JP2006243652A - 画像形成装置および電力接続切替装置の異常検知方法 - Google Patents

画像形成装置および電力接続切替装置の異常検知方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 定着ベルト部材を用いた定着装置において、簡略・安価な回路構成でリレーの異常検知を行う。
【解決手段】 用紙Pに当接する定着ベルト61と、定着ベルト61を加熱する励磁コイル65bと、励磁コイル65bに電力を供給する高周波スイッチング回路152と、高周波スイッチング回路152の入口部にて電力の入力と遮断とを切り替えるリレー153とを有し、CPU160は、リレー153に対して入力と遮断との切替信号を出力し、その際の定着ベルト61の温度の変化に基づいて、リレー153が正常か異常かを判断する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、記録材にトナー画像を定着する定着装置を備えた画像形成装置等に関する。
電子写真方式を用いた複写機、プリンタ等の画像形成装置では、例えばドラム状に形成された感光体(感光体ドラム)を一様に帯電し、この感光体ドラムを画像情報に基づいて制御された光で走査露光して感光体ドラム上に静電潜像を形成する。そして、この静電潜像をトナーによって可視像(トナー像)とし、このトナー像を感光体ドラム上から記録紙に直接転写した後に、或いは、このトナー像を一旦中間転写体に一次転写し、中間転写体から記録紙に二次転写紙した後に、定着装置によってこのトナー像を記録紙に定着している。
このような画像形成装置に用いられる定着装置は、例えば、円筒状の芯金の内部に加熱源が配設され、その芯金に耐熱性弾性体層と、その外周面に離型層とが積層されて形成された定着ロールと、この定着ロールに対して圧接配置され、芯金に耐熱性弾性体層と、その外周面に耐熱性樹脂被膜あるいは耐熱性ゴム被膜による離型層とが積層されて形成された加圧ロールとで構成されている。そして、定着ロールと加圧ロールとの間に、未定着トナー像を担持した記録紙を通過させ、未定着トナー像に対して加熱と加圧とを行うことによって、記録紙にトナー像を定着している。このような定着装置は、2ロール定着方式と呼ばれて一般に広く利用されている。
ところが、かかる2ロール定着方式のような定着ロールを用いる従来の定着装置では、定着ロールが大きな熱容量を有するため、画像形成装置の電源をオンすると同時に定着装置に通電を開始したとしても、定着ロールを室温から定着可能温度に上昇させる(ウォームアップ)までには相当の時間が必要となるという不都合がある。また、このようなクイックスタートが困難であるという定着ロールの特性から、画像形成装置が待機状態にある場合には、画像形成動作の開始に備えて定着ロールの温度は常時、所定の温度に維持しておく必要もある。そのために、電力の消費量が大きくなるという問題もある。
そこで、このような問題を解消するため、定着ロールを用いる構成に代えて無端状の定着ベルト部材を用いた定着装置が開発されている。定着ベルト部材は、フィルム状の耐熱性樹脂等を基体としているため、定着ロールのようなロール状部材に比べて熱容量が小さく、短い時間でウォームアップを行うことができるという利点を有している。さらに、クイックスタートが容易であることから、画像形成装置の待機時における消費電力を小さなものとすることも可能である。
ここで、定着ベルト部材を用いた定着装置に関する従来技術として、内部空間にハロゲンヒータが配設されるとともに、支持部材によって回動自在に支持された加熱フィルム(定着ベルト部材)と、加熱フィルムに対して圧接して配置され、定着ニップを形成するとともに加熱フィルムを従動させて駆動する加圧ロール部材とで構成されており、ハロゲンヒータから放射される赤外線を定着ニップに集中させることで定着ニップにおける加熱フィルムを加熱して、定着ニップを通過する記録紙上のトナー像をオンデマンドに定着する技術が存在する(例えば、特許文献1参照)。
また、定着ベルト部材を用いた定着装置において、定着ベルト部材に導電層を設け、導電層を電磁誘導加熱によって発熱させる定着装置に関する技術も存在する(例えば、特許文献2参照)。電磁誘導加熱方式は、変動磁界を発生する励磁コイルを定着ベルト部材(導電層)に近接配置し、導電層に発生する渦電流によって定着ベルト部材を加熱するものである。このような電磁誘導加熱方式によれば、定着ベルト部材を直接的に加熱することができるので、エネルギーの利用効率が高く、省電力化に有効であるという利点がある。また、定着ベルト部材の極めて限られた領域を加熱するので、定着ベルト部材を短時間で所定の温度まで加熱することも可能となる。さらには、定着ベルト部材の発熱量は供給電力に比例するため、供給電力の可変制御により定着ベルト部材の温度制御をレスポンス良く、かつ容易に行うことができるという点でも優れている。
ところで、定着ベルト部材を加熱する際に用いられる例えば誘導加熱用電源等の商用電力入力部には、外部商用電源から商用電力入力部への電力の入力と遮断とを切り替える遮断装置(所謂「リレー」)が使用されている。ところが、このリレーにおいて、接点の融着等の異常によって遮断動作を正常に行うことができないという事態が稀に生じる場合がある。その場合、電磁誘導加熱方式のような加熱手段では、立ちあげ時に使用される電力が1000〜1200Wと非常に大きく、かつ加熱対象は定着ベルト部材のような発熱部材である。そのために、リレーに異常が生じると、定着装置を駆動制御する制御回路に支障が生じるだけでなく、過昇温によって定着装置全体が大きなダメージを受けることとなる。そこで、電磁誘導加熱方式を用いる定着装置において、リレーの異常を検知するリレー異常検知回路を別途配設した技術が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2003−223064号公報(第6−8頁) 特開2004−198969号公報(第8−9頁) 特開2003−295644号公報(第5頁)
しかしながら、例えば電磁誘導加熱方式によって定着ベルト部材を加熱する定着装置において、リレーの異常を検知するために、別途リレー異常検知回路を配設することは新たな回路を付加することとなる。そのために、回路構成が複雑化・大型化するとともに、画像形成装置の製造コストを上昇させるという不都合があった。
また、従来のリレー異常検知回路では、リレーの開閉を指示するリレー制御信号とリレーから出力される電圧信号とによる論理的判断に基づいてリレーの異常を検知しており、実際の発熱部材(定着ベルト部材)における温度状態に関係なくリレーの異常/正常が判断されている。そのために、定着装置の過昇温に対する安全性が不充分であるという問題もあった。
そこで本発明は、以上のような技術的課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、定着ベルト部材を用いた定着装置において、簡略・安価な回路構成でリレーの異常検知を行うことにある。
また、他の目的は、リレーの異常時には、確実に入力電力を遮断することができる安全性の高い定着装置を提供することにある。
かかる目的のもと、本発明の画像形成装置は、記録材上にトナー画像を形成する画像形成装置であって、搬送される記録材に当接する当接部材と、当接部材を加熱する加熱手段と、加熱手段に電力を供給する電力供給手段と、電力供給手段の入口部にて電力の入力と遮断とを切り替える接続切替手段と、接続切替手段に対して入力と遮断との切替信号を出力する切替指示手段と、当接部材の温度を検知する温度検知手段と、切替指示手段から切替信号が出力された際の温度検知手段により検知される当接部材の温度の変化に基づいて、接続切替手段が異常状態にあることを判断する異常検知手段とを備えたことを特徴としている。
ここで、異常検知手段は、一連の画像形成動作の終了後に接続切替手段が正常状態にあるか異常状態にあるかを判断することを特徴とすることができる。また、異常検知手段は、検知されたベルト部材の温度の変化が所定時間内にて所定値よりも低下していない場合に、接続切替手段は異常であると判断することを特徴とすることもできる。さらに、異常検知手段は、切替指示手段が入力から遮断に切り替える切替信号を出力した場合に、接続切替手段が正常か異常かを判断することを特徴とすることができる。
