JPWO2005099698A1 - 安定化された4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミド含有組成物 - Google Patents

安定化された4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミド含有組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミドを含有する安定な医薬組成物を提供する。詳しくは、1)4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミド若しくはその薬理的に許容される塩又はそれらの水和物、及び2)塩基性添加剤を含有してなる医薬組成物である。

Description

本発明は、4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミド若しくはその薬理的に許容される塩又はそれらの水和物に塩基性添加剤を配合してなる安定化された医薬組成物に関する。
近年、消化管系疾患に罹患している患者のうち、6割以上の患者が、腹部膨満感、胸焼け、悪心、嘔吐等の不定愁訴を訴えていると言われている。このような不定愁訴は、消化管機能異常によるものがほとんどである。特許2721631号公報には、5−HT4 agonist作用による強力な消化管運動亢進作用と5−HT3 受容体antagonist作用による強力な嘔吐、悪心の抑制作用を有するアミノ安息香酸誘導体として、4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミド(別名:エンド−4−アミノ−5−クロロ−N−(8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル)−2−{(3−ペンチン−2−イル)オキシ}ベンズアミド)、及びその異性体である4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[(1S)−1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミド も開示されている。この化合物は、他の5−HT3受容体antagonistでは効果の少ない食欲不振、遅延性の悪心、嘔吐にも有効性が期待できる化合物である。
しかしながら、本活性成分と一般的な医薬添加剤を含有してなる医薬固形組成物は、長期間にわたり安定性を確保するのが困難であった。本化合物は水溶液中の加温条件下における安定性が十分ではなく、製剤添加剤のほとんどが水分を含有しているため、本化合物と一般的な医薬添加剤を含有してなる医薬固形組成物は、それを防湿包装やシリカゲル等の乾燥剤入りの包装にすることで長期間保存時における安定性を確保するしかなかった。
5−HT4 agonist作用による強力な消化管運動亢進作用と5−HT3 受容体antagonist作用による強力な嘔吐、悪心の抑制作用を併せ持つ4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミドとりわけ、その異性体である4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[(1S)−1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミド を含有する、長期保存時においても安定な医薬組成物が求められている。さらには、防湿剤や防湿包装を必要としない、より安定な固形医薬組成物が求められている。
以上のような状況に鑑み、本発明者らは、4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミドを含有する医薬組成物、特に、4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[(1S)−1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミドを含有する医薬組成物において、長期間に渡り医薬品の品質を確保できる安定な固形製剤を探索すべく鋭意検討を行った。その結果、以下に示す構成により初期の目的を達成できることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、下記式(I)に示す4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミド若しくはその薬理的に許容される塩又はそれらの水和物、及び2)塩基性添加剤を含有してなる医薬組成物である。
Figure 2005099698
発明の詳細な説明
本発明に係る4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミドは、異性体として、4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[(1S)−1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミドと4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[(1R)−1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミドが存在するが、下記式(II)に示す4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[(1S)−1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミドが望ましい。
Figure 2005099698
