JPH10198214A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JPH10198214A
JPH10198214A JP9013345A JP1334597A JPH10198214A JP H10198214 A JPH10198214 A JP H10198214A JP 9013345 A JP9013345 A JP 9013345A JP 1334597 A JP1334597 A JP 1334597A JP H10198214 A JPH10198214 A JP H10198214A
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temperature
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image forming
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JP9013345A
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Satoru Izawa
悟 伊澤
Toshio Miyamoto
敏男 宮本
Masahiko Suzumi
雅彦 鈴見
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被記録材に形成された未定着画像の定着不良
やホットオフセットなどの発生を防止すること。 【解決手段】 作像手段Mにより未定着画像が形成され
た被記録材Pを、加熱部材10と加圧部材20とで形成
される定着ニップ部Nを通過させることにより、加熱部
材10からの熱で被記録材P上の未定着画像を加熱定着
する定着装置6を有し、複数の解像度、プロセススピー
ドで被記録材P上に画像形成可能な画像形成装置におい
て、画像形成装置に通紙使用される被記録材Pの種類に
応じて、最低解像度より高い解像度の搬送スピードで被
記録材上の未定着画像を定着装置6にて加熱定着するよ
うに構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真プロセ
ス、静電記録プロセス、磁気記録プロセスなどの任意の
画像形成プロセス手段により、転写方式、或いは直接方
式で被記録材(転写材、感光紙、静電記録紙)に目的の
画像情報に対応した未定着のトナー画像を形成担持さ
せ、この被記録材を加熱定着装置に導入して上記トナー
画像の熱定着を行う、レーザビームプリンタや複写機な
どの画像形成装置に関する。
【0002】より詳しくは、複数の解像度及びプロセス
スピードを有し、所定の解像度及びプロセススピードで
被記録材上に形成された未定着画像を、加熱定着装置の
定着部材と加圧部材とで加熱定着させる画像形成装置に
関する。
【0003】
【従来の技術】従来、レーザビームプリンター等の電子
写真画像形成プロセスを用いた画像形成装置は、コンピ
ュータ等の外部情報処理機器より印字に関するコマンド
およびコード化された文字、イメージ画像情報をデータ
受信し、フォーマッタ等においてコード情報を画像情報
に変換する際に写真等の濃度情報を持ったイメージ画像
はディザマトリックス、誤差拡散法など公知の画像処理
を受け二値化され画像情報に変換される。
【0004】次に、電子写真エンジン部分(画像形成
部)においてこの画像情報をプリントする。すなわち、
あらかじめ均一に帯電された像担持体としての電子写真
感光体や静電記録誘電体上に、画像情報によって変調さ
れた例えば半導体レーザ等を走査する光学系等の露光手
段によって静電潜像を形成する。この静電潜像を現像す
る現像装置としては、例えば、電子写真感光体と対向し
た現像領域において所定の微小間隙を開けた現像担持体
上から、現像剤を電子写真感光体上の静電潜像に転移し
て付与することにより、静電潜像を現像するものが知ら
れている。そして、現像剤により現像された画像は、転
写手段により被記録材に転写される。
【0005】トナー画像(未定着トナー画像)を転写さ
れた被記録材は、電子写真感光体から分離され公知の加
熱定着装置等の定着手段に送られ、そこで未定着トナー
画像の被記録材への定着が行われる。
【0006】ところで、レーザビームプリンター等の電
子写真画像形成プロセスを用いた画像形成装置にあって
は、近年、プリンターの高解像度化が進み、例えば、6
00dpiの解像度の他に、900dpi、1200d
piなどの高解像度モードを持つプリンターが製品化さ
れるようになってきている。
【0007】この種の画像形成装置において、解像度を
例えば600dpiから1200dpiに高めようとす
ると、像担持体としての電子写真感光体にレーザー光に
より潜像を形成するスキャナーユニット(露光手段)内
のポリゴンミラーの回転数を2倍にしなければならず、
解像度600dpi、12枚/分の場合では3万rpm
以上の回転数が必要となって、技術的、コスト的な問題
が生じてくる。
【0008】このため、例えば、600dpi、12枚
/分(プロセススピード約70mm/sec)のプリン
ターであれば、1200dpiの時は、プロセススピー
ドを半分に切り替えて1200dpi、6枚/分(プロ
セススピード約35mm/sec)で動作させるように
構成した、解像度及びプロセススピード切替えタイプの
プリンターが多く実用に供されている。
【0009】また、複数の解像度及びプロセススピード
を有する画像形成装置に用いられる加熱定着装置として
は、解像度600dpi、12枚/分の場合と、解像度
1200dpi、6枚/分の場合とではプロセススピー
ドが異なるため、プロセススピード切替え時に素早い定
着温度の切替えが必要とされ、このため、熱容量が大き
く熱応答性が悪い熱ローラ方式よりも、熱容量が小さく
熱応答性の良いフィルム加熱方式が多く用いられる。
【0010】かゝるフィルム加熱方式はスタンバイ時に
加熱定着装置に電力を供給せず、消費電力を極力低く抑
えた方法、詳しくは、ヒータ部と加圧部材の間に薄層の
フィルムを介して被記録材上の未定着トナー画像を熱定
着する方法を採用した加熱定着装置が特開昭63−31
3182号公報、特開平2−157878号公報、特開
平4−44075号公報及び特開平4−204980号
公報などに開示されている。
【0011】これは、ヒータ部としてのセラミックヒー
タ(以下、ヒータという。)と加圧部材としての加圧ロ
ーラとの間に耐熱性の薄いフィルムを挟ませて定着ニッ
プ部を形成させ、この定着ニップ部のフィルムと加圧ロ
ーラとの間に、未定着トナー画像を形成させた被記録材
を、未定着トナー画像面側をフィルム側にして導入して
フィルムと一緒に挟持搬送させることで、定着ニップ部
においてヒータの熱をフィルムを介して被記録材に与え
て加熱・加圧することによって、未定着トナー画像を被
記録材上に融着固定するものである。フィルムは定着ニ
ップ部においてヒータの熱で加熱され、その加熱したフ
ィルムで被記録材が加熱されるもので、ヒータとフィル
ムが定着部材を構成している。ヒータはその背面に設け
られたサーミスタにより温度検知がなされ、ヒータへの
通電により発熱したヒータ温度を一定に保つように通電
制御される。
【0012】このように被記録材上の未定着トナー画像
を加熱定着するのに十分な熱量を主にヒータ側から与え
るフィルム加熱方式の加熱定着装置の場合、加圧ローラ
の表面温度に応じてヒータの温調温度を可変とする必要
がある。
【0013】即ち、加圧ローラの表面温度が低い場合に
は、ヒータの温調温度は未定着トナー画像が定着不良の
起こらない程度の高い温調温度に設定する必要があり、
一方、加圧ローラの表面温度が高い場合には、被記録材
へ過分な熱量を与える可能性が高く、このような場合に
は未定着トナー画像にホットオフセット等が起こらない
範囲まで温調温度を下げる必要がある。
【0014】このようなことからフィルム加熱方式の加
