JP4558598B2 - 平面アンテナ - Google Patents
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図1に示す平面アンテナ1は矩形のプリント基板10の一面に導波素子11、放射素子12、反射素子13がプリントされて構成されている。ガラスエポキシ基板とされたプリント基板10は矩形とされており、プリント基板10の上部に細長い矩形状の所定の長さの導波素子11が形成され、ダイポールアンテナとされている細長い矩形状の放射素子12は導波素子11と所定の間隔を隔ててほぼ平行に形成されている。プリント基板10の下部に形成されている細長い矩形状の反射素子13は、放射素子12と所定の間隔を隔ててほぼ平行に配置されていると共に、両側部が放射素子12側に屈曲されてプリント基板10の周縁に沿うよう形成されている。放射素子12の対面する内側には給電点12aが設けられている。
図6に示す平面アンテナ2において、矩形のプリント基板20の一面に導波素子21、放射素子22、反射素子23がプリントされて構成されており、この構成は図1に示す平面アンテナ1と同様の構成とされている。ガラスエポキシ基板とされたプリント基板20は矩形とされており、プリント基板20の上部に細長い矩形状の所定の長さの導波素子21が形成され、ダイポールアンテナとされている細長い矩形状の放射素子22は導波素子21と所定の間隔を隔ててほぼ平行に形成されている。プリント基板20の下部に形成されている細長い矩形状の反射素子23は、放射素子22と所定の間隔を隔ててほぼ平行に配置されていると共に、両側部が放射素子22側に屈曲されてプリント基板20の周縁に沿うよう形成されている。放射素子22の対面する内側には給電点22aが設けられている。このプリント基板20を挟持するように樹脂ケース24で上下を覆うことにより実施例2の平面アンテナ2が構成されている。この場合、樹脂ケース24はプリント基板20に密着されている。
図9に示す実施例3の平面アンテナ3においても実施例2の平面アンテナ2と同様にプリント基板の上下が樹脂ケースに覆われているが、実施例3の平面アンテナ3においてはプリント基板30に特徴を有していることから樹脂ケースを省略して示している。実施例3の平面アンテナ3において、プリント基板30の一面に導波素子31、放射素子32、反射素子33がプリントされて構成されており、この構成は図1に示す平面アンテナ1と同様の構成とされている。ガラスエポキシ基板とされたプリント基板30はほぼ矩形とされており、プリント基板30の上部に細長い矩形状の所定の長さの導波素子31が形成され、ダイポールアンテナとされている細長い矩形状の放射素子32は導波素子31と所定の間隔を隔ててほぼ平行に形成されている。プリント基板30の下部に形成されている細長い矩形状の反射素子33は、放射素子32と所定の間隔を隔ててほぼ平行に配置されていると共に、両側部が放射素子32側に屈曲されてプリント基板30の周縁に沿うよう形成されている。放射素子32の対面する内側には給電点32aが設けられている。このプリント基板30を挟持するように図示しない樹脂ケースで上下を覆うことにより実施例3の平面アンテナ3が構成されている。この場合、樹脂ケースはプリント基板30に密着されている。
実施例3の平面アンテナ3の動作周波数帯域を470MHzないし770MHzとした際に、プリント基板30の厚さtは約1.6mmとされ、横幅は約220mmとされ、長さは約120mmとされている。また、プリント基板30の一面に形成されている導波素子31の長さは約130mmとされ幅は約10mmとされ、放射素子32はプリント基板30の横幅とほぼ同じ長さとされ、その幅を約31mmとした際に放射素子32の下縁と導波素子31の下縁との間隔は約41mmとされる。さらに、反射素子33はプリント基板30の横幅一杯に形成されて放射素子32側へ折り返された長さは約54mmとされ、その幅は約25mmとされている。反射素子33の上縁と放射素子32の下縁との間隔は約44mmとされ、反射素子33の折り返された上縁と放射素子32の下縁との間隔は約15mmとされている。また、切欠34および切欠35の長さはそれぞれ約70mmとされ、その幅は約10mmとされている。このように、本発明の実施例3にかかる平面アンテナ3は、動作周波数帯域の中心周波数の波長をλとした際に、プリント基板30の幅が約0.45λとされ、プリント基板30の長さが約0.25λとされ、プリント基板30の厚さtが約0.0033λとされており、図23に示す従来のUHFアンテナ100に比して部品点数も少なく、高さ方向、前後方向、左右方向の全てにおいて小型化することができ、軒先や室内で使用するにあたって扱いやすく、安全性の高いアンテナとすることができるようになる。
