JP2019151657A - イルベサルタンとアムロジピンまたはその塩を含有する医薬組成物の安定化方法 - Google Patents

イルベサルタンとアムロジピンまたはその塩を含有する医薬組成物の安定化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】イルベサルタンとアムロジピンまたはその塩を含有する医薬組成物の安定化方法を提供する。【解決手段】本発明は、イルベサルタンとアムロジピンまたはその塩を含有する医薬組成物において、D-マンニトール、結晶セルロース、乳糖、リン酸水素カルシウムおよびトウモロコシデンプンから選択される少なくとも1種以上である賦形剤、およびヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース等から選択される結合剤を含有せしめることによる、該組成物の安定化方法に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、イルベサルタンとアムロジピンまたはその塩を含有する安定化された医薬組成物に関する。更に好ましくは、これにフィルムコーティングが施された安定化された医薬組成物に関する。
イルベサルタン(2-ブチル-3-{4-[2-(1H-テトラゾール-5-イル)フェニル]ベンジル}-1,3-ジアザスピロ[4.4]ノン-1-エン-4-オン)は、高血圧症等の治療に有用な長時間作用型アンジオテンシンII受容体拮抗剤である。イルベサルタンは、式:
Figure 2019151657
で示される構造を有する(特許文献1)。イルベサルタンは、一般に、上記疾患の治療のためには、たとえば50〜300mgと比較的多量投与する必要がある。
一方、アムロジピン(3-エチル 5−メチル‐2-[(2-アミノエトキシ)メチル]-4-(2-クロロフェニル)-6-メチル-1,4-ジヒドロピリジン‐3,5-ジカルボキシレート)は、高血圧症等の治療に有用なカルシウム拮抗剤である。アムロジピンは、式:
Figure 2019151657
で示される構造を有する(特許文献2)。アムロジピンは、医薬的に、そのマレイン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩(ベシル酸塩:特許文献3)、またはメシル酸塩として用いることができるが、特にそのベンゼンスルホン酸塩として用いられている。アムロジピンは、一般に、上記疾患の治療のためには、たとえば、2.5mg、5mgまたは10mgを投与する必要がある。また、カルシウム拮抗剤の一つであるアムロジピンは吸湿性が高く、湿気を吸収することにより分解することが知られている(特許文献4)。更に、乳糖、塩基性賦形剤及び水の混合物はベシル酸アムロジピンの配合変化を誘発することが知られている(特許文献5)。
一般に、2種以上の有効成分を含有する製剤は有効成分同士が作用して不安定であることが知られている。例えば、アンジオテンシンII受容体拮抗剤の一つであるオルメサルタンとカルシウム拮抗剤の一つであるアゼルニジピンを含む製剤は不安定であるため、これを解決するために互いの有効成分を分離した形態にした固形製剤を提案している(特許文献5)。
以上のことから、アムロジピンとその他の有効成分を含有する製剤において、各々の有効成分が分離していない形態で配合変化等を誘発しない製剤を開発するには技術的な困難性を有する。特に、アムロジピンとイルベサルタンの双方を分離していない形態で含有する医薬組成物において双方の有効成分の配合変化を誘発しない安定化された医薬組成物はこれまでに知られていない。
米国特許第5270317号明細書 欧州特許出願公開第89167号明細書 欧州特許出願公開第244944号明細書 国際公開第2006/059217号パンフレット 国際公開第2008/078726号パンフレット
本発明の課題は、配合変化及び色相変化を誘発しないイルベサルタンとアムロジピンまたはその塩を含有する安定な医薬組成物を提供することである。
本発明者は、かかる課題を解決するために鋭意検討を行った結果、賦形剤としてD-マンニトール、結晶セルロース等の各種賦形剤を用い、各種結合剤を用いることで上記課題を解決する医薬組成物が得られることを見出した。更に上記賦形剤及び結合剤を用いることに加えて、イルベサルタンを含有する顆粒にアムロジピンまたはその塩を混合することで、上記課題を解決する医薬組成物が得られることを見出した。
すなわち、本発明は以下の通りである。
項1:イルベサルタン、アムロジピンまたはその塩、D-マンニトール、結晶セルロース、乳糖、リン酸水素カルシウムおよびトウモロコシデンプンから選択される少なくとも1種以上である賦形剤、及びヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、アルファ化澱粉およびコポリビドンから選択される結合剤を含有する安定化された医薬組成物。
項2:イルベサルタン、アムロジピンまたはその塩、D-マンニトール、結晶セルロース、乳糖、リン酸水素カルシウムおよびトウモロコシデンプンから選択される少なくとも1種以上である賦形剤、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、アルファ化澱粉およびコポリビドンから選択される結合剤、崩壊剤、および滑沢剤を含有する、項1に記載の医薬組成物。