熱定着装置の場合、図10に示すような温度制御を行っ
ている。図10において横軸はプリント枚数、縦軸はヒ
ータの温調温度である。ヒータの温調温度をプリント枚
数に応じて段階的に下げることにより、未定着トナー画
像の定着直後の被記録材の表面の温度を一定に保つこと
で、加圧ローラの温度に依らない安定した加熱定着を可
能としている。
【0015】また、プリント開始時の加圧ローラの表面
温度に応じて目標温調温度を切り替え、最適な温調温度
で被記録材上の未定着トナー画像を加熱定着する。すな
わちフィルム加熱方式の場合、プリント信号を受信して
いない場合には、ヒータへの通電をオフ状態としてお
き、プリント信号を受信した際に、ヒータ背面に配置さ
れた温度検知手段としてのサーミスタによって加圧ロー
ラ表面の加熱状況を検出し、その検出温度に応じて目標
とする温調開始温度を決定する。また、フィルム加熱方
式の場合には、低熱容量の薄層フィルムを使用している
ため、ヒータへの通電をオフした状態では、ヒータ背面
に配置したサーミスタの検知温度は熱容量の大きい加圧
ローラ表面温度に収束する。よって加圧ローラ表面温度
に応じてヒータの目標温調温度を設定することが可能と
なる。
【0016】このようにフィルム加熱方式の加熱定着装
置は、薄いフィルムを用いているので、熱ローラ方式の
加熱定着装置に比べて定着部材の熱容量が非常に小さ
い。このため、被記録材上の未定着トナー画像を加熱定
着するのに、セラミックヒータからの熱を効率よく被記
録材に与えることができ、定着ニップ部のみを加熱する
ことで画像形成装置本体の電源ONからプリント可能状
態までの待ち時間の短いクイックスタートの加熱定着を
実現している。更に、定着部材の熱容量を低く抑えてい
るため、スタンバイ時においても定着部材を暖めておく
必要はなく、消費電力を低く抑えられるなどの利点があ
る。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】ところで、複数の解像
度及びプロセススピードを有し、かつフィルム加熱方式
の加熱定着装置を備える画像形成装置にあっては、最
近、被記録材として印字可能なメディアの要望が多岐に
渡っており、様々な被記録材にプリントできるプリンタ
ーが望まれている。
【0018】しかしながら、上記画像形成装置の加熱定
着装置の定着ニップ部にて被記録材に与えられる熱量は
上述した如く加圧ローラ温度に左右されるため、図10
に示すような温度制御を行った場合であっても、被記録
材の種類に応じた最適な未定着トナー画像の加熱定着を
実施することは難しい。例えば、加熱定着に十分な熱量
を与えることが困難な被記録材(表面のざらついた被記
録材、以下、ラフペーパーという。)においては、定着
器が冷えた状態からの数枚目までは該被記録材への熱供
給が不足しがちで未定着トナー画像が定着不良を起こし
易く、一方、加圧ローラの表面温度が十分に高い場合に
は、表面性の良い薄い被記録材のプリントでは被記録材
への熱供給過多により、ホットオフセットが発生し易
い。特に、ラフペーパーの定着性を向上させるために十
分な加熱を行った場合には、加圧ローラの昇温は大きく
なり、直後に表面性の良い薄い被記録材を加熱定着する
と、ホットオフセット等の過加熱による問題が発生し易
くなる。一方、表面性の良い薄い被記録材の最適な定着
性を得るようにヒータの温度制御を行った場合には、ラ
フペーパーの加熱定着の能力が不足し、未定着トナー画
像が定着不良となってしまう。
【0019】このようにラフペーパーや表面性の良い薄
い被記録材などのような両者の被記録材に対して最適な
加熱定着を実施することは難しく、プリント可能な被記
録材の種類を増やすことに制限を与えてしまっていた。
【0020】また、上述したようにスキャナー等の露光
手段への負荷を与えず、被記録材搬送スピード(プロセ
ススピード)を可変とすることで形成画像の解像度を変
更する構成の画像形成装置においては、それぞれの解像
度に対応した被記録材搬送スピードに応じて、加熱定着
装置の定着ニップ部内を被記録材が挟持搬送される時間
が異なる。このため、それぞれの被記録材搬送スピード
に応じてヒータの温調温度を設定する必要がある。
【0021】即ち、解像度が低い場合には、加熱定着装
置の定着ニップ部内を被記録材が挟持搬送される時間が
短く、この時間内に未定着トナー画像を加熱定着するた
めに十分なヒータ温度が必要となる。一方、解像度が高
い画像を形成する場合には、加熱定着装置の定着ニップ
部内を被記録材が挟持搬送される時間が長くなるため、
上記解像度が低い場合に比べてヒータ温度を低く設定す
る必要がある。
【0022】ここで、解像度が低い画像を形成する場合
(被記録材搬送スピードが速い場合)に、被記録材とし
てラフペーパー等の定着しづらい被記録材を使用する
と、十分な加熱定着を実施するためにはヒータ温調温度
をさらに高く設定する必要がある。
【0023】しかしながら、このような設定では、被記
録材を連続してプリントした場合、加圧ローラ表面の温
度は過度に暖められた状態となり、直後に表面性の良い
記録材を加熱定着したり、直後に解像度の高い画像を形
成したりする(被記録材搬送スピードが遅い場合)と、
被記録材に余分に熱を与えることになり、未定着トナー
画像にホットオフセット等の定着過多の問題が発生す
る。
【0024】また、被記録材の搬送幅(被記録材搬送方
向と直交方向の被記録材長さ)が小さい被記録材を連続
して搬送した場合、定着ニップ部内の被記録材の搬送域
ではヒータからの熱が被記録材に奪われるが、被記録材
の非搬送域では熱抵抗が小さく、よって加圧ローラおよ
びヒータを保持する保持部材が昇温し、昇温の度合いが
激しい場合には、上記加圧ローラやフィルムの移動を防
止するフィルムガイドなどの部材が溶融・変形する等、
加熱定着装置の構成部材にダメージを与えてしまう。特
に、解像度が低い画像を形成する場合には、ヒータ温調
温度も高く設定しているため、非搬送域の各部材の昇温
は激しくなる。
【0025】また、上記加熱定着装置のフィルムのチャ
ージアップによるオフセット等の問題を防止するため、
フィルムや加圧ローラ表面にカーボン等の導電性フィラ
を混入した場合であっても、完全にオフセットを防止す
ることは難しく、少量のオフセットが発生することがあ
る。このような場合には、オフセットトナーが耐久によ
って徐々に定着ニップ部の被記録材導入部分に溜まって
しまうことがある。また、加熱定着装置内で被記録材が
詰まってジャムとなることもあり得る。このような場合
には、定着ニップ部を通過していない未定着のトナー画
像が同じくフィルムに剥ぎ取られ、フィルム表面を汚染
してしまう。このような場合、フィルム上に付着したト
ナーはヒータの加熱によって加圧ローラが所定温度以上
に達すると加圧ローラ表面に転移し、加圧ローラ表面に
は汚染トナーの層が発生する。このような加圧ローラ表
面の汚染トナーは、次に搬送、定着される被記録材の背
面に付着してしまったり、極度の汚れの場合には被記録
材が加圧ローラに巻き付く等の問題を引き起こしてしま
う可能性がある。
【0026】本発明は、上記画像形成装置の問題に鑑み
て為されたものであり、種類の異なる被記録材や幅の狭
い被記録材などが通紙使用された際に生ずる未定着画像
の定着不良やホットオフセットの発生を防止でき、しか
も加圧部材の汚染トナーを効率よく除去することのでき
る画像形成装置を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記の構成を
特徴とする画像形成装置である。 〔1〕:被記録材に未定着画像を形成させる作像手段
と、未定着画像を形成させた被記録材を、加熱部材と加
圧部材とで形成される定着ニップ部を通過させることに
より、加熱部材からの熱で被記録材上の未定着画像を加
熱定着する定着装置を有し、複数の解像度、プロセスス
ピードで被記録材上に画像形成可能な画像形成装置にお
