JP3946885B2 - 画像定着装置及び画像定着方法 - Google Patents

画像定着装置及び画像定着方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3946885B2
JP3946885B2 JP30336498A JP30336498A JP3946885B2 JP 3946885 B2 JP3946885 B2 JP 3946885B2 JP 30336498 A JP30336498 A JP 30336498A JP 30336498 A JP30336498 A JP 30336498A JP 3946885 B2 JP3946885 B2 JP 3946885B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fixing
roller
fixing roller
rotation speed
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP30336498A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000122461A (ja
Inventor
由美子 鈴木
隆 木村
和人 岸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP30336498A priority Critical patent/JP3946885B2/ja
Publication of JP2000122461A publication Critical patent/JP2000122461A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3946885B2 publication Critical patent/JP3946885B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Fixing For Electrophotography (AREA)
  • Control Or Security For Electrophotography (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像定着装置及び画像定着方法に関し、詳しくは、電子写真方式等の画像記録装置に適用され、発熱部材により定着ローラを定着温度に加熱制御して、転写紙に付着されたトナー画像を回転する定着ローラと加圧ローラで加熱・押圧して転写紙に定着させる際に、定着ローラと加圧ローラの回転速度を制御して、定着ローラの温度制御を適切に行う画像定着装置及び画像定着方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、紙やフィルム等の転写紙(記録紙)上に形成されたトナー画像を定着する方法としては、一般に、加熱・加圧してトナーを溶融して記録紙に定着させる加熱定着方式が用いられているが、この加熱定着方式のなかでも、熱ローラ方式が熱効率が高く、安全性も高いことから最も広く使用されている。
【0003】
この熱ローラ方式は、圧接された2つのローラのうちの少なくとも一方のローラを加熱し、2つのローラの圧接部(ニップ部)に未定着トナーの付着された転写紙を加熱・圧接して、トナーを転写紙に定着させる方式である。これらの2つのローラのうち一方を加熱する場合、加熱する方のローラが定着ローラ、他方のローラが加圧ローラと一般に呼ばれる。従来、この定着ローラの外側表面に、温度センサーが取り付けられており、ニップ部の温度が定着に適した温度に維持されるように、熱源への電力供給量が制御されている。そして、定着ローラは、従来、ハロゲンランプが内蔵され、ハロゲンランプにより転写紙上の現像剤であるトナーを溶融・定着させる定着温度に加熱されているのが一般的である。
【0004】
このような熱ローラ方式の画像定着装置においては、定着ローラが現像剤の溶融に必要な定着温度まで昇温されるのに数分の時間を要するため、その立ち上がり時間をいかに短くするかが重要な問題である。
【0005】
すなわち、定着ローラは、現像剤の溶融に必要な温度まで昇温する際には、定着ローラに圧接されている加圧ローラに奪われる熱量により昇温時間が大きく異なることが知られており、この加圧ローラにより奪われる熱量は、定着ローラと加圧ローラとの圧接部(ニップ部)が大きいほど、顕著であるが、ニップ部を小さくすると、定着時に定着に必要な熱量が転写紙上の未定着トナー画像に十分伝達されず、定着不良が発生するおそれがある。
【0006】
そして、従来、画像定着装置においては、電源が投入された後、定着ローラが定着温度に昇温されるまでの定着ローラ及び加圧ローラの回転制御を、以下に示す2種類の方法で行っているのが一般的である。
【0007】
1.電源投入直後から定着ローラ及び加圧ローラを定着時の回転速度で回転させる方法。
【0008】
2.電源投入後、定着ローラの表面温度が所定温度になるまでは定着ローラ及び加圧ローラを停止させ、その後定着時の回転速度で回転させる方法。
【0009】
このような従来の定着ローラ及び加圧ローラの回転制御を行うと、定着ローラの表面温度は、図15及び図16に示すような結果になっていた。
【0010】
すなわち、上記1の最初から定着時の回転速度で回転させる回転方法においては、図15に示すように、定着ローラの表面温度は、速やかに均一な温度分布になるが、定着温度に昇温するまでに比較的長時間を要する。また、上記2の回転を停止させる回転方法においては、図16に示すように、定着ローラ表面の温度分布にムラが発生し、ある部分は早く定着温度に昇温するが、定着ローラ表面全体が定着温度に上昇するのには、比較的長時間を要するだけでなく、定着ローラ表面温度に大きなオーバーシュートが発生する。
【0011】
従来、画像定着装置における定着ローラ及び加圧ローラの回転制御に関しては、例えば、特開平5−88572号公報に記載されている画像定着方法が提案されており、この画像定着方法は、定着ローラと加圧ローラの回転速度として、定着動作中の第1速度と、待機中の第2速度と、第1速度より低速でかつ第2速度より高速に設定された第3速度の3モードを有し、電源投入時にローラの少なくとも一方の表面温度があらかじめ定められた第1温度より低い場合は電源投入後の加熱によりローラの表面温度があらかじめ定められた第2温度に達するまで第1速度でローラを回転させ、第2温度に達した後、印字開始指令がない間は、あらかじめ定められた期間、第3速度でローラを回転させ、それ以降は第2速度でローラを回転させている。
【0012】
また、従来、特開平5−88582号公報に記載されている画像定着方法が提案されており、この画像定着方法は、ローラの回転速度として、定着動作中の第1速度と、待機中の第2速度と、第1速度より低速で第2速度より高速に設定された第3速度の3モードを有し、電源投入後にローラの少なくとも一方の表面温度があらかじめ定められた第1温度と第1温度より高温に設定された第2温度の間は、第1速度でローラを回転させ、ローラの表面温度が電源投入後のあらかじめ定められた時点から第2温度に達したまでの時間があらかじめ定められた時間を超えた場合は、第2温度に達した後、印字指令がない間は、あらかじめ定められた期間、第3速度でローラを回転させ、それ以降は第2速度でローラを回転させている。
【0013】
上記従来の画像定着方法は、いずれも、ウォーミングアップ終了時点で、ローラを回転させた際に、ローラの温度が急激に低下するのを防止することを目的として、電源投入後ローラの表面温度が第2温度に達するまでは、定着時の回転速度である第1速度で回転させて、その後、第1速度よりも遅い第3速度及び第2速度で回転させている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の画像定着方法にあっては、電源投入後ローラの表面温度が第2温度に達するまでは、定着時の回転速度である第1速度で回転させて、その後、第1速度よりも遅い第3速度及び第2速度で回転させているため、定着ローラの表面温度を定着ローラ表面全体にわたって均一に定着温度に速やかに上昇させる上で、問題であった。
【0015】
すなわち、上記従来の方法にあっては、電源投入後所定温度までは定着時の回転速度でローラを回転しているため、図16に示した定着ローラ表面の温度分布にムラが発生するのは、防止できるがは、比較的速い定着時の回転速度でローラを回転させているため、定着ローラが定着温度に温度上昇するのに長時間を要するという問題がある。
【0018】
請求項1記載の発明は、発熱部材により加熱される定着ローラと定着ローラに圧接される加圧ローラとを定着時回転速度で回転駆動して、トナー画像の転写された転写紙を回転駆動される定着ローラと加圧ローラにより狭持して搬送しつつトナー画像を転写紙に定着させる際、定着ローラの温度が定着温度に上昇するまでのウォーミングアップ時に、定着ローラの回転数が予め設定された回転切換回転数になるまでの間、回転速度制御手段により、定着ローラ及び加圧ローラの回転速度を、定着時回転速度よりも所定速度遅いウォーミングアップ時回転速度で回転駆動させ、その後、定着速度で回転駆動させることにより、定着ローラ表面の温度分布のムラを抑制しつつ、速やかに定着ローラの表面温度を定着温度に上昇させて、立ち上がり時の待ち時間を短縮し、消費電力を削減して運用コストを低減させるとともに、定着ムラを防止して、画像品質を向上させることのできる画像定着装置を提供することを目的としている。
【0019】
請求項2記載の発明は、定着ローラ及び加圧ローラの回転速度をウォーミングアップ時回転速度から定着時回転速度に変化させる際、ウォーミングアップ時回転速度と定着時回転速度の間の回転速度を段階的に切り換えて変化させ、あるいは、連続的に変化させることにより、定着ローラの回転速度をスムーズに変化させて、回転速度の急激な変化による振動の発生を抑制し、立ち上がり時の待ち時間を短縮して、消費電力を削減して運用コストを低減させるとともに、定着ムラを防止して、画像品質を向上させることのできる振動の少ない画像定着装置を提供することを目的としている。
【0020】
請求項3記載の発明は、定着ローラとして、発熱部材が定着ローラの表面近傍に層状に配設されたものを用いることにより、定着ローラ表面をより一層速やかに定着温度に上昇させて、立ち上がり時の待ち時間をより一層短縮し、消費電力をより一層削減して運用コストをより一層低減させるとともに、定着ムラを防止して、画像品質を向上させることのできる安価な画像定着装置を提供することを目的としている。
