JPWO2006121131A1 - プラズマドーピング方法およびプラズマドーピング装置 - Google Patents

プラズマドーピング方法およびプラズマドーピング装置 Download PDF

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Abstract

プラズマ処理を繰り返しても、膜からシリコン基板へのドーズ量が毎回同一となるようにすることができるプラズマドーピング方法を提供する。 本発明のプラズマドーピング方法は、真空容器内の試料電極に試料を載置し、真空容器内にプラズマを発生させ、プラズマ中の不純物イオンを試料の表面に衝突させて試料の表面に不純物導入層を形成するプラズマドーピング方法であって、真空容器の内壁に固着した前記不純物を含む膜がプラズマ中のイオンで叩かれることによって、前記試料の表面にスパッタリングで導入される不純物の量が前記不純物イオンを含むプラズマを真空容器内部で繰り返し発生させても変化しないように内壁に前記不純物を含む膜を備えた真空容器を用意するメンテナンス工程と、試料電極に試料を載置する工程と、不純物イオンを含むプラズマを照射して前記試料に不純物イオンを打ち込むと共に真空容器の内壁に固着した不純物を含む膜からのスパッタリングで不純物を前記試料に導入する工程とを含む。

Description

本発明は、プラズマドーピング方法、この方法に用いられるプラズマドーピング装置およびこの方法で形成されたシリコン基板に係り、特に不純物を半導体基板等の固体試料の表面に導入するプラズマドーピングを行う方法に関する。
不純物を固体試料の表面に導入する技術としては、不純物をイオン化して低エネルギーで固体中に導入するプラズマドーピング(PD)法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
一方、不純物を導入する方法として、現在最も広く用いられている方法はイオン注入法である。プラズマドーピング法は、例えば非特許文献1にあきらかなように、ITRS2003でも引き続きイオン注入の次世代の不純物導入技術として記載され、イオン注入法とは異なる不純物導入技術である。
以下にイオン注入とプラズマドーピングの技術的相違点を少し詳細に説明する。
イオン注入法においては、ガスからプラズマを発生させるイオン源と、イオン源から引き出したイオンから所望のイオンだけを選別するために質量分離する分析磁石と、所望のイオンを加速する電極と、加速した所望のイオンをシリコン基板に注入するプロセスチャンバーとを有する装置構成が用いられる。イオン注入において不純物を浅く注入するためには、イオン源からイオンを引き出すエネルギーと加速エネルギーとを小さくすれば良い。
しかし、引き出しエネルギーを小さくすると引き出されるイオンの数が減少してしまう。さらに、加速エネルギーが小さくなるとイオンビームをイオン源からウェハに輸送する間にイオン同士の電荷による反発力でビーム径が広がってしまい、ビームライン内壁に衝突するなどして多数のイオンが失われてしまう。そのため、注入処理のスループットが低下してしまう。例えばB+イオンを注入する場合では、加速エネルギーが2keV以下になるとスループットが低下し始め、0.5keV以下になるとビームの輸送自体が困難になる。しかし、0.5keVまで低エネルギー化しても20nm程度の深さまでBが注入されてしまう。つまり、これよりも薄いエクステンション電極を作りたい場合には生産性が極端に低下してしまうという課題がある。
これに対してプラズマドーピング法においては、シリコン基板を内部に配置できるような円柱形状の真空容器にプラズマを誘起するプラズマ発生源と、シリコン基板を配置するバイアス電極と、バイアス電極の電位を調整するバイアス電源を有する装置構成が用いられる。分析磁石も加速電極も有しない、イオン注入と全く異なる装置構成である。真空容器にプラズマ源とウェハホールダを兼ねたバイアス電極を設置し、プラズマとウェハの間に発生するポテンシャルでイオンを加速して導入する。これにより、低エネルギーのプラズマを直接使用することができるので、イオン注入と比較して大量の低エネルギーイオンをウェハに照射できる。つまりドーズレートが桁違いに大きいという特徴がある。この特徴により低エネルギーのB注入でも高いスループットを維持できる。
さらに、本発明者らは、プラズマドーピング法を応用して、極めて浅くて且つ低抵抗のソース・ドレインエクステンション電極を形成するプロセス技術を開発した。この新規プロセス技術は、新規で特段の効果があるプロセス技術として認知されている(非特許文献2)。
この方法では、ガス導入口から導入されたドーピング原料ガス、例えばBを、マイクロ波導波管及び電磁石から成るプラズマ発生手段によってプラズマ化し、プラズマ中のボロンイオンを高周波電源によって試料の表面に供給するという方法がとられる。
半導体装置の小型化、高集積化に伴い、不純物導入領域における特性は極めて重要である。なかでも、ドーズ量(不純物導入量)は、素子特性を決定する重要な要素のひとつである比抵抗を決定するため、ドーズ量の制御はきわめて重要なポイントである。
しかしながら、プラズマドーピング法を用いると、極浅で低抵抗のソース・ドレインエクステンション電極が形成できることはわかったにもかかわらず、その特性を制御するドーズ量の制御方法は開発されていなかった。これまでにはプラズマドーピングする時間を変化させることで、ドーズ量を変化させる方法が採られていたが、これでは制御の精度が不十分であり、実用的ではなかった。
このような状況の中で、本発明者らは、人体に対してきわめて危険性の高い毒性をもつBをできるだけ希釈して安全性を高め、ドーピング効率を低下させることなく、安定してプラズマの発生や維持を行なうとともに、ドーパント注入量の制御を容易に行なうことのできる方法として、ドーピングする不純物を含む物質としてのBガスを、電離エネルギーの小さいHeガスで希釈し、Heのプラズマを先行して発生させ、しかる後にBを放電させるようにする方法を提案した(特許文献2)。この方法において、Bガスの濃度が0.05%未満となるようにするのが望ましいとの提案もある。
しかしながら、0.05%程度の低濃度にしたとき、ドーズ量を制御しやすいとの報告はなされているものの、これはガス濃度を一定にしつつ、時間を変化させてドーズ量を変えるものであった。Bガス濃度を低濃度にした方が、時間変化に対するボロンのドーズ量変化が小さくなるのでドーズ量を制御し易いという内容のものであった。ドーズ量の制御精度を高める上で進歩したものであったが、真空容器内にプラズマを発生させ、プラズマ中の不純物イオンを試料の表面に衝突させて試料の表面に不純物導入層を形成するプラズマドーピング方法では、同じプラズマ条件であるにも係わらずシリコン基板にプラズマを照射するたびにドーズ量が変化して再現性がよくない場合があった。これは、シリコン基板にイオンを注入するために真空容器内でプラズマを発生させるが、そのことによって真空容器内の状態が毎回変化するためであるとされ、ドーズ量を再現性良く調整することは困難であるとされていた。さらに、真空容器内の状態が毎回変化するのでドーズ量をシリコン基板面内で均一に維持することも困難であるとされていた。考えられるパラメータや装置形状を調整して、ドーズ量が均一になるようにできたとしても、それを繰り返し再現させることができなかったのである。
米国特許第4912065号明細書 特開2004−179592号公報 特許第3340318号公報 International Technology Roadmap for Semiconductors 2001 Edition(ITRS2001)のFront End ProcessのFigure 30のShallow Junction Ion Dopingの欄 Y.Sasaki,et al.,Symp.on VLSI Tech.p180(2004). B.Mizuno,et al.:Plasma Doping into the side−wall of a sub−0.5μm width Trench,Ext.Abs.of International Conference on SSDM,p.317(1987). B.Mizuno,et al.:Plasma doping for silicon,Surface Coating tech.,85,51(1996). B.Mizuno,et al.:Plasma Doping of Boron for Fabricating the Surface Channel Sub−quarter micron PMOSFET,Symp.VLSI Tech,p.66(1996).
このように、真空容器内の状態が毎回変化することは知られていたものの、具体的に何がどのように変化するのかは明らかでなかった。本発明者らは、種々の考察の結果、プラズマチャンバーとしての真空容器内壁に不純物を含む膜が形成され、その膜の状態が変化することに着目した。具体的には、Bガスとヘリウムガスの混合ガスプラズマによるプラズマドーピング処理を繰り返すと、膜の色の濃さと膜が形成されている面積が変化していく。つまり、膜の厚みが厚くなり、膜が形成される面積が大きくなっていくことに注目し、本発明はこの点に基づいてなされたものである。本発明者らは、真空容器の内壁に固着した前記不純物を含む膜がプラズマ中のイオンで叩かれる(スパッタリングされる)ことによって前記試料の表面のプラズマ濃度が変化するのではないか、その変化量は膜の厚さ、膜が形成される面積、によって変化するのではないかという推測をした。また、膜の単位体積中に含まれる不純物の密度にも左右されるのではないかと推測した。
本発明者らの実験結果によると、真空容器の内壁に固着した前記不純物を含む膜からシリコン基板表面に導入される不純物のドーズ量が、毎回変化した。
本発明は、前記実情に鑑みてなされたものであり、プラズマ処理を繰り返しても、膜からシリコン基板へのドーズ量が毎回同一となるようにすることができるプラズマドーピング方法を提供することを目的とする。
本発明は、これまでのプラズマドーピングの常識を覆す技術的思想に基づいてドーズ量の制御と面内均一化を行ったものである。従来のプラズマドーピングの常識では、不純物はプラズマ中のイオン、ガス、ラジカルから導入され、その原料は真空容器に接続されたガス管からガスとして供給されるものであった。つまり、ガス濃度や圧力、ガスの混合比といったようにガスに含まれる不純物の量が半導体基板表面に導入される不純物の量を決定するという思想であった。そこで、プラズマ密度やガスの流量、圧力の分布を半導体基板面上で均一になるように設計していた。また、ドーズ量の調整も供給するガスに含まれる不純物の濃度を調整することでプラズマに含まれる不純物の濃度を調整するか、またはプラズマを照射する時間を調整することで行っていた。
これに対して、本発明では、発明の前提となる発見として、ガス管からガスとして供給しプラズマ化して半導体基板表面に導入される不純物の割合は、プラズマドーピングで導入される不純物の全体量の15%から30%程度に過ぎないことを発見した点に着目すべきである。これは従来の常識を覆す数値である。従来は、ガスプラズマからのドーズ量が主要因であるとの思想に基づいてプロセスと装置全般の設計が行われていた。さらに本発明では、85%から70%を占める主要因が、プラズマドーピングを繰り返し実施する間に真空容器の内壁に固着するように形成された不純物を含む膜がプラズマに曝されることでスパッタリングされ、これにより一度膜に取り込んだ不純物を再びプラズマ中に放出して、放出された不純物が半導体基板表面に導入される現象が占めていることも明らかになった。ドーズ量に占める要因別の割合をより厳密に決定することは今後の研究を待たざるを得ないし、プラズマドーピング条件によって変化すると考えられるが、従来では主要因と考えられていたガスプラズマ起因のドーズ量の割合が小さいことが重要である。従来で考慮されていたように、プラズマのパラメータを調整しても、ドーズ量を制御し、均一性を繰り返し安定に保ち、再現性良くプロセスを行うことは不可能であることが理解できるであろう。つまりドーズ量を制御し、繰り返し均一性を安定に保ち、再現性良くプロセスを行うためには、主要因である不純物を含む膜起因のドーズ量の制御、安定性の確保に取り組まなければならない。つまり、真空容器の内壁に固着する不純物を含む膜を調整することである。
本発明のプラズマドーピング方法は、真空容器内の試料電極に試料を載置し、真空容器内にプラズマを発生させ、プラズマ中の不純物イオンを試料の表面に衝突させて試料の表面に不純物導入層を形成するプラズマドーピング方法であって、真空容器の内壁に固着した前記不純物を含む膜がプラズマ中のイオンで叩かれることによって、前記試料の表面にスパッタリングで導入される不純物の量が前記不純物イオンを含むプラズマを真空容器内部で繰り返し発生させても変化しないように内壁に前記不純物を含む膜を備えた真空容器を用意するメンテナンス工程と、試料電極に試料を載置する工程と、不純物イオンを含むプラズマを照射して前記試料に不純物イオンを打ち込むと共に真空容器の内壁に固着した不純物を含む膜からのスパッタリングで不純物を前記試料に導入する工程とを含むことを特徴とする。
この構成によれば、真空容器の内壁の不純物を含む膜からのスパッタリングにより試料に導入される不純物の量が変化しないように、真空容器の内壁に膜を形成し、プラズマドーピングを行っているため、再現性よくかつ安定して不純物導入を行うことができる。
また本発明は、上記プラズマドーピング方法において、前記メンテナンス工程が、不純物を含む膜を形成するに先立ち、真空容器の内壁に固着した不純物を含む膜を除去する工程を含む。
この構成により、真空容器の内壁に付着した不純物を一旦除去し、再度条件に合わせて不純物を含む膜を形成しているため、信頼性の向上をはかることができる。
また本発明のプラズマドーピング方法は、前記試料がシリコン基板であり、前記不純物イオンを含むプラズマを真空容器内部で繰り返し発生させても不純物のドーズ量が±10%の範囲内で同程度になったときにドーズ量がシリコン基板の面内で均一になるように真空容器の内壁に固着した不純物を含む膜を形成する。
この構成により、より高精度の制御が可能となる。
また本発明のプラズマドーピング方法は、真空容器内壁に付着する不純物の量が所望の値となるように、真空容器内壁の形状を調整する工程を含む。
例えば、膜の形成が完了した段階で、不純物イオンを含むプラズマから導入される不純物の分布と、真空容器の内壁に固着した不純物を含む膜からのスパッタリングで導入される不純物の分布を合わせた分布が、シリコン基板表面で均一になるように真空容器の内壁の形状を調整しておく。膜の形成が完了した段階で均一になるように調整することが重要であり、より望ましい。こうすることで均一に繰り返し性の良いプラズマドーピングを実現できる。膜を形成する前やその途中で不純物のドーズ量の分布が均一になるように真空容器内壁の形状を調整しても、プラズマドーピング処理を繰り返す間に真空容器の内壁の状態、すなわち膜の状態が変化するので、均一性を再現することは困難である。
また本発明のプラズマドーピング方法は、真空容器内壁に付着する不純物の量が所望の値となるように、ガス供給方法を調整する工程を含む。
例えば、ガス噴射口の付近には色の濃い、つまり厚い不純物を含む膜が形成され易い。このために、半導体基板の面上で、ガス噴射口から近い部分はドーズ量が大きくなり、遠い部分はドーズ量が小さくなる。このことを利用して、ガス噴射口と半導体基板の位置関係を調整することにより、ドーズ量の面内均一性を改善することができる。例えば、ガス噴射口に対して半導体基板を回転するなどの方法で移動させることによっても面内均一性を改善することが可能となる。
また本発明のプラズマドーピング方法は、前記メンテナンス工程が、不純物を含む膜を除去した真空容器をプラズマドーピング装置に設置した後、真空容器内部で前記不純物イオンを含むプラズマを発生させることで前記不純物を含む膜を形成する工程を含む。
この構成によれば、特別の装置を用いることなく、制御性よく高精度の不純物プロファイルを得ることができる。
また本発明のプラズマドーピング方法は、前記不純物を含む膜を形成する工程が、メンテナンス工程で不純物を含む膜を除去した真空容器を、膜を形成するために別途準備したプラズマ発生装置に設置した後、真空容器内部で前記不純物イオンを含むプラズマを発生させることで前記不純物を含む膜を形成する。
この構成によれば、別の装置を用い所望の制御を行うようにしているため、制御性よく高精度の不純物プロファイルを得ることができる。
また本発明のプラズマドーピング方法は、真空容器の内壁の温度を測定し、管理しながら真空容器の内壁に固着した不純物を含む膜からのスパッタリングで不純物を前記試料に導入する工程を有するものを含む。
この構成により、不純物を含む膜から半導体基板に導入される不純物の量は真空容器内壁の温度によって変化することを見出した。そして、これを一定に保つためには真空容器内壁の温度を一定に保つように調整することが望ましい。また、膜からの不純物導入量を所望の値にするには真空容器内壁の温度を所望の温度に調整することが望ましい。