いて、画像形成装置に通紙使用される被記録材の種類に
応じて、最低解像度より高い解像度の搬送スピードで被
記録材上の未定着画像を定着装置にて加熱定着すること
を特徴とする画像形成装置。 〔2〕:画像形成装置に通紙使用される被記録材の種類
に応じて、最低解像度より高い解像度の搬送スピードで
被記録材上の未定着画像を定着装置にて加熱定着すると
共に、被記録材の種類に応じて、加熱部材の温調温度を
高く設定することを特徴とする〔1〕の画像形成装置。 〔3〕:被記録材の搬送方向の長さ、或いは搬送方向と
直交方向の長さを検知する手段と、該検知手段で検知さ
れる被記録材の長さが所定長さ以下の場合に、解像度を
切り替える手段を有することを特徴とする〔1〕又は
〔2〕の画像形成装置。 〔4〕:定着装置の加圧部材のクリーニングのために画
像形成装置に印字率の高い画像が形成された汚染除去部
材を導入搬送するモード時には、該汚染除去部材を最高
スピードより遅い速度で搬送することを特徴とする
〔1〕又は〔2〕の画像形成装置。 〔5〕:前記定着装置が、加熱体と該加熱体と摺動する
フィルムと該フィルムを介して前記加熱体と圧接する加
圧部材とを有し、前記フィルムと前記加圧部材の間に未
定着画像を形成させた被記録材を通過させて加熱定着す
るフィルム加熱方式の定着装置であることを特徴とする
画像形成装置。 〔6〕:前記定着装置の温度を検知する温度検知部材を
含む定着装置温度制御手段を有することを特徴とする
〔1〕乃至〔5〕の何れかの画像形成装置。
【0028】〔作用〕上記〔1〕又は〔2〕の画像形成
装置にあっては、被記録材の種類に応じて、最低解像度
より高い解像度の搬送スピードで該被記録材上に未定着
画像が形成されて該未定着画像が定着装置により加熱定
着されるので、定着装置の加熱部材の設定温度を極端に
高めることもなく、被記録材に十分な熱量を与えること
ができ、また、定着装置の加圧部材表面の昇温を小さく
抑えることが可能となる。このため、被記録材の未定着
画像の定着不良の発生を防止することができ、その上、
表面性の良い薄い記録材の未定着画像のホットオフセッ
トの発生を防止することができる。
【0029】上記〔3〕の画像形成装置にあっては、被
記録材の長さが所定長さ以下の場合には、最低解像度よ
り高い解像度の搬送スピードで該被記録材上に未定着画
像が形成されて該未定着画像が定着装置により加熱定着
されるので、定着装置の加熱部材の設定温度を最低解像
度時の加熱部材の設定温度より低い温度に設定すること
ができ、よって、定着ニップ部の非搬送域の過度の昇温
を抑止できて、該非搬送域の昇温防止が可能となる。
【0030】上記〔4〕の画像装置にあっては、定着装
置の加圧部材のクリーニングのために画像形成装置に印
字率の高い画像が形成された汚染除去部材を導入搬送す
る場合には、該汚染除去部材を最高スピードより遅い速
度で搬送するので、加圧部材表面を加熱し、加圧部材表
面の汚染トナーが除去できる温度まで加圧部材表面温度
を到達させた状態にし、その状態で加圧部材と汚染除去
部材の接触時間を長くとることができて、該汚染除去部
材により容易に加圧部材表面の汚染トナーを除去するこ
とが可能となる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る画像形成装置
を添付図面に示す実施形態に基づいて、更に詳しく説明
する。
【0032】〔第1実施形態〕図1は本発明に係る画像
形成装置、即ち、電子写真画像形成プロセスを利用した
レーザーピームプリンタの要部を示す概略構成図であ
る。
【0033】本実施形態の画像形成装置にあっては、後
述する感光ドラム1、帯電ローラ2、レーザーユニット
3、現像装置4、転写ローラ5及びクリーニング装置7
によって、被記録材としての記録材Pに未定着のトナー
画像(未定着画像)を形成する作像手段Mを構成してい
る。
【0034】図1において、1は像担持体としての回転
ドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムとい
う。)であり、OPC、アモルファスSe、アモルファ
スSi等の感光材料がアルミニウムやニッケルなどのシ
リンダ状の基盤上に形成されている。
【0035】感光ドラム1は矢印の方向へ所定の周速度
(プロセススピード)をもって回転駆動され、その回転
過程において、先ずその表面は帯電装置としての帯電ロ
ーラ2によって一様に帯電処理され、次いで目的の画像
情報に応じてON/OFF制御されたレーザーユニット
(露光手段)3からのレーザビームLによる走査露光が
施されて、その表面に静電潜像が形成される。この静電
潜像は、現像ローラ4a及び該現像ローラ4に現像剤と
してのトナー(不図示)を供給する現像剤収納部4bを
具備する現像装置4でトナーにより現像、可視像化され
る。現像方法としては、ジャンピング現像法、2成分現
像法、FEED現像法などが用いられ、イメージ露光と
反転現像とを組み合わせて用いられることが多い。
【0036】可視化されたトナー画像は、転写装置とし
ての転写ローラ5により、所定のタイミングで搬送され
た記録材P上に感光ドラム1上より転写される。このと
き記録材Pは感光ドラム1と転写ローラ5に一定の加圧
力で挟持搬送される。このトナー画像が転写された記録
材Pは定着装置としての加熱定着装置6へと搬送され、
永久画像として定着される。一方、感光ドラム1上に残
存する転写残りの残留トナーは、クリーニング装置7が
具備するクリーニングブレード7aにより感光ドラム1
表面から除去される。
【0037】なお、図1において、符号Cは記録材Pの
収納カセットであり、この収納納カセットCには必要に
応じて、表面性の良い薄い記録材や表面のざらついた記
録材(ラフペーパー)が収納される。符号R1は収納カ
セットCより記録材Pを一枚ずつピックアップして給送
する給送ローラ、符号R2は感光ドラム1の周速度と同
期して記録材Pを感光ドラム1と転写ローラ5との間に
搬送するレジストローラである。
【0038】本実施形態の画像形成装置は、記録材Pの
搬送スピードを変化させることによって、画像の解像度
の切り替えを行えるように構成されており、例えば、低
解像度モード600dpi、16枚/分(プロセススピ
ード約94mm/sec)、高解像度モード1200d
pi、8枚/分(プロセススピード約47mm/se
c)の切替えタイプの画像形成装置で、スキャナーユニ
ット3のポリゴンミラー(不図示)の回転数は一定で約
20,000rpmである。上記解像度の切り替えは不
図示の解像度切替制御部によりなされる。
【0039】図2及び図3に加熱定着装置6の構成を示
す。図2において、10は加熱部材としての定着部材、
20は加圧部材(加圧ローラ)であり、それぞれ以下の
構成要素からなっている。
【0040】定着部材10は、図2に示すように、加熱
体としての加熱用ヒータ11とフィルムとしての定着フ
ィルム13を有する。定着フィルム13は熱容量の小さ
な定着フィルムであり、画像形成装置本体の電源ONか
らプリント可能状態までの待ち時間の短いクイックスタ
ートを可能にするために100μm以下の厚みで耐熱
性、可撓性を有するポリイミド、ポリアミドイミド、P
EEK、PES、PPS、PFA、PTFE、FEP等
のフィルムなどにより作製されている。また、長寿命の
加熱定着装置6を構成するために十分な強度を持ち、耐
久性に優れたフィルムとして、20μm以上の厚みが必
要である。よって定着フィルム13の厚みとしては20
μm以上100μm以下が最適である。さらにオフセッ
ト防止や記録材Pの分離性を確保するために表層にはP
FA、PTFE、FEP等の離型性の良好な耐熱樹脂を
混合ないし単独で被覆したものである。
【0041】加熱用ヒータ11は定着フィルム13の内
部に具備され、これにより記録材P上のトナー画像Tを
溶融、定着させる定着ニップ部Nの加熱を行う。加熱用
ヒータ11は、図3に示すように、アルミナ、チッ化ア
