JP2006117898A - ポリテトラフルオロエチレン水性分散液組成物、ポリテトラフルオロエチレン膜状物及び屋根材 - Google Patents

ポリテトラフルオロエチレン水性分散液組成物、ポリテトラフルオロエチレン膜状物及び屋根材 Download PDF

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Abstract

【課題】 膜状物の材料として好適なポリテトラフルオロエチレン水性分散液組成物、光透過性に優れたポリテトラフルオロエチレン膜状物と上記ポリテトラフルオロエチレン膜状物からなる屋根材を提供する。
【解決手段】 テトラフルオロエチレン単独重合体及び/又は変性ポリテトラフルオロエチレンからなるフルオロポリマー粒子が水性媒体に分散しているポリテトラフルオロエチレン水性分散液組成物であって、
前記ポリテトラフルオロエチレン水性分散液組成物を適用することにより作成し且つ基材を含まないポリテトラフルオロエチレン膜状物について入射光の強度をI、透過光の強度をI、及び、膜状物の厚みを10μmとしたとき下記式(Ia):
α=10/ln(I/I) 式(Ia)
により算出されるαが260以上である
ことを特徴とするポリテトラフルオロエチレン水性分散液組成物。

Description

本発明は、ポリテトラフルオロエチレン水性分散液組成物、ポリテトラフルオロエチレン膜状物及び該ポリテトラフルオロエチレン膜状物からなる屋根材に関する。
ポリテトラフルオロエチレン[PTFE]膜は、耐熱性、耐侯性等に優れていることから、膜構造建築物の屋根材、高周波プリント基板、搬送用ベルト、パッキン等の用途に用いられてきた。
膜構造建築物の屋根材等の用途においては高い光透過性が求められるが、PTFEを用いた膜構造建築物の屋根材が提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。しかしながら、これらの特許文献に記載された技術は、それぞれ、撥水性、親水性を付与するものである。
膜構造建築物の屋根材にPTFEを用いたものとしては、また、PTFE層を光透過性向上のために設けたものが開示されている(例えば、特許文献3参照。)。しかしながら、このPTFE層はガラスビーズを含有することにより光透過性を出そうとするものにすぎず、屋根材全体としては防汚性向上を目的としたものである。
PTFEを用い光透過性を目的とした膜構造建築物の屋根材としては、特定の基材にPTFE等のフッ素樹脂を含浸させるものが提案されている(例えば、特許文献4及び特許文献5参照。)。しかしながら、これらの技術は、基材の空隙にPTFEが充填閉塞しないように特定構造の基材を用いることを本質とするものであり、適用可能な基材の選択の幅がかなり限定される問題がある。
特開平7−290660号公報 特開平10−193528号公報 特開平9−207289号公報 特開平4−300363号公報 特開平9−256277号公報
本発明の目的は、上記現状に鑑み、膜状物の材料として好適なポリテトラフルオロエチレン水性分散液組成物、光透過性に優れたポリテトラフルオロエチレン膜状物と上記ポリテトラフルオロエチレン膜状物からなる屋根材を提供することにある。
本発明は、テトラフルオロエチレン単独重合体及び/又は変性ポリテトラフルオロエチレンからなるフルオロポリマー粒子が水性媒体に分散しているポリテトラフルオロエチレン水性分散液組成物であって、上記ポリテトラフルオロエチレン水性分散液組成物を適用することにより作成し且つ基材を含まないポリテトラフルオロエチレン膜状物について入射光の強度をI、透過光の強度をI、及び、膜状物の厚みを10μmとしたとき下記式(Ia):
α=10/ln(I/I) 式(Ia)
により算出されるαが260以上であることを特徴とするポリテトラフルオロエチレン水性分散液組成物である。
本発明は、被含浸体と、上記被含浸体に上記ポリテトラフルオロエチレン水性分散液組成物を含浸することにより得られる被膜とを有することを特徴とするポリテトラフルオロエチレン膜状物である。
本発明は、テトラフルオロエチレンと共単量体とを重合して得られる変性ポリテトラフルオロエチレンからなるポリテトラフルオロエチレン膜状物であって、上記共単量体に由来する共単量体単位は、上記変性ポリテトラフルオロエチレンの0.05質量%以上であることを特徴とするポリテトラフルオロエチレン膜状物である。
本発明は、膜構造建築物における屋根材であって、上記屋根材は、上記ポリテトラフルオロエチレン膜状物からなることを特徴とする屋根材である。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明のポリテトラフルオロエチレン〔PTFE〕水性分散液組成物は、テトラフルオロエチレン単独重合体及び/又は変性ポリテトラフルオロエチレンからなるフルオロポリマー粒子が水性媒体に分散しているポリテトラフルオロエチレン水性分散液組成物であって、該ポリテトラフルオロエチレン水性分散液組成物を適用することにより作成するポリテトラフルオロエチレン〔PTFE〕膜状物について後述の特徴を有するものである。
