JP6298281B2 - アリル基を末端に有するイソブチレン系重合体の製造方法 - Google Patents

アリル基を末端に有するイソブチレン系重合体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、アリル基を末端に有するイソブチレン系重合体の製造方法に関し、製造後に蒸留という簡便な操作によって重合溶媒の再利用を可能にする製造方法に関する。
イソブチレン系重合体、特にイソブチレン系ブロック共重合体は、非架橋でありながら架橋ゴムと同等の強度、弾性を有し、ガスバリア性、耐熱性、耐衝撃性及び柔軟性に優れるとともに、熱可塑性樹脂と同様にして成形できることから、各種エラストマー材料や、熱可塑性樹脂の改質剤として広く用いられている。しかしながら、非架橋である為に、圧縮永久歪や耐熱性が不足する場合があった。
この課題を解決する手段として、ポリマー末端にアルケニル基を導入する技術が特許文献1に開示されている。ここでは、アリルシラン類を用いると、イソブチレン系重合体の末端に効率的にアリル基が導入されることが示されている。しかしながら、本発明者が検討したところ、特許文献1に記載の技術では、重合溶剤を再利用できない場合があることが判明したものの、該文献には重合溶剤の再利用についての開示は無かった。
イソブチレン系ブロック共重合体を製造した際の、重合溶剤の回収および再利用に関しては、特許文献2に開示されている。しかしながら、アリル基を末端に有するイソブチレン系重合体、特にイソブチレン系ブロック共重合体の製造において、アリルシラン系化合物の蒸留による除去や、溶剤中に残存するアリルシラン系化合物が及ぼす影響については開示されておらず、検討の余地があった。
上記の重合溶剤を再利用する為の技術としては、反応後にアリルシラン類と反応しうる重合開始剤を系中に意図的に添加して、残存アリルシラン類を除去することで重合溶剤を再利用可能にする技術が特許文献3に開示されている。しかしながら、本発明者が検討したところ、該技術では、系中の微量の残存アリルシランと開始剤成分とが必ずしも短時間で効率的に反応するとは限らず、更には、未反応となった重合開始剤成分中の塩素原子に由来する塩化水素の脱離が設備腐食の問題を引き起こす等、種々改善の余地があることが分かった。従って、より簡便に重合溶剤を再利用する技術が求められていた。
特許第3941988号公報 特開2001−323013号公報 特許第4932576号公報
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、アリル基を末端に有するイソブチレン系重合体の製造方法に関し、製造後に蒸留という簡便な操作によって重合溶媒の再利用を可能にする製造方法を提供することにある。
本発明者は、特定の沸点を有するアリルシラン系化合物を用いる事により、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、アリルシラン系化合物を用いてアリル基導入反応を行うことにより得られるアリル基を末端に有するイソブチレン系重合体の製造方法であって、重合溶剤の沸点をTs(℃)(重合溶剤が2種以上からなるときは、その中で最も高い沸点をTsとする)、アリルシラン系化合物の沸点をTa(℃)とする場合に、下記式を満たす沸点Ta(℃)を有するアリルシラン系化合物を用いることを特徴とするアリル基を末端に有するイソブチレン系重合体の製造方法に関する。
(式) Ta >= Ts + 50
好ましい実施態様としては、アリルシラン系化合物が、ジアリルジメチルシランであることを特徴とするアリル基を末端に有するイソブチレン系重合体の製造方法に関する。
好ましい実施態様としては、重合溶剤が、再利用重合溶剤30〜100重量%と新しく準備した重合溶剤0〜70重量%の組合せからなることを特徴とするアリル基を末端に有するイソブチレン系重合体の製造方法に関する。
好ましい実施態様としては、100ppm以下のアリルシラン系化合物を含有する重合溶剤を用いることを特徴とするアリル基を末端に有するイソブチレン系重合体の製造方法に関する。
好ましい実施態様としては、アリル基を末端に有するイソブチレン系重合体が、イソブチレン系ブロック共重合体であることを特徴とするアリル基を末端に有するイソブチレン系重合体の製造方法に関する。
本発明によれば、蒸留という簡便な操作で重合溶剤を再利用することが可能になる。
本発明においては、アリル基を末端に有するイソブチレン系重合体が製造される。
アリル基を末端に有するイソブチレン系重合体は、イソブチレン単位を含むものであればいずれの重合体も使用することができるが、イソブチレン単位を60重量%以上含有するものが良好なガスバリア性、耐熱性を発現できる点から好ましい。重合体の構造は、ランダムであってもブロックであってもかまわないが、高分子量の熱可塑性エラストマーが製造できるなど、産業上有用な重合体が得られる点から、ブロック体であることが好ましい。さらにブロック体としては、(1)イソブチレンを主体とする重合体ブロックの末端にアリル基が直接結合している重合体の他に、(2)イソブチレンを主体とする重合体ブロックの末端には、芳香族ビニル系単量体を主体とする重合体ブロックが結合し、さらにその芳香族ビニル系単量体を主体とする重合体ブロックの他の末端にアリル基が結合した重合体、即ちアリル基を末端に有するイソブチレン系ブロック共重合体が挙げられる。これらの中でも、後者のアリル基を末端に有するイソブチレン系ブロック共重合体は、架橋工程を経なくてもゴム弾性を発現できるだけでなく、熱可塑性エラストマーとして一旦成型した後でもリユース可能な材料であることから好ましい。
<<アリル基を末端に有するイソブチレン系ブロック共重合体>>
本発明で製造されるアリル基を末端に有するイソブチレン系ブロック共重合体は、芳香族ビニル系化合物を主体とするブロックとイソブチレンを主体とするブロックからなる。
<芳香族ビニル系化合物を主体とする重合体ブロック>
芳香族ビニル系化合物を主体とする重合体ブロックは、芳香族ビニル系化合物に由来するユニットが60重量%以上、好ましくは80重量%以上から構成される重合体ブロックである。
