JPWO2005106080A1 - ガリウムの回収方法 - Google Patents

ガリウムの回収方法

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Abstract

本発明は、バイヤー液から金属ガリウムを回収する方法において、ガリウム含有逆捕集液を電気透析してガリウムを濃縮すると共に酸を回収する電気透析工程と、得られたガリウム濃縮液から鉄分を除去する除鉄工程と、得られたガリウム除鉄液を中和し、生成した水酸化ガリウムスラリーを限外濾過して濃縮する限外濾過工程と、濃縮された水酸化ガリウムスラリーをアルカリ溶液で溶解する再溶解工程と、再溶解して得られたガリウムアルカリ電解液を電気分解して金属ガリウムを回収する電気分解工程とを含むガリウムの回収方法。

Description

この発明は、ボーキサイトからアルミナを製造するバイヤー工程で生成したバイヤー液(アルミン酸ナトリウム水溶液)からガリウムを回収するための方法に係り、より詳しくは、バイヤー液に水不溶性置換キノリノールからなるキレート化剤を接触させてこのキレート化剤にガリウムを捕集させ、得られたガリウム捕集キレート化剤に置換キノリノールを含む逆捕集液を接触させてガリウムを逆捕集液中に抽出し、得られたガリウム含有逆捕集液から金属ガリウムを回収するガリウムの回収方法において、極めてガリウム濃度の低いガリウム含有逆捕集液から効率良く金属ガリウムを回収するのガリウムの回収方法に関する。
バイヤー工程においては、ボーキサイトから水酸化ナトリウム溶液を用いてアルミナ分を抽出することが行われているが、このボーキサイトの水酸化ナトリウム抽出溶液(バイヤー液)中にはアルミナ分と共にボーキサイトに含まれる微量のガリウムも抽出され、バイヤー液中には微量のガリウムも含まれている。
そして、ガリウムは、半導体化合物やシンチレータ等の原料として有用であることから、これまでにも、バイヤー液からガリウムを回収することが行われており、その方法についても例えばアマルガム化法等の幾つかの方法が提案されているが、ガリウムとキレートを形成するキレート化剤の置換キノリノールを多孔質樹脂からなる吸着基材に担持させて吸着材を製造し、この吸着材にバイヤー液を接触させてバイヤー液中のガリウムを吸着材に捕集させ、次いでこの吸着材から塩酸水溶液や硫酸水溶液等の強酸性水溶液からなる逆捕集液でガリウムを抽出し、得られたガリウム含有逆捕集液からガリウムを回収する方法(例えば、特開昭60−42,234号、特公平4−38,453号及び特公平7−94,324号の各公報参照)が提案されており、現在では最も優れた方法であると考えられている。
また、このようにして得られたガリウム含有逆捕集液から工業的に金属ガリウムを分離して回収する方法については、このガリウム含有逆捕集液をアニオンやカチオンのイオン交換樹脂に接触させて選択的にガリウムを捕捉し、次いでイオン交換樹脂に捕捉されたガリウムを塩酸水溶液や硫酸水溶液あるいは純水等の溶離液で抽出し、濃縮して酸性ガリウム溶液を調製し、この酸性ガリウム溶液を電気分解して金属ガリウムを得る方法が提案されている(例えば、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry 5thed.,Vol.A12,pp163−167(1989)参照)。
しかしながら、上記のガリウムの回収方法においては、逆捕集液として強酸性水溶液を用いるだけでなく、イオン交換樹脂を用いた濃縮時の溶離液としても大量の強酸性水溶液を用いるために、必然的に大量の廃酸が発生するが、これらの廃酸中にはバイヤー液由来のガリウム以外の種々の金属不純物を始めとする多くの不純物が含まれており、たとえガリウム回収のための同じプロセス中であっても、単純には再利用することができず、大量に発生する廃酸の廃棄処理が負担になる。
