JP2002307611A - フッ素樹脂銅張積層板 - Google Patents

フッ素樹脂銅張積層板

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JP2002307611A
JP2002307611A JP2001114414A JP2001114414A JP2002307611A JP 2002307611 A JP2002307611 A JP 2002307611A JP 2001114414 A JP2001114414 A JP 2001114414A JP 2001114414 A JP2001114414 A JP 2001114414A JP 2002307611 A JP2002307611 A JP 2002307611A
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copper
fluororesin
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loss tangent
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JP2001114414A
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Hiroshi Tominaga
寛 富永
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Chukoh Chemical Industries Ltd
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Chukoh Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、耐熱性、耐久性、回路加工性ととも
に機械的強度を損なうことなく優れた誘電特性を有する
ことを課題とする。 【解決手段】低誘電率で低誘電正接のガラスクロスとフ
ッ素樹脂の複合化により得られる誘電体と、この誘電体
の少なくとも一主面に形成された電解銅箔とを具備する
銅張積層板であり、誘電率が2.3(12GHz)以下
で、誘電正接が0.001(12GHZ)以下の特性を
もつことを特徴とするフッ素樹脂銅張積層板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に通信機器等の
分野で使用されるフッ素樹脂銅張積層板の改良に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、電子通信分野におけるフッ素樹脂
銅張積層板は、優れた高周波特性、耐熱性、耐久性を有
し、衛星通信分野や移動通信分野に広く使用されてい
る。しかしながら、今後、使用する周波数帯域が更に高
周波帯域に移行していくと予想される。ところで、周波
数帯域が上がっていくにつれて優れた誘電特性がより重
要となる。
【0003】以下に、高周波帯域で優れた誘電特性が必
要になるかについて、図1に示すように、厚みhの誘電
体1上に幅Wのストリップ導体2を形成したマイクロス
トリップ回路を用いて説明する。マイクロストリップ回
路における特性インピーダンス、表皮抵抗、誘電損、導
体損は、夫々以下の式で表わされる。
【0004】1)特性インピーダンスZ: Z=120π・h/W・(εeff1/2 (1) 但し、式(1)はW≫hの場合であり、W:回路幅、
h:誘電体の厚み、ε ff:実効誘電率 上記(1)式より特性インピーダンスは実効誘電率の平
方根に反比例することが明らかである。
【0005】2)表皮抵抗Rs: Rs=(μ・π・f/σ)1/2 (2) 但し、σ:導電率、μ:導体の透磁率、f:周波数 上記(2)式より、表皮抵抗Rsは周波数の平方根に比
例することが明らかである。
【0006】3)導体損α: α=10Rs/(ln10・π・f・Z) (3) 上記(1)式、(2)式、(3)式より、導体損は周波
数の平方根に反比例するとともに、実効誘電率の平方根