【0023】
請求項4記載の発明は、発熱部材により定着温度に加熱される定着ローラと定着ローラに圧接される加圧ローラとを定着時回転速度で回転駆動して、トナー画像の転写された転写紙を回転駆動される定着ローラと加圧ローラにより狭持して搬送しつつトナー画像を転写紙に定着させる際、定着ローラの温度が定着温度に上昇するまでのウォーミングアップ時に、定着ローラの回転数が予め設定された回転切換回転数になるまでの間、定着ローラ及び加圧ローラの回転速度を、定着時回転速度よりも所定速度遅いウォーミングアップ時回転速度で回転駆動させ、その後、定着速度で回転駆動させることにより、定着ローラ表面の温度分布のムラを抑制しつつ、速やかに定着ローラの表面温度を定着温度に上昇させて、立ち上がり時の待ち時間を短縮し、消費電力を削減して運用コストを低減させるとともに、定着ムラを防止して、画像品質を向上させることのできる画像定着方法を提供することを目的としている。
【0024】
請求項5記載の発明は、定着ローラ及び加圧ローラの回転速度をウォーミングアップ時回転速度から定着時回転速度に変化させる際、ウォーミングアップ時回転速度と定着時回転速度の間の回転速度を段階的に切り換えて変化させ、あるいは、連続的に変化させることにより、定着ローラの回転速度をスムーズに変化させて、回転速度の急激な変化による振動の発生を抑制し、立ち上がり時の待ち時間を短縮して、消費電力を削減して運用コストを低減させるとともに、定着ムラを防止して、画像品質を向上させることのできる振動の少ない画像定着方法を提供することを目的としている。
【0025】
請求項6記載の発明は、定着ローラとして、発熱部材が定着ローラの表面近傍に層状に配設されたものを用いることにより、定着ローラ表面をより一層速やかに定着温度に上昇させて、立ち上がり時の待ち時間をより一層短縮し、消費電力をより一層削減して運用コストをより一層低減させるとともに、定着ムラを防止して、画像品質を向上させることのできる安価な画像定着方法を提供することを目的としている。
【0026】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の画像定着装置は、発熱部材により加熱され、転写紙に転写されたトナー画像を前記転写紙に定着させる定着ローラと、前記定着ローラに圧接されて前記トナー画像の転写された前記転写紙を前記定着ローラに圧接させる加圧ローラと、前記定着ローラ及び前記加圧ローラを回転駆動させる回転駆動手段と、前記回転駆動手段による前記定着ローラと前記加圧ローラの回転速度を制御する回転速度制御手段と、前記定着ローラの温度を検出する温度検出手段と、前記温度検出手段の検出結果に基づいて前記発熱部材への通電を制御して前記定着ローラを定着温度に加熱制御する温度制御手段と、を備え、定着時、前記回転速度制御手段により前記回転駆動手段を介して前記定着温度に加熱された前記定着ローラと前記加圧ローラを定着時回転速度で回転駆動させて、前記トナー画像の転写された前記転写紙を前記定着ローラと前記加圧ローラで搬送しつつ、前記トナー画像を前記転写紙に定着させる画像定着装置であって、前記回転速度制御手段は、前記定着ローラが前記定着温度に加熱されるまでのウォーミングアップ時、前記定着ローラの回転数が予め設定された回転切換回転数に到達するまでの間、前記回転駆動手段を介して前記定着ローラ及び前記加圧ローラの回転速度を前記定着時回転速度よりも所定速度遅いウォーミングアップ時回転速度で回転駆動させ、前記回転切換回転数に到達すると、前記定着ローラ及び前記加圧ローラの回転速度を前記定着時回転速度で回転させることを特徴とする。
【0027】
請求項2記載の画像定着装置では、前記回転速度制御手段は、前記定着ローラ及び前記加圧ローラの回転速度を前記ウォーミングアップ時回転速度から前記定着時回転速度に変化させる際、前記ウォーミングアップ時回転速度と前記定着時回転速度の間の回転速度を段階的に切り換えて変化させ、あるいは、連続的に変化させることを特徴とする。
【0028】
請求項3記載の画像定着装置では、前記定着ローラは、前記発熱部材が前記定着ローラの表面近傍に層状に配設されていることを特徴とする。
【0029】
請求項4記載の画像定着装置では、発熱部材により加熱される定着ローラと、前記定着ローラに圧接される加圧ローラとを定着時回転速度で回転駆動して、トナー画像の転写された転写紙を回転駆動される前記定着ローラと前記加圧ローラにより狭持して搬送しつつ前記トナー画像を前記転写紙に定着させる画像定着方法において、前記定着ローラの温度が定着温度に上昇するまでのウォーミングアップ時に、前記定着ローラの回転数が予め設定された回転切換回転数に到達するまでの間、前記定着ローラ及び前記加圧ローラの回転速度を前記定着時回転速度よりも所定速度遅いウォーミングアップ時回転速度で回転駆動させ、前記回転切換回転数に到達すると、前記定着ローラ及び前記加圧ローラの回転速度を前記定着時回転速度で回転駆動させることを特徴とする。
【0030】
請求項5記載の画像定着装置では、前記画像定着方法は、前記定着ローラ及び前記加圧ローラの回転速度を前記ウォーミングアップ時回転速度から前記定着時回転速度に変化させる際、前記ウォーミングアップ時回転速度と前記定着時回転速度の間の回転速度を段階的に切り換えて変化させ、あるいは、連続的に変化させることを特徴とする。
【0031】
請求項6記載の画像定着装置では、前記定着ローラは、前記発熱部材が前記定着ローラの表面近傍に層状に配設されていることを特徴とする。
【0036】
請求項6記載の発明の画像定着方法は、発熱部材により所定の定着温度に加熱される定着ローラと前記定着ローラに圧接される加圧ローラとを所定の定着時回転速度で回転駆動して、トナー画像の転写された転写紙を回転駆動される前記定着ローラと前記加圧ローラにより狭持して搬送しつつ前記トナー画像を前記転写紙に定着させる画像定着方法において、前記定着ローラの温度が前記定着温度に上昇するまでのウォーミングアップ時に、前記定着ローラの表面温度が前記定着温度よりも所定温度低い回転切換温度に到達するまでの間、前記定着ローラ及び前記加圧ローラの回転速度を、定着時回転速度よりも所定速度遅いウォーミングアップ時回転速度で回転駆動させ、その後、前記定着速度で回転駆動させることにより、上記目的を達成している。
【0037】
上記構成によれば、発熱部材により所定の定着温度に加熱される定着ローラと定着ローラに圧接される加圧ローラとを所定の定着時回転速度で回転駆動して、トナー画像の転写された転写紙を回転駆動される定着ローラと加圧ローラにより狭持して搬送しつつトナー画像を転写紙に定着させる際、定着ローラの温度が定着温度に上昇するまでのウォーミングアップ時に、定着ローラの表面温度が定着温度よりも所定温度低い回転切換温度に到達するまでの間、定着ローラ及び加圧ローラの回転速度を、定着時回転速度よりも所定速度遅いウォーミングアップ時回転速度で回転駆動させ、その後、定着速度で回転駆動させているので、定着ローラ表面の温度分布のムラを抑制しつつ、速やかに定着ローラの表面温度を定着温度に上昇させて、立ち上がり時の待ち時間を短縮することができ、消費電力を削減して運用コストを低減させることができるとともに、定着ムラを防止して、画像品質を向上させることができる。
【0038】
請求項7記載の発明の画像定着方法は、発熱部材により所定の定着温度に加熱される定着ローラと前記定着ローラに圧接される加圧ローラとを所定の定着時回転速度で回転駆動して、トナー画像の転写された転写紙を回転駆動される前記定着ローラと前記加圧ローラにより狭持して搬送しつつ前記トナー画像を前記転写紙に定着させる画像定着方法において、前記定着ローラの温度が前記定着温度に上昇するまでのウォーミングアップ時に、前記ウォーミングアップ開始から所定時間の間、前記定着ローラ及び前記加圧ローラの回転速度を前記定着時回転速度よりも所定速度遅いウォーミングアップ時回転速度で回転駆動させ、その後、前記定着時回転速度で回転駆動させることにより、上記目的を達成している。
【0039】
上記構成によれば、発熱部材により所定の定着温度に加熱される定着ローラと定着ローラに圧接される加圧ローラとを所定の定着時回転速度で回転駆動して、トナー画像の転写された転写紙を回転駆動される定着ローラと加圧ローラにより狭持して搬送しつつトナー画像を転写紙に定着させる際、定着ローラの温度が定着温度に上昇するまでのウォーミングアップ時に、ウォーミングアップ開始から所定時間経過するまでの間、定着ローラ及び加圧ローラの回転速度を、定着時回転速度よりも所定速度遅いウォーミングアップ時回転速度で回転駆動させ、その後、定着速度で回転駆動させているので、簡単な構成で定着ローラ表面の温度分布のムラを抑制しつつ、速やかに定着ローラの表面温度を定着温度に上昇させて、立ち上がり時の待ち時間を短縮することができ、消費電力を削減して運用コストを低減させることができるとともに、定着ムラを防止して、安価に画像品質を向上させることができる。
【0040】
請求項8記載の発明の画像定着方法は、発熱部材により所定の定着温度に加熱される定着ローラと前記定着ローラに圧接される加圧ローラとを所定の定着時回転速度で回転駆動して、トナー画像の転写された転写紙を回転駆動される前記定着ローラと前記加圧ローラにより狭持して搬送しつつ前記トナー画像を前記転写紙に定着させる画像定着方法において、前記定着ローラの温度が前記定着温度に上昇するまでのウォーミングアップ時に、前記定着ローラと前記加圧ローラの回転数が所定の回転数に到達するまでの間、前記定着ローラ及び前記加圧ローラの回転速度を前記定着時回転速度よりも所定速度遅いウォーミングアップ時回転速度で回転駆動させ、前記定着ローラ及び前記加圧ローラの回転数が前記所定の回転数に到達すると、前記定着ローラ及び前記加圧ローラの回転速度を前記定着時回転速度で回転駆動させることにより、上記目的を達成している。
【0041】
上記構成によれば、発熱部材により所定の定着温度に加熱される定着ローラと定着ローラに圧接される加圧ローラとを所定の定着時回転速度で回転駆動して、トナー画像の転写された転写紙を回転駆動される定着ローラと加圧ローラにより狭持して搬送しつつトナー画像を転写紙に定着させる際、定着ローラの温度が定着温度に上昇するまでのウォーミングアップ時に、定着ローラの回転数が所定の回転数になるまでの間、定着ローラ及び加圧ローラの回転速度を、定着時回転速度よりも所定速度遅いウォーミングアップ時回転速度で回転駆動させ、その後、定着速度で回転駆動させているので、定着ローラ表面の温度分布のムラを抑制しつつ、速やかに定着ローラの表面温度を定着温度に上昇させて、立ち上がり時の待ち時間を短縮することができ、消費電力を削減して運用コストを低減させることができるとともに、定着ムラを防止して、画像品質を向上させることができる。