ルミ等の高熱伝導性、絶縁性のセラミック基板11a上
にAg/Pd、RuO2 、Ta2 N等の通電発熱抵
抗層11bをスクリーン印刷等により、厚み:10μm
程度、幅:1〜5mm程度の線状もしくは細帯状に塗工
して形成した通電加熱用部材である。
【0042】セラミック基板11aの背面には、通電発
熱抵抗層11bの発熱に応じて昇温したセラミック基板
11aの温度を検知するため、温度検知部材としてのサ
ーミスタなどの温度検知素子14が配設されている。こ
の温度検知素子14の信号に応じて、加熱用ヒータ11
の端部にある不図示の電極部から通電発熱抵抗層11b
に印加される電圧の、デューティー比や波数などを定着
装置温度制御手段としての不図示の温度制御部により適
切に制御することで、定着ニップ部N内での温調温度を
略一定に保ち、記録材P上のトナー画像Tを定着するの
に必要な加熱を行う。
【0043】なお、温度検知素子14から不図示の温度
制御部へのDC通電は、DC通電部およびDC電極部を
介して、不図示のコネクタにより達成している。
【0044】また、加熱用ヒータ11の通電発熱抵抗層
11bの表面には定着フィルム13との摺擦(摺動する
際の摩擦)に耐えることが可能な薄層のガラスコートな
どの保護層11cを設けている(図3参照)。
【0045】符号12は加熱用ヒータ11を保持し、定
着ニップ部Nと反対方向への放熱を防ぐための断熱ステ
イホルダーである。断熱ステイホルダー12は、液晶ポ
リマー、フェノール樹脂、PPS、PEEK等により形
成されており、定着フィルム13が余裕をもってルーズ
に外嵌されて、矢印の方向へ回転自在に配置されてい
る。
【0046】また、定着フィルム13は内部の加熱用ヒ
ータ11および断熱ステイホルダー12に摺擦しながら
回転するため、加熱用ヒータ11および断熱ステイホル
ダー12と定着フィルム13の間の摩擦抵抗を小さく抑
える必要がある。このため加熱用ヒータ11および断熱
ステイホルダー12の表面に耐熱性グリース等の潤滑剤
を少量介在させてある。これにより定着フィルム13の
スムーズな回転を可能にしている。
【0047】一方、加圧部材20は芯金21の外側にシ
リコンゴムやフッ素ゴム等の耐熱ゴムあるいはシリコー
ンゴムを発泡して形成された弾性層22からなり、この
上にPFA、PTFE、FEP等の離型性層23が形成
してある。加圧部材20は上記の定着部材10の方向に
不図示の加圧手段により、長手方向(軸心方向)両端部
から加熱定着に必要な定着ニップ部Nを形成するべく十
分に加圧されており、長手方向端部から芯金21を介し
てモータなどの不図示の回転駆動源により、矢印の方向
に回転駆動される。これにより上記定着フィルム13は
断熱ステイホルダー12の外側を図の矢印方向に従動回
転する。あるいは定着フィルム13の内部に不図示の駆
動ローラを設け、該駆動ローラを回転駆動することによ
り、定着フィルム13を回転させる。
【0048】このような構成のフィルム方式の加熱定着
装置6にあっては、プリント時にのみ加熱用ヒータ11
をONするため、連続プリント中の一枚目では加圧部材
としての加圧ローラ20の温度が低く、数十枚目では加
圧ローラ20の温度が高いというように、連続プリント
中における加圧ローラ温度が極端に異なる。したがっ
て、連続プリントの1枚目では、記録材Pとしての紙へ
の熱供給が不足しがちで未定着のトナー画像に定着不良
を起こし易く、数十枚目では熱供給過多となり未定着の
トナー画像にホットオフセットを起こし易い。
【0049】そこで、本実施形態にあっては、図4に示
すように、プリント枚数に応じて加熱用ヒータ11の定
着温度(ヒータ温調温度)を変えている。図3におい
て、横軸はプリント枚数、縦軸は温度検知素子14によ
って制御された加熱用ヒータ11の温調温度である。
【0050】更に、間欠的にプリントが行われた場合に
も、定着器の状態(加圧ローラの暖まり具合)に応じて
未定着トナー画像に定着不良やホットオフセットが発生
しない適切な定着温度設定が必要である。そのために
は、定着器の状態を正確に知る必要があり、プリントス
タート時のヒータ温度等により定着温度を設定する方法
が採られている。すなわちプリント信号を受信した直
後、加熱用ヒータ11の通電発熱抵抗層11bへの通電
を開始する前に、加熱用ヒータ11の背面に配設された
温度検知素子14の検知温度によって判断する方法であ
る。このような方法を採用できる理由は、フィルム方式
の加熱定着装置の場合、加圧ローラ20の熱容量が他の
部材に比べて大きいため、温度検知素子14の検知温度
が加圧ローラ表面温度に収束する。このため上記の方法
にて加圧ローラ20の加熱具合を検知し、加熱用ヒータ
11の温調設定温度を決定することが可能となる。
【0051】ここで、本実施形態に適用される画像形成
装置は複数の記録材搬送スピード(プロセススピード)
を有しているため、該記録材搬送スピードに応じて加熱
用ヒータ11の温調温度が異なる。
【0052】例えば、低解像度モード600dpi(プ
ロセススピード約94mm/sec)、高解像度モード
1200dpi(プロセススピード約47mm/se
c)の2速の切替えタイプの場合、図4に示すように、
加熱用ヒータ11の制御温度が低解像度モードより高解
像度モードの場合の方が低く設定してある。これは被記
録材Pが定着ニップ部Nにおいて加熱定着されている時
間が、低解像度モードの場合に比し高解像度モードの場
合の方が長いためである。
【0053】このように複数のプロセススピードを有す
る画像形成装置の場合、各プロセススピードに応じて加
熱用ヒータ11の温調温度を切り替えているが、これだ
けでは未定着トナー画像のホットオフセット、定着不良
を起こさない加熱定着可能な記録材Pの範囲を増やすこ
とは難しい。
【0054】このため本実施形態では、ラフペーパーの
搬送時にのみヒータ温調温度を高く設定する。しかし、
低解像度時のヒータ温調温度を高く設定すると、連続プ
リントによって加圧ローラ表面が異常に昇温してしま
い、例えば上記ラフペーパー用のモードを低解像度時に
行った直後に高解像度プリントに切り替えて、表面性の
良い薄い記録材Pを加熱定着した場合には、過加熱した
加圧ローラ20からもかなりの熱量が記録材Pに与えら
れる。この結果、記録材P上の未定着トナー画像は過加
熱されすぎてホットオフセット等の問題を引き起こす可
能性がある。
【0055】このような問題を解消するため、本実施形
態では、図5に示すフローチャートに従ってラフペーパ
ーモードが指定された場合には、プロセススピードを画
像形成装置の最速スピードより遅い搬送スピード(より
高解像度のプリントスピード)にて実施する。詳しく
は、プリンタ使用者がラフペーパーモードをホストコン
ピュータもしくは画像形成装置に具備している不図示の
パネルより指定した場合に、画像形成装置は解像度切替
制御部(不図示)の指令に従って解像度を最低解像度
(最速スピード)より高い解像度(より遅いスピード)
に切り替える。また、温度制御部(不図示)において予
め設定されているヒータ温調温度のテーブル(不図示)
をラフペーパー用に切り替え、プリントを開始する。こ
のときプリンタ使用者がホストコンピュータで作成した
画像が、切り替わり後の解像度と異なる場合には、画像
形成装置内のフォーマッタ等の画像情報処理装置によっ
て記録材搬送スピードに合致した解像度の画像に展開
し、プリントを実施する。
【0056】以下に、ラフペーパーモード用の一連の処
理を図5のフローチャートに従って説明する。
【0057】プリント信号を受信すると(ステップ
1)、先ずラフペーパーモードが指定されているか否か
を判定し(ステップ2)、ラフペーパーモードが指定さ
れている場合(Yes)、プロセススピードをラフペー
パーモードに対応する低速搬送スピードに切り替える
(ステップ3)。次いで、画像情報をステップ3の搬送
スピードに合致する解像度に情報処理し(ステップ
4)、記録材(ラフペーパー)Pの供給を開始する(ス
