JPWO2006061968A1 - イソブチレン系ブロック共重合体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
重合反応後の移液処理等に時間を要した場合でも、副反応を抑制でき、安定した機械特性を有するイソブチレン系ブロック共重合体を提供することである。イソブチレンを主成分とする単量体成分及びイソブチレンを主成分としない単量体成分を順次加えてリビングカチオン重合させるイソブチレン系ブロック共重合体の製造方法において、最後に反応系に加えた単量体成分が所望の転化率となった時に電子供与体化合物を反応系に添加することを特徴とするイソブチレン系ブロック共重合体の製造方法。
Description
本発明は、副反応が抑制されたイソブチレン系ブロック共重合体の製造方法に関する。
イソブチレンとイソブチレンを主成分としない単量体の成分、特にイソブチレンとスチレン等の芳香族ビニル系単量体をカチオン重合する等によるイソブチレン系ブロック共重合体の製造法については、塩化メチルとメチルシクロヘキサンを組み合わせた混合溶媒中での製造方法が特許文献1に開示されている。この明細書中には、重合終了後の処理方法として、重合溶液を大量のメタノール中に添加する再沈澱で樹脂を単離する方法が記載されている。また、塩化メチレンとヘキサンからなる混合溶媒を用いたイソブチレン系ブロック共重合体の製造方法が特許文献2に開示されている。この明細書中には、重合溶液を大量の水に投入し、カチオン活性を消失させる方法が記載されている。これらの特許文献には、メタノールや水に投入するために要する時間は記載されていないが、実験室レベルのスケールでは、数分以内に完了すると思われる。しかし、近年、樹脂濃度を高めることによる生産性の向上が求められており、反応溶液は高粘度となることが予想される。このような状況で実際に工業化する場合のことを考えると、重合終了を判断した時点より、反応溶液をメタノールまたは水中に移液するために数十分から数時間を要する場合が想定される。上記時間経過が発生した場合、重合活性が消失するまでに、副反応が起こることが予想される。特にスチレン系単量体の重合が95モル%程度進行した時点以降に数平均分子量の増大、生成した重合体の分子量分布の増大が起こることが特許文献3に記載されている。分子量の増大が起これば、溶液粘度が上昇し、反応溶液の移液時間が更に長くなる。また、反応溶液がメタノールや水に接触するタイミングにより、分子量が違ったポリマーとなり、得られた樹脂の機械特性にばらつきが生じるような不具合がみられていた。
一方、リビングカチオン重合を行う際は、触媒活性を制御し、反応の安定性を保つために電子供与体化合物が添加される。特許文献4には電子供与体化合物の添加量はルイス酸触媒量を基準に決めることができ、触媒量と等モル量用いることで重合反応が著しく遅くなることが記載されている。また、特許文献5には、電子供与体化合物として、アミン類を用いるリビングカチオン重合法が記述されているが、その中でルイス酸より過剰のアミンを添加した場合、事実上重合反応が停止すると記載されている。
また、特許文献6ではリビングカチオン重合を停止させる方法として、有機金属化合物を用いる方法が提案されている。この方法は、反応を停止させるという点では有用な方法ではあるが、有機金属化合物であるn−ブチルリチウム等をカチオン活性のある重合溶液に添加した場合、ルイス酸由来の塩が析出するという現象が発生した。ルイス酸由来の塩の析出は、重合反応機の洗浄の妨げとなる等の問題を有していた。
米国特許第4946899号公報
特公平7−59601号公報
特開平8−301955号公報
特開2003−292504号公報
特公平7−59601号公報
特開平4−311705号公報
本発明は、上記現状を鑑み、重合反応後の移液処理等に時間を要した場合でも安定な特性を有するイソブチレン系ブロック共重合体を与える製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を積み重ねた結果、カチオン重合終了後の重合体溶液に電子供与体化合物を添加することにより前記課題を解決することが可能であることを見出し、本発明に至ったものである。
即ち、本発明は、イソブチレンを主成分とする単量体成分及びイソブチレンを主成分としない単量体成分を順次加えてリビングカチオン重合させるイソブチレン系ブロック共重合体の製造方法において、最後に反応系に加えた単量体成分が所望の転化率となった時に電子供与体化合物を添加することを特徴とするイソブチレン系ブロック共重合体の製造方法に関する。
好ましい実施態様としては、イソブチレン系ブロック共重合体が、イソブチレンを主体として構成される重合体ブロックと芳香族ビニル系単量体を主体として構成される重合体ブロックからなることを特徴とするイソブチレン系ブロック共重合体の製造方法に関する。
好ましい実施形態としては電子供与化合物がアミン類、アミド類、ホスフィン類、ホスファイト類、ホスフェート類、チオエーテル類、エーテル類、ケトン類からなる群より選択される少なくとも1種類であるイソブチレン系ブロック共重合体の製造方法に関する。