【0042】
上記各場合において、例えば、請求項9に記載するように、前記画像定着方法は、前記定着ローラ及び前記加圧ローラの回転速度を前記ウォーミングアップ時回転速度から前記定着時回転速度に変化させる際、前記ウォーミングアップ時回転速度と前記定着時回転速度の間の所定数の回転速度を段階的に切り換えて変化させ、あるいは、連続的に変化させるものであってもよい。
【0043】
上記構成によれば、定着ローラ及び加圧ローラの回転速度をウォーミングアップ時回転速度から定着時回転速度に変化させる際、ウォーミングアップ時回転速度と定着時回転速度の間の所定数の回転速度を段階的に切り換えて変化させ、あるいは、連続的に変化させているので、定着ローラの回転速度をスムーズに変化させて、回転速度の急激な変化による振動の発生を抑制することができ、立ち上がり時の待ち時間を短縮して、消費電力を削減して運用コストを低減させることができるとともに、定着ムラを防止して、振動を抑制しつつ、画像品質を向上させることができる。
【0044】
また、例えば、請求項10に記載するように、前記定着ローラは、前記発熱部材が前記定着ローラの表面近傍に層状に配設されていてもよい。
【0045】
上記構成によれば、定着ローラとして、発熱部材が定着ローラの表面近傍に層状に配設されたものを用いているので、定着ローラ表面をより一層速やかに定着温度に上昇させて、立ち上がり時の待ち時間をより一層短縮することができ、消費電力をより一層削減して運用コストをより一層低減させることができるとともに、定着ムラを防止して、安価に画像品質を向上させることができる。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0047】
図1〜図4は、本発明の画像定着装置及び画像定着方法の第1の実施の形態を示す図であり、本実施の形態は、ウォーミングアップ開始から定着ローラが定着温度よりも低い回転切換温度に到達するまで定着時回転速度よりも遅いウォーミングアップ時回転速度で回転させるもので、請求項1及び請求項6に対応するものである。
【0048】
また、本実施の形態は、電子写真方式のファクシミリ装置、プリンタ及び複写装置等の画像記録装置の定着部に適用されている。
【0049】
図1は、本発明の画像定着装置及び画像定着方法の第1の実施の形態を適用した画像記録装置1の概略構成正面断面図である。
【0050】
図1において、画像記録装置1は、本体筐体2内に、記録部3、定着部4及び給紙部5等が収納されている。
【0051】
記録部3は、感光体10の周囲に、帯電部11、光書込部12、現像部13、転写部14、クリーニング部15及び除電部16等が配設されており、光書込部12は、画像データで変調したレーザビームを、図示しないレーザダイオードからポリゴンモータ17により回転駆動されるポリゴンミラー18に出射して、ポリゴンミラー18で主走査方向に走査して反射ミラー19を介して感光体10表面に照射する。
【0052】
給紙部5は、複数枚の記録紙(転写紙)20を収納する給紙カセット21、給紙ローラ22及びレジストローラ対23等を備えており、給紙カセット21内の記録紙20を給紙ローラ22により1枚ずつ分離して、レジストローラ対23に送り出す。レジストローラ対23は、給紙ローラ22により送り出されてきた記録紙20を所定のタイミング調整を行った後、感光体10と転写部14の間に送り出す。なお転写部14と感光体10との間に、搬送ローラ24が配設されており、搬送ローラ24は、レジストローラ対23から送り出された記録紙20を転写部14と感光体10との間に搬送する。
【0053】
記録部3は、感光体10を所定の回転速度で回転駆動しつつ、帯電部11で一様に感光体10を帯電させ、光書込部12により画像データで変調されたレーザビームを感光体10に照射して、感光体10に静電潜像を形成する。記録部3は、静電潜像の形成された感光体10に現像部13によりトナーを供給して現像し、転写部14で、給紙部5から転写部14と感光体10との間に搬送されてきた記録紙20に感光体10表面に形成されたトナー画像を転写する。
【0054】
記録部3は、転写の完了した感光体10をさらに回転させ、クリーニング部15で感光体10上に残留した残留トナーを除去した後、除電部16で感光体10を除電し、再度、帯電部11で感光体10を一様に帯電して、上記同様の画像記録動作を行う。
【0055】
上記記録部3でトナー画像の転写された記録紙20は、定着部4に搬送され、定着部4で、記録紙20上のトナー画像が定着された後、図示しない本体筐体2外の排紙トレー上に排出される。
【0056】
定着部(画像定着装置)4は、上ケース30内に定着ローラ31が収納されており、下ケース32内に加圧ローラ33が収納されている。定着ローラ31は、図2に示すように、ハロゲンランプ等の発熱部材34を内蔵しており、発熱部材34により所定の定着温度Tstに加熱される。この定着ローラ31の表面近くには、サーミスタ等の温度検出センサ35が配設されており、温度検出センサ(温度検出手段)35は、定着ローラ31の表面温度を検出する。加圧ローラ33は、図示しない加圧部材、例えば、コイルスプリング等により定着ローラ31方向に付勢されて、定着ローラ31に所定の圧力で押圧されている。なお、図2において、Tgは、記録紙20上に転写されたトナー画像を示している。
【0057】
画像記録装置1は、図3に示すように、定着ローラ温度制御部40、回転速度制御部41、モータドライバ42及び定着ローラ駆動モータ43等を備えている。
【0058】
定着ローラ駆動モータ43は、ギヤ等を介して定着ローラ31を回転駆動し、定着ローラ31が定着ローラ駆動モータ43により回転駆動されると、定着ローラ31に押圧されている加圧ローラ33が従動回転する。
【0059】
定着ローラ駆動モータ43は、モータドライバ42を介して回転速度制御部41により回転駆動されるとともに、その回転速度が制御され、回転速度制御部41には、温度検出センサ35の検出した定着ローラ31の表面温度が入力される。回転速度制御部41は、定着部4で記録紙20を通紙して記録紙20上のトナー画像を記録紙20に定着させる定着時に、モータドライバ42を制御して、定着ローラ駆動モータ43を介して定着ローラ31の回転速度を、予め設定された定着時回転速度Vuで回転駆動させ、ウォーミングアップ時、温度検出センサ35の検出した定着ローラ31の表面温度が定着温度Tstよりも所定温度低い予め設定された回転切換温度Tsnに到達するまでの間は、モータドライバ42を制御して、定着ローラ駆動モータ43を介して定着ローラ31の回転速度を定着時回転速度Vuよりも所定速度だけ遅い所定のウォーミングアップ時回転速度Vwに制御するとともに、それ以降は、定着ローラ31の回転速度を定着時回転速度Vuに制御する。したがって、上記定着ローラ駆動モータ43及びモータドライバ42は、定着ローラ31及び加圧ローラ33を回転駆動する回転駆動手段として機能し、回転速度制御部41は、定着ローラ31と加圧ローラ33の回転速度を制御する回転速度制御手段として機能している。
【0060】
上記定着ローラ温度制御部40は、定着ローラ31の内蔵する発熱部材34に接続されているとともに、定着ローラ温度制御部40には、温度検出センサ35の検出した定着ローラ31の表面温度が入力され、定着ローラ温度制御部40は、温度検出センサ35の検出結果に基づいて、発熱部材34への通電を制御して、定着ローラ31の表面温度を所定の定着温度Tstに温度制御する。
【0061】
次に、本実施の形態の作用を説明する。画像記録装置1は、ウォーミングアップ時、すなわち、昇温開始時に、定着ローラ31の温度が定着温度Tstよりも低い回転切換温度Tsnに達するまでの間、定着ローラ31の回転速度を定着時回転速度Vuよりも遅いウォーミングアップ時回転速度Vwに速度制御するところにその特徴がある。
【0062】
すなわち、画像記録装置1は、画像記録装置1の電源が投入されるか、待機時に記録開始のスタートキーが投入されると、ウォーミングアップを開始し、画像記録装置1の昇温の開始が命令されて、まず、定着ローラ温度制御部40により発熱部材34への通電を開始して、定着ローラ31の加熱を開始するとともに、回転速度制御部41によりモータドライバ42を介して定着ローラ駆動モータ43を回転駆動させて、定着ローラ31を定着時回転速度Vuよりも所定速度遅いウォーミングアップ時回転速度Vw(0<Vw<Vu)で回転駆動させる。この定着ローラ31の回転により定着ローラ31に押圧されている加圧ローラ33が従動回転し、定着ローラ31と加圧ローラ33が共に回転する。
【0063】
画像記録装置1は、上記状態で定着ローラ31及び加圧ローラ33をウォーミングアップ時回転速度Vwで回転駆動させつつ、発熱部材34により定着ローラ31を加熱し、この加熱される定着ローラ31の表面温度を温度検出センサ35で検出する。
【0064】
回転速度制御部41は、温度検出センサ35の検出する定着ローラ31の表面温度が定着温度Tstよりも低い回転切換温度Tsnに到達したかチェックし、定着ローラ31の表面温度が回転切換温度Tsnに到達するまでの間は、定着ローラ31をウォーミングアップ時回転速度Vwで回転駆動させる。
【0065】
そして、回転速度制御部41は、温度検出センサ35の検出する定着ローラ31の表面温度が回転切換温度Tsnに到達すると、モータドライバ42を制御して定着ローラ駆動モータ43を介して定着ローラ31を定着時回転速度Vuで回転駆動させる。この場合、ウォーミングアップ時回転速度Vwは、定着時回転速度Vuの10分の1(1/10)の速さ(Vw=1/10Vu)であることが望ましい。
【0066】
すなわち、画像記録装置1は、図4に示すように、画像記録装置1の電源が投入されたときや記録開始のスタートキーが投入されたときの定着ローラ31の表面温度(ウォーミングアップ開始温度)をToとしたとき、回転速度制御部41は、定着ローラ31の表面温度が回転切換温度Tsnに到達するまでの間は、定着ローラ31を、定着時回転速度Vuよりも所定速度遅いウォーミングアップ時回転速度Vwで回転駆動させ、定着ローラ31の表面温度が定着温度Tstよりも低い回転切換温度Tsnに到達すると、定着ローラ31をウォーミングアップ時回転速度Vwから定着時回転速度Vuに切り換えて回転駆動させる。
