JPWO2006001259A1 - 蛍光測光装置 - Google Patents

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Abstract

光源(301、302、303)と、試料(1)上に前記光源からの光を対物レンズ(103)を介して集光して照射する光照射手段と、試料から発する蛍光を検出する光検出器(306a、306b)とを少なくとも具備する蛍光測光装置において、試料像を得るための照明手段(104、105)と、試料と前記光照射手段により集光する光スポット位置との相対的な位置を調整する位置調整手段(102)と、試料像と試料上に集光する前記光照射手段からの光スポット像との両方を同時に2次元、又は3次元で撮像する撮像手段(400、800)とを備えた蛍光測光装置である。

Description

本発明は蛍光標識された細胞を微小領域で蛍光測光する蛍光測光装置に関し、特に蛍光標識された細胞の構成分子を同定する蛍光相関分光装置に関する。
溶液中に蛍光標識された分子の同定等の解析を行うために蛍光相関分光法が広く利用されている。近年この解析技術が適用される対象は溶液中の蛍光分子から、部分的あるいは全体的に蛍光標識された細胞の構成分子にまで広げられている。特に最近のさまざまな蛍光タンパクの開発は、解析対象分子拡大の動きを更に加速させている。更に、蛍光タンパクを遺伝子操作により細胞内の特定の器官に発現させることも可能になっていることから、蛍光相関分光法をはじめとする蛍光測光技術は、生命現象の源である細胞機能の解明のための強力な道具として研究者の間で広く利用されるようになっている。
そして、細胞や生体組織を解析対象とする場合には、光学顕微鏡やレーザー走査顕微鏡が蛍光相関分光装置と組み合わされて用いられている。
特表2001−505997号公報には通常の光学顕微鏡の光接続部に取り付け可能な蛍光相関分光ユニットが開示されている。この技術に係る蛍光相関分光モジュールは、励起光を入射するための接続部とピンホール装置とを備え、前記接続部と前記ピンホール装置が共通の支持体上に配置されている。そして、この構成により、既存の顕微鏡に容易に結合でき、更に再現性の良い測定結果を得ることができるとしている。
特表2003−524180号公報には、少なくとも一つの少量単位での蛍光相関分光分析用の機器構成要素からなり、蛍光相関分光分析のための測定箇所が、画像形成型の方法を利用することにより、少なくとも二次元単位で計測および選定され、また、画像形成型顕微鏡ユニットおよび機器構成要素が、共通の制御ユニットで操作され、さらに、少なくとも機器構成要素の分析結果が制御ユニットおよびコンピュータを通じて画像表示される光検出装置について開示されている。
特表2003−524180号公報に記載の技術によれば、測定対象である細胞等を走査型レーザー顕微鏡で画像化し、測定対象領域を画像上で指定することにより、この領域の蛍光相関分光データを自動的に取得することができるとしている。
ところで、細胞を構成する分子を蛍光相関分光法により解析する場合には、現在、細胞の所望の部分の解析を行っているかを保証する手段が必須となる。そもそも研究者が解析対象とするのは、細胞を構成する多くの器官のうちの特定の器官、即ち細胞核や細胞膜などであり、また、それらの器官と器官の境界部分である。通常、細胞の大きさは数ミクロンレベルであるが、蛍光相関分光法による解析対象領域はそれよりも1桁小さいサブミクロンレベルである。従って、蛍光相関分光法で解析する領域が間違いなくターゲットとする領域を捉えていることを保証できる手段が必須となる。
この点が、溶液中に蛍光標識された分子を解析する場合と大きく異なる。つまり均一な溶液中の分子の解析は、溶液内であればどこを測定してもよく、マイクロプレートが容器として使用される場合には、通常、ミリ〜サブミリメートルの精度レベルで溶液中に測定領域を設定するだけで十分である。従って、溶液中の分子の解析においては、測定領域の空間的な位置を高精度で保証する手段を必要としない。これに対して、上述したように、細胞や生体組織を解析対象とする場合には、高精度で空間的な測定位置を保証できることが必要となるのである。
しかしながら、これら従来技術は、実際の測定位置が所望の位置であることを担保する手段を備えておらず、得られる測定データの信頼性が低いという欠点を有する。
特表2003−524180号公報には、上述したような測定位置が所望の位置であることを担保する手段についてはなんら言及しておらず、その記載から、そのような担保手段を設けることについては全く配慮されていないことが明らかである。
特表2003−524180号公報に記載の技術においても、測定位置が所望の位置であることを担保する手段についてはなんら言及されていない。この技術は基本的には2次元像、あるいは3次元像を得た後、測定領域を指定し、2次元像、あるいは3次元像データに基づいて試料テーブル、又はスキャナ、又は対物レンズの垂直移動が制御され、目的の空間領域に測定光がスポット照射されるように駆動制御されるものであるが、これら駆動制御対象は必ずしも目的の空間領域に完全に位置制御されるとは限らないのである。
上述のように、蛍光相関分光法による解析対象領域は細胞を観察するときよりも1桁小さいサブミクロンレベルの位置制御が必要である。特表2003−524180号公報に記載の技術では、試料テーブルや対物レンズの垂直移動に機械的なガイド機構を備えているが、オープンループの位置制御であるため、ガイドの非直線性による位置誤差が発生し、また、環境温度の変化や経時的な劣化による誤差が発生するため、完全な目標位置への位置制御は困難であると言っても過言ではない。
なお、位置制御方法としては、機械的なガイド機構を用いずに、スキャナを使用することが考えられる。スキャナについて言えば、通常ガルバノスキャナが用いられる。しかしながら、スキャナにも走査の非線形性があるため、上述と同様の理由により完全な目的位置への位置制御は困難と言ってよい。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、信頼性の高い測定データを得ることのできる蛍光測光装置を提供することを目的とする。