に比例することが明らかである。
【0007】4)誘電損α: α=(20π/ln10)・{(εeff1/2/λ}・q・tan δ (4) 但し、λ:波長、tanδ:誘電正接 上記λはλ=V/fであり、周波数に反比例する
(但し、V:誘電体内の伝播速度)。従って、誘電損α
は周波数と誘電正接に比例するとともに、誘電率の平
方根に比例する。
【0008】ところで、低誘電率、低誘電正接であるフ
ッ素樹脂銅張積層板の代表例として、Eガラスクロスと
フッ素樹脂層との複合基板があり、衛星通信等の分野で
使用されている。その特性は、誘電率が2.5〜3.0
で、誘電正接が0.0020〜0.003程度である。
各ガラスクロスの組成及び各ガラスクロスの誘電特性
は、下記表1、表2に示すとおりである。
【0009】
【表1】
【0010】
【表2】
【0011】また、Eガラスクロスを主基材として更に
誘電率、誘電正接を改良していく方法としては、ガラス
クロスの配合比率を下げていくか、もしくはEガラスか
ら石英ガラス(SiO:99.9%以上)にクロスを
変更する方法がある。
【0012】更に、Eガラス+フッ素樹脂高配合のフッ
素樹脂銅張積層板の代表例としては、中興化成工業製の
CGS−500(製品番号)があるが、その積層板の誘
電率は2.15、誘電正接は0.001程度の特性を有
している。こうした誘電特性をもつ銅張積層板の構成を
図2に示す。即ち、銅張積層板(厚さ200μm)は、
PTFEスカイブドシート及びPFAフィルム4、フッ
素含有率70%含浸Eガラスクロス5及び厚さ25μm
のPFAフィルム6a,6bからなる誘電体7の両面
に、厚さ18μmの電解銅箔8a,8bを形成した構成
となっている。
【0013】一方、石英ガラスを使用した銅張積層板の
代表例としては、中興化成工業製CQF−500(製品
番号)があり、その積層板の誘電率は2.30、誘電正
接は0.0005程度の特性を有している。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、Eガラス+
フッ素樹脂高配合のフッ素樹脂銅張積層板には、ふっ素
高配合な材料のため、剛性に欠けるという課題がある。
また、石英ガラスを使用したフッ素樹脂銅張積層板に
は、クロスが高価であるとともに、硬くもろい為、機械
的強度、穴あけ加工性に欠けるという課題がある。
【0015】本発明はこうした事情を考慮してなされた
もので、低誘電率で低誘電正接のガラスクロスとフッ素
樹脂の複合化により得られる誘電体と、この誘電体の少
なくとも一主面に形成された電解銅箔とを具備し、誘電
率が2.3(12GHz)以下で、誘電正接が0.00
1(12GHz)以下の特性をもつ構成とすることによ
り、耐熱性、耐久性、回路加工性とともに機械的強度を
損なうことなく優れた誘電特性を有するフッ素樹脂銅張
積層板を提供することを目的とする。
【0016】また、本発明は、低誘電率で低誘電正接の
ガラスクロスとフッ素樹脂の複合化により得られる誘電
体と、この誘電体の少なくとも一主面に形成された圧延
銅箔とを具備し、誘電率が2.3(12GHz)以下
で、誘電正接が0.0005(12GHz)以下の特性
をもつ構成とすることにより、耐熱性、耐久性、回路加
工性とともに機械的強度を損なうことなく優れた誘電特
性を有するフッ素樹脂銅張積層板を提供することを目的
とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本願第1の発明は、低誘
電率で低誘電正接のガラスクロスとフッ素樹脂の複合化
により得られる誘電体と、この誘電体の少なくとも一主
面に形成された電解銅箔とを具備する銅張積層板であ
り、誘電率が2.3(12GHz)以下で、誘電正接が
0.001(12GHz)以下の特性をもつことを特徴
とするフッ素樹脂銅張積層板である。
【0018】本願第2の発明は、低誘電率で低誘電正接
のガラスクロスとフッ素樹脂の複合化により得られる誘
電体と、この誘電体の少なくとも一主面に形成された圧
延銅箔とを具備する銅張積層板であり、誘電率が2.3