テップ5)。そして、ステップ6で再びラフペーパーモ
ードであるか否かを判定し、ラフペーパーモードであれ
ば(Yes)、ヒータ温調温度テーブルをラフペーパー
用に切り替えて加熱用ヒータ11をラフペーパー用のヒ
ータ温調温度で温調し(ステップ7)、記録材(ラフペ
ーパー)Pへのプリント動作を開始する(ステップ
8)。
【0058】また、上記ステップ2において、ラフペー
パーモードが指定されていない場合(No)、プロセス
スピードを指定された解像度(低解像度又は高解像度)
の搬送スピードに合わせる(ステップ3’)。次いで、
画像情報をステップ3’の搬送スピードに合致する解像
度に情報処理し(ステップ4)、記録材(ラフペーパー
以外の記録材)Pの供給を開始する(ステップ5)。そ
して、ステップ6で再びラフペーパーモードであるか否
かを判定し、ラフペーパーモードでない場合(No)、
ヒータ温調温度テーブルを指定された解像度のヒータ温
調温度テーブルを参照して加熱用ヒータ11を温調し
(ステップ7’)、記録材Pへのプリント動作を開始す
る(ステップ8)。
【0059】以上のように、600dpiの低解像度と
1200dpiの高解像度の2つの解像度を2速のプロ
セススピードの変更で行う本実施形態の画像形成装置の
場合、図6に示すようにラフペーパーモードが指定され
たときには、1200dpiの高解像度のプロセススピ
ードで、通常の高解像度(1200dpi)時のヒータ
温調温度より高めに設定したヒータ温調温度にて未定着
トナー画像を加熱定着する。このとき600dpiの画
像は1200dpiに切り替えて出力される。
【0060】図6は図4のそれぞれの解像度時における
通常プリント時のヒータ温調温度にラフペーパーモード
指定時のヒータ温調温度を書き加えたグラフである。ま
た、図6におけるそれぞれの温調温度および解像度で未
定着トナー画像の加熱定着を実施したときの各モード
(低解像度時、高解像度時、ラフペーパーモード時)で
の加圧ローラ表面温度を図7に示す。
【0061】ここで、未定着トナー画像の加熱定着は加
圧ローラ20が冷えている状態から連続的に行ったとき
の加圧ローラ温度である。図7より明らかなとおり、ラ
フペーパーモードを指定した時の加圧ローラ温度は高解
像度の通常温調時の加圧ローラ温度よりは高い温度を示
しているものの、低解像度時の通常温調時の加圧ローラ
温度よりは低い温度を示している。
【0062】以上、本実施形態では、ラフペーパーモー
ドを設けた場合でも加圧ローラ表面の温度を異常に高く
することもなく、未定着トナー画像の加熱定着しづらい
ラフペーパーに対しても余分に熱を与えることで未定着
トナー画像の加熱定着を可能にしている。
【0063】以上のような本実施形態の効果を確認する
ために、以下に示すような評価を行った。画像形成装置
の可変な解像度は600dpiと1200dpiであ
り、それぞれ記録材Pの搬送スピードは約94mm/s
ecと47mm/secである。加熱用ヒータ11は厚
み0.8mmのセラミック基板11aにAg/Pdの通
電発熱抵抗層11bを幅4mmで形成し、この通電発熱
抵抗層11bの上に絶縁性の保護ガラス11cを厚み5
0μmで形成した。また、定着フィルム13は厚み40
μmのポリイミドに導電性プライマを厚み5μmで形成
し、さらにPTFEの離型層を厚み12μmで形成し
た。また、加圧ローラ20は外径15mmのアルミの芯
金21に弾性層22としてシリコンゴムを厚み3mmで
形成し、さらに表層には離型性層23としてFEPのラ
テックスコーティング層を形成している。
【0064】評価方法は以下に示す方法で確認した。な
お、評価に使用した記録材Pとしての記録材は5種類で
あり、記録材1は表面性の良好な薄い記録材、記録材2
〜5は加熱定着しづらい記録材で定着性は順番に記録材
2から悪くなり、記録材5が最も定着不良を起こしやす
い記録材である。ここに、記録材1とは、十点平均粗さ
でRz=4μm程度、坪量60g/m2の記録材、記録材
2とは、十点平均粗さでRz=4μm程度、坪量105
g/m2の記録材、記録材3とは、十点平均粗さでRz
10μm程度、坪量75g/m2の記録材、記録材4と
は、十点平均粗さでRz=10μm程度、坪量90g/
2の記録材、記録材5とは、十点平均粗さでRz=15
μm程度、坪量90g/m2の記録材である。なお、ヒ
ータ温調制御については、上記で示した図6のヒータ温
調温度を採用し、さらに低解像度時のヒータ温調温度よ
り一律に5℃(比較例1)、10℃(比較例2)アップ
したヒータ温調温度で制御した場合も比較した。なお、
図6の低解像度時のヒータ温調制御を通常時1、高解像
度時のラフペーパーモード指定がないときのヒータ温調
制御を通常時2、ラフペーパーモード時に高解像度で実
施するヒータ温調制御を実施時1とする。
【0065】1.加圧ローラ表面が冷えている状態から
プリントを開始し、定着性能を評価した。
【0066】2.記録材1を各ヒータ温度制御で連続搬
送して加圧ローラ表面を過加熱し、その後、通常時2の
温調で記録材1を高解像度の画像を加熱定着した場合の
高温(ホット)オフセットの評価を行った。
【0067】定着性能の評価は、印字されたトナー上に
テープを貼り付け、はがした時の記録材上に残るトナー
量を比較して行った。
【0068】高温オフセットの評価は、記録材の略半分
(搬送先端側)に文字を印字し、残り半分を非印字(べ
た白)にした時に、非印字の部分に先端部のトナーがど
の程度付着するかを比較した。
【0069】評価結果を以下に示す。なお、表中の○は
問題ないレベル、△は許容レベル、×は劣悪レベルを示
す。
【0070】
【表1】 以上の結果より、低解像度時(高スピード時)のヒータ
温調制御では、記録材3、好ましくは記録材2までの加
熱定着に適していることがわかる(通常時1)。それに
対して、高解像度時(低スピード時)には記録材4、好
ましくは記録材3までの加熱定着に適していることがわ
かる(通常時2)。一方、低解像度時にヒータ温調温度
を一律5℃アップする(比較例1)ことで記録材3ま
で、10℃アップする(比較例2)ことで記録材4まで
それぞれ良好な加熱定着が可能である。また、ラフペー
パーモード時のヒータ温調制御では全ての記録材で良好
な加熱定着性が得られた(実施時1)。
【0071】また、高温オフセットの評価では、図6に
示したヒータ温度制御全ての場合に高温オフセットの発
生はなく、良好な画像が得られた(通常時1、通常時
2、実施時1)。しかし、低解像度時のヒータ温度制御
をアップした場合は悪化傾向にあった(比較例1、比較
例2)。
【0072】以上のことから、低解像度時のヒータ温度
制御を通常に比べてアップする(比較例1、比較例2)
ことで、ある程度の記録材に対しては加熱定着が可能に
なるが、その一方で高温オフセット等の熱供給過多の問
題が発生する。それに対してラフペーパーモード時のヒ
ータ温調制御(実施時1)では、加熱定着可能な記録材
の種類も増え、高温オフセット等の熱供給過多の問題も
発生しづらく、より広範囲の記録材に対して有効な加熱
定着を行うことができる。
【0073】〔第2実施形態〕次に、第2実施形態の画
像形成装置について説明する。画像形成装置全体の構成
は前記第1実施形態で示した図1と同様であり、加熱定
着装置6内の構成も図2及び図3と同様であるため、そ
の説明を省略する。
【0074】本実施形態は、複数の解像度が記録材搬送
スピード(プロセススピード)の変更により印字可能な
画像形成装置において、記録材の搬送方向と直交方向の
幅が小さい記録材を搬送する場合のシーケンスに関する
ものである。
【0075】記録材Pの搬送幅が小さい場合、加熱定着
装置6の定着ニップ部Nにおいて、記録材Pの搬送領域
では加熱用ヒータ11による発熱は記録材Pに吸収さ
れ、加熱定着に寄与するが、記録材Pが搬送されない非
搬送域においては加圧ローラ20の表面を直接加熱する
ことになるため、非搬送域の各部材(定着フィルム1
