JPWO2006038432A1 - アンテナ装置およびそのアンテナ装置を用いた無線端末 - Google Patents

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Abstract

本発明は、音声通話時とデータ通信時のような複数の無線端末の使用形態に適した指向特性に切り替えることができる、薄型化が容易なアンテナ装置およびそのアンテナ装置を用いた無線端末を提供することを目的とする。 本発明のアンテナ装置1は、第1の面に配置された線状の放射素子3と、前記放射素子3と平行に、前記第1の面に配置された第1の無給電素子6と、第1の面に配置された第1の接地導体5と、前記第1の無給電素子6の両端それぞれと前記第1の接地導体とを接続する第1のスイッチ7と、前記第1の面に対向する第2の面に配置された第2の接地導体8と、を備えるアンテナ装置1であって、前記第1の接地導体5の一部は、前記放射素子3を挟んで前記第1の無給電素子6の反対側に、前記放射素子3と平行に配置され、前記第2の接地導体8は、前記放射素子3に対向するように配置され、前記第2の接地導体8の端部は、前記放射素子3と前記第1の無給電素子6によって挟まれる領域に対向しているものである。

Description

本発明は、アンテナ装置及びそのアンテナ装置を内蔵した無線端末に関し、特に、指向特性を電気的に可変とする機能を有するアンテナ装置を内蔵した無線端末に関するものである。
近年、携帯電話等の無線端末において、音声通話機能以外にデータ通信機能の需要が高まっており、音声通話機能とデータ通信機能の双方を備えた無線端末も普及してきている。音声通話とデータ通信の双方の機能を備えた無線端末において、音声通話する場合とデータ通信する場合とでは、無線端末とその無線端末を使用するユーザとの位置関係が異なってくる。
例えば、音声通話の場合、図10に示す音声通話時における無線端末とユーザとの位置関係の一例に示すように、ユーザは無線端末をユーザの耳に押し当てるようにして使用するため、無線端末をユーザの頭部側面に配置して使用するが、データ通信の場合、図11に示すデータ通信時における無線端末とユーザとの位置関係の一例に示すように、ユーザは無線端末のディスプレイに表示された情報を確認するため、無線端末をユーザの頭部正面から、距離をとった位置に配置して使用することになる。
このように、音声通話時とデータ通信時において、無線端末とその無線端末を使用するユーザとの位置関係が異なると、無線端末に内蔵されたアンテナ装置の指向性を、その位置関係それぞれに応じた、適したものに変更することが求められる。具体的には、図12の音声通話時、データ通信時それぞれにおけるアンテナの放射指向性の一例に示す。
例えば、音声通話時のように無線端末を頭部側面に配置する場合には、アンテナの最大放射方向を無線端末の背面方向とし、データ通信時のように無線端末をユーザの頭部正面から距離をとった位置に配置する場合には、アンテナの最大放射方向を無線端末の天頂方向とするように指向性を切替可能な単指向性アンテナを構成とすることが求められる。つまり、無線端末に内蔵されるアンテナ装置は、単指向性で、かつ、音声通話時とデータ通信時のそれぞれの使用形態におけるアンテナの最大放射方向が、無線端末の天頂方向から背面方向に向かって切り替え可能な構成を有することが望まれる。
このようなアンテナ装置の構成により、放射電磁界がアンテナ装置から人体へ向けられることを抑制するためSAR(Specific Absorption Rate)を改善することができ、また、不要な方向への電磁放射を抑制して単指向性化するため、アンテナ利得の向上も図ることができる。
これまでアンテナの指向性を切替可能なアンテナ構成としては、例えば、制御素子を用いて無給電素子の長さを制御し、八木アンテナの指向性を前後に切り替えるアンテナ構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図46は、特許文献1に記載された従来の指向性切替アンテナの概略構成図である。図46において、101は無給電素子、102は給電素子、103は補助素子、104は制御素子である。
以下、特許文献1に記載された、従来の指向性切替アンテナの動作を説明する。従来の指向性切替アンテナは、給電素子102の前後に一定の間隔を置いて無給電素子101が配置される。無給電素子101は、その先端に電気的に絶縁して付加された補助素子103を、制御素子104によって接続できるように構成されている。ここで、制御素子104は、ダイオードスイッチ等で構成され、どちらか一方の無給電素子101とその両端にある補助素子103とを導通するように取り付けられている。
よって、無給電素子101に、導線を介して正の電圧を印加したときは、一方の無給電素子101がその両端の補助素子103と導通して反射器として動作し、他方の無給電素子101は補助素子103が導通せず導波器として動作する。このため、特許文献1のアンテナは、補助素子103が導通していない、無給電素子101の方向に指向性を持つ。また、無給電素子101に、導線を介して負の電圧を印加したときは、反射器、導波器として動作する無給電素子101の位置関係が逆転するため、指向性も逆転することになる。
以上のような構成とすることによって、無給電素子101に印加する電圧の極性を切り替えるという簡易な制御によって、指向性を180度反転可能な八木アンテナを構成することができる。
また、地板上にアンテナ素子を垂直に配置して、その周囲に無給電素子を配置し、それらを導波器か反射器で切り替えることにより、指向性を切り替えるアンテナ構成が提案されている。(例えば、特許文献2参照)。
図47は、特許文献2に記載された従来の指向性切替アンテナの概略構成図である。図47において、111は地板、112は放射素子、113〜116は無給電素子、117〜120は誘電体基板である。
以下、特許文献2に記載された従来の指向性切替アンテナの動作を説明する。誘電体基板117〜120で実現された地板111上に、放射器として作用する放射素子112を配置し、反射器または導波器として作用する無給電素子113〜116を、誘電体基板117〜120上に実装し、誘電体基板117〜120を地板111に垂直に立てるように構成されている。
ここで、地板111上には、無給電素子113〜116を反射器として作用させるか、導波器として作用させるかを、切り替えるスイッチ回路が実装されており、スイッチ回路の1つを短絡させ、その他のスイッチ回路を開放させることによって、アンテナに指向性を持たせることができる。例えば、無給電素子113を導波器とし、その他の無給電素子114〜116を反射器とするようにスイッチ回路を選択することによって、アンテナの指向性を無給電素子113方向に向けることができ、同様にして、無給電素子114〜116のいずれか1つのスイッチ回路を短絡させることで、指向性を90度ずつ4方向に切り替えることができる。
以上のような構成とすることによって、スイッチ回路の短絡、開放の簡単な制御により、指向性を90度ずつ切替可能なアンテナを構成することができる。さらに、無給電素子113〜116を誘電体基板117〜120上に形成しているため、例えば誘電体基板117〜120の誘電率を高くすることによって、波長の短縮効果により、無給電素子113〜116の長さを短縮して、低姿勢化を図ることができる。
また、アンテナの指向性を切替可能なアンテナ装置の別の構成としては、例えば、アース金属導体を2つに分け、スイッチによりアース金属導体全体の電気的長さを変えることで指向性を切り替えるアンテナ構成が提案されている(例えば、特許文献3参照)
図48は、特許文献3に記載された従来の指向性切替アンテナ装置の概略構成図である。図48において、指向性切替アンテナ装置は、アンテナエレメント301、アンテナエレメント301と受信回路303との整合を行うマッチング回路302、受信回路303から送られた信号の強度を比較する受信電界強度比較器304、高周波スイッチ308をオン、オフさせるための制御回路305、アンテナエレメント301に直列に接続され、アンテナ装置のアース導体に相当する2つの部分に分けられたアース金属導体306、307、2つの高周波スイッチ308を含む構成である。
以下、特許文献3に記載された従来の指向性切替アンテナの動作を説明する。アンテナエレメント301で受信された電磁波は、マッチング回路302を通って受信回路303に送られる。また制御回路305は、高周波スイッチ308を任意の時間間隔でオン、オフを繰り返すように制御している。高周波スイッチ308がオンの時は、図49(a)に示すように、アンテナエレメント301に対して、ほぼ垂直の放射指向性を有するが、高周波スイッチ308がオフの時は、図49(b)に示すように、高周波スイッチ308がオンの時に比べて、約−30度方向の放射指向性を有するような指向特性となる。
以上のような構成とすることによって、アンテナエレメント301に対して、直列に接続されたアース金属導体306、307の長さを、高周波スイッチ308により電気的に変化させることで、2種類のアンテナ指向特性を得ることができる。
さらに、アンテナエレメントの後部左右にアンテナリフレクタを配置して、アンテナリフレクタの接地インピーダンスを制御して、指向性を切り替えるアンテナ構成が提案されている。(例えば、特許文献4参照)。
図50は、特許文献4に記載された従来の指向性切替アンテナの概略構成図である。図50において、指向性切替アンテナは、アンテナ311、アンテナエレメント312、アンテナエレメント312の左右に位置し、略三角形の形状の導体板でなるアンテナリフレクタ313、314、アンテナ311をカバーするモールド315を含む構成である。
以下、特許文献4に記載された従来の指向性切替アンテナの動作を説明する。アンテナリフレクタ313、314は、アンテナエレメント312の下部左右に位置し、無線部等の基板上に配置されたインピーダンス可変用の接地インピーダンス回路と接続されている。図51は、アンテナリフレクタ313、314を切り替えた場合におけるアンテナの特性の変化を示す特性図である。アンテナリフレクタ313、314との切り替えは、その何れかを接地することにより行う。
更に、アンテナエレメント312から放射された電磁波を、インピーダンスを介して接地されたアンテナリフレクタ313、314により指向性を切り替え、ダイバーシチ機能を実現する。アンテナリフレクタ313、314とを切り替え、接地側としてアンテナリフレクタ314を選択した場合には、アンテナエレメント312の指向性は、図51(a)に示すようにアンテナリフレクタ314と干渉して、右よりの指向性を持つ。逆にアンテナリフレクタ313を選択した場合には、アンテナエレメント312の指向性は、図51(b)に示すようにアンテナリフレクタ313と干渉して、左よりの指向性を持つ。
以上のような構成とすることによって、アンテナリフレクタ313、314に接続された接地インピーダンス回路を制御して、どちらか一方のアンテナリフレクタを接地するという簡単な方法により、指向性をアンテナエレメント312に対して左右180度方向に切り替えることができる。
特開平6−69723号公報 特開2001−345633号公報 特開平5−48506号公報 特開2001−292017号公報
しかしながら、特許文献1のような構成を用いることによって、例えば誘電体基板上117〜120での導体パターンによる形成が可能であるため、無線端末への内蔵化には適しているが、指向性が前後180度方向にしか切り替えることができないため、音声通話時やデータ通信時の無線端末の使用形態に適したアンテナ装置の指向性を実現することができないという課題があった。
また、特許文献2のような構成を用いることによって、スイッチの切り替えにより、アンテナの指向性を90度ずつ切り替えることが可能であるが、無線端末の天頂方向と背面方向での切り替えを可能とするためには、無線端末内の誘電基板117〜120とは垂直に地板111を設ける必要があるため、無線端末の厚さ方向に対して薄型化が困難であった。
また、特許文献3のような構成を用いることによって、例えば、筐体や誘電体基板上に導体パターンによってアース金属導体を形成することで、容易にアース金属導体の電気的な長さを変更して指向性を変更することができるが、アース金属導体をアンテナエレメントに対して直列に接続する必要があるため、モノポール形状のアンテナエレメントにしか対応できず、ダイポールアンテナ平衡給電系のアンテナエレメントに対しては適用できないという課題があった。
また、特許文献4のような構成を用いることによって、アンテナ筐体内にアンテナリフレクタを形成することで、無線端末への内蔵化が可能であり、また、アンテナエレメントとしてダイポールのような平衡給電系のアンテナエレメントにも適応可能だが、指向性が左右方向に180度の切り替えしかできないため、音声通話時やデータ通信時の無線端末の使用形態に適したアンテナ装置の指向性を実現することができないという課題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、音声通話時とデータ通信時のような複数の無線端末の使用形態に適した指向特性に切り替えることができるアンテナ装置およびそのアンテナ装置を用いた無線端末を提供することを目的とする。
本発明のアンテナ装置は、第1の面に配置された線状の放射素子と、前記放射素子と平行に、前記第1の平面に配置された第1の無給電素子と、第1の面に配置された第1の接地導体と、前記第1の無給電素子の両端それぞれと前記第1の接地導体とを接続する第1のスイッチと、前記第1の面に対向する第2の面に配置された第2の接地導体と、を備えるアンテナ装置であって、前記第1の接地導体の一部は、前記放射素子を挟んで前記第1の無給電素子の反対側に、前記放射素子と平行に配置され、前記第2の接地導体は、前記放射素子に対向するように配置され、前記第2の接地導体の端部は、前記放射素子と前記第1の無給電素子によって挟まれる領域に対向しているものである。
本発明のアンテナ装置は、第1の面に配置された線状の放射素子と、前記放射素子と平行に、前記第1の面に配置された線状の第1の無給電素子と、前記第1の無給電素子の長手方向延長線上の両側に配置された線状の補助素子と、前記第1の面に配置された第1の接地導体と、前記第1の無給電素子の両端と前記補助素子とをそれぞれ接続する第1のスイッチと、前記第1の面に対向する第2の面に配置された第2の接地導体と、を備えるアンテナ装置であって、前記第1の接地導体は、前記放射素子を挟んで前記第1の無給電素子の反対側に、前記放射素子と平行に配置され、前記第2の接地導体は、前記放射素子に対向するように配置され、前記第2の接地導体の端部は、前記放射素子と前記第1の無給電素子によって挟まれる領域に対向しているものである。
また、本発明のアンテナ装置は、前記第1の接地導体が、前記放射素子よりも長い線状導体であるものを含む。
本発明のアンテナ装置は、第1の面に配置された線状の放射素子と、前記放射素子と平行に、前記第1の面に配置された線状の第1の無給電素子と、前記放射素子を挟んで前記第1の無給電素子の反対側の前記第1の面に、前記放射素子と平行に配置された線状の第2の無給電素子と、前記第1、第2の無給電素子の長手方向延長線上の両側に配置された線状の補助素子と、前記第1、第2の無給電素子の両端と、前記第1、第2の無給電素子それぞれの両端に配置された前記補助素子とを、それぞれ接続する第1、第2のスイッチと、前記第1の面に対向する第2の面に配置された第2の接地導体と、を備えるアンテナ装置であって、前記第2の接地導体は、前記放射素子に対向するように配置され、前記第2の接地導体の一端部は、前記放射素子と前記第1の無給電素子によって挟まれる領域に対向し、前記第2の接地導体の別の端部は、前記放射素子と前記第2の無給電素子によって挟まれる領域に対向しているものである。
また、本発明のアンテナ装置は、一面に前記放射素子、前記第1、第2の無給電素子、前記第1の接地導体および前記第1、第2のスイッチが配置され、他面に前記第2の接地導体が配置される第1の基板を備えるものを含む。
また、本発明のアンテナ装置は、前記スイッチの短絡/開放を制御する制御手段を備えるものを含む。
従来のアンテナ装置では、音声通話とデータ通信のように無線端末の使用形態が異なる場合に、その使用形態に応じて、所望の方向にアンテナの最大放射方向を切り替えることができず、無線端末におけるアンテナ構成として適当でなかった。これらの構成によれば、スイッチ短絡時には無給電素子が接地導体として動作することで放射素子の周囲を接地導体で覆った構成とし、スイッチ開放時には無給電素子が接地導体から切り離されるため、スイッチの短絡/開放によってアンテナの指向性を所望の方向に切り替えることができる。
また、本発明のアンテナ装置は、前記無給電素子は、前記スイッチを開放する場合に、前記放射素子に対する導波器になるよう構成しているものを含む。
この構成によれば、無給電素子を導波器として作用させることができるため、スイッチ開放状態において放射素子と無給電素子で八木アンテナ構成とすることができ、スイッチ短絡状態に対して指向性を約90度切り替えることができる。
また、本発明のアンテナ装置は、前記無給電素子と前記補助素子は、前記スイッチを短絡した場合、前記放射素子に対する反射器になるよう構成しているものを含む。
この構成によれば、スイッチの短絡/開放によって無給電素子を導波器と反射器で切り替えることができるため、スイッチ短絡状態において、無給電素子を接地導体と接続することなく指向性を約90度切り替えることができる。
また、本発明のアンテナ装置は、前記無給電素子は、リアクタンスが可変であるものを含む。
また、本発明のアンテナ装置は、前記無給電素子は、複数の導体片を接続するスイッチで構成されるものを含む。
また、本発明のアンテナ装置は、前記無給電素子は、可変容量素子を有するものを含む。
これらの構成によれば、無給電素子の電気長を可変することができるため、スイッチ開放時におけるアンテナ指向性を可変することができると共に、アンテナの入力インピーダンス特性も調整することが可能となる。
また、本発明のアンテナ装置は、前記基板が誘電体材料で構成されているものを含む。
この構成によれば、誘電体基板の誘電率による波長短縮効果で、放射素子の電気長を短くすることができるため、アンテナの小型化が図れる。
また、本発明のアンテナ装置は、前記基板が発泡材で構成されているものを含む。
この構成によれば、放射素子、無給電素子等を板金可能により製作し、発泡材上に固定することで非常に安価に指向性切替アンテナを製作することができる。
また、本発明のアンテナ装置は、前記放射素子は、前記第1の基板に対して水平方向に折り返された折り返し構造であるものを含む。
この構成によれば、放射素子の入力インピーダンスを高くすることができるため、放射素子の極近傍に接地導体が配置されて入力インピーダンスが低くなった状態においても、給電部との整合をとり易くすることができる。
また、本発明のアンテナ装置は、前記放射素子は、前記第1の基板上の導体パターンにより形成されているものを含む。
この構成によれば、放射素子を基板と一体的に製作することができるため、安価に製作することができ、さらに特性の安定化も図ることができる。
また、本発明のアンテナ装置は、前記第2の接地導体は、前記第1の基板上の導体パターンにより形成されているものを含む。
この構成によれば、第2の接地導体を基板と一体的に製作することができるため、第2の接地導体の先端部を正確に配置することができ、特性を安定化させることができる。
また、本発明のアンテナ装置は、前記放射素子と前記第2の接地導体は、前記放射素子と前記第2の接地導体の間隔が前記第1の基板の厚さよりも大きくなるよう配置されたものを含む。
この構成によれば、放射素子と第2の接地導体の距離を確保できるため、放射素子の入力インピーダンスの低下を防ぐことができ、給電部との整合をとり易くすることができる。
また、本発明のアンテナ装置は、前記放射素子は、前記基板に対して垂直方向に折り返し構造を有するダイポール構成であって、前記第1の基板上に配置された下部導体と、前記下部導体の両端部それぞれから第1の基板に対して垂直方向に配置された折り返し部と、前記折り返し部の端部間を接続するよう配置された上部導体と、を含んで構成されるものを含む。
この構成によれば、放射素子を3次元に折りたたむようにして配置できるため、アンテナの設計の自由度が増すと共に、アンテナの実装面積を小型化することができる。
また、本発明のアンテナ装置は、前記第1の基板の上部に第2の基板を備え、前記下部導体は、前記第1、第2の基板間に狭設され、前記折り返し部は、前記第2の基板を貫通して配置され、前記上部導体は、前記第2の基板上に配置されたものを含む。
この構成によれば、基板を多層化することで、折り返し構造を有する放射素子を形成することができるため、安価に製作でき、さらに特性を安定させることができる。
また、本発明のアンテナ装置は、前記第1の基板の上部に誘電体ブロックを備え、前記下部導体、前記折り返し部および前記上部導体は、誘電体ブロックの表面上及び/または内部に配置されたものを含む。
また、本発明のアンテナ装置は、前記無給電素子、スイッチおよび第1の接地導体の一部は、前記誘電体ブロックの表面上及び/または内部に配置されたものを含む。
この構成によれば、高誘電率材料の誘電体ブロック中に放射素子及び/または無給電素子を3次元に折りたたむようにして配置できるため、アンテナの設計の自由度が増すと共に、アンテナの実装面積を非常に小型化することができ、さらに指向性切替機能を有する誘電体アンテナを製作することができる。
また、本発明のアンテナ装置は、前記放射素子は、直線状ダイポールであるものを含む。
この構成によれば、放射素子を非常に簡易に製作することができ、また、無給電素子とあわせて八木アンテナ構成とすることができるため、指向性の90度切替を実現できる。
また、本発明のアンテナ装置は、前記放射素子は、メアンダライン状ダイポールであるものを含む。
この構成によれば、放射素子を非常に小型化することができる。
また、本発明のアンテナ装置は、前記第1、第2のスイッチは、ダイオードスイッチで構成されるものを含む。
また、本発明のアンテナ装置は、前記第1、第2のスイッチは、FETスイッチで構成されるものを含む。
また、本発明のアンテナ装置は、前記第1、第2のスイッチは、MEMSスイッチで構成されるものを含む。
これらの構成によれば、スイッチを非常に簡易な構成で実現できると共に、MEMS技術を用いることにより、スイッチを非常に小型化できるため、アンテナ自体の小型化も測ることができる。
本発明のアンテナ装置は、第1の面に配置された線状の放射素子と、前記第1の面に対向する第2の面に配置された接地導体と、前記放射素子と平行に、前記第2の平面上に前記接地導体と電気的に絶縁して配置された第1の導体と、前記接地導体と前記導体とを接続する第1のスイッチと、を備えるアンテナ装置であって、前記接地導体と前記導体の一方が、前記放射素子に対向して配置されるものである。
また、本発明のアンテナ装置は、前記第1の導体と前記接地導体に対して対称な位置に配置された第2の導体と、前記接地導体と前記第2の導体とを接続する第2のスイッチと、を、更に、備えるアンテナ装置であって、前記接地導体が、前記放射素子に対向して配置されるものを含む。
また、本発明のアンテナ装置は、前記第1の平面と前記第2の平面とが配置される第1の基板を備えるものを含む。
また、本発明のアンテナ装置は、前記接地導体が、前記放射素子に対向して配置されるものを含む。
また、本発明のアンテナ装置は、前記導体が、前記放射素子に対する導波器になるものを含む。
また、本発明のアンテナ装置は、前記導体が、前記放射素子に対向して配置されるものを含む。
また、本発明のアンテナ装置は、前記導体が、前記放射素子よりも長いものを含む。
従来のアンテナ装置では、音声通話とデータ通信のように無線端末の使用形態が異なる場合に、その使用形態に応じて、所望の方向にアンテナの最大放射方向を90度切り替えることができず、無線端末におけるアンテナ構成として適当でなかった。これらの構成によれば、スイッチ短絡時には第一の金属導体が接地導体として動作し、スイッチ開放時には第一の金属導体が接地導体から切り離されるため、スイッチの短絡/開放によってアンテナの指向性を所望の方向に切り替えることができる。
また、本発明のアンテナ装置は、前記導体が、リアクタンスが可変であるものを含む。
また、本発明のアンテナ装置は、前記導体が、可変容量素子を有するものを含む。
また、本発明のアンテナ装置は、前記導体が、前記導体の長さ方向に分割された複数の導体片と、前記複数の導体片を接続する第3のスイッチと、を含んで構成されるものを含む。
これらの構成によれば、第一の金属導体の電気長を可変することができるため、スイッチ開放時におけるアンテナ指向性を調整することができると共に、アンテナの入力インピーダンス特性も調整することが可能となる。
また、本発明のアンテナ装置は、前記導体が、前記導体の幅方向に分割された複数の導体片と、前記複数の導体片を接続する第3のスイッチと、を含んで構成されるものを含む。
この構成によれば、第一の金属導体の幅方向の電気的長さを可変することができるため、スイッチ開放時におけるアンテナ指向性を調整することができる。
また、本発明のアンテナ装置は、前記第1の基板が、誘電体材料で構成されているものを含む。
この構成によれば、誘電体基板の誘電率による波長短縮効果で、放射素子の電気長を短くすることができるため、アンテナの小型化が図れる。
また、本発明のアンテナ装置は、前記第1の基板が、発泡材で構成されているものを含む。
この構成によれば、放射素子、第一の金属導体等を板金可能により製作し、発泡材上に固定することで非常に安価に指向性切替アンテナを製作することができる。
また、本発明のアンテナ装置は、前記第1のスイッチが、前記接地導体と前記第一の金属導体とを複数箇所で接続する複数のスイッチで構成されるものを含む。
また、本発明のアンテナ装置は、前記複数の第3のスイッチが、前記放射素子の給電点を含む前記放射素子に垂直な平面に対して、対称に配置されているものを含む。
また、本発明のアンテナ装置は、前記第3のスイッチが、前記放射素子の給電点を含む前記放射素子に垂直な平面に対して、非対称に配置されているものを含む。
また、本発明のアンテナ装置は、前記第3のスイッチが、前記放射素子上の電圧最大位置付近に対向する位置にある、前記接地導体と前記第一の金属導体とを接続するものを含む。
これらの構成によれば、接地導体と第一の金属導体の間を全面に渡って接続する必要がなく、必要最小限のスイッチを用いて指向性を切り替えることが可能となり、さらに、放射素子の長さ方向に対して非対称な位置をスイッチで短絡することで、3次元での指向性切替が可能となる。
また、本発明のアンテナ装置は、前記放射素子が、前記第1の基板上の導体パターンにより形成されているものを含む。
この構成によれば、放射素子を基板と一体的に製作することができるため、安価に製作することができ、さらに特性の安定化も図ることができる。
また、本発明のアンテナ装置は、前記接地導体が、前記第1の基板上の導体パターンにより形成されているものを含む。
この構成によれば、接地導体を基板と一体的に製作することができるため、接地導体の先端部を正確に配置することができ、特性を安定化させることができる。