項3:イルベサルタン、D-マンニトール、結晶セルロース、乳糖、リン酸水素カルシウムおよびトウモロコシデンプンから選択される少なくとも1種以上である賦形剤、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、アルファ化澱粉およびコポリビドンから選択される結合剤、および崩壊剤を含有する顆粒と、アムロジピンまたはその塩を含む、項1または項2に記載の医薬組成物。
項4:イルベサルタン、D-マンニトール、結晶セルロース、乳糖、リン酸水素カルシウムおよびトウモロコシデンプンから選択される少なくとも1種以上である賦形剤、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、アルファ化澱粉およびコポリビドンから選択される結合剤、および崩壊剤を含有する顆粒に、アムロジピンまたはその塩、崩壊剤および滑沢剤を配合し、打錠して得られる、項3に記載の医薬組成物。
項5:賦形剤が、D−マンニトールおよび結晶セルロースである、項1〜項4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
項6:結合剤が、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、アルファ化澱粉およびコポリビドンからなる群から選択される、項1〜項5のいずれか一項に記載の医薬組成物。
項7:崩壊剤が、クロスカルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスポビドン、コーンスターチ、カルメロースおよび低置換度ヒドロキシプロピルセルロースからなる群から選択される、項2〜項6のいずれか一項に記載の医薬組成物。
項8:崩壊剤が、クロスカルメロースナトリウムである、項7に記載の医薬組成物。
項9:滑沢剤が、ステアリン酸カルシウム、モノステアリン酸グリセリン、フマル酸ステアリルナトリウム、パルミトステアリン酸グリセリル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸、タルク、カルナウバロウ、L−ロイシンおよびポリエチレングリコールからなる群から選択される、項2〜項8のいずれか一項に記載の医薬組成物。
項10:滑沢剤が、ステアリン酸マグネシウムである、項9に記載の医薬組成物。
項11:賦形剤の含量が10w/w%〜50w/w%である、項1〜項10のいずれか一項に記載の医薬組成物。
項12:崩壊剤の含量が1w/w%〜20w/w%である、項2〜項11のいずれか一項に記載の医薬組成物。
項13:滑沢剤の含量が0.01w/w%〜5w/w%である、項2〜項12のいずれか一項に記載の医薬組成物。
項14:イルベサルタンの含量が、20w/w%〜80w/w%である、項1〜項13のいずれか一項に記載の医薬組成物。
項15:アムロジピンまたはその塩の含量が、アムロジピンに換算して0.5w/w%〜20w/w%である、項1〜項14のいずれか一項に記載の医薬組成物。
項16:結合剤の含量が、0.01w/w%〜10w/w%である、項1〜項15のいずれか一項に記載の医薬組成物。
項17:結合剤が、イルベサルタンの含量に対して、0.01w/w%以上〜10w/w%以下である、項1〜項16のいずれか一項に記載の医薬組成物。
項18:下記素錠(A)およびフィルムコーティング層(B)を含む、項1〜項17のいずれか一項に記載の医薬組成物:
イルベサルタン、アムロジピンまたはその塩、D-マンニトール、結晶セルロース、乳糖、リン酸水素カルシウムおよびトウモロコシデンプンから選択される少なくとも1種以上である賦形剤、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、アルファ化澱粉およびコポリビドンから選択される結合剤、崩壊剤、および滑沢剤を含有する素錠(A)、並びにコーティング剤、可塑剤、および着色剤を含有するフィルムコーティング層(B)。
項19:コーティング剤が、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコールおよびメタクリル酸コポリマーからなる群から選択される、項18に記載の医薬組成物。
項20:コーティング剤が、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである、項19に記載の医薬組成物。
項21:可塑剤が、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビタンモノラウレート、トリアセチン、モノステアリン、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、ポリエチレングリコール、ポロキサマー、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、およびポリソルベートからなる群から選択される、項18〜項20のいずれか一項に記載の医薬組成物。
項22:可塑剤が、プロピレングリコールである、項21に記載の医薬組成物。
