JP2003281940A - 絶縁樹脂組成物,銅箔付き絶縁材および銅張積層板 - Google Patents

絶縁樹脂組成物,銅箔付き絶縁材および銅張積層板

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JP2003281940A
JP2003281940A JP2002083389A JP2002083389A JP2003281940A JP 2003281940 A JP2003281940 A JP 2003281940A JP 2002083389 A JP2002083389 A JP 2002083389A JP 2002083389 A JP2002083389 A JP 2002083389A JP 2003281940 A JP2003281940 A JP 2003281940A
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copper foil
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insulating
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Takahiro Tanabe
貴弘 田邉
Yuji Tosaka
祐治 登坂
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微細加工に対応し,小径レーザ加工に優れ,
耐熱性,信頼性の高い絶縁樹脂組成物およびその接着シ
ート,銅箔付き絶縁材料を提供する。 【解決手段】 熱硬化性樹脂に,電気絶縁性ウィスカ,
金属水酸化物などの無機充填剤,特定波長帯に吸収領域
を持つ着色成分,および硬化剤を配合することからなる
絶縁樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,プリント配線板に
用いることができる耐熱性,薄型化,高密度化に優れた
接着フィルム、これを用いた接着剤付き金属箔に関す
る。
【0002】
【従来の技術】多層プリント配線板は,これらのプリン
ト配線板同士を,プリプレグを介して熱圧成形するか又
は,これらのプリント配線板と銅箔とをプリプレグを介
して熱圧成形して一体化して得た内層回路入り多層銅張
積層板の表面に回路を形成して得られる。
【0003】プリント配線板用のプリプレグには、従来
ガラスクロスに樹脂を含浸乾燥し樹脂を半硬化状態にし
たガラスクロスプリプレグが、多層プリント配線板に
は、該ガラスクロスプリプレグの他にガラスクロスを用
いないプリプレグであるフィルム形成能を有する樹脂を
半硬化状態にした接着フィルム(特開平6−20021
6、特開平6−242465号公報参照)や該接着フィ
ルムを銅箔の片面に形成した銅箔付き接着フィルム(特
開平6−196862号公報参照)が使用されている。
なお、ここでいうフィルム形成能とは、プリプレグの搬
送、切断及び積層等の工程中において、樹脂の割れや欠
落等のトラブルを生じにくく、その後の熱圧成形時に層
間絶縁層が内層回路存在部等で異常に薄くなったりする
ことなく,また層間絶縁抵抗低下やショートというトラ
ブルを生じにくい性能を意味する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、電子機器の小型
軽量化、高性能化、低コスト化が進行し、プリント配線
板には高密度化、薄型化、高信頼性化、低コスト化が要
求されている。
【0005】高密度化のためには、微細配線が必要であ
り、そのためには表面の平坦性が良好でかつ、寸法安定
性が良好でなくてはならない。さらに微細なスルーホー
ルやインターステーシャルバイアホール(IVH)が必
要であり、ドリル加工性、レーザ穴加工性が良好である
ことが要求されている。
【0006】また,ガラスクロスのないプリプレグであ
る接着フィルムや銅箔付き接着フィルムは、厚さをより
薄くでき、小径ドリル加工性、レーザ穴加工性及び表面
平坦性に優れるため,近年多層プリント配線板に用いら
れるようになってきた。