図14に示す実施例4の平面アンテナ4においても実施例2の平面アンテナ2と同様にプリント基板の上下が樹脂ケースに覆われているが、実施例4の平面アンテナ4においてはプリント基板40に特徴を有していることから樹脂ケースを省略して示している。実施例4の平面アンテナ4において、プリント基板40の一面に導波素子41、放射素子42、反射素子43がプリントされて構成されており、この構成は図1に示す平面アンテナ1と同様の構成とされている。ガラスエポキシ基板とされたプリント基板40はほぼ矩形とされており、プリント基板40の上部に細長い矩形状の所定の長さの導波素子41が形成され、ダイポールアンテナとされている細長い矩形状の放射素子42は導波素子41と所定の間隔を隔ててほぼ平行に形成されている。プリント基板40の下部に形成されている細長い矩形状の反射素子43は、放射素子42と所定の間隔を隔ててほぼ平行に配置されていると共に、両側部が放射素子42側に屈曲されてプリント基板40の周縁に沿うよう形成されている。放射素子42の対面する内側には給電点42aが設けられている。このプリント基板40を挟持するように図示しない樹脂ケースで上下を覆うことにより実施例4の平面アンテナ4が構成されている。この場合、樹脂ケースはプリント基板40に密着されている。
また、スペースが約10mmを満たさずプリント基板に樹脂ケースが近接して配置されている場合は、樹脂ケースが平面アンテナに影響を与えるようになる。この場合には、実施例3にかかる平面アンテナ3のように、導波素子と放射素子との間においてプリント基板の両側に所定長の長さの切欠を設けると共に、放射素子と反射素子との間においてプリント基板の両側に所定長の長さの切欠を設けるようにする。これにより、樹脂ケースの平面アンテナに与える影響を補償して実施例1の平面アンテナ1と同様の電気的特性を示すようになる。
さらに、スペースが約10mmを満たさずプリント基板に樹脂ケースが近接して配置されている場合に、実施例4にかかる平面アンテナ4のように動作周波数帯域の中心周波数の波長をλとした際に、プリント基板の幅を約0.45λとし、プリント基板の長さを約0.22λとして、このプリント基板に導波素子、放射素子および反射素子の間隔を狭くして形成することによっても、樹脂ケースの平面アンテナに与える影響を補償して良好な電気的特性を示す平面アンテナとすることができるようになる。
図19は、放射素子12の幅MをM=11mm、M=21mm、M=31mmと変化させた場合のVSWRの周波数特性であり、図20(a)(b)(c)は、M=11mm、M=21mm、M=31mmと変化させた場合の75Ωで正規化したインピーダンスを示すスミスチャートである。これらの図を参照すると、M=11mm、M=21mm、M=31mmと変化させるにつれて、徐々にVSWR特性は広帯域化されるようになり、全体的なインピーダンス特性が徐々に75Ω付近に推移するようになる。このように、放射素子12の幅Mを広くすることで広帯域化できるようになり、導波素子11と反射素子13を設ける事により、さらに低域と高域の特性が改善されて、さらに広帯域化されるようになる。また、反射素子13の両側部を放射素子側に屈曲させることにより、UHF帯における低域およびUHF全帯域の前方対後方比を向上することができるようになる。さらに、導波素子11を放射素子12に近接させることにより、UHF帯の高域の特性を向上させることができる。
このことは、実施例1の平面アンテナ1に限るものではなく、実施例2ないし実施例4の平面アンテナ2ないし平面アンテナ4でも同様とされている。
実施例5の平面アンテナ5では、プリント基板を用いておらず、各素子を樹脂ケース54に直接形成している。そこで、樹脂ケース54の構成を示す斜視図を図21に示す。図21に示すように、周囲に周壁部54dが立設されている一面が開口された矩形の樹脂ケース54の内面から突出するように、導波素子用凸部54aと、一対の放射素子用凸部54bと、反射素子用凸部54cとが設けられている。各凸部が形成されている位置は、実施例2の平面アンテナ2における各素子の位置に対応している。そして、導波素子用凸部54aと、一対の放射素子用凸部54bと、反射素子用凸部54cの表面に、金属を蒸着、金属箔を貼着あるいは導電塗料を塗布する。これにより、図22に斜視図で示す実施例5の平面アンテナ5のように導波素子用凸部54a上に導波素子51が形成され、一対の放射素子用凸部54b上にダイポールアンテナとされる放射素子52が形成され、反射素子用凸部54c上に両側部が放射素子52側に屈曲された反射素子53が形成されるようになる。放射素子52の対面する内側には給電点52aが設けられている。この樹脂ケース54の開口面には蓋部を嵌合して導波素子51,放射素子52,反射素子53が直接見えないようにしてもよい。
