JP2002277744A - 走査型光学顕微鏡 - Google Patents
走査型光学顕微鏡Info
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Abstract
とのでき,さまざまな蛍光スペクトルに対して柔軟な選
択性を有し、かつ多重染色標本や複数の蛍光蛋白を発現
させた標本に対して、高い分光精度で各検出光路に標本
からの蛍光を導くことのできる、小型軽量な走査型光学
顕微鏡を提供する。 【解決手段】 レーザー光源1からのレーザー光で標本
9を走査する走査型光学顕微鏡であって、上記光源1か
らの光束で標本9上を走査するの第1の光偏向素子と第
二の光偏向素子とからなる走査装置5、標本9からの蛍
光を分光するスペクトル分解手段13、スペクトル分解
手段13により分解された分光を集光する集光レンズ1
4、集光レンズ14の略焦点位置に配置され、標本9か
らの蛍光を複数の波長域に分割する波長分割手段15
a、複数の波長域に分割された各光路にそれぞれ設けら
れ、標本9からの蛍光を検出する光検出器16aを有す
る。
Description
複数の波長域に分光し、各波長域の蛍光を検出する走査
型光学顕微鏡に関する。
らず、多重染色が多用されている。また、グラゲ等から
抽出した遺伝子を発現させることにより、蛍光観察を可
能ならしめる蛍光蛋白についても、BFP、CFP、G
FP、YFP、RFPとさまざまな分光スペクトルを発
する蛍光蛋白が開発されており、これら2種類以上の蛍
光蛋白を生体内に発現させて、生体の機能探索を行うこ
とが、研究者の間で強く望まれている。
細胞、組織内の特定対象を視認可能にするために行われ
る。このため、多重染色観察や、複数の蛍光蛋白を生体
内に発現させた標本での観察においては、各染色部位、
または各蛍光蛋白の発現部位が明確な色の差、すなわち
蛍光波長の違いとして検出されなければならない。
スオーバー部分)を、効率良く除去して検出する必要が
ある。また、蛍光染色にしても蛍光蛋白にしても、次々
に新たな改良、開発がなされており、それれの蛍光の分
光スペクトルはさまざまな特性を持っている。したがっ
て、これらのさまざまな蛍光スペクトルに対して、柔軟
に対応可能な、つまり、柔軟に蛍光スペクトルを選択可
能な蛍光検出装置が要求されている。
蛍光を可能な限り失うことなく、検出することが要求さ
れる。特に、生体内に蛍光蛋白を発現させた標本を観察
する場合は、標本に蛍光観察のための強い励起光を照射
することは避けなければならない。したがって、標本か
らの蛍光を効率良く光検出器に導くことで、標本に照射
する励起光量を最小限に抑えたいという要求がある。
本を観察する場合には、特に観察に使われる顕微鏡が多
様化しており、通常の正立型顕微鏡に加えて、倒立型顕
微鏡が利用される。研究者は走査装置および光検出器を
一つのユニットとして正立顕微鏡や倒立型顕微に、研究
目的に応じて付け替えることを要求しているため、装置
は小型、軽量であることが望まれている。
スした脳切片に微小電極を当て、電源からの信号と脳ス
ライスの画像データを同時に取り込むような手法が用い
られている。このようなケースでは標本を動かすことが
できないので、走査装置はラスタスキャンだけに止まら
ず、X−Y走査ミラーを同時に駆動することにより、標
本そのものを回転させることが要求される。特に、脳神
経細胞のように長手方向に伸びていて、横方向にさほど
広がりを持たない場合には、像回転をさせて、走査範囲
を狭めることで、一画面の走査時間を短縮することが要
求される。従来の走査型光学顕微鏡として、特許第29
59830号公報には、レーザー光源からのレーザー光
で標本を走査する走査型光学顕微鏡において、レーザー
光源からの光束を所定の方向へ偏向させる第一の光偏向
素子と、この第一の光偏向素子の近傍にあって、第一の
光偏向素子で偏向した光束を、さらに第一の光偏向素子
の偏向方向と直交する方向へ偏向せしめる第二の光偏向
素子とからなり、第一の光偏向素子と第二の光偏向素子
との間の任意の位置と対物レンズの瞳位置とが共役な関
係となるように第一の光偏向素子と第二の光偏向素子を
配置することにより、光量損失が少なく、装置の小型化
が可能な光偏向装置が開示されている。
レーザー光を対物レンズにより集光して、標本上で2次
元に走査し、標本からの蛍光をグレーティングにより分
光し、分光された光の幅を偏光可能なスリットを通して
検出する共焦点走査型レーザー顕微鏡が開示されてい
る。このような共焦点走査型レーザー顕微鏡は、上記ス
