JPWO2006035726A1 - ポリテトラフルオロエチレン水性分散液組成物、ポリテトラフルオロエチレン樹脂フィルム及びポリテトラフルオロエチレン樹脂含浸体 - Google Patents

ポリテトラフルオロエチレン水性分散液組成物、ポリテトラフルオロエチレン樹脂フィルム及びポリテトラフルオロエチレン樹脂含浸体 Download PDF

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Abstract

本発明は、クラック限界膜厚が極めて大きく、1回の塗装又は含浸によっても厚膜化が可能で、変性ポリテトラフルオロエチレンを用いた場合であってもクラック限界膜厚と透明性に優れた被膜を成形することができるPTFE水性分散液組成物を提供する。本発明は、ポリテトラフルオロエチレン樹脂粒子(A)とポリオキシアルキレンアルキルエーテル系化合物(B)とを含むポリテトラフルオロエチレン水性分散液組成物であって、上記ポリテトラフルオロエチレン水性分散液組成物は、ポリテトラフルオロエチレン樹脂固形分濃度が上記ポリテトラフルオロエチレン水性分散液組成物の30〜70質量%、25℃における粘度が0.1Pa・s以下であり、上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系化合物(B)は、上記ポリテトラフルオロエチレン樹脂固形分100質量部に対して9〜20質量部であり、上記ポリテトラフルオロエチレン樹脂粒子(A)を構成するポリテトラフルオロエチレン樹脂は、変性ポリテトラフルオロエチレンからなる樹脂であることを特徴とするポリテトラフルオロエチレン水性分散液組成物である。

Description

本発明は、ポリテトラフルオロエチレン水性分散液組成物、ポリテトラフルオロエチレン樹脂フィルム及びポリテトラフルオロエチレン樹脂含浸体に関する。
ポリテトラフルオロエチレン〔PTFE〕樹脂粒子を含む水性分散液組成物は、従来、ガラス繊維、カーボン繊維、ケブラー繊維等に含浸して膜構造建築物の屋根材等の含浸体の製造に用いられ、また、高周波プリント基板、搬送用ベルト、パッキン等の用途において、被塗装物上に塗布し焼成することよりなるフィルム形成に用いられてきた。
従来のPTFE樹脂粒子を含む水性分散液組成物は、1回あたりの含浸・塗布量をある膜厚以上にすると、被膜にクラックを生じ、品質が損われる問題があった。この問題を解決するため、厚膜の加工品が求められる場合、含浸又は塗布の工程を繰返す方法が行われてきたが、この方法には、生産コストが上昇する問題、はじきが生じる問題があった。
耐クラック性の改善を目的としたPTFEの水性分散液組成物としては、シリコーンエマルジョンを配合したもの(例えば、特許文献1参照。)、シリコーンエマルジョン、特定の非イオン性界面活性剤及び特定の陰イオン性界面活性剤を配合したもの(例えば、特許文献2参照。)、非イオン性界面活性剤を主成分とする熱分解成分をPTFEに対して9〜12%配合したもの(例えば、特許文献3参照。)等が提案されている。
耐クラック性の改善を目的としたPTFEの水性分散液組成物としては、また、一次粒子径を0.3〜0.6μmに限定したもの(例えば、特許文献4参照。)、平均粒子径180〜400nmのPTFE分散体と同20〜60nmのPTFE分散体とを混合したもの(例えば、特許文献5参照。)も提案されている。
しかしながら、これらのPTFEの水性分散液組成物は、いずれも、クラック限界膜厚が依然として低く、厚塗りに適さない問題があった。
一方、膜構造建築物の屋根材には高い光透過性が求められる。光透過性を高める方法として、改良した基材にPTFE水性分散液組成物を塗布する手法(例えば、特許文献6、7参照。)は提案されているが、PTFE水性分散液組成物の改良による手法については知られていない。
特開昭61−34032号公報 特開平4−292673号公報 特開2001−89624号公報 特開平5−337439号公報 特開2000−53834号公報 特開平4−300363号公報 特開平9−256277号公報
本発明の目的は、上記現状に鑑み、クラック限界膜厚が極めて大きく、1回の塗装又は含浸によっても厚膜化が可能で、変性ポリテトラフルオロエチレンを用いた場合であってもクラック限界膜厚と透明性に優れた被膜を成形することができるPTFE水性分散液組成物を提供することにある。
本発明は、ポリテトラフルオロエチレン[PTFE]樹脂粒子(A)とポリオキシアルキレンアルキルエーテル系化合物(B)とを含むポリテトラフルオロエチレン[PTFE]水性分散液組成物であって、上記PTFE水性分散液組成物は、PTFE樹脂固形分濃度が上記PTFE水性分散液組成物の30〜70質量%、25℃における粘度が0.1Pa・s以下であり、上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系化合物(B)は、上記PTFE樹脂固形分100質量部に対して9〜20質量部であり、上記ポリテトラフルオロエチレン樹脂粒子(A)を構成するポリテトラフルオロエチレン樹脂は、変性ポリテトラフルオロエチレンからなる樹脂であることを特徴とするPTFE水性分散液組成物である。
本発明は、被塗装物上に上記PTFE水性分散液組成物を塗装することにより得られることを特徴とするPTFE樹脂フィルムである。
本発明は、被含浸体と、上記被含浸体に上記PTFE水性分散液組成物を含浸することにより得られる被膜とを有することを特徴とするPTFE樹脂含浸体である。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明のPTFE水性分散液組成物は、PTFE樹脂粒子(A)と、特定範囲の量のポリオキシアルキレンアルキルエーテル系化合物(B)とを含む水性分散液からなる組成物であって、特定範囲のPTFE樹脂固形分濃度と、特定範囲の粘度とを有するものである。
本発明のPTFE水性分散液組成物は、特に限定されないが、コーティング用組成物として好適である。コーティング用組成物として用いる際、本発明のPTFE水性分散液組成物を被塗装物上に塗装又は被含浸体に含浸することにより、PTFE樹脂からなる被膜を被塗装物上又は被含浸体表面上に形成することができる。本明細書において、上記被塗装物と被含浸体との両方を含み得る概念として「基材」ということがある。塗装及び含浸は、一般に、本発明のPTFE水性分散液組成物を被塗装物上に塗布し又は被含浸体を浸漬し(本明細書において、塗布及び浸漬を含み得る概念として「適用」ということがある)、必要に応じて加熱等を行うことにより乾燥し、次いで、PTFE樹脂の融点以上の温度に焼成することよりなる操作をいう。
本発明のPTFE水性分散液組成物は、適用後の乾燥時に従来生じていたマッドクラック、及び、焼成後の冷却に伴う樹脂収縮により従来生じていた収縮クラックを、ともに低減することができ、また、1回の塗装又は含浸によるクラック限界膜厚が極めて大きく、1回の塗装又は含浸によっても厚膜化が可能である(厚塗り性)。
本明細書において、上述のクラックの発生を少なくして被膜を形成することができる性質を、「造膜性」と称することがある。
本発明のPTFE水性分散液組成物は、PTFE樹脂粒子(A)を含むものである。
本明細書において、上記PTFE樹脂粒子(A)は、PTFE樹脂からなる粒子である。