(12GHz)以下で、誘電正接が0.0005(12
GHz)以下の特性をもつことを特徴とするフッ素樹脂
銅張積層板である。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明について更に詳しく
説明する。
【0020】本発明において、前記フッ素樹脂として
は、例えば四ふっ化エチレン樹脂(PTFE)、四ふっ
化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重
合樹脂(PFA)、四ふっ化エチレン−六ふっ化プロピ
レン共重合樹脂(FEP)等が挙げられるが、特にPT
FEが好ましい。
【0021】本発明において、低誘電率で低誘電正接の
ガラスクロスとはEガラスクロスより低誘電率で低誘電
正接な特性をもつガラスクロスを示し、例えば日東紡績
製のNEガラスクロス(誘電率:4.6、誘電正接:
0.006at1MHz)が挙げられる。
【0022】本発明において、電解銅箔とは電気分解に
より形成された銅薄膜を意味し、圧延銅箔とは銅膜を基
材に圧延することにより形成された銅薄膜を意味する。
【0023】本発明において、電解銅箔又は圧延銅箔は
誘電体の一方の主面、あるいは両面のいずれに形成して
もよい。
【0024】
【実施例】以下、本発明の各実施例に係るフッ素樹脂銅
張積層板について、製造方法を併記しながら説明する。 (実施例1)図3は、実施例1に係るフッ素樹脂銅張積
層板の概略的な断面図を示す。図中の符番11は誘電体
を示し、この誘電体11の両面に、夫々厚さ18μmの
電解銅箔12a,12bが形成されている。前記誘電体
11は、フッ素含有率70%含浸NEガラスクロス13
とPTFEスカイブドシート14を交互に積層した積層
体15と、この積層体15の両面に形成された夫々厚さ
25μmのPFAフィルム16a,16bとから構成さ
れている。
【0025】このように、実施例1に係るフッ素樹脂銅
張積層板は、フッ素含有率70%含浸NEガラスクロス
13とPTFEスカイブドシート14を交互に積層した
積層体15及び該積層体15の両面に夫々形成されたP
FAフィルム16a,16bとからなる誘電体11と、
この誘電体11の両面に積層された電解銅箔12a,1
2bとを具備した構成となっている。
【0026】次に、上記フッ素樹脂銅張積層板の製造方
法について具体的に説明する。まず、厚み0.05mm
のNEガラスクロスにPTFEディスパージョン(商品
名:AD639、旭ガラス製)を含浸、焼成を数回繰り
返し、フッ素樹脂含有率が約70%のプリプレグを作製
した。次に、前記プリプレグを2〜8枚で積層し、更に
その上下にPFAフィルム(厚さ25μm、商品名:A
F−0025、ダイキン工業製)16a,16b、電解
銅箔(商品名:3EC、三井金属製)12a,12bを
積層し、適宜PTFEスカイブドシート14をプリプレ
グの層間に入れ、銅張積層板の厚みが0.6mmになる
ようにし、380℃に設定したプレスで単位圧力50k
g/cmの条件で銅張積層板を得た。
【0027】このようにして得られたフッ素樹脂銅張積
層板を試料として、誘電特性、曲げ強度、フッ素樹脂含
有率を測定した。図8は、測定結果に基づいて作成した
フッ素樹脂含有率と誘電率との関係を示す特性図であ
る。図9は、同様にして作成したフッ素樹脂含有率と誘
電正接との関係を示す特性図である。図11は、同様に
して作成したフッ素樹脂含有率と含有量と曲げ強度との
関係を示す特性図である。
【0028】(実施例2)図4は、実施例2に係るフッ
素樹脂銅張積層板の概略的な断面図を示す。但し、図3
と同部材は同符番を付して説明を省略する。本実施例2
の積層板は、実施例1と比べ、誘電体11の両面に圧延
銅箔17a,17bが形成されている点が異なる。
【0029】つまり、実施例2に係るフッ素樹脂銅張積
層板は、図4に示すように、フッ素含有率70%含浸N
Eガラスクロス13とPTFEスカイブドシート14を
交互に積層した積層体15及び該積層体15の両面に夫
々形成されたPFAフィルム16a,16bとからなる