【0007】現状,IVHの形成には,CO2レーザや小径ド
リルが用いられているが,CO2レーザが穴あけ可能な最
小径はおよそ50〜60μmであり,小径ドリルでも75μm程
度であるため,これ以上の小径化には対応することがで
きない。
【0008】一方,UV-YAGレーザを用いると,より小径
加工が可能になるが,エネルギーが強く,またショット
数が多くなるため,樹脂へのダメージが強く,接続信頼
性等が著しく低下する傾向にあるなど問題を抱えてい
る。
【0009】本発明は,微細加工に対応し,小径レーザ
加工に優れ,耐熱性,信頼性の高い絶縁樹脂組成物およ
びその接着シート,銅箔付き絶縁材料を提供することを
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は次のものに関す
る。 (1) 熱硬化性樹脂に,電気絶縁性ウィスカ,金属水
酸化物などの無機充填剤,特定波長帯に吸収領域を持つ
着色成分,および硬化剤を配合することからなる絶縁樹
脂組成物。 (2) 前記着色成分のもつ特定吸収波長帯が,300〜5
00nmの全域または一部にあり,かつその波長帯での吸光
度が0.3以上である,上記(1)に記載の絶縁樹脂組成
物。 (3) 前記電気絶縁性ウィスカが,ホウ酸アルミニウ
ムまたはホウ酸マグネシウムである上記(1)または
(2)に記載の絶縁樹脂組成物。 (4) 前記熱硬化性樹脂が,エポキシ樹脂である,上
記(1)〜(3)に記載の絶縁樹脂組成物。 (5) キャリアフィルムの片面に,上記(1)〜
(4)のいずれか一項に記載の絶縁樹脂組成物を塗布
し,加熱により半硬化状態にした後,キャリアフィルム
を除去することにより得られる接着剤シート。 (6) 上記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の絶
縁性樹組成物を金属箔の片面に設けた接着剤付き金属
箔。 (7) 少なくとも1枚以上のプリプレグまたはコア材
の片面または両面に,上記(5)に記載の接着剤シート
と銅箔を重ね,次いで加熱加圧成形した銅張り積層板 (8) 少なくとも1枚以上のプリプレグまたはコア材
の片面または両面に,上記(6)に記載の銅箔付き絶縁
材料層側を重ね,次いで加熱加圧成形した銅張り積層板
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は,特定波長帯に吸収領域
を持つ着色剤を配合することによって,絶縁樹脂組成物
におけるUV-YAGレーザ光の吸収力を上げることにより,
レーザ加工性を容易にし,また無機充填剤を配合するこ
とにより,絶縁樹脂組成物のダメージを軽減し,信頼性
を向上させることにより,上記問題を解決するものであ
る。
【0012】ここで言う着色成分とは、可視光で補色を
行うもの、紫外光を分子内で交換交差行い蛍光を行う物
質で、配線板に必要な絶縁性や耐熱性を著しく悪化させ
ない物質である。例えば9-(3',4',5',6'テトラクロロ-0
-フェニル)-6-オキシ-3-オキソ-2,4,5,7-テトラブロモ-
3-イソキサンテン-2'-カルボン酸塩やベンジルーエチル
ー[4'-(4''-(ベンジルエツルアミノ)-ジフェニルメチレ
ン)-2'、5-シクロヘキサジエニリデン]-アンモイウムー
2'''、3,3'''-トリスルホン酸塩などの着色料や二酸化
チタンやチタニウムイエロー,コバルト青,不溶性アゾ顔
料などの顔料類などがある。配合量は目視で色が識別で
きる量、色比が1%以上50%以下で望ましくは5%以上3
5%以下が良好である。
【0013】上記着色成分は,近紫外領域〜可視領域
(すなわち250〜800nm)に吸収帯をもつことが望ましく,
UV-YAGレーザの波長である300〜500nmの全域または一部
に吸光度0.5以上の吸収帯があるものがより好ましい。
本発明に用いられる電気絶縁性ウィスカは,セラミック
ウィスカである。ウィスカの種類としては,ホウ酸アル
ミニウム,ウォラストナイト,チタン酸カリウム,塩基
性硫酸マグネシウム,窒化けい素,二酸化けい素(シリ
カ),α−アルミナ等から選ばれた1種類以上のものを
