JPWO2006126552A1 - モータとその制御装置 - Google Patents

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Abstract

円周方向にN極とS極とが交互に配置されたロータ磁極群を有するロータと,相毎に複数個のステータ磁極が円周上あるいは近傍の円周上であって電気角でほぼ同一角度の回転位相の位置に配置されたN個(Nは正の整数)のステータ磁極群と,各相の前記ステータ磁極群の間であって軸方向に沿って配置され,軸方向両端に同一相が配置された(N−1)個のループ状巻線とを備え,前記ループ状巻き線はロータ磁極群の外径よりも内径側へも配置されているモータが提供され,これにより,巻線構造が単純であるから生産性を向上させることができ,小型化,高効率化,低コスト化が可能となる。

Description

本発明は,自動車やトラック等に搭載されるモータに関する。
従来から,ステータ磁極に各相のコイルが集中的に巻回されたブラシレスモータが知られている(例えば,特許文献1参照)。図130は,このような従来のブラシレスモータの概略的な構成を示す縦断面図である。また,図129は図130のAA−AA線断面図である。これらの図には,4極6スロット型のブラシレスモータが示されており,ステータの巻線構造はいわゆる集中巻きであって,各ステータ磁極には各相のコイルが集中的に巻回されている。また,図131にはステータを円周方向に1周展開した状態で,U,V,W等の巻線の配置関係が示されている。横軸は電気角で表現されており,1周で720°となっている。ロータ2の表面には,N極の永久磁石とS極の永久磁石とが周方向に交互に配置されている。ステータ4では,U相のステータ磁極TBU1,TBU2のそれぞれにはU相巻線WBU1,WBU2が巻回されている。同様に,V相のステータ磁極TBV1,TBV2のそれぞれにはV相巻線WBV1,WBV2が巻回されている。W相のステータ磁極TBW1,TBW2のそれぞれにはW相巻線WBW1,WBW2が巻回されている。このような構造を有するブラシレスモータは,現在,広く産業用,家電用に使用されている。
また,図128は他のステータの構成を示す横断面図である。図128に示すステータは,24スロットの構成であって4極のモータの場合には分布巻きが可能であり,ステータの円周方向起磁力分布を比較的滑らかな正弦波形状につくることができるため,ブラシレスモータ,巻線界磁型同期電動機,誘導電動機などに広く使用されている。特に,リラクタンストルクを活用するシンクロナスリラクタンスモータおよびリラクタンストルク応用の各種モータあるいは誘導電動機等の場合,ステータによるより精密な回転磁界の生成が望まれることから,図112に示す分布巻きのステータ構造が適している。
特開平6−261513号公報(第3頁,図1−3)
ところで,図129,図130,図131および特許文献1に開示された従来のブラシレスモータは,モータ巻線を各ステータ磁極毎に巻回する必要があるため構造が複雑であり,モータ巻線をスロットの奥に配置する必要があるためモータ巻線の巻回に関して生産性が低下するという問題があった。また,このような構造から小型化,高効率化,低コスト化が難しいという問題があった。さらに,ステータの突極が電気角で360度の範囲に3個しかない構造であるため,ステータの発生する起磁力を正弦波状に生成して回転磁界を精密に生成することは難しく,シンクロナスリラクタンスモータやリラクタンストルク応用の各種モータあるいは誘導電動機などへの適用が難しいという問題があった。ステータコアを歯毎に分割して巻線を巻回し,その後に,各歯を結合する方法は,製作工程が複雑化する問題がある。
また,図128に示す分布巻きが可能なステータ構造の場合にはステータの起磁力分布を滑らかな正弦波状に生成することができるが,スロットの開口部から巻線を挿入する必要があるため巻線の占積率が低くなるとともに,コイルエンドの軸方向長さが長くなるためモータの小型化が難しいという問題があった。また,巻線の生産性が低いという問題もあった。
本発明は,このような点に鑑みて創作されたものであり,その目的は,モータの小型化,高効率化,低コスト化が可能なモータを提供することにある。具体的には,巻線構造を単純なループ状巻線とし,その生産性を向上させ,巻線占積率の向上も可能である。また,ステータの磁路,磁極は,その種類にもよるが,相ごとに分離し,簡素化している。
本発明は,円周方向にN極とS極とが交互に配置されたロータ磁極群を有するロータと,相毎に複数個のステータ磁極が円周上あるいは近傍の円周上であって電気角でほぼ同一角度の回転位相の位置に配置されたN個(N個は正の整数)のステータ磁極群とを備えたモータに関する。
このモータでは,各相の前記ステータ磁極群のロータ軸方向前後には,同相のループ状巻線が巻回され,相互に逆方向に電流が流れるように結線することにより,その相のステータ磁極にその相の電流による起磁力をかけることができる構成としている。
なお,相数NNが3相以上の場合は,あるステータ磁極群のロータ軸方向前後に同相の電流を逆向きに流すのではなく,NN/2に近い数のステータ磁極群だけ離れた位置に同相の巻線を巻回し,逆向きに電流を流した方が効率がよい。
ループ状の巻線をステータ磁極,ロータ磁極と分離することにより,巻線をループ状に単純化していて,その生産性を改善すると共に,巻線占積率を向上している。
本発明はまた,ロータが,一つの相のステータ磁極群とロータ磁極群とが対抗して配置され,他の相のステータ磁極群および他の相のロータ磁極群が分離されて配置されているモータに関する。
このような構造のモータとすることにより,巻線およびステータの磁路構造,形状が単純化され,モータ全体としての効率,生産性を改善することができる。
さらに,前記ループ状巻き線はステータに固定されていて,ループ状巻線の全てあるいは一部をロータ側の凹み部へ突き出て配置された構成とし,銅損の低減,漏れ磁束の低減を行う。
また,前記ループ状巻き線は,ステータ磁極群の間に配置され,各ステータ磁極群とロータ磁極群へ電流の起磁力を印加するものであるが,その形態に種々の改良を行うことができる。具体的には,ロータのステータに対向する外周表面に凹みを設け,ループ状巻線の一部あるいは全部をロータ磁極群の外径よりも内径側へ配置することができる。ループ状巻線をより内径側に配置することにより,巻線長を短縮することができ,銅損の低減,使用する銅量の低減によるコスト低減,軽量化を実現できる。また,各相のステータ磁極とロータ磁極の間に巻線を配置することができ,静磁場的に相間にかかる起磁力を低減する効果があり,相間の漏れ磁束を低減することができる。また後述するが,巻線の導体を平板化して配置することにより,平板導体を通過する磁束の増減に対して渦電流を誘起させ,磁束の増減が低減させる効果を得ることにより,相間の漏れ磁束を低減することができる。また,前記ループ状巻線を配置したスペースは各相の磁極,磁路を配置したときの空きスペースでもあり,空きスペースの有効活用とみることもできる。
ここで,漏れ磁束について言及すると,漏れ磁束が増加すると,モータの力率が低下し,各磁路が磁気飽和するためモータの最大トルクが低下する問題がある。これはモータの小型化を行う上で,大変重要な問題である。
また,前記各相のループ状巻線の中,同一空間に位置する2個以上のループ状巻線を1個のループ状巻線に統合することができる。この場合,モータの巻線構成が単純化される効果と,2個の巻線が統合される前の両電流の位相が異なる場合には合成電流の振幅が小さくなる結果,銅損を低減する効果もある。
また,ロータ軸方向に沿った両端のそれぞれに配置された2つの前記ステータ磁極群の外側に配置された前記ループ状巻線を,電磁気的な作用がきわめて小さいことから,取り除くこともできる。これにより,モータが簡素化される。
また,隣接する2組のステータ磁極群の相互の位相差がほぼ180°である構成とすると,両ステータ磁極の空きスペースを活用して相互にロータ軸方向に突き出すことができ,大変都合がよい。この構成の場合には,ステータ磁極のロータ軸方向長さを大きくでき,ステータ磁極間の漏れ磁束を低減でき,各相磁路の磁気飽和を低減でき,ロータ表面上の空きスペースを少なくできるので,モータのトルクを向上することができる。この時,巻線もステータ磁極形状に合わせてロータ軸方向に凹凸のあるループ状巻線とすることができる。そして,相互のステータ磁極に作用する起磁力によるステータ磁極間の漏れ磁束を低減することができ,磁気飽和を低減することができるので,モータの最大トルクを向上することができ,モータの小型化が可能となる。
ロータのバックヨークに磁気的につながっていて,かつ,ステータの軟磁性体部にロータとステータ間のエアギャップ部を介して対向した軟磁性体部(RSP1)と,ステータのバックヨーク部に磁気的につながっていて,かつ,ロータの軟磁性体部にロータとステータ間のエアギャップ部を介して対向した軟磁性体部(SSP1)とを備えると,ステータ磁極,ロータ磁極の磁極構造の自由度を上げることができる。
ひとつの相のロータ磁極およびステータ磁極の近傍で,その相の磁束φNとは電気角でほぼ180°異なる位相の磁束成分(φRN)を導く磁束誘導手段(MRN)を備えることにより,トルクを増加させることができる。
この時,永久磁石の表裏に配置するステータ磁極は,異なる相のステータ磁極を配置して,より効果的にモータを構成することもできる。
また,同一円周上のロータ磁極の永久磁石に各相のステータ磁極を対向させ,各相の磁路およびループ状巻線は,ロータ軸方向あるいはラジアル方向に分離して構成することができる。
また,2相のモータにおいて,A相の磁極群とB相の磁極群との円周方向位相差を90°ではなく,100°以上とし,平均トルクを増加させることができる。
また,ひとつの永久磁石の表裏両面の磁束を同一相の磁束として活用する構成としてモータを構成することができる。
軟磁性体部と磁極の向きが円周方向と直交する方向に向いた永久磁石部とが円周方向に交互に配置された磁極群(PMP9)と,前記磁極群(PMP9)と対向して配置された同様の磁極群(PMP10)とを備えるモータを構成することができる。
また,軟磁性体部と磁極の向きがこの軟磁性体部の方向に向いた永久磁石部とが,円周方向に交互に配置されていて,前記軟磁性体部が円周方向に交互にN極とS極を構成する磁極群(PMP11)を備えるモータとすることができる。
また,軟磁性体とラジアル方向に平行に配置された永久磁石部とが円周方向に交互に配置された構成のステータあるいはロータを使用して,モータを構成することができる。
ロータ磁極およびステータ磁極が,円周方向に凹凸状の軟磁性体を備えた構成のモータとすることができる。
また,ロータ磁極あるいはステータ磁極の形状を面積的に円周方向に正弦波状の形状とすることにより,正弦波電流で駆動して,高調波トルクが少なく,トルクリップルの小さなモータを構成することができる。
また,前記の各モータは,ロータが外周側に配置され,ステータが内周側に配置されている,いわゆるアウターロータ構成のモータとすることもできる。また,ロータ軸方向にロータ磁極とステータ磁極が対向したアキシャルギャップ型のモータとすることもできる。
また,ロータの磁極およびステータの磁極の対向する部分の形状が凹凸形状となっていて,作用する磁束φの回転変化率dφ/dθを大きくし,トルクを増加させることができる。
また,本発明のモータで,磁束の方向がロータ軸方向へも向いている構成のモータの場合,モータの軟磁性部の部材として軸方向に直角な方向に配置される電磁鋼板(SP1)を使用し,電磁鋼板(SP2)を前記電磁鋼板(SP1)の穴部あるいは凹み部に前記電磁鋼板(SP1)に交差する方向に配置することにより,モータ内の磁束の方向を3次元方向に通すことができる構成とすることができる。
また,本発明モータは,軟磁性金属粉末を圧縮成型した部材を使用することもでき,圧粉磁心は磁束の方向が自由なので,効果的である。
また,本発明モータを,電磁鋼板を折り曲げた形状の部品を使用して構成し,簡素な構成のモータとすることもできる。
また,本発明モータを,電磁鋼板とアモルファス薄板とを積層した軟磁性部材を使用して構成することもできる。
本発明モータを,モータの巻線の一部あるいは全てが金属パイプで構成され,導体である前記金属パイプに液体あるいは気体を通過させる構造の冷却機構を備えるモータとすることができる。
また,ステータのロータ軸方向長さをMLとし,ステータの電気角でほぼ同一の円周上に配置された複数の突極からなるステータ突極群の数をSNとし,各ステータ磁極群のロータ軸方向長さをMLPとするとき,MLPをML/SNより大きくなるようにステータ磁極を拡張して構成することができる。
このとき,各巻線の形状は,各相のステータ突極の配置およびステータ突極のロータ軸方向形状の凹凸に応じて,ロータ軸方向に凹凸を持つほぼ環状の巻線とすることができる。
また,巻線の導体形状は,平板状の導線で構成し,導線を通過する漏れ磁束成分の増減を低減する構成とすることができる。
また,本発明モータの同相のステータ磁極のピッチを,漏れ磁束低減あるいは磁路の磁気飽和低減などのために,電気角で720°ピッチに配置して構成することができる。
N相のモータでP極モータであるとき,ステータの磁極の数は(P×N/2)より小さいモータとすることができる。この時,各ステータ磁極の配置は,円周上に均等間隔で配置するのではなく,各相の位相に近くなるように,それぞれのステータ磁極の円周方向位置を移動させ,モータトルクを向上させることができる。
また,3相のモータで,2本の巻線を備えた構成の本発明モータでは,2本の巻線を直列に接続し,両端と接続部の3点に3相インバータの出力を接続し,3相インバータで平衡3相電流を通電して制御することができる。
また,本発明のN相(Nは正の整数)で,巻線数(N−1)のモータにおいて,各巻線をスター結線して(N−1)の端子とし,スター結線の中心点をモータの1端子とし,合計N個のモータ端子とし,N相のインバータに接続し,N相の平衡電圧,電流で制御することができる。
本発明のN相(Nは正の整数)で,巻線数(N−1)のモータにおいて,各巻線をデルタ結線して,両端の1番目の巻線と(N−1)の巻線とは接続せず解放し,(N−2)個の巻線接続部と両端との合計N個のモータ端子とし,N相のインバータに接続し,N相の平衡電圧,電流で制御することができる。
また,本発明のモータおよび従来のモータを2個以上組み合わせて1個のモータとすることができる。例えば,アウターロータ型のモータをそのモータの内径側に実装し,インナーロータ型のモータをそのモータの外径側に実装し,両ロータを一体化した構成することができる。
モータの小型化,高効率化,低コスト化が可能なモータを提供することができる。具体的には,巻線構造を単純なループ状巻線とし,その生産性を向上させ,巻線占積率の向上させることができる。また,ステータの磁路,磁極は,その種類にもよるが,相ごとに分離し,簡素化させることができる。
