JPH08313812A - 走査型レーザ顕微鏡装置 - Google Patents

走査型レーザ顕微鏡装置

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JPH08313812A
JPH08313812A JP12151095A JP12151095A JPH08313812A JP H08313812 A JPH08313812 A JP H08313812A JP 12151095 A JP12151095 A JP 12151095A JP 12151095 A JP12151095 A JP 12151095A JP H08313812 A JPH08313812 A JP H08313812A
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laser light
light
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Hiroshi Sasaki
浩 佐々木
Takashi Sagata
隆 相方
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Abstract

(57)【要約】 【目的】光軸方向にずらした所望の2つの面の蛍光観察
と透過観察を同時に行うことができる走査型レーザ顕微
鏡装置を得ることにある。 【構成】試料10からの蛍光を励起するため又は10からの
反射光を得るための第1のレーザ光L1並びにL1および励
起される蛍光のいずれとも異なる波長であって、かつ10
を透過した透過光を得るための第2のレーザ光L2を発振
するレーザ光源1、1 のレーザ光を10上に集光させる対
物レンズ47、47と1 の間に配置され、L1,L2を走査する
ガルバノメータスキャナ43、蛍光又は反射光を検出する
フォトマルチプライヤ58a,58b 、透過光を検出する光検
出器14と、L1光路とL2光路を47に対して同軸に導くダイ
クロイックミラ33b 、一方のレーザ光路に設け、光路を
通過するレーザ光の集光位置を他方のレーザ光の光路を
通過するレーザ光の集光位置に対して任意に調節可能な
ビームエクスパンダ36a,36b を具備したもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は反射観察光学系例えば蛍
光観察光学系と透過観察光学系を具備した走査型レーザ
顕微鏡装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一般の走査型レーザ顕微鏡で、試
料(標本)に照射されたレーザの反射光を利用した蛍光
観察と、前記レーザで試料を透過した透過光を利用した
透過観察の両方を、同時に行うものとして、図13に示
すものが、特願平5ー348803号明細書で出願され
ている。
【0003】図13は色素Indo−1を使用したカル
シウムイオンCa2+濃度測定(以下Indo−1観察と
称する)と、透過観察を同時に行う走査型レーザ顕微鏡
の概略図である。
【0004】なお、Indo−1観察とは、351nmの
励起光で、405nmと480nmの中心波長の蛍光を得
て、それらを測光し、その比によりカルシウム濃度を求
めるものである。例えば、405nmの比率が高いとカル
シウム濃度が低く、480nmの比率が高いとカルシウム
濃度が高いことになる。
【0005】図13に示すように少なくとも351nm
と515nmの波長のレーザビームを出射し試料10に
照射するレーザ光源手段、例えばマルチラインアルゴン
レーザ光源1、ビームエクスパンダ2、レーザラインフ
ィルタ3、ダイクロイックミラー4、ガルバノメータス
キャナ5,6、瞳投影レンズ7、プリズム8、対物レン
ズ9からなるものと、試料10により反射されるレーザ
ビームを分離し、各々を測光用光路上に配置された複数
のフォトマルチプライヤ20,26に導く測光分離手
段、例えば対物レンズ9、プリズム8、瞳投影レンズ
7、ガルバノメータスキャナ5,6、ダイクロイックミ
ラー4、集光レンズ16、ダイクロイックミラー17、
吸収フィルタ18、共焦点ピンホール19、反射ミラー
22、吸収フィルタ24、共焦点ピンホール25からな