さらに、当接部材は、ベルト部材であることを特徴とすることができる。特に、当接部材は、導電層を含む多層構造で構成されたベルト部材であり、加熱手段は、ベルト部材の導電層を電磁誘導加熱することを特徴とすることもできる。
また、本発明の画像形成装置は、記録材上にトナー画像を形成する画像形成装置であって、導電層を含む多層構造で形成されたベルト部材と、ベルト部材を電磁誘導加熱する励磁コイル部材と、励磁コイル部材に高周波電流を供給する誘導加熱電源と、誘導加熱電源の入口部にて電力の入力と遮断とを切り替える接続切替手段と、接続切替手段に対して入力と遮断との切替信号を出力する切替指示手段と、ベルト部材の温度を検知する温度検知手段と、切替指示手段により入力から遮断への切替信号が出力された際の温度検知手段により検知されるベルト部材の温度の変化に基づいて、接続切替手段が正常状態にあるか異常状態にあるかを判断する異常検知手段とを備えたことを特徴としている。
ここで、異常検知手段は、温度検知手段により検知されるベルト部材の温度が所定時間内に所定値よりも低下していない場合に、接続切替手段は異常状態であると判断することを特徴とすることができる。また、接続切替手段が異常状態にあると異常検知手段により判断された場合に、画像形成動作の禁止を指示する動作禁止信号を出力する動作禁止指示手段をさらに備えたことを特徴とすることもできる。さらに、装置における種々の動作情報を表示する表示手段をさらに備え、動作禁止指示手段は、接続切替手段は異常であることを表示手段に表示するように指示する異常表示信号を出力することを特徴とすることもできる。
さらに、本発明を電力接続切替装置の異常検知方法として捉え、本発明の電力接続切替装置の異常検知方法は、加熱部材によりトナー像を加熱定着する定着装置の電力供給部に設けられ、電力の入力と遮断とを切り替える電力接続切替装置について、かかる電力接続切替装置の異常状態を検出する異常検知方法であって、電力接続切替装置に対して入力から遮断に切り替える切替信号を出力するステップと、切替信号を出力した際の加熱部材の温度の変化を検出するステップと、加熱部材の温度が所定時間内にて所定の温度よりも低下しない場合に、電力接続切替装置は異常であると判断するステップとを含むことを特徴としている。
ここで、電力接続切替装置は異常であると判断された場合に、画像形成動作の禁止を指示する動作禁止信号を出力するステップをさらに含むことを特徴とすることができる。また、加熱部材は、ベルト部材で構成されたことを特徴とすることもできる。
本発明によれば、定着ベルトを用いた定着装置において、簡略・安価な回路構成でリレーの異常検知を行うことが可能となった。また、リレーの異常時には、確実に入力電力を遮断することができるので、過昇温による大きなダメージの発生を抑制できる安全性の高い定着装置が実現可能となった。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本実施の形態が適用される画像形成装置を示した概略構成図である。図1に示す画像形成装置は、一般にタンデム型と呼ばれる中間転写方式の画像形成装置であって、電子写真方式により各色成分のトナー像が形成される複数の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1K、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにより形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト15に順次転写(一次転写)させる一次転写部10、中間転写ベルト15上に転写された重畳トナー画像を記録材(記録紙)である用紙Pに一括転写(二次転写)させる二次転写部20、二次転写された画像を用紙P上に定着させる定着装置60を備えている。また、各装置(各部)の動作を制御する制御部40を有している。
本実施の形態において、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、矢印A方向に回転する感光体ドラム11の周囲に、これらの感光体ドラム11を帯電する帯電器12、感光体ドラム11上に静電潜像を書込むレーザ露光器13(図中露光ビームを符号Bmで示す)、各色成分トナーが収容されて感光体ドラム11上の静電潜像をトナーにより可視像化する現像器14、感光体ドラム11上に形成された各色成分トナー像を一次転写部10にて中間転写ベルト15に転写する一次転写ロール16、感光体ドラム11上の残留トナーが除去されるドラムクリーナ17、などの電子写真用デバイスが順次配設されている。これらの画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、中間転写ベルト15の上流側から、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の順に、略直線状に配置されている。
中間転写体である中間転写ベルト15は、ポリイミドあるいはポリアミド等の樹脂にカーボンブラック等の帯電防止剤を適当量含有させたフィルム状の無端ベルトで構成されている。そして、その体積抵抗率は10〜1014Ωcmとなるように形成されており、その厚みは例えば0.1mm程度に構成されている。中間転写ベルト15は、各種ロールによって図1に示すB方向に所定の速度で循環駆動(回動)されている。この各種ロールとして、定速性に優れたモータ(図示せず)により駆動されて中間転写ベルト15を回動させる駆動ロール31、各感光体ドラム11の配列方向に沿って略直線状に延びる中間転写ベルト15を支持する支持ロール32、中間転写ベルト15に対して一定の張力を与えると共に中間転写ベルト15の蛇行を防止する補正ロールとして機能するテンションロール33、二次転写部20に設けられるバックアップロール25、中間転写ベルト15上の残留トナーを掻き取るクリーニング部に設けられるクリーニングバックアップロール34を有している。
一次転写部10は、中間転写ベルト15を挟んで感光体ドラム11に対向して配置される一次転写ロール16で構成されている。一次転写ロール16は、シャフトと、シャフトの周囲に固着された弾性層としてのスポンジ層とで構成されている。シャフトは鉄、SUS等の金属で構成された円柱棒である。スポンジ層はカーボンブラック等の導電剤を配合したNBRとSBRとEPDMとのブレンドゴムで形成され、体積抵抗率が107.5〜108.5Ωcmのスポンジ状の円筒ロールである。そして、一次転写ロール16は中間転写ベルト15を挟んで感光体ドラム11に圧接配置され、さらに一次転写ロール16にはトナーの帯電極性(マイナス極性とする。以下同様。)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が印加されるようになっている。これにより、各々の感光体ドラム11上のトナー像が中間転写ベルト15に順次、静電吸引され、中間転写ベルト15上において重畳されたトナー像が形成されるようになっている。
二次転写部20は、中間転写ベルト15のトナー像担持面側に配置される二次転写ロール22と、バックアップロール25とによって構成される。バックアップロール25は、表面がカーボンを分散したEPDMとNBRとのブレンドゴムのチューブ、内部がEPDMゴムで構成されている。そして、その表面抵抗率が10〜1010Ω/□となるように形成され、硬度は例えば70°(アスカーC)に設定される。このバックアップロール25は、中間転写ベルト15の裏面側に配置されて二次転写ロール22の対向電極をなし、二次転写バイアスが安定的に印加される金属製の給電ロール26が当接配置されている。