本発明の1局面に係る液浸媒質の蛍光測光装置は、光源と、試料上に前記光源からの光を対物レンズを介して集光して照射する光照射手段と、試料から発する蛍光を検出する光検出器と、少なくとも具備する蛍光測光装置において、試料像を得るための照明手段と、試料と前記光照射手段により集光する光スポット位置との相対的な位置を調整する位置調整手段と、試料像と試料上に集光する前記光照射手段からの光スポット像との両方を同時に2次元、又は3次元で撮像する撮像手段と、を備えた。
本発明の第1の実施の形態に係る蛍光測光装置の構成を示す図。 蛍光観察用キューブを構成するそれぞれの光学素子の分光特性を示す図。 蛍光観察用キューブを構成するそれぞれの光学素子の分光特性を示す図。 蛍光観察用キューブを構成するそれぞれの光学素子の分光特性を示す図。 ダイクロイックミラーの分光特性を示す図。 ダイクロイックミラーの半透過/半反射の特性を示す図。 ダイクロイックミラーとバリアフィルタの分光特性を示す図。 ダイクロイックミラーとバリアフィルタの分光特性を示す図。 ダイクロイックミラーとバリアフィルタの分光特性を示す図。 本発明に係る第2の実施の形態の蛍光測光装置の構成を示す図。 ダイクロイックミラーの分光特性を示す図。 本発明に係る第3の実施の形態の蛍光測光装置の構成を示す図。 ダイクロイックミラーとバリアフィルタの分光特性を示す図。 ダイクロイックミラーとバリアフィルタの分光特性を示す図。 ダイクロイックミラーの分光特性を示す図。 本発明に係る第4の実施の形態の蛍光測光装置の構成を示す図。 3次元画像を示す図。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る蛍光測光装置の構成を示す図である。
蛍光測光装置は、倒立型顕微鏡100、光モジュール200、光源/検出モジュール300、CCDカメラ400及びコンピュータ500を備えている。
倒立型顕微鏡100の接続部101には、倒立型顕微鏡100に励起光を供給するとともに蛍光を測光するための複数の光学素子を備えた光モジュール200が接続されている。そして、この光モジュール200には、光源/検出モジュール300がシングルモードファイバ301を介して光学的に接続される。光源/検出モジュール300は、励起光の光源、蛍光の検出器を備えている。また、光モジュール200は接続部201を有し、ここに倒立型顕微鏡100の細胞等の観察像を撮影するCCDカメラ400が接続されている。CCDカメラ400の電気信号は図示しない処理ボードが内蔵されたコンピュータ500に送られ、処理された画像等がモニタ501に表示される。
次に倒立型顕微鏡100の構成について説明する。
試料1は培養細胞であり、核をDRAQ5で、微小管をGFPで蛍光標識されている。ここで、DRAQ5は、635nm近傍で励起されると、670nmにピークをもつ蛍光を発する。また、GFPは、488nm近傍で励起されると、520nmにピークをもつ蛍光を発する。
試料1はシャーレ2に培養され、顕微鏡の電動XYステージ102に載置されている。電動XYステージ102は図示しない制御器を介してコンピュータ500に接続され、コンピュータ500からの指令に基づいて駆動制御される。対物レンズ103は図示しないガイド機構により光軸方向に手動又は電動で駆動可能であり、焦点調整を行うことができる。
試料1の像を得るために、キセノンランプ104aを具備する反射蛍光照明光学系104、およびハロゲンランプ105aを具備する透過照明光学系105が備えられている。解析者は、必要に応じて反射蛍光照明光学系104あるいは透過照明光学系105を使用することができる。
反射蛍光照明光学系104は、励起フィルタ108a、ダイクロイックミラー108b、バリアフィルタ108cからなる蛍光観察用キューブ108を具備しており、さらに、蛍光観察用キューブ108は光路に挿脱可能に、切り替え装置(不図示)上に配置されている。図2A、図2B、図2Cは、蛍光観察用キューブ108を構成するそれぞれの光学素子の分光特性を示す図である。図2Aは、励起フィルタ108aの分光特性、図2Bは、ダイクロイックミラー108bの分光特性、図2Cは、バリアフィルタ108cの分光特性を表わしている。これによって、照明光学系の光とレーザ光(後述)との透過・反射を制御して、GFPとDRAQ5で蛍光標識された培養細胞を同時に照明、観察することができる。
上記照明系により照明されて、試料1の像は対物レンズ103、ダイクロイックミラー108b、バリアフィルタ108c、結像レンズ106、ミラー107を介して結像レンズ106の結像面に拡大像を作る。
続いて、蛍光測光装置の動作について説明する。
光源/検出モジュール300には、488nmの波長のレーザー光を発振する固体レーザー301、635nmの波長のレーザー光を発振する半導体レーザー302、780nmの波長のレーザー光を発振する半導体レーザー303が各レーザーに対応するシャッタ304とともに配置される。各レーザーから射出するレーザー光は適当なダイクロイックミラーやミラーを介して合成され、集光レンズ305とシングルモードファイバ301を介して光モジュール200に導かれる。
シングルモードファイバ301から射出するレーザー光はレンズ203を介して集光位置204に集光する。なお、集光位置204は結像レンズ106の結像位置に設定されている。また、レンズ203の射出のNAは対物レンズへの入射ビーム径が略対物レンズの瞳を満たすように設定されている。
レーザー光は図3に示すような分光特性をもつダイクロイックミラー205で反射され、図4に示すような半透過/半反射の特性を有するビームスプリッタ206を透過する。そして、ミラー107、結像レンズ106、を経て対物レンズ103に入射し、試料1上に集光して光スポットを形成する。
上記レーザー光で照射された試料1からの光(反射/散乱/蛍光等)は光路を逆に進み、反射蛍光照明光学系104あるいは透過照明光学系105で照明された試料からの光(透過/反射/散乱/蛍光等)とともにビームスプリッタ206に照射する。ビームスプリッタ206では、図4に示す特性によって、照射される光の光量の約半分が反射されてCCDカメラ400内のCCD撮像素子401に入る。このCCD撮像素子401は結像レンズ106の結像位置に配置されているため、試料の観察像と上記レーザ光の光スポット像とを得ることができる。この撮像はコンピュータ500に送られ、モニタ501で表示される。
なお、ビームスプリッタ206は図示しない切り替え手段により光路に挿脱可能に構成されており、試料の観察を行わずに試料からの蛍光測光を行うときには光路から外れるようになっている。なお、この動作は後述するように、レーザ光の選択に連動して行うように構成しても良い。