るものと、フォトマルチプライヤ26への透過観察用可
視光の入射を防ぐ光学手段、例えばダイクロイックフィ
ルタ23とで構成され、透過観察光学系及び透過検出系
を具備したものである。
【0006】レーザ光源1から発振された351nmの
励起光と、515nmの透過観察用光は、ビームエクス
パンダ2により、所定の直径の光束に広げられ、レーザ
ラインフィルタ3により、351nmと515nmのレ
ーザ光のみ透過し、ダイクロイックミラー4により35
1nmと515nmが反射し、ガルバノメータスキャナ
5,6を通り、瞳投影レンズ7、対物レンズ9により試
料10上に集光する。
【0007】なお、この集光位置はガルバノメータスキ
ャナ5,6により試料10上を移動する。ここで、試料
10に集光された351nmのレーザ光は、405nm
と480nmの蛍光を発生する。この2つ波長の光は、
対物レンズ9、瞳投影レンズ7、ガルバノメータスキャ
ナ5,6を前述とは逆方向に進み、ダイクロイックミラ
ー4を透過する。
【0008】そして、集光レンズ16を通り、測光用ダ
イクロィックミラー17により、405nmと480n
mの光に分割され、共焦点ピンホール19,25を通
り、フォトマルチプライヤ26へ導かれて検出する。
【0009】一方、試料10に集光された515nmの
レーザ光は、試料10を透過し、コンデンサレンズ1
1、ミラー12、集光レンズ13の透過観察光学系によ
り、透過検出部14に導かれ、検出される。
【0010】以上のような構成で、2つの蛍光405n
mと480nmを測光するIndo−1観察と、515
nmの透過光による透過観察を同時に行うことができ
る、走査型レーザ顕微鏡装置となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以上述べた従来の走査
型レーザ顕微鏡装置は、レーザ光の集光効果と合焦位置
以外からの光を排除する共焦点光学系により、厚みのあ
る組織標本を光学的にスライスすることができるという
という特徴があり、コントラストがよく、分解能の高い
観察を可能とし、またスライスした各画像を積み重ね、
3次元観察を行うことも可能になる。
【0012】以上のような効果を利用すると、試料中の
異なる2面を観察し、同時に表示することが可能で、実
際にカルシウム濃度測定を行う蛍光観察面と、細胞の全
体像を見るための透過観察面で生細胞の厚みの中で光軸
方向に異なる面を観察したいという要求がある。つま
り、蛍光観察は、細胞の核等のあるところの試料の内部
を、また透過観察は細胞の全体像を把握するために、試
料の表層面を観察することである。
【0013】前述した従来の走査型レーザ顕微鏡装置で
は、そのような観察を行う場合、最初に細胞内部の蛍光
観察を行い、その後、ピエゾ素子等を用いてステージを
光軸方向に移動する等で焦点面を光軸方向に動かし、細
胞の表層面の透過観察を行うことになる。しかし、経時
変化のない試料では前述の方法で問題がないが、生細胞
のように時間と共に、常に動いて変化している試料の観
察を行う場合、2つの観察をリアルタイムに行う必要が
あり、前述した従来の方法では正確に観察できない。
【0014】本発明の目的は、前記不具合を解消し、光
軸方向にずらした所望の2つの面の蛍光観察と透過観察
を同時に行うことができる走査型レーザ顕微鏡装置を提
供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、請求項1に対応する発明は、試料に照射して蛍光を
励起するため又は前記試料からの反射光を得るための第
1のレーザ光、並びに、この第1のレーザ光および励起
される蛍光のいずれとも異なる波長であって、かつ前記
試料を透過した透過光を得るための第2のレーザ光、を
発振するレーザ光源と、このレーザ光源からの第1およ
び第2のレーザ光を前記試料上に集光させる対物レンズ
と、この対物レンズと前記レーザ光源の間に配置され、
前記第1および第2のレーザ光を走査するためのレーザ
光走査手段と、前記蛍光又は前記反射光を検出する第1
の光検出手段と、前記透過光を検出する第2の光検出手
段と、前記第1のレーザ光の光路および前記第2のレー
ザ光の光路を前記対物レンズに対して同軸に導く第1の
光学手段と、一方のレーザ光の光路に設けられ、その光