項23:着色剤が、酸化チタン、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄、黒酸化鉄、タルク、ベータカロチンおよびリボフラビンからなる群から選択される、項18〜項22のいずれか一項に記載の医薬組成物。
項24:着色剤が、酸化チタン、黄色三二酸化鉄および三二酸化鉄からなる群から選択される、項23に記載の医薬組成物。
項25:イルベサルタンを含有する混合物を湿式造粒して得られる顆粒と、アムロジピンまたはその塩を混合する工程を含んで製造されることを特徴とする、項1〜項24のいずれか一項に記載の医薬組成物。
項26:アムロジピンまたはその塩が、アムロジピンベシル酸塩である、項1〜項25のいずれか一項に記載の医薬組成物。
本発明の医薬組成物(以下、本発明組成物と称する。)は、賦形剤としてD-マンニトール、結晶セルロース、乳糖、リン酸水素カルシウムおよびトウモロコシデンプンから選択される少なくとも1種以上を用い、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、アルファ化澱粉およびコポリビドンから選択される結合剤を含有することにより、イルベサルタン及びアムロジピンが実質的に分離していない状態において、イルベサルタン及びアムロジピンの配合変化および色相変化を誘発しない安定な医薬品組成物である。
試験例1における50℃/85%RH、2週間の条件下における各賦形剤とイルベサルタンまたはアムロジピンベシル酸塩を用いた保存試験の結果である。縦軸はイルベサルタンまたはアムロジピン由来の個々の類縁物質のうち最大ピークの類縁物質の面積百分率(%)、横軸は賦形剤の種類を示す。 試験例2における50℃/85%RH、2週間の条件下における各賦形剤とイルベサルタンまたはアムロジピンベシル酸塩を用いた保存試験の結果である。縦軸はイルベサルタンまたはアムロジピン由来の個々の類縁物質のうち最大ピークの類縁物質の面積百分率(%)、横軸は賦形剤の種類を示す。 試験例3における40℃/75%RH、6箇月間の条件下における実施例1〜3の製剤を用いた安定性試験の結果である。縦軸はイルベサルタンまたはアムロジピン由来の個々の類縁物質のうち最大ピークの類縁物質の面積百分率(%)、横軸は保存期間(月数)を示す。図3において、ヒシガタは実施例1、シカクは実施例2、サンカクは実施例3の製剤を示す。 試験例3における50℃/85%RH、4週間の条件下における実施例1〜3の製剤を用いた安定性試験の結果である。縦軸はイルベサルタンまたはアムロジピン由来の個々の類縁物質のうち最大ピークの類縁物質の面積百分率(%)、横軸は保存期間(週数)を示す。図4において、ヒシガタは実施例1、シカクは実施例2、サンカクは実施例3の製剤を示す。 試験例4における50℃/85%RH、4週間の条件下における実施例4〜6の製剤を用いた安定性試験の結果である。縦軸はイルベサルタンまたはアムロジピン由来の個々の類縁物質のうち最大ピークの類縁物質の面積百分率(%)、横軸は保存期間(週数)を示す。図5において、ヒシガタは実施例4、シカクは実施例5、サンカクは実施例6の製剤を示す。
以下、本発明につき、更に詳しく説明する。
「本発明組成物」は、イルベサルタンとアムロジピンまたはその塩を含有する形態であればいずれでもよい。「医薬組成物」としては、例えば、素錠、チュアブル錠、フィルムコーティング錠などの錠剤などが挙げられる。項2に記載の医薬組成物としては、素錠(以下、本発明の素錠と称することもある。)が好ましく、項18に記載の医薬組成物としては、フィルムコーティング錠(以下、本発明のフィルムコーティング錠と称することもある。)が好ましい。
本発明における有効成分である「イルベサルタン」としては、取扱い性または溶出性の改善等、必要に応じて解砕物または粉砕物を用いてもよい。また、苦味マスキング、溶出制御、安定化等の目的でその表面の一部または全部をコーティング剤等で被覆しても良い。「イルベサルタン」は、その塩の形態であってもよい。その塩は、イルベサルタンと製薬上許容し得る塩を形成する酸または塩基との塩が挙げられる。酸との塩としては、ピクリン酸塩、シュウ酸塩、または工学的に活性な酸塩、例えばマンデル酸塩、またはシュウノウスルホン酸塩のような鉱酸または有機酸との塩、塩酸、塩臭化水素酸塩、硫酸塩、硫酸水素酸塩、リン酸二水素酸塩、メタンスルホン酸塩、メチル硫酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩などが挙げられる。塩基との塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、およびマグネシウム塩のようなアルカリまたはアルカリ土類金属塩、またはトロメタモールのような第3級アミンとの塩、あるいはアルギニン、リシン、または任意の生理的に許容し得る塩などが挙げられる。
本発明の医薬組成物に用いられるイルベサルタンの含量は、「本発明の素錠」の全量に対して、通常80w/w%以下であり、好ましくは70w/w%以下が挙げられる。含量の下限は特に限定されないが、通常20w/w%以上である。更に好ましくは50w/w%以上65w/w%以下が挙げられる。
本発明における有効成分である「アムロジピン」としては、取扱い性または溶出性の改善等、必要に応じて解砕物または粉砕物を用いてもよい。また、苦味マスキング、溶出制御、安定化等の目的でその表面の一部または全部をコーティング剤等で被覆しても良い。
