JP2001126621A - プラズマディスプレイパネル用基板 - Google Patents

プラズマディスプレイパネル用基板

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JP2001126621A
JP2001126621A JP30168799A JP30168799A JP2001126621A JP 2001126621 A JP2001126621 A JP 2001126621A JP 30168799 A JP30168799 A JP 30168799A JP 30168799 A JP30168799 A JP 30168799A JP 2001126621 A JP2001126621 A JP 2001126621A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】PDP用基板において、容易に短時間でパネル
封止を行うことを可能とする。 【解決手段】隔壁構造を格子型又は千鳥型とし、かつア
ドレス電極と交差する隔壁2の高さH2を50μm以上
で、かつアドレス電極3と平行な隔壁1の高さH1より
10μm以上低くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄型軽量高品質の
大型画面用カラー表示装置等に用いられるプラズマディ
スプレイパネル(以下PDP)用基板に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】薄型の大型画面用のカラー表示装置等に
用いられるPDPは、微小な放電表示セルと呼ばれる隔
壁に囲まれた空間に、対向する電極群(アドレス電極、
表示電極)を設け、前記空間に希ガス等の放電可能なガ
スを封入した気密構造を成しており、前記対向する電極
間に電圧を選択的に印加し、放電によりプラズマを発生
させ、該プラズマより放電表示セル内の蛍光体を発光さ
せて画面の発光素子として利用するものである。
【0003】一般に、前記PDPの放電表示セルを構成
する隔壁の構造は図6に示すように、背面板7にアドレ
ス電極3を備え、これと平行方向にのみ隔壁1を形成し
たストライプ型となっている。
【0004】また、この隔壁1の製造方法としては、一
般に印刷積層法、フォトリソグラフィ法が挙げられる。
【0005】前記印刷積層法は、隔壁材料のペーストを
用いて厚膜印刷法により放電表示セルの所定形状をパタ
ーンとして絶縁基板上に印刷して形成するもので、1回
の印刷で形成できる膜の厚さは約10〜15μm程度で
あることから、印刷、乾燥を繰り返しながら約100〜
200μm程度の高さを必要とする放電表示セルの隔壁
を形成するものである。また、背面板上に所定の厚みで
隔壁材料を層状に形成し、該隔壁材料層にレジスト膜を
被着してフォトリソグラフィ法によりレジストマスクを
作製し、該レジストマスクを介してサンドブラスト加工
により不要部を研削除去して所望形状の隔壁を形成する
ことも提案されている(特開平9−29638号公報参
照)。
【0006】前記フォトリソグラフィ法は、絶縁基板上
に設けた感光性樹脂層をパターンマスクを介して、光や
紫外線等を用いて露光後、現像して開口部を形成し、該
開口部に絶縁ペーストを埋め込み、隔壁を形成するもの
である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ストライプ型では形状がシンプルで製造が容易ではある
ものの、発光効率が低く、消費電力が大きい、明所コン
トラストが低いという課題があった。
【0008】また、発光効率向上の目的に格子型の隔壁
構造も利用されているが放電表示セルが基板と隔壁で完
全に密閉される為に真空排気及び希ガスの封入が非常に
難しく、加えて蛍光体形成時に隔壁頂部に蛍光体を付着
させない為にXY方向の高精度なアライメントが必要と
いう課題があった。
【0009】本発明の目的は、発光効率を向上させると
同時に真空排気及びガスの封入、蛍光体形成時のアライ
メントの課題を解消できることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は前記課題に
鑑み鋭意検討した結果、真空排気及びガス封入、蛍光体
のアライメントの課題を発生させることなく発光効率を
向上させる隔壁構造を見出し、本発明に至った。
【0011】即ち、背面板の主面上に複数のアドレス電
極と複数の隔壁を備えてなるプラズマディスプレイパネ
ル用基板において、上記隔壁がアドレス電極に平行な隔
壁と交差する隔壁とからなり、上記アドレス電極と交差
する隔壁の高さが50μm以上で、かつアドレス電極に
平行な隔壁より10μm以上低いことを特徴とするもの
である。
【0012】
【作用】本発明のPDP用基板によれば、アドレス電極
に交差する隔壁を備えた格子型又は千鳥型の隔壁構造と
し、かつアドレス電極と交差する隔壁が高さ50μm以
上でアドレス電極と平行な隔壁より10μm以上低くす
ることにより、パネル封止の際に真空排気及び希ガスの
封入がアドレス電極と交差する隔壁と前面板の隙間を介
して成されることにより、容易に短時間でパネル封止を