【0067】
したがって、定着ローラ31の表面は、図4に示すように、回転切換温度Tsnまでは、定着ローラ31が遅い回転速度であるウォーミングアップ時回転速度Vwで回転されるため、温度分布のムラを解消しつつ、加圧ローラ33に接触して熱が奪われる機会が減少して、その分速やかに回転切換温度Tsnに上昇し、定着温度Tstよりも低い回転切換温度Tsnに到達すると、定着ローラ31が速い定着時回転速度Vuに切り換えて回転されるため、完全に温度分布のムラが解消されるとともに、オーバーシュートを抑制しつつ、適切に定着温度Tstに速やかに上昇する。
【0068】
その結果、定着ローラ31の表面温度を、短時間に、かつ、オーバーシュートを抑制しつつ、ムラ無く、定着温度Tstに上昇させることができ、記録開始までの待ち時間を短縮しつつ、画像品質を向上させることができる。
【0069】
図5〜図7は、本発明の画像定着装置及び画像定着方法の第2の実施の形態を示す図であり、本実施の形態は、ウォーミングアップ開始からの時間に応じて定着ローラの回転速度を変化させるもので、請求項2及び請求項7に対応するものである。
【0070】
なお、本実施の形態は、上記第1の実施の形態と同様の画像記録装置に適用したものであり、本実施の形態の説明においては、上記第1の実施の形態と同様の構成部分については、同一の符号を付してその説明を省略するとともに、図示しない構成部分についても、第1の実施の形態の説明で用いた符号をそのまま用いて説明する。
【0071】
図5は、本発明の画像定着装置及び画像定着方法の第2の実施の形態を適用した画像記録装置60の要部回路ブロック図であり、画像記録装置60は、上記第1の実施の形態と同様の定着ローラ31を加熱する発熱部材34、定着ローラ31の表面温度を検出する温度検出センサ35、定着ローラ温度制御部40、定着ローラ駆動モータ43及びモータドライバ42等を備えるとともに、タイマー61及び回転速度制御部62を備えている。
【0072】
タイマー(計時手段)61は、例えば、発振回路や分周回路を備え、現在時刻の計時や各種タイミングをとるための各種クロックを発生して、回転速度制御部62に出力する。特に、タイマー61は、画像記録装置60の電源が投入されたとき、あるいは、記録開始の指示が行われたときからの経過時間Aを計時して、回転速度制御部62に出力する。
【0073】
回転速度制御部(回転速度制御手段)62は、モータドライバ42を制御して定着ローラ駆動モータ43の回転を制御し、定着ローラ駆動モータ43により定着ローラ31を回転駆動させるとともに、定着ローラ31の回転速度を制御する。
【0074】
すなわち、回転速度制御部62は、定着時には、モータドライバ42を制御して、定着ローラ駆動モータ43を介して定着ローラ31の回転速度を、定着時回転速度Vuで回転駆動させ、ウォーミングアップ時、タイマー61から入力される経過時間Aを定着ローラ31の回転速度を切り換えるまでの予め設定された所定の回転切換時間Asnと比較して、経過時間Aが回転切換時間Asnに到達するまでの間は、モータドライバ42を制御して、定着ローラ駆動モータ43を介して定着ローラ31の回転速度を定着時回転速度Vuよりも所定速度だけ遅い所定のウォーミングアップ時回転速度Vwに制御するとともに、それ以降は、定着ローラ31の回転速度を定着時回転速度Vuに制御する。
【0075】
次に、本実施の形態の作用を説明する。本実施の形態の画像記録装置60は、ウォーミングアップ開始からの経過時間Aが回転切換時間Asnに到達するまでの間は定着時回転速度Vuよりも遅いウォーミングアップ時回転速度Vwで定着ローラ31を回転駆動し、その後、定着時回転速度Vuで回転駆動させるところにその特徴がある。
【0076】
すなわち、画像記録装置60は、図6に示すように、電源が投入されるか、記録開始のスタートキーが投入されると(ステップS1)、画像記録装置1の昇温の開始が命令され、まず、定着ローラ温度制御部40により発熱部材34への通電を開始して、定着ローラ31の加熱を開始するとともに、回転速度制御部62によりモータドライバ42を介して定着ローラ駆動モータ43を回転駆動させて、定着ローラ31を定着時回転速度Vuよりも所定速度遅いウォーミングアップ時回転速度Vwで回転駆動させる(ステップS2)。この定着ローラ31の回転により定着ローラ31に押圧されている加圧ローラ33が従動回転し、定着ローラ31と加圧ローラ33が共に回転する。
【0077】
このとき、タイマー61は、経過時間Aの計時を開始して、計時した経過時間Aを回転速度制御部62に出力し、回転速度制御部62は、タイマー61から入力される経過時間Aが予め設定されている回転切換時間Asn、例えば、30秒を越えたかチェックする(ステップS3)。
【0078】
ステップS3で、経過時間Aが回転切換時間Asnを越えていないと、回転速度制御部62は、ステップS2に戻って、定着ローラ31をウォーミングアップ時回転速度Vwで回転駆動し(ステップS2)、再度、経過時間Aが回転切換時間Asnを越えたかチェックする(ステップS3)。
【0079】
上記処理を順次行って、ステップS3で、経過時間Aが回転切換時間Asnを越えると、回転速度制御部62は、モータドライバ42を介して定着ローラ駆動モータ43を回転駆動させて、定着ローラ31をウォーミングアップ時回転速度Vwから定着時回転速度Vuに切り換えて回転駆動させ(ステップS4)、定着ローラ31の表面温度Tが定着温度Tstになったかどうかを温度検出センサ35の検出結果から判断する(ステップS5)。
【0080】
ステップS5で、定着ローラ31の温度Tが定着温度Tstになっていないときには、回転速度制御部62は、定着ローラ31を定着時回転速度Vuで回転させ(ステップS4)、ステップS5で、定着ローラ31の温度が定着温度Tstになると、立ち上げ処理を終了する。
【0081】
すなわち、画像記録装置60は、図7に示すように、画像記録装置60の電源が投入されたときや記録開始のスタートキーが投入されたときの定着ローラ31の表面温度(ウォーミングアップ開始温度)をToとしたとき、回転速度制御部62は、電源投入後からの経過時間Aが回転切換時間Asnになるまでの間は、定着ローラ31を、定着時回転速度Vuよりも所定速度遅いウォーミングアップ時回転速度Vwで回転駆動させ、経過時間Aが回転切換時間Asnを経過すると、定着ローラ31をウォーミングアップ時回転速度Vwから定着時回転速度Vuに切り換えて回転駆動させる。
【0082】
したがって、定着ローラ31の表面は、図7に示すように、ウォーミングアップ開始からの経過時間Aが回転切換時間Asnになるまでは、定着ローラ31が遅い回転速度であるウォーミングアップ時回転速度Vwで回転されるため、温度分布のムラを解消しつつ、速やかに温度上昇し、経過時間Aが回転切換時間Asnに到達すると、それ以降は、定着ローラ31が速い定着時回転速度Vuに切り換えて回転されるため、完全に温度分布のムラが解消されるとともに、オーバーシュートを抑制しつつ、定着温度Tstに速やかに上昇する。
【0083】
その結果、定着ローラ31の表面温度を、簡単な構成で、短時間に、かつ、オーバーシュートを抑制しつつ、ムラ無く、定着温度Tstに上昇させることができ、記録開始までの待ち時間を短縮しつつ、安価に画像品質を向上させることができる。
【0084】
図8〜図10は、本発明の画像定着装置及び画像定着方法の第3の実施の形態を示す図であり、本実施の形態は、ウォーミングアップ開始からの定着ローラの回転数に応じて定着ローラの回転速度を変化させるもので、請求項3及び請求項8に対応するものである。
【0085】
なお、本実施の形態は、上記第1の実施の形態と同様の画像記録装置に適用したものであり、本実施の形態の説明においては、上記第1の実施の形態と同様の構成部分については、同一の符号を付してその説明を省略するとともに、図示しない構成部分についても、第1の実施の形態の説明で用いた符号をそのまま用いて説明する。
【0086】
図8は、本発明の画像定着装置及び画像定着方法の第2の実施の形態を適用した画像記録装置70の要部回路ブロック図であり、画像記録装置70は、上記第1の実施の形態と同様の定着ローラ31を加熱する発熱部材34、定着ローラ31の表面温度を検出する温度検出センサ35、定着ローラ温度制御部40、定着ローラ駆動モータ43及びモータドライバ42等を備えるとともに、回転数測定部71及び回転速度制御部72を備えている。
【0087】
回転数測定部(回転数検出手段)71は、例えば、エンコーダ等で構成されて定着ローラ31の近辺に配設され、定着ローラ31の回転数を検出して、検出した回転数を回転速度制御部72に出力する。
【0088】
回転速度制御部(回転速度制御手段)72は、モータドライバ42を制御して定着ローラ駆動モータ43の回転を制御し、定着ローラ駆動モータ43により定着ローラ31を回転駆動させるとともに、定着ローラ31の回転速度を制御する。
【0089】
すなわち、回転速度制御部72は、定着時には、モータドライバ42を制御して、定着ローラ駆動モータ43を介して定着ローラ31の回転速度を、定着時回転速度Vuで回転駆動させ、ウォーミングアップ時、回転数測定部71から入力される定着ローラ31の回転数Nを定着ローラ31の回転速度を切り換える回転数として予め設定された所定の回転切換回転数Nsnと比較して、定着ローラ31の回転数Nが回転切換回転数Nsnに到達するまでの間は、モータドライバ42を制御して、定着ローラ駆動モータ43を介して定着ローラ31の回転速度を定着時回転速度Vuよりも所定速度だけ遅い所定のウォーミングアップ時回転速度Vwに制御するとともに、それ以降は、定着ローラ31の回転速度を定着時回転速度Vuに制御する。
【0090】
次に、本実施の形態の作用を説明する。本実施の形態の画像記録装置70は、ウォーミングアップ開始からの定着ローラ31の回転数Nが回転切換回転数Nsnに到達するまでの間は定着時回転速度Vuよりも遅いウォーミングアップ時回転速度Vwで定着ローラ31を回転駆動し、その後、定着時回転速度Vuで回転駆動させるところにその特徴がある。
【0091】
すなわち、画像記録装置70は、図9に示すように、電源が投入されるか、記録開始のスタートキーが投入されると(ステップP1)、画像記録装置1の昇温の開始が命令され、まず、定着ローラ温度制御部40により発熱部材34への通電を開始して、定着ローラ31の加熱を開始するとともに、回転速度制御部72によりモータドライバ42を介して定着ローラ駆動モータ43を回転駆動させて、定着ローラ31を定着時回転速度Vuよりも所定速度遅いウォーミングアップ時回転速度Vwで回転駆動させる(ステップP2)。この定着ローラ31の回転により定着ローラ31に押圧されている加圧ローラ33が従動回転し、定着ローラ31と加圧ローラ33が共に回転する。