ループ状の巻線を有する3相のモータの概略的な構成を示す縦断面図である。 図1に示したロータの表面形状を円周方向に直線状に展開した図である。 図1に示したステータの概略的な構成を示す横断面図である。 図1に示したステータの内周面形状を円周方向に直線展開した図である。 図1に示したステータの巻線の一つを示す正面図と側面図である。 図1に示した各ループ状巻線を円周方向に直線状に展開した図である。 図6に示した巻線を2本ずつ統合した図である。 図1に示したステータ磁極と巻線の関係を示す図である。 図1に示したモータの電流と電圧とトルクの関係を各ベクトルで示すベクトル図である。 図1に示したモータのステータ磁極の内周面形状の変形例を示す図である。 図1に示したモータのステータ磁極の内周面形状の変形例を示す図である。 図1に示したモータのステータ磁極の内周面形状の変形例を示す図である。 図1に示したモータのステータ磁極の内周面形状の変形例を示す図である。 永久磁石を内蔵する各種ロータの横断面図である。 永久磁石を内蔵する各種ロータの横断面図である。 永久磁石を内蔵する各種ロータの横断面図である。 永久磁石を内蔵する各種ロータの横断面図である。 突極型の磁極を備えるリラクタンスモータのロータ例を示す横断面図である。 誘導電動機のロータの概略的な構成を示す横断面図である。 ループ状の巻線を有する6相のモータの概略的な構成を示す縦断面図である。 ループ状の巻線を有する6相のモータの概略的な構成を示す縦断面図である。 図20,21に示したステータの概略的な構成を示す横断面図である。 2相から6相までのベクトル関係を示す図である。 6相の内の2相のベクトルを合成する関係を示した図である。 合成されたベクトルで作られる6相のベクトルを示す図である。 図20のモータの巻線形状の例を示す図である。 ループ状の巻線を有する3相のモータの概略的な構成を示す縦断面図である。 ループ状の巻線を有する3相のモータの概略的な構成を示す縦断面図である。 ループ状の巻線を有する3相のモータの概略的な構成を示す縦断面図である。 図29の各磁極の断面形状を示す図である。 ループ状の巻線を有する3相のモータの概略的な構成を示す縦断面図である。 図31の各磁極の断面形状を示す図である。 図31の各磁極の断面形状を示す図である。 ループ状の巻線を有する2相のモータの概略的な構成を示す縦断面図である。 ループ状の巻線を有する2相のモータの概略的な構成を示す縦断面図である。 ループ状の巻線を有する2相のモータの概略的な構成を示す縦断面図である。 ループ状の巻線を有する2相のモータの概略的な構成を示す縦断面図である。 磁束の誘導手段の形状を直線状に展開した図である。 ループ状の巻線を有する2相のモータの概略的な構成を示す縦断面図である。 図34〜図39のモータの各磁極の断面形状を示す図である。 ループ状の巻線を有する2相のモータの概略的な構成を示す縦断面図である。 図41の各磁極の断面形状を示す図である。 ループ状の巻線を有する2相のモータの概略的な構成を示す縦断面図である。 図43の各磁極の断面形状を示す図である。 ループ状の巻線を有する2相のモータの概略的な構成を示す縦断面図である。 図45の各磁極の断面形状を示す図である。 ループ状の巻線を有する3相のモータの概略的な構成を示す縦断面図である。 図47の各磁極の断面形状を示す図である。 ループ状の巻線を有する3相のモータの概略的な構成を示す縦断面図である。 図49の各磁極の断面形状を示す図である。 図49の各磁極の形状を直線状に展開した図である。 ループ状の巻線を有する2相のモータの概略的な構成を示す縦断面図である。 図52の各磁極の断面形状を示す図である。 ループ状の巻線を有する2相のモータの概略的な構成を示す縦断面図である。 図54の各磁極の断面形状を示す図である。 ループ状の巻線を有する3相のモータの概略的な構成を示す縦断面図である。 図56の各磁極の断面形状を示す図である。 ループ状の巻線を有する2相のモータの概略的な構成を示す縦断面図である。 図58の各磁極の断面形状を示す図である。 図58の各磁極の形状を直線状に展開した図である。 図58のモータの巻線電圧,電流を示す図である。 ループ状の巻線を有する3相のモータの概略的な構成を示す縦断面図である。 図62の各磁極の断面形状を示す図である。 ループ状の巻線を有する2相のモータの概略的な構成を示す縦断面図である。 図64の各磁極の断面形状を示す図である。 ループ状の巻線を有する3相のモータの概略的な構成を示す縦断面図である。 図66の各磁極の断面形状を示す図である。 ループ状の巻線を有する2相のモータの概略的な構成を示す縦断面図である。 図68の各磁極の断面形状を示す図である。 ループ状の巻線を有する3相のモータの概略的な構成を示す縦断面図である。 図70の各磁極の断面形状を示す図である。 図70の各磁極の断面形状を示す図である。 ループ状の巻線を有する3相のモータの概略的な構成を示す縦断面図である。 図73の磁束と電流の関係を示す図である。 図73の磁束と電流の関係を示す図である。 図73の各磁極の断面形状を示す図である。 ループ状の巻線を有する3相のモータの概略的な構成を示す縦断面図である。 図77の各磁極の断面形状を示す図である。 ループ状の巻線を有する3相のモータの概略的な構成を示す縦断面図である。 図79の各磁極の断面形状を示す図である。 ループ状の巻線を有する2相のモータの概略的な構成を示す縦断面図である。 図81の各磁極の断面形状を示す図である。 図81のモータの起磁力と磁束とトルクの関係を示す図である。 ループ状の巻線を有する3相のモータの概略的な構成を示す縦断面図である。 図84の各磁極の断面形状を示す図である。 ループ状の巻線を有する3相のモータの概略的な構成を示す縦断面図である。 ループ状の巻線を有する3相のモータの概略的な構成を示す縦断面図である。 ループ状の巻線を有する3相のアウターロータモータの概略的な構成を示す縦断面図である。 本発明の磁極の形状の例を示す図である。 ステータ磁極とロータ磁極の側面形状を示す図である。 ロータの永久磁石の配置構造の例を示す図である。 ループ状の巻線を有する3相のアウターロータモータの概略的な構成を示す縦断面図である。 ループ状の巻線を有する3相のアウターロータモータの概略的な構成を示す縦断面図である。 図92の各磁極の断面形状を示す図である。 ステータ磁極とロータ磁極の形状を示す図である。 ステータ磁極とロータ磁極の形状を示す図である。 ロータの構造を示す横断面図である。 モータの電磁鋼板を組み合わせる構造を示す図である。 積層した電磁鋼板の形状を示す図である。 モータの軟磁性体部を圧粉磁心で構成するモータの縦断面図である。 モータの軟磁性体部を成型した電磁鋼板で構成するモータの縦断面図である。 モータの軟磁性体部を成型した電磁鋼板で構成するモータの縦断面図である。 電磁鋼板とアモルファス金属とを積層した構造の例を示す図である。 金属パイプ構造の巻線と冷却構造を示す図である。 図104の各磁極の断面形状を示す図である。 ループ状の巻線を有する4相のモータの概略的な構成を示す縦断面図である。 ループ状の巻線を有する4相のモータのステータ内周面形状を直線状に展開した図である。 図107のステータの縦断面図である。 平板状の巻線と巻線を通過する漏れ磁束と誘起される渦電流を示す図である。 各相のステータ磁極が電気角720°ピッチで配置されるモータのステータ磁極を直線状に展開した図である。 8極に9個のステータ磁極を配置するモータのステータ磁極を直線状に展開した図である。 図111のモータの各ステータ磁極を,それぞれにトルクが大きくなる方向に回転方向位置を動かす考え方を示す図である。 3相交流のインバータと3相モータの関係を示す図である。 図1,図27等の4巻線を持つ3相モータを3相インバータで駆動する接続関係を示す図である。 図1,図27等の4巻線の電圧と電流を示す図である。 図1,図27等の4巻線の接続関係と電流を示す図である。 図7,図28等の3相で2巻線のモータを3相インバータで駆動するときの接続を示す図である。 図7,図28等の2巻線の電圧と電流を示す図である。 図7,図28等の2巻線の接続関係と電流を示す図である。 3相で2巻線のモータを2個の単相インバータで駆動するときの接続を示す図である。 5相のモータのステータ磁極と巻線を直線状に展開した図である。 各ステータ磁極の磁束ベクトル成分と電流ベクトル成分とを示す図である。 電流ベクトル成分をスター結線は位置して示す図である。 (a)は,図121のモータの巻線をスター結線し,中心の点を1端子として取り出す構成を示す図であり,(b)図は,図121のモータの巻線をデルタ結線し,両端の間先端2点とそれぞれの巻線の接続点2個所を5個のモータ端子とする構成を示す図である。 図121のモータの電流を示す図である。 図121のモータの各巻線の電圧とそれらの平均電圧を示す図である。 図127の平均電圧と図124の各端子との差電圧を示す図である。 3相,4極,24スロットのモータの構造を示す横断面図である。 3相,4極,6スロットの集中巻きモータを示す横断面図である。 図129のモータの縦断面図である。 図130のモータのステータ配置と各巻線とを直線状に展開して示す図である。
符号の説明
1 ロータ軸
50 U相のロータ磁極
51 U相のステータ磁極
54 V相のロータ磁極
55 V相のステータ磁極
58 W相のロータ磁極
59 W相のステータ磁極
82 U相とV相用の巻線
83 V相とW相用の巻線
453 バックヨーク
454 バックヨーク
以下,本発明を適用した一実施の形態に係るモータについて,図面を参照しながら詳細に説明する。
最初に、本発明に係るモータの、従来公知の基本的な構成を説明し、その上で、本発明に特有の特徴を提供する構成及び動作を説明することとする。
〔基本構成〕
図1は,基本構成に係るブラシレスモータの断面図である。図1に示すブラシレスモータ150は,3相交流で動作する8極モータであり,ロータ11,永久磁石12,ステータ14を含んで構成されている。
ロータ11は,表面に配置された複数の永久磁石12を備えている。これらの永久磁石12では,ロータ11表面に沿って円周方向にN極とS極とが交互に配置されている。図2は,ロータ11の円周方向展開図である。横軸は機械角を示しており,機械角で360°の位置は電気角で1440°となる。
ステータ14は,それぞれ4個のU相ステータ磁極19,V相ステータ磁極20,W相ステータ磁極21を備えている。各ステータ磁極19,20,21は,ロータ11に対して突極状の形状を有している。図4は,ロータ11側から見たステータ14の内周側形状の展開図である。4個のU相ステータ磁極19は同一円周上に等間隔に配置されている。同様に,4個のV相ステータ磁極20は同一円周上に等間隔に配置されている。4個のW相ステータ磁極21は同一円周上に等間隔に配置されている。4個のU相ステータ磁極19をU相ステータ磁極群,4個のV相ステータ磁極20をV相ステータ磁極群,4個のW相ステータ磁極21をW相ステータ磁極群と称する。また,これらの各ステータ磁極群の中で,軸方向に沿って端部に配置されたU相ステータ磁極群とW相ステータ磁極群を端部ステータ磁極群,それ以外のV相ステータ磁極群を中間ステータ磁極群と称する。
また,U相ステータ磁極19,V相ステータ磁極20,W相ステータ磁極21のそれぞれは,互いに軸方向位置と周方向位置をずらして配置している。具体的には,各ステータ磁極群は,相対的に機械角で30°,電気角で120°の位相差となるように互いに円周方向にずらして配置している。図4に示す破線は,対向するロータ11の各永久磁石12を示している。同極のロータ磁極(N極に永久磁石12同士あるいはS極の永久磁石12同士)のピッチは電気角で360°であり,同相のステータ磁極のピッチも電気角で360°である。
ステータ14のU相ステータ磁極19,V相ステータ磁極20,W相ステータ磁極21のそれぞれの間には,U相巻線15,V相巻線16,17,W相巻線18が配置されている。図6は,各相の巻線の円周方向展開図である。U相巻線15は,U相ステータ磁極19とV相ステータ磁極20との間に設けられており,周方向に沿ったループ形状を成している。ロータ11側から見て時計回りの電流を正とすると(他の相の相巻線についても同様とする),U相巻線15に流れる電流Iuは負(−Iu)となる。同様に,V相巻線16は,U相ステータ磁極19とV相ステータ磁極20との間に設けられており,周方向に沿ってループ形状を成している。V相巻線16に流れる電流Ivは正(+Iv)となる。V相巻線17は,V相ステータ磁極20とW相ステータ磁極21との間に設けられており,周方向に沿ったループ形状を成している。V相巻線17に流れる電流Ivは負(−Iv)となる。W相巻線18は,V相ステータ磁極20とW相ステータ磁極21との間に設けられており,周方向に沿ったループ形状を成している。W相巻線18に流れる電流Iw は正(+Iw)となる。これら3種類の電流Iu,Iv,Iwは,3相交流電流であり,互いに位相が120°ずつ,ずれている。また,39は軸方向起磁力を打ち消すための巻線である。
次に,ステータ14の各相ステータ磁極形状と各相巻線形状の詳細について説明する。図3は,図1のステータ14の断面箇所を示す図であり,図3(a)にはAA−AA線断面図が,図3(b)にはAB−AB線断面図が,図3(c)にはAC−AC線断面図がそれぞれ示されている。これらの図に示すように,U相ステータ磁極19,V相ステータ磁極20,W相ステータ磁極21のそれぞれは,ロータ11に対して突極形状を成しており,それぞれが相対的に機械角で30°,電気角で120°の位相差を有するような位置関係となるように配置されている。
図5は,U相巻線15の概略的な形状を示す図であり,正面図と側面図がそれぞれ示されている。U相巻線15は,巻き始め端子Uと巻き終わり端子Nを有している。なお,同様に,V相巻線16,17は巻き始め端子Vと巻き終わり端子Nを有し,W相巻線18は巻き始め端子Wと巻き終わり端子Nを有している。各相巻線を3相Y結線する場合は,各相巻線15,16,17,18の巻き終わり端子Nが接続される。各相巻線15,16,17,18に流れる電流Iu,Iv,Iwは,各相ステータ磁極19,20,21とロータ11の永久磁石12との間でトルクを発生する電流位相に制御される。また,Iu+Iv+Iw=0となるように制御される。
次に,各相電流Iu,Iv,Iwとこれらの各相電流により各相ステータ磁極19,20,21に付与される起磁力との関係について説明する。図8は,エアギャップ面側(ロータ11側)から見た各相ステータ磁極19,20,21の展開図(図4)に等価的な各相電流巻線を書き加えた図である。
U相巻線は,4個のU相ステータ磁極19に同一方向で直列に巻回されている。したがって,各U相ステータ磁極19は同一方向に起磁力が付与されている。例えば,図8の左から2番目のU相ステータ磁極19に巻回されているU相巻線は,導線(3),(4),(5),(6)によって形成されており,U相ステータ磁極19の回りにこの順番でこれらの導線が複数回巻回されている。なお,導線(2),(7)は隣接するU相ステータ磁極19間の渡り線であり,電磁気的作用はない。
このようなU相巻線に流れる電流Iuの各部分について詳細に見ると,導線(1)と(3)の電流の大きさは同一で逆方向に流れており,起磁力アンペアターンは相殺されているため,これらの導線は等価的に電流が流れていないときと同じ状態にあるといえる。同様に,導線(5)と(8)の部分の電流についても起磁力アンペアターンは相殺されており,これらの導線は等価的に電流が流れていないときと同じ状態にあるといえる。このように,U相ステータ磁極19間に配置される導線に流れる電流は常に相殺されるため,電流を流す必要がなく,その部分の導線は排除することが可能である。その結果,導線(10),(6)に対応するようにステータ14の円周上にループ状に流れるU相電流Iuと,導線(4),(9)に対応するようにステータ14の円周上にループ状に流れるU相電流−Iuとが同時に流れている状態と同じと考えることができる。
しかも,上述した導線(10),(6)に対応するようにステータ14の円周上にループ状に流れるU相電流Iuは,ステータコアの外部でループ状に流れる電流であり,ステータコアの外部は空気等であって磁気抵抗が大きいことから,ブラシレスモータ15への電磁気的作用はほとんどない。このため,省略しても影響はなく,ステータコアの外部に位置するループ状の巻線を排除することができる(なお,上述した例ではこのループ状の巻線を省略しているが,省略せずに残すようにしてもよい)。結局,図1に示すU相巻線の作用は,図1,図6に示すループ状のU相巻線15と等価であるということができる。
また,図8に示したV相巻線は,U相巻線と同様に,4個のV相ステータ磁極20を周回するように直列に巻回されている。この中で,導線(11)と(13)に流れる電流は大きさが同じで方向が逆であり,起磁力アンペアターンが相殺されるため,この部分は等価的に電流が流れていないときと同じ状態にあるといえる。同様に,導線(15),(18)の電流についても起磁力アンペアターンは相殺されている。その結果,導線(20),(16)に対応するようにステータ14の円周上に沿ってループ状に流れるV相電流Ivと,導線(14),(19)に対応するようにステータ14の円周上にループ状に流れるV相電流−Ivとが同時に流れている状態と同じと考えることができる。結局,図1に示すV相巻線の作用は,図1,図6に示すループ状のV相巻線16,17と等価であるということができる。