好ましい実施形態としては、電子供与体化合物であるアミン類、アミド類、ホスフィン類、ホスフェート類が重合触媒として使用するルイス酸に対し0.5〜1.0モル当量であることを特徴とするイソブチレン系ブロック共重合体の製造方法に関する。
好ましい実施形態としては、電子供与体化合物であるチオエーテル類、エーテル類、ケトン類が重合触媒として使用するルイス酸に対し2〜5モル当量であることを特徴とするイソブチレン系ブロック共重合体の製造方法に関する。
好ましい実施形態としては、電子供与体化合物であるチオエーテル類、エーテル類、ケトン類が重合触媒として使用するルイス酸に対し2〜5モル当量であることを特徴とするイソブチレン系ブロック共重合体の製造方法に関する。
本発明によれば、重合反応を停止させたい時に速やかに停止させることが可能であって、重合反応後の移液処理等に時間を要した場合でも、副反応が抑制でき、安定した機械特性を有するイソブチレン系ブロック共重合体を提供することができる。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明でいうイソブチレン系ブロック共重合体とは、イソブチレンを主成分とする単量体成分及びイソブチレンを主成分としない単量体成分を順次反応系に加えてリビングカチオン重合させて得られるものである。両成分の添加順序は、目的とするブロック共重合体の構造により適宜決定する。例えば、ジブロック体の場合は、イソブチレンを主成分とする単量体成分を重合した後に、イソブチレンを主成分としない単量体成分を添加しても良いし、その逆の添加順序でも良い。
本発明におけるイソブチレンを主成分としない単量体成分はリビングカチオン重合可能な単量体成分であれば特に限定されないが、例えば芳香族ビニル系単量体、脂肪族オレフィン類、ジエン類、ビニルエーテル類、シラン類、ビニルカルバゾール、β−ピネン、アセナフチレン等の単量体が挙げられる。
上記芳香族ビニル系単量体としては、スチレン、o−、m−又はp−メチルスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、2,6−ジメチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、α−メチル−o−メチルスチレン、α−メチル−m−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン、β−メチル−o−メチルスチレン、β−メチル−m−メチルスチレン、β−メチル−p−メチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、α−メチル−2,6−ジメチルスチレン、α−メチル−2,4−ジメチルスチレン、β−メチル−2,6−ジメチルスチレン、β−メチル−2,4−ジメチルスチレン、o−、m−又はp−クロロスチレン、2,6−ジクロロスチレン、2,4−ジクロロスチレン、α−クロロ−o−クロロスチレン、α−クロロ−m−クロロスチレン、α−クロロ−p−クロロスチレン、β−クロロ−o−クロロスチレン、β−クロロ−m−クロロスチレン、β−クロロ−p−クロロスチレン、2,4,6−トリクロロスチレン、α−クロロ−2,6−ジクロロスチレン、α−クロロ−2,4−ジクロロスチレン、β−クロロ−2,6−ジクロロスチレン、β−クロロ−2,4−ジクロロスチレン、o−、m−又はp−t−ブチルスチレン、o−、m−又はp−メトキシスチレン、o−、m−又はp−クロロメチルスチレン、o−、m−又はp−ブロモメチルスチレン、シリル基で置換されたスチレン誘導体、インデン、ビニルナフタレン等が挙げられる。更に好ましい芳香族ビニル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、インデンからなる群から選ばれた1種以上の単量体を使用することが好ましく、コストの面からスチレン、α−メチルスチレン、あるいはこれらの混合物を用いることが特に好ましい。
上記脂肪族オレフィン系単量体としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、ペンテン、ヘキセン、シクロヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、ビニルシクロヘキセン、オクテン、ノルボルネン等が挙げられる。
上記ジエン系単量体としては、ブタジエン、イソプレン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、ジビニルベンゼン、エチリデンノルボルネン等が挙げられる。
上記ビニルエーテル系単量体としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、(n−、イソ)プロピルビニルエーテル、(n−、sec−、tert−、イソ)ブチルビニルエーテル、メチルプロペニルエーテル、エチルプロペニルエーテル等が挙げられる。