なお、本発明は、真空容器の内部に内壁を覆うようにダミーの容器を配置して、その容器の内壁に膜を形成することも含む。真空設備ではこのようなダミーの容器をインナーチャンバーと呼ぶことが多い。本発明では、真空容器内壁に膜を形成したり、その形状を工夫したり、その温度を管理したりするというように記載したが、インナーチャンバー内壁についても同様の工夫で同様の効果を発揮することは言うまでもなく、よって本発明に含まれる。さらにインナーチャンバーは真空を保持する機能はなく簡単に取り外しができ、洗浄も簡単であり、消耗品として使える。よって、インナーチャンバーを設けることで、高価な真空容器を取り外して洗浄することなく、インナーチャンバーだけを取り外して洗浄ができるのでさらに望ましい。
また本発明のプラズマドーピング方法は、前記プラズマは、ボロンを含むガスのプラズマである。
この構成によれば、ボロンの膜を真空容器内壁に形成することができ、真空容器内壁に固着した不純物を含む膜がプラズマ中のイオンで叩かれることによって、試料の表面にスパッタリングで導入される不純物の量が不純物イオンを含むプラズマを真空容器内部で繰り返し発生させても変化しないようにし、スパッタリングによる不純物とともに、制御性よく高精度の不純物プロファイルを得ることができる。
また本発明のプラズマドーピング方法は、前記ボロンを含むガスはボロンと水素からなる分子のガスであるものを含む。
ガスとしては、BFなどを用いることも可能であるが、Fはスパッタレートが高いために安定した膜を形成し難い。安定した膜を形成するためには、スパッタレートの低い元素で構成されるガスを用いる方がより望ましい。さらにスパッタレートが高いとプラズマドーピング処理中にシリコン基板表面を削りとるので設計通りにデバイスを製造できない。さらに、不純物を導入したシリコン表面を削ることになるので、制御性の良い不純物導入自体が困難になる。水素は、Fに比べてスパッタレートが低いので、Bと水素からなる分子ガスを用いることにより、制御性よく高精度の不純物プロファイルを得ることができる。
また本発明のプラズマドーピング方法は、前記ボロンを含むガスはシボラン(B)であるものを含む。
この構成によれば、Bは、工業的に安価であり、ガスボンベに入れてガス状態で輸送、保管できることから、取り扱いが容易である。さらに、ボロンと水素のみからなるので、スパッタレートが低いため、制御性よく高精度の不純物プロファイルを得ることができる。
また本発明のプラズマドーピング方法は、前記プラズマは、ボロンと水素からなる分子のガスを希ガスで希釈したガスのプラズマであるものを含む。
この構成によれば、ボロンを含むガス濃度が高過ぎると、剥がれ易い膜ができてしまう。膜が剥がれると半導体製造で歩留まりの低下要因であるパーティクルが発生してしまうという課題となり都合が悪い。そこで、他のガスで希釈してガス濃度を低くすることにより剥がれにくい膜の形成が可能となるが、希釈するガスとしては、化学的に安定であることから希ガスが特に望ましい。
また本発明のプラズマドーピング方法は、前記希ガスは原子量がネオン以下の元素であるものを含む。
希ガスの中でも、原子量の大きいものはスパッタレートが大きいために、安定した膜を形成し難いし、シリコン基板表面を削りとってしまう。そこで、ネオンよりも原子量の小さい希ガスを用いることが望ましい。
また本発明のプラズマドーピング方法は、前記希ガスがヘリウムであるものを含む。特にヘリウムは、希ガスの中で原子量が最も小さく、スパッタレートも最も小さいので、安定した膜を形成し易い上シリコンの削れを最小に留めることができる。
また本発明のプラズマドーピング方法は、前記プラズマは、シボラン(B)をヘリウムで希釈したガスのプラズマであるものを含む。
のガス濃度が低濃度になるようにヘリウムで希釈したガスを用いることが最も望ましい。
また本発明のプラズマドーピング方法は、ボロンの注入深さが7.5nmから15.5nmであるものを含む。
実験の結果から、ボロンの注入深さが7.5nmから15.5nmに相当する注入エネルギー範囲であれば、真空容器の内壁にボロンを含む膜を形成してシート抵抗を飽和させると共に、膜の形成が完了したときに面内均一性が良好となることがわかっている。
また本発明のプラズマドーピング方法は、ボロンの注入深さが10nm以下であるものを含む。
ボロンの注入深さが10nm以下であるような低エネルギー条件下では、均一性を得るのは極めて困難であるが、実験結果から、本発明の方法によれば、PD時間を調整することで1.5%以下の均一性を実現できることがわかった。
また本発明のプラズマドーピング方法は、前記プラズマは、連続プラズマを用いるものを含む。
この構成によれば、連続プラズマを用いてPD時間を調整することで1.5%以下の均一性を実現できる。一般的に、プラズマドーピングでは連続プラズマを用いる技術とパルスプラズマを用いる技術が開発されてきた。パルスプラズマを用いたもので、本発明で意図するような浅い領域への打込みではなく、20nm程度よりも深い打込みの技術ではプラズマドーピングで均一性と再現性を確保したとの報告もあるが浅い領域への打ち込みに対しては均一性および再現性が不十分であった。これに対し、本願発明では種々の実験結果から、連続プラズマで浅い領域への打込みで均一性と再現性を確保することができた。
また本発明の装置は、上記プラズマドーピング方法を実施するための装置であって、真空容器と、試料電極と、真空容器内にガスを供給するガス供給装置と、真空容器内を排気する排気装置と、真空容器内の圧力を制御する圧力制御装置と、試料電極に電力を供給する試料電極用電源を備えたことを特徴とする。
この構成により、圧力制御装置を用いて圧力を制御することで、プラズマドーピングで注入したボロンのドーズ量の再現性を確保することが可能となる。
また本発明の装置は、前記不純物を含む膜を形成するための第2のプラズマ発生装置をさらに備えたものを含む。
この構成により、容易に真空容器の内壁の状態を制御することができる。
また本発明の装置は、前記真空容器に供給するガスの流量分布を調整する機構を有し、前記不純物を含む膜を形成した後に真空容器の内壁を大気開放することなく前記ガスの流量分布を調整できるようにしたものを含む。
この構成により、別の装置を用いることなく、さらには真空を形成する準備時間を別に設けることなく、容易にかつ短時間で所望の内部状態を得ることが可能となる。
また本発明の装置は、前記真空容器の内壁の温度を所望の温度に調整する機構を有するものを含む。
真空容器内壁の温度の温度制御は温度センサーで温度を測定し、ヒータなどで熱を加えることで実現できる。本発明者らの実験によると温度制御を行うことなく実験を行うと、真空容器内壁の温度は、最初、室温であるが、プラズマドーピング処理を繰り返すと40℃から90℃に達した。到達温度は、処理回数や条件にも依存する。そして、プラズマドーピング処理を停止すると室温までゆっくり低下した。つまり、プラズマドーピング処理を開始するときと、繰り返し処理をするときで温度が異なる。さらに外部温度の差で真空容器内壁の温度は影響を受ける。そこで、プラズマドーピング処理を繰り返したときに自然に到達する温度付近、すなわち40℃から90℃の所望の温度に予め調整しておくことが望ましい。これにより、膜からの不純物導入量を所望の値に調整することができる。さらに望ましくは50℃から70℃の所望の温度に調整しておくことが望ましい。これにより、より多くのプラズマドーピング条件で自然に到達する温度に調整することができるのでより繰り返し性が良好となる。
また本発明は、ボロンを含む連続プラズマを用いたプラズマドーピングで表面にボロンを導入した直径300mmのシリコン基板であり、導入されたボロンのプロファイルは、ボロン濃度が5×1018cm−3となる深さで7nm以上15.5nm以下であり、ボロン濃度が1×1019cm−3から1×1018cm−3に低下する距離で評価した場合のボロンの深さプロファイルの急峻性は1.5nm/dec以上3nm/dec以下であり、ボロンのドーズ量は、前記シリコン基板の端部3mmを除いた面での標準偏差が2%以下である。本発明の方法を用いて製造できる多くの製品の中でも、上記の基板を製造することで以下のような顕著な効果を得ることができる。上記範囲の深さにボロンを導入することで、65nmノードから22nmノードの非常に微細なMOSFETのソースとドレインのエクステンション電極を形成できる。さらに上記範囲の急峻性でボロンを導入することで、非常に微細なMOSFETのドレイン電流を増大させることができる。プラズマドーピングでボロンを導入することで生産性良く微細なMOSFETの上記電極を生産できる。さらに300mm基板でドーズ量の面内均一性を良い水準にできるので、生産性が改善されると共に歩留まりが良くなる。なお、実施例では半導体基板はシリコン基板を用いて実証した。しかし、ゲルマニウム基板、歪みシリコン基板でも使われている元素が、シリコン元素とそれほど原子量が違わないことから同様の効果を得られることが推測できるので、ゲルマニウム基板、歪みシリコン基板でも良い。
プラズマドーピング処理枚数とシート抵抗の関係を示す図 シート抵抗の繰り返し再現性(シート抵抗の比が0.5から4.0の範囲を表示)を示す図 シート抵抗の繰り返し再現性(シート抵抗の比が0.8から1.2の範囲を表示)を示す図 面内均一性の繰り返し再現性を示す図 面内均一性の繰り返し再現性を示す図 プラズマドーピング処理枚数とシート抵抗との関係を示す図 シート抵抗の繰り返し再現性を示す図 面内均一性の繰り返し再現性を示す図 プラズマドーピング時間とドーズ量、面内均一性との関係を示す図 プラズマドーピング直後のボロンのSIMSプロファイルを示す図 本発明の実施例と比較例により得られたプラズマドーピング領域の均一性を示す比較図 本発明の実施例と比較例により得られたプラズマドーピング領域の均一性を示す比較図 本発明の実施例と比較例により得られたプラズマドーピング領域の均一性を示す比較図 本発明の実施例1のプラズマドーピング装置を示す図 本発明の真空容器内部に設置する容器と搬送アーム用開口を塞ぐ蓋を示す図 本発明の実施例1で均一性を比較するために用いたプラズマドーピング装置を示す図
符号の説明
1 高周波電源
2 マッチングボックス
3 コイル
4 マスフローコントローラ
5 マスフローコントローラ
6 ターボ分子ポンプ
7 調圧弁
8 ドライポンプ
9 冷却水供給ユニット
10 VDCモニター
11 マッチングボックス
12 高周波電源
13 試料(被処理基板)
14 下部電極
15 真空容器
16 開口
17 蓋
20 開口に蓋をする機構
101 真空容器
102 ガス供給装置
103 ターボ分子ポンプ
104 調圧弁
105 プラズマ源用高周波電源
106 試料電極
107 誘電体窓
108 コイル
109 基板
110 試料電極用高周波電源
111 排気口
112 支柱
113 ガス導入経路
114 ガス主経路
115 ガス吹き出し口
116 マッチングボックス
117 VDCモニター
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図14に本発明の実施の形態1において用いられるプラズマドーピング装置の断面図を示す。
このプラズマドーピング装置は、内壁に不純物を含む膜を形成してなる真空容器15と、真空容器15内を排気する排気装置としてのターボ分子ポンプ6と、真空容器15内の圧力を制御する圧力制御装置としての調圧弁7と、下部電極14に対向した誘電体窓の近傍に設けられたプラズマ源としてのコイルおよびアンテナ3と、このコイルおよびアンテナ3に13.56MHzの高周波電力を供給する高周波電源12と、下部電極14に電圧を供給する電圧源としての高周波電源1とで構成されており、試料台を兼ねる下部電極14上に被処理基板(基板)13を設置し、プラズマ照射を行なうものである。
ここでは、プラズマを発生させるための高周波電源1と放電の調整を行なうマッチングボックス2を介して、コイル及びアンテナ3から高周波が供給される。必要なガスはマスフローコントローラMFC4及び5を介して供給される。真空容器15内の真空度は前記マスフローコントローラ4及び5、ターボ分子ポンプ6、調圧弁7、ドライポンプ8によって制御される。真空容器15に対しては、高周波電源12から、マッチングボックス11を介して電力が供給される。真空容器15内に設置した、被処理基板13は試料台14に載置され、前記電力が供給される。
次に、プラズマドーピング工程について述べる。
このプロセスチャンバーの真空容器15内にガス供給装置からマスフローコントローラ4、5を介して所定のガスを導入しつつ、排気装置としてのターボ分子ポンプ8により排気を行い、圧力制御装置としての調圧弁9により真空容器15内を所定の圧力に保つ。そして高周波電源1により、プラズマ源としてのコイル3に13.56MHzの高周波電力を供給することにより、真空容器15内に誘導結合型プラズマを発生させる。この状態で下部電極14上に、試料としてのシリコン基板13を載置する。また、下部電極14には高周波電源12によって高周波電力が供給されており、試料としてのシリコン基板(被処理基板)13がプラズマに対して負の電位をもつように、下部電極14の電位を制御することができるようになっている。
まず、不純物を含むガスのプラズマを真空容器の中で発生させて膜を形成していく。例えば、一定のプラズマドーピング条件でダミー基板に繰り返しプラズマドーピングを行えば良い。膜が形成されるに従って、膜がプラズマ中のイオンで叩かれることによってシリコン基板の表面にスパッタリングで導入される不純物の量が増加していく。
この増加はやがて飽和に達して、一定のプラズマドーピング条件で行った場合に1回のプラズマドーピング処理で導入される不純物のドーズ量は、プラズマドーピングを繰り返しても一定となる。例えば、一定のプラズマドーピング条件で複数毎のシリコン基板にドーピングを行い、シリコン基板へのドーズ量が同じになっていれば膜の形成が完了したことが分かる。もし、最初の基板へのドーズ量が最後の基板へのドーズ量よりも小さい傾向にあれば、膜の形成は完了していないので膜の形成を続ける。
さらに、膜の形成が完了した段階で、不純物イオンを含むプラズマから導入される不純物の分布と、真空容器の内壁に固着した不純物を含む膜からのスパッタリングで導入される不純物の分布を合わせた分布が、シリコン基板表面で均一になるように真空容器の内壁の形状を調整しておく。
膜の形成が完了した段階で均一になるように調整することが重要であり、より望ましい。こうすることで均一に繰り返し性の良いプラズマドーピングを実現できる。膜を形成する前やその途中で不純物のドーズ量の分布が均一になるように真空容器内壁の形状を調整しても、プラズマドーピング処理を繰り返す間に真空容器の内壁の状態、すなわち膜の状態が変化するので、均一性を再現することはできない。
シリコン基板13を下部電極としての試料台14に載置した後、真空容器15内を排気しつつ、マスフローコントローラ4により真空容器15内にヘリウムガスを、またマスフローコントローラ5により真空容器15内にドーピング原料ガスとしてのジボラン(B)ガスを供給し、調圧弁9を制御して真空容器15内の圧力を0.9Paに保つ。次に、プラズマ源としてのコイル3に高周波電力を1500W供給することにより、真空容器15内にプラズマを発生させるとともに、下部電極14に200Wの高周波電力を供給することにより、ボロンをシリコン基板13の表面近傍に打ち込むことができる。ここでシリコン基板13に曝されているプラズマは、BとHeの混合ガスプラズマ(B/Heプラズマ)である。なお、BとHeの混合の割合は、マスフローコントローラ4と5に流すHeガスとBガスの流量の比を変えることで変化させることができる。
とHeの混合ガスプラズマ(B/Heプラズマ)をシリコン基板に照射してバイアスをかけると、ボロンのシリコン基板へのドーピングとスパッタリングが飽和する(釣り合う)時間がある。すなわち、プラズマ照射を開始すると、最初はドーズ量が増加するが、その後、時間の変化によらずドーズ量はほとんど一定となる時間が続く。時間の変化によらずドーズ量がほとんど一定となる時間をプロセスウインドウとすることでドーズ量をさらに正確に制御できる。また、このシリコン基板面内で、ドーズ量が一定となる時間をあらかじめ測定し、その一番遅いものの開始時間に合わせてドーピング時間を設定することにより、面内均一性も得ることができた。
この不純物を含む膜は、プラズマドーピング装置にメンテナンス後の真空容器を取り付けた後で形成しても良い。膜を形成した後で実際のプラズマドーピング条件で不純物を導入する。こうすることで、膜は形成された後に大気に触れることなくプロセスを行うことができる。ボロンの膜の場合、水分と反応し易いので、上記の方が大気中の水分と反応することなく膜を形成してプロセスに使うことができるので望ましい。
不純物を含む膜は、或いは、メンテナンス工程で不純物を含む膜を除去した真空容器を、膜を形成するために別途準備したプラズマ発生装置に備え付けた後、真空容器内部で前記不純物イオンを含むプラズマを発生させることで前記不純物を含む膜を形成しても良い。真空容器を複数用意しておけば、別途準備したプラズマ発生装置で膜をつける作業をしている間に、事前に膜をつけておいた真空容器をプラズマドーピング装置に取り付けてプラズマドーピング処理を行うことができる。これにより、真空容器内壁に膜をつける間にもシリコン基板にプラズマドーピング処理を行えるので生産性を向上することができる。
<実施例1>
