JP4151289B2 - ガス放電パネルおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はプラズマディスプレイパネル(以下、PDPと略称する)に代表されるガス放電パネルおよびその製造方法に係わり、特に対向3電極面放電型とよばれる交流駆動のPDP用ガス放電パネルに関する。
【0002】
【従来の技術】
PDP用ガス放電パネルは、ガス放電によって発生した紫外線で蛍光体を励起発光させ、画像表示する平面型ディスプレイである。その放電の形成手法から交流(AC)型と直流(DC)型とに分類される。AC型は、輝度、発光効率、寿命の各特性でDC型より優れ、特に、AC型の中でも、反射型面放電タイプは輝度、発光効率の点で際立っているため、このタイプのものは広く利用されている。
【0003】
面放電形ACガス放電パネルは、前面板と背面板とを放電空間を有して貼り合わせた構成であり、前面板には一対の表示電極対が複数個配列され、その上に誘電体層と保護層とが形成されている。また、背面板には複数のアドレス電極と、このアドレス電極に平行に隔壁が形成され、さらに隔壁間には蛍光体層が形成されている。なお、前面板に形成された表示電極対と背面板に形成されたアドレス電極とは直交するように貼り合わされる。
【0004】
AC駆動型のPDPでは、表示電極対上に形成する誘電体層が特有の電流制限機能を示すので、DC駆動型のPDPに比べて長寿命にできる。この誘電体層は表示電極対とブラックマトリクスとの形成後で、しかも、これらを確実に覆うように形成することが必要とされるために、一般的には低融点ガラスを印刷・焼成方式で形成している。また、保護層はプラズマ放電により誘電体層がスパッタリングされないようにするために設けるもので、耐スパッタリング性に優れた材料であることが要求される。このために、酸化マグネシウム(MgO)が多く用いられている。なお、このMgOは大きな二次電子放出係数(γ)を有しているので、放電開始電圧を低減する効果もある。
【0005】
前面板と背面板とを対向させると、前面板と背面板との間で、かつそれぞれ2本の隔壁で囲まれたストライプ状の放電空間が生じる。この空間にネオン(Ne)とキセノン(Xe)の混合ガスを約66.5kPaの圧力となるように充填し、それぞれの表示電極対間に数10kHz〜数100kHzの交流電圧を印加して放電させると、励起されたXe原子が基底状態に戻る際に発生する紫外線により蛍光体層を励起することができる。この励起により蛍光体層は、塗布された材料に応じて赤(R光)、緑(G光)、または青(B光)の発光をするので、アドレス電極により発光させる画素および色の選択を行えば、所定の画素部で必要な色を発光させることができ、カラー画像を表示することが可能となる。
【0006】
このようなガス放電パネルにおいては、より低電圧で駆動でき、かつ高輝度とすることが要求されている。これに対して、一般的に使用されているXeとNeとからなる放電ガスにかえて、さらにアルゴン(Ar)を添加した放電ガスを用いることで放電開始電圧を低減する方法が提案されている。これは、Arガスのペニング効果によって放電開始電圧を下げ、発光輝度を向上させる方法である(特開2000−156164号公報)。
【0007】
また、点灯すべき放電セルが点灯せず、いわゆる黒ノイズが生じることを改善するために、保護層として用いるMgO膜中にシリコンやアルミニウムを500重量ppm〜10000重量ppmの範囲で含有させて、この保護層の1平方センチメートル当たりの100Hzにおけるインピーダンスを230kΩ〜330kΩとする構成が提案されている。このような所定の範囲の値とすることで、黒ノイズの原因であるアドレスミスが抑制できる。すなわち、インピーダンスを所定の範囲の値とすることで、二次電子の放出量が増大して残留電荷による実効電圧の低下が補われること、電荷の残留自体が軽減されること、残留電荷が速やかに消失することで、アドレスミスが抑制できるとされている(特開平10−334809号公報)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
画像表示においては、VGA(640×480)以上の解像度を有しておれば、画面輝度が高いほど表示画像が美しく見える。また、画面輝度を高くできれば、前面板の光の透過率を若干落として外光の反射を抑えることで明所コントラストを高めることができ、明所でも美しい画像を表示できる。PDPにおいて発光輝度を上げるには、駆動電圧を上げて投入する電力を大きくすることが考えられる。しかし、PDPではもともと駆動電圧そのものが高いので、さらに電圧を上げると誤放電が生じたり、ドライバ回路素子の高耐圧化が必要となりコスト高になる等の課題が生じる。したがって、単純に駆動電圧を上げることはできず、このためカラー陰極線管(CRT)の画像表示に比べて明所コントラストが低い。
【0009】
