JPWO2006095782A1 - 定着装置およびこれを用いた画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
定着装置の動作モードの変更によって、熱により画像を記録紙に定着させる回転可能な加熱手段の回転速度が、最も早い第一の回転速度から、最も遅い第二の回転速度へと移行する際、第一の回転速度から第二の回転速度に直接変更すると加熱手段の温度のオーバシュートが大きくなり、ベルトの寿命が短くなり、高温異常エラーが発生することがある。そこで、第一の回転速度と第二の回転速度の間である第三の回転速度で加熱手段を所定時間回転させた後、第二の回転速度に変更する。これにより、加熱手段の温度の過大なオーバシュートを回避する。
Description
本発明は、回転する加熱手段を用いて記録紙を加熱する定着装置に関し、特に電子写真方式または静電記録方式の複写機や複合機、ファクシミリ、プリンタなどの画像形成装置に好適な定着装置に関する。
電磁誘導加熱方式の加熱装置は、一般に、調理テーブルや電気釜などに使用されている。近年、このような電磁誘導加熱方式の加熱装置を複写機やファクシミリ、プリンタなどの画像形成装置における定着装置に適用することが盛んに検討されている。
電磁誘導加熱方式の加熱装置を用いた定着装置では、磁束発生手段が発生する磁束を発熱体の発熱層に透過させ、この磁束の透過により生じた渦電流によって発熱層を発熱させる。そして、この発熱により加熱された発熱体の熱で、コピー用紙またはOHP(OverHead Projector)シートなどの記録紙上に形成された未定着画像を、直接的または間接的に加熱定着させるようにしている。
具体的には、たとえば、定着ローラまたは定着ベルトなどからなる発熱体に導電体からなる発熱層を形成する。また、記録紙の通紙経路を挟んで発熱体と加圧ローラとを圧接させて配置し記録紙を挟持して搬送するニップ部を形成する。さらに、強磁性体からなるコアに励磁コイルを巻回して構成される磁束発生手段を配置する。ただし、その励磁コイルは、発熱体の発熱層に対向するように配置する。そして、励磁コイルに所定の周波数の交流電流を印加し、励磁コイルの周囲に磁束を発生させて磁界を形成し、この磁界の作用で生じた渦電流により発熱体の発熱層を発熱させる。この状態で、発熱体と加圧ローラとのニップ部に記録紙を送り込み、発熱層の発熱により加熱された発熱体の熱と加圧ローラの圧力とにより記録紙上の未定着画像を定着する。
このような電磁誘導加熱方式の加熱装置を用いた定着装置は、ハロゲンランプを熱源とする熱ローラ方式の定着装置と比較して、より発熱効率が高く、所定の定着温度に発熱するまでのウォームアップ時間を短くすることができるという利点を有している。
しかし、加熱力が強いため、特に低い熱容量の定着装置において装置を回転させずに加熱した場合に、局部的に温度上昇が起こり、部分的にローラやベルトが熱破壊してしまう恐れがある。そのため、電磁誘導加熱は定着装置の回転中のみに限られ、装置のスタンバイ中に発熱させる場合にはスタンバイ中にも低速で回転させるなどの対策が必要となる(たとえば、特許文献1参照)。
ところで、連続印字中に印字モードが変更されることがある。たとえば、普通紙の印字からOHPシートの印字に切り替えられる場合である。このような場合、OHP印字モードでは透過性を維持するため通常速度が半速になり、定着させる際の温度も普通紙印字モードにおける温度よりも高く設定されることが多い。したがって、このような印字モードの変更の際にそれぞれに起因する温度上昇が重なり、定着装置の温度が一時的に規定値を超えてしまう現象、つまり、オーバシュートの現象が生じることがある。
ハロゲンランプを用いた従来の定着装置では、上記の速度の変更と設定温度の変更が同時に行われていた。しかし、ハロゲンランプには熱応答の遅れが存在しており、この熱応答特性によって、結果的に加熱タイミングがずれることになっていた。すなわち、結果的に、回転速度の変更が終了して発熱ローラの温度が安定した後に、発熱ローラの温度上昇が始まっていた。したがって、ハロゲンランプを用いた従来の定着装置では、オーバシュートは特に問題視されていなかった。
特開2002−082549号公報
一方、電磁誘導加熱式の定着装置においては、熱応答の遅れはほとんど存在しない。このため、従来のハロゲンランプを用いた定着装置と同様に、速度の変更と設定温度の変更を同時に行った場合に、それぞれが原因の温度上昇が一度に発生することにより、オーバシュートの度合いが大きくなるものと想定される。
上記した従来の電磁誘導加熱方式の定着装置では、定着装置の寿命や騒音の観点から、スタンバイモード時に定着装置を通常の印字動作速度の半速で動作させている。したがって、普通紙印字が終了した後に次の印字が無くスタンバイモードに移行する場合には、通常速度の動作から半速の動作に移行することになる。
その場合、半速動作に移行した直後に加圧ローラに奪われる熱量が半減し、加熱手段の温度がオーバシュートする。特にベルト定着方式の場合、速度が半分になることによってベルトに供給される熱量が瞬間的に倍になり、急激な温度上昇を起こすことになる。また、電磁誘導加熱によってベルトを直接発熱させる場合も、電磁誘導加熱の励磁コイルを通過する時間が倍になることから、局所的にベルトの温度が高くなる現象が発生する。
通常、ベルト定着装置では加熱部と温度検知部に位置的なずれがあることが多い。また、加熱に電磁誘導加熱を用いた場合には、加熱部位に金属を配置すると加熱されてしまうため、電磁誘導加熱の磁界内に温度センサを置くことは困難である。そのため、加熱した温度を制御にフィードバックするのにタイムラグが生じる。これは速度を半速にすることにより顕著になるため、ベルトの温度上昇も大きくなる。以上の現象は、等速印字のベルト移動速度が200mm/s(ミリメートル毎秒)以上といった高い速度で、半速との速度差が大きい場合により顕著になる。
最近では、カラー等速印字速度の1.1〜2倍の速度でモノクロ印字することが行われている。その場合、モノクロ印字モードからカラー印字のスタンバイモードへ移行する場合、その速度は1/2〜1/4程度に急速に低下することになる。そのため、より大きなオーバシュートが発生する。
さらに、加熱の目標温度がモノクロ印字モード時の値からスタンバイモード時の値へ切り替わる際、一時的に加熱の出力が上昇する現象がある。これはモノクロ印字モード時の定着温度からスタンバイモード時の温度への移行がより高温への変更になる場合に顕著である。
モノクロ普通紙印字が終了した後にカラー印字のスタンバイモードに移行した場合、上記二つの現象が重なり合い、20℃以上オーバシュートする現象が見られた。
また、OHP用紙に印字する際は、上記のように、動作速度を落としたり設定温度を高くする。したがって、モノクロ印字からそのままカラーのOHP印字モードに移行する場合には、モード移行時のオーバシュートが25℃以上と過大になり、ベルトの寿命短縮やサーモスタットが切れたり高温エラーの発生が起こる可能性がある。
本発明の目的は、モード移行時のオーバシュートを抑えることができる定着装置およびこれを用いた画像形成装置を提供することである。
本発明の定着装置は、熱によって画像を記録紙に定着させる回転可能な加熱手段と、前記加熱手段との間で記録紙を加圧搬送する加圧手段と、前記加熱手段が第一の回転速度で回転する一のモードから前記加熱手段が第二の回転速度で回転する他のモードへ移行するとき、前記加熱手段を前記第一の回転速度と前記第二の回転速度との間の第三の回転速度で所定時間回転させる回転速度制御手段と、を具備する構成を採る。
また、本発明の定着装置は、熱によって画像を記録紙に定着させる回転可能な加熱手段と、前記加熱手段との間で記録紙を加圧搬送する加圧手段と、前記加熱手段が第一の回転速度で回転する第一のモードと、前記加熱手段が前記第一の回転速度よりも低い第二の回転速度で回転する第二のモードと、前記加熱手段が前記第一の回転速度よりも低く前記第二の回転速度よりも高い第三の回転速度で回転する第三のモードとを切り替えて設定するモード切替手段と、前記モード切替手段によって前記第一のモードから前記第二のモードへ切り替えられるとき、前記加熱手段を前記第一の回転速度と前記第二の回転速度との間の所定の回転速度で所定時間回転させる回転速度制御手段と、を具備する構成を採る。
また、本発明の画像形成装置は、記録紙に画像を転写する画像転写装置と、前記画像転写手段によって記録紙に転写された画像を熱によって定着させる回転可能な加熱手段と、前記加熱手段との間で記録紙を加圧搬送する加圧手段と、前記加熱手段が第一の回転速度で回転する一のモードから前記加熱手段が第二の回転速度で回転する他のモードへ移行する場合、前記加熱手段を前記第一の回転速度と前記第二の回転速度との間の第三の回転速度で所定時間回転させる回転速度制御手段と、を備えた定着装置と、を具備する構成を採る。
本発明によれば、あるモードから加熱手段の回転速度の異なるモードへと切り替わるときに、直接に回転速度を変更するのではなく、中間の回転速度で加熱手段を所定時間回転させてから次のモードの回転速度へと移行させる。これにより、モードの移行に伴う加熱手段の温度のオーバシュートを抑えることができ、その後の印字時における画像乱れも防止することができる。このため、たとえば、カラー印字速度と、それより速いモノクロ印字速度と、OHPなどのカラー半速印字速度とを有する、または、待機時に加熱手段の回転速度を半速以下とする待機状態に移行する定着装置であっても、速度変更の際に加熱手段の温度の過大なオーバシュートを防ぐことができ、また、良好な画像を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一の構成または機能を有する構成要素および相当部分には、同一の符号を付し、その説明を省略する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る定着装置を用いた画像形成装置の構成を示す概略断面図である。この画像形成装置100は、タンデム方式の画像形成装置である。画像形成装置100において、カラー画像の発色に寄与する4色のトナー像が、4つの像担持体上に個別に形成され、中間転写体上に順次重ね合わせて一次転写された後、この一次転写像が、記録媒体に一括転写(二次転写)される。
図1は、本発明の実施の形態1に係る定着装置を用いた画像形成装置の構成を示す概略断面図である。この画像形成装置100は、タンデム方式の画像形成装置である。画像形成装置100において、カラー画像の発色に寄与する4色のトナー像が、4つの像担持体上に個別に形成され、中間転写体上に順次重ね合わせて一次転写された後、この一次転写像が、記録媒体に一括転写(二次転写)される。
また、図1において、画像形成装置100の各構成要素に付した符号の末尾の記号Y、M、C、Kは、どの色の画像の画像形成に関与する構成要素であるかを示している。Yはイエロー画像に対応し、Mはマゼンタ画像に対応し、Cはシアン画像に対応し、Kはブラック画像に対応している。また、同一符号の構成要素は、それぞれ共通した構成を有している。
画像形成装置100は、前記4つの像担持体としての感光体ドラム110Y、110M、110C、110Kと、中間転写ベルト(中間転写体)170とを有している。各感光体ドラム110Y、110M、110C、110Kの周囲には、4つの画像形成ステーションSY、SM、SC、SKが配設されている。画像形成ステーションSY、SM、SC、SKは、4つの帯電器120Y、120M、120C、120Kと、露光装置130と、4つの現像器140Y、140M、140C、140Kと、4つの転写器150Y、150M、150C、150Kと、4つのクリーニング装置160Y、160M、160C、160Kとにより構成されている。
図1において、各感光体ドラム110Y、110M、110C、110Kは、それぞれ矢印Cの方向に回転される。各感光体ドラム110Y、110M、110C、110Kの表面は、帯電器120Y、120M、120C、120Kによって、一様に所定の電位にそれぞれ帯電される。
帯電された各感光体ドラム110Y、110M、110C、110Kの表面には、露光装置130によって、それぞれ異なる特定色の画像データに対応したレーザビームの走査線130Y、130M、130C、130Kが照射される。これにより、各感光体ドラム110Y、110M、110C、110Kの表面に前記特定色ごとの静電潜像が形成される。
感光体ドラム110Y、110M、110C、110K上に形成された前記特定色ごとの静電潜像は、現像器140Y、140M、140C、140Kによって顕像化される。これにより、各感光体ドラム110Y、110M、110C、110K上に、カラー画像の発色に寄与する4色の未定着画像が形成される。
感光体ドラム110Y、110M、110C、110K上に顕像化された4色のトナー像は、転写器150Y、150M、150C、150Kによって、前記中間転写体としての無端状の中間転写ベルト170に一次転写される。これにより、感光体ドラム110Y、110M、110C、110K上に形成された4色のトナー像が順次重ね合わされ、中間転写ベルト170上にフルカラー画像が形成される。
クリーニング手段160Y、160M、160C、160Kは、各感光体ドラム110Y、110M、110C、110Kが中間転写ベルト170にトナー像を転写した後、各感光体ドラム110Y、110M、110C、110Kの表面に残っている残留トナーを除去する。
露光装置130は、感光体ドラム110Y、110M、110C、110Kに対して所定の傾きをもって配置されている。また、中間転写ベルト170は、駆動ローラ171と従動ローラ172とに懸架されており、駆動ローラ171の回転により、図1において矢印Aの方向へ回動される。