「アムロジピンまたはその塩」における塩としては、マレイン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩(ベシル酸塩)、またはメシル酸塩などが挙げられる。好ましくは、ベンゼンスルホン酸塩(ベシル酸塩)である。
本発明の医薬組成物に用いられるアムロジピンまたはその塩の含量は、「本発明の素錠」の全量に対して、アムロジピンに換算して、通常20w/w%以下であり、好ましくは15w/w%以下が挙げられる。含量の下限は特に限定されないが、通常0.5w/w%以上である。更に好ましくは1w/w%以上10w/w%以下が挙げられる。
本発明における「イルベサルタンとアムロジピンまたはその塩が実質的に分離していない形態(状態)」とは、イルベサルタンとアムロジピンまたはその塩が物理的に分離していない状態である。例えば、イルベサルタンを含む顆粒とアムロジピンまたはその塩を直接混合して得られる形態(アムロジピンまたはその塩は顆粒化されていない形態で混合されている)などが挙げられる。従って、イルベサルタンを含有する顆粒とアムロジピンまたはその塩を含有する顆粒を混合して得られる形態、イルベサルタンを含有する層とアムロジピンまたはその塩を含有する層を別々に有する形態は、本発明における医薬組成物に含まれない。
本発明に用いる「賦形剤」は、D−マンニトール、結晶セルロース、乳糖、リン酸水素カルシウムおよびトウモロコシデンプンから選択される少なくとも1種以上の賦形剤等である。2種以上を用いるのが好ましく、とりわけ、D-マンニトールおよび結晶セルロースを用いた場合が、イルベサルタンおよびアムロジピンまたはその塩の配合変化を誘発せずに、更に流動性にも優れているので製剤の安定性及び製造しやすさの観点からも最適である。本発明組成物に用いる賦形剤の含量は特に限定されないが、「本発明の素錠」の全量に対して、通常10w/w%〜50w/w%が挙げられ、好ましくは20w/w%〜40w/w%が挙げられる。より好ましくは、20w/w%〜35w/w%である。
本発明に用いる「結合剤」は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、アルファ化澱粉およびコポリビドンから選択される結合剤である。好ましくは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、メチルセルロースおよびアルファ化澱粉から選択される結合剤である。本発明組成物に用いる上記結合剤は、イルベサルタンおよびアムロジピンまたはその塩を含有する医薬組成物の安定化に寄与する。「結合剤」の本発明組成物中含量は特に限定されないが、「本発明の素錠」の全量に対して、10w/w%以下が挙げられる。好ましくは5w/w%以下が挙げられ、より好ましくは3w/w%以下が挙げられる。また、0.01w/w%以上、好ましくは0.05w/w%以上が挙げられる。より好ましくは0.01w/w%〜3w/w%が挙げられ、更に好ましくは0.05w/w%〜3w/w%が挙げられる。
結合剤とイルベサルタンの本発明組成物中比率は特に限定されないが、結合剤はイルベサルタン量に対して、10w/w%以下が挙げられる。好ましくは8w/w%以下が挙げられ、より好ましくは5w/w%以下が挙げられる。また、0.01w/w%以上、好ましくは0.05w/w%以上が挙げられる。より好ましくは0.01w/w%〜5w/w%が挙げられ、更に好ましくは0.05w/w%〜5w/w%が挙げられる。
本発明に用いる「崩壊剤」は、クロスカルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスポビドン、コーンスターチ、カルメロースおよび低置換度ヒドロキシプロピルセルロースからなる群から選択される同種または異種の少なくとも1種が挙げられる。好ましくは、クロスカルメロースナトリウムである。
崩壊剤の本発明組成物に用いられる含量は特に限定されないが、「本発明の素錠」の全量に対して、通常1〜20w/w%が挙げられ、好ましくは1w/w%〜15w/w%が挙げられる。より好ましくは、3w/w%〜10w/w%である。崩壊剤を2種以上使用する場合の崩壊剤全量も上記と同量である。
本発明に用いる「滑沢剤」は、ステアリン酸カルシウム、モノステアリン酸グリセリン、パルミトステアリン酸グリセリル、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸、タルク、カルナウバロウ、L−ロイシンおよびポリエチレングリコールからなる群から選択される1種が挙げられる。好ましくは、ステアリン酸マグネシウムである。
滑沢剤の本発明組成物に用いられる含量は特に限定されないが、「本発明の素錠」の全量に対して、通常0.01w/w%〜5w/w%が挙げられ、好ましくは0.01w/w%〜4w/w%が挙げられる。滑沢剤を2種以上使用する場合の滑沢剤全量の本発明組成物中含量も上記と同量である。
「本発明の素錠」は、必要に応じて、コーティングしてもよい。コーティング層には、コーティング剤、可塑剤、および着色剤を含有する。
