JPWO2006059485A1 - 燃料電池用電極触媒、燃料電池用電極及び燃料電池 - Google Patents

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Abstract

本発明は、触媒の利用効率が高められた燃料電池用電極触媒の提供であり、更に該触媒を用いた燃料電池用電極及び燃料電池を提供する。この燃料電池用電極触媒は、一部あるいは全てが硫黄元素あるいは窒素元素を構成原子とする官能基を少なくとも一つと少なくとも一つのプロトン受容性の基とを分子内に有する化合物が金属触媒に吸着していることを特徴とする。

Description

本発明は燃料電池用電極触媒、燃料電池用電極及び燃料電池に関する。
近年の情報化社会の到来とともに、パーソナルコンピュータ等の電子機器で扱う情報量が飛躍的に増大し、それに伴い、電子機器の消費電力も著しく増加してきた。特に、携帯型の電子機器では、処理能力の増加に伴って、消費電力の増加が問題となっている。現在、この様な携帯型の電子機器では、一般的にリチウムイオン電池が電源として用いられているが、リチウムイオン電池のエネルギー密度は理論的に限界に近づいている。
この様な状況のなかで、リチウムイオン電池に代えて、エネルギー密度が大きく、熱交換率の高い燃料電池を電子機器の電源として用いることにより、携帯型の電子機器の連続使用期間が大幅に向上することが期待されている。
燃料電池には、固体高分子型燃料電池、りん酸型燃料電池、溶融炭酸塩型燃料電池、固体酸化物型燃料電池等がある。これらの中でも、固体高分子型燃料電池は、作動温度が低く、電解質が固体(高分子の薄膜)であるという利点がある。固体高分子形燃料電池は、メタノールを改質器により水素に変換する改質型と、改質器を用いずに直接メタノールを使用する直接型(DMFC、Direct Methanol Polymer Fuel Cell)の二つに大別される。DMFCは改質器が不要であるため、小型、軽量化が可能であり、来るべきユビキタス社会に向けた個人用の携帯情報端末(PDA、Personal Digital Assistance)等の電池や専用バッテリーとして、その実用化が期待されている。
DMFCは、電解質膜にプロトン伝導性固体高分子膜を用い、この電解質膜を介して、拡散層となる多孔性カーボンペーパー上に触媒を塗布してなるアノード極とカソード極を接合し、アノード極側には燃料としてのメタノール水溶液を供給するための流路溝を有するアノード極側セパレータが設けられ、カソード極側には酸化剤ガスとしての空気を供給するための流路溝を有するカソード極側セパレータが設けられた構造となっているのが一般的である。
アノード極にメタノール水溶液を供給し、カソード極に空気を供給すると、アノード極ではメタノールと水との酸化反応によって炭酸ガスが生成すると共に水素イオンと電子が放出され(CH3OH+H2O→CO2+6H++6e-)、カソード極では電解質膜を通過してきた前記水素イオンと空気との還元反応によって水が生成して(6H++(3/2)O2+6e-→3H2O)、アノード極とカソード極を繋ぐ外部回路に電気エネルギーを得ることができる。従って、DMFCの全反応はメタノールと酸素から水と二酸化炭素が生成する反応である。
一般に、アノード極とカソード極は、白金などの金属触媒とカーボンブラックなどの導電性カーボンまたは触媒担持カーボン及び高分子電解質を含む混合体によって構成される。燃料電池用電極に使用する白金触媒のコストは燃料電池全体の数十%を占めるので、燃料電池のコストを下げるためには、使用する白金触媒量を低減することが必要である。
一方、従来の触媒層の作製法では、触媒層として使用した白金のうちの20〜30%しか電極反応に関与していなく、実用化に対し大きな課題となっている。この課題の理由の一つに、分解反応を起こす触媒表面と生成したプロトンが移動する移動経路が近接していないことが挙げられる。移動経路とは、プロトン受容性の基を有する材料がそれを担い、該材料を触媒近傍に選択的に存在させれば触媒利用効率が上がり出力向上が期待される。
反応後のプロトン伝導は、高分子電解質が接触する3相界面でのみ起こる。3相界面に燃料が供給され、反応後にカーボンが電子を伝導し、高分子電解質がプロトンを伝導する。しかし、従来の触媒層の作製法では白金触媒の周辺に高分子電解質が存在する割合が小さいので、速やかな物質移動が行われ難い環境にある。
触媒の利用率を高めるため、コアの触媒金属をコアの触媒金属とは異なる触媒金属で被覆したコアシェルタイプの触媒金属を用いると共に、高分子電解質のプロトン伝導経路に接するカーボン粒子の表面に担持された触媒金属量を全触媒金属量の50質量%以上とする技術(例えば、特許文献1参照。)、触媒担持カーボンのカーボンとして、スルホン酸基のような水素イオン解離が可能な有機基を有するカーボンを用いる技術(例えば、特許文献2参照。)、カーボンブラックの一次粒子の表面に、少なくとも一つのイオン性官能基を持つカーボン材料に触媒を担持した電極触媒(例えば、特許文献3参照。)が開示されている。