4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミド、及び4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[(1S)−1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミドは、薬理的に許容される塩又はそれらの水和物であってもよい。薬理的に許容される塩は、特に限定されないが、例えば、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、臭化水素酸塩などの無機酸塩、酢酸塩、メタンスルホン酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩などの有機酸塩、あるいは、グルタミン酸塩、アスパラギン酸等のアミノ酸との塩等を挙げることができる。
本発明に係る塩基性添加剤は、水溶液又は懸濁液のpHが7以上を示すものであれば、特に限定されないが、水に対する溶解度が0.1%以下である塩基性添加剤が望ましい。好ましくは、1)マグネシウム又はカルシウムの水酸化物又は酸化物、又は2)リン酸、カルボン酸、クエン酸またはその他の適当な無機または有機の弱酸のカルシウム、マグネシウム塩であり、例えば、水酸化マグネシウム,酸化マグネシウム,水酸化カルシウム,酸化カルシウム,炭酸カルシウム,リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸マグネシウム,リン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、クエン酸カルシウム又はアミノアルキルメタクリレートコポリマーEが挙げられる。さらに好ましくは、水酸化マグネシウム,酸化マグネシウム,水酸化カルシウム,炭酸カルシウム,リン酸カルシウム又はアミノアルキルメタクリレートコポリマーEであり、特に好ましくは、水酸化マグネシウム又は酸化マグネシウムである。
本発明に係る塩基性添加剤の配合量は、特に限定されないが、4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミド若しくはその薬理的に許容される塩又はそれらの水和物の1重量部に対し、通常、1〜300重量部であり、好ましくは、5〜120重量部であり、さらに好ましくは20〜80重量部である。また、4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミド若しくはその薬理的に許容される塩又はそれらの水和物を含有する医薬組成物の重量に対し、通常、1重量%〜50重量%であり、好ましくは、3重量%〜30重量%であり、さらに好ましくは5重量%〜15重量%である。もちろん、これらに限定される訳ではない。
さらに、本発明に係る医薬組成物には、通常使用する製剤添加剤を配合してもよく、例えば、賦形剤、崩壊剤、結合剤及び/又は滑沢剤を含有してもよい。
賦形剤は、特に限定されないが、例えば、マンニトール、イノシトール、マルチトール、キシリトール、エリスリトール糖の糖アルコール、トレハロース、トウモロコシデンプン、乳糖、部分アルファ化デンプン、白糖、αーシクロデキストリン、βーシクロデキストリン、γーシクロデキストリンなどの糖類、結晶セルロース、無水リン酸水素カルシウムなどが挙げられ、好ましくは、マンニトール、イノシトール、マルチトール、キシリトール、エリスリトール等の糖アルコールであり、さらに好ましくはマンニトールである。マンニトールは含有している水分量が極めて小さい為、加温条件下での水溶液中で不安定化される4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミドを含有する医薬組成物に配合するには特に好ましいのである。賦形剤の配合量は、特に限定されないが、好ましくは、医薬組成物の重量に対し、40重量%〜99.9重量%であり、さらに好ましくは60重量%〜99重量%であり、特に好ましくは、65重量%〜95重量%である。
崩壊剤は、特に限定されないが、例えば、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスポビドン、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシメチルスターチナトリウムなどが挙げられ、好ましくは低置換度ヒドロキシプロピルセルロースである。崩壊剤の配合量は、特に限定されないが、好ましくは、医薬組成物の重量に対し、3重量%〜30重量%であり、さらに好ましくは5重量%〜20重量%であり、特に好ましくは、5重量%〜15重量%である。
結合剤としては、特に限定されず、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどが挙げられるが、好ましくはヒドロキシプロピルメチルセルロースである。結合剤の配合量は、特に限定されないが、好ましくは、医薬組成物の重量に対し、1重量%〜5重量%であり、さらに好ましくは1.5重量%〜4重量%であり、特に好ましくは、1.5重量%〜3重量%である。
滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、フマル酸ステアリルナトリウム、硬化ヒマシ油、タルクなどが挙げられるが、好ましくは、ステアリン酸マグネシウム又はフマル酸ステアリルナトリウムであり、さらに好ましくは、フマル酸ステアリルナトリウムである。特に、塩基性添加剤が、酸化マグネシウム又は水酸化マグネシウムである場合には、錠剤等の医薬組成物の滑沢剤としてステアリン酸マグネシウムを配合するとゲル化を生じ、当該錠剤の崩壊時間及び溶出速度の遅延を生じ易いが、滑沢剤としてフマル酸ステアリルナトリウムを配合するとゲル化は生ぜず、溶出液への錠剤等の医薬組成物の濡れが向上し、当該錠剤等の崩壊時間及び溶出速度が早められるからである。滑沢剤の配合量は、特に限定されないが、好ましくは、医薬組成物の重量に対し、0.1重量%〜2重量%であり、さらに好ましくは0.2重量%〜1.8重量%であり、特に好ましくは、0.2重量%〜1.5重量%である。