上記シラン化合物としては、ビニルトリクロロシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルジメチルクロロシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルトリメチルシラン、ジビニルジクロロシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジメチルシラン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、トリビニルメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
これらのうち、重合性の観点から、芳香族ビニル系単量体、ビニルエーテル系単量体が好ましく、ゴム弾性を有する熱可塑性樹脂としての特性の点で芳香族ビニル系単量体がより好ましい。
本発明の好ましい態様は、(A)イソブチレンを主体として構成される重合体ブロックと(B)芳香族ビニル系単量体を主体として構成される重合体ブロックからなる上記イソブチレン系ブロック共重合体の製造方法である。この態様において、上記イソブチレン系ブロック共重合体はイソブチレンと芳香族ビニル系単量体、及び、それ以外の単量体を開始剤存在下でルイス酸触媒を用いリビングカチオン重合させることにより得られる。
本発明の(B)芳香族ビニル系単量体を主体として構成される重合体ブロックは、芳香族ビニル系単量体以外の単量体を含んでいても含んでいなくても良いが、物性及び重合特性等のバランスから、芳香族ビニル系単量体の含有量が60重量%以上であることが好ましく、80重量%以上であることがより好ましい。
本発明における(B)芳香族ビニル系単量体を主体として構成される重合体ブロック中の芳香族ビニル系単量体としては上記において例示した化合物が挙げられる。また芳香族ビニル系単量体以外の単量体は、リビングカチオン重合可能な単量体成分であれば特に限定されないが、脂肪族オレフィン類、ジエン類、ビニルエーテル類、シラン類、ビニルカルバゾール、β−ピネン、アセナフチレン等の単量体が例示できる。これらは1種又は2種以上組み合わせて使用される。具体的には上記に例示したものが挙げられる。
また本発明の(A)イソブチレンを主体として構成される重合体ブロックは、イソブチレン以外の単量体を含んでいても含んでいなくても良く、通常、イソブチレンを60重量%以上含有するものが好ましく、80重量%以上含有するものがより好ましい。イソブチレン以外の単量体としてはリビングカチオン重合可能な単量体であれば特に制限はないが、例えば上記の単量体等が挙げられる。
(A)イソブチレンを主体として構成される重合体ブロックと(B)芳香族ビニル系単量体を主体として構成される重合体ブロックの割合に関しては、特に制限はないが、各種物性の面から、イソブチレンを主体として構成される重合体ブロックが95から40重量%、芳香族ビニル系単量体を主体として構成される重合体ブロックが5から60重量%であることが好ましく、イソブチレンを主体として構成される重合体ブロックが85から50重量%、芳香族ビニル系単量体を主体として構成される重合体ブロックが15から50重量%であることが特に好ましい。
またイソブチレン系ブロック共重合体の分子量にも特に制限はないが、流動性、加工性、物性等の面から、数平均分子量が10000〜500000であることが好ましく、30000〜400000であることが特に好ましい。イソブチレン系ブロック共重合体の数平均分子量が上記範囲より低い場合には機械的な物性が十分に発現されない傾向にあり、一方上記範囲を超える場合には流動性、加工性の面で不利である。なおここでいう数平均分子量はクロロホルムを移動相として、ポリスチレンゲルカラムを使用したGPC測定を行ない、ポリスチレン換算の分子量として求めたものである。このようなGPC測定は例えばWaters社製GPCシステム(カラム:昭和電工(株)製ShodexK−804(ポリスチレンゲル))等を用いて測定することができる。
本発明におけるリビングカチオン重合に用いられる重合溶媒としては、リビングカチオン重合で一般的に使用される溶媒であれば特に限定されず、ハロゲン化炭化水素からなる溶媒、脂肪族炭化水素や芳香族炭化水素等の非ハロゲン系の溶媒又はこれらの混合物を用いることができる。上記ハロゲン化炭化水素としては、特に限定されず、塩化メチル、塩化メチレン、1−クロロプロパン、1−クロロ−2−メチルプロパン、1−クロロブタン、1−クロロ−2−メチルブタン、1−クロロ−3−メチルブタン、1−クロロ−2,2−ジメチルブタン、1−クロロ−3,3−ジメチルブタン、1−クロロ−2,3−ジメチルブタン、1−クロロペンタン、1−クロロ−2−メチルペンタン、1−クロロ−3−メチルペンタン、1−クロロ−4−メチルペンタン、1−クロロヘキサン、1−クロロ−2−メチルヘキサン、1−クロロ−3−メチルヘキサン、1−クロロ−4−メチルヘキサン、1−クロロ−5−メチルヘキサン、1−クロロヘプタン、1−クロロオクタン、2−クロロプロパン、2−クロロブタン、2−クロロペンタン、2−クロロペンタン、2−クロロヘキサン、2−クロロヘプタン、2−クロロオクタン、クロロベンゼン等が使用でき、これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用できる。