一方、画像形成装置100の下部には、記録媒体としての記録紙Pが収納された給紙カセット180が設けられている。記録紙Pは、給紙ローラ181によって給紙カセット180から1枚ずつ所定のシート経路に沿って矢印Bの方向に送り出される。
従動ローラ172に懸架された中間転写ベルト170の外周面と、中間転写ベルト170の外周面に接触する二次転写ローラ190は、転写ニップ部を形成している。前記シート経路に送り出された記録紙Pは、この転写ニップ部を通過する。二次転写ローラ190は、記録紙Pが前記転写ニップ部を通過する際に、中間転写ベルト170上に形成されたフルカラー画像(未定着画像)をこの記録紙Pに一括転写させる。
後に詳述する定着装置200の定着ローラ210および支持ローラとしての発熱ローラ220に懸架された定着ベルト230の外周面と、定着ベルト230の外周面に接触する加圧ローラ240は、定着ニップ部Nを形成している。記録紙Pは、前記転写ニップ部を通過した後、この定着ニップ部Nを通過する。これにより、記録紙Pには、前記転写ニップ部で一括転写された未定着のフルカラー画像が加熱定着される。
なお、画像形成装置100には、その筐体の一部を成す開閉自在のドア101が設けられている。このドア101の開閉により、定着装置200の交換やメンテナンス、前記用紙搬送路に詰まった記録紙Pのジャム処理などの保守作業を行うことができる。
次に、画像形成装置100に搭載されている定着装置200について説明する。図2は、本発明の実施の形態1に係る定着装置200の構成を示す概略断面図である。
定着装置200は、その熱供給手段として、電磁誘導加熱(induction heating:IH)方式を用いている。図2に示すように、定着装置200は、熱供給手段から供給された熱により画像を記録紙Pに定着させる回転可能な加熱手段として、定着ローラ210と、発熱ローラ220と、定着ベルト230とを備えている。また、定着装置200は、加圧手段としての加圧ローラ240と、熱供給手段としての誘導加熱装置250と、シート分離ガイド板としてのセパレータ260と、シート搬送経路形成部材としての4つのシートガイド板281、282、283、284とを備えている。
定着装置200は、誘導加熱装置250により生成した磁界の作用によって、発熱ローラ220および定着ベルト230を加熱する。定着装置200は、シートガイド板281、282、283、284に沿って搬送される記録紙P上の未定着画像を、加熱された定着ベルト230と加圧ローラ240との間の定着ニップ部Nで記録紙Pに加熱定着させる。
図2において、発熱ローラ220は、中空円筒状の磁性金属部材からなる回転体で構成されている。この磁性金属部材は、たとえば、鉄、コバルト、ニッケルまたはこれら金属の合金などの金属を素材としている。発熱ローラ220は、図示しない支持側板に固定されたベアリングによってその両端が回転可能に支持されており、図示しない駆動手段によって回転駆動される。また、発熱ローラ220は、外径が20mm、肉厚が0.3mmの熱容量が低く昇温が速い構成となっており、そのキュリー点が300℃以上となるように調整されている。
定着ローラ210は、たとえば、ステンレススチールなどの金属からなる芯金を、ソリッド状または発泡状の耐熱性を有するシリコーンゴムからなる弾性部材で被覆して構成されている。定着ローラ210は、その外径が30mm程度あり、発熱ローラ220の外径よりも大きく形成されている。前記弾性部材は、その肉厚を3〜8mm程度、硬度を15〜50°(Asker硬度:JIS Aの硬度では6〜25°)程度としている。
また、定着ローラ210には、加圧ローラ240が圧接している。この定着ローラ210と加圧ローラ240との圧接により、その圧接部に所定幅の定着ニップ部Nが形成される。
定着ベルト230は、耐熱性ベルトで構成されており、発熱ローラ220と定着ローラ210とに懸架されている。発熱ローラ220は、後述する誘導加熱装置250によって誘導加熱される。その誘導加熱された発熱ローラ220の熱は、定着ベルト230との接触部位で定着ベルト230に伝導する。さらに、定着ベルト230は回転するため、定着ベルト230は全周に亘って加熱される。
このような構成の定着装置200は、発熱ローラ220の熱容量が定着ローラ210の熱容量よりも小さい。したがって、発熱ローラ220の温度を短時間で上昇させることができ、その加熱定着開始時におけるウォームアップ時間が短縮される。
定着ベルト230の耐熱性ベルトは、発熱層、弾性層および離型層を備えた多層構造となっている。前記発熱層は、たとえば、鉄、コバルト、ニッケルなどの磁性を有する金属またはそれらを基材とする合金を素材としている。前記弾性層は、前記発熱層の表面を被覆するようにして設けられたシリコーンゴムまたはフッ素ゴムなどの弾性部材を素材としている。前記離型層は、PTFE(PolyTetraFluoroEthylene)、PFA(Tetra fluoro ethylene:テトラフルオロエチレン)、FEP(Polyfluoro ethylene propylene:四フッ化エチレン六フッ化プロピレン)、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどの離型性の高い樹脂もしくはゴムまたはこれらを混合したものを素材としている。
このような構成の定着ベルト230では、定着ベルト230と発熱ローラ220との間に何らかの原因で異物が混入してギャップが生じたとしても、その発熱層を誘導加熱装置250が誘導加熱することによって、定着ベルト自体を発熱させることができる。このように、定着ベルト230は、誘導加熱装置250によって直接に加熱されるため、その発熱効率が良くなり、またレスポンスが速くなる。すなわち、温度ムラが少なく加熱手段としての信頼性が高くなる。
ただし、加熱手段として、発熱層の存在しない定着ベルトを使用することも可能である。その場合加熱の信頼性は低くなるが、より汎用性の高いベルトを使用することができるため、コスト的に有利になる。このような定着ベルトとしては、たとえば、発熱層の代わりにポリイミドで構成されるベルト基材に上記弾性層および離型層を形成したものを適用することができる。
加圧ローラ240は、たとえば、銅またはアルミなどの熱伝導性の高い金属を素材とする円筒部材からなる芯金の表面に、耐熱性およびトナーに対する離型性の高い弾性部材を設けて構成されている。加圧ローラ240の芯金としては、これらの金属以外に、たとえば、SUS(Steel Use Stainless)(JIS日本工業規格)を使用してもよい。
加圧ローラ240は、上記のように、定着ベルト230を介して定着ローラ210に圧接することにより、記録紙Pを挟持して搬送する定着ニップ部Nを形成している。ここでは、加圧ローラ240の硬度を定着ローラ210の硬度よりも高くしている。これにより、定着ニップ部Nでは、加圧ローラ240の周面が定着ベルト230を介して定着ローラ210の周面に食い込むような状態となる。
このため、加圧ローラ240は、その外径は定着ローラ210と同じ30mm程度であるが、その肉厚は2〜5mm程度と定着ローラ210の肉厚よりも薄く構成されている。また、加圧ローラ240の硬度は、20〜60°(Asker硬度:JIS Aの硬度では6〜25°)程度と定着ローラ210よりも硬く構成されている。
このような構成の定着装置200においては、記録紙Pは、加圧ローラ240の周面の表面形状に沿うように定着ニップ部Nを搬送される。これにより、記録紙Pの加熱定着面が定着ベルト230の表面から離れやすくなるという効果がある。
なお、定着ニップ部Nの入口側近傍の定着ベルト230の内周面には、温度検出手段として、たとえば、サーミスタなどの熱応答性の高い感温素子からなる温度検出器270が配置されている。
誘導加熱装置250は、温度検出器270が検出した定着ベルト230の内周面の温度に基づいて、前記未定着画像を画像定着させる際の温度を所定の値に維持するように制御される。
次に、誘導加熱装置250の構成について説明する。誘導加熱装置250は、図2に示すように、定着ベルト230を介して発熱ローラ220の外周面に対向するように配置されている。誘導加熱装置250には、コイルガイド部材としての支持フレーム251が設けられている。この誘導加熱装置250は、難燃性の樹脂を素材としており、発熱ローラ220を覆うように湾曲形成されている。
支持フレーム251の中心部には、サーモスタット252が配設されている。サーモスタット252の温度検出部分の一部は、支持フレーム251から発熱ローラ220および定着ベルト230に向けて表出している。
支持フレーム251の外周面に巻回された磁界発生手段としての励磁コイル253は、図示しないインバータ回路に接続されている。サーモスタット252は、発熱ローラ220および定着ベルト230の温度が異常に高くなったことを検出したときに、この励磁コイル253とインバータ回路との接続を強制遮断する。
励磁コイル253は、表面が絶縁された長い一本の励磁コイル線材を支持フレーム251に沿って発熱ローラ220の軸方向に交互に巻き付けて構成されている。この励磁コイル253の巻回部分の発熱ローラ220の軸方向の長さは、定着ベルト230と発熱ローラ220とが接する領域とほぼ同じ長さとなっている。
励磁コイル253は、上記したインバータ回路に接続されており、このインバータ回路から10kHz〜1MHz(好ましくは、20kHz〜800kHz)の高周波交流電流を給電されることによって交番磁界を発生する。この交番磁界は、発熱ローラ220と定着ベルト230との接触領域およびその近傍において、発熱ローラ220および定着ベルト230の発熱層に作用する。この交番磁界の作用によって、発熱ローラ220および定着ベルト230の発熱層の内部に上記交番磁界の変化を妨げる方向の渦電流が流れる。
この渦電流は、発熱ローラ220および定着ベルト230の発熱層の抵抗に応じたジュール熱を発生させ、主として発熱ローラ220と定着ベルト230との接触領域およびその近傍において、発熱ローラ220および定着ベルト230を電磁誘導加熱する。
一方、支持フレーム251には、励磁コイル253を囲むようにして、アーチコア254およびサイドコア255が設けられている。これらのアーチコア254およびサイドコア255は、励磁コイル253のインダクタンスを増大させ、励磁コイル253と発熱ローラ220との電磁結合を良好な状態にする。
従って、この定着装置200においては、アーチコア254およびサイドコア255の作用により、同じコイル電流でも多くの電力を発熱ローラ220へ投入することが可能となる。これにより、発熱ローラ220および定着ベルト230のウォームアップ時間を短縮することができる。
また、支持フレーム251には、誘導加熱装置250の内部のアーチコア254およびサーモスタット252を覆うように屋根型に形成された樹脂製のハウジング256が取り付けられている。このハウジング256には、図示しない複数の放熱孔が形成されており、支持フレーム251や励磁コイル253、アーチコア254などの装置部から発生した熱を、外部に放出できるようになっている。なお、ハウジング256は、たとえば、アルミニウムなどの樹脂以外の素材で形成してもよい。
また、支持フレーム251には、ハウジング256に形成された放熱孔を塞がないような配置で、ハウジング256の外面を覆うショートリング257が取り付けられている。ショートリング257は、アーチコア254の背面に位置しており、アーチコア254の背面から外部に漏れ出るわずかな漏れ磁束を打ち消す方向に渦電流を発生させる。これにより、漏れ磁束の磁界を打ち消す方向に磁界が発生し、漏れ磁束による不要な輻射が防止される。
図3は、定着装置200の機能的構成を示すブロック図である。定着装置200は、主に、モード切替部301、発熱量制御部302、回転速度制御部303、目標温度格納部304、回転速度格納部305、およびタイマ306から構成される。モード切替部301は、画像形成装置100の動作のモードの設定および切り替えを行う。発熱量制御部302は、定着装置200の発熱量を制御する。回転速度制御部303は、発熱ローラ220および定着ベルト230の回転速度を制御する。目標温度格納部304は、画像形成装置100の動作のモードごとに定められた発熱ローラ220および定着ベルト230の各目標温度を予め格納している。回転速度格納部305は、画像形成装置100の動作のモードごとに定められた定着ベルト230の回転速度を予め格納している。タイマ306は、回転速度制御部303によって後述する回転速度制御処理で使用される。
定着装置200は、図示しないが、CPU(Central Processing Unit)と、制御プログラムを格納したROM(Read Only Memory)などの記憶媒体と、RAM(Random Access Memory)などの作業用メモリと、AD(Analog to Digital)コンバータなどの回路装置とを備えている。図3に示す各部の機能は、CPUが所定の制御プログラム実行することにより実現される。
まず、モード切替部301の機能について説明する。モード切替部301は、普通紙にモノクロ画像を印字するためのモノクロ普通紙印字モード(以下、適宜「モノクロ印字モード」または「普通紙印字モード」という)と、普通紙にカラー画像を印字するためのカラー普通紙印字モードと、印字は行わないが加熱手段をウォームアップしておくスタンバイモード(待機モード)を切り替えて設定する。この切り替えは、図示しないホスト装置(たとえば、ユーザ使用のパーソナルコンピュータ)からの印字動作開始の指示や、画像形成装置100に備えられた図示しないキースイッチの操作、図示しない排紙センサを使用した印字終了の検出などに基づいて行われる。
