JP2002082549A - 像加熱装置及び画像形成装置 - Google Patents

像加熱装置及び画像形成装置

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JP2002082549A
JP2002082549A JP2000323073A JP2000323073A JP2002082549A JP 2002082549 A JP2002082549 A JP 2002082549A JP 2000323073 A JP2000323073 A JP 2000323073A JP 2000323073 A JP2000323073 A JP 2000323073A JP 2002082549 A JP2002082549 A JP 2002082549A
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heating
belt
roller
heat
fixing
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JP2000323073A
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English (en)
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Hideki Tatematsu
英樹 立松
Kenji Asakura
建治 朝倉
Masaru Imai
勝 今井
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱容量が小さく、急速加熱が可能な像加熱装
置を提供する。 【解決手段】 耐熱性を有する定着ベルト20と、定着
ベルト20に内接し、少なくとも一部が導電性を有する
回転可能な発熱ローラ21と、発熱ローラ21との間で
定着ベルト20を移動可能に懸架する定着ローラと22
と、発熱ローラ21の外側に配置され、発熱ローラ21
を励磁して加熱する励磁手段24とを備えている。発熱
ローラ21が回転動作を始めた後に励磁手段24が発熱
ローラ21を励磁して加熱する

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウォーミングアッ
プ時間を短縮することが可能な像加熱装置、及び画像形
成装置に関し、特に、電子写真装置、静電記録装置等の
画像形成装置に用いられ、未定着画像を定着する定着装
置に好適な像加熱装置、及び画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】定着装置に代表される像加熱装置として
は、従来から熱ローラ方式、ベルト方式等の接触加熱方
式の像加熱装置が一般に用いられている。
【0003】近年、ウォームアップ時間の短縮や省エネ
ルギなどの要望から、急速加熱、高効率加熱の可能性を
有する電磁誘導加熱方式が注目されている(特開平10
−123861号公報等参照)。
【0004】図23に、特開平10−123861号公
報に開示された電磁誘導加熱方式の像加熱装置の断面図
を示す。図23に示すように、発熱ローラ112の内部
には励磁コイル114が配置されており、この励磁コイ
ル114とフェライト等からなる芯材117とによって
交流磁界を発生させ、発熱ローラ112内に渦電流を発
生させることにより、発熱ローラ112を加熱すること
ができるようにされている。そして、発熱ローラ112
と加圧ローラ113とのニップ部に、未定着のトナー像
111が形成された記録紙110を通過させることによ
り、未定着のトナー像111を定着することができる。
【0005】また、特開平10−74007号公報に
は、発熱ローラを薄肉化した像加熱装置が提案されてい
る。これを、図24に示す。
【0006】図24において、310はインバータ回路
からの高周波電流によって高周波磁界を発生させる励磁
コイルであり、311は電磁誘導加熱によって発熱する
と共に回転する金属スリーブである。また、外部加圧部
材313は矢印aの方向に回転する。金属スリーブ31
1は、外部加圧部材313と内部加圧部材312との間
に挟持され、外部加圧部材313の回転に伴って従動回
転する。
【0007】未定着のトナー像を担持する記録紙314
は、矢印で示すように、発熱ローラ112と加圧ローラ
113とのニップ部へ搬送される。そして、金属スリー
ブ311の熱と、両加圧部材312、313の圧力とに
より、記録紙314上のトナー像が定着される。
【0008】さらに、金属スリーブ311を停止させた
状態で電磁誘導加熱を行わないように、外部加圧部材3
13を回転させる駆動モータの動作信号と加熱信号の論
理積をインバータ回路への加熱信号としている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このような電磁誘導加
熱方式の像加熱装置は、発熱ローラなどの発熱部材を電
磁誘導によって直接発熱するものであるため、ハロゲン
ランプ加熱方式と比較して、熱変換効率が高く、より小
さい電力で、定着ローラの表面を定着温度まで迅速に昇
温させることができる。
【0010】しかし、通常の金属製発熱ローラを単に電
磁誘導加熱するだけの構成では、従来のハロゲンランプ
方式と比較して、ウォームアップ時間を格段に短縮する
ことは困難である。
【0011】また、発熱ローラの熱容量を小さくしてウ
ォームアップ時間の短縮を図るために、発熱ローラの肉
厚を薄くしていくと、温度制御が困難となってしまう。
【0012】特開平8−137306号公報には、ウォ
ームアップ時間を短縮するために、より熱容量の小さい
ベルトを用いた像加熱装置が提案されている。しかし、
本装置においては、導電体からなるベルトを電磁誘導加
熱するため、ベルト自身は急速加熱が可能であるが、逆
に、発熱するベルトの熱容量が小さ過ぎるために、テン
ションローラやオイルローラに熱を奪われ、系全体の温
度が上昇しにくいという問題点がある。
【0013】また、通常は、ウォームアップ時間を短縮
するために、発熱ローラを所定の温度まで上昇させてか
ら、発熱ローラの回転動作を開始することが多い。しか
し、電磁誘導加熱方式では昇温が速く、低熱容量化した
像加熱装置において発熱ローラを静止させた状態で加熱
すると、部分的に急激な昇温が起こり、ベルトやベルト
上に設けられた弾性体などが変質してしまうおそれがあ
る。
【0014】特に、発熱ローラに耐熱性ベルトを巻き付
けて加熱する方式においては、発熱ローラが急速に加熱
されて高温になり過ぎると、耐熱性ベルトが発熱ローラ
の曲率に応じて永久変形するという問題点がある。これ
は、導電性ベルトでは起こりにくく、また、ベルトの直
線部分を加熱する構成では発生することがない。発熱ロ
ーラを加熱し、その熱を樹脂ベルトで搬送する構成に特
有のものである。
【0015】また、省エネルギの観点からは、像加熱装
置の発熱部材は、像加熱装置を使用するときにのみ加熱
されることが望ましい。通常、熱ローラ方式の像加熱装
置の場合には、ニップ部に発熱部材が存在する。しか
し、ベルト方式の像加熱装置の場合には、発熱部材とニ
ップ部とが離れているため、発熱部材における温度変化
とニップ部における温度変化にタイムラグが生じること
となる。
【0016】また、発熱部材とニップ部とが離れた構成
のベルト方式の像加熱装置においては、発熱部材によっ
て加熱されたベルトの熱は、記録紙上のトナーを溶融す
るために用いられる他、加圧ローラや定着ローラを加熱
することにも消費される。加圧ローラや定着ローラはベ
ルトから熱を奪って昇温するため、ベルトの通過量、す
なわち、プロセススピードにより、加圧ローラや定着ロ
ーラに奪われる熱量が決まる。加圧ローラや定着ローラ
に奪われる熱量は定着には直接関与しない無駄な熱量で
あるため、極力この熱量を小さくすることが定着を迅速
に行うために必要となる。
【0017】励磁コイルと回転可能な導電性発熱体を用
いた像加熱装置で、導電性発熱体が回転しているときに
のみ導電性発熱体を電磁誘導加熱する構成とした場合、
導電性発熱体が回転動作を始めた後に励磁コイルが導電
性発熱体を励磁して加熱するようにしなければ、導電性
発熱体の一部のみが高温になって温度分布が生じてしま
う。この構成の場合、ウォームアップ時間を比較的短く
することが可能であるが、ユーザーの印字要求に瞬時に
応えるためには、待機時にも余熱を持たせなければなら
ない。しかし、本構成においては、導電性発熱体を加熱
するために、必ず導電性発熱体の回転動作を行う必要が
あり、待機時にも導電性発熱体の回転動作を継続しなけ
ればならないという問題点がある。また、導電性発熱体
が急速に加熱されるため、逆に低温を維持することが困
難となる。
【0018】ベルト方式の像加熱装置においてベルト表
面に温度センサを設けた場合には、ベルト表面が傷つき
やすく、寿命が短くなる。そのため、発熱ローラのベル
トと接していない面に温度センサを取り付けることが行
われている。しかし、この場合、ベルトがどの程度熱を
奪われたのか判断しにくく、適切な量の加熱を行うこと
ができない。また、単にベルトの内側に温度センサを取
り付けた場合、ベルトの振動や蛇行によって測定温度が
ばらつき、正確な温度測定が困難となる。
【0019】発熱部材を停止させた状態で電磁誘導加熱
を行うと、発熱部材が局所的に非常な高温となる。この
ため、発熱部材あるいは発熱部材に接触する他の部材の
耐熱温度を超えて、熱的な変質や変形を引き起こし、定
着画像の画質を低下させるという問題が生じる。
【0020】上記の像加熱装置においては、駆動モータ
への動作信号のみを考慮しているため、駆動モータから
像加熱装置への駆動力の伝達経路の異常時に対応するこ
とができない。特に像加熱装置を画像形成装置本体に着
脱自在に構成した場合には、像加熱装置の不十分な装着
や、駆動モータからの駆動力を伝達するギアの破損など
が生じやすい。そして、このような事態が発生すると、
駆動モータが回転しても発熱部材が回転しないという問
題が生じてしまう。
【0021】本発明は、従来技術における前記課題を解
決するためになされたものであり、熱容量が小さく、急
速加熱が可能な像加熱装置、及び画像形成装置を提供す
ることを目的とする。さらに、本発明は、ウォームアッ
プ時間の短い像加熱装置を備え、かつ、異常事態に対応
して、安定に用いることのできる画像形成装置を提供す
ることを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る像加熱装置の第1の構成は、耐熱性を
有するベルトと、前記ベルトに内接し、少なくとも一部
が導電性を有する回転可能な発熱部材と、前記発熱部材
との間で前記ベルトを移動可能に懸架する定着ローラ
と、前記発熱部材の外側に配置され、前記発熱部材を励
磁して加熱する励磁手段とを備えた像加熱装置であっ
て、前記発熱部材が回転動作を始めた後に前記励磁手段
が前記発熱部材を励磁して加熱することを特徴とする。
【0023】発熱部材が回転動作を始める前に励磁手段
が発熱部材を励磁して加熱した場合には、発熱部材の一
部だけが異常に高温になり、発熱部材に接触している耐
熱性ベルトが変質すると共に、発熱部材の曲率に応じた
ベルトの永久変形を引き起こしてしまう。また、ベルト
の表層に例えばシリコーンゴム等からなる弾性層を設け
た場合には、ベルトの一部分だけが高温になって、この
弾性層が変質したり剥離したりするおそれがある。これ
に対し、本発明の像加熱装置の第1の構成においては、
発熱部材が回転動作を始めた後に励磁手段が発熱部材を
励磁して加熱する構成を採用したので、上記のような問
題が生じることはない。また、発熱部材の内部に励磁手
段を配置し、発熱部材全体を一度に加熱する構成の場合
には、発熱部材を停止した状態で加熱することが可能で
あるが、励磁手段の温度が高温になり、励磁手段の耐熱
性が問題となる。これに対し、本発明の像加熱装置の第