路を通過するレーザ光の集光位置を他方のレーザ光の光
路を通過するレーザ光の集光位置に対して任意に調節可
能な第2の光学手段と、を有する走査型レーザ顕微鏡装
置である。
【0016】前記目的を達成するため、請求項2に対応
する発明は、前記第2の光学手段として、レーザ光を所
定の直径に広げる複数の光学レンズからなるビームエク
スパンダであって、前記光学レンズの少なくとも1個を
光軸方向に移動可能に構成したことを特徴とする請求項
1記載の走査型レーザ顕微鏡装置である。
【0017】前記目的を達成するため、請求項3に対応
する発明は、前記第1のレーザ光と前記第2のレーザ光
が、それぞれ別のレーザ光源により発振されるように構
成したことを特徴とする請求項1記載の走査型レーザ顕
微鏡装置である。
【0018】
【作用】請求項1に対応する発明によれば、試料からの
蛍光観察を行うためのレーザ光の焦点位置に対して試料
の透過光を観察するためのレーザ光の焦点位置を光軸方
向に任意にずらすことが可能なので、光軸方向にずれた
任意の2つの面の蛍光観察と透過観察を同時に行うこと
ができる。
【0019】請求項2に対応する発明によれば、透過光
用レーザ光の焦点位置と蛍光用レーザ光の焦点位置をず
らすために、特別光学系を必要としない。請求項3に対
応する発明によれば、第1のレーザ光と第2のレーザ
が、それぞれ別のレーザ光源に発振されるようにしたの
で、透過光用レーザ光の波長と蛍光用レーザの反射光の
波長を離すことができ、透過、反射特性が向上する。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。 <第1実施例>第1実施例は図1〜図6に示すように構
成され、その概略構成は次のようになっている。すなわ
ち、第1のレーザ光としての試料10を励起して蛍光
(試料10に入射した光により励起され、発生するもの
で、入射光とは波長の異なる光)を発生させる蛍光観察
用レーザ並びに第2のレーザ光としての試料10を透過
しかつ蛍光観察用レーザと発生する蛍光のいずれとも波
長が異なる透過観察用レーザを得るためのレーザ光源例
えばマルチラインアルゴンレーザ光源1と、このレーザ
光源1からのレーザ光を試料10上に集光させるための
対物レンズ47と、この対物レンズ47とレーザ光源1
の間に配置され、レーザ光を走査するためのレーザ光走
査手段例えばXーYガルバノメータスキャナ43と、前
記蛍光を検出する第1の光検出手段例えばフォトマルチ
プライヤ58a,58bと、前記透過光を検出する第2
の光検出手段例えば透過光検出器14と、前記レーザ光
源1から発振された蛍光観察用レーザと透過観察用レー
ザをそれぞれ別の光路37、38に分岐させるダイクロ
イックミラー33aと、分岐された蛍光観察用レーザの
光路37と透過観察用レーザの光路38を対物レンズ4
7に向けて同軸に導く第1の光学手段例えばダイクロイ
ックミラー33bと、前記透過観察用レーザ光の光路上
に配置され、前記透過観察用レーザ光の焦点位置を、前
記蛍光観察用レーザの焦点位置に対して光軸方向に移動
可能な第2の光学手段例えばレンズ36a,36bから
なるビームエクスパンダとを具備したものである。
【0021】図1に示すように、ダイクロイックミラー
33a,33bは、前記蛍光観察用レーザを透過し、透
過観察用レーザを反射させるものである。ビームエクス
パンダの光学系35および36a,36bは、ダイクロ
イックミラー33aにより分岐されたレーザ光路37お
よび38上に配置されており、レンズ36bはレンズ枠
39に保持されている。
【0022】また、レンズ枠39は、摺動軸40を介し
て光軸方向に移動可能な構成となっている。また、ダイ
クロイックミラー33bは、光路37と38を同軸に導
く位置にある。励起ダイクロイックミラー42は、蛍光
観察用レーザ光と、透過観察用レーザ光を反射し、試料
10から発生した蛍光の波長、この場合は405nmと
480nmを透過するものである。
【0023】XーYガルバノメータスキャナ43は、集
光スポットをXーY方向に走査するものである。プリズ
ム8は接眼観察光路に導くものである。レーザ光源1か
ら発振されたレーザ光は、レーザラインフィルタ32に
より、蛍光観察用の351nmと透過観察用の515n