本発明で使用できる脂肪族及び/又は芳香族系炭化水素としては、ブタン、ペンタン、ネオペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等が挙げられ、これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用可能である。なかでも、炭素数3〜8の1級及び2級のモノハロゲン化炭化水素と脂肪族及び芳香族炭化水素との混合溶媒を用いることが、イソブチレン系ブロック共重合体の溶解度、コストの点から好ましく、1−クロロブタンとヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンの組み合わせが最適である。
なお、リビングカチオン重合の際に用いる開始剤としては、下記式(1)で表わされる化合物を用いるのが好ましい。
[式中、複数のR1は、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜6の1価の炭化水素基を表わす。R2は、1価若しくは多価の芳香族炭化水素基又は1価若しくは多価の脂肪族炭化水素基を表わす。Xは、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシル基又はアシルオキシル基を表わす。nは、R2の価数に等しく、1〜6の整数を表わす。nが2以上の場合、複数のXは、同一であってもよく、異なっていてもよい。]。
上記一般式(1)で表わされる化合物は、ルイス酸等の存在下炭素陽イオンを生成し、リビングカチオン重合の開始点になる。本発明で用いられる一般式(1)の化合物の例としては、次のような化合物等が挙げられる。(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン〔C6H5C(CH3)2Cl〕、1,4−ビス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン〔1,4−Cl(CH3)2CC6H4C(CH3)2Cl〕、1,3−ビス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン〔1,3−Cl(CH3)2CC6H4C(CH3)2Cl〕、1,3,5−トリス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン〔1,3,5−(ClC(CH3)2)3C6H3〕、1,3−ビス(1−クロル−1−メチルエチル)−5−(tert−ブチル)ベンゼン〔1,3−(C(CH3)2Cl)2−5−(C(CH3)3)C6H3〕。
これらの中でも特に好ましいのは(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン〔C6H5C(CH3)2Cl〕、ビス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン[C6H4(C(CH3)2Cl)2]である[なおビス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼンは、ビス(α−クロロイソプロピル)ベンゼン、ビス(2−クロロ−2−プロピル)ベンゼンあるいはジクミルクロライドとも呼ばれる]。
イソブチレン系ブロック共重合体を重合により製造する際に、さらにルイス酸触媒を共存させる。このようなルイス酸としてはリビングカチオン重合に使用できるものであれば良く、TiCl4、TiBr4、BCl3、BF3、BF3・OEt2、SnCl4、SbCl5、SbF5、WCl6、TaCl5、VCl5、FeCl3、ZnBr2、AlCl3、AlBr3等の金属ハロゲン化物;Et2AlCl、EtAlCl2等の有機金属ハロゲン化物を好適に使用することができる。中でも触媒としての能力、工業的な入手の容易さを考えた場合、TiCl4、BCl3、SnCl4が好ましい。ルイス酸の使用量は、特に限定されないが、使用する単量体の重合特性あるいは重合濃度等を鑑みて設定することができる。通常は一般式(1)で表される化合物に対して0.1〜100モル当量使用することができ、好ましくは1〜60モル当量の範囲である。
イソブチレン系ブロック共重合体の重合に際しては、必要に応じて電子供与体成分を共存させることもできる。この電子供与体成分は、リビングカチオン重合に際して、成長炭素カチオンを安定化させる効果があるものと考えられており、電子供与体の添加によって分子量分布の狭い構造が制御された重合体が生成する。使用可能な電子供与体成分としては特に限定されないが、例えば、ピリジン類、アミン類、アミド類、スルホキシド類、エステル類、または金属原子に結合した酸素原子を有する金属化合物等を挙げることができる。