上記PTFE水性分散液組成物については、後述する。
上記「PTFE膜状物について後述の特徴」としては、本発明のPTFE水性分散液組成物が後述のPTFE膜状物(1)を形成し得ることであってもよいが、本発明のPTFE水性分散液組成物が後述のPTFE膜状物(2)を形成し得ることが好ましい。本発明のPTFE水性分散液組成物は、PTFE膜状物(1)の特徴を有し且つPTFE膜状物(2)の特徴をも有する膜状物を形成し得るものであってもよい。上記PTFE水性分散液組成物が形成し得るPTFE膜状物(2)としては、なかでも、後述のPTFE膜状物(2a)が好ましい。
ポリテトラフルオロエチレン膜状物もまた、本発明の一つである。
本発明のポリテトラフルオロエチレン膜状物は、後述のフルオロポリマーからなる膜状物である。本明細書において、「膜状物」は、一般に膜状と観念されるものであればよいが、通常、厚みが5〜3000μmである平板状体である。
本明細書において、「ポリテトラフルオロエチレン膜状物」なる用語は、その一部に便宜上「ポリテトラフルオロエチレン」なる用語を用いるが、本発明のポリテトラフルオロエチレン膜状物を構成するフルオロポリマーは、テトラフルオロエチレン〔TFE〕単独重合体に限定されるものではなく、TFEと共単量体とを重合して得られる変性ポリテトラフルオロエチレン〔変性PTFE〕であってもよい。
本発明のポリテトラフルオロエチレン膜状物を構成するフルオロポリマーは、得られるPTFE膜状物が光透過性に優れる点で、TFEと共単量体とを重合して得られる変性PTFEであることが好ましい。
上記変性PTFEは、TFEの他に、1種又は2種以上の共単量体を重合してなるものであってもよい。
上記変性PTFEにおける共単量体としては、TFEと共重合可能な含フッ素化合物であれば特に限定されず、例えば、ヘキサフルオロプロピレン〔HFP〕、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)〔PAVE〕、クロロトリフルオロエチレン〔CTFE〕、ビニリデンフルオライド〔VdF〕等が挙げられる。
上記PAVEとしては、例えば、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)[PMVE]、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)[PEVE]、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)[PPVE]等が挙げられるが、なかでも、PMVE及び/又はPPVEが好ましい。
上記共単量体としては、得られる被膜の光透過性に優れる点で、PAVE及び/又はHFPが好ましく、PAVEがより好ましい。
上記変性PTFEは、上記共単量体に由来する共単量体単位が該変性PTFEの0.05質量%以上であることが好ましい。
上記変性PTFEにおける上記共単量体単位が該変性PTFEの0.05質量%未満であると、得られるPTFE膜状物の光透過性に劣る場合がある。上記変性PTFEにおける共単量体単位は、また、上記範囲内であれば、該変性PTFEの1.0質量%以下であってもよい。
上記変性PTFEにおける上記共単量体単位は、PTFE膜状物の光透過性に優れる点で、より好ましい下限は該変性PTFEの0.1質量%であり、耐熱性、耐薬品性等のPTFEとしての性質を維持したPTFE膜状物を得る点で、該変性PTFEの0.5質量%以下にすることが好ましい。
本明細書において、上記「共単量体単位」は、変性PTFEの分子構造上の一部分であって、共単量体に由来する部分を意味する。例えば、共単量体がPPVEである場合、共単量体単位は、変性PTFEの分子構造上、PPVEに由来し、−[CF−CF(−O−C)]−で表される部分である。
本明細書において、上記共単量体単位は、PTFE水性分散体を凝析、洗浄、乾燥して得られたPTFEパウダーを用いて、赤外吸収スペクトル測定を行って得られた値、又は、ガスクロマトグラフにより反応系内における残存量を測定し、仕込量との関係から消費量を算出することにより得た値である。
本明細書において、「PTFE膜状物を構成するフルオロポリマー」又はこれと同趣旨で用いる「フルオロポリマー」は、TFE単独重合体と変性PTFEとを総称したものである。
上記フルオロポリマーの調製方法については、後述する。
本発明のPTFE膜状物は、(A)基材と上記フルオロポリマーとからなる膜状物であってもよいし、(B)上記フルオロポリマーのみからなる膜状物であってもよく、用途に応じて上記(A)及び(B)から適宜選択することができる。
本明細書において、「(B)上記フルオロポリマーのみからなる膜状物」は、上記のとおり、「(A)基材と上記フルオロポリマーとからなる膜状物」と対比をなす概念であり、基材を含まないものであることを意味する。上記「(B)上記フルオロポリマーのみからなる膜状物」は、フルオロポリマーに加え、後述の界面活性剤、造膜改良剤等の添加剤をも含むものであってもよい。