図1に示す画像形成装置100は、ホスト装置から印字モードを指定して印字動作開始を指示されると、図1および図2で説明した画像形成動作を開始する。このとき、モード切替部301は、画像形成装置100の各部がその指定された印字モードに対応する動作を行うように、各部を制御する。発熱量制御部302および回転速度制御部303に対しては、指定された印字モードをそれぞれに通知する。また、排紙センサにより印字終了が検出されると、画像形成装置100の各部の動作をスタンバイモードに移行させる。発熱量制御部302および回転速度制御部303に対しては、スタンバイモードへ移行する旨をそれぞれに通知する。
次に、本実施の形態1に係る定着装置200の発熱量制御部302の構成およびその機能について説明する。図4は、発熱量制御部302の機能的構成を示すブロック図である。
図4に示すように、発熱量制御部302は、主に、供給電力演算部311、電力設定部312、温度検出部313、電圧値検出部314、電流値検出部315、電力値演算部316、およびリミッタ制御部317から構成される。
図2に示す誘導加熱装置250は、既に説明したように、記録紙P上に二次転写された未定着のフルカラー画像を加熱定着させるために、発熱ローラ220および定着ベルト230を加熱する。供給電力演算部311は、この誘導加熱装置250に供給すべき電力値を演算する。
電力設定部312は、供給電力演算部311で算出された電力値を、励磁コイル253を駆動する上記したインバータ回路へ出力する。
この電力設定部312に設定された値(レジスタ値)に応じて、上記インバータ回路へ出力する電力値が制御される。この電力値の制御により、誘導加熱装置250による発熱量、つまり、記録紙Pに未定着画像を定着するための発熱ローラ220および定着ベルト230の温度が制御される。
誘導加熱装置250に供給する電力の値を演算するために必要な情報には、定着装置200の画像定着温度と、前記インバータ回路に実際に供給されている電力の値とがある。定着装置200の画像定着温度は、温度検出部313から得られる。また、前記インバータ回路に実際に供給されている電力の値は、電力値演算部316から得られる。
温度検出部313は、定着ニップ部Nの入口側近傍の定着ベルト230の内面側に当接して配置された温度検出器270からのアナログ出力をディジタルデータに変換し、供給電力演算部311に出力する。
図2に示す定着装置200には、図示しないが、上記インバータ回路への入力電圧を検出する電圧検出器と、上記インバータ回路への入力電流を検出する電流検出器が備えられている。電圧値検出部314は、電圧検出器の検出結果をディジタルデータに変換し、インバータ回路への入力電圧値を出力する。電流値検出部315は、電流検出器の検出結果をディジタルデータに変換し、インバータ回路への入力電流値を出力する。なお、電流値については励磁コイル253に流れる電流値を検出して制御に用いることも可能である。
電力値演算部316は、電圧値検出部314と電流値検出部315からのそれぞれの出力を乗算することによりインバータ回路への入力電力値を求める方法を採用している。
電圧値検出部314は、演算結果を供給電力演算部311に出力する。
供給電力演算部311は、モード切替部301からモードが通知されるたびに、目標温度格納部304を参照して該当する目標温度を取得する。そして、取得した目標温度に発熱ローラ220および定着ベルト230の温度が一致するように、定期的(ここでは、10msごと)に、温度検出部313からのデータおよび電力値演算部316からのデータを取得しながら電力設定部312に演算値(レジスタ値)を設定する。具体的には、供給電力演算部311は、レジスタ値を調整することによって、励磁コイル253から発生する磁束の強度を制御する。このように、供給電力演算部311が電力設定部312に演算値を設定することにより、記録紙Pに未定着画像を定着させるための発熱ローラ220および定着ベルト230の温度が制御される。
リミッタ制御部317は、電力設定部312に設定される電力の値を最終チェックする。すなわち、リミッタ制御部317は、予め定められたリミット値を越えた値が電力設定部312に設定されようとした時、または、電力値演算部316による演算結果が予め定められた値よりも大きい値であった場合に、電力設定部312に設定するデータを所定の規定値に変更する制御を行う。
より具体的には、リミッタ制御部317は、たとえば、リミット値がデータでAAHEX(HEXadecimal number:16進数)で、供給電力演算部311で演算された値がAAHEXよりも大きい場合に、電力設定部312に設定する値として目標電力の80%に相当する電力値を強制的に設定する。また、リミッタ制御部317は、電力値演算部311による演算結果が、たとえば、1150W(ワット)以上であった場合にも同様の処理を行う。
なお、実際には、前記電力値を設定する際には上限値および下限値で制限されているので、上記のようなリミット値に達することはないはずである。しかし、電流値や電圧値を取得するためのADコンバータのラインにノイズが発生してデータを誤検出した場合に備えて、このようなリミット制御を設けることが望ましい。
次に、回転速度制御部303の機能について説明するが、これに先立って、回転速度格納部305の格納内容について説明する。回転速度格納部305は、普通紙印字モードに対応して回転速度250mm/sを、カラー普通紙印字モードに対応して回転速度150mm/sを、スタンバイモードに対応して回転速度の100mm/sを、それぞれ格納している。以下、250mm/sを第一の回転速度といい、100mm/sを第二の回転速度という。さらに、回転速度格納部305は、第一の回転速度と第二の回転速度の中間の回転速度として、第三の回転速度170mm/sを格納している。
図5は、回転速度制御部303による回転速度制御処理の流れを表すフロー図である。回転速度制御部303は、モード切替部301からモードを通知され(S401:YES)、かつ、直前のモードが普通紙印字モードであってスタンバイモードが通知された場合(S402:YES)、発熱ローラ220および定着ベルト230の回転速度を第三の回転速度に変更する(S403)。そして、タイマ306による時間の測定をスタートさせ(S404)、測定時間が所定の時間に達すると(S405:YES)、発熱ローラ220および定着ベルト230の回転速度を通知されたモードの回転速度に変更する(S406)。この所定の時間には、たとえば、1秒が設定される。そして、たとえば、モードが固定されるなどして処理の終了が指示された場合には(S407:YES)、一連の処理を終了するが、特に処理の終了が指示されない場合には(S407:NO)、再びステップS401へ戻る。
一方、モード切替部301からモードが通知されたものの(S401:YES)、直前のモードが普通紙印字モードではなかった場合、または、通知されたモードがスタンバイモードではない場合には(S402:NO)、ステップS406へそのまま進み、第三の回転速度への変更を行うことなく直接に通知されたモードの回転速度への変更を行う。
なお、ステップS405でしきい値として使用される所定時間は、たとえば、第三の回転速度で回転させる時間長さを徐々に短くしながら実験やシミュレーションで発生するオーバシュートの大きさを測定し、オーバシュートの大きさが予め定められた許容値以下に収まるような時間長さを特定し、これを適用するようにすればよい。さらに、周囲温度を検出し、その検出結果に応じて所定時間を適切な値に調整するようにしてもよい。
図6は、実施の形態1に係る定着装置200による定着ベルト230の温度変化のシミュレーション結果を示す図である。ここでは、画像形成装置100のモードが普通紙印字モードに設定された状態で印字が行われ、その印字終了後にスタンバイモードへと移行する場合のシミュレーション結果を示す。
定着装置200では、スタンバイモードからの復帰後に最初の印字が可能となるまでの時間を短縮するために、スタンバイモード時に予熱を行っている。定着装置200は、上記のように、熱源に電磁誘導加熱を用いたコイル外包式ベルト定着装置であり、定着ベルト230および発熱ローラ220の一部を加熱し、それらが回転することにより定着ベルト230全体に熱を伝える構成となっている。この構成の場合、発熱ローラ220および定着ベルト230を停止させた状態で予熱を行うとベルトが部分的に高温になり破壊する可能性があるため、これらの装置部が回転している状態で予熱を行わなければならない。定着装置200の寿命などを考慮すると、発熱ローラ220および定着ベルト230を無駄に回転させることを避けることが望ましい。
このため、この定着装置200では、スタンバイモードにおける回転速度として、最も遅い回転速度が設定されている印字モードの回転速度を採用している。以降、定着ベルト230の回転速度を、定着ベルト230の外周部の移動速度で表すものとする。
上記のように、発熱ローラ220および定着ベルト230の回転速度は、モノクロ印字モードで250mm/sであり、スタンバイモードでは100mm/sである。
定着装置200では、上記のように、発熱ローラ220の熱を定着ベルト230に伝導させる。あるいは、電磁誘導加熱などにより定着ベルト230をある区域で加熱し定着ニップ部Nに熱を搬送する。そのため、印字モードの変更などにより回転速度が低速に変更になった瞬間、定着ベルト230が加熱される区域を通過する時間が増え、定着ベルト230に供給される単位時間あたりの熱量が増加する。その後、増加した熱量の測定によって、適切な加熱量に制御されるが、一時的に定着ベルト230の温度が大きくオーバシュートすることになる。
定着装置200は、モードが移行する際に、その前後での定着ベルト230の回転速度の比が0.5以下である場合には、その中間の回転速度で所定時間回転させる。最も早い第一の回転速度250mm/sから最も遅い第二の回転速度100mm/sへと移行するケースで、その比は0.5以下となる。したがって、普通紙モノクロ印字モードからスタンバイモードに移行する際、普通紙印字の後に、その中間の速度である第三の回転速度170mm/sで1秒間動作し、次に100mm/sに変更する。これにより、定着ベルト230の回転速度が低速に変更する際に、発熱ローラ220や定着ベルト230の温度に大きなオーバシュートが発生するのを抑えることが可能となる。
この場合、図6に示すように、定着ベルト230の温度曲線351では、オーバシュートがふた山になり、その普通紙印字モードおよびスタンバイモードでの目標温度に対する温度差をそれぞれ6℃程度に抑えることができた。
また、定着装置200のカラー普通紙印字モードの印刷速度は150mm/sである。モノクロ印字モードからカラー普通紙印字モードに移行する場合は、定着ベルト230の回転速度は250mm/sから150mm/sに変化するが、その速度比は0.5以下とはならない。したがって、この場合は、中間の速度を経ずに、回転速度を直接250mm/sから150mm/sに変更する。
以上説明したように、本実施の形態に係る定着装置200によれば、あるモードから加熱手段の回転速度が大幅に少なくなる他のモードへ切り替わるときに、加熱手段の回転速度を直接に変更するのではなく、中間の回転速度で回転させる区間を設けるようにしている。これにより、発熱ローラ220や定着ベルト230の温度に大きなオーバシュートが発生するのを抑えることができ、装置の信頼性を高めることができるとともに、超寿命化を図ることができる。
なお、実施の形態1では、定着装置200はタンデム方式の画像形成装置100に搭載されるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、あらゆる方式の画像形成装置に搭載可能であることはいうまでもない。また、加熱手段として定着ベルト230を使用する定着装置200を例として説明したが、これに限定されるものではなく、定着ベルト230を使用せず、定着ローラ210が発熱ローラ220を兼ねた構成としてもよい。すなわち、定着ローラ210により記録紙P上の未定着画像を直接加熱定着するように構成してもよい。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2に係る定着装置について説明する。以下、実施の形態1と同様の構成や動作を行う部分については説明を省略し、また同様の機能を有する要素については同じ番号を付与する。実施の形態2に係る定着装置は、実施の形態1の図1と同様の画像形成装置に適用されるものであり、その構成は、実施の形態1の図2と同様である。ただし、機能的構成については、実施の形態1に係る定着装置とは異なっている。
次に、本発明の実施の形態2に係る定着装置について説明する。以下、実施の形態1と同様の構成や動作を行う部分については説明を省略し、また同様の機能を有する要素については同じ番号を付与する。実施の形態2に係る定着装置は、実施の形態1の図1と同様の画像形成装置に適用されるものであり、その構成は、実施の形態1の図2と同様である。ただし、機能的構成については、実施の形態1に係る定着装置とは異なっている。
図7は、実施の形態2に係る定着装置の機能的構成を示すブロック図であり、実施の形態1の図3に対応するものである。この定着装置500は、実施の形態1と同様にモノクロ普通紙印字モード、カラー普通紙印字モード、およびスタンバイモードに加えて、さらにOHPシートに対する印字を行うためのカラー特殊紙印字モードを設定するモード切替部601を備えている。また、各印字モードでの印字速度は実施の形態1とは異なっていることから、実施の形態1の目標温度格納部304と回転速度格納部305とはそれぞれ格納内容が異なる目標温度格納部604および回転速度格納部605を備えている。さらに、実施の形態1の回転速度制御部303とは異なる処理を行う回転速度制御部603を備えている。
回転速度格納部605は、モノクロ印字モードに対応して回転速度170mm/sを、カラー普通紙印字モードに対応して回転速度105mm/sを、カラー特殊紙印字モードおよびスタンバイモードに対応して52.5mm/sを、それぞれ格納している。以下、170mm/sを第一の回転速度といい、52.5mm/sを第二の回転速度といい、105mm/sを第三の回転速度という。