また,図8に示したW相巻線は,U相巻線と同様に,4個のW相ステータ磁極21を周回するように直列に巻回されている。この中で,導線(21)と(23)に流れる電流は大きさが同じで方向が逆であり,起磁力アンペアターンは相殺されるため,この部分は等価的に電流が流れていないときと同じ状態にあるといえる。同様に,導線(25),(28)の電流についても起磁力アンペアターンは相殺されている。その結果,導線(30),(26)に対応するようにステータ14の円周上にループ状に流れるW相電流Iwと,導線(24),(29)に対応するようにステータ14の円周上にループ状に流れるW相電流−Iwとが同時に流れている状態と同じと考えることができる。
しかも,上述した導線巻線(24),(29)に対応するようにステータ14の円周上にループ状に流れるW相電流−Iwは,ステータコアの外部でループ状に流れる電流であり,ステータコアの外部は空気等であり磁気抵抗が大きいことから,ブラシレスモータ15への電磁気的作用はほとんどない。このため,省略しても影響はなく,ステータコアの外部に位置するループ状の巻線を排除することができる。結局,図8に示すW相巻線の作用は,図1,図6に示すループ状のW相巻線18と等価であるということができる。
以上説明したように,ステータ14の各相ステータ磁極19,20,21に電磁気的作用を付与する巻線及び電流はループ状の簡素な巻線で代替えすることができ,かつ,ステータ14の軸方向両端のループ状の巻線を排除することができる。その結果,ブラシレスモータ15に使われる銅の量を大幅に低減することができるので,高効率化,高トルク化が可能となる。また,同相の円周方向のステータ磁極間に巻線(導線)を配置する必要がないため,従来構造以上の多極化が可能となり,特に巻線構造が簡素であることから,モータの生産性を向上させることができ,低コスト化が可能となる。
なお,磁気的には,U,V,W相のステータ磁極を通る磁束φu,φv,φwがバックヨーク部で合流し,3相交流磁束の総和が零となるφu+φv+φw=0の関係となっている。また,図109,図110,図111に示した従来構造は,図8に示した各相突極19,20,21を2個ずつ合計6個同一円周上に並べた構造であり,個々の突極の電磁気的作用,トルク発生はブラシレスモータ15と同じである。但し,図109,図110に示すような従来のブラシレスモータは,その構造上,図1から図7に示すブラシレスモータ15のように巻線の一部を排除したり,巻線の簡素化したりすることはできない。
ブラシレスモータ15はこのような構成を有しており,次にその動作を説明する。図9は,ブラシレスモータ15の電流,電圧,出力トルクのベクトル図である。X軸が実軸に,Y軸が虚軸にそれぞれ対応している。また,X軸に対する反時計回りの角度をベクトルの位相角とする。
ステータ14の各相ステータ磁極19,20,21に存在する磁束φu,φv,φwの回転角度変化率を単位電圧と称し,Eu=dφu/dθ,Ev=dφv/dθ,Ew=dφw/dθとする。各相ステータ磁極19,20,21のロータ11(永久磁石12)に対する相対位置は,図4に示したように,電気角で120°ずつシフトしているので,各相巻線15〜18の1ターンに誘起される単位電圧Eu,Ev,Ewは,図9に示すような3相交流電圧となる。
今,ロータが一定回転dθ/dt=S1で回転し,各相巻線15〜18の巻き回数をWu,Wv,Wwとし,これらの値がWcに等しいとすると,巻線15〜18の各誘起電圧Vu,Vv,Vwは次のように表される。なお,各ステータ磁極の漏れ磁束成分を無視すると,U相巻線の磁束鎖交数はWu×φu,V相巻線の磁束鎖交数はWv×φv,W相巻線の磁束鎖交数はWw×φwである。
Vu=Wu×(−dφu/dt)
=−Wu×dφu/dθ×dθ/dt
=−Wu×Eu×S1 …(1)
同様に,
Vv=Wv×Ev×S1 …(2)
Vw=Ww×Ew×S1 …(3)
ここで,具体的な巻線と電圧の関係は次のようになる。U相の単位電圧Euは,図1および図6に示されるU相巻線15の逆向きの1ターンに発生する電圧である。U相電圧Vuは,U相巻線15の逆向きに発生する電圧である。V相の単位電圧Evは,V相巻線16の1ターンとV相巻線17の逆向きの1ターンとを直列に接続したときに両端に発生する電圧である。V相電圧Vvは,V相巻線16と逆向きのV相巻線17とを直列に接続したときの両端の電圧である。W相の単位電圧Ewは,図1および図6に示されるW相巻線18の1ターンに発生する電圧である。W相電圧Vwは,W相巻線18の逆向きに発生する電圧である。
ブラシレスモータ15のトルクを効率良く発生させようとすると,各相電流Iu,Iv,Iwは,各相巻線の単位電圧Eu,Ev,Ewと同一位相に通電する必要がある。図9では,Iu,Iv,IwとEu,Ev,Ewとがそれぞれ同一位相であるものとし,ベクトル図の簡素化のため,同相の電圧ベクトル,電流ベクトルを同一のベクトル矢で表現している。
ブラシレスモータ15の出力パワーPa,各相のパワーPu,Pv,Pwは,
Pu=Vu×(−Iu)=Wu×Eu×S1×Iu …(4)
Pv=Vv×Iv=Wv×Ev×S1×Iv …(5)
Pw=Vw×Iw=Ww×Ew×S1×Iw …(6)
Pa=Pu+Pv+Pw=Vu×Iu+Vv×Iv+Vw×Iw …(7)
となる。また,ブラシレスモータ15の出力トルクTa,各相のトルクTu,Tv,Twは,
Tu=Pu/S1=Wu×Eu×Iu …(8)
Tv=Pv/S1=Wv×Ev×Iv …(9)
Tw=Pw/S1=Ww×Ew×Iw …(10)
Ta=Tu+Tv+Tw
=Wu×Eu×Iu+Wv×Ev×Iv+Ww×Ew×Iw
=Wc×(Eu×Iu+Ev×Iv+Ew×Iw)…(11)
となる。なお,本実施形態のブラシレスモータ15の電圧,電流,トルクに関するベクトル図は,図109,図110,図111に示した従来のブラシレスモータのベクトル図と同じである。
次に,図1および図6に示した各相巻線と電流について,より高効率化する変形手法について説明する。U相巻線15とV相巻線16は,U相ステータ磁極19とV相ステータ磁極20の間に隣接して配置されたループ状の巻線であり,これらを単一の巻線にまとめることができる。同様に,V相巻線17とW相巻線18は,V相ステータ磁極20とW相ステータ磁極21の間に隣接して配置されたループ状の巻線であり,これらを単一の巻線にまとめることができる。
図7は,2つの巻線を単一の巻線にまとめた変形例を示す図である。図7と図6とを比較すると明らかなように,U相巻線15とV相巻線16が単一のM相巻線38に置き換えられ,V相巻線17とW相巻線18が単一のN相巻線39に置き換えられている。また,U相巻線15の電流(−Iu)とV相巻線16の電流(Iv)とを加算したM相電流Im(=−Iu+Iv)をM相巻線38に流すことにより,M相巻線38によって発生する磁束の状態とU相巻線15とV相巻線16のそれぞれによって発生する磁束を合成した状態とが同じになり,電磁気的に等価になる。同様に,V相巻線17の電流(−Iv)とW相巻線18の電流(Iw)とを加算したN相電流In(=−Iv+Iw)をN相巻線39に流すことにより,N相巻線39によって発生する磁束の状態とV相巻線17とW相巻線18のそれぞれによって発生する磁束を合成した状態とが同じになり,電磁気的に等価になる。
図9にはこれらの状態も示されている。図9に示されたM相巻線38の単位電圧Em, N相巻線39の単位電圧Enは以下のようになる。
Em=−Eu=−dφu/dθ
En=Ew=dφw/dθ
また,各巻線の電圧V,パワーP,トルクTのベクトル算式は以下のようになる。
Vm=Wc×Em×S1 …(12)
Vn=Wc×En×S1 …(13)
Pm=Vm×Im=Wc×(−Eu)×S1×(−Iu+Iv)
=Wc×Eu×S1×(−Iu+Iv) …(14)
Pn=Vn×In=Wc×Ew×S1×(−Iv+Iw) …(15)
Pb=Pm+Pn=Vu×(−Iu+Iv)+Vw×(−Iv+Iw)
…(16)
Tm=Pm/S1=Wc×(−Eu)×(−Iu+Iv) …(17)
Tn=Pn/S1=Wc×Ew×(−Iv+Iw) …(18)
Tb=Tm+Tn=Wc×((−Eu×Im)+Ew×In) …(19)
=Wc×(−Eu×(−Iu+Iv)+Ew×(−Iv+Iw))
=Wc×Eu×Iu+Wc×Iv×(−Eu−Ew)+Wc×Ew×Iw
=Wc×(Eu×Iu+Ev×Iv+Ew×Iw) …(20)
∵ Eu+Ev+Ew=0 …(21)
ここで,(11)式で示されたトルク式は3相で表現され,(19)式で示されたトルク式は2相で表現されている。これらのトルク式の表現方法は異なるが,(19)式を展開すると(20)式となり,これら両式は数学的に等価であることがわかる。特に,電圧Vu ,Vv,Vwおよび電流Iu,Iv,Iwが平衡3相交流の場合は(11)式で示されるトルクTaの値は一定となる。このとき,(19)式で示されるトルクTbは,図9に示すように,TmとTnとの位相差であるKmn=90°となる正弦波の2乗関数の和として得られ,一定値となる。
また,(19)式は2相交流モータの表現形態であり,(11)式と(21)式は3相交流モータの表現形態であるが,これらの値は同じである。しかし,(19)式において,(−Iu+Iv)の電流ImをM相巻線38へ通電する場合と−IuとIvの電流をそれぞれU相巻線15とV相巻線16へ通電するのとでは,電磁気的には同じでも,銅損は異なる。図9のベクトル図に示すように,電流Imの実軸成分はImにcos30°を乗じた値に減少するため,M相巻線38に電流Imを通電する方が銅損が75%になり,25%の銅損が低減されるという効果がある。
このように隣接して配置されたループ状の巻線を統合することにより,銅損が低減するだけではなく,巻線構造がさらに簡素になることから,モータの生産性をより向上させることができ,一層の低コスト化が可能となる。
次に,図1に示すモータのステータ14の形状に関し,そのギャップ面磁極形状の変形例について説明する。ステータ14の磁極形状は,トルク特性に大きく影響し,かつ,コギングトルクリップル,通電電流により誘起されるトルクリップルに密接に関係する。以下では,各ステータ磁極群に存在する磁束の回転角度変化率である単位電圧の形状および振幅がほぼ同一で相互に電気角で120°の位相差を維持するように,各ステータ磁極群のそれぞれに対応するステータ磁極の形状を変形する具体例について説明する。
図10は,ステータ磁極の変形例を示す円周方向展開図である。図4に示した各相のステータ磁極22,23,24は,ロータ軸11と平行に配置された基本形状を有している。各ステータ磁極は,各相について同一形状であって,相対的に電気角で120°の位相差をなすように配置されている。このような形状を有する各ステータ磁極22,23,24を用いた場合にはトルクリップルが大きくなることが懸念される。しかし,各ステータ磁極22,23,24のラジアル方向にかまぼこ形状の凹凸を形成することにより,境界部での電磁気的作用を滑らかにすることができ,トルクリップルの低減が可能になる。また,他の方法として,ロータ11の永久磁石12の各極の表面にかまぼこ形状の凹凸を形成することにより,円周方向に正弦波的な磁束分布を実現することができ,これによりトルクリップルを低減するようにしてもよい。なお,図10の水平軸に付された角度は円周方向に沿った機械角であり,左端から右端までの1周が360°である。
図11は,ステータ磁極の他の変形例を示す円周方向展開図である。図11に示した各相のステータ磁極25,26,27は,図10に示した基本形状に対して,電気角で約60°スキューした形状(ロータ軸11と平行な向きに対して円周方向に沿って電気角で60°傾斜させた形状)を有している。これにより,トルクリップルを低減する効果がある。また,各相のステータ磁極25,26,27の幅が180°より狭いので各相のステータ磁極25,26,27を通る最大磁束は減少しないため,トルク平均値の低減は少ないという特徴がある。
ところで,図10および図11に示したステータ磁極形状を採用した場合には,ステータ磁極のエアギャップ面形状を実現するためには,各相の巻線15,16,17,18とエアギャップ部との間にその磁極形状を実現するために各相のステータ磁極の先端がロータ軸方向に出た形状となり,軸方向に出るための磁路のスペースが必要であり,そのスペース確保のためモータ外形形状が大きくなりがちであるという問題がある。
図12は,ステータ磁極の他の変形例を示す円周方向展開図であり,この問題を軽減するステータ磁極形状が示されている。ステータ14のU相ステータ磁極28に存在する磁束φuの回転角度変化率であるU相の単位電圧をEu(=dφu/dθ),V相ステータ磁極29に存在する磁束φvの回転角度変化率であるV相の単位電圧をEv(=dφv/dθ),W相ステータ磁極30に存在する磁束φwの回転角度変化率であるW相の単位電圧をEw(=dφw/dθ)とするとき,各相の単位電圧Eu,Ev,Ewが形状,振幅がほぼ同一で,位相が相互に電気角で120°の位相差を保つように各相のステータ磁極28,29,30の形状を変形した例が図12に示されている。これらのステータ磁極形状の特徴は,各ステータ磁極28,29,30のエアギャップ面の大半がそれぞれのステータ磁極の歯の中間部分に対して距離が短く,ロータ11からの磁束が各ステータ磁極表面を通り,歯の中間部分を通り,そしてステータ14のバックヨークへの磁路を介して磁束が容易に通過できる点である。したがって,図12に示したステータ磁極形状は,図10や図11に示したステータ磁極形状に比べて,各相巻線15,16,17,18とエアギャップ部との間のステータ磁極のスペースを小さくできることになる。その結果,ブラシレスモータの外形形状を小さくすることが可能になる。
図13は,ステータ磁極の他の変形例を示す円周方向展開図であり,図10に示したステータ磁極形状をさらに変形したステータ磁極形状が示されている。図13に示す例では,ロータ軸11方向両端のU,W相ステータ磁極34,36は,円周方向の磁極幅を電気角で180°に広げ,残ったスペースをV相のステータ磁極35とバランスが取れるように分配配置し,U,W相ステータ磁極34,36のバックヨークから歯の表面までの距離が遠い部分についてはそれぞれの先端部分が細くなってその製作も難しくなることから削除している。35はV相ステータ磁極である。そして,各相のステータ磁極形状の表面の回転角度変化率である各相の単位電圧Eu,Ev,Ewは,位相は異なるが同一の値となるように変形されている。その結果,比較的大きな有効磁束を通過させることができ,かつ,その製作も比較的容易なステータ磁極形状となっている。
以上の説明は図1〜13に示すモータの従来周知の基本的な構成及び動作の説明であるが,モータの最大トルクをできるだけ大きくするモータ構造を検討すると,異なった視点でモータを見る必要がある。例えば,図1のモータ構成で,トルクを大きくするために,U,V,W各相のステータ磁極19,20,21のロータに対向する面の形状を図12に示す形状28,29,30に変形することが考えられる。ロータの永久磁石12にNe,Fe,B系の希土類磁石を使うことを想定すると1.2T程度の磁束密度が得られ,一方電磁鋼板の実用的磁束密度は1.8T程度なので,特に大きなトルクを発生させるために大きな電流を通電する場合には,各ステータ磁極の先端部からステータのバックヨークにかけての軟磁性体部の磁気飽和が発生する問題がある。このとき,各相のステータ磁極間の漏れ磁束も,各ステータ磁極が隣接していることから,大きな値となり,モータ乗り気率を下げるだけでなく,前記の磁気飽和の問題の原因の一つとなる。また,各相のステータ磁極の先端形状を図12のようにするためには,図1のステータの内径側の磁路構成が複雑となる問題,巻線15,16,17,18の配置スペースが少なくなる問題がある。
これらの問題は、以下の実施の形態において説明される、本発明に係るモータにより解決される。
〔実施の形態〕
本発明は,図128,図129のモータの構造的な問題と,図1に示すようなモータが大きなトルクを発生するときの問題とを解決するものである。そして,本発明はステータ磁極とロータ磁極と各ループ状巻線との配置関係とステータ磁極とロータ磁極との具体的な構成を提案するものである。
まず,ステータ磁極とロータ磁極と各ループ状巻線との配置関係を示す本発明の6相のモータの例を図20に示す。1はロータ軸,6はモータケース,3は軸受けである。なお,これらの構成は,モータの電磁気的な作用を説明する上で必ずしも必要ではないので,以降の本発明のモータの図において省略することも多い。
51はA相のステータ磁極,53はB相のステータ磁極,55はC相のステータ磁極,57はD相のステータ磁極,59はE相のステータ磁極,61はF相のステータ磁極である。80はステータのバックヨークで,各相のステータ磁極に共通の磁路である。
