本発明は、駆動パルスにより容量性負荷を駆動するための駆動回路およびこの駆動回路を用いた表示装置に関する。
容量性負荷を駆動する従来の駆動回路としては、例えば、プラズマディスプレイパネルのサステイン電極を駆動するサステインドライバが知られている。
図16は、従来のサステインドライバの構成を示す回路図である。図16に示すように、サステインドライバ400は、回収コンデンサC401、回収コイルL401、スイッチSW11,SW12,SW21,SW22およびダイオードD401,D402を含む。
スイッチSW11は、電源端子V4とノードN11との間に接続され、スイッチSW12は、ノードN11と接地端子との間に接続されている。電源端子V4には、電源電圧Vsusが印加される。ノードN11は、例えば480本のサステイン電極に接続され、図16では、複数のサステイン電極と接地端子との間の全容量に相当するパネル容量Cpが示されている。
回収コンデンサC401は、ノードN13と接地端子との間に接続されている。ノードN13とノードN12との間にスイッチSW21およびダイオードD401が直列に接続され、ノードN12とノードN13との間にダイオードD402およびスイッチSW22が直列に接続されている。回収コイルL401は、ノードN12とノードN11との間に接続されている。
図17は、図16のサステインドライバ400の維持期間の動作を示すタイミング図である。図17には、図16のノードN11の電圧およびスイッチSW21,SW11,SW22,SW12の動作が示される。スイッチSW21,SW11,SW22,SW12のオン状態をハイレベルで示し、オフ状態をローレベルで示す。
まず、期間Taにおいて、スイッチSW21がオンし、スイッチSW12がオフする。このとき、スイッチSW11,SW22はオフしている。これにより、回収コイルL401およびパネル容量CpによるLC共振により、ノードN11の電位が緩やかに上昇する。次に、期間Tbにおいて、スイッチSW21がオフし、スイッチSW11がオンする。これにより、ノードN11の電位が急激に上昇し、期間TcではノードN11の電位が電源電圧Vsusに固定される。
次に、期間Tdでは、スイッチSW11がオフし、スイッチSW22がオンする。これにより、回収コイルL401およびパネル容量CpによるLC共振により、ノードN11の電位が緩やかに降下する。その後、期間Teにおいて、スイッチSW22がオフし、スイッチSW12がオンする。これにより、ノードN11の電位が急激に降下し、接地電位に固定される。上記の動作を維持期間において繰り返し行うことにより、複数のサステイン電極に周期的な維持パルスPsuが印加される。
上記のように、維持パルスPsuの立ち上がり部分および立ち下がり部分は、スイッチSW21またはスイッチSW22の動作による期間Ta,TdのLC共振部とスイッチSW11またはスイッチSW12のオン動作による期間Tb,Teのエッジ部e1,e2とで構成されている(特許文献1参照)。
特許第3369535号公報
上記のスイッチSW11,SW12,SW21,SW22は、通常、スイッチング素子であるFET(電界効果型トランジスタ)により構成され、各FETは寄生容量としてドレイン・ソース間に容量を有し、各FETに接続される配線は、インダクタンス成分を有している。このため、スイッチSW11等がスイッチング動作を行ったときにスイッチングノイズが発生する。それにより、複数のサステイン電極にスイッチングノイズが印加され、複数のサステイン電極がアンテナとなり不要な電磁波が幅射される。
そこで、特許文献1の駆動回路では、各FETのドレイン・ソース間に1個のコンデンサを並列に接続することにより、FETのスイッチングノイズを吸収している。
しかしながら、この場合、特定の周波数成分を有するスイッチングノイズしか吸収することができない。そのため、種々の周波数成分を有するスイッチングノイズを十分に抑制することができない。その結果、高周波の電磁波の幅射を十分に抑制することができない。
このような種々の周波数成分を有する高周波の電磁波の幅射は、他の電子機器に電磁的な悪影響を及ぼすおそれがある。そのため、広帯域に渡る不要な高周波の電磁波の幅射を十分に抑制することが望まれる。
本発明の目的は、広帯域に渡る不要な高周波の電磁波の幅射を十分に抑制することができる駆動回路およびその駆動回路を用いた表示装置を提供することである。
(1)
本発明の一局面に従う駆動回路は、駆動パルスをパルス供給経路を通して表示素子を含む容量性負荷に供給するための駆動回路であって、駆動パルスを立ち上げるために第1の電圧を供給する第1の電圧源と、駆動パルスを立ち下げるために第1の電圧より低い第2の電圧を供給する第2の電圧源と、一端が第1の電圧源からの第1の電圧を受ける第1のスイッチング素子と、一端が第2の電圧源からの第2の電圧を受ける第2のスイッチング素子と、一端が第1のスイッチング素子の他端に接続され、他端がパルス供給経路に接続される第1の配線と、一端が第2のスイッチング素子の他端に接続され、他端がパルス供給経路に接続される第2の配線と、第1のスイッチング素子の一端と他端との間に第1のスイッチング素子と並列に接続される第1のインピーダンス制御回路と、第2のスイッチング素子の一端と他端との間に第2のスイッチング素子と並列に接続される第2のインピーダンス制御回路とを備え、第1および第2のスイッチング素子は、表示素子を点灯させる維持期間において容量性負荷に駆動パルスを印加するために作動し、第1のインピーダンス制御回路は、第1スイッチング素子に並列に接続される複数の第1の容量性素子を含み、第2のインピーダンス制御回路は、第2のスイッチング素子に並列に接続される複数の第2の容量性素子を含み、複数の第1の容量性素子の各々は、容量成分およびインダクタンス成分を含み、複数の第1の容量性素子の容量成分の値はそれぞれ異なり、複数の第2の容量性素子の各々は、容量成分およびインダクタンス成分を含み、複数の第2の容量性素子の容量成分の値はそれぞれ異なるものである。
その駆動回路においては、維持期間に第1および第2のスイッチング素子が作動し、駆動パルスをパルス供給経路を通して表示素子を含む容量性負荷に供給する。この場合、第1の電圧源により供給される第1の電圧により駆動パルスの電圧が立ち上げられ、第2の電圧源により供給される第2の電圧により駆動パルスの電圧が立ち下げられる。第1および第2のスイッチング素子がスイッチング動作を行うことにより、複数の周波数成分を有するスイッチングノイズが発生する。
第1のインピーダンス制御回路の複数の第1の容量性素子の各々は、容量成分およびインダクタンス成分を含むので、特定の周波数で自己共振する。それにより、各第1の容量性素子のインピーダンスが特定の周波数で低減する。また、複数の第1の容量性素子の容量成分の値はそれぞれ異なるので、複数の第1の容量性素子の自己共振周波数が異なる。それにより、複数の周波数で第1のインピーダンス制御回路のインピーダンスが低減する。したがって、第1のスイッチング素子により発生される複数の周波数を有するスイッチングノイズが第1のインピーダンス制御回路を通して第1の電圧源に吸収され、パルス供給経路を通して表示素子を含む容量性負荷へのスイッチングノイズの影響が低減される。
同様に、第2のインピーダンス制御回路の複数の第2の容量性素子の各々は、容量成分およびインダクタンス成分を含むので、特定の周波数で自己共振する。それにより、各第2の容量性素子のインピーダンスが特定の周波数で低減する。また、複数の第2の容量性素子の容量成分の値はそれぞれ異なるので、複数の第2の容量性素子の自己共振周波数が異なる。それにより、複数の周波数で第2のインピーダンス制御回路のインピーダンスが低減する。したがって、第2のスイッチング素子により発生される複数の周波数を有するスイッチングノイズが第2のインピーダンス制御回路を通して第2の電圧源に吸収され、パルス供給経路を通して表示素子を含む容量性負荷へのスイッチングノイズの影響が低減される。
これらの結果、容量性負荷からの広帯域に渡る不要な高周波の電磁波の幅射を十分に抑制することができる。
(2)
駆動回路は、一端がパルス供給経路を通して容量性負荷に接続されるインダクタンス素子と、容量性負荷から電荷を回収するための回収用容量性素子と、第1および第2の一方向性導通素子と、第3および第4のスイッチング素子とをさらに備え、第1の一方向性導通素子および第3のスイッチング素子は、回収用容量性素子からインダクタンス素子への電流の供給を許容するようにインダクタンス素子の他端と回収用容量性素子との間に直列に接続され、第2の一方向性導通素子および第4のスイッチング素子は、インダクタンス素子から回収用容量性素子への電流の供給を許容するようにインダクタンス素子の他端と回収用容量性素子との間に直列に接続されてもよい。
この場合、回収用容量性素子から第1の一方向性導通素子、第3のスイッチング素子、インダクタンス素子およびパルス供給経路を通して容量性負荷に電流が供給される。また、容量性負荷からパルス供給経路、インダクタンス素子、第2の一方向性導通素子および第4のスイッチング素子を通して回収用容量性素子に電流が供給される。
それにより、表示素子を含む容量性負荷に供給される駆動パルスの立ち上がりの一部が回収用容量性素子から容量性負荷に電流が供給されることにより行われ、駆動パルスの立ち下りの一部が容量性負荷から回収用容量性素子に電流が供給されることにより行われる。したがって、容量性負荷からの広帯域に渡る不要な高周波の電磁波の幅射を十分に抑制しつつ消費電力を低減することができる。
(3)
駆動回路は、第3のスイッチング素子と並列に接続される第3のインピーダンス制御回路と、第4のスイッチング素子と並列に接続される第4のインピーダンス制御回路とをさらに備え、第3のインピーダンス制御回路は、第3スイッチング素子に並列に接続される複数の第3の容量性素子を含み、第4のインピーダンス制御回路は、第4スイッチング素子に並列に接続される複数の第4の容量性素子を含み、複数の第3の容量性素子の各々は、容量成分およびインダクタンス成分を含み、複数の第3の容量性素子の容量成分の値はそれぞれ異なり、複数の第4の容量性素子の各々は、容量成分およびインダクタンス成分を含み、複数の第4の容量性素子の容量成分の値はそれぞれ異なってもよい。
この場合、第3のインピーダンス制御回路の複数の第3の容量性素子の各々は、容量成分およびインダクタンス成分を含むので、特定の周波数で自己共振する。それにより、各第3の容量性素子のインピーダンスが特定の周波数で低減する。また、複数の第3の容量性素子の容量成分の値はそれぞれ異なるので、複数の第3の容量性素子の自己共振周波数が異なる。それにより、複数の周波数で第3のインピーダンス制御回路のインピーダンスが低減する。したがって、第3のスイッチング素子により発生される複数の周波数を有するスイッチングノイズが第3のインピーダンス制御回路を通して回収用容量性素子に吸収され、パルス供給経路を通して表示素子を含む容量性負荷へのスイッチングノイズの影響が低減される。
同様に、第4のインピーダンス制御回路の複数の第4の容量性素子の各々は、容量成分およびインダクタンス成分を含むので、特定の周波数で自己共振する。それにより、各第4の容量性素子のインピーダンスが特定の周波数で低減する。また、複数の第4の容量性素子の容量成分の値はそれぞれ異なるので、複数の第4の容量性素子の自己共振周波数が異なる。それにより、複数の周波数で第4のインピーダンス制御回路のインピーダンスが低減する。したがって、第4のスイッチング素子により発生される複数の周波数を有するスイッチングノイズが第4のインピーダンス制御回路を通して回収用容量性素子に吸収され、パルス供給経路を通して表示素子を含む容量性負荷へのスイッチングノイズの影響が低減される。
これらの結果、容量性負荷からの広帯域に渡る不要な高周波の電磁波の幅射をより十分に抑制することができる。
(4)
駆動回路は、第1の一方向性導通素子と並列に接続される第3のインピーダンス制御回路と、第2の一方向性導通素子と並列に接続される第4のインピーダンス制御回路とをさらに備え、第3のインピーダンス制御回路は、第1の一方向性導通素子に並列に接続される複数の第3の容量性素子を含み、第4のインピーダンス制御回路は、第2の一方向性導通素子に並列に接続される複数の第4の容量性素子を含み、複数の第3の容量性素子の各々は、容量成分およびインダクタンス成分を含み、複数の第3の容量性素子の容量成分の値はそれぞれ異なり、複数の第4の容量性素子の各々は、容量成分およびインダクタンス成分を含み、複数の第4の容量性素子の容量成分の値はそれぞれ異なってもよい。
この場合、第3のインピーダンス制御回路の複数の第3の容量性素子の各々は、容量成分およびインダクタンス成分を含むので、特定の周波数で自己共振する。それにより、各第3の容量性素子のインピーダンスが特定の周波数で低減する。また、複数の第3の容量性素子の容量成分の値はそれぞれ異なるので、複数の第3の容量性素子の自己共振周波数が異なる。それにより、複数の周波数で第3のインピーダンス制御回路のインピーダンスが低減する。したがって、第1の一方向性導通素子により発生される複数の周波数を有するスイッチングノイズが第3のインピーダンス制御回路を通して回収用容量性素子に吸収され、パルス供給経路を通して表示素子を含む容量性負荷へのスイッチングノイズの影響が低減される。
同様に、第4のインピーダンス制御回路の複数の第4の容量性素子の各々は、容量成分およびインダクタンス成分を含むので、特定の周波数で自己共振する。それにより、各第4の容量性素子のインピーダンスが特定の周波数で低減する。また、複数の第4の容量性素子の容量成分の値はそれぞれ異なるので、複数の第4の容量性素子の自己共振周波数が異なる。それにより、複数の周波数で第4のインピーダンス制御回路のインピーダンスが低減する。したがって、第2の一方向性導通素子により発生される複数の周波数を有するスイッチングノイズが第4のインピーダンス制御回路を通して回収用容量性素子に吸収され、パルス供給経路を通して表示素子を含む容量性負荷へのスイッチングノイズの影響が低減される。
これらの結果、容量性負荷からの広帯域に渡る不要な高周波の電磁波の幅射をより十分に抑制することができる。
(5)
複数の第1の容量性素子は第1番目〜第n番目の第1の容量性素子を含み、複数の第2の容量性素子は第1番目〜第n番目の第2の容量性素子を含み、nは2以上の自然数であり、第1番目〜第n番目の第1の容量性素子のうち第n番目の第1の容量性素子が最小の容量値を有し、第1番目〜第n番目の第2の容量性素子のうち第n番目の第2の容量性素子が最小の容量値を有し、第1のインピーダンス制御回路は、第1番目〜第(n−1)番目の第1の容量性素子にそれぞれ直列に接続された第1番目〜第(n−1)番目の第1の抵抗性素子をさらに含み、第2のインピーダンス制御回路は、第1番目〜第(n−1)番目の第2の容量性素子にそれぞれ直列に接続された第1番目〜第(n−1)番目の第2の抵抗性素子をさらに含んでもよい。
この場合、第1番目〜第n番目の第1の容量性素子の自己共振周波数間で反共振が生じた場合に、第1番目〜第(n−1)番目の第1の抵抗性素子により反共振のレベルが低減される。それにより、反共振周波数でのインピーダンス特性の劣化が抑制される。
同様に、第1番目〜第n番目の第2の容量性素子の自己共振周波数間で反共振が生じた場合に、第1番目〜第(n−1)番目の第2の抵抗性素子により反共振のレベルが低減される。それにより、反共振周波数でのインピーダンス特性の劣化が抑制される。
それにより、広帯域に渡るスイッチングノイズが第1および第2のインピーダンス制御回路を通して第1および第2の電圧源に吸収される。その結果、容量性負荷からの広帯域に渡る不要な高周波の電磁波の幅射をより十分に抑制することができる。
(6)
複数の第1の容量性素子は第1番目〜第n番目の第1の容量性素子を含み、複数の第2の容量性素子は第1番目〜第n番目の第2の容量性素子を含み、nは2以上の自然数であり、第1番目〜第n番目の第1の容量性素子のうち第n番目の第1の容量性素子が最小の容量値を有し、第1番目〜第n番目の第2の容量性素子のうち第n番目の第1の容量性素子が最小の容量値を有し、第1のインピーダンス制御回路は、第1番目〜第(n−1)番目の第1の容量性素子にそれぞれ直列に接続された第1番目〜第(n−1)番目の第1のビーズコアをさらに含み、第2のインピーダンス制御回路は、第1番目〜第(n−1)番目の第2の容量性素子にそれぞれ直列に接続された第1番目〜第(n−1)番目の第2のビーズコアをさらに含んでもよい。
この場合、第1番目〜第n番目の第1の容量性素子の自己共振周波数間で反共振が生じた場合に、第1番目〜第(n−1)番目の第1のビーズコアにより反共振のレベルが低減される。それにより、反共振周波数でのインピーダンス特性の劣化が抑制される。このとき、第n番目の第1の容量性素子の自己共振周波数よりも低周波領域でのインピーダンス特性の劣化が生じない。
同様に、第1番目〜第n番目の第2の容量性素子の自己共振周波数間で反共振が生じた場合に、第1番目〜第(n−1)番目の第2のビーズコアにより反共振のレベルが低減される。それにより、反共振周波数でのインピーダンス特性の劣化が抑制される。この場合、第n番目の第2の容量性素子の自己共振周波数よりも低周波領域でのインピーダンス特性の劣化が生じない。
それにより、広帯域に渡るスイッチングノイズが第1および第2のインピーダンス制御回路を通して第1および第2の電圧源に吸収される。その結果、容量性負荷からの広帯域に渡る不要な高周波の電磁波の幅射をより十分に抑制することができる。
(7)
複数の第1の容量性素子の各々は第1の積層セラミックコンデンサからなり、複数の第2の容量性素子の各々は第2の積層セラミックコンデンサからなってもよい。
この場合、複数の第1の容量性負荷および複数の第2の容量性負荷が十分に自己共振することができる。それにより、各第1の容量性素子のインピーダンスおよび各第2の容量性素子のインピーダンスが特定の周波数で十分に低減する。その結果、容量性負荷からの広帯域に渡る不要な高周波の電磁波の幅射をより十分に抑制することができる。
(8)
本発明の他の局面に従う駆動回路は、駆動パルスをパルス供給経路を通して表示素子を含む容量性負荷に供給するための駆動回路であって、駆動パルスを立ち上げるために第1の電圧を供給する第1の電圧源と、駆動パルスを立ち下げるために第1の電圧より低い第2の電圧を供給する第2の電圧源と、第1、第2、第3および第4のスイッチング素子と、一端がパルス供給経路を通して容量性負荷に接続されるインダクタンス素子と、容量性負荷から電荷を回収するための回収用容量性素子と、第1および第2の一方向性導通素子と、第3のスイッチング素子と並列に接続される第1のインピーダンス制御回路と、第4のスイッチング素子と並列に接続される第2のインピーダンス制御回路とを備え、第1のスイッチング素子は第1の電圧源とパルス供給経路との間に接続され、第2のスイッチング素子は第2の電圧源とパルス供給経路との間に接続され、第1および第2のスイッチング素子は、表示素子を点灯させる維持期間において容量性負荷に駆動パルスを印加するために作動し、第1の一方向性導通素子および第3のスイッチング素子は、回収用容量性素子からインダクタンス素子への電流の供給を許容するようにインダクタンス素子の他端と回収用容量性素子との間に直列に接続され、第2の一方向性導通素子および第4のスイッチング素子は、インダクタンス素子から回収用容量性素子への電流の供給を許容するようにインダクタンス素子の他端と回収用容量性素子との間に直列に接続され、第1のインピーダンス制御回路は、第3スイッチング素子に並列に接続される複数の第1の容量性素子を含み、第2のインピーダンス制御回路は、第4スイッチング素子に並列に接続される複数の第2の容量性素子を含み、複数の第1の容量性素子の各々は、容量成分およびインダクタンス成分を含み、複数の第1の容量性素子の容量成分の値はそれぞれ異なり、複数の第2の容量性素子の各々は、容量成分およびインダクタンス成分を含み、複数の第2の容量性素子の容量成分の値はそれぞれ異なるものである。