また、本発明のアンテナ装置は、前記放射素子と前記接地導体が、前記放射素子と前記第2の接地導体の間隔が前記第1の基板の厚さよりも大きくなるよう配置されたものを含む。
この構成によれば、放射素子と接地導体の距離を確保できるため、放射素子の入力インピーダンスの低下を防ぐことができ、給電部との整合をとり易くすることができる。
また、本発明のアンテナ装置は、前記放射素子が、前記第1の基板に対して水平方向に折り返された折り返し構造であるものを含む。
この構成によれば、放射素子の入力インピーダンスを高くすることができるため、放射素子の極近傍に接地導体が配置されて入力インピーダンスが低くなった状態においても、給電部との整合をとり易くすることができる。
また、本発明のアンテナ装置は、前記放射素子が、前記基板に対して垂直方向に折り返し構造を有するダイポール構成であって、前記第1の基板上に配置された下部導体と、前記下部導体の両端部それぞれから第1の基板に対して垂直方向に配置された折り返し部と、前記折り返し部の端部間を接続するよう配置された上部導体と、を含んで構成されるものを含む。
この構成によれば、放射素子を3次元に折りたたむようにして配置できるため、アンテナの設計の自由度が増すと共に、アンテナの実装面積を小型化することができる。
また、本発明のアンテナ装置は、前記第1の基板の上部に第2の基板を備え、前記下部導体は、前記第1、第2の基板間に狭設され、前記折り返し部は、前記第2の基板を貫通して配置され、前記上部導体は、前記第2の基板上に配置されたものを含む。
この構成によれば、基板を多層化することで、折り返し構造を有する放射素子を形成することができるため、安価に製作でき、さらに特性を安定させることができる。
また、本発明のアンテナ装置は、前記第1の基板の上部に誘電体ブロックを備え、前記下部導体、前記折り返し部および前記上部導体が、誘電体ブロックの表面上及び/または内部に配置されたものを含む。
この構成によれば、高誘電率材料の誘電体ブロック中に放射素子及び/または無給電素子を3次元に折りたたむようにして配置できるため、アンテナの設計の自由度が増すと共に、アンテナの実装面積を非常に小型化することができる。
また、本発明のアンテナ装置は、前記放射素子が、直線状ダイポールで構成されるものを含む。
この構成によれば、放射素子を非常に簡易に製作することができる。
また、本発明のアンテナ装置は、前記放射素子が、メアンダライン状ダイポールで構成されるものを含む。
この構成によれば、放射素子を非常に小型化することができる。
また、本発明のアンテナ装置は、前記第1、第2のスイッチが、ダイオードスイッチで構成されるものを含む。
また、本発明のアンテナ装置は、前記第1、第2のスイッチが、FETスイッチで構成されるものを含む。
また、本発明のアンテナ装置は、前記第1、第2のスイッチが、MEMSスイッチで構成されるものを含む。
これらの構成によれば、スイッチを非常に簡易な構成で実現できると共に、MEMS技術を用いることにより、スイッチを非常に小型化できるため、アンテナ自体の小型化も測ることができる。
本発明の無線端末は、本発明のアンテナ装置と、前記アンテナ装置により電波を送受信する送受信部と、前記アンテナ装置の指向性を切り替えるアンテナ指向性切替部と、各部の制御を行う制御部と、を備える無線端末であって、前記制御部は、前記アンテナ指向性切替部に前記アンテナ装置の指向性を切り替えさせて、前記送受信部に電波を受信させ、検出した電波の強度に基づいて、より良い受信感度と判定した指向性状態の前記アンテナ装置により、送受信させるよう前記アンテナ指向性切替部と前記送受信部とを制御するものである。
また、本発明の無線端末は、前記制御部は、受信状態では前記アンテナ装置にダイバーシチ受信させ、送信状態では受信状態に使用した指向性状態で前記アンテナ装置から送信させるよう制御するものを含む。
この構成によれば、マルチパス環境下においても、1つのアンテナの指向性を切り替えることでダイバーシチ受信することができるため、高品質な通信を行うことができる。
また、本発明の無線端末は、前記制御部は、受信状態では前記アンテナ装置にダイバーシチ受信させ、送信状態では前記アンテナ装置の最大放射方向が、当該無線端末から当該無線端末使用者に向かう方向と反対方向となる指向性状態で、前記アンテナ装置から送信させるよう制御するものを含む。
この構成によれば、マルチパス環境下においても、1つのアンテナの指向性を切り替えることでダイバーシチ受信することができ、高品質な通信を行うことができると同時に、送信時には無線端末を使用するユーザの方向にアンテナ指向性を向けないため、SARを改善することができる。
本発明のアンテナ装置およびそのアンテナ装置を用いた無線端末によれば、スイッチの短絡/開放によってアンテナの指向性を背面方向/天頂方向に切り替えることができ、音声通話時とデータ通信時のように無線端末の使用形態が異なる場合でも、その使用形態に適したアンテナの指向性に変化させて、高品質な通信を行うことができる。
本発明の第1実施形態に係る指向性切替アンテナの概略構成図 本発明の第1実施形態に係る指向性切替アンテナの指向性切替動作の原理 (a)本発明の第1実施形態に係る指向性切替アンテナにおけるG=Dのときの断面構成図 (b)本発明の第1実施形態に係る指向性切替アンテナにおける、G=Dのときのスイッチ切替時の指向性 (a)本発明の第1実施形態に係る指向性切替アンテナにおける、G≦0のときの断面構成図 (b)本発明の第1実施形態に係る指向性切替アンテナにおける、G≦0のときのスイッチ短絡時の指向性 (a)本発明の第1実施形態に係る指向性切替アンテナにおける、G=D/4のときの断面構成図 (b)本発明の第1実施形態に係る指向性切替アンテナにおける、G=D/4のときのスイッチ切替時の指向性 (a)本発明の第1実施形態に係る指向性切替アンテナにおける、G=D/2のときの断面構成図 (b)本発明の第1実施形態に係る指向性切替アンテナにおける、G=D/2のときのスイッチ切替時の指向性 (a)本発明の第1実施形態に係る指向性切替アンテナにおける、G=3/4×Dのときの断面構成図 (b)本発明の第1実施形態に係る指向性切替アンテナにおける、G=3/4×Dのときのスイッチ切替時の指向性 (a)本発明の第1実施形態に係る指向性切替アンテナにおける、G=19/20×Dのときの断面構成図 (b)本発明の第1実施形態に係る指向性切替アンテナにおける、G=19/20×Dのときのスイッチ切替時の指向性 本発明の第1実施形態に係る指向性切替アンテナにおける、0≦G<Dのときのスイッチ切替時の最大放射方向切替角度 音声通話時における無線端末とユーザとの位置関係の一例を示す図 データ通信時における無線端末とユーザとの位置関係の一例を示す図 音声通話時、データ通信時それぞれにおけるアンテナの放射指向性の一例を示す図 本発明の第2実施形態に係る指向性切替アンテナの概略構成図 本発明の第2実施形態に係る指向性切替アンテナの概略構成図 本発明の第3実施形態に係る指向性切替アンテナの概略構成図 本発明の第3実施形態に係るスイッチの切り替え動作とアンテナ指向性の関係を示す図 本発明の第4実施形態に係る指向性切替アンテナの概略構成図 本発明の第4実施形態に係るXY面に折り返し構造を有する放射素子の構成例を示す図 本発明の第4実施形態に係るYZ面に折り返し構造を有する放射素子の構成例を示す図 本発明の第4実施形態に係る折り返し構造を有する放射素子を用いた指向性切替アンテナの概略構成図 本発明の第4実施形態に係る多層構造の誘電体基板を用いた指向性切替アンテナの概略構成図 本発明の第4実施形態に係る誘電体ブロックを用いた指向性切替アンテナの概略構成図 本発明の第5実施形態に係る無線端末の概略構成図 本発明の第6実施形態に係る指向性切替アンテナの概略構成図 本発明の第6実施形態に係る指向性切替アンテナの指向性切替動作の原理 本発明の第6実施形態に係る指向性切替アンテナの構成の一例を示す図 (a)本発明の第6実施形態に係る指向性切替アンテナにおけるスイッチ切替時の指向性 (b)本発明の第6実施形態に係る指向性切替アンテナにおける第1の金属導体の長さを変えたときの指向性の一例を示す図 本発明の第6実施形態に係る指向性切替アンテナの構成の一例を示す図 (a)本発明の第6実施形態に係る指向性切替アンテナにおけるスイッチ切替時の指向性 (b)本発明の第6実施形態に係る指向性切替アンテナにおける第1の金属導体の長さを変えたときの指向性の一例を示す図 音声通話時における無線端末とユーザとの位置関係の一例を示す図 データ通信時における無線端末とユーザとの位置関係の一例を示す図 データ通信時、音声通話時のそれぞれにおけるアンテナの放射指向性の一例を示す図 本発明の第6実施形態に係る指向性切替アンテナの構成の一例を示す図 本発明の第7実施形態に係る指向性切替アンテナの概略構成図 本発明の第7実施形態に係る指向性切替アンテナにおける、放射素子の長さ方向に対称に配置したスイッチの指向性 本発明の第7実施形態に係る指向性切替アンテナにおける、放射素子の長さ方向に非対称に配置したスイッチの指向性 本発明の第8実施形態に係る指向性切替アンテナの概略構成図 本発明の第8実施形態に係るスイッチの切替動作とアンテナ指向性の関係を示す図 本発明の第9実施形態に係る指向性切替アンテナの概略構成図 本発明の第9実施形態に係る指向性切替アンテナにおける、XY面に折り返し構造を有する放射素子の構成例を示す図 本発明の第9実施形態に係る指向性切替アンテナにおける、YZ面に折り返し構造を有する放射素子の構成例を示す図 本発明の第9実施形態に係る指向性切替アンテナにおける、YZ面に折り返し構造を有する放射素子を用いた指向性切替アンテナの概略構成図 本発明の第9実施形態に係る多層構造の誘電体基板を用いた指向性切替アンテナの概略構成図 本発明の第9実施形態に係る誘電体ブロックを用いた指向性切替アンテナの概略構成図 本発明の第10実施形態に係る無線端末の概略構成図 特許文献1の従来の指向性切替アンテナの概略構成図 特許文献2の従来の指向性切替アンテナの概略構成図 特許文献3の従来の指向性切替アンテナの概略構成図 特許文献3の従来の指向性切替アンテナの指向性 特許文献4の従来の指向性切替アンテナの概略構成図 特許文献4の従来の指向性切替アンテナの指向性
符号の説明
1 指向性切替アンテナ
2 誘電体基板
3 放射素子
4 給電点
5 第1の接地導体
6 無給電素子
7 スイッチ
8 第2の接地導体
9 先端部
10 制御回路
11 ユーザ
12 無線端末
13 表示部
14 操作部
15 補助素子
16 反射器
17 無給電素子
18 スイッチ
19 先端部
20 放射素子
21 下部導体
22 折り返し部
23 上部導体
24 誘電体基板
25 誘電体ブロック
26 送受信部
27 制御部
28 アンテナ指向性切替部
29、30 制御信号
101 無給電素子
102 給電素子
103 補助素子
104 制御素子
111 地板
112 アンテナ素子
113〜116 無給電素子
117〜120 誘電体基板
201 指向性切替アンテナ
202 誘電体基板
203 放射素子
204 給電点
205 接地導体
206 第一の金属導体
207a、b スイッチ
208 先端部
209 制御回路
210 ユーザ
211 無線端末
212 表示部
213 操作部
214 導体片
215 ダイオードスイッチ
216 放射素子
217 下部導体
218 折り返し部
219 上部導体
220 誘電体基板
221 誘電体ブロック
222 送受信部
223 制御部
224 アンテナ指向性切替部
225、226 制御信号
227 第二の金属導体
301 アンテナエレメント
302 マッチング回路
303 受信回路
304 受信電界強度比較器
305 制御回路
306、307 アース金属導体
308 高周波スイッチ
311 アンテナ
312 アンテナエレメント
313、314 アンテナリフレクタ
315 モールド
以下、本発明の実施形態のアンテナ装置およびそのアンテナ装置を用いた無線端末について図面を用いて詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る指向性切替アンテナ装置の概略構成図であり、図1(a)は斜視図、図1(b)は図1(a)のA−A’における断面図である。
指向性切替アンテナ装置1は、厚さtの誘電体基板2と、誘電体基板2上に配置された線状導体より成る長さLの放射素子3と、給電点4と、誘電体基板2上に放射素子3と同一平面上に配置された第1の接地導体5と、誘電体基板上に放射素子3と同一平面上に配置された、放射素子3と略平行な長さLd(<L)の無給電素子6と、第1の接地導体5と無給電素子6との間に配置されたスイッチ7と、誘電体基板2上でかつ放射素子3とは反対側の面に配置された第2の接地導体8と、第2の接地導体8の先端部9と、スイッチ7の短絡、開放を制御する制御回路10と、を含む構成である。
ここで、放射素子3、第1の接地導体5、無給電素子6、第2の接地導体8は、いずれも誘電体基板2上に導体パターンにより形成されているものとして説明する。誘電体基板2上に形成することで、誘電率による波長の短縮効果の影響でアンテナ装置を小型化することが可能になり、また安価で、大量生産し易く、アンテナ特性も安定するという利点がある。
以下、本発明の第1実施形態に係る指向性切替アンテナ装置の動作を説明する。給電点4より給電された高周波信号は、放射素子3より空間中に放射される。ここで、本実施形態では、放射素子3をダイポール構成として説明する。図2は、本発明の指向性の切替動作の原理を示す。図2(a)の(1)のように、放射素子3の周囲に接地導体がなければ、アンテナの指向性は図2(b)が示す(1)のように、XZ面内において無指向性となる。
第1の接地導体5および無給電素子6を放射素子3と同一面上に配置して、制御回路10からの制御信号によりスイッチ7を短絡させて、第1の接地導体5と無給電素子6を導通させた状態、すなわち、図2(a)の(2)のように放射素子3の周囲を接地導体で覆った状態とすることによって、アンテナの指向性は図2(b)が示す(2)のように、±Z方向に最大放射方向を持つ指向性となる。さらに、制御回路10からの制御信号によりスイッチ7を開放させた状態、すなわち、図2(a)の(3)のように放射素子3の周囲の一部が接地導体から切り離され、無給電素子6が導波器として作用する状態においては、アンテナの指向性は図2(b)が示す(3)のように、+X方向に最大放射方向を持つ単指向性となる。すなわち、スイッチ7を短絡または開放させることによって、アンテナの指向性を約90度切り替えることが可能となる。
しかしながら、上記構成では、図2(a)の(2)のように、スイッチ7を短絡した状態において±Z方向に最大放射方向を持つ双指向性となるため、無線端末の誘電体基板2上に(2)の導体パターンのみを搭載すると、−Z方向の人体方向(背面方向の反対方向)にも放射電磁界が発生し、SARの劣化を招いてしまう。そこで、図1に示すように、誘電体基板2上で放射素子3とは反対側の面に、第2の接地導体8を設けることによって、スイッチ7を短絡した状態において−Z方向の人体方向への放射電磁界を遮断し、+Z方向の単指向性化を実現することができる。ここで、第2の接地導体8の配置位置が、アンテナの指向性の切り替えに与える影響について詳細に説明する。
図1(b)において、放射素子3と無給電素子6とのX軸方向における間隔をDとし、放射素子3から第2の接地導体8の先端部9へのX軸方向における間隔をGとする。このとき、図3(a)に示す本発明の第1実施形態に係る指向性切替アンテナにおけるG=Dのときの断面構成図のように、間隔Gを間隔Dと同等若しくはそれよりも長くした場合、スイッチ7を短絡または開放させた状態でほぼ同等の指向性となる。
図3(b)に、本発明の第1実施形態に係る指向性切替アンテナにおける、G=Dのときのスイッチ切替時の指向性を示す。図3(b)より、スイッチ7の切り替え動作によって、アンテナの指向性の切り替えがなされていないことが確認される。これは、無給電素子6の下部にも第2の接地導体8が配置されることで、無給電素子6が導波器として動作していないことを示している。
一方、図4(a)に示す本発明の第1実施形態に係る指向性切替アンテナ装置におけるG≦0のときの断面構成図のように、間隔Gが負の値をとるような場合は、放射素子3の下部に第2の接地導体8が存在しないため、スイッチ7を短絡させた状態において、−Z方向にも電磁波が強く放射されてしまう。図4(b)は、本発明の第1実施形態に係る指向性切替アンテナ装置における、G≦0のときのスイッチ短絡時の指向性を示しており、間隔Gが−2mm、−1mm、0mmときにおいて、それぞれスイッチ7短絡時の指向性を示す図である。図4(b)より、間隔Gが−2mm、−1mmのときは、−Z方向にも、+Z方向とほぼ同等の強度の電磁波が放射されていることがわかる。それに対して間隔Gが0mmのときは−Z方向の放射電磁界が+Z方向と比べて5dB程度抑圧されていることがわかる。
図5(a)に示す本発明の第1実施形態に係る指向性切替アンテナ装置における、G=D/4のときの断面構成図のように、第2の接地導体8の先端部9がX軸方向における放射素子3と無給電素子6の間になるように配置することによって、すなわち、間隔Gが0≦G<Dなる関係式を満たすことによって、スイッチ7を切り替えることにより所望の指向性切替動作を実現することができる。一例として、周波数Fにおいて、誘電率3.8、基板厚t=0.03λの誘電体基板2上に長さL=0.7λの放射素子3を配置し、放射素子3から距離D=0.13λ離れた位置に長さLd=0.6λの無給電素子6を配置し、さらに放射素子3と第2の接地導体8の先端部9とのX軸方向における間隔Gが、G=D/4となる位置のときのスイッチ7の短絡/開放時のそれぞれの指向性を図5(b)に示す。図5(b)より、スイッチ7の切り替え動作によって指向性が約90度切り替えられていることがわかる。
無給電素子6を導波器として動作させるためには、放射素子3と無給電素子6の間隔Dは0.25λ程度離すことが本来望ましいが、間隔Dを離すとアンテナサイズが大きくなるため、本実施形態のように、間隔Dを0.25λ程度離さなくても指向性の切り替えは可能である。また、無給電素子6はスイッチ7が開放状態において導波器として作用するように長さが調整されているが、例えば、無給電素子6の長さを可変できる構成としておくことによって、導波器の持つリアクタンス成分を調整して、指向性を可変させることも可能である。無給電素子6の長さを可変する方法としては、無給電素子6を複数の導体片に分割して、それぞれの間にスイッチ7を配置し、スイッチ7の短絡/開放によって長さを可変しても良いし、無給電素子6にバラクタダイオードなどの可変容量素子を付加し、制御電圧に応じて電気的に長さを調節するようにしても良い。
図5(b)では、間隔GがG=D/4となるときの、スイッチ切替時の指向性を示したが、間隔Gが0≦G<Dなる関係式を満たす別の場合の例を、図6から図8に示す。図6に、(a)本発明の第1実施形態に係る指向性切替アンテナ装置における、G=D/2のときの断面構成図、及び(b)本発明の第1実施形態に係る指向性切替アンテナ装置における、G=D/2のときのスイッチ切替時の指向性を示す。図7に、(a)本発明の第1実施形態に係る指向性切替アンテナ装置における、G=3/4×Dのときの断面構成図、及び(b)本発明の第1実施形態に係る指向性切替アンテナ装置における、G=3/4×Dのときのスイッチ切替時の指向性を示す。図8に、(a)本発明の第1実施形態に係る指向性切替アンテナ装置における、G=19/20×Dのときの断面構成図、及び(b)本発明の第1実施形態に係る指向性切替アンテナ装置における、G=19/20×Dのときのスイッチ切替時の指向性を示す。図6から図8の間隔G以外の数値は、図5(a)で用いた数値と共通している。図6(b)、図7(b)及び図8(b)より、スイッチ7の切り替え動作によって指向性が約90度切り替えられていることを確認できる。
また、図9には、本発明の第1実施形態に係る指向性切替アンテナ装置における、−D/2<G<Dのときのスイッチ切替時の指向性切替角度を示す。横軸にはG/D比を、縦軸にはスイッチ切替時における最大放射方向の切替角度を表す指向性切替角度を、それぞれ示す。図9は、図5から図8が示しているように、G/Dが0から1の間、指向性切替角度が約90度付近にあることから、G/Dが0から1の間であれば指向性を切り替えることができることを示している。一方、G/Dが1に近づくにつれて、スイッチ7の切り替え動作をしても、アンテナの指向性の切替がなされていないことが確認される。これは、無給電素子6の下部に第2の接地導体8が接近して配置されるほど、無給電素子6が導波器として動作しなくなってしまうことを示している。さらに、G/Dが0付近であっても、指向性切替角度は90度付近にあるが、このときには、図4(b)のG=0mmのときのスイッチ短絡時の指向性が示すように、+Z方向の放射電磁界と比べると抑圧されてはいるものの、−Z方向にも電磁界が放射されてしまう。このため、間隔Gは、0またはDとなる付近を除く、0<G<Dの範囲で設定することが好ましいが、−Z方向への放射を考慮しない場合には、−D/4<G<Dの範囲で設定することで、指向性切り替えが可能であることを示している。
ここで、音声通話およびデータ通信を行う際のユーザと無線端末の位置関係について詳細に説明する。図10に、音声通話時における無線端末とユーザとの位置関係の一例を、図11に、データ通信時における無線端末とユーザとの位置関係の一例示す。一般に、音声通話を行う際には、ユーザ11と無線端末12の間には図10に示すような位置関係が想定され、データ通信を行う際には、ユーザ11と無線端末12の間には図11に示すような位置関係が想定される。
すなわち、音声通話時にはユーザ11は無線端末12を頭部側面に隣接させて使用し、データ通信時にはユーザ11は無線端末12の表示部13の表示内容を確認しながら操作部14を用いて操作するのが一般的である。そのため、無線端末12に備わるアンテナ装置の有する指向性としては、図12に示すように、音声通話時にはアンテナ指向性の最大放射方向が無線端末12の背面方向(表示部13の表示面に対して反対方向)となり、データ通信時にはアンテナ指向性の最大放射方向が無線端末12の天頂方向(表示部13の表示面に対して水平方向で、かつ表示内容に対して上方向)となるよう切り替えられることが望ましい。
このような指向性切替機能を無線端末12が有することで、アンテナからの放射電磁界がユーザ11の方向を向かないため、SARの改善にもつながり、またアンテナ利得の向上も期待できる。よって、図12における天頂方向がX方向、背面方向がZ方向に対応するように、無線端末12内に指向性切替アンテナ装置1を配置することによって、音声通話時とデータ通信時でそれぞれ所望の指向性を得ることが可能となる。
以上のように、誘電体基板2上に配置された放射素子3と同一平面上の周囲に第1の接地導体5および無給電素子6を配置し、第1の接地導体5と無給電素子6の間にスイッチ7を配置し、さらに誘電体基板2を挟んで放射素子3の下部に第2の接地導体8を設けた構成において、第2の接地導体8の先端部9が放射素子3と無給電素子6の間になるように配置され、さらに制御回路10を用いてスイッチ7を切り替えることによって、アンテナの指向性を約90度切り替えることができるため、無線端末の使用形態によって指向性を切り替えるアンテナ装置を実現することが可能になるという作用を有する。
さらに、本実施形態で示した指向性切替アンテナ装置を用いて無線端末を構成することで、無線端末の使用形態に応じてアンテナの指向性を切り替えて無線端末としての性能を向上させることができ、信頼性の高い無線通信システムを提供することが可能となる。
なお、本実施形態では、放射素子3を導体パターンにより誘電体基板2上に形成しているとして説明したが、ワイヤ等の線状導体や板金加工により放射素子3を構成しても良い。
また、本実施形態では、放射素子3を直線状のダイポール構成として説明しているが、その限りではなく、例えば、メアンダライン状に構成しても良い。
また、本実施形態では、誘電体基板2上に放射素子3、第1の接地導体5、無給電素子6、第2の接地導体8が形成されているとしたが、誘電体基板を必ずしも使用する必要はない。例えば放射素子3、無給電素子6、接地導体5、8等を板金加工により製作し、発泡材等を使用して各構成要素を発泡材等に固定していっても良い。
また、本実施形態では、第2の接地導体8を、誘電体基板2上でかつ放射素子3と反対側の面に導体パターンにより形成しているが、例えば、誘電体基板2上ではなく、誘電体基板2から一定の距離を離れた無線端末12の筐体上に第2の接地導体を配置しても良い。このような構成とすることで、放射素子3と第2の接地導体8の間隔を広く取ることができ、アンテナの整合を合わせ易くなるという利点がある。
また、本実施形態では、スイッチ7の構成について特に触れていないが、ダイオードスイッチやFETスイッチ、MEMSスイッチ等を使用することが可能である。
(第2実施形態)
図13は、本発明の第2実施形態に係る指向性切替アンテナ装置の概略構成図であり、図13(a)は斜視図、図13(b)は図13(a)のA−A’における断面図である。図13において、補助素子15を含む構成である。その他の構成は、第1実施形態と同じであるため説明を省略する。
以下、本発明の第2実施形態に係る指向性切替アンテナ装置の動作を説明する。基本動作は第1実施形態で説明したとおりであるため省略するが、無給電素子6の両端部に補助素子15を配置して、スイッチ7を無給電素子6と補助素子15の間に配置した構成とする。ここで、補助素子15は、スイッチ7を短絡させたときに無給電素子6と補助素子15を合わせた長さが、放射素子3に対して反射器として作用するように長さを設定する。このような構成とすることで、スイッチ7を開放させたときは、無給電素子6が導波器として作用して指向性が+X方向となり、スイッチ7を短絡させたときは、無給電素子6が反射器として作用して指向性が+Z方向となるため、放射素子3の周囲を接地導体で覆った状態と同等の効果が得られる。
以上のように、無給電素子6の両端に補助素子15を設け、制御回路10を用いてスイッチ7を切り替えて無給電素子6を導波器と反射器で切り替えることにより、アンテナの指向性を約90度切り替えることができるため、使用形態によって指向性を切り替えるアンテナ装置を実現することが可能になるという作用を有する。
さらに、本実施形態で示した指向性切替アンテナ装置を用いて無線端末を構成することで、使用形態に応じてアンテナの指向性を切り替えて無線端末としての性能を向上させることができ、信頼性の高い無線通信システムを提供することが可能となる。
なお、本実施形態では、放射素子3を導体パターンにより誘電体基板2上に形成しているとして説明したが、その限りではなく、ワイヤ等の線状導体や板金加工により放射素子3を構成しても良い。
また、本実施形態では、放射素子3を直線状のダイポール構成として説明しているが、その限りではなく、例えば、メアンダライン状に構成しても良い。
なお、本実施形態では放射素子3の−X方向には第1の接地導体5が配置されている構成として説明したが、図14に示すように、第1の接地導体5の代わりに反射器16を用いても同様の効果が得られる。
また、本実施形態では、誘電体基板2上に放射素子3、第1の接地導体5、無給電素子6、第2の接地導体8、補助素子15が形成されているとしたが、誘電体基板を必ずしも使用する必要はない。例えば放射素子3、無給電素子6、接地導体5、8、補助素子15等を板金加工により製作、発泡材等を使用して各構成要素を発泡材等に固定していっても良い。