誘電体11と、この誘電体11の両面に積層された圧延
銅箔17a,17bとを具備した構成となっている。
【0030】次に、上記フッ素樹脂銅張積層板の製造方
法について具体的に説明する。まず、厚み0.05mm
のNEガラスクロスにPTFEディスパージョン(商品
名:AD639、旭ガラス製)を含浸、焼成を数回繰り
返し、フッ素樹脂含有率が約70%のプリプレグを作製
した。次に、前記プリプレグを2〜8枚で積層し、更に
その上下にPFAフィルム(厚さ25μm)16a,1
6b、圧延銅箔(商品名:FX-BSH、三井金属製)
17a,17bを積層し、適宜PTFEスカイブドシー
ト14をプリプレグの層間に入れ、銅張積層板の厚みが
0.6mmになるようにし、380℃に設定したプレス
で単位圧力50kg/cmの条件で銅張積層板を得
た。
【0031】このようにして得られたフッ素樹脂銅張積
層板を試料として、誘電特性、フッ素樹脂含有率を測定
した。図10は、この測定結果に基づいて作成したフッ
素樹脂含有率と誘電正接との関係を示す特性図である。
【0032】(比較例1)図5は、比較例1に係るフッ
素樹脂銅張積層板の概略的な断面図を示す。但し、図3
と同部材は同符番を付して説明を省略する。比較例1の
積層板は、実施例1と比べ、フッ素含有率70%NEガ
ラスクロスを用いる代わりにフッ素含有率70%含浸E
ガラスクロスを用いる点が異なる。
【0033】つまり、比較例1に係るフッ素樹脂銅張積
層板は、図5に示すように、フッ素含有率70%含浸E
ガラスクロス21とPTFEスカイブドシート14を交
互に積層した積層体15及び該積層体15の両面に夫々
形成されたPFAフィルム16a,16bとからなる誘
電体11と、この誘電体11の両面に積層された電解銅
箔12a,12bとを具備した構成となっている。
【0034】次に、図5のフッ素樹脂銅張積層板の製造
方法について具体的に説明する。まず、厚み0.05m
mのEガラスクロスにPTFEディスパージョン(商品
名:AD639、旭ガラス製)を含浸、焼成を数回繰り
返し、フッ素樹脂含有率が約70%のプリプレグを作製
した。次に、前記プリプレグを2〜8枚で積層し、更に
その上下にPFAフィルム(厚さ25μm)16a,1
6b、電解銅箔(商品名:3EC、三井金属製)12
a,12bを積層し、適宜PTFEスカイブドシート1
4をプリプレグの層間に入れ、銅張積層板の厚みが0.
6mmになるようにし、380℃に設定したプレスで単
位圧力50kg/cmの条件で銅張積層板を得た。
【0035】このようにして得られたフッ素樹脂銅張積
層板を試料として、誘電特性、曲げ強度、フッ素樹脂含
有率を測定した。フッ素樹脂含有量と誘電率との関係、
フッ素樹脂含有量と誘電正接との関係、及びフッ素樹脂
と含有量と曲げ強度との関係は、図8、図9及び図11
に示すとうりである。
【0036】(比較例2)図6は、比較例2に係るフッ
素樹脂銅張積層板の概略的な断面図を示す。但し、図4
と同部材は同符番を付して説明を省略する。比較例2の
積層板は、実施例2と比べ、フッ素含有率70%NEガ
ラスクロスを用いる代わりにフッ素含有率70%含浸E
ガラスクロスを用いる点、及びPTFEスカイブドシー
トを用いる代わりにPTFEフィルムを用いる点が異な
る。
【0037】つまり、比較例2に係るフッ素樹脂銅張積
層板は、図6に示すように、フッ素含有含浸Eガラスク
ロス23とPTFEスカイブドシート22を交互に積層
した積層体15及び該積層体15の両面に夫々形成され
たPFAフィルム16a,16bとからなる誘電体11
と、この誘電体11の両面に積層された圧延銅箔17
a,17bとを具備した構成となっている。
【0038】次に、図6のフッ素樹脂銅張積層板の製造
方法について具体的に説明する。まず、厚み0.05m
mのEガラスクロスにPTFEディスパージョン(商品
名:AD639、旭ガラス製)を含浸、焼成を数回繰り
返し、フッ素樹脂含有率が約70%のプリプレグを作製
した。次に、前記プリプレグを2〜8枚で積層し、更に
その上下にPFAフィルム(厚さ25μm)16a,1
6b、圧延銅箔(商品名:FX-BSH、三井金属製)