また、得られた酸性ガリウム溶液をそのまま電気分解するのではなく、一旦アルカリ水溶液で中和して水酸化ガリウムを生成させ、次いで得られた水酸化ガリウムスラリーを濾過して水酸化ガリウムを回収し、次いでこの水酸化ガリウムをアルカリ溶液に溶解してアルカリ性ガリウム溶液とし、このアルカリ性ガリウム溶液をガリウムアルカリ電解液として直流により電解精錬して金属ガリウムを回収する方法も提案されている(例えば、特公昭 56−38,661号公報参照)。
しかしながら、この方法においては、アルカリ中和で生成する水酸化ガリウムの結晶が高々2μm程度と極めて微細であり、スラリーがゲル状となって通常の沈降濃縮や濾過濃縮の操作ではその操作に長時間を要するという問題がある。
しかも、このガリウムアルカリ電解液を電気分解して金属ガリウムを回収する方法においては、ガリウムアルカリ電解液中の鉄イオン濃度を5ppm以下、好ましくは2ppm以下にまで低減しない限り、電気分解して金属ガリウムを回収する際に不可避的にスポンジ状ガリウムが発生し、金属ガリウムの回収歩留りが低下するほか、生成したスポンジ状ガリウムを廃棄あるいは最初の処理工程に戻さなければならなくなる。
なお、ガリウムのアルカリ水溶液から電気分解により金属ガリウムを得る方法として、水酸化ガリウムが微細な結晶になるのを防止するために例えばジャイロサイト(Fe(SO(OH))等のガリウム沈降性の良い物質と共に共沈させ、得られた沈殿物から「ガリウムを苛性ソーダで溶解浸出し」てガリウムアルカリ電解液を調製し、電気分解に供する方法が提案されている(特開2001−97,716号公報参照)。しかしながら、この方法においても、ガリウムアルカリ電解液の調製までの工程が複雑になり、また、ジャイロサイト等の添加薬剤の回収や廃棄処理の新たな問題が生じる。
そこで、本発明者らは、上述した従来のバイヤー液からのガリウム回収方法における種々の問題を解決すべく鋭意検討した結果、ガリウム含有逆捕集液を電気透析で濃縮すると共に酸を回収する電気透析工程と、得られたガリウム濃縮液中の鉄分を水酸化鉄として分離除去する除鉄工程と、この除鉄工程で得られたガリウム除鉄液を中和した後に限外濾過して水酸化ガリウムが濃縮された濃縮スラリーを得る限外濾過工程とを採用することにより、酸の再利用が可能になって大量の廃酸が生じることがなく、ガリウムアルカリ電解液のガリウム濃度を高めて電気分解工程での電流効率を高めることができるほか廃液量も低減することができ、しかも、スポンジ状ガリウムの生成を可及的に低減できることを見出し、本発明を完成した。
従って、本発明の目的は、バイヤー液に水不溶性置換キノリノールからなるキレート化剤を接触させてこのキレート化剤にガリウムを捕集させ、得られたガリウム捕集キレート化剤に置換キノリノールを含む逆捕集液を接触させてガリウムを逆捕集液中に抽出し、得られたガリウム含有逆捕集液から金属ガリウムを回収するガリウムの回収方法において、酸の再利用が可能になって大量の廃酸が生じることがなく、ガリウムアルカリ電解液のガリウム濃度を高めて電気分解工程での電流効率を高めることができるほか、廃液量も低減することができ、しかも、スポンジ状ガリウムの生成を可及的に低減することができるガリウムの回収方法を提供することにある。