また、本実施形態では、第2の接地導体8を、誘電体基板2上でかつ放射素子3と反対側の面に導体パターンにより形成しているが、例えば、誘電体基板2上ではなく、誘電体基板2から一定の距離を離れた無線端末12の筐体上に、第2の接地導体を配置しても良い。このような構成とすることで、放射素子3と第2の接地導体8の間隔を広く取ることができ、アンテナの整合を合わせ易くなるという利点がある。
また、本実施形態では、スイッチ7の構成について特に触れていないが、ダイオードスイッチやFETスイッチ、MEMSスイッチ等を使用することが可能である。
(第3実施形態)
図15は、本発明の第3実施形態に係る指向性切替アンテナ装置の概略構成図であり、図15(a)は斜視図、図15(b)は図15(a)のA−A’における断面図である。図15において、指向性切替アンテナ装置1は、補助素子15、無給電素子17、スイッチ18、第2の接地導体8の無給電素子17側の先端部19を含む構成である。その他の構成は第1実施形態と同じであるため説明を省略する。
以下、本発明の第3実施形態に係る指向性切替アンテナ装置1の動作を説明する。基本動作は第1実施形態で説明したとおりであるため省略するが、無給電素子6の両端部に補助素子15を配置して、スイッチ7を無給電素子6と補助素子15の間に配置した構成とする。ここで、補助素子15は、スイッチ7を短絡させたときに、無給電素子6と補助素子15を合わせた長さが、放射素子3に対して反射器として作用するように長さを設定する。
また、第1の接地導体5の代わりに、無給電素子6と同じ長さの無給電素子17を設け、その両端部にも補助素子15を配置し、スイッチ18を無給電素子17と補助素子15の間に配置した構成とする。また、放射素子3と無給電素子17の間隔を、放射素子3と無給電素子6の間隔Dと等しくし、さらに第2の接地導体8の無給電素子17側先端部19と放射素子3の+X軸方向における間隔Gも、第2の接地導体8の無給電素子6側先端部9と放射素子3の+X軸方向における間隔Gと等しくする。すなわち、放射素子3を含むYZ面において対称な構造となるように配置する。
このとき、制御回路10を用いてスイッチ7、スイッチ18を制御して指向性切替を行うが、この点について詳細に説明する。図16にスイッチ7、18の短絡/開放動作とアンテナ指向性との関係を示す。スイッチ7、18を両方短絡させた場合は、無給電素子6、17が共に反射器として動作するため、アンテナの指向性は図11における+Z方向となる。
次にスイッチ7を短絡させ、スイッチ18を開放させると、無給電素子6は反射器、無給電素子17は導波器として動作するため、アンテナの指向性は図15における−X方向となる。次にスイッチ7を開放させ、スイッチ18を短絡させると、無給電素子6は導波器、無給電素子17は反射器として動作するため、アンテナの指向性は図15における+X方向となる。また、スイッチ7、18を両方開放させた場合は、無給電素子6、17が共に導波器として動作するため、アンテナの指向性としては、最大放射方向は+Z方向だが、ほぼ無指向性の特性が得られる。
以上のように、無給電素子6、17の両端に補助素子15を設け、さらに制御回路10を用いて無給電素子6、17をスイッチ7、18の切り替え動作により導波器と反射器で切り替えるように制御することによって、アンテナの指向性を±X方向と+Z方向に90度ずつ切り替えることができるため、無線端末の使用形態によって、例えばデータ通信時に、放射方向がユーザに向かうように無線端末が配置されていても、ユーザに向かう方向とは逆の±X方向を選択して、指向性を切り替えるアンテナ装置を実現することが可能になるという作用を有する。
さらに、本実施形態で示した指向性切替アンテナ装置を用いて無線端末を構成することで、使用形態に応じてアンテナの指向性を切り替えて無線端末としての性能を向上させることができ、信頼性の高い無線通信システムを提供することが可能となる。
なお、本実施形態では、放射素子3を導体パターンにより誘電体基板2上に形成しているとして説明したが、その限りではなく、ワイヤ等の線状導体や板金加工により放射素子3を構成しても良い。
また、本実施形態では、放射素子3を直線状のダイポール構成として説明しているが、その限りではなく、例えば、メアンダライン状に構成しても良い。
また、本実施形態では、誘電体基板2上に放射素子3、無給電素子6、17、第2の接地導体8、補助素子15が形成されているとしたが、誘電体基板を必ずしも使用する必要はない。例えば放射素子3、無給電素子6、17、接地導体8、補助素子19等を板金加工により製作し、発泡材等を使用して各構成要素を発泡材等に固定していっても良い。
また、本実施形態では、第2の接地導体8を誘電体基板2上でかつ放射素子3と反対側の面に導体パターンにより形成しているが、例えば、誘電体基板2上ではなく、誘電体基板2から一定の距離はなれた無線端末12の筐体上に第2の接地導体を配置しても良い。このような構成とすることで、放射素子3と第2の接地導体8の間隔を広く取ることができ、アンテナの整合を合わせ易くなるという利点がある。
また、本実施形態では、スイッチ7の構成について特に触れていないが、ダイオードスイッチやFETスイッチ、MEMSスイッチ等を使用することが可能である。
(第4実施形態)
図17は、本発明の第4実施形態に係る指向性切替アンテナ装置の概略構成図であり、図17(a)は斜視図、図17(b)は図17(a)のA−A’における断面図である。図17において、指向性切替アンテナ装置1は、折り返し構造を有する放射素子20を含む構成である。その他の構成は第1実施形態と同じであるため説明を省略する。
以下、本発明の第4実施形態に係る指向性切替アンテナ装置の動作を説明する。例えば、図1において、放射素子3と第2の接地導体8は、誘電体基板2の厚さt=0.008λ離して配置されている。このように、放射素子3の極近傍に接地導体8を配置すると、放射素子3の入力インピーダンスが、接地導体8がない状態と比較して極端に小さくなってしまう。
一方、放射素子3を放射素子20のような折り返し構成にすると、放射素子の入力インピーダンスを高くすることができる。例えば、図18(b)の2重折り返しダイポールの入力インピーダンスは、図18(a)に示す一般的なダイポールアンテナの入力インピーダンスの4倍となり、図18(c)のような3重折り返しダイポールの入力インピーダンスは、一般的なダイポールアンテナの入力インピーダンスの8倍となる。そこで、図17のように折り返し構造の放射素子20を用いることで、給電点4でのアンテナの入力インピーダンスを高くすることができ、50Ω系のマイクロストリップ線路や同軸線路との整合をとり易くなる。
以上のように、放射素子20を折り返し構造とし、さらに制御回路10を用いてスイッチ7を切り替えることによって、アンテナの指向性を約90度切り替えながら、アンテナの入力インピーダンスを高くして整合をとり易くすることができ、無線端末の使用形態によって指向性を切り替えるアンテナ装置を実現することが可能になるという作用を有する。
さらに、本実施形態で示した指向性切替アンテナ装置を用いて無線端末を構成することで、使用形態に応じてアンテナの指向性を切り替えて無線端末としての性能を向上させることができ、信頼性の高い無線通信システムを提供することが可能となる。
なお、本実施形態では、放射素子20を導体パターンにより誘電体基板2上に形成しているが、その限りではなく、ワイヤ等の線状導体や板金加工により放射素子3を構成しても良い。
また、本実施形態では、放射素子3を直線状のダイポール構成として説明しているが、その限りではなく、例えば、メアンダライン状に構成しても良い。
また、本実施形態では、誘電体基板2上に放射素子20、第1の接地導体5、無給電素子6、第2の接地導体8が形成されているとしたが、誘電体基板を必ずしも使用する必要はない。例えば放射素子20、無給電素子6、接地導体5、8等を板金加工により製作し、発泡材等を使用して各構成要素を発泡材等に固定していっても良い。
また、本実施形態では、第2の接地導体8を誘電体基板2上でかつ放射素子20と反対側の面に導体パターンにより形成しているが、例えば、誘電体基板2上ではなく、誘電体基板2から一定の距離はなれた無線端末12の筐体上に第2の接地導体を配置しても良い。このような構成とすることで、放射素子3と第2の接地導体8の間隔を広く取ることができ、アンテナの整合を合わせ易くなるという利点がある。
また、本実施形態では、放射素子3、20をXY面上の2次元構造としているが、その限りではなく、例えば図19(a)、(b)のように放射素子3、20の端部を折り返した構成としても良い。このような折り返し構成とすることで、アンテナ長を短くすることができ、アンテナの小型化が可能となる。
ここで、図19(a)、(b)のようなYZ面上に折り返されたアンテナの製作法について説明する。最も簡易に製作する方法としては、図20に示すように、板金加工により製作できる。ここで、放射素子を構成する下部導体21、折り返し部22、上部導体23のすべてを、一体的に板金加工により製作しても良いし、下部導体21は誘電体基板2上に導体パターンにより形成しておき、折り返し部22、上部導体23のみを板金加工により製作しても良い。
また、板金加工以外にも、例えば図21に示すように、誘電体基板2上に新たに誘電体基板24を設け、下部導体21は誘電体基板2、24に挟まれた面状に導体パターンにより形成し、上部導体23は誘電体基板24上でかつ誘電体基板2と反対側の面に導体パターンにより形成し、折り返し部22を、誘電体基板24を貫通するスルーホール等で形成して、下部導体21と上部導体23を電気的に接続するような構成としても良い。
このような構成とすることで、多層基板を用いて指向性切替アンテナ装置を製作することができる。また、図22に示すように、セラミック等の高誘電体材料で形成された誘電体ブロック25上に、下部導体21、折り返し部22、上部導体23をそれぞれパターンにより形成した構成としても良い。このような構成とすることで、アンテナ装置を非常に小型化することができる。さらに、誘電体ブロック25上に無給電素子6、接地導体5もパターンにより形成することで、指向性切替機能を有する誘電体アンテナを製作することができる。
(第5実施形態)
図23に、本発明の実施形態の無線端末の概略構成図を示す。図23において、無線端末12は、データ通信および音声通話を行う周波数帯に設定された送受信部26、制御部27、アンテナ指向性切替部28を含む構成である。
以下、本発明の実施形態の無線端末の動作を説明する。例えば、屋内で無線端末を使用する際には、壁などの障害物によりマルチパス環境が発生することが想定される。このような状況下では、ダイバーシチ受信することによってマルチパス環境にも対応することができる。一般的なダイバーシチ受信としては、複数のアンテナを空間的に離して配置することで構成されるが、複数のアンテナを用いるとアンテナの実装面積が大きくなるばかりでなく、複数のアンテナを選択するためのアンテナスイッチを使用するため、アンテナスイッチの実装面積も必要となる。
そこで、第1実施形態から第4実施形態で説明した指向性切替アンテナ装置1を用いることで、アンテナの実装面積は単体アンテナ相当に保ちながら、指向性ダイバーシチを行うことができる。この点について詳細に説明する。
図23において、無線端末12は、指向性切替アンテナ1、送受信部26、制御部27、アンテナ指向性切替部28で構成される。このような構成において、受信時には、指向性切替アンテナ1で受信された高周波信号は、送受信部26にて周波数変換、復調され、制御部27に伝送される。このとき、制御部27では、指向性切替アンテナ1の指向性を切り替えた、それぞれの場合における受信電力をモニタし、受信電力のより大きいアンテナ指向性となるように、制御信号29をアンテナ指向性切替部28に送信する。アンテナ指向性切替部28では制御部27からの制御信号29に基づいて、どちらの指向性のときに受信感度が良いか判定し、より受信感度の良い指向性となるように、指向性切替アンテナ1の指向性を切り替えるように制御信号30を送信する。指向性切替アンテナ1は、制御信号30によって所望の指向性となるように切り替えられる。一方、送信時には、制御部27から伝送された信号を、送受信部26にて、変調、周波数変換して、指向性切替アンテナ1から送信する。このとき、指向性切替アンテナ1の指向性は受信時に選択した指向性を使用する。
以上のように、指向性切替アンテナ1、送受信部26、制御部27、アンテナ指向性切替部28を用いて無線端末を構成することで、アンテナ1つでダイバーシチ受信を可能とするため、小型で高性能な無線端末を実現することが可能になるという作用を有する。
なお、本実施形態では、送信時には指向性切替アンテナ1を受信時と同じ指向性で使用するとして説明したが、その限りではなく、受信時には指向性切替アンテナ1を用いてダイバーシチ受信を行い、送信時には指向性切替アンテナからの放射電磁界が、無線端末12を使用するユーザ11の方向を向かないように設定するようにしても良い。例えば、音声通話時には、送信時に指向性切替アンテナ1の指向性最大放射方向が、無線端末12の背面方向に固定され、データ通信時には、送信時に指向性切替アンテナ1の指向性最大放射方向が、無線端末12の天頂方向に固定されるような構成としても良い。
また、本実施形態では、第1実施形態から第4実施形態で説明した指向性切替アンテナ装置1を用いた無線端末12について説明したが、その限りではなく、アンテナの指向性を無線端末12に対して天頂方向(表示部13の表示面に対して水平方向で、かつ表示内容に対して上方向)と背面方向(表示部13の表示面に対して反対方向)で約90度切り替えることができれば、どのような構成のアンテナ装置を用いても良い。
(第6実施形態)
図24は、本発明の第6実施形態に係る指向性切替アンテナ装置の概略構成図であり、図24(a)は斜視図、図24(b)はA−A’における断面図である。図24において、指向性切替アンテナ装置は、指向性切替アンテナ201、厚さtの誘電体基板202、誘電体基板202上に配置された線状導体より成る長さLの放射素子203、給電点204、誘電体基板202上でかつ放射素子203とは反対側の面に配置された接地導体205、誘電体基板202上の接地導体205と同一面上に配置され、放射素子203と平行でかつ接地導体205と電気的に絶縁して配置された長さLm、幅Wmの第1の金属導体206、は接地導体205と第1の金属導体206の間に配置されたスイッチ207a、接地導体205の第1の金属導体206側の先端部208、スイッチ207aの短絡、開放を制御する制御回路209を含む構成である。
ここで、放射素子203、接地導体205、第1の金属導体206は、いずれも誘電体基板202上に、導体パターンにより形成されているものとして説明する。誘電体基板202上に形成することで、誘電率による波長の短縮効果の影響でアンテナを小型化することが可能になり、また安価で大量生産し易く、アンテナ特性も安定するという利点が得られる。
以下、本発明の第6実施形態に係る指向性切替アンテナ装置の動作を説明する。給電点204より給電された高周波信号は、放射素子203より空間中に放射される。ここで、本実施形態では、放射素子203をダイポールアンテナ構成として説明する。図25は、本発明の指向性の切替動作の原理を示す。
図25(a)の(1)のように、放射素子203の下部に接地導体205が存在する場合、アンテナの指向性は、図25(b)の(1)のように、+Z方向に最大放射方向を持つ単指向性となる。次に図25(a)の(2)のように、接地導体205が放射素子203に対して+X方向の領域に存在しない場合、アンテナの指向性は、図25(b)の(2)のように、+X方向に最大放射方向を持つ単指向性となる。さらに図25(a)の(3)のように、第1の金属導体206が、接地導体205から電気的に絶縁した状態で、放射素子203に対して+X方向に配置した場合も、第1の金属導体206の長さLm、Wmを適切に調整することで、アンテナの指向性は、図25(b)の(2)とほぼ同様で、+X方向に最大放射方向を持つ単指向性となる。
よって、接地導体205と第1の金属導体206をスイッチ207aで接続し、スイッチ207aを短絡すれば、第1の金属導体206は接地導体205として動作して、図25(b)の(1)のように+Z方向に最大放射方向を持つ指向性となる。また、スイッチ207aを開放すれば、第1の金属導体206は放射素子203に対する導波器として動作して、図25(b)の(3)のように+X方向に最大放射方向を持つ指向性となる。このため、スイッチ207aの切替によりアンテナの指向性を約90度切り替えることができる。ここで、アンテナの指向性を切り替えるには、接地導体205、第1の金属導体206のサイズ、さらに放射素子203と接地導体205、第1の金属導体206の相対的な位置関係が重要となるが、この点について詳細に説明する。
図26の本発明の第6実施形態に係る指向性切替アンテナの構成の一例に示すように、放射素子203の長さをL、第1の金属導体206のY方向の長さをLm、X方向の幅をWm、放射素子203と接地導体205の第1の金属導体206側の先端部208とのX方向の間隔をD(+X方向を正とする)、接地導体205と第1の金属導体206の間隔をswとする。このとき、放射素子203から接地導体205の第1の金属導体206側の先端部208へのX方向の間隔Dが正の場合と、負の場合とではアンテナ装置の動作が異なるので、それぞれについて説明する。
まず、間隔Dが正の場合について考える。図26に示すように、放射素子203の下部には接地導体205が存在するため、スイッチ207aを短絡させ第1の金属導体206を接地導体として動作させた場合は、そのまま+Z方向に最大放射方向を持つ単指向性となる。一方、スイッチ207aを開放し第1の金属導体206を接地導体から切り離した場合に、アンテナの最大放射方向が+X方向とするには、第1の金属導体206が放射素子203に対して導波器として動作するように、Lmを設定することで実現できる。
図27は、本発明の第6実施形態に係る指向性切替アンテナにおける指向性である。図27(a)は、誘電率3.8、厚さt=0.5mm(0.02λ)の誘電体基板202上に長さL=16.5mm(0.54λ)の放射素子203を配置した状態で、間隔D=2mm(0.06λ)、第1の金属導体206の長さLm=19mm(0.62λ)、幅Wm=2mm(0.06λ)、接地導体205と第1の金属導体206の間隔sw=1mm(0.03λ)の場合において、スイッチ207a切り替え時の指向性を示す図である。
また、図27(b)は上記パラメータのうち、第1の金属導体206の長さLmをそれぞれ13mm(0.42λ)、21mm(0.68λ)としたときのスイッチ207a開放時の指向性を示す図である。図27(a)より、第1の金属導体206の長さLm=19mmのときは、スイッチ207aの切り替え動作によってアンテナの指向性が約90度切り替えられており、導波器として動作するような長さに設定された第1の金属導体206によって、指向性切り替えが可能であることがわかる。一方、図27(b)より第1の金属導体206の長さLmを13mm、21mmとしたときは、スイッチ207aの開放時において、アンテナの最大放射方向が+X方向を向いていないことが確認できる。
すなわち、第1の金属導体206の長さLmが13mmでは導波器として十分な動作をするには短すぎ、逆に第1の金属導体206の長さLmが21mmでは第1の金属導体206が反射器として動作してしまい、+X方向への放射を抑圧していることがわかる。これは、第1の金属導体206を導波器として使用する際には、約0.42λから0.68λの範囲に設定する必要があることを示している。
次に、間隔Dが負の場合について考える。図28の本発明の第6実施形態に係る指向性切替アンテナの構成の一例に示すように、放射素子203の下部には接地導体205が存在しないため、スイッチ207aを短絡したときに最大放射方向を+Z方向とするためには、第1の金属導体206が放射素子203の下部に存在するような構成とする必要がある。すなわち、接地導体205と第1の金属導体206の間隔swと第1の金属導体206の幅Wmの和を、間隔Dよりも大きくすることで、放射素子203の下部に第1の金属導体206を配置することができる。
図29は、本発明の第6実施形態に係る指向性切替アンテナにおける指向性である。図29(a)は誘電率3.8、厚さt=0.5mm(0.02λ)の誘電体基板202上に、長さL=16.5mm(0.54λ)の放射素子203を配置した状態で、間隔D=−2mm(−0.06λ)、第1の金属導体206の長さLm=19mm(0.62λ)、幅Wm=4mm(0.12λ)、接地導体205と第1の金属導体206の間隔sw=1mm(0.03λ)の場合において、スイッチ207a切り替え時の指向性を示す図である。また、図29(b)は上記パラメータのうち、第1の金属導体206の長さLmを、放射素子203の長さLより短い10mm(0.32λ)としたときのスイッチ短絡時の指向性を示す図である。
図29(a)より、第1の金属導体206の長さLmが19mmのときは、スイッチ207aの切り替え動作によって、アンテナの指向性が約90度切り替えられていることがわかる。一方、図29(b)より第1の金属導体206の長さLmが放射素子203より短い10mmのときは、スイッチ207aの短絡時において、アンテナの最大放射方向が+Z方向を向いていないことが確認できる。すなわち、第1の金属導体206の長さLmが放射素子203の長さLに対して短いと、スイッチ207aの短絡時に、第1の金属導体206が接地導体として十分に動作していないことがわかる。よって、第1の金属導体206の長さLmは、放射素子203の長さLよりも長くすることが望ましい。
ここで、音声通話およびデータ通信を行う際のユーザと無線端末の位置関係について詳細に説明する。図30に、音声通話時における無線端末とユーザとの位置関係の一例を、図31に、データ通信時における無線端末とユーザとの位置関係の一例示す。一般に、音声通話を行う際には、ユーザ210と無線端末11の間には図30に示すような位置関係が想定され、データ通信を行う際には、ユーザ210と無線端末211の間には図31に示すような位置関係が想定される。
すなわち、音声通話時にはユーザ210は無線端末211を頭部側面に隣接させて使用し、データ通信時にはユーザ210は無線端末211の表示部212の表示内容を確認しながら操作部213を用いて操作するのが一般的である。そのため、無線端末211に備わるアンテナ装置の有する指向性としては、図32に示すように、音声通話時にはアンテナ指向性の最大放射方向が無線端末211の背面方向(表示部212の表示面に対して反対方向)となり、データ通信時にはアンテナ指向性の最大放射方向が無線端末211の天頂方向(表示部212の表示面に対して水平方向で、かつ表示内容に対して上方向)となるよう切り替えられることが望ましい。
このような指向性切替機能を無線端末211が有することで、アンテナからの放射電磁界がユーザ210の方向を向かないため、SARの改善にもつながり、またアンテナ利得の向上も期待できる。よって、図32における天頂方向がX方向、背面方向がZ方向に対応するように、無線端末212内に指向性切替アンテナ201を配置することによって、音声通話時とデータ通信時でそれぞれ所望の指向性を得ることが可能となる。
以上のように、誘電体基板202上に配置された放射素子203と、誘電体基板202上でかつ放射素子203とは反対側の面に配置された接地導体205と、誘電体基板202上の接地導体205と同一面上に配置され、放射素子203と平行でかつ接地導体205と電気的に絶縁して配置された第1の金属導体と、接地導体205と第1の金属導体206の間に配置されたスイッチ207aとで構成され、さらに制御回路210を用いてスイッチ207aの短絡、開放を切り替えることによって、アンテナの指向性を約90度切り替えることができるため、無線端末の使用形態によって指向性を切り替えるアンテナを実現することが可能になるという作用を有する。
さらに、本実施形態で示した指向性切替アンテナを用いて無線端末を構成することで、無線端末の使用形態に応じでアンテナの指向性を、切り替えて無線端末としての性能を向上させることができ、信頼性の高い無線通信システムを提供することが可能となる。
なお、本実施形態では、放射素子203を導体パターンにより誘電体基板202上に形成しているとして説明したが、ワイヤ等の線状導体や板金加工により放射素子203を構成しても良い。
また、本実施形態では、放射素子203を直線状のダイポール構成として説明しているが、その限りではなく、例えば、メアンダライン状に構成しても良い。
また、本実施形態では、誘電体基板202上に放射素子203、接地導体205、第1の金属導体206が形成されているとしたが、誘電体基板202を必ずしも使用する必要はない。例えば、放射素子203、接地導体205、第1の金属導体206を板金加工により製作し、発泡材等を使用して書く構成要素を発泡材等に固定していっても良い。
また、第1の金属導体206が、スイッチ207aが開放状態において、導波器として作用するように長さが設定されているが、例えば、第1の金属導体206の長さを可変できる構成としておくことによって、導波器の持つリアクタンス成分を調整して、指向性を可変させることも可能である。
第1の金属導体206の長さを可変する方法としては、第1の金属導体206を長さ方向に対して複数の導体片に分割して、それぞれの間にスイッチ207aを配置し、スイッチ207aの短絡/開放によって長さを可変しても良いし、第1の金属導体206にバラクタダイオードなどの可変容量素子を付加し、制御電圧に応じて電気的に長さを調整するようにしても良い。
また、本実施形態では、接地導体205、および第1の金属導体206を、誘電体基板202上でかつ放射素子203と反対側の面に導体パターンにより形成されているが、例えば、誘電体基板202上ではなく、誘電体基板202から一定の距離離れた無線端末211の筐体上に配置しても良い。このような構成とすることで、放射素子203と接地導体205の間隔を広く取ることができ、接地導体205が放射素子203の下部に存在する場合にアンテナの整合を合わせ易くなるという利点がある。
また、第1の金属導体206の幅Wmを変えることによって、スイッチ207a短絡時の指向性が変化することを利用して、スイッチ207aを短絡、開放で切り替えたときのアンテナの指向性切替角度を調整することができる。例えば図33の本発明の第6実施形態に係る指向性切替アンテナの構成を一例に示すように、第1の金属導体206をX軸方向に対して複数の導体片214に分割し、それぞれの導体片をスイッチ207aで接続するような構成としても良い。
(第7実施形態)
図34は、本発明の第7実施形態に係る指向性切替アンテナの概略構成図である。図34において、指向性切替アンテナは、ダイオードスイッチ215を含む構成である。その他の構成は、第6実施形態と同じであるため説明を省略する。
以下、本発明の第7実施形態に係る指向性切替アンテナの動作を説明する。基本動作は第6実施形態で説明したとおりであるため説明を省略するが、図34に示すように、接地導体205と第1の金属導体206との間を、ダイオードスイッチ215で複数箇所接続した構成とする。