本発明の実施例1について説明する。なお、特に特筆しない場合、以下の実験方法は各実施例に共通である。まず、上記図14に示すプラズマドーピング装置を用い、BとHeの混合ガスプラズマを用いて真空容器にボロンの膜を形成した。ここで用いたプラズマドーピング装置は、通常用いられる装置である。PD条件は、BとHeのガス混合比は0.05%と99.95%、ソースパワーは1500W、バイアスパワーは135W、圧力は0.9Paで行った。バイアスを印加しているプラズマドーピング時間は60秒とした。この一定のPD条件で、メンテナンス直後の真空容器内で直径300mmのシリコン基板にプラズマドーピングを行った。そして、1枚目、25枚目、75枚目、125枚目、250枚目、500枚目に処理したシリコン基板を1075℃、20秒間の条件で熱処理した。その後、基板の端部3mmを除いた121箇所のシート抵抗を四探針法で測定し、シート抵抗の平均値と標準偏差を計算した。面内均一性は、シート抵抗の標準偏差(1σ)で示した。上記で、例えば2枚目以降24枚目までを熱処理しなかった理由は、これらの処理はダミーのシリコン基板を用いて行ったからである。ダミーのシリコン基板とは、同じシリコン基板を用いるが、PD処理毎に常に新しい基板を用いるのではなく、100回程度は同じシリコン基板で繰り返しPD処理を行ったという意味である。真空容器内壁にボロンを含む膜を形成する実験に影響を及ぼさずに、シリコン基板の消費量を節約するための実験計画上の処置である。
図1はプラズマドーピング処理枚数とシート抵抗の関係である。同じPD条件で処理したにも係わらず、最初はシート抵抗が高く、処理枚数が増加するに従ってシート抵抗が低下した。実験後に真空容器内壁に形成されていた膜を分析した結果、ボロンを含んでいることが分かった。PD処理を繰り返すうちに膜が形成されていって、シート抵抗が低下したものと考えられる。
75枚目、125枚目、250枚目、500枚目にPD処理した基板のシート抵抗の平均値は236.1ohm/sqであった。図2と図3は、236.1ohm/sqを1とした場合のシート抵抗の比を縦軸にとって、PD処理枚数を横軸にとった図である。図3は、シート抵抗の比が0.8から1.2の範囲に限って表示した。図3から25枚目ではシート抵抗の低下は飽和しておらず、すなわち膜の形成も飽和していない。ところが、75枚目以降はシート抵抗は平均値から±5%以内のばらつきに収まっており、シート抵抗の低下は飽和している。すなわち、膜の形成は75枚目付近のPD処理で飽和したことがわかる。膜の形成が完了した後は、シート抵抗は平均値付近を小さい範囲でばらつきながら数多くのPD処理を安定して続けることができた。
図2を参照して、1枚目にPD処理した基板のシート抵抗は75枚目以降の平均のシート抵抗(236.1ohm/sq)の約3.2倍であった。ドーズ量は、シート抵抗にほぼ比例すると考えることができる。よって、1枚目のドーズ量は75枚目以降の3割程度しかないことを意味している。ボロンが導入される要因は、1枚目の場合は、ガス導入口から導入されたBガスに含まれるボロンがプラズマ化してガス、イオン、ラジカルの状態で導入されたBガスプラズマ起因のものが全てである。このとき、ボロンを含む膜は形成されていないので、膜が起因のドーズ量は零である。一方で、75枚目以降の要因は、Bガスプラズマが起因したものに加えて真空容器内壁に形成されたボロンを含む膜が起因したものが含まれる。1枚目の場合も75枚目以降の場合もPD条件は変わりがないので、Bガスプラズマ起因のドーズ量は変化がない。変化したのは膜が起因のドーズ量である。表1に1枚目と75枚目以降のドーズ量を要因別に分けて示した。75枚目以降では、ボロンを含む膜からのドーズ量が約70%を占めて主要因になっていることがわかる。Bガスプラズマ起因のドーズ量は、約30%だけである。これは、プラズマドーピングの従来の概念を覆すものであり、新規に確認した事実である。このことからプラズマドーピングでドーズの面内均一性、繰り返し性を得るためには、ボロンを含む膜からのドーズ量に着目することが重要であり、膜起因のドーズ量を半導体基板の面内で均一にすること、繰り返し再現性を良くすること、所望のドーズ量になるように調整することが重要であり望ましいことを見出した。
Figure 2006121131
図4は、プラズマドーピング処理枚数とシート抵抗の面内均一性の関係である。1枚目に5.28%であった面内均一性が、25枚目以降は2%から3%の範囲に改善されたことがわかる。これは、膜の形成が完了したときに面内均一性が良くなる様に真空容器の内壁の形状を調整したからである。従来はプラズマやガス分布を均一にするように真空容器の形状やコイルの位置を調整していた。これは、1枚目に最も良い均一性が得られるように調整していることに相当する。ところが、本実施例では、膜が全く形成されていないという理由で1枚目の均一性は無視して、膜の形成が完了したときの状態に着目して真空容器内壁の形状を調整したことが特徴である。この結果、膜が形成されてきた25枚目以降の方が1枚目よりも面内均一性が良い。そして、膜の形成が完了した75枚目以降では、1枚目よりも大幅に改善した面内均一性を継続して繰り返し再現性良く実現できることがわかる。
上記実験結果に基づいて、膜の形成が完了したときに面内均一性がさらに良くなるように、メンテナンス後の真空容器内壁の形状をあらかじめ調整したプラズマドーピング装置を用意し、プラズマドーピングを行った。真空容器内壁の中でも特に側面と上面の形状を調整することが望ましい。具体的には、真空容器の中にもう一つ内壁の役目をする容器を設けた。この容器は真空を保持することはできない。その表面に膜を形成するための容器である。これを設けることで、メンテナンス時に真空容器全体を洗浄する必要がなく、前述の容器のみを真空容器から取り外して洗浄すればよい。容器を複数準備しておけば、容器の洗浄中に予備の容器を用いて生産を続けることができ、効率向上をはかることができる。さらに真空容器に比べて前述の容器は真空保持能力を備えていないので構造を簡単にでき、洗浄自体がし易くなる。
この容器の形状を下記のように工夫した。容器は、シリコン基板中央から見て概ね対称形状である。しかし、シリコン基板を真空容器内に搬送するための搬送アームを真空容器に出し入れするための開口を設ける必要がある。その部分のみは対称性を著しく欠いていた。そこで、できるだけ対称性を保てるように、シリコン基板と搬送アームが通り抜けられるだけの面積に開口の面積をできるだけ小さくする工夫をした。その結果、図5のように膜の形成が完了した100枚目以降のPD処理において、2%以下の非常に良い均一性を得た。
なお、ここでは、開口の面積を小さくしたが、プラズマドーピングを行うときは開口に蓋をする機構を設けて開口を塞ぐようにし、開口に蓋をした後に膜を形成するようにした方が対称性をより高められるので望ましい。開口16に蓋をする機構20は、図15に示すように容器15の外側から板状の蓋17をあてがうようにすれば良い。シンプルな構成として、さらに駆動部を容器の外側に設けることで、パーティクルを発生させることなく蓋をすることができる。図15(a)は半導体基板搬送時を示す図、図15(b)はプラズマドーピング時の状態を示す図である。
上記実験結果に基づいて、膜の形成が完了したときに面内均一性がさらに改善されるように、ガスの供給の仕方をメンテナンス直後にあらかじめ調整したプラズマドーピング装置を用意し、プラズマドーピングを行った。ガスの供給の仕方は、シリコン基板と対面するように天板を配置し、天板にシャワーヘッドのように18個の穴を開けて、その穴からガスが真空チャンバー内部に供給されるようにした。そして、穴の位置を膜の形成が完了したときに面内均一性が良くなるように調整した。ここで用いたプラズマドーピング装置を図16に示す。
図16において、真空容器101内に、ガス供給装置102から所定のガスを導入しつつ、排気装置としてのターボ分子ポンプ103により排気を行い、調圧弁4により真空容器101内を所定の圧力に保つことができる。高周波電源105により13.56MHzの高周波電力を試料電極106に対向した誘電体窓107の近傍に設けられたコイル108に供給することにより、真空容器101内に誘導結合型プラズマを発生させることができる。試料電極106上に、試料としてのシリコン基板109を載置する。また、試料電極106に高周波電力を供給するための高周波電源110が設けられており、これは、試料としての基板109がプラズマに対して負の電位をもつように、試料電極106の電位を制御する電圧源として機能する。このようにして、プラズマ中のイオンを試料の表面に向かって加速し衝突させて試料の表面に不純物を導入することができる。なお、ガス供給装置102から供給されたガスは、排気口111からポンプ103へ排気される。
ガス供給装置102内に設けられている流量制御装置(マスフローコントローラ)により、不純物原料ガスを含むガスの流量を所定の値に制御する。一般的には、不純物原料ガスをヘリウムで希釈したガス、例えば、ジボラン(B)をヘリウム(He)で0.5%に希釈したガスを不純物原料ガスとして用い、これを第1マスフローコントローラで流量制御する。さらに第2マスフローコントローラでヘリウムの流量制御を行い、第1及び第2マスフローコントローラで流量が制御されたガスをガス供給装置102内で混合した後、配管(ガス導入経路)113を介してガス主経路114に導き、さらにガス主経路114と連通する複数の穴を介して、ガス吹き出し口115より真空容器101内に混合ガスを導く。複数のガス吹き出し口115は、試料109の対向面より試料9に向けてガスを吹き出すようになっている。
ガス吹き出し口115は、誘電体窓107の中心に対してほぼ対称に設けられ、試料に向けて概ね等方的にガスを吹き出す構造となっている。つまり、24戸のガス吹き出し口115が概ね等方的に配置されている。116はマッチングボックス、117はVDCモニタである。
その結果、図6のように375枚目以降のPD処理においてシート抵抗は安定した。375枚目以降のシート抵抗の平均値は220ohm/sqであった。1枚目と375枚目以降でPD条件は変わりがないので、Bガスプラズマ起因のドーズ量は変化がない。変化したのは膜起因のドーズ量である。表2にドーズ量を要因別に分けて示した。375枚目以降では、膜からのドーズ量が約85%、Bガスプラズマ起因が約15%である。膜からのドーズ量が主要因になっていることがわかる。
Figure 2006121131
図7は、シート抵抗の繰り返し再現性を示す図である。ここではシート抵抗の比が0.8から1.2の範囲に限って表示した。375枚目以降は、シート抵抗は平均値から±5%以内のばらつきに収まっており、シート抵抗の低下は飽和している。すなわち、膜の形成は375枚目付近のPD処理で飽和したことが了解できる。膜の形成が完了した後は、シート抵抗は平均値付近を小さい範囲でばらつきながら数多くのPD処理を安定して続けることができた。
図8は、面内均一性の繰り返し性を示す図である。膜の形成が完了したときの面内均一性を考慮してメンテナンス直後にあらかじめガスの供給の仕方を調整しておいた結果、膜の形成が完了した375枚目以降のPD処理において、1.85%以下の非常に良い均一性を得た。
次に、1350枚目から1353枚目のPD処理では、PD時間を変化させてドーズ量と面内均一性の変化を調べた。PD時間とはプラズマ照射してバイアスを印加している時間である。PD時間を14秒、45秒、100秒と変化させた。なお、1350枚目以前と1354枚目以降の連続処理は、全てPD時間を60秒として行ったものである。そこで、60秒のデータはダミー基板で行ったものではなく1350枚目に最も近い1375枚目に処理したデータを参照した。図9にPD時間とドーズ量の関係を示した。併せて面内均一性の変化を示した。プラズマ照射を開始すると、最初はドーズ量が増加するが、その後、1.7E15cm−2が漸近線となるように増加した。時間の変化によらずドーズ量の変化が非常に小さい時間があることが認められる。このような時間をプロセスウインドウとすることでドーズ量を正確に制御できる。漸近線の7割以上のドーズ量となる時間に設定することがさらに望ましい。これにより、面内均一性をさらに改善できる。漸近線により近いドーズ量となる時間に設定することがさらに望ましい。これにより、最も良い水準の面内均一性を得られる。実際に、PD時間を100秒とすることで容器の形状、ガス供給方法、PD時間以外のPD条件が同じであるにも係らず、1σで1.34%の面内均一性を実現できた。
以上の結果の中で、300mm基板の端部3mmを除いた121箇所のシート抵抗の分布の結果を図11乃至図14に示す。図11(a)乃至(c)はそれぞれ比較例の1枚目、実施例の1000枚目、実施例の1375枚目の試料の面内均一性を示す図、図12(a)乃至(b)はそれぞれ比較例の1枚目、125枚目の試料の面内均一性を示す図、図13(a)乃至(c)はそれぞれ比較例の14秒後、実施例の60秒後、実施例の100秒後を示す図である。
PD直後のシリコン基板をSIMS分析した結果、ボロンの注入深さは9.4nmであった(図10参照)。これは、ボロンの注入エネルギーが非常に低エネルギーであることを意味している。注入深さが10nm以下になるような低エネルギーでは、従来の技術ですでに広く工業的に使用されており、均一性に優れたイオン注入の方法であっても、300mm基板の端部3mmを除く全面で2%以下の均一性を実現するのは容易ではない。まして、均一性に困難があることで知られているプラズマドーピングの方法ではなおさら困難の度合いは強い。注入深さが10nm以下で300mm基板の端部3mmを除く全面で2%以下、さらにPD時間を調整することで1.5%以下の均一性を実現できる。
本発明で用いたプラズマドーピング装置でバイアス電圧を変えた場合のSIMSプロファイルを図10に示した。ボロンの注入深さは7.5nmから15.5nmの範囲で変化させることができた。少なくともこれに相当する注入エネルギー範囲であれば、真空容器の内壁にボロンを含む膜を形成してシート抵抗を飽和させると共に、膜の形成が完了したときに面内均一性が良くなる様に真空容器内壁の形状をあらかじめ調整しておく本発明の方法が同様に使用できることとその有効性を同様の実験で確認した。
なお、実施例では、膜を形成するために、膜形成後の実際に用いるPD条件を繰り返し実施した。しかし、実際に用いるPD条件とは異なる条件で膜を形成しても良い。具体的には、実施例では、BとHeのガス混合比は0.05%と99.95%としたが、0.1%と99.9%としても良い。B濃度が高い方が膜を短い時間で形成できると考えられるので望ましい。ただし、5%にまでB濃度を高めると膜が安定せず、シート抵抗も面内均一性も安定しないことがわかっている。安定した膜を形成できる範囲内でB濃度を高めることが、膜を形成する時間を短縮できるので望ましい。このようにして膜を形成した後で、所望のドーズ量になるようにB濃度を調整し直して実際のプラズマドーピングを実施する方が実用的であり望ましい。膜を形成するときの最適なB濃度については、今後の研究事項であるが、本発明の範疇に入る通常の設計事項である。さらに、膜を形成する間は、ダミーのシリコン基板を試料電極の上に配置しておけば良い。膜の形成が完了した後で、ダミー基板を試料電極から取り外し、処理したい基板を載せて実際のプロセスを開始することが望ましい。これにより、膜の形成のための基板を余分に使用しなくて良くなるので効率的である。
(比較例1)
比較例1として図4を参照しながら説明する。
真空容器をメンテナンスした後、つまり、膜を除去した後に、ドーズ量の面内均一性が良くなるようにプラズマ条件、ガスの供給方法、真空容器内壁の形状を調整したものである。膜からのドーズ量という概念を意識していない。真空容器の内壁に固着した前記不純物を含む膜がプラズマ中のイオンで叩かれることによって、前記試料の表面にスパッタリングで導入される不純物の量が前記不純物イオンを含むプラズマを真空容器内部で繰り返し発生させても変化しないように内壁に前記不純物を含む膜を備えた真空容器を用意するメンテナンス工程を有しないアプローチである。プラズマドーピングで繰り返し性、面内均一性を良くするために採られた従来のアプローチのほとんどがこの場合に相当する。
プラズマ条件は実施例と同じにして、他の条件を様々に試行錯誤した結果、1枚目の処理で1.5%のドーズ量の面内均一性を実現することができた。シート抵抗は、455ohm/sqであった。ここまでは従来の手法の成果である。しかし、1枚目で1.5%の均一性を実現したそのままの状態で、同じPD条件でプラズマドーピング処理を繰り返し実施して150枚目に処理したシリコン基板を検査したところ、均一性は6.0%であり、シート抵抗は165ohm/sqであった。シート抵抗の繰り返し性が得られないことが了解できる。さらに、通常、一般的に実用で求められる均一性の水準は、2%以下、望ましくは1.5%以下である。このことから、比較例1では、メンテナンスや条件の調整をして1.5%の均一性を得られる状態を整えても、わずか150枚以下の処理で再度メンテナンスが必要になる。
比較例1では、メンテナンス直後の膜を形成する前の状態で真空容器内壁の形状やガスの供給方法を面内均一性が良くなるように調整した。しかし、この方法では、プラズマドーピングにより真空容器内壁にボロンを含む膜が形成されていき、状態が変化していくので、繰り返し安定して良い均一性を得ることもできないし、繰り返して同じシート抵抗を得ることもできなかった。これに対して実施例では、プラズマを真空容器内部で繰り返し発生させても膜起因のドーズ量が変化しないように内壁に前記不純物を含む膜を備えた真空容器を用意するメンテナンス工程を有する。そして、真空容器内壁にボロンを含む膜が安定して形成された後の状態で真空容器内壁の形状やガスの供給方法を面内均一性が良くなるようにあらかじめ調整した。この差によって、実施例は長期繰り返す生産をしても面内均一性を安定して良い水準に保つことができるし、シート抵抗も安定して同じものを得られる、という顕著な効果を発揮できる。
