JP2009021098A - プラズマディスプレイパネル - Google Patents

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Kazuya Nomoto
和也 野本
Kyohei Yoshino
恭平 吉野
Yukihiro Morita
幸弘 森田
Toshiyasu Oue
利泰 大植
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Abstract

【課題】高い発光効率を維持しながら、駆動の長短にかかわりなく安定した表示性能を維持し、かつパネルのエージング時間の短いPDPおよびPDP装置を提供する。
【解決手段】PDP装置のパネル部においては、放電空間にXe−Ne放電ガスを含み、少なくとも、放電ガスの全圧が、2×10Pa以上6×10Pa以下で、Neの分圧が0.3×10Pa以上1×10Pa以下で、かつ、キセノン(Xe)ガスの濃度が50%〜85%である範囲内で充填されている。即ち、本発明に係るPDP装置では、放電ガスを高Xe(50%〜85%)として高い発光効率を得るとともに、全圧に対するNeガスの分圧を0.3×10Pa以上1×10Pa以下に規定することで、駆動時における放電を原因とする保護層のスパッタリングによる削れの発生が抑制とパネルのエージング時間の短縮が実現される。
【選択図】図6

Description

本発明は、プラズマディスプレイパネルおよびプラズマディスプレイパネル装置に関する。
近年、平面型表示装置の一種として、画像を表示するパネル部と、入力画像信号に基づいてパネル部を駆動する駆動部とから構成される、プラズマディスプレイパネル(PDP)装置が広く普及してきている。特に、ハイビジョンをはじめとする高精細の大画面テレビへの期待が高まっている。
従来のPDP装置のパネル部は、前面パネルと背面パネルとが、互いに間隔をあけて対向配置され、両パネルの外周部が封止された構成である。前面パネルは、ガラス基板の一方の主面上に、ストライプ状の表示電極対(スキャン電極とサスティン電極との対)、誘電体層、および保護層が順に積層されることで構成されている。背面パネルは、ガラス基板の一方の主面上に、データ電極および誘電体層が順に積層され、さらにその上に、ストライプ状あるいは井桁状の隔壁が突設されることで構成されている。背面パネルの誘電体層と隣り合う隔壁とにより形成される各窪み部分には、蛍光体層が形成されている。
表示電極対とデータ電極とが交差するように、前面パネルと背面パネルとが配置されることで、前面パネルと背面パネルとの間には、放電空間が形成される。この表示電極対とデータ電極との交差部分を有する放電空間が、それぞれ放電セルとなる。放電空間には、キセノン(Xe)を5%〜15%含むキセノン(Xe)−ネオン(Ne)の混合ガス、あるいはキセノン(Xe)−ネオン(Ne)−ヘリウム(He)の混合ガスなどが、放電ガスとして、5×10Pa〜7×10Paの圧力で充填されている。
従来のPDP装置の駆動部は、表示電極対およびデータ電極の各々に対して電圧パルスを印加できるよう、パネル部に接続されている。PDP装置の駆動には、所謂、フィールド内時分割階調表示方式が用いられており、上記駆動部が、入力画像の1フィールドを複数のサブフィールドに分割し、さらに各サブフィールドを初期化期間、書き込み期間、および維持放電期間に分割している。
PDP装置に対しては、より一層の発光効率(2.0lm/w以上)の向上が求められており、その一つの方策として、放電ガス中のキセノン(Xe)の割合を増加させる研究開発がなされている。例えば、放電ガスを100%キセノン(Xe)とする提案(例えば、特許文献1参照)や、放電ガスのキセノン(Xe)ガスの混合比を10〜100%未満とし、かつ、放電ガスの充填圧力を6.67×10Pa以上という超高圧とする提案(例えば、特許文献2参照)などがなされている。
特開2002−83543号公報 特開2002−93327号公報
しかしながら、Xeガス濃度を100%まで上げて放電ガスの全圧を高くすると、輝度は向上するが、下記に述べる3つの大きな課題が存在する。