このような構成とすることで、ダイオードスイッチ215を短絡させたときは、第1の金属導体206は接地導体205として動作して指向性が+Z方向となり、ダイオードスイッチ215を開放させたときは、第1の金属導体206は放射素子203に対する導波器として動作して、指向性が+X方向となり、ダイオードスイッチ215の切替によりアンテナの指向性を約90度切り替えることができる。しかし、このとき、ダイオードスイッチ215の実装位置によって指向特性に影響が出るため、この点について詳細に説明する。
2個のダイオードスイッチ215を、給電点204から±Y方向それぞれにd1、d2だけずらして実装した場合について考える。図35は、誘電率3.8、厚さt=0.5mm(0.02λ)の誘電体基板202上に、長さL=16.5mm(0.54λ)の放射素子203を配置した状態で、第1の金属導体206の長さLm=19mm(0.62λ)、幅Wm=4mm(0.12λ)、接地導体205と第1の金属導体206の間隔sw=1mm(0.03λ)の場合において、ダイオードスイッチ215の実装位置をd1=d2=dとして、dを変更したときのそれぞれのダイオードスイッチ215を短絡させた状態の指向性を示す図である。
図35において、refは接地導体205と第1の金属導体206を理想的に全面電気的に接続した状態である。d=2mmのときは、指向性が+Z方向を向いておらず、ダイオードスイッチ215を短絡させても、第1の金属導体206が接地導体205として動作していないことがわかる。しかし、dを大きくしてダイオードスイッチ215の実装位置がほぼ放射素子203の両端部の下部に相当するd=7mmとすると、指向性はrefとほぼ同等の特性となり、+Z方向に最大放射方向を持つ単指向性が得られていることが確認できる。
放射素子203の両端部は最も電位の高い場所であり、この位置付近で接地導体205と第1の金属導体206を電気的に接続することにより、理想的に全面電気的に接続した状態とほぼ等価となることから、ダイオードスイッチ215の実装位置を放射素子203の高電位箇所の下部にすることが望ましい。
以上のように、接地導体205と第1の金属導体206の間にダイオードスイッチ215を2個配置し、さらにダイオードスイッチ215の実装位置を放射素子203の高電位付近に設定することで、スイッチの短絡、開放によりアンテナの指向性を約90度切り替えることができるため、無線端末の仕様形態によって指向性を切り替えるアンテナを実現することが可能になるという作用を有する。
さらに、本実施形態で示した指向性切替アンテナを用いて無線端末を構成することで、無線端末の使用形態に応じてアンテナの指向性を切り替えて、無線端末としての性能を向上させることができ、信頼性の高い無線通信システムを提供することが可能となる。
なお、本実施形態では、放射素子203を、導体パターンにより誘電体基板202上に形成しているとして説明したが、その限りではなく、ワイヤ等の線状導体や板金加工により放射素子203を構成しても良い。
また、本実施形態では、放射素子203を直線状のダイポール構成として説明しているが、その限りではなく、例えば、メアンダライン状に構成しても良い。
また、本実施形態では、誘電体基板202上に放射素子203、接地導体205、第1の金属導体206が形成されているとしたが、誘電体基板を必ずしも使用する必要はない。例えば放射素子203、接地導体205、第1の金属導体206を板金加工により製作し、発泡材等を使用して各構成要素を発泡材等に固定していっても良い。
また、本実施形態では、接地導体205を、誘電体基板202上でかつ放射素子203と反対側の面に導体パターンにより形成しているが、例えば、誘電体基板202上ではなく、誘電体基板202から一定の距離を離れた無線端末211の筐体上に接地導体205を配置しても良い。このような構成とすることで、放射素子203と接地導体205の間隔を広く取ることができ、接地導体205が放射素子203の下部に存在する場合にアンテナの整合を合わせ易くなるという利点がある。
また、本実施形態では、ダイオードスイッチ215をスイッチング素子として使用しているが、その限りではなく、FETスイッチやMEMS技術を用いたスイッチ等、その他のスイッチ回路を用いても良い。
また、本実施形態では、2個のダイオードスイッチ215を放射素子203の長さ方向に対して対称となるように配置した場合について説明したが、d1とd2をそれぞれ異なる長さで配置しても良い。図36(a)に、d1=2mmの状態において、d2を2mm、7mmとしたときの、それぞれのXY面における指向性を示す。
図36(a)からわかるように、d1とd2の距離を変えることで、XY面における指向性を調整することができる。さらに、ダイオードスイッチ215の片方を短絡、もう一方を開放状態とすることによっても、XY面における指向性を調整することができる。図36(b)は、図34において、d1=d2=7mmとし、片方のダイオードスイッチ215を短絡し、もう一方を開放状態とした場合のXY面内の指向性を示す図である。図36(b)より、片側のダイオードスイッチ215を開放とすることで、放射素子203の長さ方向に対して、電磁界が非対称となり、指向性の最大放射方向がXY面内においてX軸方向からずれていることがわかる。これを利用して、指向性を3次元に調整することが可能となる。
また、本実施形態では、ダイオードスイッチ215を2個用いた場合について説明したが、2個に限る必要はなく、2個以上の複数個を接地導体205と第1の金属導体206の間に配置する構成としても良いことは言うまでもない。スイッチの数を増すことで、XY面内における指向性の制御をより高精度に制御することが可能となる。
また、第1の金属導体206の幅Wmを変えることで、ダイオードスイッチ215を短絡、開放で切り替えたときのアンテナの指向性切替角度を調整することができる。例えば、第1の金属導体206をX軸方向に対して複数の導体片214に分割し、それぞれの導体片をスイッチ207aで接続するような構成としても良い。
(第8実施形態)
図37は、第8実施形態に係る指向性切替アンテナの概略構成図であり、図37(a)は斜視図、図37(b)は図37(a)のA−A’における断面図である。図37において、第2の金属導体127は誘電体基板202上の接地導体205と同一面上に配置され、放射素子203と平行でかつ第1の金属導体206とY軸に対して対称となるように接地導体205と電気的に絶縁して配置された長さLm、幅Wmの第2の金属導体127、接地導体205の第2の金属導体127側の先端部128、接地導体205と第2の金属導体127の間に配置されたスイッチ207bを含む構成である。その他の構成は第6実施形態と同じであるため省略する。
以下、本発明の第8実施形態に係る指向性切替アンテナ装置の動作を説明する。基本動作は第1実施形態で説明したとおりであるため省略するが、第2の金属導体127を接地導体205に対して、第1の金属導体とY軸対称となるように配置した構成とする。
このとき、制御回路209を用いてスイッチ207a、207bを制御して指向性切替を行うが、この点について詳細に説明する。
図38にスイッチ207a、207bの短絡/開放動作とアンテナ指向性との関係を示す。スイッチ207a、207bを両方短絡させた場合は、第1の金属導体206、第2の金属導体127は共に接地導体205の一部となるため、アンテナの指向性は図37における+Z方向となる。次にスイッチ207bを短絡させ、スイッチ207aを開放させると、第1の金属導体206は導波器、第2の金属導体127は接地導体205の一部として動作するため、アンテナの指向性は図37における+X方向となる。
次にスイッチ207aを短絡させ、スイッチ207bを開放させると、第1の金属導体206は接地導体205の一部、第2の金属導体127は導波器として動作するため、アンテナの指向性は図37における−X方向となる。また、スイッチ207a、207bを両方開放させた場合は、金属導体206、127が共に導波器として動作するが、アンテナの指向性としては、ほぼ無指向性の特性が得られる。
以上のように、第1の金属導体206とY軸に対して対称となるように第2の金属導体127を設け、さらに制御回路209を用いて第1の金属導体206、第2の金属導体127を、スイッチ207a、207bの切り替え動作により、導波器と接地導体とで切り替えるように制御することによって、アンテナの指向性を±X方向と+Z方向に90度ずつ切り替えることができるため、無線端末の使用形態によって、例えばデータ通信時に放射方向がユーザに向かうように無線端末が配置されていても、ユーザに向かう方向とは逆の±X方向を選択して、指向性を切り替えるアンテナ装置を実現することが可能になるという作用を有する。
さらに、このような構成のアンテナを車に搭載することによって、例えば車の向きが変化しても、指向性を前後に切り替えることができるため、地上波デジタル放送などを受信することが可能になるという作用を有する。
さらに、本実施形態で示した指向性切替アンテナを用いて無線端末を構成することで、無線端末の使用形態に応じてアンテナの指向性を切り替えて無線端末としての性能を向上させることができ、信頼性の高い無線通信システムを提供することが可能となる。
なお、本実施形態では、放射素子203を導体パターンにより誘電体基板202上に形成しているとして説明したが、その限りではなく、ワイヤ等の線状導体や板金加工により放射素子203を構成しても良い。
また、本実施形態では、放射素子203を直線状のダイポール構成として説明しているが、その限りではなく、例えば、メアンダライン状に構成しても良い。
また、本実施形態では、誘電体基板202上に放射素子203、接地導体205、第1の金属導体206、第2の金属導体127が形成されているとしたが、誘電体基板を必ずしも使用する必要はない。例えば放射素子203、接地導体205、第1の金属導体206、第2の金属導体127を板金加工により製作し、発泡材等を使用して各構成要素を発泡材等に固定していっても良い。
また、本実施形態では、接地導体205を誘電体基板202上でかつ放射素子203と反対側の面に導体パターンにより形成しているが、例えば、誘電体基板202上ではなく、誘電体基板202から一定の距離はなれた無線端末211の筐体上に接地導体205を配置しても良い。このような構成とすることで、放射素子203と接地導体205の間隔を広く取ることができ、接地導体205が放射素子203の下部に存在する場合に、アンテナの整合を合わせ易くなるという利点がある。
また、本実施形態では、ダイオードスイッチ215をスイッチング素子として使用しているが、その限りではなく、FETスイッチやMEMS技術を用いたスイッチ等、その他のスイッチ回路を用いても良い。
また、第1の金属導体206、第2の金属導体127は、スイッチ207a、207bが開放状態において導波器として作用するように長さが設定されているが、例えば、第1の金属導体206、第2の金属導体127の長さを可変できる構成としておくことによって、導波器の持つリアクタンス成分を調整して、指向性を可変させることも可能である。
第1の金属導体206、第2の金属導体127の長さを可変する方法としては、第1の金属導体206、第2の金属導体127を長さ方向に対して複数の導体片に分割して、それぞれの間にスイッチ207a、207bを配置し、スイッチ207a、207bの短絡/開放によって長さを可変しても良いし、第1の金属導体206、第2の金属導体127にバラクタダイオードなどの可変容量素子を付加し、制御電圧に応じて電気的に長さを調整するようにしても良い。
また、第1の金属導体206、第2の金属導体127の幅Wmを変えることによってスイッチ207a、207b短絡時の指向性が変化することを利用して、スイッチ207a、207bを短絡、開放で切り替えたときのアンテナの指向性切替角度を調整することができる。
(第9実施形態)
図39は、第8実施形態に係る指向性切替アンテナの概略構成図であり、図39(a)は斜視図、図39(b)は図39(a)のA−A’における断面図である。図39において、指向性切替アンテナは、折り返し構造を有する放射素子216を含む構成である。その他の構成は第6実施形態と同じであるため省略する。
以下、第9実施形態に係る指向性切替アンテナの動作を説明する。例えば、図24において、放射素子203と接地導体205は、誘電体基板202の厚さt=0.016λ離して配置されている。このように、放射素子203の極近傍に接地導体205を配置すると、放射素子203の入力インピーダンスが、接地導体205がない状態と比較して極端に小さくなってしまう。
一方、放射素子203を放射素子216のような折り返し構成にすると、放射素子の入力インピーダンスを高くすることができる。例えば、図40(b)の2重折り返しダイポールの入力インピーダンスは、図40(a)に示す一般的なダイポールアンテナの入力インピーダンスの4倍となり、図40(c)のような3重折り返しダイポールの入力インピーダンスは、一般的なダイポールアンテナの入力インピーダンスの8倍となる。そこで、図39のように折り返し構造の放射素子216を用いることで給電点204でのアンテナの入力インピーダンスを高くすることができ、50Ω系のマイクロストリップ線路や同軸線路との整合をとり易くなる。
以上のように、放射素子216を折り返し構造とし、さらに制御回路209を用いてスイッチ207aを切り替えることによって、アンテナの指向性を約90度切り替えながら、アンテナの入力インピーダンスを高くして整合をとり易くすることができ、無線端末の使用形態によって指向性を切り替えるアンテナを実現することが可能になるという作用を有する。
さらに、本実施形態で示した指向性切替アンテナを用いて無線端末を構成することで、無線端末の使用形態に応じてアンテナの指向性を切り替えて無線端末としての性能を向上させることができ、信頼性の高い無線通信システムを提供することが可能となる。
なお、本実施形態では、放射素子216を導体パターンにより誘電体基板202上に形成しているが、その限りではなく、ワイヤ等の線状導体や板金加工により放射素子203を構成しても良い。
また、本実施形態では、放射素子216を直線状のダイポール構成として説明しているが、その限りではなく、例えば、メアンダライン状に構成しても良い。
また、本実施形態では、誘電体基板202上に放射素子216、接地導体205、第1の金属導体206が形成されているとしたが、誘電体基板を必ずしも使用する必要はない。例えば放射素子216、接地導体205、第1の金属導体206を板金加工により製作し、発泡材等を使用して各構成要素を発泡材等に固定していっても良い。
また、本実施形態では、接地導体205を誘電体基板202上でかつ放射素子216と反対側の面に導体パターンにより形成しているが、例えば、誘電体基板202上ではなく、誘電体基板202から一定の距離はなれた無線端末211の筐体上に接地導体205を配置しても良い。このような構成とすることで、放射素子216と接地導体205の間隔を広く取ることができ、アンテナの整合を合わせ易くなるという利点がある。
また、本実施形態では、放射素子203、216をXY面上の2次元構造としているが、その限りではなく、例えば図41(a)、(b)のように、放射素子203、216の端部を折り返した構成としても良い。このような折り返し構成とすることで、アンテナ長を短くすることができ、アンテナの小型化が可能となる。
ここで、図41(a)、(b)のようなYZ面上に折り返されたアンテナの製作法について説明する。最も簡易に製作する方法としては、図42に示すように、板金加工により製作できるが、このとき放射素子を構成する下部導体217、折り返し部218、上部導体219のすべてを一体的に板金加工により製作しても良いし、下部導体217は誘電体基板202上に導体パターンにより形成しておき、折り返し部218、上部導体219のみを板金加工により製作しても良い。
また、板金加工以外にも、例えば図43に示すように、誘電体基板202上に第2の誘電体基板220を設け、下部導体217を誘電体基板202、220に挟まれた面状に導体パターンにより形成し、上部導体219を第2の誘電体基板220上でかつ誘電体基板202と反対側の面に導体パターンにより形成し、折り返し部218を、第2の誘電体基板220を貫通するスルーホール等で形成して、下部導体217と上部導体219を、電気的に接続するような構成としても良い。
このような構成とすることで、多層基板を用いて指向性切替アンテナを製作することができる。また、図44に示すように、セラミック等の高誘電体材料で形成された誘電体ブロック221上に、下部導体217、折り返し部218、上部導体219をそれぞれパターンにより形成した構成としても良い。このような構成とすることで、アンテナを非常に小型化することができる。
(第10実施形態)
図45は、本発明の実施形態の無線端末の概略構成図である。図45において、無線端末は、データ通信および音声通話を行う周波数帯に設定された送受信部222、制御部223、アンテナ指向性切替部224を含む構成である。
以下、本発明の第10実施形態の無線端末の動作を説明する。例えば、屋内で無線端末を使用する際には、壁などの障害物によりマルチパス環境が発生することが想定される。このような状況下では、ダイバーシチ受信することによってマルチパス環境にも対応することができる。一般的なダイバーシチ受信としては、複数のアンテナを空間的に離して配置することで構成されるが、複数のアンテナを用いるとアンテナの実装面積が大きくなるばかりでなく、複数のアンテナを選択するためのアンテナスイッチを使用するため、アンテナスイッチの実装面積も増すこととなる。
そこで、第6実施形態から第9実施形態で説明した指向性切替アンテナを用いることで、アンテナの実装面積は単体アンテナ相当に保ちながら、指向性ダイバーシチを行うことができる。この点について詳細に説明する。
図45において、無線端末211は、指向性切替アンテナ201、送受信部222、制御部223、アンテナ指向性切替部224で構成される。このような構成において、受信時には、指向性切替アンテナ201で受信された高周波信号は、送受信部222にて周波数変換、復調され、制御部223に伝送される。このとき、制御部223では、指向性切替アンテナ201の指向性を切り替えたそれぞれの場合における受信電力をモニタし、受信電力のより大きいアンテナ指向性となるように制御信号225をアンテナ指向性切替部224に送信する。
アンテナ指向性切替部224では制御部223からの制御信号225に基づいて、どちらの指向性のときに受信感度が良いか判定し、より受信感度の良い指向性となるように、指向性切替アンテナ201の指向性を切り替えるように制御信号226を送信する。指向性切替アンテナ201は、制御信号226によって所望の指向性となるように切り替えられる。一方、送信時には、制御部223から伝送された信号を送受信部222にて変調、周波数変換して、指向性切替アンテナ201から送信する。このとき、指向性切替アンテナ201の指向性は受信時に選択した指向性を使用する。
以上のように、指向性切替アンテナ201、送受信部222、制御部223、アンテナ指向性切替部224を用いて無線端末を構成することで、アンテナ1つでダイバーシチ受信を可能とするため、小型で高性能な無線端末を実現することが可能になるという作用を有する。
なお、本実施形態では、送信時には指向性切替アンテナ201を受信時と同じ指向性で使用するとして説明したが、その限りではなく、受信時には指向性切替アンテナ201を用いてダイバーシチ受信を行い、送信時には指向性切替アンテナからの放射電磁界が、無線端末211を使用するユーザ210の方向を向かないように設定するようにしても良い。例えば、音声通話時には、送信時に指向性切替アンテナ201の指向性最大放射方向が、無線端末211の背面方向に固定され、データ通信時には、送信時に指向性切替アンテナ201の指向性最大放射方向が、無線端末211の天頂方向に固定されるような構成としても良い。
また、本実施形態では、第6実施形態から第9実施形態で説明した指向性切替アンテナ201を用いた無線端末211について説明したが、その限りではなく、アンテナの指向性を無線端末211に対して天頂方向(表示部212の表示面に対して水平方向で、かつ表示内容に対して上方向)と背面方向(表示部212の表示面に対して反対方向)で約90度切り替えることができれば、どのような構成のアンテナを用いても良い。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本出願は、2004年10月1日出願の日本特許出願(特願2004−290063)、2004年10月1日出願の日本特許出願(特願2004−290143)、に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明のアンテナ装置およびそのアンテナ装置を用いた無線端末によれば、スイッチの短絡/開放によってアンテナの指向性を背面方向/天頂方向に切り替えることができるという効果を有し、音声通話やデータ通信など、様々な使用形態が想定される無線端末に適用して高品質な通信を行うことができるアンテナとして有用である。また、ダイバーシチ受信が必要な無線端末やPC等の情報端末にも有用である。
また、本発明のアンテナ装置およびそのアンテナ装置を用いた端末によれば、スイッチの短絡/開放によってアンテナの指向性を3方向に切り替えることができるという効果を有し、車載用地上波デジタル放送受信などに対しても高品質な通信を行うことができるアンテナとして有用である。
【書類名】明細書
【発明の名称】アンテナ装置およびそのアンテナ装置を用いた無線端末
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナ装置及びそのアンテナ装置を内蔵した無線端末に関し、特に、指向特性を電気的に可変とする機能を有するアンテナ装置を内蔵した無線端末に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話等の無線端末において、音声通話機能以外にデータ通信機能の需要が高まっており、音声通話機能とデータ通信機能の双方を備えた無線端末も普及してきている。音声通話とデータ通信の双方の機能を備えた無線端末において、音声通話する場合とデータ通信する場合とでは、無線端末とその無線端末を使用するユーザとの位置関係が異なってくる。
例えば、音声通話の場合、図10に示す音声通話時における無線端末とユーザとの位置関係の一例に示すように、ユーザは無線端末をユーザの耳に押し当てるようにして使用するため、無線端末をユーザの頭部側面に配置して使用するが、データ通信の場合、図11に示すデータ通信時における無線端末とユーザとの位置関係の一例に示すように、ユーザは無線端末のディスプレイに表示された情報を確認するため、無線端末をユーザの頭部正面から、距離をとった位置に配置して使用することになる。
【0003】
このように、音声通話時とデータ通信時において、無線端末とその無線端末を使用するユーザとの位置関係が異なると、無線端末に内蔵されたアンテナ装置の指向性を、その位置関係それぞれに応じた、適したものに変更することが求められる。具体的には、図12の音声通話時、データ通信時それぞれにおけるアンテナの放射指向性の一例に示す。
例えば、音声通話時のように無線端末を頭部側面に配置する場合には、アンテナの最大放射方向を無線端末の背面方向とし、データ通信時のように無線端末をユーザの頭部正面から距離をとった位置に配置する場合には、アンテナの最大放射方向を無線端末の天頂方向とするように指向性を切替可能な単指向性アンテナを構成とすることが求められる。つまり、無線端末に内蔵されるアンテナ装置は、単指向性で、かつ、音声通話時とデータ通信時のそれぞれの使用形態におけるアンテナの最大放射方向が、無線端末の天頂方向から背面方向に向かって切り替え可能な構成を有することが望まれる。
【0004】
このようなアンテナ装置の構成により、放射電磁界がアンテナ装置から人体へ向けられることを抑制するためSAR(Specific Absorption Rate)を改善することができ、また、不要な方向への電磁放射を抑制して単指向性化するため、アンテナ利得の向上も図ることができる。
【0005】
これまでアンテナの指向性を切替可能なアンテナ構成としては、例えば、制御素子を用いて無給電素子の長さを制御し、八木アンテナの指向性を前後に切り替えるアンテナ構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
図46は、特許文献1に記載された従来の指向性切替アンテナの概略構成図である。図46において、101は無給電素子、102は給電素子、103は補助素子、104は制御素子である。
【0007】
以下、特許文献1に記載された、従来の指向性切替アンテナの動作を説明する。従来の指向性切替アンテナは、給電素子102の前後に一定の間隔を置いて無給電素子101が配置される。無給電素子101は、その先端に電気的に絶縁して付加された補助素子103を、制御素子104によって接続できるように構成されている。ここで、制御素子104は、ダイオードスイッチ等で構成され、どちらか一方の無給電素子101とその両端にある補助素子103とを導通するように取り付けられている。
よって、無給電素子101に、導線を介して正の電圧を印加したときは、一方の無給電素子101がその両端の補助素子103と導通して反射器として動作し、他方の無給電素子101は補助素子103が導通せず導波器として動作する。このため、特許文献1のアンテナは、補助素子103が導通していない、無給電素子101の方向に指向性を持つ。また、無給電素子101に、導線を介して負の電圧を印加したときは、反射器、導波器として動作する無給電素子101の位置関係が逆転するため、指向性も逆転することになる。
【0008】
以上のような構成とすることによって、無給電素子101に印加する電圧の極性を切り替えるという簡易な制御によって、指向性を180度反転可能な八木アンテナを構成することができる。
【0009】
また、地板上にアンテナ素子を垂直に配置して、その周囲に無給電素子を配置し、それらを導波器か反射器で切り替えることにより、指向性を切り替えるアンテナ構成が提案されている。(例えば、特許文献2参照)。
【0010】
図47は、特許文献2に記載された従来の指向性切替アンテナの概略構成図である。図47において、111は地板、112は放射素子、113〜116は無給電素子、117〜120は誘電体基板である。
【0011】
以下、特許文献2に記載された従来の指向性切替アンテナの動作を説明する。誘電体基板117〜120で実現された地板111上に、放射器として作用する放射素子112を配置し、反射器または導波器として作用する無給電素子113〜116を、誘電体基板117〜120上に実装し、誘電体基板117〜120を地板111に垂直に立てるように構成されている。
ここで、地板111上には、無給電素子113〜116を反射器として作用させるか、導波器として作用させるかを、切り替えるスイッチ回路が実装されており、スイッチ回路の1つを短絡させ、その他のスイッチ回路を開放させることによって、アンテナに指向性を持たせることができる。例えば、無給電素子113を導波器とし、その他の無給電素子114〜116を反射器とするようにスイッチ回路を選択することによって、アンテナの指向性を無給電素子113方向に向けることができ、同様にして、無給電素子114〜116のいずれか1つのスイッチ回路を短絡させることで、指向性を90度ずつ4方向に切り替えることができる。