ロータのA,B,C,D,E,F相の各ロータ磁極50,52,54,56,58,60は,それぞれにステータ磁極に対向している。そして,ロータの外周部形状は,ロータ軸方向に分離した構成で,特に,ロータ磁極と隣のロータ磁極の間はロータ外径より大きく内径側に凹みが設けられており,ステータの巻線62,63,63,65,66,67,68,69,70,71,71,73がロータ外径より内径側に配置されている。このことにより,巻線断面積を大きくでき,また,径の小さい部分の巻線は周長が短いことも抵抗低減上大きな効果がある。それらの結果,巻線抵抗を小さくすることができ,大きな電流を通電することにより大きな連続定格トルクを得ることが可能である。ロータ磁極を通る磁束はロータ内部の内径側磁路81等を通って他のロータ磁極へ磁束が導かれる。ステータ磁極51,53,55,57,59,61はそれぞれの相のロータ磁極と対向している。ステータ磁極を通る磁束はステータの外形側磁路80等を通って他の磁極へ導かれる。このような構成のモータは,ロータ内部まで活用することができるので,大きな連続定格トルクの出力が可能となる。
また,図20のモータ構成例では,図22に示すような永久磁石ロータと円周方向に凹凸の形状をしたステータ磁極であるが,各相のステータ磁極とロータ磁極が分離していることから,各相の構造が入り組むことが無く,各相独自の構成とすることができるので,独特の磁極構造を実現することができる。具体的な磁極の構成については後述する。
ロータ構造については種々の変形が可能である。各磁極の磁束を大きくするための工夫も可能であり,ロータ磁極とステータ磁極が対向しているエアギャップ部を極限まで外径側に移動し,これら磁極の軸方向幅をできるだけ広くし,前記エアギャップ部の軸方向の巻線部は軸方向に薄くすることができる。なおこの時,ロータの外径より内径側に配置されている巻線の軸方向幅はできるだけ大きくして巻線抵抗を小さくする方が有利である。また,各相のロータ磁極とステータ磁極とが対になっていて,それらの相対的な位相だけが特性に影響し,各相の磁極の絶対値的な位置は限定されないので,その点では設計自由度が増す。また,図20に示すように,永久磁石50はロータに取り付けられており,ステータ側は凹凸上の突極となっているが,例えば,ステータ磁極とロータ磁極を逆にし,永久磁石をステータ側へ取り付けることもできる。この場合,磁石を固定側に取り付けられるので遠心力がかからず接着剤などでの磁石固定が容易化し,また,磁石が外径側にあった方が,磁束量が増し,トルクもその分増加することになる。
次に,図20に示す各巻線62,63,64,65,66,67,68,69,70,71,72,73をどのように位置づけ,どのような電流を流し,どのように結線するかの1番目の方法について説明する。62,63は,A相磁極用の巻線で,巻線62へはA相の電流,巻線63へは−A相の電流,すなわち,A相の電流で符号が逆の電流を通電する。同様に,巻線64へは,B相の電流,巻線65へは−B相の電流を通電する。巻線66へは,C相の電流,巻線67へは−C相の電流を通電する。巻線68へは,D相の電流,巻線69へは−D相の電流を通電する。巻線70へは,E相の電流,巻線71へは−E相の電流を通電する。巻線72へは,F相の電流,巻線63へは−F相の電流を通電する。
各巻線の電流がモータのどの部分へどのように起磁力を印加し,どのように電磁気的な作用をおよぼすかは,巻線の数が増え,磁気回路の要素が増えると,一概に言葉で定義し,説明することは難しい。しかし,ステータバックヨーク,ロータバックヨークが各相に共通で,各相の磁気回路が平衡多相磁気回路を構成している場合には,アンペアの法則と磁気回路の対称性からある程度定性的に説明できる。前記の図20に示すモータにおいては,例えば,A相のステータ磁極51へは,巻線62,63へA相電流が逆向きに流れているので,巻線62のアンペアターン数がステータ磁極51とロータ磁極50に印加されていると言える。他の巻線も同様に,それぞれの相の磁極に電磁気的に作用し,6相のモータを構成している。
各相のステータ磁極とロータ磁極の円周方向位置関係は,図22の(a)から(f)に示す通りであり,各相のステータ磁極とロータ磁極との相互の相対位相は,それぞれの相が電気角で60°ずつ異なる,6相のモータの関係となっている。各相の巻線を逆直列に接続してスター結線とすれば,電流,電圧共に平衡した6相となるので,6相のインバータにより問題なく制御することができる。さらには,A相とD相とは逆相なので,逆直列に接続し,同様に,C相とF相を逆直列に接続し,E相とB相とを逆直列に接続し,それぞれをスター結線して3相のインバータで制御することができる。
ここで,前記の図20のモータの巻線の電流は,巻線63と64が同一の空間に配置されており,この空間へは図24の(a)に示す63の−A相の電流−Aと64のB相の電流Bのベクトル加算値であるベクトルaの電流が流れていれば良いことになる。同様に,巻線65と66の電流についても,図24の(b)に示すように,ベクトルbの電流が流れていれば良い。したがって,前記の図20のモータの説明では,2倍の電流が流れているので,電流の駆動効率は低く,巻線係数0.5ということになる。
次に,図20に示すモータの巻線の2番目の方法について説明する。前記の説明より,図20に示すモータの各スロットの空間の巻線を1組とし,その巻線へ最適な電流を通電すればよい。その具体的な構成は,図21に示す構成である。このモータは,図20のモータの各磁極間に配置された2組の巻線を1組に統合したモータで,各巻線には統合される前の2組の巻線に流されるべき電流を加算した値の電流を通電すればよい。また両端の巻線は,モータの軟磁性体部の外側に配置されており,トルク発生上の電磁気的作用が非常に小さいので省略している。各巻線75,76,77,78,79へは,各ステータ磁極とロータ磁極へ印加すべき起磁力が図23の(e)に示すA,B,C,D,E,Fである時,図25に示すa,b,c,d,eで示されるベクトルの電流を通電すればよい。図20のモータに比べ,図21のモータの銅損は1/2に低減できることになる。
なお,図21に示すモータの構成は,6相,6磁路,5組の巻線の構成であるが,2相から多相まで変形することが可能である。また,巻線の統合による銅損の低減率は相数により異なり,たとえば3相の場合の銅損低減率は25%である。
図21のモータの各巻線に誘起される電圧と位相は,平衡した6相に比較して大きく異なる値である。例えば,巻線75に鎖交する磁束はA相のステータ磁極51を通る磁束だけであり,巻線77に鎖交する磁束はA相のステータ磁極51とB相のステータ磁極53とC相のステータ磁極55を通る磁束を加算した磁束であり,その大きさが異なることが容易に推察できる。この結果,不平衡な5相の電圧,電流になっていると言える。
ここで,図20のモータにおいて,電気角で180°位相の異なる巻線を逆直列に接続して3相化し,スター結線できると説明したと同様に,図21のモータも結線の方法により平衡3相のモータ巻線とすることができる。具体的には,巻線75と77を逆直列に接続し,巻線77はそのままで,巻線79と巻線76を逆直列に接続し,これらの3組をスター結線することにより,平衡3相の電流,電圧の巻線とすることができる。ただし,この方法は,モータの相数が偶数の場合にできる手法であり,3相,5相,7相等の奇数の相の場合には平衡多相の巻線とすることができない。この点,図20における巻線の前記1番目の方法の場合,巻線係数は小さいが,奇数相のモータについても,巻線を平衡多相の電流,電圧とすることができる。
次に,図20に示すモータの巻線の3番目の方法について説明する。図20に示すモータにおいて,巻線62へB相の電流を流し,位相の180°異なる巻線67へ−B相の電流を流す。同様に,巻線64へC相の電流を流し,位相の180°異なる巻線69へ−C相の電流を流す。巻線66へD相の電流を流し,位相の180°異なる巻線71へ−D相の電流を流す。巻線68へE相の電流を流し,位相の180°異なる巻線73へ−E相の電流を流す。巻線70へF相の電流を流し,位相の180°異なる巻線63へ−F相の電流を流す。巻線72へA相の電流を流し,位相の180°異なる巻線65へ−A相の電流を流す。したがって,それぞれの2個の巻線は逆直列に接続し,該当する相の電流を流せば良い。この状態で,6相の平衡した電流,電圧の巻線となっている。この時例えば,巻線63へは−F相の電流が流され,巻線64へはC相の電流が流されていて,両電流は同一の位相の電流なので,結果的に,同一のスロットの2巻線には同一の電流が流れていることになり,巻線係数が1となるので,効率の良い電流を通電したことになる。なお,両端の巻線62,73へ鎖交する磁束は非常に小さいので省略することもできる。
図20の例では,6相なので,前記の6組の巻線をさらに逆相同士の巻線組を逆直列に接続し,3相の巻線とし,3相のインバータで駆動することもできる。
この方法を図20の偶数相の場合に適用する場合は,位相差が180°の巻線と逆直列に巻線接続を行ったが,奇数相である場合には,少し変形して前記の方法を適用することができる。相数がNの時,360°/Nの整数倍NXが180度に近くなるようなNXを選び,(360°/N)×NXの位相差の巻線と逆直列として電流を流す方法である。前記の6相の場合は,NXが3となり,(360°/N)×NX=180°となるので,前記の説明のようになる。
5相の場合には,(360°/N)=72°なので,NX=2もしくは3である。NX=2とすると,同一相の巻線を2個のステータ磁極をロータ軸方向へ挟んだ巻線と逆方向に直列に接続すればよい。図20において,5相の具体的なモデルとして,6番目の位相であるF相がないモデル,すなわち,ステータ磁極61,ロータ磁極60,巻線72,巻線73を削除し,各ステータ磁極間の相対的位相差が360/5=72°であるものを想定する。この時,巻線62と巻線65とを逆直列に接続しA相とB相との中間の位相の電流を流し,巻線64と巻線67とを逆直列に接続しB相とC相との中間の位相の電流を流し,巻線66と巻線69とを逆直列に接続しC相とD相との中間の位相の電流を流し,巻線68と巻線71とを逆直列に接続しD相とE相との中間の位相の電流を流し,巻線70と巻線63とを逆直列に接続しE相とA相との中間の位相の電流を流す。
このような巻線の接続構成,各巻線の電流通電を行う場合,同一スロットの同一空間に配置された2個の巻線の電流位相差は36°となる。例えば,図23の(d)の5相ベクトルで考えて,巻線63の電流はベクトルEとAの中間の位相で逆方向なのでベクトルCであり,巻線64の電流はベクトルBとCの中間であるから,両電流の位相差は72°/2=36°となる。そして,この場合の巻線係数は,COS((180−72°×NX)/2)=COS18°=0.951となる。また,5相の場合,NX=3としても良い。このように,この方法は,奇数相のモータへも適用することができ,巻線係数も十分に大きく効率のよい駆動ができ,多相の平衡した電流,電圧となるので,N相のインバータで効率良く駆動することができる。偶数相の場合は,N/2相の巻線接続が可能であり,N/2相のインバータで駆動することもできる。
次に,図20に示すモータの巻線の4番目の方法について説明する。4番目の方法は,図20のように同一スロットの空間に配置された2個の巻線を図21に示すように統合して1個の巻線として合計(N−1)個の巻線とし,各巻線の電圧の振幅と位相が多相平衡電圧とは大幅に異なるこれらの(N−1)個の巻線をスター結線し,スター結線の中心点をモータの1個の端子とし,合計N個のモータ端子としてN相のインバータに接続して駆動するものである。この時,インバータ側から見たモータの電流と電圧は,平衡したN相の電流,電圧となっている。
具体的な例を,奇数相も可能であることを示す意味で,5相の例について図121〜127に示す。図121は,図21に示すモータを5相モータに変形し,ステータ磁極とロータ磁極とが対向しているエアギャップ面のステータ突極と各巻線との円周方向形状を直線状に展開した図である。横軸は円周方向であり,電気角で示している。縦軸はロータ軸方向で,ステータ磁極,巻線は同一符号で示し,各電流のベクトルB−A,C−B,D−C,E−Dを付記している。図122は各ステータ磁極のベクトルA,B,C,D,Eと各電流ベクトルB−A,C−B,D−C,E−Dを示している。図123は,図122の各電流ベクトルを,スター結線した場合を想定し,並び替えて示している。そして,各電流IBA,ICB,ICD,IED,Iは図125のように示すこともできる。横軸は電気角である。
次に,図121に示しモータの各巻線に誘起する電圧を計算した例を図126に示す。各巻線75,76,77,78の電圧は,それぞれ,VBA,VCB,VDC,VEDであり,その平均値はVである。それぞれの巻線の電圧,位相は平衡した5相の電圧,位相とは言い難い値である。
しかし,ここで,各巻線を図124のようにスター結線し,スター結線の中心点NNを一つの端子として取り出し,合計5個の端子TA,TB,TC,TD,TNとし,図126で示した平均電圧Vに対する各端子の電圧を求めると,図127に示すVBAN,VCBN,VDCN,VEDN,VNNとなる。図127は,電圧振幅,位相共に平衡した5相の電圧である。この結果,図124の(a)の様に結線したとき,モータの外部から見たモータ特性は,平衡した5相負荷と見ることができ,5相のインバータで効率よく駆動することができる。また,この時,各巻線の駆動効率,巻線係数も,この例では1となり,効率上の問題もない。また,奇数相であっても問題なく駆動することができる。
次に,図20に示すモータの巻線の5番目の方法について説明する。4番目の方法は,図20のように同一スロットの空間に配置された2個の巻線を図21に示すように統合して1個の巻線として合計(N−1)個の巻線とし,各巻線の電圧の振幅と位相が多相平衡電圧とは大幅に異なるこれらの(N−1)個の巻線をスター結線し,スター結線の中心点をモータの1個の端子とし,合計N個のモータ端子としてN相のインバータに接続して駆動するものである。この時,インバータ側から見たモータの電流と電圧は,平衡したN相の電流,電圧となっている。5番目の方法は,図20のように同一スロットの空間に配置された2個の巻線を図21に示すように統合して1個の巻線として合計(N−1)個の巻線とし,各巻線の電圧の振幅と位相が多相平衡電圧とは大幅に異なるこれらの(N−1)個の巻線をデルタ結線し,両端の巻線は接続せず,それぞれ一つのモータ端子とし,(N−2)個の接続点と両端の前記2点とで合計N個のモータ端子とし,N相のインバータに接続して駆動するものである。この時,インバータ側から見たモータの電流と電圧は,平衡したN相の電流,電圧となっている。
5相のモータについて,各巻線をデルタ結線した具体的な例を図124の(b)に示す。この場合にも,図124の(a)に示したスター結線の例と同様に,各モータ端子の電圧および位相は,5相の平衡した電圧,位相となる。その結果,図124の(b)のように結線したとき,モータの外部から見たモータ特性は,平衡した5相負荷と見ることができ,5相のインバータで効率よく駆動することができる。また,この時,各巻線の駆動効率,巻線係数も,この例では1となり,効率上の問題もない。また,奇数相であっても問題なく駆動することができる。
なお,図122のA−Eで示される電流成分,前記本発明モータで説明した図20の巻線62,73に流す電流成分は,多相平衡電流の一部であり,モータのロータ軸1へ作用する起磁力を相殺する作用があるので,モータのトルク発生にはほとんど寄与しないが,図1の巻線39あるいは,図20の巻線62,73などの位置へ巻線を配置して,モータのロータ軸方向へ作用する起磁力を相殺することも実用的である。
以上,図20に示す本発明モータ構成例について,多相モータにおけるステータ磁極,ロータ磁極,巻線,巻線に流す電流,各巻線の接続方法について示した。以下,各ステータ磁極,ロータ磁極などの具体的な構成,形状,特性等について説明する。
図26は,図20に示すモータに使用できるループ状の巻線の正面図と側面図である。この図のように,巻線73をモータの内径側から,外径側まで活用して配置できるので,巻線抵抗を小さくすることができる。特に内径側は周長が小さく,巻線抵抗が小さい特性となる。