本明細書において、「基材を含まないポリテトラフルオロエチレン〔PTFE〕膜状物」とは、上記「(A)基材と上記フルオロポリマーとからなる膜状物」ではなく、上記「(B)上記フルオロポリマーのみからなる膜状物」、即ち、フルオロポリマーからなり、所望により更に後述の界面活性剤、造膜改良剤等の添加剤をも含むものであってもよいPTFE膜状物を意味する。
本発明のPTFE膜状物は、TFEと上記共単量体とを重合して得られる変性PTFEからなるPTFE膜状物であって、上記共単量体に由来する共単量体単位が上記変性PTFEの0.05質量%以上であるもの(以下、本明細書において「PTFE膜状物(1)」ということがある。)である。
本発明のPTFE膜状物(1)は、光透過性に優れており、例えば、上述の式(I)により算出されるαが185以上、であるものとすることも容易である。
上記PTFE膜状物(1)において、上記共単量体は、得られる被膜の光透過性に優れる点で、PAVE及び/又はHFPが好ましく、PAVEがより好ましい。
入射光の強度をI、透過光の強度をI、及び、膜状物の厚みをdμmとしたとき上述の式(I)により算出されるαが185以上であるPTFE膜状物もまた、本発明の一つ(以下、本明細書において「PTFE膜状物(2)」ということがある。)である。
上述の式(I)において、α値が高いほど、光透過性に優れていることが示される。
本発明のPTFE膜状物は、α値が上記範囲内の値を示すとおり、光透過性が高い。
本明細書において、上記α値は、特定の膜厚(d値)を有するPTFE膜状物について直読ヘイズメーター(東洋精機製作所製)を用いて測定した際に得られるI値及びI値に基づき上述の式(I)から算出したものである。
本発明のPTFE膜状物(2)は、上述のフルオロポリマー、即ち、TFE単独重合体及び/又は変性PTFEからなり且つ上記範囲内のα値を有する膜状物であれば特に限定されないが、光透過性に優れる点で、該PTFE膜状物(2)を構成するフルオロポリマーは、上記変性PTFEであることが好ましい。
上記PTFE膜状物(2)を構成するフルオロポリマーとしての変性PTFEにおける共単量体は、上述のとおり、PAVE及び/又はHFPであることが好ましく、該共単量体に由来する共単量体単位は、上記変性PTFEの0.05質量%以上であることが好ましい。
本明細書において、(1)、(2)又は後述の(2a)を付すことなく単に「PTFE膜状物」と表す用語は、上述のPTFE膜状物(1)とPTFE膜状物(2)(後述のPTFE膜状物(2a)を含む。)とを区別することなく両者を含む概念を表す。
上述の式(I)により算出されるα値は、本発明のPTFE膜状物が上述(A)の基材を含む膜状物である場合、187以上であることが好ましい。
本発明のPTFE膜状物が上記(A)の基材を含む膜状物である場合、上記α値は、上記範囲内であれば、例えば、500以下であってもよい。
上記α値は、本発明のPTFE膜状物が(B)上記フルオロポリマーのみからなる膜状物である場合、260以上であることが好ましく、300以上とすることも可能である。
本発明のPTFE膜状物が(B)上記フルオロポリマーのみからなる膜状物である場合、上記α値のより好ましい下限は330である。本発明のPTFE膜状物が(B)上記フルオロポリマーのみからなる膜状物である場合、上記α値は、上記範囲内であれば、例えば600以下であっても充分な光透過性を示すことができる。
本発明のPTFE膜状物は、上述の「基材を含まないポリテトラフルオロエチレン膜状物」である場合、上述の式(I)における膜状物の厚みdμmを10μmとしたとき、即ち、入射光の強度をI、透過光の強度をI、及び、膜状物の厚みを10μmとしたとき下記式(Ia):
α=10/ln(I/I) 式(Ia)
により算出されるαが260以上であるもの(本明細書において、「PTFE膜状物(2a)」ということがある。)がより好ましい。
上記PTFE膜状物(2a)についての上記式(Ia)により算出されるαとしては、更に好ましくは280以上、特に好ましくは300以上、最も好ましくは330以上であり、これらの範囲内であれば、例えば600以下であっても充分な光透過性を示すことができる。
本発明のPTFE膜状物は、表面平滑性に優れており、例えば、中心線平均粗さを2.5μm以下とすることも可能である。
上記中心線平均粗さは、2.3μm以下であることが好ましく、2.1μm以下であることがより好ましく、上記範囲内であれば、0.7μm以上であってもよい。
上記中心線平均粗さは、本発明のPTFE膜状物が、上述の(B)上記フルオロポリマーのみからなる膜状物、好ましくは後述のキャストフィルムである場合、より小さくすることができ、例えば、1.3μm以下とすることも可能である。上記中心線平均粗さは、本発明のPTFE膜状物が後述のキャストフィルムである場合、1.10μm以下であることが好ましく、上記範囲内であれば、0.8μm以上であってもよい。
