JPWO2006129754A1 - プラズマディスプレイパネルおよびプラズマディスプレイパネル装置 - Google Patents

プラズマディスプレイパネルおよびプラズマディスプレイパネル装置 Download PDF

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Abstract

PDP装置のパネル部においては、放電空間に対してXeを主成分ガスとし、この主成分ガスに対してNeガスが添加された構成の放電ガスが、全圧1×104[Pa]〜5×104[Pa]の範囲内で充填されている。 放電ガスは、Xe−Neの2元系の混合ガスからなるが、全圧に対するNeガスの分圧比が8[%]以下に設定され、残余が主成分ガスであるXeガスとなっている。即ち、本発明に係るPDP装置では、放電ガスを高Xeとして高い発光効率を得るとともに、全圧に対するNeガスの分圧比を8[%]以下に規定することで、駆動時における放電を原因とする保護層のスパッタリングによる削れの発生が抑制される。

Description

本発明は、プラズマディスプレイパネルおよびプラズマディスプレイパネル装置に関し、特に、放電空間に充填されるガス組成に関する。
近年、平面型表示装置の一種としてのプラズマディスプレイパネル装置(以下では、「PDP装置」と記載する。)が広く普及してきている。PDP装置には、直流型(DC型)と交流型(AC型)とがあるが、大型表示装置を実現する上で高い技術的ポテンシャルを持つAC型、特に寿命特性に優れた面放電AC型の普及が進んでいる。
上記PDP装置は、画像表示を実行するパネル部と、入力画像信号に基づいてパネル部の駆動を実行する駆動部とからなる。この内、パネル部は、2枚のパネルが互いに間隔をあけて対向配置され、外周部で封止された構成を有している。
2枚のパネルの内の一方である前面パネルは、ガラス基板における一方の主面にストライプ状の表示電極対(スキャン電極とサスティン電極との対)が形成され、この上に誘電体層および保護層が順に積層され構成されている。2枚のパネルの内のもう一方のパネルである背面パネルは、ガラス基板の一方の主面にストライプ状のデータ電極が形成され、この上に誘電体層が形成され、さらにその上にストライプ状あるいは井桁状の隔壁が突設された構造を有している。そして、背面パネルにおける誘電体層と隣り合う隔壁とにより形成される各溝の壁面上には、蛍光体層が形成されている。
PDP装置のパネル部は、前面パネルと背面パネルとが、各々に配された表示電極対とデータ電極とが交差する方向に配され、前面パネルと背面パネルとの間の空間(放電空間)には、放電ガスとしてのキセノン(Xe)−ネオン(Ne)の混合ガスあるいはキセノン(Xe)−ネオン(Ne)−ヘリウム(He)の混合ガスなどが充填されている。そして、パネル部においては、表示電極対とデータ電極との各交差部分が放電セルに相当する。PDP装置の駆動部は、表示電極対およびデータ電極の各々に対して電圧パルスを印加できるように接続されている。
PDP装置の駆動には、所謂、フィールド内時分割階調表示方式が用いられ、駆動部が、入力画像の1フィールドを複数のサブフィールドに分割し、各サブフィールドを初期化期間、書き込み期間および維持放電期間で構成している。
ところで、PDP装置に対しては、より一層の発光効率(放電効率)の向上が求められており、その一方策として、放電ガス中におけるXeの占める割合を上昇させる研究開発がなされている。例えば、放電ガスを100[%]Xeガスとする提案(特許文献1)や、放電ガスの全圧に対するXeガスの分圧比を10[%]〜100[%]とし、且つ、放電ガスの充填圧力を6×10[Pa]という超高圧とする提案(特許文献2)などがなされている。
特開2002−83543号公報 特開2002−93327号公報
しかしながら、放電ガス中に占めるXeガスの割合を従来のPDPよりも高くしていった場合には、駆動時に発生する維持放電の影響を受けて保護層がスパッタリングにより削り取られていくという現象が顕著に発生する傾向にある。このため、従来では、放電ガス中におけるXeガスの割合を高く設定すると、長期にわたる安定した表示性能を維持できないという問題を生じてしまうと考えられていた。また、これとは別に、上記特許文献1の技術は、放電ガス中にNeガスを混入しないという構成を採用し、上記特許文献2の技術では、放電ガスの全圧を超高圧にしているので、ともに放電開始電圧が高くなり過ぎて、実用的なPDPを構成するのには適さないと考えられる。
本発明は、このような問題を解決しようとなされたものであって、高い発光効率を維持しながら、駆動が長期にわたった場合にも安定した表示性能を維持し得るプラズマディスプレイパネルおよびプラズマディスプレイパネル装置を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記放電ガスの各成分と駆動に伴う放電を起因とする保護層のスパッタリングによる削れの発生との関係について探求したところ、次のようなメカニズムを解明するに至った。即ち、放電ガスの全圧に対するXeガスの分圧の比が5[%]〜30[%]の範囲では、Xeガスの占める割合の増加に伴い発光効率は向上するものの、保護層の削れ量が急激に増加する。本発明者等の確認によると、放電ガス中におけるXeガスの占める割合が30[%]を超えるレンジを採用する場合には、実際にPDPを構成する上で問題となるレベルまで、保護層の削れ量が多くなってしまう。
また、上記特許文献1のように放電ガスを100[%]Xeガスとして、全くNeガスを混入しない場合には、駆動時における放電に起因した保護層のスパッタリングによる削れがほとんど発生しないということが分かった。さらに、本発明者等は、放電ガス中におけるNeガスの占める割合(分圧比)を1[%]〜10[%]の範囲で検討したところ、放電ガス中におけるNeガスの占める割合が小さければ小さいほど、駆動時の放電による保護層のスパッタリングによる削れ量が少ないという結果を得た。
これらの検討事項から、本発明者等は、駆動時における保護層のスパッタリングに関しては放電ガス中のNeガスの占める割合が重要なファクターであることを見出した。
そこで、本発明は、次のような特徴を採用する。
本発明に係るPDPは、一対の基板(第1の基板と第2の基板)が互いの間に空間をあけて対向配置され、一方の基板(第1の基板)における主面上に電極対と誘電体層と保護層とが順に積層され、当該保護層が空間を臨む状態におかれ、他方の基板(第2の基板)における主面上に保護層と対向する状態で蛍光体層が形成され、空間に放電ガスが充填されてなる構成を有するパネルであって、放電ガスは、プラズマ放電により蛍光体層を構成する蛍光体を励起する光を出射するガス成分を主成分ガスとし、当該主成分ガスに対してNeガスが添加された構成を有する。そして、本発明に係るPDPでは、放電ガス中において、主成分ガスが主たる比率で含有されているとともに、Neガスが、放電ガスの全圧に対して8[%]以下の分圧比で含有されていることを特徴とする。ここで、「Neガスの分圧比」とは、Neガスの分圧を放電ガスの全圧で除した値のことを指す。
なお、上記において、主成分ガスの規定における「主たる比率」とは、放電ガスの全圧に対する分圧の比が最も高いことを指し、例えば、2元系では50[%]よりも大きい値であり、3元系では33.3[%]よりも大きい値である。
また、本発明に係るPDP装置は、上記本発明に係るPDPと、当該PDPの電極対を構成する電極の各々に対して、入力された画像信号に基づき電圧パルスを印加する駆動部とを有することを特徴とする。
上述のように、本発明に係るPDPおよびPDP装置では、放電ガス中において、主成分ガスが最も大きな比率を占めて含まれているので、高い発光効率(放電効率)を有する。また、本発明に係るPDPおよびPDP装置では、放電ガス中にNeガスが含まれていることから、Neガスが含まれていない上記特許文献1のPDPなどに比べて、低い放電開始電圧が維持される。
また、本発明に係るPDPおよびPDP装置では、放電ガス中におけるNeガスの分圧比が8[%]以下に規定されているので、駆動時における放電に伴うNeイオンによる保護膜へのスパッタリングによる削れ量が少なく、駆動が長期に及んだ場合にも、高い表示性能を確保可能である。
従って、本発明に係るPDPおよびPDP装置は、高い発光効率を維持しながら、駆動が長期にわたった場合にも安定した表示性能を維持することができるという優位性を有する。
上記本発明に係るPDPおよびPDP装置では、第1の基板の主面上における誘電体層の厚みを20[μm]未満としておくことが望ましい。これは、誘電体層を上記のように薄くすることで、パネル駆動時における放電開始電圧を低く抑えることが可能であり、駆動時における放電を原因とする保護層のスパッタリングによる削れの発生を抑制するという観点から望ましいためである。
また、上記本発明に係るPDPおよびPDP装置では、特に、放電ガスの全圧に対するNeガスの分圧比を5[%]以下に設定しておくことが望ましい。このように、放電ガス中におけるNeガスが占める割合を低く設定した場合には、特に上記のような誘電体層の厚みの規定などを行わなくても、駆動時におけるスパッタリングによる保護層の削れ量を効果的に少なくすることができる。
上記本発明に係るPDPおよびPDP装置では、放電ガスの全圧に対するNeガスの分圧比の下限値を、0.2[%]以上に設定することが現実的である。また、本発明に係るPDPおよびPDP装置では、放電ガスの全圧に対するNeガスの分圧比の下限を、3[%]以上に設定すれば、製造過程におけるエージング時間を従来のパネル構造を採用する場合に比べて、遜色のない長さに抑えることが可能となる。
また、本発明に係るPDPおよびPDP装置では、放電ガス中にアルゴン(Ar)ガスを含む構成としておくことが望ましい。これは、Ar原子のペニング効果を利用することによって、放電開始電圧のより一層の低減を図ることができ、発光効率の向上を図ることができるためである。
上記本発明に係るPDPおよびPDP装置では、放電ガスの全圧(充填圧力)を1×10[Pa]以上5×10[Pa]以下に設定しておくことが望ましい。これは、放電ガスの全圧を1×10[Pa]よりも低く設定する場合には、従来のPDPよりも発光効率が低くなってしまい、また、5×10[Pa]よりも高く設定する場合には、上記特許文献2の技術と同様に、放電開始電圧が高くなり過ぎてしまうためである。特に、放電ガス中におけるXe分圧比が高い場合には顕著となり、Xe分圧比が高く且つ全圧も高い場合には、誘電体層の耐圧が大きな課題となる。また、放電ガスの全圧を、1.7×10[Pa]以上5×10[Pa]以下に設定しておくことがより望ましい。
また、本発明に係るPDPおよびPDP装置では、電極対を構成する各電極が金属材料からなるという構成を採用することが望ましい。これは、上述のように、本発明に係るPDPおよびPDP装置では高い発光効率の実現が可能であることから、表示電極対を構成する各電極の面積をできるだけ小さくすることができるためである。なお、従来のPDPでは、通常、表示電極対を構成する各電極を、ITO(Indium Tin Oxide)などからなる透明電極と、金属材料からなるバス電極とを積層した構成を採用していたが、上述のように本発明に係るPDPおよびPDP装置では、金属材料からなる電極だけで十分であり、透明電極などを必要としないために、そのために要する製造工数などを削減することができる。よって、本発明に係るPDPおよびPDP装置では、上記電極の構成を採用するときには低いコストという優位性も有する。
本発明に係るPDPおよびPDP装置では、具体的な保護層として酸化マグネシウム(MgO)を採用することができ、また、具体的な主成分ガスとしてXeガスまたはKrガスを採用することができる。
さらに、上記本発明に係るPDPおよびPDP装置では、電極対を構成する2電極間の間の間隙(放電ギャップ)を40[μm]以上70[μm]以下とすることが、無効電力の低減および輝点発生頻度を低く抑えるという両観点から望ましい。即ち、放電ギャップが40[μm]よりも小さい場合には、無効電力が現実的な範囲を越えて大きくなり過ぎ、逆に70[μm]よりも大きい場合には、Xe分圧比が高い条件において、初期化期間で不所望の強放電(誤放電)が発生し、その後の維持期間において、本来点灯させたくない放電セルで発光してしまう(輝点が発生する)、という問題を生じるのに対し、本発明に係るPDPおよびPDP装置のように、放電ギャップを40[μm]以上70[μm]以下としておけば、無効電力の低減および輝点発生の抑制という両観点から望ましい。
また、第2の基板における誘電体層の主面上であって、隣り合う電極どうしの間に隔壁が形成されている構成を採用するときに、隔壁の高さを上記電極対における放電ギャップよりも高くすることが輝点発生頻度の低減という観点から望ましく、75[μm]以上120[μm]以下とすることがより望ましい。
また、所謂、井桁状の隔壁構造を採用する場合には、第2の基板における電極に並行する隔壁に対し、これに交差する方向に延設される補助隔壁の高さが、8[μm]以上15[μm)以下の範囲で低くなるようにすることが、輝点発生頻度の低減という観点からより望ましい。
なお、隔壁の高さと補助隔壁の高さとの差異は、製造時における寸法バラツキおよび放電空間内の排気の効率を勘案して、差異を8[μm]未満とすることは現実的ではなく、上下に隣接する放電セル(補助隔壁を間に挟んで隣接する放電セル)間での後放電の防止、という観点から、15[μm]以下としておくことが望ましい。