(1)Xeガス濃度と放電ガスの全圧を高くすると、Neガス濃度に係わりなく放電電圧が上昇するため、パネルを低電圧で駆動することができなくなり、輝度は向上するが、発光効率が低下してしまう。
(2)パネルの放電維持電圧をXeガス濃度100%の時より低減させるため、NeガスをXeガスに加えていくと、放電開始電圧は低下するが、駆動時に発生する維持放電の影響を受けて、MgO(酸化マグネシウム)保護層がスパッタリングにより削られていくという現象が顕著に発生する傾向にある。このため、長期にわたって安定した表示性能を維持できない。
(3)Xeガス濃度が高いと、パネルの放電を安定化させるために必要なMgOのエージング工程において、エージング時間が大幅に増加する。
本発明は、上記(1)〜(3)の課題を同時に解決しようとなされたものであって、高い発光効率を維持しながら、MgO保護層がスパッタリングにより削られていくことを抑制して、駆動が長期にわたった場合にも安定した表示性能を維持し、さらに、エージング時間が短くてすむPDPおよびPDP装置を提供することを目的とする。
上記(1)〜(3)の課題を解決するために、本発明のPDPは、一対の基板が互いの間に空間をあけて対向配置され、一方の基板の主面上に電極対と誘電体層と保護層とが順に積層され、前記保護層が前記空間を臨む状態におかれ、他方の基板の主面上に前記保護層と対向するように蛍光体層が形成され、前記空間にキセノン(Xe)とネオン(Ne)を含む放電ガスが充填されてなるPDPであって、少なくとも、キセノン(Xe)とネオン(Ne)を含む放電ガスの全圧が、2×10Pa以上6×10Pa以下で、前記ネオン(Ne)ガスの分圧が0.3×10Pa以上1×10Pa以下で、かつ、前記キセノン(Xe)ガスの濃度が50%〜85%であることを特徴している。
本発明に係るPDPおよびPDP装置では、XeとNeを含む放電ガスの全圧を2×10Pa以上6×10Pa以下、かつ、キセノン(Xe)ガスの濃度を50%〜85%としているので、高い発光効率(放電効率)を有することができる。
また、本発明に係るPDPおよびPDP装置では、放電ガス中にネオン(Ne)ガスの分圧が0.3×10Pa以上1×10Pa以下含まれてことから、Neガスが含まれていないPDPに比べて、低い放電開始電圧が維持される。さらには、NeガスによるMgOへの清浄効果が働き、エージング時間を短くすることができる。
また、本発明に係るPDPおよびPDP装置では、放電ガス中におけるNeガスの分圧が0.3×10Pa以上1×10Pa以下に規定されているので、駆動時の放電に伴うNeイオンのスパッタリングによる保護層の削れを抑制し、駆動が長期に及んだ場合にも、安定した高い表示性能を確保することができる。
以下では、本発明を実施するための最良の形態について、一例をもって説明する。なお、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施の形態1)
《パネル部10の構成》
本発明の実施の形態1に係るPDP装置1のパネル部10の構成について、図1を用いて説明する。図1は、本実施の形態1に係るパネル部10の要部構成を示す斜視図である。図1に示すように、本実施の形態1に係るPDP装置1のパネル部10は、前面パネル11と背面パネル12とが、互いの間に放電空間13をあけて対向配置された構成である。
(1)前面パネル11の構成
図1に示すように、前面パネル11は、前面基板111と、スキャン電極Scnおよびサスティン電極Susからなる表示電極対112と、誘電体層113と、保護層114とから構成されている。前面基板111の背面パネル12と対向する側の面には、表示電極対112が互いに平行に複数配設されており、この表示電極対112を覆うように、誘電体層113および保護層114が順に形成されている。
前面基板111は、高歪点ガラスあるいはソーダライムガラスなどから構成されている。スキャン電極Scnおよびサスティン電極Susは、Ag(銀)などの金属材料、および、ITO(錫ドープ酸化インジウム)などの透明電極から構成されている。誘電体層113は、無鉛の低融点ガラス材料から形成されており、その厚みは40μmに設定されている。保護層114は、MgO(酸化マグネシウム)から構成されている。