また、目標温度格納部604は、たとえば、モノクロ印字モードに対応して目標温度170℃を、カラー普通紙印字モードに対応して目標温度175℃をそれぞれ格納している。また、スタンバイモードのときの目標温度は、ファーストプリントの時間を短縮するために、温度の高い方を基準としている。したがって、目標温度格納部604は、スタンバイモードに対応して、目標温度175℃を格納している。
図8は、回転速度制御部603による回転速度制御処理の流れを表すフロー図であり、図5に対応するものである。回転速度制御部603は、モード切替部601からモードを通知されると(S701:YES)、直前のモードの回転速度に対する通知されたモードの回転速度の比が所定値以下となるか否かを判別する(S702)。この所定値には、たとえば、0.5が設定される。
回転速度の比が所定値以下である場合には(S702:YES)、回転速度制御部603は、温度のオーバシュートが過大になるとして、発熱ローラ220および定着ベルト230の回転速度を、直前のモードの回転速度と通知されたモードの回転速度の間の回転速度に変更する(S703)。
そして、回転速度制御部303は、タイマ306による時間の測定をスタートさせ(S704)、測定時間が予め定められた所定の時間に達すると(S705:YES)、発熱ローラ220および定着ベルト230の回転速度を通知されたモードの回転速度へ変更する(S706)。この所定の時間には、たとえば、1秒が設定される。そして、処理の終了が指示された場合、たとえば、モードが固定されたような場合には(S707:YES)、一連の処理を終了するが、特に処理の終了が指示されない場合には(S707:NO)、再びステップS701へ戻る。なお、ステップS702での判別と、ステップS703およびステップS706での変更先の回転速度の決定は、回転速度格納部605を参照して行われる。
一方、直前のモードの回転速度に対する通知されたモードの回転速度の比が所定値以下ではない場合には(S702:NO)、ステップS706へそのまま進み、中間の回転速度への変更を行うことなく直接に通知されたモードの回転速度への変更を行う。
なお、ステップS702でしきい値として使用される所定値は、たとえば、変更前の回転速度と変更後の回転速度の様々な組み合わせパターンについて実験やシミュレーションで発生するオーバシュートの大きさを測定し、それぞれの速度比とオーバシュートの大きさとの関係を解析し、オーバシュートが予め定められた許容値以下に収まるような速度比を特定し、これを適用するようにすればよい。さらに、周囲温度を検出し、その検出結果に応じて所定値を適切な値に調整するようにしてもよい。また、ステップS702で、回転速度の比が所定値以下か否かを判別するのではなく、所定値よりも小さいか否かを判別するようにしてもよい。この場合には、所定値よりも小さい場合にはステップS703へ進み、小さくない場合にはステップS706へ進む。
また、ステップS705でしきい値として使用される所定時間は、たとえば、変更前の回転速度に対する変更後の回転速度の速度比との関係を実験やシミュレーションで解析し、その解析結果に基づいていずれの速度比についてもオーバシュートが許容範囲となる共通の値を適用してもよいし、速度比ごとにオーバシュートが許容範囲となる最小値を特定し、速度比ごとにその最小値を適用するようにしてもよい。さらに、周囲温度を検出し、その検出結果に応じて所定時間を適切な値に調整するようにしてもよい。
図9は、実施の形態2に係る定着装置500による定着ベルト230の温度変化のシミュレーション結果を示す説明図である。ここでは、画像形成装置100のモードがモノクロ印字モードに設定された状態で印字が行われ、その印字終了後にスタンバイモードへと移行する場合のシミュレーション結果を示す。
この場合、第一の回転速度170mm/sから第二の回転速度52.5mm/sに回転速度が低下する。このように第一の回転速度の絶対値が低くても、その速度比が0.5以下となる場合には、定着ベルト230の温度に大きなオーバシュートが発生する。そこで、モノクロ印字モードからスタンバイモードに移行する途中で、カラー普通紙印字モードの印字速度である第三の回転速度105mm/sで1秒回転させる。これにより、オーバシュートのピークを分散させることができ、オーバシュートを低減させることが可能となる。なお、第一の回転速度170mm/sから第三の回転速度105mm/sへの速度変更と、第三の回転速度105mm/sから第二の回転速度52.5mm/sへの速度変更は、中間の回転速度での回転を経ずに直接行われる。
さらに、モノクロ印字モードからスタンバイモードに移行する際には、定着温度も170℃から175℃へと設定変更される。ところが、このように目標温度を低い温度から高い温度に変更した際、一時的に誘導加熱装置250に供給される電力が増加し、定着ベルト230の温度がより大きくオーバシュートする。
そこで、この実施の形態2の定着装置200では、定着ベルト230の回転速度を170mm/sから105mm/sに変更する際に、先に目標温度が変更され、上記所定値に相当する時間経過後に回転速度が52.5mm/sに変更される。
この場合、図9に示すように、定着ベルト230の温度曲線351aでは、オーバシュートはふた山になり、そのスタンバイモードでの目標温度に対する温度差をそれぞれ7℃程度に抑えることができた。また、これにより、スタンバイモード時の目標温度への収束を素早く行うことができた。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3に係る定着装置について説明する。以下、実施の形態1と同様の構成や動作を行う部分については説明を省略し、また同様の機能を有する要素については同じ番号を付与する。実施の形態3に係る定着装置は、実施の形態1の図1と同様の画像形成装置に適用されるものである。
次に、本発明の実施の形態3に係る定着装置について説明する。以下、実施の形態1と同様の構成や動作を行う部分については説明を省略し、また同様の機能を有する要素については同じ番号を付与する。実施の形態3に係る定着装置は、実施の形態1の図1と同様の画像形成装置に適用されるものである。
図10は、本発明の実施の形態3に係る定着装置800の構成を示す概略断面図である。定着装置800は、ベルト構成ではなくローラ構成であるが、外部加熱電磁誘導加熱方式を採用している。具体的には、定着ローラ810は、実施の形態1の発熱ローラ220と同様に発熱層を有している。そして、その外周面を加圧ローラ240の外周面に接触させ、トナー290が転写された記録紙Pを挟持して搬送するニップ部Nを形成している。また、この定着ローラ810の外周面のうちニップ部Nから離れた位置には、実施の形態1と同様に励磁コイル253が対向配置されている。また、この励磁コイル253を囲むようにして、アーチコア254が配置されている。すなわち、定着ローラ810の一部分を急速加熱し、定着ローラ810を回転させることでその外周面全体を加熱する構成となっている。
この定着装置800では、定着ローラ810の一部を加熱する構成であり、温度検出器270が加熱部分の下流に位置していることから、加熱とその温度検知にタイムラグが生じる。したがって、定着ローラ810の回転速度が急に低下すると、定着ローラ810上の一部だけ急速に加熱されてしまい、異常に高温となる恐れがある。しかし、図5に示す制御内容を実行することにより、定着ローラ810の回転速度の変更時にその温度のオーバシュートを低減させることができ、図6と同等の温度変化のシミュレーション結果を得ることができた。
(比較例1)
次に、比較参考のために、実施の形態1で説明した定着装置において、中間の回転速度を用いない場合の温度変化のシミュレーション結果について、比較例1として説明を行う。
次に、比較参考のために、実施の形態1で説明した定着装置において、中間の回転速度を用いない場合の温度変化のシミュレーション結果について、比較例1として説明を行う。
この比較例1では、実施の形態1の第三の回転速度を用いず、定着ベルト230の回転速度を、普通紙印字モードの第一の回転速度250mm/sからスタンバイモードの第二の回転速度100mm/sに直接移行させた。図11は、このような比較例1による定着ベルト230の温度変化のシミュレーション結果を示す説明図である。モード移行の際、速度変更により定着ベルト230の温度曲線351bには大きなオーバシュートが発生し、その普通紙印字モードおよびスタンバイモードでの目標温度に対する温度差は約20℃であった。
(比較例2)
次に、比較参考のために、実施の形態2で説明した定着装置において、中間の回転速度を用いない場合の温度変化のシミュレーション結果について、比較例2として説明を行う。
次に、比較参考のために、実施の形態2で説明した定着装置において、中間の回転速度を用いない場合の温度変化のシミュレーション結果について、比較例2として説明を行う。
この比較例2では、実施の形態2の第三の回転速度を用いず、定着ベルト230の回転速度を、モノクロ印字モードの第一の回転速度170mm/sからスタンバイモードの第二の回転速度52.5mm/sに直接に移行させた。図12は、このような比較例2による定着ベルト230の温度変化のシミュレーション結果を示す説明図である。モード移行の際、回転速度変更と目標温度変更により定着ベルト230の温度曲線351cには大きなオーバシュートが発生し、そのスタンバイモードでの目標温度に対する温度差は約25℃であった。
その際、定着ベルト230の温度は200℃以上であるが、さらに、低温環境における温度補正が実施される場合、205℃以上となることがある。これにより、サーミスタのばらつきによっては高温エラーが発生し、定着装置が異常停止する恐れがある。本発明の実施の形態1〜3の各定着装置によれば、加熱手段の温度のオーバシュートを低減するだけでなく、従来の手法では発生し得るこれらの事態を防止することができる。
本明細書は、2005年3月10日出願の特願2005−066995に基づく。この内容はすべてここに含めておく。
本発明に係る定着装置は、加熱手段の温度のオーバシュートを小さくすることができるので、複写機やファクシミリ、プリンタなどの画像形成装置の定着装置として有用である。
本発明は、回転する加熱手段を用いて記録紙を加熱する定着装置に関し、特に電子写真方式または静電記録方式の複写機や複合機、ファクシミリ、プリンタなどの画像形成装置に好適な定着装置に関する。
電磁誘導加熱方式の加熱装置は、一般に、調理テーブルや電気釜などに使用されている。近年、このような電磁誘導加熱方式の加熱装置を複写機やファクシミリ、プリンタなどの画像形成装置における定着装置に適用することが盛んに検討されている。
電磁誘導加熱方式の加熱装置を用いた定着装置では、磁束発生手段が発生する磁束を発熱体の発熱層に透過させ、この磁束の透過により生じた渦電流によって発熱層を発熱させる。そして、この発熱により加熱された発熱体の熱で、コピー用紙またはOHP(OverHead Projector)シートなどの記録紙上に形成された未定着画像を、直接的または間接的に加熱定着させるようにしている。
具体的には、たとえば、定着ローラまたは定着ベルトなどからなる発熱体に導電体からなる発熱層を形成する。また、記録紙の通紙経路を挟んで発熱体と加圧ローラとを圧接させて配置し記録紙を挟持して搬送するニップ部を形成する。さらに、強磁性体からなるコアに励磁コイルを巻回して構成される磁束発生手段を配置する。ただし、その励磁コイルは、発熱体の発熱層に対向するように配置する。そして、励磁コイルに所定の周波数の交流電流を印加し、励磁コイルの周囲に磁束を発生させて磁界を形成し、この磁界の作用で生じた渦電流により発熱体の発熱層を発熱させる。この状態で、発熱体と加圧ローラとのニップ部に記録紙を送り込み、発熱層の発熱により加熱された発熱体の熱と加圧ローラの圧力とにより記録紙上の未定着画像を定着する。
このような電磁誘導加熱方式の加熱装置を用いた定着装置は、ハロゲンランプを熱源とする熱ローラ方式の定着装置と比較して、より発熱効率が高く、所定の定着温度に発熱するまでのウォームアップ時間を短くすることができるという利点を有している。
しかし、加熱力が強いため、特に低い熱容量の定着装置において装置を回転させずに加熱した場合に、局部的に温度上昇が起こり、部分的にローラやベルトが熱破壊してしまう恐れがある。そのため、電磁誘導加熱は定着装置の回転中のみに限られ、装置のスタンバイ中に発熱させる場合にはスタンバイ中にも低速で回転させるなどの対策が必要となる(たとえば、特許文献1参照)。
ところで、連続印字中に印字モードが変更されることがある。たとえば、普通紙の印字からOHPシートの印字に切り替えられる場合である。このような場合、OHP印字モードでは透過性を維持するため通常速度が半速になり、定着させる際の温度も普通紙印字モードにおける温度よりも高く設定されることが多い。したがって、このような印字モードの変更の際にそれぞれに起因する温度上昇が重なり、定着装置の温度が一時的に規定値を超えてしまう現象、つまり、オーバシュートの現象が生じることがある。
ハロゲンランプを用いた従来の定着装置では、上記の速度の変更と設定温度の変更が同時に行われていた。しかし、ハロゲンランプには熱応答の遅れが存在しており、この熱応答特性によって、結果的に加熱タイミングがずれることになっていた。すなわち、結果的に、回転速度の変更が終了して発熱ローラの温度が安定した後に、発熱ローラの温度上昇
が始まっていた。したがって、ハロゲンランプを用いた従来の定着装置では、オーバシュートは特に問題視されていなかった。
特開2002−082549号公報