用いることができる。その中でも、ホウ酸アルミニウム
ウィスカは、熱膨張係数も小さく、しかも比較的安価で
ある。このホウ酸アルミニウムウィスカを用いた本発明
のプリプレグを使用して作製したプリント配線板は、従
来のガラスクロスを用いたプリント配線板よりも、常温
及び高温下における剛性が高く、ワイヤーボンディング
性に優れ、電気信号の伝達特性に優れ、熱膨張係数が小
さく、寸法安定性にすぐれる。したがって、本発明に用
いるウィスカの材質としては、ホウ酸アルミニウムが最
適である。
【0014】ウィスカの大きさは,平均直径が0.3μ
m未満であると樹脂への混合が難しくなると共に塗工作
業性が低下し,3μmを超えると表面平滑性に悪影響が
でる。そのためにウィスカの平均直径は0.3〜3μm
の範囲が好ましく,塗工作業性を考慮すると0.5〜1
μmの範囲が更に好ましい。
【0015】ウィスカの長さは,平均直径の5倍以上で
あることが好ましい。5倍未満であると,繊維としての
補強効果が十分得られない。しかしながら, ウィスカ
が長すぎる場合にはワニス中への均一分散が困難になる
他,導体回路と接触したウィスカが他の導体回路と接触
する確率が高くなり,ウィスカに沿って移動する傾向に
ある銅イオンのマイグレーションによる回路間短絡事故
を起こす可能性があるので,平均長さは20μm以下が好
ましく,15μm以下が更に好ましい。
【0016】またプリント配線板の剛性及び耐熱性をさ
らに高めるのに、シランカップリング剤で表面処理した
ウィスカを使用することも有効である。カップリング剤
で表面処理したウィスカは、樹脂との濡れ性、結合性が
すぐれ剛性及び耐熱性を向上させることができる。
【0017】このとき使用するカップリング剤は、シリ
コン系、チタン系、アルミニウム系、ジルコニウム系、
ジルコアルミニウム系、クロム系、ボロン系、リン系、
アミノ酸系等の公知のものを使用できる。
【0018】本発明で使用する樹脂は、従来のガラスク
ロスを基材としたプリプレグに使用されている樹脂及び
ガラスクロス基材を含まない接着フィルムあるいは銅箔
付き接着フィルムに使用されている熱硬化性樹脂を使用
することが出来る。ここでいう樹脂とは、樹脂、硬化
剤、硬化促進剤、カップリング剤(必要に応じて)、希
釈剤(必要に応じて)を含むものを意味する。
【0019】樹脂の種類としては、例えばエポキシ樹
脂、ビストリアジン樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール
樹脂、メラミン樹脂、けい素樹脂、不飽和ポリエステル
樹脂、シアン酸エステル樹脂、イソシアネート樹脂、ポ
リイミド樹脂またはこれらのの種々の変性樹脂類が好適
である。この中で、プリント配線板特性上、特にビスト
リアジン樹脂、エポキシ樹脂が好適である。そのエポキ
シ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビ
スフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エ
ポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ク
レゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA
ノボラック型エポキシ樹脂、サリチルアルデヒドノボラ
ック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エ
ポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル
型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ヒ
ダントイン型エポキシ樹脂、イソシアヌレート型エポキ
シ樹脂、脂肪族環状エポキシ樹脂及びそれらのハロゲン
化物、水素添加物、及び前記樹脂の混合物が好適であ
る。なかでもビスフェノールAノボラック型エポキシ樹
脂またはサリチルアルデヒドノボラック型エポキシ樹脂
は耐熱性に優れ好ましい。
【0020】このような樹脂の硬化剤としては、従来使