上記の第1の例は、放電ガスにArを添加することによりペニング効果によって放電開始電圧を低減し、同じ駆動電圧でも放電電流を増加させて高輝度を実現するものである。つまり、放電開始電圧を低くすることで、その分放電電流を増加でき、したがって投入電力を増加することが可能となり、より高輝度の画像表示が得られる。しかし、Arを添加すると、周知のようにArは固体物質の表面をスパッタし易い性質を有しているので、MgO保護層がスパッタされて表面は損傷を受ける。このような損傷が生じると、MgO保護層の二次電子放出係数(γ)が低下する。この結果、経時劣化が生じる。例えば、数千時間の駆動動作によって、放電開始電圧が上昇し、輝度が低下してしまう。
【0010】
また、上記の第2の例では、アドレスミスを防止して黒ノイズ発生を抑制することについては示されているが、このような構成とすることによりガス放電パネルの輝度を向上できたということについては何ら示されていない。実際に、本発明者らも検討を行ったところ黒ノイズの発生防止には効果が見られたが、輝度向上については十分でないことが見出された。
【0011】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、放電開始電圧を低減し高輝度を実現するとともに、かつ経時劣化の生じ難い高信頼性のPDP用ガス放電パネルおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達するため本発明のガス放電パネルは、透明で絶縁性の前面側基板上に複数の表示電極対とそれを覆う誘電体層と保護層とが形成された前面板と、背面側基板上に少なくとも蛍光体層と隔壁が形成されてなる背面板とを放電空間を介して対向させて構成されるガス放電パネルであって、前記保護層が周期表第2族およびO(酸素)の元素を主成分とし、かつ周期表第14族および周期表第17族の元素から選択された少なくとも1つの第1の添加元素と、周期表第1族の元素および第15族の元素から選択された少なくとも1つの第2の添加元素とを含有し、前記誘電体層側から前記放電空間側に向かう膜厚方向において、前記第1の添加元素の濃度が前記誘電体層側に比べて前記放電空間側が大きく、かつ前記第2の添加元素の濃度が前記誘電体層側に比べて前記放電空間側が小さいことを特徴とする。このような構成とすることにより、保護層の放電空間側に電子が存在する割合を増加させることができ、保護層の二次電子放出係数(γ)を大きくすることができる。この結果、放電開始電圧を低減し、高輝度のガス放電パネルが実現される。さらに、保護層の放電空間側に従来構成に比べて電子の存在する割合を増加できるので、長時間の使用により保護層の表面に変質が生じてもγの変動が生じ難く、信頼性の大きなガス放電パネルが得られる。また、第14族と第17族とから選択された第1の添加元素がドナーとして作用し、同時に第1族と第15族とから選択された第2の添加元素はアクセプタとして作用するので、保護層内部に発生する拡散電位はさらに大きくでき、保護層表面にさらに多くの電子を存在させることができる。この結果、放電開始電圧をさらに低減できる。
【0013】
また、本発明のガス放電パネルは、保護層内の第1の添加元素の濃度が誘電体層側から放電空間側の膜厚方向にむけて連続的に増加している構成を有する。
【0014】
また、本発明のガス放電パネルは、保護層内の第1の添加元素の濃度が誘電体層側から放電空間側の膜厚方向にむけてステップ状に増加している構成を有する。
【0015】
また、本発明のガス放電パネルは、保護層内の第1の添加元素の濃度が誘電体層側から放電空間側の膜厚方向に向けて連続的に増加する領域とステップ状に増加する領域とからなる構成を有する。
【0016】
また、本発明のガス放電パネルは、保護層内の第1の添加元素の濃度分布における濃度の最小領域が、誘電体層側から放電空間側に向かう膜厚方向において、誘電体層近傍に存在する構成を有する。
【0017】
また、本発明のガス放電パネルは、保護層内の第1の添加元素の濃度が誘電体層側から放電空間側の膜厚方向に向けて大きく変化する点を有し、この変化する点が保護層の膜厚比に対して0.5より大きい放電空間側の位置に設けられている構成を有する。
【0018】
また、本発明のガス放電パネルは、保護層内の第2の添加元素の濃度が誘電体層側から放電空間側の膜厚方向にむけて連続的に減少している構成を有する。
【0019】
また、本発明のガス放電パネルは、保護層内の第2の添加元素の濃度が誘電体層側から放電空間側の膜厚方向にむけてステップ状に減少している構成を有する。
【0020】
また、本発明のガス放電パネルは、保護層内の第2の添加元素の濃度が誘電体層側から放電空間側の膜厚方向に向けて連続的に減少する領域とステップ状に減少する領域とからなる構成を有する。
【0021】
また、本発明のガス放電パネルは、保護層内の第2の添加元素の濃度分布における濃度の最小領域が、誘電体層側から放電空間側に向かう膜厚方向において放電空間側に存在する構成を有する。
【0022】
また、本発明のガス放電パネルは、保護層内の第2の添加元素の濃度が誘電体層側から放電空間側の膜厚方向にむけて大きく変化する点を有し、この変化する点が保護層の膜厚比に対して0.5より大きい放電空間側の位置に設けられている構成を有する。
【0023】