その駆動回路においては、維持期間に第1および第2のスイッチング素子が作動し、駆動パルスをパルス供給経路を通して表示素子を含む容量性負荷に供給する。この場合、第1の電圧源により供給される第1の電圧により駆動パルスの電圧が立ち上げられ、第2の電圧源により供給される第2の電圧により駆動パルスの電圧が立ち下げられる。
また、回収用容量性素子から第1の一方向性導通素子、第3のスイッチング素子、インダクタンス素子およびパルス供給経路を通して容量性負荷に電流が供給される。また、容量性負荷からパルス供給経路、インダクタンス素子、第2の一方向性導通素子および第4のスイッチング素子を通して回収用容量性素子に電流が供給される。
それにより、表示素子を含む容量性負荷に供給される駆動パルスの立ち上がりの一部が回収用容量性素子から容量性負荷に電流が供給されることにより行われ、駆動パルスの立ち下りの一部が容量性負荷から回収用容量性素子に電流が供給されることにより行われる。したがって、消費電力を低減することができる。
このとき、第3および第4のスイッチング素子がスイッチング動作を行うことにより、複数の周波数成分を有するスイッチングノイズが発生する。
この場合、第1のインピーダンス制御回路の複数の第1の容量性素子の各々は、容量成分およびインダクタンス成分を含むので、特定の周波数で自己共振する。それにより、各第1の容量性素子のインピーダンスが特定の周波数で低減する。また、複数の第1の容量性素子の容量成分の値はそれぞれ異なるので、複数の第1の容量性素子の自己共振周波数が異なる。それにより、複数の周波数で第1のインピーダンス制御回路のインピーダンスが低減する。したがって、第3のスイッチング素子により発生される複数の周波数を有するスイッチングノイズが第1のインピーダンス制御回路を通して回収用容量性素子に吸収され、パルス供給経路を通して表示素子を含む容量性負荷へのスイッチングノイズの影響が低減される。
同様に、第2のインピーダンス制御回路の複数の第2の容量性素子の各々は、容量成分およびインダクタンス成分を含むので、特定の周波数で自己共振する。それにより、各第2の容量性素子のインピーダンスが特定の周波数で低減する。また、複数の第2の容量性素子の容量成分の値はそれぞれ異なるので、複数の第2の容量性素子の自己共振周波数が異なる。それにより、複数の周波数で第2のインピーダンス制御回路のインピーダンスが低減する。したがって、第4のスイッチング素子により発生される複数の周波数を有するスイッチングノイズが第2のインピーダンス制御回路を通して回収用容量性素子に吸収され、パルス供給経路を通して表示素子を含む容量性負荷へのスイッチングノイズの影響が低減される。
これらの結果、容量性負荷からの広帯域に渡る不要な高周波の電磁波の幅射を十分に抑制することができる。
(9)
本発明のさらに他の局面に従う駆動回路は、駆動パルスをパルス供給経路を通して表示素子を含む容量性負荷に供給するための駆動回路であって、駆動パルスを立ち上げるために第1の電圧を供給する第1の電圧源と、駆動パルスを立ち下げるために第1の電圧より低い第2の電圧を供給する第2の電圧源と、第1、第2、第3および第4のスイッチング素子と、一端がパルス供給経路を通して容量性負荷に接続されるインダクタンス素子と、容量性負荷から電荷を回収するための回収用容量性素子と、第1および第2の一方向性導通素子と、第1の一方向性導通素子と並列に接続される第1のインピーダンス制御回路と、第2の一方向性導通素子と並列に接続される第2のインピーダンス制御回路とを備え、第1のスイッチング素子は第1の電圧源とパルス供給経路との間に接続され、第2のスイッチング素子は第2の電圧源とパルス供給経路との間に接続され、第1および第2のスイッチング素子は、表示素子を点灯させる維持期間において容量性負荷に駆動パルスを印加するために作動し、第1の一方向性導通素子および第3のスイッチング素子は、回収用容量性素子からインダクタンス素子への電流の供給を許容するようにインダクタンス素子の他端と回収用容量性素子との間に直列に接続され、第2の一方向性導通素子および第4のスイッチング素子は、インダクタンス素子から回収用容量性素子への電流の供給を許容するようにインダクタンス素子の他端と回収用容量性素子との間に直列に接続され、第1のインピーダンス制御回路は、第1の一方向性導通素子に並列に接続される複数の第1の容量性素子を含み、第2のインピーダンス制御回路は、第2の一方向性導通素子に並列に接続される複数の第2の容量性素子を含み、複数の第1の容量性素子の各々は、容量成分およびインダクタンス成分を含み、複数の第1の容量性素子の容量成分の値はそれぞれ異なり、複数の第2の容量性素子の各々は、容量成分およびインダクタンス成分を含み、複数の第2の容量性素子の容量成分の値はそれぞれ異なるものである。
その駆動回路においては、維持期間に第1および第2のスイッチング素子が作動し、駆動パルスをパルス供給経路を通して表示素子を含む容量性負荷に供給する。この場合、第1の電圧源により供給される第1の電圧により駆動パルスの電圧が立ち上げられ、第2の電圧源により供給される第2の電圧により駆動パルスの電圧が立ち下げられる。
また、回収用容量性素子から第1の一方向性導通素子、第3のスイッチング素子、インダクタンス素子およびパルス供給経路を通して容量性負荷に電流が供給される。また、容量性負荷からパルス供給経路、インダクタンス素子、第2の一方向性導通素子および第4のスイッチング素子を通して回収用容量性素子に電流が供給される。
それにより、表示素子を含む容量性負荷に供給される駆動パルスの立ち上がりの一部が回収用容量性素子から容量性負荷に電流が供給されることにより行われ、駆動パルスの立ち下りの一部が容量性負荷から回収用容量性素子に電流が供給されることにより行われる。したがって、消費電力を低減することができる。
このとき、第1および第2の一方向性導通素子がスイッチング動作を行うことにより、複数の周波数成分を有するスイッチングノイズが発生する。
この場合、第1のインピーダンス制御回路の複数の第1の容量性素子の各々は、容量成分およびインダクタンス成分を含むので、特定の周波数で自己共振する。それにより、各第1の容量性素子のインピーダンスが特定の周波数で低減する。また、複数の第1の容量性素子の容量成分の値はそれぞれ異なるので、複数の第1の容量性素子の自己共振周波数が異なる。それにより、複数の周波数で第1のインピーダンス制御回路のインピーダンスが低減する。したがって、第1の一方向性導通素子により発生される複数の周波数を有するスイッチングノイズが第1のインピーダンス制御回路を通して回収用容量性素子に吸収され、パルス供給経路を通して表示素子を含む容量性負荷へのスイッチングノイズの影響が低減される。
同様に、第2のインピーダンス制御回路の複数の第2の容量性素子の各々は、容量成分およびインダクタンス成分を含むので、特定の周波数で自己共振する。それにより、各第2の容量性素子のインピーダンスが特定の周波数で低減する。また、複数の第2の容量性素子の容量成分の値はそれぞれ異なるので、複数の第2の容量性素子の自己共振周波数が異なる。それにより、複数の周波数で第2のインピーダンス制御回路のインピーダンスが低減する。したがって、第2の一方向性導通素子により発生される複数の周波数を有するスイッチングノイズが第2のインピーダンス制御回路を通して回収用容量性素子に吸収され、パルス供給経路を通して表示素子を含む容量性負荷へのスイッチングノイズの影響が低減される。
これらの結果、容量性負荷からの広帯域に渡る不要な高周波の電磁波の幅射を十分に抑制することができる。
(10)
本発明のさらに他の局面に従う表示装置は、複数の表示素子からなる容量性素子を含む表示パネルと、駆動パルスをパルス供給経路を通して容量性負荷に供給するための駆動回路とを備え、駆動回路は、駆動パルスを立ち上げるために第1の電圧を供給する第1の電圧源と、駆動パルスを立ち下げるために第1の電圧より低い第2の電圧を供給する第2の電圧源と、一端が第1の電圧源からの第1の電圧を受ける第1のスイッチング素子と、一端が第2の電圧源からの第2の電圧を受ける第2のスイッチング素子と、一端が第1のスイッチング素子の他端に接続され、他端がパルス供給経路に接続される第1の配線と、一端が第2のスイッチング素子の他端に接続され、他端がパルス供給経路に接続される第2の配線と、第1のスイッチング素子の一端と他端との間に第1のスイッチング素子と並列に接続される第1のインピーダンス制御回路と、第2のスイッチング素子の一端と他端との間に第2のスイッチング素子と並列に接続される第2のインピーダンス制御回路とを備え、第1および第2のスイッチング素子は、表示素子を点灯させる維持期間において容量性負荷に駆動パルスを印加するために作動し、第1のインピーダンス制御回路は、第1スイッチング素子に並列に接続される複数の第1の容量性素子を含み、第2のインピーダンス制御回路は、第2のスイッチング素子に並列に接続される複数の第2の容量性素子を含み、複数の第1の容量性素子の各々は、容量成分およびインダクタンス成分を含み、複数の第1の容量性素子の容量成分の値はそれぞれ異なり、複数の第2の容量性素子の各々は、容量成分およびインダクタンス成分を含み、複数の第2の容量性素子の容量成分の値はそれぞれ異なるものである。
その表示装置においては、維持期間に第1および第2のスイッチング素子が作動し、駆動パルスをパルス供給経路を通して表示パネルの複数の表示素子を含む容量性負荷に供給する。この場合、第1の電圧源により供給される第1の電圧により駆動パルスの電圧が立ち上げられ、第2の電圧源により供給される第2の電圧により駆動パルスの電圧が立ち下げられる。第1および第2のスイッチング素子がスイッチング動作を行うことにより、複数の周波数成分を有するスイッチングノイズが発生する。
第1のインピーダンス制御回路の複数の第1の容量性素子の各々は、容量成分およびインダクタンス成分を含むので、特定の周波数で自己共振する。それにより、各第1の容量性素子のインピーダンスが特定の周波数で低減する。また、複数の第1の容量性素子の容量成分の値はそれぞれ異なるので、複数の第1の容量性素子の自己共振周波数が異なる。それにより、複数の周波数で第1のインピーダンス制御回路のインピーダンスが低減する。したがって、第1のスイッチング素子により発生される複数の周波数を有するスイッチングノイズが第1のインピーダンス制御回路を通して第1の電圧源に吸収され、パルス供給経路を通して表示素子を含む容量性負荷へのスイッチングノイズの影響が低減される。
同様に、第2のインピーダンス制御回路の複数の第2の容量性素子の各々は、容量成分およびインダクタンス成分を含むので、特定の周波数で自己共振する。それにより、各第2の容量性素子のインピーダンスが特定の周波数で低減する。また、複数の第2の容量性素子の容量成分の値はそれぞれ異なるので、複数の第2の容量性素子の自己共振周波数が異なる。それにより、複数の周波数で第2のインピーダンス制御回路のインピーダンスが低減する。したがって、第2のスイッチング素子により発生される複数の周波数を有するスイッチングノイズが第2のインピーダンス制御回路を通して第2の電圧源に吸収され、パルス供給経路を通して表示素子を含む容量性負荷へのスイッチングノイズの影響が低減される。
これらの結果、容量性負荷からの広帯域に渡る不要な高周波の電磁波の幅射を十分に抑制することができる。
本発明によれば、複数の周波数を有するスイッチングノイズが低減されるので、容量性負荷からの広帯域に渡る不要な高周波の電磁波の幅射を十分に抑制することができる。
図1は本発明の第1の実施の形態に係るサステインドライバを用いたプラズマディスプレイ装置の構成を示すブロック図
図2は図1のPDPにおけるスキャン電極およびサステイン電極の駆動電圧の一例を示すタイミング図
図3は図1に示すサステインドライバの構成を示す回路図
図4はサステインドライバの維持期間の動作を説明するためのタイミング図
図5はインピーダンス制御回路の構成の第1の例を示す回路図
図6は積層セラミックコンデンサ、タンタル電解コンデンサおよびアルミニウム電解コンデンサのインピーダンス特性を示す図
図7(a)は1個の積層セラミックコンデンサの内部等価回路を示す図、図7(b)は1個の積層セラミックコンデンサのインピーダンス特性の計算結果を示す図
図8(a)は2個の積層セラミックコンデンサの並列回路の内部等価回路を示す図、図8(b)は2個の積層セラミックコンデンサの並列回路のインピーダンス特性の計算結果を示す図
図9は2個の積層セラミックコンデンサの並列回路における反共振を説明するための図
図10はインピーダンス制御回路の構成の第2の例を示す回路図
図11(a)は2個の積層セラミックコンデンサの並列回路の内部等価回路を示す図、図11(b)は2個の積層セラミックコンデンサの並列回路のインピーダンス特性の計算結果を示す図
図12はインピーダンス制御回路の構成の第3の例を示す回路図
図13は積層セラミックコンデンサおよびビーズコアのインピーダンス特性を示す図
図14は本発明の第2の実施の形態に係るサステインドライバの構成を示す回路図
図15は本発明の第3の実施の形態に係るサステインドライバの構成を示す回路図
図16は従来のサステインドライバの構成を示す回路図
図17は図16のサステインドライバの維持期間の動作を示すタイミング図
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
本発明による駆動回路の一例として、プラズマディスプレイ装置に用いられるサステインドライバについて説明する。
(1)第1の実施の形態
(1−1)プラズマディスプレイ装置の構成
図1は本発明の第1の実施の形態に係るサステインドライバを用いたプラズマディスプレイ装置の構成を示すブロック図である。
図1のプラズマディスプレイ装置は、PDP(プラズマディスプレイパネル)1、データドライバ2、スキャンドライバ3、複数のスキャンドライバIC(集積回路)3aおよびサステインドライバ4を含む。
PDP1は、複数のアドレス電極(データ電極)11、複数のスキャン電極(走査電極)12および複数のサステイン電極(維持電極)13を含む。複数のアドレス電極11は、画面の垂直方向に配列され、複数のスキャン電極12および複数のサステイン電極13は、画面の水平方向に配列されている。また、複数のサステイン電極13は、共通に接続されている。アドレス電極11、スキャン電極12およびサステイン電極13の各交点には、放電セルDCが形成され、各放電セルDCが画面上の画素を構成する。図1には、1つの放電セルDCのみが点線で示される。
データドライバ2は、PDP1の複数のアドレス電極11に接続されている。複数のスキャンドライバIC3aは、スキャンドライバ3に接続されている。各スキャンドライバIC3aには、PDP1の複数のスキャン電極12が接続されている。サステインドライバ4は、PDP1の複数のサステイン電極13に接続されている。
データドライバ2は、書き込み期間において、画像データに応じてPDP1の該当するアドレス電極11に書き込みパルスを印加する。複数のスキャンドライバIC3aは、スキャンドライバ3により駆動され、書き込み期間において、シフトパルスSHを垂直走査方向にシフトしつつPDP1の複数のスキャン電極12に書き込みパルスを順に印加する。これにより、該当する放電セルDCにおいてアドレス放電が行われる。
また、複数のスキャンドライバIC3aは、維持期間において、周期的な維持パルスをPDP1の複数のスキャン電極12に印加する。一方、サステインドライバ4は、維持期間において、PDP1の複数のサステイン電極13にスキャン電極12の維持パルスに対して180°位相のずれた維持パルスを同時に印加する。これにより、該当する放電セルDCにおいて維持放電が行われる。
(1−2)PDP1における駆動電圧
図2は図1のPDP1におけるスキャン電極12およびサステイン電極13の駆動電圧の一例を示すタイミング図である。
初期化および書き込み期間には、複数のスキャン電極12に初期化パルス(セットアップパルス)Psetが同時に印加される。その後、複数のスキャン電極12に書き込みパルスPwが順に印加される。これにより、PDP1の該当する放電セルDCにおいてアドレス放電が起こる。
次に、維持期間において、複数のスキャン電極12に維持パルスPscが周期的に印加され、複数のサステイン電極13に維持パルスPsuが周期的に印加される。維持パルスPsuの位相は、維持パルスPscの位相に対して180°ずれている。これにより、アドレス放電に続いて維持放電が起こる。
(1−3)サステインドライバ4の構成
次に、図1に示すサステインドライバ4について説明する。図3は図1に示すサステインドライバ4の構成を示す回路図である。
図3のサステインドライバ4は、スイッチング素子であるnチャネル型のFET(電界効果型トランジスタ;以下、トランジスタと称する)Q1〜Q4、インピーダンス制御回路41,42、回収コンデンサCr、回収コイルLおよびダイオードD1,D2を含む。インピーダンス制御回路41,42の構成については後述する。
トランジスタQ1は、一端が電源端子V1に接続され、他端が配線Li1を通してノードN1に接続され、ゲートには制御信号S1が入力される。トランジスタQ1は、寄生容量としてドレイン・ソース間の容量CP1を有し、トランジスタQ1のドレイン・ソース間には、インピーダンス制御回路41がトランジスタQ1と並列に接続される。電源端子V1には、電源電圧Vsusが印加される。
トランジスタQ2は、一端が配線Li2を通してノードN1に接続され、他端が接地端子に接続され、ゲートには制御信号S2が入力される。トランジスタQ2は、寄生容量としてドレイン・ソース間の容量CP2を有し、トランジスタQ2のドレイン・ソース間には、インピーダンス制御回路42がトランジスタQ2と並列に接続される。
ノードN1は、配線Li0を通して例えば480本のサステイン電極13に接続されているが、図3では、複数のサステイン電極13と接地端子との間の全容量に相当するパネル容量Cpが示されている。
回収コンデンサCrは、ノードN3と接地端子との間に接続されている。トランジスタQ3およびダイオードD1は、ノードN3とノードN2との間に直列に接続されている。ダイオードD2およびトランジスタQ4は、ノードN2とノードN3との間に直列に接続されている。トランジスタQ3のゲートには制御信号S3が入力され、トランジスタQ4のゲートには制御信号S4が入力される。回収コイルLはノードN2とノードN1との間に接続されている。
(1−4)サステインドライバ4の動作
次に、上記のように構成されたサステインドライバ4の維持期間の動作について説明する。図4はサステインドライバ4の維持期間の動作を説明するためのタイミング図である。図4には、トランジスタQ1〜Q4に入力される制御信号S1〜S4およびノードN1〜N3の各電圧が示される。
まず、時刻t1において、制御信号S2がローレベルになってトランジスタQ2がオフし、制御信号S3がハイレベルになってトランジスタQ3がオンする。このとき、制御信号S1はローレベルにあってトランジスタQ1はオフし、制御信号S4はローレベルにあってトランジスタQ4はオフしている。したがって、回収コンデンサCrがトランジスタQ3およびダイオードD1を通して回収コイルLに接続され、回収コイルLおよびパネル容量CpによるLC共振によりノードN1の電位が滑らかに上昇する。このとき、回収コンデンサCrの電荷がトランジスタQ3、ダイオードD1および回収コイルLを通してパネル容量Cpへ放出される。
また、トランジスタQ3、ダイオードD1および回収コイルLを通して流れる電流は、パネル容量Cpに流入するだけでなく、配線Li1を通してトランジスタQ1のドレイン・ソース間の容量CP1およびインピーダンス制御回路41に流れるとともに、配線Li2を通してトランジスタQ2のドレイン・ソース間の容量CP2およびインピーダンス制御回路42にも流れる。