すなわち、本発明は、バイヤー液に水不溶性置換キノリノールからなるキレート化剤を接触させてこのキレート化剤にガリウムを捕集させ、得られたガリウム捕集キレート化剤に置換キノリノールを含む酸水溶液からなる逆捕集液を接触させてガリウムを逆捕集液中に抽出し、得られたガリウム含有逆捕集液から金属ガリウムを回収するガリウムの回収方法において、上記ガリウム含有逆捕集液を電気透析してガリウムを濃縮すると共に酸を回収する電気透析工程と、この電気透析工程で得られたガリウム濃縮液をpH調整し、析出した水酸化鉄を分離除去してガリウム除鉄液を得る除鉄工程と、得られたガリウム除鉄液を中和して水酸化ガリウムを生成させ、次いでこの水酸化ガリウムスラリーを限外濾過して水酸化ガリウムが濃縮された濃縮スラリーを得る限外濾過工程と、得られた水酸化ガリウムの濃縮スラリーをアルカリ溶液で溶解してガリウムアルカリ電解液を調製する再溶解工程と、得られたガリウムアルカリ電解液を電気分解して金属ガリウムを回収する電気分解工程とを含むガリウムの回収方法である。
本発明において、バイヤー液に水不溶性置換キノリノールからなるキレート化剤を接触させてこのキレート化剤にガリウムを捕集する捕集工程と、この捕集工程で得られたガリウム捕集キレート化剤に置換キノリノールを含む酸水溶液からなる逆捕集液を接触させてガリウムを逆捕集液中に抽出してガリウム含有逆捕集液を得る逆捕集工程については、キレート化剤として水不溶性置換キノリノールを用いる従来公知の方法をそのまま採用することができ、具体的には、例えば特開平7−94,324号公報に記載の方法を例示することができる。
また、本発明において、上記ガリウム含有逆捕集液の電気透析を行う電気透析工程においては、ガリウム含有捕集液の酸濃度が通常0.4〜2Nであるが、この酸濃度が通常0.4N以下、好ましくは0.2N以下になるように電気透析を行うのがよく、これによってガリウム含有逆捕集液中のガリウム濃度が1.2倍以上、好ましくは1.5倍以上に濃縮されたガリウム濃縮液を得ることができると共に、酸の回収も有意的に達成され、酸の再利用が可能になる。この電気透析工程で用いられる電気透析装置としては、特に制限はなく、例えば株式会社トクヤマ製TS−50−740型等、市販の装置をそのまま用いることができる。
この電気透析工程で得られたガリウム濃縮液については、通常その鉄イオン濃度が5ppm以上であるが、次に除鉄工程に供給され、鉄イオン濃度が0.5ppm以下、好ましくは0.2ppm以下にまで除鉄されてガリウム除鉄液として回収される。この除鉄工程では、ガリウム濃縮液は、先ずガリウム濃縮液にアルカリを添加してpH値を10以上13以下、好ましくは12以上12.5以下にpH調整され、次いでこのpH調整により生成し析出した水酸化鉄がシックナー等の手段により分離除去される。この除鉄工程で得られたガリウム除鉄液の鉄イオン濃度が0.5ppmより高いと、スポンジ状ガリウムの生成を有意的に抑制することが難しくなる。
更に、除鉄工程で得られたガリウム除鉄液については、次に限外濾過工程に供給され、先ず中和して水酸化ガリウムを生成させ、次いで得られた水酸化ガリウムスラリーを限外濾過により濃縮し、水酸化ガリウムが濃縮された濃縮スラリーとされる。
この限外濾過工程において、ガリウム除鉄液の中和処理については、酸を添加してpH値を7±0.6、好ましくは7±0.3に調整することにより行われ、また、この中和処理で得られた水酸化ガリウムスラリーの限外濾過処理においては、その装置単位として例えば平面膜モジュール、管型モジュール、スパイラルモジュール、中空糸(キャピラリー)モジュール、モノリス型モジュール、槽浸漬型モジュール、回転円盤膜モジュール等の種々のモジュールを用いることができ、膜表面への固形分沈着を防止して高濃度に濃縮できることから、好ましくは回転円盤膜モジュールを用いて行うのがよく、更にこの際に、水酸化ガリウムスラリーの当初の固形分濃度0.8〜2.6g/L程度(ガリウム濃度として概ね0.5〜1.5g/L程度)を少なくとも30倍以上、好ましくは40倍以上70倍以下程度に濃縮するのがよい。濃縮の程度が30倍より低いと、電気分解工程での電流効率を高めることが難しくなり、また、廃液量も多くなる。
