JP2007052232A - プラズマディスプレイパネル装置および素の駆動方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 パネル構成および駆動波形のバラツキなどがあっても、安定的に発光効率の向上が図られるPDP装置およびその駆動方法を提供する。
【解決手段】 維持パルス313、314とがともにLowレベルとなる区間、即ち、タイミングt1とタイミングt2との間の区間tLOWが設定されており、一例として、その長さが約0.1(μsec.)に設定されている。タイミングt6とタイミングt7の間についても、同様に長さ0.1μsec.の区間tLOWが設定される。
維持データパルス322は、維持パルス313、314の各立ち上がりタイミングt2、t7に対して所定時間先行して立ち上がりタイミングt5が設定され、維持パルス313、314における上記区間tLOWの間にその立ち下がりタイミングt3、t8が設定されている。
【選択図】 図5
【解決手段】 維持パルス313、314とがともにLowレベルとなる区間、即ち、タイミングt1とタイミングt2との間の区間tLOWが設定されており、一例として、その長さが約0.1(μsec.)に設定されている。タイミングt6とタイミングt7の間についても、同様に長さ0.1μsec.の区間tLOWが設定される。
維持データパルス322は、維持パルス313、314の各立ち上がりタイミングt2、t7に対して所定時間先行して立ち上がりタイミングt5が設定され、維持パルス313、314における上記区間tLOWの間にその立ち下がりタイミングt3、t8が設定されている。
【選択図】 図5
Description
本発明は、プラズマディスプレイパネル装置およびその駆動方法に関する。
プラズマディスプレイパネル(以下では、「PDP」と記載する。)装置は、パネルの大型化が比較的容易であるなどの優位性から広く普及してきている。その中でも、信頼性および画質特性などの点から優位な交流(AC)型のものが主流となっている。
AC型のPDP装置は、パネル部とこれを駆動する表示駆動部とから構成されている。パネル部は、一対のパネルが間に放電空間を挟んだ状態で対向配置された構成となっている。一対のパネルの内、前面パネルは、前面基板の主面上にストライプ状のスキャン電極とサスティン電極とが交互に複数形成され、これを覆うように誘電体層および誘電体保護層が形成されてなる。
AC型のPDP装置は、パネル部とこれを駆動する表示駆動部とから構成されている。パネル部は、一対のパネルが間に放電空間を挟んだ状態で対向配置された構成となっている。一対のパネルの内、前面パネルは、前面基板の主面上にストライプ状のスキャン電極とサスティン電極とが交互に複数形成され、これを覆うように誘電体層および誘電体保護層が形成されてなる。
一方、背面パネルは、背面基板の主面上にストライプ状のデータ電極が複数形成され、これを覆うように下地誘電体層が形成され、下地誘電体層の表面上におけるデータ電極とデータ電極との各間に隔壁が突設され、各々の隔壁間における内壁上に蛍光体層が形成され構成されている。前面パネルと背面パネルとは、各々における誘電体保護層と蛍光体層とが対向し、且つ、スキャン電極およびサスティン電極とデータ電極とが立体交差する状態で貼り付けられPDPを構成している。前面パネルと背面パネルとの間における隔壁で仕切られた放電空間には、Ne−Xe系ガスやHe−Xe系ガスなどの放電ガスが充填されている。
PDP装置を構成する要素の内の表示駆動部は、入力される映像データに基づいて、上記パネル部における3電極の各々に対して、タイミングを計って電圧を印加する構成となっている。PDP装置の駆動方法としては、1フィールドを複数のサブフィールドに分割し、各サブフィールドにおける点灯/消灯の組み合わせをもって多階調を表現する、所謂、フィールド内時分割階調表示方式が用いられている。この方式を用いる駆動方法では、サブフィールドを初期化期間、書き込み期間、維持期間とから構成している。初期化期間では、スキャン電極とサスティン電極とにパルス電圧を印加して全放電セルの初期化を行い、また、書き込み期間では、点灯させようとする放電セルのスキャン電極とデータ電極との間に微小放電を生じさせ、放電セル内に所要の壁電化を蓄積させる。また、維持期間では、パネル内の全てのスキャン電極とサスティン電極間に交流電圧を印加して、書き込みの行われた放電セル内におけるスキャン電極とサスティン電極間に維持放電を発生させる。
ところで、PDP装置は、従来の陰極線管表示装置などに比べてその発光効率が低く、これを改善すべく駆動方法や駆動回路、パネル部の構造といった多岐にわたる方面からのアプローチがなされている。例えば、駆動方法では、図10に示すように維持期間においてデータ電極に対して正の矩形細幅パルスを印加する方法が開発されている(例えば、特許文献1、特許文献2)。図10に示すように、これら文献における技術では、スキャン電極およびサスティン電極に対して印加される維持パルスの立ち上がりの時点(t52)に同期させてデータ電極への矩形細幅パルスを立ち上げ(t53)、維持放電が発生するタイミング(赤外発光波形Lのピーク)より前に矩形細幅パルスを立ち下げる(t54)よう印加電圧の波形を設定している。なお、データ電極への矩形細幅パルスについては、スキャン電極に対して印加される電圧波形が立ち上がる時点も基準として印加される。このように維持期間において、データ電極に対して矩形細幅パルスを印加することにより、PDP装置の放電空間内では、壁電荷が消滅しない程度に発生するトリガ放電を起点として、背面パネル側に放電路が引っ張られ放電経路が長くなった状態で維持放電が開始され、放電開始電圧の低減がなされる。このような公報に記載の技術を用いたPDP装置では、以上のような方法をもって発光効率の向上が図られている。
特開2001−5425号公報
特開2001−282182号公報
しかしながら、上記特許文献1、2の技術を採用したPDP装置では、発光効率が維持期間におけるデータ電極へのパルス印加タイミングによって大きく支配されてしまい、このタイミングを厳密に制御する必要がある。具体的には、上記特許文献1〜3の技術を用いたPDP装置では、維持期間における維持パルスの立ち上がり時における狭い時間的範囲にデータ電極へのパルス印加タイミングを設定する必要がある。このため、パネルの構成バラツキや駆動回路における種々のバラツキや維持パルスにおける波形のバラツキなどの種々のバラツキ要因を考慮するとき、上記特許文献1〜3の技術を用いたPDP装置では、発光効率がバラツキ易く、表示映像が不均一となってしまう。例えば、パネル部を製造する段階で放電ガス中のXe分圧などにバラツキを生ずることがあるが、この場合には、維持データパルスの印加タイミングの設定をXe分圧に応じて補正する必要があるが、量産段階におけるこのような補正を実際に実行することは非常に困難である。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであって、パネル構成および駆動波形のバラツキなどがあっても、安定的に発光効率の向上を図ることが可能なプラズマディスプレイパネル装置およびその駆動方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るPDP装置は、一対の基板が対向配置され、当該対向配置によって基板間に形成される放電空間内に放電ガスが充填され、一方の基板における放電空間側の主面に第1電極および第2電極とで構成される電極対が複数形成され、他方の基板における放電空間側の主面に電極対と立体交差する状態に複数の第3電極が形成されており、電極対と第3電極との各立体交差部分に放電セルが形成されてなるパネル部と、入力される映像データに基づき選択された放電セルに対して、第1電極、第2電極および第3電極のそれぞれに電圧を印加して、第1電極と第2電極との間に維持放電を生じさせる維持期間を含むサイクルを繰り返すことによってパネル部の表示駆動を実行する表示駆動部とを備える構成を有し、維持期間いおいて表示駆動部は、第1電極と第2電極との間での各維持放電発生タイミングに先行して、第1電極あるいは第2電極と第3電極との間に維持放電よりも放電規模が小さい補助放電を発生させることを特徴とする。
また、上記本発明に係るPDP装置では、維持期間において、表示駆動部は、第3電極に対してパルス状波形を有する電圧を印加し、第1電極および第2電極の各々に対して、互いの電位が同一となる同電位区間を有する波形の電圧を印加するものであって、表示駆動部が第3電極に対して印加する電圧波形は、その立ち上がりタイミングが同電位区間の開始タイミングに先行し、立ち下がりタイミングが同電位区間の範囲内に設定されていることが望ましい(モード1)。
また、上記モード1に係る本発明のPDP装置では、維持期間に表示駆動部が第3電極に対して印加する電圧波形は、その立ち下がりタイミングが、同電位区間の終了タイミングを基準とし、当該基準と同時または所要時間先行して設定されていることが望ましい。
また、上記本発明に係るPDP装置では、上記第3電極への印加電圧波形の立ち下がりタイミングは、上記基準に対して0.1(μsec.)以内の時間先行して設定されていることが望ましい。
また、上記本発明に係るPDP装置では、上記第3電極への印加電圧波形の立ち下がりタイミングは、上記基準に対して0.1(μsec.)以内の時間先行して設定されていることが望ましい。
また、上記モード1に係る本発明のPDP装置では、維持期間において表示駆動部が第1電極および第2電極の各々に対して印加する電圧波形は、その電圧値がHighレベルとLowレベルとの2値を有し、同電位区間では、第1電極および第2電極の電位がともにLowレベルに設定されていることが望ましい。
また、上記本発明に係るPDP装置では、維持期間において、表示駆動部は、第3電極に対してパルス状波形を有する電圧を印加するものであって、表示駆動部が第3電極に対して印加する電圧波形は、その立ち上がりタイミングが、第1電極への印加電圧波形の立ち下がりおよび第2電極への印加電圧波形の立ち上がりの両タイミングに対して先行し、立ち下がりタイミングが、第2電極への印加電圧波形の立ち上がりタイミングに対して所要の遅延時間を有し設定されていることが望ましい(モード2)。
また、上記本発明に係るPDP装置では、維持期間において、表示駆動部は、第3電極に対してパルス状波形を有する電圧を印加するものであって、表示駆動部が第3電極に対して印加する電圧波形は、その立ち上がりタイミングが、第1電極への印加電圧波形の立ち下がりおよび第2電極への印加電圧波形の立ち上がりの両タイミングに対して先行し、立ち下がりタイミングが、第2電極への印加電圧波形の立ち上がりタイミングに対して所要の遅延時間を有し設定されていることが望ましい(モード2)。