また、高分子電解質と触媒を十分且つ均一に接触させ、電極内部の反応面積を増大させるために、水素イオン伝導性高分子電解質の分子長を30〜200nmとし、これを触媒担持カーボンと溶媒を介して混合するとき、溶媒の誘電率を適切に選択することが重要であることが開示されている(例えば、特許文献4参照。)。
また、触媒粒子、他の粒子及び多孔質膜から選ばれる表面に、電解質として機能するイオン伝導性官能基を含む分子が化学結合させた技術(例えば、特許文献5参照。)。
更に、白金触媒の利用効率を高める技術として、モノマーをカーボン表面で反応させて化学結合させることにより、電解質ポリマーをカーボン表面に固定化したグラフト化白金担持触媒が開示されている(例えば、非特許文献1参照。)。
これらの技術では、必ずしも触媒近傍にプロトン移動経路が作製されず、効率向上巾が小さい。従って、プロトン伝導経路が有効に作製され、かつ触媒利用率が高い電極の開発が望まれている。
特開2001−118582号公報 特開2004−79420号公報 特開2004−22346号公報 特開2002−63912号公報 特開2004−172098号公報 次世代燃料電池の技術開発報告会要旨集(平成15年12月14日)独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構 燃料電池・水素技術開発部
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、触媒の利用効率が高められた燃料電池用電極触媒の提供であり、更に該触媒を用いた燃料電池用電極及び燃料電池を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記構成により達成された。
1.一部あるいは全てが硫黄元素あるいは窒素元素を構成原子とする官能基を少なくとも一つと、少なくとも一つのプロトン受容性の基とを分子内に有する化合物が、金属触媒に吸着していることを特徴とする燃料電池用電極触媒。
2.前記一部あるいは全てが硫黄元素あるいは窒素元素を構成原子とする官能基を少なくとも一つと、少なくとも一つのプロトン受容性の基とを分子内に有する化合物が、下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする前記1に記載の燃料電池用電極触媒。
(式中、Zは一部あるいは全てが硫黄元素あるいは窒素元素を構成原子とする官能基を表し、Lはm+n価の連結基であり、Aはプロトン受容性の基を表す。kはZ基の価数を表し、kが1以外の基であるときA、L及びmは各々同じでも異なっていてもよい。m及びnは各々1〜5の整数を表し、m及びnが1以外の整数であるとき、A及びZは各々同じでも異なった基であってもよい。)
3.前記一部あるいは全てが硫黄元素あるいは窒素元素を構成原子とする官能基を少なくとも一つと、少なくとも一つのプロトン受容性の基とを分子内に有する化合物が、下記一般式(2)または(3)で表される化合物であることを特徴とする前記1に記載の燃料電池用電極触媒。
(式中、A、Z、m及びnは各々前記一般式(1)のそれらと同義であり、Q1は環状の基を表し、L1はn+1価の連結基を表し、L2はm+1価の基を表し、pは1〜10の整数を表す。k1はZ基の価数を表し、k1が1以外の基であるときA、L1、Q1及びmは各々同じでも異なっていてもよい。)
4.前記一部あるいは全てが硫黄元素あるいは窒素元素を構成原子とする官能基を少なくとも一つと、少なくとも一つのプロトン受容性の基とを分子内に有する化合物が、下記一般式(4)または(5)で表される化合物であることを特徴とする前記1に記載の燃料電池用電極触媒。
(式中、A、Z、m、n及びQ1は各々前記一般式(2)及び一般式(3)のそれらと同義であり、L3は単なる結合手あるいは2価の連結基を表し、Q2は前記一般式(2)のQ1と同義であり、q1はQ2で表される環状の基の価数を表し、q2はQ1で表される環状の基の価数を表す。k2はZ基の価数を表し、k2が1以外の基であるときA、L3、Q1、Q2、m、q1及びq2は各々同じでも異なっていてもよい。)
5.前記一般式(1)〜(5)におけるZが、Ra−S−基、Ra−S−S−基、HS−基または(Rb)(Rc)N−基(Raはアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基または複素環基を表し、Rb及びRcは各々水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基または複素環基を表す。)であることを特徴とする前記2〜4のいずれか1項に記載の燃料電池用電極触媒。
6.前記一般式(1)〜(5)におけるAが、カルボキシル基、リン酸基、亜リン酸基またはスルホン酸基であることを特徴とする前記2〜5のいずれか1項に記載の燃料電池用電極触媒。
7.前記金属触媒が、白金、金、銀、銅及びルテニウムから選ばれる少なくとも一つの元素を含有することを特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載の燃料電池用電極触媒。