行うことが可能となる。しかも、発光にさほど寄与しな
い隔壁頂部を低くするという構造であるため、発光効率
は完全格子構造と比較して差は見られない。
【0013】また、蛍光体形成時のアライメントもアド
レス電極と交差する隔壁がアドレス電極と平行する隔壁
と比較して低いことからX方向(アドレス電極と直交方
向)のみのアライメントで隣接する放電表示セルへの蛍
光体混入を防ぐことが可能となる。すなわち、従来のス
トライプ型と同様の手法を用いることが可能となる。
【0014】また、その製造方法において、加圧成形法
もしくは転写成形法を用いることにより、予め型に所望
の隔壁形状の溝を形成しておくことにより高さの異なる
隔壁を同時に、1工程で製造するとが可能となる。しか
も、隔壁形状については型に形成する溝の形状による
為、溝形状を変更することで隔壁形状は自由度を持つこ
とが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施形態を図によっ
て説明する。
【0016】図1(a)及び(b)は格子型構造のPD
P用背面板の模式図であり、背面板7上に複数のアドレ
ス電極3とその間に平行する複数の隔壁1が設けられて
いる。また、アドレス電極3と交差する形で複数の隔壁
2が設けられている。図1(a)は格子型、図1(b)
は千鳥型のPDP背面板の模式図である。
【0017】また、隔壁2の高さH2は50μm以上
で、かつ隔壁1の高さH1より10μm以上低くするこ
とによって、隔壁2上に隙間4を形成してある。一般的
に隔壁1の高さH1は80μm以上200μm以下であ
ることから、隔壁2上には10〜150μmの隙間4が
発生する。
【0018】この隙間4がパネル封止の際に真空排気及
び希ガス封入の経路となるため、各放電表示セルが排気
封入口と遮断されない形となる。そのため、真空排気及
び希ガス封入が容易に短時間で行うことが可能となる。
尚、本発明において隙間4が10μm未満の場合、十分
な経路が確保できないため、真空排気及び希ガス封入に
時間がかかり、本発明の目的とは一致しない。また、隔
壁2の高さH2が50μm未満の場合、発光に寄与の大
きい隔壁下部の面積が小さくなるため、発光効率がスト
ライプ構造と比較して十分改善されない。
【0019】ここで、図2は本発明による隔壁構造(図
1(a))において、一般的なストライプ型構造(図
8)の発光輝度を基準として、隔壁2の高さH2を変更
した際の発光輝度の改善率を表したものである。この図
2に示すグラフを見ても明らかなように,隔壁2の高さ
H2が50μmまでは高くなるほど発光効率が大きく改
善されている。また、50μm以上でも高くなるほど改
善はするものの大きな改善にはつながらない。このこと
から十分な発光効率改善を得るためには隔壁2の高さH
2は50μm以上必要なことがわかる。
【0020】図3(a)(b)に本発明の製造方法に用
いる型の一例を示す。図3(a)は格子型構造のPDP
背面板を形成する型10の模式図であり、円周方向にア
ドレス電極と平行な隔壁1を形成する溝8があり、これ
と交差する形でアドレス電極と交差する隔壁2を形成す
る溝9がある。図3(b)は千鳥型構造のPDP背面板
を形成する型10の模式図であり、アドレス電極と交差
する隔壁2を形成する溝9の配置が千鳥型となってい
る。
【0021】各溝8、9の深さについては、所望の隔壁
高さと焼成収縮率を考慮した設計とする。例えば所望の
隔壁高さが100μmで、焼成収縮率が90%の場合は
100÷0.9=111.1μmに溝深さを設計すれば
よい。
【0022】この型10を用いて加圧成形法もしくは転
写成形法にて隔壁を成形することにより高さの異なる隔
壁1及び隔壁2を同時に成形することが可能となる。
尚、図3(a)(b)ではロール形状の型10を示して
いるが、平面型であっても問題はない。
【0023】図4及び図5に加圧成形法及び転写成形法
の簡単な工程図を示す。図4の加圧成形法は背面板7上
にアドレス電極3を印刷法により形成する工程と、これ
を焼成する工程、隔壁となるペーストを焼成された背面
板7上に成膜する工程、これを均一に乾燥する工程、こ
れを型10によりアドレス電極3とアライメントした形
で加圧成形する工程、及びこれを焼成する工程とからな
る。
【0024】図5の転写成形法は型10に隔壁となるペ
ーストを充填する工程と、これを仮硬化する工程、これ
を加圧成形法の際と同様にして得られたアドレス電極3
を備えた背面板7上にアドレス電極3とアライメントし
た形で転写する工程、及びこれを焼成する工程とからな
る。
【0025】
【実施例】次に本発明のPDP用背面板の隔壁構造を以
下のようにして評価した。 (実施例1)先ず、厚さ2mmのソーダライムガラスから
なる背面板7上に、厚膜印刷法を用いてAgを主成分と
する電極ペーストを用いて幅80μmのアドレス電極3
をストライプ状に220μmピッチで全面に形成して焼
き付け、電極付き基板を作製した。
【0026】次に、隔壁ペーストを電極付き基板上に塗
布乾燥の後、型10を用いた加圧成形法にて電極間に隔
壁1をアライメントし、成形、焼成を行った。こうして
高さH1が150μm、ピッチが220μmの隔壁1、