また、上記モード2に係る本発明のPDP装置では、遅延時間は、0.1(μsec.)以上0.5(μsec.)以下の範囲内で設定されていることが望ましい。また、モード2に係るPDP装置において、維持期間に表示駆動部は、第1電極および第2電極の各々に対して、互いの電位が同一となる同電位区間を有する波形の電圧を印加する構成とすることが望ましい。具体的には、維持期間において表示駆動部が第1電極および第2電極の各々に対して印加する電圧波形は、その電圧値がHighレベルとLowレベルとの2値を有し、同電位区間では、第1電極および第2電極の電位がともにLowレベルに設定されていることが望ましい。
また、上記本発明に係るPDP装置では、維持期間において表示駆動部が第1電極および第2電極に対して印加する電圧波形は、立ち上がり開始から立ち上がり終了までの所要時間が0.5(μsec.)以上1.0(μsec.)以下の範囲内に設定されていることが望ましい。
また、上記本発明に係るPDP装置では、維持期間において表示駆動部が第1電極および第2電極に対して印加する電圧波形は、デューティ比が50(%)以下のパルス状波形であることが望ましい。また、本発明に係るPDP装置では、維持期間に表示駆動部が、補助放電の放電規模が、各放電の赤外発光波形におけるピークを指標とするときに、維持放電の放電規模に対して5(%)以上20(%)以下の範囲内の比となるように、第3電極へ電圧印加を行うことが望ましい。
また、上記本発明に係るPDP装置では、維持期間において表示駆動部が第1電極および第2電極に対して印加する電圧波形は、デューティ比が50(%)以下のパルス状波形であることが望ましい。また、本発明に係るPDP装置では、維持期間に表示駆動部が、補助放電の放電規模が、各放電の赤外発光波形におけるピークを指標とするときに、維持放電の放電規模に対して5(%)以上20(%)以下の範囲内の比となるように、第3電極へ電圧印加を行うことが望ましい。
さらに、本発明に係るPDP装置の駆動方法は、一対の基板が対向配置され、当該対向配置によって基板間に形成される放電空間内に放電ガスが充填され、一方の基板における放電空間側の主面に第1電極および第2電極とで構成される電極対が複数形成され、他方の基板における放電空間側の主面に電極対と立体交差する状態に複数の第3電極が形成されており、電極対と第3電極との各立体交差部分に放電セルが形成されてなるパネル部に対して、表示駆動部が、入力される映像データに基づき選択された放電セルに対して、第1電極、第2電極および第3電極のそれぞれに電圧を印加して、電圧印加した第1電極と第2電極との間に維持放電を生じさせる維持ステップを含むサイクルを繰り返すことによって表示駆動を実行する駆動方法であって、維持ステップにおいて表示駆動部は、第1電極と第2電極との間での各維持放電発生タイミングに先行して、第1電極あるいは第2電極と第3電極との間に維持放電よりも放電規模が小さい補助放電を発生させることを特徴とする。
上記本発明に係るPDP装置の駆動方法では、維持ステップにおいて、表示駆動部が、第3電極に対してパルス状波形を有する電圧を印加し、第1電極および第2電極の各々に対して、互いの電位が同一となる同電位区間を有する波形の電圧を印加するものであって、表示駆動部が第3電極に対して印加する電圧波形を、その立ち上がりタイミングが同電位区間の開始タイミングに先行し、立ち下がりタイミングが同電位区間の範囲内に設定することが望ましい(モード1)。
また、上記モード1に係る本発明の駆動方法において、維持ステップでの表示駆動部が第3電極に対して印加する電圧波形を、その立ち下がりタイミングが同電位区間の終了タイミングを基準とし、当該基準と同時または所要時間先行するよう設定することが望ましい。第3電極に対する印加電圧波形の具体的な立ち下がりタイミングとしては、上記基準に対して0.1(μsec.)以内の時間先行するタイミングとすることが望ましい。
また、上記モード1に係る本発明の駆動方法において、維持ステップで表示駆動部が第1電極および第2電極の各々に対して印加する電圧波形を、その電圧値がHighレベルとLowレベルとの2値を有するものとし、同電位区間では、第1電極および第2電極の電位がともにLowレベルに設定されていることが望ましい。
また、上記本発明に係るPDP装置の駆動方法において、維持ステップで表示駆動部は、第3電極に対してパルス状波形を有する電圧を印加するものであって、表示駆動部が第3電極に対して印加する電圧波形を、その立ち上がりタイミングが、第1電極への印加電圧波形の立ち下がりおよび第2電極への印加電圧波形の立ち上がりの両タイミングに対して先行し、立ち下がりタイミングが、第2電極への印加電圧波形の立ち上がりタイミングに対して所要の遅延時間を有し設定することが望ましい(モード2)。
また、上記本発明に係るPDP装置の駆動方法において、維持ステップで表示駆動部は、第3電極に対してパルス状波形を有する電圧を印加するものであって、表示駆動部が第3電極に対して印加する電圧波形を、その立ち上がりタイミングが、第1電極への印加電圧波形の立ち下がりおよび第2電極への印加電圧波形の立ち上がりの両タイミングに対して先行し、立ち下がりタイミングが、第2電極への印加電圧波形の立ち上がりタイミングに対して所要の遅延時間を有し設定することが望ましい(モード2)。
上記モード2に係る駆動方法では、具体的な遅延時間として、0.1(μsec.)以上0.5(μsec.)以下の範囲内で設定することが望ましい。また、モード2に係るPDP装置の駆動方法において、維持ステップに表示駆動部は、第1電極および第2電極の各々に対して、互いの電位が同一となる同電位区間を有する波形の電圧を印加する構成とすることが望ましい。具体的には、維持ステップにおいて表示駆動部が第1電極および第2電極の各々に対して印加する電圧波形は、その電圧値がHighレベルとLowレベルとの2値を有し、同電位区間では、第1電極および第2電極の電位がともにLowレベルに設定されていることが望ましい。
上記本発明に係るPDP装置の駆動方法において、維持ステップに表示駆動部が第1電極および第2電極に対して印加する電圧波形は、立ち上がり開始から立ち上がり終了までの所要時間が0.5(μsec.)以上1.0(μsec.)以下の範囲内に設定されていることが望ましい。さらに、維持ステップに表示駆動部が第1電極および第2電極に対して印加する電圧波形は、デューティ比が50(%)以下のパルス状波形であることが望ましい。また、本発明に係るPDP装置の駆動方法では、維持ステップに表示駆動部が、補助放電の放電規模が、各放電の赤外発光波形におけるピークを指標とするときに、維持放電の放電規模に対して5(%)以上20(%)以下の範囲内の比となるように、第3電極へ電圧印加を行うことが望ましい。
本発明に係るPDP装置およびその駆動方法では、維持期間(維持ステップ)において、維持放電発生のタイミングに先行して補助放電を発生させることにより、維持期間(維持ステップ)に第3電極に何らの電圧印加を実施しない従来のPDP装置に比べて、主放電(維持放電)に係る放電開始電圧を低く抑制することができ、発光効率が高いという優位性を有する。これは、補助放電により放電空間中における放電ガスが活性化され、この活性化された状態の放電ガスが主放電のトリガとなり、主放電の発生を容易なものとするためと考えられる。
また、本発明に係るPDP装置およびその駆動方法では、補助放電が維持放電に対して先行して発生するようにしているため、補助放電を発生に係る第3電極への電圧印加のタイミングが少しずれた場合にも、維持放電が大きな影響を受けることがない。このため、パネル部の構成や駆動時における種々のバラツキを有した場合にも、安定して発光効率の向上を図ることが可能である。
従って、本発明に係るPDP装置およびその駆動方法では、パネル構成および駆動波形のバラツキなどがあっても、安定的に発光効率の向上を図ることが可能である。
また、上記のようなPDP装置および駆動方法において、モード1のように、維持期間(維持ステップ)に第1電極および第2電極に対して印加される電圧波形が同電位区間を有するものであるとき、この同電位区間の範囲内で第3電極への印加電圧波形における立ち下がりタイミングを適用するようにすれば、パネル部構成のバラツキや区間内で少々立ち下がりタイミングなどにバラツキを生じても、発光効率の変化はほとんどない。これは、補助放電は第3電極への印加電圧波形における立ち下がりタイミングに対応して発生するものであると考えられるが、立ち下がりタイミングを主放電に係る第1電極、第2電極への印加電圧波形が同電位状態にある区間内に設定することから、少々タイミングにバラツキを生じた場合にも放電空間内における電界状態の変動が少ないためと考えられる。
また、上記のようなPDP装置および駆動方法において、モード1のように、維持期間(維持ステップ)に第1電極および第2電極に対して印加される電圧波形が同電位区間を有するものであるとき、この同電位区間の範囲内で第3電極への印加電圧波形における立ち下がりタイミングを適用するようにすれば、パネル部構成のバラツキや区間内で少々立ち下がりタイミングなどにバラツキを生じても、発光効率の変化はほとんどない。これは、補助放電は第3電極への印加電圧波形における立ち下がりタイミングに対応して発生するものであると考えられるが、立ち下がりタイミングを主放電に係る第1電極、第2電極への印加電圧波形が同電位状態にある区間内に設定することから、少々タイミングにバラツキを生じた場合にも放電空間内における電界状態の変動が少ないためと考えられる。
また、上記PDP装置および駆動方法において、モード2のように、その立ち上がりタイミングが第1電極への印加電圧波形の立ち下がりおよび第2電極への印加電圧波形の立ち上がりの両タイミングに対して先行し、立ち下がりタイミングが第2電極への印加電圧波形の立ち上がりタイミングに対して所要の遅延時間を有する波形の電圧を維持期間(維持ステップ)に第3電極に印加することにより、発光効率の安定性が担保される。具体的な遅延時間としては、0.1(μsec.)以上0.5(μsec.)以下の範囲内で設定することが望ましい。
以下、本発明に係るPDP装置およびその駆動方法の一実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