(比較例2)
比較例2として、メンテナンス直後ではなく、実験の都合などで意図せずに膜の形成途中でドーズ量の面内均一性が良くなるようにガスの供給方法、真空容器内壁の形状を調整した場合である。シート抵抗の繰り返し性の実験を始める場合もある。通常、プラズマドーピングで不純物を含むガスプラズマを用いると、例えばBとHeの混合ガスプラズマを用いた場合などでは、実験者が意図していなくても膜が自然に形成される。プラズマドーピングの不純物の深さ制御などを実験していた実験者が、その後、実験の都合上で真空容器のメンテナンスを行わずに面内均一性、または繰り返し性の実験を始めた場合などが比較例2に相当する。ただし、プラズマを真空容器内部で繰り返し発生させても膜の形成は不完全であり、膜起因のドーズ量が変化しないように内壁に前記不純物を含む膜を備えた真空容器を用意するメンテナンス工程を有しているわけではない。膜の形成が不完全だからである。この場合は比較例1と同様の理由でシート抵抗の繰り返し性は得られない。
(比較例3)
比較例2で、もし膜の形成が意図せずして完了していた場合も考えられる。しかし、シート抵抗の繰り返し安定性および面内均一性を確実な水準まで高めることは困難である。本発明の意図に沿っていない場合には、特に面内均一性の繰り返し性を確実な水準に高めることは非常に困難である。
その理由を説明する。膜が形成された後では、真空容器の内壁の形状、ガスの供給方法を調整することが一般的なプラズマドーピング装置では困難であるためである。ガスの供給方法の調整には、具体的には、ガスを真空容器に供給する位置などがある。真空容器の内壁の形状を変えるには、機械的駆動性を内壁の一部に持たせる必要がある。
しかし、真空容器内で内壁の形状を変えるような複雑な機械的動きを行うとパーティクルが発生しやすい。できるだけ機械的な動きは少なくしたい。まして膜が形成された部分の内壁を動かすと膜の一部が剥がれることでパーティクルの原因となり易い。ガスを真空容器に供給する位置を変える場合も、ガス吹き穴の位置を変化させるための機械的動きが発生する。そのために同様の理由でパーティクルの原因となり易い。
一方、機械的駆動性を持たせずに大気に開放して真空容器の内壁の形状、ガスの供給方法を調整することも考えられる。しかし、この場合も膜の形成後に大気開放せずに生産に移行できる場合と比べるとパーティクルの発生頻度は明らかに多くなるので望ましくない。さらに、ボロンを含む膜の場合は特に困難である。実験結果からボロンを含む膜は、水分と反応し易いことがわかっている。このため、大気に曝すと大気中の水分と反応して膜の性質が変わってしまうので、その後に真空容器を真空に引いて、プラズマドーピングを行えるように調整しても、もはや大気に曝す前の膜の性能は得られない。そこで、特にボロンを含む膜の場合、膜を形成した後に真空容器を大気に開放して真空容器の内壁の形状、ガスの供給方法を調整できない。
比較例2では、意図せずに膜が形成され、その後に繰り返し性と面内均一性を改善するように真空容器内壁の形状やガスの供給方法を調整した。しかし、この方法では、もし膜の形成が途中であった場合には繰り返し性は得られない。また、もし膜の形成が完了していた場合には、面内均一性を改善することが難しかった。これに対して実施例では、真空容器内壁にボロンを含む膜が安定して形成された後の状態で真空容器内壁の形状やガスの供給方法を面内均一性が良くなるようにあらかじめ調整した。この差によって、実施例はパーティクルを発生させることなく面内均一性と繰り返し性を安定して良い水準に保つことができるという顕著な効果を発揮できる。
さらに、膜がボロンを含む場合には、真空容器を大気開放することができないので、比較例では面内均一性の調整がより困難となるので、実施例の効果はより顕著となる。このように実施例のように膜を形成する前に、膜を形成した後の面内均一性が良くなるように真空容器の内壁の形状、ガスの供給方法をあらかじめ調整しておくことがより望ましい。
(比較例4)
不純物を含む固体状のターゲットにスパッタリング用のガスをプラズマ状態で衝突させてターゲットから不純物を飛び出させ、飛び出した不純物を試料の表面部に導入する技術が開示されている(特許文献3)。この特許文献3に示された技術では、1GHz以上のマイクロ波を真空チャンバー内に導入することが特徴である。従来のスパッタリング装置においては、ターゲットを構成する材料が金属であるため、ECR等のプラズマ発生手段を有しない平行平板型プラズマ発生装置でもプラズマは発生する。
しかしながら、ボロンを含有するターゲットを用いる場合には、ボロンは絶縁性が高いため、発生した電界を発散させてしまうので、プラズマは発生し難い。そこで、ECR18を設けて1GHz以上のマイクロ波を真空チャンバー内に導入する。このように1GHz以上のマイクロ波を真空チャンバー内に導入すると、平行平板型プラズマ発生装置の約1000倍の高密度のプラズマが発生するので、短時間でボロン等の不純物をシリコン基板の表面部に打ち込むことができる。このため、シリコン基板の温度が300℃以上に上昇しないので、シリコン基板の上に形成されたレジストパターンが焦げる事態を回避できるというものである。
この方法では、不純物を含む固体状のターゲットを準備して、真空容器内部に配置する。しかし、この比較例では試料の表面にスパッタリングで導入される不純物の量が前記不純物イオンを含むプラズマを真空容器内部で繰り返し発生させても変化しないように、不純物を含む膜をあらかじめ形成するようにメンテナンスをしていないため、面内均一性や繰り返し性を得るのは困難である。その理由を説明する。固体状のターゲットを真空容器内部に配置したとしても、実施例で用いたような不純物(実施例ではボロン)を含むプラズマを真空容器内で繰り返し励起すると、固体状のターゲットの表面にボロンを含む膜が形成されていく。また、真空容器の内壁で固体状のターゲットで覆われていない部分には内壁の表面にボロンを含む膜が形成されていく。そして、繰り返し励起を続けて実施して、ある時間励起した後に膜の形成が飽和して完成する。よって、固体状のターゲットを真空容器内部に配置しただけでは、プラズマを真空容器内部で繰り返し発生させても膜起因のドーズ量が変化しないように内壁に前記不純物を含む膜を備えた真空容器を用意するメンテナンス工程を有していることにならないし、シート抵抗の繰り返し性を得るのは困難である。
また、ターゲットの作成方法は明確には記載されていないが、ターゲットは真空容器の内部で作成せず、外部で作成したものを真空容器の内部に設置することが一般的であろうと考えられる。しかし、この方法では、不純物を含む固体は必ず一度大気に曝される。よって大気中の酸素と反応して膜の表面に酸化膜が形成されたり、大気中の水分と反応して膜の性質が変化したりしてしまう。膜が酸化したり、大気中の水分と反応したりすることはプラズマドーピング後の不純物のドーズ量、均一性に多大な影響を与える。よって、仮に面内均一性が良くなるように不純物を含む固体状のターゲットの形状やその配置場所を設計したとしても、大気の湿度や気温などの変化で設計どおりに均一なプラズマドーピングを行うことはできない。同じ理由でドーズ量の繰り返し再現性も設計通りに得られない。なお、湿度や気温が管理されたクリーンルームの内部であっても湿度、温度は日によってわずかに変化するし、酸化や水分との反応を抑えることはできない。
これに対して本発明では、プラズマを真空容器内部で繰り返し発生させても真空容器の内壁に固着した不純物を含む膜からのドーズ量が変化しないように内壁に不純物を含む膜を形成する。これによって、ドーズ量が繰り返し再現するという顕著な効果を得る。さらに本発明では、不純物イオンを含むプラズマを真空容器内部で繰り返し発生させても不純物のドーズ量が±10%の範囲内で同程度になったときにドーズ量が半導体基板の面内で均一になるように真空容器の内壁に固着した不純物を含む膜を形成する。これにより、ドーズ量の面内均一性を良い水準に保ちながら繰り返し再現性を得ることができるという顕著な効果を得る。さらに本発明では、前記不純物を含む膜を形成する工程は、メンテナンス工程で不純物を含む膜を除去した真空容器をプラズマドーピング装置に備え付けた後、真空容器内部で前記不純物イオンを含むプラズマを発生させることで形成する。これにより、不純物を含む膜を一度も大気に曝すことなくプラズマドーピングに供することができる。よって、大気の湿度や気温に影響されることなく、端部3mmを除く300mm基板の全面で繰り返し再現性を保ちながら、標準偏差が1.7%のような、さらにPD時間を調整することで1.5%以下のような非常に均一な不純物のプラズマドーピングが可能になるという顕著な効果を得ることができる。
Figure 2006121131
プラズマドーピングは本発明者の1人を含むグループが1986−1987年にシリコントレンチへの不純物導入方法として発表(非特許文献3)して以来、20年近く注目されてきた。その後、浅い接合を形成するための技術分野においても1996年にプラズマドーピングを用いて作製したMOSデバイスを発表(非特許文献4、5)して以来、10年にわたってプラズマドーピングは注目され、実用化が期待されてきた。しかし、未だ実用化は困難であった。実用化の壁になっていた課題のひとつがドーズ量と面内均一性の繰り返し安定性であった。本発明はこれらを解決したものである。
比較例1、2、3は、これらを組合せて用いて設計事項を整えた場合でも、プラズマドーピングを繰り返したときのドーズ量と面内均一性の十分な繰り返し安定性が得られない。一方で、実施例ではドーズ量と面内均一性の繰り返し安定性が得られる。本発明が示したドーズ量と面内均一性の繰り返し安定性の解決方法は、比較例を組合せて容易に想達できるものでもなく、装置技術の設計事項でもない、これまでにない独自の方法で顕著な効果を発揮するものである。
本発明のプラズマドーピング方法は、高精度に不純物濃度プロファイルの制御を行うことができ、浅い不純物拡散領域を形成するプラズマドーピング方法を実現することが可能であることから、半導体の不純物導入工程をはじめ、液晶などで用いられる薄膜トランジスタの製造等の用途にも適用できる。
本発明は、プラズマドーピング方法、この方法に用いられるプラズマドーピング装置およびこの方法で形成されたシリコン基板に係り、特に不純物を半導体基板等の固体試料の表面に導入するプラズマドーピングを行う方法に関する。
不純物を固体試料の表面に導入する技術としては、不純物をイオン化して低エネルギーで固体中に導入するプラズマドーピング(PD)法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
一方、不純物を導入する方法として、現在最も広く用いられている方法はイオン注入法である。プラズマドーピング法は、例えば非特許文献1にあきらかなように、ITRS2003でも引き続きイオン注入の次世代の不純物導入技術として記載され、イオン注入法とは異なる不純物導入技術である。
以下にイオン注入とプラズマドーピングの技術的相違点を少し詳細に説明する。
イオン注入法においては、ガスからプラズマを発生させるイオン源と、イオン源から引き出したイオンから所望のイオンだけを選別するために質量分離する分析磁石と、所望のイオンを加速する電極と、加速した所望のイオンをシリコン基板に注入するプロセスチャンバーとを有する装置構成が用いられる。イオン注入において不純物を浅く注入するためには、イオン源からイオンを引き出すエネルギーと加速エネルギーとを小さくすれば良い。
しかし、引き出しエネルギーを小さくすると引き出されるイオンの数が減少してしまう。さらに、加速エネルギーが小さくなるとイオンビームをイオン源からウェハに輸送する間にイオン同士の電荷による反発力でビーム径が広がってしまい、ビームライン内壁に衝突するなどして多数のイオンが失われてしまう。そのため、注入処理のスループットが低下してしまう。例えばB+イオンを注入する場合では、加速エネルギーが2keV以下になるとスループットが低下し始め、0.5keV以下になるとビームの輸送自体が困難になる。しかし、0.5keVまで低エネルギー化しても20nm程度の深さまでBが注入されてしまう。つまり、これよりも薄いエクステンション電極を作りたい場合には生産性が極端に低下してしまうという課題がある。
これに対してプラズマドーピング法においては、シリコン基板を内部に配置できるような円柱形状の真空容器にプラズマを誘起するプラズマ発生源と、シリコン基板を配置するバイアス電極と、バイアス電極の電位を調整するバイアス電源を有する装置構成が用いられる。分析磁石も加速電極も有しない、イオン注入と全く異なる装置構成である。真空容器にプラズマ源とウェハホールダを兼ねたバイアス電極を設置し、プラズマとウェハの間に発生するポテンシャルでイオンを加速して導入する。これにより、低エネルギーのプラズマを直接使用することができるので、イオン注入と比較して大量の低エネルギーイオンをウェハに照射できる。つまりドーズレートが桁違いに大きいという特徴がある。この特徴により低エネルギーのB注入でも高いスループットを維持できる。
さらに、本発明者らは、プラズマドーピング法を応用して、極めて浅くて且つ低抵抗のソース・ドレインエクステンション電極を形成するプロセス技術を開発した。この新規プロセス技術は、新規で特段の効果があるプロセス技術として認知されている(非特許文献2)。
この方法では、ガス導入口から導入されたドーピング原料ガス、例えばBを、マ
イクロ波導波管及び電磁石から成るプラズマ発生手段によってプラズマ化し、プラズマ中のボロンイオンを高周波電源によって試料の表面に供給するという方法がとられる。
半導体装置の小型化、高集積化に伴い、不純物導入領域における特性は極めて重要である。なかでも、ドーズ量(不純物導入量)は、素子特性を決定する重要な要素のひとつである比抵抗を決定するため、ドーズ量の制御はきわめて重要なポイントである。
しかしながら、プラズマドーピング法を用いると、極浅で低抵抗のソース・ドレインエクステンション電極が形成できることはわかったにもかかわらず、その特性を制御するドーズ量の制御方法は開発されていなかった。これまでにはプラズマドーピングする時間を変化させることで、ドーズ量を変化させる方法が採られていたが、これでは制御の精度が不十分であり、実用的ではなかった。
このような状況の中で、本発明者らは、人体に対してきわめて危険性の高い毒性をもつBをできるだけ希釈して安全性を高め、ドーピング効率を低下させることなく、安定してプラズマの発生や維持を行なうとともに、ドーパント注入量の制御を容易に行なうことのできる方法として、ドーピングする不純物を含む物質としてのBガスを、電離エネルギーの小さいHeガスで希釈し、Heのプラズマを先行して発生させ、しかる後にBを放電させるようにする方法を提案した(特許文献2)。この方法において、Bガスの濃度が0.05%未満となるようにするのが望ましいとの提案もある。
しかしながら、0.05%程度の低濃度にしたとき、ドーズ量を制御しやすいとの報告はなされているものの、これはガス濃度を一定にしつつ、時間を変化させてドーズ量を変えるものであった。Bガス濃度を低濃度にした方が、時間変化に対するボロンのドーズ量変化が小さくなるのでドーズ量を制御し易いという内容のものであった。ドーズ量の制御精度を高める上で進歩したものであったが、真空容器内にプラズマを発生させ、プラズマ中の不純物イオンを試料の表面に衝突させて試料の表面に不純物導入層を形成するプラズマドーピング方法では、同じプラズマ条件であるにも係わらずシリコン基板にプラズマを照射するたびにドーズ量が変化して再現性がよくない場合があった。これは、シリコン基板にイオンを注入するために真空容器内でプラズマを発生させるが、そのことによって真空容器内の状態が毎回変化するためであるとされ、ドーズ量を再現性良く調整することは困難であるとされていた。さらに、真空容器内の状態が毎回変化するのでドーズ量をシリコン基板面内で均一に維持することも困難であるとされていた。考えられるパラメータや装置形状を調整して、ドーズ量が均一になるようにできたとしても、それを繰り返し再現させることができなかったのである。
米国特許第4912065号明細書 特開2004−179592号公報 特許第3340318号公報 International Technology Roadmap for Semiconductors 2001 Edition(ITRS2001)のFront End ProcessのFigure 30のShallow Junction Ion Dopingの欄 Y. Sasaki, et al., Symp. on VLSI Tech. p180 (2004). B. Mizuno, et al. : Plasma Doping into the side-wall of a sub-0.5μm width Trench, Ext. Abs. of International Conference on SSDM, p. 317 (1987). B. Mizuno, et al. : Plasma doping for silicon, Surface Coating tech., 85, 51 (1996). B. Mizuno, et al. : Plasma Doping of Boron for Fabricating the Surface Channel Sub-quarter micron PMOSFET, Symp. VLSI Tech, p. 66 (1996).