芳香族ビニル系化合物としては、スチレン、o−、m−又はp−メチルスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、2,6−ジメチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、α−メチル−o−メチルスチレン、α−メチル−m−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン、β−メチル−o−メチルスチレン、β−メチル−m−メチルスチレン、β−メチル−p−メチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、α−メチル−2,6−ジメチルスチレン、α−メチル−2,4−ジメチルスチレン、β−メチル−2,6−ジメチルスチレン、β−メチル−2,4−ジメチルスチレン、o−、m−又はp−クロロスチレン、2,6−ジクロロスチレン、2,4−ジクロロスチレン、α−クロロ−o−クロロスチレン、α−クロロ−m−クロロスチレン、α−クロロ−p−クロロスチレン、β−クロロ−o−クロロスチレン、β−クロロ−m−クロロスチレン、β−クロロ−p−クロロスチレン、2,4,6−トリクロロスチレン、α−クロロ−2,6−ジクロロスチレン、α−クロロ−2,4−ジクロロスチレン、β−クロロ−2,6−ジクロロスチレン、β−クロロ−2,4−ジクロロスチレン、o−、m−又はp−t−ブチルスチレン、o−、m−又はp−メトキシスチレン、o−、m−又はp−クロロメチルスチレン、o−、m−又はp−ブロモメチルスチレン、シリル基で置換されたスチレン誘導体、インデン、ビニルナフタレン等が挙げられる。これらの中でも、工業的な入手性やガラス転移温度の点から、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、インデンか、または、これらの混合物が好ましく、特に入手性が良好である点でスチレンが好ましい。
<イソブチレンを主体とする重合体ブロック>
イソブチレンを主成分とする重合体ブロックは、得られる共重合体のエラストマーとしての力学物性が優れていることから、イソブチレンに由来するユニットが60重量%以上、好ましくは80重量%以上から構成される重合体ブロックである。
また、イソブチレンのみから形成されるブロックであってもよいし、本発明の効果を損なわない範囲であれば、イソブチレン以外のモノマーを含有していてもよい。イソブチレン以外のモノマーとしては、イソブチレンとカチオン重合可能なモノマーであれば特に制限はないが、例えば、脂肪族オレフィン類、芳香族ビニル化合物、ジエン類、ビニルエーテル類、シラン類、ビニルカルバゾール、β−ピネン、アセナフチレン等の単量体が例示できる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、上記いずれの重合体ブロックも、共重合成分として、相互の単量体を使用することができるほか、その他のカチオン重合可能な単量体成分を使用することができる。このような単量体成分としては、脂肪族オレフィン類、ジエン類、ビニルエーテル類、シラン類、ビニルカルバゾール、アセナフチレン等の単量体が例示できる。これらはそれぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
<イソブチレン系ブロック共重合体>
本発明のアリル基を末端に有するイソブチレン系ブロック共重合体はイソブチレンを主体とする重合体ブロックと芳香族ビニル系化合物を主体とする重合体ブロックから構成されている限り、その構造には特に制限はなく、例えば、直鎖状、分岐状、星状等の構造を有するブロック共重合体、ジブロック共重合体、トリブロック共重合体、マルチブロック共重合体等のいずれも選択可能である。
好ましい構造としては、物性バランスや成形加工性の観点から、両末端に芳香族系化合物を主体とする重合体ブロックを有し、間にイソブチレン系化合物を主体とする重合体ブロック主体とするブロックを有するABA型トリブロック共重合体や、芳香族系化合物を主体とする重合体ブロックとイソブチレンを主体とする重合体ブロックが結合したAB型ジブロック共重合体が挙げられる。
アリル基を有するイソブチレン系ブロック共重合体の全重量に占めるイソブチレンを主体とする重合体ブロックの含有量としては、好ましくは20〜95重量%、より好ましくは50〜90重量%である。95%を上回ると、ペレットとしての取り扱いが困難になり、共重合体がベール状となる為に、加工時の取り扱い性が悪化する点で好ましくない。また、20%を下回ると共重合体の硬度が高くなり過ぎ、柔軟性が乏しくなり、エラストマー材料としての性能を十分に発揮できない。
本発明のアリル基を末端に有するイソブチレン系ブロック共重合体の数平均分子量は特に制限がないがゲルパーミエーションクロマトグラムで測定したポリスチレン換算分子量において、10,000から500,000が好ましく、30,000から300,000がとくに好ましい。10,000未満の場合、機械的な特性が十分に発現されず、エラストマー材料としての性能に劣る場合がある。また500,000を超える場合、成形性の低下が大きく、取扱いが困難になる場合がある。
本発明のアリル基を末端に有するイソブチレン系ブロック共重合体の分子量分布(重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比(Mw/Mn)で表される数)は、1.0〜3.0が好ましく、1.0〜2.0がより好ましい。3.0を超える場合は、分子量の均一性が低く、溶融状態または溶剤等を利用して成型する場合に重合体の粘度が高くなる傾向があり、作業性が悪化する場合がある。そのため、特に、樹脂の溶融粘度を低粘度化できることから1.8より小さいことが好ましい。
<アリル基>
本発明のアリル基を末端に有するイソブチレン系ブロック共重合体のアリル基とは、ヒドロシリル基含有化合物による架橋反応に対して活性のある基である。
アリル基を末端に有するイソブチレン系ブロック共重合体のアリル基の量は、耐熱性や耐溶剤性、他の樹脂との相溶性改善効果や、圧縮永久歪改善効果の観点から1分子あたり平均して少なくとも1.0個のアルケニル基を末端に有する重合体である。1.0個未満であると、耐熱性、耐溶剤性、相溶性改善効果、圧縮永久歪改善効果の面で所望の効果が充分に得られない場合がある。
イソブチレン系ブロック共重合体の末端へのアリル基の導入方法としては、特開平3−152164号公報や特開平7−304909号公報に開示されているような、水酸基などの官能基を有する重合体に不飽和基を有する化合物を反応させて重合体に不飽和基を導入する方法があげられる。またハロゲン原子を有する重合体に不飽和基を導入するためにはアルケニルフェニルエーテルとのフリーデルクラフツ反応を行なう方法、ルイス酸存在下にアリルシラン系化合物等との置換反応を行なう方法、種々のフェノール類とのフリーデルクラフツ反応を行ない水酸基を導入した上でさらに前記のアルケニル基導入反応を行なう方法などがあげられる。
さらに米国特許第4316973号明細書、特開昭63−105005号公報、特開平4−288309号公報に開示されているように単量体の重合時に不飽和基を導入することも可能である。