本明細書において、PTFE樹脂は、変性ポリテトラフルオロエチレン〔変性PTFE〕からなる樹脂を含むものである。上記PTFE樹脂は、変性PTFEからなる樹脂を含むものであれば、テトラフルオロエチレン〔TFE〕単独重合体及び変性PTFEからなる樹脂であってもよい。
本発明のPTFE水性分散液組成物において、好ましくは、PTFE樹脂粒子(A)を構成する上記PTFE樹脂は、変性PTFEからなる樹脂である。
本発明のPTFE水性分散液組成物は、驚くべきことに、上記PTFE樹脂として変性PTFEからなる樹脂を用いる場合、特に、得られる被膜の光透過性を向上させることができる。従って、本発明のPTFE水性分散液組成物からなる被膜を有する加工物品は、膜構造建築物の屋根材等として好適に使用することができる。
上記変性PTFEは、TFEと、TFEと共重合可能な微量の単量体との共重合体である。上記微量の単量体としては、例えば、フルオロオレフィン、フッ素化(アルキルビニルエーテル)、環式のフッ素化された単量体、パーフルオロアルキルエチレン等が挙げられる。
上記フッ素化(アルキルビニルエーテル)としては、例えば、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)[PAVE]が挙げられ、上記PAVEとしては、例えば、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)[PMVE]、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)[PEVE]、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)[PPVE]等が挙げられる。
本発明のPTFE水性分散液組成物において、上記PTFE樹脂として変性PTFEからなる樹脂を用いる場合、微量の単量体としては、PAVE、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレンが好ましく、PAVEがより好ましく、PPVEがより好ましい。
上記微量の単量体に由来する微量単量体単位は、変性PTFEのポリマー鎖全体の0.001〜2質量%の範囲であることが好ましく、0.01〜1質量%の範囲であることがより好ましい。
本明細書において、上記微量の単量体に由来する微量単量体単位の含有率は、PTFE水性分散体を凝析、洗浄、乾燥して得られたパウダーを用いて、赤外吸収スペクトル測定を行って得られた値、もしくはガスクロマトグラフにより反応系内における残存量を測定し、仕込量との関係から消費量を算出することにより得た値である。
本明細書において、上記微量単量体単位等の「単量体単位」は、変性PTFEの分子構造上の一部分であって、対応する単量体に由来する部分を意味する。例えば、PPVE単位は、変性PTFEの分子構造上の一部分であって、PPVEに由来する部分であり、−[CF−CF(−O−C)]−で表される。
上記PTFE樹脂は、数平均分子量が2×10〜1×10であることが好ましく、2×10〜8×10であることがより好ましい。
上記数平均分子量が2×10未満である場合、塗膜が脆くなる傾向があり、1×10を超える場合、溶融粘度が高すぎて粒子同士が融着しにくくなる傾向がある。
本明細書において、上記数平均分子量は、「Journal of Applied Polymer Science」第17巻、第3253〜3257頁(1973)に記載の方法により測定して求めることができる。
本発明のPTFE水性分散液組成物において、PTFE樹脂粒子(A)は、平均粒子径が200〜500nmであるものが好ましい。上記平均粒子径のより好ましい下限は300nmであり、より好ましい上限は400nmである。200nm以上であると、クラック限界膜厚が飛躍的に高まるが、500nmを超えると、粒子が沈降しやすくなり、水性分散液組成物の安定性が低下する。
本発明のPTFE水性分散液組成物は、特に、変性PTFEでは従来一般に達成されていなかった300nm以上という大粒径を可能にしたものである。このように平均粒子径が大きいと、1回の適用による膜厚を厚くすることが容易なので、最終的に厚膜にする場合であっても、適用回数を低減でき、作業容易になるとともに、TFE単独重合体よりも従来発生しやすかったマッドクラックを抑制することもできる。
本明細書において、上記平均粒子径は、固形分濃度0.22質量%に調製したPTFE水性分散体の単位長さに対する550nmの投射光の透過率と、透過型電子顕微鏡写真における定方向径を測定して決定された平均粒径との検量線をもとにして、上記透過率から決定した。
本発明のPTFE水性分散液組成物は、PTFE樹脂固形分濃度がPTFE水性分散液組成物の30〜70質量%であるものである。
上記PTFE樹脂固形分濃度は、好ましい下限がPTFE水性分散液組成物の40質量%、好ましい上限がPTFE水性分散液組成物の65質量%である。
本発明のPTFE水性分散液組成物は、上記PTFE樹脂固形分濃度が上記範囲内にあるものなので、造膜性に優れ、容易に厚膜にすることができる。
本明細書において、上記PTFE樹脂固形分濃度は、後述するPTFE水性分散液組成物10gを380℃の温度にて45分間乾燥して得られた残渣の質量を、該乾燥前の上記PTFE水性分散液組成物の質量に占める割合の百分率として求めたものである。
上記PTFE樹脂粒子(A)は、TFEと上述の微量の単量体とを、乳化重合、懸濁重合等、公知の重合方法にて水性媒体の存在下に重合することにより得られるPTFE水性分散体により供給することができる。
上記重合は、乳化重合にて行うことが好ましい。
上記重合において、使用する水性媒体としては、例えば、水、水と公知の水溶性溶媒との混合液等が挙げられる。
上記重合は、使用するPTFE樹脂の種類及び量、並びに、乳化剤の種類等に応じて、条件を適宜設定して行うことができる。
本発明のPTFE水性分散液組成物は、上記PTFE樹脂粒子(A)に加え、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系化合物(B)をも含むものである。
本発明のPTFE水性分散液組成物は、基材に適用して形成した被膜を焼成する際、該被膜中のPTFE樹脂粒子(A)同士の間の空隙をポリオキシアルキレンアルキルエーテル系化合物(B)が埋めることとなり、適用後の乾燥に際しバインダー的作用をしてクラック発生を抑制し、造膜性を向上することができるものと考えられる。また、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系化合物(B)は、被膜焼成後の冷却に際しても、樹脂収縮により従来生じていた収縮クラックを何らかの作用により抑制していると考えられる。
上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系化合物(B)は、上記PTFE樹脂粒子(A)の分散安定化にも寄与すると考えられる。
上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系化合物(B)としては、例えば、式(I):
R−O−A−H (I)
(式中、Rは、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数8〜19、好ましくは10〜16のアルキル基;Aは、炭素数8〜58のポリオキシアルキレン鎖)