1.PDP装置100の構成
実施の形態1に係るPDP装置100の全体構成について、図1を用いて説明する。図1は、本実施の形態に係るPDP装置100の主な構成を示すブロック図である。
(実施の形態1)
1.PDP装置100の構成
実施の形態1に係るPDP装置100の全体構成について、図1を用いて説明する。図1は、本実施の形態に係るPDP装置100の主な構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施の形態に係るPDP装置100は、映像の表示を行うパネル部1と、これをフィールド内時分割階調表示方式を用いて表示駆動させる表示駆動部5とを主な構成としている。
1−1.パネル部1の構成
次に、本実施の形態に係るPDP装置100の主構成の内、パネル部1の構成について、図2および図3を用いて説明する。図2は、パネル部1における電極配置関係を示す平面模式図であり、図3は、パネル部1の要部斜視図(一部断面図)である。
1−1.パネル部1の構成
次に、本実施の形態に係るPDP装置100の主構成の内、パネル部1の構成について、図2および図3を用いて説明する。図2は、パネル部1における電極配置関係を示す平面模式図であり、図3は、パネル部1の要部斜視図(一部断面図)である。
図2に示すように、パネル部1においては、スキャン電極(以下では、「Scn電極」と記載する。)13とサスティン電極(以下では、「Sus電極」と記載する。)14とが交互にストライプ状に配設され、データ電極(以下では、「Dat電極」と記載する。)22がこれらの電極13、14に対して立体交差する関係をもって配設されている。この内、パネル部1内の全てのSus電極14は、外縁部分あるいはパネル部1外で接続されているのに対して、Scn電極13およびDat電極22は、各々が独立した状態となっている。即ち、Scn電極13は、各々が独立したn本の電極13(1)〜13(n)から構成されており、Dat電極22も、各々が独立したm本の電極22(1)〜22(m)から構成されている。
図3に示すように、パネル部1は、前面パネル10と背面パネル20とが、間に放電空間30を挟んだ状態で対向配置され、密閉容器の構成をもって形成されている。
前面パネル10は、前面基板11における背面パネル20と対向する側の主面(図3では下面)に、Scn電極13とSus電極14とから構成される表示電極対12が、互いに平行に複数対形成され、この表示電極対12を覆うように、誘電体層15および誘電体保護層16が順に被覆形成されている。
前面パネル10は、前面基板11における背面パネル20と対向する側の主面(図3では下面)に、Scn電極13とSus電極14とから構成される表示電極対12が、互いに平行に複数対形成され、この表示電極対12を覆うように、誘電体層15および誘電体保護層16が順に被覆形成されている。
Scn電極13およびSus電極14の各々は、ともにストライプ状に設けられており、実際には、ITO(錫ドープ酸化インジウム)、酸化錫(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)などからなる透明電極部13a、14aと電気抵抗を下げるためのCr−Cu−Crや銀(Ag)などからなるバスライン部13b、14bとの積層構造をもって形成されている。
また、誘電体層15は、低融点ガラス材料から形成され、誘電体保護層16は、MgOを主材料として薄膜プロセスをもって形成されている。ここで、誘電体保護層16は、放電空間30内での放電により発生する高エネルギのイオンから表示電極対12や誘電体層15などを保護する働きをするのとともに、放電空間30内に対して2次電子を高効率に放出して放電電圧を低減する働きもする。
なお、Scn電極13とSus電極14との間隙は、例えば、80(μm)程度に設定されている。
一方、背面パネル20は、背面基板21における前面パネル10と対向する側の主面(図3では上面)に、表示電極対12と交差する方向において、Dat電極22が複数形成されており、このDat電極22を覆うように、誘電体層23が被覆形成されている。また、誘電体層23の面上には、隣り合うDat電極22間に隔壁24が峰状に立設されていて、誘電体層23と隣り合う2条の隔壁24とで形成される各溝部分の内壁面には、Dat電極22に沿う方向に、蛍光体層25が形成されている。蛍光体層25は、溝毎に赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の色別に分けされ形成されている。
一方、背面パネル20は、背面基板21における前面パネル10と対向する側の主面(図3では上面)に、表示電極対12と交差する方向において、Dat電極22が複数形成されており、このDat電極22を覆うように、誘電体層23が被覆形成されている。また、誘電体層23の面上には、隣り合うDat電極22間に隔壁24が峰状に立設されていて、誘電体層23と隣り合う2条の隔壁24とで形成される各溝部分の内壁面には、Dat電極22に沿う方向に、蛍光体層25が形成されている。蛍光体層25は、溝毎に赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の色別に分けされ形成されている。
Dat電極22は、前面パネル10と背面パネル20とを張り合わせる際に、表示電極対12と交差する方向、即ち、図2におけるX方向にストライプ状に形成されており、例えば、Agなどを主材料とする。なお、Dat電極22の構成材料としては、Agの他に、金(Au)、クロム(Cr)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)などの金属材料や、これらを積層するなどの方法で組み合わせたものなどを用いることもできる。
誘電体層23は、基本的に前面パネル1における誘電体層15と同様の構成を有するものであって、低融点ガラス材料から形成されているが、酸化チタン(TiO2)などを含んでいてもよい。また、隔壁24は、例えば、鉛ガラス材料などを用い、高さ120(μm)で形成されている。
蛍光体層25は、上述のように溝毎に色分けして形成されているが、例えば、次のような蛍光体材料を用いることができる。
蛍光体層25は、上述のように溝毎に色分けして形成されているが、例えば、次のような蛍光体材料を用いることができる。
赤色(R)蛍光体;(Y、Gd)BO3:Eu
緑色(G)蛍光体;Zn2SiO4:Mn
青色(B)蛍光体;BaMg2Al14O24:Eu
なお、隔壁24の高さは、例えば、120(μm)程度に設定されている。
PDP装置100におけるパネル部1は、上記前面パネル10と背面パネル20とが、ギャップ材としての隔壁24を間に挟み、且つ、表示電極対12とDat電極22とが交差する方向に配され、この状態で各々のパネル10、20の外周部どうしがガラスフリットをもって封着され構成される。この封着によって、前面パネル10と背面パネル20との間には、各隔壁24によって仕切られてなる放電空間30が形成されることになり、例えば、Ne−Xe系ガスやHe−Xe系ガスなどの放電ガスが充填されている。放電ガスの充填圧力は、例えば、50〜80(kPa)程度である。なお、放電ガス中のXe分圧を5(%)以上、あるいは10(%)以上とすることもできる。
緑色(G)蛍光体;Zn2SiO4:Mn
青色(B)蛍光体;BaMg2Al14O24:Eu
なお、隔壁24の高さは、例えば、120(μm)程度に設定されている。
PDP装置100におけるパネル部1は、上記前面パネル10と背面パネル20とが、ギャップ材としての隔壁24を間に挟み、且つ、表示電極対12とDat電極22とが交差する方向に配され、この状態で各々のパネル10、20の外周部どうしがガラスフリットをもって封着され構成される。この封着によって、前面パネル10と背面パネル20との間には、各隔壁24によって仕切られてなる放電空間30が形成されることになり、例えば、Ne−Xe系ガスやHe−Xe系ガスなどの放電ガスが充填されている。放電ガスの充填圧力は、例えば、50〜80(kPa)程度である。なお、放電ガス中のXe分圧を5(%)以上、あるいは10(%)以上とすることもできる。
図2に示すように、パネル部1では、Scn電極13(1)〜13(n)およびSus電極14とDat電極22(1)〜22(m)とが略直交する状態となるが、パネル部1における各立体交差部分が放電セルAに相当する。そして、隣り合うR、G、Bの3つの放電セルの組み合わせをもって1画素が構成される。
1−2.表示駆動部5の構成
次に、本実施の形態に係るPDP装置100の内、表示駆動部5の構成について説明する。
1−2.表示駆動部5の構成
次に、本実施の形態に係るPDP装置100の内、表示駆動部5の構成について説明する。
図1に戻って、表示駆動部5は、データ検出部51、サブフィールド変換部52、表示制御部53、スキャンドライバ54、サスティンドライバ55、データドライバ56を備える。
データ検出部51は、外部から入力されるパネル部1の各放電セルAの階調値を示す映像データから、1画面ごとの表示画面データ(各セルの階調値)を検出し、順次サブフィールド変換部52に転送する。ここで、1画面毎の表示画面データの検出は、映像データに含まれる垂直同期信号を基準として行うことができる。また、表示画面データとしては、各放電セルAが256階調で表示される場合、1セル当たりの階調値は8(bit)で表される。
データ検出部51は、外部から入力されるパネル部1の各放電セルAの階調値を示す映像データから、1画面ごとの表示画面データ(各セルの階調値)を検出し、順次サブフィールド変換部52に転送する。ここで、1画面毎の表示画面データの検出は、映像データに含まれる垂直同期信号を基準として行うことができる。また、表示画面データとしては、各放電セルAが256階調で表示される場合、1セル当たりの階調値は8(bit)で表される。
サブフィールド変換部52は、サブフィールドメモリ52aを備え、データ検出部51から転送されてくる画面データをPDP装置100のパネル部1に階調表示させるための各サブフィールドにおける放電セルの点灯の要否を示す2値データの集合であるサブフィールドデータに変換してサブフィールドメモリ52aに格納する。そして、表示制御部53の制御によってサブフィールドデータをデータドライバ56に送る。