これらの中でも、本発明においては、アリルシラン系化合物をアリル化剤として使用し、アリルシラン系化合物と塩素の置換反応により末端にアリル基を導入したものが、アリル基導入効率および導入されたアリル基の架橋反応に対する反応性の点から好ましい。
ただし、本発明において用いるアリルシラン系化合物には、その沸点に制限があり、用いる重合溶剤の沸点をTs(℃)(重合溶剤が2種以上からなるときは、その中で最も高い沸点をTsとする)、アリルシラン系化合物の沸点をTa(℃)とする場合に、下記式を満たす沸点Ta(℃)を有するアリルシラン系化合物を用いてアリル基導入反応を行うことを特徴とする。
(式) Ta >= Ts + 50
前記式を満たすアリルシラン系化合物を使用する限り、製造後、重合溶液中に微量残存しているアリルシラン系化合物は溶剤を蒸留する際に、高沸点成分として重合溶剤から容易に分離することができるようになるのである。
アリルシラン系化合物は、本発明のイソブチレン系ブロック共重合体の製造においては、重合阻害作用を示すため、可能な限り低濃度となるまで、分離・除去されることが好ましい。
重合溶剤中のアリルシラン系化合物の許容濃度としては、好ましくは100ppm以下であり、更に好ましくは50ppm以下である。
100ppmを超えて含まれる場合、イソブチレンモノマーや、芳香族ビニル系化合物を重合する際に、活性な重合体末端にアリル基が導入される為に、導入された重合体末端からの重合がもはや進行しなくなり、得られるポリマーの均質性が損なわれる。これは、設計通りの重合体が得られなくなり、ひいてはエラストマー材料としての機械物性低下を引き起こす為、重合溶剤を再利用できないことから好ましくない。
一方、上記式を満たすアリルシラン系化合物を用いた場合、副生するシロキサン系化合物も十分高い沸点を有することになり、同様に蒸留のみで重合溶剤から除去することができるため好ましい。
シロキサン系化合物も重合阻害作用を示す場合がある為、可能な限り低濃度となるまで分離・除去されることが好ましい。
重合溶剤中のシロキサン系化合物の許容濃度としては、好ましくは1重量%以下であり、更に好ましくは5,000ppm以下である。
1重量%以上であると、イソブチレンモノマーや、芳香族ビニル系化合物を重合する際に、連鎖移動反応が顕著になり、設計通りの重合体が得られない場合がある。この場合、エラストマー材料としての機械物性の低下が起こるため好ましくない。その他、製品中に前述のシロキサン化合物が残ってしまう場合があり、シロキサン化合物のアウトガス等が嫌われる用途に使用できなくなるなどの制限があるため、好ましくない。
本発明で用いることができるアリルシラン系化合物としては、アリルジメチルシラン、アリルトリメチルシラン、アリルトリエチルシラン、アリルトリプロピルシラン、アリルトリイソプロピルシラン、アリルトリブチルシラン、アリルトリフェニルシラン、アリルジメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、アリルジクロロシラン、アリルメチルジクロロシラン、アリルフェニルジクロロシラン、アリル(クロロプロピル)ジクロロシラン、アリルトリクロロシラン、ジアリルジメチルシラン、ジアリルジエチルシラン、ジアリルジプロピルシラン、ジアリルジブチルシラン、ジアリルジフェニルシラン、トリアリルメチルシラン、テトラアリルシラン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのケイ素化合物の中では、アリルトリメチルシラン、アリルトリエチルシラン、ジアリルジメチルシラン、ジアリルジエチルシラン、トリアリルメチルシラン、テトラアリルシランが入手性の点で好ましい。
入手性および反応性が良好であるという点で、更に好ましいのは、ジアリルジメチルシラン(沸点135℃)である。
アリルシラン系化合物の使用量は、ケイ素に結合しているアリル基と開始剤中の官能基数の比で表される数値((ケイ素に結合しているアリル基)/(開始剤中の官能基数))が、1以上となるようにするのが、樹脂中のアリル基導入率を高められる点で好ましい。すなわち、通常は、アリルシラン類が過剰となるように仕込むことが好ましい。好ましい範囲としては1.0〜30当量であり、より好ましくは、1.1〜10である。1.0当量以下では、アリル基導入率が低下し、アリル基が導入されない重合体末端が残存する。一方、30当量以上では、経済的に不利になる為好ましくない。
<重合溶剤>
本発明における重合反応および、重合体のアリル化反応は必要に応じて有機溶媒中で行うことができる。
本発明における有機溶媒としては下記式を満たす沸点を有する有機溶媒を用いる。すなわち、用いる重合溶剤の沸点をTs(℃)(重合溶剤が2種以上からなるときは、その中で最も高い沸点をTsとする)、アリルシラン系化合物の沸点をTa(℃)とする場合に、下記式を満たす沸点Ta(℃)を有する重合溶媒を用いて、重合およびアリル基導入反応を行うことを特徴とする。
(式) Ta >= Ts + 50
前記式を満たす重合溶媒を使用する限り、製造後に微量残存しているアリルシラン系化合物および副生するシロキサン化合物は重合溶剤を蒸留する際に、高沸点成分として重合溶剤から容易に分離することができ、重合溶剤の再利用を可能にするのである。
そのような重合溶媒としては、カチオン重合で一般的に使用される溶媒であれば特に限定されず、ハロゲン化炭化水素からなる溶媒、脂肪族炭化水素や芳香族炭化水素等の非ハロゲン系の溶媒又はこれらの混合物を用いることができる。上記ハロゲン化炭化水素としては、特に限定されず、塩化メチル、塩化メチレン、クロロエタン、ジクロロエタン、1−クロロプロパン、1−クロロ−2−メチルプロパン、1−クロロブタン、1−クロロ−2−メチルブタン、1−クロロ−3−メチルブタン、1−クロロ−2,2−ジメチルブタン、1−クロロ−3,3−ジメチルブタン、1−クロロ−2,3−ジメチルブタン、1−クロロペンタン、1−クロロ−2−メチルペンタン、1−クロロ−3−メチルペンタン、1−クロロ−4−メチルペンタン、1−クロロヘキサン、1−クロロ−2−メチルヘキサン、1−クロロ−3−メチルヘキサン、1−クロロ−4−メチルヘキサン、1−クロロ−5−メチルヘキサン、1−クロロヘプタン、1−クロロオクタン、2−クロロプロパン、2−クロロブタン、2−クロロペンタン、2−クロロペンタン、2−クロロヘキサン、2−クロロヘプタン、2−クロロオクタン、クロロベンゼン等が使用でき、これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用できる。本発明で使用できる脂肪族及び/又は芳香族系炭化水素としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、2−メチルプロパン、2−メチルブタン、2,3,3−トリメチルペンタン、2,2,5−トリメチルヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、パラフィン油、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、ブチルベンゼン等が挙げられ、これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用可能である。なかでも、炭素数3〜5のモノハロゲン化炭化水素と脂肪族炭化水素との混合溶媒を用いることが、イソブチレン系ブロック共重合体の溶解性、経済性の点から好ましく、1−クロロプロパン(沸点46−47℃)、1−クロロブタン(沸点77−78℃)とヘキサン(沸点69℃)、シクロヘキサン(沸点80.7℃)の組み合わせが溶解性、経済性、反応性、後処理工程での蒸留のしやすさの点から最適である。