1の構成においては、励磁手段を発熱部材の外側に配置
しているので、励磁手段の冷却が可能となる。
【0024】また、本発明に係る像加熱装置の第2の構
成は、耐熱性を有する回転可能なベルトと、前記ベルト
に内接し、少なくとも一部が導電性を有する発熱部材
と、前記発熱部材との間で前記ベルトを移動可能に懸架
する定着ローラと、前記発熱部材の外側に配置され、前
記発熱部材を励磁して加熱する励磁手段とを備えた像加
熱装置であって、前記ベルトが回転動作を行っている間
のみ前記励磁手段が前記発熱部材を励磁して加熱するこ
とを特徴とする。この像加熱装置の第2の構成によって
も、上記第1の構成の場合と同様の効果が得られる。
【0025】前記本発明の像加熱装置の第1又は第2の
構成は、前記発熱部材の前記励磁手段によって加熱され
る部位が一定の曲率を有し、前記ベルトが前記曲率部位
からの熱によって加熱される構成の場合に有効である。
【0026】また、前記本発明の像加熱装置の第1又は
第2の構成においては、前記ベルトのガラス転移点が2
00℃〜500℃であるのが好ましい。ベルトのガラス
転移点が200℃以下の場合には、定着ベルトとしての
使用が困難となり、500℃以上の場合には、上記のよ
うな加熱に対する考慮が不要となる。
【0027】また、前記本発明の像加熱装置の第1又は
第2の構成においては、前記励磁手段によって加熱され
る前記発熱部材の外側の面積が前記発熱部材の外側の全
面積の2/3以下であるのが好ましい。励磁手段によっ
て加熱される発熱部材の外側の面積が発熱部材の外側の
全面積の2/3を超えると、励磁手段に溜まった熱が抜
けにくくなり、発熱部材の内部に励磁手段を配置した場
合と同様の熱の問題が発生する。
【0028】また、前記本発明の像加熱装置の第1又は
第2の構成においては、前記発熱部材の熱容量が60J
/K以下であるのが好ましい。この好ましい例によれ
ば、1000Wの投入電力で発熱部材の加熱を行った場
合、約1秒で発熱部材の温度を200℃以上にすること
ができる。現実的には発熱部材の全体を加熱するわけで
はないので、実際に加熱する部分のみの熱容量はこれの
半分以下であると考えられ、約1秒で発熱部材の温度を
400℃以上にすることができると考えられる。これ
は、発熱部材を薄肉化するほど顕著になる。そして、励
磁手段による加熱を先に行った場合には、1秒以内に回
転動作を開始しなければならないということになる。さ
らには、発熱部材の熱容量が30J/K以下であると、
500Wの投入電力で発熱部材の加熱を行った場合、1
秒で発熱部材の温度を数百℃以上にすることができる。
さらには、発熱部材の熱容量が20J/K以下である
と、瞬時に発熱部材の温度が数百℃以上となる場合もあ
り、発熱部材又はベルトが回転していることが必須とな
る。
【0029】また、前記本発明の像加熱装置の第1又は
第2の構成においては、前記励磁手段が励磁コイルであ
るのが好ましい。
【0030】さらに、前記本発明の像加熱装置の第1の
構成においては、前記励磁手段が前記発熱部材の励磁を
終了した後に前記発熱部材が回転動作を終了するのが好
ましい。
【0031】また、前記本発明の像加熱装置の第1又は
第2の構成においては、停止状態において前記ベルトと
前記発熱部材とが一定の曲率をもって接触している部分
の、回転方向の最上流点が少なくとも前記発熱部材から
離れるまで前記ベルトを回転させてから加熱を開始する
のが好ましい。ベルトが一定の曲率を持ったまま長時間
停止していると、曲率に応じてベルトが一時的に変形す
ることがある。この変形は、熱を加えながら回転させて
いると元に戻るが、停止状態で熱を加えると、ベルトが
永久変形を起こしやすい。そのため、発熱部材の加熱を
開始する場合には、停止時に発熱部材と接触し曲率を持
って変形している部位が発熱部材から離れてから、発熱
部材の加熱を開始する必要がある。
【0032】また、本発明に係る像加熱装置の第3の構
成は、耐熱性を有するベルトと、前記ベルトに内接する
第1の支持ローラと、前記第1の支持ローラとの間で前
記ベルトを移動可能に懸架する第2の支持ローラと、前
記第1の支持ローラに巻き付いた前記ベルトの外側に配
置され、前記第1の支持ローラと前記ベルトの少なくと
も一方を励磁して加熱する励磁手段とを備えた像加熱装
置であって、停止状態において前記ベルトと前記第1の
支持ローラとが一定の曲率をもって接触している部分
の、回転方向の最上流点が少なくとも前記第1の支持ロ
ーラから離れるまで前記ベルトを回転させてから加熱を
開始することを特徴とする。
【0033】さらに、本発明に係る像加熱装置の第4の
構成は、耐熱性を有するベルトと、前記ベルトに内接
し、少なくとも一部が導電性を有する回転可能な発熱部
材と、前記発熱部材との間で前記ベルトを移動可能に懸
架する定着ローラと、前記定着ローラと対向して配置さ
れ、前記ベルトとの間にニップ部を形成する加圧ローラ
と、前記発熱部材の外側に配置され、前記発熱部材を励
磁して加熱する励磁手段とを備えた像加熱装置であっ
て、被記録材が前記ニップ部を通過中に前記励磁手段に
よる前記発熱部材の加熱を終了することを特徴とする。
【0034】ベルト方式の像加熱装置の場合には、発熱
部材とニップ部とが離れているために、被記録材がニッ
プ部を通過した後に発熱部材の加熱を終了すると、発熱
部材における温度変化とニップ部における温度変化にタ
イムラグが生じてしまう。省エネルギの観点から、定着
終了後速やかに加熱を終了するためには、発熱部材から
ベルトが離れる点からニップ部までの距離よりも、前記
ニップ部から被記録材の終端までの距離が短くなった時
点で励磁手段による発熱部材の加熱を終了する必要があ
る。これにより、記録材上のトナーを溶融する熱量をベ
ルトに蓄えた時点で加熱を終了することができる。
【0035】さらに、本発明に係る像加熱装置の第5の
構成は、励磁手段と、前記励磁手段によって発熱する回
転可能な導電性発熱体とを備え、前記導電性発熱体が回
転動作を始めた後に前記励磁手段が前記導電性発熱体を
励磁して加熱する像加熱装置であって、所定の設定温度
未満では前記導電性発熱体が第1の速度で回転し、それ
以上の温度になると前記導電性発熱体が第2の速度で回
転することを特徴とする。これは、回転速度によって昇
温の時間が異なることによる。昇温時間を早めるために
は、導電性発熱体の昇温速度を速めると共に、その熱を
他に奪われないようにすることが重要である。導電性発
熱体の熱を吸収する部材の代表は加圧ローラである。加
圧ローラが静止していれば、加圧ローラが導電性発熱体
の熱を吸収する場所は定着ローラに接している部分だけ
であるため、加圧ローラによって吸収される熱量は少な
いが、加圧ローラが回転していると、加圧ローラ全体が
導電性発熱体の熱を吸収することになり、加圧ローラに
よって吸収される熱量はその回転速度の上昇に伴って増
加する。そこで、昇温時においては導電性発熱体を低速
で回転させ、所定の温度に達した時点で通常の速度に変
更することにより、昇温時間を短縮することができる。
【0036】定着ローラと加圧ローラとを有するベルト
方式の像加熱装置の場合には、定着ローラも導電性発熱
体の熱を吸収するため、さらに顕著な効果が得られる。
【0037】OHPモードにおいては、通常の速度の半
分以下の速度で定着が行われる。また、OHPモードに
おいては、加圧ローラの温度による透光性の変化が大き
く、加圧ローラも温度が上昇していることが求められ
る。OHPモードにおいては、初めから通常の速度の半
分の速度で動作させた場合、加圧ローラの温度上昇が遅
くなるため、昇温時に通常の速度で回転し、所定の温度
に達した時点で通常の速度の半分の速度に切り替えるこ
とにより、十分なOHP透光性が得られる定着温度まで
素早く上昇させることができる。
【0038】また、前記本発明の像加熱装置の第5の構
成においては、前記励磁手段が、前記導電性発熱体の外
側に配置され、前記発熱部材を励磁して加熱する励磁コ
イルであるのが好ましい。
【0039】また、前記本発明の像加熱装置の第5の構
成においては、前記導電性発熱体が内接し、耐熱性樹脂
からなるベルトと、前記導電性発熱体との間で前記ベル
トを移動可能に懸架する定着ローラとをさらに備えてい
るのが好ましい。
【0040】また、前記本発明の像加熱装置の第5の構
成においては、前記第1の速度が前記第2の速度の2/
3以下であるのが好ましい。
【0041】また、本発明に係る像加熱装置の第6の構
成は、励磁手段と、前記励磁手段によって発熱する回転
可能な導電性発熱体とを備え、前記導電性発熱体が回転
動作を始めた後に前記励磁手段が前記導電性発熱体を励
磁して加熱し、前記励磁手段が前記導電性発熱体を加熱
するのを終了してから前記導電性発熱体の回転動作を終
了する像加熱装置であって、待機時において、前記導電
性発熱体が通常の速度未満で回転することを特徴とす
る。
【0042】本発明の像加熱装置において印字終了まで
の時間をさらに短縮するためには、待機時においても、
余熱を持たせなければならない。しかし、本発明の像加
熱装置は、通常のハロゲンランプ方式のように定着器を
停止させたまま温度だけを上昇させることは困難であ
る。従って、余熱中においても回転動作が必要となる。
しかし、通常と同等の動作をさせると、音もうるさく、
寿命も短くなる。このため、通常の速度未満で回転させ
る必要がある。
【0043】また、前記本発明の像加熱装置の第6の構
成においては、前記励磁手段が、前記導電性発熱体の外
側に配置され、前記発熱部材を励磁して加熱する励磁コ
イルであるのが好ましい。
【0044】また、前記本発明の像加熱装置の第6の構
成においては、前記導電性発熱体が内接し、耐熱性樹脂
からなるベルトと、前記導電性発熱体との間で前記ベル
トを移動可能に懸架する定着ローラとをさらに備えてい
るのが好ましい。
【0045】また、前記本発明の像加熱装置の第6の構
成においては、待機時における前記導電性発熱体の回転
速度が通常動作時の1/2以下であるのが好ましい。ま
た、導電性発熱体への投入電力が最大の場合には温度上
昇が急激となるため、余熱中は投入電力を落とす必要が
ある。
【0046】また、前記本発明の像加熱装置の第6の構
成においては、待機時において、前記導電性発熱体が断
続的に回転するのが好ましい。
【0047】また、前記本発明の像加熱装置の第6の構
成においては、待機時において、第1の設定温度未満に
なると前記導電性発熱体が回転を開始し、第2の設定温
度以上になると瞬時又は一定時間経過後に停止するのが
好ましい。
【0048】このように、余熱中は連続で動作する必要
はなく、所定の第1の温度未満になれば回転動作を開始
して電磁誘導加熱を開始し、所定の第2の温度以上にな
れば電磁誘導加熱を停止して回転動作を停止させればよ
い。この加熱停止後の回転動作の停止は、同時でも構わ
ないが、加熱停止後一定の時間をおいた後に、回転動作
を停止するのが望ましい。これは、加熱停止後に若干の
オーバーシュートがある場合の対策である。
【0049】また、前記本発明の像加熱装置の第6の構
成においては、待機時において装置のウォームアップ時
よりも低い出力が前記励磁手段に投入されるのが好まし
い。
【0050】また、本発明に係る像加熱装置の第7の構
成は、耐熱性を有するベルトと、前記ベルトに内接して
回転可能な発熱部材と、前記発熱部材との間で前記ベル
トを移動可能に懸架する定着ローラと、前記ベルトの外
周面に接する押圧部材とを備えた像加熱装置であって、
前記発熱部材と前記定着ローラとの間の前記押圧部材に
対向する位置に、前記ベルトに内接して温度センサが設
けられたことを特徴とする。
【0051】ベルト方式の像加熱装置においては、定着
によって奪われた熱量を反映するため、ニップ部以降発
熱部材までの間で温度を測定することが望ましい。しか
し、薄肉のベルト表面に温度センサを押圧すると、ベル
ト表面が傷付いて寿命が短くなり、画像欠陥が生じてし
まう。従って、ベルトの裏面に温度センサを押圧するこ