表示制御部53には、上記映像データと同期して同期信号(例えば、水平同期信号(Hsync)、垂直同期信号(Vsync)が入力される。これらの信号の入力を受けた表示制御部53では、これに基づいて、データ検出部51に表示画面データを転送するタイミングを指示するタイミング信号と、サブフィールド変換部52にサブフィールドメモリ52aへの書き込み及び読み出しタイミングを指示するタイミング信号と、スキャンドライバ54、サスティンドライバ55およびデータドライバ56に各パルスを印加するタイミングを指示するタイミング信号を送る。このタイミング信号には、維持期間中にデータドライバ56に対して維持データパルスを印加するタイミングを指示するタイミング信号も含まれ、そのために表示制御部53は、予め設定されたシーケンスに基づき維持期間に印加する維持データパルスの最適な立ち下がり開始タイミングを決定する最適維持データパルス処理部53aを備える。
なお、維持データパルスとは、維持期間においてScn電極13とDat電極22との間に補充放電を生じさせるために、Dat電極22に対して印加される矩形波パルスのことを指す。
スキャンドライバ54は、公知のドライバIC回路が用いられ、パネル部1の複数のScn電極13(1)〜13(n)に接続されており、全放電セルAにおいて安定した初期化放電、書き込み放電、および維持放電を発生させることができるように各サブフィールドの初期化期間、書き込み期間、維持期間において複数のScn電極13に対して、電極13(1)〜13(n)毎にそれぞれ初期化パルス、書き込みパルス、維持パルスを印加する。
スキャンドライバ54は、公知のドライバIC回路が用いられ、パネル部1の複数のScn電極13(1)〜13(n)に接続されており、全放電セルAにおいて安定した初期化放電、書き込み放電、および維持放電を発生させることができるように各サブフィールドの初期化期間、書き込み期間、維持期間において複数のScn電極13に対して、電極13(1)〜13(n)毎にそれぞれ初期化パルス、書き込みパルス、維持パルスを印加する。
サスティンドライバ55は、公知のドライバIC回路が用いられ、パネル部1の複数のSus電極14に接続されており、全放電セルAにおいて安定した初期化放電、維持放電を発生させることができるように各サブフィールドの初期化期間、維持期間において複数のSus電極14に対して初期化パルス、維持パルスを印加する。
データドライバ56は、例えば、特開2002−287691号公報に記載のような公知のドライバIC回路が用いられ、パネル部1の複数のDat電極22(1)〜22(m)に接続されている。このデータドライバ56は、全放電セルAにおいて安定した書き込み放電、維持放電を発生させることができるように各サブフィールドの書き込み期間に複数のDat電極22(1)〜(m)に対して選択的に書き込みパルスを印加するとともに、維持期間において全てのDat電極22に対して維持データパルスを印加する。
データドライバ56は、例えば、特開2002−287691号公報に記載のような公知のドライバIC回路が用いられ、パネル部1の複数のDat電極22(1)〜22(m)に接続されている。このデータドライバ56は、全放電セルAにおいて安定した書き込み放電、維持放電を発生させることができるように各サブフィールドの書き込み期間に複数のDat電極22(1)〜(m)に対して選択的に書き込みパルスを印加するとともに、維持期間において全てのDat電極22に対して維持データパルスを印加する。
2.PDP装置100の駆動方法
次に、本実施の形態に係るPDP装置100の駆動方法について、図4を用いて説明する。図4は、フィールド内時分割階調表示方式をもってPDP装置100の駆動を行う方法を示している。
図4に示すように、本実施の形態に係るPDP装置100の駆動においては、1フィールドを8つのサブフィールドSF1〜SF8に分割し、各サブフィールドの輝度相対比率が1:2:4:8:16:32:128となるように維持パルス数が設定されている。そして、各サブフィールドSF1〜SF8の点灯/非点灯を表示輝度のデータに従って制御することにより、8つのサブフィールドSF1〜SF8の組み合わせをもって256階調が表示可能となっている。なお、本実施の形態においては、一例として256階調で表示駆動するものであるが、本発明はこれに限定を受けるものではない。
次に、本実施の形態に係るPDP装置100の駆動方法について、図4を用いて説明する。図4は、フィールド内時分割階調表示方式をもってPDP装置100の駆動を行う方法を示している。
図4に示すように、本実施の形態に係るPDP装置100の駆動においては、1フィールドを8つのサブフィールドSF1〜SF8に分割し、各サブフィールドの輝度相対比率が1:2:4:8:16:32:128となるように維持パルス数が設定されている。そして、各サブフィールドSF1〜SF8の点灯/非点灯を表示輝度のデータに従って制御することにより、8つのサブフィールドSF1〜SF8の組み合わせをもって256階調が表示可能となっている。なお、本実施の形態においては、一例として256階調で表示駆動するものであるが、本発明はこれに限定を受けるものではない。
各サブフィールドSF1〜SF8は、互いに共通な一定の時間を割り当てられた初期化期間T1および書き込み期間T2と、輝度の相対比に応じた長さの時間で設定された維持期間T3から構成される。例えば、パネル部1の表示駆動を行う際には、先ず、初期化期間T1において、全ての放電セルAで弱放電(初期化放電)を発生させ、これによって当該サブフィールドよりも前のサブフィールドに行われた放電による影響の除去や放電特性のバラツキを吸収するために放電セルAの初期化が行われる。
次に、書き込み期間T2において、サブフィールドデータに基づいてScn電極13(1)〜13(n)を1ライン毎に順にスキャンして行き、点灯させようとする放電セルAに該当するScn電極13とDat電極22の間で弱放電(書き込み放電)を発生させる。このようにScn電極13とDat電極22との間で微小な書き込み放電を生じた放電セルAでは、前面パネル10の誘電体保護層16の表面に放電開始電圧にまで至らない量の壁電荷の蓄積が実行される。
その後、維持期間T3において、Scn電極13およびSus電極14に対し、所定の電圧(例えば、180V〜220V)、所定の周期(例えば、6μsec.)で矩形波の維持パルス313、314を印加する。Scn電極13に印加する維持パルス313と、Sus電極14に印加する維持パルス314とは、互いに同一の周期を有し、且つ、その位相が1/2周期ずれた状態となっており、パネル部1における全放電セルAに対して印加される。
また、本実施の形態に係るPDP装置100の駆動においては、図4にも示すとおり、維持期間T3にデータ電極22に対しても維持データパルス314が印加される。
この維持データパルス322は、一定の波形(例えば、電圧値が80V、周期が3μsec.)を有するパルスであり、維持パルス313、314の電圧波形に基づいて設定されている。維持データパルス322の印加については、そのタイミング設定を除き、基本的には上記特許文献2などに記載の方法を用い実施することができる。
この維持データパルス322は、一定の波形(例えば、電圧値が80V、周期が3μsec.)を有するパルスであり、維持パルス313、314の電圧波形に基づいて設定されている。維持データパルス322の印加については、そのタイミング設定を除き、基本的には上記特許文献2などに記載の方法を用い実施することができる。
これらの維持パルス313、314、および維持データパルス322によって、Scn電極13とSus電極14との間に電位差を生じさせ、この電位差と上記書き込み放電により形成された壁電荷とによって生じる電位差との和が放電開始電圧Vfを超えるようになるため維持放電が発生する。
この維持放電により発生した紫外線が、各蛍光体層25を励起発光させて可視光に変換される。そして、このような操作をサブフィールドSF1〜SF8間で繰り返すことにより、表示データに対応して規則的に並んだ放電セルAが選択的に放電発光されてパネル部1の表示領域に映像が映し出される。
この維持放電により発生した紫外線が、各蛍光体層25を励起発光させて可視光に変換される。そして、このような操作をサブフィールドSF1〜SF8間で繰り返すことにより、表示データに対応して規則的に並んだ放電セルAが選択的に放電発光されてパネル部1の表示領域に映像が映し出される。
3.維持データパルス322の波形
維持期間T3において、Dat電極22に対して印加される維持データパルス322の波形について、図5を用いて説明する。図5は、維持期間T3において、各電極13、14、22に印加される電圧波形と、赤外線センサにより検出される赤外発光波形を示す。
図5に示すように、維持期間T3において、Scn電極13およびSus電極14に印加される維持パルス313、314の各々における立ち上がり部分S2、S3は、ともに0.5(μsec.)の時間を要し、また、立ち下がり部分S1、S4も、ともに0.5(μsec.)の時間を要する状態に設定されている。また、維持パルス313、314は、そのデューティ比がともに50(%)以下に設定されている。
維持期間T3において、Dat電極22に対して印加される維持データパルス322の波形について、図5を用いて説明する。図5は、維持期間T3において、各電極13、14、22に印加される電圧波形と、赤外線センサにより検出される赤外発光波形を示す。
図5に示すように、維持期間T3において、Scn電極13およびSus電極14に印加される維持パルス313、314の各々における立ち上がり部分S2、S3は、ともに0.5(μsec.)の時間を要し、また、立ち下がり部分S1、S4も、ともに0.5(μsec.)の時間を要する状態に設定されている。また、維持パルス313、314は、そのデューティ比がともに50(%)以下に設定されている。
本実施の形態に係るPDP装置100の駆動においては、維持パルス313と維持パルス314とがともにLowレベルとなる区間、即ち、図5におけるタイミングt1とタイミングt2との間の区間tLOWが設定されており、本実施の形態では、一例として、その長さを約0.1(μsec.)に設定している。タイミングt6とタイミングt7の間についても、同様に長さ0.1μsec.の区間tLOWが設定される。
維持データパルス322は、維持パルス313、314の各立ち上がりタイミングt2、t7に対して所定時間先行して立ち上がりタイミングt5が設定され、維持パルス313、314における上記区間tLOWの間にその立ち下がりタイミングt3、t8が設定されている。例えば、本実施の形態では、各タイミングt3、t5、t8を次のように設定している。
[数1]
t7−t5≒1.2(μsec.)
t7−t5≒1.2(μsec.)