が始まっていた。したがって、ハロゲンランプを用いた従来の定着装置では、オーバシュートは特に問題視されていなかった。
一方、電磁誘導加熱式の定着装置においては、熱応答の遅れはほとんど存在しない。このため、従来のハロゲンランプを用いた定着装置と同様に、速度の変更と設定温度の変更を同時に行った場合に、それぞれが原因の温度上昇が一度に発生することにより、オーバシュートの度合いが大きくなるものと想定される。
上記した従来の電磁誘導加熱方式の定着装置では、定着装置の寿命や騒音の観点から、スタンバイモード時に定着装置を通常の印字動作速度の半速で動作させている。したがって、普通紙印字が終了した後に次の印字が無くスタンバイモードに移行する場合には、通常速度の動作から半速の動作に移行することになる。
その場合、半速動作に移行した直後に加圧ローラに奪われる熱量が半減し、加熱手段の温度がオーバシュートする。特にベルト定着方式の場合、速度が半分になることによってベルトに供給される熱量が瞬間的に倍になり、急激な温度上昇を起こすことになる。また、電磁誘導加熱によってベルトを直接発熱させる場合も、電磁誘導加熱の励磁コイルを通過する時間が倍になることから、局所的にベルトの温度が高くなる現象が発生する。
通常、ベルト定着装置では加熱部と温度検知部に位置的なずれがあることが多い。また、加熱に電磁誘導加熱を用いた場合には、加熱部位に金属を配置すると加熱されてしまうため、電磁誘導加熱の磁界内に温度センサを置くことは困難である。そのため、加熱した温度を制御にフィードバックするのにタイムラグが生じる。これは速度を半速にすることにより顕著になるため、ベルトの温度上昇も大きくなる。以上の現象は、等速印字のベルト移動速度が200mm/s(ミリメートル毎秒)以上といった高い速度で、半速との速度差が大きい場合により顕著になる。
最近では、カラー等速印字速度の1.1〜2倍の速度でモノクロ印字することが行われている。その場合、モノクロ印字モードからカラー印字のスタンバイモードへ移行する場合、その速度は1/2〜1/4程度に急速に低下することになる。そのため、より大きなオーバシュートが発生する。
さらに、加熱の目標温度がモノクロ印字モード時の値からスタンバイモード時の値へ切り替わる際、一時的に加熱の出力が上昇する現象がある。これはモノクロ印字モード時の定着温度からスタンバイモード時の温度への移行がより高温への変更になる場合に顕著である。
モノクロ普通紙印字が終了した後にカラー印字のスタンバイモードに移行した場合、上記二つの現象が重なり合い、20℃以上オーバシュートする現象が見られた。
また、OHP用紙に印字する際は、上記のように、動作速度を落としたり設定温度を高くする。したがって、モノクロ印字からそのままカラーのOHP印字モードに移行する場合には、モード移行時のオーバシュートが25℃以上と過大になり、ベルトの寿命短縮やサーモスタットが切れたり高温エラーの発生が起こる可能性がある。
本発明の目的は、モード移行時のオーバシュートを抑えることができる定着装置およびこれを用いた画像形成装置を提供することである。
本発明の定着装置は、熱によって画像を記録紙に定着させる回転可能な加熱手段と、前記加熱手段との間で記録紙を加圧搬送する加圧手段と、前記加熱手段が第一の回転速度で回転する一のモードから前記加熱手段が第二の回転速度で回転する他のモードへ移行するとき、前記加熱手段を前記第一の回転速度と前記第二の回転速度との間の第三の回転速度で所定時間回転させる回転速度制御手段と、を具備する構成を採る。
また、本発明の定着装置は、熱によって画像を記録紙に定着させる回転可能な加熱手段と、前記加熱手段との間で記録紙を加圧搬送する加圧手段と、前記加熱手段が第一の回転速度で回転する第一のモードと、前記加熱手段が前記第一の回転速度よりも低い第二の回転速度で回転する第二のモードと、前記加熱手段が前記第一の回転速度よりも低く前記第二の回転速度よりも高い第三の回転速度で回転する第三のモードとを切り替えて設定するモード切替手段と、前記モード切替手段によって前記第一のモードから前記第二のモードへ切り替えられるとき、前記加熱手段を前記第一の回転速度と前記第二の回転速度との間の所定の回転速度で所定時間回転させる回転速度制御手段と、を具備する構成を採る。
また、本発明の画像形成装置は、記録紙に画像を転写する画像転写装置と、前記画像転写手段によって記録紙に転写された画像を熱によって定着させる回転可能な加熱手段と、前記加熱手段との間で記録紙を加圧搬送する加圧手段と、前記加熱手段が第一の回転速度で回転する一のモードから前記加熱手段が第二の回転速度で回転する他のモードへ移行する場合、前記加熱手段を前記第一の回転速度と前記第二の回転速度との間の第三の回転速度で所定時間回転させる回転速度制御手段と、を備えた定着装置と、を具備する構成を採る。
本発明によれば、あるモードから加熱手段の回転速度の異なるモードへと切り替わるときに、直接に回転速度を変更するのではなく、中間の回転速度で加熱手段を所定時間回転させてから次のモードの回転速度へと移行させる。これにより、モードの移行に伴う加熱手段の温度のオーバシュートを抑えることができ、その後の印字時における画像乱れも防止することができる。このため、たとえば、カラー印字速度と、それより速いモノクロ印字速度と、OHPなどのカラー半速印字速度とを有する、または、待機時に加熱手段の回転速度を半速以下とする待機状態に移行する定着装置であっても、速度変更の際に加熱手段の温度の過大なオーバシュートを防ぐことができ、また、良好な画像を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一の構成または機能を有する構成要素および相当部分には、同一の符号を付し、その説明を省略する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る定着装置を用いた画像形成装置の構成を示す概略断面図である。この画像形成装置100は、タンデム方式の画像形成装置である。画像形成装置100において、カラー画像の発色に寄与する4色のトナー像が、4つの像担持体上に個別に形成され、中間転写体上に順次重ね合わせて一次転写された後、この一次転写像が、記録媒体に一括転写(二次転写)される。
図1は、本発明の実施の形態1に係る定着装置を用いた画像形成装置の構成を示す概略断面図である。この画像形成装置100は、タンデム方式の画像形成装置である。画像形成装置100において、カラー画像の発色に寄与する4色のトナー像が、4つの像担持体上に個別に形成され、中間転写体上に順次重ね合わせて一次転写された後、この一次転写像が、記録媒体に一括転写(二次転写)される。
また、図1において、画像形成装置100の各構成要素に付した符号の末尾の記号Y、M、C、Kは、どの色の画像の画像形成に関与する構成要素であるかを示している。Yはイエロー画像に対応し、Mはマゼンタ画像に対応し、Cはシアン画像に対応し、Kはブラック画像に対応している。また、同一符号の構成要素は、それぞれ共通した構成を有している。
画像形成装置100は、前記4つの像担持体としての感光体ドラム110Y、110M、110C、110Kと、中間転写ベルト(中間転写体)170とを有している。各感光体ドラム110Y、110M、110C、110Kの周囲には、4つの画像形成ステーションSY、SM、SC、SKが配設されている。画像形成ステーションSY、SM、SC、SKは、4つの帯電器120Y、120M、120C、120Kと、露光装置130と、4つの現像器140Y、140M、140C、140Kと、4つの転写器150Y、150M、150C、150Kと、4つのクリーニング装置160Y、160M、160C、160Kとにより構成されている。
図1において、各感光体ドラム110Y、110M、110C、110Kは、それぞれ矢印Cの方向に回転される。各感光体ドラム110Y、110M、110C、110Kの表面は、帯電器120Y、120M、120C、120Kによって、一様に所定の電位にそれぞれ帯電される。
帯電された各感光体ドラム110Y、110M、110C、110Kの表面には、露光装置130によって、それぞれ異なる特定色の画像データに対応したレーザビームの走査線130Y、130M、130C、130Kが照射される。これにより、各感光体ドラム110Y、110M、110C、110Kの表面に前記特定色ごとの静電潜像が形成される。
感光体ドラム110Y、110M、110C、110K上に形成された前記特定色ごとの静電潜像は、現像器140Y、140M、140C、140Kによって顕像化される。これにより、各感光体ドラム110Y、110M、110C、110K上に、カラー画像の発色に寄与する4色の未定着画像が形成される。
感光体ドラム110Y、110M、110C、110K上に顕像化された4色のトナー像は、転写器150Y、150M、150C、150Kによって、前記中間転写体としての無端状の中間転写ベルト170に一次転写される。これにより、感光体ドラム110Y、110M、110C、110K上に形成された4色のトナー像が順次重ね合わされ、中間転写ベルト170上にフルカラー画像が形成される。
クリーニング手段160Y、160M、160C、160Kは、各感光体ドラム110Y、110M、110C、110Kが中間転写ベルト170にトナー像を転写した後、各感光体ドラム110Y、110M、110C、110Kの表面に残っている残留トナーを除去する。
露光装置130は、感光体ドラム110Y、110M、110C、110Kに対して所定の傾きをもって配置されている。また、中間転写ベルト170は、駆動ローラ171と従動ローラ172とに懸架されており、駆動ローラ171の回転により、図1において矢印Aの方向へ回動される。
一方、画像形成装置100の下部には、記録媒体としての記録紙Pが収納された給紙カセット180が設けられている。記録紙Pは、給紙ローラ181によって給紙カセット180から1枚ずつ所定のシート経路に沿って矢印Bの方向に送り出される。
従動ローラ172に懸架された中間転写ベルト170の外周面と、中間転写ベルト170の外周面に接触する二次転写ローラ190は、転写ニップ部を形成している。前記シート経路に送り出された記録紙Pは、この転写ニップ部を通過する。二次転写ローラ190は、記録紙Pが前記転写ニップ部を通過する際に、中間転写ベルト170上に形成されたフルカラー画像(未定着画像)をこの記録紙Pに一括転写させる。
後に詳述する定着装置200の定着ローラ210および支持ローラとしての発熱ローラ220に懸架された定着ベルト230の外周面と、定着ベルト230の外周面に接触する加圧ローラ240は、定着ニップ部Nを形成している。記録紙Pは、前記転写ニップ部を通過した後、この定着ニップ部Nを通過する。これにより、記録紙Pには、前記転写ニップ部で一括転写された未定着のフルカラー画像が加熱定着される。
なお、画像形成装置100には、その筐体の一部を成す開閉自在のドア101が設けられている。このドア101の開閉により、定着装置200の交換やメンテナンス、前記用紙搬送路に詰まった記録紙Pのジャム処理などの保守作業を行うことができる。
次に、画像形成装置100に搭載されている定着装置200について説明する。図2は、本発明の実施の形態1に係る定着装置200の構成を示す概略断面図である。
定着装置200は、その熱供給手段として、電磁誘導加熱(induction heating:IH)方式を用いている。図2に示すように、定着装置200は、熱供給手段から供給された熱により画像を記録紙Pに定着させる回転可能な加熱手段として、定着ローラ210と、発熱ローラ220と、定着ベルト230とを備えている。また、定着装置200は、加圧手段としての加圧ローラ240と、熱供給手段としての誘導加熱装置250と、シート分離ガイド板としてのセパレータ260と、シート搬送経路形成部材としての4つのシートガイド板281、282、283、284とを備えている。
定着装置200は、誘導加熱装置250により生成した磁界の作用によって、発熱ローラ220および定着ベルト230を加熱する。定着装置200は、シートガイド板281、282、283、284に沿って搬送される記録紙P上の未定着画像を、加熱された定
着ベルト230と加圧ローラ240との間の定着ニップ部Nで記録紙Pに加熱定着させる。
着ベルト230と加圧ローラ240との間の定着ニップ部Nで記録紙Pに加熱定着させる。
図2において、発熱ローラ220は、中空円筒状の磁性金属部材からなる回転体で構成されている。この磁性金属部材は、たとえば、鉄、コバルト、ニッケルまたはこれら金属の合金などの金属を素材としている。発熱ローラ220は、図示しない支持側板に固定されたベアリングによってその両端が回転可能に支持されており、図示しない駆動手段によって回転駆動される。また、発熱ローラ220は、外径が20mm、肉厚が0.3mmの熱容量が低く昇温が速い構成となっており、そのキュリー点が300℃以上となるように調整されている。
定着ローラ210は、たとえば、ステンレススチールなどの金属からなる芯金を、ソリッド状または発泡状の耐熱性を有するシリコーンゴムからなる弾性部材で被覆して構成されている。定着ローラ210は、その外径が30mm程度あり、発熱ローラ220の外径よりも大きく形成されている。前記弾性部材は、その肉厚を3〜8mm程度、硬度を15〜50°(Asker硬度:JIS Aの硬度では6〜25°)程度としている。
また、定着ローラ210には、加圧ローラ240が圧接している。この定着ローラ210と加圧ローラ240との圧接により、その圧接部に所定幅の定着ニップ部Nが形成される。
定着ベルト230は、耐熱性ベルトで構成されており、発熱ローラ220と定着ローラ210とに懸架されている。発熱ローラ220は、後述する誘導加熱装置250によって誘導加熱される。その誘導加熱された発熱ローラ220の熱は、定着ベルト230との接触部位で定着ベルト230に伝導する。さらに、定着ベルト230は回転するため、定着ベルト230は全周に亘って加熱される。