前記有機溶媒は、本発明のアリル基を末端に有するイソブチレン系重合体溶液の粘度や除熱の容易さを考慮して、得られる重合体の濃度が1〜50重量%となるように設定するのが好ましく、より好ましくは、3〜35重量%である。
本発明において、再利用重合溶剤とは、上述した特定の沸点を有するアリルシラン系化合物を用いてアリル基を末端に有するイソブチレン系重合体の製造を行った際に得られる重合溶液から分離および蒸留による精製を行って得られる溶剤のことを言う。
更に、本発明における重合溶剤は、アリルシラン系化合物が100ppm以下の量含まれている重合溶剤である。含有するアリルシラン系化合物の濃度が100ppm以下に制限されていれば、次の重合の為の溶媒として用いても、設計通りの製品が得られる。
一方、アリルシラン系化合物が100ppmを超えて含有されるような重合溶剤を用いると、イソブチレンやスチレンのカチオン重合を阻害する影響が顕著になってくるために好ましくない。
前記再利用重合溶剤は、再びアリル基を末端に有するイソブチレン系重合体の製造に使用するのみならず、2度以上の繰り返し利用に用いることが好ましい。
本発明における重合溶剤は、重合後に回収し蒸留精製を経て得られたものであれば、そのまま次の重合に使用することが可能であるが、新しく準備した重合溶剤と混合して使用することもできる。その場合は、再利用重合溶媒が30〜100重量%、新しく準備した重合溶剤が0〜70重量%の組合せとすることが好ましい。
再利用重合溶剤を使用する割合は、前述したようにアリルシラン系化合物の含有量が100ppm以下となるように決定すればよいが、好ましくは50重量%以上、より好ましくは80重量%することが経済性および環境負荷の面から好ましい。再利用重合溶剤を30重量%以下しか使用しない場合は、経済性および環境負荷の面で好ましくない。
一方、上述したように、アリルシラン系化合物が100ppm以上含有される重合溶剤を新しく準備した重合溶剤で希釈すれば、次の重合の為の重合溶剤として使用することもできる。その場合は、アリルシラン系化合物の濃度が100ppm以下となるような比率で混合すればよい。
回収した重合溶剤は、次の生産に再利用することで、コストの点と環境負荷の点において有用である。次の生産に使用するためには、重合を阻害する不純物、すなわち、アリルシラン系化合物とシロキサン系化合物を溶媒から除去しておく必要がある。これらを除去しておく必要がある理由としては、前述したとおりである。
その他、重合を阻害する可能性があるものとしては、水分が考えられる。水分は、一般的な脱水剤である塩化カルシウムやモレキュラーシーブス等の添加でも除去することは可能であるが、蒸留によっても精製が可能である。
重合溶剤をより高度に精製するには、蒸留による方法が挙げられる。蒸留であれば、沸点に差異のある不純物はほぼ除去することが可能である。蒸留はバッチ蒸留でも連続蒸留でもよい。
例えば、バッチ蒸留の場合には、蒸留初期の塔頂留出液を抜き出すことにより低沸点不純物を除去し、蒸留後の塔底残存液を抜き出すことにより高沸点不純物を除去することができる。連続蒸留の場合には、除去対象不純物の種類によって、1本あるいは複数本の蒸留塔により、不純物が除去可能である。
本発明における回収した重合溶剤は、前述のアリル基を末端に有するイソブチレン系ブロック共重合体やアリル基を末端に有するイソブチレン系重合体、または他のイソブチレン系ブロック共重合体やイソブチレン系重合体の製造に使用可能である。
<製造方法>
本発明のアリル基を末端に有するイソブチレン系ブロック共重合体を製造するための重合方法としては特に限定されず、例えば、下記一般式(1)で表される化合物の存在下で、イソブチレンを主成分とする単量体成分及びイソブチレンを主成分としない単量体成分を共重合させる方法等が挙げられる。
(CR12 X)n R3 (1)
式中、Xは、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシル基及び炭素数1〜6のアシロキシル基からなる群より選択される置換基を表す。R1 及びR2 は、それぞれ、水素原子又は炭素数1〜6の1価の炭化水素基を表す。R1 及びR2 は、同一であっても異なっていてもよい。また、複数存在するR1 及びR2 は、それぞれ、同一であっても異なっていてもよい。R3 は、n個の置換基(CR12X)を有することができる多価の芳香族炭化水素基又は多価の脂肪族炭化水素基を表す。nは、1〜6の自然数を表す。
上記ハロゲン原子としては、例えば、塩素、フッ素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。上記炭素数1〜6のアルコキシル基としては特に限定されず、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−又はイソプロポキシ基等が挙げられる。上記炭素数1〜6のアシロキシ基としては特に限定されず、例えば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基等が挙げられる。上記炭素数1〜6の炭化水素基としては特に限定されず、例えば、メチル基、エチル基、n−又はイソプロピル基等が挙げられる。