8.前記金属触媒が、白金と、金、銀及び銅から選ばれる少なくとも一つの元素とを含有することを特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載の燃料電池用電極触媒。
9.前記金属触媒が、白金と、ルテニウムと、金、銀及び銅から選ばれる少なくとも一つの元素とを含有することを特徴とする前記1〜6に記載のいずれか1項に燃料電池用電極触媒。
10.前記金属触媒が、金または他の金属に金を吸着させたものであることを特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載の燃料電池用電極触媒。
11.前記1〜10のいずれか1項に記載の燃料電池用電極触媒を用いることを特徴とする燃料電池用電極。
12.前記11に記載の燃料電池用電極を用いることを特徴とする燃料電池。
本発明により、触媒の利用効率が高められた燃料電池用電極触媒の提供ができ、更に該触媒を用いて燃料電池用電極を作製し、電流−電圧特性が良好な燃料電池を提供することができた。
本発明の燃料電池の単セルの一例を示す模式図である。
符号の説明
I 燃料電池の単セル
1 固体高分子電解質膜
2 アノード極側触媒層
3 カソード極側触媒層
4、5 拡散層
6、7 セパレータ
本発明の燃料電池用電極触媒は、一部あるいは全てが硫黄元素あるいは窒素元素を構成原子とする官能基を少なくとも一つと、少なくとも一つのプロトン受容性の基を分子内に有する化合物とを、金属触媒に吸着させていることを特徴としている。該一部あるいは全てが硫黄元素あるいは窒素元素を構成原子とする官能基を少なくとも一つと少なくとも一つのプロトン受容性の基を分子内に有する化合物としては、前記一般式(1)〜(5)で表される化合物が好ましい。
以下、本発明を詳細に説明する。
前記一般式(1)〜(5)において、Zが表す一部あるいは全てが硫黄元素を構成原子とする官能基の例としては、メルカプト基、スルファン基、モノスルフィド基、ジスルフィド基、トリスルフィド基等のスルフィド基(該硫黄直鎖基は、例えば、メチルチオベンジル、ナフチルトリチオプロピル、ベンゾチアゾリルジチオブチル等の硫黄直鎖誘導体を形成する)等の硫黄元素で構成される基、スルフィニル基、チオカルボニル基、チオウレイド基、チオアミド基、チオカルバモイル基、イソチオシアナート基等の硫黄元素と他の元素で構成される基、及び該硫黄元素で構成された基を置換した炭素環基や複素環基等の環状の基(例えば、メルカプトフェニル、チオウレイドフェニル、フェニルジチオベンゾチアゾリル、2−メルカプトイミダゾリル、2−メルカプトピリミジニル、メルカプトテトラゾリル、メルカプトトリアゾリル、メルカプフトチアジアゾリル、1(2H)−2−チオキソピリジル、5−メルカプトチエニル、4−チオウレイドフェニル、2−チオアセチルピリジル等の各基)が挙げられる。
一部あるいは全てが窒素元素を構成原子とする官能基の例としては、アミノ基、(置換されていてもよく、例えば、N−メチル−N−ベンジルアミノ、N−アセチルアミノ、ヒドロキシアミノ、メトキシアミノ、ベンゾチアゾリルアミノ等の置換アミノ基)、及び該窒素元素で構成された基を置換した炭素環基や複素環基等の環状の基(例えば、4−アミノフェニル、4−カルボキシメチルアミノフェニル、メチルアミノベンゾチアゾリル、2−アミノイミダゾリル、2−エチルアミノピリミジニル、アミノテトラゾリル、メチルアミノトリアゾリル、アミノチアジアゾリル、1(2H)−2−イミノピリジル、5−ジメチルアミノチエニル等の各基)が挙げられる。
Aが表すプロトン受容性の基の例としては、アニオン性の基があり、例えば、−Oアニオン(オラート)、−Sアニオン(チオラート)、−COOアニオン(カルボキシラート)、−SO3アニオン(スルホナート)、−SO2アニオン(スルフィナート)、−PO3Hアニオン(ホスフォナート)、−OPO3Hアニオン(ホスファート)、−OPO2Hアニオン(ホスファイト)等の各基が挙げられる。
L、L1及びL2で表される多価連結基としては、炭素原子の一部がヘテロ原子で置換されているものも含んだ非環状炭化水素鎖基(例えば、メチレン、エチレン、1,3−プロピレン、1−3−ブチレン、3,6−ジオキサオクタン−1,8−ジイル、1,10−デシレン、1,3,5−ペンタントリイル、1,4,6,8−オクタンテトライル等の各基)、炭素原子の一部がヘテロ原子で置換されているものも含んだ非環状炭化水素鎖基(例えば、1,3−シクロペンチレン、3−シクロヘキセン−1,3,5−トリイル、2,5−シクロロヘキサンジエン−1,4−イレン、1,4−ジチア−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−、5,8−ジイル等の各環基)、芳香環基(例えば、ベンゼン−1,2−ジイル、ベンゼン−1,3,5−トリイル、ナフタレン−1,4,6,8−テトライル等の各芳香環基)、複素芳香環基(例えば、ピロール−1,3−ジイル、ピリミジン−2,4−ジイル、ピリジン−2,4,6−トリイル、キノリン−2,4,7−トリイル等の各複素芳香環基)が挙げられ、L3で表される2価の連結基としては、前記L、L1、L2で挙げた例の中から2価の基を挙げることができる。