さらに、本発明のガス放電パネルの製造方法は、透明絶縁性基板上に複数の表示電極対とそれを覆う誘電体層と保護層とが形成された前面板と、背面側基板上に少なくとも蛍光体層と隔壁が形成されてなる背面板とを放電空間を介して対向させて構成されるガス放電パネルの製造方法であって、周期表第2族およびO(酸素)の元素を主成分とする固体状の成膜材料と、周期表第14族の元素および周期表第17族の元素から選択された少なくとも1つの第1の添加元素を含む固体状の成膜材料と、周期表第1族の元素および周期表第15族の元素から選択された少なくとも1つの第2の添加元素を含む固体状の成膜材料とを複数個の成膜源に配置して、第1の添加元素の濃度分布が誘電体層側から放電空間側に向かう膜厚方向において誘電体層側に比べて放電空間側が大きく、かつ、第2の添加元素の濃度分布が誘電体層側から放電空間側に向かう膜厚方向において誘電体層側に比べて放電空間側が小さくなるように、複数個の成膜源から蒸発またはスパッタリングにより形成する方法からなる。このような製造方法により、保護層中にはドナーとして作用する第1の添加元素と、アクセプタとして作用する第2の添加元素とを任意の濃度で、かつ、任意の厚さ方向に形成することができる。
【0024】
さらに、本発明のガス放電パネルは、複数個の成膜源がそれぞれ異なる量の第1の添加元素または第2の添加元素が含まれている工法からなる方法である。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0026】
図1は本発明の実施の形態によるPDP用ガス放電パネルの要部斜視図であり、図2はアドレス電極に沿って切断した断面図である。
【0027】
透明で絶縁性の前面側基板101上に、表示電極対104とブラックマトリクス107と、これらを覆うように誘電体層105とが形成され、さらにこの誘電体層105上に保護層106が形成されて、前面板100が構成される。この表示電極対104は、サスティン電極102とスキャン電極103とで構成されており、これらは透明導電膜102a、103aと、さらに配線抵抗を小さくするためのバス電極102b、103bとにより構成されている。なお、このバス電極102b、103bは、それぞれ透明導電膜102a、103a上に平行で、かつこの透明導電膜102a、103aよりも細幅に形成されている。このような表示電極対104が前面側基板101上に一定のピッチを有して必要な表示本数形成されている。
【0028】
透明導電膜102a、103aは、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化錫(SnO2)等の透明導電性材料を印刷・焼成あるいはスパッタリング等の方式で形成する。この透明導電性材料単独では電極としての抵抗を低くできないために、特に大画面のPDPにおいては、この導電膜による電力のロスが無視し得ない値となる。これを防止するために透明導電膜102a、103a上にバス電極102b、103bとして、抵抗の低い銀やアルミニウムや銅等の単層構成膜、あるいはクロムと銅の2層構成、クロムと銅とクロムの3層構成等の積層構成膜を、印刷・焼成方式やスパッタリング等の薄膜形成技術で形成する。
【0029】
例えば、透明導電膜102a、103aとしてITOをスパッタリングで約0.2μm〜0.5μm形成した場合、この膜のシート抵抗は約10Ω/□〜25Ω/□となる。一方、バス電極102b、103bとして銀を印刷方式で約2μm〜10μm形成すると、シート抵抗は約1mΩ/□〜3mΩ/□となる。透明導電膜102a、103aとバス電極102b、103bとが並列に形成されているので、表示電極対104のシート抵抗は、このバス電極102b、103bでほぼ決まり十分に低い抵抗とすることができる。
【0030】
AC駆動型のPDPでは、表示電極対104上に形成する誘電体層105が特有の電流制限機能を示すので、DC駆動型のPDPに比べて長寿命にできる。この誘電体層105は表示電極対104とブラックマトリクス107との形成後で、しかも、これらを確実に覆うように形成することが必要とされるために、一般的には低融点ガラスを印刷・焼成方式で形成している。ガラスペースト材料としては、例えば酸化鉛(PbO)、酸化ケイ素(SiO2)、酸化ホウ素(B23)、酸化亜鉛(ZnO)、および酸化バリウム(BaO)等を含む、いわゆる(PbO−SiO2−B23−ZnO−BaO)系ガラス組成を有する低融点ガラスペーストを用いることができる。このガラスペーストを用いて、例えばスクリーン印刷と焼成とを繰り返すことで、所定の膜厚の誘電体層105を容易に得ることができる。なお、この膜厚は表示電極対104の厚さや、目標とする静電容量値等に応じて設定すればよい。本第1の実施の形態では約40μmの膜厚とした。さらにPbO、酸化ビスマス(Bi23)および酸化リン(PO4)の少なくとも1つを主成分とするガラスペーストを用いることもできる。
【0031】
また、保護層106は先述したように、プラズマ放電により誘電体層105がスパッタリングされないようにするために設けるもので、耐スパッタリング性に優れた材料であることが要求される。このために、MgOが多く用いられている。このMgO膜の形成については、後にさらに詳しく述べる。
【0032】