結像レンズ106の焦点位置にはピンホール207が配置され、共焦点光学系が構成されている。そして、ピンホール207を通過した試料1からの光はコリメートレンズ208で平行光になって、図5Aに示す分光特性を有するダイクロイックミラー209に入射する。この分光特性により、DRAQ5で標識された試料の核からの蛍光はダイクロイックミラー209を透過し、微小管(GFP)からの蛍光はダイクロイックミラー209で反射される。各光路にはそれぞれ図5B、図5Cに示す分光特性を有するバリアフィルタ210a,210bが配置されて、試料1からの蛍光のみを透過するようになっており、各蛍光は集光レンズ211a,211bを経てマルチモードファイバ202a,202bを介して光源/検出モジュール300に導光される。
光モジュール200からの光が伝送されるマルチモードファイバ202a,202bには、高速フォトンカウンティングが可能なアバランシェフォトダイオード306a,306bが接続され、その測定出力は、通信/制御ボード307に送られる。そして、通信/制御ボード307はその測定出力をコンピュータ500に送信し、コンピュータ500はその測定値に基づいて蛍光相関解析を実行する。なお通信/制御ボード307はコンピュータ500からの指令により各レーザーに対応したシャッタ304の開閉制御を行うとともに、各レーザーの発振出力も制御可能に構成されている。
次にこの実施の形態の蛍光測光装置を用いた測定手順について詳細に説明する。
ステップ1では、試料像を表示する。
反射蛍光照明光学系104で試料を照明し、目的の試料部位である核に焦点を調整して、CCDカメラ400によりモニタ501にDRAQ5で標識された試料の核の像600、およびGFPで標識された微小管の像601を表示する。なお表示は適当なCCDのシャッタ速度で連続的に表示するとよい。
ステップ2では、シャッタを制御して光源を選択する。
コンピュータ500からの指令により、780nmの波長のレーザー光を発振する半導体レーザー303の光路に設定されているシャッタ304を開き、レーザー光を試料1に照射する。なおその他のレーザーに対応するシャッタ304は閉じておく。
ステップ3では、試料の照準を行う。
モニタ501上には、780nmの波長のレーザー光を発振する半導体レーザー303からのレーザースポット602が表示されるので、レーザースポット602が細胞の所望の位置に照射されるように電動ステージ102を駆動して細胞を移動する。本実施の形態では、細胞の核を照準している。なお、核はDRAQ5で標識されているので、780nmの波長のレーザー光を発振する半導体レーザー303では励起されることはない。したがって目的の場所を照準している間に試料1が退色する心配は全くない。
ステップ4では、蛍光測光に必要のない光学素子を退避する。
蛍光観察用キューブ108、ビームスプリッタ206を光路から外す。
ステップ5では、シャッタを制御して光源を選択する。
780nmの波長のレーザー光を発振する半導体レーザー303の光路に設定されているシャッタ304を閉じ、635nmの波長のレーザー光を発振する半導体レーザー302の光路に設定されているシャッタ304を開放する。
ステップ6では、蛍光測光を行う。
DRAQ5で標識された核の蛍光測光を開始し、測光データをコンピュータ500に取り込む。
ステップ7では、シャッタを制御する。
測光が終了したら、635nmの波長のレーザー光を発振する半導体レーザー303の光路に設定されているシャッタ304を閉じる。
なお、上述の手順においてレーザー光源の選択に合せて、ビームスプリッタ206が挿脱されるような制御手段を設けても良い。
以上、DRAQで標識された核の蛍光測光を行う手順を示したが、488nmの波長のレーザー光を発振する半導体レーザー301を照射してGFPで標識した微小管を測光しても良いし、両方を切り替えながら測光してもよい。更に、試料像を得るためには、透過照明光学系105により照明した像を表示させてもよいし、透過照明光学系105、反射蛍光照明光学系104の両方により照明して試料像を表示させてもよい。
また、レーザーに代えてLEDを用いても良い。レーザーとほぼ同じ波長を持つLEDは存在するため、LEDを用いることにより、蛍光測光装置を小型・安価に構成することができる。
なお、照準用のレーザ301の波長は、測定用のレーザ302、303の波長よりも長いほうが望ましい。長波長の光は、短波長の光よりもエネルギが低いため、試料に対して測定を乱すような影響を及ぼさないからである。さらに、上述したステップに自動的に焦点を微調しながら蛍光測光を行うステップを加えても良い。これにより細胞の深さ方向の蛍光相関データを得ることができる。
[第1の実施の形態の効果]
第1の実施の形態では、試料を励起させるレーザーの他に、試料を照準するためのレーザーとして半導体レーザー303を設けている。そして、これらのレーザー光を合成して1本のシングルモードファイバを用いて照射光学系に導いている。従って、照準位置と測定位置とを一致させることができ、データの信頼性を高めることができる。
また、ビームスプリッタ206を光路から挿脱することにより、容易に照準位置の観察と蛍光測定を切替えて確認することが可能である。
更に、光モジュール200がCCDカメラの接続部201と光源/検出モジュール300からの導光のためのレンズ203を含んでいるので、CCDカメラや写真撮影装置をとりつけるための顕微鏡の接続部に取り付けるだけで使用できる。もちろん、光モジュール200は、CCDカメラ含めて一体として構成しても良い。
本実施の形態では、光モジュール200を倒立型顕微鏡に接続しているが、正立型顕微鏡の接続部に取り付けることも可能であり、システム性に優れた蛍光測光装置を提供できる。また、アバランシェフォトダイオードは光源/検出モジュール300に内蔵されているので光モジュール200を小型にできるという利点を有している。
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態では、倒立型顕微鏡100と光モジュール200との構成が第1の実施の形態と異なっている。従って、第1の実施の形態と同一の部位には同一の符号を付してその詳細の説明を省略する。
図6は、本発明に係る第2の実施の形態の蛍光測光装置の構成を示す図である。
倒立型顕微鏡100が第1の実施の形態と異なるところは、光源/検出モジュール300からのレーザー光を導くコリメートレンズユニット700を備えている点であり、これ以外は第1の実施の形態と同じ構成になっている。