[数2]
t2=t3、t8=t7
(数2)に示すように、本実施の形態では、維持データパルス322の各立ち下がりタイミングt3、t8を維持パルス313、314における各立ち上がりタイミングt2、t7に同期するように設定しているが、上述のように、区間tLOWの範囲内であればその設定変更が可能である。換言すると、本実施の形態に係るPDP装置100では、維持データパルス322における各立ち下がりタイミングt3、t8を、区間tLowの範囲内に設定することができ、望ましくは、区間tLOWの始まりのタイミングt1、t6に対して0.1〜0.3(μsec.)遅延したタイミングに設定することができる。なお、各立ち下がりタイミングt3、t8については、維持パルス313、314における区間tLOWの設定時間に応じて設定されるものであって、本実施の形態に係るPDP装置100の駆動においては、維持データパルス322の各立ち下がりタイミングt3、t8を維持パルス313、314における区間tLOWから逸脱しない範囲内に設定する。
t2=t3、t8=t7
(数2)に示すように、本実施の形態では、維持データパルス322の各立ち下がりタイミングt3、t8を維持パルス313、314における各立ち上がりタイミングt2、t7に同期するように設定しているが、上述のように、区間tLOWの範囲内であればその設定変更が可能である。換言すると、本実施の形態に係るPDP装置100では、維持データパルス322における各立ち下がりタイミングt3、t8を、区間tLowの範囲内に設定することができ、望ましくは、区間tLOWの始まりのタイミングt1、t6に対して0.1〜0.3(μsec.)遅延したタイミングに設定することができる。なお、各立ち下がりタイミングt3、t8については、維持パルス313、314における区間tLOWの設定時間に応じて設定されるものであって、本実施の形態に係るPDP装置100の駆動においては、維持データパルス322の各立ち下がりタイミングt3、t8を維持パルス313、314における区間tLOWから逸脱しない範囲内に設定する。
また、各立ち下がりタイミングt3、t8については、区間tLOWの終了タイミングt2、t7を基準とする場合、当該基準ニ対して同時または0.1(μsec.)以内の時間先行するように設定されることが望ましい。
本実施の形態に係るPDP装置100では、維持期間T3において各電極13、14、22に対して各々波形が設定されたパルス313、314、322を印加することによって、維持データパルス322の立ち下がりに際して補助放電が発生し、維持パルス313、314の各立ち上がりS3、S2に応じて主放電が発生する。補助放電および主放電の発生の様子は、図5における赤外発光波形に現われており、補助放電により浅いピークの波形L1が検出され、主放電によって深いピークの波形L2が検出される。
本実施の形態に係るPDP装置100では、維持期間T3において各電極13、14、22に対して各々波形が設定されたパルス313、314、322を印加することによって、維持データパルス322の立ち下がりに際して補助放電が発生し、維持パルス313、314の各立ち上がりS3、S2に応じて主放電が発生する。補助放電および主放電の発生の様子は、図5における赤外発光波形に現われており、補助放電により浅いピークの波形L1が検出され、主放電によって深いピークの波形L2が検出される。
4.PDP装置100が有する優位性
図5に示すように、本実施の形態に係るPDP装置100では、その駆動において、維持データパルス322の立ち下がりタイミングt3、t8を区間tLOWの範囲内であるt2、t7に対して同期させて設定している。また、維持データパルス322における立ち上がりタイミングt5は、区間tLOWの始まりのタイミングよりも先行して設定されている。そして、このような維持データパルス322の立ち下がりタイミングt3、t8および立ち上がりタイミングt5の設定により、主放電(ピーク波形L2)に対して先行して補助放電(ピーク波形L1)を発生させることができる。赤外発光波形からも明らかなように、本実施の形態に係るPDP装置の駆動においては、二山の発光を伴う放電モードをもって表示駆動がなされる。
図5に示すように、本実施の形態に係るPDP装置100では、その駆動において、維持データパルス322の立ち下がりタイミングt3、t8を区間tLOWの範囲内であるt2、t7に対して同期させて設定している。また、維持データパルス322における立ち上がりタイミングt5は、区間tLOWの始まりのタイミングよりも先行して設定されている。そして、このような維持データパルス322の立ち下がりタイミングt3、t8および立ち上がりタイミングt5の設定により、主放電(ピーク波形L2)に対して先行して補助放電(ピーク波形L1)を発生させることができる。赤外発光波形からも明らかなように、本実施の形態に係るPDP装置の駆動においては、二山の発光を伴う放電モードをもって表示駆動がなされる。
このように二山の発光を伴う放電モードをもって表示駆動がなされるPDP装置100は、補助放電の発生により放電ガスの活性化が行われ、これが維持放電の火種となる。よって、PDP装置100では、維持データパルスを印加しない従来のPDP装置に比べて、放電開始電圧が低くても確実な維持放電が発生し、その分発光効率が向上される。例えば、上記一例としての各数値をもってPDP装置100を形成した場合には、従来のPDP装置で1.0(lm/W)であった発光効率が、約1.3(lm/W)まで向上することが確認されている。
また、本実施の形態に係るPDP装置100では、図5に示すように、その駆動における維持データパルス322の立ち下がりタイミングt3、t8を区間tLOW内に設定して、二山放電モードを実現しているが、このように維持データパルス322の印加タイミングを設定することで、安定して発光効率の向上が図られる。これは、上記特許文献1〜3の技術では、維持パルスの電圧変化区間に矩形細幅パルス(維持データパルスに相当)の立ち下がりタイミングを設定しているので、パネル部の構成上のバラツキや駆動におけるパルス波形のバラツキなどに発光効率が大きく影響を受けることになる。これに対して、本実施の形態に係るPDP装置100の駆動においては、維持パルス313、314が同電位にある区間tLOWに維持データパルス322の立ち下がりタイミングt3、t8を設定していることから、上記バラツキなどに発光効率が大きな影響を受けることがない。このため、PDP装置100では、安定して高い発光効率を実現可能である。
なお、主放電に先行して発生の補助放電については、図5の赤外発光波形からも分かるように、主放電に比べてその放電規模が小さくなっている。補助放電の放電規模は、例えば、維持放電に比べて、赤外発光波形の各ピークの比(L1/L2)で1/5〜1/20程度の範囲となることが、発光効率の観点から望ましい。特に、比(L1/L2)が約1/10となるように維持データパルス322の波形を設定することが望ましい。このように放電規模の比率における望ましい範囲が規定されるのは、次の通りである。
仮に補助放電の放電規模を維持放電の放電規模に対して1/5よりも大きい場合には、補助放電の発生時点で放電空間30内における壁電荷が消失してしまい、維持放電に対して悪影響を及ぼしてしまう。逆に、補助放電の放電規模を維持放電の放電規模に対して1/20よりも小さくしてしまうと、補助放電が維持放電の発生に際しての火種としての役割を果たし得ず、発光効率の向上を実質的に図ることができなくなる。
本実施の形態では、維持データパルス322の立ち下がりタイミングt3、t8を、区間tLOWの最も最終となるタイミング、即ち、維持パルス313、314の立ち上がりタイミングt2、t7に対して同期させることとしたが、上述のように区間tLOWに設定すればよく、望ましくは、区間tLOWの開始タイミングt1、t6に対して0.1(μsec.)遅延させ、また、終了タイミングt2、t7に対して同時かあるいは0.1(μsec.)以内の時間先行するタイミングで設定する。例えば、区間tLOWが0.5(μsec.)である場合には、維持データパルス322における立ち下がりタイミングt3、t8は、区間tLOWの開始タイミングt1、t6に対して、0.1(μsec.)以上0.3(μsec)以内の遅延時間をもって設定されることが望ましい。
5.維持パルス313、314に対する維持データパルス322の立ち下がりタイミング
維持パルス313、314に対する維持データパルス322の立ち下がりタイミングt3、t8の望ましい設定範囲について、図6を用いて説明する。図6は、区間tLOW=0.1(μsec.)とし、区間tLOWの終了タイミングt2、t7を基準としてみたときの時間差(遅延時間td)と発光効率との関係を示す特性図である。なお、この特性図は、本実施の形態に係る装置構成と同様の構成を有する装置を用いて得たものである。
維持パルス313、314に対する維持データパルス322の立ち下がりタイミングt3、t8の望ましい設定範囲について、図6を用いて説明する。図6は、区間tLOW=0.1(μsec.)とし、区間tLOWの終了タイミングt2、t7を基準としてみたときの時間差(遅延時間td)と発光効率との関係を示す特性図である。なお、この特性図は、本実施の形態に係る装置構成と同様の構成を有する装置を用いて得たものである。
図6に示すように、遅延時間td=0.0(μsec.)の場合と、遅延時間td=−0.1(μsec.)の場合とが本実施の形態と同様の駆動方式を採用したものである。なお、比較例として維持データパルスを印加しなかった場合の発光効率の変動についても測定し、その結果を併記している。
遅延時間td=±0.0(μsec.)に設定した場合には、APLが40(%)以下では比較例に係る維持データパルスを印加しない場合の発光効率よりも低い値を示している。しかし、APLが40〜100(%)では、発光効率が約1.5(lm/W)で安定しており、APLが大きいほど発光効率が顕著に低下する比較例の場合よりも優れている。また、遅延時間td=−0.1(μsec.)に設定した場合には、APLが30(%)まででは上記遅延時間td=±0.0(μsec.)に設定した場合よりも高い発光効率を示すが、APLが50(%)よりも大きい場合には上記比較例と大きく変わらない発光効率を示す。
遅延時間td=±0.0(μsec.)に設定した場合には、APLが40(%)以下では比較例に係る維持データパルスを印加しない場合の発光効率よりも低い値を示している。しかし、APLが40〜100(%)では、発光効率が約1.5(lm/W)で安定しており、APLが大きいほど発光効率が顕著に低下する比較例の場合よりも優れている。また、遅延時間td=−0.1(μsec.)に設定した場合には、APLが30(%)まででは上記遅延時間td=±0.0(μsec.)に設定した場合よりも高い発光効率を示すが、APLが50(%)よりも大きい場合には上記比較例と大きく変わらない発光効率を示す。
以上のように、維持データパルス322の立ち下がりタイミングt3、t8の望ましい設定としては、遅延時間tdがより”0”に近くなる値、即ち、より区間tLOWの終了タイミングt2、t7に近いタイミングである。この値は、区間tLOWの長さ設定によって変動するものである。また、図6から明らかなように、同じ遅延時間tdであってもAPLによって発光効率は変動するので、このような変動特性を考慮して、APLによって維持データパルス322を印加するか否かを選択するような駆動方法を採用することも優位であると考えられる。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2に係るPDP装置の駆動方法について、図7を用いて説明する。なお、本実施の形態におけるPDP装置は、その装置構成が上記実施の形態1に係るPDP装置1と同一であり、また、維持期間T3以外における駆動方法に関しても実施の形態1と同様であるので、再度の説明を省略する。