各成分の使用量は目的とする重合体の特性によって適宜設定することが可能である。まずイソブチレン系単量体及びイソブチレンとは別種のリビングカチオン重合性単量体と一般式(1)で表わされる化合物のモル当量関係によって、得られる重合体の分子量が決定できる。通常得られるブロック共重合体の数平均分子量が10,000〜500,000程度になるように設定される。なお数平均分子量の測定方法は上述した通りである。
実際の重合を行うに当たっては、各成分を冷却下例えば−100℃以上0℃未満の温度で混合する。エネルギーコストと重合の安定性を釣り合わせるために、特に好ましい温度範囲は−30℃〜−80℃である。
本発明におけるイソブチレン系ブロック共重合体は、イソブチレンを主成分とする単量体成分及びイソブチレンを主成分としない単量体の成分をリビングカチオン重合させて得られるものであれば特に制限はなく、例えば、直鎖状、分岐状、星状等の構造を有するブロック共重合体、ジブロック共重合体、トリブロック共重合体、マルチブロック共重合体等のいずれも選択可能である。好ましいブロック共重合体としては、例えば、芳香族ビニル系単量体を主体とする重合体ブロック−イソブチレンを主体とする重合体ブロック−芳香族ビニル系単量体を主体とする重合体ブロックからなるトリブロック共重合体、芳香族ビニル系単量体を主体とする重合体ブロック−イソブチレンを主体とする重合体ブロックからなるジブロック共重合体、芳香族ビニル系単量体を主体とする重合体ブロックとイソブチレンを主体とする重合体ブロックからなるアームを3つ以上有する星型ブロック共重合体、又はこれらの2種以上の混合物を挙げることができる。
本発明におけるイソブチレン系ブロック共重合体はリビングカチオン重合終了後にブロック共重合体、溶媒、ルイス酸、電子供与体成分の混合溶液となり、リビングカチオン重合活性が残った状態となる。そのまま、混合溶液を放置すれば、分子量の増大反応が進行する。本発明では、最後に反応系に加えた単量体成分が所望の単量体転化率となった時に電子供与体化合物を添加する。これにより、カチオン重合活性を停止させる、または、著しく低下させることが可能となり、分子量増大等の副反応を抑制できる。
本発明において単量体の「転化率」は、例えばガスクロマトグラフ(GC)法、重量法などにより求めることができる。GC法は、重合系の反応液を反応開始前および反応途中で随時サンプリングしてGC測定し、単量体と重合系内にあらかじめ添加された内部標準物質との存在比から、単量体の消費率を求める方法である。この方法の利点は、複数の単量体が系内に存在している場合でも、それぞれの転化率を独立して求めることができることである。重量法は、重合系の反応液をサンプリングして、その乾燥前の重量と乾燥後の重量から固形分濃度を求め、単量体の全体しての転化率を求める方法である。この方法の利点は、簡単に転化率を求めることができることである。これらの方法のうち、複数の単量体が系内に存在する場合、たとえば、芳香族ビニル系単量体の共重合成分として脂肪族オレフィン類等の他の単量体成分が含まれている場合などには、GC法が好ましい。
上記製造方法の中でも、イソブチレンを主成分とする単量体成分及びイソブチレンを主成分としない単量体成分を順次加えてリビングカチオン重合させるイソブチレン系ブロック共重合体の製造方法において、最後に反応系に加えた単量体成分の転化率が50〜95モル%となった時に電子供与体化合物を添加する製造方法が好ましい。転化率が50モル%未満の段階で電子供与体化合物を添加すると未反応モノマーが得られた樹脂中に多く残留し、機械物性が低下する可能性がある。また仕込みモノマー量を多く設定する必要があることから、経済的な面からも好ましくない。また転化率が95モル%を超えるまで反応が進行した時点以降に数平均分子量の増大、生成した重合体の分子量分布の増大が起こることから、転化率が95モル%を超えるまでに電子供与体化合物を添加するのが好ましい。さらに最後に反応系に加えた単量体成分の転化率が75〜95モル%となった時に電子供与体化合物を添加するのがより好ましく、80〜95モル%となった時に電子供与体化合物を添加するのがさらに好ましい。
電子供与体化合物を添加するタイミング(転化率の値)については、これらのことを勘案し、また、単量体の種類に応じて予め決定しておき、最後に反応系に加えた単量体成分の転化率が所望の転化率になったところで、電子供与体化合物を反応系中に添加して、カチオン重合を速やかに停止させる。