また,図20のモータの例では,各相の巻線がロータ側まで入り込んだ形状をしているが,各巻線がロータ側へは入り込まない形状としても良い。また,図26の巻線形状は単純な円盤状をしているが,ロータ軸方向あるいはラジアル方向に,ステータ磁極の形状等に合わせて凹凸形状を持ったループ状の巻線としても良い。また,後段において、図106〜図109に記載した例の説明で詳述するが,巻線の断面形状は,円形あるいは正方形ではなく,長方形の断面とし,平板状の巻線とすることによりステータ磁極間の漏れ磁束が巻線の場所を横切って通り,磁束が増減することにより渦電流を生成させ,前記の漏れ磁束を低減する構成の巻線とすることが効果的である。どの程度平板状にすべきかは,どの程度漏れ磁束を低減するかによって,選択することができる。
図27は,図20の6相モータのA相,C相,E相の部分を取り出し,3相モータに変形した例である。モータのケースは,技術的な観点では本発明に直接的には関与しないので,また,図が煩雑で見難くなるので省略している。
図28は,図27のモータの巻線を統合し,両端の巻線を省略したモータである。モデル的な計算では,図27に示すモータに対して,25%の銅損低減が可能であるが,スロット内絶縁紙スペースの削除,巻線間隙間の削除等の実装上の利点もある。また,巻線が簡素になるので製作コストも低減できる。2組の巻線に通電すべき電流は図23の(b)の3相電流ベクトルの内の2つの電流ベクトルである。残りの1相の電流は通電する必要がない。また,図20に示すモータの説明で示した特徴,利点は図28に示すモータにおいても同様である。また,後述する本発明の他の例のモータモデルへもこの構成を適用できる。
図29は,図28の3相モータに補助的な磁路156と157,158と159,160と161を追加している。これらの対の磁路はエアギャップを介して対向して近接して配置されているので,ステータとロータとの間に比較的容易に磁束を通過させることができる。永久磁石150,152,154の発生する磁束でステータ磁極151,153,155への有害な漏れ磁束を吸収し,出力トルクを向上させる効果がある。特にモータを多極化していくと漏れ磁束の比率が高くなるのでトルク改善効果が大きくなる。図30は各部の断面図である。
図31は,図28の3相モータを変形した3相モータの例である。図32,図33はその断面図である。84,85はA相のロータ磁極,ステータ磁極であり,永久磁石をステータ側へ取り付けた例を示している。88,89に示す軸方向中央の磁極は,ロータのバックヨークに磁気的につながっていて,かつ,ステータの軟磁性体部にロータとステータとの間のエアギャップ部を介して対向した軟磁性体部RSP1と,ステータのバックヨーク部に磁気的につながっていて,かつ,ロータの軟磁性体部にロータとステータとの間の小さなエアギャップ部を介して対向した軟磁性体部SSP1とで構成され,ステータとロータとの間で比較的容易に磁束が通る構造となっている。軸方向両端の各磁極がU相とW相となっていて,それぞれの作用が電気角で120°の位相差を持つように構成され,3相モータとして作用することができる。また,トルク向上策としては,図20,図28のモータモデルの説明で示したような改良が可能である。また,軸方向両端のU相とW相の磁極は120°の位相差に限定されるわけでなく,120°以外の角度でも作用させることができる。特に,電気角で90°の位相差とすることにより,2相モータであるともいえる。このように,この位相差については0°から180°まで自由に変えて,設計することができる。
図31のモータの一つの変形例は,84,85の前記U相磁極を軸方向にできるだけ広くし,U相磁極の磁束をできるだけ大きくしてトルク発生,パワー発生を極力大きくできるようにし,一方,86,87の前記W相の磁極は軸方向にできるだけ狭くし始動時等に始動トルクを発生させるために活用する構成とする。このような構成とすると,始動時には両巻線82,83を活用するが,高速回転時には主として巻線82でトルク,パワーを発生させるようにすることにより,平均トルク,平均パワーの出力を極大化することが可能である。この時,2相インバータ,3相インバータ,単相インバータ2個での駆動等が可能である。
なお,ステータ磁極に永久磁石85のような永久磁石を取り付けて3相モータとすることもできる。また,図29に示すような補助的な磁路156と157,158と159,160と161に相当する磁気回路を追加することもできる。
図34,35,36,37は2相モータの例であり,各種の形態の例を示している。図40に,図34から図39までのモータの各部の横断面図の例を示している。
図34に示すモータの縦断面図においては,91と97がA相のステータ磁極,90と96がA相のロータ磁極,94がB相の巻線である。また,93と99がB相のステータ磁極,92と98がB相のロータ磁極,95がB相の巻線である。A相とB相とは電気角で90°の位相差を持つように構成されている。また,A相の構成とB相の構成とは磁気的にロータ軸方向に分離されていて,それぞれ独立に電磁気的に作用してトルクを発生する。各部の断面図を図40に示す。
図35は,図34に比較し,102,104がステータの磁束通過用磁路,101,103がロータの磁束通過用磁路であり,図33に示すような形状をしていて,ステータとロータとの間に磁束を通過させる軟磁性体で構成されている。したがって,磁束通過用磁路102,104ではトルクを発生せず,また,この部分のロータ軸方向の厚みを比較的小さくすることができる。
図36の2相モータは,図35に比較して,ステータの磁束通過用磁路106とロータの磁束通過用磁路105が,A相用とB相用G密着,あるいは,統合されている。この部分のステータとロータとの間の磁気抵抗は小さく,A相の電磁気作用とB相の電磁気的作用は,相互に影響しにくい構造となっている。
図37は,ロータ磁極およびステータ磁極の近傍で,その相の磁束φNとは電気角でほぼ180°異なる位相の磁束成分φRNを導く磁束誘導手段MRN451,452,453,454を備えている例である。図38は磁束誘導手段MRN451の円周方向形状を直線状に展開した図であり,その横軸は円周方向を電気角で表し,縦軸はロータ軸方向である。
図39は,図36に比較し,A相のロータ磁極とB相のロータ磁極が一体化され,A相とB相との共通のロータ磁極107となっている。逆に,ステータの磁束通過用磁路102,104とロータの磁束通過用磁路101,103はロータ軸方向両端に分離して配置されている。図39のモータでは,ロータ軸方向両端部は,単に磁束が通過するだけであり,大きな起磁力は作用しないので,ステータの磁束通過用磁路102,104等はモータケースを兼ねることができる。よって,小型化し易い特徴がある。また,図37に示すような磁束誘導手段を負荷することもでき,トルクを増加させることができる。なお,2相モータのA相とB相との位相差は90°とは限らず,図39のような永久磁石を活用したモータでは,平均トルクを大きくするためには位相差を90°より大きくした方がA相およびB相の鎖交磁束を大きくすることができ,有利である。ただし,その場合にはトルクリップルが大きくなるので,必要に応じて,各相電流の振幅変調などのトルクリップル低減策などを行う。
図41は,円盤状の永久磁石を挟んでロータ軸方向の両方に,2組の相のステータが配置された2相モータで,その各断面図を図42に示す。図42の(b)に示す永久磁石115に対し,図42の(a)に示すA相のステータ磁極114と図42の(c)に示すB相のステータ磁極117は,相対的に位相の差を電気角で90度にしている。そして,両相の磁束誘導手段113,116を通る磁束はロータ111へ導かれる構成としている。図41のモータの特徴は,永久磁石を通る磁束が両方のステータおよびロータを通過するように配置されていて,同一の磁石を2つの相が有効に,効率良く使用している点である。通常,2相モータは位相差が90度であるため,共通の磁石を有効に使用することが難しい。しかし,図41の場合は磁石の表側の磁束をA相が活用し,裏側の磁束をB相が活用しているので,磁石を効率よく使用することができる。
図43は,図41に比較して,中央部に配置されている永久磁石が2組の永久磁石119,120となっていて,両磁石間には軟磁性体のバックヨーク118が配置されている例である。図43のモータの各断面図を図44に示す。この構成のモータの場合,磁束誘導手段である磁極113,116が無くても磁束はバックヨーク118を介して存在することができるので,2相モータとして機能することができる。ただし,これらの磁極113,116を配置した方が不要な漏れ磁束を低減できるので,トルクを大きくすることができる。また,軟磁性体部118は,永久磁石119,120を強固にロータへ固定するための補強材の役割もなしている。
また,図43の構成のモータは,3相のモータを構成することもできる。具体的には,ステータ磁極114をU相の磁束の位相に配置し,ステータ磁極117をW相の磁束の位相に配置し,他の残りの磁束は磁束誘導手段である磁極113,116を介してロータ111へ導く構成とする。このような構成とすることにより,モータのロータ軸方向両端と中央部との3方向へ,それぞれ,120°ずつ位相の異なる磁束が分布されることになる。そして,永久磁石の磁束を効率よく活用したモータを構成することができる。
図45は,図41に比較し,図41のロータ111が排除され,ステータ側だけで磁路を構成した2相モータの例である。図46はその断面図である。139はA相のステータ磁極で,138は位相が180°異なるステータ磁極である。141はB相のステータ磁極で,140は位相が180°異なるステータ磁極である。図41に比較して,磁束誘導手段が不要であり,簡素化される。その他の特徴は,図41のモータの特徴と類似する。
図47は,図41のモータの磁束誘導手段283,285,磁束通過用磁路280,281,280B,281Bの配置位置,形状を変形した例である。
図49は,図47のモータにおいて,永久磁石286の表裏の両側でU相磁束,V相磁束,W相磁束を取り出し,分離して使用する3相のモータの例である。円盤状の永久磁石の軸方向両側の磁束をトルク発生に有効活用する構造となっている。例えば,U相の位相の磁束は磁石の両面に電気角で180°の位相差を持って生成されるので,磁石両面にU相のステータ磁極288を配置して磁束通過用磁路286,287の方へU相磁束を導く構成とし,巻線292へ通電する電流により電磁気的に作用させる構造としている。W相についても同様に,ステータ磁極290でW相の磁束を磁石の両面から導き,磁束通過用磁路286B,287Bの方へW相の磁束を導く構成とし,巻線293へ通電する電流により電磁気的に作用させる構造としている。V相の磁束成分については,ステータ磁極289,291を通ってロータ側へ導かれる構成となっている。図50は各部の断面図である。図51は,周方向の直線状に展開して,永久磁石と各相のステータ磁極の配置関係を示した図であり,永久磁石の片側のU,V,W相のステータ磁極を実線で示し,永久磁石の反対側のU,V,W相のステータ磁極を波線で示している。磁石の表側と裏側とでは,例えば,U相の磁極の位置が電気角で180°異なる位置に配置されることが分かる。図49の構成のモータは,磁石の表裏の磁束を有効に活用するので,連続トルクを増加させることができる。ただし,モータが複雑になるという問題はある。
図52は,2相のモータの例であり,124はA相のステータ磁極,125はB相のステータ磁極,123は永久磁石であってロータ磁極を構成している。A相とB相とは電気角でほぼ90°の位相差を持つように配置されている。図53はその断面図である。
図54は2相モータの例であり,両相の位相差が電気角でほぼ90°に配置されている。図55はそれらの断面図である。なお,両相の位相差を電気角でほぼ120°として,前述の2線式3相モータと同様に,3相モータとして作用させることもできる。
図56は3相モータの例であり,両相の位相差が電気角でほぼ120°に配置されている。図57はそれらの断面図である。U相ステータ磁極272,V相ステータ磁極273,W相ステータ磁極274が相対的に電気角で120°ずつの位相差を持っている。
図58はA相,B相の2相モータの例であり,図59はその断面図を示す。図60は両相のステータ磁極129,130の位置関係を,周方向を直線状に展開して示した図である。図61はA相の誘起電圧AS,B相の誘起電圧BSの例を示す図である。A相ステータ磁極とB相ステータ磁極が接近していて,相反する問題がある。位相差を90°とするとステータ磁極の周方向角度幅θwが小さくなってしまうという問題があり,一方,両相の位相差(90°+θ1)≒θwを大きくして平均トルクを大きくできる構造とするとトルク出力が小さくなる回転角が出てきて,始動時の回転位置によっては始動できないことがある,あるいは,トルク脈動が大きいという問題がある。始動トルクは定格トルクの20%である用途も多く,両相の位相差(90°+θ1)が170°以下であれば,多少のインバータの電流容量を大目にみておけば,最悪の回転位置での始動においても定格トルクの20%のトルクで始動が可能である。また,平均トルクは,単純論理的には,両相の位相差(90°+θ1)が180°となって,両相のステータ磁極の周方向幅が180°となれば最大の平均出力トルクを得ることができる。ここで,どの程度の磁極幅θwでどの程度のトルクが得られるかについて考えてみると,単純論理的に巻線係数が3/4となる磁極幅θwは,97.2°であり,100°以上であれば論理的に計算される最大の平均トルクに対して75%以上の平均トルクが得られることになる。結論として,100°≦(90°+θ1)≦170°であれば始動トルクが定格トルクの20%以上で得られ,平均トルクも原理的な最大値の75%以上で得られることになる。
図62は,本発明の3相モータの例である。U相のステータ磁極およびロータ磁極部の拡大図を図63の(a)に,各部の断面図を図63の(b),(c),(d)に示す。466は円盤状の永久磁石で表裏両面の磁束が活用されており,464,465がU相の磁束を導き,462,463がU相の逆相の磁束をロータ461へ比較的小さなエアギャップ部を介して導いている。このように,磁石両面の磁束を有効に活用することができ,U相巻線62もロータの内部側まで配置することができ,巻線断面積を大きくできるので,大きな連続トルクの発生が可能である。V相,W相についても,U相と同様に,永久磁石467,468の表裏の磁束をそれぞれに活用して効果的に電磁気的作用を行わせることができる。また,巻線82,83の電流の制御は,図27,28に示すモータで説明したように,2つの巻線へ3相電流を2相の電流のように合成して通電することにより,3相のそれぞれの磁極へ3相の起磁力を印加することができる。
また,V相の磁極を単に軟磁性体の対向面へ変更すること,あるいは,U相とW相の相対的位相差を90°として2相モータへ変形することも可能である。
図64は本発明の2相モータの例である。各断面図を図65に示す。194,207はロータの支えで,192,219はロータである。永久磁石199,201では磁石の方向が内径側から外径側に向かってN極が向いている。まず,図65の(a)の断面CO−COについて説明する。この回転位置での内径側の磁気回路は,永久磁石199と永久磁石201がラジアル方向に対向し重なっていて,軟磁性体部200,202が対向しているので,自由に磁束が行き来できる状態となっている。従って,この内径側の部分でのトルク発生は無い。一方,外径側の磁気回路については,永久磁石195,197は永久磁石のN極が内径側に向いていて,永久磁石195,197の両方が,それぞれ,軟磁性体部198,196に対向していて,両磁石195,197により円周方向全面にわたって内径側へN極が向いているので,断面CO−COの全体としてみても外径側から内径側へ磁束が通っていることになる。この関係はロータ194が電気角で180°回転すると逆の関係となり,断面CO−COの全体としてみても内径側から外径側へN極が向いていて,その方向へ磁束が通っていることになる。このように回転とともに,内径側から外径側へ通過する磁束が変化するように構成されている。巻線205の電流でこの磁気回路に起磁力を印加し,トルクを生成することができる。
図65の(b)に示す断面CP−CPの構成は,断面CO−COで示される状態よりも電気角で90°時計回りへロータが回転した位置となっていて位相が90°異なる関係となっている。電磁気的な作用のさせ方は,断面CO−COと全く同じである。内径側の磁気回路で212と214は外径側にN極が向いた永久磁石で,213と215は軟磁性体部である。外径側の磁気回路で208と210は外径側にS極が向いた永久磁石で,209と211は軟磁性体部である。両磁極と両巻線で2相のモータが構成されている。