また、本発明に係る医薬組成物には、清涼化剤、甘味剤等を配合してもよい。清涼化剤としては、例えば、1−メントール、ハッカ水などが、甘味剤としては、例えば、アスパルテーム、ステビア抽出物、カンゾウ、サッカリン、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸ジカリウム、グリシンなどが挙げられる。
本発明に係る医薬組成物の剤型は、特に限定されず、例えば、錠剤,カプセル剤,散剤,顆粒剤,細粒剤、ドライシロップ剤、トローチ剤、吸入剤、坐剤、軟膏剤又はテープ剤等の固形製剤、点鼻剤、点耳剤、パップ剤、ローション剤等の液体製剤などが挙げられる。いずれの剤型も公知の方法により製造することができる。好ましくは、錠剤,カプセル剤,散剤,顆粒剤,細粒剤、ドライシロップ剤、トローチ剤、吸入剤、坐剤、軟膏剤又はテープ剤等の固形製剤であり、さらに好ましくは、錠剤,カプセル剤,散剤,顆粒剤,細粒剤である。
本発明に係る医薬組成物は、通常用いられる方法により、製造することができる。例えば、4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミド若しくはその薬理的に許容される塩又はそれらの水和物に、安定化剤として水酸化マグネシウムや酸化マグネシウム等の塩基性添加剤を配合し、賦形剤、崩壊剤及び/又は結合剤を加えて、ローラーコンパクター等を用いて乾式造粒後に、あるいは、転動造粒や押し出し造粒等の湿式造粒後に、乾燥し、整粒して顆粒剤、細粒剤又は散剤を製造できる。あるいは、必要に応じて、崩壊剤及び/又は滑沢剤を添加し、カプセルに充填してカプセル剤としても良いし、打錠して錠剤としてもよい。また、錠剤を製造する場合には、4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミド若しくはその薬理的に許容される塩又はそれらの水和物に、安定化剤として水酸化マグネシウムや酸化マグネシウム等の塩基性添加剤を配合し、賦形剤、崩壊剤、結合剤及び/又は滑沢剤を加えて、直接打錠しても、製造することができる。もちろん、これらの方法に限定される訳ではない。
さらに、本発明に係る錠剤,カプセル剤,散剤,顆粒剤又は細粒剤、好ましくは、錠剤,顆粒剤又は細粒剤は、遮光、苦味隠蔽又は持続性などの目的のため、公知の方法でコーティング皮膜を施してもよい。コーティングには、コーティング剤以外にも、種々の添加剤を配合してもよく、例えばコーティング剤に可塑剤、分散剤、着色剤等を配合したものを水、エタノール、イソプロピルアルコール又はその混合溶媒に溶解又は分散させて流動層コーティング装置、コーティングパン、遠心流動造粒装置の中でコーティングできる。
コーティング剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、エチルセルロース、メタアクリル酸・アクリル酸共重合物(商品名:オイドラギット(ローム社、ドイツ)、メタクリル酸コポリマータイプA、メタクリル酸コポリマータイプB、メタクリル酸コポリマータイプC等)が、可塑剤としては、ポリエチレングリコール、クエン酸トリエチル、グリセリン脂肪酸エステル等が、分散剤としてはステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルクなどが挙げられるが、もちろんこれらに限定される訳ではない。また、コーティング液中に着色剤を配合してもよく、例えば、黄色三二酸化鉄、黄酸化鉄、食用黄色4号、食用黄色5号、食用黄色4号アルミニウムレーキ及び三二酸化鉄、食用赤色2号、食用赤色3号及び食用赤色102号、銅クロロフィリンナトリウム、銅クロロフィリンカリウム、酸化チタンなどが挙げられる。
本発明においては、これらを単独で用いることもできるし、又は2種以上を組み合わせて配合しても良い。
さらに、本発明は、式(I)に示す4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミド若しくはその薬理的に許容される塩又はそれらの水和物に、2)塩基性添加剤を配合することを特徴とする安定化された4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミド含有組成物の製造方法である。4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミド若しくはその薬理的に許容される塩又はそれらの水和物に、塩基性添加剤は、接触状態で存在させることが好ましく、均一に混合させても良いし、異なる層状で接触させても良いが、より好ましくは、均一な混合である。
また、本発明は、式(I)に示す4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミド若しくはその薬理的に許容される塩又はそれらの水和物に、2)塩基性添加剤を配合することを特徴とする4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミドの安定化方法である。
4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミドは、好ましくは、式(II)に示す4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[(1S)−1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミドである。
本発明は、活性成分である4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミドに塩基性添加剤、特に水に対する溶解度の低い塩基性添加剤を配合することにより、本活性成分を含有する医薬組成物の安定化に極めて優れた効果を呈することを見出したものである。とりわけ、水酸化マグネシウム,酸化マグネシウム,水酸化カルシウム,炭酸カルシウム,リン酸カルシウム又はアミノアルキルメタクリレートコポリマーEが驚くべき本活性成分の安定化効果を有することを見出したものである。