リットの幅を変化させることで、検出する各蛍光波長範
囲を選択することができる。
は、蛍光光束をプリズム等の分解手段により分光し、一
方では第一スペクトル範囲を絞り込み、他方では絞りを
通過しないスペクトル範囲の少なくとも一部分を反射し
て、第二スペクトル範囲をなす二つの光路を構成し、そ
れぞれの光路に対して光検出器を設けた共焦点走査型レ
ーザー顕微鏡が開示されている。
特表平9−502269号公報記載の装置では、いずれ
も走査型レーザー顕微鏡をベースに、多重染色の蛍光分
離手段として、プリズムやグレーティングのようなスペ
クトル分解手段と、蛍光波長域を制限するためのスリッ
トで構成することにより、多重染色標本からの蛍光を、
クロスオーバーさせることなく検出することを可能にし
ている。また、上記の装置は、柔軟に蛍光スペクトルを
選択することのできる蛍光検出装置を提供している。
ペクトラル共焦点顕微鏡)のカタログには、プリズムの
後方に集光レンズを配置して、この集光レンズの略焦点
位置と思われる位置に、スリットを配置することが記載
されている。
39号公報および特表平9−502269号公報に記載
の装置では、それぞれ、使用するスペクトル分解手段と
してグレーティングとプリズムの違いはあるが、上記ス
ペクトル分解手段に入射する入射光束径が大きいと、充
分な精度で蛍光を各検出光路に分割されないという欠点
がある。
焦点顕微鏡)の走査方式は、シングルミラー方式と呼ば
れるもので、一方(例えば、X方向)の走査装置は、他
方(Y方向)の走査装置上にあって、他方(Y方向)に
より駆動されており(以下、Y走査装置と呼ぶ)、この
Y走査装置は、大きな慣性重量を持つが故に、高速な走
査ができない。したがって、像回転のような多彩な走査
を高速に実現することは不可能である。さらに、図3に
示すように、光偏向装置として特許第2959830号
公報に記載の方法と特表平9−502269号公報で開
示されている方法を組合わせた場合を考える。すなわ
ち、X−Y走査光学系として、特許第2959830号
公報記載の構成を用い、スペクトル分解手段として、特
表平9−502269号公報記載のプリズムを使用する
ものである。レーザー光源20からのレーザー光21が
ビームエキスパンダ22で必要な大きさのビーム径に拡
大され。光束径が拡大されたレーザー光は、フィルター
23を通過し、ビームスプリッタ24で偏向されて、X
−Y走査光学系25に入射する。X−Y走査光学系25
を通ったレーザー光は、瞳投影レンズ26、結像レンズ
27および対物レンズ28を順次介して、試料29上を
スポット光でX、Y方向に走査する。そして、試料29
からの光、ここでは反射光および蛍光は、対物レンズ2
8、結像レンズ27、瞳投影レンズ26、X−Y走査光
学系25を順次介して、元きた光路をビームスプリッタ
24まで戻る。ビームスプリッタ24を通過した蛍光
は、共焦点レンズ30、共焦点絞り31、コリメートレ
ンズ32を通過して、プリズム33に入射してスペクト
ル分光が行われる。
のような多彩な走査を高速で実現でき、かつ高い分光精
度で各検出光路に標本からの蛍光を導くことのできる走
査型光学顕微鏡を提供できそうに思える。しかしなが
ら、図3に示すように、X−Y走査光学系は、対物レン
ズの瞳位置と完全には共役ではないので、X−Y走査光
学系を出射する蛍光光束の主光線は、走査光学系の走査
により、対物レンズの軸上にあるときと、そうでないと
きとでは、光線34と35のようにずれて、X−Y走査
光学系25を出射することになる。したがって、プリズ
ム33にずれた光線が入射するので、プリズム33から
の出射ビームも勿論ずれてしまい、精度良く分光するこ
とはできない。
れたもので、標本からの蛍光の損失を最小限に押さえる
ことのできる小型で軽量な走査型光学顕微鏡を提供する
ことを目的とする。また、さまざまな蛍光スペクトルに
対して柔軟な選択性を有し、かつ多重染色標本や複数の
蛍光蛋白を発現させた標本に対して、高い分光精度で各
検出光路に標本からの蛍光を導くことのできる走査型光
学顕微鏡を提供することを目的とする。
レーザー光源からのレーザー光で標本を走査する走査型
光学顕微鏡であって、上記光源からの光束を所定の方向
へ偏向させる第一の光偏向素子と、該第一の光偏向素子
で偏向した光を、さらに第一の光偏向素子の偏向方向と
直交する方向偏向せしめる第二の光偏向素子とからな
り、第一の光偏向素子と第二の偏向素子との間の任意の
位置と対物レンズの瞳位置とが共役な関係となるように
第1の光偏向素子と第二の光偏向素子とからなる走査装