カチオン重合活性停止のために添加される電子供与体化合物としては、特に限定はないが、アミン類、アミド類、ホスフィン類、ホスファイト類、ホスフェート類、チオエーテル類、エーテル類、ケトン類が挙げられる。アミン類の具体例として、脂肪族一級アミンでは、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、シクロヘキシルアミン、ビニルアミン、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどが、脂肪族二級アミン類では、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、メチルエチルアミンなどが、脂肪族三級アミンでは、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ジエチルメチルアミン、ジプロピルエチルアミンなどが挙げられる。その他のアミン類としては、アニリン、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジメチルベンジルアニリン、トルイジン、キシリジン、ベンジルアミン、ジフェニルアミン、トリフェニルアミン、ピペリジン、メチルピペリジン、エチルピペリジン、ピロリジン、インドール、メチルインドール、メチルピペラジン、ピロール、メチルピロール、カルバゾール、メチルカルバゾール、フェニレンジアミン、ビフェニルアミン、ベンジジン、ナフチルアミン、ジナフチルアミン、ナフタレンジアミン、ピリジン、2―メチルピリジン、3―メチルピリジン、4−メチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、3,5−ジメチルピリジン、2−エチルピリジン、3−エチルピリジン、2−t−ブチルピリジン、2,6−ジ−t−ブチルピリジン、キノリン、メチルキノリン、ジメチルキノリン、アクリジン、エチルアクリジン、フェナントリジン、エチルフェナントリジンなどが挙げられる。アミド類としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどが挙げられる。ホスフィン類としては、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリプロピルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィンなどが挙げられる、ホスファイト類としては、トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリフェニルホスファイトなどが、ホスフェート類としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリプロピルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリフェニルホスフェートなどが挙げられる。チオエーテル類としては、ジメチルチオエーテル、ジエチルチオエーテル、ジプロピルチオエーテル、ジブチルチオエーテル、エチルメチルチオエーテル、エチルブチルチオエーテル、メチルフェニルチオエーテル、ジフェニルチオエーテル、ジベンジルチオエーテル、チオフェン、テトラヒドロチオフェンなどが挙げられる。エーテル類としては、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、ジ−iso−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジフェニルエーテル、メチルフェニルエーテルなどが挙げられる。ケトン類としては、アセトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジブチルケトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、エチルプロピルケトン、シクロブタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、アセチルアセトン、アセトフェノン、プロピオフェノン、ブチロフェノン、バレロフェノン、フェニルアセトン、ベンゾフェノン、ベンゾキノン、ナフトキノン、アントラキノンなどが挙げられる。
電子供与体化合物の使用量は、実質リビングカチオン重合反応が著しく遅くなる、または、停止する量であれば特に規定はない。具体的に反応を停止させるために必要な電子供与体量はアミン類、ホスフィン類、ホスファイト類、ホスフェート類では、使用するルイス酸に対し0.2〜2モル当量、好ましくは0.5〜1モル当量、チオエーテル類、エーテル類、ケトン類では、ルイス酸に対し2〜5モル当量、好ましくは2.5〜4.0モル当量である。これらの電子供与体化合物の中でも、少量で効果のあるアミン類、ホスフィン類、ホスファイト類、ホスフェート類を用いることが望ましい。なお、実際に重合中に添加された電子供与体化合物と同一の化合物を用いると重合終了後の重合槽の洗浄を簡略化できる。また、重合終了後に失活時に取り除き易い化合物を選択することも重要となる。即ち、水もしくはメタノールに溶解する化合物が望ましい。