(2)背面パネル12の構成
図1に示すように、背面パネル12は、背面基板121と、データ電極Datと、誘電体層122と、隔壁123と、蛍光体層124とから構成されている。背面基板121の前面パネル11と対向する側の面には、表示電極対112と略直交する方向に、データ電極Datが複数配設されており、このデータ電極Datを覆うように、誘電体層122が形成されている。
誘電体層122上には、隣り合うデータ電極Datの間に主隔壁1231が立設され、この主隔壁1231と略直行する方向に、補助隔壁1232が立設されている。これら主隔壁1231と補助隔壁1232との組み合わせにより、隔壁123が構成される。なお、図面上では詳細に示していないが、図1のz方向において、補助隔壁1232の上端の位置は、主隔壁1231の上端の位置よりも、若干低く設定されている。
誘電体層122と、隣り合う主隔壁1231と、隣り合う補助隔壁1232とで囲まれた窪み部分には、蛍光体層124が設けられている。蛍光体層124は、図1のy方向においては、主隔壁1231で仕切られた窪み部分毎に、例えば、赤色蛍光体層124R、緑色蛍光体層124G、青色蛍光体層124Bの順に色分けされている。また、図1のx方向においては、y方向での色分け順に合わせて、例えば、赤色蛍光体層124R、緑色蛍光体層124G、青色蛍光体層124Bの順に色分けされている。
赤色蛍光体層124R、緑色蛍光体層124G、青色蛍光体層124Bは、例えば、次に示すような蛍光体を用いて形成されている。
R蛍光体 (Y、Gd)BO:Eu
G蛍光体 (Y、Gd)BO:TbとZnSiO:Mnとの混合物
B蛍光体 BaMgAl1017:Eu
背面基板121も、前面基板111と同様、高歪点ガラスあるいはソーダライムガラスなどから構成されている。データ電極Datも、スキャン電極Scnおよびサスティン電極Susと同様、Agなどの金属材料から形成されている。誘電体層122も、前面パネル11の誘電体層113と同様、無鉛の低融点ガラス材料から形成されている。隔壁123は、ガラス材料などを用いて形成されている。
(3)前面パネル11と背面パネル12の配置
図1に示すように、パネル部10は、前面パネル11と背面パネル12とが、背面パネル12に形成された隔壁123をギャップ材として対向配置され、かつ、表示電極対112とデータ電極Datとが略直交する方向に配置されて、前面パネル11と背面パネル12の外周部同士が封止されることで構成されている。これにより、パネル部10は1つの密閉容器となり、前面パネル11と背面パネル12との間には、主隔壁1231および補助隔壁1232によって仕切られた放電空間13が形成される。
放電空間13には、XeガスとNeガスとが混合されてなる放電ガスが充填されている。放電ガス中におけるXeガスは主成分ガスであって、キセノン(Xe)ガスの濃度を50%〜85%としている。Xeガスは、駆動時の放電により蛍光体層124を構成する各蛍光体を励起する真空紫外線などを出射する。放電空間13内における放電ガスの全圧は、2×10Pa以上6×10Pa以下、放電ガスの全圧に対するNeガスの分圧は、0.3×10Pa以上1×10Pa以下となるように設定されている。
パネル部10では、表示電極対112とデータ電極Datとが立体交差する箇所を有する放電空間13が、放電セル125となり、複数の放電セル125がマトリクス配列された状態となっている。
《PDP装置1の構成》
本実施の形態1のパネル部10を備えるPDP装置1について、図2を用いて説明する。図2は、本実施の形態1のPDP装置1の構成を模式的に表したブロック図である。なお、図2に示すパネル部10は、スキャン電極Scn、サスティン電極Sus、およびデータ電極Datの配列のみを示している。
図2に示すように、本実施の形態1に係るPDP装置1は、パネル部10と、スキャン電極Scn、サスティン電極Sus、およびデータ電極Datに対して所要のタイミングおよび波形で電圧を印加する表示駆動部20とから構成されている。