次に、時刻t2において、制御信号S1がハイレベルになってトランジスタQ1がオンし、制御信号S3がローレベルになってトランジスタQ3がオフする。したがって、ノードN1が電源端子V1に接続され、ノードN1の電位が急激に上昇し、電源電圧Vsusに固定される。このとき、トランジスタQ1から複数の周波数成分を有するスイッチングノイズが発生する。スイッチングノイズは、トランジスタQ1のドレイン・ソース間の容量CP1および配線Li1のインダクタンス成分によるLC共振の周波数成分およびその他の複数の周波数成分を含む。
このとき、トランジスタQ1から発生したスイッチングノイズはコンデンサCP1およびインピーダンス制御回路41を通して電源端子V1に戻り、かつコンデンサCP2およびインピーダンス制御回路42を通して接地端子に戻る。それにより、サステイン電極13へのスイッチングノイズによる影響が低減され、不要輻射の発生が抑制される。インピーダンス制御回路41,42の動作については後述する。
次に、時刻t3において、制御信号S1がローレベルになってトランジスタQ1がオフし、制御信号S4がハイレベルになってトランジスタQ4がオンする。したがって、回収コンデンサCrがダイオードD2およびトランジスタQ4を通して回収コイルLに接続され、回収コイルLおよびパネル容量CpによるLC共振によりノードN1の電位が緩やかに降下する。このとき、パネル容量Cpに蓄えられた電荷は、回収コイルL、ダイオードD2およびトランジスタQ4を通して回収コンデンサCrに蓄えられ、電荷の回収が行われる。
次に、時刻t4において、制御信号S2がハイレベルになってトランジスタQ2がオンし、制御信号S4がローレベルになってトランジスタQ4がオフする。したがって、ノードN1が接地端子に接続され、ノードN1の電位が急激に降下し、接地電位に固定される。このとき、トランジスタQ2から複数の周波数成分を有するスイッチングノイズが発生する。スイッチングノイズは、トランジスタQ2のドレイン・ソース間の容量CP2および配線Li2のインダクタンス成分によるLC共振の周波数成分およびその他の複数の周波数成分を含む。
このとき、トランジスタQ2から発生したスイッチングノイズはコンデンサCP1およびインピーダンス制御回路41を通して電源端子V1に戻り、かつコンデンサCP2およびインピーダンス制御回路42を通して接地端子に戻る。それにより、サステイン電極13へのスイッチングノイズによる影響が低減され、不要輻射の発生が抑制される。インピーダンス制御回路41,42の動作については後述する。
上記の動作が維持期間において繰り返し行われる。この場合、インピーダンス制御回路41,42の働きによりトランジスタQ1,Q2から発生する広帯域のスイッチングノイズが抑制される。その結果、広帯域に渡る不要な電磁波の幅射が抑制される。
本実施の形態では、インピーダンス制御回路41,42として以下の第1〜第3の構成のいずれかが用いられる。
(1−5)インピーダンス制御回路41,42の構成の第1の例
図5はインピーダンス制御回路41,42の構成の第1の例を示す回路図である。
図5に示すように、インピーダンス制御回路41はn個のコンデンサC11〜C1nを含む。nは2以上の自然数である。コンデンサC11〜C1nはトランジスタQ1に並列に接続されている。コンデンサC11〜C1nとトランジスタQ1との接続点は、トランジスタQ1のソースおよびドレインにより近いことが好ましい。例えばコンデンサC11〜C1nとトランジスタQ1とが同一の回路基板上で接続されていることが好ましい。それにより、後述する効果がより確実に得られる。コンデンサC11〜C1nはそれぞれ異なる容量値を有する。ここでは、コンデンサC11〜C1nの容量値はこの順に減少し、コンデンサC1nが最も小さな容量値を有する。
また、インピーダンス制御回路42はn個のコンデンサC21〜C2nを含む。nは2以上の自然数である。コンデンサC21〜C2nはトランジスタQ2に並列に接続されている。コンデンサC21〜C2nとトランジスタQ2との接続点は、トランジスタQ2のソースおよびドレインにより近いことが好ましい。例えばコンデンサC21〜C2nとトランジスタQ2とが同一の回路基板上で接続されていることが好ましい。それにより、後述する効果がより確実に得られる。コンデンサC21〜C2nはそれぞれ異なる容量値を有する。ここでは、コンデンサC21〜C2nの容量値はこの順に減少し、コンデンサC2nが最も小さな容量値を有する。
本実施の形態では、コンデンサC11〜C1n,C21〜C2nは積層セラミックコンデンサからなる。
図6は積層セラミックコンデンサ、タンタル電解コンデンサおよびアルミニウム電解コンデンサのインピーダンス特性を示す図である。
図6には、10μFのタンタル電解コンデンサ、10μFのアルミニウム電解コンデンサ、および1μF、4.7μFおよび10μFの積層セラミックコンデンサのインピーダンスと周波数との関係を示す。縦軸がインピーダンスを示し、横軸が周波数を示す。
積層セラミックコンデンサでは、インピーダンス特性にディップ(極小部分)Dpが生じる。このディップDpの周波数が自己共振周波数である。積層セラミックコンデンサの自己共振周波数は容量値により異なる。これに対して、タンタル電解コンデンサおよびアルミニウム電解コンデンサでは、インピーダンス特性にディップが生じない。
図5のインピーダンス制御回路41では、容量値の異なるn個のコンデンサC11〜C1nがトランジスタQ1に並列に接続されているので、n個の異なる自己共振周波数帯域でスイッチングノイズが電源端子V1に吸収される。
同様に、インピーダンス制御回路42では、容量値の異なるn個のコンデンサC21〜C2nがトランジスタQ2に並列に接続されているので、n個の異なる自己共振周波数帯域でスイッチングノイズが接地端子に吸収される。
トランジスタQ1,Q2がスイッチングノイズを発生しているので、配線Li1,Li2の影響を少なくするためにトランジスタQ1の近傍にコンデンサC11〜C1nを配置し、コンデンサC21〜C2nの近傍にコンデンサC21〜C2nを配置することが好ましい。それにより、配線Li1,Li2の影響を除くことができる。したがって、図3の配線Li0と接地端子との間にコンデンサが挿入された場合に比べて、トランジスタQ1,Q2から発生するスイッチングノイズを十分に吸収することができる。
ここで、図5のインピーダンス制御回路41,42の機能を図7および図8を用いて説明する。
図7(a)は1個の積層セラミックコンデンサの内部等価回路を示す図であり、図7(b)は1個の積層セラミックコンデンサのインピーダンス特性の計算結果を示す図である。図7(b)において、横軸は周波数、縦軸は利得である。
図7(a)において、積層セラミックコンデンサC10は、容量成分C1、インダクタンス成分L1および抵抗成分R1を有する。本例では、容量成分C1の値は330pFであり、インダクタンス成分L1の値は1.3nHであり、抵抗成分R1の値は0.05Ωである。ここでは、50Ω測定系における積層セラミックコンデンサC10のインピーダンス特性を計算により求めた。50Ω測定系における抵抗成分R3および抵抗成分R4の値はいずれも50Ωである。
積層セラミックコンデンサC10では、セラミック層の面積が一定であると、セラミック層の数の増加に伴って容量成分C1の値が増加し、インダクタンス成分L1の値および抵抗成分R1の値はほとんど変化しない。抵抗成分R1の値が小さいので、図7(b)に示すように、インピーダンス特性にディップDp1が生じる。上記のように、ディップDp1の周波数が自己共振周波数に相当する。自己共振周波数は容量成分C1の値により異なる。
このように、積層セラミックコンデンサC10の内部等価回路はLCRの直列回路であるので、自己共振周波数が存在する。図7(b)の例では、自己共振周波数は約250MHzであり、自己共振周波数でのインピーダンスが最も低くなる。
これに対して、タンタル電解コンデンサまたはアルミニウム電解コンデンサでは、タンタルシートまたはアルミニウムシートが巻かれているので、抵抗成分が大きい。それにより、図6に示したように、インピーダンス特性にディップが生じない。
このように、十分な自己共振を発生させるためにはインピーダンス特性に明確なディップを有する積層セラミックコンデンサを用いることが好ましい。なお、タンタル電解コンデンサまたはアルミニウム電解コンデンサにおいても、自己共振の効果は積層セラミックコンデンサに比べて低いが、自己共振を発生することができる。
図8(a)は2個の積層セラミックコンデンサの並列回路の内部等価回路を示す図であり、図8(b)は2個の積層セラミックコンデンサの並列回路のインピーダンス特性の計算結果を示す図である。
図8(a)において、積層セラミックコンデンサC10の内部等価回路は図7(a)の積層セラミックコンデンサC10と同様である。積層セラミックコンデンサC20は、容量成分C2、インダクタンス成分L2および抵抗成分R2を有する。本例では、容量成分C2の値は0.68μFであり、インダクタンス成分L2の値は130pHであり、抵抗成分R2の値は0.01Ωである。2個の積層セラミックコンデンサC10,C20を接続する配線パターンのインダクタンス成分L3の値は100pHである。
図8(b)のインピーダンス特性において、小さな容量成分C1(330pF)を有する積層セラミックコンデンサC10によるディップDp1および大きな容量値(0.68μF)を有する積層セラミックコンデンサC20によるディップDp2が生じる。ディップDp1の周波数が積層セラミックコンデンサC10の自己共振周波数に相当し、ディップDp2の周波数が積層セラミックコンデンサC20の自己共振周波数に相当する。
大きな容量値(0.68μF)を有する積層セラミックコンデンサC20を単独で用いた場合には、小さな容量成分C2(330pF)を有する積層セラミックコンデンサC10を単独で用いた場合に比べて低域でのインピーダンス特性は改善される。しかしながら、0.68μFの自己共振周波数より高い帯域では、積層セラミックコンデンサC20のインダクタンス成分L2の影響でインピーダンス特性は劣化する。
図8に示すように、積層セラミックコンデンサC10,C20を用いた場合には、両方の自己共振周波数の中間の周波数で反共振が発生し、インピーダンス特性が劣化する。図8の例では、200MHzを含む周波数帯域でインピーダンス特性が劣化する。
図9は2個の積層セラミックコンデンサの並列回路における反共振を説明するための図である。図9(a)は反共振を生じる場合の内部等価回路を示す図であり、図9(b)は反共振を生じる場合のインピーダンス特性を示す図である。
図8(a)の積層セラミックコンデンサC20の容量成分C2のインピーダンスは、1/(2πf×0.68[μF])となる。ここで、fは周波数である。それにより、容量成分C2のインピーダンスは、周波数1MHzでは0.234Ω、周波数10MHzでは0.0234Ω、周波数10MHzでは0.00234Ωとなり、容量成分C2は高い周波数でショート状態となる。
一方、積層セラミックコンデンサC10の容量成分C1の値は積層セラミックコンデンサC20の容量成分C2の値に比べて小さいため、容量成分C1のインピーダンスは容量成分C2のインピーダンスに比べて大きい。また、積層セラミックコンデンサC20のインダクタンス成分L2のインピーダンスは、周波数が高くなると大きくなる。一方、積層セラミックコンデンサC10のインダクタンス成分L1のインピーダンスは容量成分C1のインピーダンスに比べて小さい。
したがって、高い周波数では、2個の積層セラミックコンデンサC10,C20の並列回路の等価回路は図9(a)に示すLC並列共振回路となる。
この場合、図9(b)に示すように、LC並列共振回路のインピーダンスは共振部分で大きくなり、反共振が発生する。図8(b)の例では、反共振が200MHzを含む周波数帯域で発生している。
図5のインピーダンス制御回路41,42では、トランジスタQ1,Q2によるスイッチングノイズにおける複数のピークの周波数が反共振周波数帯域内に位置しないようにコンデンサC11〜C1n,コンデンサC21〜C2nの容量値を設定する。
それにより、インピーダンス制御回路41,42の働きによりトランジスタQ1,Q2から発生する複数の周波数成分を有するスイッチングノイズが抑制される。その結果、広帯域に渡る不要な電磁波の幅射が十分に抑制される。
(1−6)インピーダンス制御回路41,42の構成の第2の例
図10はインピーダンス制御回路41,42の構成の第2の例を示す回路図である。
図10のインピーダンス制御回路41,42が図5のインピーダンス制御回路41,42と異なるのは次の点である。インピーダンス制御回路41のコンデンサC11〜C1n−1にそれぞれ直列に抵抗素子R11〜R1n−1が接続されている。コンデンサC11〜C1nの容量値はこの順に減少し、コンデンサC1nが最も小さな容量値を有する。インピーダンス制御回路41内で最も小さな容量値を有するコンデンサC1nには抵抗素子は接続されていない。抵抗素子R11〜R1n−1の抵抗値はこの順に減少し、抵抗素子R1n−1が最も小さな抵抗値を有する。
同様に、インピーダンス制御回路42のコンデンサC21〜C2nにそれぞれ直列に抵抗素子R21〜R2n−1が接続されている。コンデンサC21〜C2nの容量値はこの順に減少し、コンデンサC2nが最も小さな容量値を有する。インピーダンス制御回路42内で最も小さな容量値を有するコンデンサC2nには抵抗素子は接続されていない。抵抗素子R21〜R2n−1の抵抗値はこの順に減少し、抵抗素子R2n−1が最も小さな抵抗値を有する。
図10のインピーダンス制御回路41,42の構成の他の点は図5のインピーダンス制御回路41,42と同様であるので、同一部分には同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
図8を用いて説明したように、複数の積層セラミックコンデンサの単純な並列回路では、反共振周波数でインピーダンス特性が劣化する。そこで、図10の例では、抵抗素子を追加することにより反共振周波数でのインピーダンス特性の劣化を抑制する。ここで、図10のインピーダンス制御回路41,42の機能を図11を用いて説明する。
図11(a)は2個の積層セラミックコンデンサの並列回路の内部等価回路を示す図であり、図11(b)は2個の積層セラミックコンデンサの並列回路のインピーダンス特性の計算結果を示す図である。図11(b)において、横軸は周波数、縦軸は利得である。
図11(a)において、積層セラミックコンデンサC10,C20の内部等価回路は図8(a)の積層セラミックコンデンサC10,C20と同様である。
図11において、大きな容量値(0.68μF)を有する積層セラミックコンデンサC20に抵抗素子R5が直列に挿入される。本例では、抵抗素子R5の値は0.05Ωである。この場合、積層セラミックコンデンサC20の自己共振周波数(ディップDp2)におけるインピーダンス特性は劣化するが、小さな容量値(330pF)を有する積層セラミックコンデンサC10の自己共振周波数と積層セラミックコンデンサC20の自己共振周波数との中間で発生する反共振によるインピーダンス特性の劣化が抑制される。
このように、積層セラミックコンデンサC20に抵抗素子R5を直列に挿入することにより、広帯域に渡ってインピーダンス特性が改善される。
図10のインピーダンス制御回路41,42では、広帯域に渡ってトランジスタQ1,Q2から発生する複数の周波数のスイッチングノイズが抑制される。その結果、広帯域に渡る不要な電磁波の幅射が十分に抑制される。
(1−7)インピーダンス制御回路41,42の構成の第3の例
図12はインピーダンス制御回路41,42の構成の第3の例を示す回路図である。
図12のインピーダンス制御回路41,42が図5のインピーダンス制御回路41,42と異なるのは次の点である。インピーダンス制御回路41のコンデンサC11〜C1n−1にそれぞれ直列にビーズコアL11〜L1n−1が接続されている。コンデンサC11〜C1nの容量値はこの順に減少し、コンデンサC1nが最も小さな容量値を有する。インピーダンス制御回路41内で最も小さな容量値を有するコンデンサC1nにはビーズコアは接続されていない。
同様に、インピーダンス制御回路42のコンデンサC21〜C2nにそれぞれ直列にビーズコアL21〜L2n−1が接続されている。コンデンサC11〜C1nの容量値はこの順に減少し、コンデンサC1nが最も小さな容量値を有する。インピーダンス制御回路42内で最も小さな容量値を有するコンデンサC2nにはビーズコアは接続されていない。
図12のインピーダンス制御回路41,42の構成の他の点は図5のインピーダンス制御回路41,42と同様であるので、同一部分には同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
図12の例では、ビーズコアを追加することにより反共振周波数でのインピーダンス特性の劣化を抑制する。ここで、図12のインピーダンス制御回路41,42の機能を図13を用いて説明する。
図13は積層セラミックコンデンサおよびビーズコアのインピーダンス特性を示す図である。図13において、横軸は周波数、縦軸はインピーダンスである。
図13において、コンデンサC1n−1のインピーダンス特性が破線で示されている。また、ビーズコアL1n−1のインピーダンス特性Zが実線で示され、抵抗成分Rが点線で示され、リアクタンス成分Xが一点鎖線で示される。
図13に示すように、コンデンサC1n−1の自己共振周波数を超えた周波数領域でビーズコアL1n−1のインピーダンス特性が立ち上がるように定数(抵抗成分Rおよびをリアクタンス成分X)を選択する。
それにより、図12のインピーダンス制御回路41においてコンデンサC1n−1の自己共振周波数よりも高い周波数における反共振によるインピーダンス特性の劣化が抑制される。つまり、コンデンサC1n−1の自己共振周波数よりも高い周波数において図10の抵抗素子R11〜R1n−1をコンデンサC11〜C1n−1に直列に挿入した場合と同等の効果が得られる。図12のインピーダンス制御回路42の機能はインピーダンス制御回路41の機能と同様である。
したがって、図12のインピーダンス制御回路41,42では、広帯域に渡ってトランジスタQ1,Q2から発生する複数の周波数のスイッチングノイズが抑制される。その結果、広帯域に渡る不要な電磁波の幅射が十分に抑制される。
(1−8)第1の実施の形態の効果
本実施の形態に係るサステインドライバ4では、インピーダンス制御回路41,42によりノードN1と電源端子V1との間およびノードN1と接地端子との間に複数の周波数成分のバイパス領域が形成される。それにより、トランジスタQ1,Q2で発生した広帯域に渡るスイッチングノイズがインピーダンス制御回路41,42を通して電源端子V1および接地端子に吸収され、パネル容量Cpへのスイッチングノイズによる影響が低減される。それにより、広帯域に渡る高周波の電磁波の幅射を十分に抑制することができる。
(2)第2の実施の形態
(2−1)サステインドライバの構成
図14は本発明の第2の実施の形態に係るサステインドライバの構成を示す回路図である。
図14に示すサステインドライバ4aが図3に示すサステインドライバ4と異なるのは次の点である。その他の点は図3に示すサステインドライバ4と同様であるので、同一部分には同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
図14に示すように、トランジスタQ3の一端およびトランジスタQ4の一端はそれぞれ配線Li3,Li4を通してノードN3に接続されている。トランジスタQ3の他端はダイオードD1のアノードに接続され、トランジスタQ4の他端はダイオードD2のカソードに接続される。
トランジスタQ3は、寄生容量としてドレイン・ソース間の容量CP3を有し、トランジスタQ3のドレイン・ソース間には、インピーダンス制御回路43がトランジスタQ3と並列に接続される。トランジスタQ4は、寄生容量としてドレイン・ソース間の容量CP4を有し、トランジスタQ4のドレイン・ソース間には、インピーダンス制御回路44がトランジスタQ4と並列に接続される。