とが望ましいが、ベルトを挟んだ対向位置に押圧部材が
ないと、ベルトの振動やたわみのために正確に温度を測
定することができない。そこで、ベルト表面から押圧す
る部材であるオイル塗布ローラやクリーニングローラに
対向するベルト裏側の位置に温度センサを設けることに
より、ベルト表面を傷付けることなく正確に温度を測定
することができる。加熱に電磁誘導加熱を用いた場合、
急速加熱が可能で細かい温度制御が可能であるが、その
分ベルトの温度測定が重要になるため、本方式はより効
果的である。
【0052】また、前記本発明の像加熱装置の第7の構
成においては、前記発熱部材は少なくとも一部が導電性
を有すると共に、前記発熱部材の外側に配置された励磁
手段をさらに備え、前記発熱部材は前記励磁手段によっ
て電磁誘導加熱されるのが好ましい。
【0053】また、本発明に係る画像形成装置の第1の
構成は、被記録材に未定着画像を形成担持させる画像形
成手段と、前記未定着画像を前記被記録材に定着させる
定着装置とを備えた画像形成装置であって、前記定着装
置が前記本発明の像加熱装置であることを特徴とする。
【0054】また、本発明に係る画像形成装置の第2の
構成は、発熱部材と、前記発熱部材に対向して配置さ
れ、前記発熱部材を電磁誘導加熱する励磁コイルと、前
記励磁コイルに高周波電流を供給するインバータ回路部
と、前記インバータ回路部の動作を制御する制御部と、
前記励磁コイルによる前記発熱部材の最大発熱部以外の
箇所に配置され、前記制御部へ温度制御のための信号を
送る温度センサとを備えたことを特徴とする。
【0055】温度センサを、発熱部材の最大発熱部であ
る、発熱部材の励磁コイルとの対向面に設けると、発熱
部材と励磁コイルとの間隔が広くなり、発熱部材と励磁
コイルとの電磁誘導的な結合が悪くなる。また、励磁コ
イルを温度センサを避けた形状にした場合には、温度セ
ンサ部分のみ発熱量が低下して、温度分布が不均一とな
る。
【0056】また、前記本発明の画像形成装置の第2の
構成においては、前記発熱部材が回転する部材であると
共に、前記励磁コイルが前記発熱部材の周面に対向して
配置され、かつ、前記発熱部材を回転駆動する駆動源
と、前記発熱部材の回転を検知する回転検知手段とをさ
らに備えているのが好ましい。
【0057】また、前記本発明の画像形成装置の第2の
構成においては、前記発熱部材の少なくとも一部が導電
性材料からなり、かつ、前記発熱部材に接触して回転す
る回転部材と、前記回転部材を回転駆動する駆動源と、
前記回転部材の回転を検知する回転検知手段とをさらに
備えているのが好ましい。
【0058】また、前記本発明の画像形成装置の第2の
構成においては、前記発熱部材が回転する部材であると
共に、前記励磁コイルが前記発熱部材の周面に対向して
配置され、かつ、前記発熱部材に接触して回転する回転
部材と、前記発熱部材と前記回転部材の一方を、他方を
介さずに回転駆動する駆動源と、前記発熱部材又は前記
回転部材の回転を検知する回転検知手段とをさらに備え
ているのが好ましい。
【0059】また、前記本発明の画像形成装置の第2の
構成においては、前記発熱部材が回転する部材であると
共に、前記励磁コイルが前記発熱部材の周面に対向して
配置され、かつ、前記発熱部材に接触して回転する回転
部材と、前記発熱部材と前記回転部材の一方を、他方を
介さずに回転駆動する駆動源と、前記発熱部材又は前記
回転部材を介して駆動される従動部材と、前記従動部材
の回転を検知する回転検知手段とをさらに備えているの
が好ましい。
【0060】また、前記回転検知手段からの検知信号発
生後に前記制御部が前記インバータ回路部の動作を開始
するのが好ましい。
【0061】また、前記回転検知手段からの信号が所定
時間得られない場合に、前記制御部が前記インバータ回
路部の動作を停止させるのが好ましい。
【0062】また、前記発熱部材及び前記回転部材の回
転と前記インバータ回路部の動作とを同時に行うのが好
ましい。
【0063】また、前記本発明の画像形成装置の第2の
構成においては、発熱部材を備えた定着ユニットが装置
本体に対して着脱自在であるのが好ましい。
【0064】また、本発明に係る画像形成装置の第3の
構成は、定着ベルトと、前記定着ベルトを回転可能に支
持する第1及び第2の支持ローラと、前記第1の支持ロ
ーラに巻き付いた前記定着ベルトに対向して配置され、
前記第1の支持ローラと前記定着ベルトの少なくとも一
方を電磁誘導加熱する励磁コイルと、前記励磁コイルに
高周波電流を供給するインバータ回路部と、前記インバ
ータ回路部の動作を制御する制御部と、前記励磁コイル
による前記第1の支持ローラと前記定着ベルトの少なく
とも一方の最大発熱部以外の箇所に配置され、前記制御
部へ温度制御のための信号を送る温度センサとを備えた
ことを特徴とする。
【0065】また、前記本発明の画像形成装置の第3の
構成においては、前記定着ベルトを介して前記第2の支
持ローラに圧接して回転する加圧部材と、前記加圧部材
を回転駆動する駆動手段と、前記加圧部材の回転を検知
する回転検知手段とをさらに備えているのが好ましい。
【0066】また、前記本発明の画像形成装置の第3の
構成においては、前記第1及び第2の支持ローラの少な
くとも一方を定着ベルトを介さずに回転駆動する駆動手
段と、前記駆動手段によって駆動される前記支持ローラ
の回転を検知する回転検知手段とをさらに備えているの
が好ましい。
【0067】また、前記本発明の画像形成装置の第3の
構成においては、前記定着ベルトを介して前記第2の支
持ローラに圧接して回転する加圧部材と、前記第1及び
第2の支持ローラの一方を定着ベルトを介さずに回転駆
動する駆動手段と、前記定着ベルトの回転を介して回転
駆動される前記支持ローラの回転を検知する回転検知手
段とをさらに備えているのが好ましい。
【0068】また、前記本発明の画像形成装置の第3の
構成においては、前記定着ベルトを介して前記第2の支
持ローラに圧接して回転する加圧部材と、前記第1及び
第2の支持ローラの一方を定着ベルトを介さずに回転駆
動する駆動手段と、前記加圧部材の回転を検知する回転
検知手段とをさらに備えているのが好ましい。
【0069】また、前記定着ベルトを介さず回転駆動さ
れる支持ローラが発熱しないのが好ましい。
【0070】また、前記本発明の画像形成装置の第3の
構成においては、前記定着ベルトを介して前記第2の支
持ローラに圧接して回転する加圧部材と、前記加圧部材
を回転駆動する駆動手段と、前記加圧部材の駆動によっ
て従動する部材の回転を検知する回転検知手段とをさら
に備えているのが好ましい。
【0071】また、前記回転検知手段からの検知信号発
生後に前記制御部が前記インバータ回路部の動作を開始
するのが好ましい。
【0072】また、前記回転検知手段からの信号が所定
時間得られない場合に、前記制御部が前記インバータ回
路部の動作を停止させるのが好ましい。
【0073】また、前記本発明の画像形成装置の第3の
構成においては、前記定着ベルトと、前記第1及び第2
の支持ローラとを備えた定着ユニットが装置本体に対し
て着脱自在であるのが好ましい。
【0074】また、本発明に係る画像形成装置の第4の
構成は、少なくとも一部が導電性材料からなる発熱部材
と、回転する被回転検知部材と、前記発熱部材の周面に
対向して配置され、前記発熱部材を電磁誘導加熱する励
磁コイルと、前記励磁コイルに高周波電流を供給するイ
ンバータ回路部と、前記インバータ回路部の動作を制御
する制御部と、前記励磁コイルによる前記発熱部材の最
大発熱部以外の箇所に配置され、前記制御部へ温度制御
のための信号を送る温度センサと、前記被回転検知部材
を直接的又は間接的に回転させる回転手段と、前記被回
転検知部材の回転を検知する回転検知手段とを備え、少
なくとも前記発熱部材と前記被回転検知部材とが、一体
の定着ユニットとして装置本体に着脱自在であることを
特徴とする。
【0075】また、前記本発明の画像形成装置の第4の
構成においては、前記回転検知手段が前記定着ユニット
内に設けられているのが好ましい。
【0076】また、前記本発明の画像形成装置の第4の
構成においては、前記回転検知手段が装置本体内に設け
られているのが好ましい。
【0077】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態を用いて本発明
をさらに具体的に説明する。
【0078】[第1の実施の形態]図1は本発明の第1
の実施の形態における像加熱装置を定着装置として用い
た画像形成装置を示す断面図である。以下、この装置の
構成と動作について説明する。
【0079】図1において、17は装置本体の外装板、
1は電子写真感光体(以下『感光ドラム』という)であ
る。感光ドラム1は、矢印の方向に所定の周速度で回転
駆動されながら、その表面が帯電器2によってマイナス
の所定の暗電位V0に一様に帯電される。
【0080】3はレーザビームスキャナであり、図示し
ない画像読取装置やコンピュータ等のホスト装置から入
力される画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応
して変調されたレーザビーム4を出力する。上記のよう
に一様に帯電された感光ドラム1の表面は、このレーザ
ビーム4によって走査露光される。これにより、感光ド
ラム1の露光部分は電位絶対値が低下して明電位VLと
なり、感光ドラム1の表面に静電潜像が形成される。こ
の静電潜像は、現像器5のマイナスに帯電したトナーに
よって反転現像され、顕像化される。
【0081】現像器5は、回転駆動される現像ローラ6
を備えている。現像ローラ6は、感光ドラム1と対向し
て配置されており、その外周面にはトナーの薄層が形成
される。現像ローラ6には、その絶対値が感光ドラム1
の暗電位V0よりも小さく、明電位VLよりも大きい現
像バイアス電圧が印加されており、これにより現像ロー
ラ6上のトナーが感光ドラム1の明電位VLの部分にの
み転写されて、静電潜像が顕像化され、トナー像11が
形成される。
【0082】一方、給紙部7からは記録紙8が一枚ずつ
給送され、レジストローラ対9を経て、感光ドラム1と
転写ローラ10とのニップ部へ、感光ドラム1の回転と
同期した適切なタイミングで送られる。そして、感光ド
ラム1上のトナー像11は、転写バイアスが印加された
転写ローラ10により、記録紙8に転写される。
【0083】13は定着紙ガイドであり、この定着紙ガ
イド13によって転写後の記録紙8の定着器14への移
動が案内される。トナー像11が転写された記録紙8
は、感光ドラム1から分離された後、定着器14へ搬送
され、これにより記録紙8上に転写されたトナー像11
が定着される。また、15は排紙ガイドであり、この排
紙ガイド15によって定着器14を通過した記録紙8が
装置外部へ案内される。トナー像11が定着された後の
記録紙8は排紙トレイ16へ排出される。18は定着器
14の着脱や紙ジャムの処理を行うための定着扉であ
り、この定着扉18はヒンジ19を中心に回転して排紙
トレイ16と共に開閉される。そして、定着扉18を開
くことにより、定着器14は装置本体に対して発熱ロー
ラ21(図2参照)の軸と直角な方向へ着脱可能とな
る。図1中の破線は定着器14の脱着状態の位置を示
し、実線は定着器14の装着時の位置を示す。図1に示
すように、後述する励磁コイル23(図2参照)等の励
磁手段24を装置本体内に残して、定着器14のみが着
脱される。
【0084】記録紙8が分離された後の感光ドラム1
は、その表面の転写残りトナー等の残留物がクリーニン
グ装置12によって除去され、繰り返し次の画像形成に
供される。
【0085】次に、本実施の形態の像加熱装置につい
て、具体的実施例を挙げてさらに詳細に説明する。
【0086】(実施例1)図2は上記画像形成装置に用
いられる本発明の実施例1における像加熱装置としての
定着装置を示す断面図である。
【0087】図2において、25は励磁手段としての励
磁コイルである。この励磁コイル25は、細い線を束ね