本明細書において、上記中心線平均粗さは、厚さdμmのPTFE膜状物について、表面粗さ形状測定機(商品名:サーフコム470A、東京精密社製)を用いて測定し、得られる値である。
本発明のPTFE膜状物は、例えば、PTFE水性分散体又はPTFE水性分散液組成物を適用することにより作成することができる。
上記PTFE水性分散体は、上述の本発明におけるフルオロポリマーが水性媒体に分散してなるものであって、重合上がりの水性分散体である。
本明細書において、上記「重合上がりの水性分散体」は、フルオロポリマーの重合直後の水性分散液であって、重合後に濃縮、希釈等の後処理を行っていないものをいう。また、本明細書において、該重合後に濃縮操作のみを行った水性分散体を「PTFE水性分散体濃縮品」ということがある。
上記PTFE水性分散液組成物は、PTFE水性分散体に、必要に応じて濃縮、希釈等を行い、更に添加剤等を添加して得られるものである。従って、上記PTFE水性分散液組成物は、フルオロポリマー粒子が水性媒体に分散しているものである。上記PTFE水性分散液組成物を適用することにより作成したPTFE膜状物において、上記フルオロポリマー粒子を構成するフルオロポリマーが、上述の「PTFE膜状物を構成するフルオロポリマー」となる。上記フルオロポリマー粒子を構成するフルオロポリマーは、上述のとおり、TFE単独重合体及び/又は変性PTFEである。
上記PTFE水性分散液組成物のうち、上述の本発明のPTFE水性分散液組成物は、上記PTFE膜状物の作成にのみ適用するものではないが、これを適用することにより作成し且つ基材を含まないPTFE膜状物について、上述した式(Ia)におけるαが260以上であるという特徴を有するものである。
本明細書において、上記「適用」とは、塗装、含浸、キャスト製膜等、PTFE樹脂からなる膜状物を形成するための公知の操作を意味する。
本発明のPTFE膜状物を構成するフルオロポリマーは、通常、水性媒体中にてTFEを重合することにより得ることができ、該TFEの重合は、得られるPTFE膜状物の光透過性向上の点で、上述の共単量体を併存させて行うことが好ましい。
上記水性媒体としては、例えば、水、水と公知の水溶性溶媒との混合液等が挙げられるが、水であることが好ましい。
本明細書において、上記水性媒体の質量は、後述の重合開始剤又はその他の添加剤の何れの質量をも含まないものである。上記水溶性溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等の水溶性アルコール等が挙げられる。
上記重合は、公知の重合開始剤、界面活性剤、その他の添加剤等を適宜添加して行うことができる。
上記重合の方法としては、特に限定されず、例えば、乳化重合、懸濁重合等が挙げられるが、乳化重合が好ましい。
上記重合は、重合圧力、重合温度等の条件を、目的とするフルオロポリマーの組成、製造量等に応じて適宜設定することができる。
上記PTFE水性分散液組成物は、例えば、上記PTFE水性分散体を攪拌しながら、界面活性剤、並びに、必要に応じ、造膜改良剤等の添加剤を添加し、混合することにより調製することができる。
上記攪拌、添加及び混合の各操作の条件は、使用するフルオロポリマー、界面活性剤等の種類、量等に応じて適宜設定することができるが、5〜40℃の温度にて行うことが好ましい。
上記PTFE水性分散液組成物を調製する際に添加する界面活性剤は、フルオロポリマーを重合する際に添加したものと同一種類であってもよいし、異なる種類であってもよい。
上記界面活性剤としては、特に限定されないが、公知の非イオン性界面活性剤又は炭化水素系界面活性剤が好ましく、下記一般式(I):
R−O−A−H (I)
(式中、Rは、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数8〜19、好ましくは10〜16のアルキル基;Aは、炭素数8〜58のポリオキシアルキレン鎖)
で表されるポリオキシアルキレンアルキルエーテルからなるもの、下記一般式(II):
−C−O−A−H (ii)
(式中、Rは、炭素数4〜12の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基であり、Aは、炭素数8〜58のポリオキシアルキレン鎖である。)により表されるポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルからなるもの等がより好ましい。
上記PTFE水性分散液組成物は、重合後に添加した上記界面活性剤を1種又は2種以上含むものであってもよい。
上記PTFE水性分散液組成物における界面活性剤は、フルオロポリマーの重合時に添加したものと重合後にPTFE水性分散液組成物を調製する際に添加したものとの合計質量で、造膜性の点で、PTFE固形分100質量部に対して5質量部を超えることが好ましく、得られるPTFE膜状物の物性の点で、20質量部以下であることが好ましい。