この構造のモータは,作用する磁気回路のほぼ全面が対向しているので,空間部の漏れ磁束が非常に少なく,ステータ磁極の相間の漏れ磁束もステータ磁極が分離されていることから少なく,各磁気回路も必要に応じて磁路断面積を変える自由度があり,各相の巻線も単純な構成でかつ十分な導体断面積を確保できる構成となっている。その結果,このモータには,大きな最大トルクの出力と大きな連続トルクの出力とを得ることが可能であるという特徴がある。
また,図64は永久磁石を含む磁路構成が2組配置された2相モータであるが,同様の磁気回路構成を3組配置して3相モータとすることもできる。
図66は本発明の3相モータの例である。ある回転位置における各部の断面図を図67に示す。図67に示すステータ磁極とロータ磁極は,図65に示した磁極の構成と類似した構成の磁極をU相,V相,W相にそれぞれ持っており,ロータ軸1の回転とともに各相の磁束が変化する構成となっている。222はU相のロータ磁極,223はU相のステータ磁極,224はV相のロータ磁極,225はW相のステータ磁極,226はW相のロータ磁極,227はW相のステータ磁極,228,229は巻線である。
図67の(a)はU相の断面図の例であり,この回転位置では,永久磁石230と232がお互いに異なる回転位置にあり,231と233が軟磁性体なので,永久磁石230,232によって磁束が円周方向の全面にわたって内径側から外径側へ通ることになる。大きな磁束が内径側から外径側へ通っている。図67の(b)に示すV相の磁極は,ロータがU相に比較して電気角で120°時計回りに回転した位置にあり,軟磁性体部235と237が半分ほど対向しているので,やや磁束の方向に自由度がある。図67の(c)に示すW相の磁極は,ロータがU相に比較して電気角で240°時計回りに回転した位置にあり,軟磁性体部239と241が半分ほど対向しているので,やや磁束の方向に自由度がある。このような磁束が回転と共に変化し,巻線228,229により3相の起磁力を各3相磁気回路に印加することにより3相のモータを構成することができる。
また,図64〜67に示した磁気回路の構成では,各磁束が正弦波状には変化せず,多くの高調波を含んだ特性となる。したがって,トルクリップルが発生する。これを解決するための一方法として,各磁石および各軟磁性体部のロータ軸方向形状を磁束が正弦波的に変化するように変形することが挙げられる。また,ステータ磁極とロータ磁極とが対向するラジアル方向の形状を変え,エアギャップを変えることにより,磁束の回転変化を正弦波的に工夫することもできる。また,他の方法として,この3相のモータをさらに多相化することにより高調波分をキャンセルする方法も挙げられる。多相化によってもトルクリップルの低減が可能である。
図68は本発明の2相モータの例である。各断面図を図69に示す。断面CA−CA,CB−CBで示される磁路でA相の構成をなし,断面CC−CC,CZ−CZで示される磁路でB相の構成をなしている。A相とB相とが磁気的に干渉しない構成となった例である。244はA相のステータ磁極,243はロータ磁極である。246もA相のステータ磁極であり,245はロータ磁極である。図69の(a)と(b)の断面図から分かるように,磁石と軟磁性体部の対向関係が電気角で180°異なる関係となるように構成している。図69の回転位置においては,ロータ磁極243側からステータ磁極244側へ磁束が通り,ステータ磁極246そしてロータ磁極248を通ってロータ磁極243へ戻ってくる。ロータが電気角で180°回転すると,磁束の方向が全く反対方向に変化する関係となっている。248,250のB相のステータ磁極,247,249のB相のロータ磁極についても同様の関係となっており,A相に比較して,相対位相が90°異なる関係となっている。253,255,257,259,261,263,265,267は永久磁石である。254,256,258,260,262,264,266,268は軟磁性体部である。
図70は本発明の3相モータの例である。307,309,311はそれぞれU相,V相,W相のステータ磁極で,301,302はU相のロータ磁極,303,304はV相のロータ磁極,305,306はW相のステータ磁極である。ステータ磁極図71はステータ磁極307を取り出した斜視図である。永久磁石313の磁石は図示する方向に向いていて,軟磁性体部314がS極,軟磁性体部315がN極となっている。N極,S極ともに軟磁性体なのでステータ磁極はその四方が磁極となりうる。ロータ磁極の構造はその側面図の例を図72に示すように,各相のロータ磁極は電気角で180°位相の異なる凹凸状の形状をなしている。従って,図71のステータ磁極と組み合わされると,ロータの回転とともに通過する磁束が変化する構成となっている。したがって,U相の巻線308に適切な位相で電流を流し,U相のステータ磁極301,302とロータ磁極307へ起磁力をかけることにより,トルクを発生させることができる。V相の構成,W相の構成も同じ構成となっている。これらはの各相構造は,磁気的に分離された構造となっている。そして,U相,V相,W相の構成は,ロータとステータとの相対的な位相がそれぞれ120°異なる関係に構成されており,3相のモータを構成している。
なお,ステータ磁極の軟磁性体部からの漏れ磁束を低減するために,軟磁性体部314,315の内径側,外径側に漏れ磁束を低減する方向に永久磁石を配置し,覆うことも,特性改善上有効である。また,ロータ磁極316,317の間の空間に漏れ磁束低減用の導電体LLFを配置し,ロータに取り付けることも効果的である。前記導電体LLFを通過するように磁束が増減すると,渦電流が漏れ磁束の増減を妨げるように発生するので,漏れ磁束を低減する効果が顕著である。ただし,あまり近接すると,渦電流損失が過大となるため,適切な距離と形状とが求められる。また,前記導電体LLFは非磁性体であることが好ましい。また,図70のモータ構成においては,ロータとステータの関係を逆に変形することも可能である。多極化し,トルクを増大することも可能である。また,図70のモータ構成の場合には,各磁極近傍の各種部材,モータケース300などは非磁性体である方が好ましい。
図73に示すモータは,図70に比較して,U,V,W相のロータの軟磁性体部が連結された構造となっている。モータ構造が簡素化されている。図73のモータの部分拡大図を図74,図75に,各断面図を図76に示す。
図74は,図73のモータの部分拡大図であり,各相の磁束φ,φ,φと巻線に流す電流I,I,Iを付記している。図75では図74のモータの磁束φの方向と電流Iの方向とを逆の方向としている。このような配置とすると,磁路32Aと32Bを通る磁束の大きさを1/1.732倍と小さくすることができ,磁路32Aと32Bの断面積を細く(又は小さく)することができる。
図77は,2つのステータ磁極,ロータ磁極の位相差が電気角で120°となる構成であり,3相モータの例である。図78はその部分拡大図である。図77の中央の磁極332は少し複雑な形状で,紙面で上側は図73の断面DG−DGの形状をなし,紙面で下側は断面DH−DHの形状をし,U相のステータ磁極334とW相のステータ磁極335の両方に対応した形状となっている。図77のその他の部分の形状は図73の該当する部分の形状と同じであり,各部の断面形状は図76の断面図の通りである。そして,図78に付記するように,各磁束φ,φ,φは図に示す通りであり,巻線336,337の電流は,それぞれ,I−I,I−Iである。
なお,図77のモータは,2つのステータ磁極,ロータ磁極の位相差が電気角で90°となる構成として2相モータの構成とすることもできる。
図79は本発明の3相モータの例であり,図80の(a),(b),(c)は各部の断面図である。これらのロータ磁極とステータ磁極の動作は,図83の(a),(b)に示すように,ロータとステータとの相対位置が同じであっても,起磁力の作用する方向により磁束の通る経路が矢印で示すように変わることを利用して,トルクの発生する方向を制御できる構造となっている。したがって,励磁する電流の方向によりトルクの発生する方向を変えることができる。このような構造を図79,80に示すように3相分持つことにより,3相モータを構成することができる。
このとき,各ステータ突極は,同一のロータ回転位置で正負の両方のトルクを発生することができるので,ロータとステータの両方が突極の形状をしたリラクタンス型のモータに比較すると,概略2倍のトルクを発生することができることになる。
また,起磁力が作用しないときには,ステータに作用する磁束が少なく,いわゆる引きずりトルクが小さく,鉄損が小さいという特徴も持っている。また,表面磁石型のモータに比較して,電流が通電されていないときには誘起電圧が小さいことから,基底回転数以上の高速回転の運転も容易に可能であるという特徴を持っている。
また,図81は,図79のモータを2相化したモータの例であり,図82および図80の(d)はその断面図である。2つの相の位相の差は90°となっている。
図84はリラクタンストルクを応用する3相のモータであり,その断面図を図85に示す。ステータ磁極374,376,378およびロータ磁極373,375,377はそれぞれ同一角度周期の凹凸形状をなしており,各磁気回路の吸引力によるトルクすなわちリラクタンストルクを発生することに連続した回転力を発生させる。
図86は,図84のモータを変形した例である。
図87は,図84とは異なる形状,動作の3相モータの例である。U相磁極393,394の動作およびW相磁極397,398については図84,図86の例とほぼ同じ動作であるが,V相磁極395,396の動作は少し異なる。このV相磁極395,396でトルクを発生させる場合には,巻線391と巻線392へ逆方向の電流を通電し,V相磁極395,396ではトルクが発生するが,W相磁極397,398では不要で有害なトルクが発生しないようにする必要がある。
図88は,外径側がロータとなった,いわゆるアウターロータモータの例である。この例では,各相磁極の軸方向幅を容易に広くすることができ,トルクの向上が可能である。
図89は,ステータ磁極およびロータ磁極の形状の例である。単純化した形状で説明するために,本発明のモータの例では,磁極の形状は,図89の400のように,磁極幅は電気角で180°で円周方向を直線展開した形状図では長方形となる例で多く説明したが,401の正弦波形状,402の菱形形状,403の台形波形状,404のように長方形を傾けた形状などが可能である。なお,よりなめらかな回転を実現するためには,401の正弦波形状が好ましいことが多い。菱形形状402,台形波形状403は正弦波にかなり近い形状であり,特に角部を波線形状のように丸みを持たせることにより正弦波形状により近い特性とすることができる。また,磁極形状の周方向幅は電気角で120°から180°で示したモータ例が多いが,特に限定されるものではない。しかし,巻線係数を大きくするためには180°が好ましい。
図90はモータの横方向断面図の例であるが,ステータ磁極,ロータ磁極ともに周方向に丸みを持たせることにより,トルクリップルを低減し,径方向の極端に大きな磁束の変化率を適切な程度に低減して径方向吸引力の変化率を低減し,振動を低減できる。
図91はいわゆるハルバッハ構造の永久磁石の配置例である。磁極の中央部の磁束密度が高く,磁極の境界部は周方向に磁束が導かれる構造となっており,モータの磁極に利用することにより,モータトルクの向上,トルクリップルの低減が可能である。また類似の特性を得る磁極の例として,永久磁石の異方性を磁石の中央に向かうような構造として,前記のハルバッハ構造と同様の効果を得る,いわゆる極異方性と言われる構造を採用することもできる。本発明には,各種の磁極形状,図14〜図19,図111,図112のようなロータ構造も適用することができる。
図97に示すロータは,ロータ表面の磁束密度を高め,かつ,磁束分布を円周方向にできるだけ正弦波分布に近づけるように工夫した例である。411,412は高磁束密度の永久磁石であり,各磁石の極性の向きは付記した各ロータ磁極の極性が得られる方向に向けられている。そして,スリット409,410を設けて,軟磁性体部413,414における各磁束の円周方向の回転位置依存性を高めている。また,ロータの外周形状は,ロータ磁極中心近傍ではステータとのエアギャップ長が小さくなるように,ロータ磁極の境界部近傍ではエアギャップが大きくなるように,滑らかな凹凸形状を設けている。なお,前記スリットの配置を種々に変えることにより,磁束の分布を容易に調整することができ,各磁極のスリットの位置を微妙に調整することにより,コギングトルク,トルクリップルなどを低減することもできる。
図92はロータが外径側に配置された例で,いわゆるアウターロータモータである。図94は各部の断面図である。巻線は167,168の2組で,前述の3相モータのように,2線式の3相モータである。特に,173は各相に不要で有害な磁束を導く磁束誘導手段で,U,V,Wの3相を連結することにより,例えば図29の156,157より単純化でき,これによりモータの小型化も実現することができる。なお,同様の構造は,中央部の磁路が軸方向と径方向に分離しながら交差できるように構造を工夫する必要はあるが,2相モータでも実現することが可能である
図93は,図92の軸方向磁極幅を広げて高トルク化を図った例である。
次に,本発明モータの高トルク化,高出力化の方法について説明する。モータのトルクは,一般的に,巻線に鎖交する磁束φの回転変化率dφ/dθに比例する。θはロータ回転角である。このdφ/dθを大きくする具体的なモータ構造例として,図28などのモータのロータ突極50,54,58とステータ突極51,55,59を変形したものを図95,図96に示す。各相の突極を通過する磁束φを大きくするためには,軟磁性体の飽和磁束密度BMが有限なので,ステータ突極とロータ突極とが対向面積が広いこととその他の部分のモータの磁気回路が磁気飽和しない構造とすることが条件となる。
図95のモータでは,ロータ突極420とステータ突極421とのそれぞれの対向面積を広くするために,ステータ突極のロータ軸方向断面形状を図95に示すように凸型形状とし,ロータ突極のロータ軸方向断面形状を図60に示すように凹型形状としている。このような構造とすることにより,図28のモータに比較し,図95のモータはステータ突極とロータ突極とが対向面積が広くなり,dφ/dθを大きくすることができ,トルクの増大が可能となる。
図96に示すモータでは,ロータ突極424とステータ突極425のロータ軸方向断面形状が図96に示すように三角形状に近い台形形状となっている。この構造においても,単純論理的には,図60と同様の効果があり,さらに,ロータ突極部およびロータ突極部の近傍の磁気飽和を考える時,図61の形状の方が磁気飽和しにくいという点で優れている。
次に,本発明モータにおける軟磁性体部の磁気回路の構成例について説明する。図98は,図20,図87などのモータの横断面の例である。これらの本発明モータの一つの特性として,ステータおよびロータにおいて,磁束がロータ軸の方向へ行き来する構造,特性があげられる。従来のモータでは,平板状の電磁鋼板に平面的で2次元的な磁束を利用してモータを構成してきたが,本発明の一側面として,前記のことを含め,従来モータの制約条件を排除した新たなモータ構造を提案しているともいえる。このことから,本発明のモータにおいて,ロータ軸方向を含め,3次元的な方向の磁束の増減を許容する,渦電流が小さく低鉄損の磁気回路の実現が必要である。
図98の407Sは,ステータのコアであり,円盤状の電磁鋼板がロータ方向へ積層した構造である。したがって,このステータコア407Sを通る磁束は,円周方向,ラジアル方向には過大な渦電流を発生することなく自由に存在し,増減されることができる。408Rは,407S同様のロータコアであり,円周方向,ラジアル方向には過大な渦電流を発生することなく自由に存在し,増減されることができる。しかし,どちらも,ロータ軸方向へ磁束が増減する場合には,電磁鋼板内で渦電流を発生し,大きな鉄損を発生するという問題がある。