たリッツ線を用いて形成されており、発熱ローラ21に
巻き付いた定着ベルト20を覆うような断面形状となっ
いる。また、励磁コイル25の中心と背面の一部には、
フェライトからなる芯材26が設けられている。芯材2
6の材料としては、フェライトの他、パーマロイ等の高
透磁率の材料を用いることもできる。励磁コイル25は
発熱ローラ21の外側に設けられており、励磁コイル2
5によって発熱ローラ21の一部を励磁することによ
り、発熱ローラ21を加熱することができる。図2にお
いては、励磁コイル25が発熱ローラ21の外側の全面
積の約1/2を覆って加熱するように描かれているが、
加熱される部分の面積は発熱ローラ44の外側の全面積
の2/3以下であればよい。発熱ローラ21の外側の全
面積の2/3以上を加熱するために励磁コイル25が発
熱ローラ21の外側の全面積の2/3以上を覆ってしま
うと、定着ベルト20の搬送路を確保することができな
くなる。
【0088】28は保持部材としてのコイルガイドであ
る。このコイルガイド28は、PEEK材やPPSなど
の耐熱温度の高い樹脂からなり、励磁コイル25及び芯
材26と一体になっている。このようにコイルガイド2
8を設けることにより、発熱ローラ21から放射される
熱が発熱ローラ21と励磁コイル25との間の空間に籠
もって、励磁コイル25が損傷を受けるのを回避するこ
とができる。
【0089】尚、図2においては、芯材26の断面形状
が半円形となっているが、芯材26は必ずしも励磁コイ
ル25の形状に沿った形状とする必要はなく、その断面
形状は、例えば、略Πの字状であってもよい。
【0090】図3は芯材26と励磁コイル25の構成を
発熱ローラ21側から見た裏面図である。図2、図3に
示すように、励磁コイル25は、発熱ローラ21の回転
軸方向に延伸し、かつ、発熱ローラ21の周方向に沿っ
て周回することにより、渦巻き状に形成されている。ま
た、芯材26は、励磁コイル25の背面の一部のみに設
けられ、励磁コイル25の背面への磁束の漏れを防止す
ることができるようにされている。励磁コイル25には
励磁回路75から23kHzの励磁電流が印加される。
【0091】図2において、薄肉の定着ベルト20は、
基材がガラス転移点360℃のポリイミド樹脂からなる
直径50mm、厚さ90μmのエンドレスのベルトであ
る。定着ベルト20の表面には、離型性を付与するため
に、フッ素樹脂からなる厚さ30μmの離型層(図示せ
ず)が被覆されている。基材の材料としては、本実施例
で用いたポリイミド樹脂の他、フッ素樹脂等の耐熱性を
有する樹脂を用いることもできる。また、定着ベルト2
0の基材のガラス転移点は、200℃〜500℃である
のが望ましい。また、定着ベルト20の表面の離型層と
しては、PTFE、PFA、FEP、シリコーンゴム、
フッ素ゴム等の離型性の良好な樹脂やゴムを単独である
いは混合して用いてもよい。定着ベルト20をモノクロ
画像の定着用として用いる場合には離型性のみを確保す
ればよいが、定着ベルト20をカラー画像の定着用とし
て用いる場合には弾性を付与することが望ましく、その
場合にはさらに厚いゴム層を形成する必要がある。
【0092】定着ベルト20は、表面が低硬度(JIS
A30度)の弾力性を有する発泡体であるシリコーンゴ
ムによって構成された直径20mmの低熱伝導性の定着
ローラ22と発熱ローラ21とに所定の張力をもって懸
架されており、矢印Bの方向に回転移動可能となってい
る。
【0093】発熱ローラ21は、直径30mm、長さ3
20mm、厚さ0.5mmの円筒状のSUS430から
なり、熱容量は54J/Kである。尚、発熱ローラ21
の材料としては、SUS430の他、鉄等の他の磁性金
属を用いることもできる。また、発熱ローラ21の熱容
量は、60J/K以下であるのが望ましい。
【0094】加圧ローラ23は、硬度JISA65度の
シリコーンゴムによって構成され、定着ベルト20を介
して定着ローラ22に圧接してニップ部を形成してい
る。そして、この状態で、加圧ローラ23は、定着ロー
ラ22の回転に伴って回転するように支持されている。
加圧ローラ23の材料としては、他のフッ素ゴム、フッ
素樹脂等の耐熱性樹脂やゴムを用いてもよい。また、耐
摩耗性や離型性を高めるために、加圧ローラ23の表面
には、PFA、PTFE、FEP等の樹脂あるいはゴム
を単独であるいは混合して被覆することが望ましい。ま
た、熱の放散を防ぐため、加圧ローラ23は、熱伝導性
の小さい材料によって構成されることが望ましい。
【0095】発熱ローラ21は、図示しない装置本体の
駆動源によって回転駆動される。また、定着ローラ22
は、定着ベルト20を介して発熱ローラ21の回転に伴
って回転する。また、加圧ローラ23は、定着ベルト2
0を介して定着ローラ22の回転に伴って回転する。
【0096】本実施例においては、励磁コイル25が電
磁誘導によって発熱ローラ21を発熱させる。以下、そ
の機構について、図4を参照しながら説明する。
【0097】図4において、励磁コイル25によって生
じた磁束は、発熱ローラ21の磁性のために、矢印D、
D’で示すように、発熱ローラ21内を円周方向に貫通
し、生成消滅を繰り返す。この磁束の変化によって発熱
ローラ21に発生する誘導電流は、表皮効果によってほ
とんど発熱ローラ21の表面にのみ流れ、その部分にジ
ュール熱を発生させる。表皮効果によって大部分の電流
が流れる深さは『表皮深さ』と呼ばれるが、この表皮深
さは、磁束が通る部材の材料と励磁電流の周波数とによ
って決まってくる。計算によれば、発熱ローラ21の材
料がSUS430の場合の表皮深さは、励磁電流の周波
数が23kHzのとき約0.26mmであった。発熱ロ
ーラ21の厚さがこの表皮深さと同等かそれ以上であれ
ば、誘導電流はほとんど発熱ローラ21内で発生する。
励磁電流の周波数を上げればそれだけ表皮深さは小さく
なり、それだけ厚みの小さい発熱ローラ21を用いるこ
とができる。しかし、励磁電流の周波数をあまり高くす
ると、コストがかかり、外部に出るノイズも大きくな
る。
【0098】定着ベルト20の発熱ローラ21との接触
部を通り過ぎた部分には、定着ベルト20の裏面に接触
するように温度センサ45が設けられており、これによ
り定着ベルト20の温度を検知することができるように
されている。
【0099】以上のように、発熱ローラ21の厚さが励
磁コイル25に印加する励磁電流の周波数に対応した表
皮深さと同等以上であれば、無駄な電流を流すことなく
発熱ローラ21を発熱させることができる。
【0100】上記のように構成された定着装置の回転動
作を開始してから、発熱ローラ21に1200Wの電力
を投入してウォームアップを開始した。ウォームアップ
の開始から約14秒でニップ部に突入するときの定着ベ
ルト20の温度が185℃に達した。この定着装置に、
図1の画像形成装置でトナー像11が転写された記録紙
8を、図2に示すように、トナー像11が転写された面
を上側にして矢印Fの方向から突入させることにより、
記録紙8上のトナー像11を定着した。
【0101】本実施例においては、発熱ローラ21が回
転動作を始めた後に、励磁コイル25による発熱ローラ
21の加熱が開始される。また、励磁コイル25による
発熱ローラ21の加熱が終了した後に発熱ローラ21が
回転動作を終了する。発熱ローラ21を停止させた状態
で励磁コイル25による加熱を行った場合には、最高温
部分が数秒で300℃に達してしまい、ポリイミド樹脂
からなる定着ベルト20の基材が変形してしまった。
【0102】ウォームアップ時間を短縮するためには、
発熱ローラ21の熱容量が小さい方が有利であるが、発
熱ローラ21の熱容量が小さいほど、発熱ローラ21を
停止させた状態で励磁コイル25による加熱を行った場
合の部分温度上昇は顕著になる。本実施例においては、
発熱ローラ21が回転動作を始めた後に、励磁コイル2
5による発熱ローラ21の加熱が開始されるので、上記
のような問題が発生することはない。この場合、停止状
態において定着ベルト20と発熱ローラ21とが一定の
曲率をもって接触している部分の、回転方向の最上流点
が少なくとも発熱ローラ21から離れるまで定着ベルト
20を回転させてから励磁コイル25による発熱ローラ
21の加熱を開始するのが望ましい。
【0103】また、本実施例においては、発熱部材であ
る発熱ローラ21が定着ベルト20の内部に配置され、
一方、励磁コイル25や芯材26が定着ベルト20の外
部に配置されているので、励磁コイル25等が発熱部材
の温度の影響を受けて昇温することを防止することがで
きる。その結果、発熱量を安定に保つことができる。
【0104】待機時における発熱ローラ21の回転速度
を通常動作時の1/2の速度に設定し、発熱ローラ21
への投入電力を400Wとした。定着ベルト20の温度
が100℃になると回転動作とともに加熱を開始し、1
20℃になると加熱を停止させ、2秒後に回転動作を停
止した。この待機時の動作により、余熱中からニップ部
に突入するときの定着ベルト20の温度が185℃に達
するまでの時間は5秒であった。尚、待機時における発
熱ローラ21の回転速度は、通常動作時の1/2以下の
速度であるのが望ましい。
【0105】尚、本実施例においては、電磁誘導によっ
て発熱ローラ21を発熱させ、定着ベルト20を間接的
に加熱するようにしているが、必ずしもこの構成に限定
されるものではなく、導電性を有する定着ベルト20を
用い、定着ベルト20を電磁誘導によって直接加熱する
ようにしてもよい。以下の各実施例及び下記第2の実施
の形態においても同様である。
【0106】(実施例2)図5は本発明の実施例2にお
ける像加熱装置としての定着装置を示す断面図である。
【0107】本実施例において上記実施例1の定着装置
と同様の構成で同じ役割を果たす部分については、その
詳細な説明は省略する。
【0108】本実施例における定着ベルト50は、基材
51がガラス転移点320℃のポリイミド樹脂からなる
直径60mm、厚さ90μmのエンドレスのベルトであ
る。定着ベルト50の表面には、カラー画像の定着のた
めに、厚さ200μmのシリコーンゴム52が被覆され
ている。また、本実施例においても、発熱は発熱ローラ
54で行われるので、定着ベルト50としては、フッ素
樹脂等の耐熱性樹脂をフィルム状にしたものを用いるこ
ともできる。
【0109】定着ベルト50は、上記実施例1とほぼ同
様の構成の直径30mmの定着ローラ53と直径20m
m、長さ240mm、厚さ0.4mmの円筒状の発熱ロ
ーラ54とに所定の張力をもって懸架されており、矢印
Cの方向に回転移動可能となっている。発熱ローラ54
は、SUS430からなり、熱容量は21J/Kであ
る。
【0110】加圧ローラ57は、硬度JISA60度の
シリコーンゴムによって構成され、定着ベルト50を介
して定着ローラ53に圧接してニップ部を形成してい
る。そして、この状態で、加圧ローラ57は、金属軸6
0の周りに定着ローラ53の回転に伴って回転するよう
に支持されている。
【0111】発熱ローラ54に定着ベルト50を介して
小さな間隙をあけて対向して、励磁コイル71と芯材7
2とが設けられている。本実施例において、芯材72は
断面E状に形成されており、その中心の凸部に励磁コイ
ル71が巻回されている。そして、上記実施例1と同様
に、励磁コイル71に励磁回路75から30kHzの励
磁電流を印加することにより、矢印G、G’で示すよう
な磁束が生成消滅を繰り返し、発熱ローラ54の定着ベ
ルト50との接触部である発熱部54aを中心に励磁さ
れて渦電流が発生する。この渦電流が発熱ローラ54中
に発生すると、発熱ローラ54にジュール熱が発生し、
発熱ローラ54が発熱する。発熱ローラ54内に発生す
る渦電流は、発熱ローラ54に用いられる材料の透磁率
及び固有抵抗と、印加される励磁電流の周波数とによっ
て定まる表皮深さよりも浅い表面に集中する。発熱ロー
ラ54に用いられたステンレス材料の特性と印加される
励磁電流の周波数とから計算すると、表皮深さは約0.