3、加圧ローラ20、フィルムガイド(不図示)など)
の昇温は著しく、高い耐熱性能が必要である。
【0076】特に本実施形態で適用される複数の搬送ス
ピードを有する画像形成装置において、前記第1実施形
態で示した加熱用ヒータ11の温度制御(図6)のう
ち、低解像度の場合にはヒータ温調温度が高く、より非
搬送域の昇温が顕著になってしまう。
【0077】この場合の対処として、一定時間にプリン
トされる記録材Pの枚数を減らす等の対策があるが、こ
のような場合でも非搬送域の昇温を各部材の耐熱温度以
下に抑えるためには、かなり少ない枚数まで減少しなく
てはならない。
【0078】よって、本実施形態では、所定の幅(定着
ニップ部Nの全幅)より細い記録材Pが搬送される場合
には、最低解像度より高い解像度のモードに切り替え、
より低速で未定着トナー画像の加熱定着を実施する。
【0079】この場合も所定時間内のプリント枚数は記
録材Pの搬送スピードが遅い分だけ少なくなるが、前記
第1実施形態、および図6で示したようにヒータ温調温
度を低く設定できるために、非搬送域の昇温を抑えるこ
とが可能になる。
【0080】よって、本実施形態では、図8に示すフロ
ーチャートにしたがって搬送幅の狭い記録材Pの加熱定
着を実施する。
【0081】図8において、プリンタの使用者から記録
材Pのサイズの指定があった場合、もしくは画像形成装
置内に具備したセンサー類、例えば感光ドラム1等の像
担持体に可視像として形成された画像と記録材Pの搬送
の同期信号をとるためのセンサー等により記録材Pの搬
送長さを計測し、記録材Pの長さが所定以下の場合、も
しくは記録材Pの幅を検知する幅検知センサー等によっ
て、供給、搬送される記録材Pのサイズを前述した解像
度切替制御部(不図示)で認識し、画像形成装置は上記
解像度切替制御部の指令に従ってその1枚目、あるいは
数枚目以降の記被録材Pに対して画像形成装置の最高搬
送速度より遅い搬送速度で記録材Pを供給、搬送し、加
熱定着装置6にて上記記録材Pを加熱定着する。この
際、前記第1実施形態と同様に供給されるスピードに合
った解像度に画像を変換する。
【0082】以下に、搬送幅の狭い記録材用の一連の処
理を図8のフローチャートに従って説明する。
【0083】プリント信号を受信すると(ステップ
1)、先ず搬送幅の狭い記録材Pか否かを判定し(ステ
ップ2)、搬送幅の狭い記録材Pの場合(Yes)、小
サイズに対応する所定の搬送スピード(最高搬送速度よ
り遅い搬送速度)に切り替える(ステップ3)。次い
で、画像情報をステップ3の搬送スピードに合致する解
像度に情報処理し(ステップ4)、記録材Pの供給を開
始する(ステップ5)。そして、ステップ3の搬送スピ
ードに合致したヒータ温調テーブルの温調温度で加熱用
ヒータ11を温調し(ステップ6)、記録材Pへのプリ
ント動作を開始する(ステップ7)。
【0084】また、上記ステップ2において、搬送幅の
狭い記録材Pでない場合(No)、プロセススピードを
指定された解像度の搬送スピードに合わせる(ステップ
3’)。次いで、画像情報をステップ3’の搬送スピー
ドに合致する解像度に情報処理し(ステップ4)、記録
材Pの供給を開始する(ステップ5)。そして、ステッ
プ3’の搬送スピードに合致したヒータ温調テーブルの
温調温度で加熱用ヒータ11を温調し(ステップ6)、
記録材Pへのプリント動作を開始する(ステップ7)。
【0085】以上により、非搬送域での昇温が大きい低
解像度時(高搬送速度)より高解像度時(低搬送速度)
の昇温に抑えることが可能になる。
【0086】以上の効果を確認するために、前記第1実
施形態で示した加熱定着装置6の構成で、幅(搬送幅)
の狭い記録材Pを加熱定着し、低解像度時及び高解像度
時のそれぞれの非搬送域の加圧ローラ20の温度上昇
(飽和温度)を測定した。
【0087】測定結果を以下に示す。なお、低解像度時
の所定時間内のプリント枚数を高解像度時の枚数に合わ
せて比較(比較例1)も行った。
【0088】
【表2】 以上の結果より、幅の狭い記録材Pを加熱定着する場合
には、高解像度時のスピードに変更し、未定着トナー画
像の加熱定着を行うことで、非搬送域の昇温を抑えるこ
とが可能になる。また、幅の狭い記録材Pのうち、封筒
等の2枚重ねの記録材Pの未定着トナー画像を加熱定着
する場合には、前記第1実施形態で示したラフペーパー
モードを使用することで、十分な定着性能が得られるば
かりではなく、非搬送域の昇温も抑えられる。
【0089】〔第3実施形態〕次に、第3実施形態の画
像形成装置について説明する。画像形成装置全体の構成
は前記第1実施形態で示した図1と同様であり、加熱定
着装置6内の構成も図2及び図3と同様であるため、そ
の説明を省略する。
【0090】本実施形態では、画像形成装置の耐久によ
る加圧ローラ20の汚染トナーを一挙に除去し、加圧ロ
ーラ表面を初期に近い状態に戻す方法を提供する。
【0091】画像形成装置に搬送可能な記録材Pが多岐
に渡ってくると、記録材Pによってはトナーがオフセッ
トしやすいものもある。このため、オフセットしたトナ
ーは定着フィルム13に転移した後、加圧ローラ20の
昇温によって加圧ローラ側に移り、耐久により加圧ロー
ラ表面が徐々に汚染される。
【0092】これをきれいに除去するため、本実施形態
では、クリーニングペーパーモードを設けた。この場
合、汚染除去部材としてのクリーニングペーパーを特別
にトナーが付着しやすい部材としても良いが、本実施形
態では、画像形成装置で使用している記録材Pを使用す
る方法を説明する。
【0093】図9にクリーニングペーパーモードのフロ
ーチャートを示す。図9において、プリンタ使用者がク
リーニングモードを指定した場合には、画像形成装置は
記録材Pの搬送領域に渡って印字比率の高い画像をプリ
ントする。この際の画像形成装置による記録材Pへの形
成画像の解像度は特に限定されず、どの解像度であって
も差し支えない。その後、印字比率の高い画像をプリン
トされた記録材(クリーニングペーパー)Pを不図示の
供給トレイや供給カセットC等にセットする。このと
き、次のプリントが開始された場合に前述の高印字画像
が加圧ローラ20側になるようにセットする。ただし、
自動両面機等の記録材反転装置が具備されている場合に
は、画像形成装置内で自動的に行っても構わない。
【0094】次に、実際の加圧ローラ表面のクリーニン
グを実施する際には、画像形成装置は解像度切替制御部
(不図示)の指令に従って解像度を最低解像度より高い
解像度に、すなわち最高搬送スピードより遅い搬送スピ
ードで先の記録材Pを搬送し、加熱定着装置6にて上記
記録材(クリーニングペーパー)の加熱定着を実施す
る。加熱定着する際のヒータ温調温度は前記第1実施形
態で示した図6の高解像度用温調温度に設定しても、ラ
フペーパー用温調温度に設定してあっても良い。しか
し、好ましくはラフペーパー用温調温度等、高い温調温
度に設定してあった方が良い。
【0095】以下に、クリーニングペーパーモード用の
一連の処理を図5のフローチャートに従って説明する。
【0096】プリント信号を受信すると(ステップ
1)、先ずクリーニングペーパモードが指定されている
か否かを判定し(ステップ2)、クリーニングペーパモ
ードが指定されている場合(Yes)、記録材Pに所定
の解像度で高印字率のパターン画像をプリントして給紙
トレイなどにセットし(ステップ3)、プロセススピー
ドをクリニーングペーパモードに対応する低速搬送スピ
ードに切り替えて(ステップ4)、記録材(クリーニン
グペーパー)Pの供給を開始する(ステップ5)。そし
て、ステップ4の低速搬送スピードに合致したヒータ温
調テーブルの温調温度で加熱用ヒータ11を温調し(ス
テップ6)、上記記録材Pへのプリント動作を開始する
(ステップ7)。
【0097】また、上記ステップ2において、クリーニ
ングペーパモードが指定されていない場合(No)、プ
ロセススピードを指定された解像度(低解像度又は高解