で表されるポリオキシアルキレンアルキルエーテルが好ましい。
上記Aとしては、4〜20個のオキシエチレン単位及び0〜6個のオキシプロピレン単位を有するポリオキシアルキレン鎖が好ましい。
上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、式(II):
2x+1CH(C2y+1)C2zO(CO)H (II)
(式中、xは1以上の整数、yは1以上の整数、zは0又は1以上の整数、但し、x、y及びzはx+y+z=7〜18の関係にある。nは、4〜20の整数である)
で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテル、及び/又は、式(III):
2p+1−O−A−H (III)
(式中、pは8〜19の整数、Aは、炭素数13〜46のポリオキシアルキレン鎖である。)で表されるポリオキシアルキレンアルキルエーテルが好適に使用できる。
上記式(III)において、Aは、5〜20個のオキシエチレン単位及び1〜2個のオキシプロピレン単位を有するポリオキシアルキレン鎖が好ましい。
上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系化合物(B)としては、更に、下記式(IV):
−C−O−A−H (IV)
(式中、Rは、炭素数4〜12の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であり、Aは、炭素数8〜58のポリオキシアルキレン鎖である。)により表されるポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等も挙げられる。
上記式(IV)において、Aは、5〜20個のオキシエチレン単位及び0〜12個のオキシプロピレン単位を有するポリオキシアルキレン鎖が好ましく、5〜20個のオキシエチレン単位及び1〜12個のオキシプロピレン単位を有するポリオキシアルキレン鎖がより好ましい。
本発明のPTFE水性分散液組成物において、上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系化合物(B)は、PTFE樹脂固形分100質量部に対して12質量部を超え、20質量部以下であってもよいし、PTFE樹脂固形分100質量部に対して9〜12質量部であってもよい。
上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系化合物(B)がPTFE樹脂固形分100質量部に対して9質量部未満の場合は造膜性が不十分であり、上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系化合物(B)がPTFE樹脂固形分100質量部に対して20質量部を超える場合は被膜が着色するなど、PTFE被膜としての物性が低下することがある。
上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系化合物(B)のPTFE樹脂固形分100質量部に対する含有量は、好ましい下限が12質量部、より好ましい下限が12.1質量部、好ましい上限が16質量部である。
本明細書において、上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系化合物(B)の量は、上記PTFE樹脂固形分濃度と、本発明のPTFE水性分散液組成物を調製する際に配合する量(PTFE水性分散体調製時の配合量も含む)とから、PTFE樹脂固形分100質量部に対する質量として求めることもできるし、また、PTFE水性分散液組成物10gを100℃の温度にて60分間乾燥して得られた残渣をヘキサンで抽出し、その後ヘキサンを揮散させて得られた残渣の質量を、該乾燥前の上記PTFE樹脂固形分の質量に占める割合の百分率として求めることもできる。
本願においてクラック限界膜厚は、アルミ板上の被膜を、実用的な加工条件である、380℃で15分間焼成することにより評価したが、この場合にはPTFE樹脂固形分100質量部に対して上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系化合物(B)が9質量部以上であってもクラックは発生しない。この条件でクラックが発生しなければ、実用にあたって大きな支障はない。
一般に、本発明において、焼成時間は実用に即して短縮可能であるが、PTFE水性分散液組成物を長時間にわたって焼成する場合には、実際の熱分解量が多くなりクラックが発生しやすくなる。該水性分散液組成物の商業的な加工においては、基材の熱容量にもよるが、例えば、ガラスクロス含浸の場合に被膜が380℃の雰囲気にさらされるのは、せいぜい5分程度あるいはそれ以下、厨房機器へ塗装した場合に被膜が380℃の雰囲気にさらされるのは15〜20分程度である。
上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系化合物(B)は、上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系化合物(B)が上記PTFE樹脂固形分100質量部に対して9〜20質量部である場合、平均HLBが12以上、好ましくは12〜14のポリオキシアルキレンアルキルエーテル系化合物を含むものであることが好ましい。
上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系化合物(B)は、上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系化合物(B)が上記PTFE樹脂固形分100質量部に対して12質量部を超え、20質量部以下である場合、平均HLBが14以上のポリオキシアルキレンアルキルエーテル系化合物(B1)を含むものであることが好ましい。
本発明のPTFE水性分散液組成物は、上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系化合物(B)が上記PTFE樹脂固形分100質量部に対して12質量部を超え、20質量部以下であり、且つ、上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系化合物(B)として上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系化合物(B1)を含む場合、特に優れた造膜性を示す。
本明細書において、平均HLBは、Griffinの式に基づき算出した値である。
上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系化合物(B1)は、上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系化合物(B)が上記PTFE樹脂固形分100質量部に対して12質量部を超え、20質量部以下である場合、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系化合物(B)の1〜99質量%であることが好ましい。
