JP6339790B2 - イソブチレン系ブロック共重合体の製造方法 - Google Patents

イソブチレン系ブロック共重合体の製造方法 Download PDF

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本発明はイソブチレン系ブロック共重合体の製造方法に関する。さらに詳細にはイソブチレンを主成分とする重合体ブロックと芳香族ビニル化合物を主成分とする重合体ブロックからなる、構造の制御されたイソブチレン系ブロック共重合体の製造方法に関する。
イソブチレンを主成分とする重合体ブロックと芳香族ビニル化合物を主成分とする重合体ブロックからなるイソブチレン系ブロック共重合体は熱可塑性エラストマーとして使用できることが知られている。しかしながら、例えば、芳香族ビニル化合物を主成分とする重合体ブロックとしてポリスチレンを選択した場合、ポリスチレンのガラス転移温度を超えるような高温での使用時に弾性率が低下するなど、耐熱性が不足する場合があった。
耐熱性の不足を補う為に、スチレンよりもガラス転移温度の高いモノマーを用いたイソブチレン系ブロック共重合体の合成例が報告されている。
非特許文献1では、n−ヘキサン及びクロロメタンからなる混合溶媒を用いて、ポリ(α−メチルスチレン)−ポリイソブチレン−ポリ(α−メチルスチレン)のトリブロック共重合体を合成した例が報告されている。
非特許文献2では、n−ヘキサン及びクロロメタンからなる混合溶媒を用いて、ポリインデン−ポリイソブチレン−ポリインデンのトリブロック共重合体を合成した例が報告されている。
しかしながら、上記のようなハロゲン系溶媒は、生物への有害性等環境負荷の面から厳しい規制が設けられ、工業的に生産するには適していないという課題がある。また、一方でホモポリマーのガラス転移温度(Tg)が高く、耐熱性を向上させる上で有用な、αーメチルスチレン、p−メチルスチレン、インデンなどのモノマーを使用する場合には、ハロゲン系溶媒を用いると、副反応の制御が不十分な場合があった。
特許文献1では、イソブチレンブロックとスチレンよりもガラス転移点の高いモノマーからなるイソブチレンブロック共重合体の製造方法が開示されている。
特許文献2では、イソブチレンブロックを重合した後で、ジフェニルエチレン等のような非重合性化合物で一旦末端構造を変換し、次いで金属アルコキシドを添加して、p−メチルスチレンなどの芳香族ビニル系モノマーを重合させる技術が開示されている。
しかしながら、これら特許文献1および2に記載の製造方法では、特にインデンをモノマーとして使用する場合。副反応の抑制が不十分であり、得られた樹脂の物性に満足できない場合があった。
特許文献3には、非ハロゲン系溶媒を用いたイソブチレン系ブロック共重合体の製造方法について開示がある。しかしながら、特に、インデンをモノマーとして使用する場合に、本技術では副反応の制御が不十分な場合があり、満足な物性が得られない場合があった。
特許文献4では、金属ハロゲン化物と金属アルコキシドを重合触媒としてイソブチレンモノマーを重合させる技術が開示されている。しかしながら、ブロック共重合体を製造するための金属アルコキシド含有触媒の使用方法については研究されておらず、その効果は知られていなかった。
特開2012−111902号公報 特開平09−510996号公報 特開平11−286525号公報 特開平09−291115号公報
Liら、 Macromolecules,1995,28,4893−4898 Kennedyら、 Macromolecules,1993,26,429−435
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、低環境負荷であり、高価な試薬を必要とせず、経済的な方法で、耐熱性に優れるイソブチレン系ブロック共重合体を製造する方法を提供する。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
下記工程(A)〜(C)からなることを特徴とする、イソブチレン系ブロック共重合体の製造方法に関する。
(A)ハロゲン原子を有さない重合溶媒中で、下記一般式(1)で表わされる重合開始剤の存在下に、ハロゲン化金属から選ばれるルイス酸触媒を共存させて、イソブチレンを重合させてポリイソブチレンを得る工程、
(B)(A)の工程で、重合が実質的に終了した後、金属アルコキシドを添加する工程、
(C)(B)の工程で添加が終了した後、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン及びインデンからなる群より選ばれる少なくとも1種を50重量%以上含む芳香族ビニル化合物を更に添加して、重合させ、ブロック共重合体を製造する工程。
Figure 0006339790
(式中、複数のRは、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜6の1価の炭化水素基を表す。Rは、1価若しくは多価芳香族炭化水素基又は1価若しくは多価脂肪族炭化水素基を表す。Xは、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシル基、又は、炭素数1〜6のアシロキシル基を表す。nは、1〜6の整数を表す。Xが複数存在するとき、それらは、同一であっても異なっていてもよい。)
好適な実施態様としては、ハロゲン原子を有さない重合溶媒が、芳香族炭化水素系溶媒、および/または脂肪族炭化水素系溶媒からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とするイソブチレン系ブロック共重合体の製造方法に関する。
好適な実施態様としては、ハロゲン原子を有さない重合溶媒が、炭素数6〜20の芳香族炭化水素および/または炭素数2〜12の脂肪族炭化水素からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とするイソブチレン系ブロック共重合体の製造方法に関する。
好適な実施態様としては、重合溶媒が、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、トリエチルベンゼン、プロピルベンゼン、ジプロピルベンゼン、トリプロピルベンゼン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、ジエチルシクロヘキサンからなる群より選ばれる少なくとも1種であるイソブチレン系ブロック共重合体の製造方法に関する。
好適な実施態様としては、前記金属アルコキシドの金属原子が、チタン、アルミニウム、ホウ素、スズ、ケイ素、鉄、ジルコニウム、バナジウム、ガリウム、アンチモンからなる群から選ばれる1つ以上の金属原子であることを特徴とするイソブチレン系ブロック共重合体の製造方法に関する。
好適な実施態様としては、前記金属アルコキシドが、チタン(IV)テトラメトキシド、チタン(IV)テトラエトキシド、チタン(IV)テトラーn−プロポキシド、チタン(IV)テトライソプロポキシド、チタン(IV)テトラーn−ブトキシド、チタン(IV)テトラ−sec−ブトキシド、チタン(IV)テトラ−tert−ブトキシドからなる群から選ばれる1つ以上の金属アルコキシドであることを特徴とするイソブチレン系ブロック共重合体の製造方法に関する。
好適な実施態様としては、前記金属アルコキシドのモル数と、重合開始時のルイス酸触媒のモル数の比((金属アルコキシドのモル数)/(酸触媒のモル数の比)で定義される数値)が0.01〜5.0の範囲であることを特徴とするイソブチレン系ブロック共重合体の製造方法に関する。