これらの連結基は任意の位置に置換基を有していてもよく、具体的にはアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、ブチル基、iso−ブチル基等)、アリール基(単環並びに多環のものを含み、例えば、フェニル基、カルボキシフェニル基、p−トリル基、p−ブチルフェニル基、ナフチル基等)、複素環基(例えば、テトラヒドロフリル基、2−ピロリジノン−1−イル基、チエニル基、フリル基、ピリジル基、カルバゾリル基、ピロリル基、インドリル基等の各基)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、ビニル基、トリフルオロメチル基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、メトキシエトキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、p−トリルオキシ基等)、スルホニル基(例えば、メタンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、ビスカルボキシメチルアミノ基等)、アシル基(例えば、アセチル基、ベンゾイル基等)、ウレイド基(例えば、ウレイド基、3−メチルウレイド基、3−フェニルウレイド基等)、チオウレイド基(例えば、チオウレイド基、3−メチルチオウレイド基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基等)、ヒドロキシル基、スチリル基等が挙げられ、更に連結部に2価のヘテロ原子で構成される官能基(例えば、−O−、−S−、−SS−、−N(R)−、−SO−、−SO2−、−CO−、−CS−、−COO−、−N(R)CO−、−CON(R)−、−N(R)CON(R)−、−SO2N(R)−、−N(R)SO2−)を介してZ及びAで表される基と結合していてもよい。
Rは水素原子、アルキル基(例えば、メチル、エチル等の基)、シクロアルキル基(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル等の基)、アラルキル基(例えば、ベンジル、フェネチル、p−メトキシフェニルメチル、o−アセチルアミノフェニルエチル等の基)、置換、非置換のアリール基(例えば、フェニル、m−メトキシフェニル2−ナフチル、1−ナフチル、o−トリル、o−メトキシフェニル、m−クロロフェニル、m−ブロモフェニル、p−トリル、p−エトキシフェニル等の基)、置換、非置換の複素環基(例えば、2−フリル、5−メチル−2−フリル、2−チエニル、2−イミダゾリル、2−メチル−1−イミダゾリル、4−フェニル−2−チアゾリル、5−ヒドロキシ−2−ベンゾチアゾリル、2−ピリジル、1−ピロリル等の基)、アシル基(例えば、アセチル、ベンゾイル等の基)等である。
1及びQ2で表される環状の基としては、飽和、不飽和の炭素環基(例えば、シクロプロパン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン、スピロデカン、スピロドデカン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、シクロヘキセン、ペルヒドロナフタレン等の環基)、炭素芳香環基(例えば、ベンゼン、ナフタレン、テトラヒドロナフタレン、アントラセン、フェナントレン棟の芳香環基)、複素環基(例えば、ピロール、テトラヒドロピロール、イミダゾール、ピロリジン、テトラゾール、トリアゾール、チアジアゾール、チアゾリジン、ピリジン、ピペリジン、チオフェン、テトラヒドロベンゾチオフェン、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾオキサゾール、テトラヒドロベンゾオキサゾール、ナフトオキサゾール、ベンゾナフトオキサゾール、ベンゾチアゾール、テトラヒドロベンゾチアゾール、ナフトチアゾール、ベンゾナフトチアゾール、チエノチアゾール、チアナフテノチアゾール、ピリドチアゾール、ベンゾセレナゾール、テトラヒドロベンゾセレナゾール、ナフトセレナゾール、ベンゾナフトセレナゾール、キノリン、3,3−ジアルキルインドレニン、3,3−ジアルキルピリドピロリン等の複素環基)等が挙げられる。これらの環基には、任意の位置に前述したL、L1、L2、L3に置換しうる基として説明された任意の基が置換されていてよい。
前記一般式(1)〜(5)で表される化合物において、Zで表される一部あるいは全てが硫黄元素あるいは窒素元素を構成原子とする官能基は、Ra−S−基、Ra−S−S−基、HS−基、(Rb)(Rc)N−基であることが好ましい。Ra、Rb及びRcで表されるアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、複素環基の具体例としては、各々前述した一般式(1)〜(5)における連結基L、L1、L2、L3で説明したRと同義である。