上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系化合物(B1)の含有量は、上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系化合物(B)が上記PTFE樹脂固形分100質量部に対して12質量部を超え、20質量部以下である場合、より好ましい下限がポリオキシアルキレンアルキルエーテル系化合物(B)の10質量%、更に好ましい下限が20質量%であり、より好ましい上限が95質量%、更に好ましい上限が90質量%である。
本発明のPTFE水性分散液組成物は、上記範囲内の量の上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系化合物(B1)を有する場合、適度な粘度を有することとなり、更に造膜性に優れたものとなる。
上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系化合物(B)は、上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系化合物(B)が上記PTFE樹脂固形分100質量部に対して9〜12質量部である場合、平均HLBが12以上、14未満のポリオキシアルキレンアルキルエーテル系化合物(B2)を含むものであることが好ましい。
本発明のPTFE水性分散液組成物は、上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系化合物(B)が上記PTFE樹脂固形分100質量部に対して9〜12質量部であり、且つ、上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系化合物(B)として上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系化合物(B2)を含む場合、特に優れた造膜性を示す。
上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系化合物(B2)としては、造膜性の点で、平均HLBが12.5〜13.7であるものが好ましい。
上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系化合物(B2)は、上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系化合物(B)が上記PTFE樹脂固形分100質量部に対して9〜12質量部である場合、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系化合物(B)の1〜99質量%であることが好ましい。
上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系化合物(B2)の含有量は、上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系化合物(B)が上記PTFE樹脂固形分100質量部に対して9〜12質量部である場合、より好ましい下限がポリオキシアルキレンアルキルエーテル系化合物(B)の10質量%、更に好ましい下限が20質量%であり、より好ましい上限が95質量%、更に好ましい上限が90質量%である。
本発明のPTFE水性分散液組成物は、上記範囲内の量の上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系化合物(B2)を有する場合、適度な粘度を有することとなり、更に造膜性に優れたものとなる。
本発明のPTFE水性分散液組成物は、また、微量のフッ素系界面活性剤やシリコーン系界面活性剤等を添加することにより、その表面張力を適当な値に調整することができる。これらの界面活性剤の添加量は微量であるために、PTFE水性分散液組成物の粘度を大きく変化させることはない。
本発明のPTFE水性分散液組成物は、更に、造膜改良剤(C)をも含むものであってもよい。
本明細書において、上記「造膜改良剤(C)」は、これを配合することにより、配合しないものに比べ、造膜性を向上し得るものであればよい。
上記造膜改良剤(C)は、本発明のPTFE水性分散液組成物を基材に適用して得られる被膜において、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系化合物(B)がPTFE樹脂粒子同士の間の間隙を充填することを補充して、造膜性を向上するものと考えられる。
本発明のPTFE水性分散液組成物は、特に、PTFE樹脂として変性PTFEからなる樹脂を用いるため、TFE単独重合体よりもクラックを発生しやすいので、造膜改良剤(C)をも含むものであることが好ましい。本発明のPTFE水性分散液組成物は、また、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系化合物(B)がPTFE樹脂固形分100質量部に対して9〜20質量部であるため、クラック発生抑止力向上の点で、造膜改良剤(C)をも含むものであることが好ましい。
本発明のPTFE水性分散液組成物において、造膜改良剤(C)は、用いる造膜改良剤(C)の種類にもよるが、PTFE樹脂固形分100質量部に対して10質量部以下であることが好ましく、上記範囲内であれば0.1質量部以上であることが好ましく、1質量部以上であることがより好ましい。
本発明において、上記造膜改良剤(C)としては特に限定されないが、アクリル樹脂、シリコーン系界面活性剤、380℃での分解残渣が5%以上である非イオン性界面活性剤、乾燥遅延剤、フッ素系界面活性剤等が挙げられ、アクリル樹脂、シリコーン系界面活性剤、380℃での分解残渣が5%以上である非イオン性界面活性剤及び/又は乾燥遅延剤であることが好ましい。
本明細書において、上記「アクリル樹脂、シリコーン系界面活性剤、380℃での分解残渣が5%以上である非イオン性界面活性剤及び/又は乾燥遅延剤」とは、これら4種類のうち、1種又は2種以上を用いることができることを意味する。
上記アクリル樹脂を構成するアクリルポリマーとしては、特に限定されないが、メタクリレート系単量体を重合して得られる重合体が好ましい。
上記メタクリレート系単量体としては、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ジメチルプロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ペンチルメタクリレート等が挙げられる。
上記アクリル樹脂は、水性分散体に調製して使用することが好ましい。
上記アクリル樹脂は、単独重合体であっても安定な水性分散体に調製することができるが、安定な水性分散体を容易に調製し易い点で、カルボキシル基又はヒドロキシル基を有する単量体を適宜共単量体とする重合体であることが好ましい。上記アクリル樹脂を水性分散体に調製して使用する場合、更に安定性を高めるために、必要に応じて、該水性分散体に非イオン性界面活性剤を添加してもよい。
上記アクリル樹脂は、得られる水性分散液組成物の造膜性の点で、300〜320℃の温度範囲で加熱前の約25〜50質量%残存し、330〜345℃の温度範囲で加熱前の10〜20質量%残存するものが好ましい。
本発明のPTFE水性分散液組成物は、上記造膜改良剤(C)としてアクリル樹脂を使用する場合、アクリル樹脂はPTFE樹脂固形分100質量部に対して10質量部以下であることが好ましい。