【0012】
以上のような構成とすることによって、スイッチ回路の短絡、開放の簡単な制御により、指向性を90度ずつ切替可能なアンテナを構成することができる。さらに、無給電素子113〜116を誘電体基板117〜120上に形成しているため、例えば誘電体基板117〜120の誘電率を高くすることによって、波長の短縮効果により、無給電素子113〜116の長さを短縮して、低姿勢化を図ることができる。
【0013】
また、アンテナの指向性を切替可能なアンテナ装置の別の構成としては、例えば、アース金属導体を2つに分け、スイッチによりアース金属導体全体の電気的長さを変えることで指向性を切り替えるアンテナ構成が提案されている(例えば、特許文献3参照)
【0014】
図48は、特許文献3に記載された従来の指向性切替アンテナ装置の概略構成図である。図48において、指向性切替アンテナ装置は、アンテナエレメント301、アンテナエレメント301と受信回路303との整合を行うマッチング回路302、受信回路303から送られた信号の強度を比較する受信電界強度比較器304、高周波スイッチ308をオン、オフさせるための制御回路305、アンテナエレメント301に直列に接続され、アンテナ装置のアース導体に相当する2つの部分に分けられたアース金属導体306、307、2つの高周波スイッチ308を含む構成である。
【0015】
以下、特許文献3に記載された従来の指向性切替アンテナの動作を説明する。アンテナエレメント301で受信された電磁波は、マッチング回路302を通って受信回路303に送られる。また制御回路305は、高周波スイッチ308を任意の時間間隔でオン、オフを繰り返すように制御している。高周波スイッチ308がオンの時は、図49(a)に示すように、アンテナエレメント301に対して、ほぼ垂直の放射指向性を有するが、高周波スイッチ308がオフの時は、図49(b)に示すように、高周波スイッチ308がオンの時に比べて、約−30度方向の放射指向性を有するような指向特性となる。
【0016】
以上のような構成とすることによって、アンテナエレメント301に対して、直列に接続されたアース金属導体306、307の長さを、高周波スイッチ308により電気的に変化させることで、2種類のアンテナ指向特性を得ることができる。
【0017】
さらに、アンテナエレメントの後部左右にアンテナリフレクタを配置して、アンテナリフレクタの接地インピーダンスを制御して、指向性を切り替えるアンテナ構成が提案されている。(例えば、特許文献4参照)。
【0018】
図50は、特許文献4に記載された従来の指向性切替アンテナの概略構成図である。図50において、指向性切替アンテナは、アンテナ311、アンテナエレメント312、アンテナエレメント312の左右に位置し、略三角形の形状の導体板でなるアンテナリフレクタ313、314、アンテナ311をカバーするモールド315を含む構成である。
【0019】
以下、特許文献4に記載された従来の指向性切替アンテナの動作を説明する。アンテナリフレクタ313、314は、アンテナエレメント312の下部左右に位置し、無線部等の基板上に配置されたインピーダンス可変用の接地インピーダンス回路と接続されている。図51は、アンテナリフレクタ313、314を切り替えた場合におけるアンテナの特性の変化を示す特性図である。アンテナリフレクタ313、314との切り替えは、その何れかを接地することにより行う。
更に、アンテナエレメント312から放射された電磁波を、インピーダンスを介して接地されたアンテナリフレクタ313、314により指向性を切り替え、ダイバーシチ機能を実現する。アンテナリフレクタ313、314とを切り替え、接地側としてアンテナリフレクタ314を選択した場合には、アンテナエレメント312の指向性は、図51(a)に示すようにアンテナリフレクタ314と干渉して、右よりの指向性を持つ。逆にアンテナリフレクタ313を選択した場合には、アンテナエレメント312の指向性は、図51(b)に示すようにアンテナリフレクタ313と干渉して、左よりの指向性を持つ。
【0020】
以上のような構成とすることによって、アンテナリフレクタ313、314に接続された接地インピーダンス回路を制御して、どちらか一方のアンテナリフレクタを接地するという簡単な方法により、指向性をアンテナエレメント312に対して左右180度方向に切り替えることができる。
【0021】
【特許文献1】特開平6−69723号公報
【特許文献2】特開2001−345633号公報
【特許文献3】特開平5−48506号公報
【特許文献4】特開2001−292017号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
しかしながら、特許文献1のような構成を用いることによって、例えば誘電体基板上117〜120での導体パターンによる形成が可能であるため、無線端末への内蔵化には適しているが、指向性が前後180度方向にしか切り替えることができないため、音声通話時やデータ通信時の無線端末の使用形態に適したアンテナ装置の指向性を実現することができないという課題があった。
【0023】
また、特許文献2のような構成を用いることによって、スイッチの切り替えにより、アンテナの指向性を90度ずつ切り替えることが可能であるが、無線端末の天頂方向と背面方向での切り替えを可能とするためには、無線端末内の誘電体基板117〜120とは垂直に地板111を設ける必要があるため、無線端末の厚さ方向に対して薄型化が困難であった。
【0024】
また、特許文献3のような構成を用いることによって、例えば、筐体や誘電体基板上に導体パターンによってアース金属導体を形成することで、容易にアース金属導体の電気的な長さを変更して指向性を変更することができるが、アース金属導体をアンテナエレメントに対して直列に接続する必要があるため、モノポール形状のアンテナエレメントにしか対応できず、ダイポールアンテナ平衡給電系のアンテナエレメントに対しては適用できないという課題があった。
【0025】
また、特許文献4のような構成を用いることによって、アンテナ筐体内にアンテナリフレクタを形成することで、無線端末への内蔵化が可能であり、また、アンテナエレメントとしてダイポールのような平衡給電系のアンテナエレメントにも適応可能だが、指向性が左右方向に180度の切り替えしかできないため、音声通話時やデータ通信時の無線端末の使用形態に適したアンテナ装置の指向性を実現することができないという課題があった。
【0026】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、音声通話時とデータ通信時のような複数の無線端末の使用形態に適した指向特性に切り替えることができるアンテナ装置およびそのアンテナ装置を用いた無線端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0027】
本発明のアンテナ装置は、第1の面に配置された線状の放射素子と、前記放射素子と平行に、前記第1の平面に配置された第1の無給電素子と、第1の面に配置された第1の接地導体と、前記第1の無給電素子の両端それぞれと前記第1の接地導体とを接続する第1のスイッチと、前記第1の面に対向する第2の面に配置された第2の接地導体と、を備えるアンテナ装置であって、前記第1の接地導体の一部は、前記放射素子を挟んで前記第1の無給電素子の反対側に、前記放射素子と平行に配置され、前記第2の接地導体は、前記放射素子に対向するように配置され、前記第2の接地導体の端部は、前記放射素子と前記第1の無給電素子によって挟まれる領域に対向しているものである。
【0028】
本発明のアンテナ装置は、第1の面に配置された線状の放射素子と、前記放射素子と平行に、前記第1の面に配置された線状の第1の無給電素子と、前記第1の無給電素子の長手方向延長線上の両側に配置された線状の補助素子と、前記第1の面に配置された第1の接地導体と、前記第1の無給電素子の両端と前記補助素子とをそれぞれ接続する第1のスイッチと、前記第1の面に対向する第2の面に配置された第2の接地導体と、を備えるアンテナ装置であって、前記第1の接地導体は、前記放射素子を挟んで前記第1の無給電素子の反対側に、前記放射素子と平行に配置され、前記第2の接地導体は、前記放射素子に対向するように配置され、前記第2の接地導体の端部は、前記放射素子と前記第1の無給電素子によって挟まれる領域に対向しているものである。
【0029】
また、本発明のアンテナ装置は、前記第1の接地導体が、前記放射素子よりも長い線状導体であるものを含む。
【0030】
本発明のアンテナ装置は、第1の面に配置された線状の放射素子と、前記放射素子と平行に、前記第1の面に配置された線状の第1の無給電素子と、前記放射素子を挟んで前記第1の無給電素子の反対側の前記第1の面に、前記放射素子と平行に配置された線状の第2の無給電素子と、前記第1、第2の無給電素子の長手方向延長線上の両側に配置された線状の補助素子と、前記第1、第2の無給電素子の両端と、前記第1、第2の無給電素子それぞれの両端に配置された前記補助素子とを、それぞれ接続する第1、第2のスイッチと、前記第1の面に対向する第2の面に配置された第2の接地導体と、を備えるアンテナ装置であって、前記第2の接地導体は、前記放射素子に対向するように配置され、前記第2の接地導体の一端部は、前記放射素子と前記第1の無給電素子によって挟まれる領域に対向し、前記第2の接地導体の別の端部は、前記放射素子と前記第2の無給電素子によって挟まれる領域に対向しているものである。
【0031】
また、本発明のアンテナ装置は、一面に前記放射素子、前記第1、第2の無給電素子、前記第1の接地導体および前記第1、第2のスイッチが配置され、他面に前記第2の接地導体が配置される第1の基板を備えるものを含む。
【0032】
また、本発明のアンテナ装置は、前記スイッチの短絡/開放を制御する制御手段を備えるものを含む。
【0033】
従来のアンテナ装置では、音声通話とデータ通信のように無線端末の使用形態が異なる場合に、その使用形態に応じて、所望の方向にアンテナの最大放射方向を切り替えることができず、無線端末におけるアンテナ構成として適当でなかった。これらの構成によれば、スイッチ短絡時には無給電素子が接地導体として動作することで放射素子の周囲を接地導体で覆った構成とし、スイッチ開放時には無給電素子が接地導体から切り離されるため、スイッチの短絡/開放によってアンテナの指向性を所望の方向に切り替えることができる。
【0034】
また、本発明のアンテナ装置は、前記無給電素子は、前記スイッチを開放する場合に、前記放射素子に対する導波器になるよう構成しているものを含む。
【0035】
この構成によれば、無給電素子を導波器として作用させることができるため、スイッチ開放状態において放射素子と無給電素子で八木アンテナ構成とすることができ、スイッチ短絡状態に対して指向性を約90度切り替えることができる。
【0036】
また、本発明のアンテナ装置は、前記無給電素子と前記補助素子は、前記スイッチを短絡した場合、前記放射素子に対する反射器になるよう構成しているものを含む。
【0037】
この構成によれば、スイッチの短絡/開放によって無給電素子を導波器と反射器で切り替えることができるため、スイッチ短絡状態において、無給電素子を接地導体と接続することなく指向性を約90度切り替えることができる。
【0038】
また、本発明のアンテナ装置は、前記無給電素子は、リアクタンスが可変であるものを含む。
【0039】
また、本発明のアンテナ装置は、前記無給電素子は、複数の導体片を接続するスイッチで構成されるものを含む。
【0040】
また、本発明のアンテナ装置は、前記無給電素子は、可変容量素子を有するものを含む。
【0041】
これらの構成によれば、無給電素子の電気長を可変することができるため、スイッチ開放時におけるアンテナ指向性を可変することができると共に、アンテナの入力インピーダンス特性も調整することが可能となる。
【0042】
また、本発明のアンテナ装置は、前記基板が誘電体材料で構成されているものを含む。
【0043】
この構成によれば、誘電体基板の誘電率による波長短縮効果で、放射素子の電気長を短くすることができるため、アンテナの小型化が図れる。
【0044】
また、本発明のアンテナ装置は、前記基板が発泡材で構成されているものを含む。
【0045】
この構成によれば、放射素子、無給電素子等を板金可能により製作し、発泡材上に固定することで非常に安価に指向性切替アンテナを製作することができる。
【0046】
また、本発明のアンテナ装置は、前記放射素子は、前記第1の基板に対して水平方向に折り返された折り返し構造であるものを含む。
【0047】
この構成によれば、放射素子の入力インピーダンスを高くすることができるため、放射素子の極近傍に接地導体が配置されて入力インピーダンスが低くなった状態においても、給電部との整合をとり易くすることができる。
【0048】
また、本発明のアンテナ装置は、前記放射素子は、前記第1の基板上の導体パターンにより形成されているものを含む。
【0049】
この構成によれば、放射素子を基板と一体的に製作することができるため、安価に製作することができ、さらに特性の安定化も図ることができる。
【0050】
また、本発明のアンテナ装置は、前記第2の接地導体は、前記第1の基板上の導体パターンにより形成されているものを含む。
【0051】
この構成によれば、第2の接地導体を基板と一体的に製作することができるため、第2の接地導体の先端部を正確に配置することができ、特性を安定化させることができる。
【0052】
また、本発明のアンテナ装置は、前記放射素子と前記第2の接地導体は、前記放射素子と前記第2の接地導体の間隔が前記第1の基板の厚さよりも大きくなるよう配置されたものを含む。
【0053】
この構成によれば、放射素子と第2の接地導体の距離を確保できるため、放射素子の入力インピーダンスの低下を防ぐことができ、給電部との整合をとり易くすることができる。
【0054】
また、本発明のアンテナ装置は、前記放射素子は、前記基板に対して垂直方向に折り返し構造を有するダイポール構成であって、前記第1の基板上に配置された下部導体と、前記下部導体の両端部それぞれから第1の基板に対して垂直方向に配置された折り返し部と、前記折り返し部の端部間を接続するよう配置された上部導体と、を含んで構成されるものを含む。
【0055】
この構成によれば、放射素子を3次元に折りたたむようにして配置できるため、アンテナの設計の自由度が増すと共に、アンテナの実装面積を小型化することができる。
【0056】
また、本発明のアンテナ装置は、前記第1の基板の上部に第2の基板を備え、前記下部導体は、前記第1、第2の基板間に狭設され、前記折り返し部は、前記第2の基板を貫通して配置され、前記上部導体は、前記第2の基板上に配置されたものを含む。
【0057】
この構成によれば、基板を多層化することで、折り返し構造を有する放射素子を形成することができるため、安価に製作でき、さらに特性を安定させることができる。
【0058】
また、本発明のアンテナ装置は、前記第1の基板の上部に誘電体ブロックを備え、前記下部導体、前記折り返し部および前記上部導体は、誘電体ブロックの表面上及び/または内部に配置されたものを含む。
【0059】
また、本発明のアンテナ装置は、前記無給電素子、スイッチおよび第1の接地導体の一部は、前記誘電体ブロックの表面上及び/または内部に配置されたものを含む。
【0060】
この構成によれば、高誘電率材料の誘電体ブロック中に放射素子及び/または無給電素子を3次元に折りたたむようにして配置できるため、アンテナの設計の自由度が増すと共に、アンテナの実装面積を非常に小型化することができ、さらに指向性切替機能を有する誘電体アンテナを製作することができる。
【0061】
また、本発明のアンテナ装置は、前記放射素子は、直線状ダイポールであるものを含む。
【0062】
この構成によれば、放射素子を非常に簡易に製作することができ、また、無給電素子とあわせて八木アンテナ構成とすることができるため、指向性の90度切替を実現できる。
【0063】
また、本発明のアンテナ装置は、前記放射素子は、メアンダライン状ダイポールであるものを含む。
【0064】
この構成によれば、放射素子を非常に小型化することができる。
【0063】
また、本発明のアンテナ装置は、前記第1、第2のスイッチは、ダイオードスイッチで構成されるものを含む。
【0063】
また、本発明のアンテナ装置は、前記第1、第2のスイッチは、FETスイッチで構成されるものを含む。
【0063】
また、本発明のアンテナ装置は、前記第1、第2のスイッチは、MEMSスイッチで構成されるものを含む。
【0063】
これらの構成によれば、スイッチを非常に簡易な構成で実現できると共に、MEMS技術を用いることにより、スイッチを非常に小型化できるため、アンテナ自体の小型化も測ることができる。
【0063】
本発明のアンテナ装置は、第1の面に配置された線状の放射素子と、前記第1の面に対向する第2の面に配置された接地導体と、前記放射素子と平行に、前記第2の平面上に前記接地導体と電気的に絶縁して配置された第1の導体と、前記接地導体と前記導体とを接続する第1のスイッチと、を備えるアンテナ装置であって、前記接地導体と前記導体の一方が、前記放射素子に対向して配置されるものである。
【0071】
また、本発明のアンテナ装置は、前記第1の導体と前記接地導体に対して対称な位置に配置された第2の導体と、前記接地導体と前記第2の導体とを接続する第2のスイッチと、を、更に、備えるアンテナ装置であって、前記接地導体が、前記放射素子に対向して配置されるものを含む。
【0072】
また、本発明のアンテナ装置は、前記第1の平面と前記第2の平面とが配置される第1の基板を備えるものを含む。
【0073】
また、本発明のアンテナ装置は、前記接地導体が、前記放射素子に対向して配置されるものを含む。
【0074】
また、本発明のアンテナ装置は、前記導体が、前記放射素子に対する導波器になるものを含む。
【0075】
また、本発明のアンテナ装置は、前記導体が、前記放射素子に対向して配置されるものを含む。
【0076】
また、本発明のアンテナ装置は、前記導体が、前記放射素子よりも長いものを含む。
【0077】
従来のアンテナ装置では、音声通話とデータ通信のように無線端末の使用形態が異なる場合に、その使用形態に応じて、所望の方向にアンテナの最大放射方向を90度切り替えることができず、無線端末におけるアンテナ構成として適当でなかった。これらの構成によれば、スイッチ短絡時には第一の金属導体が接地導体として動作し、スイッチ開放時には第一の金属導体が接地導体から切り離されるため、スイッチの短絡/開放によってアンテナの指向性を所望の方向に切り替えることができる。
【0078】
また、本発明のアンテナ装置は、前記導体が、リアクタンスが可変であるものを含む。
【0079】
また、本発明のアンテナ装置は、前記導体が、可変容量素子を有するものを含む。
【0080】
また、本発明のアンテナ装置は、前記導体が、前記導体の長さ方向に分割された複数の導体片と、前記複数の導体片を接続する第3のスイッチと、を含んで構成されるものを含む。
【0081】
これらの構成によれば、第一の金属導体の電気長を可変することができるため、スイッチ開放時におけるアンテナ指向性を調整することができると共に、アンテナの入力インピーダンス特性も調整することが可能となる。
【0082】
また、本発明のアンテナ装置は、前記導体が、前記導体の幅方向に分割された複数の導体片と、前記複数の導体片を接続する第3のスイッチと、を含んで構成されるものを含む。
【0083】
この構成によれば、第一の金属導体の幅方向の電気的長さを可変することができるため、スイッチ開放時におけるアンテナ指向性を調整することができる。
【0084】
また、本発明のアンテナ装置は、前記第1の基板が、誘電体材料で構成されているものを含む。
【0085】
この構成によれば、誘電体基板の誘電率による波長短縮効果で、放射素子の電気長を短くすることができるため、アンテナの小型化が図れる。
【0086】
また、本発明のアンテナ装置は、前記第1の基板が、発泡材で構成されているものを含む。
【0087】
この構成によれば、放射素子、第一の金属導体等を板金可能により製作し、発泡材上に固定することで非常に安価に指向性切替アンテナを製作することができる。
【0088】
また、本発明のアンテナ装置は、前記第1のスイッチが、前記接地導体と前記第一の金属導体とを複数箇所で接続する複数のスイッチで構成されるものを含む。
【0089】
また、本発明のアンテナ装置は、前記複数の第3のスイッチが、前記放射素子の給電点を含む前記放射素子に垂直な平面に対して、対称に配置されているものを含む。
【0090】
また、本発明のアンテナ装置は、前記第3のスイッチが、前記放射素子の給電点を含む前記放射素子に垂直な平面に対して、非対称に配置されているものを含む。
【0091】
また、本発明のアンテナ装置は、前記第3のスイッチが、前記放射素子上の電圧最大位置付近に対向する位置にある、前記接地導体と前記第一の金属導体とを接続するものを含む。
【0092】
これらの構成によれば、接地導体と第一の金属導体の間を全面に渡って接続する必要がなく、必要最小限のスイッチを用いて指向性を切り替えることが可能となり、さらに、放射素子の長さ方向に対して非対称な位置をスイッチで短絡することで、3次元での指向性切替が可能となる。
【0093】
また、本発明のアンテナ装置は、前記放射素子が、前記第1の基板上の導体パターンにより形成されているものを含む。
【0094】
この構成によれば、放射素子を基板と一体的に製作することができるため、安価に製作することができ、さらに特性の安定化も図ることができる。
【0095】
また、本発明のアンテナ装置は、前記接地導体が、前記第1の基板上の導体パターンにより形成されているものを含む。
【0096】
この構成によれば、接地導体を基板と一体的に製作することができるため、接地導体の先端部を正確に配置することができ、特性を安定化させることができる。
【0097】
また、本発明のアンテナ装置は、前記放射素子と前記接地導体が、前記放射素子と前記第2の接地導体の間隔が前記第1の基板の厚さよりも大きくなるよう配置されたものを含む。
【0098】
この構成によれば、放射素子と接地導体の距離を確保できるため、放射素子の入力インピーダンスの低下を防ぐことができ、給電部との整合をとり易くすることができる。
【0099】
また、本発明のアンテナ装置は、前記放射素子が、前記第1の基板に対して水平方向に折り返された折り返し構造であるものを含む。
【0100】
この構成によれば、放射素子の入力インピーダンスを高くすることができるため、放射素子の極近傍に接地導体が配置されて入力インピーダンスが低くなった状態においても、給電部との整合をとり易くすることができる。
【0101】
また、本発明のアンテナ装置は、前記放射素子が、前記基板に対して垂直方向に折り返し構造を有するダイポール構成であって、前記第1の基板上に配置された下部導体と、前記下部導体の両端部それぞれから第1の基板に対して垂直方向に配置された折り返し部と、前記折り返し部の端部間を接続するよう配置された上部導体と、を含んで構成されるものを含む。
【0102】
この構成によれば、放射素子を3次元に折りたたむようにして配置できるため、アンテナの設計の自由度が増すと共に、アンテナの実装面積を小型化することができる。
【0103】
また、本発明のアンテナ装置は、前記第1の基板の上部に第2の基板を備え、前記下部導体は、前記第1、第2の基板間に狭設され、前記折り返し部は、前記第2の基板を貫通して配置され、前記上部導体は、前記第2の基板上に配置されたものを含む。
【0104】
この構成によれば、基板を多層化することで、折り返し構造を有する放射素子を形成することができるため、安価に製作でき、さらに特性を安定させることができる。
【0105】
また、本発明のアンテナ装置は、前記第1の基板の上部に誘電体ブロックを備え、前記下部導体、前記折り返し部および前記上部導体が、誘電体ブロックの表面上及び/または内部に配置されたものを含む。
【0106】
この構成によれば、高誘電率材料の誘電体ブロック中に放射素子及び/または無給電素子を3次元に折りたたむようにして配置できるため、アンテナの設計の自由度が増すと共に、アンテナの実装面積を非常に小型化することができる。
【0107】
また、本発明のアンテナ装置は、前記放射素子が、直線状ダイポールで構成されるものを含む。
【0108】
この構成によれば、放射素子を非常に簡易に製作することができる。
【0109】
また、本発明のアンテナ装置は、前記放射素子が、メアンダライン状ダイポールで構成されるものを含む。
【0110】
この構成によれば、放射素子を非常に小型化することができる。
【0111】
また、本発明のアンテナ装置は、前記第1、第2のスイッチが、ダイオードスイッチで構成されるものを含む。
【0112】
また、本発明のアンテナ装置は、前記第1、第2のスイッチが、FETスイッチで構成されるものを含む。
【0113】
また、本発明のアンテナ装置は、前記第1、第2のスイッチが、MEMSスイッチで構成されるものを含む。
【0114】
これらの構成によれば、スイッチを非常に簡易な構成で実現できると共に、MEMS技術を用いることにより、スイッチを非常に小型化できるため、アンテナ自体の小型化も測ることができる。
【0115】
本発明の無線端末は、本発明のアンテナ装置と、前記アンテナ装置により電波を送受信する送受信部と、前記アンテナ装置の指向性を切り替えるアンテナ指向性切替部と、各部の制御を行う制御部と、を備える無線端末であって、前記制御部は、前記アンテナ指向性切替部に前記アンテナ装置の指向性を切り替えさせて、前記送受信部に電波を受信させ、検出した電波の強度に基づいて、より良い受信感度と判定した指向性状態の前記アンテナ装置により、送受信させるよう前記アンテナ指向性切替部と前記送受信部とを制御するものである。
【0116】
また、本発明の無線端末は、前記制御部は、受信状態では前記アンテナ装置にダイバーシチ受信させ、送信状態では受信状態に使用した指向性状態で前記アンテナ装置から送信させるよう制御するものを含む。
【0117】
この構成によれば、マルチパス環境下においても、1つのアンテナの指向性を切り替えることでダイバーシチ受信することができるため、高品質な通信を行うことができる。
【0118】
また、本発明の無線端末は、前記制御部は、受信状態では前記アンテナ装置にダイバーシチ受信させ、送信状態では前記アンテナ装置の最大放射方向が、当該無線端末から当該無線端末使用者に向かう方向と反対方向となる指向性状態で、前記アンテナ装置から送信させるよう制御するものを含む。
【0119】
この構成によれば、マルチパス環境下においても、1つのアンテナの指向性を切り替えることでダイバーシチ受信することができ、高品質な通信を行うことができると同時に、送信時には無線端末を使用するユーザの方向にアンテナ指向性を向けないため、SARを改善することができる。
【発明の効果】
【0120】