3mmであった。発熱ローラ54の厚さが0.4mmに
設定されているため、発熱のほとんどが発熱ローラ54
の表面側の表皮深さによって定まる厚さの中で起こって
いることになる。従って、発熱ローラ54の厚さに部分
的なムラがあっても、発熱にムラが生じることはなく、
均一な発熱が可能となる。また、発熱ローラ54の定着
ベルト50と接触している表面で発熱が集中して起こる
ので、定着ベルト50に効率良く熱が伝わる。
【0112】一方、発熱ローラ54の定着ベルト50と
の接触部を通り過ぎた直後の部分54bには、発熱ロー
ラ54の表面に接触するように温度センサ58が設けら
れている。そして、この温度センサ58の検知出力によ
り、制御手段79を通して励磁回路75の出力が制御さ
れる。これにより、発熱ローラ54の定着ベルト50と
の接触部を通り過ぎた直後の部分54bが常に一定温度
に維持されるように、発熱ローラ54の発熱量が制御さ
れる。
【0113】上記のように構成された定着装置の回転動
作を開始してから、発熱ローラ54に800Wの電力を
投入してウォームアップを開始した。ウォームアップの
開始から約15秒でニップ部に突入するときの定着ベル
ト50の温度が185℃に達した。この約15秒という
時間は、4枚/分のカラープリンタにおける印字時間に
等しく、待ち時間は実質上0といえる。
【0114】カラー画像形成装置(図示せず)に、以上
のように構成された定着装置を装着し、ポリエステルを
基材としたシャープメルトのカラートナーによってカラ
ートナー像85が形成された記録紙86を、図5の矢印
Hの方向から定着装置に突入させることにより、記録紙
86上のカラートナー像85を定着した。
【0115】本実施例において、発熱は発熱ローラ54
の励磁コイル71と対向した部分、すなわち、発熱ロー
ラ54の外側の全面積の約1/4の面積で行われる。こ
のため、発熱ローラ54を停止させた状態で加熱した場
合には、熱は即座に定着ベルト50に伝えられ、定着ベ
ルト50の変形や定着ベルト50の表層のシリコーンゴ
ムの変質を招いてしまう。また、発熱ローラ54の熱容
量も30J/K以下と小さいため、発熱ローラ54を停
止させた状態で加熱すると、数秒で数百℃になり、定着
ベルト50が変形してしまう。本実施例においては、発
熱ローラ54の回転動作を開始した後に発熱ローラ54
を加熱するため、上記のような問題が発生することはな
い。
【0116】(実施例3)図6は本発明の実施例3にお
ける像加熱装置としての定着装置を示す断面図である。
【0117】本実施例において上記実施例1、2の定着
装置と同様の構成で同じ役割を果たす部分については、
その詳細な説明は省略する。
【0118】図6において、定着ベルト90としては、
厚さ30μm、直径60mmのニッケル電鋳ベルト基材
91の表面に、カラー画像を定着するために150μm
のシリコーンゴム92を被覆したものを用いた。
【0119】また、発熱ローラ54と定着ローラ53と
の間には、定着ベルト90の外周面に接触した状態でオ
イル塗布ローラ87が設けられている。また、定着ベル
ト90に内接し、かつ、オイル塗布ローラ87と対向し
て温度センサ58が設けられている。そして、この温度
センサ58の検知出力により、制御手段79を通して励
磁回路75の出力が制御される。
【0120】このような構成を採用したことにより、定
着ベルト90の外周面を温度センサ58によって傷つけ
ることなく、正確な温度制御を行うことができる。尚、
ここでは、オイル塗布ローラ87と対向して温度センサ
58が設けられている場合を例に挙げて説明している
が、オイル塗布ローラ87の代わりに例えばクリーニン
グ部材を用いた場合であっても、同様の効果を得ること
ができる。
【0121】加圧ローラ57は、その端部に固定された
ギア27が装置本体側のステッピングモータ77によっ
て回転駆動される本体ギア40と噛み合うことにより、
回転駆動される。また、発熱ローラ54と定着ローラ5
3は、加圧ローラ57の回転による定着ベルト90の回
転に伴って回転する。
【0122】また、定着ローラ53の端部には回転検知
板41が固定されており、光学的な検知センサを用いて
定着ローラ53の回転を検知することができるようにさ
れている。
【0123】上記のように構成された定着装置の回転動
作を開始してから、発熱ローラ54に900Wの電力を
投入してウォームアップを開始した。発熱ローラ54
は、定着ベルト90の温度が160℃になるまではプロ
セススピード50mm/sで回転し、定着ベルト90の
温度が160℃以上になった時点で通常の速度である1
10mm/sまで上げられる。初めから発熱ローラ54
を通常の速度である110mm/sで回転させたまま定
着ベルト90の温度を昇温させた場合、定着ベルト90
の温度が定着温度である185℃に達するまでに16秒
必要であったが、上記のように定着ベルト90の温度が
160℃になるまで発熱ローラ54をプロセススピード
50mm/sで回転させることにより、定着ベルト90
の温度を12秒で定着温度である185℃まで昇温させ
ることが可能となった。所定の設定温度(定着温度)未
満における発熱ローラ54の速度(第1の速度)は、そ
れ以上の温度における発熱ローラ54の速度(第2の速
度)の2/3以下であるのが望ましい。尚、プロセスス
ピードは、本体ギア40に接続されたステッピングモー
タ77に供給する周波数を変えることによって変更され
る。
【0124】また、OHPモードにおいては、通常の速
度の半分の速度である55mm/sで定着することとな
るが、定着ベルト90の温度が所定温度になるまでは通
常の速度である110mm/sで発熱ローラ54を回転
させ、定着ベルト90の温度が所定温度になった時点で
発熱ローラ54の速度を55mm/sまで下げることに
より、加圧ローラ57の温度を素早く上昇させることが
できる。
【0125】OHPモードにおいては、加圧ローラ57
の温度がOHP透過率に影響を与えるが、上記動作によ
り、短時間で十分な透過率を得ることができる。
【0126】本実施例においては、記録紙86が定着ロ
ーラ53と加圧ローラ57とによって形成されるニップ
部を通過中に発熱ローラ54の加熱を終了する構成であ
る。この場合、定着ベルト90が発熱ローラ54を離れ
てからニップ部に突入するまでの距離aよりも、ニップ
部の入口から記録紙86の終端までの距離bが短くなっ
た時点で発熱ローラ54の加熱を終了することにより、
記録紙86の排紙を検知してから発熱ローラ54の加熱
を終了するよりも1秒以上早く加熱動作を終了すること
ができた。
【0127】(実施例4)図7は本発明の実施例4にお
ける像加熱装置としての定着装置を示す断面図、図8は
図7の矢印Aの方向から見た定着装置の平面図、図9は
図7の中心線における定着装置の断面図である。
【0128】図7〜図9において、21aは固定配置さ
れた半円筒状の発熱部材、25は励磁コイルである。励
磁コイル25は、表面が絶縁された外径0.15mmの
銅製の線材を40本束ねた線束を、発熱部材21aの長
手方向(図7の紙面に垂直な方向)に延伸し、かつ、発
熱部材21aの周方向に周回して形成されている。
【0129】励磁コイル25の発熱部材21aの長手方
向に垂直な断面は、図7に示すように、発熱部材21a
に巻き付いた定着ベルト20を覆うように形成されてい
る。図9に示すように、励磁コイル25を形成する線束
は、励磁コイル25の両端部(発熱部材21aの長手方
向の両端部)のみで重なっており、発熱部材21aの周
方向に沿って互いに密着した状態で9回周回している。
【0130】26は高透磁率材料からなる芯材である。
励磁コイル25によって生じた磁束は、芯材26の中央
部の凸部から発熱部材21aに入り、発熱部材21a内
を円周方向に走行し、芯材26の両端部に戻るループを
形成して生成消滅を繰り返す。そして、この磁束の変化
が発生させる誘導電流により、発熱部材21aにジュー
ル熱が発生する。
【0131】図8に示すように、励磁コイル25には半
共振形インバータである励磁回路75から20kHz〜
50kHzの高周波電流が印加される。ここで、高周波
電流の最大振幅は50A程度である。
【0132】28は保持部材としてのコイルガイドであ
る。このコイルガイド28は、PEEK材やPPSなど
の耐熱温度の高い樹脂からなり、励磁コイル25及び芯
材26と一体になっている。ここで、コイルガイド28
は、両端で取付部材29に固定されている。
【0133】次に、本実施例における定着器について、
図7、図9を参照しながら詳細に説明する。
【0134】図7、図9において、定着ベルト20は、
基材がポリイミド樹脂からなる直径50mm、厚さ10
0μmのエンドレスのベルトである。定着ベルト20の
表面には、離型性を付与するために、フッ素樹脂からな
る厚さ20μmの離型層(図示せず)が被覆されてい
る。基材の材料としては、耐熱性を有するポリイミド樹
脂やフッ素樹脂等の他、電鋳で製作したニッケル等のご
く薄い金属を用いることもできる。さらに、離型層とし
ては、PTFE、PFA、FEP、シリコーンゴム、フ
ッ素ゴム等の離型性の良好な樹脂やゴムを単独であるい
は混合して用いてもよい。
【0135】発熱部材21aは、直径20mm、長さ2
40mm、厚さ0.4mmの半円筒状に形成されてい
る。この発熱部材21aは、炭素の含有量が0.05%
〜0.5%の炭素鋼である磁性材料によって構成され、
そのキュリー点が400°C以上となるように調整され
ている。尚、この発熱部材21aの熱容量は、約20J
/Kであった。
【0136】22は低硬度(Asker-C40度)の弾力性
を有する発泡体であるシリコーンゴムからなる層22a
を芯金22b上に形成して構成された外径30mmの低
熱伝導性の定着ローラである。定着ベルト20は、定着
ローラ22と発熱部材21aとの間に所定の張力をもっ
て懸架されており、矢印Bの方向に回転移動可能となっ
ている。発熱部材21aの両端には、定着ベルト20の
蛇行を防止するためのリブ(図示せず)が設けられてい
る。
【0137】23は加圧手段としての加圧ローラであ
り、硬度JIS−A35度のシリコーンゴムによって構
成されている。そして、加圧ローラ23は定着ベルト2
0を介して定着ローラ22に圧接されており、これによ
りニップ部が形成されている。加圧ローラ23の材料と
しては、他のフッ素ゴム、フッ素樹脂等の耐熱性樹脂や
ゴムであってもよい。また、耐摩耗性や離型性を高める
ために、加圧ローラ23の表面には、PFA、PTF
E、FEP等の樹脂あるいはゴムを単独であるいは混合
して被覆することが望ましい。
【0138】45は定着ベルト20に内接して設けられ
た温度センサであり、定着ベルト20の温度を検知して
温度信号を発生させる。
【0139】図9に示すように、定着ローラ22を構成
する芯金22bの両端は、定着側板33に固定されたベ
アリングからなる定着軸受34によって回転可能に支持
されている。定着ローラ22は、芯金22bの一端に固
定されたギア27が装置本体側のモータによって回転駆
動される本体ギア40に噛み合うことにより、回転駆動
される。加圧ローラ23は、定着ローラ22の回転によ
る定着ベルト20の回転に伴って回転する。
【0140】35は発熱部材21aを支持する中心軸で
あり、定着側板33に対して移動可能な可動側板36に
固定されている。37はPPSやPEEK材等の熱伝導
性が小さく非磁性の耐熱性樹脂からなるフランジであ
る。38は張力バネである。この張力バネ38は、可動
側板36を定着側板33から離間する方向に付勢し、定
着ローラ22と発熱部材21aとの間に懸架された定着
ベルト20に20Nの張力を付与している。
【0141】39は押圧バネである。この押圧バネ39
は、コイルガイド28が取り付けられた取付部材29
を、発熱部材21aの方向へ付勢している。取付部材2
9は、定着器14が装置本体に装着されたときに可動側
板36に当接し、定着器14内の発熱部材21aと装置
本体側の励磁コイル25及びコイルガイド28との間
隔、位置関係を規定している。
【0142】41は回転検知板である。回転検知板41
は、定着ローラ22の芯金22bのギア27とは反対側
の端部に固定されている。図10に、回転検知板41の
側面形状を示す。図10に示すように、回転検知板41
の外周には切り欠き42が設けられており、定着器14
が装置本体に装着された状態において、回転検知板41
は装置本体のフォトセンサ43の検知部に入り込んでい
る。この状態で定着ローラ22が回転すると、切り欠き
42がフォトセンサ43の検知部を通過するたびに、フ
ォトセンサ43の検知光44が透過し、これにより定着
ローラ22の回転が検知される。尚、定着器14の着脱
時に回転検知板41がフォトセンサ43に干渉しないよ
うに、フォトセンサ43の開口の中心面と定着器14の
着脱方向が一致するように構成されている。
【0143】次に、定着装置の加熱動作を制御する方法
について説明する。
【0144】図11は本実施例におけるインバータ回路
の制御ブロック図、図12は定着装置の起動時における