PTFE樹脂固形分100質量部に対する上記アクリル樹脂のより好ましい上限は8質量部であり、下限は特に限定されないが、上記アクリル樹脂を配合することによる効果を得る点で、好ましい下限は1質量部である。
上記シリコーン系界面活性剤としては、例えば、下記一般式:
SiO−(SiR O)−(SiRO)−SiR
(式中、nは、0〜20の整数を表し、mは、0〜20の整数を表し、n+m>1である。Rは、同一又は異なって、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、炭素数1〜30のアルコキシル基、炭素数6〜30のアリールオキシ基、又は、水素原子を表す。Rは、式−R−(CO)−(CO)−Yで表される置換基を表す。Rは、炭素数1〜30のアルキレン基を表し、Yは、炭素数1〜30のアルキル基を表す。q及びrは、同一又は異なって、0〜20の整数を表し、q+r>1である。)
により表されるものが挙げられる。製造者によっては、このような一般式を有する化合物を変性シリコーンオイルとして販売しているが、本願ではシリコーン系界面活性剤として扱うこととする。
本発明のPTFE水性分散液組成物は、上記造膜改良剤(C)としてシリコーン系界面活性剤を使用する場合、シリコーン系界面活性剤は、PTFE樹脂固形分100質量部に対して10質量部以下であることが好ましい。
PTFE樹脂固形分100質量部に対する上記シリコーン系界面活性剤のより好ましい上限は5質量部であり、下限は特に限定されないが、シリコーン系界面活性剤を配合することによる効果を得る点で、好ましい下限は0.1質量部である。
上記380℃での分解残渣が5%以上である非イオン性界面活性剤としては、例えば、種々のポリオキシエチレン誘導体等が挙げられる。
本明細書において、「380℃での分解残渣が5%以上である」とは、380℃にて少なくとも10分間加熱した後の残渣が、該加熱前の5質量%以上であることを意味する。
本発明のPTFE水性分散液組成物は、上記造膜改良剤(C)として380℃での分解残渣が5%以上である非イオン性界面活性剤を使用する場合、上記非イオン性界面活性剤は、PTFE樹脂固形分100質量部に対して10質量部以下であることが好ましい。
PTFE樹脂固形分100質量部に対する上記380℃での分解残渣が5%以上である非イオン性界面活性剤のより好ましい上限は5質量部であり、下限は特に限定されないが、380℃での分解残渣が5%以上である非イオン性界面活性剤を配合することによる効果を得る点で、好ましい下限は0.1質量部である。
上記乾燥遅延剤としては、当業者に通常「乾燥遅延剤」と認識されているものであればよく、例えば、200〜300℃程度の沸点を有する溶剤等が挙げられ、このような溶剤としては、水溶性溶剤が好ましい。
上記水溶性溶剤としては、グリセリン、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(エチルカルビトール)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)、トリエチレングリコール、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール等が好ましい。
上記乾燥遅延剤は、本発明のPTFE水性分散液組成物を基材に適用して得られる被膜から、乾燥や加熱により水、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系化合物(B)等を低減又は除去した後においても、該被膜中に残存してPTFE樹脂粒子同士の間の間隙を埋める作用をすることにより、造膜性を向上するものと考えられる。
本発明のPTFE水性分散液組成物は、上記造膜改良剤(C)として乾燥遅延剤を使用する場合、乾燥遅延剤は、その種類に応じて、適宜、配合量を設定することができるが、PTFE樹脂固形分100質量部に対して10質量部以下であることが好ましい。
乾燥遅延剤のうち、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルは、アクリル樹脂を溶解する働きを有するので、アクリル樹脂と併用することにより造膜性を一層向上させることが可能となる。
本発明のPTFE水性分散液組成物は、上記造膜改良剤(C)として、なかでも、アクリル樹脂、シリコーン系界面活性剤又は380℃での分解残渣が5%以上である非イオン性界面活性剤を含むことが好ましく、アクリル樹脂を含むことがより好ましい。
本発明において造膜改良剤(C)として用いるアクリル樹脂は、本発明のPTFE水性分散液組成物を塗布乾燥したのち焼成する際、PTFE樹脂粒子(A)へのバインダー効果を維持しながら徐々に分解するので、収縮クラックの発生を効果的に防止することができる。
本発明のPTFE水性分散液組成物は、本発明の効果を損なわないかぎり、種々の公知の添加剤を配合することができる。上記添加剤としては、例えば、顔料、充填剤、消泡剤、乾燥剤、増粘剤、レベリング剤、ハジキ防止剤などが挙げられる。
上記顔料としては、特に限定されず、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、ベンガラ等、公知の顔料が挙げられる。
上記充填剤としては、特に限定されず、公知のものが挙げられる。
上記消泡剤としては、例えば、トルエン、キシレン、炭素数9〜11の炭化水素系などの非極性溶剤、シリコーンオイル等が挙げられる。
上記乾燥剤としては、例えば、酸化コバルト等が挙げられる。
上記増粘剤としては、例えば、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、カルボキシル化ビニルポリマー等が挙げられる。
本発明のPTFE水性分散液組成物は、25℃における粘度が0.1Pa・s以下であるものである。
本発明のPTFE水性分散液組成物は、上記粘度が0.06Pa・s以下であることがより好ましく、また上記範囲内であれば、0.01Pa・s以上であってもよい。
本明細書において、上記粘度は、B型回転粘度計(東京計器社製)を用いて、JIS K6893に準拠して、25℃の温度にて測定したものである。
本発明のPTFE水性分散液組成物は、特に限定されないが、例えば、重合により得られたPTFE水性分散体を攪拌しながら、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系化合物(B)、並びに、必要に応じ、造膜改良剤(C)及び他の添加剤を添加し、混合することにより調製することができる。
上記調製において、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系化合物(B)は、PTFE水性分散体を調製する際に添加することもでき、例えば、重合生成物である水性分散体を濃縮するに際し従来用いられてきた分散剤として添加してもよいが、通常、PTFE水性分散体の調製後に追加して、目的とする粘度に調整することが好ましい。
上記攪拌、添加及び混合の各操作の条件は、使用する組成物の種類や量により適宜設定することができるが、5〜30℃の温度にて行うことが好ましい。
本発明のPTFE水性分散液組成物は、上述の構成からなるので、上述のように耐クラック性、厚塗り性を向上するほか、1回の適用によるクラック限界膜厚を極めて大きくすることができ、1回の適用によるクラック限界膜厚は、特に、PTFE樹脂粒子(A)として変性PTFEからなる樹脂を用いる場合、従来2μm程度までしか達成されなかったのに対し、本発明によれば、例えば20μm程度以上とすることもできる。