ダイオードD1は、寄生容量としてアノード・カソード間の容量CP5を有し、ダイオードD2は、寄生容量としてアノード・カソード間の容量CP6を有する。
インピーダンス制御回路43の構成および機能は、図5、図10または図12に示したインピーダンス制御回路41の構成および機能と同様である。また、インピーダンス制御回路44の構成および機能は、図5、図10または図12に示したインピーダンス制御回路42の構成および機能と同様である。
なお、本実施の形態では、インピーダンス制御回路43のコンデンサC11〜C1nとトランジスタQ3との接続点は、トランジスタQ3のソースおよびドレインにより近いことが好ましい。例えばコンデンサC11〜C1nとトランジスタQ3とが同一の回路基板上で接続されていることが好ましい。それにより、後述する効果がより確実に得られる。
また、インピーダンス制御回路44のコンデンサC21〜C2nとトランジスタQ4との接続点は、トランジスタQ4のソースおよびドレインにより近いことが好ましい。例えばコンデンサC21〜C2nとトランジスタQ4とが同一の回路基板上で接続されていることが好ましい。それにより、後述する効果がより確実に得られる。
(2−2)サステインドライバの動作
次に、上記のように構成されたサステインドライバ4aの維持期間の動作について図4を参照しながら説明する。
図14に示すサステインドライバ4aの基本的な動作は、図3に示すサステインドライバ4と同様であるので、主としてトランジスタQ3,Q4によるスイッチングノイズの発生メカニズムについて以下に詳細に説明する。
まず、トランジスタQ4がオフ状態にあり、かつ、トランジスタQ4のドレイン・ソース間に急激な電圧変化が生じる場合に、トランジスタQ4のドレイン・ソース間の容量CP4および配線Li4のインダクタンス成分による高周波のLC共振が発生する。それにより、複数の周波数成分を有するスイッチングノイズが発生する。具体的には、図4に示す時刻t1および時刻t2において、以下のように、トランジスタQ3,Q4から複数の周波数成分を有するスイッチングノイズが発生する。
時刻t1において、制御信号S3がハイレベルになってトランジスタQ3がオンする。それにより、ノードN2の電位が0VからノードN3の電位約Vsus/2に立ち上がる瞬間にトランジスタQ3から複数の周波数成分を有するスイッチングノイズが発生する。スイッチングノイズは、トランジスタQ3のドレイン・ソース間の容量CP3および配線Li3のインダクタンス成分によるLC共振の周波数成分およびその他の複数の周波数成分を含む。
また、時刻t2において、ノードN1の電位が回収コイルLおよびパネル容量CpによるLC共振によりピーク電圧から下がり始め、回収コイルLに流れる電流の方向がノードN1へ向かう方向からノードN2へ向かう方向に逆転する。それにより、ダイオードD1が非導通となるため、電流経路が遮断される。その結果、ノードN2の電位は、急激にノードN1の電位に向かって上昇する。このとき、ノードN2に接続されている浮遊容量(ダイオードD1のアノード・カソード間の容量CP5等)と回収コイルLとによる高周波のLC共振が発生し、ノードN2の電位がリンギングしながら上昇する。この場合、トランジスタQ4から複数の周波数成分を有するスイッチングノイズが発生する。スイッチングノイズは、トランジスタQ4のドレイン・ソース間の容量CP4および配線Li4のインダクタンス成分によるLC共振の周波数成分およびその他の複数の周波数成分を含む。
しかしながら、本実施の形態では、トランジスタQ4に並列にインピーダンス制御回路44が接続されているので、広帯域に渡るスイッチングノイズがインピーダンス制御回路44および回収コンデンサCrを通して接地端子に吸収される。それにより、広帯域に渡る不要の電磁波の輻射が十分に抑制される。
次に、トランジスタQ3がオフ状態にあり、かつ、トランジスタQ3のドレイン・ソース間に急激な電圧変化が生じる場合に、トランジスタQ3のドレイン・ソース間の容量CP3および配線Li3のインダクタンス成分による高周波のLC共振が発生する。それにより、トランジスタQ3から複数の周波数成分を有するスイッチングノイズが発生する。具体的には、図4に示す時刻t3および時刻t4において、以下のように、トランジスタQ3,Q4から複数の周波数成分を有するスイッチングノイズが発生する。
維持パルスPsuの立ち上がり時の電力回収期間が終了すると、制御信号S1がハイレベルになってトランジスタQ1がオンする。それにより、電源端子V1の電源電圧VsusがノードN2に印加される。この状態から、時刻t3において、制御信号S4がハイレベルになってトランジスタQ4がオンする。それにより、ノードN2の電位が電源電圧VsusからノードN3の電位約Vsus/2に立ち下がる瞬間にトランジスタQ4から複数の周波数成分を有するスイッチングノイズが発生する。
また、時刻t4において、維持パルスPsuの立ち下がり時の電力回収期間が終了すると、回収コイルLに流れる電流の方向がノードN2へ向かう方向からノードN1へ向かう方向に逆転する。それにより、ダイオードD2が非導通となるため、電流経路が遮断される。その結果、ノードN2の電位は、急激にノードN1の電位に向かって降下する。このとき、ノードN2に接続されている浮遊容量(ダイオードD2のアノード・カソード間の容量CP6等)と回収コイルLとによる高周波のLC共振が発生し、ノードN2の電位がリンギングしながら下降する。この場合、トランジスタQ3から複数の周波数成分を有するスイッチングノイズが発生する。
しかしながら、本実施の形態では、トランジスタQ3に並列にインピーダンス制御回路43が接続されているので、広帯域に渡るスイッチングノイズがインピーダンス制御回路43および回収コンデンサCrを通して接地端子に吸収される。それにより、広帯域に渡る不要の電磁波の輻射が十分に抑制される。
(2−3)第2の実施の形態の効果
本実施の形態に係るサステインドライバ4aでは、インピーダンス制御回路43,44によりノードN2とノードN3との間に複数の周波数成分のバイパス領域が形成される。それにより、トランジスタQ3,Q4で発生した広帯域に渡るスイッチングノイズがインピーダンス制御回路43,44および回収コンデンサCrを通して接地端子に吸収され、パネル容量Cpへのスイッチングノイズの影響が低減される。それにより、広帯域に渡る高周波の電磁波の幅射を十分に抑制することができる。
(3)第3の実施の形態
(3−1)サステインドライバの構成
図15は本発明の第3の実施の形態に係るサステインドライバの構成を示す回路図である。
図15に示すサステインドライバ4bが図3に示すサステインドライバ4と異なるのは次の点である。その他の点は図3に示すサステインドライバ4と同様であるので、同一部分には同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
図15に示すように、ダイオードD1のアノード・カソード間には、インピーダンス制御回路45がダイオードD1と並列に接続される。ダイオードD2のアノード・カソード間には、インピーダンス制御回路46がダイオードD2と並列に接続される。
ダイオードD1のカソードおよびダイオードD2のアノードはそれぞれ配線Li5,Li6を通してノードN2に接続される。ダイオードD1は、寄生容量としてアノード・カソード間の容量CP5を有し、ダイオードD2は、寄生容量としてアノード・カソード間の容量CP6を有する。なお、トランジスタQ3,Q4は、第2の実施の形態と同様に寄生容量CP3,CP4を有する。
インピーダンス制御回路45の構成および機能は、図5、図10または図12に示したインピーダンス制御回路41の構成および機能と同様である。また、インピーダンス制御回路46の構成および機能は、図5、図10または図12に示したインピーダンス制御回路42の構成および機能と同様である。
なお、本実施の形態では、インピーダンス制御回路45のコンデンサC11〜C1nとダイオードD1との接続点は、ダイオードD1のアノードおよびカソードにより近いことが好ましい。例えばコンデンサC11〜C1nとダイオードD1とが同一の回路基板上で接続されていることが好ましい。それにより、後述する効果がより確実に得られる。
また、インピーダンス制御回路46のコンデンサC21〜C2nとダイオードD2との接続点は、ダイオードD2のアノードおよびカソードにより近いことが好ましい。例えばコンデンサC21〜C2nとダイオードD2とが同一の回路基板上で接続されていることが好ましい。それにより、後述する効果がより確実に得られる。
(3−2)サステインドライバの動作
次に、上記のように構成されたサステインドライバ4bの維持期間の動作について図4を参照しながら説明する。
図15に示すサステインドライバ4bの基本的な動作は、図3および図14に示すサステインドライバ4,4aと同様であるので、主としてダイオードD1,D2によるスイッチングノイズの発生メカニズムについて以下に詳細に説明する。
まず、ダイオードD1がオフ状態にあり、かつ、ダイオードD1のアノード・カソード間に急激な電圧変化が生じる場合に、ダイオードD1から複数の周波数成分を有するスイッチングノイズが発生する。具体的には、図4に示す時刻t2において、以下のように、ダイオードD1から複数の周波数成分を有するスイッチングノイズが発生する。
時刻t1において、制御信号S3がハイレベルになってトランジスタQ3がオンする。それにより、ノードN2の電位がノードN3の電位約Vsus/2と等しくなっている。この状態で、時刻t2において、ノードN1の電位が回収コイルLおよびパネル容量CpによるLC共振によりピーク電圧から下がり始め、回収コイルLに流れる電流の方向がノードN1へ向かう方向からノードN2へ向かう方向に逆転する。それにより、ダイオードD1が非導通となるため、電流経路が遮断される。その結果、ノードN2の電位は、急激にノードN1の電位に向かって上昇する。このとき、ダイオードD1から複数の周波数成分を有するスイッチングノイズが発生する。スイッチングノイズは、ダイオードD1のアノード・カソード間の容量CP5および配線Li5のインダクタンス成分によるLC共振の周波数成分およびその他の複数の周波数成分を含む。
しかしながら、本実施の形態では、ダイオードD1に並列にインピーダンス制御回路45が接続されているので、ダイオードD1から発生した複数の周波数成分を有するスイッチングノイズがインピーダンス制御回路45を通してトランジスタQ3に流れる。このとき、トランジスタQ3がオンしている。したがって、ダイオードD1から発生した複数の周波数成分を有するスイッチングノイズはインピーダンス制御回路45、トランジスタQ3および回収コンデンサCrを通して接地端子に吸収される。その結果、広帯域に渡る不要の電磁波の輻射が十分に抑制される。このとき、回収コイルLが存在するので、スイッチングノイズはパネル容量CpおよびトランジスタQ1,Q2へは流れない。
次に、ダイオードD2がオフ状態にあり、かつ、ダイオードD2のアノード・カソード間に急激な電圧変化が生じる場合に、ダイオードD2から複数の周波数成分を有するスイッチングノイズが発生する。具体的には、図4に示す時刻t4において、以下のように、ダイオードD2から複数の周波数成分を有するスイッチングノイズが発生する。
時刻t4において、維持パルスPsuの立ち下がり時の電力回収期間が終了すると、回収コイルLに流れる電流の方向がノードN2へ向かう方向からノードN1へ向かう方向に逆転する。それにより、ダイオードD2が非導通となるため、電流経路が遮断される。その結果、ノードN2の電位は、急激にノードN1の電位に向かって下降する。このとき、ダイオードD2から複数の周波数成分を有するスイッチングノイズが発生する。スイッチングノイズは、ダイオードD2のアノード・カソード間の容量CP6および配線Li6のインダクタンス成分によるLC共振の周波数成分およびその他の複数の周波数成分を含む。
しかしながら、本実施の形態では、ダイオードD2に並列にインピーダンス制御回路46が接続されているので、ダイオードD2から発生した複数の周波数成分を有するスイッチングノイズがインピーダンス制御回路46を通してトランジスタQ4に流れる。このとき、トランジスタQ4がオンしている。したがって、ダイオードD2から発生した複数の周波数成分を有するスイッチングノイズはインピーダンス制御回路46、トランジスタQ4および回収コンデンサCrを通して接地端子に吸収される。その結果、広帯域に渡る不要の電磁波の輻射が十分に抑制される。このとき、回収コイルLが存在するので、スイッチングノイズはパネル容量CpおよびトランジスタQ1,Q2へは流れない。
(3−3)第3の実施の形態の効果
本実施の形態に係るサステインドライバ4bでは、インピーダンス制御回路45,46によりノードN2とトランジスタQ3との間およびノードN2とトランジスタQ4との間に複数の周波数成分のバイパス領域が形成される。それにより、ダイオードD1,D2から発生した広帯域に渡るスイッチングノイズがインピーダンス制御回路45,46および回収コンデンサCrを通して接地端子に吸収され、パネル容量Cpへのスイッチングノイズによる影響が低減される。それにより、広帯域に渡る高周波の電磁波の幅射を十分に抑制することができる。
(4)他の実施の形態
(4−1)
図3のサステインドライバ4のインピーダンス制御回路41,42に加えて、図14のインピーダンス制御回路43,44をトランジスタQ3,Q4に並列に接続してもよい。
この場合、トランジスタQ1,Q2で発生した広帯域に渡るスイッチングノイズがインピーダンス制御回路41,42を通して電源端子V1および接地端子に吸収され、トランジスタQ3,Q4で発生した広帯域に渡るスイッチングノイズがインピーダンス制御回路43,44および回収コンデンサCrを通して接地端子に吸収され、パネル容量Cpへのスイッチングノイズによる影響が低減される。それにより、広帯域に渡る高周波の電磁波の幅射を十分に抑制することができる。
(4−2)
図3のサステインドライバ4のインピーダンス制御回路41,42に加えて、図15のインピーダンス制御回路45,46をダイオードD1,D2に並列に接続してもよい。
この場合、トランジスタQ1,Q2で発生した広帯域に渡るスイッチングノイズがインピーダンス制御回路41,42を通して電源端子V1および接地端子に吸収され、ダイオードD1,D2で発生した広帯域に渡るスイッチングノイズがインピーダンス制御回路45,46および回収コンデンサCrを通して接地端子に吸収され、パネル容量Cpへのスイッチングノイズによる影響が低減される。それにより、広帯域に渡る高周波の電磁波の幅射を十分に抑制することができる。
(4−3)
図3のサステインドライバ4のインピーダンス制御回路41,42に加えて、図14のインピーダンス制御回路43,44をトランジスタQ3,Q4に並列に接続し、図15のインピーダンス制御回路45,46をダイオードD1,D2に並列に接続してもよい。
この場合、トランジスタQ1,Q2で発生した広帯域に渡るスイッチングノイズがインピーダンス制御回路41,42を通して電源端子V1および接地端子に吸収され、トランジスタQ3,Q4およびダイオードD1,D2で発生した広帯域に渡るスイッチングノイズがインピーダンス制御回路43,44,45,46および回収コンデンサCrを通して接地端子に吸収され、パネル容量Cpへのスイッチングノイズによる影響が低減される。それにより、広帯域に渡る高周波の電磁波の幅射を十分に抑制することができる。
(4−4)
図14のサステインドライバ4のインピーダンス制御回路43,44に加えて、図15のインピーダンス制御回路45,46をダイオードD1,D2に並列に接続してもよい。
この場合、トランジスタQ3,Q4およびダイオードD1,D2で発生した広帯域に渡るスイッチングノイズがインピーダンス制御回路43,44,45,46および回収コンデンサCrを通して接地端子に吸収され、パネル容量Cpへのスイッチングノイズによる影響が低減される。それにより、広帯域に渡る高周波の電磁波の幅射を十分に抑制することができる。
(4−5)
本発明に係る駆動回路は、サステインドライバに限らず、アドレス電極を駆動する駆動回路であるデータドライバ2にも適用することができ、スキャン電極を駆動する駆動回路であるスキャンドライバ3にも適用することができる。なお、本発明に係る駆動回路は、サステイン電極およびスキャン電極の駆動回路に好適に用いることができる。
(4−6)
本発明に係る駆動回路は、AC型およびDC型等のいずれのPDPの駆動回路にも適用することができる。
(4−7)
本発明に係る駆動回路は、PDPに限らず、容量性負荷を駆動する他の装置にも同様に適用することができる。本発明に係る駆動回路は、例えば、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ等の他の表示装置にも適用することができる。
(4−8)
トランジスタQ1,Q2,Q3,Q4の代わりにバイポーラトランジスタ等の他のスイッチング素子を用いてもよい。
(4−9)
ダイオードD1,D2の代わりにトランジスタ等の他の一方向性導通素子を用いてもよい。
(4−10)
コンデンサC11〜C1nおよびコンデンサC21〜C2nとして積層セラミックコンデンサの代わりに酸化タンタル、酸化ニオブ等の他の材料からなる容量性素子を用いてもよい。
上記のように、コンデンサC11〜C1nおよびコンデンサC21〜C2nとして積層セラミックコンデンサの代わりにタンタル電解コンデンサまたはアルミニウム電解コンデンサを用いてもよい。
(5)請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
上記実施の形態では、放電セルDCが表示素子に相当し、パネル容量Cpが容量性負荷に相当し、配線Li0がパルス供給経路に相当し、PDP1が表示パネルに相当する。
また、トランジスタQ1が第1のスイッチング素子に相当し、トランジスタQ2が第2のスイッチング素子に相当し、トランジスタQ3が第3のスイッチング素子に相当し、トランジスタQ4が第4のスイッチング素子に相当し、回収コイルLがインダクタンス素子に相当し、回収コンデンサCrが回収用容量性素子に相当し、ダイオードD1が第1の一方向性導通素子に相当し、ダイオードD2が第2の一方向性導通素子に相当する。
また、配線Li1が第1の配線に相当し、配線Li2が第2の配線に相当し、電源端子V1が第1の電圧源に相当し、接地端子が第2の電圧源に相当し、電源電圧Vsusが第1の電圧に相当し、接地電位が第2の電圧に相当する。
さらに、インピーダンス制御回路41が第1のインピーダンス制御回路に相当し、インピーダンス制御回路42が第2のインピーダンス制御回路に相当し、コンデンサC11〜C1nが複数の第1の容量性素子に相当し、または第1番目〜第n番目の第1の容量性素子に相当し、コンデンサC21〜C2nが複数の第2の容量性素子に相当し、または第1番目〜第n番目の第2の容量性素子に相当する。
また、抵抗素子R11〜R1n−1が複数の第1の抵抗素子または第1番目〜第(n−1)番目の第1の抵抗素子に相当し、抵抗素子R21〜R2n−1が複数の第2の抵抗素子または第1番目〜第(n−1)番目の第2の抵抗素子に相当し、ビーズコアL11〜L1n−1が複数の第1のビーズコアまたは第1番目〜第(n−1)番目の第1のビーズコアに相当し、ビーズコアL21〜L2n−1が複数の第2のビーズコアまたは第1番目〜第(n−1)番目の第2のビーズコアに相当する。
また、インピーダンス制御回路43が第1または第3のインピーダンス制御回路に相当し、インピーダンス制御回路44が第2または第4のインピーダンス制御回路に相当する。
また、インピーダンス制御回路45が第1または第3のインピーダンス制御回路に相当し、インピーダンス制御回路46が第2または第4のインピーダンス制御回路に相当する。
本発明は、種々の容量性負荷を駆動する駆動回路、および容量性負荷を有する表示装置等の種々の装置に利用可能である。