実施の形態1に係るパネル部10の要部構成を示す要部斜視図(一部断面図)である。 実施の形態1に係るPDP装置1の構成を模式的に示すブロック構成図である。 PDP装置1の駆動において、各電極に対して印加される電圧波形を示す波形図である。 パネル部10における放電ガス中のNeガスの分圧比とスパッタリングレートとの関係を示す特性図である。 パネル部10における放電ガス中のNeガスの分圧比と放電開始電圧との関係を示す特性図である。 実施の形態2に係るPDP装置において、放電ガス中のNeガスの分圧比とスパッタリングレートとの関係を示す特性図である。 実施の形態3に係るPDP装置において、放電ガス中のNeガスの分圧比とスパッタリングレートとの関係を示す特性図である。 誘電体層厚みとスパッタリングレートとの関係を示す特性図である。 放電ガス中のNeの分圧比と必要となるエージング時間との関係を示す特性図である。 放電間隙と輝点発生頻度との関係を示す特性図である。 隔壁の高さと輝点発生頻度との関係を示す特性図である。
符号の説明
1.PDP装置
10.パネル部
11.前面パネル
12.背面パネル
13.放電空間
20.表示駆動部
21.データドライバ
22.スキャンドライバ
23.サスティンドライバ
24.タイミング発生部
25.A/D変換器
26.走査数変換部
27.サブフィールド変換部
111、121.基板
112.表示電極対
113、122.誘電体層
114.保護層
123.隔壁
124.蛍光体層
Scn.スキャン電極
Sus.サスティン電極
Dat.データ電極
以下では、本発明を実施するための最良の形態について、一例を以って説明する。なお、以下で説明する実施の形態はあくまでも一例であって、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施の形態1)
1.パネル部10の構成
本発明の実施の形態1に係るPDP装置1の構成の内、パネル部10の構成について、図1を用いて説明する。図1は、実施の形態1に係るパネル部10の構造を示す要部斜視図(一部断面図)である。
図1に示すように、パネル部10は、2枚のパネル11、12が間に放電空間13をあけて対向配置された構成を有する。
1−1.前面パネル11の構成
図1に示すように、パネル部10を構成する要素の内、前面パネル11は、前面基板111における背面パネル12と対向する側の面(図1では下面)に、スキャン電極Scnとサスティン電極Susからなる表示電極対112が、互いに平行に複数配設され、この表示電極対112を覆うように、誘電体層113および保護膜114が順に形成されている。
前面基板111は、例えば、高歪点ガラスあるいはソーダライムガラスから構成されている。また、スキャン電極Scnおよびサスティン電極Susの各々は、金属材料(例えば、Ag)から構成されており、且つ、その構成要素中にITO(錫ドープ酸化インジウム)、SnO(酸化錫)、ZnO(酸化亜鉛)などが含まれていない構成となっている。なお、スキャン電極Scnおよびサスティン電極Susについては、その構成要素中にITO、SnO、ZnOなどを含むこととすることもできる。
また、誘電体層113は、無鉛の低融点ガラス材料から形成されており、その厚みは約25[μm]に設定されている。保護膜114については、MgO(酸化マグネシウム)から構成されている。
なお、前面基板111の表面において、隣り合う表示電極対112と表示電極対112との間には、隣り合う放電セルの光が互いに漏れ出るのを防止するためのブラックストライプが設けられた構成としてもよい。
1−2.背面パネル12の構成
背面パネル12は、背面基板121における前面パネル11と対向する側の面(図1では上面)に、表示電極対112と略直交する方向において、データ電極Datが複数配置されており、このデータ電極Datを覆うように、誘電体層122が形成されている。また、この誘電体層122上には、隣り合うデータ電極Dat間に主隔壁1231が立設され、さらに、この主隔壁1231と略直行する方向に補助隔壁1232が形成されている。本実施の形態に係るパネル部10では、これら主隔壁1231と補助隔壁1232との組み合わせを以って隔壁123が構成されている。なお、図面上では詳細に示していないが、z方向において、補助隔壁1232の上端は、主隔壁1231の上端よりも若干低く設定されている。
誘電体層122と隣り合う2条の主隔壁1231および2条の補助隔壁1232とで囲まれた窪み部分の内壁面には、蛍光体層124が設けられている。蛍光体層124は、色毎に赤色(R)蛍光体層124R、緑色(G)蛍光体層124G、青色(B)蛍光体層124Bの各々に分けられ、図1におけるy方向に主隔壁1231で仕切られた窪み部分毎に色分けされて形成されている。なお、図1のx方向においては、隣り合う主隔壁1231間で構成される列毎に同じ色の蛍光体層124R、124G、124Bが形成されている。
背面パネル12における背面基板121についても、上記前面基板111と同様に、高歪点ガラスあるいはソーダライムガラスなどから構成されている。データ電極Datは、上記スキャン電極Scnやサスティン電極Susなどと同様に、例えば、Agなどの金属材料から形成されている。なお、データ電極Datの形成材料としては、Agの他に、金(Au)、クロム(Cr)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)等の金属材料や、例えば、これらを積層するなどの方法で組み合わせたものも用いることもできる。
誘電体層122は、基本的に前面パネル11の誘電体層113と同じく、無鉛の低融点ガラス材料から形成されているが、酸化アルミニウム(Al)や酸化チタン(TiO)が含まれたものでもよい。また、隔壁123は、例えば、ガラス材料を用い形成されている。
蛍光体層124R、124G、124Bの各々は、例えば、次に示すような各色蛍光体を単独で用いたり、あるいは、各々を混合した材料を用い形成されている。
赤色(R)蛍光体;(Y、Gd)BO:Eu
YVO:Eu
緑色(G)蛍光体;ZnSiO:Mn
(Y、Gd)BO:Tb
BaAl1219:Mn
青色(B)蛍光体:BaMgAl1017:Eu
CaMgSi:Eu
1−3.前面パネル11と背面パネル12との配置
図1に示すように、パネル部10は、前面パネル11と背面パネル12とが、背面パネル12に形成された隔壁123をギャップ材として間に挟み、且つ、表示電極対112とデータ電極Datとが略直交する方向に配され、この状態で各々の外周部どうしが封止されてなる構成を有している。この構成によって、上述のように、前面パネル11と背面パネル12との間には、各隔壁123によって仕切られた放電空間13が形成され、両パネル11、12が密閉容器を形成することになる。
放電空間13には、XeガスとNeガスとが混合されてなる放電ガスが充填されている。放電空間13内における放電ガスの全圧は、5×10[Pa]に調整されている。本実施の形態に係るパネル部10では、放電ガス中におけるNeガスの占める割合が、放電ガス全圧に対してNeガスの分圧の比が5[%]となる状態に設定されている。換言すれば、パネル部10では、放電ガス全圧に対してXeガスの分圧の比が95[%]となっている。ここで、放電ガス中におけるXeガスは、主成分ガスとして含まれるものであって、駆動時における放電により蛍光体層124を構成する各蛍光体を励起する真空紫外線などを出射するものである。
パネル部10では、表示電極対112とデータ電極Datとが立体交差する各箇所が放電セル(不図示)に対応する。そして、パネル部10には、複数の放電セルがマトリクス配列された状態となっている。
2.PDP装置1の構成
上記パネル部10を備えるPDP装置1について、図2を用いて説明する。図2は、PDP装置1の構成を模式的に表したブロック図である。なお、図2では、パネル部10については電極Scn、Sus、Datの配列のみを示している。
図2に示すように、本実施の形態に係るPDP装置1は、上記パネル部10とこの各電極Scn、Sus、Datに対して所要のタイミングおよび波形で電圧を印加する表示駆動部20とから構成されている。パネル部10には、行方向にn本のスキャン電極Scn(1)〜Scn(n)およびn本のサスティン電極Sus(1)〜Sus(n)が、互いに交互に配設されている。
また、パネル部10には、列方向にm本のデータ電極Dat(1)〜Dat(m)が配設されている。そして、放電セルは、隣り合う一対のスキャン電極Scnk(k=1〜n)およびサスティン電極Susk(k=1〜n)と1本のデータ電極Datl(l=1〜m)との交差部分に対応して設けられ、パネル部10全体として(m×n)個の放電セルを有する。
図2に示すように、表示駆動部20は、パネル部10における各電極Scn、Sus、Datに接続されるデータドライバ21、スキャンドライバ22およびサスティンドライバ23を有する。そして、表示駆動部20には、各ドライバ21〜23の他に、タイミング発生部24、A/D変換部25、操作変換部26、サブフィールド変換部27およびAPL(平均ピクチャレベル)検出部28を有する。また、図示を省略しているが、表示駆動部20には、電源回路も有している。映像信号VDは、A/D変換部25に入力され、また、水平同期信号Hおよび垂直同期信号Vは、タイミング発生部24、A/D変換部25、走査数変換部26およびサブフィールド変換部27に対して入力される。
表示駆動部20のA/D変換部25は、入力された映像信号VDをデジタル信号の画像データへと変換し、変換後の画像データを走査数変換部26およびAPL検出部28へと出力する。APL検出部28は、A/D変換部25から転送されてくる1画面毎の各放電セルの各階調値を示す表示画面データに基づき、当該1画面の全ての階調値を積算し、これを全放電セルの数で割った値を求める。そして、APL検出部28は、求めた値から最大階調値(例えば、256階調)に対する百分率を算出して平均ピクチャレベル(APL値)を求め、その値をタイミング発生部24へと出力する。平均ピクチャレベルの値が低いほど黒っぽい画面となり、値が高ければ白っぽい画面となる。
走査数変換部26は、A/D変換部25から受け付けた画像データをパネル部10の画素数に応じた画像データへと変換し、サブフィールド変換部27へと出力する。サブフィールド変換部27は、サブフィールドメモリ(不図示)を備え、走査数変換部26から転送されてくる画像データをパネル部10に階調表示させるための各サブフィールドでの放電セルの点灯/非点灯を示す2値データの集合であるサブフィールドデータに変換し、一旦サブフィールドメモリに格納する。そして、タイミング発生部24からのタイミング信号に基づきサブフィールドデータをデータドライバ21へと出力する。
データドライバ21は、サブフィールド毎の画像データを各データ電極Dat(1)〜Dat(m)に対応する信号に変換し、各データ電極Datを駆動するものである。データドライバ21には、公知のドライバICなどが備えられている。
タイミング発生部24は、水平同期信号Hおよび垂直同期信号Vに基づいてタイミング信号を生成し、各ドライバ21〜23に信号を出力する。ここで、タイミング発生部24は、APL検出部28から入力されるAPL値に基づいて1フィールドを構成するサブフィールドの各々の初期化期間を全セル初期化期間であるか選択初期化期間であるかを決定し、1フィールド内での全セル初期化期間の適用回数を制御する。
スキャンドライバ22は、タイミング発生部24から送られてくるタイミング信号に基づいて、スキャン電極Scn(1)〜Scn(n)に駆動電圧を印加する。スキャンドライバ22についても、上記データドライバ21と同様に、公知のドライバICを備えて構成されている。
サスティンドライバ23は、公知のドライバICを備えて構成されており、タイミング発生部24から送られてくるタイミング信号に基づいて、サスティン電極Sus(1)〜Sus(n)に駆動電圧を印加する。
3.PDP装置1の駆動方法
次に、上記構成を有するPDP装置1の駆動方法について、図3を用いて説明する。図3は、フィールド内時分割階調表示方式(サブフィールド法)を用いてPDP装置1の駆動を実行する方法を示している。
図3に示すように、PDP装置1の駆動においては、一例として、256階調を表現するために1フィールドを8つのサブフィールドSF1〜SF8に分割し、それぞれのサブフィールドSF1〜SF8に初期化期間T、書き込み期間T、維持期間Tの3期間を設定し、サスティン電極Sus(1)〜Sus(n)に対して電圧パルス2001、スキャン電極Scn(1)〜Scn(n)に対して電圧パルス2002、データ電極Dat(1)〜Dat(m)に対して電圧パルス2003をそれぞれ印加する。
先ず、PDP1の駆動では、初期化期間Tにおいて、パネル部10の全放電セルに対して初期化放電を発生させ、これによって当該サブフレームよりも前のサブフレームにおける放電の有無による影響の除去や放電特性のバラツキを吸収するための初期化が実施される。初期化期間Tにおける初期化放電は、図3に示すように、電圧−時間推移が緩やかに傾斜して上下するランプ波形を、スキャン電極Scn(1)〜Scn(n)に印加し、小さな放電電流を定常的に流す。これにより、パネル部10の全放電セルで、上り傾斜のランプ波形部分と下りランプ波形部分とで各1回づつ弱放電である初期化放電が発生する。
次に、書き込み期間Tにおいて、サブフィールドデータに基づいてスキャン電極Scn(1)〜Scn(n)を1ライン毎に順にスキャンして行き、当該サブフィールドで維持放電させたい放電セルに対して、スキャン電極Scnとデータ電極Datとの間で書き込み放電(微小な放電)を発生させる。このようにスキャン電極Scnとデータ電極Datとの間で書き込み放電を生じた放電セルでは、前面パネル11の保護層114の放電空間13側の表面に壁電荷が蓄えられる。