置と、標本からの蛍光を分光するスペクトル分解手段
と、スペクトル分解手段により分解された光を集光する
集光レンズと、集光レンズのほぼ焦点位置に配置され、
標本からの蛍光を複数の波長域に分割する波長分割手段
と、複数の波長域に分割された各光路にそれぞれ設けら
れ、標本からの蛍光を検出する光検出器とからなること
を特徴とする。
のレーザー光で標本を走査する走査型光学顕微鏡であっ
て、標本からの蛍光を分光するスペクトル分解手段と、
少なくとも2群以上で構成され、最初のレンズ位置から
焦点位置までの実距離が、焦点距離よりも短いスペクト
ル分解手段により分解された蛍光を集光する集光レンズ
と、集光レンズのほぼ焦点位置に配置され、標本からの
蛍光を複数の波長域に分割する波長域分割手段と、複数
の波長域に分割された各光路にそれぞれ設けられ、標本
からの蛍光を検出する光検出器とからなることを特徴と
する。
リレオタイプで構成されることを特徴とする。
プラータイプで構成されることを特徴とする。
1を参照して説明する。
ンとクリプトン混合ガスレーザーである。このレーザー
光源1からのレーザー光は、ビームエクスパンダ2、波
長選択フィルタ3、ビームスプリッタ4、X−Y走査光
学系5、瞳投影レンズ6、結像レンズ7および対物レン
ズ8を順次介して、標本9に導くように構成されてい
る。
レンズ7、瞳投影レンズ6、X−Y走査光学系5を通り
ビームスプリッタ4に入射する。ビームスプリッタ4に
入射した光は、ビームスプリッタ4で蛍光を透過させ、
共焦点レンズ10、共焦点レンズ10の焦点位置に設け
られた共焦点絞り11、コリメートレンズ12を順次通
過し、プリズム13によってスペクトル分解される。次
いで、スペクトル光は、凸レンズと凹レンズで構成され
る(ガリレオタイプ)の集光レンズ14に入射し、この
集光レンズ14の略焦点位置に配置され、光軸方向と垂
直な方向に位置調整可能に構成されているスリット{1
5a、15b}{15c、15d}を通過して、光検出
器16a、16bによって検出される。
ン線および568nmのクリプトン線を放射する。上記ビ
ームエクスバンダ2は、レーザー光が対物レンズ8の瞳
径をほぼ満たすように設定されている。上記ビームスプ
リッタ4は、到達した光の20%を反射し、80%を透
過する。上記波長選択フィルタ3は、488nm、56
8nmの波長を選択的に透過するように構成されてい
る。
イソチオシアネート)とTexasRed(テキサスレ
ッド)で染色されており、FITCは波長488nm
で、Texas Redは波長568nmでそれぞれ励
起されて、FITCは波長530nmに、Texas
Redは波長610nmにピークを持つ蛍光を放出す
る。X−Y走査光学系5は、レーザー光源1からの光束
を所定の方向へ偏向させる第一の光偏向素子(図示しな
い。以下同じ)と、この第一の光偏向素子で偏向した光
を、さらにこの第一の光偏向素子の偏向方向と直交する
方向へ偏向せしめる第二の光偏向素子(図示しない)と
からなり、第一と第二の光偏向素子との間の任意の位置
と対物レンズの瞳位置とが、共役な関係となるように設
定されている。
蛍光は、対物レンズ8、結像レンズ7、瞳投影レンズ
6、X−Y走査光学5およびビームスプリッタ4を通過
する。ビームスプリッタ4を通過した光束Lは、共焦点
レンズ10を通過して、その焦点位置にスポットをむす
ぶ。この焦点位置には共焦点絞り11が配置されてお
り、対物レンズ8の焦点以外から放射される蛍光が遮断
され、焦点位置からの蛍光のみ(厳密には励起光を含
む)が共焦点絞り11を通過する。共焦点絞り11を通
過した光束は、コリメートレンズ12を通過し、コリメ
ート光となってプリズム13を通過し、そのスペクトル
が分解される。
凹レンズの組み合わせで構成される集光レンズ14(ガ
リレオタイプ)に入射する。次いで、スリット15a、
15b、15cおよび15dの幅を変化させることで、
検出する各々の蛍光波長範囲を絞り込むことができる。
実際には、スリット15a、15b、15cおよび15
dにより、標本9からの励起光の戻り光と、蛍光波長の
部分的な重なり部分(蛍光のクロスオーバー部分)が制
限される。これにより、FITCとTexasRed
は、波長530nmおよび波長610nmにピークを持
つ蛍光を発し、光検出器16a、16bで検出される。
段として、プリズムを用いているが、グレーティングで
構成してもよい。
有する。集光レンズをガリレオタイプで構成しているの
で、小さな全長で、大きな焦点距離を得ることができ