パネル部10の行方向には、n本のスキャン電極Scn(1)〜Scn(n)、およびn本のサスティン電極Sus(1)〜Sus(n)が、互いに交互に配設されている。また、パネル部10の列方向には、m本のデータ電極Dat(1)〜Dat(m)が配設されている。放電セル125は、隣り合う一対のスキャン電極Scnおよびサスティン電極Susと、1本のデータ電極Datとの交差部分、例えば、スキャン電極Scn(1)およびサスティン電極Sus(1)と、データ電極Dat(1)との交差部分に対応して設けられ、パネル部10全体として(m×n)個の放電セル125を有する。
図2に示すように、表示駆動部20は、パネル部10のスキャン電極Scn、サスティン電極Sus、およびデータ電極Datにそれぞれ接続されるデータドライバ21、スキャンドライバ22、およびサスティンドライバ23を有する。また、表示駆動部20には、タイミング発生部24、A/D変換器25、操作数変換部26、サブフィールド変換部27、APL(平均ピクチャレベル)検出部28、および電源回路(図示せず)を有する。
表示駆動部20において、映像信号VDは、A/D変換器25に入力される。水平同期信号Hおよび垂直同期信号Vは、タイミング発生部24、A/D変換器25、走査数変換部26、およびサブフィールド変換部27に入力される。
A/D変換器25では、入力された映像信号VDをデジタル信号の画像データへと変換し、変換後の画像データを走査数変換部26およびAPL検出部28へと出力する。
APL検出部28では、A/D変換器25から転送されてくる1画面毎の各放電セル125の各階調値を示す表示画面データに基づき、当該1画面の全ての階調値を積算して全放電セルの数で割った値を求める。そして、上記で求めた値から最大階調値(例えば、256階調)に対する百分率を算出して平均ピクチャレベルを求め、その値をタイミング発生部24へと出力する。平均ピクチャレベルの値が低いほど黒っぽい画面となり、値が高いほど白っぽい画面となる。
走査数変換部26では、A/D変換器25から受け付けた画像データをパネル部10の画素数に応じた画像データへと変換し、サブフィールド変換部27へと出力する。
サブフィールド変換部27では、サブフィールドメモリ(図示せず)を備え、走査数変換部26から転送されてくる画像データを、パネル部10に階調表示させるための各サブフィールドでの放電セル125の点灯/非点灯を示す2値データの集合であるサブフィールドデータに変換し、一旦、サブフィールドメモリに格納する。そして、タイミング発生部24からのタイミング信号に基づき、サブフィールドデータをデータドライバ21へと出力する。
データドライバ21では、サブフィールド毎の画像データを各データ電極Datに対応する信号に変換して、データ電極Datを駆動する。データドライバ21には、公知のドライバICなどが備えられている。
タイミング発生部24では、水平同期信号Hおよび垂直同期信号Vに基づいてタイミング信号を生成し、データドライバ21、スキャンドライバ22、およびサスティンドライバ23にそれぞれ信号を出力する。ここで、タイミング発生部24では、APL検出部28から入力されるAPL値に基づいて、1フィールドを構成するサブフィールドの各々の初期化期間を、全セル初期化期間であるか、選択初期化期間であるかを判断し、1フィールド内の全セル初期化期間の適用回数を制御する。
スキャンドライバ22では、タイミング発生部24から送られてくるタイミング信号に基づいて、各スキャン電極Scnに駆動電圧を印加する。スキャンドライバ22にも、公知のドライバICが備えられている。
サスティンドライバ23にも、公知のドライバICが備えられており、タイミング発生部24から送られてくるタイミング信号に基づいて、各サスティン電極Susに駆動電圧を印加する。
《PDP装置1の駆動方法》
本実施の形態1に係るPDP装置1の駆動方法について、図3を用いて説明する。図3は、フィールド内時分割階調表示方式(サブフィールド法)を用いた、本実施の形態1のPDP装置1の駆動方法を示している。