本明細書において、上記クラック限界膜厚は、20cm×10cm×1.5mmのアルミ板上にPTFE水性分散液組成物(5ml)を滴下し、コーティングアプリケーター(安田精機社製)を用い、膜厚が0μmを超え、200μm以下の間で連続的に変化するよう塗布し、100℃で10分間乾燥した後に380℃で15分間焼成した際、クラックの発生しない最大膜厚を測定したものである。
一般に、変性PTFEはTFE単独重合体よりも透明性に優れた被膜を与えることができるが、本発明のPTFE水性分散液組成物は、PTFE樹脂として変性PTFEからなる樹脂を用いる場合、クラック限界膜厚が極めて大きいにも関わらず、光透過性が高く且つ厚膜の被膜を得ることができる。
本発明のPTFE樹脂フィルムは、被塗装物上に上述の本発明のPTFE水性分散液組成物を塗装することにより得られるものである。
上記被塗装物としては、特に限定されず、例えば、各種金属、ホーロー、ガラス、各種セラミックス、各種耐熱樹脂成形品が挙げられる。
上記被塗装物は、何れの形状であってもよい。
上記塗装は、通常、本発明のPTFE水性分散液組成物を塗布した後、乾燥し、次いで焼成することにより行うことができる。
本発明のPTFE水性分散液組成物は、基材に直接塗装してもよいが、基材との密着性を向上させるために、プライマー層を設けてその上塗り層として形成することもできる。
上記塗布は、特に限定されないが、ディッピング法、スプレー法、ロールコート法、ドクターブレード法、フローコート法等、公知の塗装方法にて行うことができる。
上記乾燥は、使用するポリオキシアルキレンアルキルエーテル系化合物(B)、造膜改良剤(C)等の種類等に応じて適宜設定することができるが室温〜150℃、好ましくは80〜150℃の温度にて、5〜20分間行うことが好ましい。
上記焼成は、一般に、使用するPTFE樹脂の溶融温度以上、通常、340〜415℃の温度下で、5〜60分間行うことができ、360〜400℃にて10〜30分間行うことが好ましい。
本発明のPTFE樹脂フィルムは、用いた被塗装物の種類によっては上記焼成ののち該被塗装物から剥離したものであってもよいが、被塗装物と接したままのもの、又は、被塗装物とプライマー層等を介して接したままのものであってもよい。
本発明のPTFE樹脂フィルムは、上述の本発明のPTFE水性分散液組成物を塗装してなるものであるので、通常、約5〜100μm、好ましくは、約10〜100μmの厚さを有する。
本発明のPTFE樹脂フィルムは、被塗装物が焼成時に実質的に劣化しないものであれば特に限定することなく得ることができるものであるので、例えば、金属調理器具、ベアリング、バルブ、電線、金属箔、ボイラー、パイプ、船底、オーブン内張り、アイロン底板、製氷トレー、雪かきシャベル、すき、シュート、コンベア、ロール、金型、ダイス、のこぎり、やすり、きり等の工具、包丁、はさみ、ホッパー、その他の工業用コンテナ(特に半導体工業用)、鋳型等の被覆材とすることができる。
本発明のPTFE樹脂フィルムは、特に、高周波プリント基板、搬送用ベルト、パッキン等の被覆材として好適に使用することができる。
本発明のPTFE樹脂含浸体は、被含浸体と、上記被含浸体に上述の本発明のPTFE水性分散液組成物を含浸することにより得られる被膜とを有するものである。
上記被含浸体としては特に限定されず、例えば、繊維基材、織布・不織布等が挙げられる。
上記繊維基材としては特に限定されず、例えば、ガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維(ケブラー繊維等)が挙げられる。上記織布・不織布としては、例えば、膜構造建築物の屋根材(テント膜)等が挙げられる。該屋根材として光透過性が求められる場合、PTFE樹脂として変性PTFEからなる樹脂を用いることが好ましい。
上記含浸は、公知の方法にて行うことができる。
上記被膜は、上述の本発明のPTFE水性分散液組成物を含浸してなるものであるので、基材の形状や厚みにもよるが、通常、約5〜100μm、好ましくは、約10〜100μmの厚さを有する。
本発明のPTFE水性分散液組成物は、上述の構成からなるものであるので、厚膜であるにもかかわらずクラックが生じないコーティング用組成物として好適に使用することができる。
本発明のPTFE樹脂フィルムは、上述の構成からなるものであるので、クラック等の欠陥がなく、厚膜とすることが容易である。
本発明のPTFE樹脂含浸体は、上述の構成からなるものであるので、クラック等の欠陥がなく、厚膜の被膜とすることも可能である。
また、本発明のPTFE水性分散液組成物は、変性PTFEからなる樹脂を含む場合、得られる被膜は高い光透過性を有するものである。
本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例及び比較例により限定されるものではない。
各実施例、比較例で行った測定は、以下の方法により行った。
(1)パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)[PPVE]共単量体単位量
PTFE水性分散液を凝析、洗浄、乾燥して得られたパウダーを用いて、赤外吸収スペクトルバンドの995cm−1の吸光度と2360cm−1の吸光度との比に0.95を乗じて得られる値をPPVE共単量体単位量とした。
(2)平均粒径
樹脂固形分濃度を0.22質量%に調製したPTFE水性分散体の単位長さに対する550nmの投射光の透過率と、透過型電子顕微鏡写真における定方向径を測定して決定された平均粒径との検量線をもとにして、上記透過率から決定した。
(3)PTFE樹脂固形分濃度
PTFE水性分散体10gを380℃の温度にて45分間乾燥して得られた残渣の質量と、該乾燥前の上記PTFE水性分散体の質量に占める割合の百分率として求めた。
(4)PTFE水性分散液組成物におけるポリオキシアルキレンアルキルエーテル系化合物(B)濃度
上記(3)により求めたPTFE樹脂固形分濃度と、本発明のPTFE水性分散液組成物を調製する際に配合する量(PTFE水性分散体調製時の配合量も含む)とから、PTFE樹脂固形分100質量部に対する質量として求めた。
なお、(3)、(4)以外の組成物濃度は、添加する際の質量から換算した値である。
(5)粘度
B型回転粘度計(東京計器社製)を用い、JIS K6893に準拠して、25℃における粘度を測定した。
(6)クラック限界膜厚
20cm×10cm×1.5mmのアルミ板上にPTFE水性分散液組成物(5ml)を滴下し、コーティングアプリケーター(安田精機社製)を用いて、膜厚が0μmを超え、200μm以下の間で連続的に変化するよう1回塗布し、100℃で10分間乾燥した後に380℃で15分間焼成した。膜厚の厚い部分にはクラックが発生するが、クラックが発生しない最大膜厚をクラック限界膜厚とした。
調製例1
乳化重合により平均粒径273nm、ポリマー濃度[P.C.、PTFE樹脂固形分に相当]30.7質量%、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)[PPVE]単位がPTFEの0.12質量%であるPTFE水性分散体12000gを得た。