電子供与体化合物の添加方法は特に限定されず、直接重合溶液に添加しても良い。カチオン活性を効率良く停止させるために、重合に使用している溶媒に希釈して添加することも可能である。また、電子供与体化合物を重合反応溶液に均一に拡散させるために、撹拌を継続することが望ましい。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。本実施例に示すブロック共重合体の分子量及び分子量分布は、Waters社製GPCシステム(カラム:昭和電工(株)製ShodexK−804(ポリスチレンゲル)、移動相:クロロホルム)を用い測定し、数平均分子量はポリスチレン換算で表記した。スチレン含量は1H−NMR(GEMINI300:Varian社製、溶媒:CDCl3)の測定を行い、フェニル基部位とアルキル基部位の積分曲線比より算出した。また、転化率はGC法により求めた。
撹拌機付き2Lの反応容器に1−クロロブタン(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)510mL、ヘキサン(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)57mL、p−ジクミルクロライド(1,4−ビス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン)0.35g、ジメチルアセトアミド0.24gを加えた。反応容器を−70℃に冷却した後、イソブチレン165mLを添加した。更に四塩化チタンを2.2mL(19.7mmol)を加えて重合を開始し、−70℃で1.5時間攪拌した。次いで反応溶液にスチレン55mLを添加し、更に1時間反応させスチレン転化率が85モル%の重合体溶液を得た。このブロック共重合体の分子量を測定した結果、数平均分子量が77000、分子量分布が1.48であった。
なお、ブロック共重合体の分子量測定には、得られた重合体溶液から2mLサンプリングし、20mLのメタノールに添加し、メタノール中に析出した樹脂を取り出し、80℃の真空乾燥機で24時間乾燥して得られたブロック共重合体を用いた。
なお、ブロック共重合体の分子量測定には、得られた重合体溶液から2mLサンプリングし、20mLのメタノールに添加し、メタノール中に析出した樹脂を取り出し、80℃の真空乾燥機で24時間乾燥して得られたブロック共重合体を用いた。
この重合体溶液に電子供与体化合物としてジメチルアセトアミドを1.0g(11.5mmol、0.58mol当量対四塩化チタン)添加し、更に1時間撹拌を継続した。得られた反応溶液を窒素加圧下(圧力:0.5MPa)、テフロン(登録商標)チューブ(内径6mm)を用い、純水500gを仕込んだ3Lの反応容器に移液した。移液には15分間を要した。3Lの反応容器は55℃に加熱し、1時間撹拌した。撹拌終了後、30分間静置し、水相を除去した。更に、得られた重合体溶液に純水300gを添加し、30分間攪拌した。撹拌を止め、30分静置後、水相を除去した。上記水による洗浄操作を更に2回繰り返した。得られた重合体溶液から溶媒を留去し、更に、80℃の真空乾燥機で24時間乾燥することにより、イソブチレン系ブロック共重合体固形物を得た。イソブチレン系ブロック共重合体の分子量を測定した結果、数平均分子量が78000、分子量分布が1.48であった。また、スチレン含量は31重量%であった。
電子供与体化合物として、ジメチルアセトアミドの代わりにトリエチルアミン1.2g(11.9mmol、0.60mol当量対四塩化チタン)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。
電子供与体化合物として、ジメチルアセトアミドの代わりにピリジン0.93g(11.8mmol、0.60mol当量対四塩化チタン)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。
電子供与体化合物として、ジメチルアセトアミドの代わりにTHFを3.5g(48.6mmol、2.47mol当量対四塩化チタン)用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。
(比較例1)
実施例1と同様にして、スチレン転化率が85モル%の重合体溶液を得た。その後電子供与体化合物を添加せずに重合体溶液をすぐに3L反応容器に移液した。この場合、移液に35分を要した。
(比較例2)
実施例1のスチレン転化率が85モル%の重合体溶液を更に1時間攪拌した。この間、電子供与体化合物は添加しなかった。この場合、反応溶液の移液は粘度が高く不能であったため、反応容器を分解し、反応溶液を純水を仕込んだ3L反応容器に移液した。
(比較例3)
電子供与体化合物の代わりに有機金属化合物であるn−ブチルリチウム(2Mヘキサン溶液)を20mL添加する以外は実施例1と同様の操作を行った。この場合、n−ブチルリチウムを重合体溶液に投入してすぐに溶液全体に濁りが生じた。3L反応容器への移液は20分間で終了した。重合反応容器を使用した溶媒で洗浄したが、濁りに由来する固形物を除去できなかった。
(重合容器の洗浄性)
実施例又は比較例で得られた反応溶液を3Lの反応容器に移液した後、1−クロロブタン170mL、ヘキサン19mLを、重合反応を行なうために用いた攪拌機付き2Lの反応容器内に投入し、10分間撹拌した。その後、投入した溶液を払出し、反応容器を目視で観察した。