像度)の搬送スピードに合わせて(ステップ3’)、記
録材Pの供給を開始する(ステップ5)。そして、ステ
ップ3’の搬送スピードに合致したヒータ温調テーブル
の温調温度で加熱用ヒータ11を温調し(ステップ
6)、記録材Pへのプリント動作を開始する(ステップ
7)。
【0098】このようなクリーニングペーパーモードの
効果を確認するため、前記第1実施形態で示した加熱定
着装置6で評価した。評価方法は、耐久によって実際の
加圧ローラ表面のトナー汚れと同程度に汚染した加圧ロ
ーラを加熱定着装置6内に組み入れ、図6に示した各温
度制御時にクリーニングペーパーを加熱定着し、加圧ロ
ーラの汚染トナーの除去効果を確認した。
【0099】ただし、加圧ローラ表面の汚染トナーの除
去は加圧ローラ温度に影響を受けるため、加圧ローラは
全て室温と同じ温度から開始した。また、クリーニング
時の加圧ローラ表面の温度をモニターし、各温度制御時
の加圧ローラ温度を比較した。
【0100】評価結果を以下に示す。表中の○はほぼ完
全に加圧ローラ表面の汚れが除去できたことを示し、△
は若干残った場合、×はほとんど除去できなかった場合
を示す。
【0101】
【表3】 以上の結果より、低解像度時のスピードでのクリーニン
グ性より高解像度時のクリーニング性の方が良好である
ことがわかる。これは定着ニップ部Nにクリーニングペ
ーパーが挟持搬送されている時間が長いために、加圧ロ
ーラ表面に付着したトナー汚れがクリーニングペーパー
に接触している時間が長く、よってより除去し易くなっ
ていることによる。
【0102】ここで、低解像度時の方がヒータ温調温度
が高くなっているにも関わらず、加圧ローラ温度が低い
のは、記録材(クリーニングペーパー)Pの搬送スピー
ドが異なるため、定着ニップ部Nに上記記録材Pが到達
するまでに加熱用ヒータ11によって加熱されている時
間が異なることによる。このため、低解像度時も上記記
録材Pが定着ニップ部Nに到達するまでの時間を高解像
度時と同じにした場合、加圧ローラ温度は102℃まで
達した。しかし、クリーニング性は高解像度時より劣っ
ており、加圧ローラ表面の汚染トナーを除去するために
はさらに長い時間をかけて加圧ローラ表面を加熱する必
要がある。実際に上記構成で低解像度時に加圧ローラ表
面の汚染トナーを除去するためには、加圧ローラ温度で
130℃まで昇温させなければならなかった。
【0103】ここで、本実施形態のクリーニングペーパ
ーモードを使用する際に、高解像度の搬送スピードに切
り替えるだけでなく、上記記録材Pが定着ニップ部Nに
突入するまでの時間を通常時より若干長く採り、加圧ロ
ーラの昇温を大きくすると、さらにクリーニング効果は
上げられる。
【0104】また、クリーニングペーパーモード中に通
常のプリント信号がホストより送られてきた場合には、
データの解像度をフォーマッタ等で自動的に変換してク
リーニングペーパーモードの状態でプリントを継続して
もよい。これにより、クリーニングペーパーモードに入
っていても通常のプリントを停止することなく、画像形
成装置のプリント動作が可能になる。
【0105】以上、本実施形態では、耐久によってトナ
ーにより汚染した加圧ローラ表面をクリーニングする手
段として、より高解像度(低速)時にクリーニングペー
パーモードを実施することで、時間のロスも少なく、低
い加圧ローラ昇温で効率の良いクリーニングが可能とな
る。
【0106】以上、実施形態を挙げて説明したとおり、
複数の解像度、これらの各解像度に対応したプロセスス
ピードで所定面上に未定着トナー画像が形成された記録
材Pを、加熱用ヒータ(加熱体)11、該加熱用ヒータ
11の温度を検知するサーミスタなどの温度検知素子
(温度検知部材)14及び薄肉の定着フィルム(フィル
ム)13よりなる定着部材(加熱部材)13と、これに
圧接する加圧ローラ(加圧部材)20とにより形成され
た加熱定着装置(定着装置)6の定着ニップ部Nの間に
通過させることにより、加熱用ヒータ11からの熱で記
録材P上の未定着トナー画像を加熱する画像形成装置に
おいて、ラフペーパー指定のモードを設け、該モードが
指定されている場合には、少なくとも最小解像度(最低
解像度)より高い解像度(最高搬送速度より遅い搬送速
度)で、記録材P上に未定着トナー画像を形成して該未
定着トナー画像を加熱定着装置6により加熱定着する。
【0107】これにより、ヒータ設定温度(ヒータ温調
温度)を極端に高めることもなくラフペーパーに十分な
熱量を与えることができ、また、加熱定着装置6の加圧
ローラ表面の昇温を小さく抑えることが可能となる。こ
のため、ラフペーパーの未定着トナー画像の定着不良の
発生を防止することができ、その上、表面性の良い薄い
記録材の未定着トナー画像のホットオフセットの発生を
防止することができる。これにより、通紙対象となる記
録材の範囲(種類)が大幅に広がるという効果が得られ
る。
【0108】また、複数の解像度、これらの各解像度に
対応したプロセススピードで所定面上に未定着トナー画
像が形成された記録材Pを、加熱用ヒータ(加熱体)1
1、該加熱用ヒータ11の温度を検知するサーミスタな
どの温度検知素子(温度検知部材)14及び薄肉の定着
フィルム(フィルム)13よりなる定着部材(加熱部
材)13と、これに圧接する加圧ローラ(加圧部材)2
0とにより形成された加熱定着装置(定着装置)6の定
着ニップ部Nの間に通過させることにより、加熱用ヒー
タ11からの熱で記録材P上の未定着トナー画像を加熱
する画像形成装置において、搬送幅(搬送方向と直交方
向の記録材の長さ)の小さい記録材Pを搬送する場合に
は、少なくとも最小解像度(最低解像度)より高い解像
度(最高搬送速度より遅い搬送速度)で、記録材P上に
未定着トナー画像を形成して該未定着トナー画像を加熱
定着装置6により加熱定着する。
【0109】これにより、ヒータ設定温度(ヒータ温調
温度)を最小解像度時のヒータ設定温度より低い温度に
設定することができ、よって、定着ニップ部Nの非搬送
域の過度の昇温を抑止できて、該非搬送域の昇温防止が
可能となるという効果が得られる。その結果、フィルム
ガイドや加圧ローラ等の溶融・変形を防止することがで
きる。
【0110】上記画像形成装置において、ラフペーパー
指定のモード、搬送幅が小さい記録材Pを搬送するモー
ドの場合には、これらのモードを優先し、記録材Pの搬
送スピードを切り替える。また、受信された画像データ
(形成画像データ)が、上記切り替え後の搬送スピード
に相当する解像度と異なる解像度の場合には、画像形成
装置のフォーマッタ等の画像情報処理装置で、切り替え
後の搬送スピードに相当する解像度の画像に変換する。
【0111】また、複数の解像度、これらの各解像度に
対応したプロセススピードで所定面上に未定着トナー画
像が形成された記録材Pを、加熱用ヒータ(加熱体)1
1、該加熱用ヒータ11の温度を検知するサーミスタな
どの温度検知素子(温度検知部材)14及び薄肉の定着
フィルム(フィルム)13よりなる定着部材(加熱部
材)13と、これに圧接する加圧ローラ(加圧部材)2
0とにより形成された加熱定着装置(定着装置)6の定
着ニップ部Nの間に通過させることにより、加熱用ヒー
タ11からの熱で記録材P上の未定着トナー画像を加熱
する画像形成装置において、加圧部材表面の汚染トナー
を除去するクリーニングペーパーモードを設け、該クリ
ーニングペーパーは高印字部分を定着ニップ部Nの全搬
送域に渡って印字した記録材とし、加圧ローラ側に該印
字画像が当接するように搬送するとともに、該モードを
最高プロセススピードより遅いプロセススピードの速度
で実施する。
【0112】これにより、加圧ローラ表面を加熱し、加
圧ローラ表面の汚染トナーが除去できる温度まで加圧ロ
ーラ表面温度を到達させた状態にし、加圧ローラとクリ
ーニングペーパーの接触時間を長くとることで、容易に
加圧ローラ表面の汚染トナーが除去できるという効果が
得られる。
【0113】要するに、本発明は、複数の解像度の画像