一方、二次転写ロール22は、シャフトと、シャフトの周囲に固着された弾性層としてのスポンジ層とで構成されている。シャフトは鉄、SUS等の金属で構成された円柱棒である。スポンジ層はカーボンブラック等の導電剤を配合したNBRとSBRとEPDMとのブレンドゴムで形成され、体積抵抗率が107.5〜108.5Ωcmのスポンジ状の円筒ロールである。そして、二次転写ロール22は中間転写ベルト15を挟んでバックアップロール25に圧接配置され、さらに二次転写ロール22は接地されてバックアップロール25との間に二次転写バイアスが形成され、二次転写部20に搬送される用紙P上にトナー像を二次転写する。
また、中間転写ベルト15の二次転写部20の下流側には、二次転写後の中間転写ベルト15上の残留トナーや紙粉を除去し、中間転写ベルト15の表面をクリーニングする中間転写ベルトクリーナ35が接離自在に設けられている。一方、イエローの画像形成ユニット1Yの上流側には、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにおける画像形成タイミングをとるための基準となる基準信号を発生する基準センサ(ホームポジションセンサ)42が配設されている。また、黒の画像形成ユニット1Kの下流側には、画質調整を行うための画像濃度センサ43が配設されている。この基準センサ42は、中間転写ベルト15の裏側に設けられた所定のマークを認識して基準信号を発生しており、この基準信号の認識に基づく制御部40からの指示により、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは画像形成を開始するように構成されている。
さらに、本実施の形態の画像形成装置では、用紙搬送系として、用紙Pを収容する用紙トレイ50、この用紙トレイ50に集積された用紙Pを所定のタイミングで取り出して搬送するピックアップロール51、ピックアップロール51により繰り出された用紙Pを搬送する搬送ロール52、搬送ロール52により搬送された用紙Pを二次転写部20へと送り込む搬送シュート53、二次転写ロール22により二次転写された後に搬送される用紙Pを定着装置60へと搬送する搬送ベルト55、用紙Pを定着装置60に導く定着入口ガイド56を備えている。
次に、本実施の形態に係る画像形成装置の基本的な作像プロセスについて説明する。図1に示すような画像形成装置では、図示しない画像読取装置(IIT)や図示しないパーソナルコンピュータ(PC)等から出力される画像データは、図示しない画像処理装置(IPS)により所定の画像処理が施された後、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kによって作像作業が実行される。IPSでは、入力された反射率データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消しや色編集、移動編集等の各種画像編集等の所定の画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、Y、M、C、Kの4色の色材階調データに変換され、レーザ露光器13に出力される。
レーザ露光器13では、入力された色材階調データに応じて、例えば半導体レーザから出射された露光ビームBmを画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各々の感光体ドラム11に照射している。画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各感光体ドラム11では、帯電器12によって表面が帯電された後、このレーザ露光器13によって表面が走査露光され、静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、各々の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kによって、Y、M、C、Kの各色のトナー像として現像される。
画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの感光体ドラム11上に形成されたトナー像は、各感光体ドラム11と中間転写ベルト15とが当接する一次転写部10において、中間転写ベルト15上に転写される。より具体的には、一次転写部10において、一次転写ロール16により中間転写ベルト15の基材に対しトナーの帯電極性(マイナス極性)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が付加され、トナー像を中間転写ベルト15の表面に順次重ね合わせて一次転写が行われる。
トナー像が中間転写ベルト15の表面に順次一次転写された後、中間転写ベルト15は移動してトナー像が二次転写部20に搬送される。トナー像が二次転写部20に搬送されると、用紙搬送系では、トナー像が二次転写部20に搬送されるタイミングに合わせてピックアップロール51が回転し、用紙トレイ50から所定サイズの用紙Pが供給される。ピックアップロール51により供給された用紙Pは、搬送ロール52により搬送され、搬送シュート53を経て二次転写部20に到達する。この二次転写部20に到達する前に、用紙Pは一旦停止され、トナー像が担持された中間転写ベルト15の移動タイミングに合わせてレジストロール(図示せず)が回転することで、用紙Pの位置とトナー像の位置との位置合わせがなされる。
二次転写部20では、中間転写ベルト15を介して、二次転写ロール22がバックアップロール25に押圧される。このとき、タイミングを合わせて搬送された用紙Pは、中間転写ベルト15と二次転写ロール22との間に挟み込まれる。その際に、給電ロール26からトナーの帯電極性(マイナス極性)と同極性の電圧(二次転写バイアス)が印加されると、二次転写ロール22とバックアップロール25との間に転写電界が形成される。そして、中間転写ベルト15上に担持された未定着トナー像は、二次転写ロール22とバックアップロール25とによって押圧される二次転写部20において、用紙P上に一括して静電転写される。
その後、トナー像が静電転写された用紙Pは、二次転写ロール22によって中間転写ベルト15から剥離された状態でそのまま搬送され、二次転写ロール22の用紙搬送方向下流側に設けられた搬送ベルト55へと搬送される。搬送ベルト55では、定着装置60における最適な搬送速度に合わせて、用紙Pを定着装置60まで搬送する。定着装置60に搬送された用紙P上の未定着トナー像は、定着装置60によって熱および圧力で定着処理を受けることで用紙P上に定着される。そして定着画像が形成された用紙Pは、画像形成装置の排出部に設けられた排紙載置部に搬送される。
一方、用紙Pへの転写が終了した後、中間転写ベルト15上に残った残留トナーは、中間転写ベルト15の回動に伴ってクリーニング部まで搬送され、クリーニングバックアップロール34および中間転写ベルトクリーナ35によって中間転写ベルト15上から除去される。
次に、本実施の形態の画像形成装置に用いられる定着装置60について説明する。
図2は本実施の形態の定着装置60の構成を示す概略構成図である。図2に示すように、本実施の形態の定着装置60は、無端状の周面を有するベルト部材(当接部材)の一例としての定着ベルト61、定着ベルト61の外周面に圧接して配設され、定着ベルト61を従動回転させる加圧部材の一例としての加圧ロール62、定着ベルト61の内側にて定着ベルト61を介して加圧ロール62に圧接配置される押圧パッド63、押圧パッド63等を支持する支持部材の一例としてのパッド支持部材64、定着ベルト61の外周面形状に倣って形成されるとともに定着ベルト61とは所定の間隙を持って配設され、定着ベルト61を長手方向に亘って電磁誘導加熱する加熱手段の一例としての電磁誘導加熱部材65、定着ベルト61の内側にて定着ベルト61の内周面に沿って配設され、電磁誘導加熱部材65による定着ベルト61への加熱効率を高めるフェライト部材67により主要部が構成されている。
定着ベルト61は、図3に示すように、内周面側から順に、耐熱性の高いシート状部材からなる基層61aと、導電層61bと、弾性層61cと、外周面となる表面離型層61dとが積層されて構成されている。また、各層の間には接着のためのプライマー層等が設けられる場合がある。