高さH2が100μm、ピッチが660μmのストレー
ト形状の隔壁2を有する格子型隔壁のPDP用基板を得
た。 (実施例2)実施例1と同様に加圧成形法を用いて高さ
H1が150μm、ピッチが220μmの隔壁1、高さ
H2が100μm、ピッチが660μmの30°テーパ
ー形状の隔壁2を有する格子型隔壁のPDP用基板を得
た。 (実施例3)実施例1と同様に加圧成形法を用いて高さ
H1が150μm、ピッチが220μmの隔壁1、高さ
H2が50μm、ピッチが660μmのストレート形状
の隔壁2を有する格子型隔壁のPDP用基板を得た。 (実施例4)実施例1と同様に加圧成形法を用いて高さ
H1が150μm、ピッチが220μmの隔壁1、高さ
H2が140μm、ピッチが660μmのストレート形
状の隔壁2を有する格子型隔壁のPDP用基板を得た。 (比較例1)実施例1と同様に加圧成形法を用いて高さ
150μm、ピッチ220μmの隔壁1を有するストラ
イプ型のPDP用隔壁基板を得た。 (比較例2)実施例1と同様に加圧成形法を用いて高さ
150μm、ピッチ220μmの隔壁1、高さ150μ
m、ピッチ660μmのストレート形状の隔壁2を有す
る完全格子型隔壁のPDP用基板を得た。 (比較例3)実施例1と同様に加圧成形法を用いて高さ
150μm、ピッチ220μmの隔壁1、高さ30μ
m、ピッチ660μmのストレート形状の隔壁2を有す
る格子型隔壁のPDP用基板を得た。 (比較例4)実施例1と同様に加圧成形法を用いて高さ
150μm、ピッチ220μmの隔壁1、高さ145μ
m、ピッチ660μmのストレート形状の隔壁2を有す
る格子型隔壁のPDP用基板を得た。
【0027】かくして得られた実施例1〜4、比較例1
〜4ののPDP用基板をパネル化し、白色点灯時の発光
効率を測定した。尚、パネル化の際の真空排気及び希ガ
ス封入時間も測定した。かくして得られた結果を表1に
示す。尚、発光効率及び、真空排気希ガス封入時間は比
較例1(ストライプ構造)を100とした比較数値にて
表している。また、評価は発光効率については比較例2
(完全格子構造)の−3%までを○とし、−10%まで
を△、それ以下を×とした。真空排気希ガス封入時間に
ついては比較例1(ストライプ構造)の+10%までを
○、+30%までを△、それ以上を×とした。
【0028】表1から明らかなように、比較例において
は発光効率、真空排気希ガス封入時間の両項目を同時に
満足させることは出来ない。一方、本発明実施例につい
ては両項目とも満足する結果となった。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】本発明のPDP用隔壁によれば、隔壁構
造を格子型又は千鳥型とし、かつアドレス電極と交差す
る隔壁の高さを50μm以上で、かつアドレス電極と平
行な隔壁の高さより10μm以上低くすることにより、
パネル封止の際の真空排気及び希ガスの封入がアドレス
電極と交差する隔壁と前面板との隙間を介して成される
ことにより、容易に短時間でパネル封止を行うことが可
能となる。
【0031】また、蛍光体形成時のアライメントも、ア
ドレス電極と交差する隔壁が平行な隔壁と比較して低い
ことから、X方向(アドレス電極と直交方向)のみのア
ライメントで隣接する放電表示セルへの蛍光体混入を防
ぐことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)(b)は本発明によるPDP用基板の概
略斜視図である。
【図2】本発明のPDP用基板における、アドレス電極
に交差する隔壁の高さと発光輝度改善率の関係を示した
グラフである。
【図3】(a)(b)は本発明のPDP用基板における
隔壁を成形するための型を示す斜視図である。
【図4】本発明のPDP用基板を製造するための加圧成
形法の工程図である。
【図5】本発明のPDP用基板を製造するための転写成
形法の工程図である。
【図6】一般的なストライプ型構造のPDP用基板の概
略斜視図である。
【符号の説明】
1:隔壁 2:隔壁 3:アドレス電極 4:隙間 7:背面板 8:溝 9:溝 10:型

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】背面板の主面上に複数のアドレス電極と複
    数の隔壁を備えてなるプラズマディスプレイパネル用基
    板において、上記隔壁がアドレス電極に平行な隔壁と交
    差する隔壁とからなり、上記アドレス電極と交差する隔
    壁の高さが50μm以上で、かつアドレス電極に平行な
    隔壁より10μm以上低いことを特徴とするプラズマデ
    ィスプレイパネル用基板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006129754A1 (ja) * 2005-06-02 2006-12-07 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. プラズマディスプレイパネルおよびプラズマディスプレイパネル装置

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