上記一般式(1)で表わされる化合物は重合開始剤となるもので、ルイス酸等の存在下で炭素陽イオンを生成し、カチオン重合の開始点になると考えられる。本発明で用いられる一般式(1)の化合物の例としては、次のような化合物等が挙げられる。(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン[C65 C(CH32 Cl]、1,4−ビス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン[1,4−Cl(CH32 CC64 C(CH32 Cl]、1,3−ビス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン[1,3−Cl(CH32 CC64 C(CH32 Cl]、1,3,5−トリス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン[1,3,5−(ClC(CH32363 ]、及び、1,3−ビス(1−クロル−1−メチルエチル)−5−(tert−ブチル)ベンゼン[1,3−(C(CH32Cl)2 −5−(C(CH33 )C63]。
これらの中でより好ましいものは、1−クロル−1−メチルエチルベンゼン[C65 C(CH32Cl]、ビス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン[C64 (C(CH32 Cl)2 ]、及び、トリス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン[(ClC(CH32363 ]である。[なお、1−クロル−1−メチルエチルベンゼンは、α−クロロイソプロピルベンゼン、2−クロロ−2−プロピルベンゼン又はクミルクロライドとも呼ばれる。ビス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼンは、ビス(α−クロロイソプロピル)ベンゼン、ビス(2−クロロ−2−プロピル)ベンゼン又はジクミルクロライドとも呼ばれる。トリス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼンは、トリス(α−クロロイソプロピル)ベンゼン、トリス(2−クロロ−2−プロピル)ベンゼン又はトリクミルクロライドとも呼ばれる。]
上記重合反応においては、更にルイス酸触媒を共存させることができる。このようなルイス酸触媒としてはカチオン重合に使用できるものであれば特に限定されず、例えば、TiCl、TiBr、BCl、BF、BF ・OEt、SnCl、SbCl 、SbF 、WCl 、TaCl 、VCl、FeCl、ZnBr 、AlCl 、AlBr等の金属ハロゲン化物;EtAlCl、EtAlCl等の有機金属ハロゲン化物等が挙げられる。なかでも、触媒としての能力、工業的な入手の容易さを考えた場合、TiCl、BCl、SnClが好ましい。上記ルイス酸触媒の使用量としては特に限定されず、使用する単量体の重合特性、重合濃度、所望する重合時間や系中の発熱挙動等を鑑みて任意に設定することができる。好ましくは、上記(I)式で表される化合物に対して、0.1〜100倍モルの範囲で用いられ、より好ましくは0.2〜80倍モルの範囲である。
上記重合反応においては、更に必要に応じて電子供与体成分を共存させることもできる。上記電子供与体成分は、カチオン重合に際して、成長末端の炭素カチオンを安定化させる効果があるものと考えられており、分子量分布の狭くかつ構造が制御された重合体を得ることができる。上記電子供与体成分としては特に限定されず、例えば、ピリジン類、アミン類、アミド類、スルホキシド類、エステル類、金属原子に結合した酸素原子を有する金属化合物等が挙げられる。
上記電子供与体成分としては、種々の化合物の電子供与体(エレクトロンドナー)としての強さを表すパラメーターとして定義されるドナー数が15〜60であるものとして、通常、具体的には、2,6−ジ−t−ブチルピリジン、2−t−ブチルピリジン、2,4,6−トリメチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、2−メチルピリジン、ピリジン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチルエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル、リン酸トリメチル、ヘキサメチルリン酸トリアミド、チタン(III)メトキシド、チタン(IV)メトキシド、チタン(IV)イソプロポキシド、チタン(IV)ブトキシド等のチタンアルコキシド;アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリブトキシド等のアルミニウムアルコキシド等が使用できるが、好ましいものとして、2,6−ジ−t−ブチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、2−メチルピリジン、ピリジン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、チタン(IV)イソプロポキシド、チタン(IV)ブトキシド等が挙げられる。上記種々の物質のドナー数については、「ドナーとアクセプター」、グードマン著、大瀧、岡田訳、学会出版センター(1983)に示されている。これらの中でも、添加効果が顕著である2−メチルピリジン、反応系が均一となるチタン(IV)イソプロポキシドが特に好ましい。
上記電子供与体成分は、通常、上記重合開始剤に対して0.01〜10倍モル用いられ、0.2〜4倍モルの範囲で用いられるのが好ましい。
実際の重合反応を行うにあたっては、冷却下、例えば、−100℃以上0℃未満の温度で各成分を混合する。エネルギーコストと重合反応の安定性から、より好ましい温度範囲は、−80℃〜−30℃である。
本発明のアリル基を末端に有するイソブチレン系ブロック共重合体を製造する場合、ルイス酸、重合開始剤、電子供与体成分、単量体成分等の添加方法及び添加順序等は特に限定されるものではないが、好ましい方法としては、例えば、(1)重合開始剤及びルイス酸からなる開始剤系と電子供与体成分との存在下に、イソブチレンを主成分とする単量体成分(a)を重合する工程、(2)次いで反応系に芳香族ビニル系単量体成分(b)を添加して重合する工程、(3)実質的に重合が終了した段階で、アリルシラン系化合物を添加して、アリル基を導入する工程からなる製造方法が、操作が簡便であるという点で推奨される。
該製造方法は、工程(1)で、イソブチレンを主成分とする単量体成分(a)の重合が実質的に終了してから、芳香族ビニル系単量体成分(b)を添加するのが一般的であるが、芳香族ビニル系単量体成分(b)としてイソブチレンよりもカチオン重合活性の低い単量体を使用する場合には、工程(1)で、イソブチレンを主成分とする単量体成分(a)の重合が実質的に終了する前に、芳香族ビニル系単量体成分(b)を添加しても、ブロック共重合体の合成が可能である。また、芳香族ビニル系単量体成分(b)として、イソブチレンとほぼ同等のカチオン重合活性を有し、かつ、共重合可能な単量体を使用する場合には、工程(1)で、イソブチレンを主成分とする単量体成分(a)の重合が実質的に終了する前に芳香族ビニル系単量体成分(b)を添加すれば、分子鎖の一部にランダム性のある重合体ブロックを有するブロック共重合体等を製造することが可能である。