本発明のアンテナ装置およびそのアンテナ装置を用いた無線端末によれば、スイッチの短絡/開放によってアンテナの指向性を背面方向/天頂方向に切り替えることができ、音声通話時とデータ通信時のように無線端末の使用形態が異なる場合でも、その使用形態に適したアンテナの指向性に変化させて、高品質な通信を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0121】
以下、本発明の実施形態のアンテナ装置およびそのアンテナ装置を用いた無線端末について図面を用いて詳細に説明する。
【0122】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る指向性切替アンテナ装置の概略構成図であり、図1(a)は斜視図、図1(b)は図1(a)のA−A’における断面図である。
指向性切替アンテナ装置1は、厚さtの誘電体基板2と、誘電体基板2上に配置された線状導体より成る長さLの放射素子3と、給電点4と、誘電体基板2上に放射素子3と同一平面上に配置された第1の接地導体5と、誘電体基板上に放射素子3と同一平面上に配置された、放射素子3と略平行な長さLd(<L)の無給電素子6と、第1の接地導体5と無給電素子6との間に配置されたスイッチ7と、誘電体基板2上でかつ放射素子3とは反対側の面に配置された第2の接地導体8と、第2の接地導体8の先端部9と、スイッチ7の短絡、開放を制御する制御回路10と、を含む構成である。
【0123】
ここで、放射素子3、第1の接地導体5、無給電素子6、第2の接地導体8は、いずれも誘電体基板2上に導体パターンにより形成されているものとして説明する。誘電体基板2上に形成することで、誘電率による波長の短縮効果の影響でアンテナ装置を小型化することが可能になり、また安価で、大量生産し易く、アンテナ特性も安定するという利点がある。
【0124】
以下、本発明の第1実施形態に係る指向性切替アンテナ装置の動作を説明する。給電点4より給電された高周波信号は、放射素子3より空間中に放射される。ここで、本実施形態では、放射素子3をダイポール構成として説明する。図2は、本発明の指向性の切替動作の原理を示す。図2(a)の(1)のように、放射素子3の周囲に接地導体がなければ、アンテナの指向性は図2(b)が示す(1)のように、XZ面内において無指向性となる。
【0125】
第1の接地導体5および無給電素子6を放射素子3と同一面上に配置して、制御回路10からの制御信号によりスイッチ7を短絡させて、第1の接地導体5と無給電素子6を導通させた状態、すなわち、図2(a)の(2)のように放射素子3の周囲を接地導体で覆った状態とすることによって、アンテナの指向性は図2(b)が示す(2)のように、±Z方向に最大放射方向を持つ指向性となる。さらに、制御回路10からの制御信号によりスイッチ7を開放させた状態、すなわち、図2(a)の(3)のように放射素子3の周囲の一部が接地導体から切り離され、無給電素子6が導波器として作用する状態においては、アンテナの指向性は図2(b)が示す(3)のように、+X方向に最大放射方向を持つ単指向性となる。すなわち、スイッチ7を短絡または開放させることによって、アンテナの指向性を約90度切り替えることが可能となる。
【0126】
しかしながら、上記構成では、図2(a)の(2)のように、スイッチ7を短絡した状態において±Z方向に最大放射方向を持つ双指向性となるため、無線端末の誘電体基板2上に(2)の導体パターンのみを搭載すると、−Z方向の人体方向(背面方向の反対方向)にも放射電磁界が発生し、SARの劣化を招いてしまう。そこで、図1に示すように、誘電体基板2上で放射素子3とは反対側の面に、第2の接地導体8を設けることによって、スイッチ7を短絡した状態において−Z方向の人体方向への放射電磁界を遮断し、+Z方向の単指向性化を実現することができる。ここで、第2の接地導体8の配置位置が、アンテナの指向性の切り替えに与える影響について詳細に説明する。
【0127】
図1(b)において、放射素子3と無給電素子6とのX軸方向における間隔をDとし、放射素子3から第2の接地導体8の先端部9へのX軸方向における間隔をGとする。このとき、図3(a)に示す本発明の第1実施形態に係る指向性切替アンテナにおけるG=Dのときの断面構成図のように、間隔Gを間隔Dと同等若しくはそれよりも長くした場合、スイッチ7を短絡または開放させた状態でほぼ同等の指向性となる。
図3(b)に、本発明の第1実施形態に係る指向性切替アンテナにおける、G=Dのときのスイッチ切替時の指向性を示す。図3(b)より、スイッチ7の切り替え動作によって、アンテナの指向性の切り替えがなされていないことが確認される。これは、無給電素子6の下部にも第2の接地導体8が配置されることで、無給電素子6が導波器として動作していないことを示している。
【0128】
一方、図4(a)に示す本発明の第1実施形態に係る指向性切替アンテナ装置におけるG≦0のときの断面構成図のように、間隔Gが負の値をとるような場合は、放射素子3の下部に第2の接地導体8が存在しないため、スイッチ7を短絡させた状態において、−Z方向にも電磁波が強く放射されてしまう。図4(b)は、本発明の第1実施形態に係る指向性切替アンテナ装置における、G≦0のときのスイッチ短絡時の指向性を示しており、間隔Gが−2mm、−1mm、0mmときにおいて、それぞれスイッチ7短絡時の指向性を示す図である。図4(b)より、間隔Gが−2mm、−1mmのときは、−Z方向にも、+Z方向とほぼ同等の強度の電磁波が放射されていることがわかる。それに対して間隔Gが0mmのときは−Z方向の放射電磁界が+Z方向と比べて5dB程度抑圧されていることがわかる。
【0129】
図5(a)に示す本発明の第1実施形態に係る指向性切替アンテナ装置における、G=D/4のときの断面構成図のように、第2の接地導体8の先端部9がX軸方向における放射素子3と無給電素子6の間になるように配置することによって、すなわち、間隔Gが0≦G<Dなる関係式を満たすことによって、スイッチ7を切り替えることにより所望の指向性切替動作を実現することができる。一例として、周波数Fにおいて、誘電率3.8、基板厚t=0.03λの誘電体基板2上に長さL=0.7λの放射素子3を配置し、放射素子3から距離D=0.13λ離れた位置に長さLd=0.6λの無給電素子6を配置し、さらに放射素子3と第2の接地導体8の先端部9とのX軸方向における間隔Gが、G=D/4となる位置のときのスイッチ7の短絡/開放時のそれぞれの指向性を図5(b)に示す。図5(b)より、スイッチ7の切り替え動作によって指向性が約90度切り替えられていることがわかる。
【0130】
無給電素子6を導波器として動作させるためには、放射素子3と無給電素子6の間隔Dは0.25λ程度離すことが本来望ましいが、間隔Dを離すとアンテナサイズが大きくなるため、本実施形態のように、間隔Dを0.25λ程度離さなくても指向性の切り替えは可能である。また、無給電素子6はスイッチ7が開放状態において導波器として作用するように長さが調整されているが、例えば、無給電素子6の長さを可変できる構成としておくことによって、導波器の持つリアクタンス成分を調整して、指向性を可変させることも可能である。無給電素子6の長さを可変する方法としては、無給電素子6を複数の導体片に分割して、それぞれの間にスイッチ7を配置し、スイッチ7の短絡/開放によって長さを可変しても良いし、無給電素子6にバラクタダイオードなどの可変容量素子を付加し、制御電圧に応じて電気的に長さを調節するようにしても良い。
【0131】
図5(b)では、間隔GがG=D/4となるときの、スイッチ切替時の指向性を示したが、間隔Gが0≦G<Dなる関係式を満たす別の場合の例を、図6から図8に示す。図6に、(a)本発明の第1実施形態に係る指向性切替アンテナ装置における、G=D/2のときの断面構成図、及び(b)本発明の第1実施形態に係る指向性切替アンテナ装置における、G=D/2のときのスイッチ切替時の指向性を示す。図7に、(a)本発明の第1実施形態に係る指向性切替アンテナ装置における、G=3/4×Dのときの断面構成図、及び(b)本発明の第1実施形態に係る指向性切替アンテナ装置における、G=3/4×Dのときのスイッチ切替時の指向性を示す。図8に、(a)本発明の第1実施形態に係る指向性切替アンテナ装置における、G=19/20×Dのときの断面構成図、及び(b)本発明の第1実施形態に係る指向性切替アンテナ装置における、G=19/20×Dのときのスイッチ切替時の指向性を示す。図6から図8の間隔G以外の数値は、図5(a)で用いた数値と共通している。図6(b)、図7(b)及び図8(b)より、スイッチ7の切り替え動作によって指向性が約90度切り替えられていることを確認できる。
【0132】
また、図9には、本発明の第1実施形態に係る指向性切替アンテナ装置における、−D/2<G<Dのときのスイッチ切替時の指向性切替角度を示す。横軸にはG/D比を、縦軸にはスイッチ切替時における最大放射方向の切替角度を表す指向性切替角度を、それぞれ示す。図9は、図5から図8が示しているように、G/Dが0から1の間、指向性切替角度が約90度付近にあることから、G/Dが0から1の間であれば指向性を切り替えることができることを示している。一方、G/Dが1に近づくにつれて、スイッチ7の切り替え動作をしても、アンテナの指向性の切替がなされていないことが確認される。これは、無給電素子6の下部に第2の接地導体8が接近して配置されるほど、無給電素子6が導波器として動作しなくなってしまうことを示している。さらに、G/Dが0付近であっても、指向性切替角度は90度付近にあるが、このときには、図4(b)のG=0mmのときのスイッチ短絡時の指向性が示すように、+Z方向の放射電磁界と比べると抑圧されてはいるものの、−Z方向にも電磁界が放射されてしまう。このため、間隔Gは、0またはDとなる付近を除く、0<G<Dの範囲で設定することが好ましいが、―Z方向への放射を考慮しない場合には、−D/4<G<Dの範囲で設定することで、指向性切り替えが可能であることを示している。
【0133】
ここで、音声通話およびデータ通信を行う際のユーザと無線端末の位置関係について詳細に説明する。図10に、音声通話時における無線端末とユーザとの位置関係の一例を、図11に、データ通信時における無線端末とユーザとの位置関係の一例示す。一般に、音声通話を行う際には、ユーザ11と無線端末12の間には図10に示すような位置関係が想定され、データ通信を行う際には、ユーザ11と無線端末12の間には図11に示すような位置関係が想定される。
すなわち、音声通話時にはユーザ11は無線端末12を頭部側面に隣接させて使用し、データ通信時にはユーザ11は無線端末12の表示部13の表示内容を確認しながら操作部14を用いて操作するのが一般的である。そのため、無線端末12に備わるアンテナ装置の有する指向性としては、図12に示すように、音声通話時にはアンテナ指向性の最大放射方向が無線端末12の背面方向(表示部13の表示面に対して反対方向)となり、データ通信時にはアンテナ指向性の最大放射方向が無線端末12の天頂方向(表示部13の表示面に対して水平方向で、かつ表示内容に対して上方向)となるよう切り替えられることが望ましい。
【0134】
このような指向性切替機能を無線端末12が有することで、アンテナからの放射電磁界がユーザ11の方向を向かないため、SARの改善にもつながり、またアンテナ利得の向上も期待できる。よって、図12における天頂方向がX方向、背面方向がZ方向に対応するように、無線端末12内に指向性切替アンテナ装置1を配置することによって、音声通話時とデータ通信時でそれぞれ所望の指向性を得ることが可能となる。
【0135】
以上のように、誘電体基板2上に配置された放射素子3と同一平面上の周囲に第1の接地導体5および無給電素子6を配置し、第1の接地導体5と無給電素子6の間にスイッチ7を配置し、さらに誘電体基板2を挟んで放射素子3の下部に第2の接地導体8を設けた構成において、第2の接地導体8の先端部9が放射素子3と無給電素子6の間になるように配置され、さらに制御回路10を用いてスイッチ7を切り替えることによって、アンテナの指向性を約90度切り替えることができるため、無線端末の使用形態によって指向性を切り替えるアンテナ装置を実現することが可能になるという作用を有する。
【0136】
さらに、本実施形態で示した指向性切替アンテナ装置を用いて無線端末を構成することで、無線端末の使用形態に応じてアンテナの指向性を切り替えて無線端末としての性能を向上させることができ、信頼性の高い無線通信システムを提供することが可能となる。
【0137】
なお、本実施形態では、放射素子3を導体パターンにより誘電体基板2上に形成しているとして説明したが、ワイヤ等の線状導体や板金加工により放射素子3を構成しても良い。
【0138】
また、本実施形態では、放射素子3を直線状のダイポール構成として説明しているが、その限りではなく、例えば、メアンダライン状に構成しても良い。
【0139】
また、本実施形態では、誘電体基板2上に放射素子3、第1の接地導体5、無給電素子6、第2の接地導体8が形成されているとしたが、誘電体基板を必ずしも使用する必要はない。例えば放射素子3、無給電素子6、接地導体5、8等を板金加工により製作し、発泡材等を使用して各構成要素を発泡材等に固定していっても良い。
【0140】
また、本実施形態では、第2の接地導体8を、誘電体基板2上でかつ放射素子3と反対側の面に導体パターンにより形成しているが、例えば、誘電体基板2上ではなく、誘電体基板2から一定の距離を離れた無線端末12の筐体上に第2の接地導体を配置しても良い。このような構成とすることで、放射素子3と第2の接地導体8の間隔を広く取ることができ、アンテナの整合を合わせ易くなるという利点がある。
また、本実施形態では、スイッチ7の構成について特に触れていないが、ダイオードスイッチやFETスイッチ、MEMSスイッチ等を使用することが可能である。
【0141】
(第2実施形態)
図13は、本発明の第2実施形態に係る指向性切替アンテナ装置の概略構成図であり、図13(a)は斜視図、図13(b)は図13(a)のA−A’における断面図である。図13において、補助素子15を含む構成である。その他の構成は、第1実施形態と同じであるため説明を省略する。
【0142】
以下、本発明の第2実施形態に係る指向性切替アンテナ装置の動作を説明する。基本動作は第1実施形態で説明したとおりであるため省略するが、無給電素子6の両端部に補助素子15を配置して、スイッチ7を無給電素子6と補助素子15の間に配置した構成とする。ここで、補助素子15は、スイッチ7を短絡させたときに無給電素子6と補助素子15を合わせた長さが、放射素子3に対して反射器として作用するように長さを設定する。このような構成とすることで、スイッチ7を開放させたときは、無給電素子6が導波器として作用して指向性が+X方向となり、スイッチ7を短絡させたときは、無給電素子6が反射器として作用して指向性が+Z方向となるため、放射素子3の周囲を接地導体で覆った状態と同等の効果が得られる。
【0143】
以上のように、無給電素子6の両端に補助素子15を設け、制御回路10を用いてスイッチ7を切り替えて無給電素子6を導波器と反射器で切り替えることにより、アンテナの指向性を約90度切り替えることができるため、使用形態によって指向性を切り替えるアンテナ装置を実現することが可能になるという作用を有する。
【0144】
さらに、本実施形態で示した指向性切替アンテナ装置を用いて無線端末を構成することで、使用形態に応じてアンテナの指向性を切り替えて無線端末としての性能を向上させることができ、信頼性の高い無線通信システムを提供することが可能となる。
【0145】
なお、本実施形態では、放射素子3を導体パターンにより誘電体基板2上に形成しているとして説明したが、その限りではなく、ワイヤ等の線状導体や板金加工により放射素子3を構成しても良い。
【0146】
また、本実施形態では、放射素子3を直線状のダイポール構成として説明しているが、その限りではなく、例えば、メアンダライン状に構成しても良い。
【0147】
なお、本実施形態では放射素子3の−X方向には第1の接地導体5が配置されている構成として説明したが、図14に示すように、第1の接地導体5の代わりに反射器16を用いても同様の効果が得られる。
【0148】
また、本実施形態では、誘電体基板2上に放射素子3、第1の接地導体5、無給電素子6、第2の接地導体8、補助素子15が形成されているとしたが、誘電体基板を必ずしも使用する必要はない。例えば放射素子3、無給電素子6、接地導体5、8、補助素子15等を板金加工により製作し、発泡材等を使用して各構成要素を発泡材等に固定していっても良い。
【0149】
また、本実施形態では、第2の接地導体8を、誘電体基板2上でかつ放射素子3と反対側の面に導体パターンにより形成しているが、例えば、誘電体基板2上ではなく、誘電体基板2から一定の距離を離れた無線端末12の筐体上に、第2の接地導体を配置しても良い。このような構成とすることで、放射素子3と第2の接地導体8の間隔を広く取ることができ、アンテナの整合を合わせ易くなるという利点がある。
また、本実施形態では、スイッチ7の構成について特に触れていないが、ダイオードスイッチやFETスイッチ、MEMSスイッチ等を使用することが可能である。
【0150】
(第3実施形態)
図15は、本発明の第3実施形態に係る指向性切替アンテナ装置の概略構成図であり、図15(a)は斜視図、図15(b)は図15(a)のA−A’における断面図である。図15において、指向性切替アンテナ装置1は、補助素子15、無給電素子17、スイッチ18、第2の接地導体8の無給電素子17側の先端部19を含む構成である。その他の構成は第1実施形態と同じであるため説明を省略する。
【0151】
以下、本発明の第3実施形態に係る指向性切替アンテナ装置1の動作を説明する。基本動作は第1実施形態で説明したとおりであるため省略するが、無給電素子6の両端部に補助素子15を配置して、スイッチ7を無給電素子6と補助素子15の間に配置した構成とする。ここで、補助素子15は、スイッチ7を短絡させたときに、無給電素子6と補助素子15を合わせた長さが、放射素子3に対して反射器として作用するように長さを設定する。
また、第1の接地導体5の代わりに、無給電素子6と同じ長さの無給電素子17を設け、その両端部にも補助素子15を配置し、スイッチ18を無給電素子17と補助素子15の間に配置した構成とする。また、放射素子3と無給電素子17の間隔を、放射素子3と無給電素子6の間隔Dと等しくし、さらに第2の接地導体8の無給電素子17側先端部19と放射素子3の+X軸方向における間隔Gも、第2の接地導体8の無給電素子6側先端部9と放射素子3の+X軸方向における間隔Gと等しくする。すなわち、放射素子3を含むYZ面において対称な構造となるように配置する。
【0152】
このとき、制御回路10を用いてスイッチ7、スイッチ18を制御して指向性切替を行うが、この点について詳細に説明する。図16にスイッチ7、18の短絡/開放動作とアンテナ指向性との関係を示す。スイッチ7、18を両方短絡させた場合は、無給電素子6、17が共に反射器として動作するため、アンテナの指向性は図11における+Z方向となる。
次にスイッチ7を短絡させ、スイッチ18を開放させると、無給電素子6は反射器、無給電素子17は導波器として動作するため、アンテナの指向性は図15における−X方向となる。次にスイッチ7を開放させ、スイッチ18を短絡させると、無給電素子6は導波器、無給電素子17は反射器として動作するため、アンテナの指向性は図15における+X方向となる。また、スイッチ7、18を両方開放させた場合は、無給電素子6、17が共に導波器として動作するため、アンテナの指向性としては、最大放射方向は+Z方向だが、ほぼ無指向性の特性が得られる。
【0153】
以上のように、無給電素子6、17の両端に補助素子15を設け、さらに制御回路10を用いて無給電素子6、17をスイッチ7、18の切り替え動作により導波器と反射器で切り替えるように制御することによって、アンテナの指向性を±X方向と+Z方向に90度ずつ切り替えることができるため、無線端末の使用形態によって、例えばデータ通信時に、放射方向がユーザに向かうように無線端末が配置されていても、ユーザに向かう方向とは逆の±X方向を選択して、指向性を切り替えるアンテナ装置を実現することが可能になるという作用を有する。
【0154】
さらに、本実施形態で示した指向性切替アンテナ装置を用いて無線端末を構成することで、使用形態に応じてアンテナの指向性を切り替えて無線端末としての性能を向上させることができ、信頼性の高い無線通信システムを提供することが可能となる。
【0155】
なお、本実施形態では、放射素子3を導体パターンにより誘電体基板2上に形成しているとして説明したが、その限りではなく、ワイヤ等の線状導体や板金加工により放射素子3を構成しても良い。
【0156】
また、本実施形態では、放射素子3を直線状のダイポール構成として説明しているが、その限りではなく、例えば、メアンダライン状に構成しても良い。
【0157】
また、本実施形態では、誘電体基板2上に放射素子3、無給電素子6、17、第2の接地導体8、補助素子15が形成されているとしたが、誘電体基板を必ずしも使用する必要はない。例えば放射素子3、無給電素子6、17、接地導体8、補助素子19等を板金加工により製作し、発泡材等を使用して各構成要素を発泡材等に固定していっても良い。
【0158】
また、本実施形態では、第2の接地導体8を誘電体基板2上でかつ放射素子3と反対側の面に導体パターンにより形成しているが、例えば、誘電体基板2上ではなく、誘電体基板2から一定の距離はなれた無線端末12の筐体上に第2の接地導体を配置しても良い。このような構成とすることで、放射素子3と第2の接地導体8の間隔を広く取ることができ、アンテナの整合を合わせ易くなるという利点がある。
また、本実施形態では、スイッチ7の構成について特に触れていないが、ダイオードスイッチやFETスイッチ、MEMSスイッチ等を使用することが可能である。
【0159】
(第4実施形態)
図17は、本発明の第4実施形態に係る指向性切替アンテナ装置の概略構成図であり、図17(a)は斜視図、図17(b)は図17(a)のA−A’における断面図である。図17において、指向性切替アンテナ装置1は、折り返し構造を有する放射素子20を含む構成である。その他の構成は第1実施形態と同じであるため説明を省略する。
【0160】
以下、本発明の第4実施形態に係る指向性切替アンテナ装置の動作を説明する。例えば、図1において、放射素子3と第2の接地導体8は、誘電体基板2の厚さt=0.008λ離して配置されている。このように、放射素子3の極近傍に接地導体8を配置すると、放射素子3の入力インピーダンスが、接地導体8がない状態と比較して極端に小さくなってしまう。
【0161】
一方、放射素子3を放射素子20のような折り返し構成にすると、放射素子の入力インピーダンスを高くすることができる。例えば、図18(b)の2重折り返しダイポールの入力インピーダンスは、図18(a)に示す一般的なダイポールアンテナの入力インピーダンスの4倍となり、図18(c)のような3重折り返しダイポールの入力インピーダンスは、一般的なダイポールアンテナの入力インピーダンスの8倍となる。そこで、図17のように折り返し構造の放射素子20を用いることで、給電点4でのアンテナの入力インピーダンスを高くすることができ、50Ω系のマイクロストリップ線路や同軸線路との整合をとり易くなる。
【0162】
以上のように、放射素子20を折り返し構造とし、さらに制御回路10を用いてスイッチ7を切り替えることによって、アンテナの指向性を約90度切り替えながら、アンテナの入力インピーダンスを高くして整合をとり易くすることができ、無線端末の使用形態によって指向性を切り替えるアンテナ装置を実現することが可能になるという作用を有する。
【0163】
さらに、本実施形態で示した指向性切替アンテナ装置を用いて無線端末を構成することで、使用形態に応じてアンテナの指向性を切り替えて無線端末としての性能を向上させることができ、信頼性の高い無線通信システムを提供することが可能となる。
【0164】
なお、本実施形態では、放射素子20を導体パターンにより誘電体基板2上に形成しているが、その限りではなく、ワイヤ等の線状導体や板金加工により放射素子3を構成しても良い。
【0165】
また、本実施形態では、放射素子3を直線状のダイポール構成として説明しているが、その限りではなく、例えば、メアンダライン状に構成しても良い。
【0166】
また、本実施形態では、誘電体基板2上に放射素子20、第1の接地導体5、無給電素子6、第2の接地導体8が形成されているとしたが、誘電体基板を必ずしも使用する必要はない。例えば放射素子20、無給電素子6、接地導体5、8等を板金加工により製作し、発泡材等を使用して各構成要素を発泡材等に固定していっても良い。
【0167】
また、本実施形態では、第2の接地導体8を誘電体基板2上でかつ放射素子20と反対側の面に導体パターンにより形成しているが、例えば、誘電体基板2上ではなく、誘電体基板2から一定の距離はなれた無線端末12の筐体上に第2の接地導体を配置しても良い。このような構成とすることで、放射素子3と第2の接地導体8の間隔を広く取ることができ、アンテナの整合を合わせ易くなるという利点がある。
【0168】
また、本実施形態では、放射素子3、20をXY面上の2次元構造としているが、その限りではなく、例えば図19(a)、(b)のように放射素子3、20の端部を折り返した構成としても良い。このような折り返し構成とすることで、アンテナ長を短くすることができ、アンテナの小型化が可能となる。
【0169】
ここで、図19(a)、(b)のようなYZ面上に折り返されたアンテナの製作法について説明する。最も簡易に製作する方法としては、図20に示すように、板金加工により製作できる。ここで、放射素子を構成する下部導体21、折り返し部22、上部導体23のすべてを、一体的に板金加工により製作しても良いし、下部導体21は誘電体基板2上に導体パターンにより形成しておき、折り返し部22、上部導体23のみを板金加工により製作しても良い。
また、板金加工以外にも、例えば図21に示すように、誘電体基板2上に新たに誘電体基板24を設け、下部導体21は誘電体基板2、24に挟まれた面状に導体パターンにより形成し、上部導体23は誘電体基板24上でかつ誘電体基板2と反対側の面に導体パターンにより形成し、折り返し部22を、誘電体基板24を貫通するスルーホール等で形成して、下部導体21と上部導体23を電気的に接続するような構成としても良い。
【0170】
このような構成とすることで、多層基板を用いて指向性切替アンテナ装置を製作することができる。また、図22に示すように、セラミック等の高誘電体材料で形成された誘電体ブロック25上に、下部導体21、折り返し部22、上部導体23をそれぞれパターンにより形成した構成としても良い。このような構成とすることで、アンテナ装置を非常に小型化することができる。さらに、誘電体ブロック25上に無給電素子6、接地導体5もパターンにより形成することで、指向性切替機能を有する誘電体アンテナを製作することができる。
【0171】
(第5実施形態)
図23に、本発明の実施形態の無線端末の概略構成図を示す。図23において、無線端末12は、データ通信および音声通話を行う周波数帯に設定された送受信部26、制御部27、アンテナ指向性切替部28を含む構成である。
【0172】