このようにして調製された水酸化ガリウムの濃縮スラリーについては、次に再溶解工程でアルカリ溶液により溶解してガリウムアルカリ電解液とし、次いでこのガリウムアルカリ電解液を電気分解工程で電気分解して金属ガリウムが回収される。
再溶解工程では、ガリウム濃度30〜70g/L程度の濃縮スラリーにアルカリ、好ましくは高濃度のアルカリ水溶液を添加して濃縮スラリー中の水酸化ガリウムを完全に溶解し、ガリウム濃度23g/L以上53g/L以下、好ましくは35g/L以上45g/L以下のガリウムアルカリ電解液が調製され、また、電気分解工程では、常法により、電流密度0.1A/cm以上0.16A/cm以下、好ましくは0.12A/cm以上0.14A/cm以下、電圧2V以上5V以下、好ましくは3V以上4V以下、電解浴温度40℃以上70℃以下、好ましくは50℃以上60℃以下の定電流又は定電圧の条件下でガリウムアルカリ電解液の電気分解が行われる。
本発明方法によれば、電気透析工程でガリウム含有逆捕集液を電気透析してガリウム濃度を濃縮すると共に酸の回収を行い、また、次の除鉄工程で上記ガリウム濃縮液をpH調整して析出した水酸化鉄を分離除去し、更に、次の限外濾過工程で上記ガリウム除鉄液を中和して得られた水酸化ガリウムスラリーを限外濾過により濃縮し、この限外濾過工程で得られた濃縮スラリーからガリウム濃度の高いガリウムアルカリ電解液を調製して電気分解により金属ガリウムを回収するので、酸の再利用が可能になって大量の廃酸が生じることがなく、電気分解工程での電流効率を高めることができ、廃液量も低減することができ、しかも、スポンジ状ガリウムの生成を可及的に低減してガリウムの回収率を顕著に高めることができる。
図1は、本発明のガリウムの回収方法の実施の形態を例示する工程図である。
ST−1…捕集工程、ST−2…逆捕集工程、ST−3…電気透析工程、ST−4…除鉄工程、ST−5…限外濾過工程、ST−6…再溶解工程、ST−7…電気分解工程。
以下、添付図面に示すフローシートに基づいて、本発明の好適な実施の形態を具体的に説明する。
図1に、本発明の実施形態の一例に係るガリウムの回収方法の工程図が示されている。
図1において、バイヤー液に水不溶性置換キノリノールからなるキレート化剤を接触させてこのキレート化剤にガリウムを吸着させて捕集する捕集工程(ST−1)と、この捕集工程で得られたガリウム捕集キレート化剤に置換キノリノールを含む酸水溶液からなる逆捕集液を接触させてガリウムを逆捕集液中に抽出し、ガリウム含有逆捕集液を回収する逆捕集工程(ST−2)を実行する吸着塔1には、キレート化剤として典型的な水不溶性置換キノリノールである7−(4−エチル−1−メチルオクチル)−8−キノリノール(SCHERING 社製商品名:ケレックス100)を吸着基材の合成吸着材(三菱化学社製商品名:ダイヤイオンHP20)に担持させて形成された吸着材が充填されている。この吸着塔1は、工業的に実施する際には、通常は互いに並列に接続された2塔以上の複数の吸着塔で構成され、捕集工程(ST−1)での捕集操作と逆捕集工程(ST−2)での逆捕集操作とが交互に、あるいは、順次に行われ、全体として捕集操作と逆捕集操作とを連続的に実施できるようになっている。
この実施形態においては、ライン2からガリウムを含むバイヤー液が吸着塔1内に導入され、この吸着塔1内でバイヤー液を吸着材に接触させてこのバイヤー液中のガリウムを吸着材に吸着させた後、バイヤー液はライン3から図示外のバイヤー工程へと供給される。
また、この吸着塔1で捕集工程(ST−1)のガリウムの捕集操作が終了した後、常法に従って水洗し、次に吸着塔1には2×10−3重量%の置換キノリノール(SCHERING 社製商品名:ケレックス100)を含む5.5wt%−塩酸水溶液からなる逆捕集液が導入され、吸着塔1内の吸着材に吸着されたガリウムがこの逆捕集液中に抽出され、ガリウムを含む逆捕集液(ガリウム含有逆捕集液)がライン4から抜き出されて次の電気透析工程(ST−3)に導入される。