好適な実施態様としては、芳香族ビニル化合物が、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン及びインデンからなる群より選ばれる少なくとも1種であるイソブチレン系ブロック共重合体の製造方法に関する。
好適な実施態様としては、芳香族ビニル化合物がインデンであるイソブチレン系ブロック共重合体の製造方法に関する。
好適な実施態様としては、前記イソブチレン系ブロック共重合体の全重量に占めるイソブチレンを主体とする重合体ブロックの含有量が30〜90重量%であることを特徴とするイソブチレン系ブロック共重合体の製造方法に関する。
好適な実施態様としては、前記イソブチレン系ブロック共重合体の分子量が10,000〜500,000であり、かつ分子量分布が1.0〜3.0であることを特徴とするイソブチレン系ブロック共重合体の製造方法に関する。
好適な実施態様としては、前記イソブチレン系ブロック共重合体の圧縮永久歪が、JIS K 6262に準拠して、70℃で22時間養生させる条件下で測定した値が40%以下であることを特徴とするイソブチレン系ブロック共重合体の製造方法に関する。
本発明のイソブチレン系ブロック共重合体の製造方法によれば、環境負荷が低く、高価な試薬を必要とせず、経済的な方法で、耐熱性に優れるイソブチレン系ブロック共重合体を製造する方法が提供される。
以下、本発明について、詳細に説明する。
<イソブチレン系ブロック共重合体>
本発明のイソブチレン系ブロック共重合体はイソブチレンを主成分とする重合体ブロックと、芳香族ビニル化合物を主成分とする重合体ブロックからなる。
本発明のイソブチレン系ブロック共重合体の全重量に占めるイソブチレンを主体とする重合体ブロックの含有量としては、好ましくは30〜90重量%、より好ましくは40〜80重量%である。90%を上回ると、ペレットとしての取り扱いが困難になり、共重合体がベール状となる為に、加工時のり扱い性が悪化する点で好ましくない。また、30%を下回ると粘着剤の硬度が高くなり柔軟性に乏しくなる場合がある為に好ましくない。
本発明において、イソブチレンを主成分とする単量体とは、イソブチレンを80重量%以上含有する単量体成分を意味し、芳香族ビニル化合物を主成分とする単量体とは、芳香族ビニル化合物を80重量%以上含有する単量体成分を意味する。
本発明のイソブチレン系ブロック共重合体の分子量には特に制限はないが、流動性、成形加工性、ゴム弾性等の面から、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定したポリスチレン換算数において、10,000〜500,000であることが好ましく、30,000〜300,000であることがより好ましい。数平均分子量が10,000よりも低い場合には機械的な物性が十分に発現されない傾向があり、一方500,000を超える場合には流動性、加工性、成型性が悪化する傾向がある。
本発明におけるイソブチレン系ブロック共重合体の分子量分布(重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比(Mw/Mn)で表される値)は1.0〜3.0であることが好ましく、1.0〜2.0がより好ましい。3.0を超える場合は、分子量の均一性が低く、溶融状態または溶剤を用いて溶液とした場合に粘度が高くなる傾向があり、加工安定性の観点から好ましくない。
本発明の方法によって製造されるイソブチレン系ブロック体は、イソブチレンを主成分とする重合体ブロック及び芳香族ビニル単量体を主成分とする重合体ブロックを有しているものであれば分子構造には特に制限はなく、例えば、直鎖状、分岐状、星状等の構造を有するブロック共重合体、ジブロック共重合体、トリブロック共重合体、マルチブロック共重合体等のいずれも選択可能である。
好ましいブロック共重合体としては、物性および成型加工性の点から、(芳香族ビニル化合物を主成分とする重合体ブロック)−(イソブチレンを主成分とする重合体ブロック)−(芳香族ビニル化合物を主成分とする重合体ブロック)からなるトリブロック共重合体、(芳香族ビニル化合物を主成分とする重合体ブロック)−(イソブチレンを主成分とする重合体ブロック)からなるジブロック共重合体、又はこれらの混合物である。
<イソブチレンを主成分とする重合体ブロック>
イソブチレンを主成分とする重合体ブロックは、得られる共重合体のエラストマーとしての力学物性が優れていることから、イソブチレンに由来するユニットが60重量%以上、好ましくは80重量%以上から構成される重合体ブロックである。
イソブチレンを主成分とする重合体ブロックは、イソブチレンのみから形成されるブロックであってもよいし、本発明の効果を損なわない範囲であれば、イソブチレン以外のモノマーを含有していてもよい。
イソブチレンを主成分とする重合体ブロック中に導入されるイソブチレン以外のモノマーとしては、イソブチレンとカチオン重合可能なモノマーであれば特に制限はないが、例えば、脂肪族オレフィン類、芳香族ビニル化合物、ジエン類、ビニルエーテル類、シラン類、ビニルカルバゾール、α−ピネン、β−ピネン、アセナフチレン等の単量体が例示できる。
これらのモノマーを具体的に例示するならば、プロペン、1−ブテン、2−ブテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、ペンテン、ヘキセン、シクロヘキセン、ビニルシクロヘキサン、5−エチリデンノルボルネン等の、脂肪族オレフィン類;ブタジエン、イソプレン、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン等のジエン類;スチレン、α−メチルスチレン、p−ハロゲノスチレン、p−アルコキシスチレン等のスチレン類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、(n−、イソ)プロピルビニルエーテル、(n−、sec−、tert−)ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルカルバソール等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<芳香族ビニル単量体を主成分とする重合体ブロック>
芳香族ビニル系化合物を主体とする重合体ブロックは、耐熱性の観点から、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン及びインデンからなる群より選ばれる少なくとも1種を50重量%以上、好ましくは80重量%以上から構成される重合体ブロックである。さらに好ましくは、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン及びインデンからなる群より選ばれる少なくとも1種である。特に、耐熱性および樹脂の圧縮永久歪の観点から、芳香族ビニル系化合物を主体とする重合体ブロックは、インデンからなることが好ましい。