17a,17bを積層し、適宜PTFEスカイブドシー
ト14をプリプレグの層間に入れ、銅張積層板の厚みが
0.6mmになるようにし、380℃に設定したプレス
で単位圧力50kg/cmの条件で銅張積層板を得
た。
【0039】このようにして得られたフッ素樹脂銅張積
層板を試料として、誘電特性、フッ素樹脂含有率を測定
した。フッ素樹脂含有量と誘電正接との関係は、図10
に示すとうりである。
【0040】(比較例3)図7は、比較例3に係るフッ
素樹脂銅張積層板の概略的な断面図を示す。但し、図3
と同部材は同符番を付して説明を省略する。比較例3の
銅張積層板は、PTFEスカイブドシート14、フッ素
含有率70%含浸石英ガラスクロス13及び厚さ25μ
PFAフィルム16a,16bからなる誘電体23の両
面に、厚さ18μmの電解銅箔12a,12bを形成し
た構成となっている。
【0041】次に、図7のフッ素樹脂銅張積層板の製造
方法について具体的に説明する。まず、厚み0.15m
mの石英ガラスクロスにPTFEディスパージョン(商
品名:AD639、旭ガラス製)を含浸、焼成を数回繰
り返し、フッ素樹脂含有率が約70%のプリプレグを作
製した。次に、前記プリプレグを2〜8枚で積層し、更
にその上下にPFAフィルム(厚さ25μm)16a,
16b、厚さ18μmの電解銅箔(商品名:3EC、三
井金属製)12a,12bを積層し、適宜PTFEスカ
イブドシート14をプリプレグの層間に入れ、銅張積層
板の厚みが0.6mmになるようにし、380℃に設定
したプレスで単位圧力50kg/cmの条件で銅張積
層板を得た。
【0042】このようにして得られたフッ素樹脂銅張積
層板を試料として、誘電特性並びに一般特性を測定し
た。ここで、下記表3に、NEガラスクロス仕様,Eガ
ラスクロス仕様において電解銅箔と圧延銅箔を使用した
場合、及び石英ガラスクロス仕様において電解銅箔を使
用した場合の特性比較を示す。
【0043】
【表3】
【0044】以上、上記実施例及び比較例から下記のよ
うなことが明らかである。
【0045】(1)NEガラスクロスの優位性 図8、図9より、同一フッ素樹脂含有率を基準とした場
合、NEガラスクロス仕様の方が低誘電率、低誘電正接
の銅張積層板が得られる。また、図11より、同一フッ
素樹脂含有率に対し、NEガラス仕様の方が曲げ強度が
高くなる。
【0046】つまり、誘電正接値について0.001程
度の特性を得る為には、Eガラスクロス仕様では92%
程度のフッ素樹脂含有量が必要であり、NEガラスクロ
ス仕様では86%程度のフッ素樹脂含有量となり、NE
ガラスクロス仕様はEガラスクロス仕様より低いフッ素
樹脂含有量となることがわかる。
【0047】具体的には、Eガラスクロス仕様における
フッ素樹脂含有量92%時の誘電率、誘電正接、曲げ強
度の実測値、及びNEガラスクロス仕様におけるフッ素
樹脂含有量86%時の誘電率、誘電正接、曲げ強度の実
測値を上記表3に示す。表3の結果より、NEガラスを
主基材に使用した方が誘電正接値、曲げ強度とも優れて
いることがわかる。
【0048】(2)実施例2、比較例2に銅箔仕様を電
解銅箔から圧縮銅箔に変更することにより、更なる特性
改良を行おうとするもので、図9及び図10の結果で見
られるように誘電正接はEガラス、NEガラス仕様共に
改善が見られ、Eガラス仕様よりNEガラス仕様が優位
にある。
【0049】表3に各ガラスを芯材とし各銅箔を使用し
た場合の特性を記載する。表3から、NEガラス仕様基
板でしかも銅箔に圧延銅箔を使用することで石英ガラス
を使用する基板に匹敵する誘電特性が得られ、かつその
他の特性においても優れた特性が得られる。
【0050】以上より、NEガラスクロスを主基材に使
用することで、Eガラスクロス高フッ素樹脂含有率と同
程度の低誘電正接を維持するプリント基板が得られ、か
つ機械的強度は損なわれない基板が得られる。また、圧
延銅箔を使用することで、更に誘電正接は改善でき、石
英ガラスクロス仕様に匹敵する特性が得られ、かつ耐熱
性、ドリル加工性に優れた低コストの基板が得られる。