mのみ選択される。そして、ダイクロイックミラー33
aにより351nmのレーザ光は、光路37に進み、ビ
ームエクスパンダ35により、所定の直径の平行光に拡
大される。
【0024】また、515nmのレーザ光は、反射した
光路38に進み、ビームエクスパンダ36a,36bに
より、351nmのレーザ光と同様に所定の直径の平行
光に拡大される。
【0025】そして、ダイクロイックミラー33bによ
り、351nmのレーザ光と515nmのレーザ光は同
軸に導かれ、ダイクロイックミラー42により、図1の
下方に反射され、XーYガルバノメータスキャナ43、
瞳投影レンズ7、結像レンズ46を通り、対物レンズ4
7により試料10上にスポットで焦光される。このスポ
ットは、XーYガルバノメータスキャナ43によりXー
Y方向に試料10上を走査される。
【0026】ここでは、515nmのレーザ光は、試料
10を透過し、コンデンサレンズ11、ミラー12、焦
光レンズ13により検出器14を介してフレームメモリ
15に導かれる。
【0027】一方、試料10から発生した405nmと
480nmの蛍光は、対物レンズ47、結像レンズ4
6、瞳投影レンズ07、XーYガルバノメータスキャナ
43を前述とは逆方向に進み、ダイクロイックミラー4
2を通過する。そして、集光レンズ53を通り、測光ダ
イクロイックミラー54により405nmと480nm
の2つの蛍光は分岐される。
【0028】この分岐された405nmの蛍光は、吸収
フィルタ56a、共焦点ピンホール57aを通り、フォ
トマルチプライヤ58aを介してフレームメモリ59a
に導かれる。また分岐された480nmの蛍光は、それ
ぞれ吸収フィルタ56b、共焦点ピンホール57bを通
り、フォトマルチプライヤ58bを介してフレームメモ
リ59bに導かれる。
【0029】そして、フレームメモリ59a,59bで
405nmと480nmの光量比を算出し、透過観察の
検出器14のフレームメモリ15のデータを処理して蛍
光観察(この場合Indoー1の観察)と透過観察を同
時に行うことになる。
【0030】図2は、図1の試料10を拡大した図であ
り、試料10の厚さ方向で、蛍光観察面10´を蛍光観
察する時に、透過観察面10aまたは10bのように、
10´とは別の面を透過観察したい場合、透過観察用の
光を、透過観察面10aまたは10bに集光させる必要
がある。
【0031】図3および図4は図1のビームエクスパン
ダ35付近を拡大した図であり、図5および図6は焦光
面をずらした時の試料10、対物レンズ47の拡大図で
ある。
【0032】図3に示すように、透過光用レーザ光の5
15nmの光路上のビームエクスパンダ35のレンズ3
6a,36bのうち、レンズ枠39に固定されたレンズ
36bを、左方向に所定量動かした状態を示す図であ
る。
【0033】この時、515nmのレーザ光は、レンズ
36bを通り、透過観察用のレーザの光線38aのよう
に拡散光となる。また、蛍光観察用のレーザ光351n
mは、ビームエクスパンダ35により、所定の大きさの
平行光37´となる。この2つの351nmと515n
mのレーザ光は、図1と同様に同じ光路を進み、図5で
示すように351nmの平行光37´は対物レンズ47
を出て試料10の蛍光観察面10´に集光し、515n
mのレーザ光は対物レンズ47を出て試料10a面に集
光する。
【0034】図4は、透過光用レーザ光515nmの光
路上のビームエクスパンダ35のレンズ36a,36b
のうち、レンズ枠39に固定されたレンズ36bを右方
向に所定量動かした状態を示す図である。このとき、5
15nmのレーザ光はレンズ36bを通り、光線38b
のように集束光となる。
【0035】また、蛍光観察用のレーザ光351nm
は、図3と同じように平行光37´となる。この2つの
351nmと515nmのレーザ光は、図1で説明した
光路とき同じ光路を進み、図6で示すように、351n
mの平行光37´は試料10の蛍光観察面10´に集光
し、515nmのレーザ光38bは試料10の透過観察
面10bに集光する。従って、図3および図4でのレン
ズ枠39の移動量を調整することにより、透過観察面
(焦点面)10a,10bを光軸方向に任意にずらして
観察できる。
【0036】以上説明したように、透過光用レーザのレ
