JP2006175732A - プリント配線板用シート材、プリント配線板用積層板、多層プリント配線板用積層板 - Google Patents

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Abstract

【課題】 フッ素系樹脂の不足分を補うための他の部材を用いる必要がなくなって、部材や製造工程の増加に伴う製造コストの増大を抑えることができ、また、プリント配線板の絶縁層に亀裂が発生しにくくなって、プリント配線板の絶縁性能の低下及び製造コストの増大を抑えることができるプリント配線板用シート材を提供する。
【解決手段】 フッ素系樹脂をエーテル型界面活性剤により水に分散させて得られる樹脂エマルジョンワニス1を基材2に含浸したプリント配線板用シート材に関する。エーテル型界面活性剤として骨格にベンゼン環を含まないものを用いる。水中で形成したミセル同士の分子間力が強くなって凝集しやすくなって、この凝集力の増強により必要量のフッ素系樹脂を基材に充分に含浸させることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、プリント配線板を製造する際に用いられるプリント配線板用シート材及びこれを用いて製造されるプリント配線板用積層板並びにプリント配線板用シート材とプリント配線板用積層板とを用いて製造される多層プリント配線板用積層板に関するものである。
従来より、プリント配線板の絶縁層にフッ素系樹脂を含有させることが行なわれている(例えば、特許文献1参照)。このようなプリント配線板の絶縁層の誘電率は絶縁層に含有されている基材とフッ素系樹脂との割合に影響されるものであり、一般的に絶縁層はフッ素系樹脂の含有割合が多いと低誘電率となって絶縁性能に優れたものとなるものである。
そこで、従来から絶縁性能に優れるプリント配線板を製造するために、フッ素系樹脂を基材に含浸させたプリント配線板用シート材を作製し、このシート材を積層成形するようにしているが、フッ素系樹脂を基材に塗布するなどしても充分な必要量を基材に含有(含浸)させることができなかった。従って、不足分のフッ素系樹脂を補うために、上記プリント配線板用シート材の他にフッ素系樹脂フィルムなどを併用していたが、プリント配線板用シート材の他にフッ素系樹脂フィルムを準備したり重ね合せたりして積層成形しなければならず、部材や製造工程の増加に伴って製造コストの増大につながるという問題があった。また、基材へのフッ素系樹脂の含有量を増加させるために、基材へのフッ素系樹脂の塗布と乾燥とを複数回繰り返したり、フッ素系樹脂ワニスに増粘剤を添加して基材へのフッ素系樹脂の付着量を増加させたりすることも行なわれているが、フッ素系樹脂が硬化することにより得られる絶縁層に亀裂が発生するなどの不具合が生じてプリント配線板の絶縁性能が低下する恐れがあった。そこで、積層成形の際などの製造条件の管理を非常に厳しくしているが、これも製造コストの増大を招く原因となっていた。
特開2000−22291号公報
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、フッ素系樹脂の不足分を補うための他の部材を用いる必要がなくなって、部材や製造工程の増加に伴う製造コストの増大を抑えることができ、また、プリント配線板の絶縁層に亀裂が発生しにくくなって、プリント配線板の絶縁性能の低下及び製造コストの増大を抑えることができるプリント配線板用シート材及びプリント配線板用積層板並びに多層プリント配線板用積層板を提供することを目的とするものである。
本発明のプリント配線板用シート材Aは、フッ素系樹脂をエーテル型界面活性剤により水に分散させて得られる樹脂エマルジョンワニス1を基材2に含浸したプリント配線板用シート材において、エーテル型界面活性剤として骨格にベンゼン環を含まないものを用いて成ることを特徴とするものである。
本発明にあっては、骨格にベンゼン環を含まないエーテル型界面活性剤として、ポリオキシエチレンアルキルエーテルとポリオキシエチレンオレイルエーテルの少なくとも一方を用いることができる。
また、本発明にあっては、フッ素系樹脂として、ポリテトラフルオロエチレンとテトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体の少なくとも一方を用いることができる。
本発明のプリント配線板用積層板Bは、請求項1乃至3のいずれかに記載のプリント配線板用シート材Aで絶縁層3を形成して成ることを特徴とするものである。