基層61aとしては、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PEEK樹脂、PES樹脂、PPS樹脂、PFA樹脂、PTFE樹脂、FEP樹脂等のフレキシブルで機械的強度に優れ、耐熱性を有する材料が好適に用いられる。厚さは、10〜150μm、好ましくは厚さ30〜100μmが適している。厚さが10μmより小さい場合には定着ベルト61としての強度が得られず、厚さが150μmより大きい場合には、フレキシブル性が損なわれ、また熱容量が大きくなって温度立ち上がり時間が長くなるからである。本実施の形態では、厚さ80μmのポリイミド樹脂からなるシート状部材を使用している。
導電層61bは、電磁誘導加熱部材65が誘起する磁界により誘導発熱する層(発熱層)であり、鉄、コバルト、ニッケル、銅、アルミニウム、クロム等の金属層を1〜80μm程度の厚さで形成したものが用いられる。また、導電層61bの材質および厚さは、電磁誘導による渦電流によって充分な発熱が得られる固有抵抗値を実現するように適宜選択される。本実施の形態では、厚さ10μm程度の銅を使用している。
弾性層61cは、厚さが10〜500μm、好ましくは50〜300μmであって、耐熱性、熱伝導性に優れたシリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコーンゴム等が用いられる。本実施の形態では、ゴム硬度15°(JIS−A:JIS−K A型試験機)、厚さ200μmのシリコーンゴムを使用している。
ところで、カラー画像を印刷する場合、特に写真画像等の印刷時には、用紙P上で大きな面積領域に亘ってベタ画像が形成されることが多い。そのため、用紙Pやトナー像の凹凸に定着ベルト61の表面(表面離型層61d)が追従できない場合には、トナー像に加熱ムラが発生して、伝熱量が多い部分と少ない部分とで定着画像に光沢ムラが発生する。すなわち、伝熱量が多い部分は光沢度が高く、伝熱量が少ない部分では光沢度が低くなる。このような現象は、弾性層61cの厚さが10μmより小さい場合に生じ易い。そこで、弾性層61cの厚さは、10μm以上、より好ましくは50μm以上に設定するのが好ましい。一方、弾性層61cが500μmより大きい場合には、弾性層61cの熱抵抗が大きくなり、定着装置60のクイックスタート性能が低下する。そこで、弾性層61cの厚さは、500μm以下、より好ましくは300μm以下に設定するのが好ましい。
また、弾性層61cのゴム硬度としては、高すぎると用紙Pやトナー像の凹凸に追従しきれず定着画像に光沢ムラが発生し易い。そこで、弾性層61cのゴム硬度としては50゜(JIS−A:JIS−K A型試験機)以下、より好ましくは35゜以下が適している。
さらに、弾性層61cの熱伝導率λに関しては、λ=6×10−4〜2×10−3[cal/cm・sec・deg ]が適している。熱伝導率λが6×10−4[cal/cm・sec・deg ]よりも小さい場合には熱抵抗が大きく、定着ベルト61の表層(表面離型層61d)における温度上昇が遅くなる。一方、熱伝導率λが2×10−3[cal/cm・sec・deg ]よりも大きい場合には、硬度が過度に高くなったり、圧縮永久歪みが悪化する。そのため、熱伝導率λは6×10−4〜2×10−3[cal/cm・sec・deg ]、より好ましくは8×10−4〜1.5×10−3[cal/cm・sec・deg ]に設定するのが好ましい。
また、表面離型層61dは、用紙P上に転写された未定着トナー像と直接的に接触する層であるため、離型性および耐熱性に優れた材料を使用する必要がある。したがって、表面離型層61dを構成する材料としては、例えばテトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、フルオロシリコーンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム等が好適に用いられる。
また、表面離型層61dの厚さは、5〜50μmが好ましい。表面離型層61dの厚さが5μmよりも小さい場合には、塗膜時に塗りムラが生じて離型性の悪い領域が形成されたり、耐久性が不足するといった問題が発生するからである。また、表面離型層61dが50μmを超える場合には、熱伝導が悪化するという問題が発生し、特に樹脂系の材質で形成された表面離型層61dでは硬度が高くなりすぎ、弾性層61cが有する機能を低下させるからである。なお、本実施の形態では、厚さ30μmのPFAを使用している。
ここで、表面離型層61dにおけるトナー離型性を向上するため、表面離型層61dにトナーオフセット防止のためのオイル(離型剤)を塗布するオイル塗布機構を定着ベルト61に当接させて配設することも可能である。特に、低軟化物質を含有しないトナーを用いた場合には効果的である。
次に、加圧ロール62は、図2に示したように、芯材(コア)としての金属製の円筒状部材62aと、円筒状部材62aの表面にシリコーンゴム、発泡シリコーンゴム、フッ素ゴム、フッ素樹脂等の耐熱性を有する弾性層62bと、最外表面の表面離型層62cとで構成されている。そして、加圧ロール62は、定着ベルト61の回転軸と平行に配設されるとともに、両端部がバネ部材(不図示)によって定着ベルト61側に付勢されて支持されている。本実施の形態では、加圧ロール62は、定着ベルト61を介して総荷重294N(30kgf)で押圧パッド63に付勢されている。そして、加圧ロール62は自らが矢印C方向に回転駆動されることで、定着ベルト61を従動して回転させている。
押圧パッド63は、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の弾性材料や、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルサルフォン(PES)や液晶ポリマー(LCP)等の耐熱性樹脂等で形成されている。そして、押圧パッド63は、定着ベルト61の幅方向において、用紙Pが通過する領域(通紙域)よりもやや広い領域に亘って配設され、この押圧パッド63の長手方向の略全長に亘って加圧ロール62が押圧されるように構成されている。
また、押圧パッド63の定着ベルト61との接触面は、加圧ロール62の外表面形状に倣って、凹状曲面で形成されている。そのため、定着ベルト61を介して加圧ロール62との間で充分に広いニップ幅を形成することができる。
さらに、押圧パッド63と定着ベルト61との間には、定着ニップ部Nにおける押圧パッド63と定着ベルト61との摺動性を向上するため、摺動性に優れ、耐摩耗性が高いポリイミドフィルムやフッ素樹脂を含浸させたガラス繊維シート等からなる摺動シート63aが配設されている。さらに、定着ベルト61の内周面には潤滑剤が塗布されている。潤滑剤としては、アミノ変性シリコーンオイルやジメチルシリコーンオイル等が用いられる。これらにより、定着ベルト61と押圧パッド63との間の摩擦抵抗が小さくなり、定着ベルト61が円滑に回動させることを可能としている。
パッド支持部材64は、定着ベルト61の幅方向に軸線を有する棒状部材である。そして、パッド支持部材64の加圧ロール62と対向する部分には押圧パッド63が取り付けられており、定着ベルト61を介して加圧ロール62から押圧パッド63に作用する押圧力をパッド支持部材64によって負担している。そのため、パッド支持部材64を構成する材質としては、加圧ロール62から押圧力を受けた際の撓み量が所定のレベル以下、好ましくは1mm以下となる程度の剛性を有するものが用いられる。そのため、後述する電磁誘導加熱部材65による磁束の影響によって加熱されにくい必要をも考慮して、例えば、ガラス繊維入りPPS、フェノール、ポリイミド、液晶ポリマー等の耐熱性樹脂、耐熱ガラス、固有抵抗が小さく誘導加熱の影響を受けにくいアルミニウム等の金属が用いられる。本実施の形態では、パッド支持部材64は、断面形状が加圧ロール62からの押圧力方向に長軸を有する長方形で形成されたアルミニウムで構成されている。