得られたPTFE水性分散体を、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(商品名TDS−80、第一工業製薬社製;平均HLB=13)を用いて5040gに濃縮し、P.C.71.2質量%、ポリオキシエチレンアルキルエーテル濃度[N.C.]がPTFE樹脂固形分の2.9質量%であるPTFE水性分散液濃縮品Aを調製した。
調製例2
乳化重合により平均粒径354nm、P.C.34.6質量%、PPVE単位がPTFEの0.13質量%であるPTFE水性分散体12000gを得た。
これをTDS−80により4968gに濃縮し、P.C.73.6質量%、N.C.がPTFE樹脂固形分の1.9質量%であるPTFE水性分散液濃縮品Bを調製した。
調製例3
乳化重合により平均粒径342nm、P.C.30.8質量%のPTFE水性分散体(TFE単独重合体水性分散体)12000gを得た。
これをTDS−80により4992gに濃縮し、P.C.71.8質量%、N.C.がPTFE樹脂固形分の2.7質量%であるPTFE水性分散液濃縮品Cを調製した。
実施例1
PTFE水性分散液濃縮品A 300gに、TDS−80 6.6gとポリオキシエチレンアルキルエーテル(商品名TDS−120、第一工業製薬社製;平均HLB=14.5)15.0gと純水81.4gを添加して、P.C.53質量%、N.C.がPTFE樹脂固形分の13質量%、平均HLBが14以上のポリオキシエチレンアルキルエーテル系化合物の全ポリオキシエチレンアルキルエーテル系化合物に対する割合(以下、「(B1)/(B)」という。)が54質量%であるPTFE水性分散液組成物を得た。
得られたPTFE水性分散液組成物は、粘度が2.05×10−2Pa・s、クラック限界膜厚が10μmであった。
実施例2
PTFE水性分散液濃縮品A 300gに、TDS−80 6.6gとTDS−120 15.0g、アクリル樹脂水性分散体(日本触媒社製、固形分濃度40質量%)16.0g及び純水65.4gを添加して、P.C.53%、N.C.がPTFE樹脂固形分の13質量%、アクリル樹脂がPTFE樹脂固形分の3質量%、(B1)/(B)=54質量%であるPTFE水性分散液組成物を得た。
得られたPTFE水性分散液組成物は、粘度が5.80×10−2Pa・s、クラック限界膜厚が14μmであった。
実施例3
PTFE水性分散液濃縮品A 300gに、TDS−120 21.6g、アクリル樹脂水性分散体(日本触媒社製、固形分濃度40質量%)16.0g、エチルカルビトール(日本触媒社製、沸点202℃)8.0g、純水57.4gを添加して、P.C.53質量%、N.C.がPTFE樹脂固形分の13質量%、アクリル樹脂がPTFE樹脂固形分の3質量%、エチルカルビトールがアクリル樹脂水性分散体の50質量%、(B1)/(B)=78質量%のPTFE水性分散液組成物を得た。
得られたPTFE水性分散液組成物は、粘度が4.80×10−2Pa・s、クラック限界膜厚が20μmであった。
実施例4
PTFE水性分散液濃縮品A 300gに、TDS−120 19.4g、アクリル樹脂水性分散体(日本触媒社製、固形分濃度40質量%)16.0g、エマルゲンA−60(花王社製、ポリオキシエチレン誘導体)2.1g、エチルカルビトール4.0g及び純水61.4gを添加して、P.C.53質量%、N.C.がPTFE樹脂固形分の13質量%、アクリル樹脂がPTFE樹脂固形分の3質量%、エマルゲンA−60がPTFE樹脂固形分の1質量%、エチルカルビトールがアクリル樹脂水性分散体の25質量%、(B1)/(B)=78質量%のPTFE水性分散液組成物を得た。
得られたPTFE水性分散液組成物は、粘度が3.55×10−2Pa・s、クラック限界膜厚が20μmであった。
実施例5
PTFE水性分散液濃縮品A 300gに、TDS−120 21.6g、アクリル樹脂水性分散体(日本触媒社製、固形分濃度40質量%)16.0g、エチルカルビトール8.0g、グリセリン2.1g及び純水55.2gを添加して、P.C.53質量%、N.C.がPTFE樹脂固形分の13質量%、アクリル樹脂がPTFE樹脂固形分の3質量%、エチルカルビトールがアクリル樹脂水性分散体の50質量%、グリセリンがPTFE樹脂固形分の1質量%、(B1)/(B)=78質量%のPTFE水性分散液組成物を得た。
得られたPTFE水性分散液組成物は、粘度が5.70×10−2Pa・s、クラック限界膜厚が18μmであった。
実施例6
PTFE水性分散液濃縮品A 300gに、TDS−120 21.6g、シルウェットL−77(日本ユニカー社製、シリコーン系界面活性剤)2.1g及び純水79.3gを添加して、P.C.53質量%、N.C.がPTFE樹脂固形分の13質量%、シリコーン系界面活性剤がPTFE樹脂固形分の1質量%、(B1)/(B)=78質量%のPTFE水性分散液組成物を得た。
得られたPTFE水性分散液組成物は、粘度が5.70×10−2Pa・s、クラック限界膜厚が12μmであった。
実施例7
PTFE水性分散液濃縮品A 300gに、TDS−120 21.6g、KF−618(信越化学工業社製、シリコーン系界面活性剤)2.1g、純水79.3gを添加して、P.C.53質量%、N.C.がPTFE樹脂固形分の13質量%、シリコーン系界面活性剤がPTFE樹脂固形分の1質量%、(B1)/(B)=78質量%のPTFE水性分散液組成物を得た。得られたPTFE水性分散液組成物は、粘度は4.40×10−2Pa・s、クラック限界膜厚は12μmであった。
実施例8
PTFE水性分散液濃縮品A 300gに、TDS−80 6.6g、TDS−120 15.0g、グリセリン2.1g及び純水79.3gを添加して、P.C.53質量%、N.C.がPTFE樹脂固形分の13質量%、グリセリンがPTFE樹脂固形分の1質量%、(B1)/(B)=54質量%のPTFE水性分散液組成物を得た。
得られたPTFE水性分散液組成物は、粘度が4.90×10−2Pa・s、クラック限界膜厚が11μmであった。
実施例9
PTFE水性分散液濃縮品A 300gに、TDS−80 6.6g、TDS−120 15.0g、トリエチレングリコール2.1g及び純水79.3gを添加して、P.C.53質量%、N.C.がPTFE樹脂固形分の13質量%、トリエチレングリコールがPTFE樹脂固形分の1質量%、(B1)/(B)=54質量%のPTFE水性分散液組成物を得た。
得られたPTFE水性分散液組成物は、粘度が5.70×10−2Pa・s、クラック限界膜厚が10μmであった。
実施例10
PTFE水性分散液濃縮品B 300gに、TDS−120 24.5g、アクリル樹脂水性分散体(日本触媒社製、固形分濃度40%)16.6g、エチルカルビトール8.3g及び純水67.3gを添加して、P.C.53質量%、N.C.がPTFE樹脂固形分の13質量%、アクリル樹脂がPTFE樹脂固形分の3質量%、エチルカルビトールがアクリル樹脂水性分散体の50質量%、(B1)/(B)=85質量%のPTFE水性分散液組成物を得た。
得られたPTFE水性分散液組成物は、粘度が4.95×10−2Pa・s、クラック限界膜厚が29μmであった。
実施例11
PTFE水性分散液濃縮品A 300gに、TDS−80 13.0gと純水90.0gを添加して、P.C.53質量%、N.C.がPTFE樹脂固形分の9質量%、(B1)/(B)=0質量%のPTFE水性分散液を得た。得られた水性分散液組成物は、粘度が1.80×10−2Pa・s、クラック限界膜厚は5μmであった。
実施例12