ーザ光路上にあるビームエクスパンダ35の光学系であ
るレンズ36a,36bを動かして透過光用レーザの焦
点面を蛍光観察用レーザの焦点面に対して任意にずらす
ことができるようにしたので、厚さのある試料10の2
つの透過観察面10a,10bの透過観察、蛍光観察を
リアルタイムに行うことが可能な走査型レーザ顕微鏡が
得られる。
【0037】<第2実施例>第2実施例は図7〜図9に
示すように構成され、第1実施例と同一部分には同一符
号を付してその説明を省略する。図1とは異なる点は、
図1のレーザ光源1と励起ダイクロイックミラー42の
間に設けた構成を、励起ダイクロイックミラー42g、
透過観察用レーザの光路61、Green HeーNe
レーザ光源62、レーザラインフィルタ63、ビームエ
クスパンダ64、第1の光学手段を構成するダイクロイ
ックミラー65、ビームエクスパンダのレンズ66a,
66b、レンズ枠67、摺動軸68とで構成したもので
ある。
【0038】すなわち、レーザラインフィルタ63はレ
ーザ光源1からのレーザ光のうち、蛍光観察用の351
nmのレーザ光のみ透過させるものである。ビームエク
スパンダ64は、レーザラインフィルタ63を透過した
レーザ光の直径を拡大するものである。レンズ枠67に
はビームエクスパンダのレンズ66bが固定され、また
レンズ枠67には摺動軸68が固定され、摺動軸68は
図示しない軸受等によりこの軸線方向に摺動可能に支持
されている。透過光用レーザの光路61に、第2のレー
ザ光源として543nmの波長のレーザ光を発振するG
reen HeーNeレーザ光源62が設けられてい
る。
【0039】このような構成のものにおいて、レーザ光
源1から発振したレーザ光は、レーザラインフィルタ6
3により、蛍光観察用の351nmのレーザ光のみ透過
され、ビームエクスパンダ64により、所定の直径を持
つ平行光となり、ダイクロイックミラー65を透過す
る。
【0040】また、第2のレーザ光源62からのレーザ
光は、は、ビームエクスパンダの光学系のレンズ66
a,66bを通る。このうち、レンズ66bはレンズ枠
67に固定されており、摺動軸68に対して光軸方向に
移動可能な構成となっている。
【0041】そして、レンズ枠67が図7の位置にある
場合には、レンズ66bを通ったレーザ光は、平行光と
なり、また図8に示すようにレンズ66aの方に移動し
た場合は、レンズ66bを通ったレーザ光は、拡散光6
1aとなり、さらに図9ようにレンズ枠67がレンズ6
6aと離れた方向に移動した場合は、レンズ66bを通
ったレーザ光は、集束光61bとなってダイクロイック
ミラー65によりいずれも反射され、第1のレーザ光源
1からのレーザ光と同軸に進む。
【0042】そして、励起ダイクロイックミラー42g
により、蛍光観察用の351nmのレーザ光と、透過観
察用の543nmのレーザ光が反射される。その後は、
第1実施例と同様の経路で検出器14、フォトマルチプ
ライヤ58a,58bに導かれて検出される。
【0043】なお、図8の状態で、透過観察用のレーザ
光61aは、拡散光となっているので、図5のように蛍
光観察用のレーザ光の焦点位置よりコンデンサレンズ1
1側に焦光する。また、図9の状態では、透過観察用の
レーザ光61bは、集束光となっているので、図6のよ
うに蛍光観察用のレーザ光の焦点位置より対物レンズ4
7側に集光する。
【0044】以上述べた第2実施例は、前述した第1実
施例と同様な効果が得られることは言うまでもない。第
1実施例では、試料10から発生した蛍光の1つが48
0nmであり、透過観察用のレーザ光の波長が515n
mと近く、480nmを透過し、515nmを反射させ
る励起ダイクロイックミラー42の透過特性が落ちると
いうことが考えられる。これに対して、第2実施例では
透過観察用レーザ光源を別のレーザ光源にできることか
ら、蛍光の480nmと離れた543nmの波長を発振
するGreen HeーNeレーザを使用できるので、
励起ダイクロイックミラー42gの透過反射特性を向上
できる。
【0045】<第3実施例>第3実施例は図10に示す
ように構成されている。レーザ光源69から発振したレ
ーザ光は、レーザラインフィルタ70により、蛍光観察
用の波長のレーザ光と、透過観察用の波長のレーザ光の