一方、同様に透明で絶縁性を有する背面側基板111上に、画像データを書き込むためのアドレス電極112が前面板100の表示電極対104に対して直交する方向に形成される。このアドレス電極112を覆うように背面側基板111面上に下地誘電体層113を形成した後、このアドレス電極112と平行で、かつアドレス電極112、112間のほぼ中央部に隔壁114を形成し、さらに2つの隔壁114、114で挟まれた領域に、隔壁114、114の上部まで含めて蛍光体層115が形成されて、背面板110が構成される。なお、この蛍光体層115は、図1に示すように、R光、G光およびB光に発光する蛍光体層115a、115b、115cが隣接して形成され、これらで画素を構成している。
【0033】
なお、アドレス電極112は前面板100のバス電極102b、103bと同様な材料と成膜法で形成することができる。また、下地誘電体層113は誘電体層105と同一の材料と成膜方式で形成することもできるし、さらにPbO、Bi23およびPO4の少なくとも1つを主成分とするガラスペーストを用いてもよい。隔壁114はガラスペーストを複数回スクリーン印刷して約120μmの厚さに形成すれば、この隔壁114、114で囲まれ120μm程度の高さを有する空間が放電空間120となる。また、蛍光体層115は、それぞれR光、G光、およびB光に発光する蛍光体を例えばインクジェット法で隔壁114部分に形成することができる。
【0034】
前面板100と背面板110とを対向させると、それぞれ2本の隔壁114、114、前面側基板101上の保護層106、および背面側基板111上の蛍光体層115で囲まれたストライプ状の放電空間120が生じる。この空間120に先述したNeとXeの混合ガスを約66.5kPaの圧力となるように充填し、それぞれのバス電極102b、103bを介してサスティン電極102とスキャン電極103間に数10kHz〜数100kHzの交流電圧を印加して放電させると、励起されたXe原子が基底状態に戻る際に発生する紫外線により蛍光体層115を励起することができる。この励起により蛍光体層115は、塗布された材料に応じてR光、G光、またはB光の発光をするので、アドレス電極112により発光させる画素および色の選択を行えば、所定の画素部で必要な色を発光させることができ、カラー画像を表示することが可能となる。
【0035】
なお、前面板100と背面板110とを対向させた状態では、隔壁114により隣接する放電空間120同士は遮蔽されるようにしてあり、誤放電や光学的クロストークを防ぐような設計がされている。また、図示しないが、背面板110には可視光(400nm〜800nm)に対し高反射率を呈するように、反射鏡を設けることもある。
【0036】
次に、本発明の保護層106の作製方法について説明する。図3は、保護層106を形成するために用いた電子ビーム蒸着装置の概略説明図である。ベルジャ310の内部はバルブ312を介して真空ポンプ311に接続されており、基板ホルダー301に誘電体層105までを形成した前面板100を取り付けた後、バルブ312を開にしてベルジャ310の内部を真空ポンプ311で所定の真空度まで排気する。ベルジャ310の下部には、第1の電子ビーム蒸発源304、第2の電子ビーム蒸発源307および第3の電子ビーム蒸発源309が前面板100に対して均一な膜厚を確保するように所定角度に傾けて配置されている。それぞれの電子ビーム蒸発源は、電子銃302、305、314と、この電子銃からの電子を受けて加熱蒸発させる蒸発物質を保持するハース303、306、308から構成されている。それぞれのハース303、306および308には、第2族およびO(酸素)元素から構成されるMgOのペレットがおかれ、しかもそれぞれのハースに設置するMgOのペレットは第14族から選択された少なくとも1つの元素である第1の添加元素の量を各々異ならせている。例えば、本実施の形態においては、第1の添加元素としてGe元素を選択し、MgOペレットに対して添加する量を変化させた。すなわち、第1の電子ビーム蒸発源304にはGeを全く添加していないMgOのペレット321、第2の電子ビーム蒸発源307には最大の濃度を添加したMgOペレット322、および第3の電子ビーム蒸発源309には両者の中間の量のGeを添加したMgOペレット323をそれぞれのハースに配置する。
【0037】
本実施の形態においては、このような電子ビーム蒸着装置を用いて、図4に示すような膜厚方向のGe濃度プロファイルを有するMgOの保護層106を形成した。このような濃度プロファイルを有するMgO膜は、第1の電子ビーム蒸発源304により所定の膜厚となるまで蒸着した後、第2の電子ビーム蒸発源307からさらに最終必要となる膜厚まで蒸着すれば容易に得られる。なお、図4では、横軸は保護層の厚さ方向の深さを示し、縦軸はその深さにおける添加元素の濃度を示している。このような保護層106を有するガス放電パネルを実施例1とする。
【0038】