加熱動作の制御方法を示すフローチャート、図13はプ
リント動作時における加熱動作の制御方法を示すフロー
チャートである。
【0145】図11において、制御部は、CPUからの
プリント開始信号を受けると、温度センサ及び回転検知
部からの信号に応じてインバータ回路を動作、制御す
る。図12において、制御部は、CPUからのプリント
開始信号を受けると(A)、まず、定着器14を回転駆
動するモータを回転させる。そして、回転検知板41が
回転して、切り欠き42がフォトセンサ43の検知部を
通過することにより、定着ローラ22の回転が検知され
る。制御部は、この検知信号を受けて、インバータ回路
へ加熱開始信号を送る。これにより、インバータ回路が
励磁コイル25へ高周波電流を印加して加熱が開始さ
れ、プリント動作が行われる(C)。励磁コイル25に
印加される高周波電流は、定着ベルト20に設けられた
温度センサ45によって得られる温度信号により、定着
ベルト20の温度が所定の定着温度である170℃とな
るように制御される。
【0146】一方、モータ回転信号をオンにした後、例
えば、1.2秒の所定時間が経過してもフォトセンサ4
3から回転検知信号が得られない場合には、制御部は、
異常事態が発生したとして、モータを停止させ、『エラ
ー』を表示してユーザに報知する。
【0147】また、図13において、プリント動作中
(C)に、定着ローラ22の回転検知板41の切り欠き
42がフォトセンサ43の検知部を通過する時間間隔よ
りも若干大きな所定間隔、例えば1秒、以内でフォトセ
ンサ43から回転検知信号が得られている場合には、制
御部はプリント動作を継続する。一方、この所定間隔よ
りも長い時間フォトセンサ43から回転検知信号が得ら
れない場合には、制御部は、異常事態が発生したとし
て、モータを停止させ、『エラー』を表示してユーザに
報知する。
【0148】これにより、ユーザは、定着器14の装着
の不十分さや構成部品の破損をチェックし、正規の状態
に戻すことにより、安定して装置を使用することができ
る。また、ユーザは、プリント動作中の経時的な変化に
よる異常事態にも対応することができる。
【0149】定着ベルト20の寿命は装置本体の寿命枚
数よりも短いため、定着器14を交換する必要がある。
また、紙ジャムの処理時などに定着ベルト20の表面を
傷つけた場合にも、定着ベルト20の交換が必要とな
る。本実施例の構成によれば、励磁コイル25等の励磁
手段は装置本体内に残るので、交換部品としての定着器
14を簡素で安価な構成とすることができる。
【0150】定着器14を装置本体に対して着脱自在に
構成した場合、ユーザによる定着器14の装着が不十分
で、発熱部材21aと励磁手段は近接しても、定着ロー
ラ22の芯金22bに固定されたギア27が本体ギア4
0と十分に噛み合わない可能性や、定着器14の装着時
に駆動力の伝達手段であるギア27などを破損する可能
性がある。本実施例においては、定着ローラ22に固定
した回転検知板41の回転を検知するように構成したの
で、このような場合にも、異常を検知して加熱動作を停
止し、『エラー』を表示して定着器14の十分な装着を
促すことができる。
【0151】上記の構成において、定着ローラ22を停
止させた状態(定着ベルト20が停止した状態)で、励
磁コイル23によって発熱部材21aを加熱した場合、
発熱部材21aが数秒で300℃に達してしまい、ポリ
イミド樹脂からなる定着ベルト20の基材が変形してし
まった。
【0152】本実施例において、温度センサ45は発熱
部材21aが励磁手段24と対向する面には設けられて
いない。温度センサ45を、この対向面に設けると、発
熱部材21aと励磁手段24との間隔が広くなり、発熱
部材21aと励磁手段24との電磁誘導的な結合が悪く
なるからである。また、励磁手段24を温度センサ45
を避けた形状にした場合には、温度センサ45部分のみ
発熱量が低下して、温度分布が不均一となるからであ
る。尚、この温度センサ45は、図2に示す45aや4
5bの位置、あるいは図7に示す45bの位置に設ける
こともできる。
【0153】電磁誘導加熱においては、発熱部材21a
が励磁手段24と対向する面、特にその表面の発熱が最
も大きい。従って、上記の温度センサ45の位置では、
定着器14が停止している場合、発熱部の最高温度を測
定することはできない。このため、加熱動作時及び温度
制御時に、定着器14の構成部材の回転を検知すること
が特に重要となる。
【0154】本実施例においては、ウォームアップ時間
を短縮するという目的を達成するために、定着ベルト2
0の熱容量を極力小さく設定すると共に、発熱部材21
aの厚さと外径を小さくして熱容量を小さく設定してい
る。このため、800Wの投入電力で、定着のための昇
温の開始から約15秒で所定の温度にすることができ
た。
【0155】尚、図10においては、回転検知板41の
切り欠き42を1個にしているが、回転検知板41に複
数個の切り欠きを設けることにより、定着ローラ22の
回転開始から回転検知までの所定時間を短くすることが
でき、その結果、制御部がCPUからのプリント開始信
号を受けてから加熱開始までの時間を短くすることがで
きる。また同時に、プリント動作中の回転停止を検知す
る時間を短くすることができるので、定着器14の回転
停止時に早急に加熱を停止することができ、その結果、
定着器14の構成部材の異常昇温をより確実に防止する
ことができる。
【0156】また、定着ベルト20に回転を検知するマ
ーカーや切り欠き部を設けることも考えられるが、定着
ベルト20にマーカーや切り欠き部を設けると、以下の
ような問題が生じる。すなわち、定着ベルト20の外周
面にマーカーを設けると、加圧ローラ23との摩擦によ
ってマーカーが摩耗してしまう。また、定着ベルト20
の内周面にマーカーを設けると、発熱部材21aや定着
ローラ22との摩擦によってマーカーが摩耗してしま
う。定着ベルト20に切り欠き部を設けると、切り欠き
部から亀裂が生じ、定着ベルト20の耐久性が低下して
しまう。
【0157】また、回転検知手段は、図14に示す構成
とすることもできる。図14において、40は装置本体
に設けられた本体ギア、27は定着ローラ22に固定さ
れ、本体ギア40と噛み合ったギア、46は定着器14
に設けられ、ギア27と噛み合ったアイドラギア、41
はアイドラギアと一体で回転する回転検知板、43はフ
ォトセンサである。本体ギア40が回転すると、ギア2
7、アイドラギア46が回転して、フォトセンサ43が
回転検知板41の回転を検知する。
【0158】この構成により、定着器14のギア27ま
での駆動力の伝達を確認することができると共に、回転
検知手段を装置本体内に配置する自由度が増える。
【0159】また、定着ローラ22のギア27とは反対
側の端部に他のギアを設け、このギアに回転検知板と共
に回転するアイドラギアを噛み合わせることにより、定
着ローラ22の回転を確実に検知することができる。
【0160】また、本実施例においては、定着ローラ2
2にギア27を固定して定着ローラ22を回転駆動する
構成としているが、図7に示すように、加圧ローラ23
にギア27を固定し、このギア27を装置本体側のステ
ッピングモータ77によって回転駆動される本体ギア4
0と噛み合わせることにより、加圧ローラ23を回転駆
動する構成としてもよい。また、定着ローラ22、加圧
ローラ23の複数のローラにそれぞれギアを設けて駆動
するようにしてもよい。
【0161】(実施例5)図15は本発明の実施例5に
おける像加熱装置としての定着装置を示す側面図、図1
6は図15の中心線における断面図である。
【0162】本実施例において上記実施例4の定着装置
と同様の構成で同じ役割を果たす部分については、その
詳細な説明は省略する。
【0163】本実施例においては、上記実施例4と異な
り、表面に定着ベルト20と同様の離型層を形成した発
熱定着ローラ61が用いられている。そして、発熱定着
ローラ61は加圧ローラ23に直接圧接されており、こ
れによりニップ部が形成されている。
【0164】図18に示すように、発熱定着ローラ61
は、その端部に固定されたギア27が装置本体側のステ
ッピングモータによって回転駆動される本体ギア40と
噛み合うことにより、回転駆動される。また、加圧ロー
ラ23は、発熱定着ローラ61の回転に伴って回転す
る。
【0165】加圧ローラ23は、軸受62が定着側板3
3の長孔によって移動可能に支持され、押圧バネ63に
よって発熱定着ローラ61の方向へ付勢されている。発
熱定着ローラ61は加圧ローラ23よりも長く、発熱定
着ローラ61の加圧ローラ23と当接しない周面の円周
方向の一部には、発熱定着ローラ61の表面と反射率の
異なる回転検知マーカ50が設けられている。温度セン
サ45は、発熱定着ローラ61と加圧ローラ23とによ
って形成されるニップ部の入口近傍に設けられている。
そして、この温度センサ45の検知出力により、制御手
段79を通して励磁回路75の出力が制御される。励磁
コイル25には、励磁回路75から高周波電流が印加さ
れる。
【0166】両端の定着側板33は定着底板64に固定
され、定着底板64と、定着側板33と、加圧ローラ2
3と、発熱定着ローラ61とが一体となって定着器14
が構成されている。本体底板65には、定着底板64を
発熱定着ローラ61の軸方向に案内する定着ガイド66
が設けられている。励磁手段24は、装置本体に固定さ
れている。
【0167】回転検知マーカ50は、定着器14を装置
本体に装着したときに、反射型のフォトセンサ51と対
向する。そして、図17に示すように、発熱定着ローラ
61が回転すると、回転検知マーカ50がフォトセンサ
51からの信号光42を反射して、フォトセンサ51が
発熱定着ローラ61の回転を検知する。
【0168】以上のように、回転検知センサとして反射
型のフォトセンサ51を用い、回転検知マーカ50を発
熱定着ローラ61の周面に設けるようにしたので、定着
器14を発熱定着ローラ61の軸方向に着脱しても、定
着器14の構成部材がフォトセンサ51に干渉すること
はない。このため、定着器14の着脱を容易に行うこと
ができる。そして、この構成によれば、定着器14を軸
方向に移動させることにより、励磁手段24を装置本体
に固定したまま、定着器14を交換することができる。
【0169】尚、本実施例においては、回転検知マーカ
50が発熱定着ローラ61の周面に設けられているが、
加圧ローラ23の周面や加圧ローラ23の芯金の端部の
軸受け部等の発熱定着ローラ61と共に回転する部材に
設けてもよい。この場合、装置本体から駆動力を受ける
発熱定着ローラ61だけではなく、発熱定着ローラ61
から回転駆動力を受ける部材の回転をも検知することが
できる。
【0170】また、本実施例においては、発熱定着ロー
ラ61にギア27を固定して発熱定着ローラ61を回転
駆動する構成としているが、図19に示すように、加圧
ローラ23にギア27を固定し、このギア27を装置本
体側のステッピングモータによって回転駆動される本体
ギア40と噛み合わせることにより、加圧ローラ23を
回転駆動する構成としてもよい。また、発熱定着ローラ
61、加圧ローラ23の複数のローラにそれぞれギアを
設けて駆動するようにしてもよい。
【0171】以上の各実施例で説明した像加熱装置とし
ての定着装置は、モノクロ画像の定着用として用いるこ
ともカラー画像の定着用として用いることも可能であ
る。
【0172】[第2の実施の形態]図20は本発明の第
2の実施の形態におけるカラー画像形成装置を示す断面
図である。
【0173】図20において、右側端部がこのカラー画
像形成装置の前面であり、前面には前扉67が設けられ
ている。68は転写ベルトユニットであり、中間転写ベ
ルト69と、中間転写ベルト69を懸架する3本の支持
軸70と、クリーナ71とにより構成されており、これ
らは一体化されてカラー画像形成装置に着脱自在に装着
されている。この場合、図20に示すように、カラー画
像形成装置の前扉67を開けて、転写ベルトユニット6
8を着脱することができる。
【0174】カラー画像形成装置の内部の左側には、転
写ベルトユニット68に隣接してキャリッジ73が設け
られており、キャリッジ73内には、ブラック(B
K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)
用の4個の断面略扇型の像形成ユニット72BK、72
C、72M、72Yが円環状に収容されている。ここ
で、キャリッジ73は矢印の方向に回転可能となってい
る。
【0175】像形成ユニット72は、感光ドラム1の周
りにプロセス要素を配置して一体化されており、以下の
部品によって構成されている。
【0176】2は感光ドラム1をマイナスに一様に帯電
するコロナ帯電器、97はそれぞれブラック、シアン、
マゼンタ、イエローのトナーを内蔵し、現像ローラ6か
ら対向する感光ドラム1上の静電潜像にマイナス帯電性
のトナーを付着させて各色ごとのトナー像を形成する現
像器である。尚、図20中、3は転写ベルトユニット6