その後、維持期間Tにおいて、サスティン電極Sus(1)〜Sus(n)およびスキャン電極Scn(1)〜Scn(n)に対し、所定の周期(例えば、6[μsec.])、所定の電圧(例えば、180V)で矩形波の維持パルスを印加する。サスティン電極Sus(1)〜Sus(n)に印加する維持パルスと、スキャン電極Scn(1)〜Scn(n)に印加する維持パルスとは、互いに同一の周期を有し、且つその位相が半周期ずれた状態となっており、パネル部10における全放電セルに対して同時に印加される。
図3に示すようなパルスの印加によって、パネル部10では、書き込みがなされた放電セルにおいて、維持期間Tでの交流電圧の印加を以って電圧極性が変化するたびにパルス放電が発生する。このような維持放電の発生により、表示発光は、放電空間13の励起Xe原子からは147[nm]の共鳴線が、励起Xe分子からは173[nm]主体の分子線が放射され、次いで発生の紫外線を背面パネル12における蛍光体層124で可視光変換して画像表示がなされることになる。
4.PDP装置1が有する優位性
本実施の形態に係るPDP装置1では、パネル部10の放電空間13内に充填されている放電ガスがXe−Neガスであり、放電ガス中に占めるNeガスの割合(全圧に対するNe分圧の比)が5[%]に設定されている。逆にいえば、放電ガス中におけるXeガスの占める割合は、95[%]と高くなっている。このため、本実施の形態に係るPDP装置1では、上述のように、高い発光効率(放電効率)を有する。そして、本実施の形態に係るPDP装置1では、上記特許文献1の技術のごとく100[%]Xeとせずに、5[%]のNeガスを添加しており、尚且つ、放電ガスの全圧を上記特許文献2のような超高圧とはしていないので、放電開始電圧を低く維持することができる。
また、本実施の形態に係るPDP装置1では、パネル部10における放電ガス中のNeガスの占める割合を上記のように5[%]としているので、駆動時の放電により保護層114がスパッタリングにより削り取られてしまうという問題を生じにくく、長寿命なものとなる。この理由については、後述する。
また、本実施の形態に係るパネル部10では、前面パネル11における保護層114を構成する材料としてMgOを用いている。保護層の構成材料としては、この他にもMgF(弗化マグネシウム)なども用いられることがあるが、2次電子放出係数および耐スパッタリング性等の観点からMgOが最適である。よって、MgOを用いて保護層114を形成している本実施の形態に係るパネル部10では、駆動時における高い発光効率と保護層114のスパッタリングに対する耐性という観点から優位である。
さらに、パネル部10の構成では、表示電極対112を構成するスキャン電極Scnおよびサスティン電極Susを、Agなどの金属材料からのみ形成しているので、ITOなどからなる透明電極と金属材料からなるバス電極との積層構造によってこれら電極を構成していた従来のパネル部よりも、製造コストという観点から優位である。なお、本実施の形態に係るパネル部10において、スキャン電極Scnおよびサスティン電極Susの各々を金属材料のみから構成できるのは、本実施の形態に係るPDP装置1では非常に高い発光輝度を有するため、電極Scn、Susの各幅を狭くすることができることに由来する。金属材料からなる電極Scn、Susの形成には、スパッタリング法などを用いることが可能であり、薄くて低抵抗な電極を形成することができる。
なお、本実施の形態に係るPDP装置1については、上記構成以外にもバリエーションを採用することが可能である。例えば、放電ガスにおける主成分ガスを上記パネル部10ではXeガスとしたが、これの代りにクリプトン(Kr)ガスを採用することもできる。また、放電ガスの全圧については、上記パネル部10の構成では5×10[Pa]としたが、1×10[Pa]〜5×10[Pa]の範囲内であれば、PDP装置1の駆動時における放電電圧という観点から、望ましい範囲として採用することができる。ここで、仮に放電ガスの充填圧力を1×10[Pa]未満とした場合には、パネルの発光効率が従来のパネルよりも低くなってしまう。
また、放電ガスの充填圧力を5×10[Pa]よりも高くした場合には、上記特許文献2のパネルのように放電開始電圧が高くなってしまう。例えば、本実施の形態に係るパネル部10と同様のパネル構成で放電ガスの充填圧力を6×10[Pa]程度まで上昇させた場合には、放電開始電圧は、約700[V]まで上昇してしまう。
さらに、本実施の形態では、放電ガス中におけるNeガスの占める割合を5%としたが、8[%]以下であればよい。ただし、全くNeガスが含まれていないような組成については、上記理由から避けなければならない。
5.放電ガス中におけるNeガスの含有比率(全圧に対する分圧比)
上記パネル部10の構成をベースとして、放電ガスにおけるXeガスとNeガスとの構成比率を変えてみて、駆動時における放電に起因する保護層114のスパッタリングレートおよび放電開始電圧の変化について考察する。
図4には、放電ガス中におけるNeガスの含有比率(分圧比)と保護層114のスパッタリングレートとの関係を示す。図中には、計算値と実験値とを示している。なお、スパッタリングレートの計算は各イオンにおけるスパッタリング確率と、イオン密度およびイオンエネルギー分布とを考慮して行っている。
図4に示すように、Neガスの分圧比が0[%]から95[%]までの間で実験および計算を行ったところ、実験結果は計算値と実験の傾向が非常によく一致した。スパッタリングレートは、Neガスの分圧比が略25[%]のときに最大値をとり、Neガスの分圧比が0[%]〜25[%]の範囲では、スパッタリングレートがNeガスの分圧比に従って急激に大きくなる。一方、Neガスの分圧比が25[%]〜95[%]の範囲では、Neガスの分圧比が高くなればなるほどスパッタリングレートが小さくなる。
保護層のスパッタリングレートが上昇した場合には、保護層が削り取られてしまい、パネル部が長期間の使用に耐えられなくなる。つまり製品の寿命が短くなったり、信頼性が低下したりすることとなる。このためスパッタリングレートには許容できる上限が存在する。
図4に示す結果より、Neガスの分圧比は、5[%]以下もしくは70[%]以上とする必要があることが分かる。ただし、放電ガス中におけるXeガスの含有比率が低い場合には、放電効率が低下するため、Neガスの分圧比を5[%]以下とすることにより、高効率と長寿命が両立されるPDP装置が実現できる。
ただし、上記特許文献1のように、Xeガスの分圧比が高過ぎる場合には、放電開始電圧も増加してしまう。このため、放電ガスには、Neガスを添加し放電開始電圧を少しでも下げることが必要である。
次に、Neガスの分圧比と放電開始電圧との関係について、図5を用いて説明する。図5は、放電開始電圧のNeガス分圧比依存性を示す特性図である。なお、図5においては、Xeガスの分圧を2×10[Pa]で一定とし、これに対してNeガスを添加することによって分圧比を決定している。
一般的には、圧力が増加すると放電開始電圧が増加する傾向にあるが、図5に示すように、Xeガスに対してNeガスを添加した場合には、およそNeガスの分圧比が10[%]程度までの範囲では放電開始電圧が下がり、分圧比が10[%]を超える範囲では、Neガスの分圧比の増加に伴って増加する傾向にある。
図5に示すように、Neガスの分圧比が10[%]〜30[%]程度の範囲では、全圧が増加しているにもかかわらず、Neガスを添加しない場合に比べて、放電開始電圧が小さくなっている。また、放電開始電圧を低減する効果は、Neガスの分圧比が0.2[%]の場合でも得られており、微量の添加でも効果があることが分かる。これは、MgOからなる保護層114の2次電子放出係数がNeイオンの存在によって大きくなったためであると考えられる。
従って、本実施の形態のPDP装置1のように、高い発光効率(放電効率)と保護層114のスパッタリング現象の抑制、および放電開始電圧の低減という効果を得るためには、放電ガスをXeガスとNeガスの混合ガスとし、Neガスの分圧を全圧の5[%]以下とすることが望ましい。
なお、図5では、放電ガス中にNeガスを含まない(Neガスの分圧比=0[%])については、そのデータをプロットしなかったが、上記特許文献1のように、放電ガス中にNeガスを含有しない場合には、放電開始電圧が上昇する。
なお、本実施の形態では、放電ガスにおける主成分ガスとしてXeガスを採用しているが、この他にも主成分ガスとしてクリプトン(Kr)ガスを採用することも可能である。Krガスを主成分ガスとした場合にも、図4および図5の結果に変化はない。
(実施の形態2)
次に実施の形態2に係るPDP装置について、以下で説明する。
先ず、本実施の形態に係るPDP装置およびそのパネル部の構成は、基本的に図1、2に示す上記実施の形態1のものと同様である。構成上の相違点は、放電ガスの充填圧力(全圧)が3.5×10[Pa]であること、前面パネルにおける誘電体層の構成材料が酸化シリコンであって、その厚みが約20[μm]であること、そして、表示電極対を構成する各電極Scn、Susの材料にAl−Ndが使われていることにある。
また、本実施の形態では、放電ガス中におけるNeガスの分圧比が、8[%]に設定されている。その他の構成については、上記実施の形態1に係るPDP装置1およびそのパネル部10と同様であるので、重ねての説明を省略する。
ここで、本実施の形態に係るPDP装置のパネル部においては、前面パネルにおける誘電体層の構成材料として、上記実施の形態1などの低融点ガラスなどに比べて誘電率が低い酸化シリコンを採用しているので、放電空間との電極容量を上記パネル部10と同一に揃えた場合には、その膜厚を1/2〜1/3と薄くすることが可能となっている。このため、本実施の形態に係るパネル部では、誘電体層の膜厚を上記パネル部10の誘電体層113の膜厚25[μm]に比べて5[μm]薄い20[μm]とすることができている。この誘電体層の薄肉化は、放電電圧の低減に寄与する。
本実施の形態に係るPDP装置およびそのパネル部では、上記特徴を備えることから、実施の形態1に係るPDP装置1が有する優位性に加えて、駆動時における放電による保護層へのスパッタリングダメージをより低減することができる。即ち、誘電体層を薄肉化することで放電電圧の低減を果たし、放電ガス中におけるNeガスの分圧比を8%としても、保護層へのイオン衝撃エネルギを小さなものとすることができる。
本実施の形態に係るPDP装置が有する上記優位性を確認するために実施した確認実験について、図6を用いて説明する。図6は、上記図4に対応するものであって、放電ガス中におけるNeガスの含有比率(分圧比)と保護層のスパッタリングレートとの関係を示す。なお、本実験では、放電ガスをXeガスとNeガスとの2元系としているので、図6のNeガスを除く残余の成分はXeガスということになる。
図6に示すように、放電ガス中におけるNeガスの分圧比がスパッタリングレートは、Neガスの分圧比が略25[%]のときに最大値をとる。これについては、図4に示す結果と同一であるが、分圧比が25[%]のときのスパッタリングレートが、図4に比べて約30ポイント低くなっている。これは、上述のように、酸化シリコンを用いて誘電体層を形成することで、その膜厚を20[μm]と薄肉化していることによるものである。
図6に示すように、図4の場合と同様に、Neガスの分圧比が0[%]〜25[%]の範囲では、スパッタリングレートがNeガスの分圧比に従って急激に大きくなり、25[%]〜95[%]の範囲では、Neガスの分圧比が高くなればなるほどスパッタリングレートが小さくなる。
以上の結果より、本実施の形態に係るパネル部の構成を採用する場合には、放電ガス中におけるNeガスの分圧比を8[%]以下に規定することで、高い発光効率と長寿命とを両立可能なPDP装置を実現できる。なお、本実施の形態においても、放電ガス中には、微量(例えば、0.2[%])であってもNeガスが添加されていることが前提となる。
また、図6より、放電ガス中におけるNeガスの分圧比を5[%]以下とする場合には、スパッタリングレートを一層低いものとすることができ、高い発光効率と、保護層へのスパッタリング発生の抑制と、放電開始電圧の低減とを実現するのに有効である。
なお、本実施の形態に係るPDP装置においても、放電ガスの全圧を1×10[Pa]〜5×10[Pa]の範囲で設定することが可能であり、また、表示電極対を構成する各電極Scn、SusをAgなどから形成することも可能である。これらの理由については、上記実施の形態1と同様である。表示電極対を構成する各電極Scn、Susの厚みについては、誘電体層の薄肉化を図っている観点から、絶縁破壊を防止するために薄くしておくことが望ましい。
また、放電ガスの主成分ガスとしてXeガスの代りにKrガスを用いても、上記同様の優位性を有する。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3に係るPDP装置およびそのパネル部について説明する。
本実施の形態に係るPDP装置およびそのパネル部は、上記実施の形態2と略同一の構成を有する。本実施の形態に係るPDP装置およびそのパネル部が有する上記実施の形態2との相違点は、放電ガスの組成にある。具体的には、本実施の形態に係るパネル部では、放電ガスとしてXe−Ne−Arの3元系ガスが用いられている。そして、放電ガス中におけるNeガスおよびArガスの分圧比は、ともに5[%]に設定されている。なお、放電ガスの全圧は、上記実施の形態2と同様に、3.5×10[Pa]に設定されている。また、これ以外の構成については、上記実施の形態2に係るPDP装置と同様である。