なお、比較のために図5に示すように、膜厚方向に一定のGe濃度を有するMgO膜、およびGeを添加していないMgO膜も形成して、ガス放電パネルとしての比較評価を行った。一定のGe濃度を有する保護層からなるガス放電パネルを比較例1、Geを添加していない保護層からなるガス放電パネルを比較例2とする。なお、Geの濃度分布については、前面板100と同一距離の位置に配置したモリブデン板315上に形成されたMgO膜について二次イオン質量分析(SIMS)を行って確認した。
【0039】
実施例1、比較例1および比較例2について、同じ駆動電圧波形を印加して放電開始電圧を調べた。この結果、実施例1では157V、比較例1では171V、さらに比較例2では173Vが得られた。一方、同じ駆動電圧(175V)を印加して、全白表示での輝度を評価したところ、実施例1では535cd/m2、比較例1では480cd/m2、比較例2では470cd/m2であった。この結果からわかるように、濃度プロファイルを有するMgO膜では、放電開始電圧を小さくできることが見出された。
【0040】
第2族とO(酸素)の元素とからなる保護層中に、第14族から選択される元素を添加し、しかも放電空間側のこの添加元素の濃度を大きくすることで、放電開始電圧を低下することができたことについては、以下のように本発明者らは考えている。すなわち、MgO保護層106中で、Ge原子はMg原子の格子位置、あるいはMg原子とO原子の格子間に入り込むことで、ドナーとしての働きをする。特に、図4に示すように、Ge原子の濃度をステップ状で、かつ放電空間側の濃度を小さくするような濃度分布を設けることにより、MgO保護層内には図6に示すようなバンド構造が得られる。これにより保護層106内部に生じる拡散電位によって、保護層106表面にはより多くの電子が存在できるようになる。その結果、保護層106であるMgO表面からの電子放出がより促進されるので放電開始電圧を低下することができたものと考える。
【0041】
一方、比較例1および比較例2では、ドナーが保護層106の表面側に片寄って存在しないか、あるいは全く存在しないために、図6に示すような拡散電位が形成されず、保護層の表面側に電子をより多く存在させることができない。このため、上記のような作用が得られず、放電開始電圧を低減できない。ただし、比較例1の方が比較例2に比べて放電開始電圧がやや低くなったのは、Ge原子がドナーとして作用しており、Ge原子を添加していない比較例2より保護層106であるMgO膜表面の電子の数が多くなったためと推定している。
【0042】
ここで、図4の濃度プロファイルにおいて、膜厚方向のGe濃度が減少し始めるA点で示す位置までの膜厚を保護層106の全体の膜厚比に対して0.5より大きくすることで、電子が閉じ込められる領域を狭くすることが可能となり、さらに放電開始電圧を低減することができることが見出された。
【0043】
また、濃度プロファイルを有するMgO膜を備えたガス放電パネルを通常使用で5万時間に相当する加速寿命試験を行ったが、放電開始電圧および発光輝度は無視できる程度の変動しか生じず、非常に安定に動作できることが確認された。さらに、このパネルを分解してMgO膜を観察したが、放電ガスによるスパッタで膜厚が減少していないことが確認された。
【0044】
なお、本実施の形態では放電ガスとしてNeとXeの混合ガスを用いたが、本発明はこれに限定されるものではなくArより質量数が少なく、MgO膜に対するスパッタリング効果が小さいHeを混合して使用してもよい。
【0045】
次に、第14族から選択される添加元素としてはSiを用いた。保護層106であるMgO膜中の添加元素の濃度分布としては、図7に示すようにした。図7に示すSi濃度分布を有するMgO膜は、以下のようにして作製した。すなわち、上記例と同様に図3に示す電子ビーム蒸着装置を用い、第1の電子ビーム蒸発源304にはSiを全く添加していないMgOのペレット321、第2の電子ビーム蒸発源307にはSiを最大の濃度で添加したMgOペレット322をそれぞれのハースに配置して、最初は第1の電子ビーム蒸発源304から所定の膜厚となるまで成膜し、その後第1の電子ビーム蒸発源304と第2の電子ビーム蒸発源307とを同時に用いて、それぞれの投入電力を調節しながら成膜することで連続的な濃度分布で、かつ放電空間側に最大の濃度を有するMgO膜を得ることができる。このようにして作製した保護層106からなるガス放電パネルを実施例2とよぶ。
【0046】
なお、比較のために図5に示すSi濃度分布を有するMgO膜を保護層106としたガス放電パネルも作製した。これを比較例3とよぶ。この保護層は、MgOペレット中に所定濃度となるSiを添加して電子ビームで蒸着すれば容易に得られる。
【0047】
このようにして作成した実施例2と比較例3とについて、上記実施例と同様な評価を行った。放電開始電圧は、実施例2が155Vであり、比較例3が170Vであった。また、両方ともに同一の駆動電圧(170V)を印加して全白表示での輝度を評価したところ、実施例2では535cd/m2が得られたのに対して、比較例3では465cd/m2であった。すなわち、保護層106としてMgO膜を用い、この膜中のSi原子の濃度が放電空間側で大きくなるような濃度分布とすることで放電開始電圧を低減することができた。この理由としては、第1の実施の形態で説明したと同様な効果によるものと推定している。