本発明に用いる「コーティング剤」としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メタクリル酸コポリマー等が挙げられる。好ましくは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
「コーティング剤」の本発明のフィルムコーティング錠に用いる含量は、本発明のフィルムコーティング層の全量に対して、通常30w/w%〜90w/w%が挙げられる。好ましくは、50w/w%〜70w/w%である。
本発明に用いる「可塑剤」としては、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビタンモノラウレート、トリアセチン、モノステアリン、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、ポリエチレングリコール、ポロキサマー、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリソルベート等が挙げられる。好ましくは、プロピレングリコールである。
「可塑剤」の本発明のフィルムコーティング錠に用いる含量は、本発明のフィルムコーティング層の全量に対して、通常1w/w%〜50w/w%が挙げられる。好ましくは、5w/w%〜30w/w%である。
本発明において、イルベサルタン、アムロジピンまたはその塩、賦形剤、結合剤、崩壊剤、および滑沢剤の含量は、特に断らない限り、本発明の素錠の全量に対するw/w%で表す。
本発明に用いる「着色剤」としては、酸化チタン、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄、黒酸化鉄、タルク、ベータカロチン、リボフラビン等が挙げられる。好ましくは、無機顔料である酸化チタン、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄からなる群から少なくとも1種が選ばれる。
「着色剤」の本発明のフィルムコーティング錠に用いる含量は、「本発明のフィルムコーティング層」の全量に対して、通常0.01w/w%〜50w/w%が挙げられる。好ましくは、0.05w/w%〜30w/w%である。
本発明組成物は、本発明の効果に影響を与えない範囲であれば、上記以外の製剤分野において通常使用される無毒性かつ不活性な添加剤を添加することもできる。使用する添加剤としては、医薬的に許容されるものであればよく、例えば、界面活性剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム等のイオン性界面活性剤、ポリソルベート類、ショ糖脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油およびポロクサマー類(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール)等の非イオン性界面活性剤等)、甘味剤もしくは矯味剤(例えば、アスパルテーム、サッカリン、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二カリウム、ステビア、タウマチン、スクラロース、アセスルファムK、ネオテーム等)、着香剤もしくは香料(例えば、レモン、オレンジ、グレープフルーツ等の柑橘系香料、ペパーミント、スペアミント、メントール、パイン、チェリー、フルーツ、ヨーグルト、コーヒー等)、安定化剤等が挙げられる。
本発明組成物は、イルベサルタン、アムロジピンまたはその塩の配合変化を誘発しない、すなわち、所定の条件下であってもこれらの類縁物質が生じることの少ない安定化された医薬品組成物である。すなわち、本発明における「安定化された医薬組成物」は、イルベサルタン及びアムロジピンまたはその塩の配合変化などが軽減されており、具体的には後述する保存試験又は安定化試験で数週間から数ヶ月間経過してもイルベサルタン及びアムロジピンまたはその塩が安定である。
本発明組成物は、良好な製造性を有する。具体的には素錠の錠剤硬度が通常40N以上、好ましくは50N以上であり、取り扱い性やフィルムコーティング性に優れている。
本発明組成物の製剤化は、製剤分野において自体公知の方法により行なえばよい。
本発明において錠剤の製造方法は特に限定されないが、たとえば以下の方法により製造することが出来る。
イルベサルタンおよび添加剤[賦形剤(D−マンニトールおよび結晶セルロース)および崩壊剤(クロスカルメロースナトリウム)等]を混合し、得られた混合物を、結合剤を含む水溶液で造粒し、乾燥する。得られたイルベサルタンを含む造粒物に、アムロジピンまたはその塩および添加剤[崩壊剤(クロスカルメロースナトリウム等)]を混合し、得られた混合物に添加物[滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム等)]を混合して、圧縮成形することで素錠を得ることができる。また、上記のイルベサルタンを含む造粒物に、アムロジピンまたはその塩を含有する造粒物および添加剤[崩壊剤(クロスカルメロースナトリウム等)]を混合し、得られた混合物に添加物[滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム等)]を混合して、圧縮成型することで素錠を得ることもできる。イルベサルタン及びアムロジピンまたはその塩を含有する得られた素錠は、苦味マスキング、溶出制御、安定化等の目的でその表面の一部または全部を水溶性高分子等の結合剤またはコーティング剤で被覆して用いても良い。