このような構成の定着装置200は、発熱ローラ220の熱容量が定着ローラ210の熱容量よりも小さい。したがって、発熱ローラ220の温度を短時間で上昇させることができ、その加熱定着開始時におけるウォームアップ時間が短縮される。
定着ベルト230の耐熱性ベルトは、発熱層、弾性層および離型層を備えた多層構造となっている。前記発熱層は、たとえば、鉄、コバルト、ニッケルなどの磁性を有する金属またはそれらを基材とする合金を素材としている。前記弾性層は、前記発熱層の表面を被覆するようにして設けられたシリコーンゴムまたはフッ素ゴムなどの弾性部材を素材としている。前記離型層は、PTFE(PolyTetraFluoroEthylene)、PFA(Tetra fluoro ethylene:テトラフルオロエチレン)、FEP(Polyfluoro ethylene propylene:四フッ化エチレン六フッ化プロピレン)、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどの離型性の高い樹脂もしくはゴムまたはこれらを混合したものを素材としている。
このような構成の定着ベルト230では、定着ベルト230と発熱ローラ220との間に何らかの原因で異物が混入してギャップが生じたとしても、その発熱層を誘導加熱装置250が誘導加熱することによって、定着ベルト自体を発熱させることができる。このように、定着ベルト230は、誘導加熱装置250によって直接に加熱されるため、その発熱効率が良くなり、またレスポンスが速くなる。すなわち、温度ムラが少なく加熱手段としての信頼性が高くなる。
ただし、加熱手段として、発熱層の存在しない定着ベルトを使用することも可能である。その場合加熱の信頼性は低くなるが、より汎用性の高いベルトを使用することができるため、コスト的に有利になる。このような定着ベルトとしては、たとえば、発熱層の代わ
りにポリイミドで構成されるベルト基材に上記弾性層および離型層を形成したものを適用することができる。
りにポリイミドで構成されるベルト基材に上記弾性層および離型層を形成したものを適用することができる。
加圧ローラ240は、たとえば、銅またはアルミなどの熱伝導性の高い金属を素材とする円筒部材からなる芯金の表面に、耐熱性およびトナーに対する離型性の高い弾性部材を設けて構成されている。加圧ローラ240の芯金としては、これらの金属以外に、たとえば、SUS(Steel Use Stainless)(JIS日本工業規格)を使用してもよい。
加圧ローラ240は、上記のように、定着ベルト230を介して定着ローラ210に圧接することにより、記録紙Pを挟持して搬送する定着ニップ部Nを形成している。ここでは、加圧ローラ240の硬度を定着ローラ210の硬度よりも高くしている。これにより、定着ニップ部Nでは、加圧ローラ240の周面が定着ベルト230を介して定着ローラ210の周面に食い込むような状態となる。
このため、加圧ローラ240は、その外径は定着ローラ210と同じ30mm程度であるが、その肉厚は2〜5mm程度と定着ローラ210の肉厚よりも薄く構成されている。また、加圧ローラ240の硬度は、20〜60°(Asker硬度:JIS Aの硬度では6〜25°)程度と定着ローラ210よりも硬く構成されている。
このような構成の定着装置200においては、記録紙Pは、加圧ローラ240の周面の表面形状に沿うように定着ニップ部Nを搬送される。これにより、記録紙Pの加熱定着面が定着ベルト230の表面から離れやすくなるという効果がある。
なお、定着ニップ部Nの入口側近傍の定着ベルト230の内周面には、温度検出手段として、たとえば、サーミスタなどの熱応答性の高い感温素子からなる温度検出器270が配置されている。
誘導加熱装置250は、温度検出器270が検出した定着ベルト230の内周面の温度に基づいて、前記未定着画像を画像定着させる際の温度を所定の値に維持するように制御される。
次に、誘導加熱装置250の構成について説明する。誘導加熱装置250は、図2に示すように、定着ベルト230を介して発熱ローラ220の外周面に対向するように配置されている。誘導加熱装置250には、コイルガイド部材としての支持フレーム251が設けられている。この誘導加熱装置250は、難燃性の樹脂を素材としており、発熱ローラ220を覆うように湾曲形成されている。
支持フレーム251の中心部には、サーモスタット252が配設されている。サーモスタット252の温度検出部分の一部は、支持フレーム251から発熱ローラ220および定着ベルト230に向けて表出している。
支持フレーム251の外周面に巻回された磁界発生手段としての励磁コイル253は、図示しないインバータ回路に接続されている。サーモスタット252は、発熱ローラ220および定着ベルト230の温度が異常に高くなったことを検出したときに、この励磁コイル253とインバータ回路との接続を強制遮断する。
励磁コイル253は、表面が絶縁された長い一本の励磁コイル線材を支持フレーム251に沿って発熱ローラ220の軸方向に交互に巻き付けて構成されている。この励磁コイル253の巻回部分の発熱ローラ220の軸方向の長さは、定着ベルト230と発熱ローラ220とが接する領域とほぼ同じ長さとなっている。
励磁コイル253は、上記したインバータ回路に接続されており、このインバータ回路から10kHz〜1MHz(好ましくは、20kHz〜800kHz)の高周波交流電流を給電されることによって交番磁界を発生する。この交番磁界は、発熱ローラ220と定着ベルト230との接触領域およびその近傍において、発熱ローラ220および定着ベルト230の発熱層に作用する。この交番磁界の作用によって、発熱ローラ220および定着ベルト230の発熱層の内部に上記交番磁界の変化を妨げる方向の渦電流が流れる。
この渦電流は、発熱ローラ220および定着ベルト230の発熱層の抵抗に応じたジュール熱を発生させ、主として発熱ローラ220と定着ベルト230との接触領域およびその近傍において、発熱ローラ220および定着ベルト230を電磁誘導加熱する。
一方、支持フレーム251には、励磁コイル253を囲むようにして、アーチコア254およびサイドコア255が設けられている。これらのアーチコア254およびサイドコア255は、励磁コイル253のインダクタンスを増大させ、励磁コイル253と発熱ローラ220との電磁結合を良好な状態にする。
従って、この定着装置200においては、アーチコア254およびサイドコア255の作用により、同じコイル電流でも多くの電力を発熱ローラ220へ投入することが可能となる。これにより、発熱ローラ220および定着ベルト230のウォームアップ時間を短縮することができる。
また、支持フレーム251には、誘導加熱装置250の内部のアーチコア254およびサーモスタット252を覆うように屋根型に形成された樹脂製のハウジング256が取り付けられている。このハウジング256には、図示しない複数の放熱孔が形成されており、支持フレーム251や励磁コイル253、アーチコア254などの装置部から発生した熱を、外部に放出できるようになっている。なお、ハウジング256は、たとえば、アルミニウムなどの樹脂以外の素材で形成してもよい。
また、支持フレーム251には、ハウジング256に形成された放熱孔を塞がないような配置で、ハウジング256の外面を覆うショートリング257が取り付けられている。ショートリング257は、アーチコア254の背面に位置しており、アーチコア254の背面から外部に漏れ出るわずかな漏れ磁束を打ち消す方向に渦電流を発生させる。これにより、漏れ磁束の磁界を打ち消す方向に磁界が発生し、漏れ磁束による不要な輻射が防止される。
図3は、定着装置200の機能的構成を示すブロック図である。定着装置200は、主に、モード切替部301、発熱量制御部302、回転速度制御部303、目標温度格納部304、回転速度格納部305、およびタイマ306から構成される。モード切替部301は、画像形成装置100の動作のモードの設定および切り替えを行う。発熱量制御部302は、定着装置200の発熱量を制御する。回転速度制御部303は、発熱ローラ220および定着ベルト230の回転速度を制御する。目標温度格納部304は、画像形成装置100の動作のモードごとに定められた発熱ローラ220および定着ベルト230の各目標温度を予め格納している。回転速度格納部305は、画像形成装置100の動作のモードごとに定められた定着ベルト230の回転速度を予め格納している。タイマ306は、回転速度制御部303によって後述する回転速度制御処理で使用される。
定着装置200は、図示しないが、CPU(Central Processing Unit)と、制御プログラムを格納したROM(Read Only Memory)などの記憶媒体と、RAM(Random Access Memory)などの作業用メモリと、AD(Analog to Digital)コンバータなどの回路装
置とを備えている。図3に示す各部の機能は、CPUが所定の制御プログラム実行することにより実現される。
置とを備えている。図3に示す各部の機能は、CPUが所定の制御プログラム実行することにより実現される。
まず、モード切替部301の機能について説明する。モード切替部301は、普通紙にモノクロ画像を印字するためのモノクロ普通紙印字モード(以下、適宜「モノクロ印字モード」または「普通紙印字モード」という)と、普通紙にカラー画像を印字するためのカラー普通紙印字モードと、印字は行わないが加熱手段をウォームアップしておくスタンバイモード(待機モード)を切り替えて設定する。この切り替えは、図示しないホスト装置(たとえば、ユーザ使用のパーソナルコンピュータ)からの印字動作開始の指示や、画像形成装置100に備えられた図示しないキースイッチの操作、図示しない排紙センサを使用した印字終了の検出などに基づいて行われる。
図1に示す画像形成装置100は、ホスト装置から印字モードを指定して印字動作開始を指示されると、図1および図2で説明した画像形成動作を開始する。このとき、モード切替部301は、画像形成装置100の各部がその指定された印字モードに対応する動作を行うように、各部を制御する。発熱量制御部302および回転速度制御部303に対しては、指定された印字モードをそれぞれに通知する。また、排紙センサにより印字終了が検出されると、画像形成装置100の各部の動作をスタンバイモードに移行させる。発熱量制御部302および回転速度制御部303に対しては、スタンバイモードへ移行する旨をそれぞれに通知する。
次に、本実施の形態1に係る定着装置200の発熱量制御部302の構成およびその機能について説明する。図4は、発熱量制御部302の機能的構成を示すブロック図である。
図4に示すように、発熱量制御部302は、主に、供給電力演算部311、電力設定部312、温度検出部313、電圧値検出部314、電流値検出部315、電力値演算部316、およびリミッタ制御部317から構成される。
図2に示す誘導加熱装置250は、既に説明したように、記録紙P上に二次転写された未定着のフルカラー画像を加熱定着させるために、発熱ローラ220および定着ベルト230を加熱する。供給電力演算部311は、この誘導加熱装置250に供給すべき電力値を演算する。
電力設定部312は、供給電力演算部311で算出された電力値を、励磁コイル253を駆動する上記したインバータ回路へ出力する。
この電力設定部312に設定された値(レジスタ値)に応じて、上記インバータ回路へ出力する電力値が制御される。この電力値の制御により、誘導加熱装置250による発熱量、つまり、記録紙Pに未定着画像を定着するための発熱ローラ220および定着ベルト230の温度が制御される。
誘導加熱装置250に供給する電力の値を演算するために必要な情報には、定着装置200の画像定着温度と、前記インバータ回路に実際に供給されている電力の値とがある。定着装置200の画像定着温度は、温度検出部313から得られる。また、前記インバータ回路に実際に供給されている電力の値は、電力値演算部316から得られる。
温度検出部313は、定着ニップ部Nの入口側近傍の定着ベルト230の内面側に当接して配置された温度検出器270からのアナログ出力をディジタルデータに変換し、供給電力演算部311に出力する。
図2に示す定着装置200には、図示しないが、上記インバータ回路への入力電圧を検出する電圧検出器と、上記インバータ回路への入力電流を検出する電流検出器が備えられている。電圧値検出部314は、電圧検出器の検出結果をディジタルデータに変換し、インバータ回路への入力電圧値を出力する。電流値検出部315は、電流検出器の検出結果をディジタルデータに変換し、インバータ回路への入力電流値を出力する。なお、電流値については励磁コイル253に流れる電流値を検出して制御に用いることも可能である。
電力値演算部316は、電圧値検出部314と電流値検出部315からのそれぞれの出力を乗算することによりインバータ回路への入力電力値を求める方法を採用している。
電圧値検出部314は、演算結果を供給電力演算部311に出力する。
供給電力演算部311は、モード切替部301からモードが通知されるたびに、目標温度格納部304を参照して該当する目標温度を取得する。そして、取得した目標温度に発熱ローラ220および定着ベルト230の温度が一致するように、定期的(ここでは、10msごと)に、温度検出部313からのデータおよび電力値演算部316からのデータを取得しながら電力設定部312に演算値(レジスタ値)を設定する。具体的には、供給電力演算部311は、レジスタ値を調整することによって、励磁コイル253から発生する磁束の強度を制御する。このように、供給電力演算部311が電力設定部312に演算値を設定することにより、記録紙Pに未定着画像を定着させるための発熱ローラ220および定着ベルト230の温度が制御される。