本発明の効果を損なわない限りは、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン及びインデン以外の芳香族ビニル系化合物を使用することができる。そのような芳香族ビニル系化合物としては、カチオン重合可能な芳香族ビニル単量体であれば特に制限なく使用することができるが、具体例を例示するならば、スチレン、o−、m−又はp−メチルスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、2,6−ジメチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、α−メチル−o−メチルスチレン、α−メチル−m−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン、β−メチル−o−メチルスチレン、β−メチル−m−メチルスチレン、β−メチル−p−メチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、α−メチル−2,6−ジメチルスチレン、α−メチル−2,4−ジメチルスチレン、β−メチル−2,6−ジメチルスチレン、β−メチル−2,4−ジメチルスチレン、o−、m−又はp−クロロスチレン、2,6−ジクロロスチレン、2,4−ジクロロスチレン、α−クロロ−o−クロロスチレン、α−クロロ−m−クロロスチレン、α−クロロ−p−クロロスチレン、β−クロロ−o−クロロスチレン、β−クロロ−m−クロロスチレン、β−クロロ−p−クロロスチレン、2,4,6−トリクロロスチレン、α−クロロ−2,6−ジクロロスチレン、α−クロロ−2,4−ジクロロスチレン、β−クロロ−2,6−ジクロロスチレン、β−クロロ−2,4−ジクロロスチレン、o−、m−又はp−t−ブチルスチレン、o−、m−又はp−メトキシスチレン、o−、m−又はp−クロロメチルスチレン、o−、m−又はp−ブロモメチルスチレン、シリル基で置換されたスチレン誘導体、インデン、ビニルナフタレン等が挙げられる。
また、本発明の芳香族ビニル単量体を主成分とする重合体ブロックには、本発明の効果を損なわない範囲であれば、他のカチオン重合性モノマーを共重合してもよい。他のカチオン重合性モノマーとしては、脂肪族オレフィン類、芳香族ビニル類、ジエン類、ビニルエーテル類、シラン類、ビニルカルバゾール、α−ピネン、β−ピネン、アセナフチレン等の単量体が例示できる。これらを1種又は2種以上組み合わせて使用することができる。各成分の使用量は目的とする重合体の特性によって適宜設計することができる。
<ハロゲン原子を有さない重合溶媒>
本発明で使用する重合溶媒は、カチオン重合を阻害せず、ハロゲン原子を有さない化合物であれば、特に制約なく使用する。ハロゲン原子を有さない重合溶媒が、芳香族炭化水素系溶媒、および/または脂肪族炭化水素系溶媒からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。さらに好ましくは、炭素数6〜20の芳香族炭化水素および/または炭素数2〜12の脂肪族炭化水素からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、任意の溶媒を組み合わせて使用してもよい。
炭素数6〜20の芳香族炭化水素と炭素数2〜12の脂肪族炭化水素を10:0〜2:8の体積比率で混合した重合溶媒が、単量体の重合特性、単量体および生成する重合体の溶解性等の点でバランスが取れているために好ましい。
炭素数が上記の範囲を超えると、重合溶媒の沸点が高くなる傾向があり、重合後の溶媒留去が困難となり、生成する重合体の取り出しが困難となる傾向がある。
本発明で好適に使用できる重合溶剤の具体例を例示するならば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、トリエチルベンゼン、プロピルベンゼン、ジプロピルベンゼン、トリプロピルベンゼン、ブチルベンゼン等の芳香族炭化水素、プロパン、ブタン、2−メチルプロパン、ペンタン、2−メチルブタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、2,3,3−トリメチルペンタン、ノナン、2,2,5−トリメチルヘキサン、デカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、ジエチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、石油留分を水添精製したパラフィン油等を挙げることができる。
この中でも、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、トリエチルベンゼン、プロピルベンゼン、ジプロピルベンゼン、トリプロピルベンゼン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、ジエチルシクロヘキサンからなる群より選ばれる少なくとも1種であるものが工業的な入手性の点から好ましい。
重合性、溶解性、入手性の観点から、トルエン、キシレン、メシチレン、ペンタン、n−ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンがより好ましい。
これらの溶媒は、ブロック共重合体を構成する単量体の重合特性及び生成する重合体の溶解性等を考慮して、単独又は2種以上を組み合わせて重合溶媒として使用することができる。溶媒を組み合わせて使用することで、反応させる単量体の重合性を制御し、更に生成する重合体の溶解度を調整することが可能となる。
混合溶媒とする場合、トルエン、キシレン、メシチレンと炭素数2〜12の脂肪族炭化水素を10:0〜0.1:9.9の体積比率で混合してなる混合溶媒が好ましい。
本発明において、特にインデンのようなカチオン重合活性の高いモノマーを使用する場合、混合溶媒としてトルエンなどの芳香族炭化水素と脂肪族炭化水素の混合溶媒中で行うことが、モノマーおよびポリマーの溶解性や、重合活性の点から好ましいことが分かった。一方、後の比較例において述べるように、カチオン重合で一般的に使用されてきたハロゲン原子含有溶媒、または、ハロゲン原子含有溶媒と脂肪族炭化水素系溶媒の組合せを用いた場合、金属アルコキシドを添加することによるルイス酸性の調整だけでは、重合反応の制御が不十分であり、得られたポリマーの物性が満足いくものにならない場合があることを見出した。
本発明において、特にインデンを重合する際には、トルエンを重合溶剤の一部または全部として使用することが、重合速度や、引張物性、圧縮永久歪に優れる点で好ましいことがわかった。
重合溶媒の使用量は、得られる重合体溶液の粘度や除熱の容易さを考慮して、重合体の濃度が1〜50重量%、好ましくは5〜45重量%となるように設定される。
<重合開始剤>
本発明においては、下記一般式(1)で表される化合物の存在下に単量体成分を重合させることにより得る。
Figure 0006339790
(式中、複数のR1は、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜6の1価の炭化水素基を表す。R2は、1価若しくは多価芳香族炭化水素基又は1価若しくは多価脂肪族炭化水素基を表す。Xは、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシル基、又は、炭素数1〜6のアシロキシル基を表す。nは、1〜6の整数を表す。Xが複数存在するとき、それらは、同一であっても異なっていてもよい。)
上記ハロゲン原子としては、例えば、塩素、フッ素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。上記炭素数1〜6のアルコキシル基としては特に限定されず、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−又はイソプロポキシ基等が挙げられる。上記炭素数1〜6のアシロキシ基としては特に限定されず、例えば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基等が挙げられる。上記炭素数1〜6の炭化水素基としては特に限定されず、例えば、メチル基、エチル基、n−又はイソプロピル基等が挙げられる。