ここで、本実施の形態に係るパネル部では、放電ガスにArガスを添加しているが、これは次のような理由からである。即ち、ArイオンはNeイオンに比べて保護層をスパッタリングし難いという特性を有しており、Arガスの添加による寿命への影響はない。また、放電ガスにArガスを添加することで、励起されたArを介してのXeの励起が期待できる。このため、本実施の形態に係るPDP装置では、上記実施の形態2に係るPDP装置などに比べて、尚一層の発光効率の向上を図ることができる。
また、MgOからなる保護層のArイオンによる2次電子放出係数は、Xeイオンによるものより大きいので、本実施の形態に係るPDP装置では、放電開始電圧の低減効果も期待できる。
従って、本実施の形態に係るPDP装置では、上記実施の形態1、2に係るPDP装置にも増して、高い発光効率と、保護層に対するスパッタリングの発生の抑制と、放電開始電圧の低減とを実現する上で優位性を有する。
本実施の形態に係るPDP装置におけるNeガスの分圧比とスパッタリングレートとの関係についての確認結果を図7に示す。
図7に示すように、放電ガスがXe−Ne−Arの3元系の場合においても、Neガスの分圧比が略25[%]のときにスパッタリングレートが最大値をとる。このことから、保護層のスパッタリングレートは、放電ガス中のNeガスの分圧比に従っていることが分かる。即ち、図4と図7とを比べるとき、放電ガス中にArガスが5%含まれているか否かに関わらず、Neガスの分圧比が25[%]のポイントでスパッタリングレートの最大を有する。これより、保護層に対するスパッタリングは、放電ガス中におけるNeガスの含有比率により左右されていることが分かる。
なお、本実施の形態に係るPDP装置およびそのパネル部においても、上記実施の形態1および実施の形態2と同様の種々のバリエーションを採用することが可能である。
(誘電体層の膜厚とスパッタリングレートとに関する考察)
次に、誘電体層の膜厚とスパッタリングレートとの関係に関し、図8を用い説明する。図8は、保護層におけるスパッタリングレートの誘電体層の膜厚に対する依存性に関する特性図である。
図8に示すように、放電ガスの全圧に対するNeガスの分圧比が10[%]の場合には、確認した誘電体層の膜厚の範囲内(15[μm]〜40[μm])において、保護層のスパッタリングレートが”30”以上となっている。一方、放電ガスの全圧に対するNeガスの分圧比が5[%]の場合には、誘電体層の膜厚が確認の範囲内において、保護層のスパッタリングレートが”30”未満となっている。
また、図8に示すように、放電ガスの全圧に対するNeガスの分圧比が8[%]の場合には、誘電体層の膜厚が20[μm]以下であれば、保護層のスパッタリングレートが”30”未満となり、PDP装置の寿命という面から望ましいと考えられる。
以上の結果より、PDP装置およびそのパネル部においては、放電ガスの全圧に対するNeガスの分圧比が8[%]以下という範囲を想定する場合、誘電体層の膜厚を20[μm]以下とすることが望ましい。ただし、放電ガスの全圧に対するNeガスの分圧比が5[%]の場合には、図8から明らかなように、誘電体層の膜厚を40[μm]以下の範囲としておけば、PDP装置およびそのパネル部の長寿命化および発光効率の向上の両方を図ることができる。例えば、低融点ガラスを含むペーストを塗布・焼成するという過程を経て形成される従来の一般的な誘電体層を備える場合にも、放電ガスの全圧に対するNeガスの分圧比を5[%]以下とすれば、保護層のスパッタリングレートを”30”未満とすることができ、PDP装置およびそのパネル部の長寿命化および発光効率の向上という両観点から望ましい。
(放電ガス中におけるNeガスの含有率と製造過程におけるエージング時間とに関する考察)
次に、放電ガス中におけるNeガスの含有率と製造過程におけるエージング時間とに関し、図9を用い説明する。本考察を行うのに際しては、図1および図2に示す構成と同様の構成を有するPDP装置を用いた。ただし、放電ガスとしてXe−Neの2元系混合ガスを用い、Xeガスの分圧を20[kPa](150[Torr])で一定とし、これに0[%]〜20[%]の範囲の分圧比となるようにNeガスを混合した。なお、エージング時間とは、放電開始電圧の初期変動が収まり、定常状態、例えば250[V]±5[V]の範囲内となるまでに要する時間である。
図9に示すように、放電ガス中におけるNeガスの分圧比が、3[%]よりも小さい範囲においては、Neガスの分圧比の増加に伴い急激にエージング時間が短くなっている。そして、エージング時間は、Neガスの分圧比が3[%]以上となる範囲では、ほとんど変化しなくなる。即ち、エージング時間を短く抑えようとする時には、放電ガス中におけるNeガスの含有率を、分圧比で3[%]以上としておくことが望ましい。
(放電間隙と輝点発生頻度とに関する考察)
次に、前面パネル11におけるスキャン電極Scnとサスティン電極Susとの間隙(放電ギャップ)と輝点発生頻度との関係について、図10を用い説明する。なお、本考察においては、図1および図2に示す構成のPDP装置を用いた。ただし、放電ガスとしてXe−Neの2元系混合ガスを採用し、Xeガスの分圧比を95[%]とし、Neガスの分圧比を5[%]とした。また、放電ガスの全圧を24[kPa]とし、前面パネル11の表示電極対112におけるスキャン電極Scnとサスティン電極Susとの間隙を30[μm]〜80[μm]の範囲で変化させて、その各々の装置についての輝点発生頻度を求めた。
図10に示すように、放電ギャップが40[μm]よりも小さい範囲では、輝点発生頻度は0.4のあたりで一定している。そして、放電ギャップが40[μm]以上の範囲では、放電ギャップに応じて輝点発生頻度も増加する傾向にある。輝点は、PDP装置の表示品質を大きく左右する要素であるため、累積駆動時間が長期(例えば、PDP装置の寿命6万時間)に及んだ場合にも発生しないことが要求される。上記寿命6万時間に達するまでの間、輝点が発生しない目安としては、図10における輝点発生頻度が”0.5”以下であることが望まれる。
なお、PDP装置では、放電ギャップが40[μm]よりも小さい場合、駆動時における無効電力が大きくなり過ぎる。また、放電ギャップが70[μm]よりも大きい場合には、累積駆動時間が長期に及んだ場合に輝点が発生する、という問題を生じる。
従って、放電ギャップに関しては、無効電力の低減と、累積駆動時間が長期に及んだ場合の輝点発生の抑制との両観点から放電ギャップを、40[μm]以上70[μm]以下の範囲とすることが望ましい。
(隔壁123の高さと輝点発生頻度とに関する考察)
次に、隔壁123の高さと輝点発生頻度との関係について、図11を用い説明する。なお、本考察に際しては、表示電極対112を構成し、対をなすスキャン電極Scnとサスティン電極Susとのギャップ(放電ギャップ)よりも隔壁123の高さが高いことを前提としており、また、隔壁123において、主隔壁1231の方が補助隔壁1232よりも高いのが前提である。他の構成については、上記放電間隙と輝点発生頻度とに関する考察に係る場合と同様である。
また、本考察においては、主隔壁1231と補助隔壁1232との段差を2水準とした。
図11に示すように、主隔壁1231と補助隔壁1232との段差が8[μm]である場合も15[μm]である場合も、隔壁123の高さ(主隔壁1231の高さ)の増加に伴い、輝点発生頻度が上昇している。また、全ての確認ポイントにおいて、段差が8[μm]の場合よりも段差が15[μm]の場合の方が、輝点発生頻度が小さくなっている。なお、主隔壁1231の高さが低いほど放電開始電圧が上昇する傾向が確認された。特に、主隔壁1231の高さが75[μm]よりも低くなると、放電開始電圧は急激に上昇する傾向にある。
また、主隔壁1231が120[μm]以下であれば、輝点発生頻度は”0.5”以下となっており、累積駆動時間が長期に及んだ場合の輝点の発生を抑制することが可能となる。よって、主隔壁1231の高さを75[μm]以上120[μm]以下とすることが、放電開始電圧の上昇の抑制と、累積駆動時間が長期に及んだ場合の輝点の発生の抑制という両観点から望ましい。
(その他の事項)
上記実施の形態は、本発明の構成およびそこから奏される作用効果を説明するために一例として用いたものであって、本発明は、上記特徴とする部分以外の点において、これに限定を受けるものではない。例えば、放電ガスとして、上記実施の形態1、2では、Xe−Neの2元系の混合ガスを用い、また、上記実施の形態3では、Xe−Ne−Arの3元系の混合ガスを用いたが、これ以外にも、主成分ガスに対して上記範囲内でNeガスが添加されてなる放電ガスを採用することができる。例えば、放電ガスとしては、Kr−Ne、Kr−Ne−Ar、Xe−Ne−He、Xe−Ne−He−ArやKr−Ne−He−Arなどを採用することもできる。
また、上記実施の形態1などでは、蛍光体層124R、124G、124Bの各々を構成する蛍光体材料を例示したが、それ以外にも次に示すような各蛍光体材料を用いることができる。
R蛍光体;(Y、Gd)BO:Eu
G蛍光体;(Y、Gd)BO:TbとZnSiO:Mnとの混合物
B蛍光体;BaMgAl1424:Eu
また、上記実施の形態では、放電ガスの主成分ガスとして、XeガスやKrガスなどの放電により147[nm]や173[nm]の波長を有する紫外光を発するものを採用しているが、これについては、背面パネル12に設けられた蛍光体層124の構成材料に基づいて適宜の変更が可能である。
また、上記実施の形態1〜3では、PDP装置として図2に示すような構成を適用し、パネル部として図1に示すような構成を適用しているが、本発明に係るPDP装置およびそのパネル部の構成はこれらに限定を受けるものではない。
また、誘電体層の膜厚については、上記実施の形態1では25[μm]、上記実施の形態2、3では20[μm]にそれぞれ設定しているが、それ以外の値に設定してもよい。ただし、PDP装置の駆動時における放電電圧と絶縁破壊との関係を考慮して設定することが必要となる。
さらに、表示電極対を構成するスキャン電極Scnおよびサスティン電極Susの各々については、上記実施の形態1ではAgをその構成材料とし、上記実施の形態2、3ではAl−Ndをその構成材料として採用しているが、本発明はこれに限定を受けるものではない。例えば、ITOなどの透明膜と金属材料からなるバスラインとの積層構造を有する従来構造の電極や、Cu−Cr−Cuなどの積層体などを用いることも当然に可能である。また、上述のように、本発明の構成を採用したPDP装置およびそのパネル部では、高い発光輝度を得ることができるので、ITOなどからなる透明電極を廃した表示電極対を採用することができるのであるが、AgやAl−Ndに限らず、他の金属材料を用いることも可能である。
本発明は、高い発光効率を維持しながら、駆動の長短にかかわりなく安定した表示性能を維持することができ、大型で高精細なテレビジョンあるいは大型表示装置などに適用することが可能である。
本発明は、プラズマディスプレイパネルおよびプラズマディスプレイパネル装置に関し、特に、放電空間に充填されるガス組成に関する。
近年、平面型表示装置の一種としてのプラズマディスプレイパネル装置(以下では、「PDP装置」と記載する。)が広く普及してきている。PDP装置には、直流型(DC型)と交流型(AC型)とがあるが、大型表示装置を実現する上で高い技術的ポテンシャルを持つAC型、特に寿命特性に優れた面放電AC型の普及が進んでいる。
上記PDP装置は、画像表示を実行するパネル部と、入力画像信号に基づいてパネル部の駆動を実行する駆動部とからなる。この内、パネル部は、2枚のパネルが互いに間隔をあけて対向配置され、外周部で封止された構成を有している。
2枚のパネルの内の一方である前面パネルは、ガラス基板における一方の主面にストライプ状の表示電極対(スキャン電極とサスティン電極との対)が形成され、この上に誘電体層および保護層が順に積層され構成されている。2枚のパネルの内のもう一方のパネルである背面パネルは、ガラス基板の一方の主面にストライプ状のデータ電極が形成され、この上に誘電体層が形成され、さらにその上にストライプ状あるいは井桁状の隔壁が突設された構造を有している。そして、背面パネルにおける誘電体層と隣り合う隔壁とにより形成される各溝の壁面上には、蛍光体層が形成されている。
PDP装置のパネル部は、前面パネルと背面パネルとが、各々に配された表示電極対とデータ電極とが交差する方向に配され、前面パネルと背面パネルとの間の空間(放電空間)には、放電ガスとしてのキセノン(Xe)−ネオン(Ne)の混合ガスあるいはキセノン(Xe)−ネオン(Ne)−ヘリウム(He)の混合ガスなどが充填されている。そして、パネル部においては、表示電極対とデータ電極との各交差部分が放電セルに相当する。PDP装置の駆動部は、表示電極対およびデータ電極の各々に対して電圧パルスを印加できるように接続されている。
PDP装置の駆動には、所謂、フィールド内時分割階調表示方式が用いられ、駆動部が、入力画像の1フィールドを複数のサブフィールドに分割し、各サブフィールドを初期化期間、書き込み期間および維持放電期間で構成している。
ところで、PDP装置に対しては、より一層の発光効率(放電効率)の向上が求められており、その一方策として、放電ガス中におけるXeの占める割合を上昇させる研究開発がなされている。例えば、放電ガスを100[%]Xeガスとする提案(特許文献1)や、放電ガスの全圧に対するXeガスの分圧比を10[%]〜100[%]とし、且つ、放電ガスの充填圧力を6×10[Pa]という超高圧とする提案(特許文献2)などがなされている。
特開2002−83543号公報 特開2002−93327号公報