る。また、集光レンズの焦点距離が大きくとれるので、
スリットの移動精度や位置再現性の精度を上げる必要が
なく、安価で小型な走査型顕微鏡を提供することができ
る。なお、この実施例では、スペクトル分解手段とし
て、プリズムを用いているが、グレーティングで構成し
てもよい。
て説明する。
ンズ14を、図2で示すように、3群のレンズ17で構
成したものである。凸レンズ群18は、凸レンズ18a
と凸レンズ18bから成るビーム縮小光学系で構成され
るので、凸レンズ18aと凸レンズ18bの間隔は、市
販のコリメート測定器で測定しながら容易に調整可能で
ある。すなわち、凸レンズ18aへの入射光に対して、
凸レンズ18bからの出射ビームがコリメート光になる
ように調整してやれば良い。凸レンズ19は、凸レンズ
18bからの平行な出射光を集光させるためのものであ
る。
ば、集光レンズ17の焦点距離は正確に定まる。
調整で、集光レンズの焦点距離を正確に設定できるの
で、分光性能の安定した走査型光学顕微鏡を提供するこ
とができる。
を最小限に押さえることのできる、小型で軽量な走査型
光学顕微鏡を提供することができる。また、さまざまな
蛍光スペクトルに対して柔軟な選択性を有し、かつ多重
染色標本や複数の蛍光蛋白を発現させた標本に対して、
高い分光精度で各検出光路に標本からの蛍光を導くこと
のできる走査型光学顕微鏡を提供することができる。
図。
成図。
Claims (4)
- 【請求項1】 光源からの光で標本を走査する走査型光
学顕微鏡であって、上記光源からの光束を所定の方向へ
偏向させる第一の光偏向素子と、該第一の光偏向素子で
偏向した光を、さらに第一の光偏向素子の偏向方向と直
交する方向に偏向せしめる第二の光偏向素子とからな
り、第一の光偏向素子と第二の偏向素子との間の任意の
位置と対物レンズの瞳位置とが略共役な関係となるよう
に第1の光偏向素子と第二の光偏向素子とからなる走査
装置と、標本からの蛍光を分光するスペクトル分解手段
と、スペクトル分解手段により分解された光を集光する
集光レンズと、集光レンズのほぼ焦点位置に配置され、
標本からの蛍光を複数の波長域に分割する波長分割手段
と、複数の波長域に分割された各光路にそれぞれ設けら
れ、標本からの蛍光を検出する光検出器とからなること
を特徴とする走査型光学顕微鏡。 - 【請求項2】 光源からの光で標本を走査する走査型光
学顕微鏡であって、標本からの蛍光を分光するスペクト
ル分解手段と、少なくとも2群以上で構成され、最初の
レンズ位置から焦点位置まで実距離が、焦点距離よりも
短いスペクトル分解手段により分解された蛍光を集光す
る集光レンズと、集光レンズのほぼ焦点位置に配置さ
れ、標本からの蛍光を複数の波長域に分割する波長域分
割手段と、複数の波長域に分割された各光路にそれぞれ
設けられ、標本からの蛍光を検出する光検出器とからな
ることを特徴とする走査型光学顕微鏡。 - 【請求項3】 上記集光レンズは、ガリレオタイプで構
成されることを特徴とする請求項1または2記載の走査
型光学顕微鏡。 - 【請求項4】 上記集光レンズは、ケプラータイプで構
成されることを特徴とする請求項1または2記載の走査
型光学顕微鏡。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001081118A JP2002277744A (ja) | 2001-03-21 | 2001-03-21 | 走査型光学顕微鏡 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001081118A JP2002277744A (ja) | 2001-03-21 | 2001-03-21 | 走査型光学顕微鏡 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002277744A true JP2002277744A (ja) | 2002-09-25 |
Family
ID=18937276
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2001081118A Pending JP2002277744A (ja) | 2001-03-21 | 2001-03-21 | 走査型光学顕微鏡 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002277744A (ja) |
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