上記界面活性剤の合計質量のPTFE固形分100質量部に対する含有量は、好ましい下限が6質量部、好ましい上限が16質量部である。
本明細書において、上記界面活性剤の量は、後述するフルオロポリマー固形分濃度と、PTFE水性分散液組成物を調製する際に配合する量(PTFE水性分散体調製時の配合量も含む)とから、フルオロポリマーの質量%として求めることもできるし、また、PTFE水性分散液組成物10gを100℃の温度にて60分間乾燥して得られた残渣をヘキサンで抽出し、その後ヘキサンを揮散させて得られた残渣の質量を、該乾燥前のフルオロポリマーの質量に占める割合の百分率として求めることもできる。
上記PTFE水性分散液組成物は、上述のPTFE水性分散体、界面活性剤に加え、本発明におけるフルオロポリマーの性質を損なわない範囲で、造膜改良剤等の添加剤を適宜添加するものであってもよい。
上記「造膜改良剤」は、これを配合することにより、配合しないものに比べ、造膜性を向上し得るものであればよい。
上記造膜改良剤としては特に限定されないが、アクリル樹脂、シリコーン系界面活性剤、380℃での分解残渣が5%以上である非イオン性界面活性剤及び/又は乾燥遅延剤であることが好ましい。
上記添加剤としては、造膜改良剤に加え、例えば、顔料、充填剤、消泡剤、乾燥剤、増粘剤、レベリング剤、ハジキ防止剤、安定化剤等が挙げられる。
上記PTFE水性分散液組成物において、上記フルオロポリマーは、造膜性及び分散安定性の点で、上記PTFE水性分散液組成物の30〜70質量%であることが好ましい。
上記フルオロポリマーの含有量は、造膜性の点で、上記PTFE水性分散液組成物の40質量%以上であることが好ましく、分散安定性の点で、好ましい上限が上記PTFE水性分散液組成物の65質量%である。
本明細書において、上記「造膜性」とは、上記PTFE水性分散液組成物の適用時に生じ得るクラックの発生を少なくして被膜を形成することができる性質を意味する。
本明細書において、上記PTFE水性分散液組成物におけるフルオロポリマーの含有量は、PTFE水性分散液組成物10gを380℃の温度にて45分間乾燥して得られた残渣の質量と、該乾燥前の上記PTFE水性分散液組成物の質量に占める割合として求めた値である。
上記PTFE水性分散液組成物において、フルオロポリマー粒子は、平均粒子径が200〜500nmであるものが好ましい。上記平均粒子径のより好ましい下限は300nmであり、より好ましい上限は400nmである。200nm以上であると、クラック限界膜厚が飛躍的に高まり、造膜性に優れ、表面平滑性に優れたPTFE膜状物を得やすいが、500nmを超えると、粒子が沈降しやすくなり、水性分散液組成物の安定性が低下する。
本明細書において、上記平均粒子径は、固形分濃度0.22質量%に調整したPTFE水性分散体の単位長さに対する550nmの投射光の透過率と、透過型電子顕微鏡写真における定方向径を測定して決定された平均粒径との検量線をもとにして、上記透過率から決定した値である。
上記PTFE水性分散液組成物は、繊維化度が、2.5%以下であることが好ましく、2.3%以下であることがより好ましい。上記繊維化度は、上記範囲内であれば、2.0%以上であってもよい。
上記PTFE水性分散液組成物は、上記範囲内の繊維化度を有する場合、特に含浸時に凝集しにくく、本発明のPTFE膜状物を製造する際の操作性に優れ、表面平滑性に優れたPTFE膜状物を得やすい。
また、上記PTFE水性分散液組成物は、フルオロポリマーが変性PTFEである場合、容易に上記範囲内の上記繊維化度に調整することがきる。
本明細書において、上記繊維化度は、100mLのPTFE水性分散液組成物を、25℃の雰囲気で200mL/分の速度で2時間、高強度シリコーンチューブを装着した定量送液ポンプを循環させた際に濾過して得られる繊維化凝集物に関する該PTFE水性分散液組成物中のフルオロポリマーに対する質量割合を意味する。
本発明において、上記PTFE水性分散体又は上記PTFE水性分散液組成物を適用する手段は特に限定されず、含浸、塗装、キャスト製膜等の公知の成形方法が挙げられる。
上記手段は、本発明のPTFE膜状物が、上述の(A)基材と上記フルオロポリマーとからなる膜状物であるか、(B)上記フルオロポリマーのみからなる膜状物であるかに応じて、適宜選択することができる。
本発明のPTFE膜状物は、上述の(A)の膜状物である場合、
(A1)被含浸体と、該被含浸体にPTFE水性分散液組成物を含浸することにより得られる被膜とを有する膜状物(本明細書において、「PTFE含浸体」ということがある。)、又は、
(A2)被塗装物と、該被塗装物上にPTFE水性分散液組成物を塗装することにより得られる被膜とを有する積層体(本明細書において、「PTFE積層体」ということがある。)等が挙げられる。
本発明のPTFE膜状物としては、容易に加工することができる点で、(A1)PTFE含浸体であることが好ましい。