造粒方法としては、湿式造粒が好ましい。湿式造粒法としては、流動層造粒法、撹拌造粒法、押出し造粒法、練合造粒法、噴霧造粒法等が挙げられる。中でも、撹拌造粒法、練合造粒法が好ましい。使用する各成分が凝集性であったり、結晶や造粒物が大きなものである等、薬効成分の含量均一性を阻害する可能性がある場合は、各成分を混合前または混合後に粉砕等の手法を利用して、含量均一性を確保できる粒子径に整えることが望ましい。
錠剤の成形方法については、特に限定されないが、商業的に製造する場合はロータリー式打錠機または単発打錠機を用いた圧縮成形法が用いられる。
なお、本発明の錠剤は、外部滑沢法を用いなくとも圧縮成型が可能であるが、勿論、外部滑沢法を用いても成型可能である。この場合には、滑沢剤を除く成分を混合した後、滑沢剤を杵臼に噴霧しながら打錠を行うか、あるいは、滑沢剤の一部をあらかじめ混合した後、残りの滑沢剤を杵臼に噴霧しながら打錠を行う。
圧縮成形力は、錠剤に十分な強度を与える程度であれば特に限定されないが、約1kN以上の圧縮力が好ましい。本発明で得られる錠剤の形状は、特に限定されず、円形錠、円形R錠、円形隅角錠、円形2段R錠や各種異形錠等いずれの形状でもよく、また分割錠としても良い。
フィルムコーティングの方法については、特に限定されないが、商業的に製造する場合はフィルムコーティング機を用いたコーティング法が用いられる。
本発明のイルベサルタンとアムロジピンまたはその塩を含有する医薬組成物は、ヒト等の哺乳類に対して、安全に経口投与することができる。
投与量は、年齢、体重、疾患の重症度等によって適宜選択し得るが、例えば、成人に対して、1日当たり、イルベサルタンとして50〜300mg、アムロジピンとして2.5〜10mgを投与する。
以下、実施例及び試験例をあげて本発明を更に詳しく説明するが、本発明を限定するものではない。実施例、比較例中イルベサルタンはサノフィ社製の「イルベサルタン」を使用した。D−マンニトールは協和発酵株式会社製の「D−マンニトール」を使用した。結晶セルロースは旭化成ケミカルズ株式会社製の「セオラスPH−101」を使用した。クロスカルメロースナトリウムはFMC社製の「Ac−Di−Sol」を使用した。ポリビニルアルコールは日本合成化学工業株式会社製の「ゴーセノールEG−05」を使用した。アムロジピンベシル酸塩は大日本住友製薬株式会社製の「アムロジピンベシル酸塩」を使用した。ステアリン酸マグネシウムは太平化学産業株式会社製の「ステアリン酸マグネシウム植物性」を使用した。ヒドロキシプロピルセルロースは日本曹達株式会社製の「HPC L」を使用した。ヒドロキシプロピルメチルセルロースは信越化学株式会社製の「TC−5R」を使用した。酸化チタンは東邦チタニウム株式会社製「酸化チタンNA61」を使用した。黄色三二酸化鉄は癸巳化成株式会社製「黄色三二酸化鉄S」を使用した。プロピレングリコールは株式会社アデカ製「局方プロピレングリコール」を使用した。沈降炭酸カルシウムは備北粉化工業株式会社製「沈降炭酸カルシウム」を使用した。乳糖はDMV社製「Pharmatose200M」を使用した。リン酸水素カルシウムは富田製薬株式会社製「リン酸水素カルシウム」を使用した。トウモロコシデンプンは日本食品加工株式会社製「日食局方コーンスターチXX16」を使用した。メチルセルロースは信越化学株式会社製「メトローズSM−25」を使用した。アルファ化澱粉は日澱化学株式会社製「アミコールC」を使用した。ポリビニルピロリドンK30は「PVP K−30」を使用した。コポリビドンはBASFジャパン株式会社製「Kollidon VA−64」を使用した。
[実施例1]
下記処方に従い、イルベサルタン、D−マンニトール、結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウムを高速攪拌造粒機(FM−VG−05、株式会社パウレック製)に仕込み、混合した後、ヒドロキシプロピルメチルセルロース水溶液を添加して造粒した。造粒物を流動層乾燥機(FL−LABO型、フロイント産業株式会社製)で乾燥し、整粒機(フィオーレF−0型、株式会社徳寿工作所製)で整粒した。得られた造粒物に、アムロジピンベシル酸塩、クロスカルメロースナトリウムを加えポリ袋内で混合後、さらにステアリン酸マグネシウムを加え混合し、ロータリー式打錠機(VELA−2、株式会社菊水製作所製)を用いて、直径8.5mm、2段R型の円形錠用金型にて、錠剤硬度が約80Nとなるよう成型し、錠剤を得た。
Figure 2019151657
[実施例2]
下記処方に従い、イルベサルタン、D−マンニトール、結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウムを高速攪拌造粒機(FM−VG−05、株式会社パウレック製)に仕込み、混合した後、ヒドロキシプロピルセルロース水溶液を添加して造粒した。造粒物を流動層乾燥機(FLO−LABO型、フロイント産業株式会社製)で乾燥し、整粒機(フィオーレF−0型、株式会社徳寿工作所製)で整粒した。得られた造粒物に、アムロジピンベシル酸塩、クロスカルメロースナトリウムを加えポリ袋内で混合後、さらにステアリン酸マグネシウムを加え混合し、ロータリー式打錠機(VELA−2、株式会社菊水製作所製)を用いて、直径8.5mm、2段R型の円形錠用金型にて、錠剤硬度が約80Nとなるよう成型し、錠剤を得た。