本発明に係る医薬組成物は、例えば、以下の方法により製造することができる。
4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミド7g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース182g及び酸化マグネシウム54.6gを高速攪拌混合し倍散混合物を製造する。前記倍散混合物237.8g、直打用マンニトール噴霧造粒品1506.9g及びステアリン酸マグネシウム32gを容器回転型混合機で混合し、打錠機を用いて打錠し、1錠65mg中、0.25mgの4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミドを含有する錠剤を調製する。この方法により、安定性に優れた4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミド含有医薬組成物を製造することができる。
次に、必要に応じて、前記の錠剤400gに、酸化チタン、ステアリン酸マグネシウム、及びポリエチレングリコールを均一分散させた固形分濃度10%のヒドロキシプロピルメチルセルロース水溶液のコーティングを施すことにより、皮膜被覆錠剤を製造することができる。
本発明によると、4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミドを含有する医薬組成物の優れた安定性の確保が可能である。その効果例を以下に示す。
実験例
(1)塩基性添加剤の配合による4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[(1S)−1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミドを含有する粉末製剤(医薬組成物)の安定化効果
A) 4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[(1S)−1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミドと製剤添加剤との配合試験
4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[(1S)−1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミドを含有する製剤(医薬組成物)を製造するにあたり、4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[(1S)−1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミドと種々の製剤添加剤との配合性試験を行った。即ち、4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[(1S)−1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミドと種々の製剤添加剤を表2に示した重量配合比で混合後、組成物を透明ガラス瓶に秤取し、蓋を開放したまま60℃相対湿度75%で1週間保存した。尚、製剤添加剤としては、種々の賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤等を用いた。対照として4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[(1S)−1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミドのみを透明ガラス瓶に秤取し、同様に保存した。保存前後のサンプルを高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により評価した。尚、安定性は保存後における、総分解物量(%)、相対保持時間(RRT)=1.37の主分解物量(%)及び含量の残存率(%)で評価した。また、各分解物量,(RRT)=1.37の主分解物量、当該薬効成分の含量は、当該薬効成分の標準溶液を用いた外部標準法により求めた。
総分解物量(%)=各分解物量の総和
含量の残存率(%)=(保存後の含量)/(保存前の含量)×100
(HPLC条件)
保存前後の各サンプルに抽出液を入れ60分間攪拌した後、3000rpmで15分間遠心分離を行い、得られた上澄液につき、液体クロマトグラフ法により試験を行い、各分解物量および当該薬効成分含量を測定した。
抽出液:30vol%アセトニトリル水溶液
検出器:紫外吸光光度計(275nm)
移動相A:水/アセトニトリル/過塩素酸ナトリウム1水和物/過塩素酸の混液(900:100:7:1,V/V/W/V)
移動相B:アセトニトリル/水/過塩素酸ナトリウム1水和物/過塩素酸の混液(900:100:7:1,V/V/W/V)
カラム:内径4.6mm、長さ15cmのステンレス管に3μmの液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充填したもの
カラム温度:40℃付近の一定温度
流量:1ml/分
Figure 2005099698
結果を表2に示した。
Figure 2005099698
4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[(1S)−1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミド粉末は、単独では安定であり分解物は認められなかった(対照例)が、表2に示した一般的な製剤添加剤と配合した場合は、いずれも総分解物量と相対保持時間(RRT)=1.37の主分解物量の増大、含量残存率の低下が認められた。賦形剤では、マンニトール、乳糖の配合では分解が少なかった。崩壊剤では低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロースナトリウム又はカルボキシメチルセルロースと配合した場合に、分解は少なかった。また、結合剤ではヒドロキシプロピルメチルセルロース、滑沢剤では、ステアリン酸マグネシウム又はフマル酸ステアリルナトリウムを配合した場合に、分解物量が少なかった。