このように、真空容器内の状態が毎回変化することは知られていたものの、具体的に何がどのように変化するのかは明らかでなかった。本発明者らは、種々の考察の結果、プラズマチャンバーとしての真空容器内壁に不純物を含む膜が形成され、その膜の状態が変化することに着目した。具体的には、Bガスとヘリウムガスの混合ガスプラズマによるプラズマドーピング処理を繰り返すと、膜の色の濃さと膜が形成されている面積が変化していく。つまり、膜の厚みが厚くなり、膜が形成される面積が大きくなっていくことに注目し、本発明はこの点に基づいてなされたものである。本発明者らは、真空容器の内壁に固着した前記不純物を含む膜がプラズマ中のイオンで叩かれる(スパッタリングされる)ことによって前記試料の表面のプラズマ濃度が変化するのではないか、その変化量は膜の厚さ、膜が形成される面積、によって変化するのではないかという推測をした。また、膜の単位体積中に含まれる不純物の密度にも左右されるのではないかと推測した。
本発明者らの実験結果によると、真空容器の内壁に固着した前記不純物を含む膜からシリコン基板表面に導入される不純物のドーズ量が、毎回変化した。
本発明は、前記実情に鑑みてなされたものであり、プラズマ処理を繰り返しても、膜からシリコン基板へのドーズ量が毎回同一となるようにすることができるプラズマドーピング方法を提供することを目的とする。
そこで本発明は、被処理基板に不純物導入層を形成するプラズマドーピング方法であって、第1の不純物を含む膜が形成されている内壁を有する真空容器を用意する工程(a)と、前記工程(a)の後に、前記試料台に前記被処理基板を載置する工程(b)と、前記工程(b)の後に、前記真空容器内に第2の不純物を含むプラズマを発生させるとともに前記試料台からなる電極に高周波電力を供給することにより、前記被処理基板に前記第1の不純物及び前記第2の不純物を導入して前記不純物導入層を形成する工程(c)とを含むことを特徴とする。
また本発明は、上記プラズマドーピング方法において、前記内壁が、前記被処理基板を載置する試料台を囲んでいることを特徴とする。
また本発明は、上記プラズマドーピング方法において、前記工程(c)において、前記不純物導入層に導入される前記第1の不純物のドーズ量は、前記第2の不純物のドーズ量に比べて多いことを特徴とする。
また本発明は、上記プラズマドーピング方法において、前記工程(c)では、前記第2の不純物を含むプラズマを照射して前記被処理基板に前記第2の不純物を導入するとともに、前記第1の不純物を含む膜が前記プラズマに曝されることでスパッタリングされて放出された前記第1の不純物が前記被処理基板に導入されることを特徴とする。
また本発明は、上記プラズマドーピング方法において、前記第1の不純物と前記第2の不純物は、同一の不純物であることを特徴とする。
また本発明は、上記プラズマドーピング方法において、前記被処理基板は、半導体基板であり、前記工程(a)において、前記第1の不純物を含む膜は、前記第2の不純物を含むプラズマから導入される第2の不純物の分布と前記第1の不純物を含む膜から導入される第1の不純物の分布とを合わせた分布が前記半導体基板表面で均一になるように設定されていることを特徴とする。
また本発明は、上記プラズマドーピング方法において、前記内壁は、前記真空容器の内壁であることを特徴とする。
また本発明は、上記プラズマドーピング方法において、前記不純物導入層の形成は、前記試料台を備えたプラズマドーピング装置を用いて行い、前記工程(a)では、前記第1の不純物を含む膜を除去した前記真空容器を前記プラズマドーピング装置に設置した後、前記真空容器内部で前記第1の不純物を含むプラズマを発生させることで前記第1の不純物を含む膜を前記真空容器の内壁に形成する工程を含むことを特徴とする。
また本発明は、上記プラズマドーピング方法において、前記不純物導入層の形成は、前記試料台を備えたプラズマドーピング装置を用いて行い、前記工程(a)では、前記第1の不純物を含む膜を除去した前記真空容器を前記プラズマドーピング装置と異なるプラズマ発生装置に設置した後、前記真空容器内部で前記第1の不純物を含むプラズマを発生させることで前記第1の不純物を含む膜を前記真空容器の内壁に形成する工程(a1)と、前記工程(a1)の後に、前記第1の不純物を含む膜が内壁に形成された前記真空容器を前記プラズマドーピング装置に設置する工程(a2)とを含むことを特徴とする。
また本発明は、上記プラズマドーピング方法において、前記内壁は、前記真空容器内に設けたインナーチャンバーの内壁であることを特徴とする。
また本発明は、上記プラズマドーピング方法において、前記不純物導入層の形成は、前記試料台に載置した前記被処理基板と対面する位置に複数のガス吹き出し口が設けられた天板が配置されているプラズマドーピング装置を用いて行なうことを特徴とする。
また本発明は、上記プラズマドーピング方法において、前記第2の不純物を含むプラズマは、ボロンを含むガスのプラズマであることを特徴とする。
また本発明は、上記プラズマドーピング方法において、前記ボロンを含むガスは、ボロンと水素からなる分子のガスであることを特徴とする。
また本発明は、上記プラズマドーピング方法において、前記ボロンを含むガスは、シボラン(B 2 6 )であることを特徴とする。
また本発明は、上記プラズマドーピング方法において、前記第2の不純物を含むプラズマは、ボロンと水素からなる分子のガスを希ガスで希釈したガスのプラズマであることを特徴とする。
また本発明は、上記プラズマドーピング方法において、前記希ガスは、原子量がネオン以下の元素であることを特徴とする。
また本発明は、上記プラズマドーピング方法において、前記希ガスは、ヘリウムであることを特徴とする。
また本発明は、上記プラズマドーピング方法において、前記第2の不純物を含むプラズマは、シボラン(B 2 6 )をヘリウムで希釈したガスのプラズマであることを特徴とする。
また本発明は、上記プラズマドーピング方法において、ボロンの注入深さが7.5nmから15.5nmであることを特徴とする。
また本発明は、上記プラズマドーピング方法において、前記工程(c)において、前記真空容器の内壁の温度は、40℃から90℃の範囲における所望の温度に設定されていることを特徴とする。
また本発明は、プラズマドーピング法で形成された不純物導入層を有する半導体装置であって、
前記不純物導入層におけるボロンのプロファイルは、ボロン濃度が5×10 18 cm −3 となる深さで7nm以上15.5nm以下であり、ボロン濃度が1×10 19 cm −3 から1×10 18 cm −3 に低下する距離で評価した場合のボロンの深さプロファイルの急峻性は1.5nm/dec以上3nm/dec以下であることを特徴とする。
また本発明は、上記半導体装置において、前記不純物導入層は、MOSFETにおけるエクステンション領域となることを特徴とする。
本発明は、これまでのプラズマドーピングの常識を覆す技術的思想に基づいてドーズ量の制御と面内均一化を行ったものである。従来のプラズマドーピングの常識では、不純物はプラズマ中のイオン、ガス、ラジカルから導入され、その原料は真空容器に接続されたガス管からガスとして供給されるものであった。つまり、ガス濃度や圧力、ガスの混合比といったようにガスに含まれる不純物の量が半導体基板表面に導入される不純物の量を決定するという思想であった。そこで、プラズマ密度やガスの流量、圧力の分布を半導体基板面上で均一になるように設計していた。また、ドーズ量の調整も供給するガスに含まれる不純物の濃度を調整することでプラズマに含まれる不純物の濃度を調整するか、またはプラズマを照射する時間を調整することで行っていた。
これに対して、本発明では、発明の前提となる発見として、ガス管からガスとして供給しプラズマ化して半導体基板表面に導入される不純物の割合は、プラズマドーピングで導入される不純物の全体量の15%から30%程度に過ぎないことを発見した点に着目すべきである。これは従来の常識を覆す数値である。従来は、ガスプラズマからのドーズ量が主要因であるとの思想に基づいてプロセスと装置全般の設計が行われていた。さらに本発明では、85%から70%を占める主要因が、プラズマドーピングを繰り返し実施する間に真空容器の内壁に固着するように形成された不純物を含む膜がプラズマに曝されることでスパッタリングされ、これにより一度膜に取り込んだ不純物を再びプラズマ中に放出して、放出された不純物が半導体基板表面に導入される現象が占めていることも明らかになった。ドーズ量に占める要因別の割合をより厳密に決定することは今後の研究を待たざるを得ないし、プラズマドーピング条件によって変化すると考えられるが、従来では主要因と考えられていたガスプラズマ起因のドーズ量の割合が小さいことが重要である。従来で考慮されていたように、プラズマのパラメータを調整しても、ドーズ量を制御し、均一性を繰り返し安定に保ち、再現性良くプロセスを行うことは不可能であることが理解できるであろう。つまりドーズ量を制御し、繰り返し均一性を安定に保ち、再現性良くプロセスを行うためには、主要因である不純物を含む膜起因のドーズ量の制御、安定性の確保に取り組まなければならない。つまり、真空容器の内壁に固着する不純物を含む膜を調整するものである。
本発明のプラズマドーピング方法は、真空容器内の試料電極に試料を載置し、真空容器内にプラズマを発生させ、プラズマ中の不純物イオンを試料の表面に衝突させて試料の表面に不純物導入層を形成するプラズマドーピング方法であって、真空容器の内壁に固着した前記不純物を含む膜がプラズマ中のイオンで叩かれることによって、前記試料の表面にスパッタリングで導入される不純物の量が前記不純物イオンを含むプラズマを真空容器内部で繰り返し発生させても変化しないように内壁に前記不純物を含む膜を備えた真空容器を用意するメンテナンス工程と、試料電極に試料を載置する工程と、不純物イオンを含むプラズマを照射して前記試料に不純物イオンを打ち込むと共に真空容器の内壁に固着した不純物を含む膜からのスパッタリングで不純物を前記試料に導入する工程とを含むことを特徴とする。
この構成によれば、真空容器の内壁の不純物を含む膜からのスパッタリングにより試料に導入される不純物の量が変化しないように、真空容器の内壁に膜を形成し、プラズマドーピングを行っているため、再現性よくかつ安定して不純物導入を行うことができる。
また本発明は、上記プラズマドーピング方法において、前記メンテナンス工程が、不純物を含む膜を形成するに先立ち、真空容器の内壁に固着した不純物を含む膜を除去する工程を含む。
この構成により、真空容器の内壁に付着した不純物を一旦除去し、再度条件に合わせて不純物を含む膜を形成しているため、信頼性の向上をはかることができる。
また本発明のプラズマドーピング方法は、前記試料がシリコン基板であり、前記不純物イオンを含むプラズマを真空容器内部で繰り返し発生させても不純物のドーズ量が±10%の範囲内で同程度になったときにドーズ量がシリコン基板の面内で均一になるように真空容器の内壁に固着した不純物を含む膜を形成する。
この構成により、より高精度の制御が可能となる。
また本発明のプラズマドーピング方法は、真空容器内壁に付着する不純物の量が所望の値となるように、真空容器内壁の形状を調整する工程を含む。
例えば、膜の形成が完了した段階で、不純物イオンを含むプラズマから導入される不純物の分布と、真空容器の内壁に固着した不純物を含む膜からのスパッタリングで導入される不純物の分布を合わせた分布が、シリコン基板表面で均一になるように真空容器の内壁の形状を調整しておく。膜の形成が完了した段階で均一になるように調整することが重要であり、より望ましい。こうすることで均一に繰り返し性の良いプラズマドーピングを実現できる。膜を形成する前やその途中で不純物のドーズ量の分布が均一になるように真空容器内壁の形状を調整しても、プラズマドーピング処理を繰り返す間に真空容器の内壁の状態、すなわち膜の状態が変化するので、均一性を再現することは困難である。
また本発明のプラズマドーピング方法は、真空容器内壁に付着する不純物の量が所望の値となるように、ガス供給方法を調整する工程を含む。
例えば、ガス噴射口の付近には色の濃い、つまり厚い不純物を含む膜が形成され易い。このために、半導体基板の面上で、ガス噴射口から近い部分はドーズ量が大きくなり、遠い部分はドーズ量が小さくなる。このことを利用して、ガス噴射口と半導体基板の位置関係を調整することにより、ドーズ量の面内均一性を改善することができる。例えば、ガス噴射口に対して半導体基板を回転するなどの方法で移動させることによっても面内均一性を改善することが可能となる。
また本発明のプラズマドーピング方法は、前記メンテナンス工程が、不純物を含む膜を除去した真空容器をプラズマドーピング装置に設置した後、真空容器内部で前記不純物イオンを含むプラズマを発生させることで前記不純物を含む膜を形成する工程を含む。
この構成によれば、特別の装置を用いることなく、制御性よく高精度の不純物プロファイルを得ることができる。
また本発明のプラズマドーピング方法は、前記不純物を含む膜を形成する工程が、メンテナンス工程で不純物を含む膜を除去した真空容器を、膜を形成するために別途準備したプラズマ発生装置に設置した後、真空容器内部で前記不純物イオンを含むプラズマを発生させることで前記不純物を含む膜を形成する。
この構成によれば、別の装置を用い所望の制御を行うようにしているため、制御性よく高精度の不純物プロファイルを得ることができる。
また本発明のプラズマドーピング方法は、真空容器の内壁の温度を測定し、管理しながら真空容器の内壁に固着した不純物を含む膜からのスパッタリングで不純物を前記試料に導入する工程を有するものを含む。
この構成により、不純物を含む膜から半導体基板に導入される不純物の量は真空容器内壁の温度によって変化することを見出した。そして、これを一定に保つためには真空容器内壁の温度を一定に保つように調整することが望ましい。また、膜からの不純物導入量を所望の値にするには真空容器内壁の温度を所望の温度に調整することが望ましい。
なお、本発明は、真空容器の内部に内壁を覆うようにダミーの容器を配置して、その容器の内壁に膜を形成することも含む。真空設備ではこのようなダミーの容器をインナーチャンバーと呼ぶことが多い。本発明では、真空容器内壁に膜を形成したり、その形状を工夫したり、その温度を管理したりするというように記載したが、インナーチャンバー内壁についても同様の工夫で同様の効果を発揮することは言うまでもなく、よって本発明に含まれる。さらにインナーチャンバーは真空を保持する機能はなく簡単に取り外しができ、洗浄も簡単であり、消耗品として使える。よって、インナーチャンバーを設けることで、高価な真空容器を取り外して洗浄することなく、インナーチャンバーだけを取り外して洗浄ができるのでさらに望ましい。
また本発明のプラズマドーピング方法は、前記プラズマは、ボロンを含むガスのプラズマである。
この構成によれば、ボロンの膜を真空容器内壁に形成することができ、真空容器内壁に固着した不純物を含む膜がプラズマ中のイオンで叩かれることによって、試料の表面にスパッタリングで導入される不純物の量が不純物イオンを含むプラズマを真空容器内部で繰り返し発生させても変化しないようにし、スパッタリングによる不純物とともに、制御性よく高精度の不純物プロファイルを得ることができる。
また本発明のプラズマドーピング方法は、前記ボロンを含むガスはボロンと水素からなる分子のガスであるものを含む。
ガスとしては、BF3などを用いることも可能であるが、Fはスパッタレートが高いために安定した膜を形成し難い。安定した膜を形成するためには、スパッタレートの低い元素で構成されるガスを用いる方がより望ましい。さらにスパッタレートが高いとプラズマドーピング処理中にシリコン基板表面を削りとるので設計通りにデバイスを製造できない。さらに、不純物を導入したシリコン表面を削ることになるので、制御性の良い不純物導入自体が困難になる。水素は、Fに比べてスパッタレートが低いので、Bと水素からなる分子ガスを用いることにより、制御性よく高精度の不純物プロファイルを得ることができる。
また本発明のプラズマドーピング方法は、前記ボロンを含むガスはシボラン(B)であるものを含む。
この構成によれば、Bは、工業的に安価であり、ガスボンベに入れてガス状態で輸送、保管できることから、取り扱いが容易である。さらに、ボロンと水素のみからなるので、スパッタレートが低いため、制御性よく高精度の不純物プロファイルを得ることができる。
また本発明のプラズマドーピング方法は、前記プラズマは、ボロンと水素からなる分子のガスを希ガスで希釈したガスのプラズマであるものを含む。