アリル基を導入する反応は、各単量体を重合する条件と同様に、冷却下、例えば、−100℃以上0℃未満の温度で各成分を混合する。エネルギーコストと重合反応の安定性から、より好ましい温度範囲は、−80℃〜−30℃である。
アリル基を導入する反応は、各単量体を重合する条件と同様に、必要に応じて有機溶媒中で行うことができ、その際に推奨される溶媒としては前述したものが候補として挙げられる。
以下、実施例にて本発明をさらに詳しく説明するが、これらの実施例によって本発明は何ら限定されるものではない。
(分子量測定)
下記実施例中、「数平均分子量」、「重量平均分子量」および「分子量分布(重量平均分子量と数平均分子量の比)」は、サイズ浸透クロマトグラフィー(SEC)を用いた標準ポリスチレン換算法により算出した。測定装置としては、Waters社製510型GPCシステムを用いて、クロロホルムを移動相とし、カラム温度35℃の条件下にて、ポリマー濃度が4mg/mlである試料溶液をGPCに注入することで測定した。ポリスチレンを標準試料として用いた。
(アリル基導入数)
得られた重合体のプロトンNMRスペクトル(測定装置:Bruker社製AVANCEシリーズ、400MHz核磁気共鳴装置、測定溶媒:クロロホルム)の、イソブチレン基の積分比と、アリル基の積分比から、重合体一分子あたりに導入されたアリル基の数を求めた。
(引張強度:Tb、100%伸長時モジュラス:M100)
JIS K 6251に準拠し、試験片としてシートをダンベルで7号型に打抜いたものを用意し、これを測定に使用した。引張速度は200mm/分とした。
(引張伸び:Eb)
JIS K 6251に準拠し、試験片としてシートをダンベルで7号型に打抜いたものを用意し、これを測定に使用した。引張速度は200mm/分とした。
(硬度)
JIS K6253に準拠し、スプリング式のタイプAデュロメータで硬度(以下、JIS−A硬度と略す)を測定した。硬度は測定直後の数値を採用した。なお、試験片は12.0mm厚プレスシートを用いた。
(圧縮永久歪)
JIS K 6262に準拠し、試験片は12.0mm厚プレスシートを使用した。70℃×22時間、25%変形の条件にて測定した。
(溶剤リサイクル性)
上記引張強度の測定値を基に算出した。すなわち、製造例1で得られた樹脂の引張強度に対する、製造例2〜5で得られた樹脂の引張強度の比を計算し、70%以上の引張強度保持率を示す場合は溶剤のリサイクルが可能であるとし、「○」と表した。一方、70%以下の保持率しか示さない場合、該重合溶剤を用いて重合することは製品物性の低下が著しいことから、溶剤リサイクルは不可能であるとし、「×」とした。
(製造例1)
500mLのセパラブルフラスコの容器内を窒素置換した後、注射器を用いて、塩化ブチル(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)187mL及びヘキサン(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)15.5mLを加え、重合容器を−75℃のドライアイス/アセトンバス中に浸して冷却した後、イソブチレンモノマー72.7mL(770mmol)が入っている三方コック付耐圧ガラス製液化採取管にテフロン(登録商標)製の送液チューブを接続し、重合容器内にイソブチレンモノマーを窒素圧により送液した。次に、p−ジクミルクロライド0.121g(0.523mmol)及びα−ピコリン0.0995g(1.07mmol)を加えた。次に四塩化チタン0.82mL(7.46mmol)を加えて重合を開始した。重合開始から60分間同じ温度で撹拌を行った後、ガスクロマトグラフィー法によりイソブチレンの消費率を求めたところ、99%に達していることが確認された。その後、スチレンモノマー10.5ml(91.2mmol)を添加した。その後、ガスクロマトグラフィーによってスチレンモノマーの消費量を経時的に測定し、スチレンモノマーが仕込量の80%消費されたことを確認できた時点で、反応溶液全体を60度に加熱している純水500mlに注ぎ込み、30分間メカニカルスターラーを使用して激しく撹拌することで、重合を停止させた。次に、純水500mlで洗浄を3回繰り返した。その後、加熱真空オーブン内で溶剤等の揮発分を留去し、乾燥させることで、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体を得た。
続けて、製造例1で得られたポリマー40gと老化防止剤(製品名:AO−50、株式会社アデカ社製)0.08g、および無機塩(製品名:アルカマイザー1、協和化学工業社製)0.2gを測り取り、ラボプラストミル(東洋精機製作所製)で170度、50rpmの条件下で9分間混練し、次の1分間で230度/真空下に脱泡した。その後、樹脂組成物を払い出した。次に、得られた樹脂組成物を170度でプレスして、2mm厚のシート状試験片を作成した。得られた2mm厚シート状試験片からダンベル状試験片を打ち抜き、これを用いてポリマーの機械物性を測定した。その結果を表1に示す。
(製造例2)
予めジアリルジメチルシラン6.6μl(溶剤中の濃度として25ppm)を重合溶液に加えてから、重合を開始したこと以外は製造例1と同様にして重合を行い、ポリマーを得た。次いで製造例1と同様にして2mm厚シートを作成し、機械物性を評価した。更に、H‐NMR測定により、ポリマー末端に導入されたアリル基数を測定した。結果を表1に示す。
(製造例3)
予めジアリルジメチルシラン13.1μl(溶剤中の濃度として50ppm)を重合溶液に加えてから、重合を開始したこと以外は製造例1と同様にして重合を行い、ポリマーを得た。次いで製造例1と同様にして2mm厚シートを作成し、機械物性を評価した。更に、H‐NMR測定により、ポリマー末端に導入されたアリル基数を測定した。結果を表1に示す。
(製造例4)
予めジアリルジメチルシラン26.2μl(溶剤中の濃度として100ppm)を重合溶液に加えてから、重合を開始したこと以外は製造例1と同様にして重合を行い、ポリマーを得た。次いで製造例1と同様にして2mm厚シートを作成し、機械物性を評価した。更に、H‐NMR測定により、ポリマー末端に導入されたアリル基数を測定した。結果を表1に示す。
(製造例5)
予めジアリルジメチルシラン52.5μl(溶剤中の濃度として200ppm)を重合溶液に加えてから、重合を開始したこと以外は製造例1と同様にして重合を行い、ポリマーを得た。次いで製造例1と同様にして2mm厚シートを作成し、機械物性を評価した。更に、H‐NMR測定により、ポリマー末端に導入されたアリル基数を測定した。結果を表1に示す。