しかしながら、放電ガス中に占めるXeガスの割合を従来のPDPよりも高くしていった場合には、駆動時に発生する維持放電の影響を受けて保護層がスパッタリングにより削り取られていくという現象が顕著に発生する傾向にある。このため、従来では、放電ガス中におけるXeガスの割合を高く設定すると、長期にわたる安定した表示性能を維持できないという問題を生じてしまうと考えられていた。また、これとは別に、上記特許文献1の技術は、放電ガス中にNeガスを混入しないという構成を採用し、上記特許文献2の技術では、放電ガスの全圧を超高圧にしているので、ともに放電開始電圧が高くなり過ぎて、実用的なPDPを構成するのには適さないと考えられる。
本発明は、このような問題を解決しようとなされたものであって、高い発光効率を維持しながら、駆動が長期にわたった場合にも安定した表示性能を維持し得るプラズマディスプレイパネルおよびプラズマディスプレイパネル装置を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記放電ガスの各成分と駆動に伴う放電を起因とする保護層のスパッタリングによる削れの発生との関係について探求したところ、次のようなメカニズムを解明するに至った。即ち、放電ガスの全圧に対するXeガスの分圧の比が5[%]〜30[%]の範囲では、Xeガスの占める割合の増加に伴い発光効率は向上するものの、保護層の削れ量が急激に増加する。本発明者等の確認によると、放電ガス中におけるXeガスの占める割合が30[%]を超えるレンジを採用する場合には、実際にPDPを構成する上で問題となるレベルまで、保護層の削れ量が多くなってしまう。
また、上記特許文献1のように放電ガスを100[%]Xeガスとして、全くNeガスを混入しない場合には、駆動時における放電に起因した保護層のスパッタリングによる削れがほとんど発生しないということが分かった。さらに、本発明者等は、放電ガス中におけるNeガスの占める割合(分圧比)を1[%]〜10[%]の範囲で検討したところ、放電ガス中におけるNeガスの占める割合が小さければ小さいほど、駆動時の放電による保護層のスパッタリングによる削れ量が少ないという結果を得た。
これらの検討事項から、本発明者等は、駆動時における保護層のスパッタリングに関しては放電ガス中のNeガスの占める割合が重要なファクターであることを見出した。
そこで、本発明は、次のような特徴を採用する。
本発明に係るPDPは、一対の基板(第1の基板と第2の基板)が互いの間に空間をあけて対向配置され、一方の基板(第1の基板)における主面上に電極対と誘電体層と保護層とが順に積層され、当該保護層が空間を臨む状態におかれ、他方の基板(第2の基板)における主面上に保護層と対向する状態で蛍光体層が形成され、空間に放電ガスが充填されてなる構成を有するパネルであって、放電ガスは、プラズマ放電により蛍光体層を構成する蛍光体を励起する光を出射するガス成分を主成分ガスとし、当該主成分ガスに対してNeガスが添加された構成を有する。そして、本発明に係るPDPでは、放電ガス中において、主成分ガスが主たる比率で含有されているとともに、Neガスが、放電ガスの全圧に対して8[%]以下の分圧比で含有されていることを特徴とする。ここで、「Neガスの分圧比」とは、Neガスの分圧を放電ガスの全圧で除した値のことを指す。
なお、上記において、主成分ガスの規定における「主たる比率」とは、放電ガスの全圧に対する分圧の比が最も高いことを指し、例えば、2元系では50[%]よりも大きい値であり、3元系では33.3[%]よりも大きい値である。
また、本発明に係るPDP装置は、上記本発明に係るPDPと、当該PDPの電極対を構成する電極の各々に対して、入力された画像信号に基づき電圧パルスを印加する駆動部とを有することを特徴とする。
上述のように、本発明に係るPDPおよびPDP装置では、放電ガス中において、主成分ガスが最も大きな比率を占めて含まれているので、高い発光効率(放電効率)を有する。また、本発明に係るPDPおよびPDP装置では、放電ガス中にNeガスが含まれていることから、Neガスが含まれていない上記特許文献1のPDPなどに比べて、低い放電開始電圧が維持される。
また、本発明に係るPDPおよびPDP装置では、放電ガス中におけるNeガスの分圧比が8[%]以下に規定されているので、駆動時における放電に伴うNeイオンによる保護膜へのスパッタリングによる削れ量が少なく、駆動が長期に及んだ場合にも、高い表示性能を確保可能である。
従って、本発明に係るPDPおよびPDP装置は、高い発光効率を維持しながら、駆動が長期にわたった場合にも安定した表示性能を維持することができるという優位性を有する。
上記本発明に係るPDPおよびPDP装置では、第1の基板の主面上における誘電体層の厚みを20[μm]未満としておくことが望ましい。これは、誘電体層を上記のように薄くすることで、パネル駆動時における放電開始電圧を低く抑えることが可能であり、駆動時における放電を原因とする保護層のスパッタリングによる削れの発生を抑制するという観点から望ましいためである。
また、上記本発明に係るPDPおよびPDP装置では、特に、放電ガスの全圧に対するNeガスの分圧比を5[%]以下に設定しておくことが望ましい。このように、放電ガス中におけるNeガスが占める割合を低く設定した場合には、特に上記のような誘電体層の厚みの規定などを行わなくても、駆動時におけるスパッタリングによる保護層の削れ量を効果的に少なくすることができる。
上記本発明に係るPDPおよびPDP装置では、放電ガスの全圧に対するNeガスの分圧比の下限値を、0.2[%]以上に設定することが現実的である。また、本発明に係るPDPおよびPDP装置では、放電ガスの全圧に対するNeガスの分圧比の下限を、3[%]以上に設定すれば、製造過程におけるエージング時間を従来のパネル構造を採用する場合に比べて、遜色のない長さに抑えることが可能となる。
また、本発明に係るPDPおよびPDP装置では、放電ガス中にアルゴン(Ar)ガスを含む構成としておくことが望ましい。これは、Ar原子のペニング効果を利用することによって、放電開始電圧のより一層の低減を図ることができ、発光効率の向上を図ることができるためである。
上記本発明に係るPDPおよびPDP装置では、放電ガスの全圧(充填圧力)を1×10[Pa]以上5×10[Pa]以下に設定しておくことが望ましい。これは、放電ガスの全圧を1×10[Pa]よりも低く設定する場合には、従来のPDPよりも発光効率が低くなってしまい、また、5×10[Pa]よりも高く設定する場合には、上記特許文献2の技術と同様に、放電開始電圧が高くなり過ぎてしまうためである。特に、放電ガス中におけるXe分圧比が高い場合には顕著となり、Xe分圧比が高く且つ全圧も高い場合には、誘電体層の耐圧が大きな課題となる。また、放電ガスの全圧を、1.7×10[Pa]以上5×10[Pa]以下に設定しておくことがより望ましい。
また、本発明に係るPDPおよびPDP装置では、電極対を構成する各電極が金属材料からなるという構成を採用することが望ましい。これは、上述のように、本発明に係るPDPおよびPDP装置では高い発光効率の実現が可能であることから、表示電極対を構成する各電極の面積をできるだけ小さくすることができるためである。なお、従来のPDPでは、通常、表示電極対を構成する各電極を、ITO(Indium Tin Oxide)などからなる透明電極と、金属材料からなるバス電極とを積層した構成を採用していたが、上述のように本発明に係るPDPおよびPDP装置では、金属材料からなる電極だけで十分であり、透明電極などを必要としないために、そのために要する製造工数などを削減することができる。よって、本発明に係るPDPおよびPDP装置では、上記電極の構成を採用するときには低いコストという優位性も有する。
本発明に係るPDPおよびPDP装置では、具体的な保護層として酸化マグネシウム(MgO)を採用することができ、また、具体的な主成分ガスとしてXeガスまたはKrガスを採用することができる。
さらに、上記本発明に係るPDPおよびPDP装置では、電極対を構成する2電極間の間の間隙(放電ギャップ)を40[μm]以上70[μm]以下とすることが、無効電力の低減および輝点発生頻度を低く抑えるという両観点から望ましい。即ち、放電ギャップが40[μm]よりも小さい場合には、無効電力が現実的な範囲を越えて大きくなり過ぎ、逆に70[μm]よりも大きい場合には、Xe分圧比が高い条件において、初期化期間で不所望の強放電(誤放電)が発生し、その後の維持期間において、本来点灯させたくない放電セルで発光してしまう(輝点が発生する)、という問題を生じるのに対し、本発明に係るPDPおよびPDP装置のように、放電ギャップを40[μm]以上70[μm]以下としておけば、無効電力の低減および輝点発生の抑制という両観点から望ましい。
また、第2の基板における誘電体層の主面上であって、隣り合う電極どうしの間に隔壁が形成されている構成を採用するときに、隔壁の高さを上記電極対における放電ギャップよりも高くすることが輝点発生頻度の低減という観点から望ましく、75[μm]以上120[μm]以下とすることがより望ましい。
また、所謂、井桁状の隔壁構造を採用する場合には、第2の基板における電極に並行する隔壁に対し、これに交差する方向に延設される補助隔壁の高さが、8[μm]以上15[μm)以下の範囲で低くなるようにすることが、輝点発生頻度の低減という観点からより望ましい。
なお、隔壁の高さと補助隔壁の高さとの差異は、製造時における寸法バラツキおよび放電空間内の排気の効率を勘案して、差異を8[μm]未満とすることは現実的ではなく、上下に隣接する放電セル(補助隔壁を間に挟んで隣接する放電セル)間での後放電の防止、という観点から、15[μm]以下としておくことが望ましい。
以下では、本発明を実施するための最良の形態について、一例を以って説明する。なお、以下で説明する実施の形態はあくまでも一例であって、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施の形態1)
1.パネル部10の構成
本発明の実施の形態1に係るPDP装置1の構成の内、パネル部10の構成について、図1を用いて説明する。図1は、実施の形態1に係るパネル部10の構造を示す要部斜視図(一部断面図)である。
図1に示すように、パネル部10は、2枚のパネル11、12が間に放電空間13をあけて対向配置された構成を有する。
1−1.前面パネル11の構成
図1に示すように、パネル部10を構成する要素の内、前面パネル11は、前面基板111における背面パネル12と対向する側の面(図1では下面)に、スキャン電極Scnとサスティン電極Susからなる表示電極対112が、互いに平行に複数配設され、この表示電極対112を覆うように、誘電体層113および保護膜114が順に形成されている。
前面基板111は、例えば、高歪点ガラスあるいはソーダライムガラスから構成されている。また、スキャン電極Scnおよびサスティン電極Susの各々は、金属材料(例えば、Ag)から構成されており、且つ、その構成要素中にITO(錫ドープ酸化インジウム)、SnO(酸化錫)、ZnO(酸化亜鉛)などが含まれていない構成となっている。なお、スキャン電極Scnおよびサスティン電極Susについては、その構成要素中にITO、SnO、ZnOなどを含むこととすることもできる。
また、誘電体層113は、無鉛の低融点ガラス材料から形成されており、その厚みは約25[μm]に設定されている。保護膜114については、MgO(酸化マグネシウム)から構成されている。
なお、前面基板111の表面において、隣り合う表示電極対112と表示電極対112との間には、隣り合う放電セルの光が互いに漏れ出るのを防止するためのブラックストライプが設けられた構成としてもよい。
1−2.背面パネル12の構成
背面パネル12は、背面基板121における前面パネル11と対向する側の面(図1では上面)に、表示電極対112と略直交する方向において、データ電極Datが複数配置されており、このデータ電極Datを覆うように、誘電体層122が形成されている。また、この誘電体層122上には、隣り合うデータ電極Dat間に主隔壁1231が立設され、さらに、この主隔壁1231と略直行する方向に補助隔壁1232が形成されている。本実施の形態に係るパネル部10では、これら主隔壁1231と補助隔壁1232との組み合わせを以って隔壁123が構成されている。なお、図面上では詳細に示していないが、z方向において、補助隔壁1232の上端は、主隔壁1231の上端よりも若干低く設定されている。
誘電体層122と隣り合う2条の主隔壁1231および2条の補助隔壁1232とで囲まれた窪み部分の内壁面には、蛍光体層124が設けられている。蛍光体層124は、色毎に赤色(R)蛍光体層124R、緑色(G)蛍光体層124G、青色(B)蛍光体層124Bの各々に分けられ、図1におけるy方向に主隔壁1231で仕切られた窪み部分毎に色分けされて形成されている。なお、図1のx方向においては、隣り合う主隔壁1231間で構成される列毎に同じ色の蛍光体層124R、124G、124Bが形成されている。
背面パネル12における背面基板121についても、上記前面基板111と同様に、高歪点ガラスあるいはソーダライムガラスなどから構成されている。データ電極Datは、上記スキャン電極Scnやサスティン電極Susなどと同様に、例えば、Agなどの金属材料から形成されている。なお、データ電極Datの形成材料としては、Agの他に、金(Au)、クロム(Cr)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)等の金属材料や、例えば、これらを積層するなどの方法で組み合わせたものも用いることもできる。
誘電体層122は、基本的に前面パネル11の誘電体層113と同じく、無鉛の低融点ガラス材料から形成されているが、酸化アルミニウム(Al)や酸化チタン(TiO)が含まれたものでもよい。また、隔壁123は、例えば、ガラス材料を用い形成されている。
