室から取り出した。取り出した発酵乳を10℃に冷却し、最終製品とした。発酵時間は、約3時間であった。なお、乳酸酸度は0.1規定の水酸化ナトリウムを用いて、フェノールフタレインを指示薬として滴定し、算出した。得られた発酵乳のカードテンションを測定した。その結果を下記の表1に示す。なお、表中、添加量(重量%)は、ヨーグルトミックス全体に占める添加したβ−LgリッチWPC75又はβ−LgリッチWPC34の重量%を意味する。
Figure 2007032459
[対照実験] 対照実験として、実施例1におけるβ−LgリッチWPC75及びβ−LgリッチWPC34の替わりに、発酵乳を製造する際に通常用いられるWPC75及びWPC34を用いた以外は実施例1と同様にして発酵乳を製造し、カードテンション(硬度)を測定した。その結果を下記の表2に示す。なお、この対照実験において用いた通常のWPC75及びWPC34は、カルプロ(Calpro)社から購入した。なお、表中、添加量(重量%)は、ヨーグルトミックス全体に占める添加したWPC75又はWPC34の重量%を意味する。
Figure 2007032459
表1及び表2から、β−LgリッチWPCを用いると、通常のWPCを用いた場合に比べて、1/3またはそれ以下の量のWPCを添加するだけで、同等の硬さを有する発酵乳を製造できることがわかる。
[実施例2 β−Lg及びα−Laがヨーグルト物性に与える影響] 実施例2では、β−Lg及びα−Laがヨーグルト物性に与える影響について検討した。すなわち、実施例1におけるβ−LgリッチWPC75及びβ−LgリッチWPC34の替わりに、ダビスコ(DAVISCO)社製β−Lg及びα−Laをそれぞれ0.9重量%添加した以外は、実施例1と同様にして発酵乳を製造し、カードテンション(硬度)を測定した。その結果を下記の表3に示す。また、対照のために通常のWPC(カルプロ社製WPC75)を用いて製造した発酵乳のカードテンションについても表3に示す。なお、β−Lg及びα−Laは、いずれもタンパク質含有量が95重量%であり、そのうち90重量%をβ−Lg又はα−Laが占める。また、表中、添加量(重量%)は、ヨーグルトミックス全体に占める添加したβ−Lg又はα−Laの重量%を意味する。
Figure 2007032459
表3から、α−Laを添加して製造した発酵乳は、その硬度がわずかだけ上昇するのに対し、β−Lgを添加して製造した発酵乳は、その硬度が著しく上昇することがわかった。
[実施例3 α−La含有ヨーグルトミックスを用いた場合の殺菌条件] 実施例3では、α−La含有ヨーグルトミックスを用いた場合における殺菌条件が製造される発酵乳に与える影響を検討した。実施例1におけるβ−LgリッチWPC75及びβ−LgリッチWPC34の替わりに、ダビスコ社製α−Laを0.9重量%添加し、95℃の高温短時間殺菌処理の替わりに、オートクレーブを用いた超高温殺菌処理(120℃で2分間)を行った以外は、実施例1と同様にして発酵乳を製造し、カードテンションを測定した。なお、対照のため、通常のWPC75(カルプロ社製)を用い、超高温殺菌処理を行った発酵乳も製造し、カードテンションを測定した。これらの結果を下記表4に示す。
Figure 2007032459
表3と表4とを比べると、ヨーグルトミックスにα−Laを含有するものは、超高温殺菌処理により著しく硬度が上昇することがわかる。よって、α−Laを用いて発酵乳を製造すれば、効果的に硬度の高い発酵乳を製造でき、生乳以外の成分を少なくしても十分な硬さが得られることがわかる。また、通常のWPCを用いれば、超高温殺菌処理によりカードテンションが減少するにもかかわらず、原料にα−Laを用いることで、カードテンションを高めることができることがわかる。