○:重合容器壁面に樹脂、塩の付着がない状態
×:重合容器壁面に樹脂、塩の付着が目視で確認できる状態
表1に実施例、比較例の電子供与体化合物種、添加量による反応溶液の移液時間、分子量変化を示す。
(比較例1)
実施例1と同様にして、スチレン転化率が85モル%の重合体溶液を得た。その後電子供与体化合物を添加せずに重合体溶液をすぐに3L反応容器に移液した。この場合、移液に35分を要した。
(比較例2)
実施例1のスチレン転化率が85モル%の重合体溶液を更に1時間攪拌した。この間、電子供与体化合物は添加しなかった。この場合、反応溶液の移液は粘度が高く不能であったため、反応容器を分解し、反応溶液を純水を仕込んだ3L反応容器に移液した。
(比較例3)
電子供与体化合物の代わりに有機金属化合物であるn−ブチルリチウム(2Mヘキサン溶液)を20mL添加する以外は実施例1と同様の操作を行った。この場合、n−ブチルリチウムを重合体溶液に投入してすぐに溶液全体に濁りが生じた。3L反応容器への移液は20分間で終了した。重合反応容器を使用した溶媒で洗浄したが、濁りに由来する固形物を除去できなかった。
(重合容器の洗浄性)
実施例又は比較例で得られた反応溶液を3Lの反応容器に移液した後、1−クロロブタン170mL、ヘキサン19mLを、重合反応を行なうために用いた攪拌機付き2Lの反応容器内に投入し、10分間撹拌した。その後、投入した溶液を払出し、反応容器を目視で観察した。
○:重合容器壁面に樹脂、塩の付着がない状態
×:重合容器壁面に樹脂、塩の付着が目視で確認できる状態
表1に実施例、比較例の電子供与体化合物種、添加量による反応溶液の移液時間、分子量変化を示す。
実施例1〜4では、重合体溶液に種々の電子供与体化合物を添加することにより、リビングカチオン重合活性がなくなり、電子供与体化合物を添加してから1時間経過後においても反応溶液の移液には15〜20分程度しか要さなかった。また、電子供与体化合物の添加前後で数平均分子量/分子量分布に大きな変化は見られなかった。重合反応容器の洗浄性に関しては、重合に使用した溶媒である1−クロロブタンを用い、次回の重合が可能なレベルで洗浄できた。
比較例1は、所望のスチレン転化率となった重合体溶液に電子供与体化合物を添加せずにすぐに移液した。この場合、重合体溶液にカチオン活性が残存しており、移液中に分子量増大反応が若干進行し、移液時間が実施例の倍程度に伸びた。比較例2は重合体溶液に電子供与体化合物を添加せず、そのまま1時間放置し、移液しようとしたが、比較例1と同様の分子量増大反応が著しく進行し、移液が不可能なほど溶液粘度が上昇した。
電子供与体化合物の代わりに有機金属化合物としてn−ブチルリチウムを用いた比較例3は、カチオン活性を消失させる効果を十分持っていた。しかし、有機溶媒に不溶な金属塩、ルイス酸残渣が重合体溶液から析出し、重合反応容器を使用した溶媒のみでは洗浄できなかった。
以上の実施例、比較例から分かるように重合体溶液に電子供与体化合物を添加した場合には、反応溶液の移液中の分子量増大反応が抑制されることにより、移液が問題なく行え、また、重合に使用する溶媒で簡単に重合容器の洗浄ができる。
本発明の製造法により得られた重合体は、一般的な熱可塑性樹脂に制振性及びガスバリアー性を付与できると共に、透明性が必要な材料として使用できる。具体的には、食品用途、日用雑貨、玩具・運動用具用途、文具用途、自動車内外装用途、土木・建築用途、家電機器用途、衣料・履物用途、医療用途、衛生用品、包装輸送資材、電線用途等に利用可能である。
Claims (5)
- イソブチレンを主成分とする単量体成分及びイソブチレンを主成分としない単量体成分を順次加えてリビングカチオン重合させるイソブチレン系ブロック共重合体の製造方法において、最後に反応系に加えた単量体成分が所望の転化率となった時に電子供与体化合物を反応系に添加することを特徴とするイソブチレン系ブロック共重合体の製造方法。
- イソブチレン系ブロック共重合体が、イソブチレンを主体として構成される重合体ブロックと芳香族ビニル系単量体を主体として構成される重合体ブロックからなることを特徴とする請求項1記載のイソブチレン系ブロック共重合体の製造方法。
- 電子供与体化合物がアミン類、アミド類、ホスフィン類、ホスファイト類、ホスフェート類、チオエーテル類、エーテル類、ケトン類からなる群より選択される少なくとも1種類である請求項1または2記載のイソブチレン系ブロック共重合体の製造方法。
- 電子供与体化合物であるアミン類、アミド類、ホスフィン類、ホスフェート類の添加量が重合触媒として使用するルイス酸に対し0.5〜1.0モル当量であることを特徴とする請求項3記載のイソブチレン系ブロック共重合体の製造方法。
- 電子供与体化合物であるチオエーテル類、エーテル類、ケトン類の添加量が重合触媒として使用するルイス酸に対し2〜5モル当量であることを特徴とする請求項3記載のイソブチレン系ブロック共重合体の製造方法。
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