表1に示すように、重合溶剤中に含まれるジアリルジメチルシランの量が100ppm以下であれば、得られるスチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体は許容され得る範囲の物性を保持していることがわかる。一方、200ppmのジアリルジメチルシランを含有する重合溶剤で重合を実施すると、得られるスチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体は物性低下が著しいことがわかる。従って、重合溶剤中のジアリルジメチルシランの含有量が100ppm以下である場合に、重合溶剤の再利用が可能になることがわかる。
(実施例1)
5Lのセパラブルフラスコの容器内を窒素置換した後、注射器を用いて、塩化ブチル(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)2353mL及びヘキサン(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)262mLを加え、重合容器を−75℃のドライアイス/アセトンバス中に浸して冷却した後、イソブチレンモノマー855mL(10.5mol)が入っている三方コック付耐圧ガラス製液化採取管にテフロン(登録商標)製の送液チューブを接続し、重合容器内にイソブチレンモノマーを窒素圧により送液した。次に、p−ジクミルクロライド3.51g(15.2mmol)及びα−ピコリン0.849g(9.11mmol)を加えた。次に四塩化チタン7.08mL(64.5mmol)を加えて重合を開始した。重合開始から60分間同じ温度で撹拌を行った後、ガスクロマトグラフィー法によりイソブチレンの消費率を求めたところ、99%に達していることが確認された。その後、スチレンモノマー215ml(2.02mmol)を添加した。その後、ガスクロマトグラフィーによってスチレンモノマーの消費量を経時的に測定し、スチレンモノマーが仕込量の85%消費されたことを確認できた時点で、ジアリルジメチルシラン8.3mL(45.6mmol)と、四塩化チタン14.2mL(129mmol)を加えた。その後、同じ温度で3時間撹拌を続けた。次いで、反応溶液全体を60度に加熱している純水5Lに注ぎ込み、30分間メカニカルスターラーを使用して激しく撹拌することで、重合を停止させた。次に、純水5Lで洗浄を3回繰り返した。その後、加熱下に溶剤等の揮発分を留去し、乾燥させることで、アリル基を末端に有するスチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体720gを得ると共に、重合に使用した溶剤2189gを回収した。
得られたポリマーの数平均分子量は68,100、分子量分布は1.39であった。更に、末端に導入されたアリル基数は1.8個であった。
この回収された重合溶剤中に含まれるジアリルジメチルシランとスチレンの濃度をガスクロマトグラフィーによって測定したところ、それぞれ907ppmおよび6096ppmであった。
次に、回収された重合溶剤1290gを測り取り、2L丸底フラスコ、スニダー型分留管(長さ20cm、直径26mm、5球のもの)、蒸留頭部、リービッヒ冷却器、回収用ナスフラスコ、オイルバスからなる蒸留装置を用いて、還流比2の条件で蒸留を行った。初留(1重量%)と蒸留残渣(3重量%)を除去し、それら以外の本留(96重量%)を再利用溶剤として得た。
次に、得られた再利用溶剤中に含まれるジアリルジメチルシランとスチレンの濃度をガスクロマトグラフィーによって測定したところ、それぞれ0.4ppmおよび0ppmであった。
次に、得られた再利用溶剤(ジアリルジメチルシランが0.4ppm含有されるもの)を用いたこと以外は製造例1と同様に重合を行い、ポリマーを得た。次いで製造例1と同様に2mm厚シートを作成し、機械物性を評価した。更に、H‐NMR測定により、ポリマー末端に導入されたアリル基数を測定した。結果を表2に示す。
表2より、本発明の再利用溶剤を用いれば、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体は設計通りに製造できることがわかる。すなわち、アリル基導入量はH‐NMR測定の検出限界以下であり、更に、得られたポリマーの機械物性もジアリルジメチルシランを含有しない溶剤を使用した時と同等の値が得られることがわかる。従って、本発明の製造方法によれば、蒸留という至極簡便な方法によって重合溶剤が再利用可能になることがわかる。
次に、実施例1で得られたアリル基を末端に有するスチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体を用いて動的架橋組成物を作成し、物性を評価した。すなわち、ポリプロピレン5.3g(プライムポリマー社製、グレード名J−215W)を180度、100rpmで混練しているところに、アリル基を末端に有するスチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体21gと酸化防止剤0.11g(チバスペシャルティケミカルズ社製、グレード名Irganox1010)を加えた。次に、ポリブテンオイル12.6g(出光興産社製、グレード名100R)をゆっくり加えた。次いで、架橋剤0.315g(モメンティブパフォーマンスマテリアルズ社製、グレード名TSF484)および、白金触媒0.011g(ユミコア社製、グレード名Pt−VTSC−3.0X)を加えた。そのままの温度および回転数で撹拌を続け、ラボプラストミル(東洋精機製作所製)の指示トルクが最大値となるまで撹拌を続けた。指示トルクが最大値を示したことを確認した後、次の1分間で230度/真空下に脱泡した。その後、樹脂組成物を払い出した。次に、得られた樹脂組成物を200度でプレスして、2mm厚および12mm厚のシート状試験片を作成した。得られた2mm厚シート状試験片からダンベル状試験片を打ち抜き、これを用いて動的架橋組成物の引張物性を測定した。更に、12mm厚試験片を用いて圧縮永久歪を評価した。その結果を表4に示す。
(実施例2)
実施例1のアリル基を末端に有するスチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体の製造において回収された再利用溶剤(ジアリルジメチルシランが0.4ppm含有されるもの)を用いたこと以外は実施例1のアリル基を末端に有するスチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体の製造と同様に重合を行い、末端にアリル基を有するイソブチレン系ブロック共重合体を得た。