本発明の多層プリント配線板用積層板Cは、請求項4のプリント配線板用積層板Bから得られる内層回路板18に請求項1乃至3のいずれかに記載のプリント配線板用シート材Aを積層して成ることを特徴とするものである。
エーテル型界面活性剤として骨格にベンゼン環を含まないものを用いることにより、水中で形成したミセル同士の分子間力が強くなって凝集しやすくなって、この凝集力の増強により必要量のフッ素系樹脂を基材に充分に含浸させることができるものであり、この結果、フッ素系樹脂の不足分を補うための他の部材を用いる必要がなくなって、部材や製造工程の増加に伴う製造コストの増大を抑えることができるものであり、また、上記凝集力によりプリント配線板の絶縁層の厚みが大きくなっても亀裂が発生しにくくなって、プリント配線板の絶縁性能の低下及び製造コストの増大を抑えることができるものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明のプリント配線板用シート材Aは、フッ素系樹脂をエーテル型界面活性剤により水に分散させて得られる樹脂エマルジョンワニスを基材に含浸して得られるものである。
本発明で用いるフッ素系樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(四フッ化エチレン樹脂、以下「PTFE」という)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(四フッ化エチレン〜六フッ化プロピレン共重合樹脂、以下「FEP」という)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(パーフルオロ〜アルコキシ樹脂、以下「PFA」という)から選ばれる一つを単独で用いたり、あるいは複数を併用したりすることができる。各フッ素系樹脂の性能を表1に示す。表1から明らかなように、PFAはPTFEやFEPに比べて吸水率がやや大きくなるために、プリント配線板の寸法安定性などを考慮すると、フッ素系樹脂としてはPTFEやFEPを用いるのが好ましい。
Figure 2006175732
本発明ではエーテル型界面活性剤としてその骨格にベンゼン環を含まないものを用いるようにする。具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル[Cx2x+1O(C4O)H](xは3〜18の整数、nは3〜30の整数)とポリオキシエチレンオレイルエーテル[cis-CH(CH)CH=CH(CH)CO(CHCHO)H](nは3〜30の整数)から選ばれる一つを単独で用いたり、あるいは複数を併用したりすることができる。ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル[C1225O(CHCHO)H](nは3〜30の整数)を例示することができる。上記のポリオキシエチレンラウリルエーテルとしては、例えば、花王株式会社製のエマルゲン106を、ポリオキシエチレンオレイルエーテルとしては、例えば、花王株式会社製のエマルゲン408をそれぞれ用いることができるが、これに限定されるものではない。
エーテル型界面活性剤としては上記のような骨格にベンゼン環を含まないものの他に、下記[化1]に示すような骨格にベンゼン環を含むもの(例えば、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルなど)もあるが、ポリオキシエチレンアルキルエーテルやポリオキシエチレンオレイルエーテルは直鎖状の分子構造をしており、水中で形成したフッ素系樹脂エマルジョンのミセル同士の分子間力が強くて凝集しやすい。一方、ベンゼン環を含む界面活性剤は官能基位置がオルソ、メタ、パラの化合物が存在し,直鎖状でないオルソ、メタの位置に配位した化合物が分子間力を弱めるため、直鎖状の化合物に比べてミセル同士が凝集し難い。そして、この凝集力の違いがフッ素系樹脂の膜厚の違いになって現われるものであり、本発明のように、凝集力を強くすることができるポリオキシエチレンアルキルエーテルやポリオキシエチレンオレイルエーテルの界面活性剤を用いることにより、フッ素系樹脂の膜厚を厚くして基材に付着させることができ、必要量のフッ素系樹脂を基材に充分に含有させたプリント配線板用シート材を得ることができるものである。従って、フッ素系樹脂の不足分を補うための他の部材(例えば、フッ素系樹脂フィルム)を用いる必要がなくなって、部材や製造工程の増加に伴う製造コストの増大を抑えることができるものである。しかも、ポリオキシエチレンアルキルエーテルやポリオキシエチレンオレイルエーテルの界面活性剤を用いることにより、フッ素系樹脂の硬化物に亀裂が生じにくくなり、絶縁層に生じる亀裂によるプリント配線板の絶縁性能の低下を少なくすることができると共に、積層成形の際の温度条件等を非常に厳密に管理する必要がなく、管理コストなどの製造コストの増大を抑えることができるものである。また、骨格にベンゼン環を含むエーテル型界面活性剤は、内分泌撹乱化学物質(環境ホルモン)に該当することが多いが、本発明ではそのような汚染物質の使用も無くすることができる。