用しているものが使用でき、樹脂がエポキシ樹脂の場
合、例えばジシアンジアミド、ビスフェノールA、ビス
フェノールF、ポリビニルフェノール、フェノールノボ
ラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂及びこれ
らのフェノール樹脂のハロゲン化物、水素化物等を使用
できる。なかでも、ビスフェノールAノボラック樹脂は
耐熱性に優れ好ましい。この硬化剤の前記樹脂に対する
割合は、樹脂100重量部に対して、2〜80重量部の
範囲が好ましく、さらには、ジシアンジアミドでは、2
〜5重量部、それ以外の硬化剤では、20〜70重量部
の範囲が好ましい。硬化促進剤としては、樹脂がエポキ
シ樹脂の場合、イミダゾール化合物、有機リン化合物、
第3級アミン、第4級アンモニウム塩などを使用する。
この硬化促進剤の前記樹脂に対する割合は、樹脂100
重量部に対して、0.01〜20重量部の範囲が好まし
く、0.1〜1.0重量部の範囲がより好ましい。
【0021】本発明の熱硬化性樹脂は、溶剤にて希釈し
て樹脂ワニスとして使用することもできる。溶剤には、
アセトン、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン、
メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、エチレングリコ
ールモノメチルエーテル、メタノール、エタノール、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセト
アミド等を使用できる。この希釈剤の前記樹脂に対する
割合は、従来使用している割合でよく、樹脂100重量
部に対して1〜200重量部の範囲が好ましく、30〜
100重量部の範囲がさらに好ましい。
【0022】さらに本発明においては、樹脂中に上記し
た各成分の他に、必要に応じて従来より公知のカップリ
ング剤、充填材等を適宜配合してもよい。
【0023】樹脂への電気絶縁性ウィスカの配合量は、
樹脂固形分100重量部に対し5重量部未満であるとこ
のプリプレグは切断時に樹脂が細かく砕けて飛散しやす
くなる等の取り扱い性が悪くなるとともに配線板にした
ときに十分な剛性が得られない。一方ウィスカの配合量
が350重量部以上であると、熱圧成形時の内層回路の
穴埋め性や回路間への樹脂充填性が損なわれ、熱圧成形
後のウィスカ複合樹脂層中にボイドやかすれが発生しや
すくなり、配線板特性を損なう恐れがある。したがっ
て、ウィスカの配合量は、樹脂固形分100重量部に対
し5〜350重量部が好ましい。さらに、内層回路の穴
埋め性や回路間への樹脂充填性に優れ、なおかつ、製造
した配線板が従来のガラスクロス使用のプリプレグを用
いて製造した配線板と比較し、同等または同等以上の剛
性と寸法安定性とワイヤボンディング性を持つことが出
来る理由から、ウィスカの配合量は、樹脂固形分100
重量部に対し30〜230重量部であることがより好ま
しい。
【0024】また,プリント配線板の合成及び耐熱性を
更に高めるのに,カップリング剤で表面処理したウィス
カを使用することもでき,樹脂との流れ性,結合性が向
上できる。このとき使用するカップリング剤はシリコン
系,チタン系,アルミニウム系,ジルコニウム系,ジル
コアルミニウム系,クロム系,ボロン系,リン系,アミ
ノ酸系などの公知ものを使用できる。
【0025】本発明の接着剤シートは,上記のようにし
て作製した熱硬化性樹脂に電気絶縁性ウィスカを分散さ
せた樹脂を配合した熱硬化性樹脂組成物をキャリアフィ
ルムの片面に塗布し,加熱により前記熱硬化性樹脂組成
物を半硬化状態にした後,キャリアフィルムを除去して
得られる。
【0026】このときのキャリアフィルムとしては,銅
箔,アルミ箔などの金属箔,ポリエステルフィルム,ポ
リイミドフィルム,ポリエチレンテレフタレートフィル
ム,あるいは前記金属箔及びフィルムの表面を離型剤に
より処理したものを使用することができる。
【0027】上記接着剤シート中のウィスカは、2次元
配向に近い状態(ウィスカの軸方向が絶縁材料層の形成
する面と平行に近い状態)にさせることが好ましい。ウ