以下、本発明の実施形態の無線端末の動作を説明する。例えば、屋内で無線端末を使用する際には、壁などの障害物によりマルチパス環境が発生することが想定される。このような状況下では、ダイバーシチ受信することによってマルチパス環境にも対応することができる。一般的なダイバーシチ受信としては、複数のアンテナを空間的に離して配置することで構成されるが、複数のアンテナを用いるとアンテナの実装面積が大きくなるばかりでなく、複数のアンテナを選択するためのアンテナスイッチを使用するため、アンテナスイッチの実装面積も必要となる。
【0173】
そこで、第1実施形態から第4実施形態で説明した指向性切替アンテナ装置1を用いることで、アンテナの実装面積は単体アンテナ相当に保ちながら、指向性ダイバーシチを行うことができる。この点について詳細に説明する。
【0174】
図23において、無線端末12は、指向性切替アンテナ1、送受信部26、制御部27、アンテナ指向性切替部28で構成される。このような構成において、受信時には、指向性切替アンテナ1で受信された高周波信号は、送受信部26にて周波数変換、復調され、制御部27に伝送される。このとき、制御部27では、指向性切替アンテナ1の指向性を切り替えた、それぞれの場合における受信電力をモニタし、受信電力のより大きいアンテナ指向性となるように、制御信号29をアンテナ指向性切替部28に送信する。アンテナ指向性切替部28では制御部27からの制御信号29に基づいて、どちらの指向性のときに受信感度が良いか判定し、より受信感度の良い指向性となるように、指向性切替アンテナ1の指向性を切り替えるように制御信号30を送信する。指向性切替アンテナ1は、制御信号30によって所望の指向性となるように切り替えられる。一方、送信時には、制御部27から伝送された信号を、送受信部26にて、変調、周波数変換して、指向性切替アンテナ1から送信する。このとき、指向性切替アンテナ1の指向性は受信時に選択した指向性を使用する。
【0175】
以上のように、指向性切替アンテナ1、送受信部26、制御部27、アンテナ指向性切替部28を用いて無線端末を構成することで、アンテナ1つでダイバーシチ受信を可能とするため、小型で高性能な無線端末を実現することが可能になるという作用を有する。
【0176】
なお、本実施形態では、送信時には指向性切替アンテナ1を受信時と同じ指向性で使用するとして説明したが、その限りではなく、受信時には指向性切替アンテナ1を用いてダイバーシチ受信を行い、送信時には指向性切替アンテナからの放射電磁界が、無線端末12を使用するユーザ11の方向を向かないように設定するようにしても良い。例えば、音声通話時には、送信時に指向性切替アンテナ1の指向性最大放射方向が、無線端末12の背面方向に固定され、データ通信時には、送信時に指向性切替アンテナ1の指向性最大放射方向が、無線端末12の天頂方向に固定されるような構成としても良い。
【0177】
また、本実施形態では、第1実施形態から第4実施形態で説明した指向性切替アンテナ装置1を用いた無線端末12について説明したが、その限りではなく、アンテナの指向性を無線端末12に対して天頂方向(表示部13の表示面に対して水平方向で、かつ表示内容に対して上方向)と背面方向(表示部13の表示面に対して反対方向)で約90度切り替えることができれば、どのような構成のアンテナ装置を用いても良い。
【0178】
(第6実施形態)
図24は、本発明の第6実施形態に係る指向性切替アンテナ装置の概略構成図であり、図24(a)は斜視図、図24(b)はA−A’における断面図である。図24において、指向性切替アンテナ装置は、指向性切替アンテナ201、厚さtの誘電体基板202、誘電体基板202上に配置された線状導体より成る長さLの放射素子203、給電点204、誘電体基板202上でかつ放射素子203とは反対側の面に配置された接地導体205、誘電体基板202上の接地導体205と同一面上に配置され、放射素子203と平行でかつ接地導体205と電気的に絶縁して配置された長さLm、幅Wmの第1の金属導体206、は接地導体205と第1の金属導体206の間に配置されたスイッチ207a、接地導体205の第1の金属導体206側の先端部208、スイッチ207aの短絡、開放を制御する制御回路209を含む構成である。
ここで、放射素子203、接地導体205、第1の金属導体206は、いずれも誘電体基板202上に、導体パターンにより形成されているものとして説明する。誘電体基板202上に形成することで、誘電率による波長の短縮効果の影響でアンテナを小型化することが可能になり、また安価で大量生産し易く、アンテナ特性も安定するという利点が得られる。
【0179】
以下、本発明の第6実施形態に係る指向性切替アンテナ装置の動作を説明する。給電点204より給電された高周波信号は、放射素子203より空間中に放射される。ここで、本実施形態では、放射素子203をダイポールアンテナ構成として説明する。図25は、本発明の指向性の切替動作の原理を示す。
図25(a)の(1)のように、放射素子203の下部に接地導体205が存在する場合、アンテナの指向性は、図25(b)の(1)のように、+Z方向に最大放射方向を持つ単指向性となる。次に図25(a)の(2)のように、接地導体205が放射素子203に対して+X方向の領域に存在しない場合、アンテナの指向性は、図25(b)の(2)のように、+X方向に最大放射方向を持つ単指向性となる。さらに図25(a)の(3)のように、第1の金属導体206が、接地導体205から電気的に絶縁した状態で、放射素子203に対して+X方向に配置した場合も、第1の金属導体206の長さLm、Wmを適切に調整することで、アンテナの指向性は、図25(b)の(2)とほぼ同様で、+X方向に最大放射方向を持つ単指向性となる。
よって、接地導体205と第1の金属導体206をスイッチ207aで接続し、スイッチ207aを短絡すれば、第1の金属導体206は接地導体205として動作して、図25(b)の(1)のように+Z方向に最大放射方向を持つ指向性となる。また、スイッチ207aを開放すれば、第1の金属導体206は放射素子203に対する導波器として動作して、図25(b)の(3)のように+X方向に最大放射方向を持つ指向性となる。このため、スイッチ207aの切替によりアンテナの指向性を約90度切り替えることができる。ここで、アンテナの指向性を切り替えるには、接地導体205、第1の金属導体206のサイズ、さらに放射素子203と接地導体205、第1の金属導体206の相対的な位置関係が重要となるが、この点について詳細に説明する。
【0180】
図26の本発明の第6実施形態に係る指向性切替アンテナの構成の一例に示すように、放射素子203の長さをL、第1の金属導体206のY方向の長さをLm、X方向の幅をWm、放射素子203と接地導体205の第1の金属導体206側の先端部208とのX方向の間隔をD(+X方向を正とする)、接地導体205と第1の金属導体206の間隔をswとする。このとき、放射素子203から接地導体205の第1の金属導体206側の先端部208へのX方向の間隔Dが正の場合と、負の場合とではアンテナ装置の動作が異なるので、それぞれについて説明する。
【0181】
まず、間隔Dが正の場合について考える。図26に示すように、放射素子203の下部には接地導体205が存在するため、スイッチ207aを短絡させ第1の金属導体206を接地導体として動作させた場合は、そのまま+Z方向に最大放射方向を持つ単指向性となる。一方、スイッチ207aを開放し第1の金属導体206を接地導体から切り離した場合に、アンテナの最大放射方向が+X方向とするには、第1の金属導体206が放射素子203に対して導波器として動作するように、Lmを設定することで実現できる。
【0182】
図27は、本発明の第6実施形態に係る指向性切替アンテナにおける指向性である。図27(a)は、誘電率3.8、厚さt=0.5mm(0.02λ)の誘電体基板202上に長さL=16.5mm(0.54λ)の放射素子203を配置した状態で、間隔D=2mm(0.06λ)、第1の金属導体206の長さLm=19mm(0.62λ)、幅Wm=2mm(0.06λ)、接地導体205と第1の金属導体206の間隔sw=1mm(0.03λ)の場合において、スイッチ207a切り替え時の指向性を示す図である。
また、図27(b)は上記パラメータのうち、第1の金属導体206の長さLmをそれぞれ13mm(0.42λ)、21mm(0.68λ)としたときのスイッチ207a開放時の指向性を示す図である。図27(a)より、第1の金属導体206の長さLm=19mmのときは、スイッチ207aの切り替え動作によってアンテナの指向性が約90度切り替えられており、導波器として動作するような長さに設定された第1の金属導体206によって、指向性切り替えが可能であることがわかる。一方、図27(b)より第1の金属導体206の長さLmを13mm、21mmとしたときは、スイッチ207aの開放時において、アンテナの最大放射方向が+X方向を向いていないことが確認できる。
すなわち、第1の金属導体206の長さLmが13mmでは導波器として十分な動作をするには短すぎ、逆に第1の金属導体206の長さLmが21mmでは第1の金属導体206が反射器として動作してしまい、+X方向への放射を抑圧していることがわかる。これは、第1の金属導体206を導波器として使用する際には、約0.42λから0.68λの範囲に設定する必要があることを示している。
【0183】
次に、間隔Dが負の場合について考える。図28の本発明の第6実施形態に係る指向性切替アンテナの構成の一例に示すように、放射素子203の下部には接地導体205が存在しないため、スイッチ207aを短絡したときに最大放射方向を+Z方向とするためには、第1の金属導体206が放射素子203の下部に存在するような構成とする必要がある。すなわち、接地導体205と第1の金属導体206の間隔swと第1の金属導体206の幅Wmの和を、間隔Dよりも大きくすることで、放射素子203の下部に第1の金属導体206を配置することができる。
【0184】
図29は、本発明の第6実施形態に係る指向性切替アンテナにおける指向性である。図29(a)は誘電率3.8、厚さt=0.5mm(0.02λ)の誘電体基板202上に、長さL=16.5mm(0.54λ)の放射素子203を配置した状態で、間隔D=−2mm(−0.06λ)、第1の金属導体206の長さLm=19mm(0.62λ)、幅Wm=4mm(0.12λ)、接地導体205と第1の金属導体206の間隔sw=1mm(0.03λ)の場合において、スイッチ207a切り替え時の指向性を示す図である。また、図29(b)は上記パラメータのうち、第1の金属導体206の長さLmを、放射素子203の長さLより短い10mm(0.32λ)としたときのスイッチ短絡時の指向性を示す図である。
図29(a)より、第1の金属導体206の長さLmが19mmのときは、スイッチ207aの切り替え動作によって、アンテナの指向性が約90度切り替えられていることがわかる。一方、図29(b)より第1の金属導体206の長さLmが放射素子203より短い10mmのときは、スイッチ207aの短絡時において、アンテナの最大放射方向が+Z方向を向いていないことが確認できる。すなわち、第1の金属導体206の長さLmが放射素子203の長さLに対して短いと、スイッチ207aの短絡時に、第1の金属導体206が接地導体として十分に動作していないことがわかる。よって、第1の金属導体206の長さLmは、放射素子203の長さLよりも長くすることが望ましい。
【0185】
ここで、音声通話およびデータ通信を行う際のユーザと無線端末の位置関係について詳細に説明する。図30に、音声通話時における無線端末とユーザとの位置関係の一例を、図31に、データ通信時における無線端末とユーザとの位置関係の一例示す。一般に、音声通話を行う際には、ユーザ210と無線端末11の間には図30に示すような位置関係が想定され、データ通信を行う際には、ユーザ210と無線端末211の間には図31に示すような位置関係が想定される。
すなわち、音声通話時にはユーザ210は無線端末211を頭部側面に隣接させて使用し、データ通信時にはユーザ210は無線端末211の表示部212の表示内容を確認しながら操作部213を用いて操作するのが一般的である。そのため、無線端末211に備わるアンテナ装置の有する指向性としては、図32に示すように、音声通話時にはアンテナ指向性の最大放射方向が無線端末211の背面方向(表示部212の表示面に対して反対方向)となり、データ通信時にはアンテナ指向性の最大放射方向が無線端末211の天頂方向(表示部212の表示面に対して水平方向で、かつ表示内容に対して上方向)となるよう切り替えられることが望ましい。
【0186】
このような指向性切替機能を無線端末211が有することで、アンテナからの放射電磁界がユーザ210の方向を向かないため、SARの改善にもつながり、またアンテナ利得の向上も期待できる。よって、図32における天頂方向がX方向、背面方向がZ方向に対応するように、無線端末212内に指向性切替アンテナ201を配置することによって、音声通話時とデータ通信時でそれぞれ所望の指向性を得ることが可能となる。
【0187】
以上のように、誘電体基板202上に配置された放射素子203と、誘電体基板202上でかつ放射素子203とは反対側の面に配置された接地導体205と、誘電体基板202上の接地導体205と同一面上に配置され、放射素子203と平行でかつ接地導体205と電気的に絶縁して配置された第1の金属導体と、接地導体205と第1の金属導体206の間に配置されたスイッチ207aとで構成され、さらに制御回路210を用いてスイッチ207aの短絡、開放を切り替えることによって、アンテナの指向性を約90度切り替えることができるため、無線端末の使用形態によって指向性を切り替えるアンテナを実現することが可能になるという作用を有する。
【0188】
さらに、本実施形態で示した指向性切替アンテナを用いて無線端末を構成することで、無線端末の使用形態に応じてアンテナの指向性を、切り替えて無線端末としての性能を向上させることができ、信頼性の高い無線通信システムを提供することが可能となる。
【0189】
なお、本実施形態では、放射素子203を導体パターンにより誘電体基板202上に形成しているとして説明したが、ワイヤ等の線状導体や板金加工により放射素子203を構成しても良い。
【0190】
また、本実施形態では、放射素子203を直線状のダイポール構成として説明しているが、その限りではなく、例えば、メアンダライン状に構成しても良い。
【0191】
また、本実施形態では、誘電体基板202上に放射素子203、接地導体205、第1の金属導体206が形成されているとしたが、誘電体基板202を必ずしも使用する必要はない。例えば、放射素子203、接地導体205、第1の金属導体206を板金加工により製作し、発泡材等を使用して書く構成要素を発泡材等に固定していっても良い。
【0192】
また、第1の金属導体206が、スイッチ207aが開放状態において、導波器として作用するように長さが設定されているが、例えば、第1の金属導体206の長さを可変できる構成としておくことによって、導波器の持つリアクタンス成分を調整して、指向性を可変させることも可能である。
第1の金属導体206の長さを可変する方法としては、第1の金属導体206を長さ方向に対して複数の導体片に分割して、それぞれの間にスイッチ207aを配置し、スイッチ207aの短絡/開放によって長さを可変しても良いし、第1の金属導体206にバラクタダイオードなどの可変容量素子を付加し、制御電圧に応じて電気的に長さを調整するようにしても良い。
【0193】
また、本実施形態では、接地導体205、および第1の金属導体206を、誘電体基板202上でかつ放射素子203と反対側の面に導体パターンにより形成されているが、例えば、誘電体基板202上ではなく、誘電体基板202から一定の距離離れた無線端末211の筐体上に配置しても良い。このような構成とすることで、放射素子203と接地導体205の間隔を広く取ることができ、接地導体205が放射素子203の下部に存在する場合にアンテナの整合を合わせ易くなるという利点がある。
【0194】
また、第1の金属導体206の幅Wmを変えることによって、スイッチ207a短絡時の指向性が変化することを利用して、スイッチ207aを短絡、開放で切り替えたときのアンテナの指向性切替角度を調整することができる。例えば図33の本発明の第6実施形態に係る指向性切替アンテナの構成を一例に示すように、第1の金属導体206をX軸方向に対して複数の導体片214に分割し、それぞれの導体片をスイッチ207aで接続するような構成としても良い。
【0195】
(第7実施形態)
図34は、本発明の第7実施形態に係る指向性切替アンテナの概略構成図である。図34において、指向性切替アンテナは、ダイオードスイッチ215を含む構成である。その他の構成は、第6実施形態と同じであるため説明を省略する。
【0196】
以下、本発明の第7実施形態に係る指向性切替アンテナの動作を説明する。基本動作は第6実施形態で説明したとおりであるため説明を省略するが、図34に示すように、接地導体205と第1の金属導体206との間を、ダイオードスイッチ215で複数箇所接続した構成とする。
このような構成とすることで、ダイオードスイッチ215を短絡させたときは、第1の金属導体206は接地導体205として動作して指向性が+Z方向となり、ダイオードスイッチ215を開放させたときは、第1の金属導体206は放射素子203に対する導波器として動作して、指向性が+X方向となり、ダイオードスイッチ215の切替によりアンテナの指向性を約90度切り替えることができる。しかし、このとき、ダイオードスイッチ215の実装位置によって指向特性に影響が出るため、この点について詳細に説明する。
【0197】
2個のダイオードスイッチ215を、給電点204から±Y方向それぞれにd1、d2だけずらして実装した場合について考える。図35は、誘電率3.8、厚さt=0.5mm(0.02λ)の誘電体基板202上に、長さL=16.5mm(0.54λ)の放射素子203を配置した状態で、第1の金属導体206の長さLm=19mm(0.62λ)、幅Wm=4mm(0.12λ)、接地導体205と第1の金属導体206の間隔sw=1mm(0.03λ)の場合において、ダイオードスイッチ215の実装位置をd1=d2=dとして、dを変更したときのそれぞれのダイオードスイッチ215を短絡させた状態の指向性を示す図である。
図35において、refは接地導体205と第1の金属導体206を理想的に全面電気的に接続した状態である。d=2mmのときは、指向性が+Z方向を向いておらず、ダイオードスイッチ215を短絡させても、第1の金属導体206が接地導体205として動作していないことがわかる。しかし、dを大きくしてダイオードスイッチ215の実装位置がほぼ放射素子203の両端部の下部に相当するd=7mmとすると、指向性はrefとほぼ同等の特性となり、+Z方向に最大放射方向を持つ単指向性が得られていることが確認できる。
放射素子203の両端部は最も電位の高い場所であり、この位置付近で接地導体205と第1の金属導体206を電気的に接続することにより、理想的に全面電気的に接続した状態とほぼ等価となることから、ダイオードスイッチ215の実装位置を放射素子203の高電位箇所の下部にすることが望ましい。
【0198】
以上のように、接地導体205と第1の金属導体206の間にダイオードスイッチ215を2個配置し、さらにダイオードスイッチ215の実装位置を放射素子203の高電位付近に設定することで、スイッチの短絡、開放によりアンテナの指向性を約90度切り替えることができるため、無線端末の仕様形態によって指向性を切り替えるアンテナを実現することが可能になるという作用を有する。
【0199】
さらに、本実施形態で示した指向性切替アンテナを用いて無線端末を構成することで、無線端末の使用形態に応じてアンテナの指向性を切り替えて、無線端末としての性能を向上させることができ、信頼性の高い無線通信システムを提供することが可能となる。
【0200】
なお、本実施形態では、放射素子203を、導体パターンにより誘電体基板202上に形成しているとして説明したが、その限りではなく、ワイヤ等の線状導体や板金加工により放射素子203を構成しても良い。
【0201】
また、本実施形態では、放射素子203を直線状のダイポール構成として説明しているが、その限りではなく、例えば、メアンダライン状に構成しても良い。
【0202】
また、本実施形態では、誘電体基板202上に放射素子203、接地導体205、第1の金属導体206が形成されているとしたが、誘電体基板を必ずしも使用する必要はない。例えば放射素子203、接地導体205、第1の金属導体206を板金加工により製作し、発泡材等を使用して各構成要素を発泡材等に固定していっても良い。
【0203】
また、本実施形態では、接地導体205を、誘電体基板202上でかつ放射素子203と反対側の面に導体パターンにより形成しているが、例えば、誘電体基板202上ではなく、誘電体基板202から一定の距離を離れた無線端末211の筐体上に接地導体205を配置しても良い。このような構成とすることで、放射素子203と接地導体205の間隔を広く取ることができ、接地導体205が放射素子203の下部に存在する場合にアンテナの整合を合わせ易くなるという利点がある。
【0204】
また、本実施形態では、ダイオードスイッチ215をスイッチング素子として使用しているが、その限りではなく、FETスイッチやMEMS技術を用いたスイッチ等、その他のスイッチ回路を用いても良い。
【0205】
また、本実施形態では、2個のダイオードスイッチ215を放射素子203の長さ方向に対して対称となるように配置した場合について説明したが、d1とd2をそれぞれ異なる長さで配置しても良い。図36(a)に、d1=2mmの状態において、d2を2mm、7mmとしたときの、それぞれのXY面における指向性を示す。
図36(a)からわかるように、d1とd2の距離を変えることで、XY面における指向性を調整することができる。さらに、ダイオードスイッチ215の片方を短絡、もう一方を開放状態とすることによっても、XY面における指向性を調整することができる。図36(b)は、図34において、d1=d2=7mmとし、片方のダイオードスイッチ215を短絡し、もう一方を開放状態とした場合のXY面内の指向性を示す図である。図36(b)より、片側のダイオードスイッチ215を開放とすることで、放射素子203の長さ方向に対して、電磁界が非対称となり、指向性の最大放射方向がXY面内においてX軸方向からずれていることがわかる。これを利用して、指向性を3次元に調整することが可能となる。
【0206】
また、本実施形態では、ダイオードスイッチ215を2個用いた場合について説明したが、2個に限る必要はなく、2個以上の複数個を接地導体205と第1の金属導体206の間に配置する構成としても良いことは言うまでもない。スイッチの数を増すことで、XY面内における指向性の制御をより高精度に制御することが可能となる。
【0207】
また、第1の金属導体206の幅Wmを変えることで、ダイオードスイッチ215を短絡、開放で切り替えたときのアンテナの指向性切替角度を調整することができる。例えば、第1の金属導体206をX軸方向に対して複数の導体片214に分割し、それぞれの導体片をスイッチ207aで接続するような構成としても良い。
【0208】
(第8実施形態)
図37は、第8実施形態に係る指向性切替アンテナの概略構成図であり、図37(a)は斜視図、図37(b)は図37(a)のA−A’における断面図である。図37において、第2の金属導体127は誘電体基板202上の接地導体205と同一面上に配置され、放射素子203と平行でかつ第1の金属導体206とY軸に対して対称となるように接地導体205と電気的に絶縁して配置された長さLm、幅Wmの第2の金属導体127、接地導体205の第2の金属導体127側の先端部128、接地導体205と第2の金属導体127の間に配置されたスイッチ207bを含む構成である。その他の構成は第6実施形態と同じであるため省略する。
【0209】
以下、本発明の第8実施形態に係る指向性切替アンテナ装置の動作を説明する。基本動作は第1実施形態で説明したとおりであるため省略するが、第2の金属導体127を接地導体205に対して、第1の金属導体とY軸対称となるように配置した構成とする。
【0210】
このとき、制御回路209を用いてスイッチ207a、207bを制御して指向性切替を行うが、この点について詳細に説明する。
図38にスイッチ207a、207bの短絡/開放動作とアンテナ指向性との関係を示す。スイッチ207a、207bを両方短絡させた場合は、第1の金属導体206、第2の金属導体127は共に接地導体205の一部となるため、アンテナの指向性は図37における+Z方向となる。次にスイッチ207bを短絡させ、スイッチ207aを開放させると、第1の金属導体206は導波器、第2の金属導体127は接地導体205の一部として動作するため、アンテナの指向性は図37における+X方向となる。
次にスイッチ207aを短絡させ、スイッチ207bを開放させると、第1の金属導体206は接地導体205の一部、第2の金属導体127は導波器として動作するため、アンテナの指向性は図37における−X方向となる。また、スイッチ207a、207bを両方開放させた場合は、金属導体206、127が共に導波器として動作するが、アンテナの指向性としては、ほぼ無指向性の特性が得られる。
【0211】
以上のように、第1の金属導体206とY軸に対して対称となるように第2の金属導体127を設け、さらに制御回路209を用いて第1の金属導体206、第2の金属導体127を、スイッチ207a、207bの切り替え動作により、導波器と接地導体とで切り替えるように制御することによって、アンテナの指向性を±X方向と+Z方向に90度ずつ切り替えることができるため、無線端末の使用形態によって、例えばデータ通信時に放射方向がユーザに向かうように無線端末が配置されていても、ユーザに向かう方向とは逆の±X方向を選択して、指向性を切り替えるアンテナ装置を実現することが可能になるという作用を有する。
【0212】
さらに、このような構成のアンテナを車に搭載することによって、例えば車の向きが変化しても、指向性を前後に切り替えることができるため、地上波デジタル放送などを受信することが可能になるという作用を有する。
【0213】
さらに、本実施形態で示した指向性切替アンテナを用いて無線端末を構成することで、無線端末の使用形態に応じてアンテナの指向性を切り替えて無線端末としての性能を向上させることができ、信頼性の高い無線通信システムを提供することが可能となる。
【0214】
なお、本実施形態では、放射素子203を導体パターンにより誘電体基板202上に形成しているとして説明したが、その限りではなく、ワイヤ等の線状導体や板金加工により放射素子203を構成しても良い。
【0215】
また、本実施形態では、放射素子203を直線状のダイポール構成として説明しているが、その限りではなく、例えば、メアンダライン状に構成しても良い。
【0216】
また、本実施形態では、誘電体基板202上に放射素子203、接地導体205、第1の金属導体206、第2の金属導体127が形成されているとしたが、誘電体基板を必ずしも使用する必要はない。例えば放射素子203、接地導体205、第1の金属導体206、第2の金属導体127を板金加工により製作し、発泡材等を使用して各構成要素を発泡材等に固定していっても良い。
【0217】