み透過され、ビームエクスパンダ71により所定の直径
をもつ平行光に拡大される。ダイクロイックミラー72
a,72b(第1の光学手段を構成する)は蛍光観察用
レーザ光を透過し、透過観察用レーザ光を反射する特性
をもつもので、蛍光観察用レーザ光は、ダイクロイック
ミラー72aを透過し、レーザ光路73を進み、さらに
ダイクロイックミラー72bも透過し、励起ダイクロイ
ックミラー75に導かれる。
【0046】一方、透過観察用レーザ光は、ダイクロイ
ックミラー72aで反射し、レーザ光路74を進む。そ
して、レンズ76a,76bを通り、ダイクロイックミ
ラー72bで反射され、蛍光観察用レーザ光と同軸に導
かれ、励起ダイクロィックミラー75へ導かれる。ここ
で、レーザ光路74上の2つレンズ76aまたは76b
の間隔を変えることにより、励起ダイクロイック75へ
導かれるレーザ光を、平行光、拡散光、集束光に変化さ
せ、レーザ光路74を進んだ、透過観察用レーザ光の試
料10上の焦点面を蛍光観察用レーザ光の焦点面に対し
て任意にずらすことが可能となる。
【0047】<第4実施例>図11に示すように、第1
実施例のビームエクスパンダのレンズ36a,36b、
第2実施例のビームエクスパンダのレンズ66a,66
b、第3実施例のビームエクスパンダのレンズ76a,
76bは、いずれも凸レンズ同士の組み合わせであった
ものを、凹レンズ78aと凸レンズ78bの組み合わせ
とし、凹レンズ78aを固定とし、かつ凸レンズ78b
を光軸方向に移動自在に構成したものである。
【0048】このように構成した移動可能な凸レンズ7
8bをもつビームエクスパンダを透過観察用のレーザ光
路に配置されているので、凸レンズ78bを光軸方向に
移動させることにより、凸レンズ78bを透過して出る
レーザ光を、拡散光、集束光、平行光にすることが可能
になる。従って、透過観察用のレーザ光の焦点面を、蛍
光観察用のレーザ光の焦点面に対して任意にずらすこと
が可能になる。
【0049】<第5実施例>図12に示すように、ダイ
クロイックミラー79a,79b(第1の光学手段を構
成する)、ビームエクスパンダのレンズ80a,80
b、蛍光観察用レーザのレーザ光路81、レーザ光源8
2、レーザラインフィルタ83、ミラー84a,84b
からなり、以下のように構成されている。
【0050】すなわち、透過観察用レーザ光を反射し、
蛍光観察用レーザ光を透過するダイクロイックミラー7
9aを2群からなるビームエクスパンダ光学系のレンズ
80と80bかつ80と80aの間に設け、透過観察用
レーザ光の進むレーザ光路81上のレンズ80aを、光
軸方向に移動させるようにして透過観察用レーザ光の焦
点面に対して任意にずらすことが可能になる。
【0051】さらに、ビームエクスパンダのレンズのう
ちの1つのレンズ80が、第1実施例では2個必要とな
るのに対し、第4実施例では透過観察用レーザと蛍光観
察用レーザと共用することになり、1個で足り、安価と
なる。
【0052】<変形例>前述の実施例では、第1のレー
ザ光は蛍光を発生するための励起光として用い、かつ第
1の光検出器では発生した蛍光を検出するものとして説
明したが、これを第1のレーザ光を単なる試料の照明光
として使用し、第1の光検出器で試料からの反射光を検
出するようにしてもよい。
【0053】また、前述した実施例では、第2の光学手
段(ビームエクスパンダの光軸方向に移動可能なレン
ズ)を透過観察用レーザ(第2のレーザ)の光路に設け
た構成を示したが、蛍光観察用レーザ(第1のレーザ)
の光路に設けても同じ効果が得られる。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、光軸方向にずらした所
望の2つの面の蛍光観察と透過観察を同時に行うことが
できる走査型レーザ顕微鏡装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の走査型レーザ顕微鏡装置の第1実施例
の概略構成を示す図。
【図2】図1の試料の拡大図。
【図3】図1のビームエクスパンダ付近を拡大した詳細
説明図。
【図4】図1のビームエクスパンダ付近を拡大した詳細
説明図。
【図5】図3および図4においてレンズ枠を動かしたと
きの対物レンズ近辺の拡大図。