図3に示すように、本実施の形態1のPDP装置1を用いた駆動方法では、一例として、256階調を表現するために、1フィールドを8つのサブフィールドSF1〜SF8に分割する。分割した各サブフィールドSF1〜SF8に、初期化期間T1、書き込み期間T2、維持期間T3の3期間を設定する。サスティン電極Sus(1)〜(n)に対しては電圧パルス2001、スキャン電極Scn(1)〜(n)に対しては電圧パルス2002、データ電極Dat(1)〜(m)に対しては電圧パルス2003を、それぞれ印加する。
初期化期間T1では、パネル部10の全放電セル125に対して初期化放電を発生させる。これにより、当該サブフィールドよりも前のサブフィールドにおける放電の有無による影響を除去し、放電特性のバラツキを吸収するための初期化が実施される。初期化期間T1における初期化放電は、図3に示すように、電圧−時間推移が緩やかに傾斜して上下するランプ波形の電圧パルス2002を、スキャン電極Scn(1)〜(n)に印加し、小さな放電電流を定常的に流す。これにより、パネル部10の全放電セル125で、上り傾斜のランプ波形部分と下り傾斜のランプ波形部分とにより、各1回ずつ弱放電である初期化放電が発生する。
書き込み期間T2では、初期化期間T1からのサブフィールドデータに基づいて、スキャン電極Scn(1)〜(n)を1ライン毎に順にスキャンしていく。当該サブフィールドで維持放電させたい放電セル125におけるスキャン電極Scnとデータ電極Datとの間で、書き込み放電(微小な放電)を発生させる。このように、スキャン電極Scnとデータ電極Datとの間で書き込み放電が生じた放電セル125では、放電空間13の保護層114側の面に、壁電荷が蓄えられる。
維持期間T3では、サスティン電極Sus(1)〜(n)およびスキャン電極Scn(1)〜(n)に対して、所定の周期(例えば、6μsec.)、所定の電圧(例えば、180V)で矩形波の維持パルス2001および2002をそれぞれ印加する。サスティン電極Sus(1)〜(n)に印加する維持パルス2001と、スキャン電極Scn(1)〜(n)に印加する維持パルス2002とは、互いに同一の周期を有し、かつ、その位相が半周期ずれた状態となっている。上記2つの維持パルス2001、2002が、パネル部10の全放電セル125に対して同時に印加される。
図3に示すような電圧パルス2001〜2003の印加によって、書き込みがなされた放電セル125では、維持期間T3での交流電圧の印加をもって電圧極性が変化する度に、パルス放電が発生する。このような維持放電の発生により、表示発光は、放電空間13の励起Xe原子からは147nmの共鳴線が、励起Xe分子からは173nm主体の分子線が放射され、次いで発生する紫外線が背面パネル12の蛍光体層124で可視光変換されることで、画像表示がなされる。
《PDP装置1が有する優位性》
本実施の形態1に係るPDP装置1において、パネル部10の放電空間13内に充填されている放電ガスは、主にXe−Neガスであり、この放電ガスの全圧を2×10Pa以上6×10Pa以下、かつ、キセノン(Xe)ガスの濃度を50%〜85%に設定している。このため、本実施の形態1に係るPDP装置1では、上述のように、高い発光効率(2.0lm/w以上)を有することができる。
また、本実施の形態1に係るPDP装置1では、放電ガス中のXeガスを100%とせずに、Neガスを添加している。また、Neガスの分圧を0.3×10Pa以上1×10Pa以下とし、かつ、放電ガスの全圧を超高圧(6.67×10Pa以上)とはしていないので、Neガスのペニング効果により放電開始電圧を低く維持することができる。
また、上記のように、放電ガス中のNeガスの分圧を設定しているので、駆動時の放電に伴って保護層114がスパッタリングにより削られてしまうという問題が生じにくく、長寿命で、かつ、NeガスによるMgOへの清浄効果が働くため、エージング時間も短時間ですませることができる。