Figure 2019151657
[実施例3]
下記処方に従い、イルベサルタン、D−マンニトール、結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウムを高速攪拌造粒機(FM−VG−05、株式会社パウレック製)に仕込み、混合した後、ポリビニルアルコール水溶液を添加して造粒した。造粒物を流動層乾燥機(FLF−LABO型、フロイント産業株式会社製)で乾燥し、整粒機(フィオーレF−0型、株式会社徳寿工作所製)で整粒した。得られた造粒物に、アムロジピンベシル酸塩、クロスカルメロースナトリウムを加えポリ袋内で混合後、さらにステアリン酸マグネシウムを加え混合し、ロータリー式打錠機(VELA−2、株式会社菊水製作所製)を用いて、直径8.5mm、2段R型の円形錠用金型にて、錠剤硬度が約80Nとなるよう成型し、錠剤を得た。
Figure 2019151657
[実施例4]
下記処方に従い、イルベサルタン、リン酸水素カルシウム、結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウムを高速攪拌造粒機(FM−VG−05、株式会社パウレック製)に仕込み、混合した後、ヒドロキシプロピルメチルセルロース水溶液を添加して造粒した。
造粒物を流動層乾燥機(FL−LABO型、フロイント産業株式会社製)で乾燥し、整粒機(フィオーレF−0型、株式会社徳寿工作所製)で整粒した。得られた造粒物に、アムロジピンベシル酸塩、クロスカルメロースナトリウムを加えポリ袋内で混合後、さらにステアリン酸マグネシウムを加え混合し、ロータリー式打錠機(VELA−2、株式会社菊水製作所製)を用いて、直径8.5mm、2段R型の円形錠用金型にて、錠剤硬度が約80Nとなるよう成型し、錠剤を得た。
Figure 2019151657
[実施例5]
下記処方に従い、イルベサルタン、リン酸水素カルシウム、結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウムを高速攪拌造粒機(FM−VG−05、株式会社パウレック製)に仕込み、混合した後、ヒドロキシプロピルセルロース水溶液を添加して造粒した。造粒物を流動層乾燥機(FLO−LABO型、フロイント産業株式会社製)で乾燥し、整粒機(フィオーレF−0型、株式会社徳寿工作所製)で整粒した。得られた造粒物に、アムロジピンベシル酸塩、クロスカルメロースナトリウムを加えポリ袋内で混合後、さらにステアリン酸マグネシウムを加え混合し、ロータリー式打錠機(VELA−2、株式会社菊水製作所製)を用いて、直径8.5mm、2段R型の円形錠用金型にて、錠剤硬度が約80Nとなるよう成型し、錠剤を得た。
Figure 2019151657
[実施例6]
下記処方に従い、イルベサルタン、リン酸水素カルシウム、結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウムを高速攪拌造粒機(FM−VG−05、株式会社パウレック製)に仕込み、混合した後、ポリビニルアルコール水溶液を添加して造粒した。造粒物を流動層乾燥機(FLF−LABO型、フロイント産業株式会社製)で乾燥し、整粒機(フィオーレF−0型、株式会社徳寿工作所製)で整粒した。得られた造粒物に、アムロジピンベシル酸塩、クロスカルメロースナトリウムを加えポリ袋内で混合後、さらにステアリン酸マグネシウムを加え混合し、ロータリー式打錠機(VELA−2、株式会社菊水製作所製)を用いて、直径8.5mm、2段R型の円形錠用金型にて、錠剤硬度が約80Nとなるよう成型し、錠剤を得た。
Figure 2019151657
[実施例7]
下記処方に従い、イルベサルタン、D−マンニトール、結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウムを高速攪拌造粒機(FM−VG−25、株式会社パウレック製)に仕込み、混合した後、ポリビニルアルコール水溶液を添加して造粒した。造粒物を流動層乾燥機(FLF−30型、フロイント産業株式会社製)で乾燥し、整粒機(フィオーレF−0型、株式会社徳寿工作所製)で整粒した。得られた造粒物に、アムロジピンベシル酸塩、クロスカルメロースナトリウムを加えV型混合機(S−3型、筒井理化学機器株式会社製)で混合後、さらにステアリン酸マグネシウムを加え混合し、ロータリー式打錠機(HT−AP18SS−II、株式会社畑鉄工所製)を用いて、直径8mm、曲率半径12mmの円形錠用金型にて、約7kNの圧縮力で成型し、錠剤を得た。得られた錠剤をフイルムコーティング機(ハイコーターHCT−30型、フロイント産業株式会社製)に投入し、酸化チタン、黄色三二酸化鉄を分散させプロピレングリコールを加えたヒドロキシプロピルセルロース水溶液でフィルムコーティングを行い、フィルムコーティング錠を得た。
Figure 2019151657
[試験例1]