Figure 2006175732
本発明で用いる基材は、従来からプリント配線板に使用されている既知のものを使用することができ、例えば、ガラス繊維を用いたガラス不織布やガラスクロスなどで、目付量23〜220g/m(厚み0.05〜0.20mmを想定)のものを用いることができる。
本発明のプリント配線板用シート材Aを製造するにあたっては、図1に示すような含浸装置を用いることができる。10は樹脂エマルジョンワニス1を溜めた含浸槽であって、含浸槽10には浸漬ロール11が設けられている。含浸槽10の上方には一対の厚み調整ロール12が配設されていると共に厚み調整ロール12の上方には乾燥炉13が設けられている。さらに、含浸装置には切断機14が備えられている。
そして、このような含浸装置を用いて本発明のプリント配線板用シート材Aを製造するにあたっては、次のようにして行なう。まず、フッ素系樹脂とエーテル型界面活性剤及び水を配合することにより樹脂エマルジョンワニスを調製する。ここで、各成分の配合量は適宜調整可能であるが、例えば、フッ素系樹脂100質量部に対してエーテル型界面活性剤を5〜10質量部、水を100〜230質量部の割合で配合することができる。この割合で各成分を配合しないと、フッ素系樹脂の沈殿や凝集が起こったりあるいは基材にフッ素系樹脂を必要量含有させるのに長時間を要したりする恐れがあり、好ましくない。
次に、ロール状に巻かれた長尺の基材2を解きながら含浸槽10に溜めた樹脂エマルジョンワニス1に浸漬することによって、基材2に樹脂エマルジョンワニス1に含浸・付着させる。次に、基材2を進行させて一対の厚み調整ロール12、12の間に通過させることによって、基材2の表面に付着した余剰の樹脂エマルジョンワニス1を除去する。次に、搬送ロール15でガイドしながら基材2を進行させて乾燥炉13を通過させることによって、基材2に含有させた樹脂エマルジョンワニス1の水を加熱により除去して乾燥する。この後、フッ素系樹脂を含有する基材2を切断機14により所定の長さに切断することによって、本発明のプリント配線板用シート材Aをプリプレグとして得ることができる。
このようなプリント配線板用シート材Aの製造工程において、基材2を一回の樹脂エマルジョンワニス1に浸漬するだけではフッ素系樹脂の含有量が不足する場合は、乾燥後で切断前の樹脂含浸基材を巻き取り、同方法で再度、樹脂エマルジョンワニス1への浸漬及び乾燥を行うことによって、プリント配線板用シート材Aのフッ素系樹脂の含有量を増加させることができる。また、乾燥炉13での乾燥時に基材2に含有させたフッ素系樹脂を加熱により溶融と水分の除去をして基材2と一体化することが好ましく、これにより、プリプレグとしてプリント配線板用シート材Aを得ることができる。また、プリント配線板用シート材Aの樹脂含有量は適宜設定可能であるが、後述のプリント配線板用積層板や多層プリント配線板用積層板の製造効率などを考慮して、例えば、60〜80質量%にすることが好ましい。
本発明のプリント配線板用積層板Bは、上記のプリント配線板用シート材Aと電解銅箔等の金属箔16とを用いて形成することができる。すなわち、図2に示すように、所定枚数のプリント配線板用シート材A、A…を重ね合せると共に重ね合せたプリント配線板用シート材A、A…の片面あるいは両面の外面にさらに金属箔16を重ね合せ、これを金属プレート(鏡面板)で挟みながら加熱加圧成形することによって、プリント配線板用シート材Aの硬化物で形成される絶縁層とその片面あるいは両面に一体に積層された金属箔16からなるプリント配線板用積層板(片面あるいは両面金属箔張り積層板)Bを得ることができる。ここで、上記加熱加圧成形の際の条件は、適宜設定可能であるが、例えば、加熱温度が350〜390℃、圧力が2.0〜7.0MPa(20〜70kgf/cm)、時間が60〜120分とすることができる。そして、このプリント配線板用積層板Bの外層の金属箔16にサブトラクティブ等の回路形成工程を施すことによって、プリント配線板を製造することができる。