【0092】
このとき、回転数測定部71は、回転開始後の定着ローラ31の回転数Nの測定を開始して、計測した回転数Nを回転速度制御部72に出力し、回転速度制御部72は、回転数測定部71から入力される回転数Nが予め設定されている回転切換回転数Nsn、例えば、40回転を越えたかチェックする(ステップP3)。
【0093】
ステップP3で、定着ローラ31の回転数Nが回転切換回転数Nsnを越えていないと、回転速度制御部72は、ステップP2に戻って、定着ローラ31をウォーミングアップ時回転速度Vwで回転駆動し(ステップP2)、再度、定着ローラ31の回転数Nが回転切換回転数Nsnを越えたかチェックする(ステップP3)。
【0094】
上記処理を順次行って、ステップP3で、定着ローラ31の回転数Nが回転切換回転数Nsnを越えると、回転速度制御部72は、モータドライバ42を介して定着ローラ駆動モータ43を回転駆動させて、定着ローラ31をウォーミングアップ時回転速度Vwから定着時回転速度Vuに切り換えて回転駆動させ(ステップP4)、定着ローラ31の表面温度Tが定着温度Tstになったかどうかを温度検出センサ35の検出結果から判断する(ステップP5)。
【0095】
ステップP5で、定着ローラ31の温度Tが定着温度Tstになっていないときには、回転速度制御部72は、定着ローラ31を定着時回転速度Vuで回転させ(ステップS4)、ステップP5で、定着ローラ31の温度が定着温度Tstになると、立ち上げ処理を終了する。
【0096】
すなわち、画像記録装置70は、図10に示すように、画像記録装置70の電源が投入されたときや記録開始のスタートキーが投入されたときの定着ローラ31の表面温度(ウォーミングアップ開始温度)をToとしたとき、回転速度制御部72は、電源投入後から定着ローラ31の回転数Nが回転切換回転数Nsnになるまでの間は、定着ローラ31を、定着時回転速度Vuよりも所定速度遅いウォーミングアップ時回転速度Vwで回転駆動させ、定着ローラ31の回転数Nが回転切換回転数Nsnを越えると、定着ローラ31をウォーミングアップ時回転速度Vwから定着時回転速度Vuに切り換えて回転駆動させる。
【0097】
したがって、定着ローラ31の表面は、図10に示すように、ウォーミングアップ開始から定着ローラ31の回転数Nが回転切換回転数Nsnになるまでは、定着ローラ31が遅い回転速度であるウォーミングアップ時回転速度Vwで回転されるため、温度分布のムラを解消しつつ、速やかに温度上昇し、定着ローラ31の回転数Nが回転切換回転数Nsnに到達すると、それ以降は、定着ローラ31が速い定着時回転速度Vuに切り換えて回転されるため、完全に温度分布のムラが解消されるとともに、オーバーシュートを抑制しつつ、適切に定着温度Tstに速やかに上昇する。
【0098】
その結果、定着ローラ31の表面温度を、短時間に、かつ、オーバーシュートを抑制しつつ、ムラ無く、定着温度Tstに上昇させることができ、記録開始までの待ち時間を短縮しつつ、画像品質を向上させることができる。
【0099】
なお、上記各実施の形態においては、ウォーミングアップ時回転速度Vwから定着時回転速度Vuに一度に切り換えているが、ウォーミングアップ時回転速度Vwから定着時回転速度Vuへの定着ローラ31の回転速度の切換は、ウォーミングアップ時回転速度Vwと定着時回転速度Vuの間に、ウォーミングアップ時回転速度Vwと定着時回転速度Vuの間の速度を有する切換速度を1段階あるいは複数の段階設けて、ウォーミングアップ時回転速度Vwから定着時回転速度Vuに所定の時間の間に段階的に切り換えてもよいし、ウォーミングアップ時回転速度Vwから定着時回転速度Vuに所定の時間に連続的に変化させてもよい。この定着ローラ31の回転速度を段階的あるいは連続的に変化させる方法としては、定着ローラ駆動モータ43の回転速度を制御して、行ってもよいし、ギアあるいはベルト等の駆動伝達機構を利用して、行ってもよい。
【0100】
上記各実施の形態において、実際に、定着ローラ駆動モータ43の回転速度を制御して、定着ローラ31の回転速度をウォーミングアップ時回転速度Vwから定着時回転速度Vuの間に5段階の速度を設定して、ウォーミングアップ時回転速度Vwから定着時回転速度Vuに段階的に変化させたところ、ウォーミングアップ時回転速度Vwから定着時回転速度Vuに一度に変化させたときに生じていた衝撃振動の発生を小さく抑制することができた。
【0101】
このようにすると、定着ローラ31の回転速度をウォーミングアップ時回転速度Vwから定着時回転速度Vuにスムーズに切り換えることができ、振動の発生等を抑制することができる。
【0102】
また、上記各実施の形態においては、定着ローラ31の回転速度を制御するのに、定着ローラ駆動モータ43の回転速度をモータドライバ42を介して制御しているが、定着ローラ31の回転速度の制御は、定着ローラ駆動モータ43の回転速度を変化させるものに限るものではなく、例えば、定着ローラ駆動モータ43の回転速度を一定にして、ギア機構を切り換えることにより、定着ローラ31の回転速度を制御してもよい。
【0103】
例えば、図11及び図12に示すように、ギア機構80として、高速ギア81と低速ギア82を略くの字型のクラッチアーム83の両端部に回転可能に取り付けるとともに、当該クラッチアーム83の中央部に高速ギア81と低速ギア82に歯合する伝達ギア84を取り付け、低速ギア82として、伝達ギア84に歯合する小径ギア82aと小径ギア82aと固定的に連結されて小径ギア82aの回転に伴って回転する大径ギア82bとを備えたものを用いる。そして、伝達ギア84には、定着ローラ駆動モータ43の回転軸に固定されたモータギア85が歯合しており、定着ローラ31には、駆動ギア86がその回転軸に固定されている。
【0104】
ギア機構80は、クラッチアーム83が伝達ギア84の取り付けられた中央部分を中心として揺動して、高速ギア81と低速ギア82の大径ギア82bを選択的に駆動ギア86に歯合させ、モータギア85の回転を伝達ギア84を介して、高速ギア81あるいは低速ギア82の大径ギア82bにより駆動ギア86を回転させて定着ローラ31を回転駆動する。
【0105】
したがって、定着ローラ駆動モータ43の回転速度を一定にして、定着ローラ31の回転速度をウォーミングアップ時回転速度Vwで回転駆動させるときには、クラックアーム83を揺動させて、低速ギア82の大径ギア82bを駆動ギア86に歯合させ、定着ローラ31の回転速度を定着時回転速度Vuで回転駆動させるときには、クラッチアーム83を揺動させて、高速ギア81を駆動ギア86に歯合させる。
【0106】
このようにすると、定着ローラ駆動モータ43の回転数を変更することなく、定着ローラ31の回転速度を切り換えて制御することができる。
【0107】
さらに、上記各実施の形態においては、定着ローラ31として、図2に示したように、中空の円筒状の定着ローラ31の内部中央に発熱部材34が内蔵された一般的な定着ローラを用いているが、定着ローラとしては、発熱部材34が定着ローラの中央部に内蔵されているものに限るものではなく、例えば、図13に示すように、表面付近に発熱部材が配設されたものであってもよい。すなわち、図13に示すように、定着ローラ90は、円筒形状の基体91の表面に発熱部材92を面状あるいは線状に形成し、発熱部材92を覆う状態で基体91の表面に耐熱樹脂層93を形成したものであってもよい。上記発熱部材92は、その材料として、例えば、セラミック発熱体、ニクロム、Ta2 、RuO2 、Ag/Pd等の発熱抵抗を用い、溶射、塗布あるいは印刷等により基体91の表面に形成することができる。基体91は、その材料として、ガラス、セラミックス、樹脂あるいはAl、SUS等の金属を用いることができ、金属を用いる場合には、発熱部材92と電気的に絶縁するために、SiO2 やポリイミド等の樹脂材料等からなる絶縁層を基体91表面に形成した後、発熱部材92を当該絶縁層上に形成する。また、上記耐熱樹脂層93は、トナーとの離形性を向上させるとともに、他の部材と発熱部材92との接触で発熱部材92が損傷を受けるのを防ぎ、さらに、発熱部材92を電気的に絶縁する働きを有しており、その材料としては、テフロン等を用いることができる。
【0108】
このように、発熱部材92を表面付近に設けた定着ローラ90を用いると、定着ローラ90の表面付近で熱が発生するため、加熱効率を向上させることができ、定着ローラ90を定着温度Tstまで加熱するのに要する立ち上げ時間を大幅に短縮することができる。
【0109】
この場合、定着ローラ90の立ち上げ時間をさらに短縮させるためには、基体91の熱容量を小さくすることが効果的である。
【0110】
ところが、基体91の熱容量を小さくすると、定着ローラ90を速やかに定着温度Tstに昇温することができるが、定着ローラ90から熱が逃げやすくなり、定着ローラ90と加圧ローラ33との圧接部分のみ温度が低下する現象が生じる。
【0111】
したがって、立ち上がり時に定着ローラ90を停止させていると、加圧ローラ33との圧接部の温度低下が他の部分よりも多くなり、定着ローラ90の温度分布が場所によって大きく異なって、定着ムラが発生する可能性が高くなる。
【0112】
ところが、上記各実施の形態のように、ウォーミングアップ時、所定タイミングまで定着ローラ90と加圧ローラ33をウォーミングアップ時回転速度Vwで回転させ、その後、定着時回転速度Vuで回転させると、定着ローラ90の基体91として熱容量の小さいものを用いても、上述のように、定着ローラ90の表面温度に温度分布を適切に抑制することができ、定着ムラを起こすことなく、画像品質を向上させることができるとともに、速やかに定着ローラ90の温度を定着温度Tstに上昇させて、待ち時間をより一層短縮させることができる。
〈実験例〉
上記定着ローラ90を上記第1の実施の形態の画像記録装置1の定着ローラ31として用いて、以下の実験を行った。
【0113】
なお、定着ローラ90の構成は、図13に示した構成であり、発熱ローラ90の直径が、30mm、基体91の肉厚が、1mm、基体91の材料として、液晶ポリマーを使用した。
【0114】