蛍光体層124R、124G、124Bの各々は、例えば、次に示すような各色蛍光体を単独で用いたり、あるいは、各々を混合した材料を用い形成されている。
赤色(R)蛍光体;(Y、Gd)BO:Eu
YVO:Eu
緑色(G)蛍光体;ZnSiO:Mn
(Y、Gd)BO:Tb
BaAl1219:Mn
青色(B)蛍光体:BaMgAl1017:Eu
CaMgSi:Eu
1−3.前面パネル11と背面パネル12との配置
図1に示すように、パネル部10は、前面パネル11と背面パネル12とが、背面パネル12に形成された隔壁123をギャップ材として間に挟み、且つ、表示電極対112とデータ電極Datとが略直交する方向に配され、この状態で各々の外周部どうしが封止されてなる構成を有している。この構成によって、上述のように、前面パネル11と背面パネル12との間には、各隔壁123によって仕切られた放電空間13が形成され、両パネル11、12が密閉容器を形成することになる。
放電空間13には、XeガスとNeガスとが混合されてなる放電ガスが充填されている。放電空間13内における放電ガスの全圧は、5×10[Pa]に調整されている。本実施の形態に係るパネル部10では、放電ガス中におけるNeガスの占める割合が、放電ガス全圧に対してNeガスの分圧の比が5[%]となる状態に設定されている。換言すれば、パネル部10では、放電ガス全圧に対してXeガスの分圧の比が95[%]となっている。ここで、放電ガス中におけるXeガスは、主成分ガスとして含まれるものであって、駆動時における放電により蛍光体層124を構成する各蛍光体を励起する真空紫外線などを出射するものである。
パネル部10では、表示電極対112とデータ電極Datとが立体交差する各箇所が放電セル(不図示)に対応する。そして、パネル部10には、複数の放電セルがマトリクス配列された状態となっている。
2.PDP装置1の構成
上記パネル部10を備えるPDP装置1について、図2を用いて説明する。図2は、PDP装置1の構成を模式的に表したブロック図である。なお、図2では、パネル部10については電極Scn、Sus、Datの配列のみを示している。
図2に示すように、本実施の形態に係るPDP装置1は、上記パネル部10とこの各電極Scn、Sus、Datに対して所要のタイミングおよび波形で電圧を印加する表示駆動部20とから構成されている。パネル部10には、行方向にn本のスキャン電極Scn(1)〜Scn(n)およびn本のサスティン電極Sus(1)〜Sus(n)が、互いに交互に配設されている。
また、パネル部10には、列方向にm本のデータ電極Dat(1)〜Dat(m)が配設されている。そして、放電セルは、隣り合う一対のスキャン電極Scnk(k=1〜n)およびサスティン電極Susk(k=1〜n)と1本のデータ電極Datl(l=1〜m)との交差部分に対応して設けられ、パネル部10全体として(m×n)個の放電セルを有する。
図2に示すように、表示駆動部20は、パネル部10における各電極Scn、Sus、Datに接続されるデータドライバ21、スキャンドライバ22およびサスティンドライバ23を有する。そして、表示駆動部20には、各ドライバ21〜23の他に、タイミング発生部24、A/D変換部25、操作変換部26、サブフィールド変換部27およびAPL(平均ピクチャレベル)検出部28を有する。また、図示を省略しているが、表示駆動部20には、電源回路も有している。映像信号VDは、A/D変換部25に入力され、また、水平同期信号Hおよび垂直同期信号Vは、タイミング発生部24、A/D変換部25、走査数変換部26およびサブフィールド変換部27に対して入力される。
表示駆動部20のA/D変換部25は、入力された映像信号VDをデジタル信号の画像データへと変換し、変換後の画像データを走査数変換部26およびAPL検出部28へと出力する。APL検出部28は、A/D変換部25から転送されてくる1画面毎の各放電セルの各階調値を示す表示画面データに基づき、当該1画面の全ての階調値を積算し、これを全放電セルの数で割った値を求める。そして、APL検出部28は、求めた値から最大階調値(例えば、256階調)に対する百分率を算出して平均ピクチャレベル(APL値)を求め、その値をタイミング発生部24へと出力する。平均ピクチャレベルの値が低いほど黒っぽい画面となり、値が高ければ白っぽい画面となる。
走査数変換部26は、A/D変換部25から受け付けた画像データをパネル部10の画素数に応じた画像データへと変換し、サブフィールド変換部27へと出力する。サブフィールド変換部27は、サブフィールドメモリ(不図示)を備え、走査数変換部26から転送されてくる画像データをパネル部10に階調表示させるための各サブフィールドでの放電セルの点灯/非点灯を示す2値データの集合であるサブフィールドデータに変換し、一旦サブフィールドメモリに格納する。そして、タイミング発生部24からのタイミング信号に基づきサブフィールドデータをデータドライバ21へと出力する。
データドライバ21は、サブフィールド毎の画像データを各データ電極Dat(1)〜Dat(m)に対応する信号に変換し、各データ電極Datを駆動するものである。データドライバ21には、公知のドライバICなどが備えられている。
タイミング発生部24は、水平同期信号Hおよび垂直同期信号Vに基づいてタイミング信号を生成し、各ドライバ21〜23に信号を出力する。ここで、タイミング発生部24は、APL検出部28から入力されるAPL値に基づいて1フィールドを構成するサブフィールドの各々の初期化期間を全セル初期化期間であるか選択初期化期間であるかを決定し、1フィールド内での全セル初期化期間の適用回数を制御する。
スキャンドライバ22は、タイミング発生部24から送られてくるタイミング信号に基づいて、スキャン電極Scn(1)〜Scn(n)に駆動電圧を印加する。スキャンドライバ22についても、上記データドライバ21と同様に、公知のドライバICを備えて構成されている。
サスティンドライバ23は、公知のドライバICを備えて構成されており、タイミング発生部24から送られてくるタイミング信号に基づいて、サスティン電極Sus(1)〜Sus(n)に駆動電圧を印加する。
3.PDP装置1の駆動方法
次に、上記構成を有するPDP装置1の駆動方法について、図3を用いて説明する。図3は、フィールド内時分割階調表示方式(サブフィールド法)を用いてPDP装置1の駆動を実行する方法を示している。
図3に示すように、PDP装置1の駆動においては、一例として、256階調を表現するために1フィールドを8つのサブフィールドSF1〜SF8に分割し、それぞれのサブフィールドSF1〜SF8に初期化期間T、書き込み期間T、維持期間Tの3期間を設定し、サスティン電極Sus(1)〜Sus(n)に対して電圧パルス2001、スキャン電極Scn(1)〜Scn(n)に対して電圧パルス2002、データ電極Dat(1)〜Dat(m)に対して電圧パルス2003をそれぞれ印加する。
先ず、PDP1の駆動では、初期化期間Tにおいて、パネル部10の全放電セルに対して初期化放電を発生させ、これによって当該サブフレームよりも前のサブフレームにおける放電の有無による影響の除去や放電特性のバラツキを吸収するための初期化が実施される。初期化期間Tにおける初期化放電は、図3に示すように、電圧−時間推移が緩やかに傾斜して上下するランプ波形を、スキャン電極Scn(1)〜Scn(n)に印加し、小さな放電電流を定常的に流す。これにより、パネル部10の全放電セルで、上り傾斜のランプ波形部分と下りランプ波形部分とで各1回づつ弱放電である初期化放電が発生する。
次に、書き込み期間Tにおいて、サブフィールドデータに基づいてスキャン電極Scn(1)〜Scn(n)を1ライン毎に順にスキャンして行き、当該サブフィールドで維持放電させたい放電セルに対して、スキャン電極Scnとデータ電極Datとの間で書き込み放電(微小な放電)を発生させる。このようにスキャン電極Scnとデータ電極Datとの間で書き込み放電を生じた放電セルでは、前面パネル11の保護層114の放電空間13側の表面に壁電荷が蓄えられる。
その後、維持期間Tにおいて、サスティン電極Sus(1)〜Sus(n)およびスキャン電極Scn(1)〜Scn(n)に対し、所定の周期(例えば、6[μsec.])、所定の電圧(例えば、180V)で矩形波の維持パルスを印加する。サスティン電極Sus(1)〜Sus(n)に印加する維持パルスと、スキャン電極Scn(1)〜Scn(n)に印加する維持パルスとは、互いに同一の周期を有し、且つその位相が半周期ずれた状態となっており、パネル部10における全放電セルに対して同時に印加される。
図3に示すようなパルスの印加によって、パネル部10では、書き込みがなされた放電セルにおいて、維持期間Tでの交流電圧の印加を以って電圧極性が変化するたびにパルス放電が発生する。このような維持放電の発生により、表示発光は、放電空間13の励起Xe原子からは147[nm]の共鳴線が、励起Xe分子からは173[nm]主体の分子線が放射され、次いで発生の紫外線を背面パネル12における蛍光体層124で可視光変換して画像表示がなされることになる。
4.PDP装置1が有する優位性
本実施の形態に係るPDP装置1では、パネル部10の放電空間13内に充填されている放電ガスがXe−Neガスであり、放電ガス中に占めるNeガスの割合(全圧に対するNe分圧の比)が5[%]に設定されている。逆にいえば、放電ガス中におけるXeガスの占める割合は、95[%]と高くなっている。このため、本実施の形態に係るPDP装置1では、上述のように、高い発光効率(放電効率)を有する。そして、本実施の形態に係るPDP装置1では、上記特許文献1の技術のごとく100[%]Xeとせずに、5[%]のNeガスを添加しており、尚且つ、放電ガスの全圧を上記特許文献2のような超高圧とはしていないので、放電開始電圧を低く維持することができる。
また、本実施の形態に係るPDP装置1では、パネル部10における放電ガス中のNeガスの占める割合を上記のように5[%]としているので、駆動時の放電により保護層114がスパッタリングにより削り取られてしまうという問題を生じにくく、長寿命なものとなる。この理由については、後述する。
また、本実施の形態に係るパネル部10では、前面パネル11における保護層114を構成する材料としてMgOを用いている。保護層の構成材料としては、この他にもMgF(弗化マグネシウム)なども用いられることがあるが、2次電子放出係数および耐スパッタリング性等の観点からMgOが最適である。よって、MgOを用いて保護層114を形成している本実施の形態に係るパネル部10では、駆動時における高い発光効率と保護層114のスパッタリングに対する耐性という観点から優位である。
さらに、パネル部10の構成では、表示電極対112を構成するスキャン電極Scnおよびサスティン電極Susを、Agなどの金属材料からのみ形成しているので、ITOなどからなる透明電極と金属材料からなるバス電極との積層構造によってこれら電極を構成していた従来のパネル部よりも、製造コストという観点から優位である。なお、本実施の形態に係るパネル部10において、スキャン電極Scnおよびサスティン電極Susの各々を金属材料のみから構成できるのは、本実施の形態に係るPDP装置1では非常に高い発光輝度を有するため、電極Scn、Susの各幅を狭くすることができることに由来する。金属材料からなる電極Scn、Susの形成には、スパッタリング法などを用いることが可能であり、薄くて低抵抗な電極を形成することができる。
なお、本実施の形態に係るPDP装置1については、上記構成以外にもバリエーションを採用することが可能である。例えば、放電ガスにおける主成分ガスを上記パネル部10ではXeガスとしたが、これの代りにクリプトン(Kr)ガスを採用することもできる。また、放電ガスの全圧については、上記パネル部10の構成では5×10[Pa]としたが、1×10[Pa]〜5×10[Pa]の範囲内であれば、PDP装置1の駆動時における放電電圧という観点から、望ましい範囲として採用することができる。ここで、仮に放電ガスの充填圧力を1×10[Pa]未満とした場合には、パネルの発光効率が従来のパネルよりも低くなってしまう。
また、放電ガスの充填圧力を5×10[Pa]よりも高くした場合には、上記特許文献2のパネルのように放電開始電圧が高くなってしまう。例えば、本実施の形態に係るパネル部10と同様のパネル構成で放電ガスの充填圧力を6×10[Pa]程度まで上昇させた場合には、放電開始電圧は、約700[V]まで上昇してしまう。
さらに、本実施の形態では、放電ガス中におけるNeガスの占める割合を5%としたが、8[%]以下であればよい。ただし、全くNeガスが含まれていないような組成については、上記理由から避けなければならない。
5.放電ガス中におけるNeガスの含有比率(全圧に対する分圧比)
上記パネル部10の構成をベースとして、放電ガスにおけるXeガスとNeガスとの構成比率を変えてみて、駆動時における放電に起因する保護層114のスパッタリングレートおよび放電開始電圧の変化について考察する。
図4には、放電ガス中におけるNeガスの含有比率(分圧比)と保護層114のスパッタリングレートとの関係を示す。図中には、計算値と実験値とを示している。なお、スパッタリングレートの計算は各イオンにおけるスパッタリング確率と、イオン密度およびイオンエネルギー分布とを考慮して行っている。
図4に示すように、Neガスの分圧比が0[%]から95[%]までの間で実験および計算を行ったところ、実験結果は計算値と実験の傾向が非常によく一致した。スパッタリングレートは、Neガスの分圧比が略25[%]のときに最大値をとり、Neガスの分圧比が0[%]〜25[%]の範囲では、スパッタリングレートがNeガスの分圧比に従って急激に大きくなる。一方、Neガスの分圧比が25[%]〜95[%]の範囲では、Neガスの分圧比が高くなればなるほどスパッタリングレートが小さくなる。