上記一般式(1)で表わされる化合物は重合開始剤となるものでルイス酸等の存在下で炭素陽イオンを生成し、カチオン重合の開始点になると考えられる。
本発明で用いられる一般式(1)の化合物の例としては、次のような化合物等が挙げられる。
(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン[CC(CHCl]、1,4−ビス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン[1,4−Cl(CHCCC(CHCl]、1,3−ビス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン[1,3−Cl(CHCCC(CHCl]、1,3,5−トリス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン[1,3,5−(ClC(CH]、1,3−ビス(1−クロル−1−メチルエチル)−5−(tert−ブチル)ベンゼン[1,3−(C(CHCl)-5−(C(CH)C]。
これらの中でも特に好ましいのは、得られる重合体の物性の観点から、1,4−ビス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼンである。
なお、(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼンはクミルクロライドとも呼ばれ、ビス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼンは、ビス(α−クロロイソプロピル)ベンゼン、ビス(2−クロロ−2−プロピル)ベンゼンあるいはジクミルクロライドとも呼ばれ、トリス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼンは、トリス(α−クロロイソプロピル)ベンゼン、トリス(2−クロロ−2−プロピル)ベンゼンあるいはトリクミルクロライドとも呼ばれる。
本発明のイソブチレン系ブロック共重合体の製造においては、開始剤種を適切に選択することで、種々のブロック構造体を得ることができる。例えば、ジブロック共重合体を得る為には単官能開始剤、トリブロック共重合体を得る為には、二官能開始剤、更には、3分岐やより高次の分岐構造を有するブロック共重合体を得る為には、三官能またはより多官能の開始剤を適宜選択することができる。
<酸触媒>
イソブチレン系ブロック共重合体を製造する際には、さらにハロゲン化金属から選ばれるルイス酸触媒を共存させる。このようなルイス酸としてはカチオン重合に使用できるものであれば良く、TiCl、TiBr、BCl、BF、BF・OEt、SnCl、SnBr、SbCl、SbBr、SbF、WCl、TaCl、VCl、FeCl、FeBr、ZnCl、ZnBr、AlCl、AlBr、GaCl、GaBr等の金属ハロゲン化物;EtAlCl、EtAlCl等の有機金属ハロゲン化物を好適に使用することができる。
中でも触媒としての能力、工業的な入手の容易さを考えた場合、TiCl、BCl、SnClが好ましく、本発明では触媒活性と入手性のバランスの点でTiClが特に好ましい。
ルイス酸の使用量は、特に限定されないが、使用する単量体の重合特性あるいは重合濃度等を鑑みて設定することができる。通常は一般式(1)で表される化合物に対して0.1〜100モル当量使用することができ、好ましくは1〜50モル当量の範囲である。
<電子供与体>
イソブチレン系ブロック共重合体の製造に際しては、さらに必要に応じて電子供与体成分を共存させることもできる。この電子供与体成分は、カチオン重合に際して、成長炭素カチオンの安定化、またはルイス酸に配位してルイス酸性を調整する効果があるものと考えられており、電子供与体の添加によって、分子量分布の狭い、構造が制御された重合体を生成することができる。使用可能な電子供与体成分としては特に限定されないが、例えば、ピリジン類、アミン類、アミド類、スルホキシド類、エステル類を挙げることができる。
上記電子供与体成分としては、種々の化合物の電子供与体(エレクトロンドナー)としての強さを表すパラメーターとして定義されるドナー数が15〜60であるものとして、通常、具体的には、2,6−ジ−t−ブチルピリジン、2−t−ブチルピリジン、2,4,6−トリメチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、2−メチルピリジン、ピリジン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチルエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル、リン酸トリメチル、ヘキサメチルリン酸トリアミド、チタン(III)メトキシド、チタン(IV)メトキシド、チタン(IV)イソプロポキシド、チタン(IV)ブトキシド等のチタンアルコキシド;アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリブトキシド等のアルミニウムアルコキシド等が使用できるが、好ましいものとして、2,6−ジ−t−ブチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、2−メチルピリジン、ピリジン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、等が挙げられる。
上記種々の物質のドナー数については、「ドナーとアクセプター」、グードマン著、大瀧、岡田訳、学会出版センター(1983)に示されている。これらの中でも、添加効果が顕著である2−メチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、2,6−ジ−tert−ブチルピリジンが特に好ましい。
上記電子供与体成分は、通常、上記重合開始剤に対して0.01〜10倍モル用いられ、0.2〜5倍モルの範囲で用いられるのが好ましい。
<重合温度>
実際の重合を行うに当たっては、各成分を冷却下例えば−100℃以上0℃未満の温度で混合する。エネルギーコストと重合の安定性を釣り合わせるために、特に好ましい温度範囲は−30℃〜−80℃である。
<製造手順>
本発明におけるイソブチレン系ブロック共重合体を製造方法は、下記工程(A)〜(C)からなることを特徴とする。
(A)ハロゲン原子を有さない重合溶媒中で、下記一般式(1)で表わされる重合開始剤の存在下に、ハロゲン化金属から選ばれるルイス酸触媒を共存させて、イソブチレンを重合させてポリイソブチレンを得る工程、
(B)(A)の工程で、重合が実質的に終了した後、金属アルコキシドを添加する工程、
(C)(B)の工程で添加が終了した後、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン及びインデンからなる群より選ばれる少なくとも1種を50重量%以上含む芳香族ビニル化合物を更に添加して、重合させ、ブロック共重合体を製造する工程。
ここで、実質的に重合が終了とは、モノマーが95%以上消費されたときを意味する。
本発明における工程(A)では、重合開始剤の存在下に、ハロゲン化金属から選ばれるルイス酸触媒を共存させて、イソブチレンを重合させてポリイソブチレンを得る。