本発明は、駆動パルスにより容量性負荷を駆動するための駆動回路およびこの駆動回路を用いた表示装置に関する。
容量性負荷を駆動する従来の駆動回路としては、例えば、プラズマディスプレイパネルのサステイン電極を駆動するサステインドライバが知られている。
図16は、従来のサステインドライバの構成を示す回路図である。図16に示すように、サステインドライバ400は、回収コンデンサC401、回収コイルL401、スイッチSW11,SW12,SW21,SW22およびダイオードD401,D402を含む。
スイッチSW11は、電源端子V4とノードN11との間に接続され、スイッチSW12は、ノードN11と接地端子との間に接続されている。電源端子V4には、電源電圧Vsusが印加される。ノードN11は、例えば480本のサステイン電極に接続され、図16では、複数のサステイン電極と接地端子との間の全容量に相当するパネル容量Cpが示されている。
回収コンデンサC401は、ノードN13と接地端子との間に接続されている。ノードN13とノードN12との間にスイッチSW21およびダイオードD401が直列に接続され、ノードN12とノードN13との間にダイオードD402およびスイッチSW22が直列に接続されている。回収コイルL401は、ノードN12とノードN11との間に接続されている。
図17は、図16のサステインドライバ400の維持期間の動作を示すタイミング図である。図17には、図16のノードN11の電圧およびスイッチSW21,SW11,SW22,SW12の動作が示される。スイッチSW21,SW11,SW22,SW12のオン状態をハイレベルで示し、オフ状態をローレベルで示す。
まず、期間Taにおいて、スイッチSW21がオンし、スイッチSW12がオフする。このとき、スイッチSW11,SW22はオフしている。これにより、回収コイルL401およびパネル容量CpによるLC共振により、ノードN11の電位が緩やかに上昇する。次に、期間Tbにおいて、スイッチSW21がオフし、スイッチSW11がオンする。これにより、ノードN11の電位が急激に上昇し、期間TcではノードN11の電位が電源電圧Vsusに固定される。
次に、期間Tdでは、スイッチSW11がオフし、スイッチSW22がオンする。これにより、回収コイルL401およびパネル容量CpによるLC共振により、ノードN11の電位が緩やかに降下する。その後、期間Teにおいて、スイッチSW22がオフし、スイッチSW12がオンする。これにより、ノードN11の電位が急激に降下し、接地電位に固定される。上記の動作を維持期間において繰り返し行うことにより、複数のサステイン電極に周期的な維持パルスPsuが印加される。
上記のように、維持パルスPsuの立ち上がり部分および立ち下がり部分は、スイッチSW21またはスイッチSW22の動作による期間Ta,TdのLC共振部とスイッチSW11またはスイッチSW12のオン動作による期間Tb,Teのエッジ部e1,e2とで構成されている(特許文献1参照)。
特許第3369535号公報
上記のスイッチSW11,SW12,SW21,SW22は、通常、スイッチング素子であるFET(電界効果型トランジスタ)により構成され、各FETは寄生容量としてドレイン・ソース間に容量を有し、各FETに接続される配線は、インダクタンス成分を有している。このため、スイッチSW11等がスイッチング動作を行ったときにスイッチングノイズが発生する。それにより、複数のサステイン電極にスイッチングノイズが印加され、複数のサステイン電極がアンテナとなり不要な電磁波が幅射される。
そこで、特許文献1の駆動回路では、各FETのドレイン・ソース間に1個のコンデンサを並列に接続することにより、FETのスイッチングノイズを吸収している。
しかしながら、この場合、特定の周波数成分を有するスイッチングノイズしか吸収することができない。そのため、種々の周波数成分を有するスイッチングノイズを十分に抑制することができない。その結果、高周波の電磁波の幅射を十分に抑制することができない。
このような種々の周波数成分を有する高周波の電磁波の幅射は、他の電子機器に電磁的な悪影響を及ぼすおそれがある。そのため、広帯域に渡る不要な高周波の電磁波の幅射を十分に抑制することが望まれる。
本発明の目的は、広帯域に渡る不要な高周波の電磁波の幅射を十分に抑制することができる駆動回路およびその駆動回路を用いた表示装置を提供することである。
(1)本発明の一局面に従う駆動回路は、駆動パルスをパルス供給経路を通して表示素子を含む容量性負荷に供給するための駆動回路であって、駆動パルスを立ち上げるために第1の電圧を供給する第1の電圧源と、駆動パルスを立ち下げるために第1の電圧より低い第2の電圧を供給する第2の電圧源と、一端が第1の電圧源からの第1の電圧を受ける第1のスイッチング素子と、一端が第2の電圧源からの第2の電圧を受ける第2のスイッチング素子と、一端が第1のスイッチング素子の他端に接続され、他端がパルス供給経路に接続される第1の配線と、一端が第2のスイッチング素子の他端に接続され、他端がパルス供給経路に接続される第2の配線と、第1のスイッチング素子の一端と他端との間に第1のスイッチング素子と並列に接続される第1のインピーダンス制御回路と、第2のスイッチング素子の一端と他端との間に第2のスイッチング素子と並列に接続される第2のインピーダンス制御回路とを備え、第1および第2のスイッチング素子は、表示素子を点灯させる維持期間において容量性負荷に駆動パルスを印加するために作動し、第1のインピーダンス制御回路は、第1スイッチング素子に並列に接続される複数の第1の容量性素子を含み、第2のインピーダンス制御回路は、第2のスイッチング素子に並列に接続される複数の第2の容量性素子を含み、複数の第1の容量性素子の各々は、容量成分およびインダクタンス成分を含み、複数の第1の容量性素子の容量成分の値はそれぞれ異なり、複数の第2の容量性素子の各々は、容量成分およびインダクタンス成分を含み、複数の第2の容量性素子の容量成分の値はそれぞれ異なるものである。
その駆動回路においては、維持期間に第1および第2のスイッチング素子が作動し、駆動パルスをパルス供給経路を通して表示素子を含む容量性負荷に供給する。この場合、第1の電圧源により供給される第1の電圧により駆動パルスの電圧が立ち上げられ、第2の電圧源により供給される第2の電圧により駆動パルスの電圧が立ち下げられる。第1および第2のスイッチング素子がスイッチング動作を行うことにより、複数の周波数成分を有するスイッチングノイズが発生する。
第1のインピーダンス制御回路の複数の第1の容量性素子の各々は、容量成分およびインダクタンス成分を含むので、特定の周波数で自己共振する。それにより、各第1の容量性素子のインピーダンスが特定の周波数で低減する。また、複数の第1の容量性素子の容量成分の値はそれぞれ異なるので、複数の第1の容量性素子の自己共振周波数が異なる。それにより、複数の周波数で第1のインピーダンス制御回路のインピーダンスが低減する。したがって、第1のスイッチング素子により発生される複数の周波数を有するスイッチングノイズが第1のインピーダンス制御回路を通して第1の電圧源に吸収され、パルス供給経路を通して表示素子を含む容量性負荷へのスイッチングノイズの影響が低減される。
同様に、第2のインピーダンス制御回路の複数の第2の容量性素子の各々は、容量成分およびインダクタンス成分を含むので、特定の周波数で自己共振する。それにより、各第2の容量性素子のインピーダンスが特定の周波数で低減する。また、複数の第2の容量性素子の容量成分の値はそれぞれ異なるので、複数の第2の容量性素子の自己共振周波数が異なる。それにより、複数の周波数で第2のインピーダンス制御回路のインピーダンスが低減する。したがって、第2のスイッチング素子により発生される複数の周波数を有するスイッチングノイズが第2のインピーダンス制御回路を通して第2の電圧源に吸収され、パルス供給経路を通して表示素子を含む容量性負荷へのスイッチングノイズの影響が低減される。
これらの結果、容量性負荷からの広帯域に渡る不要な高周波の電磁波の幅射を十分に抑制することができる。
(2)駆動回路は、一端がパルス供給経路を通して容量性負荷に接続されるインダクタンス素子と、容量性負荷から電荷を回収するための回収用容量性素子と、第1および第2の一方向性導通素子と、第3および第4のスイッチング素子とをさらに備え、第1の一方向性導通素子および第3のスイッチング素子は、回収用容量性素子からインダクタンス素子への電流の供給を許容するようにインダクタンス素子の他端と回収用容量性素子との間に直列に接続され、第2の一方向性導通素子および第4のスイッチング素子は、インダクタンス素子から回収用容量性素子への電流の供給を許容するようにインダクタンス素子の他端と回収用容量性素子との間に直列に接続されてもよい。
この場合、回収用容量性素子から第1の一方向性導通素子、第3のスイッチング素子、インダクタンス素子およびパルス供給経路を通して容量性負荷に電流が供給される。また、容量性負荷からパルス供給経路、インダクタンス素子、第2の一方向性導通素子および第4のスイッチング素子を通して回収用容量性素子に電流が供給される。
それにより、表示素子を含む容量性負荷に供給される駆動パルスの立ち上がりの一部が回収用容量性素子から容量性負荷に電流が供給されることにより行われ、駆動パルスの立ち下りの一部が容量性負荷から回収用容量性素子に電流が供給されることにより行われる。したがって、容量性負荷からの広帯域に渡る不要な高周波の電磁波の幅射を十分に抑制しつつ消費電力を低減することができる。
(3)駆動回路は、第3のスイッチング素子と並列に接続される第3のインピーダンス制御回路と、第4のスイッチング素子と並列に接続される第4のインピーダンス制御回路とをさらに備え、第3のインピーダンス制御回路は、第3スイッチング素子に並列に接続される複数の第3の容量性素子を含み、第4のインピーダンス制御回路は、第4スイッチング素子に並列に接続される複数の第4の容量性素子を含み、複数の第3の容量性素子の各々は、容量成分およびインダクタンス成分を含み、複数の第3の容量性素子の容量成分の値はそれぞれ異なり、複数の第4の容量性素子の各々は、容量成分およびインダクタンス成分を含み、複数の第4の容量性素子の容量成分の値はそれぞれ異なってもよい。
この場合、第3のインピーダンス制御回路の複数の第3の容量性素子の各々は、容量成分およびインダクタンス成分を含むので、特定の周波数で自己共振する。それにより、各第3の容量性素子のインピーダンスが特定の周波数で低減する。また、複数の第3の容量性素子の容量成分の値はそれぞれ異なるので、複数の第3の容量性素子の自己共振周波数が異なる。それにより、複数の周波数で第3のインピーダンス制御回路のインピーダンスが低減する。したがって、第3のスイッチング素子により発生される複数の周波数を有するスイッチングノイズが第3のインピーダンス制御回路を通して回収用容量性素子に吸収され、パルス供給経路を通して表示素子を含む容量性負荷へのスイッチングノイズの影響が低減される。
同様に、第4のインピーダンス制御回路の複数の第4の容量性素子の各々は、容量成分およびインダクタンス成分を含むので、特定の周波数で自己共振する。それにより、各第4の容量性素子のインピーダンスが特定の周波数で低減する。また、複数の第4の容量性素子の容量成分の値はそれぞれ異なるので、複数の第4の容量性素子の自己共振周波数が異なる。それにより、複数の周波数で第4のインピーダンス制御回路のインピーダンスが低減する。したがって、第4のスイッチング素子により発生される複数の周波数を有するスイッチングノイズが第4のインピーダンス制御回路を通して回収用容量性素子に吸収され、パルス供給経路を通して表示素子を含む容量性負荷へのスイッチングノイズの影響が低減される。
これらの結果、容量性負荷からの広帯域に渡る不要な高周波の電磁波の幅射をより十分に抑制することができる。
(4)駆動回路は、第1の一方向性導通素子と並列に接続される第3のインピーダンス制御回路と、第2の一方向性導通素子と並列に接続される第4のインピーダンス制御回路とをさらに備え、第3のインピーダンス制御回路は、第1の一方向性導通素子に並列に接続される複数の第3の容量性素子を含み、第4のインピーダンス制御回路は、第2の一方向性導通素子に並列に接続される複数の第4の容量性素子を含み、複数の第3の容量性素子の各々は、容量成分およびインダクタンス成分を含み、複数の第3の容量性素子の容量成分の値はそれぞれ異なり、複数の第4の容量性素子の各々は、容量成分およびインダクタンス成分を含み、複数の第4の容量性素子の容量成分の値はそれぞれ異なってもよい。
この場合、第3のインピーダンス制御回路の複数の第3の容量性素子の各々は、容量成分およびインダクタンス成分を含むので、特定の周波数で自己共振する。それにより、各第3の容量性素子のインピーダンスが特定の周波数で低減する。また、複数の第3の容量性素子の容量成分の値はそれぞれ異なるので、複数の第3の容量性素子の自己共振周波数が異なる。それにより、複数の周波数で第3のインピーダンス制御回路のインピーダンスが低減する。したがって、第1の一方向性導通素子により発生される複数の周波数を有するスイッチングノイズが第3のインピーダンス制御回路を通して回収用容量性素子に吸収され、パルス供給経路を通して表示素子を含む容量性負荷へのスイッチングノイズの影響が低減される。
同様に、第4のインピーダンス制御回路の複数の第4の容量性素子の各々は、容量成分およびインダクタンス成分を含むので、特定の周波数で自己共振する。それにより、各第4の容量性素子のインピーダンスが特定の周波数で低減する。また、複数の第4の容量性素子の容量成分の値はそれぞれ異なるので、複数の第4の容量性素子の自己共振周波数が異なる。それにより、複数の周波数で第4のインピーダンス制御回路のインピーダンスが低減する。したがって、第2の一方向性導通素子により発生される複数の周波数を有するスイッチングノイズが第4のインピーダンス制御回路を通して回収用容量性素子に吸収され、パルス供給経路を通して表示素子を含む容量性負荷へのスイッチングノイズの影響が低減される。
これらの結果、容量性負荷からの広帯域に渡る不要な高周波の電磁波の幅射をより十分に抑制することができる。
(5)複数の第1の容量性素子は第1番目〜第n番目の第1の容量性素子を含み、複数の第2の容量性素子は第1番目〜第n番目の第2の容量性素子を含み、nは2以上の自然数であり、第1番目〜第n番目の第1の容量性素子のうち第n番目の第1の容量性素子が最小の容量値を有し、第1番目〜第n番目の第2の容量性素子のうち第n番目の第2の容量性素子が最小の容量値を有し、第1のインピーダンス制御回路は、第1番目〜第(n−1)番目の第1の容量性素子にそれぞれ直列に接続された第1番目〜第(n−1)番目の第1の抵抗性素子をさらに含み、第2のインピーダンス制御回路は、第1番目〜第(n−1)番目の第2の容量性素子にそれぞれ直列に接続された第1番目〜第(n−1)番目の第2の抵抗性素子をさらに含んでもよい。
この場合、第1番目〜第n番目の第1の容量性素子の自己共振周波数間で反共振が生じた場合に、第1番目〜第(n−1)番目の第1の抵抗性素子により反共振のレベルが低減される。それにより、反共振周波数でのインピーダンス特性の劣化が抑制される。
同様に、第1番目〜第n番目の第2の容量性素子の自己共振周波数間で反共振が生じた場合に、第1番目〜第(n−1)番目の第2の抵抗性素子により反共振のレベルが低減される。それにより、反共振周波数でのインピーダンス特性の劣化が抑制される。
それにより、広帯域に渡るスイッチングノイズが第1および第2のインピーダンス制御回路を通して第1および第2の電圧源に吸収される。その結果、容量性負荷からの広帯域に渡る不要な高周波の電磁波の幅射をより十分に抑制することができる。
(6)複数の第1の容量性素子は第1番目〜第n番目の第1の容量性素子を含み、複数の第2の容量性素子は第1番目〜第n番目の第2の容量性素子を含み、nは2以上の自然数であり、第1番目〜第n番目の第1の容量性素子のうち第n番目の第1の容量性素子が最小の容量値を有し、第1番目〜第n番目の第2の容量性素子のうち第n番目の第2の容量性素子が最小の容量値を有し、第1のインピーダンス制御回路は、第1番目〜第(n−1)番目の第1の容量性素子にそれぞれ直列に接続された第1番目〜第(n−1)番目の第1のビーズコアをさらに含み、第2のインピーダンス制御回路は、第1番目〜第(n−1)番目の第2の容量性素子にそれぞれ直列に接続された第1番目〜第(n−1)番目の第2のビーズコアをさらに含んでもよい。
この場合、第1番目〜第n番目の第1の容量性素子の自己共振周波数間で反共振が生じた場合に、第1番目〜第(n−1)番目の第1のビーズコアにより反共振のレベルが低減される。それにより、反共振周波数でのインピーダンス特性の劣化が抑制される。このとき、第n番目の第1の容量性素子の自己共振周波数よりも低周波領域でのインピーダンス特性の劣化が生じない。
同様に、第1番目〜第n番目の第2の容量性素子の自己共振周波数間で反共振が生じた場合に、第1番目〜第(n−1)番目の第2のビーズコアにより反共振のレベルが低減される。それにより、反共振周波数でのインピーダンス特性の劣化が抑制される。この場合、第n番目の第2の容量性素子の自己共振周波数よりも低周波領域でのインピーダンス特性の劣化が生じない。
それにより、広帯域に渡るスイッチングノイズが第1および第2のインピーダンス制御回路を通して第1および第2の電圧源に吸収される。その結果、容量性負荷からの広帯域に渡る不要な高周波の電磁波の幅射をより十分に抑制することができる。
(7)複数の第1の容量性素子の各々は第1の積層セラミックコンデンサからなり、複数の第2の容量性素子の各々は第2の積層セラミックコンデンサからなってもよい。
この場合、複数の第1の容量性負荷および複数の第2の容量性負荷が十分に自己共振することができる。それにより、各第1の容量性素子のインピーダンスおよび各第2の容量性素子のインピーダンスが特定の周波数で十分に低減する。その結果、容量性負荷からの広帯域に渡る不要な高周波の電磁波の幅射をより十分に抑制することができる。
(8)本発明の他の局面に従う駆動回路は、駆動パルスをパルス供給経路を通して表示素子を含む容量性負荷に供給するための駆動回路であって、駆動パルスを立ち上げるために第1の電圧を供給する第1の電圧源と、駆動パルスを立ち下げるために第1の電圧より低い第2の電圧を供給する第2の電圧源と、第1、第2、第3および第4のスイッチング素子と、一端がパルス供給経路を通して容量性負荷に接続されるインダクタンス素子と、容量性負荷から電荷を回収するための回収用容量性素子と、第1および第2の一方向性導通素子と、第3のスイッチング素子と並列に接続される第1のインピーダンス制御回路と、第4のスイッチング素子と並列に接続される第2のインピーダンス制御回路とを備え、第1のスイッチング素子は第1の電圧源とパルス供給経路との間に接続され、第2のスイッチング素子は第2の電圧源とパルス供給経路との間に接続され、第1および第2のスイッチング素子は、表示素子を点灯させる維持期間において容量性負荷に駆動パルスを印加するために作動し、第1の一方向性導通素子および第3のスイッチング素子は、回収用容量性素子からインダクタンス素子への電流の供給を許容するようにインダクタンス素子の他端と回収用容量性素子との間に直列に接続され、第2の一方向性導通素子および第4のスイッチング素子は、インダクタンス素子から回収用容量性素子への電流の供給を許容するようにインダクタンス素子の他端と回収用容量性素子との間に直列に接続され、第1のインピーダンス制御回路は、第3スイッチング素子に並列に接続される複数の第1の容量性素子を含み、第2のインピーダンス制御回路は、第4スイッチング素子に並列に接続される複数の第2の容量性素子を含み、複数の第1の容量性素子の各々は、容量成分およびインダクタンス成分を含み、複数の第1の容量性素子の容量成分の値はそれぞれ異なり、複数の第2の容量性素子の各々は、容量成分およびインダクタンス成分を含み、複数の第2の容量性素子の容量成分の値はそれぞれ異なるものである。