B) 4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[(1S)−1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミド,製剤添加剤及び塩基性添加剤を含有する粉末製剤(医薬組成物)の安定性評価
下記の実施例1〜5で得られた塩基性添加剤を配合した粉末製剤(医薬組成物)を製造した。尚、塩基性添加剤として、水酸化マグネシウム(実施例1)、酸化マグネシウム(実施例2)、炭酸カルシウム(実施例3)、クエン酸ナトリウム(実施例4)、リン酸カルシウム(実施例5)を用いた。
この造粒した粉末製剤(医薬組成物)250mgをポリプロピレンチューブに入れ蓋を開放したまま60℃相対湿度75%で1週間保存した。保存前後の各サンプルを前記のHPLC条件により評価した。また、比較例として、安定化剤を配合しない粉末製剤(比較例1)、塩基性添加剤として、炭酸ナトリウム、メグルミンを各々配合した粉末製剤(比較例2、3)、中性添加剤(塩化ナトリウム)配合した粉末製剤(比較例4)、酸性添加剤(クエン酸)配合した粉末製剤(比較例5)を実施例1〜5と同様の方法により製造し、評価した。尚、安定性は保存後における、総分解物量(%)、相対保持時間(RRT)=1.37の主分解物量(%)で評価した。また、総分解物量、相対保持時間(RRT)=1.37の主分解物量は以下の計算式により求めた。
総分解物量(%)=(保存後の各分解物ピーク面積の総和)/(保存前の当該薬効成分ピーク面積)×100
相対保持時間1.37の主分解物量(%)=(保存後の相対保持時間1.37の主分解物ピーク面積)/(保存前の当該薬効成分ピーク面積)×100
処方、安定性試験の結果を、各々表3、表4に示した。
Figure 2005099698
Figure 2005099698
4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[(1S)−1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミド,製剤添加剤及び塩基性添加剤を含有する粉末製剤(医薬組成物)において、水酸化マグネシウム(実施例1),酸化マグネシウム(実施例2),炭酸カルシウム(実施例3),クエン酸ナトリウム(実施例4),リン酸カルシウム(実施例5)を用いた場合に、塩基性添加剤を含有しない粉末製剤(対照例1)と比較して、(RRT)=1.37の主分解物量および総分解物量の減少が認められた。特に、水酸化マグネシウム又は酸化マグネシウムを用いた場合、安定化効果が顕著であった。
一方、塩基性添加剤として、炭酸ナトリウム(比較例2)、メグルミン(比較例3)等を用いた場合は、実施例1〜5の塩基性添加剤とほぼ同様のpHであるにもかかわらず、塩基性添加剤を含有しない粉末製剤(比較例1)と比較して不安定化が認められた。即ち、(RRT)=1.37の主分解物量は減少したが、総分解物量は増加し不安定化した。尚、中性添加剤である塩化ナトリウム(比較例4)、酸性添加剤であるクエン酸(比較例5)を配合した際には、さらなる大きな分解促進が認められた。
4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[(1S)−1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミドは、塩基性添加剤、とりわけ水に対する溶解度が低く、例えば溶解度0.1%以下である水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、クエン酸ナトリウム、リン酸カルシウム等の塩基性添加剤を配合することにより、その医薬組成物が安定化されることは、明らかである。
(2)塩基性添加剤の配合による4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[(1S)−1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミドを含有する錠剤(医薬組成物)の安定化効果及び塩基性添加剤の量的効果
下記の実施例6〜15で得られた塩基性添加剤を配合した錠剤をポリ瓶に入れ蓋を開放したまま60℃相対湿度75%で1週間保存した。保存後の各サンプルを前記のHPLCにより評価した。
尚、塩基性添加剤として、水酸化マグネシウム10%(実施例6)、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE10%(実施例7)、水酸化カルシウム10%(実施例8)を、酸化マグネシウム(実施例9〜11)は、医薬組成物の重量に対する配合量を3%、6.5%、10%を配合して、粉体混合による直接打錠の錠剤を製造した。実施例12は、酸化マグネシウム10%を配合して湿式造粒後に打錠して錠剤を製造し、評価した。実施例13は、比較例7の裸錠に酸化マグネシウム含有のコーティング液を噴霧してフィルム錠を製造した。実施例14〜15は、酸化マグネシウム9.5%を配合して湿式造粒後に打錠して錠剤を製造し、さらにコーティングすることで当該薬効成分0.30%、2.38%含有のフィルム錠を製造した。また、比較例として、塩基性添加剤を配合しないで粉体混合による直接打錠の錠剤を製造し(比較例6,7)、同様に評価した。尚、安定性は保存後における相対保持時間(RRT)=1.37の主分解物量(%)で評価した。また、相対保持時間(RRT)=1.37の主分解物量は、当該薬効成分の標準溶液を用いた外部標準法により求めた。
処方、安定性試験の結果を、各々表5、表6に示した。
Figure 2005099698
Figure 2005099698