【0048】
次に、実施例2と同様に保護層106としてMgO膜を用い、第14族から選択される第1の添加元素としてはSiを用いた。MgO膜中のSi濃度分布については、図4および図8(A)から(E)に示すように作製した。例えば、図8(B)に示す濃度分布を有するMgO膜は、以下のようにして作製することができる。すなわち、実施例1と同様な電子ビーム蒸着装置を用い、第1の電子ビーム蒸発源304にはSiを全く添加していないMgOのペレット321、第2の電子ビーム蒸発源307には最大の濃度を添加したMgOペレット322、および第3の電子ビーム蒸発源309には両者の中間の量のSiを添加したMgOペレット323をそれぞれのハースに配置する。最初は第1の電子ビーム蒸発源304を用いて所定の膜厚となるまで成膜する。その後、第3の電子ビーム蒸発源309と第1の電子ビーム蒸発源304とを同時に用いて、それぞれの投入電力を調整しながら、さらに所定の膜厚まで蒸着する。次に、第2の電子ビーム蒸発源307と第1の電子ビーム蒸発源304とを同時に用いて、それぞれの投入電力を調整しながら最終的に必要な膜厚まで蒸着すればよい。
【0049】
また、図8(C)の濃度分布を有するMgO膜は、第1の電子ビーム蒸発源304により所定の膜厚まで蒸着し、次に第3の電子ビーム蒸発源309により必要な膜厚まで蒸着する。最後に、第2の電子ビーム蒸発源307を用いて最終的に必要な膜厚まで蒸着すればステップ状の濃度分布を有する保護層106が得られる。その他の濃度分布を有する保護層106も上述したと同様な方法により容易に得られるので、説明は省略する。
【0050】
このように6種類の濃度分布のMgO膜からなる保護層106を有したガス放電パネルを作製して、放電開始電圧を評価した。その結果、上述の6種類のガス放電パネルでは、放電開始電圧は154V〜162Vの範囲であり、第2の実施の形態のガス放電パネルと同様に放電開始電圧を低減できることが確認された。
【0051】
次に、実施例1で作製したガス放電パネルにおいて、保護層106としてSi原子とNa原子とが図9に示すような濃度分布を有するMgO膜を用いた。このMgO膜の作製は、以下のようにして作製した。すなわち、実施例1で説明した電子ビーム蒸着装置において、第1の電子ビーム蒸発源304にはSiとNaとを全く添加していないMgOのペレット321、第2の電子ビーム蒸発源307には所定の濃度のSiを添加したMgOペレット322、および第3の電子ビーム蒸発源309には所定の濃度のNaを添加したMgOペレット323をそれぞれのハースに配置する。最初に、第3の電子ビーム蒸発源309を用いて所定の膜厚まで蒸着する。次に、第1の電子ビーム蒸発源304を用いて、同様に所定の膜厚まで蒸着する。最後に、第2の電子ビーム蒸発源307を用いて、最終的に必要な膜厚まで蒸着すればよい。このような濃度分布のMgO膜を保護層106としたガス放電パネルを実施例4とよぶ。
【0052】
実施例4について、実施例1で説明したように放電開始電圧を調べてみたところ、150Vが得られた。また、駆動電圧を170Vとして、全白表示での輝度を評価したところ550cd/m2であった。ところで、実施例3のガス放電パネルにおいて、図8(A)のSi原子の濃度分布の保護層を用いた場合には、放電開始電圧が154Vであったことから、第1族の元素であるNaを第2の添加元素として添加することで、さらに放電開始電圧を低減できることが確認された。
【0053】
このように、放電空間側でSi原子の濃度が大きく、かつ、Na原子の濃度が小さくなるような濃度分布を有するMgO膜を保護層106とすることで、放電開始電圧がさらに低減できた。このように低減できる理由としては、以下のように説明できる。MgO膜中で第1族の元素であるNaは、Mg原子の格子位置に入ることでアクセプタとして働く。一方、第14族の元素であるSiは、Mgの格子位置、あるいはMg原子とO原子との格子間に入ることでドナーとして働く。したがって、放電空間側において、Na原子の濃度を小さく、かつ、Si原子の濃度を大きくすれば、図10に模式的に示すようなバンド構造が得られる。このようなバンド構造は、図6で模式的に示したバンド構造に比べて、保護層106中に発生する拡散電位はさらに大きくなり、この結果、保護層106の放電空間側に電子が存在する割合は増加し、MgO膜の表面からの電子放出がより促進されて放電開始電圧を低減できたものである。
【0054】
ここで、Na原子の濃度が大きく変動するポイントBは、例えば図9(B)に示すようにB点が放電空間側に位置させるほうが、さらに放電開始電圧を低減できることが見出された。この場合、Na原子の濃度が大きい領域、Na原子とSi原子との濃度が両方ともに大きい領域、およびSi原子の濃度が大きい領域が存在するようになる。両方が存在する領域では、ドナーとアクセプタはほとんどなく、放電空間側の表面側にドナーとアクセプタが集中して存在することになるので、放電空間側の狭い領域で電子がさらに多く閉じ込められる。したがって、放電開始電圧をさらに低減することが可能となる。
【0055】