この構成によれば、ボロンを含むガス濃度が高過ぎると、剥がれ易い膜ができてしまう。膜が剥がれると半導体製造で歩留まりの低下要因であるパーティクルが発生してしまうという課題となり都合が悪い。そこで、他のガスで希釈してガス濃度を低くすることにより剥がれにくい膜の形成が可能となるが、希釈するガスとしては、化学的に安定であることから希ガスが特に望ましい。
また本発明のプラズマドーピング方法は、前記希ガスは原子量がネオン以下の元素であるものを含む。
希ガスの中でも、原子量の大きいものはスパッタレートが大きいために、安定した膜を形成し難いし、シリコン基板表面を削りとってしまう。そこで、ネオンよりも原子量の小さい希ガスを用いることが望ましい。
また本発明のプラズマドーピング方法は、前記希ガスがヘリウムであるものを含む。特にヘリウムは、希ガスの中で原子量が最も小さく、スパッタレートも最も小さいので、安定した膜を形成し易い上シリコンの削れを最小に留めることができる。
また本発明のプラズマドーピング方法は、前記プラズマは、シボラン(B)をヘリウムで希釈したガスのプラズマであるものを含む。
のガス濃度が低濃度になるようにヘリウムで希釈したガスを用いることが最も望ましい。
また本発明のプラズマドーピング方法は、ボロンの注入深さが7.5nmから15.5nmであるものを含む。
実験の結果から、ボロンの注入深さが7.5nmから15.5nmに相当する注入エネルギー範囲であれば、真空容器の内壁にボロンを含む膜を形成してシート抵抗を飽和させると共に、膜の形成が完了したときに面内均一性が良好となることがわかっている。
また本発明のプラズマドーピング方法は、ボロンの注入深さが10nm以下であるものを含む。
ボロンの注入深さが10nm以下であるような低エネルギー条件下では、均一性を得るのは極めて困難であるが、実験結果から、本発明の方法によれば、PD時間を調整することで1.5%以下の均一性を実現できることがわかった。
また本発明のプラズマドーピング方法は、前記プラズマは、連続プラズマを用いるものを含む。
この構成によれば、連続プラズマを用いてPD時間を調整することで1.5%以下の均一性を実現できる。一般的に、プラズマドーピングでは連続プラズマを用いる技術とパルスプラズマを用いる技術が開発されてきた。パルスプラズマを用いたもので、本発明で意図するような浅い領域への打込みではなく、20nm程度よりも深い打込みの技術ではプラズマドーピングで均一性と再現性を確保したとの報告もあるが浅い領域への打ち込みに対しては均一性および再現性が不十分であった。これに対し、本願発明では種々の実験結果から、連続プラズマで浅い領域への打込みで均一性と再現性を確保することができた。
また本発明の装置は、上記プラズマドーピング方法を実施するための装置であって、真空容器と、試料電極と、真空容器内にガスを供給するガス供給装置と、真空容器内を排気する排気装置と、真空容器内の圧力を制御する圧力制御装置と、試料電極に電力を供給する試料電極用電源を備えたことを特徴とする。
この構成により、圧力制御装置を用いて圧力を制御することで、プラズマドーピングで注入したボロンのドーズ量の再現性を確保することが可能となる。
また本発明の装置は、前記不純物を含む膜を形成するための第2のプラズマ発生装置をさらに備えたものを含む。
この構成により、容易に真空容器の内壁の状態を制御することができる。
また本発明の装置は、前記真空容器に供給するガスの流量分布を調整する機構を有し、前記不純物を含む膜を形成した後に真空容器の内壁を大気開放することなく前記ガスの流量分布を調整できるようにしたものを含む。
この構成により、別の装置を用いることなく、さらには真空を形成する準備時間を別に設けることなく、容易にかつ短時間で所望の内部状態を得ることが可能となる。
また本発明の装置は、前記真空容器の内壁の温度を所望の温度に調整する機構を有するものを含む。
真空容器内壁の温度の温度制御は温度センサーで温度を測定し、ヒータなどで熱を加えることで実現できる。本発明者らの実験によると温度制御を行うことなく実験を行うと、真空容器内壁の温度は、最初、室温であるが、プラズマドーピング処理を繰り返すと40℃から90℃に達した。到達温度は、処理回数や条件にも依存する。そして、プラズマドーピング処理を停止すると室温までゆっくり低下した。つまり、プラズマドーピング処理を開始するときと、繰り返し処理をするときで温度が異なる。さらに外部温度の差で真空容器内壁の温度は影響を受ける。そこで、プラズマドーピング処理を繰り返したときに自然に到達する温度付近、すなわち40℃から90℃の所望の温度に予め調整しておくことが望ましい。これにより、膜からの不純物導入量を所望の値に調整することができる。さらに望ましくは50℃から70℃の所望の温度に調整しておくことが望ましい。これにより、より多くのプラズマドーピング条件で自然に到達する温度に調整することができるのでより繰り返し性が良好となる。
また本発明は、ボロンを含む連続プラズマを用いたプラズマドーピングで表面にボロンを導入した直径300mmのシリコン基板であり、導入されたボロンのプロファイルは、ボロン濃度が5×1018cm−3となる深さで7nm以上15.5nm以下であり、ボロン濃度が1×1019cm−3から1×1018cm−3に低下する距離で評価した場合のボロンの深さプロファイルの急峻性は1.5nm/dec以上3nm/dec以下であり、ボロンのドーズ量は、前記シリコン基板の端部3mmを除いた面での標準偏差が2%以下である。本発明の方法を用いて製造できる多くの製品の中でも、上記の基板を製造することで以下のような顕著な効果を得ることができる。上記範囲の深さにボロンを導入することで、65nmノードから22nmノードの非常に微細なMOSFETのソースとドレインのエクステンション電極を形成できる。さらに上記範囲の急峻性でボロンを導入することで、非常に微細なMOSFETのドレイン電流を増大させることができる。プラズマドーピングでボロンを導入することで生産性良く微細なMOSFETの上記電極を生産できる。さらに300mm基板でドーズ量の面内均一性を良い水準にできるので、生産性が改善されると共に歩留まりが良くなる。なお、実施例では半導体基板はシリコン基板を用いて実証した。しかし、ゲルマニウム基板、歪みシリコン基板でも使われている元素が、シリコン元素とそれほど原子量が違わないことから同様の効果を得られることが推測できるので、ゲルマニウム基板、歪みシリコン基板でも良い。
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図14に本発明の実施の形態1において用いられるプラズマドーピング装置の断面図を示す。
このプラズマドーピング装置は、内壁に不純物を含む膜を形成してなる真空容器15と、真空容器15内を排気する排気装置としてのターボ分子ポンプ6と、真空容器15内の圧力を制御する圧力制御装置としての調圧弁7と、下部電極14に対向した誘電体窓の近傍に設けられたプラズマ源としてのコイルおよびアンテナ3と、このコイルおよびアンテナ3に13.56MHzの高周波電力を供給する高周波電源12と、下部電極14に電圧を供給する電圧源としての高周波電源1とで構成されており、試料台を兼ねる下部電極14上に被処理基板(基板)13を設置し、プラズマ照射を行なうものである。
ここでは、プラズマを発生させるための高周波電源1と放電の調整を行なうマッチングボックス2を介して、コイル及びアンテナ3から高周波が供給される。必要なガスはマスフローコントローラMFC4及び5を介して供給される。真空容器15内の真空度は前記マスフローコントローラ4及び5、ターボ分子ポンプ6、調圧弁7、ドライポンプ8によって制御される。真空容器15に対しては、高周波電源12から、マッチングボックス11を介して電力が供給される。真空容器15内に設置した、被処理基板13は試料台14に載置され、前記電力が供給される。
次に、プラズマドーピング工程について述べる。
このプロセスチャンバーの真空容器15内にガス供給装置からマスフローコントローラ4、5を介して所定のガスを導入しつつ、排気装置としてのターボ分子ポンプ8により排気を行い、圧力制御装置としての調圧弁9により真空容器15内を所定の圧力に保つ。そして高周波電源1により、プラズマ源としてのコイル3に13.56MHzの高周波電力を供給することにより、真空容器15内に誘導結合型プラズマを発生させる。この状態で下部電極14上に、試料としてのシリコン基板13を載置する。また、下部電極14には高周波電源12によって高周波電力が供給されており、試料としてのシリコン基板(被処理基板)13がプラズマに対して負の電位をもつように、下部電極14の電位を制御することができるようになっている。
まず、不純物を含むガスのプラズマを真空容器の中で発生させて膜を形成していく。例えば、一定のプラズマドーピング条件でダミー基板に繰り返しプラズマドーピングを行えば良い。膜が形成されるに従って、膜がプラズマ中のイオンで叩かれることによってシリコン基板の表面にスパッタリングで導入される不純物の量が増加していく。
この増加はやがて飽和に達して、一定のプラズマドーピング条件で行った場合に1回のプラズマドーピング処理で導入される不純物のドーズ量は、プラズマドーピングを繰り返しても一定となる。例えば、一定のプラズマドーピング条件で複数毎のシリコン基板にドーピングを行い、シリコン基板へのドーズ量が同じになっていれば膜の形成が完了したことが分かる。もし、最初の基板へのドーズ量が最後の基板へのドーズ量よりも小さい傾向にあれば、膜の形成は完了していないので膜の形成を続ける。
さらに、膜の形成が完了した段階で、不純物イオンを含むプラズマから導入される不純物の分布と、真空容器の内壁に固着した不純物を含む膜からのスパッタリングで導入される不純物の分布を合わせた分布が、シリコン基板表面で均一になるように真空容器の内壁の形状を調整しておく。
膜の形成が完了した段階で均一になるように調整することが重要であり、より望ましい。こうすることで均一に繰り返し性の良いプラズマドーピングを実現できる。膜を形成する前やその途中で不純物のドーズ量の分布が均一になるように真空容器内壁の形状を調整しても、プラズマドーピング処理を繰り返す間に真空容器の内壁の状態、すなわち膜の状態が変化するので、均一性を再現することはできない。
シリコン基板13を下部電極としての試料台14に載置した後、真空容器15内を排気しつつ、マスフローコントローラ4により真空容器15内にヘリウムガスを、またマスフローコントローラ5により真空容器15内にドーピング原料ガスとしてのジボラン(B)ガスを供給し、調圧弁9を制御して真空容器15内の圧力を0.9Paに保つ。次に、プラズマ源としてのコイル3に高周波電力を1500W供給することにより、真空容器15内にプラズマを発生させるとともに、下部電極14に200Wの高周波電力を供給することにより、ボロンをシリコン基板13の表面近傍に打ち込むことができる。ここでシリコン基板13に曝されているプラズマは、BとHeの混合ガスプラズマ(B/Heプラズマ)である。なお、BとHeの混合の割合は、マスフローコントローラ4と5に流すHeガスとBガスの流量の比を変えることで変化させることができる。
とHeの混合ガスプラズマ(B/Heプラズマ)をシリコン基板に照射してバイアスをかけると、ボロンのシリコン基板へのドーピングとスパッタリングが飽和する(釣り合う)時間がある。すなわち、プラズマ照射を開始すると、最初はドーズ量が増加するが、その後、時間の変化によらずドーズ量はほとんど一定となる時間が続く。時間の変化によらずドーズ量がほとんど一定となる時間をプロセスウインドウとすることでドーズ量をさらに正確に制御できる。また、このシリコン基板面内で、ドーズ量が一定となる時間をあらかじめ測定し、その一番遅いものの開始時間に合わせてドーピング時間を設定することにより、面内均一性も得ることができた。
この不純物を含む膜は、プラズマドーピング装置にメンテナンス後の真空容器を取り付けた後で形成しても良い。膜を形成した後で実際のプラズマドーピング条件で不純物を導入する。こうすることで、膜は形成された後に大気に触れることなくプロセスを行うことができる。ボロンの膜の場合、水分と反応し易いので、上記の方が大気中の水分と反応することなく膜を形成してプロセスに使うことができるので望ましい。
不純物を含む膜は、或いは、メンテナンス工程で不純物を含む膜を除去した真空容器を、膜を形成するために別途準備したプラズマ発生装置に備え付けた後、真空容器内部で前記不純物イオンを含むプラズマを発生させることで前記不純物を含む膜を形成しても良い。真空容器を複数用意しておけば、別途準備したプラズマ発生装置で膜をつける作業をしている間に、事前に膜をつけておいた真空容器をプラズマドーピング装置に取り付けてプラズマドーピング処理を行うことができる。これにより、真空容器内壁に膜をつける間にもシリコン基板にプラズマドーピング処理を行えるので生産性を向上することができる。
<実施例1>
本発明の実施例1について説明する。なお、特に特筆しない場合、以下の実験方法は各実施例に共通である。まず、上記図14に示すプラズマドーピング装置を用い、BとHeの混合ガスプラズマを用いて真空容器にボロンの膜を形成した。ここで用いたプラズマドーピング装置は、通常用いられる装置である。PD条件は、BとHeのガス混合比は0.05%と99.95%、ソースパワーは1500W、バイアスパワーは135W、圧力は0.9Paで行った。バイアスを印加しているプラズマドーピング時間は60秒とした。この一定のPD条件で、メンテナンス直後の真空容器内で直径300mmのシリコン基板にプラズマドーピングを行った。そして、1枚目、25枚目、75枚目、125枚目、250枚目、500枚目に処理したシリコン基板を1075℃、20秒間の条件で熱処理した。その後、基板の端部3mmを除いた121箇所のシート抵抗を四探針法で測定し、シート抵抗の平均値と標準偏差を計算した。面内均一性は、シート抵抗の標準偏差(1σ)で示した。上記で、例えば2枚目以降24枚目までを熱処理しなかった理由は、これらの処理はダミーのシリコン基板を用いて行ったからである。ダミーのシリコン基板とは、同じシリコン基板を用いるが、PD処理毎に常に新しい基板を用いるのではなく、100回程度は同じシリコン基板で繰り返しPD処理を行ったという意味である。真空容器内壁にボロンを含む膜を形成する実験に影響を及ぼさずに、シリコン基板の消費量を節約するための実験計画上の処置である。
図1はプラズマドーピング処理枚数とシート抵抗の関係である。同じPD条件で処理したにも係わらず、最初はシート抵抗が高く、処理枚数が増加するに従ってシート抵抗が低下した。実験後に真空容器内壁に形成されていた膜を分析した結果、ボロンを含んでいることが分かった。PD処理を繰り返すうちに膜が形成されていって、シート抵抗が低下したものと考えられる。
75枚目、125枚目、250枚目、500枚目にPD処理した基板のシート抵抗の平均値は236.1 ohm/sqであった。図2と図3は、236.1 ohm/sqを1とした場合のシート抵抗の比を縦軸にとって、PD処理枚数を横軸にとった図である。図3は、シート抵抗の比が0.8から1.2の範囲に限って表示した。図3から25枚目ではシート抵抗の低下は飽和しておらず、すなわち膜の形成も飽和していない。ところが、75枚目以降はシート抵抗は平均値から±5%以内のばらつきに収まっており、シート抵抗の低下は飽和している。すなわち、膜の形成は75枚目付近のPD処理で飽和したことがわかる。膜の形成が完了した後は、シート抵抗は平均値付近を小さい範囲でばらつきながら数多くのPD処理を安定して続けることができた。
図2を参照して、1枚目にPD処理した基板のシート抵抗は75枚目以降の平均のシート抵抗(236.1 ohm/sq)の約3.2倍であった。ドーズ量は、シート抵抗にほぼ比例すると考えることができる。よって、1枚目のドーズ量は75枚目以降の3割程度しかないことを意味している。ボロンが導入される要因は、1枚目の場合は、ガス導入口から導入されたBガスに含まれるボロンがプラズマ化してガス、イオン、ラジカルの状態で導入されたBガスプラズマ起因のものが全てである。このとき、ボロンを含む膜は形成されていないので、膜が起因のドーズ量は零である。一方で、75枚目以降の要因は、Bガスプラズマが起因したものに加えて真空容器内壁に形成されたボロンを含む膜が起因したものが含まれる。1枚目の場合も75枚目以降の場合もPD条件は変わりがないので、Bガスプラズマ起因のドーズ量は変化がない。変化したのは膜が起因のドーズ量である。表1に1枚目と75枚目以降のドーズ量を要因別に分けて示した。75枚目以降では、ボロンを含む膜からのドーズ量が約70%を占めて主要因になっていることがわかる。Bガスプラズマ起因のドーズ量は、約30%だけである。これは、プラズマドーピングの従来の概念を覆すものであり、新規に確認した事実である。このことからプラズマドーピングでドーズの面内均一性、繰り返し性を得るためには、ボロンを含む膜からのドーズ量に着目することが重要であり、膜起因のドーズ量を半導体基板の面内で均一にすること、繰り返し再現性を良くすること、所望のドーズ量になるように調整することが重要であり望ましいことを見出した。