得られたポリマーの数平均分子量は62,124、分子量分布は1.30であった。更に、末端に導入されたアリル基数は1.7個であった。
次に、実施例1と実施例2で得られたアリル基を末端に有するスチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体の機械物性を測定し比較した。すなわち、実施例1および実施例2で得られたポリマー40gと老化防止剤(製品名:AO−50、株式会社アデカ社製)0.08g、および無機塩(製品名:アルカマイザー1、協和化学工業社製)0.2gを測り取り、ラボプラストミル(東洋精機製作所製)で170度、50rpmの条件下で9分間混練し、次の1分間で230度/真空下に脱泡した。その後、樹脂組成物を払い出した。
次に、得られた樹脂組成物を170度でプレスして、2mm厚のシート状試験片を作成した。得られた2mm厚シート状試験片からダンベル状試験片を打ち抜き、これを用いてポリマーの機械物性を測定した。その結果を表3に示す。
次に、実施例2で得られたアリル基を末端に有するスチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体を用いたこと以外は実施例1と同様にして動的架橋組成物を作成し、物性を測定した。結果を表4に示す。
表3より、本発明の再利用溶剤を用いれば、アリル基を末端に有するスチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体は設計通りに製造できることがわかる。すなわち、アリル基導入量はジアリルジメチルシランを含有しない重合溶剤を用いた場合と同等であり、更に、得られたポリマーの機械物性もジアリルジメチルシランを含有しない溶剤を使用した時と同等の値が得られることがわかる。
更に、表4において、実施例1および実施例2の動的架橋組成物の物性比較から、本発明の再利用溶剤を用いて製造されたアリル基を末端に有するスチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体を用いれば、ジアリルジメチルシランを含有しない重合溶剤で製造されたアリル基を末端に有するスチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体を用いた場合と同等の物性を有する動的架橋組成物が得られることがわかる。
従って、本発明の製造方法によれば、蒸留という至極簡便な方法によって重合溶剤が再利用可能であることがわかる。

(実施例3)
実施例1のアリル基を末端に有するスチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体の製造において回収された再利用溶剤(ジアリルジメチルシランが0.4ppm含有されるもの)を用いて、両末端にアリル基を有するイソブチレン系重合体を製造した。
500mLのセパラブルフラスコの容器内を窒素置換した後、注射器を用いて、塩化ブチル(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)139mL及びヘキサン(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)15.4mLを加え、重合容器を−75℃のドライアイス/アセトンバス中に浸して冷却した後、イソブチレンモノマー100mL(1.06mol)が入っている三方コック付耐圧ガラス製液化採取管にテフロン(登録商標)製の送液チューブを接続し、重合容器内にイソブチレンモノマーを窒素圧により送液した。次に、p−ジクミルクロライド0.307g(1.33mmol)及びα−ピコリン0.0989g(1.06mmol)を加えた。次に四塩化チタン0.54mL(4.94mmol)を加えて重合を開始した。ガスクロマトグラフィー法によりイソブチレンの消費率を経時的に求め、消費率が99%に達していることが確認された後に、ジアリルジメチルシラン0.27ml(1.46mmol)を加え、同じ温度で3時間撹拌を続けた。その後、反応溶液全体を60度に加熱している純水500mLに注ぎ込み、30分間メカニカルスターラーを使用して激しく撹拌することで、重合を停止させた。次に、純水500mLで洗浄を3回繰り返した。その後、加熱下に溶剤等の揮発分を留去し、乾燥させることで、両末端にアリル基を有するイソブチレン系共重合体56gを得た。
得られたポリマーの数平均分子量51,489は、分子量分布1.16はであった。更に、末端に導入されたアリル基数は2.0個であった。
実施例3の結果から、本発明の製造方法によれば、設計通りのアリル基を末端に有するポリイソブチレン系重合体が得られることから、蒸留という簡便な方法により重合溶剤が再利用可能になる事がわかる。
Figure 0006298281
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Claims (5)

  1. アリルシラン系化合物を用いてアリル基導入反応を行うことにより得られるアリル基を末端に有するイソブチレン系重合体の製造方法であって、重合溶剤の沸点をTs(℃)(重合溶剤が2種以上からなるときは、その中で最も高い沸点をTsとする)、アリルシラン系化合物の沸点をTa(℃)とする場合に、下記式を満たす沸点Ta(℃)を有するアリルシラン系化合物を用い
    アリルシラン系化合物が、アリルトリエチルシラン、ジアリルジメチルシラン、ジアリルジエチルシラン、トリアリルメチルシラン及びテトラアリルシランからなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とするアリル基を末端に有するイソブチレン系重合体の製造方法。
    (式) Ta >= Ts + 50
  2. アリルシラン系化合物が、ジアリルジメチルシランであることを特徴とする請求項1に記載のアリル基を末端に有するイソブチレン系重合体の製造方法。
  3. 重合溶剤が、再利用重合溶剤30〜100重量%と新しく準備した重合溶剤0〜70重量%の組合せからなることを特徴とする請求項1または2に記載のアリル基を末端に有するイソブチレン系重合体の製造方法。
  4. 100ppm以下のアリルシラン系化合物を含有する重合溶剤を用いることを特徴とする請求項3に記載のアリル基を末端に有するイソブチレン系重合体の製造方法。
  5. アリル基を末端に有するイソブチレン系重合体が、イソブチレン系ブロック共重合体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のアリル基を末端に有するイソブチレン系重合体の製造方法。
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