さらに、パッド支持部材64には、高透磁率の材質(例えば、フェライトやパーマロイ等)から構成され、電磁誘導加熱部材65による加熱効率を高めるためのフェライト部材67や、定着ベルト61の温度を検知する温度検知手段としてのサーミスタ70、72(サーミスタ72は後段の図5参照)がバネ部材71を介して定着ベルト61の内周面に圧接されるように固定されている。この場合、定着ベルト61の長手方向中央部にサーミスタ70が配置され、定着ベルト61の一方の端部にサーミスタ72が配置されている。また、パッド支持部材64には、定着ベルト61に接触、または近接するように、サーモスイッチ73(図5参照)も配設されている。なお、温度検知手段としては、定着ベルト61の温度を検知するサーミスタ70、72に代えて、またはかかるサーミスタ70、72に加えて、加圧ロール62の表面温度を検知するサーミスタを設けた構成を採ることもできる。
また、パッド支持部材64の軸方向両端部には、定着ベルト61を支持するエッジガイド部材80が固定配置されている。そして、定着ベルト61は両端部の内周面がエッジガイド部材80で支持されることで、定着ベルト61は所定の形状(例えば、略円形)を維持しながら回動するように構成されている。ここで、図4は定着ベルト61がエッジガイド部材80によって支持される構成を説明する図であり、用紙Pの搬送方向上流側から見た定着装置60の一方の端部領域を示している。
図4に示したように、エッジガイド部材80は、定着ニップ部Nとその近傍に対応する部分に切り欠きが形成された円筒状、すなわち断面がC形状のベルト走行ガイド部801、このベルト走行ガイド部801の外側に設けられ、定着ベルト61の外径よりも大きな外径で形成されたフランジ部802、さらにエッジガイド部材80の外側面に設けられ、エッジガイド部材80を定着装置60本体に結合するための保持部803で構成されている。
そして、定着ベルト61は、定着ベルト61の幅方向両端部において、両端部の内周面がエッジガイド部材80のベルト走行ガイド部801に支持されながら、加圧ロール62に従動して回動する。また、定着ベルト61は、フランジ部802によってエンドレスベルト62の幅方向への移動(ベルトウォーク)が制限され、エンドレスベルト62に片寄りが生じるのが抑えられている。
次に、電磁誘導加熱部材65について述べる。電磁誘導加熱部材65は、図2に示すように、定着ベルト61の幅方向に沿って、定着ベルト61の外周面形状に倣った曲面を定着ベルト61側に有する台座65aと、台座65aに支持された励磁コイル65bと、この励磁コイル65bに高周波電流を供給する励磁回路65cとで主要部が構成されている。
台座65aは、絶縁性および耐熱性を有する材料からなり、例えば、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、液晶ポリマー樹脂等を用いることができる。また、励磁コイル65bとしては、例えば、耐熱性の絶縁材料(例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等)によって相互に絶縁された直径φ0.5mmの銅線材を複数本束ねたリッツ線を長円形状や楕円形状、長方形状等の閉ループ状に複数回(例えば、11ターン)巻いたものが用いられる。そして、励磁コイル65bは接着剤によって固められることでその形状を維持しながら台座65aに固定されている。
また、励磁コイル65bおよびフェライト部材67と、定着ベルト61の導電層61bとの間の距離は、可能な限り近接させて設置することが磁束の吸収効率を高めるために好ましいことから、これらの距離は5mm以内、例えば、2.5mm程度に設定されている。
電磁誘導加熱部材65では、励磁回路65cから励磁コイル65bに高周波電流が供給されると、励磁コイル65bの周囲に磁束が生成消滅を繰り返す。ここで、高周波電流の周波数は、例えば10〜500kHzに設定されるが、本実施の形態では20〜100kHzに設定している。励磁コイル65bからの磁束が定着ベルト61の導電層61bを横切ると、定着ベルト61の導電層61bにはその磁界の変化を妨げるような磁界が発生し、それによって導電層61b内に渦電流が発生する。そして、導電層61bでは、渦電流(I)によって導電層61bの表皮抵抗(R)に比例したジュール熱(W=IR)が発生し、定着ベルト61は加熱されることとなる。
なお、その際には、定着ベルト61の温度は、サーミスタ70、72での計測値に基づいて、画像形成装置の制御部40(図1参照)が励磁コイル65bに供給する電力量または高周波電流の供給時間等を制御することにより、所定の温度に維持されている。
そして、本実施の形態の画像形成装置においては、トナー像を形成する動作が開始されるのと略同時に、定着装置60では加圧ロール62を駆動するための駆動モータ(不図示)および電磁誘導加熱部材65に電力が供給され、定着装置60が起動する。すると、加圧ロール62に従動して定着ベルト61が回動する。加えて、定着ベルト61が電磁誘導加熱部材65と対向する加熱領域を通過することで、定着ベルト61の導電層61bには渦電流が誘導され、定着ベルト61は発熱する。そして、定着ベルト61が均一に所定の温度に加熱された状態で、未定着トナー像を担持した用紙Pが、定着ベルト61と加圧ロール62とが圧接された定着ニップ部Nに送り込まれる。通紙域における定着ニップ部N内では、用紙Pおよび用紙Pに担持されたトナー像は加熱および加圧され、トナー像が用紙P上に定着される。その後、用紙Pは定着ベルト61の曲率の変化によって定着ベルト61から剥離されて、画像形成装置の排出部に設けられた排紙載置部に搬送される。その際に、定着後の用紙Pを定着ベルト61から完全に分離するための補助手段として、定着ベルト61の定着ニップ部Nの下流側に、剥離補助部材75を配設することも可能である。
本実施の形態の定着装置60では、定着ベルト61がトナー像の定着に必要な所定の温度に均一に加熱されているので、光沢ムラやオフセット等の発生が抑制された良好なトナー像を形成することができる。また、定着ベルト61は熱容量が極めて小さいため、高速に定着ベルト61を加熱することができるので、ウォームアップタイムを極めて短くすることができるとともに、オンデマンド性に優れているので待機時の電力消費も大きく低減することが可能である。
また、押圧パッド63により、定着ベルト61を介して加圧ロール62との間で充分に広いニップ幅を形成することができるので、定着ニップ部Nにおける熱の伝達を充分に行うことが可能となって、良好な定着性能を得ることができる。
続いて、定着ベルト61を加熱する電磁誘導加熱部材65へ供給する電力の制御について説明する。
図5は、電磁誘導加熱部材65への供給電力を制御する回路構成を示すブロック図である。図5に示したように、電磁誘導加熱部材65への供給電力の制御は、制御部40(図1参照)内に配設された電磁誘導加熱制御部100と、定着装置60の電磁誘導加熱部材65に設けられた励磁回路65cとで行われる。
制御部40内の電磁誘導加熱制御部100には、制御素子としてのCPU160、定着ベルト61の温度変化を検知する過温検知回路162、論理素子としてのオア回路164、165、およびアンド回路170が配設されている。
また、電磁誘導加熱部材65の励磁回路65cには、制御素子としてのCPU158、外部商用電源180からの電力を入力(接続)/遮断するための接続切替手段の一例としてのリレー153、電磁誘導加熱制御部100との信号の送受信を行うフォトカップラ156、論理素子としてのアンド回路154、高周波発生回路である電力供給手段(電力供給部、誘導加熱電源)の一例としての高周波スイッチング回路152、励磁コイル65bに電力を出力する出力ポート150、外部商用電源180からの電力を入力する入力ポート151、さらには入力ポート151から入力された電力を遮断するヒューズ(不図示)が配設されている。