Figure 2006121131
図4は、プラズマドーピング処理枚数とシート抵抗の面内均一性の関係である。1枚目に5.28%であった面内均一性が、25枚目以降は2%から3%の範囲に改善されたことがわかる。これは、膜の形成が完了したときに面内均一性が良くなる様に真空容器の内壁の形状を調整したからである。従来はプラズマやガス分布を均一にするように真空容器の形状やコイルの位置を調整していた。これは、1枚目に最も良い均一性が得られるように調整していることに相当する。ところが、本実施例では、膜が全く形成されていないという理由で1枚目の均一性は無視して、膜の形成が完了したときの状態に着目して真空容器内壁の形状を調整したことが特徴である。この結果、膜が形成されてきた25枚目以降の方が1枚目よりも面内均一性が良い。そして、膜の形成が完了した75枚目以降では、1枚目よりも大幅に改善した面内均一性を継続して繰り返し再現性良く実現できることがわかる。
上記実験結果に基づいて、膜の形成が完了したときに面内均一性がさらに良くなるように、メンテナンス後の真空容器内壁の形状をあらかじめ調整したプラズマドーピング装置を用意し、プラズマドーピングを行った。真空容器内壁の中でも特に側面と上面の形状を調整することが望ましい。具体的には、真空容器の中にもう一つ内壁の役目をする容器を設けた。この容器は真空を保持することはできない。その表面に膜を形成するための容器である。これを設けることで、メンテナンス時に真空容器全体を洗浄する必要がなく、前述の容器のみを真空容器から取り外して洗浄すればよい。容器を複数準備しておけば、容器の洗浄中に予備の容器を用いて生産を続けることができ、効率向上をはかることができる。さらに真空容器に比べて前述の容器は真空保持能力を備えていないので構造を簡単にでき、洗浄自体がし易くなる。
この容器の形状を下記のように工夫した。容器は、シリコン基板中央から見て概ね対称形状である。しかし、シリコン基板を真空容器内に搬送するための搬送アームを真空容器に出し入れするための開口を設ける必要がある。その部分のみは対称性を著しく欠いていた。そこで、できるだけ対称性を保てるように、シリコン基板と搬送アームが通り抜けられるだけの面積に開口の面積をできるだけ小さくする工夫をした。その結果、図5のように膜の形成が完了した100枚目以降のPD処理において、2%以下の非常に良い均一性を得た。
なお、ここでは、開口の面積を小さくしたが、プラズマドーピングを行うときは開口に蓋をする機構を設けて開口を塞ぐようにし、開口に蓋をした後に膜を形成するようにした方が対称性をより高められるので望ましい。開口16に蓋をする機構20は、図15に示すように容器15の外側から板状の蓋17をあてがうようにすれば良い。シンプルな構成として、さらに駆動部を容器の外側に設けることで、パーティクルを発生させることなく蓋をすることができる。図15(a)は半導体基板搬送時を示す図、図15(b)はプラズマドーピング時の状態を示す図である。
上記実験結果に基づいて、膜の形成が完了したときに面内均一性がさらに改善されるように、ガスの供給の仕方をメンテナンス直後にあらかじめ調整したプラズマドーピング装置を用意し、プラズマドーピングを行った。ガスの供給の仕方は、シリコン基板と対面するように天板を配置し、天板にシャワーヘッドのように18個の穴を開けて、その穴からガスが真空チャンバー内部に供給されるようにした。そして、穴の位置を膜の形成が完了したときに面内均一性が良くなるように調整した。ここで用いたプラズマドーピング装置を図16に示す。
図16において、真空容器101内に、ガス供給装置102から所定のガスを導入しつつ、排気装置としてのターボ分子ポンプ103により排気を行い、調圧弁4により真空容器101内を所定の圧力に保つことができる。高周波電源105により13.56MHzの高周波電力を試料電極106に対向した誘電体窓107の近傍に設けられたコイル108に供給することにより、真空容器101内に誘導結合型プラズマを発生させることができる。試料電極106上に、試料としてのシリコン基板109を載置する。また、試料電極106に高周波電力を供給するための高周波電源110が設けられており、これは、試料としての基板109がプラズマに対して負の電位をもつように、試料電極106の電位を制御する電圧源として機能する。このようにして、プラズマ中のイオンを試料の表面に向かって加速し衝突させて試料の表面に不純物を導入することができる。なお、ガス供給装置102から供給されたガスは、排気口111からポンプ103へ排気される。
ガス供給装置102内に設けられている流量制御装置(マスフローコントローラ)により、不純物原料ガスを含むガスの流量を所定の値に制御する。一般的には、不純物原料ガスをヘリウムで希釈したガス、例えば、ジボラン(B)をヘリウム(He)で0.
5%に希釈したガスを不純物原料ガスとして用い、これを第1マスフローコントローラで
流量制御する。さらに第2マスフローコントローラでヘリウムの流量制御を行い、第1及
び第2マスフローコントローラで流量が制御されたガスをガス供給装置102内で混合した後、配管(ガス導入経路)113を介してガス主経路114に導き、さらにガス主経路114と連通する複数の穴を介して、ガス吹き出し口115より真空容器101内に混合ガスを導く。複数のガス吹き出し口115は、試料109の対向面より試料9に向けてガスを吹き出すようになっている。
ガス吹き出し口115は、誘電体窓107の中心に対してほぼ対称に設けられ、試料に向けて概ね等方的にガスを吹き出す構造となっている。つまり、24戸のガス吹き出し口115が概ね等方的に配置されている。116はマッチングボックス、117はVDC
ニタである。
その結果、図6のように375枚目以降のPD処理においてシート抵抗は安定した。375枚目以降のシート抵抗の平均値は220 ohm/sqであった。1枚目と375枚目以降でPD条件は変わりがないので、Bガスプラズマ起因のドーズ量は変化がない。変化したのは膜起因のドーズ量である。表2にドーズ量を要因別に分けて示した。375枚目以降では、膜からのドーズ量が約85%、Bガスプラズマ起因が約15%である。膜からのドーズ量が主要因になっていることがわかる。
Figure 2006121131
図7は、シート抵抗の繰り返し再現性を示す図である。ここではシート抵抗の比が0.8から1.2の範囲に限って表示した。375枚目以降は、シート抵抗は平均値から±5%以内のばらつきに収まっており、シート抵抗の低下は飽和している。すなわち、膜の形成は375枚目付近のPD処理で飽和したことが了解できる。膜の形成が完了した後は、シート抵抗は平均値付近を小さい範囲でばらつきながら数多くのPD処理を安定して続けることができた。
図8は、面内均一性の繰り返し性を示す図である。膜の形成が完了したときの面内均一性を考慮してメンテナンス直後にあらかじめガスの供給の仕方を調整しておいた結果、膜の形成が完了した375枚目以降のPD処理において、1.85%以下の非常に良い均一性を得た。
次に、1350枚目から1353枚目のPD処理では、PD時間を変化させてドーズ量と面内均一性の変化を調べた。PD時間とはプラズマ照射してバイアスを印加している時間である。PD時間を14秒、45秒、100秒と変化させた。なお、1350枚目以前と1354枚目以降の連続処理は、全てPD時間を60秒として行ったものである。そこで、60秒のデータはダミー基板で行ったものではなく1350枚目に最も近い1375枚目に処理したデータを参照した。図9にPD時間とドーズ量の関係を示した。併せて面内均一性の変化を示した。プラズマ照射を開始すると、最初はドーズ量が増加するが、その後、1.7E15cm−2が漸近線となるように増加した。時間の変化によらずドーズ
量の変化が非常に小さい時間があることが認められる。このような時間をプロセスウインドウとすることでドーズ量を正確に制御できる。漸近線の7割以上のドーズ量となる時間に設定することがさらに望ましい。これにより、面内均一性をさらに改善できる。漸近線により近いドーズ量となる時間に設定することがさらに望ましい。これにより、最も良い水準の面内均一性を得られる。実際に、PD時間を100秒とすることで容器の形状、ガス供給方法、PD時間以外のPD条件が同じであるにも係らず、1σで1.34%の面内均一性を実現できた。
以上の結果の中で、300mm基板の端部3mmを除いた121箇所のシート抵抗の分布の結果を図11乃至図14に示す。図11(a)乃至(c)はそれぞれ比較例の1枚目、実施例の1000枚目、実施例の1375枚目の試料の面内均一性を示す図、図12(a)乃至(b)はそれぞれ比較例の1枚目、125枚目の試料の面内均一性を示す図、図13(a)乃至(c)はそれぞれ比較例の14秒後、実施例の60秒後、実施例の100秒後を示す図である。
PD直後のシリコン基板をSIMS分析した結果、ボロンの注入深さは9.4nmであった(図10参照)。これは、ボロンの注入エネルギーが非常に低エネルギーであることを意味している。注入深さが10nm以下になるような低エネルギーでは、従来の技術ですでに広く工業的に使用されており、均一性に優れたイオン注入の方法であっても、300mm基板の端部3mmを除く全面で2%以下の均一性を実現するのは容易ではない。まして、均一性に困難があることで知られているプラズマドーピングの方法ではなおさら困難の度合いは強い。注入深さが10nm以下で300mm基板の端部3mmを除く全面で2%以下、さらにPD時間を調整することで1.5%以下の均一性を実現できる。
本発明で用いたプラズマドーピング装置でバイアス電圧を変えた場合のSIMSフ゜ロファイルを図10に示した。ボロンの注入深さは7.5nmから15.5nmの範囲で変化させることができた。少なくともこれに相当する注入エネルギー範囲であれば、真空容器の内壁にボロンを含む膜を形成してシート抵抗を飽和させると共に、膜の形成が完了したときに面内均一性が良くなる様に真空容器内壁の形状をあらかじめ調整しておく本発明の方法が同様に使用できることとその有効性を同様の実験で確認した。
なお、実施例では、膜を形成するために、膜形成後の実際に用いるPD条件を繰り返し実施した。しかし、実際に用いるPD条件とは異なる条件で膜を形成しても良い。具体的には、実施例では、BとHeのガス混合比は0.05%と99.95%としたが、0.1%と99.9%としても良い。B濃度が高い方が膜を短い時間で形成できると考えられるので望ましい。ただし、5%にまでB濃度を高めると膜が安定せず、シート抵抗も面内均一性も安定しないことがわかっている。安定した膜を形成できる範囲内でB濃度を高めることが、膜を形成する時間を短縮できるので望ましい。このようにして膜を形成した後で、所望のドーズ量になるようにB濃度を調整し直して実際のプラズマドーピングを実施する方が実用的であり望ましい。膜を形成するときの最適なB濃度については、今後の研究事項であるが、本発明の範疇に入る通常の設計事項である。さらに、膜を形成する間は、ダミーのシリコン基板を試料電極の上に配置しておけば良い。膜の形成が完了した後で、ダミー基板を試料電極から取り外し、処理したい基板を載せて実際のプロセスを開始することが望ましい。これにより、膜の形成のための基板を余分に使用しなくて良くなるので効率的である。
(比較例1)
比較例1として図4を参照しながら説明する。
真空容器をメンテナンスした後、つまり、膜を除去した後に、ドーズ量の面内均一性が良くなるようにプラズマ条件、ガスの供給方法、真空容器内壁の形状を調整したものである。膜からのドーズ量という概念を意識していない。真空容器の内壁に固着した前記不純物を含む膜がプラズマ中のイオンで叩かれることによって、前記試料の表面にスパッタリングで導入される不純物の量が前記不純物イオンを含むプラズマを真空容器内部で繰り返し発生させても変化しないように内壁に前記不純物を含む膜を備えた真空容器を用意するメンテナンス工程を有しないアプローチである。プラズマドーピングで繰り返し性、面内均一性を良くするために採られた従来のアプローチのほとんどがこの場合に相当する。
プラズマ条件は実施例と同じにして、他の条件を様々に試行錯誤した結果、1枚目の処理で1.5%のドーズ量の面内均一性を実現することができた。シート抵抗は、455 ohm/sqであった。ここまでは従来の手法の成果である。しかし、1枚目で1.5%の均一性を実現したそのままの状態で、同じPD条件でプラズマドーピング処理を繰り返し実施して150枚目に処理したシリコン基板を検査したところ、均一性は6.0%であり、シート抵抗は165 ohm/sqであった。シート抵抗の繰り返し性が得られないことが了解できる。さらに、通常、一般的に実用で求められる均一性の水準は、2%以下、望ましくは1.5%以下である。このことから、比較例1では、メンテナンスや条件の調整をして1.5%の均一性を得られる状態を整えても、わずか150枚以下の処理で再度メンテナンスが必要になる。
比較例1では、メンテナンス直後の膜を形成する前の状態で真空容器内壁の形状やガスの供給方法を面内均一性が良くなるように調整した。しかし、この方法では、プラズマドーピングにより真空容器内壁にボロンを含む膜が形成されていき、状態が変化していくので、繰り返し安定して良い均一性を得ることもできないし、繰り返して同じシート抵抗を得ることもできなかった。これに対して実施例では、プラズマを真空容器内部で繰り返し発生させても膜起因のドーズ量が変化しないように内壁に前記不純物を含む膜を備えた真空容器を用意するメンテナンス工程を有する。そして、真空容器内壁にボロンを含む膜が安定して形成された後の状態で真空容器内壁の形状やガスの供給方法を面内均一性が良くなるようにあらかじめ調整した。この差によって、実施例は長期繰り返す生産をしても面内均一性を安定して良い水準に保つことができるし、シート抵抗も安定して同じものを得られる、という顕著な効果を発揮できる。
(比較例2)
比較例2として、メンテナンス直後ではなく、実験の都合などで意図せずに膜の形成途中でドーズ量の面内均一性が良くなるようにガスの供給方法、真空容器内壁の形状を調整した場合である。シート抵抗の繰り返し性の実験を始める場合もある。通常、プラズマドーピングで不純物を含むガスプラズマを用いると、例えばBとHeの混合ガスプラズマを用いた場合などでは、実験者が意図していなくても膜が自然に形成される。プラズマドーピングの不純物の深さ制御などを実験していた実験者が、その後、実験の都合上で真空容器のメンテナンスを行わずに面内均一性、または繰り返し性の実験を始めた場合などが比較例2に相当する。ただし、プラズマを真空容器内部で繰り返し発生させても膜の形成は不完全であり、膜起因のドーズ量が変化しないように内壁に前記不純物を含む膜を備えた真空容器を用意するメンテナンス工程を有しているわけではない。膜の形成が不完全だからである。この場合は比較例1と同様の理由でシート抵抗の繰り返し性は得られない。
(比較例3)
比較例2で、もし膜の形成が意図せずして完了していた場合も考えられる。しかし、シート抵抗の繰り返し安定性および面内均一性を確実な水準まで高めることは困難である。本発明の意図に沿っていない場合には、特に面内均一性の繰り返し性を確実な水準に高めることは非常に困難である。
その理由を説明する。膜が形成された後では、真空容器の内壁の形状、ガスの供給方法を調整することが一般的なプラズマドーピング装置では困難であるためである。ガスの供給方法の調整には、具体的には、ガスを真空容器に供給する位置などがある。真空容器の内壁の形状を変えるには、機械的駆動性を内壁の一部に持たせる必要がある。
しかし、真空容器内で内壁の形状を変えるような複雑な機械的動きを行うとパーティクルが発生しやすい。できるだけ機械的な動きは少なくしたい。まして膜が形成された部分の内壁を動かすと膜の一部が剥がれることでパーティクルの原因となり易い。ガスを真空容器に供給する位置を変える場合も、ガス吹き穴の位置を変化させるための機械的動きが発生する。そのために同様の理由でパーティクルの原因となり易い。
一方、機械的駆動性を持たせずに大気に開放して真空容器の内壁の形状、ガスの供給方法を調整することも考えられる。しかし、この場合も膜の形成後に大気開放せずに生産に移行できる場合と比べるとパーティクルの発生頻度は明らかに多くなるので望ましくない。さらに、ボロンを含む膜の場合は特に困難である。実験結果からボロンを含む膜は、水分と反応し易いことがわかっている。このため、大気に曝すと大気中の水分と反応して膜の性質が変わってしまうので、その後に真空容器を真空に引いて、プラズマドーピングを行えるように調整しても、もはや大気に曝す前の膜の性能は得られない。そこで、特にボロンを含む膜の場合、膜を形成した後に真空容器を大気に開放して真空容器の内壁の形状、ガスの供給方法を調整できない。