[実施例4 α−La又はβ−Lg含有量と、殺菌条件が発酵乳に与える影響] 実施例4では、α−La又はβ−Lg含有量と、殺菌条件が発酵乳に与える影響について検討した。また、ヨーグルトミックスにどの程度のα−Laが含まれるとUHTで硬度が上昇するかにについても検討した。実施例1におけるβ−LgリッチWPC75及びβ−LgリッチWPC34の替わりに、ダビスコ社製α−La、又はβ−Lgを所定量で添加し、高温短時間殺菌処理(95℃で2分間)の場合の他、オートクレーブを用いた超高温殺菌処理(120℃で2分間)を行った以外は、実施例1と同様にして発酵乳を製造し、カードテンションを測定した。なお、対照のため、通常のWPC75(カルプロ社製)を用いた発酵乳、及びWPC、α−La及びβ−Lgなどのホエー原料を加えずに製造した発酵乳を製造し、カードテンションを測定した。これらの結果を下記の表5に示す。なお、表中、添加量(重量%)は、ヨーグルトミックス全体に占める添加したβ−Lg、α−La又はWPC75の重量%を意味する。なお、表中β−Lg(%)は、ヨーグルトミックスに占めるβ−Lgの重量%を示し、α−La(%)は、ヨーグルトミックスに占めるα−Laの重量%を示す。表中、95℃のCT(g)は、高温短時間殺菌処理でのカードテンションを示し、120℃のCT(g)は、超高温殺菌処理でのカードテンションを示す。
Figure 2007032459
表5から、α−ラクトアルブミンが多く含まれるヨーグルトミックス(発酵乳ミックス)を用いることで、理想的な硬度を有する発酵乳を製造できることがわかる。また、α−ラクトアルブミンが多く含まれるヨーグルトミックスを用いた場合、超高温殺菌処理を施した方が、得られる発酵乳の硬度が高くなることがわかる。β−Lgが多く含まれるヨーグルトミックスを用いれば、十分な硬さを有する発酵乳を製造することができることがわかる。
[実施例5 ヨーグルトミックスに含まれるα−Laの殺菌条件が、発酵乳に与える影響] 実施例5では、ヨーグルトミックスに含まれるα−Laの殺菌条件が、発酵乳に与える影響について検討した。この実施例では、まずα−Laが17重量%含まれる溶液(水溶液の固形分濃度20重量%)を2種類用意し、一方は高温短時間殺菌処理(95℃で2分間)を行い、残りは超高温殺菌処理(120℃で2分間)を行った。そして、実施例1におけるβ−LgリッチWPC75及びβ−LgリッチWPC34の替わりに、上記のようにして調整したα−La溶液を、殺菌後のヨーグルトミックスに所定量で添加した後に、発酵を行った以外は、実施例1と同様にして発酵乳を製造し、カードテンションを測定した。対照として、実施例1と同様にして、α−Laを添加した後に、高温短時間殺菌処理(95℃で2分間)を行い、発酵を行った。その結果を表6に示す。表中β−Lg(%)は、ヨーグルトミックスに占めるβ−Lgの重量%を示し、α−La(%)は、ヨーグルトミックスに占めるα−Laの重量%を示す。
Figure 2007032459
表6から、ヨーグルトミックス中に、超高温殺菌処理を施したα−Laを添加することで、ヨーグルトミックス自体を超高温殺菌処理しなくても、高い硬度を有する発酵乳を得ることができることがわかる。
[実施例6 α−La又はβ−Lgの添加量と発酵乳の物性検討] α−La又はβ−Lgの添加量と発酵乳の物性を検討するため、実施例1におけるβ−LgリッチWPC75及びβ−LgリッチWPC34の替わりに、α−La、β−Lg又はα−Laとβ−Lgの混合物を添加した以外は、実施例1と同様にして発酵乳を製造し、硬度や、発酵乳の平均粒子径(μm)、離水度(%)及び酸度(%)、及び酸性度(pH)を測定した。また、対照として、ホエー原料を添加しなかったものも製造し、その物性を測定した。その結果を、表7に示す。なお、表中β−Lg(%)は、ヨーグルトミックスに占めるβ−Lgの重量%を示し、α−La(%)は、ヨーグルトミックスに占めるα−Laの重量%を示す。
Figure 2007032459
β−Lgを添加したものは、何れもカードメータの測定範囲を超えて
いたが、β−Lgの他にα−Laを添加したものに比べ、β−Lgのみを添加したものの方が硬度の高い発酵乳を得ることができた。また、β−Lgの方が、α−Laに比べて、発酵乳を硬化させる機能が高いことがわかる。一方、α−Laを添加することで、得られる発酵乳の硬度を高めることができることもわかる。さらに、α−Laとβ−Lgの混合物を含むヨーグルトミックスを用いても硬度の高い発酵乳を得ることができることがわかる。なお、表中NDは、正確に測定できなかったことを示す。