本発明のブロック共重合体の製造において、耐熱性に優れる所望のブロック共重合体を得る為には、各モノマーの重合順序が肝要である。すなわち、工程(A)ではまず、イソブチレンを主成分とする単量体成分を重合してポリイソブチレンを得ることが、得られる重合体の耐熱性、圧縮永久歪に優れる点で好ましい。
逆に、工程(A)において先に、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン及びインデンからなる群より選ばれる少なくとも1種を50重量%以上含む芳香族ビニル化合物を重合して芳香族ビニル単量体を主成分とする重合体ブロックを製造し、次いでイソブチレンを主成分とする重合体ブロックを繋ぐ場合、カップリング反応が高分子反応となり、反応効率が一般には低くなることから、所望の物性を有するブロック共重合体が得られない場合がある。
本発明における工程(B)では、(A)の工程で、イソブチレンの重合が実質的に終了した後、金属アルコキシドを添加する。ここで、実質的に重合が終了とは、モノマーが95%以上消費された事を意味する。金属アルコキシドを添加すると、重合速度が低下する傾向にあるため、生産性を高める点から、イソブチレンモノマーが95%以上消費されたのちに添加することが好ましい。イソブチレンモノマーの消費率が95%以下の時点で金属アルコキシドを添加すると、工程(A)にかかる時間が長くなるため好ましくない。
一方、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン及びインデンからなる群より選ばれる少なくとも1種を50重量%以上含む芳香族ビニル化合物とのブロック化反応効率を高めるために、金属アルコキシドを添加する工程(B)は前記芳香族ビニル化合物を添加して重合を開始する前である必要がある。
本発明における工程(C)では、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン及びインデンからなる群より選ばれる少なくとも1種を50重量%以上含む芳香族ビニル化合物を更に添加して、重合させ、ブロック共重合体を製造する。先の工程(B)で金属アルコキシドの添加が終了していれば、本工程(C)はいつ開始してもよいが、工程(B)と工程(C)の間が長くなると、生産性が低下するため好ましくない。通常、工程(B)の終了後、1分〜30分程度の時間を空けて工程(C)を開始することが生産性を低下させず、かつ所望の物性を有するブロック共重合体が得られる点でも好ましい。
<金属アルコキシド>
工程(B)で添加する金属アルコキシドは、金属原子上のアルコキシ基が炭素数1〜10のものが入手性の点で好ましい。
具体的にはメトキシ基、エトキシ基、(n−、イソ−)プロポキシ基、(n−、sec−、tert−)ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、フェニルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デカオキシ基等を挙げることができる。
これらの中でも、工業的に生産されている点で入手しやすく、本発明で好適に使用できるものは炭素数1〜4のメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等である。
本発明で用いられる金属アルコキシドの金属原子としては、任意の金属元素を用いることができ、チタン、ジルコニウム等の長周期周期律表4B族、ホウ素、アルミニウム、ガリウム等の3A族、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、鉛等の4A族、リン、ヒ素、アンチモン等の5A族、バナジウム、ニオブ、タンタル等の5B族、鉄、コバルト、ニッケル等の8族を例示することができる。好ましくは、チタン、アルミニウム、ホウ素、スズ、ケイ素、鉄、ジルコニウム、バナジウム、ガリウム、アンチモンからなる群から選ばれる1つ以上の金属原子である。これらの中でも、入手性の点でチタン(III)、チタン(IV)、アルミニウム、ホウ素、スズ(II)、スズ(IV)、ジルコニウム、バナジウム、アンチモン、鉄等が好ましい。
これら金属上の置換基と中心金属の組合わせを全て例示することはできないが、その一例を挙げるならば、チタン(III)トリメトキシド、チタン(III)トリエトキシド、チタン(III)トリ−n−プロポキシド、チタン(III)トリイソプロポキシド、チタン(III)トリ−n−ブトキシド、チタン(III)トリ−sec−ブトキシド、チタン(III)トリ−tert−ブトキシド、チタン(IV)テトラメトキシド、チタン(IV)テトラエトキシド、チタン(IV)テトラ−n−プロポキシド、チタン(IV)テトライソプロポキシド、チタン(IV)テトラ−n−ブトキシド、チタン(IV)テトラ−sec−ブトキシド、チタン(IV)テトラ−tert−ブトキシド等のチタンアルコキシド類;アルミニウムメトリトキシド、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリ−n−プロポキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリ−n−ブトキシド、アルミニウムトリ−sec−ブトキシド、アルミニウムトリ−tert−ブトキシド等のアルミニウムアルコキシド類;ボラントリメトキシド、ボラントリエトキシド、ボラントリ−n−プロポキシド、ボラントリイソプロポキシド、ボラントリ−n−ブトキシド、ボラントリ−sec−ブトキシド、ボラントリ−tert−ブトキシド等のボランアルコキシド類;スズテトラメトキシド、スズテトラエトキシド、スズテトラ−n−プロポキシド、スズテトライソプロポキシド、スズテトラ−n−ブトキシド、スズテトラ−sec−ブトキシド、スズテトラ−tert−ブトキシド等のスズアルコキシド類等の金属アルコキシド類が、工業的な入手の容易さの観点から好適に使用できる。
これらの中でも特に安価に入手でき、取扱い易い点で、チタン(IV)テトラメトキシド、チタン(IV)テトラエトキシド、チタン(IV)テトラーn−プロポキシド、チタン(IV)テトライソプロポキシド、チタン(IV)テトラーn−ブトキシド、チタン(IV)テトラ−sec−ブトキシド、チタン(IV)テトラ−tert−ブトキシドからなる群から選ばれる1つ以上の金属アルコキシドである。
工程(B)で添加する金属アルコキシドは、金属アルコキシドのモル数と、重合開始時のルイス酸触媒のモル数の比((金属アルコキシドのモル数)/(酸触媒のモル数の比)で定義される数値)が0.01〜5.0の範囲であることが好ましい。0.01当量以下では成長反応の制御が不十分となり、得られた樹脂の物性に満足できない場合があり、5.0当量以上では重合が著しく遅くなることで現実的な重合時間内で反応が終わらなくなったり、実質的に重合が進行しなくなるなどの不利益な点がある場合がある。
工程(B)で金属アルコキシドを投入するタイミングとしては、工程(A)で用いたイソブチレンを主成分とする単量体の重合が実質的に終了、すなわち、イソブチレンが95%以上消費された後であることが生産性を高める点で好ましい。
金属アルコキシドを投入するタイミングを知る為には、系中のイソブチレンモノマーの消費率を測定することが参考になる。イソブチレンモノマーの消費率(消費率とは、(重合中に残存しているイソブチレンの濃度)/(重合開始時のイソブチレンの濃度、即ち、イソブチレンの仕込み量)X100で定義される値であり、ガスクロマトグラフィーなどの手段を用いれば重合中、経時的かつ簡便に測定可能である)が95%以上に達した時点であることが物性および経済面から好ましい。金属アルコキシドは一度に全量を添加してもよく、何度かに分割して添加してもよく、ある一定時間中連続して添加してもよい。