そして、この電気透析工程(ST−3)では、ガリウム含有逆捕集液が電気透析によりその酸濃度が0.2N以下に、また、ガリウム濃度が1.5倍以上になるように濃縮され、得られたガリウム濃縮液はライン5から次の除鉄工程(ST−4)に導入され、また、回収された塩酸水溶液はライン6から抜き出される。
この実施形態においては、逆捕集工程(ST−2)のライン4から抜き出されたガリウム含有逆捕集液の一部、通常は全体の40〜60重量%程度が塩酸再利用のためにライン11からミキサー9に循環され、そして、ミキサー9内には、電気透析工程(ST−3)のライン6から抜き出された塩酸水溶液がライン10から分岐されて導入され、また、ガリウム含有逆捕集液のライン4に設けられたキレート剤回収塔8からライン11を介してキレート化剤が導入され、更に必要によりライン12から不足したキレート化剤が導入され、このミキサー9内で均一に混合されて置換キノリノールを含む酸水溶液(逆捕集液)となり、ライン13から逆捕集工程(ST−2)へと導入されるようになっている。
上記除鉄工程(ST−4)では、先ずガリウム濃縮液がpH調整槽14内に導入され、また、このpH調整槽14内にはライン15からpH調整剤として48wt%−水酸化ナトリウム水溶液が導入され、均一に混合してpH10〜13に調整することにより水酸化鉄が析出される。このpH調整槽14で得られたスラリーはシックナー16に送り込まれ、このシックナー16で固液分離され、ライン17からガリウム除鉄液が抜き出されて次の限外濾過工程(ST−5)に供給されると共に、ライン18からは水酸化鉄が抜き出される。この除鉄操作により、ガリウム濃縮液中の鉄イオン濃度は通常0.2ppm以下にまで低減される。
限外濾過工程(ST−5)では、ガリウム除鉄液は、先ず中和槽19に導入され、ライン20から供給される塩酸水溶液によりpH7に中和して水酸化ガリウムを生成させ、次いでこの中和槽19で生成した水酸化ガリウムスラリーを回転円盤型モジュールからなる限外濾過装置21によりガリウム濃度を30〜70倍に濃縮され、水酸化ガリウムが濃縮された濃縮スラリーとしてライン22から抜き出されて次の再溶解工程(ST−6)に供給され、また、ライン23からは略中性の廃液が抜き出される。
再溶解工程では、濃縮スラリー中にライン24から48wt%−水酸化ナトリウム水溶液が添加され、濃縮スラリー中の固形分(水酸化ガリウム)が溶解され、ガリウム濃度が概ね35〜45g/Lのガリウムアルカリ電解液が調製され、次いで次の電気分解工程(ST−07)に導入され、このガリウムアルカリ電解液が電気分解されてライン25から金属ガリウムが取り出されると共に、ライン26から水酸化ナトリウム水溶液が抜き出されて廃液処理槽28に導入される。
なお、上記逆捕集工程(ST−2)では、その逆捕集操作の前に酸濃度0.04〜1.8重量%程度の薄い塩酸水溶液からなる洗浄液が導入され、洗浄操作後の酸性廃液はライン29から抜き出されて上記廃液処理槽28内に導入され、この廃液処理槽28内で上記ライン26から導入される水酸化ナトリウム水溶液と合流して中和処理される。また、ライン30からは、廃液処理槽28で中和処理して生成した中性廃液が抜き出される。
以下、上記の図1に示すフローシートに従って行われた実施例及び比較例について説明する。
以下、図1に示す実施の形態に従って実施した実施例1について、捕集工程(ST−1)に導入されたバイヤー液、逆捕集工程(ST−2)から抜き出されたガリウム含有逆捕集液、電気透析工程(ST−3)から抜き出されたガリウム濃縮液、除鉄工程(ST−4)から抜き出されたガリウム除鉄液、限外濾過工程(ST−5)の中和槽19から抜き出された水酸化ガリウムスラリー、限外濾過工程(ST−5)の限外濾過装置21から抜き出された濃縮スラリー、及び再溶解工程(ST−6)で得られたガリウムアルカリ電解液について、測定された処理流量、ガリウム濃度、鉄イオン濃度、ガリウム処理量、及び鉄処理量を表1に示す。