保護層のスパッタリングレートが上昇した場合には、保護層が削り取られてしまい、パネル部が長期間の使用に耐えられなくなる。つまり製品の寿命が短くなったり、信頼性が低下したりすることとなる。このためスパッタリングレートには許容できる上限が存在する。
図4に示す結果より、Neガスの分圧比は、5[%]以下もしくは70[%]以上とする必要があることが分かる。ただし、放電ガス中におけるXeガスの含有比率が低い場合には、放電効率が低下するため、Neガスの分圧比を5[%]以下とすることにより、高効率と長寿命が両立されるPDP装置が実現できる。
ただし、上記特許文献1のように、Xeガスの分圧比が高過ぎる場合には、放電開始電圧も増加してしまう。このため、放電ガスには、Neガスを添加し放電開始電圧を少しでも下げることが必要である。
次に、Neガスの分圧比と放電開始電圧との関係について、図5を用いて説明する。図5は、放電開始電圧のNeガス分圧比依存性を示す特性図である。なお、図5においては、Xeガスの分圧を2×10[Pa]で一定とし、これに対してNeガスを添加することによって分圧比を決定している。
一般的には、圧力が増加すると放電開始電圧が増加する傾向にあるが、図5に示すように、Xeガスに対してNeガスを添加した場合には、およそNeガスの分圧比が10[%]程度までの範囲では放電開始電圧が下がり、分圧比が10[%]を超える範囲では、Neガスの分圧比の増加に伴って増加する傾向にある。
図5に示すように、Neガスの分圧比が10[%]〜30[%]程度の範囲では、全圧が増加しているにもかかわらず、Neガスを添加しない場合に比べて、放電開始電圧が小さくなっている。また、放電開始電圧を低減する効果は、Neガスの分圧比が0.2[%]の場合でも得られており、微量の添加でも効果があることが分かる。これは、MgOからなる保護層114の2次電子放出係数がNeイオンの存在によって大きくなったためであると考えられる。
従って、本実施の形態のPDP装置1のように、高い発光効率(放電効率)と保護層114のスパッタリング現象の抑制、および放電開始電圧の低減という効果を得るためには、放電ガスをXeガスとNeガスの混合ガスとし、Neガスの分圧を全圧の5[%]以下とすることが望ましい。
なお、図5では、放電ガス中にNeガスを含まない(Neガスの分圧比=0[%])については、そのデータをプロットしなかったが、上記特許文献1のように、放電ガス中にNeガスを含有しない場合には、放電開始電圧が上昇する。
なお、本実施の形態では、放電ガスにおける主成分ガスとしてXeガスを採用しているが、この他にも主成分ガスとしてクリプトン(Kr)ガスを採用することも可能である。Krガスを主成分ガスとした場合にも、図4および図5の結果に変化はない。
(実施の形態2)
次に実施の形態2に係るPDP装置について、以下で説明する。
先ず、本実施の形態に係るPDP装置およびそのパネル部の構成は、基本的に図1、2に示す上記実施の形態1のものと同様である。構成上の相違点は、放電ガスの充填圧力(全圧)が3.5×10[Pa]であること、前面パネルにおける誘電体層の構成材料が酸化シリコンであって、その厚みが約20[μm]であること、そして、表示電極対を構成する各電極Scn、Susの材料にAl−Ndが使われていることにある。
また、本実施の形態では、放電ガス中におけるNeガスの分圧比が、8[%]に設定されている。その他の構成については、上記実施の形態1に係るPDP装置1およびそのパネル部10と同様であるので、重ねての説明を省略する。
ここで、本実施の形態に係るPDP装置のパネル部においては、前面パネルにおける誘電体層の構成材料として、上記実施の形態1などの低融点ガラスなどに比べて誘電率が低い酸化シリコンを採用しているので、放電空間との電極容量を上記パネル部10と同一に揃えた場合には、その膜厚を1/2〜1/3と薄くすることが可能となっている。このため、本実施の形態に係るパネル部では、誘電体層の膜厚を上記パネル部10の誘電体層113の膜厚25[μm]に比べて5[μm]薄い20[μm]とすることができている。この誘電体層の薄肉化は、放電電圧の低減に寄与する。
本実施の形態に係るPDP装置およびそのパネル部では、上記特徴を備えることから、実施の形態1に係るPDP装置1が有する優位性に加えて、駆動時における放電による保護層へのスパッタリングダメージをより低減することができる。即ち、誘電体層を薄肉化することで放電電圧の低減を果たし、放電ガス中におけるNeガスの分圧比を8%としても、保護層へのイオン衝撃エネルギを小さなものとすることができる。
本実施の形態に係るPDP装置が有する上記優位性を確認するために実施した確認実験について、図6を用いて説明する。図6は、上記図4に対応するものであって、放電ガス中におけるNeガスの含有比率(分圧比)と保護層のスパッタリングレートとの関係を示す。なお、本実験では、放電ガスをXeガスとNeガスとの2元系としているので、図6のNeガスを除く残余の成分はXeガスということになる。
図6に示すように、放電ガス中におけるNeガスの分圧比がスパッタリングレートは、Neガスの分圧比が略25[%]のときに最大値をとる。これについては、図4に示す結果と同一であるが、分圧比が25[%]のときのスパッタリングレートが、図4に比べて約30ポイント低くなっている。これは、上述のように、酸化シリコンを用いて誘電体層を形成することで、その膜厚を20[μm]と薄肉化していることによるものである。
図6に示すように、図4の場合と同様に、Neガスの分圧比が0[%]〜25[%]の範囲では、スパッタリングレートがNeガスの分圧比に従って急激に大きくなり、25[%]〜95[%]の範囲では、Neガスの分圧比が高くなればなるほどスパッタリングレートが小さくなる。
以上の結果より、本実施の形態に係るパネル部の構成を採用する場合には、放電ガス中におけるNeガスの分圧比を8[%]以下に規定することで、高い発光効率と長寿命とを両立可能なPDP装置を実現できる。なお、本実施の形態においても、放電ガス中には、微量(例えば、0.2[%])であってもNeガスが添加されていることが前提となる。
また、図6より、放電ガス中におけるNeガスの分圧比を5[%]以下とする場合には、スパッタリングレートを一層低いものとすることができ、高い発光効率と、保護層へのスパッタリング発生の抑制と、放電開始電圧の低減とを実現するのに有効である。
なお、本実施の形態に係るPDP装置においても、放電ガスの全圧を1×10[Pa]〜5×10[Pa]の範囲で設定することが可能であり、また、表示電極対を構成する各電極Scn、SusをAgなどから形成することも可能である。これらの理由については、上記実施の形態1と同様である。表示電極対を構成する各電極Scn、Susの厚みについては、誘電体層の薄肉化を図っている観点から、絶縁破壊を防止するために薄くしておくことが望ましい。
また、放電ガスの主成分ガスとしてXeガスの代りにKrガスを用いても、上記同様の優位性を有する。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3に係るPDP装置およびそのパネル部について説明する。
本実施の形態に係るPDP装置およびそのパネル部は、上記実施の形態2と略同一の構成を有する。本実施の形態に係るPDP装置およびそのパネル部が有する上記実施の形態2との相違点は、放電ガスの組成にある。具体的には、本実施の形態に係るパネル部では、放電ガスとしてXe−Ne−Arの3元系ガスが用いられている。そして、放電ガス中におけるNeガスおよびArガスの分圧比は、ともに5[%]に設定されている。なお、放電ガスの全圧は、上記実施の形態2と同様に、3.5×10[Pa]に設定されている。また、これ以外の構成については、上記実施の形態2に係るPDP装置と同様である。
ここで、本実施の形態に係るパネル部では、放電ガスにArガスを添加しているが、これは次のような理由からである。即ち、ArイオンはNeイオンに比べて保護層をスパッタリングし難いという特性を有しており、Arガスの添加による寿命への影響はない。また、放電ガスにArガスを添加することで、励起されたArを介してのXeの励起が期待できる。このため、本実施の形態に係るPDP装置では、上記実施の形態2に係るPDP装置などに比べて、尚一層の発光効率の向上を図ることができる。
また、MgOからなる保護層のArイオンによる2次電子放出係数は、Xeイオンによるものより大きいので、本実施の形態に係るPDP装置では、放電開始電圧の低減効果も期待できる。
従って、本実施の形態に係るPDP装置では、上記実施の形態1、2に係るPDP装置にも増して、高い発光効率と、保護層に対するスパッタリングの発生の抑制と、放電開始電圧の低減とを実現する上で優位性を有する。
本実施の形態に係るPDP装置におけるNeガスの分圧比とスパッタリングレートとの関係についての確認結果を図7に示す。
図7に示すように、放電ガスがXe−Ne−Arの3元系の場合においても、Neガスの分圧比が略25[%]のときにスパッタリングレートが最大値をとる。このことから、保護層のスパッタリングレートは、放電ガス中のNeガスの分圧比に従っていることが分かる。即ち、図4と図7とを比べるとき、放電ガス中にArガスが5%含まれているか否かに関わらず、Neガスの分圧比が25[%]のポイントでスパッタリングレートの最大を有する。これより、保護層に対するスパッタリングは、放電ガス中におけるNeガスの含有比率により左右されていることが分かる。
なお、本実施の形態に係るPDP装置およびそのパネル部においても、上記実施の形態1および実施の形態2と同様の種々のバリエーションを採用することが可能である。
(誘電体層の膜厚とスパッタリングレートとに関する考察)
次に、誘電体層の膜厚とスパッタリングレートとの関係に関し、図8を用い説明する。図8は、保護層におけるスパッタリングレートの誘電体層の膜厚に対する依存性に関する特性図である。
図8に示すように、放電ガスの全圧に対するNeガスの分圧比が10[%]の場合には、確認した誘電体層の膜厚の範囲内(15[μm]〜40[μm])において、保護層のスパッタリングレートが”30”以上となっている。一方、放電ガスの全圧に対するNeガスの分圧比が5[%]の場合には、誘電体層の膜厚が確認の範囲内において、保護層のスパッタリングレートが”30”未満となっている。
また、図8に示すように、放電ガスの全圧に対するNeガスの分圧比が8[%]の場合には、誘電体層の膜厚が20[μm]以下であれば、保護層のスパッタリングレートが”30”未満となり、PDP装置の寿命という面から望ましいと考えられる。
以上の結果より、PDP装置およびそのパネル部においては、放電ガスの全圧に対するNeガスの分圧比が8[%]以下という範囲を想定する場合、誘電体層の膜厚を20[μm]以下とすることが望ましい。ただし、放電ガスの全圧に対するNeガスの分圧比が5[%]の場合には、図8から明らかなように、誘電体層の膜厚を40[μm]以下の範囲としておけば、PDP装置およびそのパネル部の長寿命化および発光効率の向上の両方を図ることができる。例えば、低融点ガラスを含むペーストを塗布・焼成するという過程を経て形成される従来の一般的な誘電体層を備える場合にも、放電ガスの全圧に対するNeガスの分圧比を5[%]以下とすれば、保護層のスパッタリングレートを”30”未満とすることができ、PDP装置およびそのパネル部の長寿命化および発光効率の向上という両観点から望ましい。
(放電ガス中におけるNeガスの含有率と製造過程におけるエージング時間とに関する考察)
次に、放電ガス中におけるNeガスの含有率と製造過程におけるエージング時間とに関し、図9を用い説明する。本考察を行うのに際しては、図1および図2に示す構成と同様の構成を有するPDP装置を用いた。ただし、放電ガスとしてXe−Neの2元系混合ガスを用い、Xeガスの分圧を20[kPa](150[Torr])で一定とし、これに0[%]〜20[%]の範囲の分圧比となるようにNeガスを混合した。なお、エージング時間とは、放電開始電圧の初期変動が収まり、定常状態、例えば250[V]±5[V]の範囲内となるまでに要する時間である。
図9に示すように、放電ガス中におけるNeガスの分圧比が、3[%]よりも小さい範囲においては、Neガスの分圧比の増加に伴い急激にエージング時間が短くなっている。そして、エージング時間は、Neガスの分圧比が3[%]以上となる範囲では、ほとんど変化しなくなる。即ち、エージング時間を短く抑えようとする時には、放電ガス中におけるNeガスの含有率を、分圧比で3[%]以上としておくことが望ましい。
(放電間隙と輝点発生頻度とに関する考察)
次に、前面パネル11におけるスキャン電極Scnとサスティン電極Susとの間隙(放電ギャップ)と輝点発生頻度との関係について、図10を用い説明する。なお、本考察においては、図1および図2に示す構成のPDP装置を用いた。ただし、放電ガスとしてXe−Neの2元系混合ガスを採用し、Xeガスの分圧比を95[%]とし、Neガスの分圧比を5[%]とした。また、放電ガスの全圧を24[kPa]とし、前面パネル11の表示電極対112におけるスキャン電極Scnとサスティン電極Susとの間隙を30[μm]〜80[μm]の範囲で変化させて、その各々の装置についての輝点発生頻度を求めた。
図10に示すように、放電ギャップが40[μm]よりも小さい範囲では、輝点発生頻度は0.4のあたりで一定している。そして、放電ギャップが40[μm]以上の範囲では、放電ギャップに応じて輝点発生頻度も増加する傾向にある。輝点は、PDP装置の表示品質を大きく左右する要素であるため、累積駆動時間が長期(例えば、PDP装置の寿命6万時間)に及んだ場合にも発生しないことが要求される。上記寿命6万時間に達するまでの間、輝点が発生しない目安としては、図10における輝点発生頻度が”0.5”以下であることが望まれる。