以下に、上記一般式(1)〜(5)で表される化合物の代表的な例を示すが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない
以下に、図面を参照して本発明の燃料電池の一実施形態について説明する。
図1は、本発明の燃料電池の単セルの一例を示す模式図である。燃料電池の単セルIにおいて、固体高分子電解質膜1は、アノード極側触媒層2とカソード極側触媒層3に挟まれる形で配置されている。アノード極側触媒層2とカソード極側触媒層3は、それぞれカーボンペーパーのような多孔質導電性シートで形成された拡散層4、5の上に設けられている。ここでは便宜上、拡散層4とその上に設けられたアノード極側触媒層2を含めてアノード極と称し、拡散層5とその上に設けられたカソード極側触媒層3を含めてカソード極と称する。
アノード極側触媒層2及びカソード極側触媒層3の少なくとも一方は、触媒または触媒担持カーボンを含むことが必須である。本発明においては、アノード極側触媒層2に、本発明に係る触媒または触媒担持カーボンを含むことが好ましいが、アノード極側触媒層2及びカソード極側触媒層3の両者に本発明に係る触媒または触媒担持カーボンを含むことがより好ましくい。
本発明の燃料電池用電極触媒に用いることができる金属触媒としては、例えば、白金、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、イリジウム、金、銀、銅、鉄、コバルト、ニッケル、クロム、タングステン、マガジン、バナジウム、酸化モリブデンまたはこれらの多元合金が挙げられる。これらの中で、本発明において好ましく用いることができる金属触媒としては、白金、金、銀、銅及びルテニウムから選ばれる少なくとも一つであり、また白金と、金、銀及び銅から選ばれる少なくとも一つであり、更には、白金と、ルテニウムと、金、銀及び銅から選ばれる少なくとも一つである。特に好ましくは、金または他の金属に金を吸着させたものである。
本発明では、これらの金属触媒をカーボン粒子に担持させることにより、得られる金属触媒担持カーボンを用いることができる。
金属触媒を担持するカーボン粒子としては、例えば、活性炭、カーボンブラック、グラファイト及びそれらの混合物を好ましく採用することができる。カーボンブラックとしては、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等が挙げられ、ケッチェンブラックが特に好ましい。市販で入手できるカーボンブラックとしては、Denka BLACK(電気化学工業社製)、Valcan XC−72(キャボット社製)、Black Pearl 2000(同前)、Ketjen Black EC300J(ケェチェンブラック・インターナショナル社製)等を挙げることができる。また、カーボン粒子を親水化処理して用いることもできる。特に、カルボキシル基を有する化合物で処理してカルボキシル化したもの、スルホン酸基を有する化合物で処理してスルホン化したものが好ましい。
金属触媒をカーボン粒子に担持させる方法としては、例えば、カーボンブラック分散液に白金やルテニウム等の金属触媒の塩を加え、次いでヒドラジン等を用いて還元し、ろ過、乾燥する方法が挙げられる。また、本発明においては、乾燥後に更に熱処理を行ってもよい。カーボン粒子として市販されているValcan XC−72に白金または白金−ルテニウム触媒を担持させたもの(田中貴金属(株)製)等を用いることもできる。
本発明の燃料電池用電極は、本発明に係る触媒担持カーボンに加え高分子電解質を含有することが好ましい。含有することができる高分子電解質としては、プロトン伝導性高分子電解質膜に用いられるような、イオン導電性を有する電解質であれば特に制限は無く、例えば、フッ素系電解質、部分フッ素系電解質、炭化水素系電解質等が挙げられる。例えば、有機系の含フッ素高分子を骨格とするイオン交換樹脂、例えば、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂等が挙げられる。パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂としては、DE520、DE521、DE1020、DE1021(以上、デュポン社製)等が商品として入手できる。その他に、スルホン化ポリエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルスルホン、スルホン化ポリエーテルエーテルスルホン、スルホン化ポリスルホン、スルホン化ポリスルフィド、スルホン化ポリフェニレン等のスルホン化プラスチック系電解質、スルホアルキル化ポリエーテルエーテルケトン、スルホアルキル化ポリエーテルスルホン、スルホアルキル化ポリエーテルエーテルスルホン、スルホアルキル化ポリスルホン、スルホアルキル化ポリスルフィド、スルホアルキル化ポリフェニレン等のスルホアルキル化プラスチック系電解質等を挙げることができる。
本発明に係る金属触媒担持カーボンと高分子電解質の使用比率は、必要とされる電極特性に応じて適宜決められるべきものであり、特に限定されるものではない。例えば、本発明に係る金属触媒担持カーボン/高分子電解質の質量比率は、5/95〜95/5が好ましく、40/60〜85/15が更に好ましいものである。
触媒層には種々の添加物を加えることができる。例えば、電子伝導性向上のための炭素等の導電剤や、結着性向上のための高分子バインダー、撥水性向上のための撥水性付与剤等の添加物などがある。撥水性付与剤としては、例えば、テフロン(登録商標)等のポリテトラフロロエチレン(PTFE)、テトラフロロエチレン−パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重合体等の含フッ素樹脂が挙げられる。
拡散層4、5は、アノード極側触媒層2とカソード極側触媒層3への反応ガスの供給及び電子の授受を行い、その電子を集電層と受け渡しするための層であり、一般に多孔質であり、且つ電子伝導性を有する材料が用いられる。多孔質であり、且つ電子伝導性を有する材料としては、電気抵抗が低く、集電できる機能を有する材料であればよい。導電性物質を主とするものが挙げられ、例えば、ポリアクリロニトリルからの焼成体、ピッチからの焼成体、黒鉛及び膨張黒鉛等の炭素材、ナノカーボン材料、ステンレススチール、モリブデン、チタン等が挙げられる。
導電性物質の形態は、特に限定されず、例えば、繊維状ないしは粒子状で用いることができる。ガス透過性の点から、繊維状導電性無機物質、例えば、炭素繊維等の無機導電性繊維が好ましい。無機導電性繊維としては、織布或いは不織布いずれの構造も使用可能である。例えば、東レ(株)製のカーボンペーパーTGPシリーズ、SOシリーズ、E−TEK社製カーボンクロスなどが用いられる。織布としては、平織、斜文織、朱子織、紋織、綴織など、特に限定されること無く用いられる。また、不織布としては抄紙法、ニードルパンチ法、スパンボンド法、ウォータージェットパンチ法、メルトブロー法によるもの等、特に限定されること無く用いられる。また編物であってもよい。
炭素繊維を用いた場合、耐炎化紡績糸を用いた平織物を炭化または黒鉛化した織布、耐炎化糸をニードルパンチ法やウォータージェットパンチ法等により不織布加工した後、炭化あるいは黒鉛化した不織布、耐炎化糸、炭化糸または黒鉛化糸を用いた抄紙法によるマット不織布等が好ましく用いられる。特に、薄く強度のある布帛が得られる点から不織布を用いるのが好ましい。また、特開2003−109618号公報に記載されているようなカーボンナノファイバ等を用いることも有効である。
炭素繊維からなる無機導電性繊維を用いた場合、炭素繊維としては、例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維、フェノール系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、レーヨン系炭素繊維等が挙げられる。中でもPAN系炭素繊維が好ましい。
拡散層4にアノード極側触媒層2を塗布し、次いで熱処理することによりアノード極を作製することができる。また同様に拡散層5にカソード極側触媒層3を塗布し、次いで熱処理することによりカソード極を作製することができる。
プロトン導電性を有する固体高分子電解質膜1としては、スルホン化ポリイミド系高分子電解質膜、フッ素系高分子電解質膜、炭化水素系高分子電解質膜、複合材料等公知のものを採用することができる。
例えば、炭化水素系高分子電解質材料としては、スルホン化ポリエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルスルホン、スルホン化ポリエーテルエーテルスルホン、スルホン化ポリスルホン、スルホン化ポリスルフィド、スルホン化ポリフェニレン等のスルホン化エンジニアリングプラスチック系電解質、スルホアルキル化ポリエーテルエーテルケトン、スルホアルキル化ポリエーテルスルホン、スルホアルキル化ポリエーテルエーテルスルホン、スルホアルキル化ポリスルホン、スルホアルキル化ポリスルフィド、スルホアルキル化ポリフェニレン等のスルホアルキル化エンジニアリングプラスチック系電解質等がある。
これらの電解質材料のスルホン酸当量としては、0.5〜2.0ミリ当量/g乾燥樹脂、好ましくは0.7〜1.6ミリ当量/g乾燥樹脂である。スルホン酸当量が0.5ミリ当量/g乾燥樹脂より小さい場合はイオン伝導抵抗が大きくなり、2.0ミリ当量/g乾燥樹脂より大きい場合には水に膨潤しやすくなる傾向にある。
アノード極とカソード極とで固体高分子電解質膜1を挟持し、固体高分子電解質膜1と同一の電解質溶液をアノード極側触媒層2とカソード極側触媒層3のそれぞれに塗布し、ホットプレスすることにより、電解質膜−電極接合体(MEA)を作製することができる。
以上のようにして作製した電解質膜−電極接合体(MEA)の外側に、燃料流路と酸化剤流路を形成する溝が形成された集電体としてのセパレータ6(燃料配流板)と、セパレータ7酸化剤配流板(酸化剤配流板)とを配したものを単セルIとし、この単セルIを複数個、冷却板等を介して積層することにより燃料電池が構成される。燃料電池は単セルでもよいし、またセパレータを設けず集電部をメッキ等で構成する形でもよい。
本発明の高分子電解質型の燃料電池に採用できる燃料としては、水素ガス、メタノール、エタノール、1−プロパノール、ジメチルエーテル、アンモニア等が挙げられるが、メタノールが好ましい。また、本発明においては、酸化剤ガスとして空気を使用することが好ましい。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
《触媒の作製》
(触媒1の作製:白金黒に金粒子を吸着、還元)
白金ルテニウム黒(TEC090110 田中貴金属社製)0.5gを純水1000ml中に混合した。その後、1mol/Lの塩化金酸水溶液40mlを添加した。還元剤として100mmolとなるように、2mol/Lのクエン酸ナトリウム水溶液を添加した。この溶液を95℃で7時間、撹拌、混合した。その後、濾過乾燥を行い、金を白金ルテニウム黒上に析出させた。
(触媒2の作製:白金ルテニウム担持カーボンに金粒子を吸着、還元)
白金ルテニウム担持カーボン触媒(TEC81E81 田中貴金属社製)を白金量換算として0.5gを純水1000ml中に混合した。その後、1mol/Lの塩化金酸水溶液40mlを添加した。還元剤として100mmolとなるように、2mol/Lのクエン酸ナトリウム水溶液を添加した。この溶液を、95℃で7時間、撹拌、混合した。その後、濾過、乾燥を行い、金を触媒上に析出させた。
(触媒3の作製:白金担持カーボンに金粒子を吸着、還元)
白金担持カーボン触媒(TEC10E60E 田中貴金属社製)を白金量換算として0.5gを純水1000ml中に混合した。その後、1mol/Lの塩化金酸水溶液40mlを添加した。還元剤として100%エタノールを100ml添加した。この溶液を、95℃で7時間、撹拌、混合した。その後、濾過、乾燥を行い、金を触媒上に析出させた。
(修飾触媒の作製:触媒表面にスルホン酸含有分子を吸着)
それぞれ上記作製した触媒1、2、3の0.4gを、純水1000ml中に分散させ、表1に示した本発明に係る化合物を1×10-4mol/L添加し、金属触媒近傍に本発明に係る化合物を吸着させた。未吸着分子はデカンテーションにより除去し、濾過により本発明に係る化合物が吸着した触媒を取り出した。
《電極用ペーストの作製》
(負極用ペーストの作製)
表1に示すように、触媒1、2及びその本発明に係る化合物による修飾触媒のいずれかと、蒸留水、60質量%のテフロン(登録商標)分散液、5質量%のナフィオン溶液(アルドリッチ社製)を、固形分としてテフロン(登録商標)量が12質量%となるように混合し、超音波で均一に分散させて、負極用ペーストを作製した。
(正極用ペーストの作製)
表1に示すように、負極用ペーストの作製において、触媒を3及びその本発明に係る化合物による修飾触媒に変更した以外は同様の操作を行い、正極用ペーストを作製した。
《撥水処理カーボンペーパーの作製》
空隙率75%、厚み0.40mmのカーボンペーパーをテフロン(登録商標)分散液(三井デュポンフロロケミカル社製)に浸漬し、表面に0.5mg/cm2のテフロン(登録商標)をとりつけ、撥水処理カーボンペーパーを作製した。
《電解質膜/電極接合体(MEA)の作製》
表1に示す負極、正極で、上記作製の撥水処理カーボンペーパーの表面に負極用ペーストを、白金量が3.0mg/cm2となるように均一に塗布し、窒素雰囲気下80℃で1時間乾燥し、負極を作製した。同様に撥水処理カーボンペーパーの表面に、正極用ペーストを白金量が3.0mg/cm2となるように塗布し、正極を作製した。次いで、これらの正極及び負極でナフィオン112膜(デュポン社製)を挟み、ホットプレスを行い、電解質膜/電極接合体を作製した。
《評価1》
白金表面に本発明に係る化合物のスルホン酸基が局在している状態は、電界放出型電子銃を備えた分析透過電子顕微鏡(ATEM:Analytical Transmission Electron Microscope)のスポット分析で確認することができる。具体的には、マイクログリッドを貼ったグリッドメッシュ上に載せた試料について透過像で確認した後、1nm程度に絞った電子線を分析位置に照射し、そこから発生する特性X線をエネルギー分散型X線分析装置(EDS:Energy Dispersive X−ray Spectrometer)で、スペクトルのS(硫黄)強度を比較した。
実施例1、2、3、4、5、11、12、13、14、15で使用した修飾触媒の白金表面は、カーボン表面に比べてS強度が高かった。また、実施例6、7、8、9、10については、表面のS強度が検出されたが、比較例ではSが検出されないことから、実施例の白金表面にはスルホン酸基が局在している部分があり、電極作製後、他部分よりもイオン伝導性基の密度が高いことがわかる。
《評価2》
作製した電解質膜/電極接合体を用いて、直接メタノール型燃料電池の単電池を組み立て、温度を60℃、大気圧下における燃料の流速を30ml/分、空気の流速を100ml/分とした条件で、負極側に燃料組成物を正極側に空気を供給し、電流−電圧特性を測定した。測定水準及び0.6Vでの電流値を表1に示す。
表1から明らかなように、本発明の燃料電池は比較に比べて、電流−電圧特性が良好であることがわかる。

Claims (12)

  1. 一部あるいは全てが硫黄元素あるいは窒素元素を構成原子とする官能基を少なくとも一つと少なくとも一つのプロトン受容性の基とを分子内に有する化合物が金属触媒に吸着していることを特徴とする燃料電池用電極触媒。
  2. 前記一部あるいは全てが硫黄元素あるいは窒素元素を構成原子とする官能基を少なくとも一つと少なくとも一つのプロトン受容性の基とを分子内に有する化合物が下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の燃料電池用電極触媒。

    (式中、Zは一部あるいは全てが硫黄元素あるいは窒素元素を構成原子とする官能基を表し、Lはm+n価の連結基であり、Aはプロトン受容性の基を表す。kはZ基の価数を表し、kが1以外の基であるときA、L及びmは各々同じでも異なっていてもよい。m及びnは各々1〜5の整数を表し、m及びnが1以外の整数であるときA及びZは各々同じでも異なった基であってもよい。)
  3. 前記一部あるいは全てが硫黄元素あるいは窒素元素を構成原子とする官能基を少なくとも一つと、少なくとも一つのプロトン受容性の基とを分子内に有する化合物が、下記一般式(2)または(3)で表される化合物であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の燃料電池用電極触媒。

    (式中、A、Z、m及びnは各々前記一般式(1)のそれらと同義であり、Q1は環状の基を表し、L1はn+1価の連結基を表し、L2はm+1価の基を表し、pは1〜10の整数を表す。k1はZ基の価数を表し、k1が1以外の基であるときA、L1、Q1及びmは各々同じでも異なっていてもよい。)
  4. 前記一部あるいは全てが硫黄元素あるいは窒素元素を構成原子とする官能基を少なくとも一つと、少なくとも一つのプロトン受容性の基とを分子内に有する化合物が、下記一般式(4)または(5)で表される化合物であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の燃料電池用電極触媒。

    (式中、A、Z、m、n及びQ1は各々前記一般式(2)及び一般式(3)のそれらと同義であり、L3は単なる結合手あるいは2価の連結基を表し、Q2は前記一般式(2)のQ1と同義であり、q1はQ2で表される環状の基の価数を表し、q2はQ1で表される環状の基の価数を表す。k2はZ基の価数を表し、k2が1以外の基であるときA、L3、Q1、Q2、m、q1及びq2は各々同じでも異なっていてもよい。)
  5. 前記一般式(1)乃至(5)におけるZが、Ra−S−基、Ra−S−S−基、HS−基または(Rb)(Rc)N−基(Raはアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基または複素環基を表し、Rb及びRcは各々水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基または複素環基を表す。)であることを特徴とする請求の範囲第2項乃至第4項のいずれか1項に記載の燃料電池用電極触媒。
  6. 前記一般式(1)乃至(5)におけるAが、カルボキシル基、リン酸基、亜リン酸基またはスルホン酸基であることを特徴とする請求の範囲第2項乃至第5項のいずれか1項に記載の燃料電池用電極触媒。
  7. 前記金属触媒が、白金、金、銀、銅及びルテニウムから選ばれる少なくとも一つの元素を含有することを特徴とする請求の範囲第1項乃至第6項のいずれか1項に記載の燃料電池用電極触媒。
  8. 前記金属触媒が、白金と、金、銀及び銅から選ばれる少なくとも一つの元素とを含有することを特徴とする請求の範囲第1項乃至第6項のいずれか1項に記載の燃料電池用電極触媒。
  9. 前記金属触媒が、白金と、ルテニウムと、金、銀及び銅から選ばれる少なくとも一つの元素とを含有することを特徴とする請求の範囲第1項乃至第6項のいずれか1項に記載の燃料電池用電極触媒。
  10. 前記金属触媒が、金または他の金属に金を吸着させたものであることを特徴とする請求の範囲第1項乃至第6項のいずれか1項に記載の燃料電池用電極触媒。
  11. 請求の範囲第1項乃至第10項のいずれか1項に記載の燃料電池用電極触媒を用いることを特徴とする燃料電池用電極。
  12. 請求の範囲第11項に記載の燃料電池用電極を用いることを特徴とする燃料電池。
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