上記(A1)PTFE含浸体における被含浸体としては、特に限定されず、例えば、ガラス繊維、ビニル繊維、カーボン繊維、ケブラー繊維等が挙げられる。
上記(A1)PTFE含浸体におけるPTFE水性分散液組成物としては、上述したものが挙げられる。
上記(A1)PTFE含浸体の厚みとしては、50〜3000μmが好ましく、より好ましい下限は100μm、より好ましい上限は2000μmである。
上記(A1)PTFE含浸体は、例えば、膜構造建築物の屋根材(テント膜)、搬送用ベルト、高周波プリント基板、パッキン等に好適に用いることができる。
上記(A2)PTFE積層体における被塗装物の材料としては、特に限定されず、例えば、上記フルオロポリマー以外の含フッ素ポリマーからなるフッ素樹脂、フッ素非含有耐熱性樹脂、ガラス等が挙げられる。
上記(A2)PTFE積層体におけるPTFE水性分散液組成物としては、上述したものが挙げられる。
上記(A2)PTFE積層体の厚みとしては、5〜1000μmが好ましく、より好ましい下限は10μm、より好ましい上限は500μmである。
上記(A2)PTFE積層体は、薄層であっても機械的強度に優れたPTFE膜状物とすることができ、例えば、シール材等の各種工業製品の部材等に好適に用いることができる。
本発明のPTFE膜状物は、上述(B)の膜状物である場合、キャストフィルムであることが好ましい。
上記キャストフィルムは、常法により作製することができ、通常、基材上にPTFE水性分散液組成物を塗布し乾燥することにより得られる被膜を、必要に応じて焼成したのち、該基材から剥離することにより得られるフィルムである。上記基材からの剥離は、例えば、PTFE水性分散液組成物を塗布し乾燥したのち、得られる被膜と基材とから構成される積層体を水中に投じることにより、簡便に行うことができる。
上記キャストフィルムを作製する際に用いる基材としては特に限定されず、例えば、上述の被塗装物等が挙げられるが、キャストフィルム作製時に焼成を行わない場合、上述の被塗装物の他にも、一般に耐熱性がないとされる材料からなるもの、例えば、ポリイミド、ポリエチレン[PE]等の汎用樹脂からなる成形板等をも用いることができる。
上記キャストフィルムを作製する際に用いる基材としては、また、キャストフィルム作製工程の後段において剥離除去しキャストフィルムを構成するものではないので、光透過性は要求されず、例えば、アルミ材等の金属、シリコン等の非金属無機物質等であってもよい。
上記キャストフィルムの厚みとしては、5〜200μmが好ましく、より好ましい下限は10μm、より好ましい上限は100μmである。
上記キャストフィルムは、例えば、コンデンサ等の絶縁フィルム等に好適に用いることができる。
本発明の屋根材は、膜構造建築物における屋根材であって、上記屋根材は、上述の本発明のPTFE膜状物からなることを特徴とするものである。
本発明の屋根材におけるPTFE膜状物としては、上述の(A)の基材を含む膜状物が好ましい。
本発明の屋根材におけるPTFE膜状物に用いる基材としては特に限定されず、例えば、繊維、該繊維からなる織布又は不織布等が好ましい。
上記繊維としては、例えば、ガラス繊維、ビニル繊維、カーボン繊維、ケブラー繊維等が好ましい。
上記繊維は、後述する各種コーティング材を被覆した加工繊維であってもよい。
本発明の屋根材は、通常、厚さ100〜3000μmであるものである。
本発明の屋根材の厚さは、好ましい下限が150μmであり、好ましい上限が2000μmである。
本発明の屋根材における上記PTFE膜状物としては、上述の(A1)PTFE含浸体であることが好ましい。
本発明の屋根材における上記PTFE膜状物は、上述の(A1)PTFE含浸体に関して説明したPTFE水性分散液組成物から作成したものが好ましい。
本発明の屋根材における上記PTFE膜状物は、厚さ100〜3000μmであることが好ましい。
本発明の屋根材における上記PTFE膜状物は、厚さ150μm以上であることがより好ましく、また、厚さ2000μm以下であることがより好ましい。
本発明の屋根材は、例えば、PTFE水性分散液組成物を上述の被浸含体に含浸して上述の(A1)PTFE含浸体を形成することにより作成することができる。
上記作成において、PTFE水性分散液組成物に含浸する前に、予め各種コーティング材を上記繊維に適用して、着色、補強等することができる。
上記コーティング材としては、例えば、各種公知の塗料、熱可塑性樹脂等が挙げられる。
本発明の屋根材におけるPTFE膜状物は、例えば防汚性、撥水性等を向上するために、上述のフルオロポリマー以外のフッ素樹脂からなるコーティング層を有するものであってもよい。
本発明の屋根材は、PTFE膜状物のみからなるものであってもよいし、PTFE膜状物と、屋根構造形成のための構造材とからなるものであってもよい。