その駆動回路においては、維持期間に第1および第2のスイッチング素子が作動し、駆動パルスをパルス供給経路を通して表示素子を含む容量性負荷に供給する。この場合、第1の電圧源により供給される第1の電圧により駆動パルスの電圧が立ち上げられ、第2の電圧源により供給される第2の電圧により駆動パルスの電圧が立ち下げられる。
また、回収用容量性素子から第1の一方向性導通素子、第3のスイッチング素子、インダクタンス素子およびパルス供給経路を通して容量性負荷に電流が供給される。また、容量性負荷からパルス供給経路、インダクタンス素子、第2の一方向性導通素子および第4のスイッチング素子を通して回収用容量性素子に電流が供給される。
それにより、表示素子を含む容量性負荷に供給される駆動パルスの立ち上がりの一部が回収用容量性素子から容量性負荷に電流が供給されることにより行われ、駆動パルスの立ち下りの一部が容量性負荷から回収用容量性素子に電流が供給されることにより行われる。したがって、消費電力を低減することができる。
このとき、第3および第4のスイッチング素子がスイッチング動作を行うことにより、複数の周波数成分を有するスイッチングノイズが発生する。
この場合、第1のインピーダンス制御回路の複数の第1の容量性素子の各々は、容量成分およびインダクタンス成分を含むので、特定の周波数で自己共振する。それにより、各第1の容量性素子のインピーダンスが特定の周波数で低減する。また、複数の第1の容量性素子の容量成分の値はそれぞれ異なるので、複数の第1の容量性素子の自己共振周波数が異なる。それにより、複数の周波数で第1のインピーダンス制御回路のインピーダンスが低減する。したがって、第3のスイッチング素子により発生される複数の周波数を有するスイッチングノイズが第1のインピーダンス制御回路を通して回収用容量性素子に吸収され、パルス供給経路を通して表示素子を含む容量性負荷へのスイッチングノイズの影響が低減される。
同様に、第2のインピーダンス制御回路の複数の第2の容量性素子の各々は、容量成分およびインダクタンス成分を含むので、特定の周波数で自己共振する。それにより、各第2の容量性素子のインピーダンスが特定の周波数で低減する。また、複数の第2の容量性素子の容量成分の値はそれぞれ異なるので、複数の第2の容量性素子の自己共振周波数が異なる。それにより、複数の周波数で第2のインピーダンス制御回路のインピーダンスが低減する。したがって、第4のスイッチング素子により発生される複数の周波数を有するスイッチングノイズが第2のインピーダンス制御回路を通して回収用容量性素子に吸収され、パルス供給経路を通して表示素子を含む容量性負荷へのスイッチングノイズの影響が低減される。
これらの結果、容量性負荷からの広帯域に渡る不要な高周波の電磁波の幅射を十分に抑制することができる。
(9)本発明のさらに他の局面に従う駆動回路は、駆動パルスをパルス供給経路を通して表示素子を含む容量性負荷に供給するための駆動回路であって、駆動パルスを立ち上げるために第1の電圧を供給する第1の電圧源と、駆動パルスを立ち下げるために第1の電圧より低い第2の電圧を供給する第2の電圧源と、第1、第2、第3および第4のスイッチング素子と、一端がパルス供給経路を通して容量性負荷に接続されるインダクタンス素子と、容量性負荷から電荷を回収するための回収用容量性素子と、第1および第2の一方向性導通素子と、第1の一方向性導通素子と並列に接続される第1のインピーダンス制御回路と、第2の一方向性導通素子と並列に接続される第2のインピーダンス制御回路とを備え、第1のスイッチング素子は第1の電圧源とパルス供給経路との間に接続され、第2のスイッチング素子は第2の電圧源とパルス供給経路との間に接続され、第1および第2のスイッチング素子は、表示素子を点灯させる維持期間において容量性負荷に駆動パルスを印加するために作動し、第1の一方向性導通素子および第3のスイッチング素子は、回収用容量性素子からインダクタンス素子への電流の供給を許容するようにインダクタンス素子の他端と回収用容量性素子との間に直列に接続され、第2の一方向性導通素子および第4のスイッチング素子は、インダクタンス素子から回収用容量性素子への電流の供給を許容するようにインダクタンス素子の他端と回収用容量性素子との間に直列に接続され、第1のインピーダンス制御回路は、第1の一方向性導通素子に並列に接続される複数の第1の容量性素子を含み、第2のインピーダンス制御回路は、第2の一方向性導通素子に並列に接続される複数の第2の容量性素子を含み、複数の第1の容量性素子の各々は、容量成分およびインダクタンス成分を含み、複数の第1の容量性素子の容量成分の値はそれぞれ異なり、複数の第2の容量性素子の各々は、容量成分およびインダクタンス成分を含み、複数の第2の容量性素子の容量成分の値はそれぞれ異なるものである。
その駆動回路においては、維持期間に第1および第2のスイッチング素子が作動し、駆動パルスをパルス供給経路を通して表示素子を含む容量性負荷に供給する。この場合、第1の電圧源により供給される第1の電圧により駆動パルスの電圧が立ち上げられ、第2の電圧源により供給される第2の電圧により駆動パルスの電圧が立ち下げられる。
また、回収用容量性素子から第1の一方向性導通素子、第3のスイッチング素子、インダクタンス素子およびパルス供給経路を通して容量性負荷に電流が供給される。また、容量性負荷からパルス供給経路、インダクタンス素子、第2の一方向性導通素子および第4のスイッチング素子を通して回収用容量性素子に電流が供給される。
それにより、表示素子を含む容量性負荷に供給される駆動パルスの立ち上がりの一部が回収用容量性素子から容量性負荷に電流が供給されることにより行われ、駆動パルスの立ち下りの一部が容量性負荷から回収用容量性素子に電流が供給されることにより行われる。したがって、消費電力を低減することができる。
このとき、第1および第2の一方向性導通素子がスイッチング動作を行うことにより、複数の周波数成分を有するスイッチングノイズが発生する。
この場合、第1のインピーダンス制御回路の複数の第1の容量性素子の各々は、容量成分およびインダクタンス成分を含むので、特定の周波数で自己共振する。それにより、各第1の容量性素子のインピーダンスが特定の周波数で低減する。また、複数の第1の容量性素子の容量成分の値はそれぞれ異なるので、複数の第1の容量性素子の自己共振周波数が異なる。それにより、複数の周波数で第1のインピーダンス制御回路のインピーダンスが低減する。したがって、第1の一方向性導通素子により発生される複数の周波数を有するスイッチングノイズが第1のインピーダンス制御回路を通して回収用容量性素子に吸収され、パルス供給経路を通して表示素子を含む容量性負荷へのスイッチングノイズの影響が低減される。
同様に、第2のインピーダンス制御回路の複数の第2の容量性素子の各々は、容量成分およびインダクタンス成分を含むので、特定の周波数で自己共振する。それにより、各第2の容量性素子のインピーダンスが特定の周波数で低減する。また、複数の第2の容量性素子の容量成分の値はそれぞれ異なるので、複数の第2の容量性素子の自己共振周波数が異なる。それにより、複数の周波数で第2のインピーダンス制御回路のインピーダンスが低減する。したがって、第2の一方向性導通素子により発生される複数の周波数を有するスイッチングノイズが第2のインピーダンス制御回路を通して回収用容量性素子に吸収され、パルス供給経路を通して表示素子を含む容量性負荷へのスイッチングノイズの影響が低減される。
これらの結果、容量性負荷からの広帯域に渡る不要な高周波の電磁波の幅射を十分に抑制することができる。
(10)本発明のさらに他の局面に従う表示装置は、複数の表示素子からなる容量性素子を含む表示パネルと、駆動パルスをパルス供給経路を通して容量性負荷に供給するための駆動回路とを備え、駆動回路は、駆動パルスを立ち上げるために第1の電圧を供給する第1の電圧源と、駆動パルスを立ち下げるために第1の電圧より低い第2の電圧を供給する第2の電圧源と、一端が第1の電圧源からの第1の電圧を受ける第1のスイッチング素子と、一端が第2の電圧源からの第2の電圧を受ける第2のスイッチング素子と、一端が第1のスイッチング素子の他端に接続され、他端がパルス供給経路に接続される第1の配線と、一端が第2のスイッチング素子の他端に接続され、他端がパルス供給経路に接続される第2の配線と、第1のスイッチング素子の一端と他端との間に第1のスイッチング素子と並列に接続される第1のインピーダンス制御回路と、第2のスイッチング素子の一端と他端との間に第2のスイッチング素子と並列に接続される第2のインピーダンス制御回路とを備え、第1および第2のスイッチング素子は、表示素子を点灯させる維持期間において容量性負荷に駆動パルスを印加するために作動し、第1のインピーダンス制御回路は、第1スイッチング素子に並列に接続される複数の第1の容量性素子を含み、第2のインピーダンス制御回路は、第2のスイッチング素子に並列に接続される複数の第2の容量性素子を含み、複数の第1の容量性素子の各々は、容量成分およびインダクタンス成分を含み、複数の第1の容量性素子の容量成分の値はそれぞれ異なり、複数の第2の容量性素子の各々は、容量成分およびインダクタンス成分を含み、複数の第2の容量性素子の容量成分の値はそれぞれ異なるものである。
その表示装置においては、維持期間に第1および第2のスイッチング素子が作動し、駆動パルスをパルス供給経路を通して表示パネルの複数の表示素子を含む容量性負荷に供給する。この場合、第1の電圧源により供給される第1の電圧により駆動パルスの電圧が立ち上げられ、第2の電圧源により供給される第2の電圧により駆動パルスの電圧が立ち下げられる。第1および第2のスイッチング素子がスイッチング動作を行うことにより、複数の周波数成分を有するスイッチングノイズが発生する。
第1のインピーダンス制御回路の複数の第1の容量性素子の各々は、容量成分およびインダクタンス成分を含むので、特定の周波数で自己共振する。それにより、各第1の容量性素子のインピーダンスが特定の周波数で低減する。また、複数の第1の容量性素子の容量成分の値はそれぞれ異なるので、複数の第1の容量性素子の自己共振周波数が異なる。それにより、複数の周波数で第1のインピーダンス制御回路のインピーダンスが低減する。したがって、第1のスイッチング素子により発生される複数の周波数を有するスイッチングノイズが第1のインピーダンス制御回路を通して第1の電圧源に吸収され、パルス供給経路を通して表示素子を含む容量性負荷へのスイッチングノイズの影響が低減される。
同様に、第2のインピーダンス制御回路の複数の第2の容量性素子の各々は、容量成分およびインダクタンス成分を含むので、特定の周波数で自己共振する。それにより、各第2の容量性素子のインピーダンスが特定の周波数で低減する。また、複数の第2の容量性素子の容量成分の値はそれぞれ異なるので、複数の第2の容量性素子の自己共振周波数が異なる。それにより、複数の周波数で第2のインピーダンス制御回路のインピーダンスが低減する。したがって、第2のスイッチング素子により発生される複数の周波数を有するスイッチングノイズが第2のインピーダンス制御回路を通して第2の電圧源に吸収され、パルス供給経路を通して表示素子を含む容量性負荷へのスイッチングノイズの影響が低減される。
これらの結果、容量性負荷からの広帯域に渡る不要な高周波の電磁波の幅射を十分に抑制することができる。
本発明によれば、複数の周波数を有するスイッチングノイズが低減されるので、容量性負荷からの広帯域に渡る不要な高周波の電磁波の幅射を十分に抑制することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
本発明による駆動回路の一例として、プラズマディスプレイ装置に用いられるサステインドライバについて説明する。
(1)第1の実施の形態
(1−1)プラズマディスプレイ装置の構成
図1は本発明の第1の実施の形態に係るサステインドライバを用いたプラズマディスプレイ装置の構成を示すブロック図である。
図1のプラズマディスプレイ装置は、PDP(プラズマディスプレイパネル)1、データドライバ2、スキャンドライバ3、複数のスキャンドライバIC(集積回路)3aおよびサステインドライバ4を含む。
PDP1は、複数のアドレス電極(データ電極)11、複数のスキャン電極(走査電極)12および複数のサステイン電極(維持電極)13を含む。複数のアドレス電極11は、画面の垂直方向に配列され、複数のスキャン電極12および複数のサステイン電極13は、画面の水平方向に配列されている。また、複数のサステイン電極13は、共通に接続されている。アドレス電極11、スキャン電極12およびサステイン電極13の各交点には、放電セルDCが形成され、各放電セルDCが画面上の画素を構成する。図1には、1つの放電セルDCのみが点線で示される。
データドライバ2は、PDP1の複数のアドレス電極11に接続されている。複数のスキャンドライバIC3aは、スキャンドライバ3に接続されている。各スキャンドライバIC3aには、PDP1の複数のスキャン電極12が接続されている。サステインドライバ4は、PDP1の複数のサステイン電極13に接続されている。
データドライバ2は、書き込み期間において、画像データに応じてPDP1の該当するアドレス電極11に書き込みパルスを印加する。複数のスキャンドライバIC3aは、スキャンドライバ3により駆動され、書き込み期間において、シフトパルスSHを垂直走査方向にシフトしつつPDP1の複数のスキャン電極12に書き込みパルスを順に印加する。これにより、該当する放電セルDCにおいてアドレス放電が行われる。
また、複数のスキャンドライバIC3aは、維持期間において、周期的な維持パルスをPDP1の複数のスキャン電極12に印加する。一方、サステインドライバ4は、維持期間において、PDP1の複数のサステイン電極13にスキャン電極12の維持パルスに対して180°位相のずれた維持パルスを同時に印加する。これにより、該当する放電セルDCにおいて維持放電が行われる。
(1−2)PDP1における駆動電圧
図2は図1のPDP1におけるスキャン電極12およびサステイン電極13の駆動電圧の一例を示すタイミング図である。
初期化および書き込み期間には、複数のスキャン電極12に初期化パルス(セットアップパルス)Psetが同時に印加される。その後、複数のスキャン電極12に書き込みパルスPwが順に印加される。これにより、PDP1の該当する放電セルDCにおいてアドレス放電が起こる。
次に、維持期間において、複数のスキャン電極12に維持パルスPscが周期的に印加され、複数のサステイン電極13に維持パルスPsuが周期的に印加される。維持パルスPsuの位相は、維持パルスPscの位相に対して180°ずれている。これにより、アドレス放電に続いて維持放電が起こる。
(1−3)サステインドライバ4の構成
次に、図1に示すサステインドライバ4について説明する。図3は図1に示すサステインドライバ4の構成を示す回路図である。
図3のサステインドライバ4は、スイッチング素子であるnチャネル型のFET(電界効果型トランジスタ;以下、トランジスタと称する)Q1〜Q4、インピーダンス制御回路41,42、回収コンデンサCr、回収コイルLおよびダイオードD1,D2を含む。インピーダンス制御回路41,42の構成については後述する。
トランジスタQ1は、一端が電源端子V1に接続され、他端が配線Li1を通してノードN1に接続され、ゲートには制御信号S1が入力される。トランジスタQ1は、寄生容量としてドレイン・ソース間の容量CP1を有し、トランジスタQ1のドレイン・ソース間には、インピーダンス制御回路41がトランジスタQ1と並列に接続される。電源端子V1には、電源電圧Vsusが印加される。
トランジスタQ2は、一端が配線Li2を通してノードN1に接続され、他端が接地端子に接続され、ゲートには制御信号S2が入力される。トランジスタQ2は、寄生容量としてドレイン・ソース間の容量CP2を有し、トランジスタQ2のドレイン・ソース間には、インピーダンス制御回路42がトランジスタQ2と並列に接続される。
ノードN1は、配線Li0を通して例えば480本のサステイン電極13に接続されているが、図3では、複数のサステイン電極13と接地端子との間の全容量に相当するパネル容量Cpが示されている。
回収コンデンサCrは、ノードN3と接地端子との間に接続されている。トランジスタQ3およびダイオードD1は、ノードN3とノードN2との間に直列に接続されている。ダイオードD2およびトランジスタQ4は、ノードN2とノードN3との間に直列に接続されている。トランジスタQ3のゲートには制御信号S3が入力され、トランジスタQ4のゲートには制御信号S4が入力される。回収コイルLはノードN2とノードN1との間に接続されている。
(1−4)サステインドライバ4の動作
次に、上記のように構成されたサステインドライバ4の維持期間の動作について説明する。図4はサステインドライバ4の維持期間の動作を説明するためのタイミング図である。図4には、トランジスタQ1〜Q4に入力される制御信号S1〜S4およびノードN1〜N3の各電圧が示される。
まず、時刻t1において、制御信号S2がローレベルになってトランジスタQ2がオフし、制御信号S3がハイレベルになってトランジスタQ3がオンする。このとき、制御信号S1はローレベルにあってトランジスタQ1はオフし、制御信号S4はローレベルにあってトランジスタQ4はオフしている。したがって、回収コンデンサCrがトランジスタQ3およびダイオードD1を通して回収コイルLに接続され、回収コイルLおよびパネル容量CpによるLC共振によりノードN1の電位が滑らかに上昇する。このとき、回収コンデンサCrの電荷がトランジスタQ3、ダイオードD1および回収コイルLを通してパネル容量Cpへ放出される。
また、トランジスタQ3、ダイオードD1および回収コイルLを通して流れる電流は、パネル容量Cpに流入するだけでなく、配線Li1を通してトランジスタQ1のドレイン・ソース間の容量CP1およびインピーダンス制御回路41に流れるとともに、配線Li2を通してトランジスタQ2のドレイン・ソース間の容量CP2およびインピーダンス制御回路42にも流れる。
次に、時刻t2において、制御信号S1がハイレベルになってトランジスタQ1がオンし、制御信号S3がローレベルになってトランジスタQ3がオフする。したがって、ノードN1が電源端子V1に接続され、ノードN1の電位が急激に上昇し、電源電圧Vsusに固定される。このとき、トランジスタQ1から複数の周波数成分を有するスイッチングノイズが発生する。スイッチングノイズは、トランジスタQ1のドレイン・ソース間の容量CP1および配線Li1のインダクタンス成分によるLC共振の周波数成分およびその他の複数の周波数成分を含む。
このとき、トランジスタQ1から発生したスイッチングノイズはコンデンサCP1およびインピーダンス制御回路41を通して電源端子V1に戻り、かつコンデンサCP2およびインピーダンス制御回路42を通して接地端子に戻る。それにより、サステイン電極13へのスイッチングノイズによる影響が低減され、不要輻射の発生が抑制される。インピーダンス制御回路41,42の動作については後述する。
次に、時刻t3において、制御信号S1がローレベルになってトランジスタQ1がオフし、制御信号S4がハイレベルになってトランジスタQ4がオンする。したがって、回収コンデンサCrがダイオードD2およびトランジスタQ4を通して回収コイルLに接続され、回収コイルLおよびパネル容量CpによるLC共振によりノードN1の電位が緩やかに降下する。このとき、パネル容量Cpに蓄えられた電荷は、回収コイルL、ダイオードD2およびトランジスタQ4を通して回収コンデンサCrに蓄えられ、電荷の回収が行われる。