4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[(1S)−1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミド,製剤添加剤及び塩基性添加剤を含有する錠剤において、塩基性添加剤として、水酸化マグネシウム10%(実施例6)、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE10%(実施例7)、水酸化カルシウム10%(実施例8)、酸化マグネシウム10%(実施例11)を用いた場合に、塩基性添加剤を含有しない粉末製剤(対照例7)と比較して、(RRT)=1.37の主分解物量の減少が認められた(表5には、(RRT)=1.37の主分解物量を記載した)。
また、酸化マグネシウムの医薬組成物の重量に対する配合量を0.7%、3%、6.5%、10%(実施例9〜11、13)と多くするほど、(RRT)=1.37の主分解物量の減少が認められた。
4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[(1S)−1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミドは、塩基性添加剤、とりわけ水に対する溶解度が低く、例えば溶解度0.1%以下である水酸化マグネシウム、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE、水酸化カルシウム等を配合することにより、その医薬組成物が安定化され、また、その配合量を多くするほど安定化されることは、明らかである。また、塩基性添加剤の配合量を多くすると、安定化効果が増大することは明らかである。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明がこれらに限定されるわけではない。
実施例1〜5
マンニトール890g,低置換度ヒドロキシプロピルセルロース100g及びステアリン酸マグネシウム10gを高速攪拌混合し、更に4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[(1S)−1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミド 1gをエタノール100gに溶解した溶液を添加し、ゆるやかに造粒した。次に、乳鉢上で上記造粒物800mgと各塩基性添加剤200mgを精製水200μL加えながらゆるやかに造粒し、4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[(1S)−1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミド を含有する細粒剤を得た。
当該細粒剤における4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[(1S)−1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミド と各塩基性添加剤の配合重量比は、1:250である。
尚、塩基性添加剤として、水酸化マグネシウム(実施例1)、酸化マグネシウム(実施例2)、炭酸カルシウム(実施例3)、クエン酸ナトリウム(実施例4)、リン酸カルシウム(実施例5)を用いた。
実施例6
4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[(1S)−1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミド 7g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース182g及び水酸化マグネシウム182gを高速攪拌混合し倍散混合物を得た。倍散混合物367.3g、直打用マンニトール噴霧造粒品(Parteck M200 Merck製)1402.1g及びステアリン酸マグネシウム32.4gを容器回転型混合機で混合し、打錠機を用いて6mm径の杵で打錠し、1錠65mg中に4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[(1S)−1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミド0.25mgを含有する錠剤を得た。
実施例7
本活性成分7g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース182g及びアミノアルキルメタクリレートコポリマーE(オイドラギットEPO、ローム製)182gを高速攪拌混合し倍散混合物を得た。倍散混合物364.5g、直打用マンニトール噴霧造粒品(Parteck M200 Merck製)1391.4g及びステアリン酸マグネシウム32.2gを容器回転型混合機で混合し、打錠機を用いて6mm径の杵で打錠し、1錠65mg中に4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[(1S)−1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミド0.25mgを含有する錠剤を得た。
実施例8
本活性成分7g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース182g及び水酸化カルシウム182gを高速攪拌混合し倍散混合物を得た。倍散混合物360.9g、直打用マンニトール噴霧造粒品(Parteck M200 Merck製)1377.7g及びステアリン酸マグネシウム31.9gを容器回転型混合機で混合し、打錠機を用いて6mm径の杵で打錠し、1錠65mg中に4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[(1S)−1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミド0.25mgを含有する錠剤を得た。