まず、電磁誘導加熱制御部100のCPU160は、定着ベルト61の温度を制御する温度制御回路を含んでいる。すなわち、CPU160は、CPU160に供給されるサーミスタ70、72からの温度検知信号に基づき、定着装置60の現在の動作状況に対応して定着ベルト61の温度を制御する各種制御信号を供給する。具体的には、CPU160は、励磁回路65cからのエラー信号の有無と定着ベルト61の表面温度等とに基づいて、励磁回路65cに配設された高周波スイッチング回路152から励磁コイル65bへの高周波電流の供給を許可する許可信号をアンド回路170へ出力する。そして、アンド回路170は、過温検知回路162からの制御信号とCPU160からの許可信号とに基づいて、電磁誘導加熱部材65のON/OFFを制御する信号(IH ON/OFF信号)を励磁回路65cに出力する。また、CPU160は、定着装置60の現在の動作状況に基づく電力設定信号を励磁回路65cへ出力する。さらに、定着装置60の現在の動作状況に照らして定着ベルト61の表面温度が所定値を超えて上昇した場合には、異常であることを示す異常信号をオア回路164へ出力する。
また、電磁誘導加熱制御部100のCPU160は、励磁回路65cに配設されたリレー153のON/OFFを制御する信号(リレーON/OFF信号)をオア回路165に出力する。したがって、CPU160は切替指示手段として機能する。加えて、画像形成装置が後段で説明するリレー異常検知モードに設定された場合に、リレー異常検知モードに設定されたことを示す信号を過温検知回路162に出力する。
また、過温検知回路162は、定着ベルト61の端部に配設されているサーミスタ72によって検知された定着ベルト61の表面温度から、定着ベルト61の表面温度の変化を検出する。そして、過温検知回路162は、CPU160からリレー異常検知モードに設定されたことを示す信号が入力されていない(通常の動作モード)場合には、定着ベルト61の表面温度の変化量が所定の範囲内であるときに、定着ベルト61の表面温度が正常状態であることを示す正常信号を、CPU160、アンド回路170およびオア回路164に出力する。また、定着ベルト61の表面温度の変化量が所定の範囲を超えたときに、定着ベルト61の表面温度が異常状態であることを示す異常信号を、CPU160、アンド回路170およびオア回路164に出力する。
一方、過温検知回路162は、CPU160からリレー異常検知モードに設定されたことを示す信号が入力された(リレー異常検知モード)場合には、定着ベルト61の表面温度の変化量が所定の時間内において所定の範囲内であるとき、または所定の時間内において所定の範囲を超えて上昇したときに、定着ベルト61の表面温度が異常状態であることを示す異常信号をCPU160に出力する。また、定着ベルト61の表面温度の変化量が所定の時間内において所定の範囲を超えて低下したときに、定着ベルト61の表面温度が正常状態であることを示す正常信号をCPU160に出力する。
なお、過温検知回路162は、サーミスタ70およびサーミスタ72の2つのサーミスタによって検知された定着ベルト61の表面温度から、定着ベルト61の表面温度の変化を検出するように構成することもできる。
次に、アンド回路170は、CPU160からの許可信号と過温検知回路162からの正常信号が供給されている場合に、IH ON/OFF信号を励磁回路65cへ出力するように設定されている。
また、オア回路164は、CPU160からの異常信号と過温検知回路162からの異常信号とに基づいて、励磁回路65cのリレー153を駆動する駆動信号を生成する。そして、DC電源ライン181(例えば、5V)およびサーモスタットや温度ヒューズ等からなるサーモスイッチ73が接続されたリレー153を、電磁誘導加熱制御部100に配設された半導体スイッチ素子166を制御することで開閉させている。具体的には、オア回路164は、CPU160からの異常信号と過温検知回路162からの異常信号との少なくともいずれか一方を入力した場合には、オア回路165を介して半導体スイッチ素子166を遮断する信号を出力する。その場合には、DC電源ライン181からリレー153に配設された電磁コイル153aに流れる電流が遮断され、リレー153は遮断される。そして、外部商用電源180から励磁回路65cへの電力供給は停止される。また、その際には同時に、電磁誘導加熱制御部100のCPU160は、励磁回路65cに対してCPU158を介さずに高周波スイッチング回路152を制御して、直接励磁コイル65bへの高周波電流の供給を直接停止させる。
なお、定着ベルト61の温度が異常に上昇してサーモスイッチ73が切断した場合にも、DC電源ライン181からリレー153に配設された電磁コイル153aに流れる電流が遮断され、リレー153は遮断される。
次に、励磁回路65cに配設されたフォトカップラ156は、非接触で信号のやり取り(送受信)を行うものであり、フォトカップラ156には、電磁誘導加熱制御部100のCPU160からの電力設定信号が信号線を介して供給される。また、電磁誘導加熱制御部100のCPU160に接続されたアンド回路170から、IH ON/OFF信号が供給される。さらに、フォトカップラ156は、励磁回路65cのCPU158からのエラー信号を、信号線を介して電磁誘導加熱制御部100のCPU160へ出力する。
そして、フォトカップラ156は、供給された電力設定信号を非接触で励磁回路65cのCPU158に出力する。さらに、供給されたIH ON/OFF信号を非接触でCPU158とアンド回路154とに出力する。
一方、励磁回路65cに配設されたCPU158は、高周波スイッチング回路152の駆動を制御している。すなわち、電磁誘導加熱制御部100のCPU160から供給される電力設定信号に基づいて高周波スイッチング回路152を駆動制御する。さらにCPU158は、電磁誘導加熱部材65内の種々のエラーを判断してこの判断に基づくエラー信号を生成し、電磁誘導加熱制御部100のCPU160に対してエラー信号を出力する。
また、CPU158は、電磁誘導加熱部材65内にエラー等が発生していない場合に、フォトカップラ156から供給されるIH ON/OFF信号に基づいて、アンド回路154にIH ON/OFF信号を出力する。そして、アンド回路154は、励磁回路65cのCPU158からのIH ON/OFF信号と、フォトカップラ156からのIH ON/OFF信号とが同時に供給されている場合に、IH ON/OFF信号を高周波スイッチング回路152に出力する。
励磁回路65cに配設された高周波スイッチング回路152は、アンド回路154からのIH ON/OFF信号が供給されている場合に、CPU158により設定されている電力を出力ポート150を介して励磁コイル65bに印加する。その際に、高周波スイッチング回路152から励磁コイル65bに高周波電流が供給されることにより、励磁コイル65bから高周波磁界が発生する。そして、この励磁コイル65bによる高周波磁界によって、定着ベルト61の導電層61b(図3参照)に渦電流が生じ、渦電流と定着ベルト61の導電層61bの抵抗値とによる渦電流損に基づき、定着ベルト61が自己発熱する。
一方、外部商用電源180から電力が入力される入力ポート151には、交流電圧がリレー153およびノイズフィルタ(不図示)を介して供給されている。そして、この入力ポート151を介して供給される交流電圧は、励磁回路65cの各部に供給されるようになっている。
なお、入力ポート151のいずれか一方にはヒューズ(不図示)が設けられ、異常時には電力の供給を遮断する。また、励磁回路65cには、図示しないが外部商用電源180の電圧を整流する整流回路、この整流回路の出力電圧をCPU158の動作に適した一定レベルに調整して出力する定電圧回路部等も配設されている。
次に、本実施の形態の定着装置60における、リレー153の異常検知の処理手順について述べる。図6は、リレー153の異常を検知する際の処理の手順を示すフローチャートである。
図6に示したように、まず、画像形成装置のメインスイッチをONして、画像形成装置を起動させる(S10)。そして、ユーザからのジョブ(画像形成動作)開始の指示信号に基づいて、定着装置60のウォームアップを開始する(S11)。そこで、定着装置60のウォームアップが完了した段階で(S12)、画像形成装置は指示されたジョブを開始し、そしてジョブを完了させる(S13)。