本実施の形態1に係るPDP装置1では、前面パネル11の保護層114を構成する材料としてMgOを用いている。保護層114の構成材料としては、この他にもMgF(弗化マグネシウム)などが用いられることもあるが、2次電子放出係数および耐スパッタリング性等の観点から、MgOが最適である。したがって、MgO保護層114を用いた本実施の形態1に係るパネル部10では、駆動時における高い発光効率と保護層114のスパッタリングに対する高い耐性を得ることができる。
(その他の実施形態)
本発明のPDP装置1については、図2に示すような構成を適用し、パネル部10としては、図1に示すような構成を適用したが、これらに限定されるものではなく、上記構成以外のバリエーションも採用することが可能である。
実施の形態1においては、放電ガスの主成分ガスとして、放電により147nmや173nmの波長を有する紫外光を発するキセノン(Xe)ガスを用いたが、クリプトン(Kr)ガスなどを含むこともでき、背面パネル12に設けられた蛍光体層124の構成材料に基づいて適宜、変更が可能である。
また、放電ガスとして、Xe−Neの2元系の混合ガスを用いたが、これ以外にも、濃度50%〜85%の主成分ガスに対して、0.3×10Pa以上1×10Pa以下のNeガスが添加された放電ガスを用いることができる。さらに、アルゴン(Ar)ガスを添加することで、Ar原子のペニング効果を利用して、放電開始電圧のより一層の低減を図ることができ、発光効率の向上を図ることができる。例えば、Xe−Kr−Ne、Xe−Ne−Ar、Xe−Kr−Ne−Ar、Xe−Ne−He、Xe−Kr−Ne−He、Xe−Ne−He−Ar、Xe−Kr−Ne−He−Arなどが挙げられる。
実施の形態1においては、前面パネル11の誘電体層113の厚みを40μmとしたが、厚み15μm〜40μmの誘電体層を用いることができる。誘電体層113を薄くすることで、PDP駆動時における放電開始電圧を低く抑えることが可能となり、PDP駆動時の放電を原因とする保護層114のスパッタリングによる削れの発生を抑制することができる。しかし、誘電体層113を15μmより薄くすると、誘電体層113の絶縁破壊が起きる確率が増える。また、誘電体層113を40μmより厚くすると、放電開始電圧が高くなる。
実施の形態1においては、保護層114として、酸化マグネシウム(MgO)を用いたが、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ストロンチューム(SrO)、酸化カルシウム(CaO)のうちのいずれか1種以上で構成された保護層を用いることができる。これにより、PDP駆動時における放電開始電圧を低く抑えることができる。
また、保護層114の厚みを約1000nmとしたが、厚み500nm〜2000nmの保護層を用いることができる。上記範囲であれば、誘電体層113などの下地層による影響や、保護層114に発生する膜応力の影響などを受けずに、放電時の放電遅れの経時的変化を抑制して、長寿命で高品質の画像表示が可能なPDPを実現することができる。
実施の形態1においては、スキャン電極Scnおよびサスティン電極Susの構成要素として、Agなどの金属材料およびITOなどの透明電極を用いて構成したが、ITO、SnO(酸化錫)、ZnO(酸化亜鉛)などを用いない、金属材料だけの構成にすることもできる。データ電極Datの金属材料として、Agの他に、金(Au)、クロム(Cr)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)等の金属材料や、これらを積層するなどの方法で組み合わせたものを用いることもできる。また、背面パネル12の誘電体層122として、無鉛の低融点ガラス材料を用いたが、酸化アルミニウム(Al)や酸化チタン(TiO)が含まれたものでもよい。
また、前面パネル11の前面基板111の面には、隣り合う表示電極対112の間に、隣り合う放電セル125の光が互いに漏れ出るのを防止するための、ブラックストライプを設けてもよい。
次に、本発明の具体例をさらに詳しく説明する。
(実施例1)