【0051】なお、上記実施例では、いずれも誘電体の
両主面に電解銅箔又は圧延銅箔を形成する場合について
述べたが、これに限らず、誘電体の一方の主面に電解銅
箔又は圧延銅箔を形成する場合にも適用できる。
【0052】
【発明の効果】以上詳記したように本発明によれば、低
誘電率で低誘電正接のガラスクロスとフッ素樹脂の複合
化により得られる誘電体と、この誘電体の少なくとも一
主面に形成された電解銅箔とを具備し、誘電率が2.3
(12GHz)以下で、誘電正接が0.001(12G
Hz)以下の特性をもつ構成とすることにより、耐熱
性、耐久性、回路加工性とともに機械的強度を損なうこ
となく優れた誘電特性を有するフッ素樹脂銅張積層板を
提供できる。
【0053】また、本発明によれば、低誘電率で低誘電
正接のガラスクロスとフッ素樹脂の複合化により得られ
る誘電体と、この誘電体の少なくとも一主面に形成され
た圧延銅箔とを具備し、誘電率が2.3(12GHz)
以下で、誘電正接が0.0005(12GHz)以下の
特性をもつ構成とすることにより、耐熱性、耐久性、回
路加工性とともに機械的強度を損なうことなく優れた誘
電特性を有するフッ素樹脂銅張積層板を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】マイクロストリップ回路の説明図。
【図2】従来のフッ素樹脂銅張積層板の説明図。
【図3】本発明の実施例1に係るフッ素樹脂銅張積層板
の説明図。
【図4】本発明の実施例2に係るフッ素樹脂銅張積層板
の説明図。
【図5】比較例1に係るフッ素樹脂銅張積層板の説明
図。
【図6】比較例2に係るフッ素樹脂銅張積層板の説明
図。
【図7】比較例3に係るフッ素樹脂銅張積層板の説明
図。
【図8】Eガラス仕様及びNEガラス仕様におけるフッ
素樹脂銅張積層板の樹脂含有率と誘電率との関係を示す
特性図。
【図9】Eガラス仕様及びNEガラス仕様におけるフッ
素樹脂銅張積層板の樹脂含有率と誘電正接との関係を示
す特性図。
【図10】Eガラス仕様及びNEガラス仕様におけるフ
ッ素樹脂銅張積層板の樹脂含有率と誘電正接との関係を
示す特性図。
【図11】Eガラス仕様及びNEガラス仕様におけるフ
ッ素樹脂銅張積層板(実施例2)の樹脂含有率と曲げ強
度との関係を示す特性図。
【符号の説明】
11…誘電体、 12a,12b…電解銅箔、 13…フッ素樹脂含有率70%含浸NEガラスクロス、 14,22…PTFEスカイブドシート、 15…積層体、 16a,16b…PFAフィルム、 17a,17b…圧延銅箔、 21…フッ素樹脂含有率70%含浸Eガラスクロス、 23…フッ素樹脂含浸Eガラスクロス。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AB17C AB17D AB33C AB33D AG00A AK17B AK18 AK18J AL01 BA03 BA04 BA05 BA08 BA10C BA10D DG12A DH01 EJ82 GB43 JG05A JJ03 JK01 JL00 JL01 YY00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低誘電率で低誘電正接のガラスクロスと
    フッ素樹脂の複合化により得られる誘電体と、この誘電
    体の少なくとも一主面に形成された電解銅箔とを具備す
    る銅張積層板であり、誘電率が2.3(12GHz)以
    下で、誘電正接が0.001(12GHz)以下の特性
    をもつことを特徴とするフッ素樹脂銅張積層板。
  2. 【請求項2】 低誘電率で低誘電正接のガラスクロスと
    フッ素樹脂の複合化により得られる誘電体と、この誘電
    体の少なくとも一主面に形成された圧延銅箔とを具備す
    る銅張積層板であり、誘電率が2.3(12GHz)以
    下で、誘電正接が0.0005(12GHz)以下の特
    性をもつことを特徴とするフッ素樹脂銅張積層板。
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