リミッタ制御部317は、電力設定部312に設定される電力の値を最終チェックする。すなわち、リミッタ制御部317は、予め定められたリミット値を越えた値が電力設定部312に設定されようとした時、または、電力値演算部316による演算結果が予め定められた値よりも大きい値であった場合に、電力設定部312に設定するデータを所定の規定値に変更する制御を行う。
より具体的には、リミッタ制御部317は、たとえば、リミット値がデータでAAHEX(HEXadecimal number:16進数)で、供給電力演算部311で演算された値がAAHEXよりも大きい場合に、電力設定部312に設定する値として目標電力の80%に相当する電力値を強制的に設定する。また、リミッタ制御部317は、電力値演算部311による演算結果が、たとえば、1150W(ワット)以上であった場合にも同様の処理を行う。
なお、実際には、前記電力値を設定する際には上限値および下限値で制限されているので、上記のようなリミット値に達することはないはずである。しかし、電流値や電圧値を取得するためのADコンバータのラインにノイズが発生してデータを誤検出した場合に備えて、このようなリミット制御を設けることが望ましい。
次に、回転速度制御部303の機能について説明するが、これに先立って、回転速度格納部305の格納内容について説明する。回転速度格納部305は、普通紙印字モードに対応して回転速度250mm/sを、カラー普通紙印字モードに対応して回転速度150mm/sを、スタンバイモードに対応して回転速度の100mm/sを、それぞれ格納している。以下、250mm/sを第一の回転速度といい、100mm/sを第二の回転速度という。さらに、回転速度格納部305は、第一の回転速度と第二の回転速度の中間の回転速度として、第三の回転速度170mm/sを格納している。
図5は、回転速度制御部303による回転速度制御処理の流れを表すフロー図である。
回転速度制御部303は、モード切替部301からモードを通知され(S401:YES)、かつ、直前のモードが普通紙印字モードであってスタンバイモードが通知された場合(S402:YES)、発熱ローラ220および定着ベルト230の回転速度を第三の回転速度に変更する(S403)。そして、タイマ306による時間の測定をスタートさせ(S404)、測定時間が所定の時間に達すると(S405:YES)、発熱ローラ220および定着ベルト230の回転速度を通知されたモードの回転速度に変更する(S406)。この所定の時間には、たとえば、1秒が設定される。そして、たとえば、モードが固定されるなどして処理の終了が指示された場合には(S407:YES)、一連の処理を終了するが、特に処理の終了が指示されない場合には(S407:NO)、再びステップS401へ戻る。
回転速度制御部303は、モード切替部301からモードを通知され(S401:YES)、かつ、直前のモードが普通紙印字モードであってスタンバイモードが通知された場合(S402:YES)、発熱ローラ220および定着ベルト230の回転速度を第三の回転速度に変更する(S403)。そして、タイマ306による時間の測定をスタートさせ(S404)、測定時間が所定の時間に達すると(S405:YES)、発熱ローラ220および定着ベルト230の回転速度を通知されたモードの回転速度に変更する(S406)。この所定の時間には、たとえば、1秒が設定される。そして、たとえば、モードが固定されるなどして処理の終了が指示された場合には(S407:YES)、一連の処理を終了するが、特に処理の終了が指示されない場合には(S407:NO)、再びステップS401へ戻る。
一方、モード切替部301からモードが通知されたものの(S401:YES)、直前のモードが普通紙印字モードではなかった場合、または、通知されたモードがスタンバイモードではない場合には(S402:NO)、ステップS406へそのまま進み、第三の回転速度への変更を行うことなく直接に通知されたモードの回転速度への変更を行う。
なお、ステップS405でしきい値として使用される所定時間は、たとえば、第三の回転速度で回転させる時間長さを徐々に短くしながら実験やシミュレーションで発生するオーバシュートの大きさを測定し、オーバシュートの大きさが予め定められた許容値以下に収まるような時間長さを特定し、これを適用するようにすればよい。さらに、周囲温度を検出し、その検出結果に応じて所定時間を適切な値に調整するようにしてもよい。
図6は、実施の形態1に係る定着装置200による定着ベルト230の温度変化のシミュレーション結果を示す図である。ここでは、画像形成装置100のモードが普通紙印字モードに設定された状態で印字が行われ、その印字終了後にスタンバイモードへと移行する場合のシミュレーション結果を示す。
定着装置200では、スタンバイモードからの復帰後に最初の印字が可能となるまでの時間を短縮するために、スタンバイモード時に予熱を行っている。定着装置200は、上記のように、熱源に電磁誘導加熱を用いたコイル外包式ベルト定着装置であり、定着ベルト230および発熱ローラ220の一部を加熱し、それらが回転することにより定着ベルト230全体に熱を伝える構成となっている。この構成の場合、発熱ローラ220および定着ベルト230を停止させた状態で予熱を行うとベルトが部分的に高温になり破壊する可能性があるため、これらの装置部が回転している状態で予熱を行わなければならない。定着装置200の寿命などを考慮すると、発熱ローラ220および定着ベルト230を無駄に回転させることを避けることが望ましい。
このため、この定着装置200では、スタンバイモードにおける回転速度として、最も遅い回転速度が設定されている印字モードの回転速度を採用している。以降、定着ベルト230の回転速度を、定着ベルト230の外周部の移動速度で表すものとする。
上記のように、発熱ローラ220および定着ベルト230の回転速度は、モノクロ印字モードで250mm/sであり、スタンバイモードでは100mm/sである。
定着装置200では、上記のように、発熱ローラ220の熱を定着ベルト230に伝導させる。あるいは、電磁誘導加熱などにより定着ベルト230をある区域で加熱し定着ニップ部Nに熱を搬送する。そのため、印字モードの変更などにより回転速度が低速に変更になった瞬間、定着ベルト230が加熱される区域を通過する時間が増え、定着ベルト230に供給される単位時間あたりの熱量が増加する。その後、増加した熱量の測定によって、適切な加熱量に制御されるが、一時的に定着ベルト230の温度が大きくオーバシュ
ートすることになる。
ートすることになる。
定着装置200は、モードが移行する際に、その前後での定着ベルト230の回転速度の比が0.5以下である場合には、その中間の回転速度で所定時間回転させる。最も早い第一の回転速度250mm/sから最も遅い第二の回転速度100mm/sへと移行するケースで、その比は0.5以下となる。したがって、普通紙モノクロ印字モードからスタンバイモードに移行する際、普通紙印字の後に、その中間の速度である第三の回転速度170mm/sで1秒間動作し、次に100mm/sに変更する。これにより、定着ベルト230の回転速度が低速に変更する際に、発熱ローラ220や定着ベルト230の温度に大きなオーバシュートが発生するのを抑えることが可能となる。
この場合、図6に示すように、定着ベルト230の温度曲線351では、オーバシュートがふた山になり、その普通紙印字モードおよびスタンバイモードでの目標温度に対する温度差をそれぞれ6℃程度に抑えることができた。
また、定着装置200のカラー普通紙印字モードの印刷速度は150mm/sである。モノクロ印字モードからカラー普通紙印字モードに移行する場合は、定着ベルト230の回転速度は250mm/sから150mm/sに変化するが、その速度比は0.5以下とはならない。したがって、この場合は、中間の速度を経ずに、回転速度を直接250mm/sから150mm/sに変更する。
以上説明したように、本実施の形態に係る定着装置200によれば、あるモードから加熱手段の回転速度が大幅に少なくなる他のモードへ切り替わるときに、加熱手段の回転速度を直接に変更するのではなく、中間の回転速度で回転させる区間を設けるようにしている。これにより、発熱ローラ220や定着ベルト230の温度に大きなオーバシュートが発生するのを抑えることができ、装置の信頼性を高めることができるとともに、超寿命化を図ることができる。
なお、実施の形態1では、定着装置200はタンデム方式の画像形成装置100に搭載されるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、あらゆる方式の画像形成装置に搭載可能であることはいうまでもない。また、加熱手段として定着ベルト230を使用する定着装置200を例として説明したが、これに限定されるものではなく、定着ベルト230を使用せず、定着ローラ210が発熱ローラ220を兼ねた構成としてもよい。すなわち、定着ローラ210により記録紙P上の未定着画像を直接加熱定着するように構成してもよい。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2に係る定着装置について説明する。以下、実施の形態1と同様の構成や動作を行う部分については説明を省略し、また同様の機能を有する要素については同じ番号を付与する。実施の形態2に係る定着装置は、実施の形態1の図1と同様の画像形成装置に適用されるものであり、その構成は、実施の形態1の図2と同様である。ただし、機能的構成については、実施の形態1に係る定着装置とは異なっている。
次に、本発明の実施の形態2に係る定着装置について説明する。以下、実施の形態1と同様の構成や動作を行う部分については説明を省略し、また同様の機能を有する要素については同じ番号を付与する。実施の形態2に係る定着装置は、実施の形態1の図1と同様の画像形成装置に適用されるものであり、その構成は、実施の形態1の図2と同様である。ただし、機能的構成については、実施の形態1に係る定着装置とは異なっている。
図7は、実施の形態2に係る定着装置の機能的構成を示すブロック図であり、実施の形態1の図3に対応するものである。この定着装置500は、実施の形態1と同様にモノクロ普通紙印字モード、カラー普通紙印字モード、およびスタンバイモードに加えて、さらにOHPシートに対する印字を行うためのカラー特殊紙印字モードを設定するモード切替部601を備えている。また、各印字モードでの印字速度は実施の形態1とは異なっていることから、実施の形態1の目標温度格納部304と回転速度格納部305とはそれぞれ格納内容が異なる目標温度格納部604および回転速度格納部605を備えている。さら
に、実施の形態1の回転速度制御部303とは異なる処理を行う回転速度制御部603を備えている。
に、実施の形態1の回転速度制御部303とは異なる処理を行う回転速度制御部603を備えている。
回転速度格納部605は、モノクロ印字モードに対応して回転速度170mm/sを、カラー普通紙印字モードに対応して回転速度105mm/sを、カラー特殊紙印字モードおよびスタンバイモードに対応して52.5mm/sを、それぞれ格納している。以下、170mm/sを第一の回転速度といい、52.5mm/sを第二の回転速度といい、105mm/sを第三の回転速度という。
また、目標温度格納部604は、たとえば、モノクロ印字モードに対応して目標温度170℃を、カラー普通紙印字モードに対応して目標温度175℃をそれぞれ格納している。また、スタンバイモードのときの目標温度は、ファーストプリントの時間を短縮するために、温度の高い方を基準としている。したがって、目標温度格納部604は、スタンバイモードに対応して、目標温度175℃を格納している。
図8は、回転速度制御部603による回転速度制御処理の流れを表すフロー図であり、図5に対応するものである。回転速度制御部603は、モード切替部601からモードを通知されると(S701:YES)、直前のモードの回転速度に対する通知されたモードの回転速度の比が所定値以下となるか否かを判別する(S702)。この所定値には、たとえば、0.5が設定される。
回転速度の比が所定値以下である場合には(S702:YES)、回転速度制御部603は、温度のオーバシュートが過大になるとして、発熱ローラ220および定着ベルト230の回転速度を、直前のモードの回転速度と通知されたモードの回転速度の間の回転速度に変更する(S703)。
そして、回転速度制御部303は、タイマ306による時間の測定をスタートさせ(S704)、測定時間が予め定められた所定の時間に達すると(S705:YES)、発熱ローラ220および定着ベルト230の回転速度を通知されたモードの回転速度へ変更する(S706)。この所定の時間には、たとえば、1秒が設定される。そして、処理の終了が指示された場合、たとえば、モードが固定されたような場合には(S707:YES)、一連の処理を終了するが、特に処理の終了が指示されない場合には(S707:NO)、再びステップS701へ戻る。なお、ステップS702での判別と、ステップS703およびステップS706での変更先の回転速度の決定は、回転速度格納部605を参照して行われる。
一方、直前のモードの回転速度に対する通知されたモードの回転速度の比が所定値以下ではない場合には(S702:NO)、ステップS706へそのまま進み、中間の回転速度への変更を行うことなく直接に通知されたモードの回転速度への変更を行う。
なお、ステップS702でしきい値として使用される所定値は、たとえば、変更前の回転速度と変更後の回転速度の様々な組み合わせパターンについて実験やシミュレーションで発生するオーバシュートの大きさを測定し、それぞれの速度比とオーバシュートの大きさとの関係を解析し、オーバシュートが予め定められた許容値以下に収まるような速度比を特定し、これを適用するようにすればよい。さらに、周囲温度を検出し、その検出結果に応じて所定値を適切な値に調整するようにしてもよい。また、ステップS702で、回転速度の比が所定値以下か否かを判別するのではなく、所定値よりも小さいか否かを判別するようにしてもよい。この場合には、所定値よりも小さい場合にはステップS703へ進み、小さくない場合にはステップS706へ進む。