本発明の多層プリント配線板用積層板Cは、プリント配線板用積層板Bから得られるプリント配線板を内層回路板(コア材)18として用い、さらに上記と同様のプリント配線板用シート材Aと金属箔16とを用いて形成することができる。すなわち、図4に示すように、内層回路板18の片面あるいは両面に所定枚数のプリント配線板用シート材A、A…を重ね合せると共に重ね合せたプリント配線板用シート材A、A…の外面にさらに金属箔16を重ね合せ、これを金属プレート(鏡面板)で挟みながら加熱加圧成形することによって、プリント配線板用シート材Aの硬化物で形成される絶縁層とその片面あるいは両面に一体に積層された金属箔16及び内層回路板18からなる多層プリント配線板用積層板(内層回路入り片面あるいは両面金属箔張り積層板)Cを得ることができる。ここで、上記加熱加圧成形の際の条件は上記と同様にすることができる。そして、この多層プリント配線板用積層板Cの外層の金属箔16にサブトラクティブ等の回路形成工程を施すことによって、多層プリント配線板を製造することができる。
本発明のプリント配線板用積層板Bや多層プリント配線板用積層板Cは絶縁層が上記のプリント配線板用シート材Aの硬化物で形成されているために、フッ素系樹脂の不足分を補うための他の部材を用いる必要がなく、部材や製造工程の増加に伴う製造コストの増大を抑えることができ、また、絶縁層に亀裂が発生しにくくなって、プリント配線板や多層プリント配線板の絶縁性能の低下及び製造コストの増大を抑えることができる。
以下本発明を実施例によって具体的に説明する。
(実施例1〜4及び比較例1)
フッ素系樹脂及びエーテル型界面活性剤を含有するワニス原液(ディスパージョン)をイオン交換水で希釈することによって、樹脂エマルジョンワニス1を得た。この樹脂エマルジョンワニス1に上記含浸装置を用いて基材2を1回浸漬して基材2に樹脂エマルジョンワニス1を含浸させると共にこれを約400℃で加熱乾燥し、フッ素系樹脂を基材2中で焼成することによって、プリント配線板用シート材Aを製造した。
上記の各材料としては以下のものを用いた。
ワニス原液(D−70E):ダイキン工業(株)製、フッ素系樹脂(PTFE(固形分))60質量%含有、エーテル型界面活性剤(ポリオキシエチレンラウリルエーテル:C1225O(CHCHO)12H、分子量714)8質量%含有
ワニス原液(D−2):ダイキン工業(株)製、フッ素系樹脂(PTFE(固形分))60質量%含有、エーテル型界面活性剤(ポリオキシオクチルフェニルエーテル:下記[化2]のもので分子量602)8質量%含有
Figure 2006175732
ワニス原液(ND−10E):ダイキン工業(株)製、フッ素系樹脂(FEP(固形分))50質量%含有、エーテル型界面活性剤(ポリオキシエチレンラウリルエーテル:C1225O(CHCHO)12H、分子量714)8質量%含有
ワニス原液(ND−1):ダイキン工業(株)製、フッ素系樹脂(FEP(固形分))50質量%含有、エーテル型界面活性剤(ポリオキシオクチルフェニルエーテル:上記[化1]のパラのもので、x=8、n=9、分子量602)8質量%含有
基材:ガラス基材(日東紡績(株)製の「WEA116E S136」、ガラスクロス)
そして、各実施例及び比較例1の樹脂エマルジョンワニス1について、クラック限界膜厚を測定した。結果を表2に示す。尚、測定方法は以下の手順(1)〜(3)で行なった。
(1)ノンブラストアルミ板へ樹脂エマルジョンワニス1を垂らし、板を傾けフローコートする。
(2)乾燥機で110℃、10分間乾燥後,電気炉で380℃で15分間焼成する。
(3)焼成物を冷却後、クラックが発生していな部分の膜厚を膜厚計(渦電流計)で測定する。
また、各実施例及び比較例のプリント配線板用シート材Aの樹脂含有量を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2006175732
表2から明らかなように、実施例1〜4の樹脂エマルジョンワニス1は比較例1のものに比べてクラック限界膜厚が大きく、本発明で用いる樹脂エマルジョンワニス1の硬化物は厚みの大きい場合であってもクラックが発生しにくいことが判る。また、実施例1〜4及び比較例1はいずれも樹脂エマルジョンワニス1の含浸回数(浸漬回数)が1回であるにもかかわらず、実施例1〜4は比較例1に比べて樹脂含有量が大きくなった。すなわち、実施例1〜4の樹脂エマルジョンワニス1は比較例1のものに比べて基材2に含浸・付着させ易いものであると言える。
(実施例5〜8及び比較例2、3)