倒立型顕微鏡100には接続部101を介して蛍光測光のための光モジュール200が接続され、更に、光源/検出モジュール300がシングルモードファイバ301、コリメートレンズユニット700を介して倒立型顕微鏡100に接続されている。そしてコリメートレンズユニット700には、図7に示す分光特性を有するダイクロイックミラー701とコリメートレンズ702が設けられている。
光モジュール200が第1の実施の形態と異なるところは、光源/検出モジュール300からのレーザー光を導く機構が設けられていない点と、ビームスプリッタ206に替えて全反射ミラー212が設けられている点であり、これ以外は第1の実施の形態と同じ構成になっている。
光モジュール200は接続部201を有し、ここにCCDカメラ400が接続されている。CCDカメラ400の電気信号は図示しない処理ボードが内蔵されたコンピュータ500に送られ、モニタ501に得られた画像が表示される。もちろん、光モジュール200は、CCDカメラ含めて一体として構成しても良い。
なお、光源/検出モジュール300については第1の実施の形態と同じ構成である。
続いて、蛍光測光装置の動作について説明する。
光源/検出モジュール300からのレーザー光は、コリメートレンズユニット700と対物レンズ103を介して試料1に照射されて光スポットを生成する。試料1からの光(反射/散乱/蛍光等)と反射蛍光照明光学系104あるいは透過照明光学系105で照明された試料からの光(透過/反射/散乱/蛍光等)はともに光モジュール200に導かれ、全反射ミラー212で反射されてCCDカメラ400に照射する。このCCD撮像素子401は結像レンズ106の結像位置に配置されているため、試料の観察像と光スポットの像を得ることができる。この撮像はコンピュータ500に送られ、モニタ501で表示される。
なお、全反射ミラー212は図示しない切り替え手段により光路に挿脱可能に構成されており、光源モジュール300からのレーザー光が照射されて試料1からの蛍光測光を行うときには光路から外れるようになっている。この挿脱動作は、レーザ光の選択に連動して行うようにしても良い。その他については実施例1と同じ構成である。
また、第2の実施の形態の蛍光測光装置を用いた測定手順についても第1の実施の形態と同じであるのでその詳細の説明を省略する。
[第2の実施の形態の効果]
第2の実施の形態では、光モジュール200は光源/検出モジュール300からの光導光部が実装されていないので、第1の実施の形態の構成よりも小型に製作することができる。
また、ダイクロイックミラーに替えて全反射ミラー212を使用しているので、試料1からの光を光損失を抑えながらCCDカメラ400に送ることができる。
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態では、一台のレーザーで照準用と測定用の機能を共用して最小のモジュール構成としている点が第1の実施の形態と異なっている。従って、第1の実施の形態と同一の部位には同一の符号を付してその詳細の説明を省略する。
図8は、本発明に係る第3の実施の形態の蛍光測光装置の構成を示す図である。
倒立型顕微鏡100の接続部101には、倒立型顕微鏡100に励起光を供給するとともに蛍光を測光するための複数の光学素子を備えた光モジュール200が接続されている。そして、この光モジュール200には、光源/検出モジュール300がシングルモードファイバ301を介して光学的に接続される。光源/検出モジュール300は、励起光の光源、蛍光の検出器を備えている。
また、光モジュール200は接続部201を有し、ここに倒立型顕微鏡100の細胞等の観察像を撮影するCCDカメラ400が接続されている。CCDカメラ400の電気信号は図示しない処理ボードが内蔵されたコンピュータ500に送られ、モニタ501に処理された画像等が表示される。もちろん、光モジュール200は、CCDカメラ400を含んで一体として構成しても良い。
試料1は培養細胞であり、核をDAPIで蛍光標識されている。試料1はシャーレ2に培養され、顕微鏡の電動XYステージ102に載置されている。電動XYステージ102は図示しない制御器を介してコンピュータ500に接続され、コンピュータ500からの指令に基づいて駆動制御される。対物レンズ103は図示しないガイド機構により光軸方向に手動又は電動で駆動可能であり、焦点調整を行うことができる。
また、倒立型顕微鏡100には、試料1の像を得るために、680nmの光を発するLED105bを具備する透過照明光学系105が備えられている。
続いて、蛍光測光装置の動作について説明する。
光源/検出モジュール300には、405nmの波長のレーザー光を発振する半導体レーザー308がシャッタ304とともに配置されている。レーザー光は集光レンズ305とシングルモードファイバ301を介して光モジュール200に導かれる。
シングルモードファイバ301から射出するレーザー光はレンズ203を介して集光位置204に集光する。なお、集光位置204は結像レンズ106の結像位置に設定されている。また、レンズ203の射出のNAは対物レンズへの入射ビーム径が略対物レンズの瞳を満たすように設定されている。
レーザー光は図9Aに示すような分光特性をもつダイクロイックミラー205で反射され、図10に示すような分光特性を有する固定配置されたビームスプリッタ206を透過する。この分光特性では、405nmの波長の光は約80%程度透過する。そして、ミラー107、結像レンズ106を経て対物レンズ103に入射し、試料1上に集光して光スポットを形成する。
上記レーザー光で照射された試料1からの光(反射/散乱/蛍光等)は光路を逆に進み、透過照明光学系105で照明された試料からの光(透過/反射/散乱/蛍光等)とともビームスプリッタ206を照射する。ビームスプリッタ206では、図10に示す分光特性に応じて反射された光が、CCDカメラ400内のCCD撮像素子401に入る。このCCD撮像素子401は結像レンズ106の結像位置に配置されているため、試料の観察像と光スポット像とを得ることができる。この撮像はコンピュータ500に送られ、モニタ501で表示される。すなわち、モニタ501には透過像とともに405nmの波長のレーザースポット像が表示される。