ィスカを配向させることにより、本発明の絶縁材料は良
好な取り扱い性が得られると同時に配線板にしたときに
高い剛性が得られる。
【0028】上記のようにウィスカを配向させるには、
前述した好ましい範囲の繊維長のウィスカを使用すると
同時に、銅箔にウィスカを配合した樹脂ワニスを塗工す
る際に、ブレードコータ、ロッドコータ、ナイフコー
タ、スクイズコータ、リバースロールコータ、トランス
ファロールコータ等の銅箔と平行な面方向にせん断力を
負荷できるかあるいは、銅箔の面に垂直な方向に圧縮力
を負荷できる塗工方式を採用すればよい。
【0029】本発明の接着剤付き金属箔は、前記熱硬化
性樹脂性組成物をワニス状にしたものを金属箔の片面に
塗布し,乾燥することによって作製することができ,I
VH(Interstitial Via Hole)
を有する多層回路基板などの製造に特に有用である。
【0030】
【実施例】(実施例1)ビスフェノールAノボラック型
エポキシ樹脂(エポキシ当量210)100重量部とビ
スフェノールAノボラック樹脂(エポキシ当量123
)100重量部,硬化促進剤としてジシアンジアミド
1重量部をMEK80重量部で希釈したワニスに主成分
とする熱硬化性樹脂に平均直径0.8μm、平均繊維長
20μm,最大長さ30μmのホウ酸アルミニウムウィス
カーを樹脂固形分100重量部に対し90部になるよう
に配合し、さらに,チタニウムイエローを樹脂固形分1
00重量部に対し,5重量部配合し,ホウ酸アルミニウ
ムウィスカー,チタニウムイエローがワニス中に均一に
分散するまで撹拌した。
【0031】このワニスを、厚さ18μmの銅箔および
厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)
フィルムにナイフコータにて塗工し、温度150℃で1
0分間加熱乾燥して、溶剤を除去するとともに、熱硬化
性樹脂を半硬化して、ウィスカ体積分率が30%でウィ
スカと半硬化状態にあるエポキシ樹脂からなる絶縁層の
厚さが50μmと100μmの銅箔付き絶縁材料およびP
ETを剥離により除去して、半硬化状態のエポキシ樹脂
からなる厚さが50μmの接着フィルムを作製した。
【0032】作製した銅箔付き絶縁材料は、カッターナ
イフ及びシャーにより、樹脂の飛散等なくきれいに切断
でき、絶縁材料同士のブロッキングも発生せず、良好な
取扱性であった。また、PETフィルムに塗工して作製
した絶縁材料は、PETフィルムの剥離時や通常の取り
扱い時に割れる等のトラブルはなく、またカッターナイ
フ及びシャーにより、樹脂の飛散等なくきれいに切断で
き、絶縁材料同士のブロッキングも発生せず、良好な取
扱性であった。
【0033】さらに,絶縁層の厚さが0.1mm,導体用
銅箔の厚さが18μmの,両面銅張積層板の両面の銅箔
の不要な箇所をエッチングにより除去して作製した内層
回路板の両面に,得られた銅箔付き絶縁材を絶縁樹脂側
が内層回路に向かい合うように重ね,プレスを用いて1
70℃,3MPaの条件で,1時間加熱加圧し,内層回路
入り多層銅張積層板を得た。
【0034】この内層回路入り多層銅張積層板の表面粗
さを触針式表面粗さ計にて測定した。測定箇所はその直
下に内層回路のある部分とない部分とを含む長さ25mm
の一直線上の外層表面とした。内層回路のある部分とな
い部分の段差の10点平均は、3μm以下であり、回路
加工に支障のない良好な表面平坦性であった。
【0035】(実施例2)サリチルアルデヒドノボラッ
ク型エポキシ樹脂(エポキシ当量250)100重量部
とビスフェノールAノボラック樹脂を主成分とする熱硬
化性樹脂(エポキシ当量123)100重量部と硬化促
進剤ジシアンジアミド1重量部,希釈剤メチルエチルケ
トン80重量部を混合したワニスに平均直径0.8μ
m、平均繊維長30μmの硼酸アルミニウムウィスカーを
ボールミルで粉砕し,平均繊維長を18μm,最大長さ
28μmにしたものを樹脂固形分100重量部に対しホ
ウ酸アルミニウムウィスカーを90重量部配合し、さら
に,1-フェニル-3−(4-tert-ブチルスチリル)-5-(4-