この定着ローラ90の発熱部材92に800Wの電力を供給し、上記第1の実施の形態の画像記録装置1で行ったように、ウォーミングアップ時、定着ローラ90の表面温度が定着温度Tstよりも低い回転切換温度Tsnまでは、定着ローラ90をウォーミングアップ時回転速度Vwで回転させ、その後、定着時回転速度Vuで回転させた。
【0115】
実験の結果、定着ローラ90の表面温度を、図14に線T1で示すように、温度分布を抑制しつつ、速やかに定着温度Tstに上昇させることができた。
〈比較実験1〉
上記定着ローラ90を上記第1の実施の形態の画像記録装置1の定着ローラ31として用いて、以下の比較実験を行った。
【0116】
比較実験で用いた定着ローラ90の構成は、図13に示した構成であり、定着ローラ90の直径が、30mm、基体91の肉厚が、1.5mm、基体91の材料として、Alを使用した。
【0117】
この定着ローラ90の発熱部材92に800Wの電力を供給し、定着ローラ90の表面温度が定着温度Tstに上昇するまでの間、定着ローラ90の回転を停止させて、定着ローラ90の表面温度が定着温度Tstに上昇した後、定着ローラ90を定着時回転速度Vuで回転させた。
【0118】
この比較実験の結果、定着ローラ90の表面温度は、図14に線T2で示すように、大きな温度ムラが発生し、定着温度Tstに到達した際にも、大きなオーバーシュートが発生した。
【0119】
この比較実験から、定着ローラ90を定着時回転速度Vuよりも遅いウォーミングアップ時回転速度Vwで回転させることが、定着ローラ90の表面温度の温度分布を抑制しつつ、速やかに定着温度Tstに上昇させるのに効果があることが判明した。
〈比較実験2〉
上記第1の実施の形態の画像記録装置1を用いて、以下の比較実験を行った。この比較実験で用いた定着ローラ31の構成は、図2に示した構成と同様であり、定着ローラ31の発熱部材34として、ハロゲンランプを使用した。
【0120】
この定着ローラ31を発熱部材34で加熱しつつ、上記第1の実施の形態の画像記録装置1で行ったように、ウォーミングアップ時、定着ローラ31の表面温度が定着温度Tstよりも低い回転切換温度Tsnまでは、定着ローラ31をウォーミングアップ時回転速度Vwで回転させ、その後、定着時回転速度Vuで回転させた。
【0121】
実験の結果、定着ローラ31の表面温度を、図14に線T3で示すように、温度分布を抑制しつつ、上記実験例よりも、わずかに遅いが、速やかに定着温度Tstに上昇させることができた。
【0122】
この比較実験の結果、定着ローラ31を定着時回転速度Vuよりも遅いウォーミングアップ時回転速度Vwで回転させることが、定着ローラ31の表面温度の温度分布を抑制しつつ、速やかに定着温度Tstに上昇させるのに効果があることが判明した。また、定着ローラとして、発熱部材34であるハロゲンヒータを中央部に内蔵する定着ローラ31よりも、表面近傍に発熱部材92を形成した定着ローラ90の方が、表面温度が速やかに定着温度Tstに上昇することが判明した。
【0123】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0124】
例えば、上記各実施の形態においては、定着ローラ31を定着ローラ駆動モータ43により回転駆動させ、加圧ローラ33を定着ローラ31の回転に従動させて回転させているが、定着ローラ31と加圧ローラ33の回転は、上記方法のものに限るものではなく、例えば、加圧ローラ33をモータにより回転駆動させ、定着ローラ31を加圧ローラ33の回転に従動させて回転させてもよいし、定着ローラ31と加圧ローラ33を同じモータでギア機構を介してそれぞれ回転駆動させてもよい。
【0127】
【発明の効果】
請求項1記載の発明の画像定着装置によれば、発熱部材により定着温度に加熱される定着ローラと定着ローラに圧接される加圧ローラとを定着時回転速度で回転駆動して、トナー画像の転写された転写紙を回転駆動される定着ローラと加圧ローラにより狭持して搬送しつつトナー画像を転写紙に定着させる際、定着ローラの温度が定着温度に上昇するまでのウォーミングアップ時に、定着ローラの回転数が予め設定された回転切換回転数になるまでの間、回転速度制御手段により、定着ローラ及び加圧ローラの回転速度を、定着時回転速度よりも所定速度遅いウォーミングアップ時回転速度で回転駆動させ、その後、定着速度で回転駆動させているので、定着ローラ表面の温度分布のムラを抑制しつつ、速やかに定着ローラの表面温度を定着温度に上昇させて、立ち上がり時の待ち時間を短縮することができ、消費電力を削減して運用コストを低減させることができるとともに、定着ムラを防止して、画像品質を向上させることができる。
【0128】
請求項2記載の発明の画像定着装置によれば、定着ローラ及び加圧ローラの回転速度をウォーミングアップ時回転速度から定着時回転速度に変化させる際、ウォーミングアップ時回転速度と定着時回転速度の間の回転速度を段階的に切り換えて変化させ、あるいは、連続的に変化させているので、定着ローラの回転速度をスムーズに変化させて、回転速度の急激な変化による振動の発生を抑制することができ、立ち上がり時の待ち時間を短縮して、消費電力を削減して運用コストを低減させることができるとともに、定着ムラを防止して、振動を抑制しつつ、画像品質を向上させることができる。
【0129】
請求項3記載の発明の画像定着装置によれば、定着ローラとして、発熱部材が定着ローラの表面近傍に層状に配設されたものを用いているので、定着ローラ表面をより一層速やかに定着温度に上昇させて、立ち上がり時の待ち時間をより一層短縮することができ、消費電力をより一層削減して運用コストをより一層低減させることができるとともに、定着ムラを防止して、安価に画像品質を向上させることができる。
【0132】
請求項4記載の発明の画像定着方法によれば、発熱部材により定着温度に加熱される定着ローラと定着ローラに圧接される加圧ローラとを定着時回転速度で回転駆動して、トナー画像の転写された転写紙を回転駆動される定着ローラと加圧ローラにより狭持して搬送しつつトナー画像を転写紙に定着させる際、定着ローラの温度が定着温度に上昇するまでのウォーミングアップ時に、定着ローラの回転数が予め設定された回転切換回転数になるまでの間、定着ローラ及び加圧ローラの回転速度を、定着時回転速度よりも所定速度遅いウォーミングアップ時回転速度で回転駆動させ、その後、定着速度で回転駆動させているので、定着ローラ表面の温度分布のムラを抑制しつつ、速やかに定着ローラの表面温度を定着温度に上昇させて、立ち上がり時の待ち時間を短縮することができ、消費電力を削減して運用コストを低減させることができるとともに、定着ムラを防止して、画像品質を向上させることができる。
【0133】
請求項5記載の発明の画像定着方法によれば、定着ローラ及び加圧ローラの回転速度をウォーミングアップ時回転速度から定着時回転速度に変化させる際、ウォーミングアップ時回転速度と定着時回転速度の間の回転速度を段階的に切り換えて変化させ、あるいは、連続的に変化させているので、定着ローラの回転速度をスムーズに変化させて、回転速度の急激な変化による振動の発生を抑制することができ、立ち上がり時の待ち時間を短縮して、消費電力を削減して運用コストを低減させることができるとともに、定着ムラを防止して、振動を抑制しつつ、画像品質を向上させることができる。
【0134】
請求項6記載の発明の画像定着方法によれば、定着ローラとして、発熱部材が定着ローラの表面近傍に層状に配設されたものを用いているので、定着ローラ表面をより一層速やかに定着温度に上昇させて、立ち上がり時の待ち時間をより一層短縮することができ、消費電力をより一層削減して運用コストをより一層低減させることができるとともに、定着ムラを防止して、安価に画像品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像定着装置及び画像定着方法の第1の実施の形態を適用した画像記録装置の概略構成正面断面図。
【図2】図1の画像記録装置の定着部の部分拡大側面図。
【図3】図1の画像記録装置の要部回路ブロック図。
【図4】図1の画像記録装置のウォーミングアップ時の定着ローラの回転速度制御を行った場合の定着ローラ表面温度変化を時間の経過とともに示す図。
【図5】本発明の画像定着装置及び画像定着方法の第2の実施の形態を適用した画像記録装置の要部回路ブロック図。
【図6】図5の画像記録装置による定着ローラ回転速度制御処理を示すフローチャート。
【図7】図5の画像記録装置で定着ローラ回転速度制御を行った場合の定着ローラの表面温度変化を時間の経過とともに示す図。
【図8】本発明の画像定着装置及び画像定着方法の第3の実施の形態を適用した画像記録装置の要部回路ブロック図。
【図9】図8の画像記録装置による定着ローラ回転速度制御処理を示すフローチャート。
【図10】図8の画像記録装置で定着ローラ回転速度制御を行った場合の定着ローラの表面温度変化を定着ローラの回転数の経過とともに示す図。
【図11】定着ローラの回転速度の切り換えをギア機構で行う場合のギア機構の要部構成平面図。
【図12】図11のギア機構の要部正面図。
【図13】表面近傍に発熱部材を配設した定着ローラの一例の側面断面図。
【図14】図13の定着ローラを使用した実験と比較実験を行った際の定着ローラの表面温度の変化を時間の経過とともに示す図。
【図15】電源投入直後から定着ローラ及び加圧ローラを定着時の回転速度で回転させる従来の方法での定着ローラ表面の温度変化を時間の経過とともに示す図。
【図16】電源投入直後から定着温度に定着ローラ表面温度が上昇するまで定着ローラ及び加圧ローラを停止させる従来の方法での定着ローラ表面の温度変化を時間の経過とともに示す図。
【符号の説明】
1 画像記録装置
2 本体筐体
3 記録部
4 定着部
5 給紙部
10 感光体
11 帯電部
12 光書込部
13 現像部
14 転写部
15 クリーニング部
16 除電部
17 ポリゴンモータ
18 ポリゴンミラー
19 反射ミラー
20 記録紙
21 給紙カセット
22 給紙ローラ
23 レジストローラ対
24 搬送ローラ
30 上ケース
31 定着ローラ
32 下ケース
33 加圧ローラ
34 発熱部材
35 温度検出センサ
40 定着ローラ温度制御部
41 回転速度制御部
42 モータドライバ
43 定着ローラ駆動モータ
60 画像記録装置
61 タイマー
62 回転速度制御部
70 画像記録装置
71 回転数測定部
72 回転速度制御部
80 ギア機構
81 高速ギア
82 低速ギア
82a 小径ギア
82b 大径ギア
83 クラッチアーム
84 伝達ギア
85 モータギア
86 駆動ギア
90 定着ローラ
91 基体
92 発熱部材
93 耐熱樹脂層