本発明のPTFE水性分散液組成物は、上述の構成からなるものであるので、光透過性及び表面平滑性に優れた膜状物等の材料として好適に使用することができる。本発明のPTFE膜状物及び本発明の屋根材は、上述の構成からなるものであるので、光透過性に優れている上に、製造、加工を行いやすく、更に、表面平滑性に優れたものとすることも容易である。
本発明を実験例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例及び比較例により限定されるものではない。
各実験例及び比較例で行った測定は、以下の方法により行った。
(1)パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)[PPVE]共単量体単位量
PTFE水性分散体を凝析、洗浄、乾燥して得られたPTFEパウダーを用いて、フーリエ変換型赤外分光光度計1760X(パーキンエルマー社製)を用いて赤外吸収スペクトルバンドの995cm−1の吸光度と2360cm−1の吸光度との比に0.95を乗じて得られる値をPPVE共単量体単位量とした。
(2)平均粒径
PTFE固形分濃度を0.22質量%に調整したPTFE水性分散体の単位長さに対する550nmの投射光の透過率と、透過型電子顕微鏡写真における定方向径を測定して決定された平均粒径との検量線をもとにして、上記透過率から決定した。
(3)フルオロポリマー固形分濃度
PTFE水性分散体、PTFE水性分散体濃縮品又はPTFE水性分散液組成物10gを380℃の温度にて45分間乾燥して得られた残渣の質量と、該乾燥前の上記PTFE水性分散体等の質量に占める割合の百分率として求めた。
(4)界面活性剤濃度
上記(3)により求めたフルオロポリマー固形分濃度と、PTFE水性分散液組成物を調製する際に配合する量(PTFE水性分散体調製時の配合量も含む)とから、フルオロポリマーの質量%として求めた。
(5)光透過性αの評価
厚さdμmのPTFE膜状物について、直読ヘイズメーター(東洋精機製作所製)を用いて、入射光強度(I)及び透過光強度(I)を測定し、下記式(I)により評価した。
α=d/ln(I/I) 式(I)
入射光強度:I、透過光強度:I、膜状物の厚み:d(μm)
(6)中心線平均粗さ(表面平滑性)の評価
厚さdμmのPTFE膜状物について、表面粗さ形状測定機(商品名:サーフコム470A、東京精密社製)を用いて測定した。
(7)繊維化度の評価
外径7.9mm、内径4.8mmの高強度シリコーンチューブを装着した定量送液ポンプを用い、25℃の雰囲気で100mLのPTFE水性分散液組成物を200mL/分の速度で2時間循環させた。終了後に200メッシュのステンレス製金網で濾過して得られた繊維化凝集物を、流水で約5分間洗浄し、100℃で2時間乾燥させた後の質量を測定し、100mLのPTFE水性分散液組成物中のフルオロポリマー質量(以下、「PTFE固形分」とも言う。)に対する割合として評価した。
実施例1
乳化重合により平均粒径313nm、フルオロポリマー濃度[P.C.]31.7%、PPVE単位量がPTFE固形分の0.12質量%であるPTFE水性分散体を得た。
得られたPTFE水性分散体を、界面活性剤として非イオン性界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル、商品名TDS−80C、第一工業製薬社製)を用いて濃縮し、P.C.71.6質量%、界面活性剤濃度[N.C.]がPTFE固形分の3.1質量%であるPTFE水性分散液濃縮品を調製した。
このPTFE水性分散液濃縮品に界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル、商品名TDS−120、第一工業製薬社製)と純水を添加して、P.C.53質量%、N.C.がPTFE固形分の13質量%であるPTFE水性分散液組成物を得た。
このPTFE水性分散液組成物について、繊維化度を評価し、また、下記方法にてガラス繊維含浸品とキャストフィルムを製造し、光透過性及び中心線平均粗さ(表面平滑性)を評価した。
(1)ガラス繊維含浸膜の製造
平織(糸密度:縦60(本/25mm)、横46(本/25mm))で、厚さ50μm、ヒートクリーニング済みのガラス繊維を、PTFE水性分散液組成物に浸漬して該組成物を10秒間含浸させ、約100℃で乾燥し、約380℃で3分間焼成したのち、常温下(20〜25℃)で放置することにより冷却した。この操作を合計3回繰返して、フルオロポリマー樹脂含量約60〜65%の膜状物を得た。更に、もう1回この操作を行い、フルオロポリマー樹脂量約70〜75%であり、厚さ80μm又は95μmのPTFE膜状物からなるガラス繊維含浸膜を得た。
(2)キャストフィルムの製造
20cm×10cm×1.5mmのアルミ板上にPTFE水性分散液組成物5mLを滴下し、コーティングアプリケーター(安田精機社製)を用いて、膜厚が0μmを超え、30μm以下の間で連続的に変化するよう1回塗布し、100℃で10分間乾燥した後に380℃で15分間焼成したのち、常温下で放置することにより冷却した。この被膜をアルミ板から剥がし取り、キャストフィルムを得た。クラックがない厚さ8μm及び10μmの箇所において、光透過性及び中心線平均粗さを測定した。