金属アルコキシドの添加後、芳香族ビニル単量体を添加することで、芳香族ビニル単量体の重合を開始することができる。この際、芳香族ビニル単量体の消費速度が期待する速度よりも遅いことが分かった場合は、先に述べた酸触媒の内、任意の化合物を加えることで、芳香族ビニル単量体の消費速度(重合速度)を調整することもできる。
本発明のイソブチレン系ブロック共重合体は、圧縮永久歪が、JIS K 6262に準拠して、70℃で22時間養生させる条件下で測定した値が40%以下である。前記条件における圧縮永久歪が40%以下であれば、キャップ、ガスケット、封止剤、栓、チューブ等の用途において好適に使用できるため、好ましい。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳しく説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において、適宜変更実施可能なものである。なお、ポリマーの分子量、物性は次に示す方法に従って測定した。
(分子量および分子量分布)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定した。Waters社製510型GPCシステムを用いて、クロロホルムを移動相とし、カラム温度35℃の条件下にて、ポリマー濃度が4mg/mlである試料溶液をGPCに注入することで測定した。ポリスチレンを標準試料として用いて、重量平均分子量、数平均分子量、分子量分布をポリスチレン換算値として算出した。なお、分子量分布は(重量平均分子量Mw)/(数平均分子量Mn)の比として定義される値である。
(引張強度:Tb、100%伸長時モジュラス:M100)
JIS K 6251に準拠し、試験片としてシートをダンベルで7号型に打抜いたものを用意し、これを測定に使用した。引張速度は200mm/分とした。
(引張伸び:Eb)
JIS K 6251に準拠し、試験片としてシートをダンベルで7号型に打抜いたものを用意し、これを測定に使用した。引張速度は200mm/分とした。
(硬度)
JIS K6253に準拠し、スプリング式のタイプAデュロメータで硬度(以下、JIS−A硬度と略す)を測定した。硬度は測定直後の数値を採用した。なお、試験片は12.0mm厚プレスシートを用いた。
(圧縮永久歪)
JIS K 6262に準拠し、試験片は12.0mm厚プレスシートを使用した。70℃×22時間、25%変形の条件にて測定した。
(実施例1)
500mLのセパラブルフラスコの容器内を窒素置換した後、注射器を用いて、メチルシクロヘキサン(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)80.7mL及びトルエン(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)242.2mLを加え、重合容器を−70℃のドライアイス/アセトンバス中に浸して冷却した後、イソブチレンモノマー71.1mL(753mmol)が入っている三方コック付耐圧ガラス製液化採取管にテフロン(登録商標)製の送液チューブを接続し、重合容器内にイソブチレンモノマーを窒素圧により送液した。p−ジクミルクロライド0.1650g(0.714mmol)及びα−ピコリン0.3992g(4.28mmol)を加えた。次に四塩化チタン3.84mL(35.0mmol)を加えて重合を開始した。重合開始から1.5時間同じ温度で撹拌を行った後、ガスクロマトグラフィー法によりイソブチレンの消費率を求めたところ、98%に達していることが確認された。その後、チタンテトライソプロポキシド2.59ml(8.74mmol)を添加し、15分間撹拌を続けた。その後、インデンモノマー26.3ml(226mmol)を添加した。その後、ガスクロマトグラフィーによってインデンモノマーの消費量を経時的に測定し、インデンモノマーが仕込量の80%消費されたことを確認できた時点で、反応溶液全体を60度に加熱している純水500mlに注ぎ込み、30分間メカニカルスターラーを使用して激しく撹拌することで、重合を停止させた。次に、純水500mlで洗浄を3回繰り返した。その後、加熱真空オーブン内で溶剤等の揮発分を留去し、インデン−イソブチレン−インデンブロック共重合体を得た。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により得られた重合体の分子量を測定した。その結果を表1に示す。
続けて、実施例1で得られたポリマー40gと老化防止剤(製品名:AO−50、株式会社アデカ社製)0.08g、および無機塩(製品名:アルカマイザー1、協和化学工業社製)0.2gを測り取り、ラボプラストミル(東洋精機製作所製)で230度、50rpmの条件下で9分間混練し、次の1分間で230度/真空下に脱泡した。その後、樹脂組成物を払い出した。次に、得られた樹脂組成物を230度でプレスして、2mm厚のシート状試験片と、12mm厚の円柱状試験片を作成した。得られた2mm厚シート状試験片からダンベル状試験片を打ち抜き、これを用いてポリマーの引張物性を測定した。その結果を表1に示す。次に、円柱状試験片を用いて樹脂の圧縮永久歪(70度、22時間)を評価した。結果を表1に示す。
(実施例2)
500mLのセパラブルフラスコの容器内を窒素置換した後、注射器を用いて、メチルシクロヘキサン(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)86mL及びトルエン(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)254mLを加え、重合容器を−70℃のドライアイス/アセトンバス中に浸して冷却した後、イソブチレンモノマー52.3mL(554mmol)が入っている三方コック付耐圧ガラス製液化採取管にテフロン(登録商標)製の送液チューブを接続し、重合容器内にイソブチレンモノマーを窒素圧により送液した。p−ジクミルクロライド0.1600g(0.69mmol)及びα−ピコリン0.3161g(3.4mmol)を加えた。次に四塩化チタン3.42mL(31.2mmol)を加えて重合を開始した。重合開始から2時間同じ温度で撹拌を行った後、ガスクロマトグラフィー法によりイソブチレンの消費率を求めたところ、99%に達していることが確認された。その後、チタンテトライソプロポキシド1.84ml(6.23mmol)を添加し、15分間撹拌を続けた。その後、インデンモノマー17.7ml(152mmol)を添加した。その後、ガスクロマトグラフィーによってインデンモノマーの消費量を経時的に測定し、インデンモノマーが仕込量の80%消費されたことを確認できた時点で、60度に加熱している純水500mlに反応溶液を注ぎ込み、30分間メカニカルスターラーを使用して激しく撹拌することで、重合を停止させた。次に、純水500mlで洗浄を3回繰り返した。その後、加熱真空オーブン内で溶剤等の揮発分を留去し、インデン−イソブチレン−インデンブロック共重合体を得た。
実施例1と同様にして、得られた重合体の分子量、引張物性、圧縮永久歪を評価した。その結果を表1に示す。
(実施例3)