本発明の実施例5にかかる平面アンテナ5の寸法は、実施例2の平面アンテナ2の寸法あるいは実施例3の平面アンテナ3の寸法と同様とすることができ、図23に示す従来のUHFアンテナ100に比して部品点数も少なく、高さ方向、前後方向、左右方向の全てにおいて小型化することができ、軒先や室内で使用するにあたって扱いやすく、安全性の高いアンテナとすることができるようになる。
なお、実施例5の平面アンテナ5において、導波素子51や反射素子53の寸法を変化させることにより電気的特性の調整をすることができる。また、導波素子用凸部54a、放射素子用凸部54bおよび反射素子用凸部54cのそれぞれの高さを変化させることにより、樹脂ケース54における誘電率の影響を自在に変化させて平面アンテナ5の電気的特性の調整をすることが可能とされている。
また、以上説明した本発明の実施例1ないし実施例5の平面アンテナにおける各部の寸法は一例であり、その寸法に限るものではなくある程度はずれた寸法としても十分アンテナとして動作する。ただし、電気的特性は若干劣化するようになる。
ところで、樹脂ケースとしては塩化ビニルのような比較的誘電率が高い材質を用いることにより、本発明にかかる平面アンテナを小型化することができる。ただし、誘電率が高いとその影響も大きくなることからAES(アクリロニトリル−エチレン・プロピレン・ジエンゴム−スチレン共重合体)樹脂やアクリル樹脂のように誘電率の低い樹脂材を樹脂ケースとして用いるようにしてもよい。さらに、樹脂ケースの厚さは肉厚が薄いほど誘電率による影響は小さくなる。従って、本発明の平面アンテナにかかる樹脂ケースの厚さは約2mm以下とするのが好適となる。さらにまた、本発明の平面アンテナにかかるプリント基板は、ガラスエポキシ基板やエポキシ基板とされるがその誘電率も影響する。従って、プリント基板の厚みを1mm程度まで薄くすることによっても、誘電率による影響を小さくすることができる。従って、プリント基板の厚みを変えることによって、樹脂ケースの誘電率の影響を調整することもできる。この場合、プリント基板に替えて誘電率の影響が無視できるフィルムシート上に導波素子、放射素子および反射素子を形成するようにしても、本発明にかかる平面アンテナの小型化が可能になる。
Claims (3)
- およそ470MHzないし770MHzのUHF帯で少なくとも動作する平面アンテナであって、
プリント基板の一面に導波素子、放射素子、反射素子が形成されており、前記導波素子は、前記プリント基板の上部に形成されており、前記放射素子は前記導波素子と所定の間隔を隔ててほぼ平行に形成されており、前記反射素子は前記放射素子と所定の間隔を隔ててほぼ平行に配置されていると共に、両側部が前記放射素子側に屈曲されて前記プリント基板の周縁に沿うよう形成され、
前記導波素子と前記放射素子との間の前記プリント基板の両側に所定長の長さの切欠が設けられていると共に、前記放射素子と前記反射素子との間の前記プリント基板の両側に所定長の長さの切欠が設けられており、
前記プリント基板が、樹脂ケースに密着されて収納されていることを特徴とする平面アンテナ。 - およそ470MHzないし770MHzのUHF帯で少なくとも動作する平面アンテナであって、
周囲に周壁部が立設されている一面が開口された樹脂ケースの内面に形成されている所定高さの複数の凸部の表面に、それぞれ導波素子、放射素子、反射素子が形成されており、前記導波素子は、前記樹脂ケースの内面の上部に形成され、前記放射素子は前記導波素子と所定の間隔を隔ててほぼ平行に形成され、前記反射素子は前記放射素子と所定の間隔を隔ててほぼ平行に配置されていると共に、両側部が前記放射素子側に屈曲されて前記樹脂ケースの周縁に沿うよう形成され、前記樹脂ケースの開口面に蓋部が嵌合されていることを特徴とする平面アンテナ。 - 前記樹脂ケースの内面に形成されている所定高さの複数の前記凸部において、複数の前記凸部のそれぞれの所定高さを変えるようにしたことを特徴とする請求項2記載の平面アンテナ。
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