8の下方に設けられたレーザビームスキャナである。
【0177】像形成ユニット72BK〜72Yは、カラ
ー画像形成装置の上面の上面扉74を開くことにより、
カラー画像形成装置の内部への着脱が可能となってい
る。キャリッジ73が回転すると、像形成ユニット72
BK、72C、72M、72Yは回転しないミラー76
の周りを回転する。像形成時において、各像形成ユニッ
ト72BK、72C、72M、72Yは、順次中間転写
ベルト69に対向する像形成位置Pに位置する。
【0178】次に、上記のように構成されたカラー画像
形成装置の動作について説明する。
【0179】まず、キャリッジ73を回転させて、1色
目のイエロー用の像形成ユニット72Yを像形成位置P
に移動させる(図20の状態)。この状態で、レーザビ
ームスキャナ3からのレーザ光4が像形成ユニット72
Yとマゼンタ用の像形成ユニット72Mとの間を通過
し、ミラー76で反射されて像形成位置Pの感光ドラム
1に入射し、感光ドラム1上に静電潜像が形成される。
この静電潜像は対向する現像器97の現像ローラ6に搬
送されるイエロートナーによって現像され、感光ドラム
1上にトナー像が形成される。次いで、感光ドラム1上
に形成されたイエローのトナー像は、中間転写ベルト6
9に1次転写される。
【0180】イエローのトナー像の形成が完成したら、
キャリッジ73を矢印方向に90゜回転移動させて、マ
ゼンタ用の像形成ユニット72Mを像形成位置Pへ移動
させる。そして、先のイエローの場合と同じ動作を行
い、中間転写ベルト69上のイエローのトナー像の上に
マゼンタのトナー像を重ね合わせる。同様の動作をさら
にシアン、ブラックの順に行い、中間転写ベルト69上
に4色のトナー像を重ね合わせたトナー像を形成する。
【0181】中間転写ベルト69上の4色目のブラック
のトナー像の先端位置にタイミングを合わせて、転写ロ
ーラ10を中間転写ベルト69に接触させる。そして、
記録紙8を転写ローラ10と中間転写ベルト69との間
のニップ部に搬送し、4色のトナー像を記録紙8に転写
(2次転写)する。トナー像が転写された記録紙8は定
着器14を通過して定着された後、装置外に排出され
る。2次転写残りのトナーは、タイミングを合わせて中
間転写ベルト69へ離接するクリーナ71によって除去
される。
【0182】1枚の画像形成が終了したら、像形成位置
Pへイエロー用の像形成ユニット72Yを移動させ、次
の画像形成に備える。
【0183】本実施の形態においては、定着ベルト20
は、厚み90μmのポリイミド樹脂からなる基材に厚み
150μmのシリコーンゴムを積層して構成されてい
る。そして、定着ベルト20の張設方向は、定着器14
の着脱方向に一致している。
【0184】図20に示すように、定着器14は、励磁
手段24を装置本体に残して、発熱ローラ21と定着ロ
ーラ22と加圧ローラ23が一体のユニットとして、装
置本体に着脱可能である。ここで、定着ベルト20の張
設方向と断面略半円形の励磁手段24の開口方向とは、
定着器14の着脱方向と一致している。その結果、励磁
手段24と発熱ローラ21とが干渉しないので、定着器
14を容易に着脱することができる。尚、定着器14の
着脱は、定着扉18を開閉することによって行われる。
【0185】本実施の形態においては、定着ローラ22
が装置本体から回転駆動され、この定着ローラ22の回
転に伴い、定着ベルト20を介して回転する発熱ローラ
21の回転を検知している。この構成により、定着ベル
ト20の破断や、定着ローラ22と定着ベルト20の滑
りによる発熱ローラ21の回転停止といった事態も検知
することができる。従って、より完全に異常事態を検知
して、『エラー』を表示することができる。
【0186】図21に示すように、回転検知センサとし
て反射型のフォトセンサ51が用いられ、回転検知マー
カ(図示せず)が発熱ローラ21の周面に設けられてい
る。この構成によれば、定着器14を発熱ローラ21の
回転軸と垂直な方向に着脱しても、定着器14の構成部
材がフォトセンサ51に干渉することはないので、定着
器14の着脱を容易に行うことができる。
【0187】また、励磁手段24は装置本体内に残るの
で、定着器14を簡素で安価な構成とすることができ
る。また、装置全体として、紙ジャムの処理、及び給紙
部7、転写ベルトユニット68、像形成ユニット72の
交換に加え、定着器14の交換も、装置の前方から容易
に行うことができる。
【0188】また、発熱ローラ21の回転は、図21、
図22に示すように、発熱ローラ21の端部の切り欠き
80を透過型のフォトセンサ43によって検知すること
もできる。この場合には、定着器14を発熱ローラ21
の回転軸と垂直な方向に着脱するために、フォトセンサ
43も定着器14の構成部材とし、定着器14と一体に
着脱することが望ましい。フォトセンサ43を装置本体
に設けた場合には、定着器14の着脱動作が不完全で正
確な回転検知を行うことができない場合があるが、フォ
トセンサ43を定着器14と一体に着脱する構成とする
ことにより、常に正確な回転検知を行うことができる。
【0189】尚、本実施の形態においては、定着ローラ
22が装置本体から回転駆動される構成としているが、
加圧ローラ23にギアを固定し、このギアを装置本体側
のステッピングモータによって回転駆動される本体ギア
と噛み合わせることにより、加圧ローラ23を回転駆動
する構成としてもよい。また、発熱ローラ21にギアを
固定し、このギアを装置本体側のステッピングモータに
よって回転駆動される本体ギアと噛み合わせることによ
り、発熱ローラ21を回転駆動する構成としてもよい。
さらに、発熱ローラ21、定着ローラ22、加圧ローラ
23の複数のローラにそれぞれギアを設けて駆動するよ
うにしてもよい。
【0190】また、本実施例の定着ベルト20として
は、厚さ30μm、直径60mmのニッケル電鋳ベルト
基材の表面に、カラー画像を定着するために150μm
のシリコーンゴムを被覆したものを用いてもよい。
【0191】また、上記実施の形態においては、励磁手
段を発熱ローラ(発熱部材)の外周面に対向させて配置
しているが、励磁手段を発熱ローラ(発熱部材)の内部
に配置した構成であっても、温度センサを励磁手段と発
熱ローラ(発熱部材)とが対向する最大発熱部以外に設
けた場合には、同様の効果が得られる。
【0192】また、上記実施の形態においては、励磁手
段として励磁コイルを用いた場合を例に挙げて説明した
が、必ずしも励磁コイルに限定されるものではなく、他
の励磁部材を用いることもできる。
【0193】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ベルトが部分的に高温になり変形することを防止するこ
とができる。また、停止時に加熱を開始することによる
温度ムラの発生を防止することができる。また、像加熱
装置の待機時において、発熱部材を通常の速度以下で回
転させ、通常の出力以下で断続的に動作させて余熱させ
ることにより、ウォームアップ時間のさらなる短縮を図
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における像加熱装置
を定着装置として用いた画像形成装置を示す断面図
【図2】本発明の実施例1における像加熱装置としての
定着装置を示す断面図
【図3】本発明の実施例1における芯材と励磁コイルの
構成を発熱ローラ側から見た裏面図
【図4】本発明の実施例1における励磁コイルが電磁誘
導によって発熱ローラを発熱させる機構を説明するため
の模式図
【図5】本発明の実施例2における像加熱装置としての
定着装置を示す断面図
【図6】本発明の実施例3における像加熱装置としての
定着装置を示す断面図
【図7】本発明の実施例4における像加熱装置としての
定着装置を示す断面図
【図8】図7の矢印Aの方向から見た定着装置の平面図
【図9】図7の中心線における定着装置の断面図
【図10】本発明の実施例4における回転検知板を示す
側面図
【図11】本発明の実施例4におけるインバータ回路の
制御ブロック図
【図12】本発明の実施例4の定着装置の起動時におけ
る加熱動作の制御方法を示すフローチャート
【図13】本発明の実施例4のプリント動作時における
加熱動作の制御方法を示すフローチャート
【図14】本発明の実施例4における回転検知手段を示
す側面図
【図15】本発明の実施例5における像加熱装置として
の定着装置を示す側面図
【図16】図15の中心線における定着装置の断面図
【図17】本発明の実施例5における回転検知手段を示
す側面図
【図18】本発明の実施例5における回転駆動機構を示
す断面図
【図19】本発明の実施例5における回転駆動機構の他
の態様を示す断面図
【図20】本発明の第2の実施の形態におけるカラー画
像形成装置を示す断面図
【図21】本発明の第2の実施の形態における回転検知
手段を示す断面図
【図22】本発明の第2の実施の形態における回転検知
手段の他の態様を示す断面図
【図23】従来技術における電磁誘導加熱方式の像加熱
装置を示す断面図
【図24】従来技術における電磁誘導加熱方式の像加熱
装置の他の態様を示す断面図
【符号の説明】
14 定着器 20、50、90 定着ベルト 21、54 発熱ローラ 21a 発熱部材 22、53 定着ローラ 23、57 加圧ローラ 24 励磁手段 25、71 励磁コイル 26、72 芯材 27 ギア 41 回転検知板 42 切り欠き 43、51 フォトセンサ 45、58 温度センサ 50 回転検知マーカ 61 発熱定着
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今井 勝 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2H033 AA03 AA23 AA30 BA11 BA12 BA25 BA26 BA27 BA32 BB01 BB28 BE06 CA04 CA05 CA20 CA21 CA22 CA36 CA44 CA45 CA48 3K059 AA02 AA08 AB00 AB19 AB20 AB23 AB28 AC10 AC33 AC44 AC47 AC54 AC73 AD03 AD05 AD07 AD26 AD34 BD02 BD10 CD09 CD10 CD44 CD52 CD75 CD77

Claims (50)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐熱性を有するベルトと、前記ベルトに
    内接し、少なくとも一部が導電性を有する回転可能な発
    熱部材と、前記発熱部材との間で前記ベルトを移動可能
    に懸架する定着ローラと、前記発熱部材の外側に配置さ
    れ、前記発熱部材を励磁して加熱する励磁手段とを備え
    た像加熱装置であって、前記発熱部材が回転動作を始め
    た後に前記励磁手段が前記発熱部材を励磁して加熱する
    ことを特徴とする像加熱装置。
  2. 【請求項2】 耐熱性を有する回転可能なベルトと、前
    記ベルトに内接し、少なくとも一部が導電性を有する発
    熱部材と、前記発熱部材との間で前記ベルトを移動可能
    に懸架する定着ローラと、前記発熱部材の外側に配置さ
    れ、前記発熱部材を励磁して加熱する励磁手段とを備え
    た像加熱装置であって、前記ベルトが回転動作を行って
    いる間のみ前記励磁手段が前記発熱部材を励磁して加熱
    することを特徴とする像加熱装置。
  3. 【請求項3】 前記発熱部材の前記励磁手段によって加
    熱される部位が一定の曲率を有し、前記ベルトは前記曲
    率部位からの熱によって加熱される請求項1又は2に記
    載の像加熱装置。
  4. 【請求項4】 前記ベルトのガラス転移点が200℃〜
    500℃である請求項1又は2に記載の像加熱装置。
  5. 【請求項5】 前記励磁手段によって加熱される前記発
    熱部材の外側の面積が前記発熱部材の外側の全面積の2
    /3以下である請求項1又は2に記載の像加熱装置。
  6. 【請求項6】 前記発熱部材の熱容量が60J/K以下
    である請求項1又は2に記載の像加熱装置。
  7. 【請求項7】 前記励磁手段が励磁コイルである請求項
    1又は2に記載の像加熱装置。
  8. 【請求項8】 前記励磁手段が前記発熱部材の励磁を終
    了した後に前記発熱部材が回転動作を終了する請求項1
    に記載の像加熱装置。
  9. 【請求項9】 停止状態において前記ベルトと前記発熱
    部材とが一定の曲率をもって接触している部分の、回転
    方向の最上流点が少なくとも前記発熱部材から離れるま
    で前記ベルトを回転させてから加熱を開始する請求項1
    又は2に記載の像加熱装置。
  10. 【請求項10】 耐熱性を有するベルトと、前記ベルト
    に内接する第1の支持ローラと、前記第1の支持ローラ
    との間で前記ベルトを移動可能に懸架する第2の支持ロ
    ーラと、前記第1の支持ローラに巻き付いた前記ベルト