500mLのセパラブルフラスコの容器内を窒素置換した後、注射器を用いて、メチルシクロヘキサン(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)86mL及びトルエン(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)254mLを加え、重合容器を−70℃のドライアイス/アセトンバス中に浸して冷却した後、イソブチレンモノマー54.6mL(578mmol)が入っている三方コック付耐圧ガラス製液化採取管にテフロン(登録商標)製の送液チューブを接続し、重合容器内にイソブチレンモノマーを窒素圧により送液した。p−ジクミルクロライド0.1250g(0.54mmol)及びα−ピコリン0.3161g(3.4mmol)を加えた。次に四塩化チタン3.42mL(31.2mmol)を加えて重合を開始した。重合開始から2時間同じ温度で撹拌を行った後、ガスクロマトグラフィー法によりイソブチレンの消費率を求めたところ、99%に達していることが確認された。その後、チタンテトライソプロポキシド1.84ml(6.23mmol)を添加し、15分間撹拌を続けた。その後、インデンモノマー25.8ml(222mmol)を添加した。その後、ガスクロマトグラフィーによってインデンモノマーの消費量を経時的に測定し、インデンモノマーが仕込量の80%消費されたことを確認できた時点で、60度に加熱している純水500mlに反応溶液を注ぎ込み、30分間メカニカルスターラーを使用して激しく撹拌することで、重合を停止させた。次に、純水500mlで洗浄を3回繰り返した。その後、加熱真空オーブン内で溶剤等の揮発分を留去し、インデン−イソブチレン−インデンブロック共重合体を得た。
実施例1と同様にして、得られた重合体の分子量、引張物性、圧縮永久歪を評価した。その結果を表1に示す。
(実施例4)
1000mLのセパラブルフラスコの容器内を窒素置換した後、注射器を用いて、メチルシクロヘキサン(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)117mL及びトルエン(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)346mLを加え、重合容器を−70℃のドライアイス/アセトンバス中に浸して冷却した後、イソブチレンモノマー46mL(487mmol)が入っている三方コック付耐圧ガラス製液化採取管にテフロン(登録商標)製の送液チューブを接続し、重合容器内にイソブチレンモノマーを窒素圧により送液した。p−ジクミルクロライド0.0450g(0.195mmol)及びα−ピコリン0.0889g(0.95mmol)を加えた。次に四塩化チタン10.3mL(93.4mmol)を加えて重合を開始した。ガスクロマトグラフィー法でイソブチレンモノマーの残存量を経時測定しながら重合を行い、重合開始から115分後に仕込み量の99%のイソブチレンが消費されたことを確認した。その後、チタンテトライソプロポキシド5.53ml(18.7mmol)を添加し、15分間撹拌を続けた。その後、インデンモノマー14.5ml(125mmol)を添加した。その後、ガスクロマトグラフィーによってインデンモノマーの消費量を経時的に測定し、インデンモノマーが仕込量の80%消費されたことを確認できた時点で、60度に加熱している純水500mlに反応溶液を注ぎ込み、30分間メカニカルスターラーを使用して激しく撹拌することで、重合を停止させた。次に、純水500mlで洗浄を3回繰り返した。その後、加熱真空オーブン内で溶剤等の揮発分を留去し、インデン−イソブチレン−インデンブロック共重合体を得た。
実施例1と同様にして、得られた重合体の分子量、引張物性、圧縮永久歪を評価した。その結果を表1に示す。
(比較例1)
チタンテトライソプロポキシドを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様に実験を行い、インデン−イソブチレン−インデンブロック共重合体を得た。なお、イソブチレンの重合においては、88分後に97%のイソブチレンが消費されたことを確認した。実施例1と同様にして、得られた重合体の分子量、引張物性、圧縮永久歪を評価した。その結果を表1に示す。
(比較例2)
500mLのセパラブルフラスコの容器内を窒素置換した後、注射器を用いて、塩化ブチル(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)248mL及びヘキサン(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)28mLを加え、重合容器を−70℃のドライアイス/アセトンバス中に浸して冷却した後、イソブチレンモノマー64.6mL(684mmol)が入っている三方コック付耐圧ガラス製液化採取管にテフロン(登録商標)製の送液チューブを接続し、重合容器内にイソブチレンモノマーを窒素圧により送液した。p−ジクミルクロライド0.1500g(0.65mmol)及びα−ピコリン0.1101g(1.2mmol)を加えた。次に四塩化チタン0.78mL(7.14mmol)を加えて重合を開始した。ガスクロマトグラフィー法でイソブチレンモノマーの残存量を経時測定しながら重合を行い、重合開始から49分後に仕込み量の99%のイソブチレンが消費されたことを確認した。その後、チタンテトライソプロポキシド0.71ml(2.4mmol)を添加し、15分間撹拌を続けた。その後、インデンモノマー20.8ml(178mmol)を添加した。その後、ガスクロマトグラフィーによってインデンモノマーの消費量を経時的に測定し、インデンモノマーが仕込量の80%消費されたことを確認できた時点で、60度に加熱している純水500mlに反応溶液を注ぎ込み、30分間メカニカルスターラーを使用して激しく撹拌することで、重合を停止させた。次に、純水500mlで洗浄を3回繰り返した。その後、加熱真空オーブン内で溶剤等の揮発分を留去し、インデン−イソブチレン共重合体を得た。
実施例1と同様にして、得られた重合体の分子量、引張物性、圧縮永久歪を評価した。その結果を表1に示す。
(比較例3)
チタンテトライソプロポキシドを添加しなかったこと以外は、実施例2と同様に実験を行い、インデン−イソブチレン共重合体を得た。なお、イソブチレンの重合においては、120分後に99%のイソブチレンが消費されたことを確認した。実施例1と同様にして、得られた重合体の分子量、引張物性、圧縮永久歪を評価した。その結果を表1に示す。
(比較例4)
500mLのセパラブルフラスコの容器内を窒素置換した後、注射器を用いて、塩化ブチル(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)254mL及びヘキサン(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)28mLを加え、重合容器を−70℃のドライアイス/アセトンバス中に浸して冷却した後、イソブチレンモノマー74.7mL(791mmol)が入っている三方コック付耐圧ガラス製液化採取管にテフロン(登録商標)製の送液チューブを接続し、重合容器内にイソブチレンモノマーを窒素圧により送液した。p−ジクミルクロライド0.2900g(1.25mmol)及びα−ピコリン0.0643g(0.690mmol)を加えた。次に四塩化チタン0.67mL(6.13mmol)を加えて重合を開始した。ガスクロマトグラフィー法でイソブチレンモノマーの残存量を経時測定しながら重合を行い、重合開始から45分後に仕込み量の99%のイソブチレンが消費されたことを確認した。その後、チタンテトライソプロポキシド0.45ml(1.5mmol)を添加し、15分間撹拌を続けた。その後、インデンモノマー22.9ml(197mmol)を添加した。その後、ガスクロマトグラフィーによってインデンモノマーの消費量を経時的に測定し、インデンモノマーが仕込量の80%消費されたことを確認できた時点で、60度に加熱している純水500mlに反応溶液を注ぎ込み、30分間メカニカルスターラーを使用して激しく撹拌することで、重合を停止させた。次に、純水500mlで洗浄を3回繰り返した。その後、加熱真空オーブン内で溶剤等の揮発分を留去し、インデン−イソブチレン共重合体を得た。