tertブチル)-フェニル-ピラゾリン(吸収波長370〜380n
m)を樹脂固形分100重量部に対して0.5重量部配合して,
ホウ酸アルミニウムウィスカーがワニス中に均一に分散
するまで撹拌した。この絶縁ワニスを、厚さ18μmの
銅箔および厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート
(PET)フィルムにナイフコータにて塗工し、温度1
50℃で10分間加熱乾燥して、溶剤を除去するととも
に、樹脂を半硬化して、ウィスカ体積分率が30%でウ
ィスカと半硬化状態にあるエポキシ樹脂からなる絶縁層
の厚さが50μmと100μmの銅箔付き絶縁材料およ
び、PETを剥離により除去して、半硬化状態のエポキ
シ樹脂からなる厚さが50μmの接着フィルムを作製し
た。
【0036】作製した銅箔付き絶縁材料は、カッターナ
イフ及びシャーにより、樹脂の飛散等なくきれいに切断
でき、絶縁材料同士のブロッキングも発生せず、良好な
取扱性であった。また、PETフィルムに塗工して作製
した絶縁材料は、PETフィルムの剥離時や通常の取り
扱い時に割れる等のトラブルはなく、またカッターナイ
フ及びシャーにより、樹脂の飛散等なくきれいに切断で
き、絶縁材料同士のブロッキングも発生せず、良好な取
扱性であった。
【0037】さらに,絶縁層の厚さが0.1mm,導体用
銅箔の厚さが18μmの,両面銅張積層板の両面の銅箔
の不要な箇所をエッチングにより除去して作製した内層
回路板の両面に,得られた銅箔付き絶縁材を絶縁樹脂側
が内層回路に向かい合うように重ね,プレスを用いて1
70℃,3MPaの条件で,1時間加熱加圧し,内層回路
入り多層銅張積層板を得た。
【0038】この内層回路入り多層銅張積層板の表面粗
さを触針式表面粗さ計にて測定した。測定箇所はその直
下に内層回路のある部分とない部分とを含む長さ25mm
の一直線上の外層表面とした。内層回路のある部分とな
い部分の段差の10点平均は、3μm以下であり、回路
加工に支障のない良好な表面平坦性であった。
【0039】(比較例1)ビスフェノールAノボラック
型エポキシ樹脂(エポキシ当量210)とビスフェノー
ルAノボラック樹脂(水酸基当量123)を主成分とす
る熱硬化性樹脂に平均直径0.8μm、平均繊維長20
μm,最大長さ30μmの硼酸アルミニウムウィスカーを
樹脂固形分100重量部に対し90部になるように配合
し、硼酸アルミニウムウィスカーがワニス中に均一に分
散するまで撹拌した。この絶縁ワニスを、厚さ18μm
の銅箔および厚さ50μmのポリエチレンテレフタレー
ト(PET)フィルムにナイフコータにて塗工し、温度
150℃で10min間加熱乾燥して、溶剤を除去する
とともに、樹脂を半硬化して、ウィスカー体積分率が3
0%でウィスカーと半硬化状態にあるエポキシ樹脂から
なる絶縁層の厚さが50μmと100μmの銅箔付き絶縁
材料および、PETを剥離により除去して、半硬化状態
のエポキシ樹脂からなる厚さが50μmの接着フィルム
を作製した。
【0040】作製した銅箔付き絶縁材料は、カッターナ
イフ及びシャーにより、樹脂の飛散等なくきれいに切断
でき、絶縁材料同士のブロッキングも発生せず、良好な
取扱性であった。また、PETフィルムに塗工して作製
した絶縁材料は、PETフィルムの剥離時や通常の取り
扱い時に割れる等のトラブルはなく、またカッターナイ
フ及びシャーにより、樹脂の飛散等なくきれいに切断で
き、絶縁材料同士のブロッキングも発生せず、良好な取
扱性であった。
【0041】さらに,絶縁層の厚さが0.1mm,導体用
銅箔の厚さが18μmの,両面銅張積層板の両面の銅箔
の不要な箇所をエッチングにより除去して作製した内層
回路板の両面に,得られた銅箔付き絶縁材を絶縁樹脂側
が内層回路に向かい合うように重ね,プレスを用いて1
70℃,3MPaの条件で,1時間加熱加圧し,内層回路
入り多層銅張積層板を得た。
【0042】この内層回路入り多層銅張積層板の表面粗
さを触針式表面粗さ計にて測定した。測定箇所はその直
下に内層回路のある部分とない部分とを含む長さ25mm
の一直線上の外層表面とした。内層回路のある部分とな