一方試料1からのDAPIによる蛍光を含む光は図9Bに示すような分光特性を有するバリアフィルタ210によりDAPIによる蛍光のみが通過し、マルチモードファイバ202に入射する。なお、適当なコア径を有するマルチモードファイバ202の端面は結像レンズ106の結像位置に配置され、共焦点光学系として機能している。そして、DAPIによる蛍光はマルチモードファイバ202を介して光源/検出モジュール300に導光される。
光モジュール200からの光が伝送されるマルチモードファイバ202には、高速フォトンカウンティングが可能なアバランシェフォトダイオード306が接続され、その測定出力は、通信/制御ボード307に送られる。そして、通信/制御ボード307はその測定出力をコンピュータ500に送信し、コンピュータ500はその測定値に基づいて蛍光相関解析を実行する。なお通信/制御ボード307はコンピュータ500からの指令により各レーザーに対応したシャッタ304の開閉制御を行うとともに、各レーザーの発振出力も制御可能に構成されている。
次にこの実施の形態の蛍光測光装置を用いた測定手順について詳細に説明する。
ステップ1では、試料像を表示する。
透過照明光学系105で試料を照明し、CCDカメラ400によりモニタ501に試料1の透過像を表示する。なお表示は適当なCCDのシャッタ速度で連続的に表示するとよい。
ステップ2では、シャッタを制御して光源を選択する。
コンピュータ500からの指令により半導体レーザー308の光路に設定されているシャッタ304を開きレーザー光を試料1に照射する。
ステップ3では、試料を照準する。
モニタ501上にレーザースポット602が表示されるので、レーザースポット602が細胞の所望の位置に照射されるように電動ステージ102を駆動して細胞の目的の場所に移動する。本実施の形態では、細胞の核を照準している。なお、核はDAPIで標識されているので、680nmの波長の光を発するLED105bでは励起されることはなく、したがって目的の場所を照準している間に試料1が退色する心配は全くない。
ステップ4では、蛍光測光を行う。
蛍光測光を開始し、測光データをコンピュータ500に取り込む。
ステップ5では、シャッタを制御する。
測光が終了したら、シャッタ304を閉じる。
[第3の実施の形態の効果]
第3の実施の形態では、ビームスプリッタ206を固定配置するなどにより、駆動部を設けていない。したがって信頼性が高くかつ安価な蛍光測光装置を提供することができる。
またレーザーに405nmの波長のレーザー光を発振する半導体レーザー308を用い、1台で照準と測定を兼ねた構成としている。従って、装置の構成を最小とすることができる。
[第4の実施の形態]
第4の実施の形態では、共焦点レーザー顕微鏡を用いて構成している点が第1の実施の形態と異なっている。従って、第1の実施の形態と同一の部位には同一の符号を付してその詳細の説明を省略する。
図11は、本発明に係る第4の実施の形態の蛍光測光装置の構成を示す図である。
倒立型顕微鏡100の底面部にある接続部101には、倒立型顕微鏡100に励起光を供給するとともに蛍光を測光するための複数の光学素子を備えた光モジュール200が接続されている。そして、この光モジュール200には、光源/検出モジュール300がシングルモードファイバ301を介して光学的に接続される。光源/検出モジュール300は、励起光の光源、蛍光の検出器を備えている。また、共焦点レーザー顕微鏡モジュール800が倒立型顕微鏡100の側面部にある接続部110に接続されている。共焦点レーザー顕微鏡モジュール800からの出力信号は、図示しない処理ボードが内蔵されたコンピュータ500に送られ、モニタ501に処理された画像等が表示される。
倒立型顕微鏡101について説明する。
試料1は培養細胞であり、核をDRAQ5で、微小管をGFPで蛍光標識されている。試料1はシャーレ2に培養され、顕微鏡の電動XYステージ102に載置されている。電動XYステージ102は図示しない制御器を介してコンピュータ500に接続され、コンピュータ500からの指令に基づいて駆動制御される。対物レンズ103は図示しないガイド機構により光軸方向に手動又は電動で駆動可能であり、焦点調整を行うことができる。また、図4に示す半透過/半反射の特性を有するビームスプリッタ111が光路に挿脱可能に切り替え装置(不図示)上に配置されている。なお、透過照明光学系や反射蛍光照明光学系は煩雑を避けるために図示していないが、第一実施例と同様に具備していてもよい。
続いて、蛍光測光装置の動作について説明する。
光源/検出モジュール300には、488nmの波長のレーザー光を発振する固体レーザー301、635nmの波長のレーザー光を発振する半導体レーザー302、780nmの波長のレーザー光を発振する半導体レーザー303が各レーザーに対応するシャッタ304とともに配置される。各レーザー301、302から射出するレーザー光は適当なダイクロイックミラーを介して合成される。
合成されたレーザー光は、挿脱可能に配置されたミラー308が光路に挿入されているときには反射されて、集光レンズ305bとシングルモードファイバ310を介して、共焦点レーザー顕微鏡モジュール800に導かれる。一方、合成されたレーザー光は、挿脱可能に配置されたミラー308が光路から外れているときはそのまま直進し、780nmの波長のレーザー光を発振する半導体レーザー303と更に合成される。そして、レーザー光は集光レンズ305aとシングルモードファイバ301を介して光モジュール200に導かれる。
シングルモードファイバ310により共焦点レーザー顕微鏡モジュール800に導かれたレーザー光は、コリメートレンズ801により平行光となり、図4に示す分光特性を有するダイクロイックミラー802で反射される。反射されたレーザー光は、ガルバノミラー803a、803bで2次元に光走査され、瞳投影レンズ804を介して倒立型顕微鏡100に入射する。なおガルバノミラー803a、803bの中間位置805は、瞳投影レンズ804、ビームスプリッタ111、結像レンズ106を介して、略対物レンズ103の瞳位置、即ち後側焦点位置103’に投影されるようになっている。
これにより、対物レンズ103を射出するレーザー光は試料1上に集光すると共に、試料1を2次元に走査する。このレーザー光により励起され、試料1から発せられる蛍光(核:DRAQ、微小管:GFP)は、それぞれ光路を逆に戻り、ダイクロイックミラー802を透過して共焦点レンズ806、ピンホール807を通過し、図5Aの分光特性を有するダイクロイックミラー808に入射する。