比較例1
乳化重合により平均粒径322nm、P.C.30.3%のPTFE水性分散体(TFE単独重合体)を得た。得られたPTFE水性分散体を、TDS−80Cを用いて濃縮し、P.C.71.1質量%、N.C.がPTFE固形分の2.9質量%であるPTFE水性分散液濃縮品を調製した。このPTFE水性分散液濃縮品にTDS−120と純水を添加して、P.C.53質量%、N.C.がPTFE固形分の13質量%であるPTFE水性分散液組成物を得た。
このPTFE水性分散液組成物について、繊維化度を評価し、また、実施例1と同じ方法にてガラス繊維含浸品とキャストフィルムを製造し、光透過性及び中心線平均粗さを評価した。
Figure 2006117898
実施例1のガラス繊維含浸品及びキャストフィルムは、比較例1から得られたものと同じ厚さを有するにもかかわらず、光透過性が高く、比較例1より表面平滑性が良かった。
また、実施例1にて用いたPTFE水性分散液組成物は、比較例1に用いたPTFE水性分散液組成物と同じ濃度であるにもかかわらず、比較例1より繊維化度が低く、含浸加工時に凝集しにくいことが分かった。
本発明のPTFE水性分散液組成物は、上述の構成からなるものであるので、光透過性及び表面平滑性に優れた膜状物等の材料として好適に使用することができる。
本発明のPTFE膜状物は、上述の構成からなるものであるので、光透過性に優れている上に、製造、加工を行いやすく、更に、表面平滑性に優れた膜構造建築物における屋根材等に好適に使用することができる。
本発明の屋根材は、上述の構成からなるものであるので、光透過性に優れて、また表面が平滑である。

Claims (9)

  1. テトラフルオロエチレン単独重合体及び/又は変性ポリテトラフルオロエチレンからなるフルオロポリマー粒子が水性媒体に分散しているポリテトラフルオロエチレン水性分散液組成物であって、
    前記ポリテトラフルオロエチレン水性分散液組成物を適用することにより作成し且つ基材を含まないポリテトラフルオロエチレン膜状物について入射光の強度をI、透過光の強度をI、及び、膜状物の厚みを10μmとしたとき下記式(Ia):
    α=10/ln(I/I) 式(Ia)
    により算出されるαが260以上である
    ことを特徴とするポリテトラフルオロエチレン水性分散液組成物。
  2. ポリテトラフルオロエチレン粒子を構成するフルオロポリマーは、テトラフルオロエチレンと共単量体とを重合して得られる変性ポリテトラフルオロエチレンである請求項1記載のポリテトラフルオロエチレン水性分散液組成物。
  3. 共単量体は、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)及び/又はヘキサフルオロプロピレンである請求項2記載のポリテトラフルオロエチレン水性分散液組成物。
  4. 共単量体に由来する共単量体単位は、変性ポリテトラフルオロエチレンの0.05質量%以上である請求項2又は3記載のポリテトラフルオロエチレン水性分散液組成物。
  5. 被含浸体と、前記被含浸体に請求項1、2、3又は4記載のポリテトラフルオロエチレン水性分散液組成物を含浸することにより得られる被膜とを有する
    ことを特徴とするポリテトラフルオロエチレン膜状物。
  6. テトラフルオロエチレンと共単量体とを重合して得られる変性ポリテトラフルオロエチレンからなるポリテトラフルオロエチレン膜状物であって、
    前記共単量体に由来する共単量体単位は、前記変性ポリテトラフルオロエチレンの0.05質量%以上である
    ことを特徴とするポリテトラフルオロエチレン膜状物。
  7. 共単量体は、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)及び/又はヘキサフルオロプロピレンである請求項6記載のポリテトラフルオロエチレン膜状物。
  8. テトラフルオロエチレンと共単量体とを重合して得られる変性ポリテトラフルオロエチレンと、更に、被含浸体とからなるものである請求項6又は7記載のポリテトラフルオロエチレン膜状物。
  9. 膜構造建築物における屋根材であって、
    前記屋根材は、請求項5、6、7又は8記載のポリテトラフルオロエチレン膜状物からなる
    ことを特徴とする屋根材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2015012237A1 (ja) * 2013-07-26 2015-01-29 旭硝子株式会社 繊維強化樹脂シートおよびその製造方法
JP2022132529A (ja) * 2017-03-31 2022-09-08 ダイキン工業株式会社 フルオロポリマーの製造方法、重合用界面活性剤及び界面活性剤の使用

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