次に、実施の形態2に係るPDP装置の駆動方法について、図7を用いて説明する。なお、本実施の形態におけるPDP装置は、その装置構成が上記実施の形態1に係るPDP装置1と同一であり、また、維持期間T3以外における駆動方法に関しても実施の形態1と同様であるので、再度の説明を省略する。
1.維持データパルス422の波形
図7に示すように、本実施の形態に係る駆動方法では、維持期間T3において、Scn電極13およびSus電極14に印加される維持パルス413、414の各々における立ち上がり部分S12、S13は、ともに0.5(μsec.)の時間を要し、また、立ち下がり部分S11、S14も、ともに0.5(μsec.)の時間を要する状態に設定されている。また、維持パルス413、414は、そのデューティ比がともに50(%)以下に設定されている。これらについては、上記実施の形態1と同様である。
図7に示すように、本実施の形態に係る駆動方法では、維持期間T3において、Scn電極13およびSus電極14に印加される維持パルス413、414の各々における立ち上がり部分S12、S13は、ともに0.5(μsec.)の時間を要し、また、立ち下がり部分S11、S14も、ともに0.5(μsec.)の時間を要する状態に設定されている。また、維持パルス413、414は、そのデューティ比がともに50(%)以下に設定されている。これらについては、上記実施の形態1と同様である。
本実施の形態に係るPDP装置の駆動においては、維持パルス413と維持パルス414とがともにLowレベルとなる区間tLOWの長さが、例えば約0.1(μsec.)に設定されている。
維持データパルス422は、維持パルス413、414の各立ち上がりタイミングt12、t17に対して所定時間先行して立ち上がりタイミングt15が設定され、維持パルス413、414における上記区間tLOWの終了の後、遅延時間tdをもってその立ち下がりタイミングt13、t18が設定されている。この内、維持データパルス422の立ち下がりタイミングt13、t18の設定に本実施の形態の特徴がある。
維持データパルス422は、維持パルス413、414の各立ち上がりタイミングt12、t17に対して所定時間先行して立ち上がりタイミングt15が設定され、維持パルス413、414における上記区間tLOWの終了の後、遅延時間tdをもってその立ち下がりタイミングt13、t18が設定されている。この内、維持データパルス422の立ち下がりタイミングt13、t18の設定に本実施の形態の特徴がある。
維持データパルス422における立ち下がりタイミングt13、t18の設定に大きな要素となる遅延時間tdは、0.1(μsec.)以上0.5(μsec.)以下の範囲内であればよく、一例として、本実施の形態では、0.3(μsec.)に設定されている。
本実施の形態に係るPDP装置では、維持期間T3において、区間tLowの終了タイミングから上記遅延時間tdをもって設定された立ち下がりタイミングt13、t18を有する維持データパルス422をDat電極22に印加し、これによって、上記実施の形態1と同様に二山放電モードを実現している(図7の赤外発光波形を参照)。ただし、図7に示すように、本実施の形態における放電モードでは、補助放電での赤外発光波形のピークL11と、維持放電での赤外発光波形のピークL12とが、上記実施の形態1に係る放電モードの場合よりも近接している。
本実施の形態に係るPDP装置では、維持期間T3において、区間tLowの終了タイミングから上記遅延時間tdをもって設定された立ち下がりタイミングt13、t18を有する維持データパルス422をDat電極22に印加し、これによって、上記実施の形態1と同様に二山放電モードを実現している(図7の赤外発光波形を参照)。ただし、図7に示すように、本実施の形態における放電モードでは、補助放電での赤外発光波形のピークL11と、維持放電での赤外発光波形のピークL12とが、上記実施の形態1に係る放電モードの場合よりも近接している。
なお、補助放電の放電規模と維持放電の放電規模との比については、上記実施の形態1と同様に、1/5以上1/20以下の範囲内とすることが望ましい。
2.本実施の形態に係る駆動方法の優位性
本実施の形態に係るPDP装置の駆動方法でも、上記実施の形態1に係るPDP装置100の駆動方法と同様に、維持期間T3において維持放電に先行して補助放電を生じさせている。このため、維持データパルスを印加しない従来の駆動方法を採る場合に比べて放電開始電圧を低減することができる。放電開始電圧は、例えば、上記一例としての数値をもってパネル部を構成し、図7の電圧波形をとるときには、約20(V)低減される。よって、本実施の形態に係る駆動方法でも、発光効率の向上を図ることが可能となる。
2.本実施の形態に係る駆動方法の優位性
本実施の形態に係るPDP装置の駆動方法でも、上記実施の形態1に係るPDP装置100の駆動方法と同様に、維持期間T3において維持放電に先行して補助放電を生じさせている。このため、維持データパルスを印加しない従来の駆動方法を採る場合に比べて放電開始電圧を低減することができる。放電開始電圧は、例えば、上記一例としての数値をもってパネル部を構成し、図7の電圧波形をとるときには、約20(V)低減される。よって、本実施の形態に係る駆動方法でも、発光効率の向上を図ることが可能となる。
また、図7の赤外発光波形にも示す通り、本実施の形態の駆動方法では、補助放電と維持放電との時間的な間隙が上記図5よりも狭くなっている。このため、本実施の形態に係る駆動方法では、上記実施の形態1に係る駆動方法に比べて、補助放電の発生による放電ガスの活性状態が高レベルとなり、発光効率は、例えば、1.4(lm/W)となる。
また、本実施の形態に係るPDP装置の駆動方法では、維持期間T3における維持データパルス422の立ち下がりタイミングt13、t18を区間tLOWよりも0.3(μsec.)の遅延時間tdをもって設定しているが、立ち上がりタイミングt15を維持パルス413、414の各立ち上がりタイミングt17に対して所要時間(本実施の形態では、一例として約1.2μsec.)先行して設定している。このため、本実施の形態に係る駆動方法では、上記特許文献1、2の駆動方法に対して、より安定して発光効率の向上を図ることができる。この理由については、上記実施の形態1と同様である。
また、本実施の形態に係るPDP装置の駆動方法では、維持期間T3における維持データパルス422の立ち下がりタイミングt13、t18を区間tLOWよりも0.3(μsec.)の遅延時間tdをもって設定しているが、立ち上がりタイミングt15を維持パルス413、414の各立ち上がりタイミングt17に対して所要時間(本実施の形態では、一例として約1.2μsec.)先行して設定している。このため、本実施の形態に係る駆動方法では、上記特許文献1、2の駆動方法に対して、より安定して発光効率の向上を図ることができる。この理由については、上記実施の形態1と同様である。
従って、本実施の形態に係るPDP装置およびその駆動方法は、パネル構成および駆動波形のバラツキなどがあっても、安定的に発光効率の向上を図ることが可能であるという優位性を有する。
3.維持パルス413、414に対する維持データパルス422における立ち下がりタイミング
維持パルス413、414に対する維持データパルス422の立ち下がりタイミングt13、t18の望ましい設定範囲について、再度、図6を用いて説明する。図6に示すデータの内、遅延時間td=+0.1(μsec.)〜td=+0.5(μsec.)の5つのデータが本実施の形態に係る望ましい設定範囲である。
3.維持パルス413、414に対する維持データパルス422における立ち下がりタイミング
維持パルス413、414に対する維持データパルス422の立ち下がりタイミングt13、t18の望ましい設定範囲について、再度、図6を用いて説明する。図6に示すデータの内、遅延時間td=+0.1(μsec.)〜td=+0.5(μsec.)の5つのデータが本実施の形態に係る望ましい設定範囲である。
図6に示すように、遅延時間td=+0.3(μsec.)に設定の場合には、APLに関係なく比較例に係る駆動方法よりも高い発光効率を得た。特に、APL=50〜100(%)の場合には、比較例に係る駆動方法を採る場合よりも0.25〜0.3ポイント高い発光効率を得ることができた。
また、APL=50〜100(%)の場合には、td=+0.1〜+0.5(μsec.)に設定により、比較例の駆動方法を採る場合に比べて、0.1〜0.3ポイント高い発光効率が得られる。なお、図6からも明らかなように、本実施の形態に係る駆動方法の場合にあっても、APLが小さい場合には維持データパルスを印加しない比較例に係る駆動方法を採る場合よりも発光効率が低くなる場合が生じ得る。このため、本実施の形態に係るPDP装置においても、APLに応じて維持データパルスを印加するか否かを選択する構成を採用することも有効である。さらには、APLに応じて遅延時間tdを変動させることとしてもよい。
また、APL=50〜100(%)の場合には、td=+0.1〜+0.5(μsec.)に設定により、比較例の駆動方法を採る場合に比べて、0.1〜0.3ポイント高い発光効率が得られる。なお、図6からも明らかなように、本実施の形態に係る駆動方法の場合にあっても、APLが小さい場合には維持データパルスを印加しない比較例に係る駆動方法を採る場合よりも発光効率が低くなる場合が生じ得る。このため、本実施の形態に係るPDP装置においても、APLに応じて維持データパルスを印加するか否かを選択する構成を採用することも有効である。さらには、APLに応じて遅延時間tdを変動させることとしてもよい。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3に係るPDP装置の駆動方法について、図8を用いて説明する。なお、本実施の形態におけるPDP装置は、パネル部を含む装置構成が上記実施の形態1に係るPDP装置1と同一であり、また、維持期間T3以外における駆動方法に関しても実施の形態1、2と同様であるので、その説明を省略する。
次に、実施の形態3に係るPDP装置の駆動方法について、図8を用いて説明する。なお、本実施の形態におけるPDP装置は、パネル部を含む装置構成が上記実施の形態1に係るPDP装置1と同一であり、また、維持期間T3以外における駆動方法に関しても実施の形態1、2と同様であるので、その説明を省略する。
1.維持パルス513、514の波形
本実施の形態に係るPDP装置の駆動に際する維持パルス513、514は、上記実施の形態1、2と同様に、互いに所定の電圧(例えば、180V〜220V)、所定の周期(例えば、6μsec.)を有し、各々の位相が1/2周期ずれた状態の矩形波となっている。そして、本実施の形態に係る駆動において特徴的なのは、各維持パルス513、514の立ち上がり部分S21、S22、S23が緩やかな勾配であって、対数関数的に設定されている。ここで、維持パルス513、514は、ともに立ち上がりに約0.6(μsec.)を要し、立ち下がりに約0.5(μsec.)を要する。また、そのデューティ比は、ともに50(%)以下に設定されており、電位が同時にLowレベルとなる区間tLOWは、0.1(μsec.)に設定されている。
本実施の形態に係るPDP装置の駆動に際する維持パルス513、514は、上記実施の形態1、2と同様に、互いに所定の電圧(例えば、180V〜220V)、所定の周期(例えば、6μsec.)を有し、各々の位相が1/2周期ずれた状態の矩形波となっている。そして、本実施の形態に係る駆動において特徴的なのは、各維持パルス513、514の立ち上がり部分S21、S22、S23が緩やかな勾配であって、対数関数的に設定されている。ここで、維持パルス513、514は、ともに立ち上がりに約0.6(μsec.)を要し、立ち下がりに約0.5(μsec.)を要する。また、そのデューティ比は、ともに50(%)以下に設定されており、電位が同時にLowレベルとなる区間tLOWは、0.1(μsec.)に設定されている。