また、本実施形態では、接地導体205を誘電体基板202上でかつ放射素子203と反対側の面に導体パターンにより形成しているが、例えば、誘電体基板202上ではなく、誘電体基板202から一定の距離はなれた無線端末211の筐体上に接地導体205を配置しても良い。このような構成とすることで、放射素子203と接地導体205の間隔を広く取ることができ、接地導体205が放射素子203の下部に存在する場合に、アンテナの整合を合わせ易くなるという利点がある。
【0218】
また、本実施形態では、ダイオードスイッチ215をスイッチング素子として使用しているが、その限りではなく、FETスイッチやMEMS技術を用いたスイッチ等、その他のスイッチ回路を用いても良い。
【0219】
また、第1の金属導体206、第2の金属導体127は、スイッチ207a、207bが開放状態において導波器として作用するように長さが設定されているが、例えば、第1の金属導体206、第2の金属導体127の長さを可変できる構成としておくことによって、導波器の持つリアクタンス成分を調整して、指向性を可変させることも可能である。
第1の金属導体206、第2の金属導体127の長さを可変する方法としては、第1の金属導体206、第2の金属導体127を長さ方向に対して複数の導体片に分割して、それぞれの間にスイッチ207a、207bを配置し、スイッチ207a、207bの短絡/開放によって長さを可変しても良いし、第1の金属導体206、第2の金属導体127にバラクタダイオードなどの可変容量素子を付加し、制御電圧に応じて電気的に長さを調整するようにしても良い。
【0220】
また、第1の金属導体206、第2の金属導体127の幅Wmを変えることによってスイッチ207a、207b短絡時の指向性が変化することを利用して、スイッチ207a、207bを短絡、開放で切り替えたときのアンテナの指向性切替角度を調整することができる。
【0221】
(第9実施形態)
図39は、第8実施形態に係る指向性切替アンテナの概略構成図であり、図39(a)は斜視図、図39(b)は図39(a)のA−A’における断面図である。図39において、指向性切替アンテナは、折り返し構造を有する放射素子216を含む構成である。その他の構成は第6実施形態と同じであるため省略する。
【0222】
以下、第9実施形態に係る指向性切替アンテナの動作を説明する。例えば、図24において、放射素子203と接地導体205は、誘電体基板202の厚さt=0.016λ離して配置されている。このように、放射素子203の極近傍に接地導体205を配置すると、放射素子203の入力インピーダンスが、接地導体205がない状態と比較して極端に小さくなってしまう。
【0223】
一方、放射素子203を放射素子216のような折り返し構成にすると、放射素子の入力インピーダンスを高くすることができる。例えば、図40(b)の2重折り返しダイポールの入力インピーダンスは、図40(a)に示す一般的なダイポールアンテナの入力インピーダンスの4倍となり、図40(c)のような3重折り返しダイポールの入力インピーダンスは、一般的なダイポールアンテナの入力インピーダンスの8倍となる。そこで、図39のように折り返し構造の放射素子216を用いることで給電点204でのアンテナの入力インピーダンスを高くすることができ、50Ω系のマイクロストリップ線路や同軸線路との整合をとり易くなる。
【0224】
以上のように、放射素子216を折り返し構造とし、さらに制御回路209を用いてスイッチ207aを切り替えることによって、アンテナの指向性を約90度切り替えながら、アンテナの入力インピーダンスを高くして整合をとり易くすることができ、無線端末の使用形態によって指向性を切り替えるアンテナを実現することが可能になるという作用を有する。
【0225】
さらに、本実施形態で示した指向性切替アンテナを用いて無線端末を構成することで、無線端末の使用形態に応じてアンテナの指向性を切り替えて無線端末としての性能を向上させることができ、信頼性の高い無線通信システムを提供することが可能となる。
【0226】
なお、本実施形態では、放射素子216を導体パターンにより誘電体基板202上に形成しているが、その限りではなく、ワイヤ等の線状導体や板金加工により放射素子203を構成しても良い。
【0227】
また、本実施形態では、放射素子216を直線状のダイポール構成として説明しているが、その限りではなく、例えば、メアンダライン状に構成しても良い。
【0228】
また、本実施形態では、誘電体基板202上に放射素子216、接地導体205、第1の金属導体206が形成されているとしたが、誘電体基板を必ずしも使用する必要はない。例えば放射素子216、接地導体205、第1の金属導体206を板金加工により製作し、発泡材等を使用して各構成要素を発泡材等に固定していっても良い。
【0229】
また、本実施形態では、接地導体205を誘電体基板202上でかつ放射素子216と反対側の面に導体パターンにより形成しているが、例えば、誘電体基板202上ではなく、誘電体基板202から一定の距離はなれた無線端末211の筐体上に接地導体205を配置しても良い。このような構成とすることで、放射素子216と接地導体205の間隔を広く取ることができ、アンテナの整合を合わせ易くなるという利点がある。
【0230】
また、本実施形態では、放射素子203、216をXY面上の2次元構造としているが、その限りではなく、例えば図41(a)、(b)のように、放射素子203、216の端部を折り返した構成としても良い。このような折り返し構成とすることで、アンテナ長を短くすることができ、アンテナの小型化が可能となる。
ここで、図41(a)、(b)のようなYZ面上に折り返されたアンテナの製作法について説明する。最も簡易に製作する方法としては、図42に示すように、板金加工により製作できるが、このとき放射素子を構成する下部導体217、折り返し部218、上部導体219のすべてを一体的に板金加工により製作しても良いし、下部導体217は誘電体基板202上に導体パターンにより形成しておき、折り返し部218、上部導体219のみを板金加工により製作しても良い。
また、板金加工以外にも、例えば図43に示すように、誘電体基板202上に第2の誘電体基板220を設け、下部導体217を誘電体基板202、220に挟まれた面状に導体パターンにより形成し、上部導体219を第2の誘電体基板220上でかつ誘電体基板202と反対側の面に導体パターンにより形成し、折り返し部218を、第2の誘電体基板220を貫通するスルーホール等で形成して、下部導体217と上部導体219を、電気的に接続するような構成としても良い。
このような構成とすることで、多層基板を用いて指向性切替アンテナを製作することができる。また、図44に示すように、セラミック等の高誘電体材料で形成された誘電体ブロック221上に、下部導体217、折り返し部218、上部導体219をそれぞれパターンにより形成した構成としても良い。このような構成とすることで、アンテナを非常に小型化することができる。
【0231】
(第10実施形態)
図45は、本発明の実施形態の無線端末の概略構成図である。図45において、無線端末は、データ通信および音声通話を行う周波数帯に設定された送受信部222、制御部223、アンテナ指向性切替部224を含む構成である。
【0232】
以下、本発明の第10実施形態の無線端末の動作を説明する。例えば、屋内で無線端末を使用する際には、壁などの障害物によりマルチパス環境が発生することが想定される。このような状況下では、ダイバーシチ受信することによってマルチパス環境にも対応することができる。一般的なダイバーシチ受信としては、複数のアンテナを空間的に離して配置することで構成されるが、複数のアンテナを用いるとアンテナの実装面積が大きくなるばかりでなく、複数のアンテナを選択するためのアンテナスイッチを使用するため、アンテナスイッチの実装面積も増すこととなる。
【0233】
そこで、第6実施形態から第9実施形態で説明した指向性切替アンテナを用いることで、アンテナの実装面積は単体アンテナ相当に保ちながら、指向性ダイバーシチを行うことができる。この点について詳細に説明する。
【0234】
図45において、無線端末211は、指向性切替アンテナ201、送受信部222、制御部223、アンテナ指向性切替部224で構成される。このような構成において、受信時には、指向性切替アンテナ201で受信された高周波信号は、送受信部222にて周波数変換、復調され、制御部223に伝送される。このとき、制御部223では、指向性切替アンテナ201の指向性を切り替えたそれぞれの場合における受信電力をモニタし、受信電力のより大きいアンテナ指向性となるように制御信号225をアンテナ指向性切替部224に送信する。
アンテナ指向性切替部224では制御部223からの制御信号225に基づいて、どちらの指向性のときに受信感度が良いか判定し、より受信感度の良い指向性となるように、指向性切替アンテナ201の指向性を切り替えるように制御信号226を送信する。指向性切替アンテナ201は、制御信号226によって所望の指向性となるように切り替えられる。一方、送信時には、制御部223から伝送された信号を送受信部222にて変調、周波数変換して、指向性切替アンテナ201から送信する。このとき、指向性切替アンテナ201の指向性は受信時に選択した指向性を使用する。
【0235】
以上のように、指向性切替アンテナ201、送受信部222、制御部223、アンテナ指向性切替部224を用いて無線端末を構成することで、アンテナ1つでダイバーシチ受信を可能とするため、小型で高性能な無線端末を実現することが可能になるという作用を有する。
【0236】
なお、本実施形態では、送信時には指向性切替アンテナ201を受信時と同じ指向性で使用するとして説明したが、その限りではなく、受信時には指向性切替アンテナ201を用いてダイバーシチ受信を行い、送信時には指向性切替アンテナからの放射電磁界が、無線端末211を使用するユーザ210の方向を向かないように設定するようにしても良い。例えば、音声通話時には、送信時に指向性切替アンテナ201の指向性最大放射方向が、無線端末211の背面方向に固定され、データ通信時には、送信時に指向性切替アンテナ201の指向性最大放射方向が、無線端末211の天頂方向に固定されるような構成としても良い。
【0237】
また、本実施形態では、第6実施形態から第9実施形態で説明した指向性切替アンテナ201を用いた無線端末211について説明したが、その限りではなく、アンテナの指向性を無線端末211に対して天頂方向(表示部212の表示面に対して水平方向で、かつ表示内容に対して上方向)と背面方向(表示部212の表示面に対して反対方向)で約90度切り替えることができれば、どのような構成のアンテナを用いても良い。
【0238】
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本出願は、2004年10月1日出願の日本特許出願(特願2004−290063)、2004年10月1日出願の日本特許出願(特願2004−290143)、に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
【産業上の利用可能性】
【0239】
本発明のアンテナ装置およびそのアンテナ装置を用いた無線端末によれば、スイッチの短絡/開放によってアンテナの指向性を背面方向/天頂方向に切り替えることができるという効果を有し、音声通話やデータ通信など、様々な使用形態が想定される無線端末に適用して高品質な通信を行うことができるアンテナとして有用である。また、ダイバーシチ受信が必要な無線端末やPC等の情報端末にも有用である。
【0240】
また、本発明のアンテナ装置およびそのアンテナ装置を用いた端末によれば、スイッチの短絡/開放によってアンテナの指向性を3方向に切り替えることができるという効果を有し、車載用地上波デジタル放送受信などに対しても高品質な通信を行うことができるアンテナとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0241】
【図1】本発明の第1実施形態に係る指向性切替アンテナの概略構成図
【図2】本発明の第1実施形態に係る指向性切替アンテナの指向性切替動作の原理
【図3】(a)本発明の第1実施形態に係る指向性切替アンテナにおけるG=Dのときの断面構成図 (b)本発明の第1実施形態に係る指向性切替アンテナにおける、G=Dのときのスイッチ切替時の指向性
【図4】(a)本発明の第1実施形態に係る指向性切替アンテナにおける、G≦0のときの断面構成図 (b)本発明の第1実施形態に係る指向性切替アンテナにおける、G≦0のときのスイッチ短絡時の指向性
【図5】(a)本発明の第1実施形態に係る指向性切替アンテナにおける、G=D/4のときの断面構成図 (b)本発明の第1実施形態に係る指向性切替アンテナにおける、G=D/4のときのスイッチ切替時の指向性
【図6】(a)本発明の第1実施形態に係る指向性切替アンテナにおける、G=D/2のときの断面構成図 (b)本発明の第1実施形態に係る指向性切替アンテナにおける、G=D/2のときのスイッチ切替時の指向性
【図7】(a)本発明の第1実施形態に係る指向性切替アンテナにおける、G=3/4×Dのときの断面構成図 (b)本発明の第1実施形態に係る指向性切替アンテナにおける、G=3/4×Dのときのスイッチ切替時の指向性
【図8】(a)本発明の第1実施形態に係る指向性切替アンテナにおける、G=19/20×Dのときの断面構成図 (b)本発明の第1実施形態に係る指向性切替アンテナにおける、G=19/20×Dのときのスイッチ切替時の指向性
【図9】本発明の第1実施形態に係る指向性切替アンテナにおける、0≦G<Dのときのスイッチ切替時の最大放射方向切替角度
【図10】音声通話時における無線端末とユーザとの位置関係の一例を示す図
【図11】データ通信時における無線端末とユーザとの位置関係の一例を示す図
【図12】音声通話時、データ通信時それぞれにおけるアンテナの放射指向性の一例を示す図
【図13】本発明の第2実施形態に係る指向性切替アンテナの概略構成図
【図14】本発明の第2実施形態に係る指向性切替アンテナの概略構成図
【図15】本発明の第3実施形態に係る指向性切替アンテナの概略構成図
【図16】本発明の第3実施形態に係るスイッチの切り替え動作とアンテナ指向性の関係を示す図
【図17】本発明の第4実施形態に係る指向性切替アンテナの概略構成図
【図18】本発明の第4実施形態に係るXY面に折り返し構造を有する放射素子の構成例を示す図
【図19】本発明の第4実施形態に係るYZ面に折り返し構造を有する放射素子の構成例を示す図
【図20】本発明の第4実施形態に係る折り返し構造を有する放射素子を用いた指向性切替アンテナの概略構成図
【図21】本発明の第4実施形態に係る多層構造の誘電体基板を用いた指向性切替アンテナの概略構成図
【図22】本発明の第4実施形態に係る誘電体ブロックを用いた指向性切替アンテナの概略構成図
【図23】本発明の第5実施形態に係る無線端末の概略構成図
【図24】本発明の第6実施形態に係る指向性切替アンテナの概略構成図
【図25】本発明の第6実施形態に係る指向性切替アンテナの指向性切替動作の原理
【図26】本発明の第6実施形態に係る指向性切替アンテナの構成の一例を示す図
【図27】(a)本発明の第6実施形態に係る指向性切替アンテナにおけるスイッチ切替時の指向性 (b)本発明の第6実施形態に係る指向性切替アンテナにおける第1の金属導体の長さを変えたときの指向性の一例を示す図
【図28】本発明の第6実施形態に係る指向性切替アンテナの構成の一例を示す図
【図29】(a)本発明の第6実施形態に係る指向性切替アンテナにおけるスイッチ切替時の指向性 (b)本発明の第6実施形態に係る指向性切替アンテナにおける第1の金属導体の長さを変えたときの指向性の一例を示す図
【図30】音声通話時における無線端末とユーザとの位置関係の一例を示す図
【図31】データ通信時における無線端末とユーザとの位置関係の一例を示す図
【図32】データ通信時、音声通話時のそれぞれにおけるアンテナの放射指向性の一例を示す図
【図33】本発明の第6実施形態に係る指向性切替アンテナの構成の一例を示す図
【図34】本発明の第7実施形態に係る指向性切替アンテナの概略構成図
【図35】本発明の第7実施形態に係る指向性切替アンテナにおける、放射素子の長さ方向に対称に配置したスイッチの指向性
【図36】本発明の第7実施形態に係る指向性切替アンテナにおける、放射素子の長さ方向に非対称に配置したスイッチの指向性
【図37】本発明の第8実施形態に係る指向性切替アンテナの概略構成図
【図38】本発明の第8実施形態に係るスイッチの切替動作とアンテナ指向性の関係を示す図
【図39】本発明の第9実施形態に係る指向性切替アンテナの概略構成図
【図40】本発明の第9実施形態に係る指向性切替アンテナにおける、XY面に折り返し構造を有する放射素子の構成例を示す図
【図41】本発明の第9実施形態に係る指向性切替アンテナにおける、YZ面に折り返し構造を有する放射素子の構成例を示す図
【図42】本発明の第9実施形態に係る指向性切替アンテナにおける、YZ面に折り返し構造を有する放射素子を用いた指向性切替アンテナの概略構成図
【図43】本発明の第9実施形態に係る多層構造の誘電体基板を用いた指向性切替アンテナの概略構成図
【図44】本発明の第9実施形態に係る誘電体ブロックを用いた指向性切替アンテナの概略構成図
【図45】本発明の第10実施形態に係る無線端末の概略構成図
【図46】特許文献1の従来の指向性切替アンテナの概略構成図
【図47】特許文献2の従来の指向性切替アンテナの概略構成図
【図48】特許文献3の従来の指向性切替アンテナの概略構成図
【図49】特許文献3の従来の指向性切替アンテナの指向性
【図50】特許文献4の従来の指向性切替アンテナの概略構成図
【図51】特許文献4の従来の指向性切替アンテナの指向性
【符号の説明】
【0242】
1 指向性切替アンテナ
2 誘電体基板
3 放射素子
4 給電点
5 第1の接地導体
6 無給電素子
7 スイッチ
8 第2の接地導体
9 先端部
10 制御回路
11 ユーザ
12 無線端末
13 表示部
14 操作部
15 補助素子
16 反射器
17 無給電素子
18 スイッチ
19 先端部
20 放射素子
21 下部導体
22 折り返し部
23 上部導体
24 誘電体基板
25 誘電体ブロック
26 送受信部
27 制御部
28 アンテナ指向性切替部
29、30 制御信号
101 無給電素子
102 給電素子
103 補助素子
104 制御素子
111 地板
112 アンテナ素子
113〜116 無給電素子
117〜120 誘電体基板
201 指向性切替アンテナ
202 誘電体基板
203 放射素子
204 給電点
205 接地導体
206 第一の金属導体
207a、b スイッチ
208 先端部
209 制御回路
210 ユーザ
211 無線端末
212 表示部
213 操作部
214 導体片
215 ダイオードスイッチ
216 放射素子
217 下部導体
218 折り返し部
219 上部導体
220 誘電体基板
221 誘電体ブロック
222 送受信部
223 制御部
224 アンテナ指向性切替部
225、226 制御信号
227 第二の金属導体
301 アンテナエレメント
302 マッチング回路
303 受信回路
304 受信電界強度比較器
305 制御回路
306、307 アース金属導体
308 高周波スイッチ
311 アンテナ
312 アンテナエレメント
313、314 アンテナリフレクタ
315 モールド

Claims (20)

  1. 第1の面に配置された線状の放射素子と、
    前記放射素子と平行に、前記第1の面に配置された第1の無給電素子と、
    第1の面に配置された第1の接地導体と、
    前記第1の無給電素子の両端それぞれと前記第1の接地導体とを接続する第1のスイッチと、
    前記第1の面に対向する第2の面に配置された第2の接地導体と、
    前記スイッチの短絡/開放を制御する制御手段と、を備えるアンテナ装置であって、
    前記第1の接地導体の一部は、前記放射素子を挟んで前記第1の無給電素子の反対側に、前記放射素子と平行に配置され、
    前記第2の接地導体は、前記放射素子に対向するように配置され、前記第2の接地導体の端部は、前記放射素子と前記第1の無給電素子によって挟まれる領域に対向しているアンテナ装置。
  2. 第1の面に配置された線状の放射素子と、
    前記放射素子と平行に、前記第1の面に配置された線状の第1の無給電素子と、
    前記第1の無給電素子の長手方向延長線上の両側に配置された線状の補助素子と、
    前記第1の面に配置された第1の接地導体と、
    前記第1の無給電素子の両端と前記補助素子とをそれぞれ接続する第1のスイッチと、
    前記第1の面に対向する第2の面に配置された第2の接地導体と、
    前記スイッチの短絡/開放を制御する制御手段と、を備えるアンテナ装置であって、
    前記第1の接地導体は、前記放射素子を挟んで前記第1の無給電素子の反対側に、前記放射素子と平行に配置され、
    前記第2の接地導体は、前記放射素子に対向するように配置され、前記第2の接地導体の端部は、前記放射素子と前記第1の無給電素子によって挟まれる領域に対向しているアンテナ装置。
  3. 第1の面に配置された線状の放射素子と、
    前記放射素子と平行に、前記第1の面に配置された線状の第1の無給電素子と、
    前記放射素子を挟んで前記第1の無給電素子の反対側の前記第1の面に、前記放射素子と平行に配置された線状の第2の無給電素子と、
    前記第1、第2の無給電素子の長手方向延長線上の両側に配置された線状の補助素子と、
    前記第1、第2の無給電素子の両端と、前記第1、第2の無給電素子それぞれの両端に配置された前記補助素子とを、それぞれ接続する第1、第2のスイッチと、
    前記第1の面に対向する第2の面に配置された第2の接地導体と、
    前記スイッチの短絡/開放を制御する制御手段と、を備えるアンテナ装置であって、
    前記第2の接地導体は、前記放射素子に対向するように配置され、前記第2の接地導体の一端部は、前記放射素子と前記第1の無給電素子によって挟まれる領域に対向し、前記第2の接地導体の別の端部は、前記放射素子と前記第2の無給電素子によって挟まれる領域に対向しているアンテナ装置。
  4. 請求項1から3いずれかに記載のアンテナ装置であって、
    前記第1の平面と前記第2の平面とが配置される第1の基板を備えるアンテナ装置
  5. 請求項1から4いずれかに記載のアンテナ装置であって、
    前記無給電素子は、前記スイッチを開放する場合に、前記放射素子に対する導波器になるアンテナ装置。
  6. 請求項2から5いずれかに記載のアンテナ装置であって、
    前記無給電素子と前記補助素子は、前記スイッチを短絡する場合に、前記放射素子に対する反射器になるアンテナ装置。
  7. 請求項1から6いずれかに記載のアンテナ装置であって、
    前記無給電素子は、リアクタンスが可変であるアンテナ装置。
  8. 請求項4から7いずれかに記載のアンテナ装置であって、
    前記放射素子と前記第2の接地導体は、前記放射素子と前記第2の接地導体の間隔が前記第1の基板の厚さよりも大きくなるよう配置されたアンテナ装置。
  9. 第1の基板と、
    前記第1の基板の一方の面である第1の面に配置された線状の放射素子と、
    前記第1の基板のもう一方の面である第2の面に配置された接地導体と、
    前記放射素子と平行に、前記第2の面上に前記接地導体と電気的に絶縁して配置された第1の導体と、
    前記接地導体と前記導体とを接続する第1のスイッチと、
    前記スイッチの短絡/開放を制御する制御手段と、
    を備えるアンテナ装置であって、
    前記接地導体と前記導体の一方は、前記放射素子に対向して配置されるアンテナ装置。
  10. 請求項9記載のアンテナ装置であって、
    前記第1の導体と前記接地導体に対して対称な位置に配置された第2の導体と、
    前記接地導体と前記第2の導体とを接続する第2のスイッチと、
    を、更に、備えるアンテナ装置であって、
    前記接地導体が、前記放射素子に対向して配置されるアンテナ装置。
  11. 請求項9から10いずれかに記載のアンテナ装置であって、
    前記導体は、リアクタンスが可変であるアンテナ装置。
  12. 請求項9から10いずれかに記載のアンテナ装置であって、
    前記導体は、前記導体の幅方向に分割された複数の導体片と、前記複数の導体片を接続する第3のスイッチと、を含んで構成されるアンテナ装置。
  13. 請求項9から12いずれかに記載のアンテナ装置であって、
    前記第1のスイッチは、前記接地導体と前記金属導体とを複数箇所で接続する複数のスイッチで構成されるアンテナ装置。
  14. 請求項13に記載のアンテナ装置であって、
    前記第3のスイッチは、前記放射素子上の電圧最大位置付近に対向する位置にある、前記接地導体と前記金属導体とを接続するアンテナ装置。
  15. 請求項4から14いずれかに記載のアンテナ装置であって、
    前記放射素子は、前記基板に対して垂直方向に折り返し構造を有するダイポール構成であって、前記第1の基板上に配置された下部導体と、前記下部導体の両端部それぞれから第1の基板に対して垂直方向に配置された折り返し部と、前記折り返し部の端部間を接続するよう配置された上部導体と、を含んで構成されるアンテナ装置。
  16. 請求項15記載のアンテナ装置であって、
    前記第1の基板の上部に第2の基板を備え、
    前記下部導体は、前記第1、第2の基板間に狭設され、前記折り返し部は、前記第2の基板を貫通して配置され、前記上部導体は、前記第2の基板上に配置されたアンテナ装置。
  17. 請求項15記載のアンテナ装置であって、
    前記第1の基板の上部に誘電体ブロックを備え、
    前記下部導体、前記折り返し部および前記上部導体は、誘電体ブロックの表面上及び/または内部に配置されたアンテナ装置。
  18. 請求項1から17いずれかに記載のアンテナ装置と、前記アンテナ装置により電波を送受信する送受信部と、前記アンテナ装置の指向性を切り替えるアンテナ指向性切替部と、各部の制御を行う制御部と、を備える無線端末であって、
    前記制御部は、前記アンテナ指向性切替部に前記アンテナ装置の指向性を切り替えさせて、前記送受信部に電波を受信させ、検出した電波の強度に基づいて、より良い受信感度と判定した指向性状態の前記アンテナ装置により、送受信させるよう前記アンテナ指向性切替部と前記送受信部とを制御する無線端末。
  19. 請求項18記載の無線端末であって、
    前記制御部は、受信状態では前記アンテナ装置にダイバーシチ受信させ、送信状態では受信状態に使用した指向性状態で前記アンテナ装置から送信させるよう制御する無線端末。
  20. 請求項18記載の無線端末であって、
    前記制御部は、受信状態では前記アンテナ装置にダイバーシチ受信させ、送信状態では前記アンテナ装置の最大放射方向が、当該無線端末から当該無線端末使用者に向かう方向と反対方向となる指向性状態で、前記アンテナ装置から送信させるよう制御する無線端末。
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