また、実施例4について、通常使用で5万時間連続動作相当の加速寿命試験を行ったところ、放電開始電圧に大きな変動はなく、安定であった。さらに、このパネルを割ってMgO膜を観察したところ、スパッタによる膜厚減少がほとんど無いことも確認された。なお、放電ガスとしては、Ne−Xeの混合ガスに限定されることはなく、これらのガスにMgO膜のスパッタ効果の少ないHeを混合して使用してもよい。
【0056】
次に、実施例4で作製したガス放電パネルにおいて、保護層106として第17族の元素から選択されたClと第1族の元素から選択されたNaとを添加元素とした。すなわち、Cl原子とNa原子とが図9(A)に示すような濃度分布を有するMgO膜を用いた。このMgO膜の作製は、第4の実施の形態で説明した方法において、SiのかわりにClを添加したMgOペレットを用いて、実施例4と同様な手順で蒸着すれば容易に得られる。このような保護層106を有するガス放電パネルについて、同様に放電開始電圧を評価したところ、実施例4と同様な値の150Vが得られた。また、170Vを印加して全白表示での輝度を評価したが、550cd/m2であった。これは、Cl原子のような第17族の元素は、MgO中で、O原子の位置、またはMg原子とO原子との格子間位置に入り込み、ドナーとして作用することによるものである。
【0057】
次に、実施例4で作製したガス放電パネルにおいて、保護層106として第14族の元素から選択されたSiと第15族の元素から選択されたPとを添加元素とした。すなわち、Si原子とP原子とが図9(A)に示すような濃度分布を有するMgO膜を用いた。このMgO膜の作製は、実施例4で説明した方法において、NaのかわりにPを添加したMgOペレットを用いて、実施例4と同様な手順で蒸着すれば容易に得られる。このような保護層106を有するガス放電パネルについて、同様に放電開始電圧を評価したところ、実施例4と同様な値の150Vが得られた。また、170Vを印加して全白表示での輝度を評価したが、550cd/m2であった。これは、P原子のような第15族の元素は、MgO中でO原子の位置に入ることで、アクセプタとして作用することによるものである。
【0058】
なお、実施例5と実施例6では、添加元素の濃度分布は、これらで説明した濃度分布に限定されるものではない。第14族と第17族から選択される元素については、図4または図8(A)から(E)に示すような濃度分布としてもよい。また、第1族と第15族とから選択される元素については、図11(A)から(G)に示すような濃度分布としてもよい。
【0059】
さらに、実施例1から実施例6では、保護層として第2族とO(酸素)の元素とから構成される保護層として、MgO膜を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。プラズマダメージを受け難く、イオン入射に対する二次電子放出係数の大きい材料、例えばCaO、BaO、またはCeO2を用いてもよい。
【0060】
また、添加元素である第14族元素としては、GeやSiのみでなく、炭素(C)、錫(Sn)または鉛(Pb)を用いてもよい。さらに、第17族の元素としては、Clのみでなく、フッ素(F)、臭素(Br)、または沃素(I)を用いてもよい。これらの元素を複数添加してもよい。
【0061】
またさらに、第1族の元素としては、リチウム(Li)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、またはセシウム(Cs)を用いることができる。また、第15族の元素としては、Pのみでなく、窒素(N)、砒素(As)、アンチモン(Sb)またはビスマス(Bi)を用いてもよい。また、保護層106中に上記の第1族の元素と第15族の元素とを両方添加してもよい。これらの添加元素によるアクセプタとしての作用がより相乗されることになり、さらに二次電子放出の効率を向上できる。
【0062】
実施例1〜6においては、電子ビーム蒸着装置で保護層を形成したが、本発明は電子ビーム蒸着に限定されるものではなく、イオンプレーティング、スパッタリング等で作製してもよい。スパッタリングで作製する場合には、添加元素の濃度を変化させた複数個のターゲットを水平方向に配置し、これらのターゲット上を前面板が水平方向に移動しながら成膜することで、所定の添加元素の濃度分布を有する保護層を容易に形成できる。また、電子ビーム蒸着装置においても、本実施の形態で説明したバッチ型装置に限定されるものではなく、電子ビーム蒸発源を水平方向に複数個配置して、基板がこれらの電子ビーム蒸発源上を水平に移動しながら成膜する構成の装置であってもよい。
【0063】
なお、保護層に添加する第1の添加元素と第2の添加元素の量は、0.0001原子%以上で、20原子%が膜の結晶性を損なわず、本発明の特性を得られる望ましい量である。
【0064】
【発明の効果】
本発明のガス放電パネルは、前面板に形成する保護層が周期表第2族およびO(酸素)の元素を主成分とし、かつ周期表第14族の元素と周期表第15族の元素とから選択された少なくとも1つの第1の添加元素を含有し、誘電体層側から放電空間側に向かう膜厚方向において第1の添加元素の濃度が誘電体層側に比べて放電空間側が大きくした構成を有する。さらに、この第1の添加元素に加えて、周期表第1族と第15族とから選択される少なくとも1つの第2の添加元素を含有し、この第2の添加元素の濃度が放電空間側で小さくした構成を有する。