このように緩やかな勾配の立ち上がり部分S21、S22、S23を有する維持パルス513、514の波形は、所定の時定数を有するCR回路への充電電圧波形を電力増幅することによって形成される。
2.維持データパルス522の波形
図8に示すように、本実施の形態に係る駆動方法では、維持データパルス522が、所定の電圧(例えば、80V)、所定の周期(例えば、3μsec.)を有するように設定されている。そして、維持データパルス522の波形は、維持パルス513、514における区間tLOWの開始タイミングt21、t26に対して所定の時間(例えば、約1.2μsec.)先行してその立ち上がりタイミングt25が設定されており、区間tLOWの終了タイミングt22、t27に対して、所定の遅延時間td(本実施の形態では、例えば、0.4μsec.)を有し立ち下がりタイミングt23、t28が設定されている。
2.維持データパルス522の波形
図8に示すように、本実施の形態に係る駆動方法では、維持データパルス522が、所定の電圧(例えば、80V)、所定の周期(例えば、3μsec.)を有するように設定されている。そして、維持データパルス522の波形は、維持パルス513、514における区間tLOWの開始タイミングt21、t26に対して所定の時間(例えば、約1.2μsec.)先行してその立ち上がりタイミングt25が設定されており、区間tLOWの終了タイミングt22、t27に対して、所定の遅延時間td(本実施の形態では、例えば、0.4μsec.)を有し立ち下がりタイミングt23、t28が設定されている。
なお、維持データパルス522の立ち下がりタイミングt23、t28については、0.3(μsec.)以上0.4(μsec.)以下の範囲内に設定されていればよい。
以上のような維持パルス513、514および維持データパルス522の設定をもって駆動を行う場合には、図8に示すように補助放電(ピークがL21)の後に維持放電(ピークがL22)が発生する。即ち、本実施の形態に係るPDP装置の駆動においても、上記実施の形態1、2と同様に、維持期間T3において、二山放電モードをもって駆動がなされる。
以上のような維持パルス513、514および維持データパルス522の設定をもって駆動を行う場合には、図8に示すように補助放電(ピークがL21)の後に維持放電(ピークがL22)が発生する。即ち、本実施の形態に係るPDP装置の駆動においても、上記実施の形態1、2と同様に、維持期間T3において、二山放電モードをもって駆動がなされる。
なお、維持データパルス522の波形については、補助放電の放電規模と維持放電の放電規模との比が、上記実施の形態1、2と同様に、1/5以上1/20以下の範囲内となるように設定することが望ましい。理由については、上記同様である。
3.本実施の形態に係るPDP装置およびその駆動方法の優位性
本実施の形態に係るPDP装置の駆動方法でも、上記実施の形態1、2に係るPDP装置の駆動方法と同様に、維持期間T3において維持放電に先行して補助放電を生じさせている。このため、維持データパルスを印加しない従来の駆動方法を採る場合に比べて放電開始電圧を低減することができる。放電開始電圧は、例えば、上記一例としての数値をもってパネル部を構成し、図8の電圧波形をとるときには、約20(V)低減される。よって、本実施の形態に係る駆動方法でも、発光効率の向上を図ることが可能となる。
3.本実施の形態に係るPDP装置およびその駆動方法の優位性
本実施の形態に係るPDP装置の駆動方法でも、上記実施の形態1、2に係るPDP装置の駆動方法と同様に、維持期間T3において維持放電に先行して補助放電を生じさせている。このため、維持データパルスを印加しない従来の駆動方法を採る場合に比べて放電開始電圧を低減することができる。放電開始電圧は、例えば、上記一例としての数値をもってパネル部を構成し、図8の電圧波形をとるときには、約20(V)低減される。よって、本実施の形態に係る駆動方法でも、発光効率の向上を図ることが可能となる。
また、図8の赤外発光波形にも示す通り、本実施の形態の駆動方法では、補助放電と維持放電との時間的な間隙が上記実施の形態2と同様に狭くなっている。このため、本実施の形態に係る駆動方法では、上記実施の形態1に係る駆動方法に比べて、補助放電の発生による放電ガスの活性状態が高レベルとなり、発光効率は、例えば、1.4(lm/W)となる。
また、本実施の形態に係るPDP装置の駆動方法では、維持期間T3における維持データパルス522の立ち下がりタイミングt13、t18を区間tLOWよりも0.3(μsec.)の遅延時間tdをもって設定しているが、立ち上がりタイミングt15を維持パルス413、414の各立ち上がりタイミングt17に対して所定時間(本実施の形態では、一例として約1.2μsec.)先行して設定している。このため、本実施の形態に係る駆動方法では、上記特許文献1、2の駆動方法に対して、安定して発光効率の向上を図ることができる。この理由については、上記実施の形態1と同様である。
さらに、本実施の形態に係る駆動方法では、維持パルス513、514の各立ち上がり部分S21、S22、S23が緩やかな勾配を有するので、維持データパルス522の立ち下がりのジッターが主放電に影響を及ぼさない。よって、本実施の形態に係る駆動方法では、パネル部における全ての放電セルにおいてその放電特性が安定し、均一化する。
従って、本実施の形態に係るPDP装置およびその駆動方法は、パネル構成および駆動波形のバラツキなどがあっても、安定的に発光効率の向上を図ることが可能であるという優位性を有する。
従って、本実施の形態に係るPDP装置およびその駆動方法は、パネル構成および駆動波形のバラツキなどがあっても、安定的に発光効率の向上を図ることが可能であるという優位性を有する。
(変形例)
次に、変形例に係るPDP装置について、図9を用いて説明する。図9は、本変形例に係るPDP装置の構成の内、特徴を有するパネル部2の一部を切り出して示した要部斜視図(一部断面図)である。
図9に示すように、本変形例に係るパネル部2は、上記図3のパネル部1と同様構成の前面パネル12を有する。同様構成のため、その説明を省略する。一方、背面パネル40は、1セルあたり2本の電極22、26が配されている。具体的には、背面基板21の主面上にはDat電極22と補助電極26とが一対となり、各隔壁24間ごとに対となったDat電極22、補助電極26が互いに並行して配されている。
次に、変形例に係るPDP装置について、図9を用いて説明する。図9は、本変形例に係るPDP装置の構成の内、特徴を有するパネル部2の一部を切り出して示した要部斜視図(一部断面図)である。
図9に示すように、本変形例に係るパネル部2は、上記図3のパネル部1と同様構成の前面パネル12を有する。同様構成のため、その説明を省略する。一方、背面パネル40は、1セルあたり2本の電極22、26が配されている。具体的には、背面基板21の主面上にはDat電極22と補助電極26とが一対となり、各隔壁24間ごとに対となったDat電極22、補助電極26が互いに並行して配されている。
本変形例に係るパネル部2が上記実施の形態1に係るPDP装置100のパネル部1と相違するのは、背面パネル40における電極22、26の構成だけであり、その他の構成については、上記同様である。
このように背面パネル40にDat電極22とは別に補助電極26を有する場合には、維持期間T3において、維持データパルスを補助電極26に対して、あるいは、Dat電極22と補助電極26との双方に対して交互に印加することとすることができる。このように補助電極26に対して維持データパルスを印加する場合には、回路を設計する上での容易性という優位性、さらに、Dat電極22と補助電極26とに交互に維持データパルスを印加する場合には、各電極22、26に対する維持データパルスの周期を上記実施の形態1〜3に比べて2倍に長くすることが可能となる。これによって、駆動における制御をより確実なものとすることができる。
このように背面パネル40にDat電極22とは別に補助電極26を有する場合には、維持期間T3において、維持データパルスを補助電極26に対して、あるいは、Dat電極22と補助電極26との双方に対して交互に印加することとすることができる。このように補助電極26に対して維持データパルスを印加する場合には、回路を設計する上での容易性という優位性、さらに、Dat電極22と補助電極26とに交互に維持データパルスを印加する場合には、各電極22、26に対する維持データパルスの周期を上記実施の形態1〜3に比べて2倍に長くすることが可能となる。これによって、駆動における制御をより確実なものとすることができる。
なお、本実施の形態に係るPDP装置の構成においても、上記実施の形態1〜3と同様の駆動方法を採用することで、上記同様の優位性を備えることができる。
(その他の事項)
上記実施の形態1〜3および変形例に係るPDP装置の構成、駆動方法などについては適宜変更が可能である。例えば、次のように変更を加えることができる。
(その他の事項)
上記実施の形態1〜3および変形例に係るPDP装置の構成、駆動方法などについては適宜変更が可能である。例えば、次のように変更を加えることができる。
(1)上記実施の形態1〜3においては、各放電セルで1本のDat電極22を有する構成、変形例においては、Dat電極22と補助電極26とを有する構成としたが、背面パネルにおいて放電セル毎に3本以上の電極を有することとしても構わない。
(2)上記実施の形態1〜3においては、維持パルス313、413、513、314、414、514デューティ比を各々50(%)以下としたが、これに限定を受けるものではない。また、上記実施の形態2、3においても、維持パルス413、513、414、514に同電位となる区間tLOWを設けることとしたが、これらの実施の形態に係る駆動においては、区間tLOWが必須の要件とはならない。
(2)上記実施の形態1〜3においては、維持パルス313、413、513、314、414、514デューティ比を各々50(%)以下としたが、これに限定を受けるものではない。また、上記実施の形態2、3においても、維持パルス413、513、414、514に同電位となる区間tLOWを設けることとしたが、これらの実施の形態に係る駆動においては、区間tLOWが必須の要件とはならない。
(3)上記実施の形態1、2においては、Scn電極電圧パルスVscn、Sus電極電圧パルスVsus、Dat電極電圧パルスVp1、Vp2の各電圧値やその周期あるいはデューティ比を特定を一例としたが、本発明の主旨の範囲内の数値であれば、これに限定を受けるものではない。
(4)上記実施の形態1〜3および変形例においては、維持パルス313、314、413、414、513、514のLowレベルにおける電圧値を一例として零電位として図示したが、必要に応じて直流バイアスを重畳しても構わない。維持データパルス322、422、522についても同様である。
(4)上記実施の形態1〜3および変形例においては、維持パルス313、314、413、414、513、514のLowレベルにおける電圧値を一例として零電位として図示したが、必要に応じて直流バイアスを重畳しても構わない。維持データパルス322、422、522についても同様である。
(5)上記実施の形態1〜3において、発光効率の上昇についてその一例としての数値をあげたが、これらは、パネルの構成および駆動方法などにより変化するものである。また、上記実施の形態1〜3および変形例であげた各数値はその一例であって、本発明はこれらに限定を受けるものではない。
本発明は、大型のテレビジョンやハイビジョンテレビジョンあるいは大型表示装置など、映像機器産業、宣伝機器産業、産業機器やその他の産業分野に利用するPDP装置を実現する上で有効である。
1、2.パネル部
5.表示駆動部