ステップS13においてジョブが完了したと判断された場合には、CPU160は、リレーの異常を検知するリレー異常検知モードを設定する。そして、CPU160は、過温検知回路162に対してリレー異常検知モードが設定されたことを示す信号を送信し、過温検知回路162にはリレー異常検知モードが設定される(S14)。
ステップS14において過温検知回路162がリレー異常検知モードに設定されるとともに、励磁回路65cのCPU158は、高周波スイッチング回路152をONさせたままの設定を継続し、励磁コイル65bへの高周波電流の供給が可能な状態を維持する。さらに、その状態で、電磁誘導加熱制御部100のCPU160は、半導体スイッチ素子166を遮断してリレー153を所定の時間だけOFFさせるべく、リレーON/OFF制御信号をオア回路165に出力する。さらには、電磁誘導加熱制御部100の過温検知回路162は、サーミスタ72において検知された定着ベルト61の温度の変化を検出する(S15)。そして、過温検知回路162は、定着ベルト61の表面温度が制御温度Tと比較して所定の範囲を超えて低下しているか否かを判断する(S16)。
その結果、ステップS16において、過温検知回路162が、定着ベルト61の表面温度の変化量が所定の時間内において制御温度Tに対して所定の範囲を超えて低下したと判断した場合には、過温検知回路162は、CPU160に対して正常信号を送信する。過温検知回路162から正常信号を受信したCPU160は、リレー153には異常がないと判断し、高周波スイッチング回路152に対してスイッチング停止信号を送信し、定着ベルト61の加熱を完全に停止する(S17)。そして、この場合には、その後にユーザからのジョブ開始の指示信号が入力されれば、画像形成装置は、画像形成動作を再度開始する(S18)。
一方、ステップS16において、過温検知回路162が、定着ベルト61の表面温度の変化量が所定の時間内において制御温度Tに対して所定の範囲内である、または所定の範囲を超えて上昇したと判断された場合には、過温検知回路162は、CPU160に対して異常信号を送信する。過温検知回路162から異常信号を受信したCPU160は、リレー153に異常が発生していると判断し、高周波スイッチング回路152に対しスイッチング停止信号を送信し、定着ベルト61の加熱を完全に停止する(S19)。そして、CPU160は、画像形成装置におけるジョブの継続を禁止する通知を行う(S20)。したがって、この場合には、画像形成装置は、それ以降の画像形成動作が不能となる状態に設定され、ユーザからのジョブ開始の指示信号が入力されても、画像形成装置は動作を行わない。また、CPU160は、それと同時に、リレー153の交換を指示するリレー交換指示信号を画像表示パネル(不図示)等に表示するように設定することも可能である。ここで、CPU160は、異常検知手段として機能する。
このように、本実施の形態の画像形成装置では、画像形成装置における一連のジョブが終了した後に、リレーの異常を検知するリレー異常検知モードが設定される。その場合には、励磁回路65cでは、高周波スイッチング回路152から励磁コイル65bへの高周波電流の供給が可能な状態を維持させる。さらに、電磁誘導加熱制御部100では、リレー153を所定の時間だけOFFさせるべく、CPU160からリレーON/OFF制御信号を出力する。さらに、その状態で、過温検知回路162はサーミスタ72において検知された定着ベルト61の表面温度の所定時間内での変化量を測定する。そして、過温検知回路162により測定された定着ベルト61の表面温度の変化量に基づいて、CPU160はリレー153の正常/異常を判断する。
上述したような本実施の形態の定着装置60は、定着ベルト61の熱容量が極めて小さいという特性を利用して、リレー153における異常の有無を確実かつ安定的に検知するものである。すなわち、定着ベルト61は熱容量が極めて小さいので、例えば本実施の形態のように電磁誘導加熱部材65によって定着ベルト61が加熱されると、定着ベルト61の表面温度は直ちに上昇する。その一方で、電磁誘導加熱部材65からの加熱が停止すると、定着ベルト61の表面温度は直ちに低下する。したがって、高周波スイッチング回路152から励磁コイル65bへの高周波電流の供給が可能な状態を維持させるとともに、CPU160からリレー153を所定の時間だけOFFさせるべく、リレーON/OFF制御信号を出力した場合には、リレーが正常に動作していると、外部商用電源180から高周波スイッチング回路152への電力は停止されているので、励磁コイル65bへの高周波電流は供給されず、定着ベルト61の表面温度は直ちに低下する。しかし、リレー153に融着等の異常が発生している場合には、リレーON/OFF制御信号を受けてもリレー153は切断されない。そのため、高周波スイッチング回路152への電力は供給され続けるので、励磁コイル65bへの高周波電流の供給は継続され、定着ベルト61の表面温度は、維持されるか、または上昇する(すなわち、定着ベルト61の表面温度は低下しない)。そのため、このような定着ベルト61の表面温度の所定時間内での変化を検出することで、リレー153の正常/異常を検出することが可能となる。
ところで、従来は、加熱部材として金属等で形成されたロール部材である定着ロールが用いられていたため、加熱部材(定着ロール)の熱容量は極めて大きなものであった。そのため、加熱手段を加熱する加熱源への電力供給を継続する状態に設定したままで、CPU160からリレー153を所定の時間だけOFFさせるべく、リレーON/OFF制御信号を出力した場合には、リレー153が正常に動作して、加熱源への電力供給が停止されても、定着ロールの熱容量が大きいために、定着ロールの表面温度は直ちに変化することがない。また、リレー153に異常が発生して、加熱源への電力供給が継続されている場合においても、定着ロールの表面温度は直ちに変化することがない。したがって、熱容量が極めて大きい加熱手段(定着ロール)を用いた場合には、リレー153の正常状態および異常状態において、加熱手段の表面温度の変化は生じないこととなる。そのため、定着ロールの表面温度の変化を検知しても、リレー153が正常状態であるか、または異常状態にあるかを検出することは困難であった。
ところが、これに対して、本実施の形態の定着装置60では、熱容量が極めて小さい定着ベルト61を用いた構成であるため、定着ベルト61への熱の供給の有無によって定着ベルト61の表面温度はセンシティブに変化する。したがって、その定着ベルト61の表面温度の変化を捉えることで、確実かつ安定的にリレー153の正常/異常を検出することが可能となる。
また、本実施の形態の定着装置60では、定着ベルト61の表面温度の変化を検知することでリレー153の正常/異常を検出することができるので、本来の定着ベルト61の温度制御を行うための回路構成をそのまま利用することができる。そのため、例えば従来のように、リレー153から出力される電圧値等を検出して、リレー153の異常を直接的に検知するリレー異常検知回路を別途配設する必要がないので、電磁誘導加熱部材65への電力を制御する制御回路を、回路構成が複雑化することがなく、しかも安価に製造できるという利点がある。
さらには、本実施の形態の定着装置60では、定着ベルト61の表面温度の変化を直接的に検知することでリレーの異常を検知しているので、リレー153の異常時においても定着ベルト61に過昇温が生じることを確実に抑制することができる。そのため、定着装置60が大きなダメージを受けることがより確実に抑えられ、安全性の高いリレー153の異常検出手段を提供することが可能となる。
さらに、本実施の形態の定着装置60では、画像形成装置における一連のジョブが終了した後に、リレー異常検知モードが設定されるので、ユーザの利便性を損ねることがないというメリットもある。
以上説明したように、本実施の形態の定着装置60では、画像形成装置における一連のジョブが終了した後に、リレーの異常を検知するリレー異常検知モードが設定される。そして、高周波スイッチング回路152から励磁コイル65bへの高周波電流の供給が可能な状態を維持させるとともに、CPU160からリレー153を所定の時間だけOFFさせるべく、リレーON/OFF制御信号を出力する。さらに、その状態でのサーミスタ72において検知された定着ベルト61の温度の変化を測定することで、リレー153の異常を検出している。