実施例1と同様にして、得られた重合体の分子量、引張物性、圧縮永久歪を評価した。その結果を表1に示す。
Figure 0006339790
実施例1〜4の結果から、本発明により得られるイソブチレン系ブロック共重合体は、引張物性および圧縮永久歪に優れることがわかる。
更に、実施例1と比較例1の結果から、チタンテトライソプロポキシドをインデン重合前に添加しない場合、数平均分子量Mnが著しく小さくなることがわかる。これは、イソブチレンブロックからインデンへのブロック共重合が効率的に進行せず、連鎖移動反応や停止反応などが起こった為に、低分子量成分が副生してしまい、結果として数平均分子量Mnが低下したと考えられる。また、その結果として、硬度や圧縮永久歪に劣る樹脂が得られた。
実施例1と比較例2の比較から、チタンテトライソプロポキシドを使用していても、ハロゲン原子含有溶媒を使用した場合、イソブチレンからインデンへのブロック化反応が定量的に進行せず、その結果、実施例1ではエラストマーが得られたが、比較例1では塑性変形し、樹脂表面のタックの強い樹脂が得られ、エラストマーは得られなかった為、物性評価ができなかった。
先の例と同様に、実施例2と比較例3の比較から、チタンテトライソプロポキシドをインデン重合前に添加しない場合、引張物性、硬度、圧縮永久歪に劣る樹脂しか得られないことがわかる。更に、実施例2と比較例4の結果から、チタンテトライソプロポキシドを使用していても、ハロゲン原子含有溶媒を使用した場合はエラストマーを得る事が出来ない。

Claims (11)

  1. 下記工程(A)〜(C)からなることを特徴とする、イソブチレン系ブロック共重合体の製造方法。
    (A)炭素数6〜20の芳香族炭化水素と炭素数2〜12の脂肪族炭化水素を10:0〜2:8(体積比)で混合したハロゲン原子を有さない重合溶媒中で、下記一般式(1)で表わされる重合開始剤の存在下に、ハロゲン化金属から選ばれるルイス酸触媒を共存させて、イソブチレンを重合させてポリイソブチレンを得る工程、
    (B)(A)の工程で、重合が実質的に終了した後、金属アルコキシドを添加する工程、
    (C)(B)の工程で添加が終了した後、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン及びインデンからなる群より選ばれる少なくとも1種を50重量%以上含む芳香族ビニル化合物を更に添加して、重合させ、ブロック共重合体を製造する工程。
    Figure 0006339790
    (式中、複数のRは、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜6の1価の炭化水素基を表す。Rは、1価若しくは多価芳香族炭化水素基又は1価若しくは多価脂肪族炭化水素基を表す。Xは、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシル基、又は、炭素数1〜6のアシロキシル基を表す。nは、1〜6の整数を表す。Xが複数存在するとき、それらは、同一であっても異なっていてもよい。)
  2. ハロゲン原子を有さない重合溶媒が、炭素数6〜20の芳香族炭化水素、および、炭素数2〜12の脂肪族炭化水素を含むことを特徴とする請求項1に記載のイソブチレン系ブロック共重合体の製造方法。
  3. 重合溶媒が、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、トリエチルベンゼン、プロピルベンゼン、ジプロピルベンゼン、トリプロピルベンゼン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、ジエチルシクロヘキサンからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1または2に記載のイソブチレン系ブロック共重合体の製造方法。
  4. 前記金属アルコキシドの金属原子が、チタン、アルミニウム、ホウ素、スズ、ケイ素、鉄、ジルコニウム、バナジウム、ガリウム、アンチモンからなる群から選ばれる1つ以上の金属原子であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のイソブチレン系ブロック共重合体の製造方法。
  5. 前記金属アルコキシドが、チタン(IV)テトラメトキシド、チタン(IV)テトラエトキシド、チタン(IV)テトラーn−プロポキシド、チタン(IV)テトライソプロポキシド、チタン(IV)テトラーn−ブトキシド、チタン(IV)テトラ−sec−ブトキシド、チタン(IV)テトラ−tert−ブトキシドからなる群から選ばれる1つ以上の金属アルコキシドであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のイソブチレン系ブロック共重合体の製造方法。
  6. 前記金属アルコキシドのモル数と、重合開始時のルイス酸触媒のモル数の比((金属アルコキシドのモル数)/(酸触媒のモル数の比)で定義される数値)が0.01〜5.0の範囲であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のイソブチレン系ブロック共重合体の製造方法。
  7. 芳香族ビニル化合物が、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン及びインデンからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜のいずれか一項に記載のイソブチレン系ブロック共重合体の製造方法。
  8. 芳香族ビニル化合物が、インデンである請求項1〜のいずれか一項に記載のイソブチレン系ブロック共重合体の製造方法。
  9. 前記イソブチレン系ブロック共重合体の全重量に占めるイソブチレンを主体とする重合体ブロックの含有量が30〜90重量%であることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載のイソブチレン系ブロック共重合体の製造方法。
  10. 前記イソブチレン系ブロック共重合体の分子量が10,000〜500,000であり、かつ分子量分布が1.0〜3.0であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載のイソブチレン系ブロック共重合体の製造方法。
  11. 前記イソブチレン系ブロック共重合体の圧縮永久歪が、JIS K 6262に準拠して、70℃で22時間養生させる条件下で測定した値が40%以下であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のイソブチレン系ブロック共重合体の製造方法。
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