10.前面パネル
12.表示電極対
13.スキャン電極
14.サスティン電極
16.誘電体保護層
20、40.背面パネル
22.データ電極
26.補助電極
54.スキャンドライバ
55.サスティンドライバ
56.データドライバ
100.プラズマディスプレイパネル装置
313、413、513.維持パルス(スキャンパルス)
314、414、514.維持パルス(サスティンパルス)
322、422、522.維持データパルス
5.表示駆動部
10.前面パネル
12.表示電極対
13.スキャン電極
14.サスティン電極
16.誘電体保護層
20、40.背面パネル
22.データ電極
26.補助電極
54.スキャンドライバ
55.サスティンドライバ
56.データドライバ
100.プラズマディスプレイパネル装置
313、413、513.維持パルス(スキャンパルス)
314、414、514.維持パルス(サスティンパルス)
322、422、522.維持データパルス
Claims (24)
- 一対の基板が対向配置され、当該対向配置によって基板間に形成される放電空間内に放電ガスが充填され、一方の基板における前記放電空間側の主面に第1電極および第2電極とで構成される電極対が複数形成され、他方の基板における前記放電空間側の主面に前記電極対と立体交差する状態に複数の第3電極が形成されており、前記電極対と第3電極との各立体交差部分に放電セルが形成されてなるパネル部と、入力される映像データに基づき選択された放電セルに対して、前記第1電極、第2電極および第3電極のそれぞれに電圧を印加して、前記第1電極と第2電極との間に維持放電を生じさせる維持期間を含むサイクルを繰り返すことによって前記パネル部の表示駆動を実行する表示駆動部とを備えるプラズマディスプレイパネル装置であって、
前記維持期間において表示駆動部は、前記第1電極と第2電極との間での各維持放電発生タイミングに先行して、前記第1電極あるいは第2電極と第3電極との間に前記維持放電よりも放電規模が小さい補助放電を発生させる
ことを特徴とするプラズマディスプレイパネル装置。 - 前記維持期間において、
前記表示駆動部は、前記第3電極に対してパルス状波形を有する電圧を印加し、前記第1電極および第2電極の各々に対して、互いの電位が同一となる同電位区間を有する波形の電圧を印加するものであって、
前記表示駆動部が第3電極に対して印加する電圧波形は、その立ち上がりタイミングが前記同電位区間の開始タイミングに先行し、立ち下がりタイミングが前記同電位区間の範囲内に設定されている
ことを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル装置。 - 前記維持期間に表示駆動部が第3電極に対して印加する電圧波形は、その立ち下がりタイミングが、前記同電位区間の終了タイミングを基準とし、当該基準と同時または所要時間先行して設定されている
ことを特徴とする請求項2に記載のプラズマディスプレイパネル装置。 - 前記第3電極に対する印加電圧波形の立ち下がりタイミングは、前記基準に対して0.1μsec.以内の時間先行して設定されている
ことを特徴とする請求項3に記載のプラズマディスプレイパネル装置。 - 前記維持期間において表示駆動部が第1電極および第2電極の各々に対して印加する電圧波形は、その電圧値がHighレベルとLowレベルとの2値を有し、
前記同電位区間では、前記第1電極および第2電極の電位がともにLowレベルに設定されている
ことを特徴とする請求項2から4の何れかに記載のプラズマディスプレイパネル装置。 - 前記維持期間において、
前記表示駆動部は、前記第3電極に対してパルス状波形を有する電圧を印加するものであって、
前記表示駆動部が第3電極に対して印加する電圧波形は、その立ち上がりタイミングが、前記第1電極への印加電圧波形の立ち下がりおよび前記第2電極への印加電圧波形の立ち上がりの両タイミングに対して先行し、立ち下がりタイミングが、前記第2電極への印加電圧波形の立ち上がりタイミングに対して所要の遅延時間を有し設定されている
ことを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル装置。 - 前記遅延時間は、0.1μsec.以上0.5μsec.以下の範囲内で設定されている
ことを特徴とする請求項6に記載のプラズマディスプレイパネル装置。 - 前記維持期間において、
前記表示駆動部は、前記第1電極および第2電極の各々に対して、互いの電位が同一となる同電位区間を有する波形の電圧を印加する
ことを特徴とする請求項6または7に記載のプラズマディスプレイパネル装置。 - 前記維持期間において表示駆動部が第1電極および第2電極の各々に対して印加する電圧波形は、その電圧値がHighレベルとLowレベルとの2値を有し、
前記同電位区間では、前記第1電極および第2電極の電位がともにLowレベルに設定されている
ことを特徴とする請求項8に記載のプラズマディスプレイパネル装置。 - 前記維持期間において表示駆動部が第1電極および第2電極に対して印加する電圧波形は、立ち上がり開始から立ち上がり終了までの所要時間が0.5μsec.以上1.0μsec.以下の範囲内に設定されている
ことを特徴とする請求項1から9の何れかに記載のプラズマディスプレイパネル装置。 - 前記維持期間において表示駆動部が第1電極および第2電極に対して印加する電圧波形は、デューティ比が50%以下のパルス状波形である
ことを特徴とする請求項1から10の何れかに記載のプラズマディスプレイパネル装置。 - 前記維持期間において、
前記表示駆動部は、前記補助放電の放電規模が、各放電の赤外発光波形におけるピークを指標とするときに、前記維持放電の放電規模に対して5%以上20%以下の範囲内の比となるように、前記第3電極へ電圧印加を行う
ことを特徴とする請求項1から11の何れかに記載のプラズマディスプレイパネル装置。 - 一対の基板が対向配置され、当該対向配置によって基板間に形成される放電空間内に放電ガスが充填され、一方の基板における前記放電空間側の主面に第1電極および第2電極とで構成される電極対が複数形成され、他方の基板における前記放電空間側の主面に前記電極対と立体交差する状態に複数の第3電極が形成されており、前記電極対と第3電極との各立体交差部分に放電セルが形成されてなるパネル部に対して、表示駆動部が、入力される映像データに基づき選択された放電セルに対して、前記第1電極、第2電極および第3電極のそれぞれに電圧を印加して、前記第1電極と第2電極との間に維持放電を生じさせる維持ステップを含むサイクルを繰り返すことによって表示駆動を実行するプラズマディスプレイパネル装置の駆動方法であって、
前記維持ステップにおいて、
前記表示駆動部は、前記第1電極と第2電極との間での各維持放電発生タイミングに先行して、前記第1電極あるいは第2電極と第3電極との間に前記維持放電よりも放電規模が小さい補助放電を発生させる
ことを特徴とするプラズマディスプレイパネル装置の駆動方法。 - 前記維持ステップにおいて、
前記表示駆動部は、前記第3電極に対してパルス状波形を有する電圧を印加し、前記第1電極および第2電極の各々に対して、互いの電位が同一となる同電位区間を有する波形の電圧を印加するものであって、
前記表示駆動部が第3電極に対して印加する電圧波形は、その立ち上がりタイミングが前記同電位区間の開始タイミングに先行し、立ち下がりタイミングが前記同電位区間の範囲内に設定されている
ことを特徴とする請求項13に記載のプラズマディスプレイパネル装置の駆動方法。 - 前記維持ステップにおいて表示駆動部が第3電極に対して印加する電圧波形は、その立ち下がりタイミングが、前記同電位区間の終了タイミングを基準とし、当該基準と同時または所要時間先行して設定されている
ことを特徴とする請求項14に記載のプラズマディスプレイパネル装置の駆動方法。 - 前記第3電極に対する印加電圧波形の立ち下がりタイミングは、前記基準に対して0.1μsec.以内の時間先行して設定されている
ことを特徴とする請求項15に記載のプラズマディスプレイパネル装置の駆動方法。 - 前記維持ステップにおいて表示駆動部が第1電極および第2電極の各々に対して印加する電圧波形は、その電圧値がHighレベルとLowレベルとの2値を有し、
前記同電位区間では、前記第1電極および第2電極の電位がともにLowレベルに設定されている
ことを特徴とする請求項14から16の何れかに記載のプラズマディスプレイパネル装置の駆動方法。 - 前記維持ステップにおいて、
前記表示駆動部は、前記第3電極に対してパルス状波形を有する電圧を印加するものであって、
前記表示駆動部が第3電極に対して印加する電圧波形は、その立ち上がりタイミングが、前記第1電極への印加電圧波形の立ち下がりおよび前記第2電極への印加電圧波形の立ち上がりの両タイミングに対して先行し、立ち下がりタイミングが、前記第2電極への印加電圧波形の立ち上がりタイミングに対して所要の遅延時間を有し設定されている
ことを特徴とする請求項13に記載のプラズマディスプレイパネル装置の駆動方法。 - 前記遅延時間は、0.1μsec.以上0.5μsec.以下の範囲内で設定されている
ことを特徴とする請求項18に記載のプラズマディスプレイパネル装置の駆動方法。 - 前記維持ステップにおいて、
前記表示駆動部は、前記第1電極および第2電極の各々に対して、互いの電位が同一となる同電位区間を有する波形の電圧を印加する
ことを特徴とする請求項18または19に記載のプラズマディスプレイパネル装置の駆動方法。 - 前記維持ステップにおいて表示駆動部が第1電極および第2電極の各々に対して印加する電圧波形は、その電圧値がHighレベルとLowレベルとの2値を有し、
前記同電位区間では、前記第1電極および第2電極の電位がともにLowレベルに設定されている
ことを特徴とする請求項20に記載のプラズマディスプレイパネル装置の駆動方法。 - 前記維持ステップにおいて表示駆動部が第1電極および第2電極に対して印加する電圧波形は、立ち上がり開始から立ち上がり終了までの所要時間が0.5μsec.以上1.0μsec.以下の範囲内に設定されている
ことを特徴とする請求項13から21の何れかに記載のプラズマディスプレイパネル装置の駆動方法。 - 前記維持ステップにおいて表示駆動部が第1電極および第2電極に対して印加する電圧波形は、デューティ比が50%以下のパルス状波形である
ことを特徴とする請求項13から22の何れかに記載のプラズマディスプレイパネル装置の駆動方法。 - 前記維持ステップにおいて、
前記表示駆動部は、前記補助放電の放電規模が、各放電の赤外発光波形におけるピークを指標とするときに、前記維持放電の放電規模に対して5%以上20%以下の範囲内の比となるように、前記第3電極へ電圧印加を行う
ことを特徴とする請求項13から23の何れかに記載のプラズマディスプレイパネル装置の駆動方法。
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JP2005237314A JP2007052232A (ja) | 2005-08-18 | 2005-08-18 | プラズマディスプレイパネル装置および素の駆動方法 |
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JP2008216878A (ja) * | 2007-03-07 | 2008-09-18 | Pioneer Electronic Corp | プラズマディスプレイパネルの駆動方法 |
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- 2005-08-18 JP JP2005237314A patent/JP2007052232A/ja active Pending
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