試料1からの蛍光は、ダイクロイックミラー808の分光特性に応じて分岐する。即ち、核:DRAQは透過し、微小管:GFPは反射する。これらの光はそれぞれ図5B、図5Cに示す分光特性を有するバリアフィルタ809a、809bで蛍光のみがそれぞれ取り出され、フォトマル810a、810bで検出される。この検知信号はコンピュータ500に入力されて処理され、核:DRAQ、微小管:GFPの各画像がモニタ501に表示される。
シングルモードファイバ301によって光モジュール200に導かれたレーザー光はレンズ203を介して集光位置204に集光する。なお、集光位置204は結像レンズ106の結像位置に設定されている。またレンズ203の射出のNAは対物レンズへの入射ビーム径が略対物レンズの瞳を満たすように設定されている。レーザー光は図3に示す分光特性をもつダイクロイックミラー205で反射され、倒立型顕微鏡100に入り、ビームスプリッタ111、結像レンズ106を経て対物レンズ103に入射し、試料1上に集光して光スポットを形成する。
上記レーザー光で照射された試料1からの光(反射/散乱/蛍光等)は光路を逆に進み、共焦点レーザー顕微鏡モジュール800で光走査された試料からの光(透過/反射/散乱/蛍光等)とともにビームスプリッタ111で光量の約半分が反射されて共焦点レーザー顕微鏡モジュール800に戻り、上述のようにモニタ501に表示される。
一方、蛍光測光を行う際には、ビームスプリッタ111は切り替え手段(不図示)により光路から外されるため、試料からの光は光モジュール200に入射する。光モジュール200に設けられたピンホール207は結像レンズ106の焦点位置に配置され、共焦点光学系が構成されている。ピンホール207を通過した試料1からの光はコリメートレンズ208で平行光になって図5Aに示す分光特性を有するダイクロイックミラー209に入射する。
この分光特性により、試料の核(DRAQ5)からの蛍光は透過し、微小管(GFP)からの蛍光は反射される。各光路にはそれぞれバリアフィルタ210a,210bが配置されて、試料1からの蛍光のみを透過するようになっており、各蛍光は集光レンズ211a,211bを経てマルチモードファイバ202a,202bに導光されて光源/検出モジュール300に送られる。
光モジュール200からの光が伝送されるマルチモードファイバ202a,202bには、高速フォトンカウンティングが可能なアバランシェフォトダイオード306a,306bが接続され、その測定出力は、通信/制御ボード307に送られる。そして、通信/制御ボード307はその測定出力をコンピュータ500に送信し、コンピュータ500はその測定値に基づいて蛍光相関解析を実行する。なお通信/制御ボード307はコンピュータ500からの指令により各レーザーに対応したシャッタ304の開閉制御を行うとともに、各レーザーの発振出力も制御可能に構成されている。
次にこの実施の形態の蛍光測光装置を用いた測定手順について詳細に説明する。
ステップ1では、試料像を表示する。
488nmの波長のレーザー光を発振する固体レーザー301、635nmの波長のレーザー光を発振する半導体レーザー302に対応するシャッタ304を開放にするとともに、ミラー308を光路に挿入し、共焦点レーザー顕微鏡モジュール800にレーザー光を伝送する。
共焦点レーザー顕微鏡モジュール800を用いて試料1を照射し、目的の試料部位(この例では核)に焦点を調整して、フォトマル810a、810bの出力信号をコンピュータ500に出力する。コンピュータ500は、出力信号に基づいてモニタ501にDRAQ5で標識された試料の核の像600、およびGFPで標識された微小管の像601を表示する。なお表示は共焦点レーザー顕微鏡モジュール800の走査速度に対応した速度で連続的に表示するとよい。
ステップ2では、シャッタを制御して光源を選択する。
コンピュータ500からの指令により、780nmの波長のレーザー光を発振する半導体レーザー303の光路に設定されているシャッタ304を開いて、照準用のレーザー光を試料1に照射する。なおその他のレーザーに対応するシャッタ304は閉じておく。
ステップ3では、試料を照準する。
モニタ501上にレーザースポット602が表示されるので、レーザースポット602が細胞の所望の位置に照射されるように電動ステージ102を駆動して細胞を目的の場所に移動する。本実施の形態では、細胞の核を照準している。なお、核はDRAQ5で標識されているので、780nmの波長のレーザー光を発振する半導体レーザー303では励起されることはない。したがって目的の場所を照準している間に試料1が退色する心配は全くない。
ステップ4では、3次元画像を得る。
ステップ1の焦点面を変えて、核の大きさを包含する程度にXYZ画像を取得し、この画像を元に図12に示す3次元画像を得る。これにより780nmの波長のレーザースポット像602、DRAQ5で標識された核600、GFPで標識された微小管601の画像が表示され、測定スポット602が所望の位置にあるかどうかを確認する。よければ次のステップに進み、そうでなければステップ1からステップ4を繰り返す。
ステップ5では、蛍光測光に必要のない光学素子を退避する。
蛍光観察用キューブ108、ビームスプリッタ111を光路から外す。
ステップ6では、シャッタを制御して光源を選択する。
780nmの波長のレーザー光を発振する半導体レーザー302の光路に設定されているシャッタ304を閉じ、635nmの波長のレーザー光を発振する半導体レーザー302の光路に設定されているシャッタ304を開放する。また、488nmのレーザ光を発振する半導体レーザ301の光路に設定されているシャッタ304も閉じる。
ステップ7では、蛍光を測光する。
蛍光測光を開始し、測光データをコンピュータ500に取り込む。
ステップ8では、シャッタを制御する。
測光が終了したら、635nmの波長のレーザー光を発振する半導体レーザー302の光路に設定されているシャッタ304を閉じる。
本実施の形態ではDRAQ5で標識された核の蛍光測光の例を示したが、488nmの波長のレーザー光を発振する半導体レーザー301を照射してGFPで標識した微小管を測光しても良いし、両方切り替えながら測光してもよい。なお、上述した操作ステップは一例であってこれに限るものではない。
重要なことは、スポットの測定領域が少なくとも2次元以上で確認でき、目的とするスポット領域に照準されていれば蛍光測光を開始し、照準されていなければこれを位置合わせし直すことのできるステップを含むこと、および実現できる構成である。