また、電気分解工程(ST−7)において、陽極として2枚のニッケル板を、また、これらニッケル板の間に陰極として1枚のステンレス板(SUS316)をそれぞれ極間距離5cmで配置して構成した2室型電解槽を用い、電流密度0.13A/cm2、合計300Aの定電流下に、初期電圧4.2V及び50℃になってからの電圧3.6V、並びに電解中浴温度を50℃に維持し、電気分解を行った際のガリウム回収率(Ga回収率)と平均電流効率とを測定すると共に、廃液処理槽28での中性塩(NaCl)発生量を調べた。結果を表1に示す。
Figure 2005106080
〔比較例1〕
逆捕集工程で得られたガリウム含有逆捕集液をアルカリでpH7に中和して水酸化ガリウムスラリーとし、濡れ壁方式蒸発機を用いて蒸発濃縮し、次いで濃厚な水酸化ナトリウム水溶液を添加してガリウムアルカリ電解液を調製し、更に、0.3μmメンブレンフィルターを用いて濾過処理し、この濾過処理後のガリウムアルカリ電解液を用い、上記実施例1と同様にして電気分解を行い、ガリウム回収率(Ga回収率)、平均電流効率、及び中性塩(NaCl)発生量を調べた。結果を表2に示す。
Figure 2005106080
本発明方法においては、酸の再利用が可能になって大量の廃酸が生じることがなく、電気分解工程での電流効率を高めることができ、廃液量も低減することができ、しかも、スポンジ状ガリウムの生成を可及的に低減してガリウムの回収率を顕著に高めることができるので、本発明方法はバイヤー液からガリウムを工業的に回収する上で極めて有用である。

Claims (5)

  1. バイヤー液に水不溶性置換キノリノールからなるキレート化剤を接触させてこのキレート化剤にガリウムを捕集させ、得られたガリウム捕集キレート化剤に置換キノリノールを含む酸水溶液からなる逆捕集液を接触させてガリウムを逆捕集液中に抽出し、得られたガリウム含有逆捕集液から金属ガリウムを回収するガリウムの回収方法において、
    上記ガリウム含有逆捕集液を電気透析してガリウムを濃縮すると共に酸を回収する電気透析工程と、
    この電気透析工程で得られたガリウム濃縮液をpH調整し、析出した水酸化鉄を分離除去してガリウム除鉄液を得る除鉄工程と、
    得られたガリウム除鉄液を中和して水酸化ガリウムを生成させ、次いでこの水酸化ガリウムスラリーを限外濾過して水酸化ガリウムが濃縮された濃縮スラリーを得る限外濾過工程と、
    得られた水酸化ガリウムの濃縮スラリーをアルカリ溶液で溶解してガリウムアルカリ電解液を調製する再溶解工程と、
    得られたガリウムアルカリ電解液を電気分解して金属ガリウムを回収する電気分解工程と
    を含むことを特徴とするガリウムの回収方法。
  2. 逆捕集液が塩酸水溶液であり、電気透析工程において、ガリウム含有逆捕集液の電気透析を逆捕集液の塩酸濃度が0.20N以下になるまで行う請求項1に記載のガリウムの回収方法。
  3. 除鉄工程において、pH調整後のガリウム濃縮液がpH10〜13である請求項1又は2に記載のガリウムの回収方法。
  4. 除鉄工程において、ガリウム除鉄液の鉄イオン濃度を0.2ppm以下にする請求項1〜3のいずれかに記載のガリウムの回収方法。
  5. 限外濾過工程において、水酸化ガリウムスラリーのガリウム濃度を30〜70倍に濃縮する請求項1〜4のいずれかに記載のガリウムの回収方法。
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