Claims (6)

  1. 発熱部材により加熱され、転写紙に転写されたトナー画像を前記転写紙に定着させる定着ローラと、
    前記定着ローラに圧接されて前記トナー画像の転写された前記転写紙を前記定着ローラに圧接させる加圧ローラと、
    前記定着ローラ及び前記加圧ローラを回転駆動させる回転駆動手段と、
    前記回転駆動手段による前記定着ローラと前記加圧ローラの回転速度を制御する回転速度制御手段と、
    前記定着ローラの温度を検出する温度検出手段と、
    前記温度検出手段の検出結果に基づいて前記発熱部材への通電を制御して前記定着ローラを定着温度に加熱制御する温度制御手段と、を備え、
    定着時、前記回転速度制御手段により前記回転駆動手段を介して前記定着温度に加熱された前記定着ローラと前記加圧ローラを定着時回転速度で回転駆動させて、前記トナー画像の転写された前記転写紙を前記定着ローラと前記加圧ローラで搬送しつつ、前記トナー画像を前記転写紙に定着させる画像定着装置であって、
    記回転速度制御手段は、前記定着ローラが前記定着温度に加熱されるまでのウォーミングアップ時、前記定着ローラの回転数が予め設定された回転切換回転数に到達するまでの間、前記回転駆動手段を介して前記定着ローラ及び前記加圧ローラの回転速度を前記定着時回転速度よりも所定速度遅いウォーミングアップ時回転速度で回転駆動させ、前記回転切換回転数に到達すると、前記定着ローラ及び前記加圧ローラの回転速度を前記定着時回転速度で回転させることを特徴とする画像定着装置。
  2. 記回転速度制御手段は、前記定着ローラ及び前記加圧ローラの回転速度を前記ウォーミングアップ時回転速度から前記定着時回転速度に変化させる際、前記ウォーミングアップ時回転速度と前記定着時回転速度の間の回転速度を段階的に切り換えて変化させ、あるいは、連続的に変化させることを特徴とする請求項1記載の画像定着装置。
  3. 記定着ローラは、前記発熱部材が前記定着ローラの表面近傍に層状に配設されていることを特徴とする請求項1又は2記載の画像定着装置。
  4. 発熱部材により加熱される定着ローラと、前記定着ローラに圧接される加圧ローラとを定着時回転速度で回転駆動して、トナー画像の転写された転写紙を回転駆動される前記定着ローラと前記加圧ローラにより狭持して搬送しつつ前記トナー画像を前記転写紙に定着させる画像定着方法において、
    前記定着ローラの温度が定着温度に上昇するまでのウォーミングアップ時に、前記定着ローラの回転数が予め設定された回転切換回転数に到達するまでの間、前記定着ローラ及び前記加圧ローラの回転速度を前記定着時回転速度よりも所定速度遅いウォーミングアップ時回転速度で回転駆動させ、前記回転切換回転数に到達すると、前記定着ローラ及び前記加圧ローラの回転速度を前記定着時回転速度で回転駆動させることを特徴とする画像定着方法。
  5. 前記画像定着方法は、前記定着ローラ及び前記加圧ローラの回転速度を前記ウォーミングアップ時回転速度から前記定着時回転速度に変化させる際、前記ウォーミングアップ時回転速度と前記定着時回転速度の間の回転速度を段階的に切り換えて変化させ、あるいは、連続的に変化させることを特徴とする請求項4記載の画像定着方法。
  6. 前記定着ローラは、前記発熱部材が前記定着ローラの表面近傍に層状に配設されていることを特徴とする請求項4又は5記載の画像定着方法。
JP30336498A 1998-10-09 1998-10-09 画像定着装置及び画像定着方法 Expired - Fee Related JP3946885B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30336498A JP3946885B2 (ja) 1998-10-09 1998-10-09 画像定着装置及び画像定着方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30336498A JP3946885B2 (ja) 1998-10-09 1998-10-09 画像定着装置及び画像定着方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000122461A JP2000122461A (ja) 2000-04-28
JP3946885B2 true JP3946885B2 (ja) 2007-07-18