なお、PDP装置では、放電ギャップが40[μm]よりも小さい場合、駆動時における無効電力が大きくなり過ぎる。また、放電ギャップが70[μm]よりも大きい場合には、累積駆動時間が長期に及んだ場合に輝点が発生する、という問題を生じる。
従って、放電ギャップに関しては、無効電力の低減と、累積駆動時間が長期に及んだ場合の輝点発生の抑制との両観点から放電ギャップを、40[μm]以上70[μm]以下の範囲とすることが望ましい。
(隔壁123の高さと輝点発生頻度とに関する考察)
次に、隔壁123の高さと輝点発生頻度との関係について、図11を用い説明する。なお、本考察に際しては、表示電極対112を構成し、対をなすスキャン電極Scnとサスティン電極Susとのギャップ(放電ギャップ)よりも隔壁123の高さが高いことを前提としており、また、隔壁123において、主隔壁1231の方が補助隔壁1232よりも高いのが前提である。他の構成については、上記放電間隙と輝点発生頻度とに関する考察 に係る場合と同様である。
また、本考察においては、主隔壁1231と補助隔壁1232との段差を2水準とした。
図11に示すように、主隔壁1231と補助隔壁1232との段差が8[μm]である場合も15[μm]である場合も、隔壁123の高さ(主隔壁1231の高さ)の増加に伴い、輝点発生頻度が上昇している。また、全ての確認ポイントにおいて、段差が8[μm]の場合よりも段差が15[μm]の場合の方が、輝点発生頻度が小さくなっている。なお、主隔壁1231の高さが低いほど放電開始電圧が上昇する傾向が確認された。特に、主隔壁1231の高さが75[μm]よりも低くなると、放電開始電圧は急激に上昇する傾向にある。
また、主隔壁1231が120[μm]以下であれば、輝点発生頻度は”0.5”以下となっており、累積駆動時間が長期に及んだ場合の輝点の発生を抑制することが可能となる。よって、主隔壁1231の高さを75[μm]以上120[μm]以下とすることが、放電開始電圧の上昇の抑制と、累積駆動時間が長期に及んだ場合の輝点の発生の抑制という両観点から望ましい。
(その他の事項)
上記実施の形態は、本発明の構成およびそこから奏される作用効果を説明するために一例として用いたものであって、本発明は、上記特徴とする部分以外の点において、これに限定を受けるものではない。例えば、放電ガスとして、上記実施の形態1、2では、Xe−Neの2元系の混合ガスを用い、また、上記実施の形態3では、Xe−Ne−Arの3元系の混合ガスを用いたが、これ以外にも、主成分ガスに対して上記範囲内でNeガスが添加されてなる放電ガスを採用することができる。例えば、放電ガスとしては、Kr−Ne、Kr−Ne−Ar、Xe−Ne−He、Xe−Ne−He−ArやKr−Ne−He−Arなどを採用することもできる。
また、上記実施の形態1などでは、蛍光体層124R、124G、124Bの各々を構成する蛍光体材料を例示したが、それ以外にも次に示すような各蛍光体材料を用いることができる。
R蛍光体;(Y、Gd)BO:Eu
G蛍光体;(Y、Gd)BO:TbとZnSiO:Mnとの混合物
B蛍光体;BaMgAl1424:Eu
また、上記実施の形態では、放電ガスの主成分ガスとして、XeガスやKrガスなどの放電により147[nm]や173[nm]の波長を有する紫外光を発するものを採用しているが、これについては、背面パネル12に設けられた蛍光体層124の構成材料に基づいて適宜の変更が可能である。
また、上記実施の形態1〜3では、PDP装置として図2に示すような構成を適用し、パネル部として図1に示すような構成を適用しているが、本発明に係るPDP装置およびそのパネル部の構成はこれらに限定を受けるものではない。
また、誘電体層の膜厚については、上記実施の形態1では25[μm]、上記実施の形態2、3では20[μm]にそれぞれ設定しているが、それ以外の値に設定してもよい。ただし、PDP装置の駆動時における放電電圧と絶縁破壊との関係を考慮して設定することが必要となる。
さらに、表示電極対を構成するスキャン電極Scnおよびサスティン電極Susの各々については、上記実施の形態1ではAgをその構成材料とし、上記実施の形態2、3ではAl−Ndをその構成材料として採用しているが、本発明はこれに限定を受けるものではない。例えば、ITOなどの透明膜と金属材料からなるバスラインとの積層構造を有する従来構造の電極や、Cu−Cr−Cuなどの積層体などを用いることも当然に可能である。また、上述のように、本発明の構成を採用したPDP装置およびそのパネル部では、高い発光輝度を得ることができるので、ITOなどからなる透明電極を廃した表示電極対を採用することができるのであるが、AgやAl−Ndに限らず、他の金属材料を用いることも可能である。
本発明は、高い発光効率を維持しながら、駆動の長短にかかわりなく安定した表示性能を維持することができ、大型で高精細なテレビジョンあるいは大型表示装置などに適用することが可能である。
実施の形態1に係るパネル部10の要部構成を示す要部斜視図(一部断面図)である。 実施の形態1に係るPDP装置1の構成を模式的に示すブロック構成図である。 PDP装置1の駆動において、各電極に対して印加される電圧波形を示す波形図である。 パネル部10における放電ガス中のNeガスの分圧比とスパッタリングレートとの関係を示す特性図である。 パネル部10における放電ガス中のNeガスの分圧比と放電開始電圧との関係を示す特性図である。 実施の形態2に係るPDP装置において、放電ガス中のNeガスの分圧比とスパッタリングレートとの関係を示す特性図である。 実施の形態3に係るPDP装置において、放電ガス中のNeガスの分圧比とスパッタリングレートとの関係を示す特性図である。 誘電体層厚みとスパッタリングレートとの関係を示す特性図である。 放電ガス中のNeの分圧比と必要となるエージング時間との関係を示す特性図である。 放電間隙と輝点発生頻度との関係を示す特性図である。 隔壁の高さと輝点発生頻度との関係を示す特性図である。
符号の説明
1.PDP装置
10.パネル部
11.前面パネル
12.背面パネル
13.放電空間
20.表示駆動部
21.データドライバ
22.スキャンドライバ
23.サスティンドライバ
24.タイミング発生部
25.A/D変換器
26.走査数変換部
27.サブフィールド変換部
111、121.基板
112.表示電極対
113、122.誘電体層
114.保護層
123.隔壁
124.蛍光体層
Scn.スキャン電極
Sus.サスティン電極
Dat.データ電極

Claims (23)

  1. 第1の基板と第2の基板とが互いの間に空間をあけて対向配置され、前記第1の基板における主面上に電極対と誘電体層と保護層とが順に積層され、当該保護層が前記空間を臨む状態におかれ、前記第2の基板における主面上に前記保護層と対向する状態で蛍光体層が形成され、前記空間に放電ガスが充填されてなるプラズマディスプレイパネルにおいて、
    前記放電ガスは、プラズマ放電により前記蛍光体層の蛍光体を励起する光を出射するガス成分を主成分ガスとし、当該主成分ガスに対してネオンガスが添加された構成を有し、
    前記放電ガス中において、前記主成分ガスは、主たる比率で含有されているとともに、前記ネオンガスは、全圧に対して8%以下の分圧比で含有されている。
  2. 請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルにおいて、
    前記誘電体層の厚みは、20μm未満である。
  3. 請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルにおいて、
    前記放電ガス中におけるネオンガスは、全圧に対して5%以下の分圧比で含有されている。
  4. 請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルにおいて、
    前記放電ガス中におけるネオンガスは、全圧に対して0.2%以上の分圧比を下限値として含有されている。
  5. 請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルにおいて、
    前記放電ガス中におけるネオンガスは、全圧に対して3%以上の分圧比を下限値として含有されている。
  6. 請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルにおいて、
    前記放電ガス中には、アルゴンガスが含まれている。
  7. 請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルにおいて、
    前記放電ガスの全圧は、1×10Pa以上5×10Pa以下である。
  8. 請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルにおいて、
    前記放電ガスの全圧は、1.7×10Pa以上5×10Pa以下である。
  9. 請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルにおいて、
    前記電極対を構成する各電極は、金属材料からなる。
  10. 請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルにおいて、
    前記保護層は、酸化マグネシウムからなる。
  11. 請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルにおいて、
    前記主成分ガスは、キセノンガスまたはクリプトンガスからなる。
  12. 請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルにおいて、
    前記第1の基板の主面上における前記電極対は、互いの間の間隙が40μm以上70μm以下の配される2電極からなる。
  13. 請求項12に記載のプラズマディスプレイパネルにおいて、
    前記第2の基板における主面上には、前記電極対に対し立体交差する方向に、電極が形成され、当該電極を覆う状態に誘電体層が形成されるとともに、前記誘電体層の主面上であって、隣り合う前記電極どうしの間に、前記第1の基板に向けて隔壁が立設されており、
    前記第2の基板における前記誘電体層の主面を基準とするときの前記隔壁の高さは、前記電極対を構成する2電極間の間隙よりも高い。
  14. 請求項13に記載のプラズマディスプレイパネルにおいて、
    前記第2の基板における前記誘電体層の主面を基準とするときの前記隔壁の高さは、75μm以上120μm以下である。
  15. 請求項14に記載のプラズマディスプレイパネルにおいて、
    前記第2の基板における前記誘電体層の主面上であって、前記第1の基板における隣り合う電極対どうしの間に相当する領域には、前記隔壁に交差する方向であって、且つ、前記第1の基板における前記保護層に向けて補助隔壁が立設されており、
    前記第2の基板における前記誘電体層の主面を基準とするとき、前記隔壁の高さは、前記補助隔壁に高さに比べて高く設定されており、
    前記隔壁の高さと前記補助隔壁の高さとの差異は、8μm以上15μm以下である。
  16. 第1の基板と第2の基板とが互いの間に空間をあけて対向配置され、前記第1の基板における主面上に電極対と誘電体層と保護層とが順に積層され、当該保護層が前記空間を臨む状態におかれ、前記第2の基板における主面上に前記保護層と対向する状態で蛍光体層が形成され、前記空間に放電ガスが充填されてなるパネル部と、
    前記パネル部の電極対を構成する電極の各々に対して、入力された画像信号に基づき電圧パルスを印加する駆動部とを有するプラズマディスプレイパネル装置において、
    前記放電ガスは、プラズマ放電により前記蛍光体層の蛍光体を励起する光を出射するガス成分を主成分ガスとし、当該主成分ガスに対してネオンガスが添加された構成を有し、
    前記放電ガス中において、前記主成分ガスは、主たる比率で含有されているとともに、前記ネオンガスは、全圧に対して8%以下の分圧比で含有されている。
  17. 請求項16に記載のプラズマディスプレイパネル装置において、
    前記誘電体層の厚みは、20μm未満である。
  18. 請求項16に記載のプラズマディスプレイパネル装置において、
    前記放電ガス中におけるネオンガスは、全圧に対して5%以下の分圧比で含有されている。
  19. 請求項16に記載のプラズマディスプレイパネル装置において、
    前記放電ガス中におけるネオンガスは、全圧に対して0.2%以上の分圧比を下限値として含有されている。
  20. 請求項16に記載のプラズマディスプレイパネル装置において、
    前記放電ガス中におけるネオンガスは、全圧に対して3%以上の分圧比を下限値として含有されている。
  21. 請求項16に記載のプラズマディスプレイパネル装置において、
    前記放電ガス中には、アルゴンガスが含まれている。
  22. 請求項16に記載のプラズマディスプレイパネル装置において、
    前記放電ガスの全圧は、1×10Pa以上5×10Pa以下である。
  23. 請求項16に記載のプラズマディスプレイパネル装置において、
    前記主成分ガスは、キセノンガスまたはクリプトンガスからなる。
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