なお、上述の各実施の形態では蛍光相関分光測光を行うためのシステムを例として挙げたが、勿論これに限られるものではなく、目的とする測定領域を確実に蛍光測光する必要のある装置であれば、全てに適合可能である。
[第4の実施の形態の効果]
第4の実施の形態によれば、共焦点レーザー顕微鏡を用いた蛍光測光において、照準位置と測定位置とを一致させ、データの信頼性を高めることができる。
次に本発明の特徴となる点について説明する。
上述の各実施の形態においては全て、蛍光測光と撮像を切替える手段として、撮像光路を主光路から反射させ、蛍光測光光路を主光路をそのまま直進するように設定している。つまり、第1の実施の形態におけるビームスプリッタ206、第2の実施の形態における全反射ミラー212、第4の実施の形態におけるビームスプリッタ111である。
このような構成としたことには大きな理由がある。なぜなら、これを逆にすると、ビームスポット位置と試料像の両方を撮像する場合にはビームスプリッタを、蛍光測光時にはミラーを光路に入れることになるが、ビームスプリッタとミラーとの角度を完全には同じにできないため、ビームスプリッタを光路に入れてせっかく目的の試料位置にスポットを照準しても、蛍光測光のためにミラーに切り替えた時点で、先の照準位置には完全には照射できないからである。
これに対して、本実施の形態のように撮像光路を反射させるようにすることで、反射手段を光路からはずしても、蛍光測光時に照準位置が狂うことはない。注意すべきは、反射手段206、111のガラス板の平行度を、クサビにならないように、精度良く作成することだけである。
さらに特表2003−524180号公報の図1を例に挙げれば理解しやすい。
もし、蛍光測光をFUで蛍光光量を損失無く行うとすると、分岐光路にはミラーが光路に選択されることになる。もし、ビームスプリッタとミラーが切り替え式に構成されているとしても(この特表2003−524180号公報にはこのような記述は無いが)、ミラーとビームスプリッタの反射角度は完全には一致させられないので、正確に位置を照準することはできない。
以上説明した実施の形態に基づき、本発明は以下のように表わすことができる。
(1)光源と、試料上に前記光源からの光を対物レンズを介して集光して照射する光照射手段と、試料から発する蛍光を検出する光検出器と、少なくとも具備する蛍光測光装置において、試料像を得るための照明手段と、試料と前記光照射手段により集光する光スポット位置との相対的な位置を調整する位置調整手段と、試料像と試料上に集光する前記光照射手段からの光スポット像との両方を同時に2次元、又は3次元で撮像する撮像手段と、を備えたことを特徴とする蛍光測光装置。
撮像手段は、第1〜3の実施の形態では、CCDカメラ400として、第4の実施の形態では共焦点レーザー顕微鏡モジュール800として表わしている。
(2)対物レンズから前記光検出器までの光路上には反射手段が設けられ、前記反射手段は、試料像を形成する光と、試料を透過又は反射又は散乱する前記光源からの光との両方を少なくとも部分的に反射して前記撮像手段に向けることを特徴とする蛍光測光装置。
反射手段は、第1〜4の実施の形態では、それぞれビームスプリッタ206、全反射ミラー212、ビームスプリッタ206、ビームスプリッタ111として表わしている。
(3)前記反射手段は部分透過光学素子、又は、波長特性を有するダイクロイックミラー等のビームスプリッタで構成されることを特徴とする蛍光測光装置。
(4)前記ビームスプリッタは、試料からの蛍光を少なくとも部分的に透過して前記光検出器に導くように固定配置されることを特徴とする蛍光測光装置。
第3の実施の形態におけるビームスプリッタ206は、固定配置されている。
(5)前記反射手段は光路に挿脱可能に構成された全反射ミラーで構成され、前記光源からの光は前記対物レンズと前記全反射ミラーとの間の光路に導かれることを特徴とする蛍光測光装置。
第2の実施の形態では、全反射ミラー212が設けられている。
(6)前記反射手段は、切り替え手段によって光路に対して挿脱可能であり、前記反射手段が光路から外れたときに試料からの蛍光を前記光検出器に導くように配置されることを特徴とする蛍光測光装置。
第1、3、4の実施の形態におけるビームスプリッタ206、全反射ミラー212、ビームスプリッタ111は、切り替え手段によって光路に対して挿脱可能である。
(7)前記照明手段は反射型の照明装置で構成され、前記照明手段からの光は、前記反射手段と前記対物レンズとの間の光路上に導かれることを特徴とする蛍光測光装置。
第1、2の実施の形態における反射蛍光照明光学系104は、反射型の照明装置である。
(8)前記照明手段は透過型の照明装置で構成されることを特徴とする蛍光測光装置。
第1〜3の実施の形態における透過照明光学系105は、透過型の照明装置である。
(9)前記反射手段と前記光検出器との間に、前記光照射手段により集光する光スポットと光学的に共役な位置にピンホールが配置される請求項2に記載の蛍光測光装置。
第1、2、4の実施の形態には、ピンホール207が設けられている。
(10)前記ピンホールは前記反射手段が配置される光路と同軸に配置されることを特徴とする蛍光測光装置。
(11)少なくとも前記反射手段と前記ピンホールとは共通のフレーム上に光モジュールとして構成されることを特徴とする蛍光測光装置。
第1、2、4の実施の形態における光モジュールは、反射手段と前記ピンホールを備えている。ここで、光モジュールとは、複数の光学素子を備え一体として構成されるユニットをいう。
(12)前記光モジュールは、前記撮像手段を接続可能な接続部を設けていることを特徴とする蛍光測光装置。
(13)前記光モジュールは、前記撮像手段を含んでいることを特徴とする蛍光測光装置。
(14)前記撮像手段は、2次元CCDカメラであることを特徴とする蛍光測光装置。
(15)前記撮像手段は、共焦点レーザー顕微鏡モジュールであることを特徴とする蛍光測光装置。
(16)前記光照射手段は、それぞれ波長の異なる蛍光測光のための測光用の光源と、測光位置確認のための光源とを含み、これら光源からの光を選択的に試料に向けて照射する光源選択手段を備えていることを特徴とする蛍光測光装置。
第1、2、4の実施の形態におけるシャッタ304は、光源からの光を選択的に試料に向けて照射する。
(17)前記測光用の光源は、レーザー又はLEDであることを特徴とする蛍光測光装置。
(18)前記測光位置確認のための光源は、レーザー又はLEDであることを特徴とする蛍光測光装置。