実施例9
本活性成分7g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース182g及び酸化マグネシウム54.6gを高速攪拌混合し倍散混合物を得た。倍散混合物237.8g、直打用マンニトール噴霧造粒品(Parteck M200 Merck製)1506.9g及びステアリン酸マグネシウム32gを容器回転型混合機で混合し、打錠機を用いて6mm径の杵で打錠し、1錠65mg中に4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[(1S)−1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミド0.25mgを含有する錠剤を得た。
実施例10
本活性成分7g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース182g及び酸化マグネシウム118.3gを高速攪拌混合し倍散混合物を得た。倍散混合物301.9g、直打用マンニトール噴霧造粒品(Parteck M200 Merck製)1453.9g、ステアリン酸マグネシウム32.2gを容器回転型混合機で混合し、打錠機を用いて6mm径の杵で打錠し、1錠65mg中に4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[(1S)−1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミド0.25mgを含有する錠剤を得た。
実施例11
本活性成分7g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース182g及び酸化マグネシウム182gを高速攪拌混合し倍散混合物を得た。倍散混合物366g、直打用マンニトール噴霧造粒品(Parteck M200 Merck製)1397.2g及びステアリン酸マグネシウム32.3gを容器回転型混合機で混合し、打錠機を用いて6mm径の杵で打錠し、1錠65mg中に4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[(1S)−1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミド0.25mgを含有する錠剤を得た。
実施例12
本活性成分7.5g、マンニトール1563g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース97.5g、酸化マグネシウム195g及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5RW、信越化学製)57gを高速攪拌混合し、さらに精製水440gを添加し造粒した。造粒物を乾燥後に整粒し、整粒物1699.9gとステアリン酸マグネシウム26.6を容器回転型混合機で混合し、打錠機を用いて6mm径の杵で打錠し、1錠65mg中に4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[(1S)−1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミド0.25mgを含有する錠剤を得た。
実施例13
パン回転式コーティング機を用いて、比較例7で製造した裸錠250gに下記組成のコーティング液をスプレーし、1錠70mg中に4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[(1S)−1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミド0.25mgを含有するフィルム錠を得た。
(コーティング液の組成)
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5RW、信越化学製) 5.6%
ステアリン酸マグネシウム 2.4%
ポリエチレングリコール8000 1.0%
酸化マグネシウム 1.0%
精製水 90.0%
実施例14
本活性成分6.25g、マンニトール1423.75g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース200g、酸化マグネシウム200g及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5RW、信越化学製)50gを高速攪拌混合し、さらに精製水560gを添加し造粒した。造粒物を乾燥後に整粒し、整粒物1713.9g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース91.2g及びフマル酸ステアリルナトリウム18.2gを容器回転型混合機で混合し、打錠機を用いて6mm径の杵で打錠し、1錠80mgの錠剤を得た。更に、パン回転式コーティング機を用いて、裸錠250gに下記組成のコーティング液をスプレーし、1錠84mg中に4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[(1S)−1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミド0.25mgを含有するフィルム錠を得た。
(コーティング液の組成)
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5RW、信越化学製) 5.0%
ステアリン酸マグネシウム 2.0%
ポリエチレングリコール8000 0.88%
黄色酸化鉄 0.12%
精製水 92.0%
実施例15