比較例2では、意図せずに膜が形成され、その後に繰り返し性と面内均一性を改善するように真空容器内壁の形状やガスの供給方法を調整した。しかし、この方法では、もし膜の形成が途中であった場合には繰り返し性は得られない。また、もし膜の形成が完了していた場合には、面内均一性を改善することが難しかった。これに対して実施例では、真空容器内壁にボロンを含む膜が安定して形成された後の状態で真空容器内壁の形状やガスの供給方法を面内均一性が良くなるようにあらかじめ調整した。この差によって、実施例はパーティクルを発生させることなく面内均一性と繰り返し性を安定して良い水準に保つことができるという顕著な効果を発揮できる。
さらに、膜がボロンを含む場合には、真空容器を大気開放することができないので、比較例では面内均一性の調整がより困難となるので、実施例の効果はより顕著となる。このように実施例のように膜を形成する前に、膜を形成した後の面内均一性が良くなるように真空容器の内壁の形状、ガスの供給方法をあらかじめ調整しておくことがより望ましい。
(比較例4)
不純物を含む固体状のターゲットにスパッタリング用のガスをプラズマ 状態で衝突させてターゲットから不純物を飛び出させ、飛び出した不純物を試料の表面部に導入する技術が開示されている(特許文献3)。この特許文献3に示された技術では、1GHz以上のマイクロ波を真空チャンバー内に導入することが特徴である。従来のスパッタリング装置においては、ターゲットを構成する材料が金属であるため、ECR等のプラズマ 発生手段を有しない平行平板型プラズマ 発生装置でもプラズマ は発生する。
しかしながら、ボロンを含有するターゲットを用いる場合には、ボロンは絶縁性が高いため、発生した電界を発散させてしまうので、プラズマ は発生し難い。そこで、ECR18を設けて1GHz以上のマイクロ波を真空チャンバー内に導入する。このように1GHz以上のマイクロ波を真空チャンバー内に導入すると、平行平板型プラズマ 発生装置の約1000倍の高密度のプラズマ が発生するので、短時間でボロン等の不純物をシリコン基板の表面部に打ち込むことができる。このため、シリコン基板の温度が300℃以上に上昇しないので、シリコン基板の上に形成されたレジストパターンが焦げる事態を回避できるというものである。
この方法では、不純物を含む固体状のターゲットを準備して、真空容器内部に配置する。しかし、この比較例では試料の表面にスパッタリングで導入される不純物の量が前記不純物イオンを含むプラズマを真空容器内部で繰り返し発生させても変化しないように、不純物を含む膜をあらかじめ形成するようにメンテナンスをしていないため、面内均一性や繰り返し性を得るのは困難である。その理由を説明する。固体状のターゲットを真空容器内部に配置したとしても、実施例で用いたような不純物(実施例ではボロン)を含むプラズマを真空容器内で繰り返し励起すると、固体状のターゲットの表面にボロンを含む膜が形成されていく。また、真空容器の内壁で固体状のターゲットで覆われていない部分には内壁の表面にボロンを含む膜が形成されていく。そして、繰り返し励起を続けて実施して、ある時間励起した後に膜の形成が飽和して完成する。よって、固体状のターゲットを真空容器内部に配置しただけでは、プラズマを真空容器内部で繰り返し発生させても膜起因のドーズ量が変化しないように内壁に前記不純物を含む膜を備えた真空容器を用意するメンテナンス工程を有していることにならないし、シート抵抗の繰り返し性を得るのは困難である。
また、ターゲットの作成方法は明確には記載されていないが、ターゲットは真空容器の内部で作成せず、外部で作成したものを真空容器の内部に設置することが一般的であろうと考えられる。しかし、この方法では、不純物を含む固体は必ず一度大気に曝される。よって大気中の酸素と反応して膜の表面に酸化膜が形成されたり、大気中の水分と反応して膜の性質が変化したりしてしまう。膜が酸化したり、大気中の水分と反応したりすることはプラズマドーピング後の不純物のドーズ量、均一性に多大な影響を与える。よって、仮に面内均一性が良くなるように不純物を含む固体状のターゲットの形状やその配置場所を設計したとしても、大気の湿度や気温などの変化で設計どおりに均一なプラズマドーピングを行うことはできない。同じ理由でドーズ量の繰り返し再現性も設計通りに得られない。なお、湿度や気温が管理されたクリーンルームの内部であっても湿度、温度は日によってわずかに変化するし、酸化や水分との反応を抑えることはできない。
これに対して本発明では、プラズマを真空容器内部で繰り返し発生させても真空容器の内壁に固着した不純物を含む膜からのドーズ量が変化しないように内壁に不純物を含む膜を形成する。これによって、ドーズ量が繰り返し再現するという顕著な効果を得る。さらに本発明では、不純物イオンを含むプラズマを真空容器内部で繰り返し発生させても不純物のドーズ量が±10%の範囲内で同程度になったときにドーズ量が半導体基板の面内で均一になるように真空容器の内壁に固着した不純物を含む膜を形成する。これにより、ドーズ量の面内均一性を良い水準に保ちながら繰り返し再現性を得ることができるという顕著な効果を得る。さらに本発明では、前記不純物を含む膜を形成する工程は、メンテナンス工程で不純物を含む膜を除去した真空容器をプラズマドーピング装置に備え付けた後、真空容器内部で前記不純物イオンを含むプラズマを発生させることで形成する。これにより、不純物を含む膜を一度も大気に曝すことなくプラズマドーピングに供することができる。よって、大気の湿度や気温に影響されることなく、端部3mmを除く300mm基板の全面で繰り返し再現性を保ちながら、標準偏差が1.7%のような、さらにPD時間を調整することで1.5%以下のような非常に均一な不純物のプラズマドーピングが可能になるという顕著な効果を得ることができる。
Figure 2006121131
プラズマドーピングは本発明者の1人を含むグループが1986−1987年にシリコントレンチへの不純物導入方法として発表(非特許文献3)して以来、20年近く注目されてきた。その後、浅い接合を形成するための技術分野においても1996年にプラズマドーピングを用いて作製したMOSデバイスを発表(非特許文献4、5)して以来、10年にわたってプラズマドーピングは注目され、実用化が期待されてきた。しかし、未だ実用化は困難であった。実用化の壁になっていた課題のひとつがドーズ量と面内均一性の繰り返し安定性であった。本発明はこれらを解決したものである。
比較例1、2、3は、これらを組合せて用いて設計事項を整えた場合でも、プラズマドーピングを繰り返したときのドーズ量と面内均一性の十分な繰り返し安定性が得られない。一方で、実施例ではドーズ量と面内均一性の繰り返し安定性が得られる。本発明が示したドーズ量と面内均一性の繰り返し安定性の解決方法は、比較例を組合せて容易に想達できるものでもなく、装置技術の設計事項でもない、これまでにない独自の方法で顕著な効果を発揮するものである。
本発明のプラズマドーピング方法は、高精度に不純物濃度プロファイルの制御を行うことができ、浅い不純物拡散領域を形成するプラズマドーピング方法を実現することが可能であることから、半導体の不純物導入工程をはじめ、液晶などで用いられる薄膜トランジスタの製造等の用途にも適用できる。
プラズマドーピング処理枚数とシート抵抗の関係を示す図 シート抵抗の繰り返し再現性(シート抵抗の比が0.5から4.0の範囲を表示)を示す図 シート抵抗の繰り返し再現性(シート抵抗の比が0.8から1.2の範囲を表示)を示す図 面内均一性の繰り返し再現性を示す図 面内均一性の繰り返し再現性を示す図 プラズマドーピング処理枚数とシート抵抗との関係を示す図 シート抵抗の繰り返し再現性を示す図 面内均一性の繰り返し再現性を示す図 プラズマドーピング時間とドーズ量、面内均一性との関係を示す図 プラズマドーピング直後のボロンのSIMSプロファイルを示す図 本発明の実施例と比較例により得られたプラズマドーピング領域の均一性を示す比較図であって、(a)は、図8の比較例の面内均一性を示す図であり、1σ=6.54%、(b)は、図8の実施例の面内均一性を示す図であり、1σ=1.59%、(c)は、図8の実施例の面内均一性を示す図であり、1σ=1.81%、 本発明の実施例と比較例により得られたプラズマドーピング領域の均一性を示す比較図であって、(a)は、図4の比較例の面内均一性を示す図であり、1σ=1.54%、(b)は、図4の比較例の面内均一性を示す図であり、1σ=6.00% 本発明の実施例と比較例により得られたプラズマドーピング領域の均一性を示す比較図であって、(a)は、図9の比較例の面内均一性を示す図であり、1σ=2.38%、14秒、(b)は、図9の実施例の面内均一性を示す図であり、1σ=1.59%、60秒 (c)は、図9の実施例の面内均一性を示す図であり、1σ=1.34%、10秒 本発明の実施例1のプラズマドーピング装置を示す図 本発明の真空容器内部に設置する容器と搬送アーム用開口を塞ぐ蓋を示す図 本発明の実施例1で均一性を比較するために用いたプラズマドーピング装置を示す図
符号の説明
1 高周波電源
2 マッチングボックス
3 コイル
4 マスフローコントローラ
5 マスフローコントローラ
6 ターボ分子ポンプ
7 調圧弁
8 ドライポンプ
9 冷却水供給ユニット
10 VDCモニター
11 マッチングボックス
12 高周波電源
13 試料(被処理基板)
14 下部電極
15 真空容器
16 開口
17 蓋
20 開口に蓋をする機構
101 真空容器
102 ガス供給装置
103 ターボ分子ポンプ
104 調圧弁
105 プラズマ源用高周波電源
106 試料電極
107 誘電体窓
108 コイル
109 基板
110 試料電極用高周波電源
111 排気口
112 支柱
113 ガス導入経路
114 ガス主経路
115 ガス吹き出し口

Claims (23)

  1. 真空容器内の試料電極に試料を載置し、真空容器内にプラズマを発生させ、プラズマ中の不純物イオンを試料の表面に衝突させて試料の表面に不純物導入層を形成するプラズマドーピング方法であって、
    真空容器の内壁に固着した前記不純物を含む膜がプラズマ中のイオンで叩かれることによって、前記試料の表面にスパッタリングで導入される不純物の量が前記不純物イオンを含むプラズマを真空容器内部で繰り返し発生させても変化しないように内壁に前記不純物を含む膜を備えた真空容器を用意するメンテナンス工程と、
    試料電極に試料を載置する工程と、
    不純物イオンを含むプラズマを照射して前記試料に不純物イオンを打ち込むと共に真空容器の内壁に固着した不純物を含む膜からのスパッタリングで不純物を前記試料に導入する工程と、
    を含むことを特徴とするプラズマドーピング方法。
  2. 請求項1に記載のプラズマドーピング方法であって、
    前記メンテナンス工程は、不純物を含む膜を形成するに先立ち、真空容器の内壁に固着した不純物を含む膜を除去する工程を含むプラズマドーピング方法。
  3. 請求項1または2に記載のプラズマドーピング方法であって、
    前記試料が半導体基板であり、前記不純物イオンを含むプラズマを真空容器内部で繰り返し発生させても不純物のドーズ量が±10%の範囲内で同程度になったときに、不純物イオンを含むプラズマから導入される不純物の分布と、真空容器の内壁に固着した不純物を含む膜からのスパッタリングで導入される不純物の分布を合わせた分布が、半導体基板の面内で均一になるように真空容器の内壁に固着した不純物を含む膜を形成するプラズマドーピング方法。
  4. 請求項3に記載のプラズマドーピング方法であって、
    前記真空容器内壁に付着する不純物の量が所望の値となるように、
    前記真空容器の内壁の形状を調整する工程を含むプラズマドーピング方法。
  5. 請求項3に記載のプラズマドーピング方法であって、
    前記真空容器内壁に付着する不純物の量が所望の値となるように、
    ガスの供給方法を調整する工程を含むプラズマドーピング方法。
  6. 請求項1に記載のプラズマドーピング方法であって、
    前記メンテナンス工程は、不純物を含む膜を除去した真空容器をプラズマドーピング装置に設置した後、前記真空容器内部で前記不純物イオンを含むプラズマを発生させることで前記不純物を含む膜を形成する工程を含むプラズマドーピング方法。
  7. 請求項1に記載のプラズマドーピング方法であって、
    前記不純物を含む膜を形成する工程は、メンテナンス工程で不純物を含む膜を除去した真空容器を、膜を形成するために別途準備したプラズマ発生装置に設置した後、真空容器内部で前記不純物イオンを含むプラズマを発生させることで前記不純物を含む膜を形成するプラズマドーピング方法。
  8. 請求項1に記載のプラズマドーピング方法であって、
    前記真空容器の内壁の温度を測定し、管理しながら真空容器の内壁に固着した不純物を含む膜からのスパッタリングで不純物を前記試料に導入する工程を有するプラズマドーピング方法。
  9. 請求項1に記載のプラズマドーピング方法であって、
    前記プラズマは、ボロンを含むガスのプラズマであるプラズマドーピング方法。
  10. 請求項9に記載のプラズマドーピング方法であって、
    前記ボロンを含むガスはボロンと水素からなる分子のガスであるプラズマドーピング方法。
  11. 請求項9に記載のプラズマドーピング方法であって、
    前記ボロンを含むガスはシボラン(B)であるプラズマドーピング方法。
  12. 請求項10に記載のプラズマドーピング方法であって、
    前記プラズマは、ボロンと水素からなる分子のガスを希ガスで希釈したガスのプラズマであるプラズマドーピング方法。
  13. 請求項12に記載のプラズマドーピング方法であって、
    前記希ガスは原子量がネオン以下の元素であるプラズマドーピング方法。
  14. 請求項12に記載のプラズマドーピング方法であって、
    前記希ガスはヘリウムであるプラズマドーピング方法。
  15. 請求項11に記載のプラズマドーピング方法であって、
    前記プラズマは、シボラン(B)をヘリウムで希釈したガスのプラズマである記載のプラズマドーピング方法。
  16. 請求項9に記載のプラズマドーピング方法であって、
    ボロンの注入深さが7.5nmから15.5nmであるプラズマドーピング方法。
  17. 請求項9に記載のプラズマドーピング方法であって、
    ボロンの注入深さが10nm以下であるプラズマドーピング方法。
  18. 請求項1乃至17のいずれかに記載のプラズマドーピング方法であって、
    前記プラズマは、連続プラズマを用いるプラズマドーピング方法。
  19. 請求項1乃至18のいずれかに記載のプラズマドーピング方法を実施するためのプラズマドーピング装置であって、
    真空容器と、試料電極と、真空容器内にガスを供給するガス供給装置と、真空容器内を排気する排気装置と、真空容器内の圧力を制御する圧力制御装置と、試料電極に電力を供給する試料電極用電源を備えたプラズマドーピング装置。
  20. 請求項19に記載のプラズマドーピング装置であって、
    前記不純物を含む膜を形成するためのプラズマ発生装置をさらに備えたプラズマドーピング装置。
  21. 請求項19に記載のプラズマドーピング装置であって、
    前記真空容器に供給するガスの流量分布を調整する機構を有し、
    前記不純物を含む膜を形成した後に真空容器の内壁を大気開放することなく前記ガスの流量分布を調整できるようにしたプラズマドーピング装置。
  22. 請求項19に記載のプラズマドーピング装置であって、
    前記真空容器の内壁の温度を所望の温度に調整する機構を有するプラズマドーピング装置。
  23. ボロンを含む連続プラズマを用いたプラズマドーピングで表面にボロンを導入した直径300mmのシリコン基板であり、
    導入されたボロンのプロファイルは、ボロン濃度が5×1018cm−3となる深さで7nm以上15.5nm以下であり、ボロン濃度が1×1019cm−3から1×1018cm−3に低下する距離で評価した場合のボロンの深さプロファイルの急峻性は1.5nm/dec以上3nm/dec以下であり、ボロンのドーズ量は、前記シリコン基板の端部3mmを除いた面での標準偏差が2%以下であるシリコン基板。
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