【図6】図3および図4においてレンズ枠を動かしたと
きの対物レンズ近辺の拡大図。
【図7】本発明の走査型レーザ顕微鏡装置の第2実施例
の概略構成を示す図。
【図8】図7のビームエクスパンダ付近を拡大した詳細
説明図。
【図9】図7のビームエクスパンダ付近を拡大した詳細
説明図。
【図10】本発明の走査型レーザ顕微鏡装置の第3実施
例の概略構成を示す図。
【図11】本発明の走査型レーザ顕微鏡装置の第4実施
例の概略構成を示す図。
【図12】本発明の走査型レーザ顕微鏡装置の第5実施
例の概略構成を示す図。
【図13】従来の技術を説明するための図。
【符号の説明】
1…マルチラインアルゴンレーザ光源、2…ビームエク
スパンダ、3…レーザラインフィルタ、4…ダイクロイ
ックミラー、5,6…ガルバノメータスキャナ、07…
瞳投影レンズ、08…接瞳観察光路へ導くプリズム、1
0…試料、10´…蛍光観察面、10a,10b…透過
観察面、11…コンデンサレンズ、12…反射ミラー、
13…コレタクレンズ、14…透過検出器、32…レー
ザラインフィルタ、33a,33b…ダイクロイックミ
ラー、35…ビームエクスパンダ、36a,36b…ビ
ームエクスパンダのレンズ、37…蛍光観察用レーザの
レーザ光路、38…透過観察用レーザのレーザ光路、3
9…レンズ枠、40…摺動軸、41a,41b…ミラ
ー、42,42g…励起ダイクロイックミラー、43…
XーYガルバノメータスキャナ、46…結像レンズ、4
7…対物レンズ、61…透過観察用レーザの光路、62
…Green HeーNeレーザ、63…レーザライン
フィルタ、64…ビームエクスパンダ、65…ダイクロ
イックミラー、66a,66b…ビームエクスパンダの
レンズ、67…レンズ枠、68…摺動軸、69…レーザ
光源、70…レーザラインフィルタ、71…ビームエク
スパンダ、72a,72b…ダイクロイックミラー、7
3…蛍光観察用レーザのレーザ光路、74…透過観察用
レーザのレーザ光路、75…励起ダイクロイックミラ
ー、76a,76b…ビームエクスパンダのレンズ、7
7a,77b…ミラー、78a,78b…ビームエクス
パンダのレンズ、79a,79b…ダイクロイックミラ
ー、80a,80b…ビームエクスパンダのレンズ、8
1…蛍光観察用レーザのレーザ光路、82…レーザ光
源、83…レーザラインフィルタ、84a,84b…ミ
ラー。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料に照射して蛍光を励起するため又は
    前記試料からの反射光を得るための第1のレーザ光、並
    びに、この第1のレーザ光および励起される蛍光のいず
    れとも異なる波長であって、かつ前記試料を透過した透
    過光を得るための第2のレーザ光、を発振するレーザ光
    源と、 このレーザ光源からの第1および第2のレーザ光を前記
    試料上に集光させる対物レンズと、 この対物レンズと前記レーザ光源の間に配置され、前記
    第1および第2のレーザ光を走査するためのレーザ光走
    査手段と、 前記蛍光又は前記反射光を検出する第1の光検出手段
    と、 前記透過光を検出する第2の光検出手段と、 前記第1のレーザ光の光路および前記第2のレーザ光の
    光路を前記対物レンズに対して同軸に導く第1の光学手
    段と、 一方のレーザ光の光路に設けられ、その光路を通過する
    レーザ光の集光位置を他方のレーザ光の光路を通過する
    レーザ光の集光位置に対して任意に調節可能な第2の光
    学手段と、 を有する走査型レーザ顕微鏡装置。
  2. 【請求項2】 前記第2の光学手段は、レーザ光を所定
    の直径に広げる複数の光学レンズからなるビームエクス
    パンダであって、前記光学レンズの少なくとも1個を光
    軸方向に移動可能に構成したことを特徴とする請求項1
    記載の走査型レーザ顕微鏡装置。
  3. 【請求項3】 前記第1のレーザ光と前記第2のレーザ
    光が、それぞれ別のレーザ光源により発振されるように
    構成したことを特徴とする請求項1記載の走査型レーザ
    顕微鏡装置。
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