実施例1〜4及び比較例1のプリント配線板用シート材Aと、PTFEフィルム(日東電工(株)製の「ニトフロンNO.900」、厚み40μm)19と、金属箔16(古河サーキットフォイル(株)製の「GT−MP」、厚み35μmの電解銅箔)とを用いてプリント配線板用積層板Bを作製した。表3には各実施例及び比較例で使用したプリント配線板用シート材Aの種類と枚数、PTFEフィルム19の枚数をそれぞれ示す。また、実施例5〜8及び比較例2では図2に示す構成でプリント配線板用シート材Aと電解銅箔16とを重ね合せ、これを金属プレートで挟みながら加熱温度380℃、圧力3.5MPa、時間60分で加熱加圧成形することによって、プリント配線板用シート材Aの硬化物で形成される絶縁層とその両面に一体に積層された金属箔16からなるプリント配線板用積層板Bを得た。また、比較例3は図3に示す構成でプリント配線板用シート材AとPTFEフィルム19と電解銅箔16とを重ね合せ、上記と同様の条件で加熱加圧成形することによって、プリント配線板用シート材A及びPTFEフィルム19の硬化物で形成される絶縁層とその両面に一体に積層された金属箔16からなるプリント配線板用積層板Bを得た。
(実施例9)
実施例6で得られたプリント配線板用積層板Bの金属箔16に回路形成を施して内層回路板(回路の厚み35μm、絶縁層の厚み1.5mm)18を形成した。次に、図4に示すように、この内層回路板18の両面に実施例2のプリント配線板用シート材Aを重ね合わせると共に両方のプリント配線板用シート材A、Aのさらに外面に上記と同様の金属箔16を重ね合せ、これを金属プレートで挟みながら加熱温度380℃、圧力3.5MPa、時間60分で加熱加圧成形することによって、内層回路板18とその両面にプリント配線板用シート材Aの硬化物で形成される絶縁層とこの絶縁層の外面に一体に積層された金属箔16とからなる多層プリント配線板用積層板Cを得た。
(比較例4)
比較例2のプリント配線板用積層板Bを用いて内層回路板18を形成した点、及びプリント配線板用シート材Aとして比較例1のものを用いた点を除いて、実施例9と同様の多層プリント配線板用積層板Cを得た。
上記実施例5〜9及び比較例2〜4について、誘電率(1MHz)の測定及び金属箔16の引き剥がし強度をJIS規格のC6481に準拠して行なった。結果を表3に示す。
Figure 2006175732
表3から明らかなように、実施例7と比較例2あるいは実施例9と比較例4とは、絶縁層(内層回路板18の絶縁層も含む)が同じ厚みであるにもかかわらず、実施例7、9の方が比較例2、4よりも誘電率が大きくなった。これは、比較例2〜4では絶縁層に微細なクラックが発生しており、この影響で誘電率が低下したものであると考えられるが、実施例5〜9ではそのようなクラックが発生しておらず、誘電率が低下しなかったものと考えられる。
本発明で使用する含浸装置の一例を示す概略図である。 本発明のプリント配線板用積層板の層構成の一例を示す断面図である。 比較例3の層構成を示す断面図である。 本発明の多層プリント配線板用積層板の層構成の一例を示す断面図である。
符号の説明
1 樹脂エマルジョンワニス
2 基材
18 内層回路板
A プリント配線板用シート材
B プリント配線板用積層板
C 多層プリント配線板用積層板

Claims (5)

  1. フッ素系樹脂をエーテル型界面活性剤により水に分散させて得られる樹脂エマルジョンワニスを基材に含浸したプリント配線板用シート材において、エーテル型界面活性剤として骨格にベンゼン環を含まないものを用いて成ることを特徴とするプリント配線板用シート材。
  2. 骨格にベンゼン環を含まないエーテル型界面活性剤として、ポリオキシエチレンアルキルエーテルとポリオキシエチレンオレイルエーテルの少なくとも一方を用いて成ることを特徴とする請求項1に記載のプリント配線板用シート材。
  3. フッ素系樹脂として、ポリテトラフルオロエチレンとテトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体の少なくとも一方を用いて成ることを特徴とする請求項1又は2に記載のプリント配線板用シート材。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載のプリント配線板用シート材で絶縁層を形成して成ることを特徴とするプリント配線板用積層板。
  5. 請求項4のプリント配線板用積層板から得られるプリント配線板に請求項1乃至3のいずれかに記載のプリント配線板用シート材を積層して成ることを特徴とする多層プリント配線板用積層板。
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