Family

ID=17920110

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30336498A Expired - Fee Related JP3946885B2 (ja) 1998-10-09 1998-10-09 画像定着装置及び画像定着方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3946885B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4620274B2 (ja) * 2001-03-22 2011-01-26 株式会社リコー 貼り合わせ多層構造型ディスク状光記録媒体の製造装置
US6564031B2 (en) 2001-09-19 2003-05-13 Toshiba Tec Kabushiki Kaisha Fixing apparatus and image forming apparatus
US6567624B1 (en) 2001-10-31 2003-05-20 Toshiba Tec Kabushiki Kaisha Fixing apparatus and image forming apparatus
JP3689680B2 (ja) * 2002-03-25 2005-08-31 キヤノン株式会社 誘導加熱装置を用いた定着装置
KR20050006992A (ko) * 2003-07-10 2005-01-17 삼성전자주식회사 화상형성장치의 정착유닛 구동제어방법
WO2006095782A1 (ja) * 2005-03-10 2006-09-14 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 定着装置およびこれを用いた画像形成装置
KR101812748B1 (ko) * 2011-07-12 2018-01-31 에스프린팅솔루션 주식회사 화상형성장치 및 그 구동 방법
JP2015043020A (ja) * 2013-08-26 2015-03-05 キヤノン株式会社 画像加熱装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000122461A (ja) 2000-04-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6151462A (en) Heat fixing apparatus wherein influence of temperature rise in sheet non-passing area is prevented
US7623805B2 (en) Image heating apparatus and image forming apparatus
JP3946885B2 (ja) 画像定着装置及び画像定着方法
JP7114243B2 (ja) 画像形成装置
JP4598970B2 (ja) 画像形成装置
JP4170197B2 (ja) 加熱装置およびそれを備えた画像形成装置、並びに加熱装置の加熱方法
JP2003307964A (ja) 画像形成装置
JP2006349949A (ja) 像加熱装置
JP4817525B2 (ja) 画像形成装置
JP3984737B2 (ja) 定着装置
JP2009265387A (ja) 定着装置
JPH10198214A (ja) 画像形成装置
JPH09138597A (ja) 定着装置
JP2007065413A (ja) 画像形成装置
JPH09218605A (ja) 定着装置
JP7268225B2 (ja) 画像形成装置
JP4663086B2 (ja) 画像形成装置
JPH1152768A (ja) 定着装置
JPH10142999A (ja) 定着装置及び画像形成装置並びに画像形成方法
JPH10312132A (ja) ベルトニップ式定着装置
JP3647229B2 (ja) 像加熱装置及び画像形成装置
JP2005257746A (ja) 定着装置,画像形成装置
JP4235301B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP2622034B2 (ja) 記録装置
JP2010237371A (ja) 画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041216

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20041227

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061016

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061024

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061225

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070403

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070412

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100420

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110420

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120420

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130420

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140420

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees