JP2005248041A - イオン交換能をもつカーボン材料及びその製造方法、燃料電池触媒用組成物、燃料電池 - Google Patents

イオン交換能をもつカーボン材料及びその製造方法、燃料電池触媒用組成物、燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】イオン交換能を有するカーボン材料及びその製造方法を提供する。
【解決手段】式(1)で示される化学構造をもつイオン交換能をもつカーボン材料。燃料電池の触媒層の組成物に用いられる触媒担持カーボンに利用することができる。(式中、CBはカーボン担体、R1は一価の官能基、水素原子、フッ素原子を示す。スルホン酸基(−SO3H基)及びR1はオルト配置、メタ配置、パラ配置を含む。)
Figure 2005248041

【選択図】なし

Description

本発明はイオン交換基を有するカーボン材料及びその製造方法に関する。
燃料電池に使用されている触媒層を例にとって従来技術について説明する。現在、燃料電池に使用されている触媒層においては、反応ガス、電解質、触媒とが共存する三相界面を大きくし、触媒の利用率を改善して燃料電池の出力特性を向上することが要請されている。このため、従来より、触媒金属をカーボン担体に担持した触媒担持カーボンで構成される触媒層に、プロトン伝導性を有する電解質溶液を添加する方法が提案されている(特許文献1,特許文献2)。
またカーボン担体のスルホン酸基(−SO3H基)を付与させたカーボン材料が開示されている(非特許文献1)。このカーボン材料は図2に示す構造に従って製造される。
特開平2002−246041号公報 特開平2000−228204号公報 新規電極層構造制御技術及びMEAシステム設計法の確立(平成14年度公募固体高分子形燃料電池要素技術開発等事業、次世代燃料電池の技術開発報告会要旨集(平成15年12月24日)
しかし特許文献1,2に係る技術によれば、触媒担持カーボンの分散性、担持体のポア分布及び電解質溶液の粘性などにより、添加した電解質溶液が触媒担持カーボンの凝集体の内部及び担持体の微細ポア内部まで、行き渡らず、そこにある触媒が反応に充分に寄与しないおそれがある。しかも、添加した電解質溶液が多すぎても、上記の問題点が解決出来ないだけではなく、逆に、触媒表面を電解質固形分で厚く覆ってしまい、反応ガスの流入を妨げ、反応ガスが触媒まで輸送されにくくなってしまう。
上記した非特許文献1に係る技術によれば、カーボン担体(CB)にスルホン酸基(SO3H)が付与されているものの、スルホン酸基とカーボン担体(CB)との間に存在するアミドまたは硫酸エステルは用意に加水分解してしまう。
本発明は上記したカーボン担体にスルホン酸基(−SO3H基)を付与させた非特許文献1に係るカーボン材料とは異なる構造をもつイオン交換能を有するカーボン材料を提供することを課題とするにある。
更に、カーボン担体に付与されているカルボキシル基(−COOH基)、ヒドロキシル基(−OH基)を反応起点とする反応により、カーボン担体にベンゼンスルホン酸を付与させたカーボン材料を製造するイオン交換能を有する加水分解されにくいカーボン材料の製造方法を提供することを課題とするにある。
様相1に係る本発明は、式(1)で示される化学構造をもつことを特徴とするイオン交換能を有するカーボン材料である。(式中、CBはカーボン担体、R1は一価の官能基、水素原子、フッ素原子のいずれかを示す。スルホン酸基(−SO3H基)及びR1はオルト配置、メタ配置、パラ配置を含む。)ここで、一価の官能基としては、炭素原子が1〜4の整数のアルキル基、OH基、水素原子が挙げられる。アルキル基としてはメチル基、エチル基、ブチル基等を例示できる。なお、各式において『CB〜』はカーボン担体に存在することを意味する。
Figure 2005248041
前記した式(1)に示すように、カーボン担体にはカルボニル基(−CO−基)が存在し、更に、カルボニル基(−CO−基)を介して、スルホン酸基(−SO3H基)及びR1を有するベンゼンスルホン酸が結合している。スルホン酸基(−SO3H基)及びR1はオルト配置、メタ配置、パラ配置を含む。カーボン担体は触媒金属を担持していることが好ましい。
様相2に係る本発明は、式(2)で示される化学構造をもつことを特徴とするイオン交換能を有するカーボン材料である。(式中、CBはカーボン担体、nは1〜10の整数)ここで、n=1〜6、または、n=1〜3とすることができる。
この場合、式(2)に示すように、炭素原子及び水素原子を有するCH2が結合した付加化合物が酸素原子を介してカーボン担体に存在していると共に、付加化合物の端にはスルホン酸基(−SO3H基)が結合している。カーボン担体は触媒金属を担持していることが好ましい。
Figure 2005248041
様相3に係る本発明は、式(3)で示される化学構造をもつことを特徴とするイオン交換能を有するカーボン材料である。(式中、CBはカーボン担体、nは1〜10の整数)n=1〜6、または、n=1〜3とすることができる。この場合、前記した式(3)に示すように、メチレン基(−CH2−)を含有する付加化合物がカーボン担体に存在していると共に、メチレン基(−CH2−)の水素原子と置換してベンゼンスルホン酸が側鎖として結合している。上記したカーボン担体は触媒金属を担持していることが好ましい。
Figure 2005248041
様相4に係る本発明は、請求項1〜請求項3のうちのいずれかおいて、カーボン担体は触媒金属を担持していることを特徴とするイオン交換能を有するカーボン材料である。触媒金属としては、白金、ルテニウム、ロジウム、金などを例示できる。触媒金属は微小粒子であることが好ましい。触媒をカーボン担体に担持させるには、触媒前駆体をカーボン担体に付着させた後に、触媒前駆体を水素気流中で還元処理することにより行うことができる。この場合、触媒前駆体としては、触媒金属を含有する錯体を用いることができる。このような触媒担持体としては、ジニトロジアンミン白金錯体、塩化白金酸を例示することができる。
様相5に係る本発明は、カルボキシル基(−COOH基)を有するカーボン担体を用意する工程と、カーボン担体のカルボキシル基をX1と反応させ、カーボン担体に付加化合物を形成する工程と、付加化合物をスルホン化する工程とを実施することを特徴とするイオン交換能をもつカーボン材料の製造方法である。
(X1は、1つ以上の芳香族環を含む芳香属化合物であって、H、CH3、OH、SH,NH等の電子供与性基を置換基として有する。芳香属化合物はベンゼンもしくはナフタレンに代表される。また、X1が2つ以上の芳香属環を有する場合には、X1は、その芳香属環同士が直接的につながっているか、あるいは、−O−、−S−、−CH2−、−NH−のいずれかで繋がれている芳香属化合物である。)
様相6に係る本発明は、ヒドロキシル基(−OH基)を有するカーボン担体を用意する工程と、カーボン担体のヒドロキシル基の水素原子をアルカリ金属と置換させる工程と、アルカリ金属と置換したカーボン担体とX2とを反応させ、カーボン担体に存在するヒドロキシル基に、スルホン酸基を有する分子構造を結合させる工程とを実施することを特徴とするイオン交換能をもつカーボン材料の製造方法である。(X2は、スルトン化合物、または、X3−CH2−A−SO3−Bで表される化合物である。
ここで、X3はCl,Br,I,Fより選ばれるハロゲン原子を示す。Aはオレフィン炭化水素もしくは芳香族環(ベンゼン環等)を示す。Bは水素原子、または、Na、K等のスルホン酸塩となり得る金属原子を示す。)
様相7に係る本発明は、カーボン担体にラジカル形成手段によりラジカルを形成する工程と、カーボン担体のラジカルを反応起点として単量体と反応させて付加化合物を形成する工程と、カーボン担体に形成された付加化合物をスルホン化する工程を実施することを特徴とするイオン交換能をもつカーボン材料の製造方法である。
上記した各付加化合物は、炭素原子を含むと共に、水素原子の少なくとも一部がフッ素原子に置換されている形態も含む。従って、付加化合物は炭化水素系骨格、炭化フッ素系骨格を含む意味である。
様相8に係る本発明は、請求項4に係るイオン交換能をもつカーボン材料とイオン伝導体とを含有するか、あるいは、請求項5〜7のうちのいずれかの製造方法で製造されたイオン交換能をもつカーボン材料のカーボン担体に触媒金属を担持したカーボン材料とイオン伝導体とを含有する燃料電池触媒層用組成物である。イオン交換能を有するカーボン材料とイオン伝導体とが混合した混合物により触媒層が形成される。イオン伝導体としては、スルホン酸基等のイオン交換基を有するフッ素系、炭化水素系、炭化フッ素系等の電解質組成物で形成することができる。
様相9に係る本発明は、上記した燃料電池触媒層用組成物を基材とした形成された触媒層を有することを特徴とする燃料電池である。燃料電池の主要素である膜電極接合体は、アノード側からカソード側に向けて、アノードガス拡散層と、アノード触媒層と、電解質膜と、カソード触媒層と、カソードガス拡散層とを有する。また、燃料電池は、膜電極接合体と、膜電極接合体のアノードガス拡散層に対面させた燃料ガスが流れる燃料流路をもつアノードガス配流板と、膜電極接合体のカソードガス拡散層に対面させた酸化剤ガスが流れる酸化剤ガス流路をもつカソードガス配流板とを有する。燃料ガス(例えば水素ガスまたは水素含有ガス)が燃料流路に供給されると共に、酸化剤ガス(例えば酸素ガスまたは酸素含有ガス)が酸化剤ガス流路に供給されると、燃料電池において発電反応が生じる。
上記したように各様相の本発明によれば、カーボン担体にイオン交換基(スルホン酸基)が導入されているため、カーボン材料はイオン交換性を有する。従って、上記したカーボン材料を、燃料電池の触媒層を形成する触媒層形成用の組成物として利用すれば、カーボン担体表面の至る所でもイオン交換が可能となり、従って、触媒層のイオン交換性を向上させることができる。故に、燃料電池の出力特性を向上させることができる。殊に、触媒層は、カーボン材料とイオン伝導体とを含有して形成されるため、イオン伝導体の量を減少させることができ、反応ガスの供給を確保するのに貢献でき、この意味においても燃料電池の出力特性を向上させることができる。
以上説明したように本発明によれば、カーボン担体にイオン交換基(スルホン酸基)が導入されているため、イオン交換性を有する。更に加水分解されにくいものである。このようなカーボン材料を、燃料電池の触媒層を形成する触媒層形成用の組成物として利用すれば、触媒層のイオン交換性を向上させることができ、燃料電池の出力特性を向上させることができる。
殊に、燃料電池用の触媒層組成物に適用したときには、触媒を担持するカーボン担体とイオン伝導体と反応ガスとが共存する三層界面を良好に形成でき、触媒の利用効率を高めるのに有利となる
本発明で用いられるカーボン担体としては、カーボンブラック(アセチレンブラックを含む)や黒鉛等のカーボン粉末粒子、カーボン繊維、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン等が例示される。カーボン担体としてはマイクロメートル単位、ナノメートル単位、オングストローム単位の微小体のものを例示することができる。カーボンブラック等の微小粉末のカーボン担体には、カルボキシル基、ヒドロキシル基等の官能基が担持されていることが多い。従って本発明に係るカーボン材料の製造過程においては、カルボキシル基、ヒドロキシル基等の官能基を有効利用することが好ましい。
カーボン担体としては触媒金属を担持するものを採用することができる。触媒金属としては、白金、ロジウム、ルテニウムなどを例示することができる、微粒子状とすることができる カーボン担体としては、スルホン酸基の付与性、触媒金属の担持性等を考慮すると、比表面積が大きいものが好ましい。例えば、カーボン担体の比表面積としては例えば10m2/g以上のものを採用することができ、50m2/g以上のものが好ましく、殊に100m2/g以上、500m2/g以上、800m2/g以上のものが好ましい。
また、本発明に係るカーボン材料は、カルボキシル基(−COOH基)を有するカーボン担体を用意する工程と、カーボン担体のカルボキシル基をX1と反応させ付加化合物を形成する工程と、付加化合物をスルホン化させ、付加化合物にベンゼンスルホン酸を結合させる工程とを実施して形成することができる。この場合、前記した式(4)に従って製造することができる。
Figure 2005248041
前記した式(4)によれば、カルボキシル基(−COOH基)を有するカーボン担体を出発原料として用意する工程と、カルボキシル基を反応起点として、カルボキシル基を構成するカルボニル基(-CO-基)をカーボン担体に残したまま、カルボキシル基に含有されているヒドロキシル基(−OH基)とX1とを置換させて付加化合物を形成する工程と、その付加化合物を構成するカルボニル基(-CO-基)に、SO2Cl基及びR1基をもつスルホニルクロライド生成させる工程(SO2Cl基及びR1基はオルト配置、メタ配置、パラ配置でも良い)と、水を加えて加水分解し、スルホン酸基(−SO3H基)及びR1基をもつベンゼンスルホン酸を形成する工程(スルホン酸基及びR1基はオルト配置、メタ配置、パラ配置でも良い)とを実施する。
ここで、前記した式(4)におけるR1は、炭素原子1〜4の整数のアルキル基等の一価の官能基、または、水素原子、フッ素原子のいずれかを示す。
ここで、式(4)における上記したX1は、前述したように、ベンゼンもしくはナフタレンに代表されるような1つ以上の芳香族環を含む芳香属化合物とすることができる。また、その芳香属環はCH3、OH、SH,NH等の電子供与性基を置換基として持っていても良い。また、X1が2つ以上の芳香属環を有する場合には、X1は、その芳香属環同士が直接的につながっていても良いし、あるいは、−O−、−S−、−CH2−、−NH−のいずれかで繋がれている芳香属化合物とすることができる。
また本発明に係るカーボン材料は、ヒドロキシル基(−OH基)を有するカーボン担体を用意する工程と、カーボン担体のヒドロキシル基を反応起点として利用し、ヒドロキシル基の水素原子をアルカリ金属(例えばリチウム)と置換させる工程と、アルカリ金属と置換したカーボン担体とX2とを反応させ、カーボン担体に結合した酸素原子を介して付加化合物を形成すると共に、付加化合物をスルホン化させ、付加化合物にベンゼンスルホン酸を結合させる工程とを実施して形成することができる。この場合、式(5)に従って製造することができる。
Figure 2005248041
上記した式(5)によれば、ヒドロキシル基(−OH基)を有するカーボン担体を出発原料として用意する工程と、ヒドロキシル基(−OH基)の水素原子とアルカリ金属であるリチウム原子(Li)とを置換させる工程と、X2と反応させて付加化合物を形成する工程と、付加化合物と酸(例えばHCl)とを反応させてプロトン化させる工程とを実施することができる。
式(5)におけるX2は、プロパンスルトン、ブタンスルトンのようなスルトン化合物であり、下記の式(6)で表されるものを採用することができる。また前記したX2は下記の式で表される化合物を採用することができる。式(5)において、n=1〜6、1〜4、3とすることができる。
Figure 2005248041
また本発明に係るカーボン材料は、カーボン担体にラジカル形成手段によりラジカルを形成する工程と、カーボン担体のラジカルを反応起点として請求項3に係るカーボン材料を製造する工程を実施することにより形成することができる。ラジカル形成手段としては、物理的方法、化学的方法、機械的方法に限定されない。ラジカル形成手段としては、例えばγ(ガンマ)線等の放射線を照射する方法、電子線を照射する方法、レーザビームを照射する方法、低温プラズマを照射する方法が挙げられる。この場合、式(7)に従って製造することができる。
Figure 2005248041
上記した式(7)によれば、カーボン担体を出発原料として用意する工程と、カーボン担体にγ(ガンマ)線を照射してラジカルをカーボン担体に形成する工程と、ラジカルを生成したカーボン担体と単量体(例えばスチレン)とを接触させ、単量体を重合させ、メチレン基(−CH2−)を有する付加化合物を形成すると共に、付加化合物を構成するメチレン基(−CH2−)の水素原子とベンゼン環とを置換し、ベンゼン環を側鎖として有する化合物を形成する工程と、ベンゼン環の水素原子をSO2Cl基と置換する工程と、SO2Cl基をスルホン酸基(−SO3H基)とし、ベンゼンスルホン酸を側鎖として形成する工程とを実施する。式(7)において、n=1〜20、n=1〜10とすることができる。
本発明に係る製造方法によれば、カーボン担体に触媒金属を担持させた後に、カーボン担体にスルホン酸基を付与しても良い。この場合、カーボン担体に担持させる触媒金属の担持量を増加させるのに有利である。あるいは、カーボン担体に触媒金属を担持させる前に、カーボン担体にスルホン酸基を付与しても良い。この場合、スルホン酸基を増加させるのに有利である。
本発明によれば、請求項4に係るイオン交換能をもつカーボン材料とイオン伝導体とを含有する燃料電池触媒層用の組成物を形成することができる。あるいは、請求項7〜9のうちのいずれかの製造方法で製造されたイオン交換能をもつカーボン材料のカーボン担体に触媒金属を担持したカーボン材料とイオン伝導体とを含有する燃料電池触媒層用の組成物を形成できる。このように触媒金属を担持したカーボン材料がスルホン酸基を有し、イオン交換能をもつため、三相界面を多くの場所で形成することができ、燃料電池の性能を向上させることができる。
以下、本発明の実施例について比較例と共に説明する。
(比較例)
説明の便宜上、比較例から説明する。まず、1000gの水に、300gのカーボンブラック(カーボン担体,キャボット社製 VULCAN XC72R)を混入し、攪拌機を用いて10分間カーボンブラックを攪拌し、攪拌物を形成した。更に、テトラフルオロエチレン(以下PTFEという,ダイキン工業株式会社製の)の含有濃度が重量比で60%のディスバージョン原液(商品名:POLYFLON D1グレード)を250gその攪拌物に添加した。更に攪拌物を十分間攪拌して、カーボンインクを作った。このカーボンインクにカーボンペーパー(東レ株式会社製、トレカTGP−060、厚さ180μm)を投入して、充分に前記PTFE処理液をカーボンペーパーに含浸させた。
次に、80℃の温度に保った乾燥炉にカーボンペーパーを装入し、カーボンペーパーの余分な水分を蒸発させた。その後、焼結温度390℃で60分カーボンペーパーを保持して、カーボンペーパーに含浸されているテトラフルオロエチレン(PTFE)を焼結し、撥水カーボンペーパーを作製した。これをカソード用及びアノード用のガス拡散層とした。
また、5gのカーボンブラック(キャボット社製, VALCAN XC72R)に、触媒前駆体としてジニトロジアンミン白金錯体を含むアルコール希釈溶液を吸着させた。この場合、重量比でC/Pt=4/6とした。ここで、Cはカーボンブラックを意味する。Ptは白金を意味する。更に、そのカーボンブラックを乾燥機で充分に乾燥して、触媒前駆体を還元温度170℃の水素気流中で2時間還元処理し、白金担持カーボンを形成した。ここで、白金担持カーボンは白金を担持したカーボンブラックという意味である。
この白金担持カーボンと、プロトン伝導体としてのイオン交換樹脂を5wt%含有するイオン交換樹脂溶液(旭化成工業株式会社製、SS-1080)100gと、水23gと、成形助剤としてのイソプロピルアルコール23gとを充分に混合し、触媒ペーストを製作した。白金を担持した通常のカーボンブラックを白金担持カーボンとして用いたとき、カーボンブラックとイオン交換樹脂との上記比率が最適なものであることが事前検討で分かっている。
そして、カソード用のガス拡散層の表面に、白金担持量が0.6ミリグラム/cm2になるように触媒ペーストを塗布し、カソード触媒層を形成した。その後、カソード触媒層を形成したガス拡散層を乾操し、カソードガス拡散電極とした。
また、アノード用のガス拡散層の表面に、白金担持量が0.2ミリグラム/cm2になるように触媒ペーストを同様な方法で塗布し、アノード触媒層を形成し、アノードガス拡散電極とした。
そして、厚みが25μmのイオン交換膜(デュポン社製、Nafion 111)を電解質膜を用い、その電解質膜をカソードガス拡散電極とアノードガス拡散電極とで挟持して、140℃、8MPaの条件において厚み方向に三分間ホットプレスし、膜電極接合体(MEA)を作成した。
上記したように説明から理解できるように比較例によれば、カソード触媒層及びアノード触媒層の双方は、スルホン酸基を有しない通常のカーボンブラックを用いて形成されている。この膜電極接合体で単セルの燃料電池を構成し,セル温度75℃,カソードガス拡散電極に空気(利用率40%),アノードガス拡散電極に水素ガス(利用率90%)をそれぞれ常圧で供給し、電流密度0.5アンペア/cm2で発電実験を行った。表1に示されたようなセル電圧出力が得られた。
(実施例1)
実施例1は,カーボンブラックのカルボキシル基を利用するものである。先ず、5gのカーボンブラック(カーボン担体、キャボット社製 VULCAN XC72R)を出発原料として用いた。このカーボンブラックの比表面積は比較例の場合と同様に100m2/g以上(具体的には700〜800m2/g)とされている。このカーボンブラックは、官能基としてカルボキシル基(−COOH基)を有する。
そして比較例と同様な手順でカーボンブラックに白金を担持し、白金担持カーボンを形成した。この場合、比較例と同様に重量比でC/Pt=4/6とした。Cはカーボンブラックを意味し、Ptは白金を意味する。このように本実施例では、スルホン酸基付きのカーボンブラックを形成する前に、カーボンブラックに対して白金担持工程を行っている。
その後、カーボンブラックを100ミリリットルのトルエン(C6H5CH3,前記した式(4)におけるX1に相当)に浸し、2gの塩化チオニル(SOCl2)を加えた。その後、この混合物を60℃で1時間反応させた。その後、触媒である塩化アルミニウム(AlCl3)を白金担持カーボンに添加して、更に2時間反応させた。更に、その白金担持カーボンを濾過、洗浄した。ここで、前述したように、白金担持カーボンは白金を担持したカーボンブラックという意味である。
その後、その白金担持カーボンを100ミリリットルのジクロロエタン(C24Cl2)に浸し、更に、2gのクロロスルホン酸(HSO3Cl)を加え、60℃で15時間程反応させた。その白金担持カーボンを濾過、洗浄した。その後、その白金担持カーボンを、100ミリリットルの90℃の熱水で3時間加水分解反応させた。その後、その白金担持カーボンを濾過、洗浄し、スルホン酸基付きの白金担持カーボン(本発明のカーボン材料に相当)を得た。
本実施例によれば、白金担持カーボンを形成したからの上記の全て反応は、フラスコ内の窒素雰囲気で行われた。実施例1で製造したスルホン酸基付きのカーボンブラックの構造を式(1)に示す。その製造方法を式(4)に示す。
このスルホン酸基付きの白金担持カーボンと、プロトン伝導体としてのイオン交換樹脂を含む5wt%濃度のイオン交換樹脂溶液(旭化成工業 株式会社製、SS−1080)70gと、水23gと,成形助剤としてのイソプロピルアルコール23gとを充分に混合し、触媒ペーストを製作した。そして、白金担持量が0.6ミリグラム/cm2になるように触媒ペーストをカソード用のガス拡散層に塗布してカソード触媒層を形成し、これにより酸化剤ガス側のカソードガス拡散電極を形成した。単位面積当たりの触媒担持量は比較例と同様としているが、触媒ペーストに配合したイオン交換樹脂溶液は70gであり、比較例(100g)よりも重量比で30%少ない。
また、比較例と同様なアノードガス拡散電極及び電解質膜を用い、比較例と同様な条件で、膜電極接合体(MEA)を作成した。そして、同様な条件でセルを組み付け、比較例と同様に発電実験を行った。表1に示されたようなセル電圧出力が得られた。
図1に概念図を示すように、この膜電極接合体100は、アノード側から他カソード側に向けて、アノードガス拡散層101と、アノード触媒層102と、電解質膜103と、カソード触媒層104と、カソードガス拡散層105とを有する。前述の記載から理解できるように、このカソード触媒層104は、スルホン酸基を有するカーボンブラックを用いて形成されている。このアノード触媒層102は、スルホン酸基を有するカーボンブラックではなく、スルホン酸基を有しない通常のカーボンブラックを用いて形成されている。
図1に示すように、燃料電池のセルは、膜電極接合体100と、膜電極接合体100のアノードガス拡散層101に対面すると共に燃料ガスが流れる燃料流路201をもつアノードガス配流板202と、膜電極接合体100のカソードガス拡散層105に対面すると共に酸化剤ガスが流れる酸化剤ガス流路203をもつカソードガス配流板204とを有する。燃料ガス(水素ガス)が燃料流路201に供給されると共に、酸化剤ガス(空気)が酸化剤ガス流路203に供給されると、発電反応が生じる。
(実施例2)
実施例2はカーボンブラックのヒドロキシル基を利用するものである。先ず、5gのカーボンブラック(カーボン担体、キャボット社製 VULCAN XC72R)を出発原料として用いた。これは官能基としてヒドロキシル基(−OH基)を有する。そして比較例と同様に、カーボンブラックに白金を担持し、白金担持カーボンを形成した。この場合、比較例と同様に、重量比でC/Pt=4/6とした。このように本実施例では、スルホン酸基付きのカーボンブラックを形成する前に、カーボンブラックに対して白金担持工程を行っている。
次に、上記した白金担持工程を経たカーボンブラックを100ミリリットルのテトラヒドロフラン(THF)に浸し、−10℃とし、10ミリリットルの1.5Mのn−BuLiヘキサン溶液をそこに加え、混合物を形成した。その混合物を、−10℃で1時間反応させた。さらに、その混合物に、3gのプロパンスルトン(上記した式(5)におけるX2に相当)を含む50ミリリットルのテトラヒドロフラン(THF)溶液を加え、40℃で3時間反応させて反応物を形成した。
その後、その反応物を濾過、洗浄し、1Nの塩酸でプロトン化した。その後、プロトン化した反応物を濾過、洗浄し、スルホン酸基付きの白金担持カーボンを形成した。白金担持カーボンを形成した以後の上記の全て反応は、フラスコ内の窒素雰囲気で行われた。
実施例2で製造したスルホン酸基付きのカーボンブラックの構造を式(2)に示す。その製造方法を式(5)に示す。本実施例では、式(5)においてn=3である。
このスルホン酸基付きの白金担持カーボンを用い、実施例1と同様な工程でカソードガス拡散電極を作成した。更に、実施例1と同様に膜電極接合体(MEA)を形成し、同様な条件で発電実験を行った。表1に示されたようなセル電圧出力が得られた。このアノードガス拡散電極のアノード触媒層は、スルホン酸基を有するカーボンブラックではなく、スルホン酸基を有しない通常のカーボンブラックを用いて形成されている。
(実施例3)
実施例3はカーボンブラックにγ線を照射するものである。先ず、5gのカーボンブラック(カーボン担体、キャボット社製, VULCAN XC72R)を出発原料として用いた。そして、放射線としてのγ線(100KGy,線源コバルト60)を 窒素雰囲気においてカーボンブラックに照射した。放射線源はコバルト60とした。次に、照射後のカーボンブラックをガラス反応管に入れ、更にスチレンモノマー70g(スチレン:C65−CH=CH2)をガラス反応管に加えた。更に、反応管の内部を充分に窒素で置換した。
その後、かかる反応管を70℃の恒温槽に浸漬した。反応後のカーボンブラックをメタノールで3回洗浄した後、乾燥機を用いてカーボンブラックを乾燥させた。乾燥したカーボンブラックのスチレン重量対カーボンブラックの重量比は0.05であった。つまり、重量比で、スチレン:カーボンブラック=1:0.05であった。
その後、1gのクロロスルホン酸が入った100mLのジクロロエタンにこのカーボンブラックを入れた後、60℃、90分の条件でスルホン化し、実施例3に係るスルホン酸基付きのカーボンブラックを得た。
このようにして得られたスルホン酸基付きのカーボンブラックに、触媒前駆体としてのジニトロジアンミン白金錯体を含有するアルコール希釈溶液を吸着させた。この場合、重量比でC/Pt=4/6となるようにした。そのカーボンブラックを乾燥機で充分に乾燥した。
その後、そのカーボンブラックの触媒前駆体に対して還元温度170℃の水素気流中において2時間還元処理をした。これにより実施例3に係るスルホン酸基付の白金担持カーボンが得られた。このように本実施例では、スルホン酸基付きのカーボンブラックを形成した後に、白金担持工程を行っている。スルホン酸基をカーボンブラックに担持する担持量を確保するためである。実施例3で製造したスルホン酸基付きのカーボンブラックの構造を式(3)に示す。その製造方法を式(7)に示す。
このスルホン酸基付きの白金担持カーボンと、5wt%濃度のイオン交換樹脂溶液(旭化成工業 株式会社製、SS−1080)70gと、水23gと,成形助剤としてのイソプロピルアルコール23gとを充分に混合し、触媒ペーストを製作した。そして、比較例と同様に、白金担持量が0.6ミリグラム/cm2になるように触媒ペーストをガス拡散層に塗布し、カソードガス拡散電極を形成した。単位面積当たりの触媒担持量は比較例と同様としているが、触媒ペーストに配合したイオン交換樹脂溶液は70gであり、比較例(100g)よりも重量比で30%少ない。
また、比較例と同様なアノードガス拡散電極及び電解質膜を用い、比較例と同様な条件で、膜電極接合体(MEA)を作成した。そして、同様な条件で発電実験を行った。表1に示されたようなセル電圧出力が得られた。このアノードガス拡散電極のアノード触媒層は、スルホン酸基を有するカーボンブラックではなく、スルホン酸基を有しない通常のカーボンブラックを用いて形成されている。
(実施例4)
5gのカーボンブラック(カーボン担体、キャボット社製 VULCAN XC72R)に比較例と同様に白金を担持し、白金担持カーボンを形成した。この場合、C/Pt=4/6とした。その後、実施例3のように、γ線照射工程、スチレンモノマーグラフト工程(重量比で、スチレン/カーボンブラック=0.05/1)、スルホン酸化工程を順に経て、スルホン酸基付きの白金担持カーボンを形成した。白金担持カーボンを形成した後に上記の全て反応は、フラスコ内の窒素雰囲気で行われた。
実施例1と同様に白金担持カーボンとイオン交換樹脂溶液と水と成形助剤としてのイソプロピルアルコールとを充分に混合し、触媒ペーストを製作した。そして比較例と同様に、白金担持量が0.6ミリグラム/cm2になるように触媒ペーストをガス拡散層に塗布し、カソードガス拡散電極を形成した。単位面積当たりの触媒担持量は比較例と同様としているが、触媒ペーストに配合したイオン交換樹脂溶液は70gであり、比較例(100g)よりも少ない。
また、比較例と同様に形成したアノードガス拡散電極及び電解質膜を用い、比較例と同様な条件で膜電極接合体(MEA)を作成し、比較例と同様な条件で発電実験を行った。表1に示されたようなセル電圧出力が得られた。このアノードガス拡散電極のアノード触媒層は、スルホン酸基を有するカーボンブラックではなく、スルホン酸基を有しない通常のカーボンブラックを用いて形成されている。
(実施例5)
本実施例は基本的には実施例4と同様である。但し、カソードガス拡散電極ばかりか、アノードガス拡散電極についても、実施例4で作られたスルホン酸基付きの白金担持カーボンとイオン交換樹脂溶液と水と成形助剤としてのイソプロピルアルコールとが配合された触媒ペーストを用いた。ここで、カソード触媒層について、単位面積当たりの触媒担持量は比較例と同様としているが、触媒ペーストに配合したイオン交換樹脂溶液は70gであり、比較例(100g)よりも重量比で30%と少ない。また、アノード触媒層について、単位面積当たりの触媒担持量は比較例と同様としているが、触媒ペーストに配合したイオン交換樹脂溶液は70gであり、比較例(100g)よりも少ない。そして、同様な条件で膜電極接合体(MEA)について発電実験を行った。表1に示されたようセル電圧出力が得られた。
Figure 2005248041
上記の結果から分かるように,実施例に係る触媒層を搭載した固体高分子電解質型の燃料電池は、触媒層に含まれるイオン交換樹脂(プロトン伝導体)の量が少ないにもかかわらず、比較例に係る燃料電池に比べて、出力特性に優れていることが分かった。
また、導入されたイオン交換基以外の部分は炭化水素系のものであるが、フッ素系のものも含まれ、上記した実施例の形態に限定されるものではない。上記した各実施例では、白金を含有する触媒ペーストをガス拡散層の表面に塗布することにしているが、これに限らず、白金を含有する触媒ペーストを電解質膜の表面に塗布することにしても良い。その他、本発明は上記し且つ図面に示した実施例のみに限定されるものではなく、必要に応じて適宜変更して実施できるものである。
本発明は例えば燃料電池の触媒層等に使用されるカーボン材料として利用することができる。
燃料電池のセルの概念図(ハッチングを省略)である。 従来技術に係り、燃料電池に使用されるスルホン酸基を有するカーボン材料の製造過程及び構造を示す概念図である。
符号の説明
図中、100は膜電極接合体、101はアノードガス拡散層、102はカソード触媒層、103は電解質膜、104はカソード触媒層、105はカソードガス拡散層、201は燃料流路、203は酸化剤ガス流路を示す。

Claims (9)

  1. 式(1)で示される化学構造をもつことを特徴とするイオン交換能をもつカーボン材料。(式中、CBはカーボン担体、R1は一価の官能基、水素原子、フッ素原子のいずれかを示す。スルホン酸基(−SO3H基)及びR1はオルト配置、メタ配置、パラ配置を含む。)
    Figure 2005248041
  2. 式(2)で示される化学構造をもつことを特徴とするイオン交換能をもつカーボン材料。(式中、CBはカーボン担体、nは1〜10の整数)
    Figure 2005248041
  3. 式(3)で示される化学構造をもつことを特徴とするイオン交換能をもつカーボン材料。(式中、CBはカーボン担体、nは1〜10の整数)
    Figure 2005248041
  4. 請求項1〜請求項3のうちのいずれかおいて、前記カーボン担体は触媒金属を担持していることを特徴とするイオン交換能をもつカーボン材料。
  5. カルボキシル基(−COOH基)を有するカーボン担体を用意する工程と、
    カーボン担体のカルボキシル基をX1と反応させ、カーボン担体に付加化合物を形成する工程と、
    付加化合物をスルホン化させる工程とを実施することを特徴とするイオン交換能をもつカーボン材料の製造方法。
    (X1は、1つ以上の芳香族環を含む芳香属化合物であって、H、CH3、OH、SH,NH等の電子供与性基を置換基として有する。また、X1が2つ以上の芳香属環を有する場合には、X1は、その芳香属環同士が直接的につながっているか、あるいは、−O−、−S−、−CH2−、−NH−のいずれかで繋がれている芳香属化合物である。)
  6. ヒドロキシル基(−OH基)を有するカーボン担体を用意する工程と、
    カーボン担体のヒドロキシル基の水素原子をアルカリ金属と置換させる工程と、
    アルカリ金属と置換したカーボン担体とX2とを反応させ、カーボン担体に存在するヒドロキシル基に、スルホン酸基を有する分子構造を結合させる工程とを実施することを特徴とするイオン交換能をもつカーボン材料の製造方法。
    (X2は、スルトン化合物、または、X3−CH2−A−SO3−Bで表される化合物である。
    ここで、X3はCl,Br,I,Fより選ばれるハロゲン原子を示す。Aはオレフィン炭化水素もしくは芳香族環化合物を示す。Bは水素原子、または、Na、K等のスルホン酸塩となり得る金属原子を示す。)
  7. カーボン担体にラジカル形成手段によりラジカルを形成する工程と、
    カーボン担体のラジカルを反応起点として単量体と反応させて付加化合物を形成する工程と、
    カーボン担体に形成された付加化合物をスルホン化する工程を実施することを特徴とするイオン交換能をもつカーボン材料の製造方法。
  8. 請求項4に係るイオン交換能をもつカーボン材料とイオン伝導体とを含有するか、あるいは、請求項5〜7のうちのいずれかの製造方法で製造されたイオン交換能をもつカーボン材料のカーボン担体に触媒金属を担持したカーボン材料とイオン伝導体とを含有する燃料電池触媒層用組成物。
  9. 請求項8に係る燃料電池触媒層用組成物を基材として形成された触媒層を有することを特徴とする燃料電池。
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