が印字可能な画像形成装置において、記録材の種類に応
じて発生する未定着トナー画像の定着不良やホットオフ
セットの発生防止、幅の狭い記録材の非紙通部(非搬送
域)の昇温防止などを可能とすると共に、加圧ローラ表
面の汚染トナーを効率よく除去することを目的とし、か
ゝる目的を達成するために、ラフペーパーモード時や小
サイズ紙通時には半速モードに切り替え、同時にフォー
マッターでデータ解像度を高解像度画像に切り替えるよ
うに構成し、また、クリーニングペーパーモードが指定
された場合には、半速モードにて加熱定着を実施するよ
うに構成したものである。
【0114】本発明に係る画像形成装置は、実施形態の
画像形成装置、即ち、低解像度及び高解像度の各解像度
に対応してプロセススピードを2速に切り替える画像形
成装置に限定されるものではなく、二つ以上の各解像度
に対応してプロセススピードを2速以上に切替え可能な
画像形成装置に適用しても同様な効果を得ることができ
る。
【0115】また、本発明に係る画像形成装置の作像原
理・プロセスは、実施形態の電子写真画像形成プロセス
に限定されるものでなく、静電記録プロセス、磁気記録
プロセスなどの任意の画像形成プロセスにより転写式あ
るいは直接方式で記録材(転写材、感光紙、静電記録
紙)に目的の画像情報に対応した未定着のトナー画像を
形成担持させ、該記録材を熱定着手段(定着器)に導入
してトナー画像の熱定着を行う画像形成装置であっても
よい。トナー画像は単色トナー画像に限らず、2色、3
色、フルカラーなどのトナー画像であってもよい。
【0116】また、各実施実施形態においてフィルム加
熱方式の定着装置は、エンドレスベルト状フィルムを加
熱体を含む複数の部材間に懸回張設して駆動手段で回転
させる構成、ロール巻きにした有端の長尺フィルムを繰
り出して走行させる構成、加熱体はセラミックヒータの
代わりに電磁誘導発熱体にする構成、フィルム自体を電
磁誘導発熱体にする構成などにすることができる。
【0117】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明の画像形
成装置は、被記録材の種類に応じて、或いは被記録材の
長さが所定長さ以下の場合、又は定着装置の加圧部材の
クリーニングのために画像形成装置に印字率の高い画像
が形成された汚染除去部材を導入搬送する場合に、最低
解像度より高い解像度、すなわち最高搬送スピードより
遅い搬送スピードで未定着画像の定着対象となる被記録
材や印字率の高い画像が形成された汚染除去部材を搬送
して、最低解像度時の温調温度より低い温調温度で、被
記録材の未定着画像や印字率の高い画像が形成された汚
染除去部材を加熱定着処理するように構成したので、加
圧部材表面の昇温を小さく抑えることが可能となる。
【0118】これにより、被記録材を表面のざらついた
被記録材(ラフペーパー)としたときの未定着画像の定
着不良を防止することが可能となる上、被記録材を表面
性の良い薄い被記録材としたときの未定着画像のホット
オフセットを防止することが可能となって、定着装置に
通紙使用される被記録材の範囲(種類)が広がる。
【0119】また、被記録材が所定長さ以下の場合に
は、定着装置の定着ニップ部において被記録材の非搬送
域の過度の昇温を抑止できて、該非搬送域の昇温防止が
可能となる。
【0120】また、汚染除去部材の場合には、汚染除去
部材が最高搬送スピードより遅い搬送スピードで搬送さ
れることから、加圧部材表面の汚染トナーに対する汚染
除去部材の印字面の接触時間が長くなって該印字面で加
圧部材表面の汚染トナーを除去することができ、高耐久
の加熱定着装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の概略構成図であ
る。
【図2】図1に示す加熱定着装置の定着部材と加圧部材
の説明図である。
【図3】図2に示す加熱定着装置の定着ニップ部の拡大
図である。
【図4】加熱定着装置の連続プリントの低解像度時及び
高解像度時のヒータ温調温度の説明図である。
【図5】本発明に係る画像形成装置における第1実施形
態のラフペーパーモード用の一連の処理を表したフロー
チャートである。
【図6】加熱定着装置における連続プリント時低解像度
時、高解像度時及びラフペーパーモード時のヒータ温調
温度の説明図である。
【図7】加熱定着装置における連続プリント時の低解像
度時、高解像度時及びラフペーパーモード時の加圧ロー
ラ温度の推移を表した説明図である。
【図8】本発明に係る画像形成装置における第2実施形
態の搬送幅の小さい記録材用の一連の処理を表したフロ
ーチャートである。
【図9】本発明に係る画像形成装置における第3実施形
態のクリーニングペーパーモード用の一連の処理を表し
たフローチャートである。
【図10】従来の画像形成装置におけるヒータ温調温度
の説明図である。
【符号の説明】
P 記録材(被記録材) M 作像手段 T 未定着のトナー画像(未定着画像) 6 加熱定着装置(定着装置) 10 定着部材(加熱部材) 11 加熱用ヒータ(加熱体) 13 定着フィルム(フィルム) 14 温度検知素子(温度検知部材) 20 加圧部材(加圧ローラ)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被記録材に未定着画像を形成させる作像
    手段と、未定着画像を形成させた被記録材を、加熱部材
    と加圧部材とで形成される定着ニップ部を通過させるこ
    とにより、加熱部材からの熱で被記録材上の未定着画像
    を加熱定着する定着装置を有し、複数の解像度、プロセ
    ススピードで被記録材上に画像形成可能な画像形成装置
    において、 画像形成装置に通紙使用される被記録材の種類に応じ
    て、最低解像度より高い解像度の搬送スピードで被記録
    材上の未定着画像を定着装置にて加熱定着することを特
    徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 画像形成装置に通紙使用される被記録材
    の種類に応じて、最低解像度より高い解像度の搬送スピ
    ードで被記録材上の未定着画像を定着装置にて加熱定着
    すると共に、被記録材の種類に応じて、加熱部材の温調
    温度を高く設定することを特徴とする請求項1に記載の
    画像形成装置。
  3. 【請求項3】 被記録材の搬送方向の長さ、或いは搬送
    方向と直交方向の長さを検知する手段と、該検知手段で
    検知される被記録材の長さが所定長さ以下の場合に、解
    像度を切り替える手段を有することを特徴とする請求項
    1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 定着装置の加圧部材のクリーニングのた
    めに画像形成装置に印字率の高い画像が形成された汚染
    除去部材を導入搬送するモード時には、該汚染除去部材
    を最高スピードより遅い速度で搬送することを特徴とす
    る請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記定着装置が、加熱体と該加熱体と摺
    動するフィルムと該フィルムを介して前記加熱体と圧接
    する加圧部材とを有し、前記フィルムと前記加圧部材の
    間に未定着画像を形成させた被記録材を通過させて加熱
    定着するフィルム加熱方式の定着装置であることを特徴
    とする画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記定着装置の温度を検知する温度検知
    部材を含む定着装置温度制御手段を有することを特徴と
    する請求項1乃至5の何れか一項に記載の画像形成装
    置。
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