本発明のパネル部10の構成をベースとして、(表1)に示す試料No.1〜26のパネルを作製し、Xe−Ne放電ガスの全圧と、XeガスとNeガスの構成比率を変えた時のパネルの発光効率の関係について、キセノン(Xe)ガスの濃度をパラメータとして、本発明のPDP装置1を用いて実験した。なお、試料No.1、2、3、4、5、8、16、17、24、25、26は比較例である。
Figure 2009021098
図4は、試料No.1〜26におけるXe−Ne放電ガスの全圧と、パネルの発光効率との関係を示した特性図であって、上記実験の結果を示すものである。図4に示すように、2.0lm/w以上の高い発光効率を得ようとする場合、Xe−Ne放電ガスの全圧が2×10Pa以上、かつ、Xe濃度が50%以上であることが好ましいことがわかる。
(実施例2)
本発明のパネル部10の構成をベースとして、(表2)に示す試料No.31〜41のパネルを作製し、Xe−Ne放電ガスのNeガスの分圧と、駆動時の放電に起因するMgO保護層114のスパッタリングレートとの関係について、Xe−Ne放電ガスの全圧をパラメータとして、本発明のPDP装置1を用いて実験した。なお、試料No.31、32、33、34、36、40、41は比較例である。
Figure 2009021098
図5は、Xe−Ne放電ガス中のNeガスの分圧とMgO保護層114のスパッタリングレート(実駆動7000時間後のスパッタリング量)との関係を示す特性図であって、上記実験の結果を示すものである。
一般に、MgO保護層114のスパッタリングレートが上昇した場合には、厚み約1000nmのMgO保護層114が削られてしまい、パネル部10が長期間の使用に耐えられなくなる。つまり、製品の寿命が短くなったり、信頼性が低下したりすることとなる。このため、スパッタリングレートには許容できる上限が存在する。MgOの耐スパッタ性は、実駆動7000時間でMgOが削られる量によって評価される。
本発明のPDP装置1では、実駆動6万時間を補償するために、実駆動7000時間でMgOが削られる量の上限を、120nm以下とした。図5に示すように、Neガスの分圧が1×10Pa以下であれば、Xe−Ne放電ガスの全圧の如何にかかわらず、急激にスパッタリングレートが小さくなり、上記上限の範囲内となるので好ましい。
(実施例3)
本発明のパネル部10の構成をベースとして、(表3)に示す試料No.51〜58のパネルを作製し、Xe−Ne放電ガス中のXeガスの濃度と、維持放電電圧(Vf)が安定するまでのエージング時間との関係について、Xe−Ne放電ガスの全圧をパラメータとして、本発明のPDP装置1を用いて実験した。なお、試料No.51、52、57、58は比較例である。
本実施例3におけるエージング時間は、表示電極対112を構成するスキャン電極Scnとサスティン電極Susの間に、通常の交流電圧180V〜350V、30kHz〜200kHzを印加して、維持放電電圧(Vf)が安定化するまでの時間とした。
Figure 2009021098
図6は、Xe−Ne放電ガス中のXeガスの分圧比と維持放電電圧(Vf)が安定するまでのエージング時間との関係を示す特性図であって、上記実験の結果を示すものである。
図6に示すように、キセノン(Xe)ガスの濃度が85%を超えると、急激にエージング時間が長くなり、エージングに多大の設備と電力が必要となるため、好ましくない。一般に、エージング時間は短ければ短いほど良いが、180分以下が生産性から好ましいと考えられる。例えば、試料No.53に示すXeガスの濃度が85%以下(ネオン(Ne)ガスの分圧が0.3×10Pa以上)であれば、長寿命(パネル駆動7000時間後のMgOのスパッタリング量が120nm以下)で、かつ、エージング時間も150分という短時間ですませることができるので、好ましい。
《実験結果》
Xeガスの分圧比が高過ぎる場合には、放電開始電圧も増加してしまう。Neガスを添加しなければ、ペニング効果による放電開始電圧の低減効果が得られないので、パネル内には必要最小限のNeガスが必要となる。