本活性成分50g、マンニトール1380g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース200g、酸化マグネシウム200g及びヒドロキシプロピルメチルセルロース50gを高速攪拌混合し、さらに精製水560gを添加し造粒した。造粒物を乾燥後に整粒し、整粒物1760.4g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース93.6g及びフマル酸ステアリルナトリウム18.7gを容器回転型混合機で混合し、打錠機を用いて6mm径の杵で打錠し、1錠80mgの錠剤を得た。更に、パン回転式コーティング機を用いて、裸錠250gに下記組成のコーティング液をスプレーし、1錠84mg中に4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[(1S)−1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミド2mgを含有するフィルム錠を得た。
(コーティング液の組成)
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5RW、信越化学製) 5.0%
ステアリン酸マグネシウム 2.0%
ポリエチレングリコール8000 0.88%
黄色酸化鉄 0.12%
精製水 92.0%

Claims (20)

  1. 1)下記式(I)に示す4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミド若しくはその薬理的に許容される塩又はそれらの水和物、及び2)塩基性添加剤を含有してなる医薬組成物。
    Figure 2005099698
  2. 4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミドが、下記式(II)に示す4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[(1S)−1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミド である請求項1記載の医薬組成物。
    Figure 2005099698
  3. さらに、賦形剤、崩壊剤、結合剤及び/又は滑沢剤を含有してなる請求項1〜2のいずれか1項記載の医薬組成物。
  4. 塩基性添加剤が、水に対するその溶解度が0.1%以下の塩基性添加剤である請求項1〜3のいずれか1項記載の医薬組成物。
  5. 塩基性添加剤が、水酸化マグネシウム,酸化マグネシウム,水酸化カルシウム,炭酸カルシウム,リン酸カルシウム又はアミノアルキルメタクリレートコポリマーEである請求項1〜4のいずれか1項記載の医薬組成物。
  6. 塩基性添加剤が、水酸化マグネシウム又は酸化マグネシウムである請求項5項記載の医薬組成物。
  7. 塩基性添加剤の配合量が、4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミド若しくはその薬理的に許容される塩又はそれらの水和物の1重量部に対し、1〜300重量部である請求項1〜6のいずれか1項記載の医薬組成物。
  8. 賦形剤が、糖アルコールである請求項3〜7のいずれか1項記載の医薬組成物。
  9. 賦形剤の配合量が、医薬組成物の重量に対し、40重量%〜99.9重量%である請求項4〜8のいずれか1項記載の医薬組成物。
  10. 糖アルコールが、マンニトールである請求項8又は9記載の医薬組成物。
  11. 崩壊剤が、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースである請求項3〜10のいずれか1項記載の医薬組成物。
  12. 結合剤がヒドロキシプロピルメチルセルロースある請求項3〜11のいずれか1項記載の医薬組成物。
  13. 滑沢剤が、フマル酸ステアリルナトリウム又はステアリン酸マグネシウムである請求項3〜12のいずれか1項記載の医薬組成物。
  14. 滑沢剤が、フマル酸ステアリルナトリウムである請求項13記載の医薬組成物。
  15. 医薬組成物が、錠剤,カプセル剤,散剤,顆粒剤又は細粒剤である請求項1〜14のいずれか1項記載の医薬組成物。
  16. 医薬組成物が、錠剤,顆粒剤又は細粒剤の表面にコーティング皮膜を施してなる請求項1〜14のいずれか1項記載の医薬組成物。
  17. 式(I)に示す4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミド若しくはその薬理的に許容される塩又はそれらの水和物に、2)塩基性添加剤を配合することを特徴とする安定化された4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミド含有組成物の製造方法。
  18. 式(I)に示す4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミド若しくはその薬理的に許容される塩又はそれらの水和物に、2)塩基性添加剤を配合することを特徴とする4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミドの安定化方法。
  19. 4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミドが、式(II)に示す4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[(1S)−1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミドである請求項17記載の製造方法。
  20. 4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミドが、式(II)に示す4−アミノ−5−クロロ−N−[(1R,3r,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−2−[(1S)−1−メチルブタ−2−インイルオキシ]ベンズアミド である請求項18記載の安定化方法。
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