[実施例7 β−Lgの添加量と発酵乳の物性検討] β−Lgの添加量と発酵乳の物性を検討するため、実施例1におけるβ−LgリッチWPC75及びβ−LgリッチWPC34の替わりに、β−Lgを添加した以外は、実施例1と同様にして発酵乳を製造し、硬度(CT(g))や、発酵乳の平均粒子径(μm)、離水度(%)、及び酸性度(pH)を測定し、風味及びカード強度を評価した。また、対照として、ホエー原料を添加しなかったものも製造し、物性を評価すると共に風味やカード強度を評価した。その結果を、表8に示す。なお、添加量(重量%)は、ヨーグルトミックス全体に占める添加したβ−Lgの重量%を示す。表中β−Lg(%)は、ヨーグルトミックスに占めるβ−Lgの重量%を示し、α−La(%)は、ヨーグルトミックスに占めるα−Laの重量%を示す。
Figure 2007032459
表8中の風味評価において、二重丸(◎)は、発酵乳の風味が優れることを示し、ばつ(×)は、発酵乳の風味がそれほど優れていないことを示す。また、カード強度評価において、二重丸(◎)は、十分な強度を有する発酵乳が得られたことを示し、ばつ(×)は、十分な強度を有する発酵乳が得られなかったことを示す。表8から、β−LgリッチWPC34を乳原料混合物に添加した場合は、その添加量が1.25重量%でカードテンションが50g程度であった。この場合、β−Lgとして、0.56重量%添加したこととなる。一方、β−Lgを乳原料混合物に添加した場合は、0.2重量%程度添加するだけで、50g程度の強度を得ることができることがわかる。
[実施例8 α−Laの添加量と発酵乳の物性検討] α−Laの添加量と発酵乳の物性を検討するため、実施例1におけるβ−LgリッチWPC75及びβ−LgリッチWPC34の替わりに、α−Laを添加した以外は、実施例1と同様にして発酵乳を製造し、硬度や、発酵乳の平均粒子径(μm)、離水度(%)及び、酸性度(pH)を測定した。また、対照として、ホエー原料を添加しなかったものも製造し、物性を評価すると共に風味やカード強度を評価した。その結果を、表9に示す。添加量(重量%)は、ヨーグルトミックス全体に占める添加したα−Laの重量%を意味する。なお、表中β−Lg(%)は、ヨーグルトミックスに占めるβ−Lgの重量%を示し、α−La(%)は、ヨーグルトミックスに占めるα−Laの重量%を示す。
Figure 2007032459
表9から、α−Laの添加量が多くなると、得られる発酵乳の硬度が高まるので、α−Laにも発酵乳の硬度を高める機能があることがわかる。
本発明の発酵乳の製造方法は、ヨーグルトなどの発酵乳(特にセットタイプヨーグルト)を製造する際に用いることができる。

Claims (13)

  1. α−ラクトアルブミンが、総重量のうち0.3重量%以上含まれるヨーグルトミックスを用いる発酵乳の製造方法。
  2. ヨーグルトミックスの総重量のうち、α―ラクトアルブミンの含有量が0.3重量%以上となるように、乳原料混合物にα−ラクトアルブミンを加えたヨーグルトミックスを用いる請求項1に記載の発酵乳の製造方法。
  3. α−ラクトアルブミンと無脂乳固形分との重量比が0.035以上であるヨーグルトミックスを用いる発酵乳の製造方法。
  4. 総タンパク質中α−ラクトアルブミンを60重量%以上含有するホエータンパク質濃縮物を含むヨーグルトミックスを用いる発酵乳の製造方法。
  5. 超高温殺菌処理したα−ラクトアルブミンが含まれるヨーグルトミックスを用いる発酵乳の製造方法。
  6. 前記ヨーグルトミックスを超高温殺菌処理した後に、冷却し、発酵させる請求項1〜5のいずれかに記載の発酵乳の製造方法。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の発酵乳の製造方法を用いて製造される発酵乳。
  8. 請求項6に記載の発酵乳の製造方法を用いて製造される発酵乳。
  9. α−ラクトアルブミンが0.3重量%以上含まれる発酵乳。
  10. 総タンパク質中β−ラクトグロブリンを65重量%以上含有するホエータンパク質濃縮物を含むヨーグルトミックスを用いる発酵乳の製造方法。
  11. 乳原料混合物にβ−ラクトグロブリンを加え、ヨーグルトミックスの総重量のうち、β―ラクトグロブリンの含有量が0.4重量%以上となるようにしたヨーグルトミックスを用いる発酵乳の製造方法。
  12. 請求項10又は請求項11に記載の発酵乳の製造方法を用いて製造される発酵乳。
  13. β−ラクトグロブリンが0.4重量%以上含まれる発酵乳。
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