そのため、定着ベルト61の表面温度の変化を検知することでリレー153の正常/異常を検出することができるので、本来の定着ベルト61の温度制御を行う回路構成をそのまま利用することができる。それにより、電磁誘導加熱部材65への電力を制御する制御回路において、別途新たな回路を追加する必要がなくなるので、回路構成が複雑化することなく、しかも安価に製造することが可能となった。
また、定着ベルト61の表面温度の変化を直接的に検知しているので、リレー153に異常が生じた状態においても、定着ベルト61に過昇温が生じることを確実に抑制することができる。そのため、定着装置60が大きなダメージを受けることがより確実に抑えられ、安全性の高いリレー153の異常検出手段を提供することが可能となる。
さらに、画像形成装置における一連のジョブが終了した後にリレー153の異常を検出するため、待ち時間をなくすことが可能となり、ユーザの利便性の向上にも資するものである。
なお、本実施の形態の定着装置60では、加熱手段として電磁誘導加熱部材65を用いたが、ハロゲンヒータ等のような定着ベルト61を電力によって加熱できる加熱源であれば如何なるものを用いた場合にも適用することが可能である。
本発明の活用例として、電子写真方式を用いた複写機、プリンタ等の画像形成装置への適用、例えば記録紙(用紙)上に担持された未定着トナー像を定着する定着装置への適用がある。また、インクジェット方式を用いた複写機、プリンタ等の画像形成装置への適用、例えば記録紙(用紙)上に担持された未乾燥インク像を乾燥する定着装置への適用がある。
本発明の画像形成装置を示した概略構成図である。 定着装置の構成を示す概略構成図である。 定着ベルトの層構成を説明する図である。 定着ベルトがエッジガイド部材によって支持される構成を説明する図である。 電磁誘導加熱部材への供給電力を制御する回路構成を示すブロック図である。 リレーの異常を検知する際の処理の手順を示すフローチャートを示した図である。
符号の説明
1Y,1M,1C,1K…画像形成ユニット、11…感光体ドラム、12…帯電器、13…レーザ露光器、14…現像器、15…中間転写ベルト、16…一次転写ロール、17…ドラムクリーナ、20…二次転写部、40…制御部、60…定着装置、61…定着ベルト、62…加圧ロール、63…押圧パッド、63a…摺動シート、64…パッド支持部材、65…電磁誘導加熱部材、65a…台座、65b…励磁コイル、65c…励磁回路、67…フェライト部材、70,72…サーミスタ、73…サーモスイッチ、100…電磁誘導加熱制御部、150…出力ポート、151…入力ポート、152…高周波スイッチング回路、153…リレー、153a…電磁コイル、154,170…アンド回路、158,160…CPU、162…過温検知回路、164,165…オア回路、180…外部商用電源

Claims (13)

  1. 記録材上にトナー画像を形成する画像形成装置であって、
    搬送される記録材に当接する当接部材と、
    前記当接部材を加熱する加熱手段と、
    前記加熱手段に電力を供給する電力供給手段と、
    前記電力供給手段の入口部にて電力の入力と遮断とを切り替える接続切替手段と、
    前記接続切替手段に対して入力と遮断との切替信号を出力する切替指示手段と、
    前記当接部材の温度を検知する温度検知手段と、
    前記切替指示手段から前記切替信号が出力された際の前記温度検知手段により検知される前記当接部材の温度の変化に基づいて、前記接続切替手段が異常状態にあることを判断する異常検知手段と
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記異常検知手段は、一連の画像形成動作の終了後に前記接続切替手段が正常状態にあるか異常状態にあるかを判断することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記異常検知手段は、検知された前記当接部材の温度の変化が所定時間内にて所定値よりも低下していない場合に、前記接続切替手段は異常であると判断することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  4. 前記異常検知手段は、前記切替指示手段が入力から遮断に切り替える前記切替信号を出力した場合に、前記接続切替手段が正常か異常かを判断することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  5. 前記当接部材は、ベルト部材であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  6. 前記当接部材は、導電層を含む多層構造で構成されたベルト部材であり、加熱手段は、当該ベルト部材の当該導電層を電磁誘導加熱することを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
  7. 記録材上にトナー画像を形成する画像形成装置であって、
    導電層を含む多層構造で形成されたベルト部材と、
    前記ベルト部材を電磁誘導加熱する励磁コイル部材と、
    前記励磁コイル部材に高周波電流を供給する誘導加熱電源と、
    前記誘導加熱電源の入口部にて電力の入力と遮断とを切り替える接続切替手段と、
    前記接続切替手段に対して入力と遮断との切替信号を出力する切替指示手段と、
    前記ベルト部材の温度を検知する温度検知手段と、
    前記切替指示手段により入力から遮断への前記切替信号が出力された際の前記温度検知手段により検知される前記ベルト部材の温度の変化に基づいて、前記接続切替手段が正常状態にあるか異常状態にあるかを判断する異常検知手段と
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  8. 前記異常検知手段は、前記温度検知手段により検知される前記ベルト部材の温度が所定時間内に所定値よりも低下していない場合に、前記接続切替手段は異常状態であると判断することを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
  9. 前記接続切替手段が異常状態にあると前記異常検知手段により判断された場合に、画像形成動作の禁止を指示する動作禁止信号を出力する動作禁止指示手段をさらに備えたことを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
  10. 装置における種々の動作情報を表示する表示手段をさらに備え、
    前記動作禁止指示手段は、前記接続切替手段は異常であることを前記表示手段に表示するように指示する異常表示信号を出力することを特徴とする請求項9記載の画像形成装置。
  11. 加熱部材によりトナー像を加熱定着する定着装置の電力供給部に設けられ、電力の入力と遮断とを切り替える電力接続切替装置について、当該電力接続切替装置の異常状態を検出する異常検知方法であって、
    前記電力接続切替装置に対して入力から遮断に切り替える切替信号を出力するステップと、
    前記切替信号を出力した際の前記加熱部材の温度の変化を検出するステップと、
    前記加熱部材の温度が所定時間内にて所定の温度よりも低下しない場合に、当該電力接続切替装置は異常であると判断するステップと
    を含むことを特徴とする電力接続切替装置の異常検知方法。
  12. 前記電力接続切替装置は異常であると判断された場合に、画像形成動作の禁止を指示する動作禁止信号を出力するステップをさらに含むことを特徴とする請求項11記載の電力接続切替装置の異常検知方法。
  13. 前記加熱部材は、ベルト部材で構成されたことを特徴とする請求項11記載の電力接続切替装置の異常検知方法。
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