    の外側に配置され、前記第1の支持ローラと前記ベルト
    の少なくとも一方を励磁して加熱する励磁手段とを備え
    た像加熱装置であって、停止状態において前記ベルトと
    前記第1の支持ローラとが一定の曲率をもって接触して
    いる部分の、回転方向の最上流点が少なくとも前記第1
    の支持ローラから離れるまで前記ベルトを回転させてか
    ら加熱を開始することを特徴とする像加熱装置。
  11. 【請求項11】 耐熱性を有するベルトと、前記ベルト
    に内接し、少なくとも一部が導電性を有する回転可能な
    発熱部材と、前記発熱部材との間で前記ベルトを移動可
    能に懸架する定着ローラと、前記定着ローラと対向して
    配置され、前記ベルトとの間にニップ部を形成する加圧
    ローラと、前記発熱部材の外側に配置され、前記発熱部
    材を励磁して加熱する励磁手段とを備えた像加熱装置で
    あって、被記録材が前記ニップ部を通過中に前記励磁手
    段による前記発熱部材の加熱を終了することを特徴とす
    る像加熱装置。
  12. 【請求項12】 前記発熱部材から前記ベルトが離れる
    点から前記ニップ部までの距離よりも、前記ニップ部か
    ら前記被記録材の終端までの距離が短くなった時点で前
    記励磁手段による前記発熱部材の加熱を終了する請求項
    11に記載の像加熱装置。
  13. 【請求項13】 励磁手段と、前記励磁手段によって発
    熱する回転可能な導電性発熱体とを備え、前記導電性発
    熱体が回転動作を始めた後に前記励磁手段が前記導電性
    発熱体を励磁して加熱する像加熱装置であって、所定の
    設定温度未満では前記導電性発熱体が第1の速度で回転
    し、それ以上の温度になると前記導電性発熱体が第2の
    速度で回転することを特徴とする像加熱装置。
  14. 【請求項14】 前記励磁手段が、前記導電性発熱体の
    外側に配置され、前記発熱部材を励磁して加熱する励磁
    コイルである請求項13に記載の像加熱装置。
  15. 【請求項15】 前記導電性発熱体が内接し、耐熱性樹
    脂からなるベルトと、前記導電性発熱体との間で前記ベ
    ルトを移動可能に懸架する定着ローラとをさらに備えた
    請求項13に記載の像加熱装置。
  16. 【請求項16】 前記第1の速度が前記第2の速度の2
    /3以下である請求項13に記載の像加熱装置。
  17. 【請求項17】 励磁手段と、前記励磁手段によって発
    熱する回転可能な導電性発熱体とを備え、前記導電性発
    熱体が回転動作を始めた後に前記励磁手段が前記導電性
    発熱体を励磁して加熱し、前記励磁手段が前記導電性発
    熱体を加熱するのを終了してから前記導電性発熱体の回
    転動作を終了する像加熱装置であって、待機時におい
    て、前記導電性発熱体が通常の速度未満で回転すること
    を特徴とする像加熱装置。
  18. 【請求項18】 前記励磁手段が、前記導電性発熱体の
    外側に配置され、前記発熱部材を励磁して加熱する励磁
    コイルである請求項17に記載の像加熱装置。
  19. 【請求項19】 前記導電性発熱体が内接し、耐熱性樹
    脂からなるベルトと、前記導電性発熱体との間で前記ベ
    ルトを移動可能に懸架する定着ローラとをさらに備えた
    請求項17に記載の像加熱装置。
  20. 【請求項20】 待機時における前記導電性発熱体の回
    転速度が通常動作時の1/2以下である請求項17に記
    載の像加熱装置。
  21. 【請求項21】 待機時において、前記導電性発熱体が
    断続的に回転する請求項17に記載の像加熱装置。
  22. 【請求項22】 待機時において、第1の設定温度未満
    になると前記導電性発熱体が回転を開始し、第2の設定
    温度以上になると瞬時又は一定時間経過後に停止する請
    求項17に記載の像加熱装置。
  23. 【請求項23】 待機時において装置のウォームアップ
    時よりも低い出力が前記励磁手段に投入される請求項1
    7に記載の像加熱装置。
  24. 【請求項24】 耐熱性を有するベルトと、前記ベルト
    に内接して回転可能な発熱部材と、前記発熱部材との間
    で前記ベルトを移動可能に懸架する定着ローラと、前記
    ベルトの外周面に接する押圧部材とを備えた像加熱装置
    であって、前記発熱部材と前記定着ローラとの間の前記
    押圧部材に対向する位置に、前記ベルトに内接して温度
    センサが設けられたことを特徴とする像加熱装置。
  25. 【請求項25】 前記発熱部材は少なくとも一部が導電
    性を有すると共に、前記発熱部材の外側に配置された励
    磁手段をさらに備え、前記発熱部材は前記励磁手段によ
    って電磁誘導加熱される請求項24に記載の像加熱装
    置。
  26. 【請求項26】 前記押圧部材がオイル塗布部材である
    請求項24に記載の像加熱装置。
  27. 【請求項27】 前記押圧部材がクリーニング部材であ
    る請求項24に記載の像加熱装置。
  28. 【請求項28】 被記録材に未定着画像を形成担持させ
    る画像形成手段と、前記未定着画像を前記被記録材に定
    着させる定着装置とを備えた画像形成装置であって、前
    記定着装置が請求項1〜27のいずれか1つに記載の像
    加熱装置であることを特徴とする画像形成装置。
  29. 【請求項29】 発熱部材と、前記発熱部材に対向して
    配置され、前記発熱部材を電磁誘導加熱する励磁コイル
    と、前記励磁コイルに高周波電流を供給するインバータ
    回路部と、前記インバータ回路部の動作を制御する制御
    部と、前記励磁コイルによる前記発熱部材の最大発熱部
    以外の箇所に配置され、前記制御部へ温度制御のための
    信号を送る温度センサとを備えた画像形成装置。
  30. 【請求項30】 前記発熱部材が回転する部材であると
    共に、前記励磁コイルが前記発熱部材の周面に対向して
    配置され、かつ、前記発熱部材を回転駆動する駆動源
    と、前記発熱部材の回転を検知する回転検知手段とをさ
    らに備えた請求項29に記載の画像形成装置。
  31. 【請求項31】 前記発熱部材の少なくとも一部が導電
    性材料からなり、かつ、前記発熱部材に接触して回転す
    る回転部材と、前記回転部材を回転駆動する駆動源と、
    前記回転部材の回転を検知する回転検知手段とをさらに
    備えた請求項29に記載の画像形成装置。
  32. 【請求項32】 前記発熱部材が回転する部材であると
    共に、前記励磁コイルが前記発熱部材の周面に対向して
    配置され、かつ、前記発熱部材に接触して回転する回転
    部材と、前記発熱部材と前記回転部材の一方を、他方を
    介さずに回転駆動する駆動源と、前記発熱部材又は前記
    回転部材の回転を検知する回転検知手段とをさらに備え
    た請求項29に記載の画像形成装置。
  33. 【請求項33】 前記発熱部材が回転する部材であると
    共に、前記励磁コイルが前記発熱部材の周面に対向して
    配置され、かつ、前記発熱部材に接触して回転する回転
    部材と、前記発熱部材と前記回転部材の一方を、他方を
    介さずに回転駆動する駆動源と、前記発熱部材又は前記
    回転部材を介して駆動される従動部材と、前記従動部材
    の回転を検知する回転検知手段とをさらに備えた請求項
    29に記載の画像形成装置。
  34. 【請求項34】 前記回転検知手段からの検知信号発生
    後に前記制御部が前記インバータ回路部の動作を開始す
    る請求項30〜33のいずれかに記載の画像形成装置。
  35. 【請求項35】 前記回転検知手段からの信号が所定時
    間得られない場合に、前記制御部が前記インバータ回路
    部の動作を停止させる請求項30〜33のいずれかに記
    載の画像形成装置。
  36. 【請求項36】 前記発熱部材及び前記回転部材の回転
    と前記インバータ回路部の動作とを同時に行う請求項3
    1〜33に記載の画像形成装置。
  37. 【請求項37】 発熱部材を備えた定着ユニットが装置
    本体に対して着脱自在である請求項29に記載の画像形
    成装置。
  38. 【請求項38】 定着ベルトと、前記定着ベルトを回転
    可能に支持する第1及び第2の支持ローラと、前記第1
    の支持ローラに巻き付いた前記定着ベルトに対向して配
    置され、前記第1の支持ローラと前記定着ベルトの少な
    くとも一方を電磁誘導加熱する励磁コイルと、前記励磁
    コイルに高周波電流を供給するインバータ回路部と、前
    記インバータ回路部の動作を制御する制御部と、前記励
    磁コイルによる前記第1の支持ローラと前記定着ベルト
    の少なくとも一方の最大発熱部以外の箇所に配置され、
    前記制御部へ温度制御のための信号を送る温度センサと
    を備えた画像形成装置。
  39. 【請求項39】 前記定着ベルトを介して前記第2の支
    持ローラに圧接して回転する加圧部材と、前記加圧部材
    を回転駆動する駆動手段と、前記加圧部材の回転を検知
    する回転検知手段とをさらに備えた請求項38に記載の
    画像形成装置。
  40. 【請求項40】 前記第1及び第2の支持ローラの少な
    くとも一方を定着ベルトを介さずに回転駆動する駆動手
    段と、前記駆動手段によって駆動される前記支持ローラ
    の回転を検知する回転検知手段とをさらに備えた請求項
    38に記載の画像形成装置。
  41. 【請求項41】 前記定着ベルトを介して前記第2の支
    持ローラに圧接して回転する加圧部材と、前記第1及び
    第2の支持ローラの一方を定着ベルトを介さずに回転駆
    動する駆動手段と、前記定着ベルトの回転を介して回転
    駆動される前記支持ローラの回転を検知する回転検知手
    段とをさらに備えた請求項38に記載の画像形成装置。
  42. 【請求項42】 前記定着ベルトを介して前記第2の支
    持ローラに圧接して回転する加圧部材と、前記第1及び
    第2の支持ローラの一方を定着ベルトを介さずに回転駆
    動する駆動手段と、前記加圧部材の回転を検知する回転
    検知手段とをさらに備えた請求項38に記載の画像形成
    装置。
  43. 【請求項43】 前記定着ベルトを介さず回転駆動され
    る支持ローラが発熱しない請求項40〜42のいずれか
    1つに記載の画像形成装置。
  44. 【請求項44】 前記定着ベルトを介して前記第2の支
    持ローラに圧接して回転する加圧部材と、前記加圧部材
    を回転駆動する駆動手段と、前記加圧部材の駆動によっ
    て従動する部材の回転を検知する回転検知手段とをさら
    に備えた請求項38に記載の画像形成装置。
  45. 【請求項45】 前記回転検知手段からの検知信号発生
    後に前記制御部が前記インバータ回路部の動作を開始す
    る請求項39〜42のいずれかに記載の画像形成装置。
  46. 【請求項46】 前記回転検知手段からの信号が所定時
    間得られない場合に、前記制御部が前記インバータ回路
    部の動作を停止させる請求項39〜42のいずれかに記
    載の画像形成装置。
  47. 【請求項47】 前記定着ベルトと、前記第1及び第2
    の支持ローラとを備えた定着ユニットが装置本体に対し
    て着脱自在である請求項38に記載の画像形成装置。
  48. 【請求項48】 少なくとも一部が導電性材料からなる
    発熱部材と、回転する被回転検知部材と、前記発熱部材
    の周面に対向して配置され、前記発熱部材を電磁誘導加
    熱する励磁コイルと、前記励磁コイルに高周波電流を供
    給するインバータ回路部と、前記インバータ回路部の動
    作を制御する制御部と、前記励磁コイルによる前記発熱
    部材の最大発熱部以外の箇所に配置され、前記制御部へ
    温度制御のための信号を送る温度センサと、前記被回転
    検知部材を直接的又は間接的に回転させる回転手段と、
    前記被回転検知部材の回転を検知する回転検知手段とを
    備え、少なくとも前記発熱部材と前記被回転検知部材と
    が、一体の定着ユニットとして装置本体に着脱自在であ
    ることを特徴とする画像形成装置。
  49. 【請求項49】 前記回転検知手段が前記定着ユニット
    内に設けられた請求項48に記載の画像形成装置。
  50. 【請求項50】 前記回転検知手段が装置本体内に設け
    られた請求項48に記載の画像形成装置。
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