い部分の段差の10点平均は、3μm以下であり、回路
加工に支障のない良好な表面平坦性であった。
【0043】(比較例2)重量平均分子量が50,00
0の高分子量エポキシ重合体と、ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂を主成分するフィルム形性能を有する熱硬化
性樹脂に,チタニウムイエローを樹脂固形分100重量
部に対して,5重量部配合し厚さ18μmの銅箔および
厚さ50μmのPETフィルムにナイフコータにて塗工
し、温度150℃で10min間加熱乾燥して溶剤を除
去するとともに、樹脂を半硬化してウィスカー体積分率
が30%でウィスカーと半硬化状態にあるエポキシ樹脂
からなる絶縁層の厚さが50μmの銅箔付き絶縁材料お
よび、PETを剥離により除去して、半硬化状態のエポ
キシ樹脂からなる厚さが50μmの接着フィルムを作製
した。
【0044】作製した接着フィルムは、PETの剥離時
や通常の取り扱い時に割れる等のトラブルはなく、また
カッターナイフ及びシャーにより、樹脂の飛散等なくき
れいに切断できたが、プリプレグ同士のブロッキングが
発生し、取扱性では悪かった。
【0045】つぎに、厚さ0.8mmのガラスエポキシ
両面銅張積層板に電食試験の内層面の電極となるパター
ンをエッチングにより作製し、この上下に上記で作製し
た絶縁層の厚さ50μmの銅箔付き絶縁材料を絶縁材料
が電食試験の内層面の電極となるパターンと接するよう
に重ね合せて積層し、熱圧成形した。得られた積層板
の、内層の電極となる電食試験パターンの位置に合わせ
た部分に外層の電極となるパターンをエッチングで作製
し、電食試験片を得た。この内層と外層の電極間に50
Vの電圧を印加し、85℃、85%RHの雰囲気下で1
000時間経過後の絶縁抵抗値を測定した結果、109
Ω以上の良好な値を示し、絶縁材料が耐電食性に優れて
いることを確認した。
【0046】比較例1で作製した内層回路板の両面に前
記の厚さ50μmの接着フィルムを、そのさらに外側に
厚さ18μmの片面粗化銅箔を粗化面が接着フィルムに
向き合うように積層し、熱圧成形し内層回路入り多層銅
張積層板を作製した。
【0047】この内層回路入り多層銅張積層板の表面粗
さを触針式表面粗さ計にて測定した。測定箇所はその直
下に内層回路のある部分とない部分とを含む長さ25mm
の一直線上の外層表面とした。内層回路のある部分とな
い部分の段差の10点平均は、3μm以下であり、回路
加工に支障のない良好な表面平坦性であった。
【0048】実施例および比較例で作成したプリント配
線板は,表1のような特性を有していた。
【0049】
【表1】
【0050】試験条件および判断基準は以下の通り IVH形状 得られたプリント配線板に,次の条件にてレーザ穴加工
を施した。 使用機器:GS-600H(GSI LUMONICS社製) 得られたIVHの断面を観察し,穴形状を評価した。形状
が,テーパ状またはストレート状のものを○,逆テーパ
状,樽状のものを×とした。 接続信頼性 IVH加工後の基板について回路形成を行い,1−2層
間の接続信頼性を,−65℃←→150℃の熱サイクル
試験で評価した。1000サイクル後の抵抗変化が10%
以下のものをOK,10%以上のものをNGとした。
【0051】
【発明の効果】本発明にしたがって製造した絶縁ワニス
を用いて得られた絶縁材料は、着色成分の添加により,
UV−YAGレーザ加工性および信頼性が良好であり,
電気絶縁性ウイスカーの添加によりエポキシ樹脂をシー
ト状に形成することができる。多層プリント配線板の高
密度化、薄型化、高信頼性化、低コスト化に多大の貢献