また、ステップS705でしきい値として使用される所定時間は、たとえば、変更前の回転速度に対する変更後の回転速度の速度比との関係を実験やシミュレーションで解析し、その解析結果に基づいていずれの速度比についてもオーバシュートが許容範囲となる共通の値を適用してもよいし、速度比ごとにオーバシュートが許容範囲となる最小値を特定し、速度比ごとにその最小値を適用するようにしてもよい。さらに、周囲温度を検出し、その検出結果に応じて所定時間を適切な値に調整するようにしてもよい。
図9は、実施の形態2に係る定着装置500による定着ベルト230の温度変化のシミュレーション結果を示す説明図である。ここでは、画像形成装置100のモードがモノクロ印字モードに設定された状態で印字が行われ、その印字終了後にスタンバイモードへと移行する場合のシミュレーション結果を示す。
この場合、第一の回転速度170mm/sから第二の回転速度52.5mm/sに回転速度が低下する。このように第一の回転速度の絶対値が低くても、その速度比が0.5以下となる場合には、定着ベルト230の温度に大きなオーバシュートが発生する。そこで、モノクロ印字モードからスタンバイモードに移行する途中で、カラー普通紙印字モードの印字速度である第三の回転速度105mm/sで1秒回転させる。これにより、オーバシュートのピークを分散させることができ、オーバシュートを低減させることが可能となる。なお、第一の回転速度170mm/sから第三の回転速度105mm/sへの速度変更と、第三の回転速度105mm/sから第二の回転速度52.5mm/sへの速度変更は、中間の回転速度での回転を経ずに直接行われる。
さらに、モノクロ印字モードからスタンバイモードに移行する際には、定着温度も170℃から175℃へと設定変更される。ところが、このように目標温度を低い温度から高い温度に変更した際、一時的に誘導加熱装置250に供給される電力が増加し、定着ベルト230の温度がより大きくオーバシュートする。
そこで、この実施の形態2の定着装置200では、定着ベルト230の回転速度を170mm/sから105mm/sに変更する際に、先に目標温度が変更され、上記所定値に相当する時間経過後に回転速度が52.5mm/sに変更される。
この場合、図9に示すように、定着ベルト230の温度曲線351aでは、オーバシュートはふた山になり、そのスタンバイモードでの目標温度に対する温度差をそれぞれ7℃程度に抑えることができた。また、これにより、スタンバイモード時の目標温度への収束を素早く行うことができた。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3に係る定着装置について説明する。以下、実施の形態1と同様の構成や動作を行う部分については説明を省略し、また同様の機能を有する要素については同じ番号を付与する。実施の形態3に係る定着装置は、実施の形態1の図1と同様の画像形成装置に適用されるものである。
次に、本発明の実施の形態3に係る定着装置について説明する。以下、実施の形態1と同様の構成や動作を行う部分については説明を省略し、また同様の機能を有する要素については同じ番号を付与する。実施の形態3に係る定着装置は、実施の形態1の図1と同様の画像形成装置に適用されるものである。
図10は、本発明の実施の形態3に係る定着装置800の構成を示す概略断面図である。定着装置800は、ベルト構成ではなくローラ構成であるが、外部加熱電磁誘導加熱方式を採用している。具体的には、定着ローラ810は、実施の形態1の発熱ローラ220と同様に発熱層を有している。そして、その外周面を加圧ローラ240の外周面に接触させ、トナー290が転写された記録紙Pを挟持して搬送するニップ部Nを形成している。また、この定着ローラ810の外周面のうちニップ部Nから離れた位置には、実施の形態1と同様に励磁コイル253が対向配置されている。また、この励磁コイル253を囲むようにして、アーチコア254が配置されている。すなわち、定着ローラ810の一部分
を急速加熱し、定着ローラ810を回転させることでその外周面全体を加熱する構成となっている。
を急速加熱し、定着ローラ810を回転させることでその外周面全体を加熱する構成となっている。
この定着装置800では、定着ローラ810の一部を加熱する構成であり、温度検出器270が加熱部分の下流に位置していることから、加熱とその温度検知にタイムラグが生じる。したがって、定着ローラ810の回転速度が急に低下すると、定着ローラ810上の一部だけ急速に加熱されてしまい、異常に高温となる恐れがある。しかし、図5に示す制御内容を実行することにより、定着ローラ810の回転速度の変更時にその温度のオーバシュートを低減させることができ、図6と同等の温度変化のシミュレーション結果を得ることができた。
(比較例1)
次に、比較参考のために、実施の形態1で説明した定着装置において、中間の回転速度を用いない場合の温度変化のシミュレーション結果について、比較例1として説明を行う。
次に、比較参考のために、実施の形態1で説明した定着装置において、中間の回転速度を用いない場合の温度変化のシミュレーション結果について、比較例1として説明を行う。
この比較例1では、実施の形態1の第三の回転速度を用いず、定着ベルト230の回転速度を、普通紙印字モードの第一の回転速度250mm/sからスタンバイモードの第二の回転速度100mm/sに直接移行させた。図11は、このような比較例1による定着ベルト230の温度変化のシミュレーション結果を示す説明図である。モード移行の際、速度変更により定着ベルト230の温度曲線351bには大きなオーバシュートが発生し、その普通紙印字モードおよびスタンバイモードでの目標温度に対する温度差は約20℃であった。
(比較例2)
次に、比較参考のために、実施の形態2で説明した定着装置において、中間の回転速度を用いない場合の温度変化のシミュレーション結果について、比較例2として説明を行う。
次に、比較参考のために、実施の形態2で説明した定着装置において、中間の回転速度を用いない場合の温度変化のシミュレーション結果について、比較例2として説明を行う。
この比較例2では、実施の形態2の第三の回転速度を用いず、定着ベルト230の回転速度を、モノクロ印字モードの第一の回転速度170mm/sからスタンバイモードの第二の回転速度52.5mm/sに直接に移行させた。図12は、このような比較例2による定着ベルト230の温度変化のシミュレーション結果を示す説明図である。モード移行の際、回転速度変更と目標温度変更により定着ベルト230の温度曲線351cには大きなオーバシュートが発生し、そのスタンバイモードでの目標温度に対する温度差は約25℃であった。
その際、定着ベルト230の温度は200℃以上であるが、さらに、低温環境における温度補正が実施される場合、205℃以上となることがある。これにより、サーミスタのばらつきによっては高温エラーが発生し、定着装置が異常停止する恐れがある。本発明の実施の形態1〜3の各定着装置によれば、加熱手段の温度のオーバシュートを低減するだけでなく、従来の手法では発生し得るこれらの事態を防止することができる。
本明細書は、2005年3月10日出願の特願2005−066995に基づく。この内容はすべてここに含めておく。
本発明に係る定着装置は、加熱手段の温度のオーバシュートを小さくすることができるので、複写機やファクシミリ、プリンタなどの画像形成装置の定着装置として有用である。
Claims (19)
- 熱によって画像を記録紙に定着させる回転可能な加熱手段と、
前記加熱手段との間で記録紙を加圧搬送する加圧手段と、
前記加熱手段が第一の回転速度で回転する一のモードから前記加熱手段が第二の回転速度で回転する他のモードへ移行するとき、前記加熱手段を前記第一の回転速度と前記第二の回転速度との間の第三の回転速度で所定時間回転させる回転速度制御手段と、
を具備する定着装置。 - 前記回転速度制御手段は、
前記第一の回転速度に対する前記第二の回転速度の割合が所定値よりも小さい場合、前記加熱手段を前記第三の回転速度で所定時間回転させ、その後、前記加熱手段の回転速度を、前記所定の回転速度から、前記他のモードに対応する回転速度に変更する、
請求項1記載の定着装置。 - 前記回転速度制御手段は、
前記第一の回転速度に対する前記第二の回転速度の割合が前記所定値以上の場合、前記加熱手段の回転速度を直接前記第一の回転速度から前記第二の回転速度に変更する、
請求項2記載の定着装置。 - 前記所定値は、0.5である、請求項2記載の定着装置。
- 熱によって画像を記録紙に定着させる回転可能な加熱手段と、
前記加熱手段との間で記録紙を加圧搬送する加圧手段と、
前記加熱手段が第一の回転速度で回転する第一のモードと、前記加熱手段が前記第一の回転速度よりも低い第二の回転速度で回転する第二のモードと、前記加熱手段が前記第一の回転速度よりも低く前記第二の回転速度よりも高い第三の回転速度で回転する第三のモードとを切り替えて設定するモード切替手段と、
前記モード切替手段によって前記第一のモードから前記第二のモードへ切り替えられるとき、前記加熱手段を前記第一の回転速度と前記第二の回転速度との間の所定の回転速度で所定時間回転させる回転速度制御手段と、
を具備する定着装置。 - 前記回転制御手段は、前記加熱手段を、前記第一の回転速度と前記第二の回転速度との間の所定の回転速度で、所定時間回転させた後、前記加熱手段の回転速度を、前記所定の回転速度から、前記第二の回転速度に変更する、請求項5記載の定着装置。
- 前記所定の回転速度は、前記第三の回転速度である、請求項5記載の定着装置。
- 前記回転速度制御手段は、
前記モード切替手段によって前記第一のモードから前記第二のモードへ切り替えられるとき、前記加熱手段の回転速度を、前記第一の回転速度から、前記第三の転速度に変更し、所定時間回転させた後、前記第二の回転速度に変更する、請求項7記載の定着装置。 - 前記回転速度制御手段は、
前記モード切替手段によって前記第一のモードから第三のモードへ切り替えられるとき、前記加熱手段の回転速度を直接前記第一の回転速度から前記第三の回転速度に変更する、
請求項5記載の定着装置。 - 前記回転速度制御手段は、
前記モード切替手段によって前記第三のモードから前記第二のモードへ切り替えられるとき、前記加熱手段の回転速度を直接前記第三の回転速度から前記第二の回転速度に変更する、
請求項5記載の定着装置。 - 前記加熱手段は、回転によって熱を搬送して画像を記録紙に定着させ、
前記各モードにおいて、前記加熱手段の熱搬送部位の目標温度を前記各モードに応じた値に設定する目標温度設定手段と、
前記目標温度設定手段によって設定された目標温度に応じた熱を前記加熱手段に供給する熱供給手段と、
を更に具備する請求項5記載の定着装置 - 前記第一のモードは、モノクロ普通紙の印字モードに対応し、
前記第一の回転速度は、モノクロ普通紙の印字速度に対応する前記加熱手段の回転速度であり、
前記第二のモードは、印字を行わない待機モードに対応し、
前記第二の回転速度は、待機モードにおける回転速度に対応する前記加熱手段の回転速度であり、
前記第三のモードは、カラー普通紙の印字モードに対応し、
前記第三の回転速度は、カラー普通紙の印字速度に対応する前記加熱手段の回転速度であり、
前記第二の回転速度は、前記第一の回転速度の半分以下の回転速度である、
請求項5記載の定着装置。 - 前記第一のモードは、モノクロ普通紙の印字モードに対応し、
前記第一の回転速度は、モノクロ普通紙の印字速度に対応する前記加熱手段の回転速度であり、
前記第二のモードは、カラー特殊紙の印字モードに対応し、
前記第二の回転速度は、カラー特殊紙の印字速度に対応する前記加熱手段の回転速度であり、
前記第三のモードは、カラー普通紙の印字モードに対応し、
前記第三の回転速度は、カラー普通紙の印字速度に対応する前記加熱手段の回転速度であり、
前記第二の回転速度は、前記第三の回転速度の半分以下の回転速度である、
請求項5記載の定着装置。 - 前記加熱手段の目標温度に応じた磁束を発生させる磁束発生手段、を更に具備し、
前記加熱手段は、
前記磁束発生手段によって発生された磁束に基づく電磁誘導によって発生した熱を搬送する、
請求項1記載の定着装置。 - 前記熱供給手段は、
前記加熱手段の目標温度に応じた磁束を発生させる磁束発生手段であり、
前記加熱手段は、
前記磁束発生手段によって発生された磁束に基づく電磁誘導によって発生した熱を搬送する、
請求項11記載の定着装置。 - 前記加熱手段は、
少なくとも離型層と前記電磁誘導によって発熱する発熱層とを有する定着ローラである、
請求項14記載の定着装置。 - 前記加熱手段は、
少なくとも離型層と前記電磁誘導によって発熱する発熱層とを有する定着ベルト、弾性層を有する定着ローラ、および支持ローラからなる、
請求項14記載の定着装置。 - 前記支持ローラは、
前記電磁誘導によって発熱する発熱ローラである、
請求項17記載の定着装置。 - 記録紙に画像を転写する画像転写装置と、
前記画像転写手段によって記録紙に転写された画像を熱によって定着させる回転可能な加熱手段と、前記加熱手段との間で記録紙を加圧搬送する加圧手段と、前記加熱手段が第一の回転速度で回転する一のモードから前記加熱手段が第二の回転速度で回転する他のモードへ移行する場合、前記加熱手段を前記第一の回転速度と前記第二の回転速度との間の第三の回転速度で所定時間回転させる回転速度制御手段と、を備えた定着装置と、
を具備する画像形成装置。
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