407,408は図99に示すような電磁鋼板を積層した部材である。このような部材を図98のモータの各部へロータ軸方向に向けて配置することにより,過大な鉄損を発生させることなく,ロータ軸方向への磁束の増減を実現することができる。ただし,ロータ軸方向の磁束の増減により電磁鋼板407S,408Rに渦電流が発生し難いように,切断面407B,408Bを設ける必要がある。この切断面を,407S,408Rの種々の場所に設け,ロータ軸方向に積層したときに重ならないように配置すれば,電磁鋼板407S,408Rの内部での磁束の通りも良く,モータの強度も得やすい。
図100は,図28のモータの軟磁性体部を圧粉磁心で製作した構成例を示す図である。破線で示すEJ−EJ,EK−EKの部分でステータコア,ロータコアを分断して製作すれば,組み立ても容易である。コア430,巻線82,コア431,巻線83,コア432の順に積層して組み立てることができる。ロータコアについても同様である。また,コアの合わせ面には,段差を作って組み合わせる構造を取ることなどにより,モータ強度を確保することも可能である。モータの軟磁性体部のコアを圧粉磁心で作ることにより,3次元方向の磁束の増減を可能とすることができ,本発明モータの構成には好適である。また,圧粉磁心は金型により成型して製作できるので,材料の歩留まりも良い。特に小型のモータでは特徴を発揮しやすい。
次に,本発明のモータを,電磁鋼板を金型で絞り加工した部品で製作する例を図101に示し,説明する。電磁気的な基本構成は図28のモータと同じである。434はA相のロータ磁極,436はA相のステータ突極,435は相互の間のエアギャップ部である。439はB相のステータ磁極,43BはC相のステータ磁極である。円周方向形状は,それらの側面形状が図30の形状であり,図101のステータ磁極では破線で示されている。43C,43Dは巻線である。
図101のモータの例では,各ステータ突極,ステータバックヨーク,ロータ磁極,ロータバックヨークが成形された各電磁鋼板とロータ軸1で構成されている。各電磁鋼板は,電磁鋼板の成形,組み立てのし易さから,継ぎ目43A,43E等で分離されていて,突き合わされている。各部の磁路は2枚の電磁鋼板で構成されていて,前記の突き合わせ部は隣接する電磁鋼板の突き合わせ部と一致しない構成として,突き合わせ部のエアギャップによる磁気抵抗の変化に対して磁束が隣接する電磁鋼板からも回り込める構成とし,磁気抵抗の増大,突き合わせ精度のばらつきによる磁気抵抗ばらつきを低減している。
なお,ロータ側の電磁鋼板をロータ軸1へ組み付けた後に,ボビンを装着し,各巻線をその外周からボビンへ巻き込む方法であれば,前記の突き合わせ部をロータから排除することもできる。その他にも,巻線コイルの組み込み順と電磁鋼板の成形の方法を工夫して,前記突き合わせ部を排除することも可能である。
図101に示すような構成のモータは,金型を使用して電磁鋼板を切断加工,絞り加工することにより製作することができるので,生産性が高く,コストを低減することができる。小型のモータで,各磁路の厚みが電磁鋼板1枚で構成できる大きさのモータの場合は特に生産性が高い。なお,使用される電磁鋼板の特性としては,電磁気的特性だけでなく,成形性に優れた材質である必要がある。
図102の(a),(b),(c)に示すモータも,電磁鋼板を折り曲げた構成440,441,442,443,445を採用したモータの例である。12は永久磁石,82,83は巻線である。
また,図101,102に示すモータの形状は例にすぎず,電磁鋼板で製作される各部品の形状は,絞り加工の容易さ,ロータ軸1,巻線553,その他,軸受け,モータケースなどの組み立ての都合などを配慮した構造とすることができる。また,各部の電磁鋼板の枚数を3枚以上の構成とすることもできる。
次に,本発明モータを構成する軟磁性材料について,図に示し,説明する。図103の(a)は,アモルファスの積層体である。アモルファスは非晶質金属ともいわれ,鉄損が小さいので高周波特性に優れている。しかし,その性質上,25マイクロメータ程度の薄膜の軟磁性体なので,接着剤などによりある程度積層して厚みを持たせ,積層体561として加工,組み立てを行った方が,モータの製作効率がよい。アモルファスの積層体561の片側あるいは両側に通常の電磁鋼板562を貼り合わせて図103の(b)あるいは(c)の形状とし,加工,組み立てを行っても良い。アモルファス積層体561と電磁鋼板562を貼り合わた複合材料とすることにより,ある程度の強度を持つ電磁鋼板562の基板にアモルファスを積層できる。また,この複合材料は,金型を使用して打ち抜き加工する時の打ち抜き性がよい。また,モータとして完成したときの特性として,高磁束密度な電磁鋼板43Fの特性と低鉄損のアモルファス積層体43Gの特性とが複合された特性を得ることができるなどの特徴がある。
また,本発明モータの軟磁性体材料として,3次元の方向の磁路を実現する具体策として,磁束の方向に制限がない圧粉磁心を使用することもできる。
図104は,巻線219,220,221を強制的に冷却する構成のモータである。図104には,巻線219,220,221がその断面が円形あるいは4角形の金属パイプで構成された例が図示されている。そして,この金属パイプの中央の穴に冷却用の気体あるいは液体あるいはミストなどの混合物を通してモータを冷却することができる。各部の断面図を図105に示す。
金属パイプの材料は,銅,アルミニュームなどが適している。銅は導電率が高いが比重が大きいので,軽量化の必要性が高い場合はアルミニュームあるいはアルミニューム合金を使用するが,アルミニュームは導電率が銅ほど高くないので発熱の問題を金属パイプと冷却媒体でカバーする。図104には,巻線221が四角形状の金属パイプの例を図示している。円形の金属パイプに比較して,四角の金属パイプは巻線間スロットのスペースをより効果的に活用することができる。
図128及び図129に示すような従来のモータの場合,巻線に銅パイプの使用することは,巻線の太さが細いのであまり現実的ではなかった。このような従来のモータを多極化すると,その断面図から容易に想像できるように,巻線の配置されるスロットのスペースはさらに狭くなっていく。しかし,本発明のモータの場合,構造的にモータの多極化が容易であり,多極化しても環状の巻線を配置するスロット形状は狭くなることはなく,変化しない。また,巻線の電圧は,磁束鎖交数Ψの角度変化率dΨ/dθに比例するので,多極化すると極数に比例して磁束鎖交数Ψの角度変化率dΨ/dθが大きくなり,各相の巻線の巻回数を小さくする必要性が出てくる。結果として,本発明モータを多極化した場合には巻線の巻回数が少なくなるので,図104の各スロットに巻回する巻線は,従来のモータに比較して,太い巻線とすることができる。また,本発明モータの巻線形状は,簡素な環状とすることができる。それらの結果,本発明モータでは金属パイプでの冷却機構を兼ねた巻線を実用的に実現できる。なお,金属パイプによって,電流の通電と冷却の両方を行う方法は,本発明の種々モータへ適用することができる。
なお,金属パイプの導体を活用した冷却の方法では,電気絶縁の問題があるので,電気絶縁性の高い冷却媒体で構成した方が好ましい。高圧空気を冷却媒体とする場合には,異物の混入を避けるためのフィルターが必要である。冷却水を使用する場合には,水の電気伝導度を低く保つ工夫が必要である。冷却油を循環させる場合は,油の電気伝導度は低いので,比較的容易である。また,巻線の端には,電流の供給線の接続に加え,電気絶縁を保ちながら,冷却媒体の注入,排出を行うための処理が必要である。
次に,本発明モータの例と,そのモータの各相のステータ磁極のロータ軸方向長さMLPについて説明する。図106は,図20のモータとは異なるステータ磁極の配置順とした4相のモータである。654はA相のステータ磁極で,655はA相とは位相が電気角で180°異なるC相のステータ磁極である。このようなステータ磁極の配置とすると,相互にステータ磁極と空間との配置関係が逆の関係になっているので,ステータ磁極の形状変更,巻線の形状変更が容易である。同様に,656はB相のステータ磁極で,657はB相とは180°位相の異なるD相のステータ磁極である。65A,65B,65Cは各ステータ磁極間に配置された巻線である。651はロータのバックヨーク部で651はロータ磁極である。
図107は,図106のモータの各ステータ磁極をロータ軸方向に拡張したモータである。そして,図107は,ステータとロータが対向するエアギャップ面の各部の円周方向形状を,直線状に展開した図であり,水平軸は回転角θを電気角で表したものであり,縦軸はロータ軸方向を示している。前記のように,各相のステータ磁極のロータ軸方向形状が図65に示した形状より大きくなり,隣接したステータ磁極側へ互い突き出た形状となっている。図106,図107のステータのロータ軸方向長さをMLとし,各ステータ磁極のロータ軸方向長さはMLPであり,相数Nは4として,MLP>ML/N=MLP/4の関係となっている。図106に示す断面図では,巻線のスペースが必要であることから,MLP<ML/N=MLP/4となるが,図107では,隣接したステータ磁極側へ互い突き出すことによってMLPを大きくしている。なお,図107の各ステータ突極上の正負のマークは磁束の通過する方向を示している。
このように,ステータ突極のロータ方向長さMLPを大きくする理由は,各ステータ突極および各巻線に鎖交する磁束φの回転変化率dφ/dθを大きくし,モータの発生トルクを大きくするためである。ここまでに示した本発明の各モータのステータについても,同様にステータ磁極形状を変形することが可能である。
651はロータで,652はロータ軸方向には同一のロータ磁極であり,図107の場合にはロータ磁極の円周方向位相は同一である。そして,1組のロータ磁極が2組のステータ磁極に対向していて,共用されている。図66の652Zはロータ突極652のN極である範囲を示している。
図107では、各巻線の形状については,巻線65Bは単純な環状の巻線であることが示されているが,巻線65A,65Cの形状は隣接するステータ磁極がそれぞれロータ軸方向へ突き出た形状となっているので,ロータ軸方向に波状の凹凸のあるループ状の巻線形状となっている。巻線65A,65Cの長さが長くなるが,鎖交する磁束φの回転変化率dφ/dθを大きくすることができる。
図106及び図107に示すモータの巻線65A,65B,65Cに流すべき電流は,図23の(c)において,それぞれ,ベクトルC,(−C−D)/2,Dで表される電流ベクトルである。巻線65Bの電流は他の電流の0.707の振幅となり,やや小さな電流である。
また,図107に示すステータの配置構成は,各ステータ磁極間にステータ磁極間の漏れ磁束を低減できるように巻線を配置することができ,ほとんどのロータ表面をステータ磁極が覆い,有効に活用し,各磁路もその断面積を適切に大きくできる構造となっているので,効果的にトルクを発生することができる。
次に,ステータ磁極間の漏れ磁束を,巻線の形状と巻線の配置により低減する方法について,図108及び図109に示し,説明する。図108は図107のRJ〜RJの断面図であり,同一部は同一符号で示している。71Aはステータのバックヨークである。655はB相のステータ突極の断面図,657はD相のステータ突極の断面図である。716,65B,65Cは各巻線の断面図である。これらの巻線の形状は,図109の(a)に示すように,平板状の形状をした導体を3ターン巻回した例である。
これらの各相の巻線は,各相のステータ磁極を遮るように配置されており,各巻線が各相のステータ磁極へ作用する起磁力については,各相のステータ磁極の先端部近傍に作用する構成とし,各ステータ磁極からロータ側へ前記起磁力が作用する構成としている。その結果,他相のステータ磁極との間の漏れ磁束を大幅に低減することができる。また,例えば,図109の(a)に示す巻線718のように平板状の巻線形状をしているので,矢印65Eで示すような漏れ磁束が増加するとき,矢印65Fに示すような渦電流が誘起され,この渦電流が前記磁束65Eの増加を妨げる効果があるので,他の相とのステータ磁極間の漏れ磁束65Eを低減させることができる。
なお,本発明モータの巻線形状は,図109の(a)等に限定されるわけではなく,図109の(b)のようにラジアル方向に分割されていても良い。現実的には,過大な渦電流65Fが発生しない程度の幅の平板状の巻線が好ましい。なお,巻線718の各部分に流れる電流は,矢印71Cのような渦電流と巻線718に通電される相電流との合成電流となる。また,各相の巻線形状は図73に示すような形状に限定されるわけではなく,各巻線がステータ磁極のオープニング部の近傍まで配置されていれば,他の相のステータ磁極間の漏れ磁束を低減する効果がある。
図110は,図1のモータあるいはそのU,V,W相のステータ磁極のロータとのエアギャップ面の形状を直線展開した図10〜図13のようなステータ磁極形状としたモータにおいて,各相の磁極の周方向間隔を電気角で240°として電気角720°の範囲に3個のステータ磁極を配置する構造とした例である。このようなモータにおける技術的に大きな課題として,各ステータ磁極間の漏れ磁束の低減と各磁路の磁気飽和の低減そして各ステータ磁極の軸方向幅を広くして巻線係数を大きくすることによるトルク増加がある。これらの課題を解決する一手法として図110に示すステータ磁極の配置,構成が有効である。
図111は,ロータ8極の範囲に9個のステータ磁極を配置した例である。図110と同様の効果があり,一つのステータ磁極の電気角幅が大きい。また,同一相のステータ磁極が電気角で異なる位相に複数のステータ磁極が配置されることからトルクリップルを低減する効果がある。このように,ロータの極数Pに対して,相数をNとして,ステータ磁極の数を(P×N/2)より小さい値として,トルクの改善,トルクリップルの低減を図ることができる。
図112は,図111のステータ磁極配置をさらに改良するもので,矢印の方向にステータ磁極を移動させることにより,ステータ磁極の周方向位置をその相の中心に近づけ,これによりトルクを向上させることができる。また,トルクリップルを低減することを目的に各ステータ磁極の周方向位置を移動させることもできる。
図113は,ごく普通の3相モータの3相インバータと3相モータの3相巻線を示している。
図114は,図1及び図6で示すモータを駆動する3相インバータと3相モータの4巻線の結線方法とモータと3相インバータ間の接続を示している。図29のモータ等の接続も同様である。
図115はこの時の電圧と電流の関係を,図116は各巻線の接続関係を示した図である。
図117は,図1のモータを図7の巻線のように2巻線化したモータ,図28のモータ,あるいは,図62などのモータを駆動するときの3相インバータへの接続関係を示す図である。図118,図119は,巻線の電圧と電流の関係,各巻線の接続方法と電流の関係を示した図である。これは,3相で2巻線のモータであり,波線で示すVvの電圧に相当する巻線は存在しない。3相のインバータは,Im=−Iu+Iv,Io=−Iw+Iu,In=−Iv+Iwの電流を各端子へ通電すればよい。巻線接続はデルタ結線で,その内の一つの巻線が欠けた状態である。記載した各電圧は,デルタ結線の中心電圧が零ボルトであると仮定した相対電圧である。巻線が2本しかないが,電圧,電流的には3相交流モータとして作用している。
図120は,図1のモータを図7の巻線のように2巻線化したモータ,あるいは,図28などのモータを駆動するインバータの例で,単相インバータを2個並列に使用する構成となっている。このような構成とすると,電流ImとInとの相対的な制約関係が全くないので,モータの端子電圧と同一の位相の電流を通電し,各相の力率を最大とした高効率駆動が可能となる。各相を正弦波駆動すると出力トルク,出力が大きい回転角と小さい回転角とが出てくるので,その分だけ,電流の振幅補正などを加えることにより均一なトルク,出力を得ることが可能である。
また,図113に示す駆動回路を使用する場合は,モータ設計においても自由度が増し,例えば,U相,W相の周方向磁極幅を広げV相の磁極幅を狭くすることも可能である。あるいは,3相の位相を120°ピッチの位置から周方向へシフトすることも可能である。
また,周方向に複数の同相のステータ磁極があるので,3相の位相を120°ピッチの位置から周方向へシフトし,全周の同相の磁極の磁束を合計すると元の基本位相になるような構成とすることもできる。このような構成とすると,設計自由度が増すので,特に問題となる隣接するステータ磁極間の漏れ磁束を低減するための隙間を十分な大きさにすること,同相のステータ磁極が異なる位相に配置されることによる電圧,トルクの高調波成分の除去によるトルクリップルの低減,ステータ磁極幅を適切化することによる巻線係数の向上などが可能である。なお,この場合には,図110に示す通常の3相インバータを活用することができる。