をする。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 7/02 C08K 7/02 5G303 C08L 63/00 C08L 63/00 C 5G305 101/00 101/00 C09J 7/00 C09J 7/00 7/02 7/02 Z 11/00 11/00 163/00 163/00 201/00 201/00 H01B 3/00 H01B 3/00 A 3/40 3/40 C P // H05K 3/46 H05K 3/46 T Fターム(参考) 4F100 AA01A AA02A AB01C AB10A AB17C AB17E AB33C AH08 AH08A AK01A AK01B AK42 AK53A AL05A BA02 BA03 BA06 BA07 BA10B BA10C BA10E BA13 CA02 CA23 DE03A DH01D DH01E EH46 EH462 EJ02 EJ822 EJ86 EJ862 GB43 HB00A JB13A JD14A JG04A JJ03 JL01 JL10A YY00A 4J002 BC122 CC031 CC042 CC062 CC072 CC181 CD021 CD051 CD061 CD081 CD111 CD121 CD131 CF211 CM021 CM041 CP001 DE138 DE146 DE186 DG046 DJ006 DJ016 DK006 EJ039 ET009 EU138 EV258 FA066 FB096 FB166 FD017 FD098 FD126 FD142 FD149 FD150 GF00 GJ01 GQ01 HA05 4J004 AA02 AA11 AA12 AA13 AA15 AA18 BA02 BA03 CA08 CC02 FA05 4J040 EB051 EC001 ED131 EH031 EK001 HA116 HA166 HA206 HA306 HA326 KA42 LA09 MA02 MA10 NA19 5E346 AA05 AA06 AA12 BB01 CC09 CC16 CC32 DD02 DD32 EE02 EE06 EE07 EE31 FF01 GG02 GG15 GG28 HH33 5G303 AA05 AA10 AB20 BA12 CA09 CA11 5G305 AA06 AA11 AB24 AB36 BA13 BA18 CA15 CA46 CC03 CD02 CD20

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化性樹脂に,電気絶縁性ウィスカ,
    金属水酸化物などの無機充填剤,特定波長帯に吸収領域
    を持つ着色成分,および硬化剤を配合することからなる
    絶縁樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記着色成分のもつ特定吸収波長帯が,
    300〜500nmの全域または一部にあり,かつその波長帯で
    の吸光度が0.3以上である,請求項1に記載の絶縁樹脂
    組成物。
  3. 【請求項3】 前記電気絶縁性ウィスカが,ホウ酸アル
    ミニウムまたはホウ酸マグネシウムである請求項1また
    は2に記載の絶縁樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 前記熱硬化性樹脂が,エポキシ樹脂であ
    る,請求項1〜3に記載の絶縁樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 キャリアフィルムの片面に,請求項1〜
    4のいずれか一項に記載の絶縁樹脂組成物を塗布し,加
    熱により半硬化状態にした後,キャリアフィルムを除去
    することにより得られる接着剤シート。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれか一項に記載の絶
    縁性樹組成物を金属箔の片面に設けた接着剤付き金属
    箔。
  7. 【請求項7】 少なくとも1枚以上のプリプレグまたは
    コア材の片面または両面に,請求項5に記載の接着剤シ
    ートと銅箔を重ね,次いで加熱加圧成形した銅張り積層
  8. 【請求項8】 少なくとも1枚以上のプリプレグまたは
    コア材の片面または両面に,請求項6に記載の銅箔付き
    絶縁材料層側を重ね,次いで加熱加圧成形した銅張り積
    層板
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