【0065】
このような構成とすることにより、保護層の放電空間側に電子が存在する割合を増加させることができ、保護層の二次電子放出係数(γ)を大きくすることができる。この結果、放電開始電圧を低減し、高輝度で、かつ明所でもコントラストが大きく、しかも高信頼性のガス放電パネルが実現できるという大きな効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態におけるガス放電パネル要部斜視図
【図2】 同実施の形態のガス放電パネルの要部断面図
【図3】 同実施の形態で保護層を形成するための電子ビーム蒸着装置の概略図
【図4】 同実施の形態の保護層中の第1の添加元素の膜厚方向の分布を示す図
【図5】 比較例1および比較例3の保護層中の第1の添加元素の膜厚方向の分布を示す図
【図6】 同実施の形態の保護層についてのバンド構造を説明するための摸式図
【図7】 本発明の実施の形態による保護層中の第1の添加元素の膜厚方向の分布を示す図
【図8】 本発明の実施の形態で作製した保護層中の第1の添加元素の膜厚方向分布を示す図
【図9】 本発明の実施の形態で作製した保護層中の第1および第2の添加元素の膜厚方向分布を示す図
【図10】 同実施の形態の保護層についてのバンド構造を説明するための摸式図
【図11】 本発明の実施の形態で作製した保護層中の第2の添加元素の膜厚方向分布を示す図
【符号の説明】
100 前面板
101 前面側基板
102 サスティン電極
102a,103a 透明導電膜
102b,103b バス電極
103 スキャン電極
104 表示電極対
105 誘電体層
106 保護層
107 ブラックマトリクス
110 背面板
111 背面側基板
112 アドレス電極
113 下地誘電体層
114 隔壁
115 蛍光体層
115a 蛍光体層(R光)
115b 蛍光体層(G光)
115c 蛍光体層(B光)
120 放電空間
301 基板ホルダー
302,305,314 電子銃
303,306,308 ハース
304 第1の電子ビーム蒸発源
307 第2の電子ビーム蒸発源
309 第3の電子ビーム蒸発源
310 ベルジャ
311 真空ポンプ
312 バルブ
315 モリブデン基板
321,322,323 ペレット

Claims (5)

  1. 透明で絶縁性の前面側基板上に複数の表示電極対とそれを覆う誘電体層と保護層とが形成された前面板と、背面側基板上に少なくとも蛍光体層と隔壁が形成されてなる背面板とを放電空間を介して対向させて構成されるガス放電パネルであって、
    前記保護層が周期表第2族およびO(酸素)の元素を主成分とし、かつ周期表第14族および周期表第17族の元素から選択された少なくとも1つの第1の添加元素と、周期表第1族の元素および第15族の元素から選択された少なくとも1つの第2の添加元素とを含有し、前記誘電体層側から前記放電空間側に向かう膜厚方向において、前記第1の添加元素の濃度が前記誘電体層側に比べて前記放電空間側が大きく、かつ前記第2の添加元素の濃度が前記誘電体層側に比べて前記放電空間側が小さいことを特徴とするガス放電パネル。
  2. 前記保護層内の第1の添加元素の濃度分布における濃度の最小領域が、誘電体層側から放電空間側に向かう膜厚方向において前記誘電体層近傍に存在することを特徴とする請求項1に記載のガス放電パネル。
  3. 前記保護層内の第2の添加元素の濃度分布における濃度の最小領域が、誘電体層側から放電空間側に向かう膜厚方向において前記放電空間側に存在することを特徴とする請求項1に記載のガス放電パネル。
  4. 透明絶縁性基板上に複数の表示電極対とそれを覆う誘電体層と保護層とが形成された前面板と、背面側基板上に少なくとも蛍光体層と隔壁が形成されてなる背面板とを放電空間を介して対向させて構成されるガス放電パネルの製造方法であって、
    周期表第2族およびO(酸素)の元素を主成分とする固体状の成膜材料と、周期表第14族の元素および周期表第17族の元素から選択された少なくとも1つの第1の添加元素を含む固体状の成膜材料と、周期表第1族の元素および周期表第15族の元素から選択された少なくとも1つの第2の添加元素を含む固体状の成膜材料とを複数個の成膜源に配置して、
    前記第1の添加元素の濃度分布が前記誘電体層側から前記放電空間側に向かう膜厚方向において前記誘電体層側に比べて前記放電空間側が大きく、かつ、前記第2の添加元素の濃度分布が前記誘電体層側から前記放電空間側に向かう膜厚方向において前記誘電体層側に比べて前記放電空間側が小さくなるように、前記複数個の成膜源から蒸発またはスパッタリングにより形成することを特徴とするガス放電パネルの製造方法。
  5. 前記複数個の成膜源は、それぞれ異なる量の第1の添加元素または第2の添加元素が含まれていることを特徴とする請求項4に記載のガス放電パネルの製造方法。
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