PTFE水性分散液濃縮品A 300gに、TDS−80 19.4gと純水83.6gを添加して、P.C.53質量%、N.C.がPTFE樹脂固形分の12質量%、(B1)/(B)=0質量%のPTFE水性分散液組成物を得た。
得られた水性分散液組成物は、粘度が7.45×10−2Pa・s、クラック限界膜厚が5μmであった。
実施例13
PTFE水性分散液濃縮品A 300gに、TDS−80 6.6g、TDS−120 12.8g及び純水83.6gを添加して、P.C.53質量%、N.C.がPTFE樹脂固形分の12質量%、(B1)/(B)=50質量%のPTFE水性分散液組成物を得た。
得られた水性分散液組成物は、粘度が2.00×10−2Pa・s、クラック限界膜厚が8μmであった。
比較例1
PTFE水性分散液濃縮品C 300gに、TDS−80 7.1g、TDS−120 12.9gと純水86.4gを添加して、P.C.53質量%、N.C.がPTFE樹脂固形分の12質量%、(B1)/(B)=50質量%のPTFE水性分散液組成物を得た。
得られた水性分散液組成物は、粘度が2.00×10−2Pa・s、クラック限界膜厚が29μmであった。
比較例2
PTFE水性分散液濃縮品A 300gに、TDS−80 6.6g、TDS−120 15.0gと純水532.7gを添加して、P.C.25質量%、N.C.がPTFE樹脂固形分の13質量%、(B1)/(B)=54質量%のPTFE水性分散液組成物を得た。
得られた水性分散液組成物は、粘度が0.60×10−2Pa・s、クラック限界膜厚が1μmであった。
比較例3
PTFE水性分散液濃縮品A 300gに、TDS−80 16.6g、TDS−120 5.0gと純水81.4gを添加して、P.C.53質量%、N.C.がPTFE樹脂固形分の13質量%、(B1)/(B)=18質量%のPTFE水性分散液組成物を得た。
得られた水性分散液組成物は、粘度が13.90×10−2Pa・s、クラック限界膜厚が6μmであった。
比較例4
PTFE水性分散液濃縮品A 300gに、TDS−80 6.6g、TDS−120 34.2gと純水62.2gを添加して、P.C.53質量%、N.C.がPTFE樹脂固形分の22質量%、(B1)/(B)=73質量%のPTFE水性分散液組成物を得た。
得られた水性分散液組成物は、粘度が15.05×10−2Pa・s、クラック限界膜厚が5μmであった。
比較例5
PTFE水性分散液濃縮品C 300gに、TDS−80 7.1g、TDS−120 15.1g、アクリル樹脂水性分散体(日本触媒社製、固形分濃度40質量%)16.2g、エチルカルビトール8.1g及び純水60.0gを添加して、P.C.53質量%、N.C.がPTFE樹脂固形分の13質量%、アクリル樹脂がPTFE樹脂固形分の3質量%、エチルカルビトールがアクリル樹脂水性分散体の50質量%、(B1)/(B)=54質量%のPTFE水性分散液組成物を得た。
得られた水性分散液組成物は、粘度が3.05×10−2Pa・s、クラック限界膜厚が41μmであった。
比較例6
PTFE水性分散液濃縮品A 300gに、TDS−80 8.8gと純水94.2gを添加して、P.C.53質量%、N.C.がPTFE樹脂固形分の7質量%、(B1)/(B)=0質量%のPTFE水性分散液を得た。
得られた水性分散液組成物は、粘度が1.55×10−2Pa・s、クラック限界膜厚は2μmであった。
試験例
実施例3から得られたPTFE水性分散液組成物、並びに、比較例1及び比較例5から得られた水性分散液組成物を、アルミ板(20cm×15cm×1.5mm)上に膜厚10〜20μmになるよう塗布し、100℃にて10分間乾燥したのち、380℃にて15分間焼成して得られた被膜を剥がし取り、直読ヘイズメーター(東洋精機製作所製)を用いて膜厚15μmの箇所の全光線透過率とヘイズ値を測定した。
全光線透過率は光の透過する割合を示し、値が大きいほど光透過性に優れることを意味する。
ヘイズ値は透過光のうち拡散した光の割合を示し、値が小さいほど透明性に優れることを意味する。
実施例3、比較例1及び比較例5で得られる被膜の全光線透過率とヘイズ値を表1に示す。
Figure 2006035726
実施例3ではPPVE変性PTFEを用いているのに対し、比較例1及び比較例5ではPTFE単独重合体(Homo系のPTFE)を用いている。変性PTFEからなる樹脂を含む被膜の方が光透過性に優れ、また拡散光の割合が低いために透明性に優れることが分かる。
本発明のPTFE水性分散液組成物は、上述の構成からなるものであるので、厚膜とすることが容易であるにもかかわらずクラックが生じないコーティング用組成物として好適に使用することができる。
本発明のPTFE樹脂フィルムは、上述の構成からなるものであるので、クラック等の欠陥がなく、厚膜とすることが容易である。
本発明のPTFE樹脂含浸体は、上述の構成からなるものであるので、クラック等の欠陥がなく、厚膜の被膜とすることも可能である。
また、本発明のPTFE水性分散液組成物は、変性PTFEからなる樹脂を含む場合、得られる被膜は高い光透過性を有するものである。

Claims (7)

  1. ポリテトラフルオロエチレン樹脂粒子(A)とポリオキシアルキレンアルキルエーテル系化合物(B)とを含むポリテトラフルオロエチレン水性分散液組成物であって、
    前記ポリテトラフルオロエチレン水性分散液組成物は、ポリテトラフルオロエチレン樹脂固形分濃度が前記ポリテトラフルオロエチレン水性分散液組成物の30〜70質量%、25℃における粘度が0.1Pa・s以下であり、
    前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系化合物(B)は、前記ポリテトラフルオロエチレン樹脂固形分100質量部に対して9〜20質量部であり、
    前記ポリテトラフルオロエチレン樹脂粒子(A)を構成するポリテトラフルオロエチレン樹脂は、変性ポリテトラフルオロエチレンからなる樹脂である
    ことを特徴とするポリテトラフルオロエチレン水性分散液組成物。
  2. 更に、造膜改良剤(C)をも含むものである請求項1記載のポリテトラフルオロエチレン水性分散液組成物。
  3. 造膜改良剤(C)は、アクリル樹脂、シリコーン系界面活性剤、380℃での分解残渣が5%以上である非イオン性界面活性剤及び/又は乾燥遅延剤である請求項2記載のポリテトラフルオロエチレン水性分散液組成物。
  4. 造膜改良剤(C)は、ポリテトラフルオロエチレン樹脂固形分100質量部に対して10質量部以下である請求項2又は3記載のポリテトラフルオロエチレン水性分散液組成物。
  5. ポリテトラフルオロエチレン樹脂粒子(A)は、平均粒子径が200〜500nmである請求項1、2、3又は4記載のポリテトラフルオロエチレン水性分散液組成物。
  6. 被塗装物上に請求項1、2、3、4又は5記載のポリテトラフルオロエチレン水性分散液組成物を塗装することにより得られる
    ことを特徴とするポリテトラフルオロエチレン樹脂フィルム。
  7. 被含浸体と、前記被含浸体に請求項1、2、3、4又は5記載のポリテトラフルオロエチレン水性分散液組成物を含浸することにより得られる被膜とを有する
    ことを特徴とするポリテトラフルオロエチレン樹脂含浸体。
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