次に、時刻t4において、制御信号S2がハイレベルになってトランジスタQ2がオンし、制御信号S4がローレベルになってトランジスタQ4がオフする。したがって、ノードN1が接地端子に接続され、ノードN1の電位が急激に降下し、接地電位に固定される。このとき、トランジスタQ2から複数の周波数成分を有するスイッチングノイズが発生する。スイッチングノイズは、トランジスタQ2のドレイン・ソース間の容量CP2および配線Li2のインダクタンス成分によるLC共振の周波数成分およびその他の複数の周波数成分を含む。
このとき、トランジスタQ2から発生したスイッチングノイズはコンデンサCP1およびインピーダンス制御回路41を通して電源端子V1に戻り、かつコンデンサCP2およびインピーダンス制御回路42を通して接地端子に戻る。それにより、サステイン電極13へのスイッチングノイズによる影響が低減され、不要輻射の発生が抑制される。インピーダンス制御回路41,42の動作については後述する。
上記の動作が維持期間において繰り返し行われる。この場合、インピーダンス制御回路41,42の働きによりトランジスタQ1,Q2から発生する広帯域のスイッチングノイズが抑制される。その結果、広帯域に渡る不要な電磁波の幅射が抑制される。
本実施の形態では、インピーダンス制御回路41,42として以下の第1〜第3の構成のいずれかが用いられる。
(1−5)インピーダンス制御回路41,42の構成の第1の例
図5はインピーダンス制御回路41,42の構成の第1の例を示す回路図である。
図5に示すように、インピーダンス制御回路41はn個のコンデンサC11〜C1nを含む。nは2以上の自然数である。コンデンサC11〜C1nはトランジスタQ1に並列に接続されている。コンデンサC11〜C1nとトランジスタQ1との接続点は、トランジスタQ1のソースおよびドレインにより近いことが好ましい。例えばコンデンサC11〜C1nとトランジスタQ1とが同一の回路基板上で接続されていることが好ましい。それにより、後述する効果がより確実に得られる。コンデンサC11〜C1nはそれぞれ異なる容量値を有する。ここでは、コンデンサC11〜C1nの容量値はこの順に減少し、コンデンサC1nが最も小さな容量値を有する。
また、インピーダンス制御回路42はn個のコンデンサC21〜C2nを含む。nは2以上の自然数である。コンデンサC21〜C2nはトランジスタQ2に並列に接続されている。コンデンサC21〜C2nとトランジスタQ2との接続点は、トランジスタQ2のソースおよびドレインにより近いことが好ましい。例えばコンデンサC21〜C2nとトランジスタQ2とが同一の回路基板上で接続されていることが好ましい。それにより、後述する効果がより確実に得られる。コンデンサC21〜C2nはそれぞれ異なる容量値を有する。ここでは、コンデンサC21〜C2nの容量値はこの順に減少し、コンデンサC2nが最も小さな容量値を有する。
本実施の形態では、コンデンサC11〜C1n,C21〜C2nは積層セラミックコンデンサからなる。
図6は積層セラミックコンデンサ、タンタル電解コンデンサおよびアルミニウム電解コンデンサのインピーダンス特性を示す図である。
図6には、10μFのタンタル電解コンデンサ、10μFのアルミニウム電解コンデンサ、および1μF、4.7μFおよび10μFの積層セラミックコンデンサのインピーダンスと周波数との関係を示す。縦軸がインピーダンスを示し、横軸が周波数を示す。
積層セラミックコンデンサでは、インピーダンス特性にディップ(極小部分)Dpが生じる。このディップDpの周波数が自己共振周波数である。積層セラミックコンデンサの自己共振周波数は容量値により異なる。これに対して、タンタル電解コンデンサおよびアルミニウム電解コンデンサでは、インピーダンス特性にディップが生じない。
図5のインピーダンス制御回路41では、容量値の異なるn個のコンデンサC11〜C1nがトランジスタQ1に並列に接続されているので、n個の異なる自己共振周波数帯域でスイッチングノイズが電源端子V1に吸収される。
同様に、インピーダンス制御回路42では、容量値の異なるn個のコンデンサC21〜C2nがトランジスタQ2に並列に接続されているので、n個の異なる自己共振周波数帯域でスイッチングノイズが接地端子に吸収される。
トランジスタQ1,Q2がスイッチングノイズを発生しているので、配線Li1,Li2の影響を少なくするためにトランジスタQ1の近傍にコンデンサC11〜C1nを配置し、トランジスタQ2の近傍にコンデンサC21〜C2nを配置することが好ましい。それにより、配線Li1,Li2の影響を除くことができる。したがって、図3の配線Li0と接地端子との間にコンデンサが挿入された場合に比べて、トランジスタQ1,Q2から発生するスイッチングノイズを十分に吸収することができる。
ここで、図5のインピーダンス制御回路41,42の機能を図7および図8を用いて説明する。
図7(a)は1個の積層セラミックコンデンサの内部等価回路を示す図であり、図7(b)は1個の積層セラミックコンデンサのインピーダンス特性の計算結果を示す図である。図7(b)において、横軸は周波数、縦軸は利得である。
図7(a)において、積層セラミックコンデンサC10は、容量成分C1、インダクタンス成分L1および抵抗成分R1を有する。本例では、容量成分C1の値は330pFであり、インダクタンス成分L1の値は1.3nHであり、抵抗成分R1の値は0.05Ωである。ここでは、50Ω測定系における積層セラミックコンデンサC10のインピーダンス特性を計算により求めた。50Ω測定系における抵抗成分R3および抵抗成分R4の値はいずれも50Ωである。
積層セラミックコンデンサC10では、セラミック層の面積が一定であると、セラミック層の数の増加に伴って容量成分C1の値が増加し、インダクタンス成分L1の値および抵抗成分R1の値はほとんど変化しない。抵抗成分R1の値が小さいので、図7(b)に示すように、インピーダンス特性にディップDp1が生じる。上記のように、ディップDp1の周波数が自己共振周波数に相当する。自己共振周波数は容量成分C1の値により異なる。
このように、積層セラミックコンデンサC10の内部等価回路はLCRの直列回路であるので、自己共振周波数が存在する。図7(b)の例では、自己共振周波数は約250MHzであり、自己共振周波数でのインピーダンスが最も低くなる。
これに対して、タンタル電解コンデンサまたはアルミニウム電解コンデンサでは、タンタルシートまたはアルミニウムシートが巻かれているので、抵抗成分が大きい。それにより、図6に示したように、インピーダンス特性にディップが生じない。
このように、十分な自己共振を発生させるためにはインピーダンス特性に明確なディップを有する積層セラミックコンデンサを用いることが好ましい。なお、タンタル電解コンデンサまたはアルミニウム電解コンデンサにおいても、自己共振の効果は積層セラミックコンデンサに比べて低いが、自己共振を発生することができる。
図8(a)は2個の積層セラミックコンデンサの並列回路の内部等価回路を示す図であり、図8(b)は2個の積層セラミックコンデンサの並列回路のインピーダンス特性の計算結果を示す図である。
図8(a)において、積層セラミックコンデンサC10の内部等価回路は図7(a)の積層セラミックコンデンサC10と同様である。積層セラミックコンデンサC20は、容量成分C2、インダクタンス成分L2および抵抗成分R2を有する。本例では、容量成分C2の値は0.68μFであり、インダクタンス成分L2の値は130pHであり、抵抗成分R2の値は0.01Ωである。2個の積層セラミックコンデンサC10,C20を接続する配線パターンのインダクタンス成分L3の値は100pHである。
図8(b)のインピーダンス特性において、小さな容量成分C1(330pF)を有する積層セラミックコンデンサC10によるディップDp1および大きな容量値(0.68μF)を有する積層セラミックコンデンサC20によるディップDp2が生じる。ディップDp1の周波数が積層セラミックコンデンサC10の自己共振周波数に相当し、ディップDp2の周波数が積層セラミックコンデンサC20の自己共振周波数に相当する。
大きな容量値(0.68μF)を有する積層セラミックコンデンサC20を単独で用いた場合には、小さな容量成分C1(330pF)を有する積層セラミックコンデンサC10を単独で用いた場合に比べて低域でのインピーダンス特性は改善される。しかしながら、0.68μFの自己共振周波数より高い帯域では、積層セラミックコンデンサC20のインダクタンス成分L2の影響でインピーダンス特性は劣化する。
図8に示すように、積層セラミックコンデンサC10,C20を用いた場合には、両方の自己共振周波数の中間の周波数で反共振が発生し、インピーダンス特性が劣化する。図8の例では、200MHzを含む周波数帯域でインピーダンス特性が劣化する。
図9は2個の積層セラミックコンデンサの並列回路における反共振を説明するための図である。図9(a)は反共振を生じる場合の内部等価回路を示す図であり、図9(b)は反共振を生じる場合のインピーダンス特性を示す図である。
図8(a)の積層セラミックコンデンサC20の容量成分C2のインピーダンスは、1/(2πf×0.68[μF])となる。ここで、fは周波数である。それにより、容量成分C2のインピーダンスは、周波数1MHzでは0.234Ω、周波数10MHzでは0.0234Ω、周波数10MHzでは0.00234Ωとなり、容量成分C2は高い周波数でショート状態となる。
一方、積層セラミックコンデンサC10の容量成分C1の値は積層セラミックコンデンサC20の容量成分C2の値に比べて小さいため、容量成分C1のインピーダンスは容量成分C2のインピーダンスに比べて大きい。また、積層セラミックコンデンサC20のインダクタンス成分L2のインピーダンスは、周波数が高くなると大きくなる。一方、積層セラミックコンデンサC10のインダクタンス成分L1のインピーダンスは容量成分C1のインピーダンスに比べて小さい。
したがって、高い周波数では、2個の積層セラミックコンデンサC10,C20の並列回路の等価回路は図9(a)に示すLC並列共振回路となる。
この場合、図9(b)に示すように、LC並列共振回路のインピーダンスは共振部分で大きくなり、反共振が発生する。図8(b)の例では、反共振が200MHzを含む周波数帯域で発生している。
図5のインピーダンス制御回路41,42では、トランジスタQ1,Q2によるスイッチングノイズにおける複数のピークの周波数が反共振周波数帯域内に位置しないようにコンデンサC11〜C1n,コンデンサC21〜C2nの容量値を設定する。
それにより、インピーダンス制御回路41,42の働きによりトランジスタQ1,Q2から発生する複数の周波数成分を有するスイッチングノイズが抑制される。その結果、広帯域に渡る不要な電磁波の幅射が十分に抑制される。
(1−6)インピーダンス制御回路41,42の構成の第2の例
図10はインピーダンス制御回路41,42の構成の第2の例を示す回路図である。
図10のインピーダンス制御回路41,42が図5のインピーダンス制御回路41,42と異なるのは次の点である。インピーダンス制御回路41のコンデンサC11〜C1n−1にそれぞれ直列に抵抗素子R11〜R1n−1が接続されている。コンデンサC11〜C1nの容量値はこの順に減少し、コンデンサC1nが最も小さな容量値を有する。インピーダンス制御回路41内で最も小さな容量値を有するコンデンサC1nには抵抗素子は接続されていない。抵抗素子R11〜R1n−1の抵抗値はこの順に減少し、抵抗素子R1n−1が最も小さな抵抗値を有する。
同様に、インピーダンス制御回路42のコンデンサC21〜C2nにそれぞれ直列に抵抗素子R21〜R2n−1が接続されている。コンデンサC21〜C2nの容量値はこの順に減少し、コンデンサC2nが最も小さな容量値を有する。インピーダンス制御回路42内で最も小さな容量値を有するコンデンサC2nには抵抗素子は接続されていない。抵抗素子R21〜R2n−1の抵抗値はこの順に減少し、抵抗素子R2n−1が最も小さな抵抗値を有する。
図10のインピーダンス制御回路41,42の構成の他の点は図5のインピーダンス制御回路41,42と同様であるので、同一部分には同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
図8を用いて説明したように、複数の積層セラミックコンデンサの単純な並列回路では、反共振周波数でインピーダンス特性が劣化する。そこで、図10の例では、抵抗素子を追加することにより反共振周波数でのインピーダンス特性の劣化を抑制する。ここで、図10のインピーダンス制御回路41,42の機能を図11を用いて説明する。
図11(a)は2個の積層セラミックコンデンサの並列回路の内部等価回路を示す図であり、図11(b)は2個の積層セラミックコンデンサの並列回路のインピーダンス特性の計算結果を示す図である。図11(b)において、横軸は周波数、縦軸は利得である。
図11(a)において、積層セラミックコンデンサC10,C20の内部等価回路は図8(a)の積層セラミックコンデンサC10,C20と同様である。
図11において、大きな容量値(0.68μF)を有する積層セラミックコンデンサC20に抵抗素子R5が直列に挿入される。本例では、抵抗素子R5の値は0.05Ωである。この場合、積層セラミックコンデンサC20の自己共振周波数(ディップDp2)におけるインピーダンス特性は劣化するが、小さな容量値(330pF)を有する積層セラミックコンデンサC10の自己共振周波数と積層セラミックコンデンサC20の自己共振周波数との中間で発生する反共振によるインピーダンス特性の劣化が抑制される。
このように、積層セラミックコンデンサC20に抵抗素子R5を直列に挿入することにより、広帯域に渡ってインピーダンス特性が改善される。
図10のインピーダンス制御回路41,42では、広帯域に渡ってトランジスタQ1,Q2から発生する複数の周波数のスイッチングノイズが抑制される。その結果、広帯域に渡る不要な電磁波の幅射が十分に抑制される。
(1−7)インピーダンス制御回路41,42の構成の第3の例
図12はインピーダンス制御回路41,42の構成の第3の例を示す回路図である。
図12のインピーダンス制御回路41,42が図5のインピーダンス制御回路41,42と異なるのは次の点である。インピーダンス制御回路41のコンデンサC11〜C1n−1にそれぞれ直列にビーズコアL11〜L1n−1が接続されている。コンデンサC11〜C1nの容量値はこの順に減少し、コンデンサC1nが最も小さな容量値を有する。インピーダンス制御回路41内で最も小さな容量値を有するコンデンサC1nにはビーズコアは接続されていない。
同様に、インピーダンス制御回路42のコンデンサC21〜C2nにそれぞれ直列にビーズコアL21〜L2n−1が接続されている。コンデンサC11〜C1nの容量値はこの順に減少し、コンデンサC1nが最も小さな容量値を有する。インピーダンス制御回路42内で最も小さな容量値を有するコンデンサC2nにはビーズコアは接続されていない。
図12のインピーダンス制御回路41,42の構成の他の点は図5のインピーダンス制御回路41,42と同様であるので、同一部分には同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
図12の例では、ビーズコアを追加することにより反共振周波数でのインピーダンス特性の劣化を抑制する。ここで、図12のインピーダンス制御回路41,42の機能を図13を用いて説明する。
図13は積層セラミックコンデンサおよびビーズコアのインピーダンス特性を示す図である。図13において、横軸は周波数、縦軸はインピーダンスである。
図13において、コンデンサC1n−1のインピーダンス特性が破線で示されている。また、ビーズコアL1n−1のインピーダンス特性Zが実線で示され、抵抗成分Rが点線で示され、リアクタンス成分Xが一点鎖線で示される。
図13に示すように、コンデンサC1n−1の自己共振周波数を超えた周波数領域でビーズコアL1n−1のインピーダンス特性が立ち上がるように定数(抵抗成分Rおよびをリアクタンス成分X)を選択する。
それにより、図12のインピーダンス制御回路41においてコンデンサC1n−1の自己共振周波数よりも高い周波数における反共振によるインピーダンス特性の劣化が抑制される。つまり、コンデンサC1n−1の自己共振周波数よりも高い周波数において図10の抵抗素子R11〜R1n−1をコンデンサC11〜C1n−1に直列に挿入した場合と同等の効果が得られる。図12のインピーダンス制御回路42の機能はインピーダンス制御回路41の機能と同様である。
したがって、図12のインピーダンス制御回路41,42では、広帯域に渡ってトランジスタQ1,Q2から発生する複数の周波数のスイッチングノイズが抑制される。その結果、広帯域に渡る不要な電磁波の幅射が十分に抑制される。
(1−8)第1の実施の形態の効果
本実施の形態に係るサステインドライバ4では、インピーダンス制御回路41,42によりノードN1と電源端子V1との間およびノードN1と接地端子との間に複数の周波数成分のバイパス領域が形成される。それにより、トランジスタQ1,Q2で発生した広帯域に渡るスイッチングノイズがインピーダンス制御回路41,42を通して電源端子V1および接地端子に吸収され、パネル容量Cpへのスイッチングノイズによる影響が低減される。それにより、広帯域に渡る高周波の電磁波の幅射を十分に抑制することができる。
(2)第2の実施の形態
(2−1)サステインドライバの構成
図14は本発明の第2の実施の形態に係るサステインドライバの構成を示す回路図である。
図14に示すサステインドライバ4aが図3に示すサステインドライバ4と異なるのは次の点である。その他の点は図3に示すサステインドライバ4と同様であるので、同一部分には同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
図14に示すように、トランジスタQ3の一端およびトランジスタQ4の一端はそれぞれ配線Li3,Li4を通してノードN3に接続されている。トランジスタQ3の他端はダイオードD1のアノードに接続され、トランジスタQ4の他端はダイオードD2のカソードに接続される。
トランジスタQ3は、寄生容量としてドレイン・ソース間の容量CP3を有し、トランジスタQ3のドレイン・ソース間には、インピーダンス制御回路43がトランジスタQ3と並列に接続される。トランジスタQ4は、寄生容量としてドレイン・ソース間の容量CP4を有し、トランジスタQ4のドレイン・ソース間には、インピーダンス制御回路44がトランジスタQ4と並列に接続される。
ダイオードD1は、寄生容量としてアノード・カソード間の容量CP5を有し、ダイオードD2は、寄生容量としてアノード・カソード間の容量CP6を有する。
インピーダンス制御回路43の構成および機能は、図5、図10または図12に示したインピーダンス制御回路41の構成および機能と同様である。また、インピーダンス制御回路44の構成および機能は、図5、図10または図12に示したインピーダンス制御回路42の構成および機能と同様である。
なお、本実施の形態では、インピーダンス制御回路43のコンデンサC11〜C1nとトランジスタQ3との接続点は、トランジスタQ3のソースおよびドレインにより近いことが好ましい。例えばコンデンサC11〜C1nとトランジスタQ3とが同一の回路基板上で接続されていることが好ましい。それにより、後述する効果がより確実に得られる。
また、インピーダンス制御回路44のコンデンサC21〜C2nとトランジスタQ4との接続点は、トランジスタQ4のソースおよびドレインにより近いことが好ましい。例えばコンデンサC21〜C2nとトランジスタQ4とが同一の回路基板上で接続されていることが好ましい。それにより、後述する効果がより確実に得られる。
(2−2)サステインドライバの動作
次に、上記のように構成されたサステインドライバ4aの維持期間の動作について図4を参照しながら説明する。
図14に示すサステインドライバ4aの基本的な動作は、図3に示すサステインドライバ4と同様であるので、主としてトランジスタQ3,Q4によるスイッチングノイズの発生メカニズムについて以下に詳細に説明する。