(19)前記測光位置確認のための光源は、前記測光用の光源よりも長い波長の光を発することを特徴とする蛍光測光装置。
(20)前記光源選択手段は前記切り替え手段と連動して動作し、測光位置確認のための光源が選択される場合には、前記反射手段が光路に挿入され、測光用の光源が選択される場合には、前記反射手段が光路から外れるように制御される制御手段を備えていることを特徴とする蛍光測光装置。
(21)前記光照射手段は、前記測光用の光源からの光と前記測光位置確認のための光源からの光をシングルモードファイバに導入する導入手段を備えていることを特徴とする蛍光測光装置。
(22)前記共焦点レーザー顕微鏡モジュールは試料像と前記試料上に集光する前記光照射手段からの光スポット像、の両方を、複数の2次元像を基に3次元像に構築する3次元画像構築手段を備えていることを特徴とする蛍光測光装置。
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
本発明は目的とする測定領域を確実に蛍光測光することのできる蛍光測光装置を製造する産業に広く利用することができる。

Claims (22)

  1. 光源と、
    試料上に前記光源からの光を対物レンズを介して集光して照射する光照射手段と、
    試料から発する蛍光を検出する光検出器と、
    を少なくとも具備する蛍光測光装置において、
    試料像を得るための照明手段と、
    試料と前記光照射手段により集光する光スポット位置との相対的な位置を調整する位置調整手段と、
    試料像と試料上に集光する前記光照射手段からの光スポット像との両方を同時に2次元、又は3次元で撮像する撮像手段と、
    を備えたことを特徴とする蛍光測光装置。
  2. 対物レンズから前記光検出器までの光路上には反射手段が設けられ、
    前記反射手段は、試料像を形成する光と、試料を透過又は反射又は散乱する前記光源からの光との両方を少なくとも部分的に反射して前記撮像手段に向けることを特徴とする請求項1に記載の蛍光測光装置。
  3. 前記反射手段は部分透過光学素子、又は、波長特性を有するダイクロイックミラー等のビームスプリッタで構成されることを特徴とする請求項2に記載の蛍光測光装置。
  4. 前記ビームスプリッタは、試料からの蛍光を少なくとも部分的に透過して前記光検出器に導くように固定配置されることを特徴とする請求項3に記載の蛍光測光装置。
  5. 前記反射手段は光路に挿脱可能に構成された全反射ミラーで構成され、前記光源からの光は前記対物レンズと前記全反射ミラーとの間の光路に導かれることを特徴とする請求項2に記載の蛍光測光装置。
  6. 前記反射手段は、切り替え手段によって光路に対して挿脱可能であり、前記反射手段が光路から外れたときに試料からの蛍光を前記光検出器に導くように配置されることを特徴とする請求項2乃至3のいずれか1項に記載の蛍光測光装置。
  7. 前記照明手段は反射型の照明装置で構成され、
    前記照明手段からの光は、前記反射手段と前記対物レンズとの間の光路上に導かれることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の蛍光測光装置。
  8. 前記照明手段は透過型の照明装置で構成されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の蛍光測光装置。
  9. 前記反射手段と前記光検出器との間に、前記光照射手段により集光する光スポットと光学的に共役な位置にピンホールが配置されることを特徴とする請求項2乃至8のいずれか1項に記載の蛍光測光装置。
  10. 前記ピンホールは前記反射手段が配置される光路と同軸に配置されることを特徴とする請求項9に記載の蛍光測光装置。
  11. 少なくとも前記反射手段と前記ピンホールとは共通のフレーム上に光モジュールとして構成されることを特徴とする請求項9乃至10のいずれか1項に記載の蛍光測光装置。
  12. 前記光モジュールは、前記撮像手段を接続可能な接続部を設けていることを特徴とする請求項11に記載の蛍光測光装置。
  13. 前記光モジュールは、前記撮像手段を含んでいることを特徴とする請求項11に記載の蛍光測光装置。
  14. 前記撮像手段は、2次元CCDカメラであることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の蛍光測光装置。
  15. 前記撮像手段は、共焦点レーザー顕微鏡モジュールであることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の蛍光測光装置。
  16. 前記光照射手段は、それぞれ波長の異なる蛍光測光のための測光用の光源と、測光位置確認のための光源とを含み、これら光源からの光を選択的に試料に向けて照射する光源選択手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載の蛍光測光装置。
  17. 前記測光用の光源は、レーザー又はLEDであることを特徴とする請求項16に記載の蛍光測光装置。
  18. 前記測光位置確認のための光源は、レーザー又はLEDであることを特徴とする請求項16に記載の蛍光測光装置。
  19. 前記測光位置確認のための光源は、前記測光用の光源よりも長い波長の光を発することを特徴とする請求項16に記載の蛍光測光装置。
  20. 前記光源選択手段は前記切り替え手段と連動して動作し、測光位置確認のための光源が選択される場合には、前記反射手段が光路に挿入され、測光用の光源が選択される場合には、前記反射手段が光路から外れるように制御される制御手段を備えていることを特徴とする請求項16乃至19のいずれか1項に記載の蛍光測光装置。
  21. 前記光照射手段は、前記測光用の光源からの光と前記測光位置確認のための光源からの光をシングルモードファイバに導入する導入手段を備えていることを特徴とする請求項16乃至20のいずれか1項に記載の蛍光測光装置。
  22. 前記共焦点レーザー顕微鏡モジュールは試料像と前記試料上に集光する前記光照射手段からの光スポット像、の両方を、複数の2次元像を基に3次元像に構築する3次元画像構築手段を備えていることを特徴とする請求項15に記載の蛍光測光装置。
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