したがって、発光効率2.0lm/w以上を得るためには、キセノン(Xe)ガスの濃度が50%〜85%で、Xe−Ne放電ガスの全圧が最低2×10Paであるから、必要最低限のNeガスの分圧は、(2×10Pa)×(1−(Xeガス85%))=0.3×10Paとなる。
上記実施例1〜3より、高い発光効率の維持、MgOがスパッタされることなく、長期駆動時にも安定した表示性能の維持、エージング時間の短縮化を同時に満足するためには、少なくとも、Xe−Neを含む放電ガスの全圧が2×10Pa以上6×10Pa以下、Neの分圧が0.3×10Pa以上1×10Pa以下、かつ、Xeガスのキセノン(Xe)ガスの濃度が50%〜85%であることが好ましい。
本発明は、高い発光効率を維持しながら、駆動の長短にかかわりなく安定した表示性能を維持することができ、しかもパネルをエージングする時間が短い、大型で高精細なテレビジョンあるいは大型表示装置などに適用することが可能である。
本発明の実施の形態1に係るパネル部の要部構成を示す斜視図 本発明の実施の形態1に係るPDP装置の構成を模式的に示すブロック構成図 本発明の実施の形態1に係るPDP装置の駆動において、各電極に対して印加される電圧波形を示す波形図 Xe−Ne放電ガスの全圧と、パネルの発光効率の関係を示す特性図 パネル部における放電ガス中のNeガスの分圧とスパッタリングレートとの関係を示す特性図 Xe−Ne放電ガス中のXeガスの濃度と、維持放電電圧(Vf)が安定するまでのエージング時間との関係を示す特性図
符号の説明
1 PDP装置
10 パネル部
11 前面パネル
12 背面パネル
13 放電空間
20 表示駆動部
21 データドライバ
22 スキャンドライバ
23 サスティンドライバ
24 タイミング発生部
25 A/D変換器
26 走査数変換部
27 サブフィールド変換部
28 APL検出部
111 前面基板
112 表示電極対
113,122 誘電体層
114 保護層
121 背面基板
123 隔壁
124 蛍光体層
124R 赤色蛍光体層
124G 緑色蛍光体層
125B 青色蛍光体層
125 放電セル
Scn スキャン電極
1231 主隔壁
1232 補助隔壁
2001,2002,2003 電圧・維持パルス
Sus サスティン電極
Dat データ電極

Claims (5)

  1. 一対の基板が互いの間に空間をあけて対向配置され、一方の基板の主面上に電極対と誘電体層と保護層とが順に積層され、前記保護層が前記空間を臨む状態におかれ、他方の基板の主面上に前記保護層と対向するように蛍光体層が形成され、前記空間にキセノン(Xe)とネオン(Ne)を含む放電ガスが充填されてなるプラズマディスプレイパネルであって、
    前記キセノン(Xe)とネオン(Ne)を含む放電ガスの全圧が、2×10Pa以上6×10Pa以下で、前記ネオン(Ne)ガスの分圧が0.3×10Pa以上1×10Pa以下で、かつ、前記キセノン(Xe)ガスの濃度が50%〜85%であることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  2. 前記放電ガス中には、アルゴン(Ar)あるいはクリプトン(Kr)ガスが含まれていることを特徴とする、
    請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  3. 前記誘電体層の厚みは、15μm〜40μmに設定されていることを特徴とする、
    請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  4. 前記保護層は、酸化マグネシウム、酸化ストロンチューム、酸化カルシウムのいずれか1種以上からなることを特徴とする、
    請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  5. 前記保護層の厚みは、500nm〜2000nmであることを特徴とする、
    請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
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