以上,本発明に関する種々形態の例について説明したが,本発明を種々変形することも可能であり,そのような変形例も本発明に含まれる。例えば,相数については3相,6相について多く説明したが,2相,4相,5相,7相,さらに相数の大きい多相が可能である。小容量の機器においては,コストの観点から部品点数が少ないことが望ましく相数の少ない2相,3相が有利であるが,トルクリップルの観点あるいは大容量機器の場合の1相のパワーデバイスの最大電流制約の点等の観点からは,相数が多い方が有利なこともある。極数についても限定するものではなく,特に本発明モータにおいては原理的に極数を大きくした方が有利である。しかし,物理的な制約,漏れ磁束などの悪影響,多極化による鉄損の増加,多極化による制御装置の限界などがあるので,用途およびモータサイズに応じた適正な極数を選択することが望ましい。また,ロータの種類について,図14〜図19,図111及び図112に示したが,本発明は,ロータに巻線を持った巻線界磁型ロータ,軸方向端に固定された界磁巻線を持ちギャップを介してロータに磁束を作り出すいわゆるクローポール構造ロータなどの種々ロータへの適用が可能である。永久磁石の種類,形状についても,限定されるものではない。
モータの形態についても,種々の形態が可能であり,ステータとロータとの間のエアギャップ形状で表現して,エアギャップ形状が円筒形であるインナーロータ型モータ,アウターロータ型モータ,エアギャップ形状が円盤状であるアキシャルギャップ型モータ等に変形できる。また,エアギャップ形状が円筒形状をややテーパ状に変形したモータ形状も可能であり,特にこの場合には,ステータとロータとを軸方向に移動させることによりエアギャップ長を変化させることができ,界磁の大きさを変化させモータ電圧を可変することが可能である。このギャップ可変により定出力制御を実現することが可能である。
また,本発明のモータを含む複数のモータを複合して製作することが可能である。例えば,内径側と外径側に2個のモータを配置する,あるいは,軸方向に複数のモータを直列に配置することが可能である。また,本発明モータの一部を省略して削除した構造も可能である。軟磁性体としては,通常の珪素鋼板を使用する他に,アモルファス電磁鋼板,粉状の粉末軟鉄を圧縮成形した圧紛磁心等の使用が可能である。特に小型のモータにおいては,電磁鋼板を打ち抜き加工,折り曲げ加工,鍛造加工を行なうことにより,3次元形状部品を形成し,前述の本発明モータの一部の形状を成さしめることもできる。
モータの巻線については,ループ状の巻線を多く記述したが,必ずしも円形である必要はなく,楕円形,多角形,磁気回路の都合などによりロータ軸方向に部分的な凹凸形状が設けられた形状等の多少の変形は可能である。また,例えば180°位相の異なるループ状巻線がステータ内にある場合は,半円状の巻線として180°位相の異なる半円状巻線に接続して閉回路とすることにより,ループ状巻線を半円状巻線に変形することも可能である。さらに分割して,円弧状巻線に変形することも可能である。また,各ループ状巻線がスロットの中に配設された構成のモータについて説明したが,スロットのない構造でステータのロータ側表面近傍に薄型の巻線を配置した構造のモータで,いわゆるコアレスモータとすることも可能である。モータに通電する電流については,各相の電流が正弦波状の電流であることを前提に説明したが,正弦波以外の各種波形の電流で制御することも可能である。これらの種々変形したモータについても,本発明の趣旨が貫かれている限り、本発明に含まれる。
本出願は、特願2005−131808(2005年4月28日出願),特願2005−144293(2005年5月17日出願),特願2005−151257(2005年5月24日出願)及び特願2005−208358(2005年7月19日出願)に基づくものであり,これらの出願による開示のすべては,参照により本出願に組み入れられる。
また,本出願に係る発明は,請求の範囲によってのみ特定され,明細書や図面に記載された実施の態様等に限定的に解釈されることはない。

Claims (37)

  1. 円周方向にN極とS極とが交互に配置されたロータ磁極群を有するロータと,
    相毎に複数個のステータ磁極が円周上あるいは近傍の円周上であって電気角でほぼ同一角度の回転位相の位置に配置されたN個(Nは正の整数)のステータ磁極群と,
    各相の前記ステータ磁極群の間であって軸方向に沿って配置され,軸方向両端に配置された2N個のほぼループ状の巻線と,
    前記ステータ磁極群に対向して配置されたロータ磁極群と,
    を備えることを特徴とするモータ。
  2. 円周方向にN極とS極とが交互に配置されたロータ磁極群を有するロータと,
    相毎に複数個のステータ磁極が円周上あるいは近傍の円周上であって電気角でほぼ同一角度の回転位相の位置に配置されたN個(Nは正の整数)のステータ磁極群と,
    各相の前記ステータ磁極群の間であって軸方向に沿って配置され,軸方向両端に配置された2N個のほぼループ状の巻線と,
    前記ステータ磁極群に対向して配置されたロータ磁極群であって,ロータ磁極群のステータ磁極に対向する面には円周方向と直角な方向に凹部が設けられたロータ磁極群とを備え,
    前記ループ状巻き線はステータに固定されていて,ループ状巻線の全てあるいは一部が前記のロータ磁極群の凹部へ突き出て配置されていることを特徴とするモータ。
  3. 請求項1又は2において,前記各相のループ状巻線の内,同一空間に位置する2個以上のループ状巻線が1個のループ状巻線に統合されていることを特徴とするモータ。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて,ロータ軸方向に沿った両端のそれぞれに配置された前記ステータ磁極群の外側に配置された前記ループ状巻線を取り除いたことを特徴とするモータ。
  5. 請求項4において,
    円周方向にN極とS極とが交互に配置されたロータ磁極群を有するロータと,
    相毎に複数個のステータ磁極が円周上あるいは近傍の円周上であって電気角でほぼ同一角度の回転位相の位置に配置されたN個のステータ磁極群と,
    各相の前記ステータ磁極群の間であって軸方向に沿って配置されたほぼループ状の巻線とを備え,
    隣接する2組のステータ磁極群の相互の位相差がほぼ180°であることを特徴とするモータ。
  6. U相,V相,W相の3相交流モータであって,
    円周方向にN極とS極とが交互に配置されたロータ磁極群を有するロータと,
    複数個のステータ磁極が円周上あるいは近傍の円周上であって電気角でほぼ同一角度の回転位相の位置に配置されたU,V,W相の3個のステータ磁極群と,
    各相の前記ステータ磁極群の間であって軸方向に沿って配置され,軸方向両端に同一相が配置されたU相とV相用のループ状巻線とV相とW相用のループ状巻線とを備え,
    各相のステータ磁極群とロータ磁極群とが対抗して配置され,かつ,他相のステータ磁極群とロータ磁極群とは分離されて配置されていることを特徴とするモータ。
  7. A相,B相の2相交流モータであって,
    円周方向にN極とS極とが交互に配置されたロータ磁極群を有するロータと,
    複数個のステータ磁極が円周上あるいは近傍の円周上であって電気角でほぼ同一角度の回転位相の位置に配置されたA,B相の2個のステータ磁極群と,
    各相の前記ステータ磁極群の間であって軸方向に沿って配置され,軸方向両端に同一相が配置されたA,B相の2個のループ状巻線とを備え,
    A相のステータ磁極群とロータ磁極群とが対向して配置され,かつ,B相のステータ磁極群とロータ磁極群とは分離されて配置されていることを特徴とするモータ。
  8. 請求項1〜7のいずれかにおいて,
    ロータのバックヨークに磁気的につながっていて,かつ,ステータの軟磁性体部にロータとステータ間のエアギャップ部を介して対向した軟磁性体部(RSP1)と,
    ステータのバックヨーク部に磁気的につながっていて,かつ,ロータの軟磁性体部にロータとステータ間のエアギャップ部を介して対向した軟磁性体部(SSP1)とを,備えることを特徴とするモータ。
  9. 請求項1〜8のいずれかにおいて,ひとつの相のロータ磁極およびステータ磁極の近傍で,その相の磁束φNとは電気角でほぼ180°異なる位相の磁束成分φRNを導く磁束誘導手段MRNを備えることを特徴とするモータ。
  10. 請求項1〜9のいずれかにおいて,
    永久磁石を含んで構成され,表裏両面の磁束が活用できる構造であって,各相共通に使用される磁極群PMP1と,
    前記磁極群PMP1に対向して配置される各相の磁極群PMP2と,
    を備えることを特徴とするモータ。
  11. 請求項10において,前記磁極群PMP2は該当する相のループ状巻き線を周回するループ状の磁路を構成していることを特徴とするモータ。
  12. 請求項1〜11のいずれかにおいて,
    永久磁石を含んでN,S極を円周方向に交互に構成する各相共通の磁極群PMP3と,
    前記磁極群(PMP3)に対向して配置され,各相の位相の磁束を誘導できる円周方向回転位置にその相の磁極を選択的に配置した磁極群(PMP4)と,
    を備えることを特徴とするモータ。
  13. 請求項1〜9のいずれかにおいて,
    永久磁石を含んでN,S極を円周方向に交互に構成する各相共通の磁極群PMP5と,
    前記磁極群PMP5に対向して配置され,各相の位相の磁束を誘導できる円周方向回転位置にその相の磁極を電気角でほぼ360°周期に配置した磁極群PMP6と,
    を備えることを特徴とするモータ。
  14. 請求項1〜5及び7〜13のいずれかのA,B相の2相モータおいて,A相の磁極群とB相の磁極群との円周方向位相差が100°以上で170°以下であることを特徴とするモータ。
  15. 請求項1〜8のいずれかにおいて,
    永久磁石を含んで構成され,表裏両面の磁束が活用できる構造であって,各相それぞれに配置された磁極群(PMP7)と,
    前記磁極群(PMP7)に対向して相毎に配置された各相の磁極群(PMP8)と,
    を備えることを特徴とするモータ。
  16. 請求項1〜8のいずれかにおいて,
    軟磁性体部と磁極の向きが円周方向と直交する方向に向いた永久磁石部とが円周方向に交互に配置された磁極群(PMP9)と,
    前記磁極群PMP9と対向して配置された同様の磁極群(PMP10)と,
    を備えることを特徴とするモータ。
  17. 請求項1〜8のいずれかにおいて,軟磁性体部と磁極の向きがこの軟磁性体部の方向に向いた永久磁石部とが,円周方向に交互に配置されていて,前記軟磁性体部が円周方向に交互にN極とS極を構成する磁極群(PMP11)を備えることを特徴とするモータ。
  18. 請求項1〜8のいずれかにおいて,
    軟磁性体部と磁極の向きがこの軟磁性体部の方向に向いた永久磁石部とが,円周方向に交互に配置されていて,前記軟磁性体部が円周方向に交互にN極とS極を構成し,前記軟磁性体部は相互に磁気的に結合された磁極群(PMP12)と,
    前記磁極群(PMP12)に対向して配置された電気角で360°ピッチで配置された突極磁極群軟磁性体の軟磁性体部と磁極の向きがこの軟磁性体部の方向に向いた永久磁石部とが,円周方向に交互に配置された磁極群(PMP13)と,
    を備えることを特徴とするモータ。
  19. 請求項1〜6,8のいずれかにおいて,
    円周方向に凹凸状の軟磁性体を備えるロータの磁極群(PMP14)と,
    円周方向に凹凸状の軟磁性体を備えるステータの磁極群(PMP15)と,
    を備えることを特徴とするモータ。
  20. 請求項1〜19のいずれかにおいて,各ロータ磁極とステータ磁極が対向する面の周方向に直交する方向の長さ,あるいは,ロータとステータ間のギャップの大きさが周方向になめらかに変化する構造であることを特徴とするモータ。
  21. 請求項1〜19のいずれかにおいて,ロータが外周側に配置され,ステータが内周側に配置されていることを特徴とするモータ。
  22. 請求項1〜19のいずれかにおいて,ロータの磁極およびステータの磁極の対向する部分の形状が1個以上の凹凸形状となっていることを特徴とするモータ。
  23. 請求項1〜9のいずれかにおいて,モータの軟磁性部の部材として軸方向に直角な方向に配置される電磁鋼板(SP1)を使用し,電磁鋼板(SP2)を前記電磁鋼板(SP1)の穴部あるいは凹み部に前記電磁鋼板SP1に交差する方向に配置することを特徴とするモータ。
  24. 請求項1〜19のいずれかにおいて,軟磁性金属粉末を圧縮成型した部材を使用することを特徴とするモータ。
  25. 請求項1〜19のいずれかにおいて,ステータとロータの磁路の一部あるいは全てが電磁鋼板をプレス成形加工あるいは折り曲げ加工により製作された部品で構成されていることを特徴とするモータ。
  26. 請求項1〜19のいずれかにおいて,電磁鋼板とアモルファス薄板とを積層した軟磁性部材を使用して構成されたモータ。
  27. 請求項1〜19のいずれかにおいて,モータの巻線の一部あるいは全てが金属パイプで構成され,導体である前記金属パイプに液体あるいは気体を通過させる構造の冷却機構を備えることを特徴とするモータ。
  28. 請求項1〜19のいずれかにおいて,ステータのロータ軸方向長さMLとし,ステータの電気角でほぼ同一の円周上に配置された複数の突極からなるステータ突極群の数をSNとし,各ステータ磁極群のロータ軸方向長さをMLPとするとき,MLP>ML/SNの関係が成立することを特徴とするモータ。
  29. 請求項1〜19,28のいずれかにおいて,各巻線の形状は,各相のステータ突極の配置およびステータ突極のロータ軸方向形状の凹凸に応じて,ロータ軸方向に凹凸を持つほぼ環状の巻線であることを特徴とするモータ。
  30. 請求項1〜19,28及び29のいずれかにおいて,巻線が平板状の導線で構成されていることを特徴とするモータ。
  31. 請求項1〜19のいずれかにおいて,同相のステータ磁極のピッチが電気角で720°ピッチに配置されていることを特徴とするモータ。
  32. 請求項1〜19のいずれかにおいて,N相のモータでP極モータであるとき,ステータ磁極の数は「P×N/2」より小さいことを特徴とするモータ。
  33. 請求項32において,前記磁極(SPP)はほぼ均等に円周方向に配置され,各磁極(SPP)の相は電気角的に近い相の磁極とし,各磁極の回転方向の位置が,力率が改善される方向に移動されていることを特徴とするモータ。
  34. 請求項1〜19のいずれかにおいて,2相あるいは3相のモータの2本の巻線を直列に接続し,両端と接続部の3点に3相インバータの出力を接続して制御することを特徴とするモータの制御装置。
  35. 請求項1〜19のいずれかに記載のN相のモータと,電流のオン,オフ制御が可能な電力素子TRが電源の端子(VP,VN)へ直接あるいは間接に2個直列に接続された電圧可変ユニット(VVU)をN個備え(Nは正の整数),前記のN相のモータの巻線を,スター結線をした(N−1)個の端子とスター結線の中心の点(NN)との合計N個の端子の合計N個の端子を前記のN個の電圧可変ユニット(VVU)へ接続して,電圧,電流を制御することを特徴とするモータとその制御装置。
  36. 請求項1〜19のいずれかに記載のN相(Nは正の整数)のモータと,電流のオン,オフ制御が可能な電力素子TRが電源の端子(VP,VN)へ直接あるいは間接に2個直列に接続された電圧可変ユニット(VVU)をN個備え,「N−1」個の巻線の端子をデルタ結線をした各接続部の「N−2」個の端子とN番目の巻線が配置されるべき部分の2個の合計N個の端子を前記のN個の電圧可変ユニット(VVU)へ接続して,電圧,電流を制御することを特徴とするモータとその制御装置。
  37. 請求項1〜19のいずれかに記載のモータにおいて,2個以上のモータおよび構成技術を組み合わせたことを特徴とするモータ。
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