各種賦形剤におけるイルベサルタン及びアムロジピンまたはその塩の配合変化試験を行った。即ち、各賦形剤とイルベサルタンもしくはアムロジピンベシル酸塩の粉砕品を19:1の比で加え、乳鉢で混合して20倍散とした後ガラス瓶に入れ、密栓後50℃/85%RH、2週間の保存試験を行った。保存した各サンプルについて類縁物質の生成量および色相変化を評価した。類縁物質の生成量は、高速液体クロマトグラフ法(面積百分率)で測定した。試料の調製は、上記ガラス容器に試料溶解溶液(メタノール/0.01mol/Lギ酸アンモニウム緩衝液(pH3.0)混液(4:1))を加えタッチミキサーで混合し、超音波を5分照射して再度タッチミキサーで混合した後、遠心分離した上澄みに試料溶解溶液を加えることによって行った。使用したカラムはWaters社製SunFire C18(3.5μm、4.6mm×100mm)であり、移動相はA液に0.01mol/Lギ酸アンモニウム緩衝液(pH3.0)、B液にメタノールを用い、B液が40分間で5%→100%となるようグラジェントを行った。測定波長は240nmであった。なお、類縁物質の評価は、安定性を正確に評価するため、イルベサルタンまたはアムロジピン由来の個々の類縁物質のうち、最大ピークの類縁物質の面積百分率を評価した。また、色相変化は目視によって行った。その結果、表8および図1に示したとおりD-マンニトールを用いた場合がイルベサルタンおよびアムロジピンまたはその塩の双方共に最も安定であった。一方、賦形剤としてD-マンニトールのみでは流動性が劣り、製造工程で製造面に課題が残るため、類縁物質の生成量、色相変化及び流動性の観点からD-マンニトールに配合する賦形剤として結晶セルロースが最適であった。
Figure 2019151657
[試験例2]
各種結合剤におけるイルベサルタン及びアムロジピンまたはその塩の配合変化試験を行った。即ち、D−マンニトールとイルベサルタンもしくはアムロジピンベシル酸塩の粉砕品を19:1の比で加え乳鉢で混合して20倍散とし、これに10%の結合剤水溶液を10:1の割合で添加し乳棒を用いて混合する。これを50℃の乾燥機内で3時間乾燥させた後ガラス瓶に入れ、密栓後50℃/85%RH、2週間の保存試験を行った。保存した各サンプルについて類縁物質の生成量および色相変化を評価した。評価方法は試験例1と同じ方法で行った。その結果、表9および図2に示したとおりヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、アルファ化デンプンおよびコポリビドンを用いた場合は、イルベサルタンおよびアムロジピンまたはその塩の双方共に安定であった。一方、ポリビニルピロリドンは、アムロジピンにおいて類縁物質の生成を誘発した。
Figure 2019151657
[試験例3]
実施例1〜3の製剤についてガラス瓶に入れ、開栓状態で40℃/75%RH、6箇月間および50℃/85%RH、4週間の安定性試験を行った。保存した各サンプルについて類縁物質の生成量を評価した。類縁物質の生成量は、高速液体クロマトグラフ法(面積百分率)で測定した。試料の調製は、錠剤2個に0.01mol/Lギ酸アンモニウム緩衝液(pH3.0)約10mLを加え15分間振とう後、メタノールを約25mL加えて5分間の超音波照射および15分間の振とうを行い、メタノールを加え正確に50mLとした液を遠心分離した上澄みを試料溶液とすることによって行った。使用したカラムはWaters社製SunFire C18(3.5μm、4.6mm×100mm)であり、移動相はA液に0.01mol/Lギ酸アンモニウム緩衝液(pH3.0)、B液にメタノールを用い、B液が40分間で5%→100%となるようグラジェントを行った。測定波長は240nmであった。なお、類縁物質の評価は、安定性を正確に評価するため、イルベサルタンまたはアムロジピン由来の個々の類縁物質のうち、最大ピークの類縁物質の面積百分率を評価した。その結果、表10及び図3、図4に示したとおりいずれの製剤も、イルベサルタンおよびアムロジピン由来の類縁物質の生成が少なく、安定な製剤であった。
Figure 2019151657
[試験例4]
実施例4〜6の製剤についてガラス瓶に入れ、開栓状態で50℃/85%RH、4週間の安定性試験を行った。保存した各サンプルについて類縁物質の生成量を評価した。類縁物質の評価は、試験例3と同じ方法で評価した。その結果、表11及び図5に示したようにいずれの製剤も、イルベサルタンおよびアムロジピン由来の類縁物質の生成が少なく、安定な製剤であった。
Figure 2019151657
本発明によって、イルベサルタンおよびアムロジピンの配合変化及び色相変化を誘発することなく、これらの類縁物質が生じにくい長期保存可能な安定な製剤を提供することが可能になる。

Claims (1)

  1. イルベサルタン、アムロジピンまたはその塩、D-マンニトール、結晶セルロース、乳糖、リン酸水素カルシウムおよびトウモロコシデンプンから選択される少なくとも1種以上である賦形剤、及びヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、アルファ化澱粉およびコポリビドンから選択される結合剤を含有する安定化された医薬組成物。
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