まず、トランジスタQ4がオフ状態にあり、かつ、トランジスタQ4のドレイン・ソース間に急激な電圧変化が生じる場合に、トランジスタQ4のドレイン・ソース間の容量CP4および配線Li4のインダクタンス成分による高周波のLC共振が発生する。それにより、複数の周波数成分を有するスイッチングノイズが発生する。具体的には、図4に示す時刻t1および時刻t2において、以下のように、トランジスタQ3,Q4から複数の周波数成分を有するスイッチングノイズが発生する。
時刻t1において、制御信号S3がハイレベルになってトランジスタQ3がオンする。それにより、ノードN2の電位が0VからノードN3の電位約Vsus/2に立ち上がる瞬間にトランジスタQ3から複数の周波数成分を有するスイッチングノイズが発生する。スイッチングノイズは、トランジスタQ3のドレイン・ソース間の容量CP3および配線Li3のインダクタンス成分によるLC共振の周波数成分およびその他の複数の周波数成分を含む。
また、時刻t2において、ノードN1の電位が回収コイルLおよびパネル容量CpによるLC共振によりピーク電圧から下がり始め、回収コイルLに流れる電流の方向がノードN1へ向かう方向からノードN2へ向かう方向に逆転する。それにより、ダイオードD1が非導通となるため、電流経路が遮断される。その結果、ノードN2の電位は、急激にノードN1の電位に向かって上昇する。このとき、ノードN2に接続されている浮遊容量(ダイオードD1のアノード・カソード間の容量CP5等)と回収コイルLとによる高周波のLC共振が発生し、ノードN2の電位がリンギングしながら上昇する。この場合、トランジスタQ4から複数の周波数成分を有するスイッチングノイズが発生する。スイッチングノイズは、トランジスタQ4のドレイン・ソース間の容量CP4および配線Li4のインダクタンス成分によるLC共振の周波数成分およびその他の複数の周波数成分を含む。
しかしながら、本実施の形態では、トランジスタQ4に並列にインピーダンス制御回路44が接続されているので、広帯域に渡るスイッチングノイズがインピーダンス制御回路44および回収コンデンサCrを通して接地端子に吸収される。それにより、広帯域に渡る不要の電磁波の輻射が十分に抑制される。
次に、トランジスタQ3がオフ状態にあり、かつ、トランジスタQ3のドレイン・ソース間に急激な電圧変化が生じる場合に、トランジスタQ3のドレイン・ソース間の容量CP3および配線Li3のインダクタンス成分による高周波のLC共振が発生する。それにより、トランジスタQ3から複数の周波数成分を有するスイッチングノイズが発生する。具体的には、図4に示す時刻t3および時刻t4において、以下のように、トランジスタQ3,Q4から複数の周波数成分を有するスイッチングノイズが発生する。
維持パルスPsuの立ち上がり時の電力回収期間が終了すると、制御信号S1がハイレベルになってトランジスタQ1がオンする。それにより、電源端子V1の電源電圧VsusがノードN2に印加される。この状態から、時刻t3において、制御信号S4がハイレベルになってトランジスタQ4がオンする。それにより、ノードN2の電位が電源電圧VsusからノードN3の電位約Vsus/2に立ち下がる瞬間にトランジスタQ4から複数の周波数成分を有するスイッチングノイズが発生する。
また、時刻t4において、維持パルスPsuの立ち下がり時の電力回収期間が終了すると、回収コイルLに流れる電流の方向がノードN2へ向かう方向からノードN1へ向かう方向に逆転する。それにより、ダイオードD2が非導通となるため、電流経路が遮断される。その結果、ノードN2の電位は、急激にノードN1の電位に向かって降下する。このとき、ノードN2に接続されている浮遊容量(ダイオードD2のアノード・カソード間の容量CP6等)と回収コイルLとによる高周波のLC共振が発生し、ノードN2の電位がリンギングしながら下降する。この場合、トランジスタQ3から複数の周波数成分を有するスイッチングノイズが発生する。
しかしながら、本実施の形態では、トランジスタQ3に並列にインピーダンス制御回路43が接続されているので、広帯域に渡るスイッチングノイズがインピーダンス制御回路43および回収コンデンサCrを通して接地端子に吸収される。それにより、広帯域に渡る不要の電磁波の輻射が十分に抑制される。
(2−3)第2の実施の形態の効果
本実施の形態に係るサステインドライバ4aでは、インピーダンス制御回路43,44によりノードN2とノードN3との間に複数の周波数成分のバイパス領域が形成される。それにより、トランジスタQ3,Q4で発生した広帯域に渡るスイッチングノイズがインピーダンス制御回路43,44および回収コンデンサCrを通して接地端子に吸収され、パネル容量Cpへのスイッチングノイズの影響が低減される。それにより、広帯域に渡る高周波の電磁波の幅射を十分に抑制することができる。
(3)第3の実施の形態
(3−1)サステインドライバの構成
図15は本発明の第3の実施の形態に係るサステインドライバの構成を示す回路図である。
図15に示すサステインドライバ4bが図3に示すサステインドライバ4と異なるのは次の点である。その他の点は図3に示すサステインドライバ4と同様であるので、同一部分には同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
図15に示すように、ダイオードD1のアノード・カソード間には、インピーダンス制御回路45がダイオードD1と並列に接続される。ダイオードD2のアノード・カソード間には、インピーダンス制御回路46がダイオードD2と並列に接続される。
ダイオードD1のカソードおよびダイオードD2のアノードはそれぞれ配線Li5,Li6を通してノードN2に接続される。ダイオードD1は、寄生容量としてアノード・カソード間の容量CP5を有し、ダイオードD2は、寄生容量としてアノード・カソード間の容量CP6を有する。なお、トランジスタQ3,Q4は、第2の実施の形態と同様に寄生容量CP3,CP4を有する。
インピーダンス制御回路45の構成および機能は、図5、図10または図12に示したインピーダンス制御回路41の構成および機能と同様である。また、インピーダンス制御回路46の構成および機能は、図5、図10または図12に示したインピーダンス制御回路42の構成および機能と同様である。
なお、本実施の形態では、インピーダンス制御回路45のコンデンサC11〜C1nとダイオードD1との接続点は、ダイオードD1のアノードおよびカソードにより近いことが好ましい。例えばコンデンサC11〜C1nとダイオードD1とが同一の回路基板上で接続されていることが好ましい。それにより、後述する効果がより確実に得られる。
また、インピーダンス制御回路46のコンデンサC21〜C2nとダイオードD2との接続点は、ダイオードD2のアノードおよびカソードにより近いことが好ましい。例えばコンデンサC21〜C2nとダイオードD2とが同一の回路基板上で接続されていることが好ましい。それにより、後述する効果がより確実に得られる。
(3−2)サステインドライバの動作
次に、上記のように構成されたサステインドライバ4bの維持期間の動作について図4を参照しながら説明する。
図15に示すサステインドライバ4bの基本的な動作は、図3および図14に示すサステインドライバ4,4aと同様であるので、主としてダイオードD1,D2によるスイッチングノイズの発生メカニズムについて以下に詳細に説明する。
まず、ダイオードD1がオフ状態にあり、かつ、ダイオードD1のアノード・カソード間に急激な電圧変化が生じる場合に、ダイオードD1から複数の周波数成分を有するスイッチングノイズが発生する。具体的には、図4に示す時刻t2において、以下のように、ダイオードD1から複数の周波数成分を有するスイッチングノイズが発生する。
時刻t1において、制御信号S3がハイレベルになってトランジスタQ3がオンする。それにより、ノードN2の電位がノードN3の電位約Vsus/2と等しくなっている。この状態で、時刻t2において、ノードN1の電位が回収コイルLおよびパネル容量CpによるLC共振によりピーク電圧から下がり始め、回収コイルLに流れる電流の方向がノードN1へ向かう方向からノードN2へ向かう方向に逆転する。それにより、ダイオードD1が非導通となるため、電流経路が遮断される。その結果、ノードN2の電位は、急激にノードN1の電位に向かって上昇する。このとき、ダイオードD1から複数の周波数成分を有するスイッチングノイズが発生する。スイッチングノイズは、ダイオードD1のアノード・カソード間の容量CP5および配線Li5のインダクタンス成分によるLC共振の周波数成分およびその他の複数の周波数成分を含む。
しかしながら、本実施の形態では、ダイオードD1に並列にインピーダンス制御回路45が接続されているので、ダイオードD1から発生した複数の周波数成分を有するスイッチングノイズがインピーダンス制御回路45を通してトランジスタQ3に流れる。このとき、トランジスタQ3がオンしている。したがって、ダイオードD1から発生した複数の周波数成分を有するスイッチングノイズはインピーダンス制御回路45、トランジスタQ3および回収コンデンサCrを通して接地端子に吸収される。その結果、広帯域に渡る不要の電磁波の輻射が十分に抑制される。このとき、回収コイルLが存在するので、スイッチングノイズはパネル容量CpおよびトランジスタQ1,Q2へは流れない。
次に、ダイオードD2がオフ状態にあり、かつ、ダイオードD2のアノード・カソード間に急激な電圧変化が生じる場合に、ダイオードD2から複数の周波数成分を有するスイッチングノイズが発生する。具体的には、図4に示す時刻t4において、以下のように、ダイオードD2から複数の周波数成分を有するスイッチングノイズが発生する。
時刻t4において、維持パルスPsuの立ち下がり時の電力回収期間が終了すると、回収コイルLに流れる電流の方向がノードN2へ向かう方向からノードN1へ向かう方向に逆転する。それにより、ダイオードD2が非導通となるため、電流経路が遮断される。その結果、ノードN2の電位は、急激にノードN1の電位に向かって下降する。このとき、ダイオードD2から複数の周波数成分を有するスイッチングノイズが発生する。スイッチングノイズは、ダイオードD2のアノード・カソード間の容量CP6および配線Li6のインダクタンス成分によるLC共振の周波数成分およびその他の複数の周波数成分を含む。
しかしながら、本実施の形態では、ダイオードD2に並列にインピーダンス制御回路46が接続されているので、ダイオードD2から発生した複数の周波数成分を有するスイッチングノイズがインピーダンス制御回路46を通してトランジスタQ4に流れる。このとき、トランジスタQ4がオンしている。したがって、ダイオードD2から発生した複数の周波数成分を有するスイッチングノイズはインピーダンス制御回路46、トランジスタQ4および回収コンデンサCrを通して接地端子に吸収される。その結果、広帯域に渡る不要の電磁波の輻射が十分に抑制される。このとき、回収コイルLが存在するので、スイッチングノイズはパネル容量CpおよびトランジスタQ1,Q2へは流れない。
(3−3)第3の実施の形態の効果
本実施の形態に係るサステインドライバ4bでは、インピーダンス制御回路45,46によりノードN2とトランジスタQ3との間およびノードN2とトランジスタQ4との間に複数の周波数成分のバイパス領域が形成される。それにより、ダイオードD1,D2から発生した広帯域に渡るスイッチングノイズがインピーダンス制御回路45,46および回収コンデンサCrを通して接地端子に吸収され、パネル容量Cpへのスイッチングノイズによる影響が低減される。それにより、広帯域に渡る高周波の電磁波の幅射を十分に抑制することができる。
(4)他の実施の形態
(4−1)
図3のサステインドライバ4のインピーダンス制御回路41,42に加えて、図14のインピーダンス制御回路43,44をトランジスタQ3,Q4に並列に接続してもよい。
この場合、トランジスタQ1,Q2で発生した広帯域に渡るスイッチングノイズがインピーダンス制御回路41,42を通して電源端子V1および接地端子に吸収され、トランジスタQ3,Q4で発生した広帯域に渡るスイッチングノイズがインピーダンス制御回路43,44および回収コンデンサCrを通して接地端子に吸収され、パネル容量Cpへのスイッチングノイズによる影響が低減される。それにより、広帯域に渡る高周波の電磁波の幅射を十分に抑制することができる。
(4−2)
図3のサステインドライバ4のインピーダンス制御回路41,42に加えて、図15のインピーダンス制御回路45,46をダイオードD1,D2に並列に接続してもよい。
この場合、トランジスタQ1,Q2で発生した広帯域に渡るスイッチングノイズがインピーダンス制御回路41,42を通して電源端子V1および接地端子に吸収され、ダイオードD1,D2で発生した広帯域に渡るスイッチングノイズがインピーダンス制御回路45,46および回収コンデンサCrを通して接地端子に吸収され、パネル容量Cpへのスイッチングノイズによる影響が低減される。それにより、広帯域に渡る高周波の電磁波の幅射を十分に抑制することができる。
(4−3)
図3のサステインドライバ4のインピーダンス制御回路41,42に加えて、図14のインピーダンス制御回路43,44をトランジスタQ3,Q4に並列に接続し、図15のインピーダンス制御回路45,46をダイオードD1,D2に並列に接続してもよい。
この場合、トランジスタQ1,Q2で発生した広帯域に渡るスイッチングノイズがインピーダンス制御回路41,42を通して電源端子V1および接地端子に吸収され、トランジスタQ3,Q4およびダイオードD1,D2で発生した広帯域に渡るスイッチングノイズがインピーダンス制御回路43,44,45,46および回収コンデンサCrを通して接地端子に吸収され、パネル容量Cpへのスイッチングノイズによる影響が低減される。それにより、広帯域に渡る高周波の電磁波の幅射を十分に抑制することができる。
(4−4)
図14のサステインドライバ4のインピーダンス制御回路43,44に加えて、図15のインピーダンス制御回路45,46をダイオードD1,D2に並列に接続してもよい。
この場合、トランジスタQ3,Q4およびダイオードD1,D2で発生した広帯域に渡るスイッチングノイズがインピーダンス制御回路43,44,45,46および回収コンデンサCrを通して接地端子に吸収され、パネル容量Cpへのスイッチングノイズによる影響が低減される。それにより、広帯域に渡る高周波の電磁波の幅射を十分に抑制することができる。
(4−5)
本発明に係る駆動回路は、サステインドライバに限らず、アドレス電極を駆動する駆動回路であるデータドライバ2にも適用することができ、スキャン電極を駆動する駆動回路であるスキャンドライバ3にも適用することができる。なお、本発明に係る駆動回路は、サステイン電極およびスキャン電極の駆動回路に好適に用いることができる。
(4−6)
本発明に係る駆動回路は、AC型およびDC型等のいずれのPDPの駆動回路にも適用することができる。
(4−7)
本発明に係る駆動回路は、PDPに限らず、容量性負荷を駆動する他の装置にも同様に適用することができる。本発明に係る駆動回路は、例えば、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ等の他の表示装置にも適用することができる。
(4−8)
トランジスタQ1,Q2,Q3,Q4の代わりにバイポーラトランジスタ等の他のスイッチング素子を用いてもよい。
(4−9)
ダイオードD1,D2の代わりにトランジスタ等の他の一方向性導通素子を用いてもよい。
(4−10)
コンデンサC11〜C1nおよびコンデンサC21〜C2nとして積層セラミックコンデンサの代わりに酸化タンタル、酸化ニオブ等の他の材料からなる容量性素子を用いてもよい。
上記のように、コンデンサC11〜C1nおよびコンデンサC21〜C2nとして積層セラミックコンデンサの代わりにタンタル電解コンデンサまたはアルミニウム電解コンデンサを用いてもよい。
(5)請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
上記実施の形態では、放電セルDCが表示素子に相当し、パネル容量Cpが容量性負荷に相当し、配線Li0がパルス供給経路に相当し、PDP1が表示パネルに相当する。
また、トランジスタQ1が第1のスイッチング素子に相当し、トランジスタQ2が第2のスイッチング素子に相当し、トランジスタQ3が第3のスイッチング素子に相当し、トランジスタQ4が第4のスイッチング素子に相当し、回収コイルLがインダクタンス素子に相当し、回収コンデンサCrが回収用容量性素子に相当し、ダイオードD1が第1の一方向性導通素子に相当し、ダイオードD2が第2の一方向性導通素子に相当する。
また、配線Li1が第1の配線に相当し、配線Li2が第2の配線に相当し、電源端子V1が第1の電圧源に相当し、接地端子が第2の電圧源に相当し、電源電圧Vsusが第1の電圧に相当し、接地電位が第2の電圧に相当する。
さらに、インピーダンス制御回路41が第1のインピーダンス制御回路に相当し、インピーダンス制御回路42が第2のインピーダンス制御回路に相当し、コンデンサC11〜C1nが複数の第1の容量性素子に相当し、または第1番目〜第n番目の第1の容量性素子に相当し、コンデンサC21〜C2nが複数の第2の容量性素子に相当し、または第1番目〜第n番目の第2の容量性素子に相当する。
また、抵抗素子R11〜R1n−1が複数の第1の抵抗素子または第1番目〜第(n−1)番目の第1の抵抗素子に相当し、抵抗素子R21〜R2n−1が複数の第2の抵抗素子または第1番目〜第(n−1)番目の第2の抵抗素子に相当し、ビーズコアL11〜L1n−1が複数の第1のビーズコアまたは第1番目〜第(n−1)番目の第1のビーズコアに相当し、ビーズコアL21〜L2n−1が複数の第2のビーズコアまたは第1番目〜第(n−1)番目の第2のビーズコアに相当する。
また、インピーダンス制御回路43が第1または第3のインピーダンス制御回路に相当し、インピーダンス制御回路44が第2または第4のインピーダンス制御回路に相当する。
また、インピーダンス制御回路45が第1または第3のインピーダンス制御回路に相当し、インピーダンス制御回路46が第2または第4のインピーダンス制御回路に相当する。
本発明は、種々の容量性負荷を駆動する駆動回路、および容量性負荷を有する表示装置等の種々の装置に利用可能である。
図1は本発明の第1の実施の形態に係るサステインドライバを用いたプラズマディスプレイ装置の構成を示すブロック図
図2は図1のPDPにおけるスキャン電極およびサステイン電極の駆動電圧の一例を示すタイミング図
図3は図1に示すサステインドライバの構成を示す回路図
図4はサステインドライバの維持期間の動作を説明するためのタイミング図
図5はインピーダンス制御回路の構成の第1の例を示す回路図
図6は積層セラミックコンデンサ、タンタル電解コンデンサおよびアルミニウム電解コンデンサのインピーダンス特性を示す図
図7(a)は1個の積層セラミックコンデンサの内部等価回路を示す図、図7(b)は1個の積層セラミックコンデンサのインピーダンス特性の計算結果を示す図
図8(a)は2個の積層セラミックコンデンサの並列回路の内部等価回路を示す図、図8(b)は2個の積層セラミックコンデンサの並列回路のインピーダンス特性の計算結果を示す図
図9は2個の積層セラミックコンデンサの並列回路における反共振を説明するための図
図10はインピーダンス制御回路の構成の第2の例を示す回路図
図11(a)は2個の積層セラミックコンデンサの並列回路の内部等価回路を示す図、図11(b)は2個の積層セラミックコンデンサの並列回路のインピーダンス特性の計算結果を示す図
図12はインピーダンス制御回路の構成の第3の例を示す回路図
図13は積層セラミックコンデンサおよびビーズコアのインピーダンス特性を示す図
図14は本発明の第2の実施の形態に係るサステインドライバの構成を示す回路図
図15は本発明の第3の実施の形態に係るサステインドライバの構成を示す回路図
図16は従来のサステインドライバの構成を示す回路図
図17は図16のサステインドライバの維持期間の動作を示すタイミング図